JPWO2007148781A1 - 保護剤 - Google Patents
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Abstract
Description
ヘミアセタールエステルおよびアセタールは、通常、アルキルビニルエーテルまたはアルキルビニルエーテルにハロゲン化水素を付加させたハロゲン化アルキルエーテルを保護剤とし、カルボキシル基またはヒドロキシル基を有する化合物等を反応させることにより製造される。
[1]一般式(I)
[2]一般式(I)
[3]ヒドロキシル基を有する化合物を、一般式(I)
[4]カルボキシル基を有する化合物を、一般式(I)
[5]ヒドロキシル基を有する化合物を、一般式(I)
[6]ヒドロキシル基を有する化合物を、一般式(II)
[7]カルボキシル基を有する化合物を、一般式(I)
[8]カルボキシル基を有する化合物を、一般式(II)
[9]一般式(V)
[10]一般式(VI)
[11]一般式(VII)
[12]重量平均分子量1,000−100,000である一般式(III)で表される基を有する化合物または一般式(IV)で表される基を有する化合物と、光酸発生剤を含有する化学増幅型レジスト組成物。
[13] [9]記載のポリヒドロキシスチレン誘導体と光酸発生剤を含有する化学増幅型レジスト組成物。
[14][10]記載のノボラック樹脂誘導体と光酸発生剤を含有する化学増幅型レジスト組成物。
[15][11]記載のポリアクリル樹脂誘導体またはポリメタクリル樹脂誘導体と光酸発生剤を含有する化学増幅型レジスト組成物。
アリールとしては、例えば、炭素数6−14のものがあげられ、その具体例としては、フェニル、ナフチル等があげられる。
R1とR2が隣接する炭素原子と一緒になって形成する脂環式炭化水素環としては、例えば、炭素数3−8のものがあげられ、飽和または不飽和のものであってもよく、その具体例としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロペンテン環、1,3−シクロペンタジエン環、シクロヘキセン環、シクロヘキサジエン環等があげられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子があげられ、中でも、塩素原子が好ましい。
置換アルキルおよび置換アルコキシにおける置換基としては、例えば、アルコキシ、アルカノイル、シアノ、ニトロ、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル等があげられる。置換アリール、置換アラルキル、R1とR2が隣接する炭素原子と一緒になって形成する置換脂環式炭化水素環および置換脂環式炭化水素基における置換基としては、例えば、アルキル、アルコキシ、アルカノイル、シアノ、ニトロ、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル等があげられる。置換基の定義において、アルキル、アルコキシおよびアルコキシカルボニルのアルキル部分としては、前記アルキルで例示したものと同様のものがあげられる。ハロゲン原子としては、前記ハロゲン原子で例示したものと同様のものがあげられる。アルカノイルとしては、例えば、直鎖または分枝状の炭素数2−7のものがあげられ、その具体例としては、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル等があげられる。
また、一般式(V)で表される繰り返し単位を含み、重量平均分子量が1,000〜100,000である重合体を化合物(V)と表し、一般式(VI)で表される繰り返し単位を含み、重量平均分子量が1,000〜100,000である重合体を化合物(VI)と表し、一般式(VII)で表される繰り返し単位を含み、重量平均分子量が1,000〜100,000である重合体を化合物(VII)と表すこともある。
前記[10]記載のノボラック樹脂誘導体においては、化合物(VI)のヒドロキシル基全体の、好ましくは0.2〜90%、より好ましくは10〜60%が一般式(III)で表される基で置換されている。
本明細書において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸およびメタクリル酸を表し、他の(メタ)アクリル酸誘導体についても同様に表現する。
化合物(I)は、市販のものを購入するか、または公知の方法[例えば、日本化学会編「実験化学講座(第20巻)有機合成II アルコール・アミン」、第4版、207−208頁、丸善株式会社(平成4年7月6日)等]により合成し、入手することができる。
化合物(I)の具体例としては、例えば、1−シクロプロピルオキシ−2−メチルプロペン、1−シクロプロピルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−シクロプロピルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−シクロブチルオキシ−2−メチルプロペン、1−シクロブチルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−シクロブチルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−シクロペンチルオキシ−2−メチルプロペン、1−シクロペンチルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−シクロペンチルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロペン、1−シクロヘキシルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−シクロヘキシルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−シクロヘプチルオキシ−2−メチルプロペン、1−シクロヘプチルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−シクロヘプチルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−シクロオクチルオキシ−2−メチルプロペン、1−シクロオクチルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−シクロオクチルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−シクロデカニルオキシ−2−メチルプロペン、1−シクロデカニルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−シクロデカニルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−シクロドデカニルオキシ−2−メチルプロペン、1−シクロドデカニルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−シクロドデカニルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−アダマンチルオキシ−2−メチルプロペン、1−アダマンチルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−アダマンチルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−トリシクロデカニルオキシ−2−メチルプロペン、1−トリシクロデカニルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−トリシクロデカニルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−テトラシクロデカニルオキシ−2−メチルプロペン、1−テトラシクロデカニルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−テトラシクロデカニルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−ボルニルオキシ−2−メチルプロペン、1−ボルニルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−ボルニルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−ノルボルニルオキシ−2−メチルプロペン、1−ノルボルニルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−ノルボルニルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−イソノルボルニルオキシ−2−メチルプロペン、1−イソノルボルニルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−イソノルボルニルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−スピロヘプチルオキシ−2−メチルプロペン、1−スピロヘプチルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−スピロヘプチルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−スピロオクチルオキシ−2−メチルプロペン、1−スピロオクチルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−スピロオクチルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−メンチルオキシ−2−メチルプロペン、1−メンチルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−メンチルオキシ−2−エチル−1−ブテン等があげられるが、中でも1−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロペンが好ましく使用される。
<化合物(II)>
化合物(II)は、例えば、化合物(I)とハロゲン化水素とを反応させることにより製造することができる。
ハロゲン化水素としては、ガス状のもの、特に塩化水素ガスが好ましく用いられる。ハロゲン化水素の使用量は、化合物(I)1モルに対して、1モル以上であるのが好ましい。
化合物(II)の具体例としては、例えば、1−クロロ−1−シクロプロピルオキシ−2−メチルプロパン、1−クロロ−1−シクロプロピルオキシ−2−メチルブタン、1−クロロ−1−シクロプロピルオキシ−2−エチルブタン、1−クロロ−1−シクロブチルオキシ−2−メチルプロパン、1−クロロ−1−シクロブチルオキシ−2−メチルブタン、1−クロロ−1−シクロブチルオキシ−2−エチルブタン、1−クロロ−1−シクロペンチルオキシ−2−メチルプロパン、1−クロロ−1−シクロペンチルオキシ−2−メチルブタン、1−クロロ−1−シクロペンチルオキシ−2−エチルブタン、1−クロロ−1−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロパン、1−クロロ−1−シクロヘキシルオキシ−2−メチルブタン、1−クロロ−1−シクロヘキシルオキシ−2−エチルブタン、1−クロロ−1−シクロヘプチルオキシ−2−メチルプロパン、1−クロロ−1−シクロヘプチルオキシ−2−メチルブタン、1−クロロ−1−シクロヘプチルオキシ−2−エチルブタン、1−クロロ−1−シクロオクチルオキシ−2−メチルプロパン、1−クロロ−1−シクロオクチルオキシ−2−メチルブタン、1−クロロ−1−シクロオクチルオキシ−2−エチルブタン、1−クロロ−1−シクロデカニルオキシ−2−メチルプロパン、1−クロロ−1−シクロデカニルオキシ−2−メチルブタン、1−クロロ−1−シクロデカニルオキシ−2−エチルブタン、1−クロロ−1−シクロドデカニルオキシ−2−メチルプロパン、1−クロロ−1−シクロドデカニルオキシ−2−メチルブタン、1−クロロ−1−シクロドデカニルオキシ−2−エチルブタン、1−クロロ−1−アダマンチルオキシ−2−メチルプロパン、1−クロロ−1−アダマンチルオキシ−2−メチルブタン、1−クロロ−1−アダマンチルオキシ−2−エチルブタン、1−クロロ−1−トリシクロデカニルオキシ−2−メチルプロパン、1−クロロ−1−トリシクロデカニルオキシ−2−メチルブタン、1−クロロ−1−トリシクロデカニルオキシ−2−エチルブタン、1−クロロ−1−テトラシクロデカニルオキシ−2−メチルプロパン、1−クロロ−1−テトラシクロデカニルオキシ−2−メチルブタン、1−クロロ−1−テトラシクロデカニルオキシ−2−エチルブタン、1−クロロ−1−ボルニルオキシ−2−メチルプロパン、1−クロロ−1−ボルニルオキシ−2−メチルブタン、1−クロロ−1−ボルニルオキシ−2−エチルブタン、1−クロロ−1−ノルボルニルオキシ−2−メチルプロパン、1−クロロ−1−ノルボルニルオキシ−2−メチルブタン、1−クロロ−1−ノルボルニルオキシ−2−エチルブタン、1−クロロ−1−イソノルボルニルオキシ−2−メチルプロパン、1−クロロ−1−イソノルボルニルオキシ−2−メチルブタン、1−クロロ−1−イソノルボルニルオキシ−2−エチルブタン、1−クロロ−1−スピロヘプチルオキシ−2−メチルプロパン、1−クロロ−1−スピロヘプチルオキシ−2−メチルブタン、1−クロロ−1−スピロヘプチルオキシ−2−エチルブタン、1−クロロ−1−スピロオクチルオキシ−2−メチルプロパン、1−クロロ−1−スピロオクチルオキシ−2−メチルブタン、1−クロロ−1−スピロオクチルオキシ−2−エチルブタン、1−クロロ−1−メンチルオキシ−2−メチルプロパン、1−クロロ−1−メンチルオキシ−2−メチルブタン、1−クロロ−1−メンチルオキシ−2−エチルブタン等があげられ、中でも、1−クロロ−1−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロパンが好ましい。化合物(II)としては、1種または2種以上のものが用いられる。
ヒドロキシル基を有する化合物としては、例えば、アルコール、フェノール類等があげられる。
アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ベンジルアルコール等のモノアルコール、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グリセリン等の多価アルコールがあげられる。
ヒドロキシスチレンと共重合可能な他の単量体としては、例えば、カルボキシル基を含有する重合性不飽和単量体またはこれと共重合可能な他の単量体等があげられる。カルボキシル基を含有する重合性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシメチル−2−プロペン酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸またはその酸無水物があげられる。
ノボラック樹脂は、その多くは市販品として入手可能であるが、例えば、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,4−トリメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等のフェノール類と、例えば、ホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラル、アセトアルデヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸等)の存在下、重縮合して製造してもよい。前記のフェノール類およびアルデヒド類はそれぞれ単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
また、ヒドロキシル基を含有する重合体としては、市販の樹脂を用いることもできる。
ヒドロキシル基を含有する重合体の重量平均分子量は、1,000−100,000であるのが好ましく、1,000−50,000であるのがより好ましく、さらには1,000−20,000であるのがより好ましい。
<カルボキシル基を有する化合物>
カルボキシル基を有する化合物としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、プロピオール酸、酪酸、イソ酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクチル酸、ノナン酸、イソノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、安息香酸、桂皮酸、2−ナフトエ酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、アミニ油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸等のモノカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、デカメチレンジカルボキシル基を有する化合物、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等の多価カルボン酸、乳酸、クエン酸、ヒドロキシピバリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リンゴ酸等のヒドロキシカルボン酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有α,β−不飽和単量体、ポリ(メタ)アクリル樹脂等のカルボキシル基を含有する重合性不飽和単量体の単独重合体またはカルボキシル基を含有する重合性不飽和単量体とこれと共重合可能な他の単量体との共重合体、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミック酸樹脂、エポキシ樹脂、カルボキシル基変性エポキシ樹脂等のカルボキシル基を含有する重合体等があげられ、中でも、カルボキシル基を含有する重合性不飽和単量体の単独重合体またはカルボキシル基を含有する重合性不飽和単量体とこれと共重合可能な他の単量体との共重合体が好ましい。
カルボキシル基を含有する重合性不飽和単量体の重合およびカルボキシル基を含有する重合性不飽和単量体とこれと共重合可能な他の単量体との共重合は、公知の方法により行うことができる。
カルボキシル基を含有する重合体におけるカルボキシル基の割合は、特に限定されないが、好ましくは、酸価として20−200、より好ましくは40−160である。ここで、酸価とは、重合体1gに含まれるカルボキシル基を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数である。
カルボキシル基を有する化合物としては、化合物(VII)が好ましい。
カルボキシル基を含有する重合体は、精製して固体として用いることもできる。また、製造の際に溶媒を使用した場合には、溶液として用いることもできる。
化合物(I)または化合物(II)は、ヒドロキシル基を有する化合物のヒドロキシル基またはカルボキシル基を有する化合物のカルボキシル基と容易に反応し、化合物(III)または化合物(IV)となる。また、化合物(I)または化合物(II)に由来する部分構造は、化合物(III)または化合物(IV)から容易に脱離し、化合物(III)からヒドロキシル基が、または化合物(IV)からカルボキシル基が再生する。したがって、化合物(I)または化合物(II)はヒドロキシル基またはカルボキシル基の保護剤として有用である。
化合物(I)を用いるヒドロキシル基またはカルボキシル基の保護方法は、それぞれ化合物(III)または化合物(VI)の製造法でもある。
化合物(I)を、ヒドロキシル基を有する化合物またはカルボキシル基を有する化合物と反応させることにより、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を保護することができる。
化合物(I)を用いる場合、反応を促進する目的で酸触媒を使用するのが好ましい。酸触媒としては、特に限定はされず、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸等があげられ、中でも、p−トルエンスルホン酸が好ましい。酸触媒としては、1種、または2種以上のものが用いられる。酸触媒の添加量は、特に限定されないが、原料となるヒドロキシル基を有する化合物に対して、0.0001−0.5当量(モル比)であるのが好ましく、0.001−0.1当量(モル比)であるのがより好ましい。本発明の製造法においては、どのような酸触媒を使用しても、副反応が少なく、高収率で目的物を製造することができる。また、必要に応じて、有機溶媒を使用してもよい。該有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒等があげられ、1種または2種以上のものが用いられる。
<化合物(II)を用いるヒドロキシル基またはカルボキシル基の保護方法>
化合物(II)を用いるヒドロキシル基またはカルボキシル基の保護方法は、それぞれ化合物(III)または化合物(VI)の製造法でもある。
化合物(II)を用いる場合、ヒドロキシル基を有する化合物またはカルボキシル基を有する化合物に対する化合物(II)の当量比(モル比)は、特に限定されないが、ヒドロキシル基を有する化合物またはカルボキシル基を有する化合物における置換の対象となるヒドロキシル基またはカルボキシル基1モルに対して、1−10モルであるのが好ましく、さらには1−5モルであるのが好ましく、2−4モルであるのがより好ましい。
化合物(II)を用いる場合、反応系に塩基を添加するのが好ましい。該塩基としては、特に限定はされないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等の有機塩基等があげられ、中でも、トリエチルアミンが好ましい。塩基の添加量は、特に限定されないが、化合物(II)1モルに対して、1−10モルであるのが好ましく、1−3モルであるのがより好ましい。また、必要に応じて、有機溶媒を使用してもよい。該有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等があげられ、1種または2種以上のものが用いられる。
化合物(III)または化合物(IV)が、重合性不飽和二重結合を有する化合物である場合、必要に応じて、公知の方法により、単独、または、他の重合性不飽和単量体と重合させてもよい。
<脱離方法>
保護基の脱離方法としては、化合物(III)または化合物(IV)を熱または酸で処理する方法があげられる。
酸で処理する場合、使用される酸としては、硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸等があげられ、中でも、p−トルエンスルホン酸が好ましい。酸の使用量は、脱離させる化合物(I)または化合物(II)に由来する構造1モルに対して、0.01−50モルであるのが好ましい。酸で処理する際の温度は、80−160℃であるのが好ましい。酸で処理する際には、水を加えてもよい。水の使用量は、化合物(III)または化合物(IV)に対して、0.1−100重量%であるのが好ましい。また、水を加えた場合、酸で処理する際の温度は、20−80℃であるのが好ましい。
また、化合物(III)または化合物(IV)と光酸発生剤を共存させ、光酸発生剤に放射線等を照射し、酸を発生させて、脱保護をして、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を再生することもできる。
<化学増幅型レジスト組成物>
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、重量平均分子量1,000−100,000である化合物(III)または化合物(IV)(以下、ベースポリマーと表現することもある)と、光酸発生剤を含有し、好ましくは、化合物(V)のヒドロキシル基が一般式(III)で表される基で置換されたポリヒドロキシスチレン誘導体、化合物(VI)のヒドロキシル基が一般式(III)で表される基で置換されたノボラック樹脂誘導体または化合物(VII)のカルボキシル基が一般式(IV)で置換されたポリ(メタ)アクリル樹脂と、光酸発生剤を含有する。
ベースポリマーの重量平均分子量は、1,000−100,000であり、好ましくは1,000−50,000であり、より好ましくは1,000−30,000である。
光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミノまたはイミド型酸発生剤、ベンゾインスルホネート型光酸発生剤、ピロガロールトリスルホネート型光酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート型光酸発生剤、スルホン型光酸発生剤、グリオキシム誘導体型の光酸発生剤等があげられ、中でも、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミノまたはイミド型酸発生剤等が好ましい。
ピロガロールトリスルホネート型光酸発生剤としては、例えば、ピロガロール、フロログリシン、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等のヒドロキシル基の全てをトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等で置換した化合物等があげられる。
本発明の化学増幅型レジスト組成物中の光酸発生剤の量は、特に限定されないが、ベースポリマー100重量部に対して0.001−50重量部であるのが好ましく、0.01−30重量部であるのがより好ましく、さらには0.1−10重量部であるのがより好ましい。
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、必要に応じて、有機溶剤を含有していてもよい。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソアミルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール等のグリコールエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレンングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルアセテート類、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸シクロヘキシル、酢酸tert−ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、プロピオン酸tert−ブチル、β−メトキシイソ酪酸メチル等のエステル類、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等があげられる。有機溶剤は、単独でまたは2種以上混合して用いてもよい。
本発明の化学増幅型レジスト組成物中の有機溶剤の量は、特に限定されないが、ベースポリマー100重量部に対して好ましくは100−4000重量部、より好ましくは200−3000重量部、さらに好ましくは300−2000重量部である。
塩基性化合物としては、例えば、第一級、第二級または第三級の脂肪族アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシル基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等があげられる。塩基性化合物は、単独で、または2種以上混合して用いてもよい。
本発明の化学増幅型レジスト組成物に塩基性化合物を含有させることにより、該化学増幅型レジスト組成物中での酸の拡散速度が抑制され、露光余裕度やパターンプロファイル等が向上し、基板や環境がレジスト膜に及ぼす影響を少なくすることができる。
さらに、本発明の化学増幅型レジスト組成物は、必要に応じて界面活性剤を含有していてもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマー等があげられる。界面活性剤は、単独でまたは2種以上混合して用いてもよい。
加えて、本発明の化学増幅型レジスト組成物には、必要に応じてフェノール化合物等の溶解調整剤、紫外線吸収剤、保存安定剤、消泡剤等を含有してもよい。
<化学増幅型レジスト組成物の調製方法>
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、ベースポリマー、光酸発生剤および必要に応じて、光増感剤、有機溶剤、塩基性化合物、界面活性剤、溶解調整剤、紫外線吸収剤、保存安定剤、消泡剤等の添加剤を混合することにより溶液として調製することができる。混合の順番、方法等は、特に限定されるものではない。
塗布された膜の厚さは、用途に応じて設定することができるが、好ましくは0.05−200μm、より好ましくは0.1−100μmである。
本発明の化学増幅型レジスト組成物がドライフィルムである場合、必要に応じて、該化学増幅型レジスト組成物を傷やほこり、薬品等から保護する目的で、該化学増幅型レジスト組成物を保護フィルムで被覆してもよい。保護フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等があげられ、本発明の化学増幅型レジスト組成物との接着力が、支持体より小さいものが好ましい。
ドライフィルムは、巻き取ってロール状にしてもよい。
<パターン形成方法>
本発明の化学増幅型レジスト組成物を基板上に塗布する工程、該基板を加熱する工程、該基板上の塗布膜に放射線等を露光する工程、露光後に該基板を加熱する工程、次いで、アルカリ性現像液を用いて、該基板を現像する工程により、本発明の化学増幅型レジスト組成物を用いてパターンを形成することができる。
本発明の化学増幅型レジスト組成物を基板上に塗布する方法としては、本発明の化学増幅型レジスト組成物が溶液の場合、例えば、スピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の公知の方法があげられる。塗布された膜の厚さは、用途に応じて設定することができるが、好ましくは0.05−200μm、より好ましくは0.1−100μmである。
本発明の化学増幅型レジスト組成物を基板に塗布後、基板を加熱する。本発明の化学増幅型レジスト組成物が溶液の場合、加熱の方法としては、例えば、ホットプレート、オーブン等による加熱等の公知の方法があげられる。加熱することにより、有機溶剤が蒸発する。加熱温度は、80−160℃であるのが好ましい。
加熱後、フォトマスク、縮小投影露光機、直接描画機等を用いて塗布膜に放射線等を照射する。放射線等としては、例えば、遠赤外線、可視光線、g線、h線、i線等の近紫外線、KrFエキシマーレーザー、ArFエキシマレーザー、DUV(遠紫外線)、EUV(極紫外線)、電子線、X線等があげられる。放射線等が、照射された部分では、光酸発生剤が分解して酸が発生する。
加熱後、ドライフィルムを用いた場合は支持体を除去し、ドライフィルムを用いない場合はそのまま、アルカリ性現像液を用いて現像することにより、ポジ型レジストパターンが得られる。現像方法としては、例えば、浸漬法、パドル法、スプレー法等の公知の方法があげられる。アルカリ性現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジn−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノナン等の塩基性物質を溶解してなるアルカリ性水溶液等があげられる。塩基性物質は、単独でまたは2種以上混合して用いてもよい。また該現像液には、水溶性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類や界面活性剤を適量添加して使用することもできる。
基板上に形成されたパターンは、例えば、該パターンをマスクとした塩素系ガス、フッ素系ガス(CF4/CH2F2混合ガス等)、酸素系ガス等による基板のドライエッチング等の公知の工程に付することができる。
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、塗布膜の加熱工程の際の安定性や長期の貯蔵安定性に優れ、良好なリソグラフィー特性を有し、耐加水分解性、エッチングガスに対する耐性、耐熱性に優れる。
実施例における化合物の構造決定は、1H−NMRスペクトル(400MHz、測定機器:日本電子 GSX−400、測定溶媒:重クロロホルム)により行った。
試験例におけるGC(ガスクロマトグラフィー)分析は、以下の条件で行った。
機器:SHIMADZU GC−17A AFW v3
カラム:DB−1(ジェー・アンド・ダブリュ社製)30mm×0.25mm×0.25μm
注入口:240℃
検出器:FID 240℃
オーブン条件:50℃で5分保持後、10℃/分で昇温し、200℃で10分保持
キャリアガス:N2(60kPa)
スプリット比:1/50
重量平均分子量は、以下の条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
(GPC分析条件)
機器:HLC−8120GPC[東ソー(株)製]
カラム:TSKgel SuperHM−M[東ソー(株)製]
移動相:テトラヒドロフラン(流速0.5ml/分)
カラムオーブン:40℃
検出器:RI[RI−8000(東ソー(株)製)]
酸価は、0.1mol/LKOHアルコール水溶液で中和滴定することにより求めた。
膜厚は、光干渉式膜厚計(ナノスペック社製)を用いて測定した。
(合成例1)1−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロペンの合成
シクロヘキサノール100.2gにp−トルエンスルホン酸一水和物0.05gを溶解させ、20℃以下に冷却しながらイソブチルアルデヒド18.0gを滴下した。1%炭酸ナトリウム水溶液100gで洗浄し、分液により得られた油層を減圧蒸留することにより、イソブチルアルデヒドジシクロヘキシルアセタール76gを得た。これにp−トルエンスルホン酸一水和物0.06gを溶解させ、200℃に加熱した。留出してきた液体15gを集め、1%炭酸ナトリウム水溶液10gで洗浄し、分液により得られた油層を減圧蒸留することにより、無色透明液体9gを得た。1H−NMRスペクトルより、該液体が1−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロペンであることを確認した。
1H−NMR δ 5.82(1H,m),3.55−3.48(1H,m),1.88−1.77(2H,m),1.77−1.66(2H,m),1.62(3H,m),1.54(3H,m),1.54−1.21(6H,m)
(合成例2)1−クロロ−1−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロパンの合成
1−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロペン9gを5℃に冷却し、塩化水素ガス2.34gを20分かけて液中に吹き込むことにより、無色透明液体11.1gを得た。1H−NMRスペクトルより、該液体が1−クロロ−1−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロパンであることを確認した。
1H−NMR δ δ 5.59(1H,m),3.77−3.72(1H,m),2.14−2.08(1H,m),1.85(2H,m),1.72(2H,m),1.52−1.23(6H,m),1.03(6H,d,J=6.6Hz)
(合成例3)1−メトキシ−2−メチルプロペンの合成
メタノール128.2gにp−トルエンスルホン酸一水和物0.19gを溶解させ、20℃以下に冷却しながらイソブチルアルデヒド72.1gを滴下した。1%炭酸ナトリウム水溶液200gで洗浄し、分液により得られた油層を常圧蒸留することにより、イソブチルアルデヒドジメチルアセタール35gを得た。これにp−トルエンスルホン酸一水和物0.06gを溶解させ、200℃に加熱した。留出してきた液体12gを集め、1%炭酸ナトリウム水溶液10gで洗浄し、分液により得られた油層を減圧蒸留することにより、無色透明液体8gを得た。1H−NMRスペクトルより、該液体が1−メトキシ−2−メチルプロペンであることを確認した。
(合成例4)1−クロロ−1−メトキシ−2−メチルプロパンの合成
1−メトキシ−2−メチルプロペン8.0gを5℃に冷却し、塩化水素ガス3.7gを1時間かけて液中に吹き込むことにより、無色透明液体11.4gを得た。1H−NMRスペクトルより、該液体が1−クロロ−1−メトキシ−2−メチルプロパンであることを確認した。
メタクリル酸43.0gと1−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロペン154.3gを、0.02モル%のp−トルエンスルホン酸一水和物存在下、室温で、1.5時間反応させた。反応液を1%炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、分液により得られた油層を減圧濃縮することにより、無色透明液体72gを取得した。1H−NMRスペクトルより、該液体がメタクリル酸(1−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロピル)であることを確認した。
1H−NMR δ 6.16(1H,s),5.79(1H,d,J=5.4Hz),5.58(1H,m),3.56−3.49(1H,m),1.96(3H,s),1,94−1.12(11H,m),0.96(3H,d,J=6.8Hz),0.93(3H,d,J=6.6Hz)
(比較例1)メタクリル酸1−メトキシ−2−メチルプロピルの合成
メタクリル酸43.0gと1−メトキシ−2−メチルプロペン86.1gを、0.02モル%のp−トルエンスルホン酸一水和物存在下、室温で、1.5時間反応させた。反応液を1%炭酸ナトリウム水溶液で中和した後、分液により得られた油層を減圧濃縮することにより、メタクリル酸(1−メトキシ−2−メチルプロピル)103gを取得した。
m−クレゾール10.8gをメチルエチルケトン100mlに溶解し、この溶液の中に1−クロロ−1−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロパン19.1gを加え、攪拌して完全に溶解した後、攪拌しながらトリエチルアミン10.1gを約30分間かけて滴下した。滴下終了後、そのまま約3時間攪拌した。次いで、純水200mlで2回洗浄し、分液により得られた油層を減圧蒸留することにより、(1−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロピル)−(3−メチルフェニル)エーテルを20g得た。
(比較例2)1−クロロ−1−メトキシ−2−メチルプロパンによるm−クレゾールのヒドロキシル基の保護
m−クレゾール10.8gをメチルエチルケトン100mlに溶解し、この溶液の中に1−クロロ−1−メトキシ−2−メチルプロパン12.2gを加え、攪拌して完全に溶解した後、攪拌しながらトリエチルアミン10.1gを約30分間かけて滴下した。滴下終了後、そのまま約3時間攪拌した。次いで、純水200mlで2回洗浄し、分液により得られた油層を減圧蒸留することにより、(1−メトキシ−2−メチルプロピル)−(3−メチルフェニル)エーテルを15g得た。
(試験例1)保護体の加水分解性評価
実施例1、2および比較例1、2で得られた保護体10gに0.1mol/LHCl水溶液10gを添加し、20℃で10分間攪拌した。静置、分層後、上層を分取した。上層中に含まれる保護体の重量をGC分析により定量し(内部標準:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、以下の式にて、加水分解率を計算した。結果を表1に示す。
加水分解率(%)=(10−処理後の保護体重量)/10×100
滴下装置、攪拌装置、温度計、冷却管および窒素ガス導入管を備えたフラスコ内にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gを仕込み、80℃に加熱し、窒素雰囲気下にて攪拌しながら、メタクリル酸(1−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロピル)28.8g、メチルメタクリレート57.7g、ブチルメタクリレート13.5gおよびアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)10.0gを均一に溶解したものを滴下装置より4時間かけて滴下した。滴下終了後、30分毎に2回、AIBN/プロピレングリコールモノメチルアセテート=0.15g/0.3gの混合溶液を添加して、80℃で2時間熟成し、重合反応を終了した。得られた樹脂溶液をヘキサンで再沈精製することにより、白色固体を80g得た。固体の重量平均分子量は7,600であった。この固体を樹脂P−1とする。
(合成例5)ポリメタクリル樹脂の合成
滴下装置、攪拌装置、温度計、冷却管および窒素ガス導入管を備えたフラスコ内にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gを仕込み、80℃に加熱し、窒素雰囲気下にて攪拌しながら、メタクリル酸(1−メトキシ−2−メチルプロピル)18.4g、メチルメタクリレート57.7g、ブチルメタクリレート23.9gおよびアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)10.0gを均一に溶解したものを滴下装置より4時間かけて滴下した。滴下終了後、30分毎に2回、AIBN/プロピレングリコールモノメチルアセテート=0.2g/0.3gの混合溶液を添加して、80℃で2時間熟成し、重合反応を終了した。得られた樹脂溶液をヘキサンで再沈精製することにより、白色固体を80g得た。固体の重量平均分子量は8,400であった。この固体を樹脂P−2とする。
重量平均分子量3,220のフェノールノボラック樹脂[昭和高分子(株)製]2.7gをメチルエチルケトン17.5mlに溶解し、この溶液の中に1−クロロ−1−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロパン2.38gを加え、攪拌して完全に溶解した後、攪拌しながらトリエチルアミン2.53gを約30分間かけて滴下した。滴下終了後、そのまま約3時間攪拌した。次いで、得られた溶液に対して20倍量の純水を加え、メチルイソブチルケトンで抽出し、溶媒を留去した後、純水500ml中に滴下し再沈殿させることにより淡黄色の固体4.0gを得た。1H−NMRスペクトルより、ヒドロキシル基の44モル%が1−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ基で置換されていることがわかった。目的物の重量平均分子量は、4,320であった。この固体を樹脂P−3とする。
重量平均分子量20,000のポリヒドロキシスチレン(アルドリッチ社製)2.7gをN,N−ジメチルアセトアミド17.5mlに溶解し、この溶液の中に1−クロロ−1−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロパン2.1gを加え、攪拌して完全に溶解した後、攪拌しながらトリエチルアミン2.23gを約30分間かけて滴下した。滴下終了後、そのまま約3時間攪拌した。次いで、得られた溶液に対して20倍量の純水を加え、メチルイソブチルケトンで抽出し、溶媒を留去した後、純水500ml中に滴下し再沈殿させることにより淡黄色の固体3.5gを得た。1H−NMRスペクトルより、ヒドロキシル基の35モル%が1−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ基で置換されていることがわかった。目的物の重量平均分子量は、25,000であった。この固体を樹脂P−4とする。
(比較例3)
表2に従い、樹脂、光酸発生剤および有機溶剤を混合した。得られた溶液を0.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、組成物4とした。
また、有機溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(協和発酵ケミカル株式会社製)を用いた。
表2において、各数値は、重量部を表す。
(試験例2)
以下の方法でパターンを形成し、パターン形状および塗布膜のドライエッチングに対する耐性について評価した。
<パターンの形成方法>
4インチのシリコンウェハーに、スピンコーター(回転数:2000rpm、60秒)で組成物1−4をそれぞれ塗布し、ホットプレート(100℃、5分)で加熱した。膜厚は2μmとなった。次にマスクアライナー(ズース・マイクロテック社製MA−4)を用いてi線を20mJ/cm2露光した。露光後、ホットプレート(120℃、2分)で加熱し、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像(25℃、120秒)した。最後に、純水で洗浄して、5μmのラインアンドスペースパターンを得た。
塗布膜のエッチングガスに対する耐性については、4インチのシリコンウェハーに、スピンコーター(回転数:2000rpm、60秒)で組成物1および4をそれぞれ塗布し、ホットプレート(100℃、5分)で加熱した塗布膜のエッチング速度を測定することにより評価した。エッチング速度が遅い方がエッチングガスに対する耐性が高い。エッチング装置としては、アルバック社製NLD−800 マグネトロンRIE NLD(磁気中性子線)プラズマ源130nmノード仕様を用いた。エッチングガスとしてはCF4/CH2F2混合ガスを用いた。エッチング条件としては、CF4:8sccm、CH2F2:8sccm、圧力:0.8Pa、チラー25℃で行った。
Claims (15)
- 一般式(I)
- 一般式(I)
- ヒドロキシル基を有する化合物を、一般式(I)
- カルボキシル基を有する化合物を、一般式(I)
- ヒドロキシル基を有する化合物を、一般式(I)
- ヒドロキシル基を有する化合物を、一般式(II)
- カルボキシル基を有する化合物を、一般式(I)
- カルボキシル基を有する化合物を、一般式(II)
- 一般式(V)
- 一般式(VI)
- 一般式(VII)
- 重量平均分子量1,000−100,000である一般式(III)で表される基を有する化合物または一般式(IV)で表される基を有する化合物と、光酸発生剤を含有する化学増幅型レジスト組成物。
- 請求項9記載のポリヒドロキシスチレン誘導体と光酸発生剤を含有する化学増幅型レジスト組成物。
- 請求項10記載のノボラック樹脂誘導体と光酸発生剤を含有する化学増幅型レジスト組成物。
- 請求項11記載のポリアクリル樹脂誘導体またはポリメタクリル樹脂誘導体と光酸発生剤を含有する化学増幅型レジスト組成物。
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