JP6263378B2 - 下地剤及びパターン形成方法 - Google Patents
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Description
また、従来の下地剤は、下地剤の表面状態の制御が不十分であり、温度マージンの広い下地剤とすることが困難であった。
本発明の第二の態様は、基板上に、本発明の第一の態様の下地剤を塗布し、該下地剤からなる層を形成する工程と、前記下地剤からなる層の上に、複数種類のポリマーが結合したブロックコポリマーを含む層を形成する工程と、当該ブロックコポリマーを含む層を相分離させる工程と、を有することを特徴とするパターン形成方法である。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「フッ素化アルキル基」又は「フッ素化アルキレン基」は、アルキル基又はアルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基をいう。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、アクリル酸(CH2=CH−COOH)のカルボキシ基末端の水素原子が有機基で置換された化合物である。
アクリル酸エステルは、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該α位の炭素原子に結合した水素原子を置換する置換基は、水素原子以外の原子又は基であり、たとえば炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。なお、アクリル酸エステルのα位の炭素原子とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
以下、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されたアクリル酸エステルをα置換アクリル酸エステルということがある。また、アクリル酸エステルとα置換アクリル酸エステルとを包括して「(α置換)アクリル酸エステル」ということがある。
「ヒドロキシスチレン若しくはヒドロキシスチレン誘導体から誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレン若しくはヒドロキシスチレン誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「ヒドロキシスチレン誘導体」とは、ヒドロキシスチレンのα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンの水酸基の水素原子を有機基で置換したもの、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンのベンゼン環に、水酸基以外の置換基が結合したもの、等が挙げられる。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
ヒドロキシスチレンのα位の水素原子を置換する置換基としては、前記α置換アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
「ビニル安息香酸若しくはビニル安息香酸誘導体から誘導される構成単位」とは、ビニル安息香酸若しくはビニル安息香酸誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「ビニル安息香酸誘導体」とは、ビニル安息香酸のα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいビニル安息香酸のカルボキシ基の水素原子を有機基で置換したもの、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいビニル安息香酸のベンゼン環に、水酸基およびカルボキシ基以外の置換基が結合したもの、等が挙げられる。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
「スチレン」とは、スチレンおよびスチレンのα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたものも含む概念とする。
「スチレンから誘導される構成単位」、「スチレン誘導体から誘導される構成単位」とは、スチレン又はスチレン誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
上記α位の置換基としてのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基)等が挙げられる。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
また、α位の置換基としてのヒドロキシアルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、水酸基で置換した基が挙げられる。該ヒドロキシアルキル基における水酸基の数は、1〜5が好ましく、1が最も好ましい。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
本発明の下地剤は、基板上に形成した複数種類のブロックが結合したブロックコポリマーを含む層を相分離させるために用いられる下地剤であって、樹脂成分を含有し、該樹脂成分が、芳香族基を有する構成単位と、ヒドロキシアルキル基を有する構成単位と、芳香族基及びヒドロキシアルキル基を有しない構成単位と、を含むことを特徴とする。
本発明の下地剤は、基板上に形成した複数種類のポリマーが結合したブロックコポリマーを含む層を相分離させるために用いられる。本発明の下地剤は、具体的には、該下地剤を基板上に塗布して下地剤からなる層(中性化膜ともいう)を設けた後、その上に複数種のブロックコポリマーを含む層を形成することにより、該下地剤からなる層が表面に形成された基板表面を、ブロックコポリマーを構成するいずれのブロックとも親和性が高いものとすることができる。
なお、本発明の下地剤を用いることができる、ブロックコポリマーを含む層の相分離や、ブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法については、本発明の第二の態様において説明する。
本発明の下地剤は、樹脂成分(以下、「樹脂成分(A)」ということがある。)を含有し、該樹脂成分(A)が、芳香族基を有する構成単位と、ヒドロキシアルキル基を有する構成単位と、芳香族基及びヒドロキシアルキル基を有しない構成単位と、を含む。
本明細書および本特許請求の範囲において「樹脂成分」とは、分子量が1000以上の重合体を意味する。重合体の分子量としては、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。
本発明において、樹脂成分(A)は芳香族基を有する構成単位(以下、「構成単位(a1)」ということがある。)を含む。
構成単位(a1)は、芳香環を有する構成単位である。(A)成分が、構成単位(a1)として芳香環を有する構成単位を含有することにより、各種の特性を有するブロックを有するブロックコポリマーを用いた場合にも、該ブロックコポリマーに対して適度な親和性を有するものとすることができる。
芳香環としては炭素数6〜18が好ましく、具体的には、ベンゼン、ビフェニル、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環;等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
・ビニル基を有する芳香族化合物(芳香環を含有する化合物);
・(メタ)アクリロイル基を有する芳香族化合物;
・ノボラック樹脂の構成成分となるフェノール類化合物、等が挙げられる。
なかでも、置換基を有していてもよい芳香環の、環を形成する炭素原子に結合した水素原子の1つがビニル基で置換された化合物から誘導される構成単位;又は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸またはそのエステルから誘導される構成単位であって、芳香環を有する構成単位が好ましいものとして挙げられる。ここでビニル基は、その炭素原子のうち、芳香環に結合した炭素原子が置換基で置換されたものであってもよい。
構成単位(a1)としては、特に、スチレン若しくはその誘導体、ビニルナフタレン若しくはその誘導体、又はビニルアントラセン若しくはその誘導体から誘導される構成単位が好ましい。
α位の置換基としてのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
ビニル安息香酸は、安息香酸のベンゼン環に1つのビニル基が結合した化合物である。ベンゼン環におけるビニル基の結合位置は特に限定されない。
スチレンまたはその誘導体のベンゼン環に結合してもよい、水酸基およびカルボキシ基以外の置換基としては、特に限定されず、たとえば、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。
ビニル(ヒドロキシナフタレン)は、ナフタレン環に、1つのビニル基と、少なくとも1つの水酸基とが結合した化合物である。ビニル基は、ナフタレン環の1位に結合していてもよく、2位に結合していてもよい。ナフタレン環に結合する水酸基の数は、1〜3が好ましく、1が特に好ましい。ナフタレン環における水酸基の結合位置は特に限定されない。ナフタレン環の1位または2位にビニル基が結合している場合、ナフタレン環の5〜8位のいずれかが好ましい。特に、水酸基の数が1つである場合は、ナフタレン環の5〜7位のいずれかが好ましく、5または6位が好ましい。水酸基の数が2以上の整数である場合は、任意の結合位置を組み合わせることができる。
ビニルナフタレンまたはその誘導体のナフタレン環に結合してもよい置換基としては、前記(α置換)スチレンのベンゼン環に結合してもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸(以下「(α置換)アクリル酸」ということがある。)またはそのエステルのα位の炭素原子に結合する置換基としては、α置換ビニルナフタレン、α置換ビニル(ヒドロキシナフタレン)において、上記α置換スチレン等の置換基と同様である。なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことを意味する。
(α置換)アクリル酸エステルが有する有機基としては、特に限定されない。
Xc、Xdの有機基としては、置換基を有していてもよい炭化水素基が好ましく、置換基を有していてもよいアルキル基がより好ましい。
置換基を有していてもよいアルキル基としては、たとえば、無置換のアルキル基、該無置換のアルキル基の水素原子の一部または全部が置換基で置換された置換アルキル基等が挙げられる。
無置換のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。解像性に優れる点から、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
置換アルキル基における置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、オキソ基(=O)、シアノ基等が挙げられる。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
また、無置換又は置換アルキル基を構成する炭素原子の一部ヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−、−Si−が好ましい。
Rc、Rdの−COOXeにおいて、Xeは水素原子または有機基であり、有機基としては前記Xc、Xdの有機基と同様である。
Rc、Rdの炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基としては、前記Rの炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基と同様である。
(A)成分中、構成単位(a1)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位に対し、10〜95モル%が好ましく、20〜90モル%がより好ましく、30〜90モル%がさらに好ましく、50〜85モル%が最も好ましい。
構成単位(a1)の割合を下限値以上とすることによって、上層となるブロックコポリマーを含む層を良好に相分離させることができる。また、上限値以下とすることにより、構成単位(a2)とのバランスをとりやすくなる。
本発明において、樹脂成分(A)は、ヒドロキシアルキル基を有する構成単位(以下、「構成単位(a15)」ということがある。)を含む。本発明において、構成単位(a15)としては、ヒドロキシアルキル基を有していれば特に限定されないが、例えば、水酸基含有アルキル基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位(以下、「構成単位(a150)」と記載することがある。)が好ましく用いられる。ただし、構成単位(a15)に該当する構成単位のうち、芳香族基を有する構成単位に該当するものは、構成単位(a1)に該当し、構成単位(a15)に該当しないものとする。構成単位(a150)としては、下記一般式(a150−1)で表される構成単位が好ましい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基が挙げられ、メチレン基又はエチレン基であることが好ましい。
(A)成分中、構成単位(a15)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位に対し、15モル%以下であることが好ましく、8モル%以下がより好ましく、6モル%以下がさらに好ましく、5モル%が最も好ましい。
構成単位(a15)の割合を上限値以下とすることにより、構成単位(a1)及び後述の構成単位(a2)とのバランスをとりやすくなると考えられる。また、構成単位(a15)の含有量を上記の範囲とすることにより、下地剤の表面状態がより安定すると推察される。
本発明において、(A)成分は、芳香族基及びヒドロキシアルキル基を有しない構成単位(以下、「構成単位(a2)」ということがある。)を含む。
構成単位(a2)は、芳香族基及びヒドロキシアルキル基を有しない構成単位である。(A)成分は、構成単位(a1)、構成単位(a15)及び構成単位(a2)とを共に含有していることにより、ブロックコポリマーの各種構成単位に対して親和性を有するものとすることができる。
構成単位(a2)としては、構成単位(a1)及び構成単位(a15)において説明した芳香族基及びヒドロキシアルキル基をその構造中に有しないものであれば特に限定されるものではないが、例えば、
・α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸またはそのエステルから誘導される構成単位であって、芳香族基及びヒドロキシアルキル基を有しないもの;
・α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリルアミドまたはその誘導体から誘導される構成単位であって、芳香族基及びヒドロキシアルキル基を有しないもの;
・シクロオレフィンまたはその誘導体から誘導される構成単位であって、芳香族基及びヒドロキシアルキル基を有しないもの;
・ビニルスルホン酸エステルから誘導される構成単位であって、芳香族基及びヒドロキシアルキル基を有しないもの;等が挙げられる。
アクリルアミドまたはその誘導体のα位の炭素原子に結合してもよい置換基としては、前記α置換スチレンのα位の炭素原子に結合する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
(α置換)アクリルアミドのアミノ基末端の水素原子の一方または両方を置換する置換基としては、有機基が好ましい。該有機基としては、特に限定されないが、たとえば前記(α置換)アクリル酸エステルが有する有機基と同様のものが挙げられる。
(α置換)アクリルアミドのアミノ基末端の水素原子の一方または両方が置換基で置換された化合物としては、たとえば前記(α置換)アクリル酸エステル中のα位の炭素原子に結合した−C(=O)−O−を、−C(=O)−N(Rb)−[式中、Rbは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基である。]で置換した化合物が挙げられる。
式中、Rbにおけるアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。
式中、Rbの炭素数1〜5のアルキル基としては、前記Rの炭素数1〜5のアルキル基と同様である。
(A)成分中、構成単位(a2)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位に対し、5〜90モル%が好ましく、10〜80モル%がより好ましく、10〜70モル%がさらに好ましく、14〜50モル%が最も好ましい。
構成単位(a2)の割合を下限値以上とすることによって、上層となるブロックコポリマーを含む層を良好に相分離させることができる。また、上限値以下とすることにより、構成単位(a1)及び構成単位(a15)とのバランスをとりやすくなる。
分散度(Mw/Mn)は、特に限定されず、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.0〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
また、(A)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH2−CH2−CH2−C(CF3)2−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF3)2−OH基を導入してもよい。
各構成単位を誘導するモノマーは、市販のものを用いてもよく、公知の方法を利用して合成してもよい。
(A)成分を2種以上を併用する場合には、(A)成分中の構成単位(a1)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位に対し、60〜95モル%であることが好ましく、70〜92モル%であることがより好ましい。
(A)成分を2種以上を併用する場合には、(A)成分中の構成単位(a2)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位に対し、30モル%以下であることが好ましく、25モル%であることがより好ましい。
(A)成分を2種以上を併用する場合には、(A)成分中の構成単位(a15)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位に対し、10モル%以下であることが好ましく、9モル%であることがより好ましい。
本発明の下地剤中、(A)成分の含有量は、下地剤からなる層の所望の膜厚等に応じて適宜調整すればよい。
[酸発生剤成分;(B)成分]
本発明の下地剤は、さらに、酸発生剤成分(B)(以下、「(B)成分」ということがある。)を含有していてもよい。(B)成分は、加熱や露光を行うことにより酸を発生するものである。(B)成分は、そのもの自体が酸性を有している必要はなく、熱又は光などにより分解し、酸として機能するものであればよい。
このような酸発生剤としては、加熱により酸を発生する熱酸発生剤、露光により酸を発生する光酸発生剤などが挙げられ、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
これらの酸発生剤成分は、一般的に光酸発生剤(PAG)として知られているが、熱酸発生剤(TAG)としても機能する。したがって、本発明において使用可能な酸発生剤成分としては、従来、化学増幅型レジスト組成物用の酸発生剤として公知のものの中から任意のものを利用することができる。
なお、「加熱により酸を発生する熱酸発生剤」とは、具体的には200℃以下、より好ましくは50〜150℃の加熱により酸を発生する成分を意味する。200℃以下とすることで、酸の発生の制御が容易となる。より好ましくは50℃以上とすることで、下地剤中での安定性が良好となる。
また、カチオン部には、下記一般式(b−c1)又は一般式(b−c2)で表されるものが挙げられる。
R1”〜R3”において、無置換のアリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
R1”〜R3”の置換アリール基における置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
置換アリール基における置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基であることが最も好ましい。
置換アリール基における置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
置換アリール基における置換基としてのアリール基としては、前記R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
一般式:−O−C(R47)(R48)−O−R49
[式中、R47、R48はそれぞれ独立して水素原子または直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、R49はアルキル基である。]で表される基が挙げられる。
R47、R48において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜5であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
R47、R48は、少なくとも一方が水素原子であることが好ましい。特に、一方が水素原子であり、他方が水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
R49のアルキル基としては、好ましくは炭素数が1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
R49における直鎖状、分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
R49における環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
一般式:−O−R50−C(=O)−O−R56
[式中、R50は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基であり、R56は第3級アルキル基である。]で表される基が挙げられる。
R50における直鎖状、分岐鎖状のアルキレン基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基などが挙げられる。
R56における第3級アルキル基としては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロペンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルペンチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基などが挙げられる。
さらに、前記一般式:−O−R50−C(=O)−O−R56におけるR56を、R56’で置き換えた基も挙げられる。R56’は、水素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、又はヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族環式基である。
R56’におけるアルキル基は、前記R49のアルキル基と同様のものが挙げられる。
R56’におけるフッ素化アルキル基は、前記R49のアルキル基中の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
R56’における、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族環式基としては、ヘテロ原子を含まない脂肪族環式基、環構造中にヘテロ原子を含む脂肪族環式基、脂肪族環式基中の水素原子がヘテロ原子に置換されたもの等が挙げられる。
R56’について、ヘテロ原子を含まない脂肪族環式基としては、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
R56’について、環構造中にヘテロ原子を含む脂肪族環式基として具体的には、たとえば下記式(L1)〜(L6)、(S1)〜(S4)等が挙げられる。
これらの脂肪族環式基は、その環構造を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが特に好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
R56’について、脂肪族環式基中の水素原子がヘテロ原子に置換されたものとして具体的には、脂肪族環式基中の水素原子が酸素原子(=O)に置換されたもの等が挙げられる。
直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基は、炭素数1〜25であり、炭素数1〜15であることが好ましく、4〜10であることがより好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基としては、第3級アルキル基を除き、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基、カルボキシ基等が挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
R6’、R7’、R8’における炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基としては、多環式基、単環式基のいずれでもよく、例えば、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該環状の飽和炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該環状のアルキル基が有する環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該環状のアルキル基が有する環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記モノシクロアルカンまたはポリシクロアルカンの環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換された複素シクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。また、前記環の構造中にエステル結合(−C(=O)−O−)を有していてもよい。具体的には、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基等のラクトン含有単環式基や、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基等のラクトン含有多環式基等が挙げられる。
後者の例における置換基としては、上述した直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が有してもよい置換基として挙げたものと同様のもの、低級アルキル基等が挙げられる。
また、R6’、R7’、R8’は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基と、環状アルキル基との組み合わせであってもよい。
直鎖状または分岐鎖状のアルキル基と環状アルキル基との組合せとしては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基に置換基として環状のアルキル基が結合した基、環状のアルキル基に置換基として直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合した基等が挙げられる。
R6’、R7’、R8’における直鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。
R6’、R7’、R8’における分岐鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
該直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
R7’、R8’においては、上記のなかでも、リソグラフィー特性、レジストパターン形状が良好であることから、炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、又は炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基が好ましい。
R1”〜R3”のアルキル基は、その水素原子の一部または全部が、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基(=O)、アリール基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、−C(=O)−O−R6’、−O−C(=O)−R7’、−O−R8’等により置換されていてもよい。アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、−C(=O)−O−R6’、−O−C(=O)−R7’、−O−R8’としては、R1”〜R3”のアリール基の置換基と同様である。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルケニル基としては、R1”〜R3”のアルケニル基と同様のものが挙げられる。
前記式(b−c2)で表される化合物におけるカチオン部の具体例としては、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム等が挙げられる。
R31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部若しくは全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
R31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
R32の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
R32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
R33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
R34のアリール基を含む基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等を含むものが挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
R34のアリール基を含む基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していてもよい。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
R35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
R37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
R38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は、好ましくは2である。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、国際公開第04/074242号(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
下地剤が(B)成分を含有する場合、レジスト組成物中の(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、(B)成分が熱酸発生剤の場合は、0.5〜30質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。(B)成分が光酸発生剤の場合は、0.5〜30質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。上記範囲とすることで本願発明の効果を十分に得ることができ、(B)成分の含有量が下限値以上であると、下地剤中の(A)成分の含有量が低下することがないため好ましい。
本発明の下地剤は、材料を有機溶剤(以下「(S)成分」ともいう)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、樹脂を主成分とする膜組成物の溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。たとえば極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。また、極性溶剤としてPGMEおよびシクロヘキサノンを配合する場合は、PGMEA:(PGME+シクロヘキサノン)の質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA、EL、または前記PGMEAと極性溶剤との混合溶媒と、γ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は、特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的には下地剤の固形分濃度が1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
本発明の第二の態様は、基板上に、本発明の第一の態様の下地剤を塗布し、該下地剤からなる層を形成する工程と、前記下地剤からなる層の上に、複数種類のポリマーが結合したブロックコポリマーを含む層を形成する工程と、当該ブロックコポリマーを含む層を相分離させる工程と、を有することを特徴とするパターン形成方法である。以下、本発明のパターン形成方法について、図1を参照しながら具体的に説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明のパターン形成方法においては、まず、基板上に、前記下地剤を塗布し、該下地剤からなる層を形成する。
基板1は、その表面上にブロックコポリマーを含む溶液を塗布し得るものであれば、または本発明に係る下地剤を塗布しうるものであれば、その種類は特に限定されない。例えば、シリコン、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属、ガラス、酸化チタン、シリカ、マイカなどの無機物からなる基板、SiON等の窒化酸化膜を有する基板、アクリル板、ポリスチレン、セルロース、セルロースアセテート、フェノール樹脂などの有機化合物からなる基板などが挙げられる。
また、本発明において用いられる基板1の大きさや形状は、特に限定されるものではない。基板1は必ずしも平滑な表面を有する必要はなく、様々な材質や形状の基板を適宜選択することができる。例えば、曲面を有する基板、表面が凹凸形状の平板、薄片状などの様々な形状のものまで多様に用いることができる。
無機系の膜は、たとえばシリコン系材料などの無機系の反射防止膜組成物を基板上に塗工し、焼成等することにより形成できる。
有機系の膜は、たとえば、当該膜を構成する樹脂成分等を有機溶剤に溶解した有機膜形成用材料を、基板上にスピンナー等で塗布し、好ましくは200〜300℃、好ましくは30〜300秒間、より好ましくは60〜180秒間の加熱条件でベーク処理することにより形成できる。このとき用いられる有機膜形成用材料は、レジスト膜のような、光や電子線に対する感受性を必ずしも必要とするものではなく、該感受性を有するものであってもよく、有しないものであってもよい。具体的には、半導体素子や液晶表示素子の製造において一般的に用いられているレジストや樹脂を用いることができる。
また、ブロックコポリマーからなるパターンを用いて有機膜をエッチングすることにより、該パターンを有機膜へ転写し、有機膜パターンを形成できるように、有機膜形成用材料は、エッチング、特にドライエッチング可能な有機膜を形成できる材料であることが好ましい。中でも、酸素プラズマエッチング等のエッチングが可能な有機膜を形成できる材料であることが好ましい。このような有機膜形成用材料としては、従来、有機BARCなどの有機膜を形成するために用いられている材料であってよい。例えば、ブリューワサイエンス社製のARCシリーズ、ロームアンドハース社製のARシリーズ、東京応化工業社製のSWKシリーズなどが挙げられる。
洗浄処理としては、従来公知の方法を利用でき、例えば酸素プラズマ処理、オゾン酸化処理、酸アルカリ処理、化学修飾処理等が挙げられる。
たとえば、下地剤をスピンコート、スピンナーを用いる等の従来公知の方法により基板1上に塗布して塗膜を形成し、乾燥させることにより、下地剤からなる層2を形成できる。
塗膜の乾燥方法としては、下地剤に含まれる有機溶剤を揮発させることができればよく、たとえばベークする方法等が挙げられる。
ベーク温度は、80〜300℃が好ましく、100〜270℃がより好ましく、120〜250℃がさらに好ましい。ベーク時間は、30〜500秒間が好ましく、60〜240秒間がより好ましい。
複数種類のブロックが結合したブロックコポリマーを含む層3を、前記下地剤からなる層2の上に形成する方法としては特に限定されるものではなく、例えば、ブロックコポリマーを含有する組成物を、下地剤からなる層2の上に塗布して形成することができる。塗布の方法としては、下地剤と同様のものが挙げられる。
本発明においては、ブロックコポリマーを含む層3の厚さは、相分離が起こるために十分な厚みであればよく、当該厚さの下限値としては、特に限定されないが、形成される相分離構造の構造周期サイズ、ナノ構造体の均一性等を考慮すると、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがさらに好ましい。
・ブロックコポリマー
本発明においてブロックコポリマーとは、同種の構成単位のみが結合した部分構成成分(ブロック)が、複数結合した高分子である。ブロックコポリマーを構成するブロックの種類は、2種類であってもよく、3種類以上であってもよい。本発明においては、ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックは、相分離が起こる組み合わせであれば特に限定されるものではないが、互いに非相溶であるブロック同士の組み合わせであることが好ましい。また、ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロック中の少なくとも1種類のブロックからなる相が、他の種類のブロックからなる相よりも、容易に選択的に除去可能な組み合わせであることが好ましい。
・スチレン又はその誘導体から誘導される構成単位のブロックと、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;
・スチレン又はその誘導体から誘導される構成単位のブロックと、シロキサン又はその誘導体から誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;
・アルキレンオキシドから誘導される構成単位のブロックと、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー等が挙げられる。
シロキサンの誘導体としては、例えば、ジメチルシロキサン、ジエチルシロキサン、ジフェニルシロキサン、メチルフェニルシロキサン等が挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソプロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。
具体的には、ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート(PS−PMMA)ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリエチルメタクリレートブロックコポリマー、ポリスチレン−(ポリ−t−ブチルメタクリレート)ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリメタクリル酸ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリメチルアクリレートブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリエチルアクリレートブロックコポリマー、ポリスチレン−(ポリ−t−ブチルアクリレート)ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリアクリル酸ブロックコポリマー等が挙げられ、特に、PS−PMMAブロックコポリマーを用いることが好ましい。
またブロックコポリマーの分散度(Mw/Mn)は1.0〜3.0が好ましく、1.0〜1.5がより好ましく、1.0〜1.2がさらに好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
ブロックコポリマーを含有する組成物は、上記ブロックコポリマーを有機溶剤に溶解して作製することができる。有機溶剤としては、下地剤に用いることができる有機溶剤として上述した(S)成分と同様のものを用いることができる。
ブロックコポリマーを含有する組成物中の有機溶剤の使用量は特に限定されるものではなく、塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはブロックコポリマーの固形分濃度が0.2〜70質量%、好ましくは0.2〜50質量%の範囲内となる様に用いられる。
ブロックコポリマーを含む層3の相分離は、ブロックコポリマーを含む層3が形成された、下地剤からなる層2を備えた基板1を熱処理し、後工程におけるブロックコポリマーの選択除去によって基板表面の少なくとも一部が露出するような相分離構造を形成させる。熱処理の温度は、用いるブロックコポリマーのガラス転移温度以上であり、かつ熱分解温度未満で行うことが好ましい。例えば、ブロックコポリマーが、PS−PMMA(Mw:40k−20k)の場合には、180〜270℃で30〜3600秒間熱処理を行うことが好ましい。
また、熱処理は、窒素等の反応性の低いガス中で行われることが好ましい。
[ブロックコポリマーを含む層のうち、前記ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックのうちの少なくとも一種類のブロックからなる相を選択的に除去する工程]
前記ブロックコポリマーを含む層3のうち、前記ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックのうちの少なくとも一種類のブロックからなる相3aを選択的に除去することにより、パターンを形成してもよい。
なお、以下において、ブロックコポリマーを構成するブロックのうち、後の工程で選択的に除去されないブロックをPAブロック、選択的に除去されるブロックをPBブロックという。例えば、PS−PMMAブロックコポリマーを含む層を相分離した後、当該層に対して酸素プラズマ処理や水素プラズマ処理等を行うことにより、PMMAからなる相が選択的に除去される。この場合、PSがPAブロックであり、PMMAがPBブロックである。
次いで、相分離構造を形成させた後の基板上のブロックコポリマーを含む層のうち、PBブロックからなる相中のブロックの少なくとも一部を選択的に除去(低分子量化)する。予めPBブロックの一部を選択的に除去することにより、現像液に対する溶解性を高められる結果、PBブロックからなる相がPAブロックからなる相よりも選択的に除去しやすくなる。
本発明のパターン形成方法においては、[基板上に、前記下地剤を塗布し、該下地剤からなる層を形成する工程]の後、[下地剤からなる層の上に、複数種類のポリマーが結合したブロックコポリマーを含む層を形成する工程]の前に、下地剤からなる層2上にパターンが形成されたガイドパターンを予め設けてもよい。これにより、ガイドパターンの形状・表面特性に応じた相分離構造の配列構造制御が可能となる。例えば、ガイドパターンがない場合にはランダムな指紋状の相分離構造が形成されるブロックコポリマーであっても、基板表面にレジスト膜の溝構造を導入することにより、その溝に沿って配向した相分離構造が得られる。このような原理でガイドパターンを導入してもよい。またガイドパターンの表面が、ブロックコポリマーを構成するいずれかのポリマーと親和性を備えることにより、基板表面に対して垂直方向に配向されたラメラ構造やシリンダー構造からなる相分離構造を形成しやすくすることもできる。
下記モノマー(1)〜(3)を表1に示すモル比で合成して樹脂1〜5を調製し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)中に樹脂1〜5をそれぞれ溶解させ、固形分濃度0.4質量%の下地剤1〜5を調製した。
8インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚82nmの有機系反射防止膜を形成した。
次に、当該有機反射防止膜上に、表2に示す各下地剤を、スピンナーを用いて塗布し、表2に示す各温度で、1分間焼成して乾燥させ、PGMEAで処理・乾燥することにより、膜厚10nmの下地剤からなる層を基板上に形成した。
該下地剤の表面に水を滴下し、DROP MASTER−700(製品名、協和界面科学株式会社製)を用いて、接触角(静的接触角)の測定を行った(接触角の測定:水2μL)。この測定値を「接触角(°)」として、結果を表2〜3に示す。
いずれの例においてもブロックコポリマー1を用いた場合はラメラパターンが、ブロックコポリマー2を用いた場合はシリンダーパターンが形成された。
相分離が形成された基板を、TCA−3822(東京応化工業製)を用いて、酸素プラズマ処理(200mL/分、40Pa、40℃、200W、20秒間)を行ってPMMAからなる相を選択的に除去し、得られた基板の表面を走査型電子顕微鏡SEMSU8000(日立ハイテクノロジーズ社製)で観察した。均一なパターン(垂直ラメラパターン又はシリンダーパターン)が観察されたものを◎、均一なパターン(垂直ラメラパターン又はシリンダーパターン)が形成されていない部分が観察された下地剤を○、均一なパターン(垂直ラメラパターン又はシリンダーパターン)が観察されなかった下地剤を△として評価した。結果を表2〜3に示す。
[下地剤の調製−2]
上記モノマー(1)〜(3)を表4に示すモル比で合成して樹脂6〜9を得た。得られた樹脂6〜9について、表5に記載の配分でPGMEAに溶解させ、固形分濃度0.4質量%の下地剤6〜17を得た。下地剤における(樹脂配合後の)モノマー(1)〜(3)のモル比についても表5に併記する。
8インチのシリコンウェーハ上に、表6に示す各下地剤を、スピンナーを用いて塗布し、表6に示す各温度で、1分間焼成して乾燥させ、PGMEAで処理・乾燥することにより、膜厚約7nmの下地剤からなる層を基板上に形成した。
該下地剤の表面に水を滴下し、DROP MASTER−700(製品名、協和界面科学株式会社製)を用いて、接触角(静的接触角)の測定を行った(接触角の測定:水2μL)。この測定値を「接触角(°)」として、結果を表6に示す。
相分離が形成された基板を、TCA−3822(東京応化工業製)を用いて、酸素プラズマ処理(200mL/分、40Pa、40℃、200W、20秒間)を行ってPMMAからなる相を選択的に除去し、得られた基板の表面を走査型電子顕微鏡SU8000(日立ハイテクノロジーズ社製)で観察した。
均一なパターン(垂直シリンダーパターン)が形成されたものを◎、垂直シリンダーパターンが形成されているが、一部でホール(2〜3コ分)が連通していたものを〇、垂直シリンダーパターンが形成されているが、一部でホール(5〜10コ分)が連通していたものを△、として評価した。結果を表6に示す。
また、上記パターン形成工程において、シリコンウェーハのかわりにSiON基板を用いた他は同様にして形成した垂直シリンダーパターンについても、同様に形状の評価を行った。結果を表6に示す。
Claims (2)
- 基板上に形成した複数種類のブロックが結合したブロックコポリマーを含む層を相分離させるために用いられる下地剤であって、
樹脂成分を含有し、該樹脂成分が、
芳香族基を有する構成単位と、
ヒドロキシアルキル基を有する構成単位と、
芳香族基及びヒドロキシアルキル基を有しない構成単位と、
を含み、
前記樹脂成分を構成する全構成単位に対し、前記の芳香族基を有する構成単位の割合が78モル%以上90モル%以下であり、かつ、前記のヒドロキシアルキル基を有する構成単位の割合が6モル%以下であることを特徴とする下地剤(但し、酸分解可能基を含む樹脂成分を含有するものを除く)。 - 基板上に、請求項1に記載の下地剤を塗布し、該下地剤からなる層を形成する工程と、
前記下地剤からなる層の上に、複数種類のポリマーが結合したブロックコポリマーを含む層を形成する工程と、
当該ブロックコポリマーを含む層を相分離させる工程と、
を有することを特徴とするパターン形成方法。
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