JP6306810B2 - 下地剤、ブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明の一態様は、基板上に形成した複数種類のブロックが結合したブロックコポリマーを含む層を相分離させるために用いられる下地剤であって、樹脂成分を含有し、該樹脂成分が、芳香環を有する構成単位と、芳香環を有さない構成単位とからなり、前記樹脂成分は、前記基板と相互作用することができる基を有し、かつ、3員環または4員環のエーテル含有環式基を有し、前記基板と相互作用することができる基は、カルボキシ基、アミノ基、トリアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、又はモノアルコキシシリル基であり、前記樹脂成分全体の構成単位のうち、45〜85モル%が芳香環を有する構成単位であることを特徴とする下地剤である。
本発明の第二の態様は、基板上に、前記第一の態様の下地剤を塗布し、該下地剤からなる層を形成する工程(1)と、複数種類のブロックが結合したブロックコポリマーを含む層を前記下地剤からなる層表面に形成した後、前記ブロックコポリマーを含む層を相分離する工程(2)と、前記ブロックコポリマーを含む層のうち、前記ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックのうちの少なくとも一種類のブロックからなる相を選択的に除去する工程(3)と、を有することを特徴とするブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法である。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、「ハロゲン化アルキレン基」は、アルキレン基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「ヒドロキシアルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部または全部が水酸基で置換された基である。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
「ブロック」は、ブロックコポリマーを構成する、同種の構成単位のみが結合した部分構成成分を意味する。
「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。
「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。
「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。
また、本発明のブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法によれば、前記下地剤を用いることにより、位置及び配向性がより自在にデザインされたナノ構造体を備える基板を製造できる。
本発明の第一の態様の下地剤は、少なくとも樹脂成分を含有するものであって、基板上に形成した複数種類のポリマーが結合したブロックコポリマーを含む層を相分離させるために用いられる。本発明の下地剤は、具体的には、該下地剤を基板上に塗布して下地剤からなる層を設けた後、その上に複数種のブロックコポリマーを含む層を形成することにより、該下地剤からなる層が表面に形成された基板表面を、ブロックコポリマーを構成するいずれのブロックとも親和性が高いものとすることができる。
なお、本発明の下地剤を用いることができる、ブロックコポリマーを含む層の相分離や、ブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法については、本発明の第二の態様において説明する。
本発明の下地剤は、少なくとも樹脂成分(A)(以下、「(A)成分」ということがある。)を含有する。
本明細書および本特許請求の範囲において「樹脂成分」とは、分子量が1000以上の重合体を意味する。重合体の分子量としては、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。
また、本発明の(A)成分は、基板と相互作用することができる基を有し、且つ、3〜7員環のエーテル含有環式基を有する。「基板と相互作用することができる基」(以下、「基板相互作用基」ということがある。)は、前記構成単位(a1)が有していてもよく、前記構成単位(a2)が有していてもよい。
構成単位(a1)は、芳香環を有する構成単位である。(A)成分が、構成単位(a1)として芳香環を有する構成単位を含有することにより、各種の特性を有するブロックを有するブロックコポリマーを用いた場合にも、該ブロックコポリマーに対して適度な親和性を有するものとすることができる。
芳香環としては炭素数6〜18が好ましく、具体的には、ベンゼン、ビフェニル、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環;等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
・ビニル基を有する芳香族化合物(芳香環を含有する化合物);
・(メタ)アクリロイル基を有する芳香族化合物;
・ノボラック樹脂の構成成分となるフェノール類化合物、等が挙げられる。
なかでも、置換基を有していてもよい芳香環の、環を形成する炭素原子に結合した水素原子の1つがビニル基で置換された化合物から誘導される構成単位;又は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸またはそのエステルから誘導される構成単位であって、芳香環を有する構成単位が好ましいものとして挙げられる。ここでビニル基は、その炭素原子のうち、芳香環に結合した炭素原子が置換基で置換されたものであってもよい。
構成単位(a1)としては、特に、スチレン若しくはその誘導体、ビニルナフタレン若しくはその誘導体、又はビニルアントラセン若しくはその誘導体から誘導される構成単位が好ましい。
α位の置換基としてのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
ビニル安息香酸は、安息香酸のベンゼン環に1つのビニル基が結合した化合物である。ベンゼン環におけるビニル基の結合位置は特に限定されない。
スチレンまたはその誘導体のベンゼン環に結合してもよい、水酸基およびカルボキシ基以外の置換基としては、特に限定されず、たとえば、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。
ビニル(ヒドロキシナフタレン)は、ナフタレン環に、1つのビニル基と、少なくとも1つの水酸基とが結合した化合物である。ビニル基は、ナフタレン環の1位に結合していてもよく、2位に結合していてもよい。ナフタレン環に結合する水酸基の数は、1〜3が好ましく、1が特に好ましい。ナフタレン環における水酸基の結合位置は特に限定されない。ナフタレン環の1位または2位にビニル基が結合している場合、ナフタレン環の5〜8位のいずれかが好ましい。特に、水酸基の数が1つである場合は、ナフタレン環の5〜7位のいずれかが好ましく、5または6位が好ましい。水酸基の数が2以上の整数である場合は、任意の結合位置を組み合わせることができる。
ビニルナフタレンまたはその誘導体のナフタレン環に結合してもよい置換基としては、前記(α置換)スチレンのベンゼン環に結合してもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸(以下「(α置換)アクリル酸」ということがある。)またはそのエステルのα位の炭素原子に結合する置換基としては、α置換ビニルナフタレン、α置換ビニル(ヒドロキシナフタレン)において、上記α置換スチレン等の置換基と同様である。なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことを意味する。
(α置換)アクリル酸エステルが有する有機基としては、特に限定されない。
Xc、Xdの有機基としては、置換基を有していてもよい炭化水素基が好ましく、置換基を有していてもよいアルキル基がより好ましい。
置換基を有していてもよいアルキル基としては、たとえば、無置換のアルキル基、該無置換のアルキル基の水素原子の一部または全部が置換基で置換された置換アルキル基等が挙げられる。
無置換のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。解像性に優れる点から、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
置換アルキル基における置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、オキソ基(=O)、シアノ基等が挙げられる。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
また、無置換又は置換アルキル基を構成する炭素原子の一部ヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−、−Si−が好ましい。
Rc、Rdの−COOXeにおいて、Xeは水素原子または有機基であり、有機基としては前記Xc、Xdの有機基と同様である。
Rc、Rdの炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基としては、前記Rの炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基と同様である。
(A)成分中、構成単位(a1)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位に対し、10〜95モル%が好ましく、20〜90モル%がより好ましく、30〜90モル%がさらに好ましく、50〜85モル%が最も好ましい。
構成単位(a1)の割合を下限値以上とすることによって、上層となるブロックコポリマーを含む層を良好に相分離させることができる。また、上限値以下とすることにより、構成単位(a2)とのバランスをとりやすくなる。
構成単位(a2)は、芳香環を有しない構成単位である。(A)成分が、構成単位(a1)と構成単位(a2)と共に含有することにより、ブロックコポリマーの各種構成単位に対して親和性を有するものとすることができる。
構成単位(a2)としては、構成単位(a1)において説明した芳香環をその構造中に有しないものであれば特に限定されるものではないが、例えば、
・α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸またはそのエステルから誘導される構成単位であって、芳香環を有しないもの;
・α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリルアミドまたはその誘導体から誘導される構成単位であって、芳香環を有しないもの;
・シクロオレフィンまたはその誘導体から誘導される構成単位であって、芳香環を有しないもの;
・ビニルスルホン酸エステルから誘導される構成単位であって、芳香環を有しないもの;等が挙げられる。
アクリルアミドまたはその誘導体のα位の炭素原子に結合してもよい置換基としては、前記α置換スチレンのα位の炭素原子に結合する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
(α置換)アクリルアミドのアミノ基末端の水素原子の一方または両方を置換する置換基としては、有機基が好ましい。該有機基としては、特に限定されないが、たとえば前記(α置換)アクリル酸エステルが有する有機基と同様のものが挙げられる。
(α置換)アクリルアミドのアミノ基末端の水素原子の一方または両方が置換基で置換された化合物としては、たとえば前記(α置換)アクリル酸エステル中のα位の炭素原子に結合した−C(=O)−O−を、−C(=O)−N(Rb)−[式中、Rbは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基である。]で置換した化合物が挙げられる。
式中、Rbにおけるアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。
式中、Rbの炭素数1〜5のアルキル基としては、前記Rの炭素数1〜5のアルキル基と同様である。
(A)成分中、構成単位(a2)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位に対し、5〜90モル%が好ましく、10〜80モル%がより好ましく、10〜70モル%がさらに好ましく、15〜50モル%が最も好ましい。
構成単位(a2)の割合を下限値以上とすることによって、上層となるブロックコポリマーを含む層を良好に相分離させることができる。また、上限値以下とすることにより、構成単位(a1)とのバランスをとりやすくなる。
本発明の(A)成分は、3〜7員環のエーテル含有環式基を有する。ここで、「エーテル含有環式基」とは、環状の炭化水素の炭素が酸素で置換された構造(環状エーテル)を含有する環式基を意味する。具体的には、下記式(e−1)、(e−2)で表されるものが好ましい。
本発明の(A)成分は、基板相互作用基を有する。(A)成分が基板相互作用基を有することにより、(A)成分を含有する下地剤と基板とが相互作用し、強固な膜(下地剤からなる層)が基板上に形成される結果、該下地剤からなる層の上で、ブロックコポリマーからなる層が良好に相分離する。
本発明において「基板と相互作用することができる基」、「基板相互作用基」とは、基板と化学的又は物理的相互作用をすることが可能な基であって、基板の種類に応じて適宜選択することができる。基板と該基板相互作用基との相互作用の種類としては、共有結合性相互作用、イオン結合性相互作用、水素結合性相互作用、静電相互作用、疎水性相互作用、ファンデルワールス力結合等が挙げられる。
基板相互作用基として具体的には、カルボキシ基、シアノ基、アミノ基又はトリアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、モノアルコキシシリル基等が挙げられ、中でもカルボキシ基、シアノ基、アミノ基又はトリアルコキシシリル基が好ましい。トリアルコキシシリル基中のアルコキシ基としては、メトキシ基又はエトキシ基が好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
構成単位(a21)としては、下記一般式(a21−1)〜(a21−2)で表される構成単位が好ましい。
芳香環を有しない2価の連結基としての炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。該脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH2−]、エチレン基[−(CH2)2−]、トリメチレン基[−(CH2)3−]、テトラメチレン基[−(CH2)4−]、ペンタメチレン基[−(CH2)5−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−C(CH2CH3)2−CH2−等のアルキルエチレン基;−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、水素原子を置換する置換基(水素原子以外の基または原子)を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂肪族炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂肪族炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、水素原子を置換する置換基(水素原子以外の基または原子)を有していてもよいし、有していなくてもよい。該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、その環構造を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されてもよい。該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−が好ましい。
前記Y0の「ヘテロ原子を含む2価の連結基」におけるヘテロ原子とは、炭素原子および水素原子以外の原子であり、たとえば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む二価の連結基としては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−、−NH−C(=O)−、=N−、一般式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−、−C(=O)−O−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基[式中、Y21およびY22はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい二価の炭化水素基であり、Oは酸素原子であり、m’は0〜3の整数である。]等が挙げられる。
Y0が−NH−の場合、そのHはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。該置換基(アルキル基、アリール基等)は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8であることがさらに好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
前記Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。該2価の炭化水素基としては、前記でY0における「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」として挙げたものと同様のものが挙げられる。
Y21としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基またはエチレン基が特に好ましい。
Y22としては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基またはアルキルメチレン基がより好ましい。該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基において、m’は0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が特に好ましい。つまり、式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基としては、式−Y21−C(=O)−O−Y22−で表される基が特に好ましい。なかでも、式−(CH2)a’−C(=O)−O−(CH2)b’−で表される基が好ましい。該式中、a’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、ヘテロ原子として酸素原子を有する直鎖状の基、例えばエーテル結合またはエステル結合を含む基、が好ましく、前記式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基がより好ましい。
式中、Y02は芳香環を有しない2価の連結基であって、前記Y01の芳香環を有しない2価の連結基と同様である。
X02のトリアルコキシシリル基は、前記X01のトリアルコキシシリル基と同様である。
構成単位(a2)中の構成単位(a21)の割合は、5〜100モル%が好ましく、10〜100モル%がより好ましい。すなわち、構成単位(a2)は構成単位(a21)のみからなるものであってもよい。
分散度(Mw/Mn)は、特に限定されず、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.0〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
また、(A)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH2−CH2−CH2−C(CF3)2−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF3)2−OH基を導入してもよい。
各構成単位を誘導するモノマーは、市販のものを用いてもよく、公知の方法を利用して合成してもよい。
本発明の下地剤中、(A)成分の含有量は、下地剤からなる層の所望の膜厚等に応じて適宜調整すればよい。
本発明の下地剤は、さらに、酸発生剤成分(B)(以下、「(B)成分」ということがある。)を含有していてもよい。(B)成分は、加熱や露光を行うことにより酸を発生するものである。(B)成分は、そのもの自体が酸性を有している必要はなく、熱又は光などにより分解し、酸として機能するものであればよい。
このような酸発生剤としては、加熱により酸を発生する熱酸発生剤、露光により酸を発生する光酸発生剤などが挙げられ、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
これらの酸発生剤成分は、一般的に光酸発生剤(PAG)として知られているが、熱酸発生剤(TAG)としても機能する。したがって、本発明において使用可能な酸発生剤成分としては、従来、化学増幅型レジスト組成物用の酸発生剤として公知のものの中から任意のものを利用することができる。
なお、「加熱により酸を発生する熱酸発生剤」とは、具体的には200℃以下、より好ましくは50〜150℃の加熱により酸を発生する成分を意味する。200℃以下とすることで、酸の発生の制御が容易となる。より好ましくは50℃以上とすることで、下地剤中での安定性が良好となる。
また、カチオン部には、下記一般式(b−c1)又は一般式(b−c2)で表されるものが挙げられる。
R1”〜R3”において、無置換のアリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
R1”〜R3”の置換アリール基における置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
置換アリール基における置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基であることが最も好ましい。
置換アリール基における置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
置換アリール基における置換基としてのアリール基としては、前記R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
一般式:−O−C(R47)(R48)−O−R49
[式中、R47、R48はそれぞれ独立して水素原子または直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、R49はアルキル基である。]で表される基が挙げられる。
R47、R48において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜5であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
R47、R48は、少なくとも一方が水素原子であることが好ましい。特に、一方が水素原子であり、他方が水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
R49のアルキル基としては、好ましくは炭素数が1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
R49における直鎖状、分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
R49における環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
一般式:−O−R50−C(=O)−O−R56
[式中、R50は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基であり、R56は第3級アルキル基である。]で表される基が挙げられる。
R50における直鎖状、分岐鎖状のアルキレン基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基などが挙げられる。
R56における第3級アルキル基としては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロペンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルペンチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基などが挙げられる。
さらに、前記一般式:−O−R50−C(=O)−O−R56におけるR56を、R56’で置き換えた基も挙げられる。R56’は、水素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、又はヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族環式基である。
R56’におけるアルキル基は、前記R49のアルキル基と同様のものが挙げられる。
R56’におけるフッ素化アルキル基は、前記R49のアルキル基中の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
R56’における、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族環式基としては、ヘテロ原子を含まない脂肪族環式基、環構造中にヘテロ原子を含む脂肪族環式基、脂肪族環式基中の水素原子がヘテロ原子に置換されたもの等が挙げられる。
R56’について、ヘテロ原子を含まない脂肪族環式基としては、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
R56’について、環構造中にヘテロ原子を含む脂肪族環式基として具体的には、下記式(L1)〜(L6)、(S1)〜(S4)で表される基等が挙げられる。
R56’について、脂肪族環式基中の水素原子がヘテロ原子に置換されたものとして具体的には、脂肪族環式基中の水素原子が酸素原子(=O)に置換されたもの等が挙げられる。
直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基は、炭素数1〜25であり、炭素数1〜15であることが好ましく、4〜10であることがより好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基としては、第3級アルキル基を除き、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基、カルボキシ基等が挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
R6’、R7’、R8’における炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基としては、多環式基、単環式基のいずれでもよく、例えば、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該環状の飽和炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該環状のアルキル基が有する環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該環状のアルキル基が有する環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記モノシクロアルカンまたはポリシクロアルカンの環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換された複素シクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。また、前記環の構造中にエステル結合(−C(=O)−O−)を有していてもよい。具体的には、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基等のラクトン含有単環式基や、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基等のラクトン含有多環式基等が挙げられる。
後者の例における置換基としては、上述した直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が有してもよい置換基として挙げたものと同様のもの、低級アルキル基等が挙げられる。
また、R6’、R7’、R8’は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基と、環状アルキル基との組み合わせであってもよい。
直鎖状または分岐鎖状のアルキル基と環状アルキル基との組合せとしては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基に置換基として環状のアルキル基が結合した基、環状のアルキル基に置換基として直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合した基等が挙げられる。
R6’、R7’、R8’における直鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。
R6’、R7’、R8’における分岐鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
該直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
R7’、R8’においては、上記のなかでも、リソグラフィー特性、レジストパターン形状が良好であることから、炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、又は炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基が好ましい。
R1”〜R3”のアルキル基は、その水素原子の一部または全部が、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基(=O)、アリール基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、−C(=O)−O−R6’、−O−C(=O)−R7’、−O−R8’等により置換されていてもよい。アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、−C(=O)−O−R6’、−O−C(=O)−R7’、−O−R8’としては、R1”〜R3”のアリール基の置換基と同様である。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルケニル基としては、R1”〜R3”のアルケニル基と同様のものが挙げられる。
前記式(b−c2)で表される化合物におけるカチオン部の具体例としては、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム等が挙げられる。
R31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部若しくは全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
R31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
R32の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
R32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
下地剤が(B)成分を含有する場合、レジスト組成物中の(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、(B)成分が熱酸発生剤の場合は、0.5〜30質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。(B)成分が光酸発生剤の場合は、0.5〜30質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。上記範囲とすることで本願発明の効果を十分に得ることができ、(B)成分の含有量が下限値以上であると、下地剤中の(A)成分の含有量が低下することがないため好ましい。
本発明の下地剤は、材料を有機溶剤(以下「(S)成分」ともいう)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、樹脂を主成分とする膜組成物の溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。たとえば極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。また、極性溶剤としてPGMEおよびシクロヘキサノンを配合する場合は、PGMEA:(PGME+シクロヘキサノン)の質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA、EL、または前記PGMEAと極性溶剤との混合溶媒と、γ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は、特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的には下地剤の固形分濃度が1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
本発明の第二の態様は、基板上に、上述した第一の態様の下地剤を塗布し、該下地剤からなる層を形成する工程(1)と、
複数種類のブロックが結合したブロックコポリマーを含む層を前記下地剤からなる層表面に形成した後、前記ブロックコポリマーを含む層を相分離する工程(2)と、
前記ブロックコポリマーを含む層のうち、前記ブロックコポリマーを構成する複数種類のポリマーのうちの少なくとも一種類のポリマーからなる相を選択的に除去する工程(3)と、を有することを特徴とするブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法(以下、単に「パターン形成方法」ということがある。)である。
本実施形態では、まず、基板1上に前記第一の態様の下地剤を塗布して、該下地剤からなる層2を形成する(工程(1))。次いで、複数種類のブロックが結合したブロックコポリマーを含む層3を、前記下地剤からなる層2の表面に塗布等することにより形成した後、前記ブロックコポリマーを含む層3を相分離する(工程(2))。最後に、前記ブロックコポリマーを含む層3のうち、前記ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックのうちの少なくとも一種類のブロックからなる相3aを選択的に除去することにより、パターンを形成することができる(工程(3))。
基板1としては、下地剤およびブロックコポリマーを塗布する際に溶解あるいは混和するものでなければ特に限定されず、電子部品用の基板等として従来公知のものを用いることができる。
例えば、シリコンウェーハ、金、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属からなる金属基板;前記金属が酸化してなる酸化金属基板;ガラス基板、ポリマーフィルム(ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリイミド、ベンゾシクロブテン等)等が挙げられる。工程(2)において、トリアルコキシシリル基を基板相互作用基として有する下地剤を用いる場合、基板1としてはシリコンウェーハからなるものを用いることが好ましい。
また、基板1の大きさや形状は、特に限定されるものではない。基板は必ずしも平滑な表面を有する必要はなく、様々な材質や形状の基板を適宜選択することができる。例えば、曲面を有する基板、表面が凹凸形状の平板、薄片状などの様々な形状のものまで多様に用いることができる。
無機系の膜は、たとえばシリコン系材料などの無機系の反射防止膜組成物を基板上に塗工し、焼成等することにより形成できる。
有機系の膜は、たとえば、当該膜を構成する樹脂成分等を有機溶剤に溶解した有機膜形成用材料を、基板上にスピンナー等で塗布し、好ましくは200〜300℃、好ましくは30〜300秒間、より好ましくは60〜180秒間の加熱条件でベーク処理することにより形成できる。このとき用いられる有機膜形成用材料は、レジスト膜のような、光や電子線に対する感受性を必ずしも必要とするものではなく、該感受性を有するものであってもよく、有さないものであってもよい。具体的には、半導体素子や液晶表示素子の製造において一般的に用いられているレジストや樹脂を用いることができる。
また、ブロックコポリマーからなるパターンを用いて有機膜をエッチングすることにより、該パターンを有機膜へ転写し、有機膜パターンを形成できるように、有機膜形成用材料は、エッチング、特にドライエッチング可能な有機膜を形成できる材料であることが好ましい。中でも、酸素プラズマエッチング等のエッチングが可能な有機膜を形成できる材料であることが好ましい。このような有機膜形成用材料としては、従来、有機BARCなどの有機膜を形成するために用いられている材料であってよい。例えば、ブリューワサイエンス社製のARCシリーズ、ロームアンドハース社製のARシリーズ、東京応化工業社製のSWKシリーズなどが挙げられる。
本発明の第一の態様の下地剤は、基板相互作用基を有することから、上記のような有機系の膜等が設けられた基板1を用いる場合にも、基板1と下地剤からなる層2とを良好に相互作用させることができ、下地剤からなる層2を強固且つ密着性に優れた膜とすることができる。
洗浄処理としては、従来公知の方法を利用でき、例えば酸素プラズマ処理、オゾン酸化処理、酸アルカリ処理、化学修飾処理等が挙げられる。
たとえば、下地剤を、スピンコート、スピンナーを用いる等の従来公知の方法により基板1上に塗布して塗膜を形成し、乾燥させることにより、下地剤からなる層2を形成できる。
塗膜の乾燥方法としては、下地剤に含まれる有機溶剤(前記(S)成分)を揮発させることができればよく、たとえばベークする方法等が挙げられる。
ベーク温度は、80〜300℃が好ましく、100〜270℃がより好ましく、120〜250℃がさらに好ましい。ベーク時間は、30〜500秒間が好ましく、60〜240秒間がより好ましい。
本発明の下地剤が前記(B)成分のうち熱により酸を発生する酸発生剤を含有する場合、上記ベーク時間を短縮した場合であっても、該酸性化合物または酸の作用により良好な下地剤からなる層2を得ることができる。なお、下地剤が含有する(B)成分が光酸発生剤である場合には、ベーク前後に光又は電子線等の照射を行い、酸を発生させてもよい。照射は常法により行うことができる。
下地剤からなる層2を基板1表面に設けることによって基板1の表面が中性化され、その上層に設けるブロックコポリマーからなる層3のうち、特定のブロックからなる相のみが基板表面に接することを抑制することができる。その結果、ブロックコポリマーを含む層3の相分離によって、基板表面に対して自在に配向されたシリンダー構造、ドット構造、ジャイロイド構造等を形成することが可能となる。
複数種類のブロックが結合したブロックコポリマーを含む層3を、前記下地剤からなる層2の上に形成する方法としては特に限定されるものではなく、例えば、ブロックコポリマーを含有する組成物を、下地剤からなる層2の上に塗布して形成することができる。塗布の方法としては、下地剤と同様のものが挙げられる。
本発明においては、ブロックコポリマーを含む層3の厚さは、相分離が起こるために十分な厚みであればよく、当該厚さの下限値としては、特に限定されないが、形成される相分離構造の構造周期サイズ、ナノ構造体の均一性等を考慮すると、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがさらに好ましい。
・ブロックコポリマー
本発明においてブロックコポリマーとは、同種の構成単位のみが結合した部分構成成分(ブロック)が、複数結合した高分子である。ブロックコポリマーを構成するブロックの種類は、2種類であってもよく、3種類以上であってもよい。本発明においては、ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックは、相分離が起こる組み合わせであれば特に限定されるものではないが、互いに非相溶であるブロック同士の組み合わせであることが好ましい。また、ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロック中の少なくとも1種類のブロックからなる相が、他の種類のブロックからなる相よりも、容易に選択的に除去可能な組み合わせであることが好ましい。
・スチレン又はその誘導体から誘導される構成単位のブロックと、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;
・スチレン又はその誘導体から誘導される構成単位のブロックと、シロキサン又はその誘導体から誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;
・アルキレンオキシドから誘導される構成単位のブロックと、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー等が挙げられる。
シロキサンの誘導体としては、例えば、ジメチルシロキサン、ジエチルシロキサン、ジフェニルシロキサン、メチルフェニルシロキサン等が挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソプロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。
具体的には、ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート(PS−PMMA)ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリエチルメタクリレートブロックコポリマー、ポリスチレン−(ポリ−t−ブチルメタクリレート)ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリメタクリル酸ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリメチルアクリレートブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリエチルアクリレートブロックコポリマー、ポリスチレン−(ポリ−t−ブチルアクリレート)ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリアクリル酸ブロックコポリマー等が挙げられ、特に、PS−PMMAブロックコポリマーを用いることが好ましい。
またブロックコポリマーの分散度(Mw/Mn)は1.0〜3.0が好ましく、1.0〜1.5がより好ましく、1.0〜1.2がさらに好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
ブロックコポリマーを含有する組成物は、上記ブロックコポリマーを有機溶剤に溶解して作製することができる。有機溶剤としては、下地剤に用いることができる有機溶剤として上述した(S)成分と同様のものを用いることができる。
ブロックコポリマーを含有する組成物中の有機溶剤の使用量は特に限定されるものではなく、塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはブロックコポリマーの固形分濃度が0.2〜70質量%、好ましくは0.2〜50質量%の範囲内となる様に用いられる。
また、熱処理は、窒素等の反応性の低いガス中で行われることが好ましい。
工程(3)では、前記ブロックコポリマーを含む層3のうち、前記ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックのうちの少なくとも一種類のブロックからなる相3aを選択的に除去することにより、パターンを形成する。
なお、以下において、ブロックコポリマーを構成するブロックのうち、後の工程で選択的に除去されないブロックをPAブロック、選択的に除去されるブロックをPBブロックという。例えば、PS−PMMAブロックコポリマーを含む層を相分離した後、当該層に対して酸素プラズマ処理や水素プラズマ処理等を行うことにより、PMMAからなる相が選択的に除去される。この場合、PSがPAブロックであり、PMMAがPBブロックである。
次いで、相分離構造を形成させた後の基板上のブロックコポリマーを含む層のうち、PBブロックからなる相中のブロックの少なくとも一部を選択的に除去(低分子量化)する。予めPBブロックの一部を選択的に除去することにより、現像液に対する溶解性を高められる結果、PBブロックからなる相がPAブロックからなる相よりも選択的に除去しやすくなる。
高分子化合物1〜9は、各高分子化合物を構成する構成単位を誘導する下記モノマー(1)〜(6)を表1に示すモル比で用い、常法により合成した。得られた高分子化合物の分子量(Mw)及び分子量分散量(Mw/Mn)を表1に併記する。
まず、表1、2に示す高分子化合物100質量部と、必要に応じて添加した酸発生剤1質量部と、含窒素塩基性化合物5質量部と、PGMEA12400質量部とを混合して溶解し、下地剤を調製した。
得られた各例の下地剤を、シリコンウェーハ(Si基板)上に、スピンナーを用いてそれぞれ塗布し、150℃にて60秒ベーク処理を行い、膜厚10nmの下地剤からなる層を形成した。
次に、該層をスピンしながらPGMEAを用いて15秒間リンスを行った後、下地剤からなる層の膜厚(nm)を、UTFTA−200(商品名、リソテックジャパン社製)により測定した。実施例8、9は10nmであり、その他は1nm以下であった。
その後、窒素気流下、240℃で60秒間加熱処理を行い、相分離構造を形成させた。相分離が形成された基板を、TCA−3822(東京応化工業製)を用いて、酸素プラズマ処理(200mL/分、40Pa、40℃、200W、20秒間)を行ってPMMAからなる相を選択的に除去し、得られた基板の表面を走査型電子顕微鏡SEMSU8000(日立ハイテクノロジーズ社製)で観察した。均一なパターン(垂直ラメラ)が観察されたものを◎、均一なパターン(垂直ラメラ)が形成されていない部分が観察された下地剤を○、均一なパターン(垂直ラメラ)が観察されなかった下地剤を△として評価した。結果を表3に示す。
(A)−1〜(A)−15:前記高分子化合物1〜15。
(B)−1:下記化学式(B)−1で表される化合物。
(D)−1:イミダゾール。
(BP)−1:PS−PMMA(Mw=18000−18000、Mw/Mn=1.07)のブロックコポリマー。
(BP)−2:PS−PMMA(Mw=45000−20000、Mw/Mn=1.07)のブロックコポリマー。
Claims (5)
- 基板上に形成した複数種類のブロックが結合したブロックコポリマーを含む層を相分離させるために用いられる下地剤であって、
樹脂成分を含有し、該樹脂成分が、芳香環を有する構成単位と、芳香環を有さない構成単位とからなり、
前記樹脂成分は、前記基板と相互作用することができる基を有し、かつ、3員環または4員環のエーテル含有環式基を有し、
前記基板と相互作用することができる基は、カルボキシ基、アミノ基、トリアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、又はモノアルコキシシリル基であり、
前記樹脂成分全体の構成単位のうち、45〜85モル%が芳香環を有する構成単位であることを特徴とする下地剤。 - 前記基板と相互作用することができる基がカルボキシ基、アミノ基またはトリメトキシシリル基である請求項1に記載の下地剤。
- 前記芳香環を有する構成単位が、ビニル基を有する炭素数6〜18の芳香族化合物、(メタ)アクリロイル基を有する炭素数6〜18の芳香族化合物、及びノボラック樹脂の構成成分となるフェノール類化合物からなる群から選ばれるいずれかの化合物由来の構成単位である請求項1または2に記載の下地剤。
- さらに、加熱若しくは露光により酸を発生する酸発生剤成分を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の下地剤。
- 基板上に、請求項1〜4のいずれか一項に記載の下地剤を塗布し、該下地剤からなる層を形成する工程(1)と、
複数種類のブロックが結合したブロックコポリマーを含む層を前記下地剤からなる層表面に形成した後、前記ブロックコポリマーを含む層を相分離する工程(2)と、
前記ブロックコポリマーを含む層のうち、前記ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックのうちの少なくとも一種類のブロックからなる相を選択的に除去する工程(3)と、を有することを特徴とするブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法。
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