JPWO2007142132A1 - ポルフィリン(y)の多価金属化合物の新規製造方法 - Google Patents

ポルフィリン(y)の多価金属化合物の新規製造方法 Download PDF

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Abstract

ポルフィリン(Y)の多価金属化合物を大量に製造できる新規な製造方法の提供。(1)式1および/もしくは式2のポルフィリンと多価金属を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒を調製することにより、式3および/もしくは式4のポルフィリン(M)の多価金属化合物を生成する工程、そして(2)前記ポルフィリン(M)の多価金属化合物を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒を調製することにより、式5および/もしくは式6のポルフィリン(Y)の多価金属化合物を生成する工程を含む、ポルフィリン(Y)の多価金属化合物の製造方法。

Description

本発明は、光線力学的治療(Photodynamic Therapy:PDT)に有用なポルフィリン(Y)の多価金属化合物の新規製造方法に関する。
光線力学的療法とは、薬剤とレーザー光、水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプのようなランプを使用した可視光等によって引き起こされる光化学反応を利用した治療法であり、癌組織中に活性酸素を生成させることによって、癌組織を壊死させるものである。
具体的には、癌親和性光感受性薬剤を投与し、当該薬剤を癌組織に選択的に蓄積させ、蓄積された癌組織に特定波長の光を照射することによって光化学反応を起こさせ、標的組織中に活性酸素やラジカルを生成させ、癌細胞を壊死させて癌等の疾患を治療しようとするものである。
これらの光感受性薬剤としてはポルフィリン骨格を有する化合物が知られており、これらの化合物は、波長が635nm付近の光の照射により1重項基底状態から励起3重項状態となり、活性酸素を生成することにより癌細胞を壊死させる。
実際にこのような治療に用いられる光線力学的療法用剤としては、フォトフリン((登録商標)武田薬品工業)やATX−S10(Na)(非特許文献1、2)が知られている。
また、コプロポルフィリン−III亜鉛錯体が細菌によって産生されること、光感受性を有すること、光線照射により活性酸素を生じること、そしてヘマトポルフィリンに比べて優れた癌細胞に対する毒性効果を有することが報告されている(特許文献1)。
また、コプロポルフィリン−I亜鉛錯体が、新生児の便中に見出されること(非特許文献3)、光感受性を有すること、PDT効果を有すること、そしてその製造方法が報告されている(特許文献2)。
さらに、これらコプロポルフィリン亜鉛錯体とリドカインなどの局所麻酔剤などを併用することによって高いPDT効果が得られることも報告されている。(特許文献3)。
一方、人工的なポルフィリン金属錯体の数十mg/Lレベルの合成については、本発明人が、ブタノールなどの有機極性溶媒にコプロポルフィリン(コプロポルフィリンI、コプロポルフィリンIII)を一旦溶解した後、弱酸性水溶液に抽出し、弱酸性溶液中で亜鉛化合物と反応させてコプロポルフィリン亜鉛錯体を製造する方法を報告している(特許文献2)。しかし、本方法は、ブタノールにコプロポルフィリンを大量に溶解することができないためg/Lレベルの大量合成には不向きであった。また、安全性や製造コストを考えた場合、有機溶媒ではなく水などの無機溶媒で製造できることが望ましい。
特許文献4は、溶媒中のポルフィリン類と遷移金属塩を塩基物質の存在下で反応させることを特徴とするポルフィリン類金属錯体の製造方法を開示している。そして、特許文献4は、塩基性有機溶媒だけではなく、溶媒として水、塩基物質として無機塩基も挙げている。しかし、具体的には、塩基性有機溶媒中におけるポルフィリン類金属錯体の製造しか開示していない。そのため、無機塩基の水溶液中におけるポルフィリンの不安定性や金属水酸化物などの生成の問題を記載してはいない。また、特許文献4は塩基物質の存在下での金属の挿入を必須としているので塩基物質の非存在下での金属の挿入の方法についても記載していない。さらに、医療への使用を考えた場合、ポルフィリン類金属錯体の水や生理食塩水への溶解性が重要となるが、特許文献4は、得られたポルフィリン類金属錯体の水や生理食塩水への溶解性についてもなにも記載していない。なお、コプロポルフィリン−III亜鉛錯体が水に不溶であることは、特許文献3に記載されており、ポルフィリン類およびポルフィリン類金属錯体が水に溶解しにくいことは、一般によく知られている。
特開平05−229948号公報 特願2005−008341 特願2006−015530 特開平11−255790号公報 M.Mori etal.,Jpn.J.Cancer Res.91,845−852,2000 Masumoto K.etal.,Lasers Med Sci.18,134−138,2003 K.Horiuchi etal., Clin.Chem. 37,1173−1177,1991
本発明は、高濃度のポルフィリン金属化合物の水溶液の調製に適したポルフィリン(Y)の多価金属化合物を、より安全に、安価に、簡単に、そして大量に製造できる新規な製造方法を提供することを目的とする。
1、本発明は、下記工程:
(1)下記式1:
Figure 2007142132
[式中、R〜Rは、互いに独立して、水素、非置換若しくはヒドロキシルにより置換されたC〜C10アルキル、非置換若しくはヒドロキシルにより置換されたC〜Cアルケニル、および−R’−COOH(ここで、R’は、非置換若しくはヒドロキシルにより置換されたC〜C10アルキレンを表す)からなる群から選択され、かつ、R〜Rの少なくとも1つは、−R’−COOHである]
および/もしくは下記式2:
Figure 2007142132
[式中、R〜Rは、式1で記載されたとおりであり、nは0〜6の整数である]
のポルフィリンと多価金属を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒を調製することにより、
下記式3:
Figure 2007142132
[式中、R’〜R’は、互いに独立して、水素、非置換若しくはヒドロキシルにより置換されたC〜C10アルキル、非置換若しくはヒドロキシルにより置換されたC〜Cアルケニル、および−R’−COOM(ここで、R’は、式1で記載されたとおりである)からなる群から選択され、かつ、R’〜R’の少なくとも1つは、−R’−COOMであり、Mは多価金属を表す]
および/もしくは下記式4:
Figure 2007142132
[式中、R’〜R’、Mは、式3で記載されたとおりであり、nは0〜6の整数である]
のポルフィリン(M)の多価金属化合物を生成する工程、そして
(2)前記ポルフィリン(M)の多価金属化合物を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒を調製することにより、
下記式5:
Figure 2007142132
[式中、R’〜R’は、−R’−COOMが−R’−COOYに置き換えられていることを除いて式3で記載したとおりであり、Yはアルカリ金属を表す]
および/もしくは下記式6:
Figure 2007142132
[式中、R’〜R’、nおよびMは、−R’−COOMが−R’−COOYに置き換えられていることを除いて式4で記載したとおりであり、Yはアルカリ金属を表す]
のポルフィリン(Y)の多価金属化合物を生成する工程
を含む、ポルフィリン(Y)の多価金属化合物の製造方法に関する。
2、本発明は、
下記工程:
(1)式1および/もしくは式2のポルフィリンを含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒を調製することにより、下記式7:
Figure 2007142132
[式中、R〜Rは、−R’−COOHが−R’−COOYに置き換えられていることを除いて式1で記載したとおりであり、Yはアルカリ金属を表す]
および/もしくは下記式8:
Figure 2007142132
[式中、R〜Rおよびnは、−R’−COOHが−R’−COOYに置き換えられていることを除いて式2で記載したとおりであり、Yはアルカリ金属を表す]
のポルフィリン(Y)を生成する工程、
(2)前記ポルフィリン(Y)と多価金属を含むpH2.0以上の水性溶媒を調製することにより、式3および/もしくは式4のポルフィリン(M)の多価金属化合物を生成する工程、そして
(3)前記ポルフィリン(M)の多価金属化合物を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒を調製することにより、式5および/もしくは式6のポルフィリン(Y)の多価金属化合物を生成する工程
を含む、ポルフィリン(Y)の多価金属化合物の製造方法に関する。
3、本発明は、式Iのポルフィリンが、下記式9:
Figure 2007142132
のヘマトポルフィリンIX、下記式10:
Figure 2007142132
のプロトポルフィリンIX、下記式11:
Figure 2007142132
のコプロポルフィリンI、下記式12:
Figure 2007142132
のコプロポルフィリンIII、および/または、下記式13:
Figure 2007142132
のウロポルフィリンIであり、そして、式2のポルフィリンが、
下記式14:
Figure 2007142132
[式中、nは、0〜6の整数である]
のフォトフィリンである、
上記1または2に記載のポルフィリン(Y)の多価金属化合物の製造方法に関する。
4、本発明は、アルカリ金属が、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、およびフランシウムからなる群から選択される、上記1〜3のいずれか1つに記載のポルフィリン(Y)の多価金属化合物の製造方法に関する。
5、本発明は、多価金属が、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、パラジウム、銀、カドミウム、錫、タングステン、イリジウム、白金、金、水銀およびタリウムからなる群から選択される、上記1〜4のいずれか1つに記載のポルフィリン(Y)の多価金属化合物の製造方法に関する。
6、本発明は、上記1〜5のいずれか1つに記載の工程で得られるポルフィリン(M)の多価金属化合物に関する。
7、本発明は、上記2〜5のいずれか1つに記載の工程で得られるポルフィリン(Y)に関する。
8、本発明は、上記1〜5のいずれか1つに記載の製造方法により得られたポルフィリン(Y)の多価金属化合物に関する。
9、本発明は、
下記工程:
(1)式1および/または式2のポルフィリンをアルカリ金属の塩基性水性溶媒に溶解することにより、式7および/または式8のポルフィリン(Y)を生成する工程、
(2)前記ポルフィリン(Y)を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒から、遊離のアルカリ金属を除去して、前記ポルフィリン(Y)を含む水性溶媒を得る工程、
(3)前記ポルフィリン(Y)を含む水性溶媒と多価金属とを混合することにより、式3および/または式4のポルフィリン(M)の多価金属化合物を生成する工程、
(4)前記ポルフィリン(M)の多価金属化合物を含む水性溶媒から前記ポルフィリン(Y)の多価金属化合物を沈殿させて回収する工程、
(5)前記ポルフィリン(M)の多価金属化合物の沈殿物をアルカリ金属の塩基性水性溶媒に溶解することにより、式5および/または式6のポルフィリン(Y)の多価金属化合物を生成する工程、及び
(6)前記ポルフィリン(Y)の多価金属化合物を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒から、遊離の多価金属及び/又は遊離のアルカリ金属を除去して、前記ポルフィリン(Y)の多価金属化合物を含む水性溶媒を得る工程
を含む、ポルフィリン(Y)の多価金属化合物の製造方法に関する。
本発明の製造方法によれば、塩基性有機溶媒を用いずに、高濃度のポルフィリン金属錯体の水溶液の調製に適したポルフィリン(Y)の多価金属化合物を、より安全に、安価に、簡単に、そして工業的レベルで大量に製造できる。
本発明で用いる、ポルフィリンとは、下記式1:
Figure 2007142132
[式中、R〜Rは、互いに独立して、水素、非置換若しくはヒドロキシルにより置換されたC〜C10アルキル、非置換若しくはヒドロキシルにより置換されたC〜Cアルケニル、および−R’−COOH(ここで、R’は、非置換若しくはヒドロキシルにより置換されたC〜C10アルキレンを表す)からなる群から選択され、かつ、R〜Rの少なくとも1つは、−R’−COOHである]
または下記式2:
Figure 2007142132
[式中、R〜Rは、式1で記載されたとおりであり、nは0〜6の整数である]
の化合物を意味する。
好ましい式1または式2のポルフィリンは、下記式9:
Figure 2007142132
のヘマトポルフィリンIX、下記式10:
Figure 2007142132
のプロトポルフィリンIX、下記式11:
Figure 2007142132
のコプロポルフィリンI、下記式12:
Figure 2007142132
のコプロポルフィリンIII、下記式13:
Figure 2007142132
のウロポルフィリンI、または、下記式14:
Figure 2007142132
[式中、nは、0〜6の整数であり、Rは、ヒドロキシエチルまたはブチルである]
のフォトフィリンである。
本発明で用いる、アルキルとは、非置換であるか、ヒドロキシルで置換された直鎖状または分枝鎖状の一価の炭化水素残基を意味する。好ましいアルキルは、炭素数が1〜10であるC〜C10アルキルであり、より好ましいアルキルは、炭素数が1〜5であるC〜Cアルキル、さらに好ましいアルキルは、炭素数が1〜3であるC〜Cアルキルである。アルキルの例には、非置換であるか、ヒドロキシルで置換されたメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチルなどが挙げられ、好ましくは、非置換メチル、またはヒドロキシエチルである。
本発明で用いる、アルケニルとは、非置換であるか、ヒドロキシルで置換された直鎖状または分枝鎖状の二重結合を有する一価の炭化水素残基を意味する。好ましいアルケニルは、炭素数が2〜4であるC〜Cアルケニルであり、より好ましいアルケニルは、炭素数が2〜3であるC〜Cアルケニルであり、さらに好ましいアルケニルは、炭素数が2であるCアルケニルである。アルケニルの例には、非置換であるか、またはヒドロキシルで置換されたビニル、プロペニルなどが挙げられ、好ましくは、非置換ビニルである。
本発明で用いる、カルボキシルとは、−COOHを意味する。
本発明で用いる、アルキレンとは、非置換であるか、またはヒドロキシルで置換された直鎖状または分枝鎖状の二価の炭化水素残基を意味する。好ましいアルキレンは、炭素数が1〜10であるC〜C10アルキレンであり、より好ましいアルキレンは、炭素数が1〜5であるC〜Cアルキレンであり、さらに好ましいアルキレンは、炭素数が1〜3であるC〜Cアルキレンである。アルキレンの例には、非置換であるか、またはヒドロキシルで置換されたメチレン、エチレン、プロピレンなどが挙げられ、好ましくは非置換メチレン、非置換エチレンである。
本発明で用いる、R’−COOHの例には、非置換であるか、またはヒドロキシルで置換されたアセチル、プロピオニル、イソプロピオニルなどが挙げられるが、好ましくは非置換アセチル、非置換プロピオニルである。
本発明で用いる、アルカリ金属とは、周期表1A族の金属を意味し、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムを意味し、好ましくは、リチウム、ナトリウム、カリウムである。より好ましくは、ナトリウム、カリウムである。
本発明で用いる、アルカリ金属の塩基性水性溶媒とは、アルカリ金属の水酸化物、炭酸化物、炭酸水素化物、蟻酸化物、酢酸化物、プロピオン酸化物および/もしくはカルボン酸化物を含む水を意味する。これは、さらに、メタノール、エタノールおよび/もしくはアセトン等の中性の極性有機溶媒を含んでいても良い。アルカリ金属の塩基性水性溶媒のpHは、pH8.0以上、好ましくはpH9.0以上、より好ましくはpH11.0以上、さらに好ましくはpH12.0以上、特に好ましくはpH13.0以上である。なお、上限は、pHの上限であるpH14.0である。
アルカリ金属の水酸化物とは、上記アルカリ金属が水酸化されたものを意味し、例えば、LiOH、NaOH、KOHなどが挙げられる。アルカリ金属の炭酸化物とは、上記アルカリ金属が炭酸化されたものを意味し、例えば、LiCO、NaCO、KCOなどが挙げられる。アルカリ金属の炭酸水素化物とは、上記アルカリ金属が炭酸水素化されたものを意味し、例えば、LiHCO、NaHCOおよびKHCOなどが挙げられる。
なお、アルカリ金属の種類を問わずアルカリ金属の塩基性水性溶媒にカルボキシルを有する式1および/または2のポルフィリンを溶解することができる。この理由は、アルカリ金属陽イオンのカウンターイオンとして、ポルフィリン中のカルボキシルが常に水性溶媒中で陰イオンになるからである。
アルカリ金属の塩基性水性溶媒は、好ましくは、アルカリ金属の水酸化物、炭酸化物および/もしくは炭酸水素化物を含む水であり、より好ましくは、アルカリ金属の水酸化物を含む水であり、さらに好ましくは、NaOH、KOHを含む水である。これは、さらに、メタノール、エタノールおよび/もしくはアセトン等の中性の極性有機溶媒を含んでいても良い。
本発明で用いる、多価金属とは、二価以上の価を持つ金属を意味し、例えば、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、パラジウム、銀、カドミウム、錫、タングステン、イリジウム、白金、金、水銀もしくはタリウムを意味し、好ましくはマグネシウム、カルシウム、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛またはモリブデン、より好ましくはマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛またはモリブデンである。
多価金属は、上記多価金属の塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ギ酸塩、炭酸塩または酢酸塩で用いられることが好ましい。好ましくは、上記多価金属の塩酸塩、硝酸塩、より好ましくは塩酸塩である。例えば、塩化マンガン(MnCl)、塩化鉄(FeCl、FeCl)、塩化コバルト(CoCl)、塩化ニッケル(NiCl)、塩化銅(CuCl)、塩化亜鉛(ZnCl)、塩化モリブデン(MoCl)である。
本発明で用いる、ポルフィリン(M)の多価金属化合物とは、下記式3:
Figure 2007142132
[式中、R’〜R’は、互いに独立して、水素、非置換若しくはヒドロキシルにより置換されたC〜C10アルキル、非置換若しくはヒドロキシルにより置換されたC〜Cアルケニル、および−R’−COOM(ここで、R’は、式1で記載されたとおりである)からなる群から選択され、かつ、R’〜R’の少なくとも1つは、−R’−COOMであり、Mは多価金属を表す]
または下記式4:
Figure 2007142132
[式中、R’〜R’、Mは、式3で記載されたとおりであり、nは0〜6の整数である]
の化合物を意味し、本化合物は、式1または式2のポルフィリンのR〜R中に存在するカルボキシルの水素がすべて多価金属に置き換えられ、かつ、ポルフィリン環部位に多価金属が挿入された化合物である。なお、ポルフィリン(M)の多価金属化合物は、多価金属を介したイオン結合により多量体を形成していてもよい。
好ましいポルフィリン(M)の多価金属化合物は、コプロポルフィリンI(M)の多価金属化合物、コプロポルフィリンIII(M)の多価金属化合物、ウロポルフィリンI(M)の多価金属化合物、プロトポルフィリンIX(M)の多価金属化合物、ヘマトポルフィリンIX(M)の多価金属化合物、フォトフィリン(M)の多価金属化合物である。
より好ましいポルフィリン(M)の多価金属化合物は、多価金属を意味するMがマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛またはモリブデンである、コプロポルフィリンI(M)の多価金属化合物、コプロポルフィリンIII(M)の多価金属化合物、ウロポルフィリンI(M)の多価金属化合物、プロトポルフィリンIX(M)の多価金属化合物、ヘマトポルフィリンIX(M)の多価金属化合物、フォトフィリン(M)の多価金属化合物である。
例えば、ポルフィリンがコプロポルフィリンIであり、かつ多価金属が亜鉛である場合のポルフィリン(M)の多価金属化合物は、コプロポルフィリンI(Zn)の亜鉛錯体と表される。
本発明で用いる、ポルフィリン(Y)とは、下記式7:
Figure 2007142132
[式中、R〜Rは、−R’−COOHが−R’−COOYに置き換えられていることを除いて式1で記載したとおりであり、Yはアルカリ金属を表す]
または下記式8:
Figure 2007142132
[式中、R〜Rおよびnは、−R’−COOHが−R’−COOYに置き換えられていることを除いて式2で記載したとおりであり、Yはアルカリ金属を表す]
の化合物を意味し、本化合物は、式1または2のポルフィリンのR〜R中に存在するカルボキシルの水素がすべてアルカリ金属に置き換えられた化合物である。
好ましいポルフィリン(Y)は、コプロポルフィリンI(Y)、コプロポルフィリンIII(Y)、ウロポルフィリンI(Y)、プロトポルフィリンIX(Y)、ヘマトポルフィリンIX(Y)、フォトフィリン(Y)である。
より好ましいポルフィリン(Y)は、アルカリ金属を意味するYがナトリウムまたはカリウムである、コプロポルフィリンI(Y)、コプロポルフィリンIII(Y)、ウロポルフィリンI(Y)、プロトポルフィリンIX(Y)、ヘマトポルフィリンIX(Y)、フォトフィリン(Y)である。
例えば、ポルフィリンがコプロポルフィリンIであり、かつアルカリ金属がナトリウムである場合のポルフィリン(Y)は、コプロポルフィリンI(Na)と表される。
本発明で用いる、ポルフィリン(Y)の多価金属化合物とは、下記式5:
Figure 2007142132
[式中、R’〜R’は、−R’−COOMが−R’−COOYに置き換えられていることを除いて式3で記載したとおりであり、Yはアルカリ金属を表す]
または下記式6:
Figure 2007142132
[式中、R’〜R’、nおよびMは、−R’−COOMが−R’−COOYに置き換えられていることを除いて式4で記載したとおりであり、Yはアルカリ金属を表す]
の化合物を意味する。本化合物は、式1または2のポルフィリンのR〜R中に存在するカルボキシルの水素がすべてアルカリ金属に置き換えられ、かつ、ポルフィリン環部位に多価金属が挿入された化合物である。
好ましい、ポルフィリン(Y)の多価金属化合物は、下記式15:
Figure 2007142132
[式中、Y、Mは先に記載されたとおりである]
ヘマトポルフィリンIX(Y)の多価金属化合物、下記式16:
Figure 2007142132
[式中、Y、Mは先に記載されたとおりである]
のプロトポルフィリンIX(Y)の多価金属化合物、下記式17:
Figure 2007142132
[式中、Y、Mは先に記載されたとおりである]
のコプロポルフィリンI(Y)の多価金属化合物、下記式18:
Figure 2007142132
[式中、Y、Mは先に記載されたとおりである]
のコプロポルフィリンのIII(Y)の多価金属化合物、下記式19:
Figure 2007142132
[式中、Y、Mは先に記載されたとおりである]
のウロポルフィリンI(Y)の多価金属化合物、または、下記式20:
Figure 2007142132
[式中、Y、M、nは先に記載されたとおりであり、R’はヒドロキシエチルまたはビニルである]
のフォトフィリン(Y)の多価金属化合物である。
より好ましいポルフィリン(Y)の多価金属化合物は、Yがナトリウムまたはカリウムである、コプロポルフィリンI(Y)の多価金属化合物、コプロポルフィリンIII(Y)の多価金属化合物、ウロポルフィリンI(Y)の多価金属化合物、プロトポルフィリンIX(Y)の多価金属化合物、ヘマトポルフィリンIX(Y)の多価金属化合物、フォトフィリン(Y)の多価金属化合物である。
特に好ましいポルフィリン(Y)の多価金属化合物は、Yがナトリウムまたはカリウムであり、多価金属(M)がマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛またはモリブデンである、コプロポルフィリンI(Y)の多価金属化合物、コプロポルフィリンIII(Y)の多価金属化合物、ウロポルフィリンI(Y)の多価金属化合物、プロトポルフィリンIX(Y)の多価金属化合物、ヘマトポルフィリンIX(Y)の多価金属化合物、フォトフィリン(Y)の多価金属化合物である。
例えば、ポルフィリンがコプロポルフィリンIであり、かつアルカリ金属がナトリウムであり、多価金属が亜鉛である場合のポルフィリン(Y)の多価金属化合物は、コプロポルフィリンI(Na)の亜鉛錯体と表される。
本発明で用いる、「式1および/もしくは式2のポルフィリンと多価金属を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒を調製すること」は、式1および/もしくは式2のポルフィリンと多価金属を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒を得ることができる方法であれば特に限定されないが、アルカリ金属の塩基性水性溶媒に、式1および/もしくは式2のポルフィリンと多価金属塩を溶解することで調製することができる。これにより、式1および/もしくは式2のポルフィリンから、ポルフィリン中のカルボキシルの水素がすべて多価金属に置き換えられ(−R’−COOH → −R’−COOM)、かつ、ポルフィリン環部位に多価金属が挿入されて、式3および/もしくは式4のポルフィリン(M)の多価金属化合物が生成される。なお、アルカリ金属の塩基性水性溶媒に、ポルフィリンと多価金属塩を溶解する方法は、アルカリ金属の塩基性水性溶媒中にポルフィリンと多価金属塩が溶けて一緒に存在するようになる方法であれば限定されない。
ポルフィリンは、アルカリ強度が高いほど水性溶媒への溶解性が高くなるので、ポルフィリン(M)の多価金属化合物を大量合成するには、アルカリ強度の高い水性溶媒に溶解することが好ましいが、ポルフィリンは、アルカリ強度が高いと不安定となる。一方、多価金属のポルフィリン環部位への挿入反応は、時間が長いほど好ましい。よって、多価金属のポルフィリン環部位への挿入反応時間は、pHにもよるが、2〜12時間、好ましくは、2〜10時間、より好ましくは、2〜6時間である。
本発明で用いる、「ポルフィリン(M)の多価金属化合物を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒を調製すること」は、ポルフィリン(M)の多価金属化合物を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒を得ることができる方法であれば、特に限定されないが、ポルフィリン(M)の多価金属化合物は、遊離の多価金属の存在下では、時間の経過とともに多量体を形成して沈殿してくるので、この沈殿を回収してアルカリ金属の塩基性水性溶媒に溶解しなおすことで簡単に調製することができる。これにより、式3および/もしくは式4のポルフィリン(M)の多価金属化合物から、式5および/もしくは式6のポルフィリン(Y)の多価金属化合物が生成される。
式3および/もしくは式4のポルフィリン(M)の多価金属化合物は、遊離の多価金属の非存在下かつアルカリ金属の塩基性条件下では、それらの−R’−COOMが−R’−COOYに置き換えられ、式5および/もしくは式6のポルフィリン(Y)の多価金属化合物が生成されるので、アルカリ金属の塩基性水性溶媒に溶解可能となる。
ここで、遊離の多価金属とは、ポルフィリン(M)の多価金属化合物の生成に関与しなかった多価金属を意味する。
また、下記式3および/もしくは下記式4のポルフィリン(M)の多価金属化合物を次の方法で生成してもよい。この方法は、多価金属のポルフィリン環部位への挿入反応を非塩基性条件下で実施することも可能であるので、多価金属の挿入反応に時間をかけることができ、多価金属の挿入反応やポルフィリン(M)の多価金属化合物の沈殿形成反応を高めることができる。また、アルカリ金属が、アルカリ金属の水酸化物である場合に生じる多価金属の水酸化物の生成を避けることもできる。
本発明で用いる、「式1および/もしくは式2のポルフィリンを含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒を調製すること」は、式1および/もしくは式2のポルフィリンを含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒を得ることできる方法であれば特に限定されないが、アルカリ金属の塩基性水性溶媒中にポルフィリンを溶解することで調製することができる。これにより、式1および/もしくは式2のポルフィリンから、ポルフィリン中のカルボキシルの水素がすべてアルカリ金属に置き換えられた式7および/もしくは式8のポルフィリン(Y)が生成される。
本発明で用いる、「ポルフィリン(Y)と多価金属を含むpH2.0以上の水性溶媒を調製すること」は、上記のようにして生成されたポルフィリン(Y)を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒を酸で中和した後の、または、アルカリ金属の塩基性水性溶媒から遊離のアルカリ金属を除去した後のポルフィリン(Y)を含むpH2.0以上の水性溶媒に多価金属塩を溶解することで調製することができる。また、ポルフィリン(Y)を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒に多価金属塩を溶解しても調製することができるが。これは、前述のアルカリ金属の塩基性水性溶媒にポルフィリンと多価金属を溶解することと同じことである。なお、水性溶媒のpHは、pH2.0未満の場合、ポルフィリン(Y)のアルカリ金属がポルフィリン(Y)から解離するので、pH2.0以上である必要がある。これにより、式7および/もしくは式8のポルフィリン(Y)から、ポルフィリン(Y)中の−R’−COOYが−R’−COOMに置き換えられ、かつ、ポルフィリン環部位に多価金属が挿入されて、式5および/もしくは式6のポルフィリン(M)の多価金属化合物が生成される。
ここで、遊離のアルカリ金属とは、ポルフィリン(Y)の生成に関与しなかったアルカリ金属を意味する。
なお、酸により中和した後の、または遊離のアルカリ金属を除去した後の水性溶媒のpHは、pH2.0以上であればよいが、多価金属のポルフィリン環部位への挿入反応を長時間実施するためには、水性溶媒のpHは、pH2.0〜pH9.0、好ましくは、pH2.0〜pH7.0、より好ましくは、pH3.0〜7.0、さらに好ましくはpH4.0〜7.0、特に好ましくはpH5.0〜7.0である。ここで、pH2.0〜pH9.0とは、pH2.0以上でpH9.0以下を意味する。
遊離のアルカリ金属を除去する方法には、遊離のアルカリ金属を除去できる方法であれば特に限定されないが、pH2.0以上の水性溶媒を用いた、透析法、ゲルろ過法などクロマトグラフィー、限外ろ過法などが挙げられる。これにより、ポルフィリン(Y)を含むpH2.0以上の水性溶媒を調製できる。
透析法、ゲルろ過法などクロマトグラフィー、限外ろ過法などに用いられるpH2.0以上の水性溶媒は、水を含むpH2.0以上のpHの溶媒であれば限定されないが、好ましくは、水、あるいは、ギ酸、酢酸のような有機酸;炭酸ガス;塩酸、硝酸のような無機酸;アンモニアのような弱塩基;アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸化物、炭酸水素化物を含む水である。さらに、これらには、メタノール、エタノール、アセトン等の中性の極性有機溶媒を含んでいても良い。より好ましい水性溶媒は、水である。
または、「ポルフィリン(Y)と多価金属を含むpH2.0以上の水性溶媒を調製すること」は、ポルフィリン(Y)を単離後に、pH2.0以上の水性溶媒にポルフィリン(Y)と多価金属塩を溶解して調製してもよい。そして、これにより、ポルフィリン(M)の多価金属化合物が生成されてもよい。よって、pH2.0以上の水性溶媒にポルフィリン(Y)と多価金属塩を溶解する方法は、pH2.0以上の水性溶媒中にポルフィリン(Y)と多価金属塩が溶けて一緒に存在するようになる方法であれば限定されない。
先に記載したように、ポルフィリン(M)の多価金属化合物は、多量体を形成して沈殿するので、先に記載したようにこの沈殿物を回収し、アルカリ金属の塩基性水性溶媒に溶解し直すことで、「ポルフィリン(M)の多価金属化合物を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒」を簡単に調製することができる。
これにより、上述したように、ポルフィリン(M)の多価金属化合物は、その−R’−COOMが−R’−COOYに置き換えられた化合物であるポルフィリン(Y)の多価金属化合物へと変換されるので、アルカリ金属の塩基性水性溶媒に溶解可能となる。
さらに、生成されたポルフィリン(Y)の多価金属化合物を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒は、ポルフィリン(Y)の多価金属化合物の水溶液または生理食塩水を調製できるようにするため、遊離のアルカリ金属を除去して、ポルフィリン(Y)の多価金属化合物を含む水性溶媒に変換してもよい。遊離のアルカリ金属を除去する方法は、先に記載したとおりである。
以上のように、ポルフィリンおよびポルフィリン金属錯体が、pH2.0〜pH9.0の水性溶媒に溶解可能となるためには、ポルフィリンおよびポルフィリン金属錯体中のカルボキシルの水素がすべてアルカリ金属に置き換わった形態である必要がある。
多価金属のポルフィリン環部位への挿入工程を、強アルカリ性条件下で実施しないポルフィリン(Y)の多価金属化合物の製造は、例えば、以下のように実施できる。本操作は、特に記載がない限り、室温(18℃〜25℃)、常圧(1気圧)下で実施することができる。また、水性溶媒のpHは特に記載がない限り、上記のpHである。本発明で使用する試薬、器具類は全て市場より入手可能であり、本発明で用いる操作方法は当業者にはすべて周知である。
出発物質である式1または式2のポルフィリンは、アルドリッチ社、Frontier Scientific Inc.、(株)武田薬品工業などから入手しても自分で合成しても良い。
式1および/もしくは式2のポルフィリンをアルカリ金属の塩基性水性溶媒中に溶解することで、ポルフィリンのR〜Rに存在するカルボキシルの水素のすべてがアルカリ金属に置換されたポルフィリン(Y)を得ることができる。
アルカリ金属の塩基性水性溶媒の濃度は、ポルフィリンの水素のイオン量の10倍以上の量のアルカリ金属が存在する濃度であればよい。例えば、アルカリ金属の塩基性水性溶媒が、NaOH、KOHの水溶液である場合、NaOH、KOHの水溶液の濃度は、0.1N〜1.0Nであることが好ましく、0.1N〜0.5Nであることがより好ましく、0.1Nであることがさらに好ましい。
ポルフィリンの量は、アルカリ金属の塩基性水性溶媒の種類および濃度に依存するが、例えば、0.1NのNaOH水溶液の場合、メンブランフィルターでのろ過操作等に支障をきたさない限り、NaOH水溶液1mlに対し200mgまで、より好ましくは、100mgまで、さらに好ましくは、30mgまで溶解してもよい。
水は、好ましくは蒸留水、より好ましくは、超純水である。超純水には、例えば、日本ミリポア株式会社製の超純水装置で作製された超純水などが挙げられる。本発明において、特に記載がない場合、水は超純水を意味する。
次いで、ポルフィリンの変性を防ぐために、ポルフィリンを溶解した、アルカリ金属の塩基性水性溶媒のpHをpH2.0〜9.0に調整する。アルカリ金属の塩基性水性溶媒のpHをpH2.0〜9.0にする方法は、ポルフィリン(Y)がポルフィリンに再変換されないようにするために遊離のアルカリ金属を除去する方法が好ましい。
なお、場合により、ポルフィリンを溶解したアルカリ金属の塩基性水性溶媒をメンブランフィルターでろ過することで不溶のポルフィリンを除去しても良い。メンブランフィルターは、不溶のポルフィリンの沈殿を除去できればよいので、孔サイズは、特に限定されないが、0.22〜0.45μm、好ましくは0.45μmである。例えば、日本ポール社製のエキクロディスクE251などを用いることができる。
遊離のアルカリ金属を除去する方法には、水性溶媒を用いた、透析法、ゲルろ過法、限外ろ過法などが挙げられるが、短時間で、簡便に、繰り返し安定して使用可能なため、安価に実施できることからゲルろ過法が好ましい。なお、本発明に用いる透析法、ゲルろ過法、限外ろ過法は、当業者に周知な手法であり、透析法、ゲルろ過法、限外ろ過法に必要な道具はすべて市販より入手できる。
例えば、ゲルろ過法においては、予めpH2.0〜pH9.0の水性溶媒で平衡化したゲルろ過剤、例えば、デキストランにおける分画可能分子量が100−5000である、アマシャム ファルマシア バイオテク株式会社製のSephadex G−25 Coarse、Sephadex G−25 Medium、Sephadex G−25 Fine、 Sephadex G−25 Superfine、Sephadex G−10、Sephadex G−15を詰めたカラムに、ポルフィリン(Y)を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒を加え、pH2.0〜pH9.0の水性溶媒で溶出し、こげ茶色のポルフィリン(Y)画分を回収することで、遊離のアルカリ金属が除去されたポルフィリン(Y)を含むpH2.0〜pH9.0の水性溶媒を得ることができる。
次いで、多価金属塩の水性溶媒に、回収したポルフィリン(Y)を含む水性溶媒を攪拌しながら加えることで、多価金属がポルフィリン(Y)の環部位に挿入され、ポルフィリン(Y)の−R’−COOYが−R’−COOMに置き換えられて、ポルフィリン(M)の多価金属化合物を得ることができる。
多価金属は、ポルフィリンに対して過剰モル比で存在すれば良く、例えば、ポルフィリン(Y)1モルに対して、モル比で10〜1000倍、好ましくは50〜1000倍、より好ましくは100〜1000倍で用いられる。例えば、多価金属塩の水性溶媒の濃度は、0.1M〜1.0M、このましくは0.1Mである。
多価金属塩とポルフィリン(Y)を含む水性溶媒の攪拌速度は、特に限定される必要はないが、1分間に800〜500回転、好ましくは1分間に800回転である。
多価金属塩とポルフィリン(Y)を含む水性溶媒の攪拌時間は、特に限定される必要はないが、3〜1時間、好ましくは2時間である。
さらに、一晩静置することにより、ポルフィリン(M)の多価金属化合物の生成とその多量体への形成が高まり、水性溶媒からゆっくりとポルフィリン(M)の多価金属化合物が沈殿してくるので、ポルフィリン(M)の多価金属化合物を回収するのに都合がよい。
ポルフィリン(M)の多価金属化合物の沈殿の回収は、沈殿を回収できる方法であれば限定されないが、例えば、メンブランフィルターを用いてフィルター上に沈殿を回収しても良いし、遠心分離により、回収してもよい。遠心分離は、ポルフィリン(M)の多価金属化合物の沈殿を上清から分離できれば良いので、遠心分離速度、時間は特に限定される必要はないが、遠心分離速度は、5000〜15000×G、好ましくは10000×Gで、遠心分離時間は、5〜15分間、好ましくは10分間である。なお、未反応の多価金属塩を含む上清は、再使用することができる。
回収したポルフィリン(M)の多価金属化合物の沈殿は、アルカリ金属の塩基性水性溶媒に溶解させる。これにより、ポルフィリン(M)の多価金属化合物の−R’−COOMが−R’−COOYに置き換えられたポルフィリン(Y)の多価金属化合物が得られる。
アルカリ金属の塩基性水性溶媒が、アルカリ金属の水酸化物の水溶液である場合、沈殿中に残っている遊離の多価金属が多価金属の水酸化物に変換されて沈殿を形成する。多価金属の水酸化物の沈殿は、遠心分離により簡単に分離できるので、遊離の多価金属を除くのに都合がよい。その場合、アルカリ金属の水酸化物の水溶液の温度が、40〜60℃、より好ましくは45〜55℃、さらに好ましくは50℃であることが好ましい。これは、温度が40℃未満の場合、形成される多価金属の水酸化物の沈殿が小さくなり、また、60℃より高いとポルフィリンが壊れるからである。さらに、メンブランフィルターでろ過して多価金属の水酸化物の沈殿を除いてもよい。
遠心分離は、多価金属の水酸化物の沈殿を除去できればよいので、遠心分離速度、時間は特に限定されないが、遠心分離速度は、500〜1500×G、好ましくは1000×G、遠心分離時間は、5〜15分間、好ましくは10分間である。
また、メンブランフィルターは、多価金属の水酸化物の沈殿を除去できればよいので、孔サイズは特に限定されないが、孔サイズは、0.22〜0.45μm、好ましくは0.45μmである。例えば、日本ポール社製のエキクロディスクE251などを用いることができる。
次いで、上記の透析法、ゲルろ過法、または限外ろ過法を用いて、ポルフィリン(Y)の多価金属化合物を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒から遊離のアルカリ金属を除いてポルフィリン(Y)の多価金属化合物を含む水性溶媒を得る。
ポルフィリン(Y)の多価金属化合物を含む水性溶媒は、目的のために、そのまま使用しても、場合により、塩化ナトリウムなどを添加して使用しても、ロータリーエバポレーターなどの減圧濃縮機で濃縮して使用しても、さらに凍結乾燥してポルフィリン(Y)の多価金属化合物の粉末にして使用してもよい。
本製造方法で得られたポルフィリン(Y)の多価金属化合物は、水または生理食塩水に、0.1〜200mg/ml、好ましくは、1.0〜100mg/ml、より好ましく、5.0〜100mg/mlで溶解することができる。ここで、溶解するとは、孔サイズ0.45μmのメンブランフィルターでろ過できることを意味する。
ポルフィリン、ポルフィリン(Y)、ポルフィリン(M)の多価金属化合物、ポルフィリン(Y)の多価金属化合物は、光感受性であることから、上記の操作は、遮光環境で行うことが好ましい。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。実験は、特に記載がない限り、室温(18℃〜25℃)、常圧(1気圧)下で実施した。
下記式11:
Figure 2007142132
のアルドリッチ社製のコプロポルフィリンI・2HCl(1g、1.4mmol)を100mlの0.1NのNaOH水溶液に溶かした。得られた溶液をメンブランフィルター(エキクロディスクE251、日本ポール社製)に通し、次いでろ液100mlをSephadex G−25 Superfineのゲルろ過カラム(ファルマシア バイオテク株式会社、カラムサイズ:直径5.0cm×長さ55cm)に添加した。水1,200mlを用いてゲルろ過カラムから、下記式21:
Figure 2007142132
のコプロポルフィリンI(Na)の着色帯(こげ茶色)を回収することでコプロポルフィリンI(Na)を含む水300mlを得た。
0.1MのZnCl水溶液1,000ml中にコプロポルフィリンI(Na)を含む水20ml(約75mg/20ml、約pH6.0)を滴下し、滴下終了後も約2時間そのまま攪拌を続け、その後一晩静置させることにより、下記式22:
Figure 2007142132
のコプロポルフィリンI(Zn)の亜鉛錯体の生成とその多量体への形成を行ない、ゆっくりと沈殿させた。
次いで、約10、000×G、10分間の遠心分離にかけることによりコプロポルフィリンI(Zn)の亜鉛錯体の沈殿を回収した。上清には、未反応のZnClが残っているので、再利用することができる。
上記のコプロポルフィリンI(Na)からコプロポルフィリンI(Zn)の亜鉛錯体の生成、沈殿形成およびその回収操作を繰り返し、コプロポルフィリンI(Zn)の亜鉛錯体の沈殿を集めた。コプロポルフィリンI(Zn)の亜鉛錯体の沈殿(湿重量で約5g)を約50℃の0.1NのNaOH水溶液約100mlに溶解した。これにより、コプロポルフィリンI(Zn)の亜鉛錯体は、下記式23:
Figure 2007142132
のコプロポルフィリンI(Na)の亜鉛錯体に変換され、0.1NのNaOH水溶液に溶解する。一方、沈殿中に残っていたZnClは、Zn(OH)に変換され沈殿を形成した。
約50℃の前記水溶液を室温に戻した後、Zn(OH)の沈殿を除去するために前記水溶液を遠心分離(約1、000×G、10分)し、コプロポルフィリンI(Na)の亜鉛錯体を含む上清を回収した。
さらに、Zn(OH)の沈殿を完全に除くためにメンブランフィルター(エキクロディスクE251、日本ポール社製)に通し、ろ液を回収した。
ろ液約100mlをSephadex G−25 Superfineのゲルろ過カラム(ファルマシア バイオテク株式会社、カラムサイズ:直径5.0cm×長さ55cm)に添加し、水1,200mlを用いてゲルろ過カラムからコプロポルフィリンI(Na)の亜鉛錯体の着色帯(濃赤紫色)を回収することで、コプロポルフィリンI(Na)の亜鉛錯体を含む水約300mlを得た。
コプロポルフィリンI(Na)の亜鉛錯体を含む水約300ml(約pH6.0)をロータリーエバポレーター(東洋理科機械社製、タイプN−1)で約10mlに減圧濃縮し、次いで凍結乾燥してコプロポルフィリンI(Na)の亜鉛錯体の粉末約0.8gを得た。減圧濃縮操作中に、コプロポルフィリンI(Na)の亜鉛錯体が、水溶液から析出することはなかったので、高い水への溶解性が確認された。
なお、出発材料である1gのコプロポルフィリンI・2HCl(コプロポルフィリンIの2塩酸塩、分子量=728)と精製した生成物である約0.8gのコプロポルフィリンI(Na)の亜鉛錯体(コプロポルフィリンIの4ナトリウム塩の亜鉛錯体、分子量=814)のモル量から計算された収率は約70%であった。
コプロポルフィリンIの代わりに市販のコプロポルフィリンIII(Frontier Scientific Inc.)を用いて実施例1と同様の操作により、下記式24:
Figure 2007142132
のコプロポルフィリンIII(Na)の亜鉛錯体を得た。
コプロポルフィリンIの代わりに市販のウロポルフィリンI(Frontier Scientific Inc.)を用いて実施例1と同様の操作により、下記式25:
Figure 2007142132
のウロポルフィリンI(Na)の亜鉛錯体を得た。
コプロポルフィリンIの代わりに市販のプロトポルフィリンIX(Frontier Scientific Inc.)を用いて実施例1と同様の操作により、下記式26:
Figure 2007142132
のプロトポルフィリンIX(Na)の亜鉛錯体を得た。
コプロポルフィリンIの代わりに市販のヘマトプロポリンIX(Frontier Scientific Inc.)を用いて実施例1と同様の操作により、下記式27:
Figure 2007142132
のヘマトプロポリンIX(Na)の亜鉛錯体を得た。
コプロポルフィリンIの代わりに市販のフォトフリン((株)武田薬品工業)を用いて実施例1と同様の操作により、下記式28:
Figure 2007142132
のフォトフリン(Na)の亜鉛錯体を得た。
ZnClの代わりにMnClを用いて実施例1と同様の操作により、コプロポルフィリンI(Na)のマンガン錯体を得た。
ZnClの代わりにFeClを用いて実施例1と同様の操作により、コプロポルフィリンI(Na)の鉄錯体を得た。
ZnClの代わりにCoClを用いて実施例1と同様の操作により、コプロポルフィリンI(Na)のコバルト錯体を得た。
ZnClの代わりにNiClを用いて実施例1と同様の操作により、コプロポルフィリンI(Na)のニッケル錯体を得た。
ZnClの代わりにCuClを用いて実施例1と同様の操作により、コプロポルフィリンI(Na)の銅錯体を得た。
ZnClの代わりにMoClを用いて実施例1と同様の操作により、コプロポルフィリンI(Na)のモリブデン錯体を得た。
NaOHの代わりにKOHを用いて実施例1と同様の操作により、コプロポルフィリンI(K)の亜鉛錯体を得た。
本発明の製造法は、PDT用増感剤として有用であるポルフィリン(Y)の多価金属化合物の工業的生産に有用である。

Claims (8)

  1. 下記工程:
    (1)下記式1:
    Figure 2007142132
    [式中、R〜Rは、互いに独立して、水素、非置換若しくはヒドロキシルにより置換されたC〜C10アルキル、非置換若しくはヒドロキシルにより置換されたC〜Cアルケニル、および−R’−COOH(ここで、R’は、非置換若しくはヒドロキシルにより置換されたC〜C10アルキレンを表す)からなる群から選択され、かつ、R〜Rの少なくとも1つは、−R’−COOHである]
    および/もしくは下記式2:
    Figure 2007142132
    [式中、R〜Rは、式1で記載されたとおりであり、nは0〜6の整数である]
    のポルフィリンと多価金属を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒を調製することにより、
    下記式3:
    Figure 2007142132
    [式中、R’〜R’は、互いに独立して、水素、非置換若しくはヒドロキシルにより置換されたC〜C10アルキル、非置換若しくはヒドロキシルにより置換されたC〜Cアルケニル、−R’−COOM(ここで、R’は、式1で記載されたとおりである)からなる群から選択され、かつ、R’〜R’の少なくとも1つは、−R’−COOMであり、Mは多価金属を表す]
    および/もしくは下記式4:
    Figure 2007142132
    [式中、R’〜R’、Mは、式3で記載されたとおりであり、nは0〜6の整数である]
    のポルフィリン(M)の多価金属化合物を生成する工程、そして
    (2)前記ポルフィリン(M)の多価金属化合物を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒を調製することにより、
    下記式5:
    Figure 2007142132
    [式中、R’〜R’は、−R’−COOMが−R’−COOYに置き換えられていることを除いて式3で記載したとおりであり、Yはアルカリ金属を表す]
    および/もしくは下記式6:
    Figure 2007142132
    [式中、R’〜R’、nおよびMは、−R’−COOMが−R’−COOYに置き換えられていることを除いて式4で記載したとおりであり、Yはアルカリ金属を表す]
    のポルフィリン(Y)の多価金属化合物を生成する工程
    を含む、ポルフィリン(Y)の多価金属化合物の製造方法。
  2. 下記工程:
    (1)式1および/もしくは式2のポルフィリンを含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒を調製することにより、下記式7:
    Figure 2007142132
    [式中、R〜Rは、−R’−COOHが−R’−COOYに置き換えられていることを除いて式1で記載したとおりであり、Yはアルカリ金属を表す]
    および/もしくは下記式8:
    Figure 2007142132
    [式中、R〜Rおよびnは、−R’−COOHが−R’−COOYに置き換えられていることを除いて式2で記載したとおりであり、Yはアルカリ金属を表す]
    のポルフィリン(Y)を生成する工程、
    (2)前記ポルフィリン(Y)と多価金属を含むpH2.0以上の水性溶媒を調製することにより、式3および/もしくは式4のポルフィリン(M)の多価金属化合物を生成する工程、そして
    (3)前記ポルフィリン(M)の多価金属化合物を含むアルカリ金属の塩基性水性溶媒を調製することにより、式5および/もしくは式6のポルフィリン(Y)の多価金属化合物を生成する工程
    を含む、ポルフィリン(Y)の多価金属化合物の製造方法。
  3. 式Iのポルフィリンが、下記式9:
    Figure 2007142132
    のヘマトポルフィリンIX、下記式10:
    Figure 2007142132
    のプロトポルフィリンIX、下記式11:
    Figure 2007142132
    のコプロポルフィリンI、下記式12:
    Figure 2007142132
    のコプロポルフィリンIII、および/または、下記式13:
    Figure 2007142132
    のウロポルフィリンIであり、そして、式2のポルフィリンが、下記式14:
    Figure 2007142132
    [式中、nは、0〜6の整数である]
    のフォトフィリンである、
    請求項1または2に記載のポルフィリン(Y)の多価金属化合物の製造方法。
  4. アルカリ金属が、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、およびフランシウムからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポルフィリン(Y)の多価金属化合物の製造方法。
  5. 多価金属が、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、パラジウム、銀、カドミウム、錫、タングステン、イリジウム、白金、金、水銀およびタリウムからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポルフィリン(Y)の多価金属化合物の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の工程で得られるポルフィリン(M)の多価金属化合物。
  7. 請求項2〜5のいずれか1項に記載の工程で得られるポルフィリン(Y)。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法により得られるポルフィリン(Y)の多価金属化合物。
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