JP6711709B2 - エゼチミブの製造方法 - Google Patents
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Description
アルコール、水、及び酸を含む混合溶媒中で下記式(1)
混合溶媒中で結晶として析出させる前のエゼチミブ1g当たり、アルコールの使用量が5g以上20g以下、水の使用量が3g以上10g以下、酸の使用量が0.005g以上0.5g以下であり、
エゼチミブがアルコールに溶解した第一溶液に、水、及び酸を加えて第二溶液とした後、該第二溶液中でエゼチミブの結晶を析出させることにより、前記混合溶媒中でエゼチミブの結晶を析出させることを特徴とするエゼチミブの製造方法である。
本発明において、対象エゼチミブは、特に制限されるものではなく、公知の方法で製造したものを使用することができる。例えば、特許文献1〜5、及び非特許文献1に記載の方法で製造したもの、及び精製したものを対象エゼチミブとすることができる。そのため、対象エゼチミブは、高速液クロマトグラフィー(HPLC)分析で95.0%以上99.9%以下の純度のエゼチミブであってもよい(以下、本発明において、純度、不純物の割合(%)は、HPLCで測定した際の面積%の値である。)。また、本発明による方法を用いることで、エゼチミブの光学純度も高くすることができる。そのため、高光学純度のエゼチミブを得ることを目的として、高純度のエゼチミブを対象エゼチミブとすることもできる。
(エゼチミブの原料化合物;式(2)で示される化合物)
前記式(2)で示される化合物は、特に制限されるものではなく、公知の方法で製造することができる。例えば、特許文献1〜5、及び非特許文献1に記載の方法で製造することができる。具体的には、下記式(4)
で示される化合物の存在下、ボランを用いて前記式(4)で示される化合物を前記化合物(2)にする反応である(例えば、特許文献1〜5、及び非特許文献1参照)。この反応において、前記式(2)で示される化合物を製造する場合には、特に制限されるものではないが、不純物、特に水酸基の向きが異なる光学異性体をより低減させるためには、以下の方法で不斉還元反応を実施することが好ましい。
粗エゼチミブは、前記の通り、式(2)で示される化合物を水素添加反応によってベンジル基の脱保護を行うことで得られる。水素添加反応は、特に制限されるものではなく、公知の方法を採用できる。具体的には、水素源として、水素ガスを使用する方法、ギ酸等を使用する方法等を採用することができる。
例えば、還元触媒であるパラジウム炭素存在下、水素ガスを用いて、式(2)で示される化合物を水素添加反応によってベンジル基の脱保護を行うことにより、粗エゼチミブを得ることができる(例えば、特許文献1〜3参照)。このような水素ガスを使用する場合には、反応溶媒中に式(2)で示される化合物を溶解し、触媒量のパラジウム炭素存在下、水素ガスを反応系中に入れ、ベンジル基の脱保護反応を行えばよい。この際、特に、粗エゼチミブにおける開環体、及び下記式(6)
粗エゼチミブは、水素源を水素ガスに代えてギ酸等を使用して製造することもできる。中でも、触媒量のパラジウム炭素存在下、水素源としてギ酸とギ酸塩とを併用することが好ましい。ギ酸とギ酸塩とを併用することにより、前記水素ガスの使用で説明した脱ヒドロキシ体、下記式(7)
以上のような方法で粗エゼチミブを製造することができる。最終的に高純度のエゼチミブを得るためには、粗エゼチミブ自体の純度が高い方がよい。そのため、特に制限されるものではないが、上記水素ガスを使用した場合には、エゼチミブの純度は98.3%以上99.3%以下であり、開環体、及び脱ヒドロキシ体等の不純物の総量が0.7%以上1.7%以下である粗エゼチミブを対象エゼチミブとすることができる。一方、ギ酸及びギ酸塩を使用した場合には、エゼチミブの純度は98.8%以上99.8%以下であり、開環体、脱ヒドロキシ体、及び脱フルオロ体等の不純物の総量が0.2%以上1.2%以下である粗エゼチミブを対象エゼチミブとすることができる。
本発明の最大の特徴は、対象エゼチミブをアルコール、水、及び酸を含む混合溶媒中で結晶化させて、その結晶を取り出すことにより、高純度のエゼチミブを得るという点にある。
エゼチミブの製造全体を考慮すると、先ず、対象エゼチミブは、前記粗エゼチミブを使用することが好ましい。その中でも、ギ酸及びギ酸塩を使用して得られる粗エゼチミブであって、かつ該粗エゼチミブから得られる第一エゼチミブを、さらに、アルコール、水、及び酸を含む混合溶媒中で結晶化させることが好ましい。以下、第一エゼチミブを使用した場合の結晶化の方法を具体的に例示する。ただし、当然のことながら、対象エゼチミブは、第一エゼチミブに限定されるものではない。
第一溶液は、第一エゼチミブがアルコールに溶解している溶液である。この第一溶液において、アルコールの使用量は、特に制限されるものではないが、第一エゼチミブ中のエゼチミブ1gに対して、3g以上30g以下とすることが好ましい。この濃度範囲とすることにより、過剰な加熱を避けることができ、開環体の生成をより低減することができる。さらに開環体をより低減し、より純度の高いエゼチミブを得るためには、第一エゼチミブ中のエゼチミブ1gに対して、アルコールの使用量を4g以上25g以下とすることがより好ましく、5g以上20g以下とすることがさらに好ましい。
第一溶液は、そのまま第二溶液、又は一旦、エゼチミブの結晶が析出した混合物とした後、温度、アルコール量等を調節して第二溶液とすることができる。ただし、前記式(4)で示される化合物を原料として対象エゼチミブを製造した場合には、該式(4)で示される化合物の不斉還元反応が進行せず、下記式(8)
次いで、必要に応じて活性炭処理した前記第一溶液に、水、及び酸を混合し、アルコール、水、及び酸を含む混合溶媒とする。ただし、水は、エゼチミブに対して貧溶媒であるため、アルコール、及び水の使用量、混合溶媒の温度によっては、一部のエゼチミブが析出した混合物となる場合がある。エゼチミブが析出しない場合には、第二溶液となるが、収率よく、かつ高純度のエゼチミブを得るためには、一旦、混合物とすることが好ましい。
第二溶液中で析出したエゼチミブは、公知の方法で処理することができる。通常であれば、濾過によりエゼチミブの結晶を取り出し、洗浄・乾燥を行うことが好ましい。また、より純度の高いエゼチミブを得ることを目的とする場合には、繰り返し得られたエゼチミブを対象エゼチミブとして混合溶媒中で結晶化させることが好ましい。
本発明で得られたエゼチミブは、不純物が大きく低減された非常に高純度のものとなる。特性制限されるものではないが、具体的には、99.5%以上99.9%以下(好ましくは99.6%以上99.9%以下)の純度であり、不純物の総量が0.01%以上0.5%以下のものとすることができる。そのため、医薬品用途とし得る高純度のエゼチミブを製造することができる。
体積基準の粒子径分布において、分布累積値が50%となる体積平均粒子径(D50)が10.0〜25.0μmであって、
分布累積値が84%となる粒子径(D84)と分布累積値が16%となる粒子径(D16)との差を2で除した値((D84−D16)/2)が10.0〜25.0であるエゼチミブとすることができる。
(粉砕方法)
本発明においては、D50が10.0〜25.0μmであって、(D84−D16)/2が10.0〜25.0であるエゼチミブ(結晶)を粉砕することが好ましい。粉砕する手段、条件等は、特に制限されるものではないが、気流式粉砕機を少なくとも使用して粉砕することが好ましい。気流式粉砕機とは、粉砕する対象物(エゼチミブ)を気流に乗せて互いに衝突させることにより、粉砕を行うものである。具体的には、ジェットミルが挙げられる。気流式粉砕機の条件は、粉砕するエゼチミブの量、装置の大きさ・形状等により最適条件を適宜決定すればよい。通常であれば、粉砕時の気流は、空気またはヘリウムや窒素等の不活性ガスであり、粉砕圧0.3〜0.9MPa、対象物の供給速度1〜15kg/hであることが好ましい。
また、得られるエゼチミブの粒子径等の測定方法を記した。
装置:高速液体クロマトグラフ装置(ウォーターズ社製)。
検出器:紫外吸光光度検出器(ウォーターズ社製)。
測定波長:230nm。
カラム:ZORBAX SB‐C18、内径4.6mm、長さ150mm(アジレント・テクノロジー社製)。
カラム温度:25℃付近の一定温度。
緩衝液:リン酸二水素ナトリウム2.4gを水1000mLに溶解させた水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて液性をpH5.0としたもの。
移動相A:緩衝液/アセトニトリル=800/200(体積比)。
移動相B:緩衝液/アセトニトリル=200/800(体積比)。
移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を表1のように変えて濃度勾配制御する。
流速:毎分1.0mL。
測定時間:45分。
装置:高速液体クロマトグラフ装置(ウォーターズ社製)。
検出器:紫外吸光光度検出器(ウォーターズ社製)。
測定波長:240nm。
カラム:ChiralPak IC、内径4.6mm、長さ250mm(ダイセル社製)。
カラム温度:35℃付近の一定温度。
移動相:ヘキサン/イソプロピルアルコール/トリフルオロ酢酸=85/15/0.1(体積比)。
流速:毎分1.0mL
測定時間20分。
装置:レーザー回折方式粒度分布計。
機種:Helos&Rodos system(Sympatec社製)。
計算:Windox5.2 HRLD。
分散圧:1.5bar(粉砕していないエゼチミブ)、2.5bar(衝撃式、気流式粉砕機により粉砕したエゼチミブ)。
引圧:0。
回転:なし。
レンジ:350μm(粉砕していないエゼチミブ)、175μm(衝撃式、気流式粉砕機により粉砕した小粒子径のエゼチミブ)。
直径25cmの2枚撹拌翼を備えた10L四つ口フラスコを窒素ガスで置換した後、テトラヒドロフラン4000g、(R)−5,5−ジフェニル−2−メチル−3,4−プロパノ−1,3,2−オキサザボロリジン25.1g、ジメチルスルフィドボラン(10M)7.0gを投入し、20℃で30分間撹拌混合した。反応液を−10℃まで冷却し、(3R,4S)−1−(4−フルオロフェニル)−[3−オキソ−3−(4−フルオロフェニル)プロピル]−[4−(フェニルメトキシ)フェニル]−2−アゼチジノン(式(4)で示される化合物)450gを内温が0℃以上にならないようにしながら添加し、同温で30分間撹拌した。−5℃でジメチルスルフィドボラン49.0gを30分間隔で7回に分割して添加した後、同温にて1時間撹拌した。反応液にメタノール357gを加え、30分間撹拌し、1M塩酸1000gを加え、さらに30分間撹拌した。反応液を25℃付近まで昇温し、酢酸エチル1800g及び10%食塩水800gを加え、有機層を抽出した。得られた有機層を10%食塩水800gで洗浄した後、有機層中の溶媒を減圧下で濃縮した。得られた残渣にイソプロピルアルコール1570gを加え、75℃に加熱し固体を溶解させた後、ヘプタン1370gを加え、2℃付近まで冷却し、3時間撹拌した。析出した結晶を減圧濾過によって濾取し、イソプロピルアルコール312gとヘプタン274gの混合溶液で洗浄し、減圧乾燥して、(3R,4S)−1−(4−フルオロフェニル)−[3(S)−ヒドロキシ−3−(4−フルオロフェニル)プロピル]−[4−(フェニルメトキシ)フェニル]−2−アゼチジノン(式(2)の化合物)322.3g(式(2)で示される化合物の純度98.7%、式(4)で示される化合物の含有量0.07%)を得た(収率80.3%)。
直径9.0cmの2枚撹拌翼を備えた1L四つ口フラスコに、製造例1で得られた式(2)の化合物50g(純度98.7%)を投入し、イソプロピルアルコール390g、パラジウム炭素2.5g、ギ酸18.4g、ギ酸アンモニウム6.3gを加えて、40℃で3時間撹拌して反応を行った(粗エゼチミブ純度98.2%、脱フルオロ体0.04%、開環体0.15%、ケト体0.07%、脱ヒドロキシ体0.04%)。得られた反応液を濾過して不溶物を除去した後、ろ液に水350gを加えた。析出した固体を70℃に加温して完全に溶解した後、3℃まで冷却して8時間撹拌した。析出した第一エゼチミブの結晶を減圧濾過によって濾取し、イソプロパノール47gと水40gの混合溶液で洗浄し、減圧乾燥して、第一エゼチミブ34.0g(第一エゼチミブ純度99.8%、脱フルオロ体含有量0.02%、開環体0.02%、ケト体0.05%、脱ヒドロキシ体含有量0.02%)を得た(収率82.9%)。
直径9.0cmの2枚撹拌翼を備えた1L四つ口フラスコに、製造例1で得られた式(2)の化合物30g(純度98.7%)を投入し、エタノール213gを加え撹拌混合し、さらに酢酸31.5gを加え、反応溶媒のpHを3に調整した。反応液にパラジウム炭素1.5gを分散させ、反応器内を水素置換し、25℃で4時間撹拌して反応を行った(粗エゼチミブ純度98.4%、脱フルオロ体0.08%、開環体0.12%、ケト体0.07%、脱ヒドロキシ体0.33%)。反応液を濾過して不溶物を除去し、ろ液に水150gを加えた。析出した固体を70℃に加温して完全に溶解した後、3℃まで冷却して8時間撹拌した。析出した第一エゼチミブの結晶を減圧濾過によって濾取し、イソプロパノール15.6gと水10gの混合溶液で洗浄し、減圧乾燥して、第一エゼチミブ21.0g(第一エゼチミブ純度99.3%、脱フルオロ体含有量0.06%、開環体0.04%、ケト体0.06%、脱ヒドロキシ体含有量0.20%)を得た(収率85.4%)。
直径3.5cmの2枚撹拌翼を備えた100mL三つ口フラスコに、製造例2で得られた第一エゼチミブ5g、エタノール40gを加えて、20℃で撹拌しながら溶解した(第一溶液の作製)。得られた第一溶液に活性炭(製品名;白鷺P、細孔径分布15Å以上40Å以下)0.25gを加えた後、20℃で1時間撹拌した。活性炭、および不溶物を濾過して得られた第一溶液(エゼチミブ純度99.8%、脱フルオロ体0.02%、開環体0.03%、ケト体0.02%、脱ヒドロキシ体0.02%)に市販の濃塩酸(37質量%;塩化水素0.185g/水0.315g)0.5g、水25gを加えた。得られた混合物中に析出した固体を70℃に加温して完全に溶解して第二溶液とした後、該第二溶液を3℃まで冷却して8時間撹拌し、エタノール、水、および塩化水素(塩酸)を含む混合溶媒中にエゼチミブの結晶を析出させた。析出したエゼチミブの結晶を減圧濾過によって濾取し、エタノール5.1gと水3.5gの混合溶液で洗浄し、減圧乾燥して、精製エゼチミブの結晶4.5g(エゼチミブ純度99.9%、脱フルオロ体含有量0.02%、開環体未検出、ケト体0.02%、脱ヒドロキシ体含有量未検出、光学純度99.85%)を得た(収率90.1%)。結果を表2にまとめた。
実施例1において、濃塩酸(37質量%;塩化水素0.185g/水0.315g)を市販のリン酸(85質量%;リン酸0.425g/水0.075g)に変更した以外は同様の操作を行い、精製エゼチミブの結晶4.3g(エゼチミブ純度99.9%、脱フルオロ体含有量0.02%、開環体0.01%、ケト体0.03%、脱ヒドロキシ体含有量未検出)を得た(収率86.4%)。結果を表2にまとめた。
実施例1において、濃塩酸(37質量%;塩化水素0.185g/水0.315g)0.5gを濃塩酸5g(37質量%;塩化水素1.85g/水3.15g)に変更した以外は同様の操作を行い、精製エゼチミブの結晶4.0g(エゼチミブ純度99.9%、脱フルオロ体含有量0.02%、開環体未検出、ケト体0.02%、脱ヒドロキシ体含有量未検出)を得た(収率80.8%)。結果を表2にまとめた。
直径3.5cmの2枚撹拌翼を備えた100mL三つ口フラスコに、製造例3で得られた第一エゼチミブ5g、エタノール40gを加えて、20℃で撹拌しながら溶解した(第一溶液の作製)。得られた第一溶液に市販の濃塩酸(37質量%;塩化水素0.185g/水0.315g)0.5g、水25gを加えた。得られた混合物中に析出した固体を70℃に加温して完全に溶解して第二溶液とした後、該第二溶液を3℃まで冷却して8時間撹拌し、エタノール、水、および塩化水素(塩酸)を含む混合溶媒中にエゼチミブの結晶を析出させた。析出したエゼチミブの結晶を減圧濾過によって濾取し、エタノール5.1gと水3.5gの混合溶液で洗浄し、減圧乾燥して、精製エゼチミブの結晶4.6g(エゼチミブ純度99.7%、脱フルオロ体含有量0.02%、開環体未検出、ケト体0.05%、脱ヒドロキシ体含有量0.10%)を得た(収率92.0%)。結果を表2にまとめた。
実施例5において、エタノール40gをメタノール30gに変更し、さらに、混合物の中に析出した固体の溶解温度を70℃から60℃に変更した以外は同様の操作を行い、精製エゼチミブの結晶4.3g(エゼチミブ純度99.8%、脱フルオロ体含有量0.02%、開環体未検出、ケト体0.05%、脱ヒドロキシ体含有量0.09%)を得た(収率86.3%)。結果を表2にまとめた。
直径3.5cmの2枚撹拌翼を備えた100mL三つ口フラスコに、製造例3で得られた第一エゼチミブ5g、エタノール25gを加えて、還流条件下で撹拌しながら溶解した(第一溶液の作製;本実験においては第二溶液となる)。得られた第二溶液を3℃まで冷却して10時間撹拌し、エタノール中にエゼチミブの結晶を析出させた。析出したエゼチミブの結晶を減圧濾過によって濾取し、エタノール7gで洗浄し、減圧乾燥して、精製エゼチミブの結晶3.9g(エゼチミブ純度99.4%、脱フルオロ体含有量0.02%、開環体0.14%、ケト体0.06%、脱ヒドロキシ体含有量0.12%)を得た(収率78.2%)。結果を表2にまとめた。
直径3.5cmの2枚撹拌翼を備えた100mL三つ口フラスコに、製造例3で得られた第一エゼチミブ5g、エタノール40gを加えて、20℃で撹拌しながら溶解した(第一溶液の作製)。得られた第一溶液に水25gを加えた。得られた混合物中に析出した固体を70℃に加温して完全に溶解して第二溶液とした後、3℃まで冷却して9時間撹拌し、エタノール、水の混合溶媒中にエゼチミブの結晶を析出させた。析出したエゼチミブの結晶を減圧濾過によって濾取し、エタノール5.1gと水3.5gの混合溶液で洗浄し、減圧乾燥して、精製エゼチミブの結晶4.5g(エゼチミブ純度98.9%、脱フルオロ体含有量0.02%、開環体0.25%、ケト体0.05%、脱ヒドロキシ体含有量0.11%)を得た(収率91.0%)。結果を表2にまとめた。
直径3.5cmの2枚撹拌翼を備えた100mL三つ口フラスコに、製造例3で得られた第一エゼチミブ5g、エタノール25gを加えて、還流条件下で撹拌しながら溶解した(第一溶液の作製)。得られた第一溶液に市販のシュウ酸(無水物)1gを加え、第二溶液とした。得られた第二溶液を3℃まで冷却して12時間撹拌し、エタノール、シュウ酸の混合溶媒中にエゼチミブの結晶を析出させた。析出したエゼチミブの結晶を減圧濾過によって濾取し、エタノール8gで洗浄し、減圧乾燥して、エゼチミブ3.6g(エゼチミブ純度99.5%、脱フルオロ体含有量0.02%、開環体0.07%、ケト体0.05%、脱ヒドロキシ体含有量0.07%)を得た(収率72.2%)。結果を表2にまとめた。
実施例1で得られた精製エゼチミブ2.0gを対象エゼチミブとした以外は実施例1と同様の操作を行い、再精製エゼチミブの結晶1.8g(エゼチミブ純度99.9%、脱フルオロ体含有量0.02%、開環体未検出、ケト体0.01%、脱ヒドロキシ体含有量未検出、光学純度99.99%)を得た(収率90.0%)。
実施例1で得られた精製エゼチミブ2.0gを対象エゼチミブとした以外は比較例2と同様の操作を行い、再精製エゼチミブの結晶1.8g(エゼチミブ純度99.8%、脱フルオロ体含有量0.02%、開環体0.15%、ケト体0.01%、脱ヒドロキシ体含有量未検出、光学純度99.98%)を得た(収率92.0%)。
実施例1と同様の操作を行い、体積平均粒子径(D50)が18.1μmであり、D16が7.8μmであり、D84が41.0μmであり、(D84−D16)/2は16.6であるエゼチミブの結晶を18.5g準備した。
実施例8と同じく、実施例1と同様の操作を行い、体積平均粒子径(D50)が18.1μmであり、D16が7.8μmであり、D84が41.0μmであり、(D84−D16)/2は16.6であるエゼチミブの結晶を20.0g準備した。
比較例1と同様の操作を行い、体積平均粒子径(D50)が38.6μmであり、D16が15.7μmであり、D84が78.7μmであり、(D84−D16)/2は31.5であるエゼチミブの結晶を21.5g準備した。
Claims (7)
- アルコール、水、及び酸を含む混合溶媒中で下記式(1)
混合溶媒中で結晶として析出させる前のエゼチミブ1g当たり、アルコールの使用量が5g以上20g以下、水の使用量が3g以上10g以下、酸の使用量が0.005g以上0.5g以下であり、
エゼチミブがアルコールに溶解した第一溶液に、水、及び酸を加えて第二溶液とした後、該第二溶液中でエゼチミブの結晶を析出させることにより、前記混合溶媒中でエゼチミブの結晶を析出させることを特徴とするエゼチミブの製造方法。 - 0℃以上30℃以下の温度である前記第一溶液に、水、及び酸を混合した後、得られた混合物の温度を50℃以上70℃以下として前記第二溶液とし、該第二溶液の温度を−10℃以上30℃以下とすることにより、前記混合溶媒中でエゼチミブの結晶を析出させることを特徴とする請求項1に記載のエゼチミブの製造方法。
- 前記第一溶液と活性炭とを接触させた後、前記第二溶液とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のエゼチミブの製造方法。
- 前記混合溶媒中のエゼチミブが、下記式(2)
- 前記水素化反応において、水素源としてギ酸及びギ酸塩を使用することを特徴とする請求項4に記載のエゼチミブの製造方法。
- 請求項1に記載の方法によって、
体積基準の粒子径分布において、分布累積値が50%となる体積平均粒子径(D50)が10.0〜25.0μmであって、分布累積値が84%となる粒子径(D84)と分布累積値が16%となる粒子径(D16)との差を2で除した値((D84−D16)/2)が10.0〜25.0であるエゼチミブを製造する方法。 - 請求項1に記載の方法によって、
体積基準の粒子径分布において、体積平均粒子径(D50)が10.0〜25.0μmであって、分布累積値が84%となる粒子径(D84)と分布累積値が16%となる粒子径(D16)との差を2で除した値((D84−D16)/2)が10.0〜25.0であるエゼチミブを製造した後、
該エゼチミブを、気流式粉砕機を少なくとも使用して粉砕することにより、分布累積値が50%となる体積平均粒子径(D50)が1.0〜3.0μmであって、分布累積値が84%となる粒子径(D84)と分布累積値が16%となる粒子径(D16)との差を2で除した値((D84−D16)/2)が0.5〜2.5であるエゼチミブを製造する方法。
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