JPWO2007129748A1 - ナノ粒子を分散させた透明な高分子材料及びその製造方法 - Google Patents

ナノ粒子を分散させた透明な高分子材料及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2007129748A1
JPWO2007129748A1 JP2008514522A JP2008514522A JPWO2007129748A1 JP WO2007129748 A1 JPWO2007129748 A1 JP WO2007129748A1 JP 2008514522 A JP2008514522 A JP 2008514522A JP 2008514522 A JP2008514522 A JP 2008514522A JP WO2007129748 A1 JPWO2007129748 A1 JP WO2007129748A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic polymer
polymer compound
metal oxide
molecular weight
pmma
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008514522A
Other languages
English (en)
Inventor
澤口 孝志
孝志 澤口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon University
Original Assignee
Nihon University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon University filed Critical Nihon University
Publication of JPWO2007129748A1 publication Critical patent/JPWO2007129748A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/005Reinforced macromolecular compounds with nanosized materials, e.g. nanoparticles, nanofibres, nanotubes, nanowires, nanorods or nanolayered materials
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/18Oxygen-containing compounds, e.g. metal carbonyls
    • C08K3/20Oxides; Hydroxides
    • C08K3/22Oxides; Hydroxides of metals

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

有機高分子化合物、金属酸化物ナノ粒子及び極性溶媒からなり、前記金属酸化物ナノ粒子は粒子として均一分散している有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物である。有機高分子化合物の含有量は、前記有機高分子化合物に対する金属酸化物ナノ粒子の重量を一定とした場合に、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する極性溶媒からなる複合体組成物の有機高分子化合物含有量であり、臨界濃度(C*)以下である。又、有機高分子化合物の分子量が限界分子量(Mc)以下であり、限界分子量(Mc)は、前記有機高分子化合物に対する金属酸化物ナノ粒子含有量を特定量とした場合に、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する量が変わる極性溶媒からなる組成物について、組成物の光透過率より導き出される値である。

Description

本発明は、ナノ粒子を分散させた透明な高分子材料及びその製造方法に関する。
有機高分子化合物と無機化合物といった特性が相違する材料からその複合体を製造することにより、従来の材料では期待できない新たな特性の物質を得ようとする研究が積極的に進められてきた。
無機化合物として、金属酸化物のナノ粒子を用いることがよく行われる。ナノ粒子を採用することにより有機高分子化合物全体の屈折率を高めることが可能となるので、光学製品のほか光透過性の材料として用いることができることに期待が寄せられている。又、基材表上面に耐擦傷性を付与とともに、帯電防止性および防汚性に優れる硬化物を形成しうる硬化性組成物として期待され、材料の硬度を挙げることもできることから表面処理剤への利用が検討されている。
金属酸化物粒子がミリ単位などといった大きな平均粒径のものを用いると、ポリマー材料の透明性が低下するおそれが十分にある。材料に当たる光が光源方向に反射されたり、側方に逸れたりして、見かけの透明性が低下する。そこで、ナノ粒子の金属酸化物を用いることにより、よい成果を挙げることに期待がかけられている。しかしながら、ナノ粒子の金属酸化物を用いると、粒子がポリマー中で凝集し、光を散乱又は反射しかねない大きな粒子として作用する好ましくない傾向が見られる。光散乱を防止し、同時にナノ粒子による凝集作用を防止することが必要となる(特許文献1)。
この技術分野には以下の発明がある。
溶剤に分散した可視光線波長以下の直径を有する金属酸化物微粒子であるシリカ微粒子と、溶剤に溶解した透明な非結晶の有機高分子化合物(ポリオレフィン系樹脂、ポリメタクリリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレンオリゴマー等)とを混合することにより、又は、前記シリカ微粒子を非結晶の有機高分子の生成過程で混合することにより得られる樹脂組成物を溶剤に溶解して得た樹脂溶液を、透明樹脂板上に塗布し、18〜25℃の雰囲気温度でかつ16〜32kg/m2・時の乾燥速度で乾燥せしめてなる樹脂製ウィンドウであって、該樹脂製ウィンドウの最表層に50〜92重量%のシリカ微粒子を含有し、該ウィンドウの厚さ方向に関して、表面から内部中心方向に向かって該シリカ微粒子の含有量が漸減する濃度勾配を有する樹脂製ウィンドウ(特許文献2)。
この発明は、樹脂組成物中に含まれる溶剤を加熱し溶剤を除去するものであり、最表層ではシリカ濃度50〜92重量%となる。有機高分子化合物と対比して微粒子状のシリカ粒子の存在量を多くすることを意図しており、このような場合にあっては、金属酸化物の塊状化が起こり、凝集を伴わずに金属微粒子を均一分散させることは達成していない(本発明者らによる特許文献9の0010)。
。本発明者らは「超臨界二酸化炭素中で、ポリマー表面部に有機金属化合物を浸透させ、該浸透した有機金属化合物を分解して有機−無機ナノコンポジットを形成させる」発明を行った(特開2003−2994号公報)。塊状化される金属微粒子を均一分散させるために、超臨界流体を利用する発明がある(引用文献3)。この発明では、前記金属酸化合物粉体を超臨界流体とし、その状態で混練させるので、乾固時に凝集した酸化化合物を前記熱可塑性樹脂中に一次粒子として再分散させることができるが、従来のポリマー中に分散させたナノシリカの分散状態であって、ナノシリカの分散状態は凝集を伴った均一分散したものであり(本発明者らによる「2006−63224号公報」の「0010」項)、この点で、有機高分子化合物中にナノ粒子の金属酸化物粒子が均一分散している有機高分子化合物及び金属酸化物からなる複合体組成物を意味するものではない。熱可塑性樹脂と前記酸化化合物粉体とを超臨界流体の存在下において混練させて、熱可塑性樹脂に無機系微粒子(シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、Sb、チタニア(TiO)、SnO、ジルコニア(ZrO、)、酸化亜鉛(ZnO)を配合するナノ複合アクリル樹脂組成物の発明を行った(特許文献4)。この場合でも無機系微粒子の二次粒子を形成することの対策がなく、当初から粒子のみからなる微粒子状金属酸化物を均一に分散させた有機高分子化合物を提供するものではなく、この点で根本的な解決策を提案するものではない。本発明者らは、モノマーと、重合開始剤とを含む超臨界流体中で、前記モノマーを重合させることによる高分子複合材料の製造方法(再表2004−16659号公報)及びメソポーラス無機ナノ微粒子と、モノマーと、重合開始剤とを含む超臨界流体中で、前記モノマーを重合させることによる、無機ナノ微粒子を含む有機ポリマーの製造方法の発明を行った(特開2004−168843)。
本発明者らは、当初からナノ粒子の金属酸化物を均一に分散させた有機高分子化合物を提供することを求めて、研究を積み重ねた。
金属酸化物ナノ粒子を求めるために以下の発明を行った。
樹脂中に存在させるシリカナノ粒子を、シラノール基による改質した改質シリカ組成物(特許文献5)では、シリコーン化合物は、含まれるアルキル基が疎水性を示すため、これによって改質された改質シリカ組成物は有機高分子化合物樹脂との相溶性に優れた状態を形成する。結果として(メタ)アクリル系、ポリカーボネート系そしてポリスチレン系樹脂等との親和性を向上させることができる。母材樹脂との親和性の向上によりシリカを母材樹脂に均一に分散させることができる。シリコンアルコキシド、またはシリコンアルコキシドと有機溶剤の混合物を、熱可塑性樹脂の単量体または単量体を含む溶液に混合し、その後単量体を重合させ固形分を得、この固形分を加熱して、固形分中のシリコンアルコキシド、またはシリコンアルコキシドの加水分解により生ずるシリコン水酸化物を、重縮合させシリコン酸化物粒子を得る発明(特許文献6)を完成させた。
また、硬化性組成物として分散媒に溶解させたコロイダルシリカ及び有機シラン化合物の加水分解性生物を縮合反応させて得られるシリカを含む硬化性組成物では粒子径が200nmを超えると透明性が低下することを見いだした(特許文献7)。これらのケースでは親和性を増したという点では評価できるが、初期の目的という点では満足できるものではなかった。
本発明者らは、従来のナノメートルオーダーシリカ粒子は凝集を伴って従来のポリマー中に分散させたナノシリカの分散状態であってナノシリカの分散状態は凝集を伴った均一分散したものとは大きく相違することを反省として(特許文献8の方法)として、有機溶媒中にポリマーを溶解させて、ナノサイズの有機溶媒に分散したコロイダルシリカを混合した後、シリカ含有ポリマー組成物から、有機溶媒を除く沈殿分離を行い、シリカ含有ポリマー粉末を得て、これをヒートプレスすることにより、透明性が高い層状シリカ分散高分子材料を得る発明(特許文献9)を行った。
従来の有機高分子化合物と金属酸化物ナノ粒子からなる複合体は、溶剤と金属酸化物ナノ粒子からなる均一混合物を有機高分子化合物と混合して得た混合物、又は溶剤と金属酸化物ナノ粒子かなる均一混合物と、有機高分子化合物と溶剤からなる均一混合物を混合して得た混合物から、溶剤を除去した後の有機高分子化合物と金属酸化物ナノ粒子からなる複合体組成物を形成する。この複合体組成物から溶剤を除去することにより、有機高分子化合物中に金属酸化物ナノ粒子を含有しているものを得ることはできるものの、金属酸化物ナノ粒子が均一分散しているものはあるものの、金属酸化物ナノ粒子は二次粒子化を起こし、2次凝集した状態でも存在し、これが原因で透明性を低下させていることが考えられる。そして、この程度の透明性では満足していない分野が多い。
金属酸化物ナノ粒子を十分に分散させること、二次粒子への凝集を防止し、金属酸化物ナノ粒子を均一に分散させた有機高分子化合物が必要であるという課題は達成されていない。
以下に本発明について説明を行うが、有機高分子化合物の分子量に関して、格別の断りがないときは数平均分子量を意味するものである。
特開2005−75723号公報 特許第3559894号(特開平11−343349号公報) 特開2004−168910号公報 特開2004−224882号公報 特開2003−201114号公報 特開2005−97372号公報 特開2005−146110号公報 特開2004−168910号公報 特開2006−63224号公報
本発明の課題は、有機高分子化合物中に金属酸化物ナノ粒子を粒子として分散させ、二次粒子化することによる凝集を防止して、金属酸化物ナノ粒子を有機高分子化合物中に均一に分散させた新規な複合体を提供することである。
従来の透明性が高い有機高分子化合物と金属酸化物ナノ粒子からなる複合体を得る方法とは相違する新しい方法について模索することとした。
課題を解決するうえでは、有機高分子化合物中に金属酸化物ナノ粒子が均一に分散している状態、金属酸化物ナノ粒子同士が凝集することなく均一分散している状態の複合体を得ることが必要である。この複合体を得るには、金属酸化物ナノ粒子の分散液を、極性溶媒と有機高分子化合物からなる混合液中に添加し、金属酸化物分散液が混合液中に均一に分散するように十分に攪拌混合すると、極性溶媒に含まれる金属酸化物を均一に分散させた有機高分子化合物の複合体組成物を得ることができる。
金属酸化物ナノ粒子が均一に分散している状態において金属酸化物ナノ粒子同士が凝集することなく均一分散しているのであるから、(1)金属酸化物ナノ粒子同士の接触がないこと及び(2)ポリマー鎖同士の接触がなく、絡み合いが生じない状態であれば凝集は起こらないと考えられる。
金属酸化物ナノ粒子同士の接触がないことについては以下の通りである。
(1)有機高分子化合物の含有量は、有機高分子化合物及び極性溶媒に対する金属酸化物ナノ粒子の重量割合が一定の割合とし、金属酸化物重量、有機高分子化合物重量及び添加する極性溶媒重量の関係から導き出される臨界濃度以下とする条件が得られれば、目的とする複合体を得ることができる。
前記臨界濃度に関しては、以下の方法があり((イ)及び(ロ))、又(ハ)有機高分子化合物の分子量を考慮して限界分子量を求め、次に(イ)の方法を行うことにより、有機高分子化合物について分子量を考慮した有機高分子化合物の濃度について臨界濃度を求めることができる。(イ)、(ロ)及び(ハ)は以下の通りである。(イ)前記臨界濃度(C)は、特定量の金属酸化物ナノ粒子重量を定め、特定量の金属酸化物ナノ粒子を含有する有機高分子化合物及び添加する量が変わる極性溶媒からなる組成物について、特定波長に対する光透過量を測定して得られる結果について高く推移する光透過量の群と低く推移する光透過量の群とに分けたときに、高く推移する光透過量の群中の有機高分子化合物含有量が最も多いものの濃度と定める。
(ロ)前記臨界濃度(C)は、特定量の金属酸化物ナノ粒子重量を定め、これに極性溶媒を加えた状態で、特定濃度となるように有機高分子化合物を添加して得られる組成物について、特定量の有機高分子化合物を添加した状態で、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する極性溶媒組成物に対して測定して得られる特定波長の光透過率と有機高分子化合物重量濃度の関係から見て、高く推移する特定波長の光透過率の郡中から急激に透過率が低下するときの特定波長の光透過率の有機高分子化合物含有量であると定める。
(ハ)前記有機高分子化合物の分子量が限界分子量(Mc)を超えて、且つ前記有機高分子化合物の含有量は臨界濃度(C)以下であるとし、前記限界分子量(Mc)及び前記臨界濃度(C)は、前記有機高分子化合物に対する金属酸化物ナノ粒子含有量を特定量とした場合に、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する量が変わる極性溶媒からなる組成物について、組成物の特波長の光透過率より導き出される値であるとする。
また、有機高分子化合物の分子量が限界分子量(Mc)以下であるとし、前記限界分子量(Mc)は、前記有機高分子化合物に対する金属酸化物ナノ粒子含有量を特定量とした場合に、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する量が変わる極性溶媒からなる組成物について、組成物の光透過率より導き出される値とするものである。
本発明によれば、有機高分子化合物中に金属酸化物ナノ粒子が均一分散している有機高分子化合物及び金属酸化物からなる複合体組成物を得ることができる。この組成物は金属酸化物粒子が二次凝集を起していないことにより透明性が従来から存在した複合体に比較して極めて高いものである。また、硬度や摩擦に対しても十分な特性を有している。
この均一組成物は、溶液状態でプラスチックなどの表面にコーティング材などの表面処理剤として用いることもできるし、シート状に或いは板状にして透明性が必要とされる材料、或いは金属酸化物が均一に分散している状態の組成物が必要とする部材として用いることができる。
PMMA−SiO複合体(SiOのPMMA含有量4.2wt%)についてPMMA(分子量4000)の含有量を変数としたときの光波長と光透過率の関係を示す図である。 波長400nmにおけるPMMA(分子量4000)の含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図である。 PMMA−SiO複合体(PMMA分子量50000)についてPMMAの含有量を変数としたときの光波長と光透過率の関係を示す図である。 PMMA−SiO複合体(分子量50000)について波長400nmにおけるPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図である。 PMMA−SiO複合体(分子量50000)について波長600nmにおけるPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図である。 PMMA−SiO複合体(分子量50000)について波長800nmにおけるPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図である。 PMMA−SiO複合体(分子量100000)についてPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図である。 PMMA−SiO複合体(分子量100000)について透過光の波長400nmのときのPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図である。 PMMA−SiO複合体(分子量100000)について透過光の波長600nmのときのPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図である。 PMMA−SiO複合体(分子量100000)について透過光の波長800nmのときのPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過1率の関係を示す図である。 PMMA−SiO複合体(分子量4000)について透過光の波長400nmのときのPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図である。 PMMA−SiO複合体(分子量4000)について透過光の波長600nmのときのPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図である。 PMMA−SiO複合体(分子量4000)について透過光の波長800nmのときのPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図を示す図である。 PMMA−SiO複合体(分子量4000、50000、100000)について透過光の波長400nmのときのPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図を示す図である。 PMMA−SiO複合体(分子量4000、50000、100000)について透過光の波長600nmのときのPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図を示す図である。 PMMA−SiO複合体(分子量4000、50000、100000)について透過光の波長800nmのときのPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図を示す図である。 PPMA−TiO複合体の溶媒含有量を変数としたときの光波長と光透過率の関係を示す図である。 PPMA−TiO複合体のPMMA(分子量50000)のPMMSA含有量を変数としたときの光波長と光透過率の関係を示す図である。 PPMA−TiO複合体のPMMA(分子量50000)の含有量を変数としたときの400nmにおけるPMMAの含有量と光透過率の関係を示光波長と光透過率の関係を示す図である。 PPMA−TiO複合体のPMMA(分子量50000)の含有量を変数としたときの600nmにおけるPMMA(分子量50000)の含有量と光透過率の関係を示光波長と光透過率の関係を示す図である。 PPMA−TiO複合体のPMMA(分子量50000)の含有量を変数としたときの800nmにおけるPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図である。 PPMA−TiO複合体のPMMA(分子量4000)の含有量を変数としたときの光波長と光透過率の関係を示す図である。 PPMA−TiO複合体のPMMA(分子量4000)の含有量を変数としたときの400nmのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図である。 PPMA−TiO複合体のPMMA(分子量4000)の含有量を変数としたときの600nmのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図である。 PPMA−TiO複合体のPMMA(分子量4000)の含有量を変数としたときの800nmのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図である。 PPMA−TiO複合体のPMMA(分子量100000)の含有量を変数としたときの波長と光透過率の関係を示す図である。 PPMA−TiO複合体のPMMA(分子量100000)の400nmのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図である。 PPMA−TiO複合体のPMMA(分子量100000)の800nmのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図である。 PPMA−TiO複合体のPMMA(分子量1000000)の含有量を変数としたときの光波長と光透過率の関係を示す図である。 PPMA−TiO複合体のPMMA(分子量100000、500000、40000)の含有量を変数としたときの400nmのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図である。 PPMA−TiO複合体のPMMA(分子量100000、500000、40000)の含有量を変数としたときの600nmのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図である。 PPMA−TiO複合体のPMMA(分子量100000、500000、40000)の含有量を変数としたときの800nmのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図である。 PPMA−Al複合体のPMMAの含有量を変数としたときの光波長と光透過率の関係を示す図である。 PPMA−Al複合体のPMMAの含有量を変数とするときの波長と光透過率の関係を示す図である。 本発明のPMMA−SiO複合体のSiOが均一に分布することを示す図(PMMAの分子量を考慮しない場合)である。 本発明のPMMAの分子量を考慮したときのPMMA−SiO複合体のSiOが均一に分布することを示す図である。 PMMA−SiO複合体(SiOの分子量50000、PMMA含有量10.0wt%)についてPMMAの含有量を変数としたときの光波長と光透過率の関係を示す図である。 波長400nmにおけるPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図(SiOの分子量50000、PMMA含有量10.0wt%)である。 波長400nmにおけるPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す図(SiOの分子量50000、PMMA含有量4.0及び10.0wt%の場合を示す。)である。
本発明は、有機高分子化合物及び金属酸化物ナノ粒子を含み、前記金属酸化物ナノ粒子は粒子として均一分散している有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物である。
又、本発明は、有機高分子化合物、金属酸化物ナノ粒子及び極性溶媒からなり、前記金属酸化物ナノ粒子は粒子として均一分散している有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物である。
前記金属酸化物ナノ粒子は金属酸化物ナノ粒子同士が凝集することなく均一分散している有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物である。
有機高分子化合物の分子量について考慮しない場合についての本発明の態様は、図35の左のとおりである。
有機高分子化合物及び金属酸化物ナノ粒子を含む複合体組成物中、又は有機高分子化合物、金属酸化物ナノ粒子及び極性溶媒からなる複合体組成物中で金属酸化物ナノ粒子は1次粒子を形成している。有機高分子化合物同士の接触、絡み合うことにより有機高分子化合物に吸着されていた金属酸化物ナノ粒子は急激に2次凝集を起す(図35の右)。二次凝集を起している場合に溶媒を再び加えると、二次凝集は解消され、粒子状の状態に戻る現象を見ることができ、二次凝集を起している状態は可逆的な状態である。
有機高分子化合物の分子量について考慮しない場合については以下のようにして臨界濃度(C)を求めることができる。
前記有機高分子化合物の含有量は、前記有機高分子化合物に対する金属酸化物ナノ粒子の重量を一定とした場合に(一般に添加する金属酸化物ナノ粒子は経験から重量で最大50wt%程度であるということができる。)、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する極性溶媒からなる複合体組成物の有機高分子化合物含有量であり、臨界濃度(C)以下であると定める。
前記臨界濃度(C)は、有機高分子化合物に対する金属酸化物ナノ粒子含有量(重量)を一定量とした場合に、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する量が変わる極性溶媒からなる組成物について、複合体組成物の光透過率より、即ち光透過率が変化することを測定して導き出される値である。
臨界濃度(C)は、特定量の金属酸化物ナノ粒子重量を定め、特定量の金属酸化物ナノ粒子を含有する有機高分子化合物及び添加する量が変わる極性溶媒からなる組成物について、特定波長に対する光透過量を測定して得られる結果について高く推移する光透過量の群と低く推移する光透過量の群とに分けたときに、高く推移する光透過量の群中の有機高分子化合物含有量が最も多いものの濃度と定める。
具体例としては以下の通りである。
一次粒子の金属酸化物ナノ粒子を有機高分子化合物に均一に分散した複合体を得る前記の方法については述べる。
有機高分子化合物としてポリメチルメタクリレート(以下,PMMAともいう)、金属酸化物ナノ粒子の金属酸化物としてシリカゾル(SiOの溶媒に溶かしたゾル)、極性溶剤としてTHF、非極性溶剤としてヘキサンを用いた。
特定量の金属酸化物ナノ粒子(シリカゾル)を、シリカゾル4.2重量%とする。これにTHFの添加量を変化させて、PMMA(分子量4000)の含有量を変化させて試料を作成する。非極性溶剤であるヘキサンを添加して、シリカゾルを均一に含む有機高分子化合物を再沈澱させて、回収し、減圧乾燥させてテストピースを作成する。テストピース中では前記PMMAの含有量は前記と同じ状態に固定されている。
PMMAに対するシリカナノ粒子の割合を4.2重量%とし、THF添加量を変数として、THF添加量に応じて特定波長と波長毎の光透過性を測定して図示する(図1)。このテストピースについて、異なる含有量のPMMAを変数として、波長毎の光透過性を測定する。低濃度のPMMA(2.0から5.0wt%)のPMMAとシリカナノ粒子からなる複合体は、高濃度のPMMA(6.0から8.0wt%)のPMMAとシリカナノ粒子からなる複合体と比較すると、前者の光透過率は急激に高くなり(400nmで80%を超える)、その後徐々に高くなり、一方、後者ではなだらかに上昇し(400nmで10%から50%を超える程度)となり、その後もなだらかに上昇し、700nm程度の波長で透過率が80%を超える結果となる。PMMAの濃度で見てみると、400nmで5.0wt%と6.0wt%の間で光透過性は大きな相違が存在する(図1)。光透過量が高い状態で推移する有機高分子化合物含有量の中で最も大きい有機高分子化合物含有量5.0wt%が求める臨界濃度(C)である。
また、以下の方法によっても、臨界濃度(C)をもとめることができる。
臨界濃度(C)は、特定量の金属酸化物ナノ粒子重量を定め、これに極性溶媒を加えた状態で、特定濃度となるように有機高分子化合物を添加して得られる組成物について、特定量の有機高分子化合物を添加した状態で、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する極性溶媒組成物に対して測定して得られる特定波長の光透過率と有機高分子化合物重量濃度の関係から見て、高く推移する特定波長の光透過率の郡中から急激に透過率が低下するときの特定波長の光透過率の有機高分子化合物含有量であると定めることもできる。
シリカゾルをTHFで希釈して濃度を一定に保ち、PMMA(分子量4000)粉末を少量ずつ添加してPMMA濃度を変化させ、光透過スペクトルの変化とシートの透過性を測定してみる(図2)。PMMA濃度5.0wt%までは、高い透過率で一定の値を保っている(90%を超えている)。この点を過ぎると急激に低下する。PMMA濃度5.0wt%を過ぎると、光透過率は急激に減少する。高く推移する特定波長の光透過率の郡中から急激に透過率が低下するときの特定波長の光透過率の有機高分子化合物含有量(5.0wt%)を臨界濃度とする。
分子量を50000としたPMMAについて、臨界濃度(C)は、特定量の金属酸化物ナノ粒子重量を定め、特定量の金属酸化物ナノ粒子を含有する有機高分子化合物及び添加する量が変わる極性溶媒からなる組成物について、特定波長に対する光透過量を測定して得られる結果について高く推移する光透過量の群と低く推移する光透過量の群とに分けたときに、高く推移する光透過量の群中の有機高分子化合物含有量が最も多いものの濃度として5.3wt%(400nm)として、これを臨界濃度とした(図3)。
同様にして分子量を100000としたPMMAについて、400nmで2.83wt%とした(図4)。
分子量を50000としたPMMAについて、特定量の金属酸化物ナノ粒子重量を定め、これに極性溶媒を加えた状態で、特定濃度となるように有機高分子化合物を添加して得られる組成物について、特定量の有機高分子化合物を添加した状態で、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する極性溶媒組成物に対して測定して得られる特定波長の光透過率と有機高分子化合物重量濃度の関係から見て、高く推移する特定波長の光透過率の郡中から急激に透過率が低下するときの特定波長の光透過率の有機高分子化合物含有量であるして5.3wt%として、これを臨界濃度とした(図5)。
同様にして分子量を100000としたPMMAについて、400nmで2.83wt%とした(図7)。
有機高分子化合物の分子量を考慮する場合については、以下のようにして臨界濃度(C)を求めることができる。
この場合に有機高分子化合物の分子量が限界分子量(Mc)を超えて、前記有機高分子化合物の含有量は臨界濃度(C)以下である場合について、有機高分子化合物及び金属酸化物ナノ粒子からなる組成物の状態を示すと図36の態様となる。有機高分子化合物としてMMA、金属酸化物ナノ粒子としてSiOの場合として示してある。
有機高分子化合物について、Mc(限界分子量)<M(有機高分子化合物の分子量)の状態にある有機高分子化合物の場合には、有機高分子化合物分子量が大きく、有機高分子化合物濃度が臨界濃度(C)は(ポリマー臨界濃度ともいう)以下である場合には、有機高分子化合物サスペンション中で1次粒子を保持している(図36左上の図)。この場合に、濃度が臨界濃度を超える場合には、有機高分子化合物同士が接触し、絡み合うことによりポリマー吸着していたシリカが急激に2次凝集を起こす結果となる(図36右上の図)。
前記限界分子量(Mc)及び前記臨界濃度(C)は、前記有機高分子化合物に対する金属酸化物ナノ粒子含有量を特定量とした場合に、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する量が変わる極性溶媒からなる組成物について、組成物の特波長の光透過率より導き出される値であるとして、定めることができる。
前記限界分子量(Mc)は、特定量の金属酸化物ナノ粒子に極性溶媒を加えた状態で、特定濃度となるように添加する特定分子量の有機高分子化合物を添加して得られる組成物について、特定分子量の有機高分子化合物の特定分子量を変数として、特定濃度の特定分子量の有機高分子化合物と、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する極性溶媒からなる組成物の特定波長の光透過率が有機高分子化合物含有量の関係から見て、高く推移する特定波長の光透過率の郡中の最も低い光透過率の有機高分子化合物の分子量と定め、前記臨界濃度(C)は、前記最も低い光透過率の有機高分子化合物の次に低い透過率の特定分子量の有機高分子化合物の含有量であると定めることができる。
具体例としては以下の通りである。
PMMAとして分子量4000の場合について、特定量の金属酸化物ナノ粒子である、シリカゾル4.2重量%とする。これにTHFの添加量を変化させて、PMMAの含有量を変化させて、非極性溶剤であるヘキサンを添加して、シリカゾルを均一に含む有機高分子化合物を再沈澱させて、回収し、減圧乾燥させてテストピースを作成する。テストピース中では前記PMMAの含有量は前記と同じ状態に固定されている。
PMMAに対するシリカナノ粒子の割合を4.2重量%とし、THF添加量を変数として、THF添加量に応じて特定波長と波長毎の光透過性を測定してみる。PMMA濃度を0.0,1.11,3.27,5.31,7.35,9.20,11.02,12.77,15.27,18.38,25.24,28.26,31.04各wt%として光透過率と波長400,600,800,1000nmについて変化を測定してみた。透過率はいずれも当初から400nmで80%を超える高い数値を示した。
また、シリカナノ粒子に対して、これに極性溶媒を加えて4.2重量%のシリカナノ粒子含有量とし、特定濃度となるように有機高分子化合物(分子量4000)を添加して得られる組成物について、前記と同様にしてテストピースを作製した。PMMA濃度を0.0,1.11,3.27,5.31,7.35,9.20,11.02,12.77,15.27,18.38,25.24,28.26,31.04各wt%について、400nm、600nm、800nmの場合を示すと、図8、図9、図10のとおりである。この結果からも高い光透過率で推移していることがわかる。
すなわち、PMMAの分子量が4000場合には、今回の場合では分子量4000の場合の結果であるが、仮に分子量が4000場合未満の場合を測定していれば、分子量4000の場合より光透過率は高い結果となる。これらのことを考慮すると、最も低い光透過率の有機高分子化合物の分子量である分子量が4000の場合が限界分子量(Mc)である。
波長が400nmでPMMAの分子量が100000の場合には、4.3wt%及び2.3wt%までは光透過率は高い状態で推移しておりこの点を過ぎると透過率は急速に低下することがかる(図8)。波長が600nmでは4.8wt%及び2.3wt%までは光透過率は高い状態で推移しておりこの点を過ぎると透過率は急速に低下することがかる(図9)。同様に、波長が800nmでは4.3wt%及び2.3wt%までは光透過率は高い状態で推移しておりこの点を過ぎると透過率は急速に低下することがかる(図10)。
前記臨界濃度(C)は、前記最も低い光透過率の有機高分子化合物の次に低い透過率の特定分子量の有機高分子化合物の含有量である波長が400nmでPMMAの分子量が50000の場合の4.3wt%であるということができる。
この場合には有機高分子化合物の分子量が限界分子量(Mc)を超えている場合であるから、分子量が4000の場合が限界分子量(Mc)を超えている場合として、前記最も低い光透過率の有機高分子化合物の次に低い透過率の特定分子量のPMMAの分子量が50000の場合の臨界濃度(C)を求めたことになる(さらに正確な値を求めるであれば、分子量40000と50000の値について実験を行い測定することにより、より実際に近い値をもとめることができる。
有機高分子化合物の分子量Mについて、Mc(限界分子量)>Mの状態にある有機高分子化合物の場合には、有機高分子化合物の分子量が小さく、有機高分子化合物量臨界濃度は発生しない。この場合には、有機高分子化合物サスペンション中で1次粒子を保持している状態(図36左下の図)及び金属酸化物ナノ粒子の表面を有機高分子化合物鎖が被覆し、金属酸化物ナノ粒子による2次凝集を抑制するので、凝集は起こらない(図36右下の図)状態となる。
有機高分子化合物の分子量が限界分子量(Mc)以下である有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物である。
前記限界分子量(Mc)は、前記有機高分子化合物に対する金属酸化物ナノ粒子含有量を特定量とした場合に、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する量が変わる極性溶媒からなる組成物について、組成物の光透過率より導き出される値である。
前記限界分子量(Mc)は、特定量の金属酸化物ナノ粒子に極性溶媒を加えた状態で、特定濃度となるように特定分子量の有機高分子化合物を添加して得られる組成物について、特定分子量の有機高分子化合物の特定分子量を変数として、特定濃度の特定分子量の有機高分子化合物と、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する極性溶媒からなる組成物の光透過率を測定して得られる結果の中の、高く推移する光透過率の群中の最も低い光透過率の有機高分子化合物分子量である。
具体例としては以下の通りである。
PMMAとして分子量4000の場合について、特定量の金属酸化物ナノ粒子である、シリカゾル4.2重量%とする。これにTHFの添加量を変化させて、PMMAの含有量を変化させて、非極性溶剤であるヘキサンを添加して、シリカゾルを均一に含む有機高分子化合物を再沈澱させて、回収し、減圧乾燥させてテストピースを作成する。テストピース中では前記PMMAの含有量は前記と同じ状態に固定されている。
分子量4000のPMMAに対するシリカナノ粒子の割合を4.2重量%とし、THF添加量を変数として、THF添加量に応じて特定波長と波長毎の光透過性を測定してみる。PMMA濃度を0.0,1.11,3.27,5.31,7.35,9.20,11.02,12.77,15.27,18.38,25.24,28.26,31.04各wt%として光透過率と波長400,600,800,1000nmについて変化を測定してみた。透過率はいずれも当初から400nmで80%を超える高い数値を示した。
また、シリカナノ粒子に対して、これに極性溶媒を加えて4.2重量%のシリカナノ粒子含有量とし、特定濃度となるように有機高分子化合物(分子量4000)を添加して得られる組成物について、前記と同様にしてテストピースを作製した。PMMA濃度を0.0,1.11,3.27,5.31,7.35,9.20,11.02,12.77,15.27,18.38,25.24,28.26,31.04各wt%について、400nm、600nm、800nmの場合を示すと、図8、図9、図10のとおりである。この結果からも高い光透過率で推移していることがわかる。
すなわち、PMMAの分子量が4000場合には、今回の場合では分子量4000の場合の結果であるが、仮に分子量が4000場合未満の場合を測定していれば、分子量4000の場合より光透過率は高い結果となる。これらのことを考慮すると、最も低い光透過率の有機高分子化合物の分子量である分子量が4000の場合が限界分子量(Mc)と定めることができる。
有機高分子化合物濃度の臨界濃度(以下Cで示す)及び有機高分子化合物の分子量のMc(限界分子量)は、実験により求めることができる(測定結果をObsd.C)という。
以下に理論的な計算に基づく有機高分子化合物濃度の臨界濃度(Calcd C)を求めてみる。
有機高分子化合物濃度の臨界濃度(C)は、有機高分子化合物同士が接触し始める濃度である。
(1)ポリマー分枝同士が接触し始める濃度(C
θ溶媒で非摂動鎖の場合
は以下の式により算出できる。
が分子量に依存することは以下のように表現できる。
(2)良溶媒、実在鎖の場合は
前記Sは以下のようになる。
が分子量に依存することは以下のように表現できる。
以上の計算により導き出された有機高分子化合物濃度の臨界濃度(C)(Calcd.C)及び実験により導き出された有機高分子化合物濃度の臨界濃度(C)(Obsd.C)についての結果を表にまとめると以下の表1の通りである。
Obsd.Cの算出にあたっては次式を使用した。
Mc(限界分子量)については、27500又は31500(217℃条件下)を粘度から算出した。
計算により導き出された有機高分子化合物濃度の臨界濃度(C)(Calcd.C)及び実験により導き出された有機高分子化合物濃度の臨界濃度(C)(Obsd.C)の対比
表1の結果より、計算により導き出された有機高分子化合物濃度の臨界濃度(C)(Calcd.C)及び実験により導き出された有機高分子化合物濃度の臨界濃度(C)(Obsd.C)は良好に一致しているということができる。
以下に上記複合体を形成する際に使用する物質について説明する。
極性溶剤は、一般には極性溶媒と呼ばれるものである。双極子モーメントをもつ分子からなる溶媒であり、大きな誘電率をもつ溶媒と定義される。具体的には、水、アルコール類、ケトン類、ジメチルスルホオキシド、N,N−ジメチルホルムアミドヘキサメチルホスホルアミド、ニトロメタン、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフランなどがある。アルコール類にはメタノール、エタノール、プロパノール、ブチルアルコールなどある。ケトンには、アセトン、メチルブチルケトンなどがある。
非極性溶剤は、双極子モーメントをもたない溶媒である。ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素を挙げることができる。
金属酸化物ナノ粒子は、SiO、Al、Sb、TiO、SnO、ZrO、ZnOから選ばれる。これらの金属酸化物ナノ粒子は単一の金属酸化物ナノ粒子である。 金属酸化物ナノ粒子は金属酸化物ナノ粒子ゾルである。
この粒子径は、可視光の波長である380nm以下のもの、好ましくは10〜100nm、さらに好ましくは、10〜30nmの範囲であることが好ましい。
これら金属酸化物粒子は、粒子状で用いることができるが、溶媒に分散させたコロイド状で用いることが好ましい。
例えば、シリカでは、溶媒分散させたシリカ粒子を用いることもできるが、特にコロイダルシリカとして種々の溶媒に分散させたものが知られ市販されているものを好ましく使用することができる。コロイダルシリカの分散溶媒としては水、有機溶媒がともに知られているが、本発明においては有機溶媒に分散されたコロイダルシリカの使用が好ましい。有機溶媒としては、メタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール,MEK、PGME、酢酸エチル、n−ヘキサン、トルエン、DMFが挙げられる。本発明において使用可能な有機溶媒に分散したコロイダルシリカの粒子サイズ、粒径分布、粒子形状については特に制限はなく、1〜300nmの粒子径のものを選択して使用可能である。特に好ましくは粒子径が10〜30nmのものである。
例えば、本発明で使用したSiOは、扶桑化学工業株式会社製の有機分散コロイダルナノシリカを使用した。SiOゾルは平均粒径15nmであり、表面修飾は行われておらず、イソプロピルアルコール中に12重量%含有している。
本発明で使用可能な上記コロイダルシリカはまた公知の方法により製造することができる。例えば水ガラスの酸中和方法により得られるコロイダルシリカや、アルコキシシランを用いたゾルゲル法により製造されたコロイダルシリカを使用することができる(例えば特開2005−314197号公報、特願2004−91220号公報を参照)。特に本発明においてはアルコキシシランを用いたゾルゲル法により製造されたコロイダルシリカの使用が好ましい。また本発明においてはシリカ粒子には、表面の性質を改質する目的で従来公知の種々の表面改質剤で処理されたシリカ粒子をも含む。表面性質の改質の目的、使用するマトリックスポリマーの化学的、物理的性質等から処理を最適化することは容易である。本発明において好ましく使用できる有機溶媒に分散したコロイダルシリカとして、扶桑化学工業株式会社から市販されている高純度オルガノゾルが挙げられる。これらは、コロイド物性のみならず、分散シリカの粒子径、粒子径分布、粒子形状、分散有機溶媒、濃度(12〜40シリカ重量%)、不純物の種類と量につき詳しく知られている。
チタニアのコロイドは公知の方法により製造できる。まず、四塩化チタンなどの塩化チタンや硫酸チタン等のチタン化合物の水溶液とアンモニアや苛性ソーダ等の塩基性物質からオルトチタン酸と呼ばれる水酸化チタンゲルを得る。次いで、水を用いたデカンテーションによって水酸化チタンゲルの沈殿を水洗し、水酸化チタンゲルを分離する。さらに過酸化水素を作用させ、余分な過酸化水素を分解除去することにより透明粘性液体が得られる。過酸化状態の水酸化チタンを含んでいるチタニア ゾル溶液を得た後、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体、ポリテトラヒドロフランと混合することにより得られる(特開2002−190324号公報)。
アルミナゾルについては以下のようにして製造される。
親水性成分と微粒子アルミナ との混合物としては、親水性成分に、微粒子アルミナ を機械的に混合及び分散させたものも使用できるが、親水性成分とアルミナ ゾルとの混合物からアルミナ ゾルの分散媒体を除去して得られたものを使用することが好ましい。上記親水性成分をそれらの可溶性有機溶剤の溶液として使用する場合には、上記有機溶剤もアルミナ ゾルの分散媒体とともに混合物から除去する。本発明におけるアルミナ ゾルとは、微粒子アルミナ が、通常、その分散媒体である水及び/又はアルコール等に安定に分散したものである。分散媒体としてはケトン、エステル、その他の有機溶剤も使用される。このアルミナ ゾル中の微粒子アルミナ の平均粒径は、通常1μm以下であり、特に1〜300mμm(nm)のものが好ましい。
ジルコニア粒子は、UEP(第一稀元素化学工業(株)製)、PCS(日本電工(株)製)、JS−01、JS−03、JS−04(日本電工(株)製)、UEP−100(第一稀元素化学工業(株)製)などの粒子をノニオン型分散剤、好ましくは、ポリオキシエチレンアルキル構造を有するリン酸エステル系ノニオン型分散剤、及び分散助剤として、アセト酢酸メチル、アセチルアセトン、N,N−ジメチルアセトアセトアミドから選択される一以上のものを使用して、分散媒として、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類を用いて得られる。
三酸化アンチモンナノ粒子は光拡散効果を有しており、有機高分子化合物であるメタクリリ樹脂に混合して用いられる(特開平05−255562号公報)。
酸化亜鉛では、粒子の一次粒径は、通常、5nm〜100nmのものを使用できる。また、結晶構造も特に限定されないが、単斜晶系等を使用できる。
酸化亜鉛粒子(ハクスイテック(株)製、パゼットCK(商品名)、一次粒径20〜40nm)、分散剤(楠本化成(株)製、PLAAD ED211(商品名))の高分子ポリカルボン酸のアミドアミン塩、及び分散媒であるメチルエチルケトン混合して得られる(特開2005−314648号公報)。
本発明で用いることのできる有機高分子化合物としては、熱可塑性樹脂であれば使用可能である。特に限定されるものではなく、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、アクリル・メタクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリオレフィン樹脂などを例示することができる。
これらの樹脂の分子量に応じて使用される製品の対象は相違する。例えば、分子量が4000から8000程度であれば方面処理剤として用いることができる。又、分子量が50000以上の場合には板状、シート状に加工して使用することができる。
メタクリル系樹脂組成物は、メタクリル酸、メタクリル酸エステルなどの重合体の他、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルなどの重合体及び樹脂改質のためのスチレンなどの他の単量体との共重合体を包含する。
代表的なものとしてメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルの重合体。
ポリメタクリル酸エステルは、エステル残基がCHのポリメタクリル酸メチルが代表的。直鎖状アルキル、分岐・環状アルキル、官能基を有するものがある。
ポリメタクリル酸メチルは、メタクリル酸メチルをラジカル重合により、塊状重合、溶液重合、懸濁重合による。具体的には、メタクリル酸エチル、メタクリル酸正ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸正へキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸メチル、アクリル酸正ブチル、アクリル酸イソブチル及びアクリル酸−2−エチルへキシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸第三ブチルアミノエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキプロピル及びメタクリル酸グリシジル(2004−22482)、アクリルモノマー(アクリル酸メチル)との共重合体、メタクリル酸メチル単独重合体、またはメタクリル酸メチル50質量%以上と他のビニル単量体との共重合体である。このメタクリル樹脂の数平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは4,000〜1,000,000である。前記メタクリル樹脂は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
以下、例えば、アクリル酸およびメタクリル酸を(メタ)アクリル酸、アクリレートおよびメタクリレートを(メタ)アクリレート等と総括的に称する。
前記共重合体の場合において、メタクリル酸メチルと共重合させる他のビニル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸 2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸 2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸等の不飽和酸類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能性(メタ)アクリレート;スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン類;(メタ)アクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。また、無水グルタル酸単位、グルタルイミド単位をさらに含んでもよい。さらに前述の重合体、共重合体に、ポリブタジエン、ブタジエン/アクリル酸ブチル共重合体、ポリアクリル酸ブチルを主成分とする共重合体等のエラストマー成分をブレンドしたものでもよい。
メタクリル樹脂としては以下の材料が使用される。
成形用材料:アクリペットMD、アクリペットVH、アクリペットMF、アクリペットV、アクリペットIR、アクリペットUT、ST、アクリペットVH−3R、(以上、三菱レイヨン)、パラペットG、パラペットHR、パラペットGF、パラペットEH、パラペットHR−L(以上、クラレ)
シート材料アクリライトE、アクリライトS,L、アクリライトIR、アクリライトHR(以上、三菱レイヨン株式会社製)などを挙げることができる。
ポリエステルについては以下の通りである。
ポリエステル 樹脂(A) とは、ジカルボン酸化合物とジヒドロキシ化合物の重縮合、オキシカルボン酸化合物の重縮合或いはこれら3成分混合物の重縮合等によって得られるポリエステルである。ここで用いられるジカルボン酸化合物の例を示せば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸の如き公知のジカルボン酸及びこれらのアルキル、アルコキシ又はハロゲン置換体等である。また、これらのジカルボン酸化合物は、エステル形成可能な誘導体、例えばジメチルエステルの如き低級アルコールエステルの形で重合に使用することも可能である。これは2種以上が使用されることもある。
ポリエステル樹脂(A) を構成するジヒドロキシ化合物の例を示せば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシフェニル、ナフタレンジオール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、シクロヘキサンジオール、2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ジエトキシ化ビスフェノールAの如きジヒドロキシ化合物、ポリオキシアルキレングリコール及びこれらのアルキル、アルコキシ又はハロゲン置換体等であり、1種又は2種以上を混合使用することができる。また、オキシカルボン酸の例を示せば、オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸、ジフェニレンオキシカルボン酸等のオキシカルボン酸及びこれらのアルキル、アルコキシ又はハロゲン置換体等が挙げられる。また、これら化合物のエステル形成可能な誘導体も使用できる。本発明においては、これら化合物の一種又は二種以上が用いられる。また、これらの他に三官能性モノマー、即ちトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等を少量併用した分岐又は架橋構造を有するポリエステル であってもよい。また、ジブロモテレフタル酸、テトラブロモテレフタル酸、テトラクロロテレフタル酸、1,4 −ジメチロールテトラブロモベンゼン、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAのエチレンまたはプロピオンオキサイド付加物のような芳香族核にハロゲン化合物を置換基として有し、かつエステル形成性基を有する化合物を用いたハロゲンを有するポリエステル コポリマーも含まれる。また、高融点ハードセグメントと低融点ソフトセグメントのブロック共重合体を構成するポリエステル 系エラストマーも使用することができる。このポリエステル 系エラストマーとして、例えば、アルキレンテレフタレート単位を主体とするハードセグメントと脂肪族ポリエステルもしくはポリエーテルから成るソフトセグメントとのブロック共重合体が挙げられる。本発明では、上記の如き化合物をモノマー成分として、重縮合により生成するポリエステル樹脂は何れも本発明の(A) 成分として使用することができ、単独で、又は二種以上混合して使用されるが、好ましくはポリアルキレンテレフタレート、更に好ましくはポリブチレンテレフタレート及びこれを主体とする共重合体が使用される。
次に、エポキシ基変性ポリプロピレン系樹脂(B) は、ポリプロピレン鎖にエポキシ基が共有結合によって結ばれているものであれば、如何なるものも使用できる。また、プロピレン基以外のモノマーが共重合されたポリマー鎖も使用可能で、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−ジエン共重合等が挙げられる。また、これらを混合して使用することも可能である。エポキシ基変性ポリプロピレン系樹脂(B) を構成するエポキシ基含有モノマー成分としては、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、4,5 −エポキシベンジルアクリレート、4,5 −エポキシベンジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル、ブタジエンモノエポキシド等が挙げることができるが、特にグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートが好ましく用いられる。エポキシ基含有モノマーの添加量としては、全成分中の 0.1〜15重量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは 0.5〜10重量%である。少なすぎる場合には、(A) 成分のポリエステル 樹脂との相容化不足による剥離、物性低下を生じ、多過ぎる場合には、ポリエステル 樹脂組成物の溶融粘度を著しく増加させ成形性を悪化させる。さらにこのエポキシ基変性ポリプロピレン系樹脂中には、特性を低下させない範囲で芳香族ビニル化合物を共重合することも可能である。例えば、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、エチルベンゼン、イソプロピルスチレン、クロロスチレン等が挙げられ、単独または混合して用いられる(特開平09−263685号公報)。
ポリカーボネート樹脂については以下の通りである。
ポリカーボネート 樹脂は、2価フェノールより誘導される粘度平均分子量10,000〜100,000、好ましくは15,000〜60,000のポリカーボネートであり、通常2価フェノールとカーボネート前駆体から溶液法又は溶融法で製造される。
2価フェノールの代表的な例としてビスフェノールA[2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパンブタン等をあげることができる。好ましい2価フェノールはビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系化合物、特にビスフェノールAである。2価フェノールは単独で又は2種以上混合して使用することができる。また、カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネート又はハロホルメート等をあげることができる。代表的な例としてはホスゲン、ジフェニルカーボネート、2価フェノールのジハロホルメート及びこれらの混合物をあげることができる。ポリカーボネート樹脂の製造に際しては、適当な分子量調節剤、分岐剤、触媒等も使用できる(特開7−216215号公報)。
ポリオレフィン樹脂は以下の通りである。
ポリオレフィン樹脂は、各種のものであって特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂およびエチレンと炭素数が3〜10のα−オレフィン等とを共重合させて得られる線状低密度ポリエチレン樹脂等のポリエチレン系樹脂、未変性ポリプロピレン樹脂および変性ポリプロピレン樹脂等のポリプロピレン系樹脂並びにエチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられる。これらの各種ポリオレフィン樹脂は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上のものが併用されてもよい。
なお、ポリオレフィン樹脂として特に好ましいものは、成形、粉砕等の加工性に優れ、しかも安価であるという点において、ポリエチレン系樹脂、とりわけ低密度ポリエチレン樹脂および高密度ポリエチレン樹脂である(特開2002−40511号公報)。
ポリアセタール 樹脂としては、アセタールホモポリマ、及び、主としてオキシメチレン単位からなり、ポリマ主鎖中に少なくとも1種の炭素数2〜8のオキシアルキレン単位を含有するアセタールコポリマなどがあげられる。
アセタールホモポリマとしては、末端の不安定なヒドロキシル基をエステル基またはエーテル基等に置換し、安定化されたオキシメチレン単独重合体が使用できる。例えば、実質的に無水のホルムアルデヒドを有機アミン、有機あるいは無機の錫化合物、金属水酸化物のような塩基性重合触媒を含有する有機溶媒中に導入して重合し、重合体を濾別したのち、無水酢酸中、酢酸ナトリウムの存在下で加熱して末端をアセチル化して製造したものなどが挙げられる。
アセタールコポリマとしては、例えば、実質的に無水のトリオキサン、あるいは、テトラオキサンのようなホルムアルデヒドの環状オリゴマと共重合成分としての少なくとも1種の環状エーテルまたは環状ホルマールとをシクロヘキサンやベンゼンのような有機溶媒中に溶解、あるいは、懸濁したのち、重合触媒、例えば、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素水和物及び三フッ化ホウ素と酸素原子または硫黄原子を含む有機化合物との配位化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を添加して重合し、不安定末端を分解除去して製造したものなどが挙げられる。あるいは、溶媒を全く使用せずにセルフクリーニング型撹拌機の中へトリオキサンと共重合成分/触媒の予備混合物を導入して塊状重合したものも使用できる。所望により、この重合体から洗浄によって触媒を除去、あるいは、失活剤によって触媒を失活させたのち、不安定末端を分解除去して製造することも可能である。特に好ましいのは、トリオキサンと環状エーテルまたは環状ホルマールとを、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテラートのような重合触媒の存在下、塊状重合させたのち、ヒンダードアミン系化合物を添加して重合反応を停止させ、更に不安定末端を分解除去して得られたポリアセタール樹脂である。
そして、ポリアセタールにジペンタエリスリトール又はトリペンタエリスリトールと合わせて使用することができる。ジペンタエリスリトールは化学式で(HOCH23CCH2OCH2C(CH2OH)3と表わされる。また、本発明で使用するトリペンタエリスリトールは化学式で(HOCH23CCH2OCH2C(CH2OH)2CH2OCH2C(CH2OH)3と表わされる。
ジペンタエリスリトール及び/またはトリペンタエリスリトールの添加量はポリアセタール樹脂100重量部に対して、0.001〜20重量部必要であり、好ましくは0.01〜5重量部である。0.001重量部より少ないと十分な熱安定性が得られず、20重量部より多いと逆に機械的強度の低下がみられ好ましくない。
さらに、ヒンダードフェノール系化合物を使用する場合には、分子量300以上のものが使用でき、具体的には、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマミド)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどがあげられる。この中でトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が特に好ましい。分子量が300より小さいとブリード現象が著しく、ポリアセタール樹脂組成物の外観を損なう上、熱安定性が低下するので使用に耐えない(特開平06−345937)。
ポリスチレンについては、以下の通りである。
ポリスチレン の透明性、剛性を保持し、耐熱性を向上させたスチレン系樹脂としてスチレン−α−メチルスチレン共重合体(SAMS)、スチレン−アクリル酸共重合体(SAA)、スチレンーメタクリル酸共重合体(SMAA)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SMA)などの耐熱スチレン系共重合体を挙げることができる(特開2005−248002)。
ポリフェニレンエーテルについては以下の通りである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のポリフェニレンエーテル樹脂は、30℃において0.5g/dlの濃度のクロロホルム溶液で測定された還元粘度(ηsp/c)が0.04〜0.20dl/g、好ましくは0.06〜0.20dl/gの低分子量のポリフェニレンエーテル 樹脂である。
電子用途部品などにした際の機械強度の観点から還元粘度が0.04dl/g以上であることが必要であり、電子用途部品などへの加工性の観点から0.20dl/g以下が必要である。
本発明のポリフェニレンエーテル樹脂は、電子用途部品等での電気特性の観点からカラーインデックス(以下C.Iと略す。)が、1.0以下であり、好ましくは0.9〜0.1である(特開2005−272631号公報)。
ポリアミドについては、以下の通りである。
ポリアミドは水を含む性質があることから、これを防ぐ意味で共重合体が用いられる。
ポリアミドとメタクリレートなどの共重合体、具体的な例としては、以下のものがある。
メタクリル酸メチル−α−メチルスチレン−無水マレイン酸共重合体1〜89重量%と、ポリアミド 樹脂1〜89重量%と、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体10〜40重量%とを混合してなる熱可塑性樹脂組成物(特開平06−99024)、メチルメタクリレート単位を含む熱可塑性メタクリル(コ)ポリマー(A)を80〜89重量%、少なくとも1種の衝撃補強剤(B)を6〜15重量%、並びにポリアミド 及びポリエーテル序列を含む少なくとも1種のコポリマー(C)を1〜5重量%なる熱可塑性樹脂組成物(特開20001−64471)
A)メチルメタクリレート単量体、それと共重合可能なビニル系単量体、芳香族ビニル系単量体から構成され、その構成比が90〜70:0〜40:10〜30であるビニル系共重合体、(B)両末端にカルボキシル基を有するポリアミド ブロックと芳香族ジオールのアルキレンオキシド付加物とから誘導されるブロックコポエイアミド 樹脂、(C)アルキルスルホン酸アルカリ金属塩および/またはアルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩及び(D)脂肪酸アミドを構成成分からなる熱可塑性樹脂組成物(特開平10−67609号公報)
ポリウレタン樹脂は、有機ポリイソシアネートと、高分子量親水性ポリオール及び/又はポリアミン(以下「親水性成分」という)と、分子内に少なくとも1個の活性水素含有基を有するポリシロキサンと、少なくとも1個の反応性基と少なくとも1個の加水分解性シリル基とを同一分子内に有する化合物とを反応させて得られる親水性ポリウレタン樹脂である(特開2005−239780号公報)。
以下に本発明を具体例で説明する。本発明はこれに限定されるものではない。
ポリメチルメタクリレートとナノシリカゾル粒子からなる複合体のテスト作製のための各種条件
有機高分子化合物としてポリメチルメタクリレート(以下、PMMAともいう)、ナノ粒子の金属酸化物としてシリカゾル(SiOの溶媒に溶かしたゾル)、極性溶剤としてTHF、非極性用材としてヘキサンを用いた。
具体的な条件は、以下の通りである。
PMMA(分子量4000)に対するSiOゾルの含有量はいずれも4.2重量%とした。
各PMMA濃度2.0重量%、PMMA濃度4.3重量%、PMMA濃度5.0重量%、PMMA濃度6.0重量%、PMMA濃度6.7重量%、PMMA濃度8.0重量%について、PMMA量とSiOゾル量及びTHFをブレンドしたものを用いた(添加するPMMA量及びSiOゾルの使用量,THFの使用量を示す内訳は表2に示すとおりで
ある。)。
シリカゾルの分散液を、THFとPMMAからなる混合液中に添加し、十分に攪拌操作をほどこし、これにヘキサンを添加すると、シリカを均一に含有するPMMAを、再沈澱により得ることができることができる。得られた沈殿物について、ろ過(吸引ろ過)により回収し、減圧乾燥することにより、ナノ粒子が散したPMMAの複合体組成物の粉体を得ることができ、これによりテストピースを作製した。
シートの加熱条件は190℃であり、圧力は40〜50MPa、10時間、25MPaで1分の処理を行った。
PMMAとSiOゾルの濃度をTHF量で変化させて調製したシート片について、PMMA含有量を変数にしてUV波長とUV透過率の関係を測定した結果は図1のとおりである。
PMMAに対するシリカナノ粒子の割合を4.2重量%とし、THF添加量を変数として、THF添加量に応じて特定波長と波長毎の光透過性を測定して図示する(図1)。このテストピースについて、異なる含有量のPMMAを変数として、波長毎の光透過性を測定する。低濃度のPMMA(2.0から5.0wt%)のPMMAとシリカナノ粒子からなる複合体は、高濃度のPMMA(6.0から8.0wt%)のPMMAとシリカナノ粒子からなる複合体と比較すると、前者の光透過率は急激に高くなり(400nmで80%を超える)、その後徐々に高くなり、一方、後者ではなだらかに上昇し(400nmで10%から50%を超える程度)となり、その後もなだらかに上昇し、700nm程度の波長で透過率が80%を超える結果となる。PMMAの濃度で見てみると、400nmで5.0wt%と6.0wt%の間で光透過性は大きな相違が存在する(図1)。光透過量が高い状態で推移する有機高分子化合物含有量の中で最も大きい有機高分子化合物含有量5.0wt%が求める臨界濃度(C)である。
また、以下の方法によっても、臨界濃度(C)をもとめることができる。
臨界濃度(C)は、特定量の金属酸化物ナノ粒子重量を定め、これに極性溶媒を加えた状態で、特定濃度となるように有機高分子化合物を添加して得られる組成物について、特定量の有機高分子化合物を添加した状態で、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する極性溶媒組成物に対して測定して得られる特定波長の光透過率と有機高分子化合物重量濃度の関係から見て、高く推移する特定波長の光透過率の郡中から急激に透過率が低下するときの特定波長の光透過率の有機高分子化合物含有量であると定めることもできる。
シリカゾルをTHFで希釈して濃度を一定に保ち、PMMA(分子量4000)粉末を少量ずつ添加してPMMA濃度を変化させ、光透過スペクトルの変化とシートの透過性を測定してみる(図2)。PMMA濃度5.0wt%までは、高い透過率で一定の値を保っている(90%を超えている)。この点を過ぎると急激に低下する。PMMA濃度5.0wt%を過ぎると、光透過率は急激に減少する。高く推移する特定波長の光透過率の郡中から急激に透過率が低下するときの特定波長の光透過率の有機高分子化合物含有量(5.0wt%)を臨界濃度とする。
分子量を50000としたPMMAについて、臨界濃度(C)は、特定量の金属酸化物ナノ粒子重量を定め、特定量の金属酸化物ナノ粒子を含有する有機高分子化合物及び添加する量が変わる極性溶媒からなる組成物について、特定波長に対する光透過量を測定して得られる結果について高く推移する光透過量の群と低く推移する光透過量の群とに分けたときに、高く推移する光透過量の群中の有機高分子化合物含有量が最も多いものの濃度として5.3wt%(400nm)として、これを臨界濃度とした(図3)。
シリカゾルを所定量採取して、THFを添加して希釈して濃度を一定に保ち、PMMA(数平均分子量5万の場合)の粉末を少量ずつ添加してPMMA濃度を変化させ、波長に応じた光透過率を測定した。
PMMA濃度が7.3wt%、6.4wt%、5.3wt%、4.3wt%、3.2wt%、2.2wt%、0.00wt%の場合の光透過率は図3に示す。
0.0wt%は○、2.2wt%は□、3.2wt%は◇、4.3wt%は×、5.3wt%は△、6.4wt%は●、7.3wt%は■で示した。
PMMA濃度が5.3wt%まで(濃度2.2重量%、濃度3.2重量%、濃度5.3重量%)では、400nm以上の波長で高い透過率(80〜90%)を保持している。PMMA濃度が5.0wt%を超える、PMMA濃度6.4重量%、7.3重量%の場合には、透過率は急激に減少している。透過率が急激に減少する臨界ポリマー濃度が存在することがわかる。
波長600nmでPMMA(分子量50000)についてPMMA濃度とUV光透過率との関係は図5に示すとおりである。PMMA濃度が5.3wt%以下のとき透過率は80%を超える結果となり、5.3wt%を超える場合には、UV透過率は急減に減少していることがわかる。透過率が急激に減少する臨界ポリマー濃度が存在することがわかる。
波長800nmでPMMA濃度が変化した場合のUV光透過率は図6に示すとおりである。PMMA濃度が5.3wt%以下のとき透過率は80%を超える結果となり、5.3wt%を超える場合には、UV透過率は急減に減少していることがわかる。透過率が急激に減少する臨界ポリマー濃度が存在することがわかる。
同様にして、図8は分子量を100000としたPMMAについて、400nmでPMMA濃度と光透過率の関係を示す。PMMA濃度2.83wt%から急激に低下する。具体的には以下の通りである。
シリカゾルを所定量採取して、THFを添加して希釈して濃度を一定に保ち、PMMA(分子量100000の場合)の粉末を少量ずつ添加してPMMA濃度を変化させ、波長に応じた光透過率を測定した。
400nmでは2.83wt%と3.79wt%の間で光透過率は大きく変化していることがわかる。
波長600nmでPMMA(分子量100000の場合)のPMMA濃度が変化した場合のUV光透過率は図9に示す。PMMA濃度が2.80wt%以下で急激に低下することがわかる。
波長800nmでPMMA(分子量100000の場合)のPMMA濃度が変化した場合のUV光透過率は図10に示す。PMMA濃度が2.80wt%以下で急激に低下することがわかる。
分子量を50000としたPMMAについて、特定量の金属酸化物ナノ粒子重量を定め、これに極性溶媒を加えた状態で、特定濃度となるように有機高分子化合物を添加して得られる組成物について、特定量の有機高分子化合物を添加した状態で、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する極性溶媒組成物に対して測定して得られる特定波長の光透過率と有機高分子化合物重量濃度の関係から見て、高く推移する特定波長の光透過率の郡中から急激に透過率が低下するときの特定波長の光透過率の有機高分子化合物含有量であるして5.3wt%として、これを臨界濃度とした(図4)。
分子量を100000としたPMMAについて、400nmで4.3wt%以降、急激に低下した。
有機高分子化合物の分子量を考慮するばあいについては、以下のようにして臨界濃度(C)を求めることができる。
この場合に有機高分子化合物の分子量が限界分子量(Mc)を超えて、前記有機高分子化合物の含有量は臨界濃度(C)以下である場合について、有機高分子化合物及び金属酸化物ナノ粒子からなる組成物の状態を示すと図36の態様となる。有機高分子化合物としてMMA、金属酸化物ナノ粒子としてSiOの場合として示してある。
有機高分子化合物について、Mc(限界分子量)<M(有機高分子化合物の分子量)の状態にある有機高分子化合物の場合には、有機高分子化合物分子量が大きく、有機高分子化合物濃度が臨界濃度(C)は(ポリマー臨界濃度ともいう)以下である場合には、有機高分子化合物サスペンション中で1次粒子を保持している(図36左上の図)。この場合に、濃度が臨界濃度を超える場合には、有機高分子化合物同士が接触し、絡み合うことによりポリマー吸着していたシリカが急激に2次凝集を起こす結果となる(図36右上の図)。
前記限界分子量(Mc)及び前記臨界濃度(C)は、前記有機高分子化合物に対する金属酸化物ナノ粒子含有量を特定量とした場合に、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する量が変わる極性溶媒からなる組成物について、組成物の特波長の光透過率より導き出される値であるとして、定めた。
前記限界分子量(Mc)は、特定量の金属酸化物ナノ粒子に極性溶媒を加えた状態で、特定濃度となるように添加する特定分子量の有機高分子化合物を添加して得られる組成物について、特定分子量の有機高分子化合物の特定分子量を変数として、特定濃度の特定分子量の有機高分子化合物と、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する極性溶媒からなる組成物の特定波長の光透過率が有機高分子化合物含有量の関係から見て、高く推移する特定波長の光透過率の郡中の最も低い光透過率の有機高分子化合物の分子量と定め、前記臨界濃度(C)は、前記最も低い光透過率の有機高分子化合物の次に低い透過率の特定分子量の有機高分子化合物の含有量であると定めた。
以下のように実施例を行った。
PMMAとして分子量4000の場合について、特定量の金属酸化物ナノ粒子である、シリカゾル4.2重量%とする。これにTHFの添加量を変化させて、PMMAの含有量を変化させて、非極性溶剤であるヘキサンを添加して、シリカゾルを均一に含む有機高分子化合物を再沈澱させて、回収し、減圧乾燥させてテストピースを作成する。テストピース中では前記PMMAの含有量は前記と同じ状態に固定されている。
PMMAに対するシリカナノ粒子の割合を4.2重量%とし、THF添加量を変数として、THF添加量に応じて特定波長と波長毎の光透過性を測定してみる。PMMA濃度を0.0,1.11,3.27,5.31,7.35,9.20,11.02,12.77,15.27,18.38,25.24,28.26,31.04各wt%として光透過率と波長400,600,800,1000nmについて変化を測定してみた。透過率はいずれも当初から400nmで80%を超える高い数値を示した。
また、シリカナノ粒子に対して、これに極性溶媒を加えて4.2重量%のシリカナノ粒子含有量とし、特定濃度となるように有機高分子化合物(分子量4000)を添加して得られる組成物について、前記と同様にしてテストピースを作製した。PMMA濃度を0.0,1.11,3.27,5.31,7.35,9.20,11.02,12.77,15.27,18.38,25.24,28.26,31.04各wt%について、400nm、600nm、800nmの場合を示すと、図8、図9、図10のとおりである。この結果からも高い光透過率で推移していることがわかる。
波長400nmでPMMA(分子量4000の場合)のPMMA濃度と光透過率の関係を図11に示す。この場合には光透過率は低下しない。
波長600nmでPMMA(分子量4000の場合)のPMMA濃度と光透過率の関係を図12に示す。この場合には光透過率は低下しない。
波長800nmでPMMA(分子量4000の場合)のPMMA濃度と光透過率の関係を図13に示す。この場合には光透過率は低下しない。
すなわち、PMMAの分子量が4000場合には、今回の場合では分子量4000の場合の結果であるが、仮に分子量が4000場合未満の場合を測定していれば、分子量4000の場合より光透過率は高い結果となる。これらのことを考慮すると、最も低い光透過率の有機高分子化合物の分子量である4000の場合が限界分子量(Mc)であるといことができる。
図14はPMMA−SiO複合体(分子量4000、50000、100000)について透過光の波長400nmのときのPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す。
図15はPMMA−SiO複合体(分子量4000、50000、100000)について透過光の波長600nmのときのPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す。
図16はPMMA−SiO複合体(分子量4000、50000、100000)について透過光の波長800nmのときのPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す。
図14より、前記臨界濃度(C)は、前記最も低い光透過率の有機高分子化合物の次に低い透過率の特定分子量の有機高分子化合物の含有量である波長が400nmでPMMAの分子量が50000の場合の4.3wt%であるということができる。
この場合には有機高分子化合物の分子量が限界分子量(Mc)を超えている場合であるから、分子量が4000の場合が限界分子量(Mc)を超えている場合として、前記最も低い光透過率の有機高分子化合物の次に低い透過率の特定分子量のPMMAの分子量が50000の場合の臨界濃度(C)を求めた。さらに正確な値を求めるであれば、分子量40000と50000の値について実験を行い測定することにより、より実際に近い値をもとめることができる。
有機高分子化合物の分子量Mについて、Mc(限界分子量)>Mの状態にある有機高分子化合物の場合には、有機高分子化合物の分子量が小さく、有機高分子化合物量臨界濃度は発生しない。この場合には、有機高分子化合物サスペンション中で1次粒子を保持している状態(図36左下の図)及び金属酸化物ナノ粒子の表面を有機高分子化合物鎖が被覆し、金属酸化物ナノ粒子による2次凝集を抑制するので、凝集は起こらない(図36右下の図)状態となる。
前記限界分子量(Mc)は、前記有機高分子化合物に対する金属酸化物ナノ粒子含有量を特定量とした場合に、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する量が変わる極性溶媒からなる組成物について、組成物の光透過率より導き出される値である。
PMMAの分子量が4000、50000及び100000の各場合について、PMMA濃度対する光透過率の関係を、波長が400nm、600nm、800nmの場合について、図14から16に示した。
PMMAの分子量4000が、限界分子量(Mc)である。
PMMA−SiO複合体(SiOの分子量50000、PMMA含有量10.0wt%)についてPMMAの含有量を変数としたときの光波長と光透過率の関係を示す(図37)。
また、図38は波長400nmにおけるPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す(SiOの分子量50000、PMMA含有量10.0wt%)。
図39は波長400nmにおけるPMMAの含有量を変数としたときのPMMAの含有量と光透過率の関係を示す(SiOの分子量50000、PMMA含有量4.0及び10.0wt%の場合を示す。)。
チタニア(TiO)場合について、SiOの場合と同じくポリマー濃度の変化に応じて光透過度の変化を測定した。
ナノ粒子のチタニアを有機高分子化合物に均一に分散した複合体を得る方法については以下のとおりである。
有機高分子化合物としてポリメチルメタクリレート(以下,PMMAともいう)、ナノ粒子の金属酸化物として酸化チタン(溶媒(メチルイソブチルケトン:MBK)中に酸化チタンを分散したもの)、極性溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)、非極性溶剤としてヘキサンを用いた。
チタニアの分散液を、MEKとPMMAからなる混合液中に添加し、十分に攪拌操作をほどこすと、チニア粒子が2次凝集を起こすことなく、均一に分散した組成物を得ることができる。そして、これにヘキサンを添加すると、酸化チタンを均一に含有するPMMAを、再沈澱により得ることができることができる。得られた沈殿物について、ろ過(吸引ろ過)により回収し、減圧乾燥することにより、ナノ微粒子が均一に分散したPMMAの複合体組成物の粉体を得ることができる。これについてヒートプレスして物性テストを行い、評価する。
PMMAに対するTiOの含有量はいずれも1.0重量%とした(この設定は適宜変更可能である)。
各PMMA濃度1.0重量%、PMMA濃度5.0重量%、PMMA量とTiO量及びMEKをブレンドしたものを用いた(添加するPMMA濃度、TiO及びMEKの使用量仕込み量の内訳は表3に示すとおりである。)。
PMMA濃度については以下の式により算出する。
PMMA濃度(wt%)
=[PMMA(g)/PMMA(g)+溶媒(g)+TiO]×100
複合体シートに関し、PMMA濃度1.0重量%、PMMA濃度5.0重量%の光透過度の測定結果は図16に示すとおりである。複合体シートのPMMA濃度が1.0wt%では700nm以上で光透過度が80%を超えることを示している。PMMA濃度5.0重量%の光透過度は低い値に終始していることがわかる
PMMA濃度1.0重量%の場合に、MEKを10ml、30ml、50ml、70ml、90ml、110ml、200mlを添加した場合のUV光透過度の測定結果は図17に示すとおりである。MEKの添加量が10mlの場合は○、30mlの場合は□、50mlの場合は◇、70mlの場合は×、90mlの場合は△、110mlの場合は●、200mlの場合は■により表した。500nm以上では70ml以上の場合(70ml、90ml、110ml、200ml)は80以上100%の間にある。
TiOを所定量採取して、MEKを添加して希釈して濃度を一定に保ち、PMMA(分子量5万)の粉末を少量ずつ添加してPMMA濃度を変化させ、波長に応じた光透過率を観測する。
PMMA濃度1.0wt%について、TiO濃度が0.0wt%、0.93wt%、1.83wt%、3.03wt%、4.18wt%、5.02wt%、5.86wt%6.95wt%、10.49wt%の場合のUV透過率は図18に示す。
0.0wt%は○、0.93wt%は□、1.83wt%は◇、3.03wt%は×、4.18wt%は+、5.02wt%は△、5.86wt%は●、6.95wt%は■、10.49wt%は◆を表す。
400nmでは0.93wt%で67%である。600nmでは3.03%以下で80から100%の間になる。800nmでは4.18以下で80から100%の間になる。
600mnでは、3.03wt%超える点で急激な減少を見ることができる。
800nmでは、3.03wt%超える点で急激な減少を見ることができる。
3.03wt%の点が臨界濃度であるということができる。
400nm、600nm及び800nmのUV光透過率を記録した結果は図19、図20及び図21である。
TiOを所定量採取して、MEKを添加して希釈して濃度を一定に保ち、PMMA(分子量4000)の粉末を少量ずつ添加してPMMA濃度を変化させ、波長に応じた光透過率を観測する。
PMMA濃度1.0wt%について、TiO濃度が0.0wt%、0.61wt%、1.23wt%、1.83wt%、2.42wt%、3.01wt%、3.59wt%、4.17wt%、4.73wt%、5.29wt%、5.84wt%、6.39wt%、6.93wt%、7.46wt%、7.99wt%、8.51wt%、9.03wt%、9.54wt%、10.05wt%の場合のUV透過率は図22に示す。
400nmの場合は図23、600nmの場合は図24、800nmの場合は図25である。
400nmでは1.83wt%以下(この場合には当初の透過率が70%と80%の間であり低い)、600nmでは5.29wt%以下、800nmでは5.84wt%以下の場合について光透過率は80から100の間にある。これらは臨界濃度であるということができる。
TiOを所定量採取して、MEKを添加して希釈して濃度を一定に保ち、PMMA(分子量10万)の粉末を少量ずつ添加してPMMA濃度を変化させ、波長に応じた光透過率を観測する。
PMMA濃度1.0wt%について、TiO濃度が0.0wt%、0.62wt%、1.23wt%、1.53wt%、1.83wt%、2.13wt%、2.43wt%、3.02wt%、3.59wt%の場合のUV透過率は図27に示す。
400nmでは0.6wt%で70%、600nmでは1.5wt%以下、800nmでは1.8wt%以下の場合について光透過率は80から100の間にある。
400nm、600nm及び800nmのUV光透過率を記録した結果は図27、図28及び図29である。
PMMAの分子量が4000、50000及び100000の各場合について、TiO濃度に対する光透過率の関係を、波長が400nm、600nm、800nmの場合について、図30、図31、図32に示した。
波長が400nmの場合には、PMMAが10万の場合にはTiOが0.61wt%、PMMAの分子量が5万の場合にはTiO濃度が0.93wt%
急減する。PMMAの分子量が4000の場合にTiOが0.61wt%から2.42wt%まで光透過率は70%を維持し、その後、急激に減少する。
波長が600nmの場合には、PMMAの分子量が10万の場合にはTiOが0.61wt%、PMMAの分子量が5万の場合にはTiO濃度が0.93wt%で光透過率が90%を超える点から減少が始まる。PMMAの分子量が分子量が4000の場合にはTiOが0.61wt%から4.17wt%まで光透過率は90%を維持し、その後、急激に減少する。
波長が800nmの場合には、PMMAの分子量が10万の場合にはTiOが0.61wt%以降、急激に減少する。PMMAの分子量が5万の場合にはTiO濃度が0.93wt%から3.03wt%まで光透過率が90%を超えて一定の割合で減少し、やがて急激に減少する。
PMMAの分子量が分子量が4000の場合にはTiOが0.61wt%から4.73wt%まで光透過率は95%を超える範囲で安定に推移し、その後急激に減少する。
アルミナゾル(Al)について、SiOゾル及びTiOゾルと同じくポリマー濃度の変化に応じて光透過度の変化を測定した。
ナノ粒子のアルミナを有機高分子化合物に均一に分散した複合体を得る方法については以下のとおりである。
有機高分子化合物としてポリメチルメタクリレート(以下,PMMAともいう)、ナノ粒子の金属酸化物としてアルミナ(溶媒中にアルミナを分散したもの)、極性溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)、非極性溶剤としてヘキサンを用いた。
アルミナの分散液を、MEKとPMMAからなる混合液中に添加し、十分に攪拌操作をほどこすと、アルミナ粒子が2次凝集を起こすことなく、均一に分散した組成物を得ることができる。そして、これにヘキサンを添加すると、アルミナを均一に含有するPMMAを、再沈澱により得ることができることができる。得られた沈殿物について、ろ過(吸引ろ過)により回収し、減圧乾燥することにより、ナノ微粒子が均一に分散したPMMAの複合体組成物の粉体を得ることができる。これについてヒートプレスして物性テストを行い、評価する。
PMMAに対するAlの含有量は5.0重量%とした(この設定は適宜変更可能である)。
Alを所定量採取して、MEKを添加して希釈して濃度を一定に保ち、PMMAの粉末を少量ずつ添加してPMMA濃度を変化させ、波長に応じた光透過率を観測した(図33)
PMMA濃度5.0wt%について、TiO濃度が1.0wt%、2.01wt%、3.01wt%、4.00wt%、5.02wt%、6.01wt%、8.01wt%の場合のUV透過率を示している。
1.0wt%は○、2.01wt%は□、3.01wt%は◇、4.00wt%は△、5.02wt%は●、6.01wt%は■、8.01wt%は◆をあらわす。
400nmでは1.0wt%で50%である。600nmでは1.0wt%で78%である。800nmでは3.01以下で80から100%の間になる。
PMMA濃度5.0重量%の場合に、MEKを10g、30g、50g、70g、90g、110g、130g、150g、170g、190g及び210gを添加した場合のUV光透過度の測定結果は図34に示すとおりである。MEKの添加量が0の場合は、○、10mgの場合は□、30gの場合は◇、50gの場合は△、70gの場合は×、90gの場合は●、110gの場合は■、130gの場合は◆、150gの場合は▲、170gの場合は◎、190gの場合は○○、210gの場合は□□で示した。
600nm以上では90g以下の場合(10g、30g、50g、70g、90g)に光透過率は80以上100%の間にある。800nmの場合については170g以下の場合(10g、30g、50g、70g、90g、110g、130g、150g及び170g)に光透過率は80以上100%の間にある。
Alを所定量採取して、MEKを添加して希釈して濃度を一定に保ち、PMMA(分子量5万)の粉末を少量ずつ添加してPMMA濃度を変化させ、波長に応じた光透過率を観測した。
PMMA濃度5.0wt%について、Al濃度が0.0wt%、0.47wt%、0.94wt%、1.40wt%、1.86wt%、2.32wt%、2.77wt%、3.22wt%、3.66wt%、4.10wt%、4.53wt%、4.96wt%、5.39wt%、5.81wt%、6.23wt%、6.64wt%、7.06wt%、7.46wt%、7.87wt%、8.27wt%の場合のUV光透過度の測定結果は、400nm以上では、65から74%の間に含まれ、600nmでは88%から94%の間に含まれ、800nmでは94から97%の間に含まれる結果となる。
金属酸化物ナノ粒子を有機高分子化合物に採用することにより有機高分子化合物全体の屈折率を高めることが可能となるので、光学製品のほか光透過性の材料として用いることができることに期待される。又、基材表上面に耐擦傷性を付与とともに、帯電防止性および防汚性に優れる硬化物を形成しうる硬化性組成物として期待され、材料の硬度を挙げることもできることから表面処理剤への利用が検討される。

Claims (16)

  1. 有機高分子化合物及び金属酸化物ナノ粒子を含み、前記金属酸化物ナノ粒子は粒子として均一分散していることを特徴とする有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物。
  2. 有機高分子化合物、金属酸化物ナノ粒子及び極性溶媒からなり、前記金属酸化物ナノ粒子は粒子として均一分散していることを特徴とする請求項1記載の有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物。
  3. 前記金属酸化物ナノ粒子は金属酸化物ナノ粒子同士が凝集することなく均一分散していることを特徴とする請求項1又は2記載の有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物。
  4. 前記有機高分子化合物がポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、メタクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリオレフィン樹脂から選ばれる樹脂であることを特徴とする請求項1から3いずれか記載の有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物。
  5. 前記金属酸化物ナノ粒子が、SiO、Al、Sb、TiO、SnO、ZrO、ZnOから選ばれる金属酸化物ナノ粒子であることを特徴とする請求項1から3いずれか記載の有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物。
  6. 前記金属酸化物ナノ粒子が金属酸化物ナノ粒子ゾルであることを特徴とする請求項1から5いずれか記載の有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物。
  7. 前記有機高分子化合物の含有量は、前記有機高分子化合物に対する金属酸化物ナノ粒子の重量を一定とした場合に、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する極性溶媒からなる複合体組成物の有機高分子化合物含有量であり、臨界濃度(C)以下であることを特徴とする請求項1から6いずれか記載の有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物。
  8. 前記臨界濃度(C)は、有機高分子化合物に対する金属酸化物ナノ粒子含有量(重量)を一定量とした場合に、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する量が変わる極性溶媒からなる組成物について、組成物の光透過率より導き出される値であることを特徴とする請求項7記載の有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物。
  9. 前記臨界濃度(C)は、特定量の金属酸化物ナノ粒子重量を定め、特定量の金属酸化物ナノ粒子を含有する有機高分子化合物及び添加する量が変わる極性溶媒からなる組成物について、特定波長に対する光透過量を測定して得られる結果について高く推移する光透過量の群と低く推移する光透過量の群とに分けたときに、高く推移する光透過量の群中の有機高分子化合物含有量が最も多いものの濃度と定めることを特徴とする請求項8記載の有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物。
  10. 前記臨界濃度(C)は、特定量の金属酸化物ナノ粒子重量を定め、これに極性溶媒を加えた状態で、特定濃度となるように有機高分子化合物を添加して得られる組成物について、特定量の有機高分子化合物を添加した状態で、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する極性溶媒組成物に対して測定して得られる特定波長の光透過率と有機高分子化合物重量濃度の関係から見て、高く推移する特定波長の光透過率の郡中から急激に透過率が低下するときの特定波長の光透過率の有機高分子化合物含有量であると定めることを特徴とする8記載の有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物。
  11. 前記有機高分子化合物の分子量が限界分子量(Mc)を超えて、且つ前記有機高分子化合物の含有量は臨界濃度(C)以下であることを特徴とする請求項1から6いずれか記載の有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物。
  12. 前記限界分子量(Mc)及び前記臨界濃度(C)は、前記有機高分子化合物に対する金属酸化物ナノ粒子含有量を特定量とした場合に、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する量が変わる極性溶媒からなる組成物について、組成物の特波長の光透過率より導き出される値であることを特徴とする請求項11記載の有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物。
  13. 前記限界分子量(Mc)は、特定量の金属酸化物ナノ粒子に極性溶媒を加えた状態で、特定濃度となるように添加する特定分子量の有機高分子化合物を添加して得られる組成物について、特定分子量の有機高分子化合物の特定分子量を変数として、特定濃度の特定分子量の有機高分子化合物と、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する極性溶媒からなる組成物の特定波長の光透過率が有機高分子化合物含有量の関係から見て、高く推移する特定波長の光透過率の郡中の最も低い光透過率の有機高分子化合物の分子量と定め、前記臨界濃度(C)は、前記最も低い光透過率の有機高分子化合物の次に低い透過率の特定分子量の有機高分子化合物の含有量であると定めることを特徴とする請求項11又は12記載の有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物。
  14. 前記有機高分子化合物の分子量が限界分子量(Mc)以下であることを特徴とする請求項1から6いずれか記載の有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物。
  15. 前記限界分子量(Mc)は、前記有機高分子化合物に対する金属酸化物ナノ粒子含有量を特定量とした場合に、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する量が変わる極性溶媒からなる組成物について、組成物の光透過率より導き出される値であることを特徴とする請求項14記載の有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物。
  16. 前記限界分子量(Mc)は、特定量の金属酸化物ナノ粒子に極性溶媒を加えた状態で、特定濃度となるように特定分子量の有機高分子化合物を添加して得られる組成物について、特定分子量の有機高分子化合物の特定分子量を変数として、特定濃度の特定分子量の有機高分子化合物と、金属酸化物ナノ粒子、有機高分子化合物及び添加する極性溶媒からなる組成物の光透過率を測定して得られる結果の中の、高く推移する光透過率の群中の最も低い光透過率の有機高分子化合物分子量であることを特徴とする請求項14記載の有機高分子化合物・金属酸化物複合体組成物。
JP2008514522A 2006-05-09 2007-05-09 ナノ粒子を分散させた透明な高分子材料及びその製造方法 Pending JPWO2007129748A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006130722 2006-05-09
JP2006130722 2006-05-09
PCT/JP2007/059627 WO2007129748A1 (ja) 2006-05-09 2007-05-09 ナノ粒子を分散させた透明な高分子材料及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2007129748A1 true JPWO2007129748A1 (ja) 2009-09-17

Family

ID=38667856

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008514522A Pending JPWO2007129748A1 (ja) 2006-05-09 2007-05-09 ナノ粒子を分散させた透明な高分子材料及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2007129748A1 (ja)
WO (1) WO2007129748A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5590481B2 (ja) * 2008-01-17 2014-09-17 独立行政法人産業技術総合研究所 複合化高分子材料、およびこれを含む光学材料
JP2009179691A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Sumitomo Chemical Co Ltd メタクリル樹脂組成物の製造方法
ES2496440T3 (es) * 2011-12-21 2014-09-19 Agfa-Gevaert Dispersión que contiene nanopartículas metálicas, de óxido de metal o de precursor de metal, un dispersante polimérico y un agente térmicamente escindible
ES2485308T3 (es) * 2011-12-21 2014-08-13 Agfa-Gevaert Dispersión que contiene nanopartículas metálicas, de óxido de metal o de precursor de metal, un dispersante polimérico y un aditivo de sinterización

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003246811A (ja) * 2001-12-07 2003-09-05 Merck Patent Gmbh シリカ粒子を含むポリマー系材料、その製造方法、その利用
JP2004018763A (ja) * 2002-06-19 2004-01-22 Asahi Kasei Corp 高分子ナノ複合材料及びその製造方法
JP2004224882A (ja) * 2003-01-22 2004-08-12 Nissan Motor Co Ltd ナノ複合アクリル樹脂組成物およびその製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19756790A1 (de) * 1997-12-19 1999-07-01 Fraunhofer Ges Forschung Prepolymer mit darin isoliert dispergierten nanoskaligen Feststoffteilchen, Verfahren zu seiner Herstellung und seine Verwendung
US6579929B1 (en) * 2000-01-19 2003-06-17 Bridgestone Corporation Stabilized silica and method of making and using the same
JP2004346288A (ja) * 2003-05-26 2004-12-09 Matsushita Electric Works Ltd 熱硬化性樹脂組成物の製造方法及び熱硬化性樹脂組成物
JP2006249276A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Tokyo Electric Power Co Inc:The ポリマー系ナノコンポジットの製造方法
JP4868909B2 (ja) * 2005-03-31 2012-02-01 株式会社Kri ナノコンポジット
JP2007016189A (ja) * 2005-07-11 2007-01-25 Nissan Motor Co Ltd 透明複合材およびその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003246811A (ja) * 2001-12-07 2003-09-05 Merck Patent Gmbh シリカ粒子を含むポリマー系材料、その製造方法、その利用
JP2004018763A (ja) * 2002-06-19 2004-01-22 Asahi Kasei Corp 高分子ナノ複合材料及びその製造方法
JP2004224882A (ja) * 2003-01-22 2004-08-12 Nissan Motor Co Ltd ナノ複合アクリル樹脂組成物およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2007129748A1 (ja) 2007-11-15
WO2007129748A8 (ja) 2008-03-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101382369B1 (ko) 미립자, 미립자의 제조방법, 이 미립자를 포함하는 수지 조성물 및 광학 필름
JP5096013B2 (ja) 有機無機複合組成物とその製造方法、成形体および光学部品
EP1783185B1 (en) Coating composition and resin multilayer body
JP5096014B2 (ja) 有機無機複合組成物とその製造方法、成形体および光学部品
JP3559894B2 (ja) 樹脂製ウィンドウ及びその製法
Agrawal et al. Nano‐level mixing of ZnO into poly (methyl methacrylate)
TW201529656A (zh) 具有經修飾金屬氧化物之奈米分散液之穩定底漆調配物及塗層
JP2005508424A (ja) ナノ構造組成物
JP2002080676A (ja) アクリル系樹脂層とポリカーボネート系樹脂層からなる積層体のリサイクル方法
JP2006241248A (ja) 高分子複合体
JP2010042369A (ja) 無機ナノ粒子分散液及びその製造方法、並びに複合組成物
JP2017137474A (ja) メタクリル系樹脂組成物及びその成形体
JPWO2007129748A1 (ja) ナノ粒子を分散させた透明な高分子材料及びその製造方法
JP2008056776A (ja) ナノ酸化物粒子及びその製造方法
JP5484025B2 (ja) 酸化チタンゾル、それを用いた樹脂組成物、光学材料および光学素子
WO2004039888A1 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
US20230107275A1 (en) Nanocomposites
JP2004176015A (ja) 着色された難燃性熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形品
KR101160204B1 (ko) 열가소성 수지 조성물
JP3726241B2 (ja) プラスチック光学物品とその製造方法
CN107033512B (zh) 甲基丙烯酸系树脂组合物及其成型体
CN112341778A (zh) 聚碳酸酯树脂组合物及使用其生产的汽车模制品
JP2006328110A (ja) 樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法、及び樹脂組成物用複合酸化物粒子
JP5046239B2 (ja) 有機無機複合体
JP2011074328A (ja) 酸化チタン分散液

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20090126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090202

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100507

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130406

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130408

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20130408

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130924