JPWO2007125645A1 - 感熱記録媒体、画像形成装置およびその方法 - Google Patents

感熱記録媒体、画像形成装置およびその方法 Download PDF

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Abstract

課題:メインテナンスが容易で、カートリッジ等の廃棄物を発生させず、しかも記録シートの管理を容易にすることができる感熱記録媒体、その画像形成装置及びその方法を提供する。解決手段: 記録シート10内に高温発色カプセル23、低温発色カプセル27および低温発色抑制カプセル28を内包する。プリンタでは、低温発色カプセル27を低温発色させた後に加圧して低温発色抑制カプセル28を破壊する。これにより、低温発色が定着される。その後、高温発色カプセル23を高温発色させる。

Description

本発明は、感熱式の感熱記録媒体、並びに当該感熱記録媒体に画像を形成する画像形成装置およびその方法に関するものである。
現在実用化されているプリンタには、インクジェット方式や感熱転写方式、複写機を電子化したレーザ方式等がある。これらは、いずれもインクやインクリボン、トナーなどを紙(シート)に転写している。従って、プリントが終わると、インクやインクリボン、そしてそれらを内包した専用カートリッジ等が廃棄物となる。また、写真画質を実現するには、結局は専用紙を使う必要がある。
一方、専用の記録シートを必要とするが、インクやインクリボン、並びに専用カートリッジを廃棄しないプリンタとして、ファクシミリやバーコード印刷に用いられている感熱方式のプリンタがある。このような感熱方式で写真画質のカラー印刷を実現するためには多くの技術的困難があり、なかなか実用化されていない。
その最大の技術的障壁としては、3色3層の各発色層をサーマルヘッドの熱制御だけで独立に制御して発色させ、しかも発色する各色に濃淡を付けて濃度階調した制御が困難なためにカラー写真の画質の印刷が実現できなかった。このような中で、富士写真フィルム株式会社の特許文献1の技術的思想を基に、1996年に発売を開始した直接感熱記録方式(TA方式)が唯一の実用化例である。
このTA方式は、シアン、マゼンダ、イエローの順に感熱発色層を基板上に積層し、最上層には耐熱性保護層を配置している。イエローとマゼンタの発色層は、ジアゾニウム塩化合物とカプラーを発色素材とし、紫外線で画像の定着が可能である。また、シアン発色層は定着の必要がないので、染料前駆体と有機酸を発色素材としている。各層のマイクロカプセルは異なる熱感度と紫外線感度を持っており、異なる熱エネルギと異なる波長の紫外線を、5回のステップに分けて与えることによって発色と定着を繰り返しながら、フルカラーのプリントを作成する。
具体的には、TA方式は、(1)イエロー画像情報で、低熱エネルギでイエロー画像を形成し、(2)波長が419nmの紫外線を全面照射し、(3)イエロー画像を定着し、(4)マゼンタ画像を中熱エネルギで形成する(このときイエロー発色層は加熱しても発色しないため、影響を受けない)、(4)波長が365nmの紫外線を全面照射し、マゼンタ画像を定着し、(5)シアン画像を高熱エネルギで形成する。
また、上記TA方式とは別に、3段階の圧力と3段階の温度とを組み合わせて、カプセル内のジアゾ化合物とカプセル外のカプラーとを化学反応させて発色させるシステムが特許文献2に提案されている。
特開昭61−40192号公報 特開平11−170692号公報
しかしながら、上記TA方式では、感熱発色層が紫外線で定着されるため、記録シートの保管が難しいという問題がある。
また、上述した特許文献2のシステムでは、3段階の圧力を記録シートに適切に加えて発色させる制御が困難であるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するために、画像形成装置のメインテナンスが容易で、カートリッジ等の廃棄物を発生させずに簡単な制御で感熱記録媒体に画像を形成でき、しかも感熱記録媒体を容易に管理することを可能とする感熱記録媒体、画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
上述した従来技術の問題点を解決し、上述した目的を達成するため、請求項1の発明の感熱記録媒体は、第1の発色温度で発色する第1の発色要素と、前記第1の温度より高い第2の温度で発色する第2の発色要素と、予め決められた圧力を受けたことを条件に前記第1の発色要素の発色機能を抑制する発色抑制要素とを内包する。
このように、請求項1の発明では、予め決められた圧力を受けたことを条件に第1の発色要素の発色機能を抑制する発色抑制要素を内包させることで、紫外線を使わずに第1の発色要素を定着でき、感熱記録媒体の管理が容易になる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第1の発色要素を内包する第1の発色層と、前記第2の発色要素を内包する第2の発色層と、前記発色抑制要素を内包し、前記第1の発色層に隣接する発色抑制層とを有することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記第1の発色要素と前記発色抑制要素とを混在させて内包する第1の発色層と、前記第2の発色要素を内包する第2の発色層とを有することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記第1の発色要素および前記第2の発色要素を含むN(Nは3以上の整数)種類の発色要素を内包し、前記N種類の発色要素のうち、発色温度がより低いものから順に(N−1)種類の発色要素の発色機能をそれぞれ抑制する(N−1)種類の発色抑制要素を内包し、前記(N−1)種類の発色抑制要素の各々は、当該発色要素より低い発色温度の発色要素に対して発色抑制機能を発揮する他の発色抑制要素の発色抑制温度より高い温度で、且つ当該発色要素より高い発色温度の発色要素に対して発色抑制機能を発揮する他の発色抑制要素の発色抑制温度より低い温度で、前記圧力が加えられたことを条件に前記発色抑制機能を発揮することを特徴とする。
請求項4の発明では、3色以上の発色が可能である。
請求項5の発明は、請求項1〜4の発明において、記録時の加熱側から順に、発色温度がより低い前記発色要素が配置されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1〜4の発明において、記録時の加熱側から順に、発色温度がより高い前記発色要素が配置されていることを特徴とする。
請求項6の発明では、発色温度がより高い発色要素が加熱側に配置されているため、加熱時のエネルギーを小さくできる。
請求項7の発明は、請求項1の発明において、記録時の加熱側から順に、高温発色要素を含む層と、低温発色要素を含む層と、前記低温発色要素の発色を抑制する発色抑制要素を含む層と、熱バリア層と、中温発色要素を含む層とが配置されていることを特徴とする。
請求項7の発明では、高温発色要素を含む層と中温発色要素を含む層との間に、低温発色要素を含む層と、前記低温発色要素の発色を抑制する発色抑制要素を含む層と、熱バリア層とを配置することで、中温発色層を定着しなくても中温発色層が高温発色時の熱によって発色することを回避できる。このように中温発色層が不要となることから、感熱記録媒体の厚みを薄くできると共に、画像形成工程を少なくできる。
請求項8の発明は、請求項1の発明において、記録時の加熱側から順に、低温発色要素を含む層と、前記低温発色要素の発色を抑制する発色抑制要素を含む層と、高温発色要素を含む層と、熱バリア層と、中温発色要素を含む層とが配置されていることを特徴とする。
請求項8の発明では、高温発色要素を含む層と中温発色要素を含む層との間に、熱バリア層とを配置することで、中温発色層を定着しなくても中温発色層が高温発色時の熱によって発色することを回避できる。このように中温発色層が不要となることから、感熱記録媒体の厚みを薄くできると共に、画像形成工程を少なくできる。また、請求項8の発明では、発色抑制要素を含む層を加圧側(加熱側と同じ)に配置することで、発色抑制要素に適切に圧力を加え易くなる。
請求項9の発明は、請求項1〜8の発明において、前記発色要素は、当該発色要素が内包する材料が前記発色要素外に放出し、発色要素外の物質と反応して発色する要素、あるいは前記発色要素内に、当該発色要素外の材料が、当該発色要素内に流入して、当該発色要素内の物質と反応して発色する要素であることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項1〜8の発明において、前記発色要素の材料である電子供与性染料前駆体、電子受容性顕色剤、塩基性物質または酸性物質のうち、一つ以上の材料の化学構造を変化させて発色反応を起こさないようにする機能、前記発色要素の材料である電子供与性染料前駆体、電子受容性顕色剤、塩基性物質または酸性物質のうち、一つ以上の材料の化学構造を変化させて、化学反応しても色素が生成できずに発色しないようにする機能、あるいは前記発色要素の材料を内包したマイクロカプセルの壁の物質透過性を変化させて浸透性を低下させて発色反応を抑制する機能を有することを特徴とする。
請求項11の発明の画像形勢装置は、感熱記録媒体に対して画像を熱記録するサーマルヘッドと、前記感熱記録媒体の低温発色機能を抑制するための圧力を加える加圧手段と、前記低温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を記録するように前記サーマルヘッドを制御する処理と、前記感熱記録媒体に前記圧力を加えるように前記加圧手段を制御する処理と、前記低温発色温度より高い高温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を記録するように前記サーマルヘッドを制御する処理とを順に行う制御手段とを有する。
請求項11の発明では、制御手段の制御に従って、サーマルヘッドが、低温発色温度で感熱記録媒体に画像を記録する。
次に、加圧手段が、前記感熱記録媒体に圧力を加える。これにより、低温発色が定着される。
次に、サーマルヘッドが、高温発色温度で感熱記録媒体に画像を記録する。
請求項12の発明は、請求項11の発明において、前記制御手段は、前記低温温度で前記感熱記録媒体に画像を記録するように前記サーマルヘッドを制御する処理と、前記感熱記録媒体に低温破壊温度で前記圧力を加えるように前記加圧手段を制御する処理と、前記低温発色温度より高く前記高温発色温度より低い中温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を記録するように前記サーマルヘッドを制御する処理と、前記感熱記録媒体に前記低温破壊温度より高い中温破壊温度で前記圧力を加えるように前記加圧手段を制御する処理と、前記高温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を記録するように前記サーマルヘッドを制御する処理とを順に行うことを特徴とする。
請求項12の発明では、制御手段の制御に従って、サーマルヘッドが低温温度で感熱記録媒体に画像を記録する。
次に、加圧手段が、感熱記録媒体に低温破壊温度で圧力を加える。これにより、低温発色が定着される。
次に、サーマルヘッドが、中温発色温度で感熱記録媒体に画像を記録する。
次に、加圧手段が、感熱記録媒体に中温破壊温度で圧力を加える。これにより、中温発色が定着される。
次に、サーマルヘッドが、高温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を記録する。
請求項13の発明は、請求項11の発明において、前記制御手段は、前記低温温度で前記感熱記録媒体に画像を記録するように前記サーマルヘッドを制御する処理と、前記感熱記録媒体に前記圧力を加えるように前記加圧手段を制御する処理と、前記高温発色温度および第1時間で前記感熱記録媒体に画像を記録するように前記サーマルヘッドを制御する処理と、前記低温発色温度より高く前記高温発色温度より低い中温発色温度で、且つ前記第1時間より長い第2時間で前記感熱記録媒体に画像を記録するように前記サーマルヘッドを制御する処理と
を順に行うことを特徴とする。
請求項13の発明では、サーマルヘッドが、低温温度で前記感熱記録媒体に画像を記録する。
次に、加圧手段が、感熱記録媒体を加圧する。これにより、低温発色が定着される。
次に、サーマルヘッドが、高温発色温度および第1時間で前記感熱記録媒体に画像を記録する。このとき、第1時間は、中温が中温発色要素に伝達されるのには短すぎるので、中温発色は行われない。
次に、サーマルヘッドが、中温発色温度で且つ前記第1時間より長い第2時間で前記感熱記録媒体に画像を記録する。
請求項14の発明は、請求項11〜13の発明において、前記サーマルヘッドと前記加圧手段とが隣接して位置することを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項11〜13の発明において、前記サーマルヘッドと前記加圧手段とを一体的に構成し、前記感熱記録媒体に接触する前記サーマルヘッドの加熱面によって前記圧力を加えることを特徴とする。
請求項16の発明の画像形成方法は、低温発色温度で加熱して感熱記録媒体に記録する第1の工程と、前記第1の工程の後に、前記感熱記録媒体を加圧して当該感熱記録媒体の低温発色機能を抑制する第2の工程と、前記第2の工程の後に、前記低温発色温度より高い高温発色温度で加熱して前記感熱記録媒体に画像を形成する第3の工程と
を有する。
本発明によれば、画像形成装置のメインテナンスが容易で、カートリッジ等の廃棄物を発生させずに簡単な制御で感熱記録媒体に画像を形成でき、しかも感熱記録媒体を容易に管理することを可能とする感熱記録媒体、画像形成装置および画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係わる記録シート並びに当該記録シートに画像を形成するプリンタについて説明する。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を説明する。
[本発明の構成との対応関係]
先ず、本実施形態の構成要素と、本発明の構成要素との対応関係を説明する。
本実施形態の図1に示す低温発色カプセル27が請求項1の発明の第1の発色要素の一例であり、高温発色カプセル23が請求項1の発明の第2の発色要素の一例である。
また、低温発色抑制カプセル28が請求項1の発明の発色抑制要素の一例である。
また、図5に示すサーマルヘッド45が請求項11のサーマルヘッドの一例であり、加圧ローラ49a,49bが請求項11の加圧手段の一例である。
また、図5に示す制御部51が請求項11の制御手段の一例である。
[記録シート]
先ず、本実施形態で用いられる記録シートを説明する。
図1は、本実施形態で用いる記録シート10の断面構成図である。
図1に示すように、記録シート10は、例えば、基材11に高温発色層13、混防止層15、低温発色層17および保護層19を順に積層して構成される。
記録シート10は、低温発色層17内に低温発色カプセル27の他に低温発色抑制カプセル28を内包している。記録シート10は、画像形成時に低温発色カプセル27が低温発色された後に、加圧されて低温発色抑制カプセル28が破壊され、低温定着される。その後に、高温発色カプセル23が高温発色される。
基材11は、例えば、ポリエステルやポリエチレンテレフタレート(PET)等によって構成される。基材11は、白色あるいは透明である。
高温発色層13は、高温発色カプセル23、顕色剤および必要に応じて塩基性物質または酸性物質をバインダ材中に分散させて構成される。高温発色カプセル23は、例えば、発色剤を内包する。高温発色層13は、例えば、図2に示す温度T3(例えば、330℃)以上の高温状態となると、高温発色カプセル23が内包する発色剤と高温発色層13内の顕色剤とが反応して発色する。
高温発色カプセル23は、いわゆるマイクロカプセルであり、その壁が300〜350℃のガラス転移点を持つポリウレアあるいはポリウレタンからなる。高温発色カプセル23は、ガラス転移点前後で物質浸透(透過)性が大きくなる特性を持つ。これにより、図3(A)に示すように、温度T3未満(非高温)においては、高温発色カプセル23内に顕色剤は浸透せず、高温発色カプセル23内の発色剤は発色しない。一方、図3(B)に示すように、温度T3以上(上記高温状態)になると、高温発色層13内の顕色剤が高温発色カプセル23内に浸透し、当該顕色剤と高温発色カプセル23内の発色剤とが反応して色素が形成されて発色する。
高温発色カプセル23等の本実施形態におけるマイクロカプセルの壁は、例えば、熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂等の合成樹脂で形成される。具体的には、高温発色カプセル23の壁として、メラミン−ホルムアルデヒドポリマー、尿素−ホルムアルデヒドポリマー等が用いられる。
また、マイクロカプセルの平均粒径は、例えば約3〜4μmであり、そのガラス転移点は壁の材質によって規定される。マイクロカプセルは、反応する物質を多層構造の状態で隔離しておくだけでなく、マイクロカプセルの壁を隔ててミクロンに分散して共存させることにより、数μの薄い塗布膜の中で、常温では十分に隔離性を保ちながら、加熱時に瞬時に十分な物質浸透性を持たせる機能を持つ。
なお、高温発色カプセル23は、上記高温状態になると、その壁が溶けて、カプセル内の発色剤がカプセル外に流出して、カプセル外の顕色剤と反応して発色するように構成してもよい。
本実施形態において、発色剤と、それに反応する顕色剤との組み合わせには、例えば、ジアゾ化合物(発色剤)とカプラー(顕色剤)との組み合わせ、あるいは電子供与性無色染料(発色剤)と電子受容性化合物(顕色剤)との組み合わせ等がある。なお、ジアゾ化合物の化学構造とカプラーの化学構造との組み合わせ、あるいは電子供与性無色染料の化学構造と電子受容性化合物の化学構造との組み合わせによって任意の色相を発色できることは公知である。
なお、上記ジアゾ化合物は、例えば、リン酸トリクレジル等である。ジアゾ化合物は、電子供与性染色前駆体(染料前駆体)であり、塩基性雰囲気でカプラーと反応して発色する。カプラーは、例えば、レゾルシルやフロログルシンであり、塩基性雰囲気中でジアゾ化合物とカップリングして色素を形成する。塩基性雰囲気は、水難溶性か水不溶性の塩基性物質や加熱によりアルカリを発生する物質(例えば、有機アンモニウム塩)によって作られる。
また、上記電子供与性無色染料は例えばロイコ染料であり、電子受容性化合物は例えばフェノール系酸性物質である。この組み合わせでは、ロイコ染料が酸性物質である顕色剤に吸着して酸化されて発色する。
また、上記カプラーとしては、例えば、2−ヒドロキシ−3ナフトエ酸アニリド等が用いられる。
また、上記電子受容性化合物としては、例えば、フェノール化合物、有機酸またはその金属塩、オキシ安息香酸エステル等の酸性物質が用いられる。
また、本実施形態では、発色剤をマイクロカプセル内に内包する場合を例示するが、例えば、発色剤と顕色剤とをバインダ内に分散して配置し、加熱によりバインダが溶融して発色剤と顕色剤とが反応するような構成にしてもよい。
混防止層15は、高温発色層13と低温発色層17との間でカプセルが混ざり合うことを防止するための層である。
低温発色層17は、低温発色カプセル27、顕色剤、低温発色抑制カプセル28、並びに必要に応じて塩基性物質または酸性物質をバインダ材中に分散させて構成される。低温発色カプセル27は、発色剤を内包し、その壁のガラス転移点が例えば、90〜140℃の低温である。低温発色層17は、例えば、図2に示す温度T1(例えば、110℃)以上の低温状態となると、低温発色カプセル27が内包する発色剤と低温発色層17内の発色剤とが反応して発色する。低温発色カプセル27の壁のガラス転移点を除いて、発色の原理は、高温発色カプセル23と同じである。
本実施形態において、高温発色カプセル23および低温発色カプセル27が内包する発色剤と、その外部の顕色剤とが反応する条件として、圧力は不要である。
低温発色抑制カプセル28は、図4(A)に示すように、通常圧力(非破壊圧力)状態で、低温発色層17の発色機能を抑制する低温発色抑制剤を内包する。
低温発色抑制カプセル28は、図4(B)に示すように、図2に示す破壊圧力P1以上の圧力が加わると、カプセルが破壊状態(あるいは浸透状態)となり、低温発色抑制剤を低温発色抑制カプセル28外に流出させる。
低温発色抑制カプセル28等のマイクロカプセルの破壊(浸透)圧力は、マイクロカプセルの径と壁厚との関係、並びに壁の材質によって規定される。
低温発色抑制カプセル28が内包する低温発色抑制剤は、例えば、低温発色カプセル27内は発色剤、低温発色層17内の顕色剤、塩基性物質および酸性物質のうち、1つ以上の物質の化学構造を変化させて、化学反応を起こさないようにする機能、あるいは化学反応しても色素が生成されないようにする機能を有する。
以下では、後者の機能の一具体例を説明する。詳細には、図5に示すように、低温発色抑制カプセル28に破壊圧力(P1)以上の圧力が加わることで低温発色抑制カプセル28から流出した低温発色抑制剤と、低温発色層17内の顕色剤(カプラー)とが化学反応することにより、透明な化合物(無色の生成物)285が生成される。この生成物285は、低温発色カプセル27内の発色剤としてのジアゾニウム塩とカップリング反応を生じないために、低温発色カプセル27内に色素が生成されない(発色抑制機能)。
また、この生成物285は、すでに発色している発色剤に対しても化学反応を生じないので、すでに発色している色を変色させない。また、低温発色抑制剤は、すでに発色している発色剤に対しても化学反応を生じないので、すでに発色している色を変色させない。
また上述したように、低温発色カプセルに破壊圧力(P1)以上の圧力を加えることで、カプラーと低温発色抑制剤が反応して生成される生成物285が無色であるので、記録シート10の低温発色層17に不要な色が発色することがない。
以下、上記発色抑制機能を実現させる発色剤、低温発色抑制剤、カプラーおよび生成物285の一具体例を説明する。
<第1具体例>
発色剤のジアゾニウム塩として、例えば2,5−ジブトキシ−4−トリルチオベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェートを採用し、カプラーとして、例えば下記(1)に示す構造のCOAAA(2−クロロ−5−オクチルアセトアセトアニリド)(黄色)を採用し、低温発色抑制剤として、例えば下記(2)に示す構造のアゾベンゼンを採用した場合、カプラーとアゾベンゼンがジアゾカップリング反応により生成物285、例えば下記(3)に示す構造の無色のCOOP(アゾ色素)が生成される。COOPは、N−(2−クロロ−5−オクチルフェニル)−3−オキソ−2−フェニルアゾブチルアミノともいう。
上述したように、この発色抑制剤は、発色剤のジアゾニウム塩とカプラーとの反応を抑制する機能を有する。また、この発色抑制剤とカプラーによる生成物285は、すでに発色している色素を変色させない。また発色抑制剤は、すでに発色している色素を変色させない。また、生成物285が無色であるので、不要な色が発色しない。また、上記発色抑制剤とカプラーによる生成物285は熱的に安定であるので、加熱等の熱変化が生じた場合であっても記録シート10が変色しない。
<第2具体例>
また、上記発色剤としてのジアゾニウム塩と、上記(1)に示す構造のカプラーと、発色抑制剤として例えば下記(4)に示す構造のペント−1−エン−3−オンを採用した場合に、カプラーと発色抑制剤とがマイケル付加反応により、生成物285、詳細には下記(5)に示す構造のAHCOA(2−アセチル−5−オキソ−ヘプタン酸(2−クロロ−5−オクチルフェニル)アミド)(無色)が生成される。
マイケル付加反応は、塩基性雰囲気下で生じて、ジアゾニウム塩と同じ部位に結合する。これによりジアゾニウム塩はカップリング反応が阻害されることになり、発色することができなくなる。
また、上記マイケル付加反応により生成された生成物285の吸収波長スペクトルは、カプラーの吸収波長スペクトルと略等しい。このため透明なカプラーに対してマイケル付加反応で生成された生成物285は透明であり、例えば200℃程度の熱で分解することもなく、熱的に安定である。このため、記録シート10が変色しない。
また、この発色抑制剤とカプラーによる生成物285は、すでに発色している色素を変色させない。また発色抑制剤は、すでに発色している色素を変色させない。また、生成物285が無色であるので、不要な色が発色しない。
<第3具体例>
また、上記発色剤としてのジアゾニウム塩と、カプラーとして、例えば下記(6)に示す構造の1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン(PMP)(マゼンダ用)を採用し、発色抑制剤として、例えば上記(2)に示す構造のアゾベンゼンを採用すると、カプラーとアゾベンゼンがジアゾカップリング反応により生成物285、例えば下記(7)に示す構造の無色のアゾ色素(5−メチル−2−フェニル−4−フェニルアゾ−2,4−ジヒドロピラゾル−3−オン)が生成される。
上記発色剤、カプラー、発色抑制剤、および生成物285の組み合わせによる、作用効果については、上記第1具体例と略同様である。
<第4具体例>
また、上記発色剤と、上記(6)に示す構造のカプラーと、発色抑制剤として例えば上記(4)に示す構造のペント−1−エン−3−オンを採用した場合に、カプラーと発色抑制剤とがマイケル付加反応により、生成物285、詳細には、下記(8)に示す構造のMOPDP(5−メチル−4−(3−オキソペンチル)−2−フェニル−2,4−ジヒドロピラゾル−3−オン)(無色)が生成される。
上記発色剤、カプラー、発色抑制剤、および生成物285の組み合わせによる、作用効果については、上記第2具体例と略同様である。
<第5具体例>
また、上記発色剤と、カプラーとして、例えば下記(9)に示す構造の2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリド(HNAA)(橙色)とを採用し、発色抑制剤として、例えば上記(4)に示す構造のペント−1−エン−3−オンとを採用した場合、カプラーと発色抑制剤とがマイケル付加反応により生成物285、詳細には下記(10)に示す構造のHNCP(3−ヒドロキシ−4−(3−オキソペンチル)−ナフタレン−2−カルボン酸フェニルアミド)(無色)が生成される。
上記発色剤、カプラー、発色抑制剤、および生成物285の組み合わせによる、作用効果については、上記第2具体例と略同様である。
<第6具体例>
また、上記発色剤と、カプラーとして、例えば下記(11)に示す構造の1,5−ジヒドロキシナフタレン(DHN)を採用し、発色抑制剤として、例えば上記(4)に示す構造のペント−1−エン−3−オンを採用した場合、カプラーと発色抑制剤がマイケル付加反応により生成物285、詳細には下記(12)に示す構造のDNP(1−(1,5−ジヒドロキシナフタレン−2−イル)−ペンタン−3−オン)(無色)が生成される。
上記発色剤、カプラー、発色抑制剤、および生成物285の組み合わせによる、作用効果については、上記第2具体例と略同様である。
また、図1に示す低温発色抑制カプセル28は、低温発色カプセル27のカプセルの壁の物質透過性を変化させて浸透性を低下させて発色反応を抑制する機能を有していてもよい。
なお、本実施形態において、低温発色抑制カプセル28が内包する低温発色抑制剤がカプセル外部に流出する条件として、温度条件は特に不要である。
低温発色層17において電子供与性無色染料(発色剤:例えばロイコ染料)と電子受容性化合物(顕色剤:例えば酸性物質)との組み合わせで発色する場合には、低温発色抑制カプセル28として、例えば、リン酸エステル類、テトラヒドロフタル酸、脂肪酸エステル、2価アルコールエステル類、エポキシ系可塑剤あるいはトリメット酸系可塑剤等が用いられる。
保護層19は、低温発色層17を保護するための層である。保護層19は、例えば、耐熱機能を有する。
本実施形態において、高温発色層13および低温発色層17の厚みは、例えば1〜4μmである。
[プリンタ40]
次に、本実施形態で用いられる記録シート10に画像を形成するプリンタを説明する。
なお、本実施形態で以下に説明するプリンタは一例であり、後述する変形例等に記載するプリンタを用いて記録シート10に画像を形成してもよい。
図6は、図1に示す記録シート10に画像を記録(印刷)するプリンタ40の構成図である。
図6に示すように、プリンタ40は、例えば、シート収容ケース41、シート送りローラ43、サーマルヘッド45、プラテンローラ47、加圧ローラ49a,49b、シート搬出部50および制御部51を有する。
シート収容ケース41は、複数の記録シート10を収容する。シート収容ケース41に収容された記録シート10は、バネ53等の付勢手段によってシート送りローラ43に向けて押されている。
シート送りローラ43は、シート収容ケース41の最上段の記録シート10に接触して位置する。シート送りローラ43は、制御部51からの制御信号に基づいてモータ(図示せず)によって回転駆動される。シート送りローラ43が回転すると、バネ53の付勢力により記録シート10とシート送りローラ43との間に生じた摩擦力によって、シート送りローラ43の回転に連動してシート収容ケース41の最上段の記録シート10がサーマルヘッド45に向けて搬送される。なお、制御部51は、上記制御信号に基づいて、モータ(シート送りローラ43)の回転量を制御することで、記録シート10の位置や送り量を制御する。
記録シート10の搬送経路におけるシート送りローラ43の下流側には、サーマルヘッド45が設けられている。サーマルヘッド45は、複数の発熱素子を主走査方向にライン状に並べた発熱素子アレイを備えている。サーマルヘッド45は、発熱素子アレイを記録シート10に接触した状で、形成する画像に応じたパターンで各発熱素子を発熱させる。本実施形態では、各発熱素子は、少なくとも、非発熱状態、低温発熱状態および高温発熱状態の4状態を有し、これら3状態のうち一つが制御部51によって選択される。
各発熱素子の発熱温度は、その発熱素子に接続された抵抗に電流を流す時間によって制御される。制御部51は、加熱時間に応じて、サーマルヘッド45の各発熱素子に電流を流す時間を規定するストローブ信号のパルス幅を制御する。
なお、サーマルヘッド45は、低温発色状態および高温発色状態の各々において、画像データの諧調に応じた複数の発熱温度を調整可能にしてもよい。
プラテンローラ47は、記録シート10の搬送経路を挟んで反対側には、サーマルヘッド45が設けられている。プラテンローラ47は、記録シート10の搬送に応じて回転し、記録シート10とサーマルヘッド45の発熱素子との接触状態を安定にする。
記録シート10の搬送経路におけるサーマルヘッド45の下流側には、1対の加圧ローラ49a,49bが設けられている。
加圧ローラ49a,49bは、サーマルヘッド45で加熱して発色した記録シート10を挟み込んで加圧し、図1に示す記録シート10の低温発色層17内の低温発色抑制カプセル28に圧力を加えて、低温発色抑制カプセル28内の低温発色抑制剤を低温発色抑制カプセル28外に流出させる。
加圧ローラ49a,49bは、加圧後の記録シート10を、再度、サーマルヘッド45に向けて送り出すシート送りローラとしての機能も併せ持つ。
シート搬出部50は、発色および定着を終えた記録シート10を搬出口(図6中左側)に向けて搬出する際の経路となる。
制御部51は、例えば、マイクロコンピュータ等の電子回路であり、プリンタ40の動作を統括的に制御する。
以下、図6〜図8を参照して、プリンタ40の動作例を説明する。
ステップST0:
プリンタ40のシート収容ケース41に、複数枚の記録シート10を収容する。シート収容ケース41に収容された記録シート10は、バネ53の付勢力によって紙送りローラ43に向けて押され、最上段の記録シート10と紙送りローラ43との間に摩擦力が生じている。
ステップST1:
制御部51からの制御に基づいてシート送りローラ43が回転し、シート収容ケース41の最上段に収容された記録シート10がサーマルヘッド45に向けて搬送される。
ステップST2:
制御部51からの制御に基づいてサーマルヘッド45が、記録シート10に形成する画像の低温発色成分に応じた画素パターンで各発熱素子を低温に発熱させる。これにより、記録シート10の低温発色層17が、画像情報に対応した低温発色成分の画素パターンで、図2に示す温度T1で低温加熱され、低温加熱された位置の低温発色カプセル27内の発色剤とその周囲に顕色剤とが反応して発色(低温発色)する。
なお、制御部51は、各発色において、加熱時間によって発色の諧調を制御する。
ステップST3:
ステップST2に続いて、制御部51からの制御に基づいてプラテンローラ47が記録シート10を加圧ローラ49a,49bに向けて搬送する。記録シート10は、加圧ローラ49a,49bにおいて図2に示す破壊圧力P1で加圧される。これにより、図1に示す低温発色層17内の低温発色抑制カプセル28が破壊され、低温発色抑制カプセル28内の低温発色抑制剤がカプセル外部に流出し、低温発色剤と顕色剤との反応が抑制される。すなわち、記録シート10の低温発色について定着が行われる。
ステップST4:
制御部51からの制御に基づいて、加圧ローラ49a,49bがステップST3とは逆向きに回転し、記録シート10をサーマルヘッド45に向けて再び搬送する。
ステップST5:
制御部51からの制御に基づいてサーマルヘッド45が、記録シート10に形成する画像の高温発色成分に応じた画素パターンで各発熱素子を高温に発熱させる。これにより、記録シート10の高温発色層13が、画像情報に対応した高温発色成分の画素パターンで、図2に示す温度T3で高温加熱され、高温加熱された位置の高温発色カプセル23内の発色剤とその周囲に顕色剤とが反応して発色(高温発色)する。
このとき、低温発色層17は既に定着されているので発色しない。
なお、制御部51、好ましくは、高温発色時の加熱時間を、低温発色時に比べて短くする。
ステップST6:
制御部51からの制御に基づいてプラテンローラ47および加圧ローラ49a,49bが回転し、記録シート10がシート搬出部50を介して図7中左側の搬出口に向けて搬送される。
以上説明したように、本実施形態の記録シート10によれば、記録シート10は圧力によって定着され、紫外線によっては定着されないため、記録シート10の管理が容易になる。
また、記録シート10によれば、色素が各層に内包されるマイクロカプセル内に含まれるため、薬品や物理的なダメージに対しても強い。すなわち、画像安定性に優れている。
また、本実施形態の記録シート10およびプリンタ40によれば、インクカートリッジやインクリボン等の消耗品が不要となる。そのため、従来のインクカートリッジ等を必要とするプリンタに比べて、インクカートリッジの交換が不要で、メインテナンスが容易になり、ランニングコストを安くできる。また、本実施形態によれば、使用済みのインクリボンやカセットといった廃棄物をなくすことができる。
なお、本実施形態の記録シート10およびプリンタ40によれば、インクリボンを使用する方式のように、プリント内容がシート側に残ることも無いので、機密保持性に優れている。
本実施形態は、例えば、図9に示すように、低温発色カプセル27を低温発色層17内に配置し、低温発色抑制カプセル28を低温発色層17に隣接した低温発色抑制層60内に配置してもよい。この場合には、低温発色層17内に、顕色剤、必要に応じて塩基性物質または酸性物質が含まれる。
<第2実施形態>
上述した第1実施形態では、発色カプセルとして低温と高温の2種類を用いる場合を例示したが、本実施形態では、発色カプセルとして低温、中温および高温の3種類を用いることでカラー印刷を可能とする。
本実施形態は、請求項4,5および請求項12等の一例である。本実施形態は、請求項4のN=3の例である。
[記録シート110]
図10は、本発明の第2実施形態の記録シート110の構成図である。
図10に示すように、記録シート110は、例えば、基材11に高温発色層13、混防止層111、中温発色層113、混防止層115、低温発色層17および保護層19を順に積層して構成される。
図10において、図1と同じ符号を付した基材11、高温発色層13、低温発色層17および保護層19は第1実施形態で説明したものと同じである。
但し、低温発色層17の低温発色抑制カプセル28は、図11に示すように、中温発色抑制カプセル123が低温発色抑制機能を発揮する温度Tb(例えば、130℃)より低い温度Ta(例えば、100℃)で、且つ、破壊圧力P1となったことを条件に、低温発色抑制機能を発揮する。
図10に示すように、記録シート110は、高温発色層13と低温発色層17との間に、混防止層111、中温発色層113および混防止層115を順に積層したことを特徴とする。
中温発色層113は、中温発色カプセル121、顕色剤、中温発色抑制カプセル123、並びに必要に応じて塩基性物質または酸性物質をバインダ材中に分散させて構成される。中温発色カプセル121は、発色剤を内包し、その壁のガラス転移点が例えば、150〜280℃の中温であり、低温発色カプセル27より高く、高温発色カプセル23より低い。
中温発色層113は、例えば、図11に示す温度T2(例えば、140℃)以上の中温状態となると、中温発色カプセル121が内包する発色剤と中温発色層113内の顕色剤とが反応して発色する。中温発色カプセル121の壁のガラス転移点を除いて、発色の原理は、高温発色カプセル23および低温発色カプセル27と同じである。本実施形態では、中温発色層113において、イエローを発色するように、中温発色カプセル121内の発色剤と中温発色層113内の顕色剤とが選択されている。
中温発色抑制カプセル123は、温度Tb(例えば、130℃)以上且つ破壊圧力P1が加圧されているという条件を満たしていない場合には、図4(A)に示す場合と同様に、中温発色層113の発色機能を抑制する中温発色抑制剤を内包する。
また、中温発色抑制カプセル123は、温度Tb以上且つ破壊圧力P1が加圧されているという条件を満たすと、図4(B)に示す場合と同様に、カプセルが破壊状態(あるいは浸透状態)となり、中温発色抑制剤を中温発色抑制カプセル123外に流出させる。
中温発色抑制剤が中温発色層113の発色機能を抑制する原理は、第1実施形態で説明した低温発色抑制剤が低温発色層17の発色機能を抑制する原理と同様である。
本実施形態では、低温発色層17において、イエロー色を発色するように、低温発色カプセル27内の発色剤と低温発色層17内の顕色剤とが選択されている。また、中温発色層113においてマゼンダ色を発色するように、中温発色カプセル121内の発色剤と中温発色層113内の顕色剤とが選択されている。
また、高温発色層13において、シアン色を発色するように、高温発色カプセル23内の発色剤と高温発色層13内の顕色剤とが選択されている。なお、これらの各層への発色の割り当ては任意である。
以下、図12を参照して、図10に示す記録シート110に記録を行うプリンタ140の動作例を説明する。
プリンタ140は、動作の一部を除いて、第1実施形態で説明した図6に示すプリンタ40と同じである。
ステップST20:
プリンタ140のシート収容ケース41に、複数枚の記録シート110を収容する。シート収容ケース41に収容された記録シート110は、バネ53の付勢力によって紙送りローラ43に向けて押され、最上段の記録シート110と紙送りローラ43との間に摩擦力が生じている。
ステップST21:
制御部51からの制御に基づいてシート送りローラ43が回転し、シート収容ケース41の最上段に収容された記録シート110がサーマルヘッド45に向けて搬送される。
ステップST22:
制御部51からの制御に基づいてサーマルヘッド45が、記録シート110に形成する画像の低温発色成分に応じた画素パターンで各発熱素子を低温に発熱させる。これにより、記録シート110の低温発色層17が、画像情報に対応した低温発色成分の画素パターンで、図2に示す温度T1で低温加熱され、低温加熱された位置の低温発色カプセル27内の発色剤とその周囲に顕色剤とが反応して発色(低温発色)する。
ステップST23:
ステップST22に続いて、制御部51からの制御に基づいてプラテンローラ47が記録シート110を加圧ローラ49a,49bに向けて搬送する。記録シート110は、図11に示すように、温度Taで、加圧ローラ49a,49bにおいて図11に示す破壊圧力P1で加圧される。これにより、図10に示す低温発色層17内の低温発色抑制カプセル28が破壊され、低温発色抑制カプセル28内の低温発色抑制剤がカプセル外部に流出し、低温発色剤と顕色剤との反応が抑制される。すなわち、低温発色について定着が行われる。
なお、加圧ローラ49a,49bは、一方のローラを金属で形成し、ニクロム線等を内臓することで加熱する。本実施形態では、後述するステップST26においては、加圧ローラ49a,49bによる加熱が必要であるが、温度Taが常温である場合には、ステップST23における加熱は不要である。
ステップST24:
制御部51からの制御に基づいて、加圧ローラ49a,49bがステップST23とは逆向きに回転し、記録シート110をサーマルヘッド45に向けて再び搬送する。
ステップST25:
制御部51からの制御に基づいてサーマルヘッド45が、記録シート120に形成する画像の中温発色成分に応じた画素パターンで各発熱素子を中温に発熱させる。これにより、記録シート110の中温発色層113が、画像情報に対応した中温発色成分の画素パターンで、図12に示す温度T2で中温加熱され、中温加熱された位置の中温発色カプセル121内の発色剤とその周囲に顕色剤とが反応して発色(中温発色)する。
このとき、低温発色層17は既に定着されているため、発色しない。
なお、制御部51は、好ましくは、中温発色時の加熱時間を、低温発色時に比べて短くする。
ステップST26:
ステップST25に続いて、制御部51からの制御に基づいてプラテンローラ47が記録シート110を加圧ローラ49a,49bに向けて搬送する。記録シート110は、図11に示すように、温度Tbで、加圧ローラ49a,49bにおいて図11に示す破壊圧力P1で加圧される。ステップST26では、加圧ローラ49a,49bが温度Tbの加熱処理を行う。
これにより、図10に示す中温発色層113内の中温発色抑制カプセル123が破壊され、中温発色抑制カプセル123内の中温発色抑制剤がカプセル外部に流出し、中温発色剤と顕色剤との反応が抑制される。すなわち、中温発色について定着が行われる。
ステップST27:
制御部51からの制御に基づいて、加圧ローラ49a,49bがステップST26とは逆向きに回転し、記録シート110をサーマルヘッド45に向けて再び搬送する。
ステップST28:
制御部51からの制御に基づいてサーマルヘッド45が、記録シート110に形成する画像の高温発色成分に応じた画素パターンで各発熱素子を高温に発熱させる。これにより、記録シート110の高温発色層13が、画像情報に対応した高温発色成分の画素パターンで、図11に示す温度T3で高温加熱され、高温加熱された位置の高温発色カプセル23内の発色剤とその周囲に顕色剤とが反応して発色(高温発色)する。
このとき、低温発色層17および中温発色層113は既に定着されているため、発色しない。
なお、制御部51は、好ましくは、高温発色時の加熱時間を、中温発色時に比べて短くする。
ステップST29:
制御部51からの制御に基づいてプラテンローラ47が回転し、記録シート110がシート搬出部50を介して図6中左側の搬出口に向けて搬送される。
以上説明したように、記録シート110およびプリンタ140によれば、シアン、マゼンダおよびイエローの3色によるカラー印刷が可能になる。
また、本実施形態の記録シート110およびプリンタ140によれば、第1実施形態で説明した効果も同様に得ることができる。
本実施形態は、例えば、図13に示すように、低温発色カプセル27を低温発色層223に配置し、低温発色抑制カプセル28を低温発色層223に隣接した低温発色抑制層221に配置してもよい。
また、図13に示すように、中温発色カプセル121を中温発色層217に配置し、中温発色抑制カプセル123を中温発色層217に隣接した中温発生抑制層215に配置してもよい。
<第3実施形態>
上述した第2実施形態では、図10に示すように基材11から保護層19(加熱側)に向けて、高温発色層13、中温発色層113および低温発色層17を順に配置した場合を例示したが、本実施形態では、図14に示すように、基材11から保護層19に向けて低温発色層17、中温発色層113および高温発色層13が順に配置されている。
本実施形態は、請求項4,6,12等の一例である。
図14は、本発明の第3実施形態の記録シート210の構成図である。
図14に示すように、記録シート210は、例えば、基材11に低温発色層17、混防止層219、中温発色層113、混防止層221、高温発色層13および保護層19を順に積層して構成される。
図14において、図1および図10と同じ符号を付した基材11、高温発色層13、低温発色層17、中温発色層113および保護層19は第1実施形態および第2実施形態で説明したものと同じである。
但し、低温発色層17の低温発色抑制カプセル28は、図11に示すように、中温発色抑制カプセル123が低温発色抑制機能を発揮する温度Tbより低い温度Taで、且つ、破壊圧力P1となったことを条件に、低温発色抑制機能を発揮する。
図14に示すように、記録シート210は、基材11上に低温発色層17が積層され、高温発色層13に保護層19が積層されていることを特徴としている。
図14に示す記録シート210に記録を行うプリンタの動作例は、図12を用いて説明した第2実施形態のプリンタ140の動作例と同じである。但し、低温発色層17が第2実施形態の記録シート110に比べて基材11側(遠い)位置にあるため、図12に示すス12のサーマルヘッド45による低温加熱動作に第2実施形態に比べて長時間を要する。
本実施形態の記録シート210およびそのプリンタにおいても、第1および第2実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態の記録シート210およびそのプリンタによれば、高温発色層13を保護層19側に設けたことで、発色のために加熱に要するエネルギを少なくで、エネルギ効率高めることができる。
<第4実施形態>
本実施形態は、請求項4,7,8,13等の一例である。
上述した第2実施形態では、基材11から保護層19(加熱側)に向けて、高温発色層13、中温発色層113および低温発色層17を順に配置した場合を例示したが、本実施形態では、図15に示すように、基材11から保護層19に向けて中温発色層217、熱バリア層321、低温発色抑制層221、低温発色層223、混防止層219、高温発色層211および保護層19が順に配置されている。
図15において、図1、図10および図13と同じ符号を付した基材11、中温発色層217、低温発色抑制層221、低温発色層223、混防止層219、高温発色層211および保護層19は第1〜3実施形態で説明したものと同じである。
記録シート310は、図10および図13の場合とは異なり、中温発色抑制カプセル123を用いない。すなわち、記録シート310は、発色抑制要素としては、低温発色抑制カプセル28のみを用いる。従って、低温発色の定着は行うが、中温発色の定着は行わない。
また、記録シート310は、図15に示すように、中温発色層217と高温発色層211との間に低温発色抑制層221および低温発色層223を配置している。また、中温発色層217と低温発色抑制層221との間に熱バリア層321を配置している。
記録シート310によれば、中温発色層217と高温発色層211との間に低温発色抑制層221および低温発色層223を配置し、プリンタにおいて、以下の動作を行うことで、カラー印刷が可能となる。
図16は、図15に示す記録シート310に画像を形成するプリンタの動作例を説明ためのフローチャートである。
ステップST30:
図6に示すプリンタのシート収容ケース41に、複数枚の記録シート310を収容する。シート収容ケース41に収容された記録シート310は、バネ53の付勢力によって紙送りローラ43に向けて押され、最上段の記録シート310と紙送りローラ43との間に摩擦力が生じている。
ステップST31:
制御部51からの制御に基づいてシート送りローラ43が回転し、シート収容ケース41の最上段に収容された記録シート310がサーマルヘッド45に向けて搬送される。
ステップST32:
制御部51からの制御に基づいてサーマルヘッド45が、記録シート310に形成する画像の低温発色成分に応じた画素パターンで各発熱素子を低温に発熱させる。これにより、記録シート310の低温発色層223が、画像情報に対応した低温発色成分の画素パターンで、図17に示す温度T1で低温加熱され、低温加熱された位置の低温発色カプセル27内の発色剤とその周囲に顕色剤とが反応して発色(低温発色)する。
ステップST33:
ステップST32に続いて、制御部51からの制御に基づいてプラテンローラ47が記録シート310を加圧ローラ49a,49bに向けて搬送する。記録シート310は、図17に示すように、温度Taで、加圧ローラ49a,49bによって破壊圧力P1で加圧される。これにより、図15に示す低温発色抑制層221内の低温発色抑制カプセル28が破壊され、低温発色抑制カプセル28内の低温発色抑制剤がカプセル外部に流出し、低温発色層223における低温発色剤と顕色剤との反応が抑制される。すなわち、低温発色について定着が行われる。なお、温度Taが常温の場合には、ステップST33において加圧ローラ49a,49bによる加熱は不要である。
ステップST34:
制御部51からの制御に基づいて、加圧ローラ49a,49bがステップST33とは逆向きに回転し、記録シート310をサーマルヘッド45に向けて再び搬送する。
ステップST35:
制御部51からの制御に基づいてサーマルヘッド45が、記録シート310に形成する画像の高温発色成分に応じた画素パターンで各発熱素子を高温に発熱させる。これにより、記録シート310の高温発色層211が、画像情報に対応した高温発色成分の画素パターンで、図17に示す温度T3で高温加熱され、高温加熱された位置の高温発色カプセル23内の発色剤とその周囲に顕色剤とが反応して発色(高温発色)する。
なお、本実施形態のプリンタは、好ましくは、高温発色時の加熱時間を、後に行われる中温発色時に比べて短くする。このとき、高温発色層211と中温発色層217との間には、混防止層219、低温発色層223、低温発色抑制層221および熱バリア層321によって構成される厚い層が介在する。そのため、高温加熱時間が短ければ、中温発色層217を定着しなくても、熱バリア層321による熱伝達時間(遅延時間)により、中温発色層217を発色させずに高温発色層211を発色させることができる。
ステップST36:
制御部51からの制御に基づいてサーマルヘッド45が、記録シート310に形成する画像の中温発色成分に応じた画素パターンで各発熱素子を中温に発熱させる。これにより、記録シート310の中温発色層217が、画像情報に対応した中温発色成分の画素パターンで、図17に示す温度T2で中温加熱され、中温加熱された位置の中温発色カプセル121内の発色剤とその周囲に顕色剤とが反応して発色(中温発色)する。
なお、本実施形態のプリンタは、中温発色時の加熱時間を、高温発色時に比べて長くする。
上記ステップST35,ST36の動作は、図6の構成のプリンタのサーマルヘッド45において1ヘッドで温度と時間を制御することにより、高温発色と中温発色とを連続して行うことができる。
ステップST37:
制御部51からの制御に基づいてプラテンローラ47および加圧ローラ49a,49bが回転し、記録シート310が図6中左側の搬出口に向けて搬送される。
以上説明したように、記録シート310によれば、高温発色層211と中温発色層217との間に混防止層219、低温発色層223、低温発色抑制層221および熱バリア層321によって構成される厚い層が介在させる。そのため、中温発色層217の発色抑制層を設ける必要がなくなり、第2、第3実施形態に比べて、記録シートの構成を簡単にできる。
また、本実施形態のプリンタによれば、中温発色層217を定着させる必要がないため、中温発色と低温発色とを図6に示すプリンタのサーマルヘッド45によって1ヘッドで温度と時間を制御することで連続して実現できる。
なお、上述した図15に示す例では、低温発色抑制層221および低温発色層223を中間位置に設けたが、例えば、図18に示すように、低温発色抑制層221および低温発色層223を保護層19に隣接して配置してもよい。この場合においても、中温発色層217と高温発色層211との間に熱バリア層421を介在させることで、中温発色層217の発色抑制層を設ける必要がない。
[プリンタの第1変形例]
上述した実施形態では、図6等に示すように、加圧ローラ49a,49bをサーマルヘッド45とそれぞれ個別に設ける場合を例示したが、例えば、図19に示す構成により、サーマルヘッド545の加熱面で記録シート10等を加圧してもよい。
図19に示す構成では、継ぎ手520の一端にサーマルヘッド545が固定されている。継ぎ手520は、中心軸520aを中心に回転する。継ぎ手520の他端は、バネ541によって、回転軸520aを中心に継ぎ手520を半時計回りに回転する向きに付勢されている。バネ541よる付勢力は、サーマルヘッド545の加熱面によって記録シート10等を通常圧力で押す力として作用する。
継ぎ手521は、回転軸520aを中心に回転自在に設置され、一端の先端部521aが継ぎ手520の一辺に接触している。
また、継ぎ手521の他端521bは、カム530の外周に接触している。また、継ぎ手521は、バネ540の一端が固定されている。カム530が回転すると、継ぎ手521が回転軸520aを中心として、カム530の外周の段差に応じた所定の回転角度幅で時計方向および逆時計方向に交互に回転する。
このとき、継ぎ手521が時計方向に最も回転した位置において、先端部521aは継ぎ手520を押圧しない。すなわち、バネ540の付勢力は、サーマルヘッド545には作用しない。
一方、継ぎ手521が反時計方向に最も回転した位置において、先端部521aは継ぎ手520を押圧し、バネ540の付勢力はサーマルヘッド545を記録シート10に押し付ける向きに作用する。これにより、サーマルヘッド545の加熱面によって記録シート10等を破壊圧力で押す力が生じる。
図19の構成を用いたプリンタでは、制御部51が、カム530の回転を制御することで、サーマルヘッド545の加熱面を介して記録シート10等に加える圧力を制御できる。
当該プリンタでは、複数の加熱温度と加圧の有無を1ヘッドで実現できるため、記録シート10等に1パスで画像を形成できる。すなわち、記録シート10等がヘッドと1回接触して通過するだけで画像形成が可能である。これは、サーマルヘッドが高価であることから製造コストの削減に有用であると共に、小型化の要請にも応えられる。
すなわち、ライン型サーマルヘッドを1つで実現する場合には、従来のTA方式では、記録シートをサーマルヘッドに2往復半通過させるため、画像形成時間が長い。また、当該TA方式は、紫外線ランプと2種類のフィルタの切り替え手段も必要とし、プリンタが大型化してしまう。本実施形態のプリンタは、このような問題を解決できる。
[プリンタの第2変形例]
本発明の実施形態のプリンタは、例えば、図20に示すように、記録シート10、110,210、310の搬送方向における加圧ローラ49a,49bの下流側に、サーマルヘッド145およびプラテンローラ147をさらに配置してもよい。
このようにすることで、記録シート10、110,210、310の低温側の発色層の定着を完了した部分から順にサーマルヘッド145における高温加熱を行うことができ、図6に示す構成に比べて画像形成時間を短縮できる。
[プリンタの第3変形例]
本発明の実施形態のプリンタは、例えば、図21に示すように、図20の構成において、さらにサーマルヘッド145およびプラテンローラ147に下流側に、加圧ローラ149a,149bと、1対のサーマルヘッド245およびラテンローラ247とを順に配置してもよい。
このようにすることで、記録シート10、110,210、310を下流側に搬送する過程で第1の加熱処理、第1の加圧処理、第2の加熱処理、第2の加圧処理および第3の加熱処理を順にシリアルに行うことができる。
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
例えば、上述した実施形態では、記録シートを2色および3色に発色させて記録を行う場合を例示したが、記録シートに4色以上に発色させて記録を行ってもよい。例えば、イエロー、シアンおよびマゼンダの3色に、ブラックを加えて4色で記録シートを発色させてもよいし、ライトシアンおよびライトマゼンダを加えて5色で記録シートを発色させてもよい。
また、上述した実施形態では、本発明の感熱記録媒体として記録シートを例示したが、本発明の感熱記録媒体の形状はシート状以外でもよい。
本発明は、感熱シートに記録を行うシステムに適用可能である。
図1は、本発明の第1実施形態の記録シートの構成図である。 図2は、図1に示す記録シート内の高温発色カプセル、低温発色カプセルおよび低温発色抑制カプセルの特性を説明ための図である。 図3は、図1に示す発色カプセルの発色原理を説明ための図である。 図4は、図1に示す低温発色抑制カプセルの発色抑制作用を説明ための図である。 図5は、図1に示す発色抑制剤の動作を説明するための図である。 図6は、本発明の第1実施形態のプリンタの画像形成動作を説明ための図である。 図7は、本発明の第1実施形態のプリンタの画像形成動作を説明ための図6の続きの図である。 図8は、本発明の第1実施形態のプリンタの画像形成動作を説明ためのフローチャートである。 図9は、本発明の第1実施形態の変形例に係わる記録シートの構成図である。 図10は、本発明の第2実施形態の記録シートの構成図である。 図11は、図1に示す記録シート内の高温発色カプセル、中温発色カプセル、低温発色カプセル、低温発色抑制カプセルおよび中温発色抑制カプセルの特性を説明ための図である。 図12は、本発明の第2実施形態のプリンタの画像形成動作を説明ためのフローチャートである。 図13は、本発明の第2実施形態の変形例に係わる記録シートの構成図である。 図14は、本発明の第3実施形態の記録シートの構成図である。 図15は、本発明の第4実施形態の記録シートの構成図である。 図16は、本発明の第4実施形態のプリンタの画像形成動作を説明ためのフローチャートである。 図17は、図1に示す記録シート内の高温発色カプセル、中温発色カプセル、低温発色カプセルおよび低温発色抑制カプセルの特性を説明ための図である。 図18は、本発明の第4実施形態の変形例に係わる記録シートの構成図である。 図19は、本発明の実施形態のプリンタの第1の変形例を説明ための図である。 図20は、本発明の実施形態のプリンタの第2の変形例を説明ための図である。 図21は、本発明の実施形態のプリンタの第3の変形例を説明ための図である。
符号の説明
10,110,210,310‥記録シート、11‥基材、13,211‥高温発色層、15,213,219‥混防止層、17,223‥低温発色層、19‥保護層、23‥高温発色カプセル、27‥低温発色カプセル、28‥低温発色抑制カプセル、 41‥シート収容ケース、43‥シート送りローラ、45‥サーマルヘッド、47‥プラテンローラ、49a,49b‥加圧ローラ、60,221‥低温発色抑制層、113,217‥中温発色層、121‥中温発色カプセル、123‥中温発色抑制カプセル

Claims (16)

  1. 第1の発色温度で発色する第1の発色要素と、
    前記第1の温度より高い第2の温度で発色する第2の発色要素と、
    予め決められた圧力を受けたことを条件に前記第1の発色要素の発色機能を抑制する発色抑制要素と
    を内包する感熱記録媒体。
  2. 前記第1の発色要素を内包する第1の発色層と、
    前記第2の発色要素を内包する第2の発色層と、
    前記発色抑制要素を内包し、前記第1の発色層に隣接する発色抑制層と
    を有する請求項1に記載の感熱記録媒体。
  3. 前記第1の発色要素と前記発色抑制要素とを混在させて内包する第1の発色層と、
    前記第2の発色要素を内包する第2の発色層と
    を有する請求項1に記載の感熱記録媒体。
  4. 前記第1の発色要素および前記第2の発色要素を含むN(Nは3以上の整数)種類の発色要素を内包し、
    前記N種類の発色要素のうち、発色温度がより低いものから順に(N−1)種類の発色要素の発色機能をそれぞれ抑制する(N−1)種類の発色抑制要素を内包し、
    前記(N−1)種類の発色抑制要素の各々は、当該発色要素より低い発色温度の発色要素に対して発色抑制機能を発揮する他の発色抑制要素の発色抑制温度より高い温度で、且つ当該発色要素より高い発色温度の発色要素に対して発色抑制機能を発揮する他の発色抑制要素の発色抑制温度より低い温度で、前記圧力が加えられたことを条件に前記発色抑制機能を発揮する
    請求項1に記載の感熱記録媒体。
  5. 記録時の加熱側から順に、発色温度がより低い前記発色要素が配置されている
    請求項1〜4に記載の感熱記録媒体。
  6. 記録時の加熱側から順に、発色温度がより高い前記発色要素が配置されている
    請求項1〜4に記載の感熱記録媒体。
  7. 記録時の加熱側から順に、高温発色要素を含む層と、低温発色要素を含む層と、前記低温発色要素の発色を抑制する発色抑制要素を含む層と、熱バリア層と、中温発色要素を含む層とが配置されている
    請求項1に記載の感熱記録媒体。
  8. 記録時の加熱側から順に、低温発色要素を含む層と、前記低温発色要素の発色を抑制する発色抑制要素を含む層と、高温発色要素を含む層と、熱バリア層と、中温発色要素を含む層とが配置されている
    請求項1に記載の感熱記録媒体。
  9. 前記発色要素は、当該発色要素が内包する材料が前記発色要素外に放出し、発色要素外の物質と反応して発色する要素、あるいは
    前記発色要素内に、当該発色要素外の材料が、当該発色要素内に流入して、当該発色要素内の物質と反応して発色する要素
    である請求項1〜8のいずれかに記載の感熱記録媒体。
  10. 前記発色抑制要素は、
    前記発色要素の材料である電子供与性染料前駆体、電子受容性顕色剤、塩基性物質または酸性物質のうち、一つ以上の材料の化学構造を変化させて発色反応を起こさないようにする機能、
    前記発色要素の材料である電子供与性染料前駆体、電子受容性顕色剤、塩基性物質または酸性物質のうち、一つ以上の材料の化学構造を変化させて、化学反応しても色素が生成できずに発色しないようにする機能、あるいは
    前記発色要素の材料を内包したマイクロカプセルの壁の物質透過性を変化させて浸透性を低下させて発色反応を抑制する機能を有する
    請求項1〜9のいずれかに記載の感熱記録媒体。
  11. 感熱記録媒体に対して画像を熱記録するサーマルヘッドと、
    前記感熱記録媒体の低温発色機能を抑制するための圧力を加える加圧手段と、
    前記低温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を記録するように前記サーマルヘッドを制御する処理と、
    前記感熱記録媒体に前記圧力を加えるように前記加圧手段を制御する処理と、
    前記低温発色温度より高い高温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を記録するように前記サーマルヘッドを制御する処理とを順に行う制御手段と
    を有する画像形成装置。
  12. 前記制御手段は、前記低温温度で前記感熱記録媒体に画像を記録するように前記サーマルヘッドを制御する処理と、
    前記感熱記録媒体に低温破壊温度で前記圧力を加えるように前記加圧手段を制御する処理と、
    前記低温発色温度より高く前記高温発色温度より低い中温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を記録するように前記サーマルヘッドを制御する処理と、
    前記感熱記録媒体に前記低温破壊温度より高い中温破壊温度で前記圧力を加えるように前記加圧手段を制御する処理と、
    前記高温発色温度で前記感熱記録媒体に画像を記録するように前記サーマルヘッドを制御する処理と
    を順に行う
    請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記制御手段は、前記低温温度で前記感熱記録媒体に画像を記録するように前記サーマルヘッドを制御する処理と、
    前記感熱記録媒体に前記圧力を加えるように前記加圧手段を制御する処理と、
    前記高温発色温度および第1時間で前記感熱記録媒体に画像を記録するように前記サーマルヘッドを制御する処理と、
    前記低温発色温度より高く前記高温発色温度より低い中温発色温度で、且つ前記第1時間より長い第2時間で前記感熱記録媒体に画像を記録するように前記サーマルヘッドを制御する処理と
    を順に行う
    請求項11に記載の画像形成装置。
  14. 前記サーマルヘッドと前記加圧手段とが隣接して位置する
    請求項11〜13のいずれかに記載の画像形成装置。
  15. 前記サーマルヘッドと前記加圧手段とを一体的に構成し、前記感熱記録媒体に接触する前記サーマルヘッドの加熱面によって前記圧力を加える
    請求項11〜13のいずれかに記載の画像形成装置。
  16. 低温発色温度で加熱して感熱記録媒体に記録する第1の工程と、
    前記第1の工程の後に、前記感熱記録媒体を加圧して当該感熱記録媒体の低温発色機能を抑制する第2の工程と、
    前記第2の工程の後に、前記低温発色温度より高い高温発色温度で加熱して前記感熱記録媒体に画像を形成する第3の工程と
    を有する画像形成方法。
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