JPWO2007091295A1 - X線撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メモリスイッチを用いた一連の検査において、映像系の支持手段の動作状態や、位置関係を直感的に把握でき、さらに、メモリスイッチの操作性を向上させたX線撮影装置を提供する。【解決手段】回動方向および回動角度に関連付けてそれぞれ配設され、当該方向および角度に対応する目的回動情報記憶手段40における記憶領域を特定する複数個のメモリスイッチ30a〜30iが操作された場合、そのメモリスイッチに対応する目的回動情報が目的回動情報記憶手段40から読み出され、実回動情報がこれに一致するようにC形アームが回動制御される。回動制御がなされている間、或いは実回動情報と目的回動情報とが一致した場合、操作されたメモリスイッチに対応する前記表示灯(31a〜31iのいずれか)が点灯する。

Description

本発明は、X線管とX線検出器とを対向させて支持した状態で、被検体の体軸方向および体軸周りに回動させて、多方向からのX線撮影を行なうX線撮影装置に関する。
従来のこの種のX線撮影装置として、例えば、X線管とX線イメージインテンシファイアとを対向支持するC形アームと、ベッドに仰臥した被検体の周囲におけるC形アームの位置について、その回動方向(被検体の体軸方向および体軸周り)と回動角度との実回動情報を検出する位置検出部と、C形アームの目的とする回動方向と回動角度との目的回動情報を入力する入力部と、入力された目的回動情報と位置検出部からの実回動情報とが一致するようにこのC形アームの回動を制御する回動制御部とを備えたX線撮影装置がある。
目的回動情報を入力する入力部には、回動方向を指示するための回動方向キーと、回動角度を設定するための角度設定キーと、これらによって設定された複数個の目的回動情報を記憶するための複数個のメモリスイッチと、メモリスイッチへの目的回動情報の記憶を実行するための記憶実行キーとが備えられている。なお、複数個のメモリスイッチは、アップダウン式で順次に数値を切り換えたり、数字キーにより直接数値を指定することによって複数個のメモリスイッチのうち一つが選択されるように構成されている。
このように構成されているX線撮影装置では、図6に示されるように、C形アームの多方向の回動方向が次のように表されている。C形アームを被検体の体軸を中心にして回動させた状態(体軸周り)であって、被検体の頭部側から見て左側への回動方向を「LAO」(左前傾位)と表し、逆に右側への回動方向を「RAO」(右前傾位)と表す。また、被検体の体軸に沿って回動させた状態(体軸方向)であって、被検体の頭部側への回動方向を「CRAN」(CRANIAL )と表し、逆に足部側への回動方向を「CAUD」(CAUDAL)と表す。
このX線撮影装置では、まず撮影前に予め次のように目的回動情報を記憶しておく。まず、回動方向キーにより回動方向(LAO,RAO,CRAN,CAUD )を指定するとともに、角度設定キーにより回動角度を指定する。そして、メモリスイッチの番号を指定し、記憶実行キーを押下することにより、指定した番号のメモリスイッチに回動方向および回動角度からなる目的回動情報が記憶される。次いで、メモリスイッチの番号を順次変えて同様の操作を行ない、複数個の目的回動情報をメモリスイッチに設定する。
そして、撮影時には、所望する目的回動情報を記憶しているメモリスイッチの番号を撮影者が指定する。すると、この番号のメモリスイッチに記憶されている目的回動情報が、回動制御部に出力される。目的回動情報を入力された回動制御部は、位置検出部からの実回動情報と前記目的回動情報とが一致するようにC形アームの回動を制御する。そして実回動情報と目的回動情報とが一致した時点で、X線管からX線を曝射してX線イメージインテンシファイアからX線画像を得るようになっている。次いで、順次に所望する番号のメモリスイッチを指示して、多方向からの撮影を順次に行なうようになっている。
ところで、X線撮影装置による心血管造影検査においては、被検体に対して造影剤を注入するとともに、次に示す9方向からの撮影が一般的に多く行なわれている。
すなわち、回動方向が体軸方向であって、頭部側(CRAN)に30°と、鉛直方向(0°)と、足部側(CAUD)に30°の各々の回動角度において、回動方向が体軸周りであって、左側(LAO)
に30°と、鉛直方向(0°)と、右側(RAO) に30°の回動角度となる、合計9つの回動情報によって表される方向での撮影が特に頻繁に行なわれている。
図7は、かかる従来のX線撮影装置の簡略を示している(特許文献1)。X線管2とX線検出器3とを対向支持したC形アーム1は、駆動モータM3によって被検体Mの周囲空間を回動移動し、駆動モータM1および駆動モータM2によって、被検体Mの体軸方向および体軸周りに回動するように構成されている。
操作盤20は、複数個のスイッチを備え、C形アーム1の各回動方向および回動角度を指示するためのものである。この操作盤20は、所望する回動方向および回動角度からなる目的回動情報を入力する機能も有する。CPU21は、操作盤20からの目的回動情報を入力して、駆動モータM1および駆動モータM2の回転方向と回転角度(回動方向および回動角度に相当する実回動情報)を制御し、実回動情報が目的回動情報に一致するように制御する。また、MD1,MD2は、CPU21からの指令信号によって各駆動モータM1,M2を回動駆動させるモータドライブ回路であり、MD3は、操作盤20からの操作信号によって駆動モータM3を回動駆動させるモータドライブ回路である。CPU21は、ロータリエンコーダR1〜R3から実回動情報を得て、C形アーム1が目的回動情報に一致するようモータドライブ回路の移動制御を行う。
表示パネル22は、実回動情報である駆動モータM1および駆動モータM2の回転方向(CRAN,CAUD,LAO,RAO )および回転角度を表示したり、後述するメモリスイッチに記憶されている目的回動情報を表示して、撮影者に情報を表示するためのものである。表示制御部23は、CPU21が、実回動情報が目的回動情報に一致するように制御している間、回動方向や回動角度を点滅表示させたり、前記両情報が一致したときに回動方向や回動角度の点滅を中止して点灯させるといった、表示パネル22の制御を行なうためのものである。
撮影者が操作盤20を介して目的回動情報を入力した際に、この目的回動情報を記憶したり呼び出すための機能を有するのが、追加操作盤30である。この追加操作盤30は、9つのメモリスイッチ30a〜30iおよび操作盤20を介して入力した目的回動情報を目的回動情報メモリに記憶したり、メモリスイッチ30a〜30iが押下された際に、これに対応する目的回動情報と実回動情報とが一致するようにCPU21に対して回動制御開始を指示するためのSETスイッチ30jを備えている。
各メモリスイッチ30a〜30iは、被検体Mの平面視における回動方向および回動角度と関連付けられた、追加操作盤30上の位置に配設されている。すなわち、メモリスイッチ30aは、CRANおよびLAO方向を示す位置に配設され、メモリスイッチ30bは、CRAN方向だけを示す位置に配設され、メモリスイッチ30cは、CRANおよびRAO方向を示す位置に配設されている。さらに、メモリスイッチ30dは、LAO方向だけを示す位置に配設され、メモリスイッチ30eは、どの回動方向に対しても回動角度が0°であることを示す位置に配設され、メモリスイッチ30fは、RAO方向だけを示す位置に配設されている。同様に、各メモリスイッチ30g,30h,30iは、それぞれCAUDおよびLAO方向,CAUD方向だけ,CAUDおよびRAO方向を示す位置に配設されている。
目的回動情報メモリ40は、追加操作盤30の各メモリスイッチ30a〜30iに対応する目的回動情報を記憶するものである。記憶は、操作盤20により目的回動情報が入力され、メモリスイッチ30a〜30iのうち一つのスイッチが押下されるとともに、操作盤20上の図示しない設定記憶スイッチが押下されるとCPU21を介して対応するアドレスに目的回動情報が格納されることによって行なわれる。図8は、目的回動情報が各メモリスイッチに対応して目的回動情報メモリ40に記憶されている状態を示している。
特開平08−150137号
かかる従来のX線撮影装置では、装置の動作状態は表示パネル22において示される。すなわち、メモリスイッチを用いない手動操作では、C型アーム1について、表示部22eにLAO方向、RAO方向の回転角度が、また表示部22fにCRAN方向、CAUD方向の回転角度がそれぞれの表示される。
また、メモリスイッチ30a〜30gを用いて動作させる場合は、メモリスイッチを押すことにより、記憶された回動情報に対応するLAO方向、RAO方向、CRAN方向、およびCAUD方向を示す表示灯22a〜22dが点灯すると共に、記憶された回動情報に対応する回転角度が表示部22e及び22fに表示される。
例えば、メモリスイッチ30aを押せば、図8に示される目的回動情報メモリ40に記憶された目的回動情報に基づき、LAO方向、およびCRAN方向を示す表示灯22a及び22cが点灯すると共に、表示部22e及び22fには、それぞれ30°が表示される。
そして、SETスイッチ30jを押すことにより、選択されたメモリスイッチに記憶された回動情報に基づき、CPU21は、C型アーム1が目的回動情報に基づく目的地に至るまでその制御動作を継続するが、この場合、表示部22e及び22fは、ロータリエンコーダR1、R2を介して得られる実角度情報に基づき、実際の回動角度表示に切り替えられる。
ここで、表示パネル22での状態表示では、単に角度情報を表示するに留まるため、9つのメモリスイッチ30a〜30iのいずれかが操作された後、C型アーム1がどのポジションに到達したかが、直感的に判りにくいという問題がある。特に、かかるメモリスイッチを使った実回動情報を目的回動情報に一致するように制御する機能は、臨床検査ではルーチンワークとして使われることが多いため、操作性の向上が期待される。
また、メモリスイッチ30a〜30gを順次操作して一連のルーチンを完了する関係上、検査途中で、直前にいずれのメモリスイッチを選択していたかを操作者が把握しきれない場合があり、従って、次にどのメモリスイッチを押すべきか判断に迷う場合が生じる。
そこで、本発明は、当該メモリスイッチを用いた一連の検査において、C型アーム1がどのポジションに向かい動作しているか、またどのポジションに到達したかを直感的に把握できるX線撮影装置を提供することを目的とする。また、メモリスイッチ30a〜30gを順次操作する過程で、直前にいずれのメモリスイッチを選択しかを容易に把握できるX線撮影装置を提供することを目的とする。
本発明のX線撮影装置は、被検体の多方向からX線撮影を行うX線撮影装置であって、X線管とX線検出器とを対向させて支持し、ベッドに仰臥した被検体の体軸方向および体軸周り(以下、回動方向と称する)に回動可能な支持手段と、前記被検体の周囲における支持手段の位置について、回動方向と回動角度との実回動情報を検出する位置検出手段と、前記回動方向に関連付けてそれぞれ配設された複数個のメモリスイッチと、
前記メモリスイッチにそれぞれ対応させて、前記支持手段の目的とする回動方向と回動角度との目的回動情報を記憶する目的回動情報記憶手段と、前記メモリスイッチにそれぞれ対応して配設された表示灯と、前記メモリスイッチが操作された際に、そのメモリスイッチに対応する目的回動情報を前記目的回動情報記憶手段から読み出し、前記位置検出手段からの実回動情報が読み出した目的回動情報に一致するように前記支持手段の回動を制御する回動制御手段と、前記回動制御がなされている間、又は前記実回動情報と目的回動情報とが一致した場合に、操作されたメモリスイッチに対応する前記表示灯を駆動する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
前記表示制御手段は、前記位置検出手段からの実回動情報と目的回動情報とが一致した場合に、前記表示灯の点灯状態を変更することを特徴とする。
また、前記表示制御手段は、前記回動制御がなされている間、操作されたメモリスイッチに対応する前記表示灯を点滅或いは点灯するよう駆動制御し、前記位置検出手段からの実回動情報と目的回動情報とが一致した場合に、前記表示灯を点灯或いは点滅するよう制御することを特徴とする。
本発明のX線撮影装置は、前記表示制御手段が、前記位置検出手段からの実回動情報と目的回動情報とが一致した場合に、前記表示灯を駆動するか否か選択を可能とする駆動選択手段をさらに備えたことを特徴とする。
本発明のX線撮影装置は、さらに、前記目的回動情報を入力する入力手段と、前記入力された目的回動情報を、前記メモリスイッチにそれぞれ対応させて前記目的回動情報記憶手段に記憶する操作手段と、を備えたことを特徴とする。
前記表示制御手段は、前記入力手段から入力された目的回動情報に関係するメモリスイッチに対応する表示灯を駆動することを特徴とする。
前記表示制御手段は、駆動された表示灯に対応するメモリスイッチが操作された場合、その駆動状態を変更することを特徴とする。
駆動された表示灯に対応するメモリスイッチが操作された場合のみ、前記目的回動情報記憶手段への記憶を許容する読込制御手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、被検体の多方向からX線撮影を行うためのX線撮影装置の動作方法であって、X線管とX線検出器とを対向させて支持し、ベッドに仰臥した被検体の体軸方向および体軸周り(以下、回動方向と称する)に回動可能な支持手段の回動方向に関連付けてそれぞれ配設された複数個のメモリスイッチのいずれかを操作するステップと、前記支持手段の回動方向と回動角度との実回動情報を予め前記メモリスイッチに対応させて記憶した目的回動情報記憶手段から、操作されたメモリスイッチに対応する目的回動情報を読み出すステップと、前記支持手段の実回動情報を検知する位置検出手段からの実回動情報が、読み出した目的回動情報に一致するように前記支持手段の回動を制御するステップと、前記メモリスイッチにそれぞれ対応して配設された表示灯について、前記回動制御がなされている間、又は前記実回動情報と目的回動情報とが一致した場合に、操作されたメモリスイッチに対応する表示灯を駆動するステップと、からなることを特徴とする。
本発明のX線撮影装置は、回動方向および回動角度に関連付けて配設された複数個のメモリスイッチにそれぞれ対応して表示灯を配設し、表示制御手段によりメモリスイッチに記憶された回動情報に基づき回動制御が為されている間、又は前記実回動情報と目的回動情報とが一致した場合(目的地到達)に、そのメモリスイッチに対応する前記表示灯を駆動するよう構成したため、C型アームの動作状態がどのメモリスイッチに基づいてなされているかや、次操作すべきメモリスイッチを容易に把握することが可能となる。
本発明のX線撮影装置は、前記表示制御手段により、前記位置検出手段からの実回動情報と目的回動情報とが一致した場合に、前記表示灯の点灯状態を変更するよう構成したため、C型アームの動作状態及び目的地到達状態を直感的に把握することが可能となる。
また、回動制御が為されている間、操作されたメモリスイッチに対応する前記表示灯を点滅或いは点灯するよう駆動制御し、前記位置検出手段からの実回動情報と目的回動情報とが一致した場合に、前記表示灯を点灯或いは点滅するよう制御するため、C型アームが動作状態であることや、目的地に到達したことをより直感的に把握することが可能となる。
本発明のX線撮影装置は、前記支持手段の目的とする回動方向と回動角度との目的回動情報を入力する入力手段と、前記入力された目的回動情報を、その回動方向および回動角度に関連する前記メモリスイッチにそれぞれ対応する目的回動情報記憶手段の記憶領域に記憶する操作手段と、を備えたため、目的回動情報記憶手段への目的回動情報を記憶させる作業を容易になしえる。
本発明のX線撮影装置は、前記表示制御手段により、前記入力手段から入力された目的回動情報に関係するメモリスイッチに対応する表示灯を駆動するよう構成したため、回動情報を記憶すべきメモリスイッチを確実に把握することが可能となる。
本発明のX線撮影装置は、前記表示制御手段により、駆動された表示灯に対応するメモリスイッチが操作された場合、その駆動状態を変更するため、メモリスイッチを選択した後も、実際の記憶動作に先立ってどのメモリスイッチに回動情報を記憶しようとしているかを把握することが可能となる。
本発明のX線撮影装置は、表示駆動されているメモリスイッチが選択された場合のみ、目的回動情報記憶手段への記憶を可能とするため、誤ったメモリスイッチの記憶領域に目的回動情報が記憶されることを確実に防止することが可能となる。
実施例に係るX線撮影装置の概略構成を示す斜視図である。 C形アームの回動機構を示す一部破断平面図である。 X線撮影装置の制御系を示す概略ブロック図である。 目的回動情報設定処理を示すフローチャートである。 X線撮影処理を示すフローチャートである。 回動方向および回動角度との関連を示した模式図である。 従来の装置のX線撮影装置の制御系を示す概略ブロック図である。 目的回動情報メモリの内容を示す模式図である。
符号の説明
1 … C形アーム2 … X線管3 … X線イメージインテンシファイア20
… 操作盤22 … 表示パネル30 … 追加操作盤30a〜30i … メモリスイッチ30j … SETスイッチM … 被検体M1〜M3 … モータR1〜R3
… ロータリエンコーダ
以下、図面を参照してこの発明の一実施例を説明する。図1は、この実施例に係るX線撮影装置の概略構成を示す斜視図である。
図中、被検体Mの周囲を移動可能なC形アーム1は、被検体Mを挟むように、天井壁に吊り下げられた状態で被検体Mの周囲空間に配置されている。C形アーム1の両端部には、X線管2とX線検出器3が対向支持されている。このC形アーム1は、被検体Mの体軸方向および体軸周りとなる方向(回動方向)に回動が可能であり、さらには被検体Mの周囲の空間を回動移動するように構成されている。
次に、図2に示すC形アーム1の一部破断平面図も参照して、回動機構について説明する。まず、C形アーム1(支持手段)の被検体Mの体軸方向の回動(被検体Mの頭部側:CRAN,被検体Mの足部側:CAUD方向への回転)は、C形アーム1を保持しているアームホルダ4内の駆動機構で実現される。アームホルダ4内には、C形アーム1に両端部を固定しているベルト(またはチェーン)5の一部が収納されており、このベルト5は駆動ローラ6に架け渡されている。この駆動ローラ6を回動させる駆動モータM1の回転方向および回転量を検出する、位置検出手段に相当するロータリエンコーダR1がアームホルダ4内に備えられている(但し、図面上ではアームホルダ4の外に示している)。その駆動モータM1の回動作用により、ベルト5を介してC形アーム1は被検体Mの体軸方向に回動するようになっている。なお、符号7は、ベルト5を駆動する駆動ローラ6に案内するためのガイドローラである。
C形アーム1の被検体Mの体軸周りの回動(被検体Mの頭部側から見て左側への回転方向LAO ,逆方向である右側への回転方向RAO )は、アームホルダ4を被検体Mの体軸周りに回動させることで実現される。アームホルダ4の基部(C形アーム1を保持している反対側の端部)は、伸縮アーム8の側面部に回動可能に支持されており、その支持面付近には、ギヤ9が固定されている。ギヤ9はピニオンギヤ10と噛合され、ピニオンギヤ10は伸縮アーム8内に設けられている駆動モータM2の出力軸に取り付けられている。この駆動モータM2の回動作用によって、アームホルダ4とともに、C形アーム1は被検体Mの体軸周りに回動する。なお、ロータリエンコーダR2は、駆動モータM2の回転方向および回転量の検出を行う位置検出手段に相当する。
また、上述した伸縮アーム8は被検体Mの体軸と直交する方向に沿って上下に伸縮するもので、Lの字状の回動アーム11の下端部に保持されている。回動アーム11の他端部は、回動体12に固定されており、回動体12はX線撮影装置が設置される検査室の天井壁に固定されている回動基台13をベースにして回動する。この回動体12を回動させるのが駆動モータM3であり、ロータリエンコーダR3は回動体12の回転方向および回転量を検出することによって、C形アーム1の被検体Mの周囲空間における位置を検出する。
各回動を制御するための制御系は、図3に示すように構成されている。ここで、図7で示した制御系と共通する構成については、同一符号で示して説明を省略する。
本発明は、目的回動情報メモリ40に、回動情報を記憶するための追加操作盤30の各メモリスイッチ30a〜30iにおいて、表示灯31a〜31iが当該スイッチと一体型として設けられていると共に、メモリスイッチ30a〜30iにより選択された回動情報に基づき、C型アーム1の動作指示を行うためのSETスイッチ30jにおいても、表示灯31jが当該メモリスイッチと一体型としても設けられている。
これらの表示灯31a〜31jは、CPU21により表示制御部24を介して点灯制御がなされる。なお、本実施例では、表示灯31a〜31jをメモリスイッチ31a〜31jと一体型としたが、メモリスイッチの近傍にLEDなどにより別途設けても良いことはいうまでもない。
次に、図4に示すフローチャートを参照して、撮影前に予め行なわれる処理であって、目的回動情報を各メモリスイッチに対応する目的回動情報メモリ40の記憶領域に記憶するための手順について説明する。なお、目的回動情報としては、従来例で挙げた心血管造影検査で頻繁に利用されるものを例に説明する。
まず、操作盤20における不図示のスイッチを操作することにより、目的回動情報設定処理のモードとする。そして、目的回動情報(回動方向および回動角度)を操作盤20を介して設定する。例えば、従来例で説明した図8に示されるように、CRAN方向に30°、LAO方向に30°となるように目的回動情報を設定する(ステップS1)。操作盤20は、本発明における入力手段に相当する。
次に、CPU21は、表示制御部24を介して、設定された目的回動情報に対応するメモリスイッチ30aに対応する表示灯31aを点滅させる(ステップS2)。なお、選定された目的回動情報から関係するメモリスイッチの特定は、設定された回動角度から回動方向を容易に特定できるため、回動角度とメモリスイッチの対応表を事前に作成しておければ、これを用いて容易に行うことが可能となる。
この状態で、ステップS1で設定した目的回動情報に対応する点滅状態のメモリスイッチを押下する。ここでは、追加操作盤30上の、CRANおよびLAO方向を示す位置に配設されているメモリスイッチ30aを押下することになるが、点滅状態のメモリスイッチ30aを押した場合に限り、ステップS4に進む(ステップS3)。このため、操作者は、確実に対応するメモリスイッチを選択することが可能となる。
点滅状態のメモリスイッチを押されると、CPU21は、そのメモリスイッチに対応する表示灯を点灯状態に変更する(ステップS4)。これにより、記憶対象となるメモリスイッチが選択されていることが一目で判断可能となる。
そして、操作盤20上の図示しない設定記憶スイッチを押下することによって、CPU21は、設定されている目的回動情報(CRAN30°、LAO30°)を目的回動情報メモリ40内に格納する(ステップS5)。 ここで、CPU21と設定記憶スイッチは、本発明の操作手段に相当する。なお、設定記憶スイッチが押下されても、ステップS4において、メモリスイッチが点灯状態にない限り(正しいメモリスイッチが選択されない限り)、記憶動作は行われない。CPU21は、本発明の読込制御手段に該当する。
最後に、設定を終了するか否かを判断して処理を分岐する(ステップS6)。ここでは、残り設定する必要のある目的回動情報が8個あるのでステップS1に戻って処理を続ける。
上述したように、ステップS1ないしステップS6を繰り返すことにより、各メモリスイッチ30b〜30iに対応する目的回動情報メモリ40に目的回動情報が記憶される。
上述した実施例において、CPU21及び表示制御部24は、本発明の表示制御手段に該当する。
なお、上述した実施例では、表示灯の点灯状態を、点滅状態から点灯状態に変更したが、点灯状態から点滅状態に変更してもよい。また、図示しない設定記憶スイッチを押下する以外にも、例えば、ステップS1で押下するメモリスイッチ30aを一定時間以上(例えば3秒以上)押下する事で設定されている目的回動情報(CRAN30°、LAO30°) が目的回動情報メモリ40内に格納される(ステップS3)としても実施可能である。
次に、図5を参照して、X線撮影処理について説明する。まず、操作盤20における不図示のスイッチを操作することにより、目的回動情報設定処理のモードを解除する。
まず、撮影者が追加操作盤30に配置されているメモリスイッチ群30a〜30iの中から、目的回動情報を示す位置に配設されているメモリスイッチを選択して押下する(ステップU1)。
この9つのメモリスイッチ30a〜30iは、回動方向および回動角度に関連する追加操作盤30上での位置に配設されているので、容易に所望する目的回動情報を記憶しているスイッチを選択することができる。具体的には、撮影者が(CRAN30°、LAO30°)(図8参照)に示す状態での撮影を所望しているものとして説明する。追加操作盤30には図3に示すように各メモリスイッチ30a〜30iが配設されているので、撮影者は追加操作盤30を見てメモリスイッチ30aがCRAN,LAO方向に回動角度をもった目的回動情報であることを容易に、かつ、迅速に判断することができる。
次に、ステップU1で選択されたメモリスイッチに対応する目的回動情報メモリ40の目的回動情報をCPU21が読み出す。具体的には、メモリスイッチ30aに対応する目的回動情報メモリ40のアドレスから、目的回動情報(CRAN30°、LAO30°)を読み出す(図8参照)。そして、CPU21は読み出された目的回動情報は、表示制御部23を介して表示パネル22に表示されると共に、表示制御部24を介してメモリスイッチ30aに対応した表示灯31aを点滅させ、次に操作するスイッチとしてSETスイッチ30jに対応した表示灯31jを点滅させる(ステップU2)。
次に、追加操作盤30のSETスイッチ30jを押下することにより、CPU21は、ステップU2で読み出された目的回動情報と実回動情報とが一致するように、回動制御を開始する(ステップU3)。これにより撮影者が誤ってメモリスイッチを押したとしても、SETスイッチ30jが押下されるまではC形アーム1が回動を開始しないので、撮影者が意図しないC形アーム1の回動を防止でき、被検体Mや撮影者を保護することができる。但し、対応するメモリスイッチを押した時点で回動制御を行うようにすることも可能である。
回動制御は、CPU21がモータM1をCRAN方向に回転駆動してロータリエンコーダR1からの回転角度が30°となるように回動制御するとともに、モータM2をLAO
方向に回転駆動してロータリエンコーダR2からの回転角度が30°となるように行なわれる。
なお、操作盤20には、C形アーム1が目的位置に到達した後に、メモリスイッチの表示灯を消灯したいユーザに対応する設定を行うスイッチが設けられており、かかるモード設定がされているか否かで、次の動作が異なる。
すなわち、CPU21は、目的の位置に到達した後に対応する表示灯を消灯するモード設定なっているか否かを判断し(ステップU4)、消灯するモード設定になっていない場合は、ステップU5に進んで、目的回動情報と実回動情報とが一致するまで、メモリスイッチ30aの表示灯31aを点滅させ、一致した時点でメモリスイッチ30aに対応する表示灯31aを点灯させる(ステップU5)。このように、操作されたメモリスイッチに対応する目的回動情報を記憶した後も、当該メモリスイッチに対応する表示灯の点灯を継続することによって、ルーチン処理の過程において次に操作するメモリスイッチの把握が容易となる。なお、本実施例では、点滅状態から点灯状態に切り替えたが、点灯状態から点滅状態に切り替えても良いことはいうまでもない。
一方、消灯するモード設定になっている場合は、目的回動情報と実回動情報とが一致するまで、対応するメモリスイッチの表示灯31aを点滅させ、一致した時点でメモリスイッチ30aに対応する表示灯31aを消灯させる(ステップU6)。
これに併せて、SETスイッチ30jに対応した表示灯31jも目的回動情報と実回動情報とが一致したときに点滅を中止して消灯する。これにより撮影者は、目的回動情報と実回動情報とが一致したか否かを一目で判断することが可能となる。
次に、CPU21が、図示しない高圧発生部を制御してX線曝射に必要な高電圧をX線管2に供給することでX線曝射を行ない、X線検出器3からX線画像を得る(ステップU7)。
最後に撮影を終了するか否かを判断して処理を分岐する(ステップU8で)。ここでは、心血管造影検査に必要な残り8方向の撮影を行う必要があるので、ステップU1に戻ってステップU1からステップU8を繰り返し実行する。この繰り返しの際には、撮影者が次に必要な目的回動情報を追加操作盤30の9つのメモリスイッチ30a〜30iの中から容易に選択することができるため、多方向の撮影を容易に、かつ、迅速に行うことができる。
なお、この実施例では、メモリスイッチ30a〜30iを押し込み式のスイッチとしたが、タッチスクリーンを備えた液晶表示パネルにこれらのスイッチを表示した、タッチ式のメモリスイッチとしてもよい。また、多方向を指示可能なジョイスティックを追加操作盤30の中央部付近に配設するとともに、追加操作盤30に複数個のメモリスイッチを内蔵し、ジョイスティックで指示した方向を検知するようにしてもよい。
また、この実施例では心血管造影検査を例に採り、9方向からの撮影で説明したが、回動方向および回動角度に関連する位置にメモリスイッチとこれに対応する表示灯が配設してあれば、何方向でも実施可能である。
さらに、X線撮影装置としてC形アーム(支持手段)を天井から吊り下げた構造のX線撮影装置を例に挙げたが、C形アームを床面に配置して、被検体の周囲を回動させるX線撮影装置でも実施可能であり、さらに支持手段はC形アームだけに限定されるものではない。
また、X線検出器3はイメージインテンシファイア3や、二次元の薄膜トランジスタ(TFT)アレイと半導体やシンチレータなどのX線変換膜を組み合わせたX線フラットパネルディテクタ(FPD)でも実施可能である。
また、変形実施例として、この機能を使用するユーザが複数いるときに、個々のユーザに対応するようにユーザ識別用スイッチを(3個程度)追加して、ユーザ1が使うときはユーザ識別用スイッチ1を、ユーザ3が使うときはユーザ識別用スイッチ3を選択する様にしてユーザ識別用スイッチの個数だけ目的回動情報メモリ40の領域を追加する事も実施可能である。
この発明は、X線を用いた診断を行う医療産業に利用できる。

Claims (9)

  1. 被検体の多方向からX線撮影を行うX線撮影装置であって、X線管とX線検出器とを対向させて支持し、ベッドに仰臥した被検体の体軸方向および体軸周り(以下、回動方向と称する)に回動可能な支持手段と、
    前記被検体の周囲における支持手段の位置について、回動方向と回動角度との実回動情報を検出する位置検出手段と、
    前記回動方向に関連付けてそれぞれ配設された複数個のメモリスイッチと、
    前記メモリスイッチにそれぞれ対応させて、前記支持手段の目的とする回動方向と回動角度との目的回動情報を記憶する目的回動情報記憶手段と、
    前記メモリスイッチにそれぞれ対応して配設された表示灯と、
    前記メモリスイッチが操作された際に、そのメモリスイッチに対応する目的回動情報を前記目的回動情報記憶手段から読み出し、前記位置検出手段からの実回動情報が読み出した目的回動情報に一致するように前記支持手段の回動を制御する回動制御手段と、
    前記回動制御がなされている間、又は前記実回動情報と目的回動情報とが一致した場合に、操作されたメモリスイッチに対応する前記表示灯を駆動する表示制御手段と、
    を備えたことを特徴とするX線撮影装置。
  2. 前記表示制御手段は、前記位置検出手段からの実回動情報と目的回動情報とが一致した場合に、前記表示灯の点灯状態を変更することを特徴とする請求項1に記載されたX線撮影装置。
  3. 前記表示制御手段は、前記回動制御がなされている間、操作されたメモリスイッチに対応する前記表示灯を点滅或いは点灯するよう駆動制御し、前記位置検出手段からの実回動情報と目的回動情報とが一致した場合に、前記表示灯を点灯或いは点滅するよう制御することを特徴とする請求項2に記載されたX線撮影装置。
  4. 前記表示制御手段が、前記位置検出手段からの実回動情報と目的回動情報とが一致した場合に、前記表示灯を駆動するか否か選択を可能とする駆動選択手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3記載のX線撮影装置。
  5. 前記目的回動情報を入力する入力手段と、前記入力された目的回動情報を、前記メモリスイッチにそれぞれ対応させて前記目的回動情報記憶手段に記憶する操作手段と、を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4に記載されたX線撮影装置。
  6. 前記表示制御手段は、前記入力手段から入力された目的回動情報に関係するメモリスイッチに対応する表示灯を駆動することを特徴とする請求項5記載のX線撮影装置。
  7. 前記表示制御手段は、駆動された表示灯に対応するメモリスイッチが操作された場合、その駆動状態を変更することを特徴とする請求項5及び請求項6記載のX線撮影装置。
  8. 駆動された表示灯に対応するメモリスイッチが操作された場合のみ、前記目的回動情報記憶手段への記憶を許容する読込制御手段を備えたことを特徴とする請求項6〜請求項8記載のX線撮影装置。
  9. 被検体の多方向からX線撮影を行うためのX線撮影装置の動作方法であって、
    X線管とX線検出器とを対向させて支持し、ベッドに仰臥した被検体の体軸方向および体軸周り(以下、回動方向と称する)に回動可能な支持手段の回動方向に関連付けてそれぞれ配設された複数個のメモリスイッチのいずれかを操作するステップと、
    前記支持手段の回動方向と回動角度との実回動情報を予め前記メモリスイッチに対応させて記憶した目的回動情報記憶手段から、操作されたメモリスイッチに対応する目的回動情報を読み出すステップと、
    前記支持手段の実回動情報を検知する位置検出手段からの実回動情報が、読み出した目的回動情報に一致するように前記支持手段の回動を制御するステップと、
    前記メモリスイッチにそれぞれ対応して配設された表示灯について、前記回動制御がなされている間、又は前記実回動情報と目的回動情報とが一致した場合に、操作されたメモリスイッチに対応する表示灯を駆動するステップと、からなることを特徴とするX線撮影装置の動作方法。
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