JPWO2007086430A1 - プラズマ放電反応器およびプラズマ放電発生方法 - Google Patents

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Abstract

電極の材質や形状に対しての制限がほとんどなく、電極が処理ガスと接触せずにプラズマ放電を発生させることができ、さらに、従来のものよりも更に少ない電力で、プラズマ放電を広範囲に亘ってより安定かつ均一に発生させることができ、大容量ガスを工業的に有利に処理することができるプラズマ放電反応器を提供する。2つの誘電体が処理ガスの流路となる空間部を介して対向するように設置され、2つの誘電体の空間部に接しない外表面もしくは内部には電極がそれぞれ備え付けられており、少なくとも1つの誘電体の空間部側の外表面に溝が設けられ、該溝により形成されるギャップ部と前記空間部とがプラズマ放電反応部を構成し、該空間部への処理ガス導入口と排出口とが付設され、該電極に電圧を印加できる電源を備えているプラズマ放電反応器。

Description

本発明は、高効率でプラズマ放電を発生させるプラズマ放電反応器およびプラズマ放電発生方法、詳しくは、電圧を印加することによって、プラズマ放電が発生するプラズマ放電反応器およびプラズマ放電発生方法に関する。
電圧を印加することによって発生するプラズマ放電は、化学反応、例えば、ディーゼルエンジン排ガス中の炭素系粒子状物質(PM)処理のような固体粒子及び/又は液体粒子を含むガスの処理、フロンガス処理やVOC処理などのようなガスの処理、オゾンなどの有用生成物の生産などにおける有害物質の無害化もしくは有害物質の有用物質への変換に利用することができ、また、物理変化、例えば、電気エネルギーを光エネルギーへ転換すること等に利用できる。
電圧印加によってプラズマ放電を発生させるプラズマ放電反応器はこれまで2種類、すなわち、(1)直接型プラズマ放電反応器と(2)誘電体を介した間接型プラズマ放電反応器が開発されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
上記の直接型プラズマ放電反応器では、金属の電極対の間に直接に電圧を印加し、ガスの存在する一部もしくは全部の空間で放電することができる。電極対構造は、図12に示すような外部電極と内部電極を同軸同心型に設けた構造、図15に示すような針状電極対針状電極、図14に示すような針状電極対板状電極、図13に示すような板状電極対板状電極がある。いずれも、電極の放電できる部分の面積と形状の違いによって分別することができるが、電極対間にプラズマ放電ガスが直接に存在する特徴を有する。また、印加した電圧とプラズマ放電ガスの圧力と温度条件によって、プラズマ放電現象、特にプラズマ放電に伴う発光が異なる。即ち、電極付近に光るコロナ放電或いはグロー放電、電極間が部分的に光るストリーマー放電、電極間が全部光るスパーク放電或いはアーク放電が観察できる。ガスの圧力と温度などの条件によっては、プラズマ放電が電極間の限られた部分のみで発生するので、プラズマ放電エネルギーが限られた部分に流れ込み、高いエネルギー注入密度(単位体積あたりのエネルギー注入量)が得られる。
一方、誘電体を介した間接型プラズマ放電反応器では、電極対の片方或いは両方の電極に誘電体を設置することによって、プラズマ放電を広い範囲に生成できる。電極対構造は、図16に示すような線状電極対誘電体―円筒状電極、図17に示すような充填層の内外に電極を設けた充填層型構造、図19に示すような板状電極対誘電体―板状電極、図18に示すような板状電極―誘電体対誘電体―板状電極、図20に示すような誘電体の一面に平板状電極を、他面に鋸歯状電極を設けた沿面型構造が開発されている。誘電体と片方の電極の間、或いは誘電体と誘電体の間で放電させる。印加した電圧、ガスの圧力、温度条件によって、誘電体或いは電極表面に発生するコロナ放電とグロー放電が多く見られる。誘電体によりプラズマ放電エネルギーが分散されるため、エネルギー注入密度が直接型プラズマ放電反応器より低くなる。
直接型プラズマ放電反応器より処理ガス量が大きい間接型プラズマ放電反応器では、ガス全体に対して安定、かつ均一なプラズマ放電が求められている。しかし、従来のプラズマ放電反応器では、プラズマ放電がエッジ化しやすいため、プラズマ放電が部分的に発展する。図11は、従来の間接型プラズマ放電反応器のプラズマ放電原理を示す。陽極2と陰極4に印加した電圧によって、誘電体1の表面に印加した電圧の極性と逆の電荷が発生する。そして、負電荷と陽極2の間に電場が発生し、プラズマ放電空間3内で放電することができる。しかし、放電空間3と接触している陽極2と誘電体1の表面に存在するエッジの所では、プラズマ放電が不均一になり、誘電体1の表面に生成した負電荷がすべてそのエッジの部分に流れてしまう。印加した電圧が高い場合、誘電体1が破壊され、プラズマ放電が直接型に近い状態になる。
大容量ガスを処理するには、誘電体を介して放電する間接型反応器が適しているが、従来の問題点は、プラズマ放電が安定できない点である。
この問題点を解決するために、第一電極と前記第一電極に対向して配置された第二電極と、前記電極対向面側における前記第一電極又は第二電極のいずれか一方に積層された誘電体とを備え、前記電極対向面の電極及び誘電体の少なくとも一方の表面上に、所定の周期間隔により溝又は細孔を形成した反応器が提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、この反応器は一方の電極がプラズマ放電空間に露出しているので、電極が腐食したり、放電の局部化による処理効率の低下が生じ、必ずしも満足し得るものではなかった。
本発明者らは、先に、誘電体の両面に電極を取り付け、該電極の内面又は誘電体の外面に、ガスを通過させるためのギャップを一定間隔に多数設け、一方の側のギャップの存在しない位置に、他方の側のギャップが存在して位置するようにしてなるプラズマ放電反応部を備えたことを特徴とするプラズマ放電反応器の創製に成功した(特許文献5参照)。このプラズマ放電反応器はプラズマ放電を安定かつ均一に発生させ、かつ大容量ガスの処理に適している。また、本発明者らは、さらに特許文献5に記載のプラズマ放電反応器を用いたプラズマ放電発生方法を開発し、既に特許出願している(特願2005−269549号)。
しかしながら、このようなプラズマ放電反応器は、電極がガスと接触するので、電極が錆びたり、電極の材質や形状などに制限があったり、さらには電極の構造が単純化できないなどの不都合な点もあり、必ずしも満足のいくものではなかった。
特開平7−116460号公報(第2頁、図2) 特開平4−247219号公報(第2頁、図2) 特開平5−115746号公報(第2頁、図2) 特開2005−138098号公報 特開2005−268129号公報
本発明は、電極の材質や形状に対しての制限がほとんどなく、電極が処理ガスと接触せずにプラズマ放電を発生させることができ、さらに、従来のものよりも更に少ない電力で、プラズマ放電を広範囲に亘ってより安定かつ均一に発生させることができ、大容量ガスを工業的に有利に処理して有害物質の無害化および/または有用物質の生成を行うことができるプラズマ放電反応器を提供することを目的とする。また、本発明は、電極が処理ガスと接触せずにプラズマ放電を発生させることができ、さらに、従来のものよりも更に少ない電力で、プラズマ放電を広範囲に亘ってより安定かつ均一に発生させることができ、大容量ガスを工業的に有利に処理することが可能なプラズマ放電発生方法を提供すること、および従来より更に少ない電力で、長期に亘り、大容量ガスを工業的に有利に処理して有害物質の無害化および/または有用物質の生成を行うことができるガスの処理方法、特に、従来より更に少ない電力で、長期に亘り大量のディーゼルエンジン排ガスに含まれている、PMなどの有害物質をより高い除去率で除去することができる排ガスの無害化方法を提供することをも目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、図24に示すように2つの誘電体が処理ガスの流路となる空間部を介して対向するように設置され、2つの誘電体の空間部に接しない外表面もしくは内部には電極がそれぞれ備え付けられており、少なくとも1つの誘電体の空間部側の外表面に溝が設けられており、該溝により形成されるギャップ部と前記空間部とがプラズマ放電反応部を構成し、該空間部への処理ガス導入口と排出口とが付設され、該電極に電圧を印加できる電源が備え付けられているプラズマ放電反応器の創製に成功し、このようなプラズマ放電反応器を用いることにより、電極を処理ガスと接触することなくプラズマ放電を発生させることができるだけでなく、従来のプラズマ放電反応器よりも更に小さい電力で、従来よりも広範囲に亘ってより安定かつ均一にプラズマ放電を発生させることができ、より大容量のガスを長期に亘って処理できることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
[1] 2つの誘電体が処理ガスの流路となる空間部を介して対向するように設置され、2つの誘電体の空間部に接しない外表面もしくは内部には電極がそれぞれ備え付けられており、少なくとも1つの誘電体の空間部側の外表面に溝が設けられ、該溝により形成されるギャップ部と前記空間部とがプラズマ放電反応部を構成し、該空間部への処理ガス導入口と排出口とが付設され、該電極に電圧を印加できる電源が備え付けられていることを特徴とするプラズマ放電反応器、
[2] 誘電体が、金属酸化物、セラミックス、ガラス、プラスチックまたはシリコンゴムで構成され、かつ板状、管状または球状である前記[1]に記載のプラズマ放電反応器、
[3] 誘電体が、板状であり、かつ厚さ0.01〜10mmである前記[1]または[2]に記載のプラズマ放電反応器、
[4] 溝が、誘電体の空間部側の外表面を連続的な凹凸とすることにより設けられており、凹部の幅が0.001mm〜10cmおよび長さが0.001mm〜10mであり、凸部の幅が0.001mm〜10cmおよび長さが0.001mm〜10mであり、凹部の深さまたは凸部の高さが0.001mm以上10mm未満である前記[1]または[2]に記載のプラズマ放電反応器、
[5] 凹凸が、凹部および凸部の幅、深さおよび長さの少なくとも1つが異なる単位区間を有している前記[4]に記載のプラズマ放電反応器、
[6] 2つの誘電体間の空間部での距離が0.05〜20mmである前記[1]〜[5]のいずれかに記載のプラズマ放電反応器、
[7] 電極が、1種または2種以上の導電性物質で構成されている前記[1]〜[6]のいずれかに記載のプラズマ放電反応器、
[8]電極へ電圧を印加するためのリード部分の導電性物質の一部もしくは全部が処理ガスと接触しないような構造を持つ前記[1]〜[7]のいずれかに記載のプラズマ放電反応器、
[9] 前記[1]〜[8]のいずれかに記載のプラズマ放電反応器の電極間に電源を用いて電圧を印加することによって、プラズマ放電を発生させることを特徴とするプラズマ放電発生方法、
[10] 電圧が、交流電圧またはパルス電圧である前記[9]に記載のプラズマ放電発生方法、
[11] 電圧のピーク値が100V〜50kVである前記[10]に記載のプラズマ放電発生方法、
[12] 前記[1]〜[8]のいずれかに記載のプラズマ放電反応器を用いて、前記プラズマ放電反応器のプラズマ放電反応部に処理ガスを供給し、前記プラズマ放電反応器の電極間に電圧を印加することにより該プラズマ放電反応部にプラズマ放電を発生させて、処理ガス中でプラズマ反応が起こることにより処理ガスの無害化および/または有用物質の生成を行うことを特徴とするガスの処理方法、
[13] 処理されるガスが排ガスであり、排ガスに炭素系粒子状物質が含まれ、炭素系粒子状物質が除去されることを特徴とする前記[12]に記載の方法、および
[14] プラズマ放電反応部に供給されるガスが酸素または酸素と他のガスの混合ガスであり、前記酸素からオゾンを生成させることを特徴とする前記[12]に記載の方法
に関する。
本発明のプラズマ放電反応器は、電極の材質や形状に対しての制限がほとんどなく、電極がガスと接触せずにプラズマ放電を効率よく発生させることができ、さらに、従来のものよりも更に少ない電力で、広範囲に亘ってより安定かつ均一にプラズマ放電を発生させることができ、大容量ガスを工業的に有利に処理して有害物質の無害化および/または有用物質の生成を行うことができる。従って、本発明のプラズマ放電反応器は、例えば、ディーゼルエンジン排ガス中に含まれるPMを炭酸ガスに効率よく変換して除去することができ、公害、大気汚染の解消に極めて有用である。
また、本発明のプラズマ放電発生方法は、電極が処理ガスと接触せずにプラズマ放電を発生させることができるので、電極が錆びるという従来の問題を解消でき、さらに、従来のものよりも更に少ない電力で、プラズマ放電を広範囲に亘ってより安定かつ均一に発生させることができ、大容量ガスを工業的に有利に処理することができる。
本発明のガスの処理方法は、従来より更に少ない電力で、長期に亘り、大容量ガスを工業的に有利に処理して有害物質の無害化および/または有用物質の生成を行うことができ、特に、本発明の排ガスの無害化方法は、従来より更に少ない電力で、長期に亘りPMなどの有害物質をより高い除去率で除去することができる。
実施例1におけるPM(炭素系粒子状物質)発生及び測定装置のシステム図である。 一例としてディーゼルエンジンの排ガスを処理するためのプラズマ放電反応器を示している。なお、電源は図示されていない。 図2に示すプラズマ放電反応器の基本ユニット(要部)を示す模式的斜視図である。 正のパルス電圧波形および負のパルス電圧波形の両パルス波形間の時間間隔が1.12ミリ秒である正負パルス電圧波形の一例を示す図であって、縦軸が電圧(kV)であり、かつ横軸が時間(ミリ秒)であるグラフを示す。 正のパルス電圧波形および負のパルス電圧波形の両パルス波形間の時間間隔が1.12ミリ秒である正負パルス電圧を図2に示した反応器に印加した時の正負パルス電流波形の一例を示す図であって、縦軸が電流(A)であり、かつ横軸が時間(ミリ秒)であるグラフを示す。 実施例1の実験結果を示す図であって、縦軸がPM(炭素系粒子状物質)除去率(%)であり、かつ横軸が排ガス流量(Nm/時)であるグラフである。なお、図中の電力は電源の消費電力である。 実施例1において用いたプラズマ放電反応器の構造を示す説明図である。なお、誘電体の溝は示されていない。 ディーゼルエンジンの排ガス中のPM(炭素系粒子状物質)の除去機構を示す説明図である。 本発明の実施の形態(1)におけるプラズマ放電反応器の要部(基本ユニット)の概略構成図である。 本発明の実施の形態(2)におけるプラズマ放電反応器の要部の概略構成図である。 従来の間接型プラズマ放電反応器の要部の一例を示す概略構成図である。 従来の直接型プラズマ放電反応器の一例を示す構成説明図である。 従来の直接型プラズマ放電反応器の他の例を示す構成説明図である。 従来の直接型プラズマ放電反応器の他の例を示す構成説明図である。 従来の直接型プラズマ放電反応器のさらに他の例を示す構成説明図である。 従来の間接型プラズマ放電反応器の一例を示す構成説明図である。 従来の間接型プラズマ放電反応器の他の例を示す構成説明図である。 従来の間接型プラズマ放電反応器の他の例を示す構成説明図である。 従来の間接型プラズマ放電反応器の他の例を示す構成説明図である。 従来の間接型プラズマ放電反応器のさらに他の例を示す構成説明図である。 正負パルス電圧波形の一例を示す図であって、縦軸が電圧(kV)であり、かつ横軸が時間(μ秒)であるグラフを示す。 負正パルス電圧波形の一例を示す図であって、縦軸が電圧(kV)であり、かつ横軸が時間(μ秒)であるグラフを示す。 正のパルス電圧波形および負のパルス電圧波形の両パルス波形間の時間間隔が0.0034秒である正負パルス電圧波形の一例を示す図であって、縦軸が電圧(kV)であり、かつ横軸が時間(秒)であるグラフを示す。 本発明の基本概念図を示す。 ディーゼルエンジンの排ガスを処理するためのプラズマ放電反応器の一例を示している。なお、電源は図示されていない。 図25に示すプラズマ放電反応器の基本ユニット(要部)を示す模式的斜視図の一例である。 図25に示すプラズマ放電反応器の基本ユニット(要部)を示す模式的斜視図の一例である。 実施例2、3および5の実験結果を示す図であって、縦軸がPM(炭素系粒子状物質)除去率(%)であり、かつ横軸が放電電力(W)であるグラフである。 実施例2および3の実験結果を示す図であって、縦軸がPM(炭素系粒子状物質)除去率(%)であり、かつ横軸が排ガス流量(Nm/時)であるグラフである。 従来型反応器と実施例2の実験結果を示す図であって、縦軸が圧力損失(kPa)であり、横軸が実験開始後の経過時間(分)であるグラフである。 実施例4におけるオゾン発生装置のシステム図(上)とプラズマ反応器構成図(下)である。 実施例4における放電の電圧・電流波形の一例を示す図であって、左縦軸が電圧(kV)であり、右縦軸が電流(A)であり、かつ横軸が時間(μ秒)であるグラフである。 実施例4における反応器温度が常温で各々の酸素濃度の時の実験結果を示す図であって、縦軸が生成オゾン濃度(g/Nm)であり、かつ横軸がピーク電圧(kV)であるグラフである。 実施例4における反応器温度が常温の時の実験結果を示す図であって、縦軸がオゾン生成効率(g/kWh)であり、かつ横軸が酸素濃度(%)であるグラフである。 実施例4における反応器温度が100℃で各々の酸素濃度の時の実験結果を示す図であって、縦軸が生成オゾン濃度(g/Nm)であり、かつ横軸がピーク電圧(kV)であるグラフである。 実施例4における反応器温度が100℃の時の実験結果を示す図であって、縦軸がオゾン生成効率(g/kWh)であり、かつ横軸が酸素濃度(%)であるグラフである。 ディーゼルエンジンの排ガスを処理するためのプラズマ放電反応器の一例を示す。なお、電源は示されていない。 図37に示すプラズマ放電反応器の基本ユニット(要部)を示す模式的斜視図の一例である。
符号の説明
1 誘電体
2 陽極
3 放電空間
4 陰極
8 充填層
9、9a 誘電体
10、10a 誘電体
11、11a 電極
12、12a 電極
15 基本ユニット
16 付着PM(炭素系粒子状物質)
20 反応器本体
21 処理ガス導入口
22 処理ガス排出口
23 パルス電源に接続された第1電極
24 アースに接続された第2電極
25 アルミナ絶縁管
30 アルミナ板
31 溝
33 排気管
34 プラズマ放電反応器
35 金属電極(高圧極側の第一電極)
36 アルミナスペーサー
38 板状アルミナ充填層
39 アルミナ絶縁管
40 金属電極(接地極側の第二電極)
41 空間中のPM(炭素系粒子状物質)
42 シリカテープ
43 シリコンガスケット
44 高圧極端子
45 接地極端子
本発明のプラズマ放電反応器は、2つの誘電体が処理ガスの流路となる空間部を介して対向するように設置され、2つの誘電体が、空間部には接しない外表面もしくは内部に電極をそれぞれ備え、少なくとも1つの誘電体の空間部側の外表面に溝が設けられており、該溝により形成されるギャップ部と前記空間部とがプラズマ放電反応部を構成し、該空間部への処理ガス導入口と排出口とが付設され、該電極に電圧を印加できる電源が備え付けられていることを特徴とする。
前記の誘電体としては、少なくとも第1誘電体と第2誘電体との2つの誘電体があり、本発明では、2つの誘電体のそれぞれに電極が設けられる。なお、前記の第1誘電体および第2誘電体は、それぞれ同種または異種の別個の誘電体であり、例えば、図9中の誘電体(9)および誘電体(10)、図10中の誘電体(9a)および誘電体(10a)である。前記の誘電体の構成材料の種類としては、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、例えば、無機材料やプラスチックなどが挙げられ、そのうち処理するガスによって酸化しにくいものが好ましく、好適な例としては、例えば、金属酸化物、セラミックス、ガラス、プラスチックおよびシリコンゴムなどが挙げられる。第1誘電体および第2誘電体はともに同種の材料で構成されていてもよいし、互いに異なる材料で構成されていてもよい。また、前記誘電体の形状は、第1誘電体および第2誘電体のうち少なくとも1つの誘電体の空間部側の外表面にギャップ部を形成する溝が設けられていれば特に限定されない。前記誘電体の具体的な形状としては、例えば、板状、管状、球状などが挙げられるが、中でも板状が好ましく、特に厚さが0.01〜10mmの薄板状が好ましい。
第1誘電体および第2誘電体のうち少なくとも1つの誘電体の外表面に設けられる溝は、空間部側となる箇所に設けられていれば特に限定されない。溝を設けることにより、安定かつ均一にプラズマ放電を生成することができる。前記の溝の形状は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、前記の溝は複数設けられているのがよい。このような複数の溝は、誘電体の空間部側の外表面を連続的な凹凸とすることにより設けることができる。前記の凹凸は、本発明の目的を阻害しない限りその寸法など特に限定されないが、凹部の幅が0.001mm〜10cmおよび長さが0.001mm〜10mであり、凸部の幅が0.001mm〜10cmおよび長さが0.001mm〜10mであり、凹部の深さまたは凸部の高さが0.001mm以上10mm未満であるのがよく、凹部の幅が0.5mm〜5cmおよび長さが5mm〜5mであり、凸部の幅が0.5mm〜5cmおよび長さが5mm〜5mであり、凹部の深さまたは凸部の高さが0.05mm以上10mm未満であるのが好ましく、凹部の幅が1mm〜1cmおよび長さが10mm〜1mであり、凸部の幅が0.5mm〜5cmおよび長さが10mm〜1mであり、凹部の深さまたは凸部の高さが0.1〜0.5mmであるのがより好ましい。なお、誘電体が厚さ0.01〜10mmの板状である場合には、凹部の幅が0.001mm〜10cmおよび長さが0.001mm〜10mであり、凸部の幅が0.001mm〜10cmおよび長さが0.001mm〜10mであり、凹部の深さまたは凸部の高さが0.001mm以上10mm未満であるのがよく、凸部の幅が0.5mm〜5cmおよび長さが5mm〜5mであり、凹部の深さまたは凸部の高さが0.05mm以上10mm未満であるのが好ましく、凹部の幅が1mm〜1cmおよび長さが10mm〜1mであり、凸部の幅が0.5mm〜0.5cmおよび長さが10mm〜1mであり、凹部の深さまたは凸部の高さが0.1〜0.5mmであるのがより好ましい。また、凹部の幅と凸部の幅との比は、1:10〜10:1であるのが好ましく、1:1〜5:1であるのがより好ましい。凹部の幅と凹部の長さとの比は、1:10000〜1:10であるのが好ましく、1:1000〜1:1であるのがより好ましい。凸部の幅と凸部の長さとの比は、1:10000〜1:10であるのが好ましく、1:2000〜1:2であるのがより好ましい。
前記の連続的な凹凸は、凹部および凸部の幅および長さならびに凹部の深さもしくは凸部の高さの少なくとも1つが異なる単位区間を有しているのが好ましい。例えば、2つの誘電体の空間部側の凹部の幅および深さがそれぞれガス流通方向に応じて変化する凹凸などが挙げられる。このような異なる単位区間とすることで、より安定かつ均一なプラズマ放電を発生させることができる。
なお、前記の誘電体の空間部に接しない側の表面に溝が設けられていてもよい。
本発明では、前記の2つの誘電体は、処理ガスの流路となる空間部を介して対向するように設置される。空間部の距離は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、0.05〜20mmであるのがよく、0.5〜5mmであるのが好ましい。
前記の電極としては、前記の2つの誘電体のそれぞれに電極が配置されるので、少なくとも第1電極と第2電極との2つの電極がある。前記の電極の構成材料の種類としては、特に限定されず、例えば金属、導電性プラスチックスおよび導電性金属酸化物などの1種または2種以上の導電性物質が挙げられ、金属電極の好適な例としては、金、銀、コバルト、ニッケル、亜鉛、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、これらの合金などが挙げられる。第1電極および第2電極はともに同種の材料で構成されていてもよく、互いに異なる材料で構成されていてもよい。前記の電極の形状などもまた特に限定されず、種々の形状を有していてもよい。電極の表面に溝が設けられていてもよい。
前記の2つの誘電体は、空間部に接しない外表面もしくは内部に電極がそれぞれ備え付けられている。換言すれば、第1誘電体および第2誘電体の外表面もしくは内部に第1電極および第2電極がそれぞれ備え付けられている。なお、前記の第1誘電体および第2誘電体は、それぞれ同種または異種の別個の誘電体であり、例えば、図9中の誘電体(9)および誘電体(10)、図10中の誘電体(9a)および誘電体(10a)である。誘電体の外表面に電極を備え付ける場合には、該当する誘電体の外表面全てに電極が接するように備え付ける必要はなく、該当する誘電体の外表面の一部でも電極が接するようにすることができればそれでよい。また、誘電体の内部に電極を備え付ける場合には、誘電体の内部に電極を埋め込むようにするのがよい。
このようにして電極が備え付けられた誘電体2つを、処理ガスの流路となる空間部を介して対向するように設置することにより、空間部と前記の溝により形成されるギャップ部とがプラズマ放電反応部を構成するようになる。このようにして構成されるプラズマ放電反応部によって、電極が処理ガスに接触することなく、従来の電極の錆びの問題を解消することもでき、さらには、従来よりも少ない電力で広範囲に亘りより安定かつ均一にプラズマ放電を発生させることができ、大量のガスを工業的に有利に処理することができるようになる。なお、本発明では、前記のプラズマ放電反応部は、前記ギャップ部と前記空間部とからなる空間であり、この空間において、プラズマ放電が発生するように構成されている。そのため、本明細書では、プラズマ放電反応部をプラズマ放電空間ともいう。
かくして電極が備え付けられた誘電体2つによって放電反応部が形成された構造は基本ユニットとして本発明の要部となる。
本発明のプラズマ放電反応器には、前記の空間部への処理ガス導入口と排出口とが付設されている。プラズマ放電反応器に前記の空間部への処理ガス導入口と排出口とを付設するには、例えば、処理ガス導入口と処理ガス排出口とを有する反応器本体内に前記の基本ユニットを収納すればよいが、これに限定されるものではない。
プラズマ放電反応器を構成する場合は、常法に従い、一方に処理ガス導入口を有し、他方に処理ガス排出口を有する反応器本体内に、前記の基本ユニットを多段に積層して収納するのがよい。より具体的には例えば、電極を交互に配置することにより、図2の局部断面図に示すように、電極/誘電体/空間部/誘電体/電極/誘電体/空間部/誘電体/電極とするなどして、基本ユニットを多段に積層するのがよい。
なお、処理ガス導入口および排出口の大きさなどは、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、前記の基本ユニットのプラズマ放電反応部の容量や積層構成によって適宜に選択されるものであるが、本発明では、処理ガスがプラズマ放電反応部を連続的または断続的に流通できればそれでよい。
また、本発明のプラズマ放電反応器には、電極に電圧を印加できる電源が備え付けられている。前記の電源を電極に備え付けるには、常法に従ってよい。前記の電源は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知のものであってよい。
プラズマ放電反応器は、前記の2つの誘電体に取り付けられた電極間に、電源を用いて電圧を印加することによって、2つの誘電体間にプラズマ放電を引き起こすようになっている。この場合、印加する電圧は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、交流電圧、正直流電圧、負直流電圧およびパルス電圧のいずれであってもよいが、交流電圧またはパルス電圧が好ましく、パルス電圧がより好ましい。好ましいパルス電圧の種類は、特に限定されず、正パルス電圧、負パルス電圧、正および負のパルス電圧波形を有するパルス電圧のいずれであってもよいが、とりわけ、正および負のパルス電圧波形を有するパルス電圧が好ましく、正負パルスまたは負正パルスがより好ましく、正負パルスが最も好ましい。ピーク電圧は100V〜50kVの範囲とすることが好ましく、パルス電圧(絶対値)の立ち上がり時間は10ナノ秒〜0.01秒であるのが好ましい。また、パルス電圧の半値幅は0.01μ秒〜1秒であるのが好ましく、パルス電圧の周波数は1Hz〜10kHzの範囲内であるのが好ましい。
上記「正および負のパルス電圧波形」としては、図21で示される正負パルス電圧波形や、図22で示される負正パルス電圧波形が挙げられる。正および負のパルス電圧波形は、正のパルス電圧波形および負のパルス電圧波形の両パルス波形間の時間間隔が、0〜1秒の範囲内であるのが好ましい。なお、図21および図22は前記の時間間隔が0秒である。また、前記の時間間隔が0.0034秒である例が図23に示されている。時間間隔は、隣り合う正のパルスと負のパルスのピークとピークの時間差によって測定される。
本発明のプラズマ放電反応器のプラズマ放電反応部に処理ガスを供給し、ついでプラズマ放電反応器の電極間に電圧を印加することによってプラズマ放電がプラズマ放電反応器のプラズマ放電反応部に発生する。このプラズマ放電によって、プラズマ放電反応部を通過する処理ガスもしくはプラズマ放電反応部に溜まっている処理ガスに化学反応が生じる。
また、処理ガス温度は室温、低温及び高温のいずれかであり、処理ガスから放電場中での液体や固体の生成があってもよいが、ない範囲とするのが好ましい。また反応器本体に導入されるガス圧力は、0.1torr〜10気圧である。
以下、本発明の実施の形態(1)についてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施されるものである。図9は本発明の実施に用いられ得るプラズマ放電反応器の要部(基本ユニット)を示している。
図9において、第1誘電体(9)および第2誘電体(10)はいずれも厚さがL1の板状体であり、第1誘電体(9)および第2誘電体(10)が、処理ガスの流路となる空間部(A)を介して対向するように設置されている。なお、2つの誘電体間の空間部の距離は、L2である。第1誘電体(9)の空間部側の表面は連続した凹凸となっており、この連続した凹凸の溝によりギャップ部(B)が形成されている。なお、凹部の幅はL5であり、凸部の幅はL4であり、凹部の深さまたは凸部の高さはL3である。さらに、第1誘電体(9)の空間部(A)に接しない表面には第1電極(11)が取付けられており、第2誘電体(10)の空間部(A)に接しない表面には第2電極(12)が取付けられている。第1電極(11)および第2電極(12)のいずれか一方は、所要電圧を供給するパルス電源と接続されており、他方は、アースと接続されている。空間部(A)について図9を用いて平面的に説明すると、面WXYZからなる空間が空間部(A)となり、処理ガスの流路となっている。なお、処理ガスは辺XYから辺WZの方向へ流れている。例えば、第1電極(11)を陽極、第2電極(12)を陰極として電圧を印加した場合、第1誘電体(9)の空間部(A)側の外表面にプラス電荷が蓄積し、第2誘電体(10)の空間部(A)側の外表面にマイナス電荷が蓄積し、空間部(A)とギャップ部(B)とからなるプラズマ放電反応部において電界が生じ、放電開始電場強度を超えるとプラズマ放電が発生し、化学反応が生じる。
なお、プラズマ放電反応器に導入されるガス温度は室温、低温及び高温のいずれかであり、処理ガスから液体や固体の生成のない範囲とすることが望ましい。また、反応器本体に導入される処理ガス圧力は、ほぼ真空の0.1torrから10気圧までが可能であるが、常圧付近の圧力とすることが望ましい。
図8は、一例としてディーゼルエンジンの排ガス中のPMの除去機構を示している。排ガスがプラズマ放電反応器の入口からプラズマ放電反応部に導入されると、第1誘電体(9)および第2誘電体(10)の例えばアルミナ板の表面に排ガス中のPM(16)が付着し、第1電極(11)および第2電極(12)の間に電圧を印加することによってプラズマ放電を発生させ、プラズマ放電により生成した酸素ラジカル等により排ガス中のPM(16)と空間中のPM(41)が酸化されて炭酸ガスとなって反応器の出口から排出され、有害排ガスが清浄化される。
なお、図8の場合では、本発明のプラズマ放電反応器で処理されるガスがPMを含む排ガスであり、PMが除去されるわけであるが、処理されるガスは、排ガスに限定されるものではなく、種々のガスが適用可能であり、排ガス以外の他の有害物質を含むガスであってもよいし、有用物質を生成可能なガスであってもよい。
図2は、一例として、ディーゼルエンジンの排ガスを処理するためのプラズマ放電反応器を示しており、電源については省略されている。なお、電源を省略していない反応器の図は図24に示す。反応器本体(20)は、一端にガス導入口(21)を有し、他端にガス排出口(22)を有している。この反応器本体(20)内に、図10に示すプラズマ放電反応器の基本ユニット(15)を多段に積層して収納し、大容量の排ガスを処理できるように構成したものである。また、このプラズマ放電反応器は、パルス電源に接続された第1電極(23)、アースに接続された第2電極(24)、アルミナ絶縁管(25)、充填層(8)を有している。他の構成は図9の場合と同様である。
本発明で用いられるプラズマ放電反応器においては、図10のようにプラズマ放電用のギャップ部(B)を交互に設け、プラズマ放電を効果的に分散することで、スパークのような強く局所的なプラズマ放電を好適に防ぐことができ、さらには空間部(A)においても安定かつ均一なプラズマ放電を発生させることができる。
また、図10は本発明の他の実施の形態(2)であり、第1誘電体(9a)および第2誘電体(10a)の両方の空間部側の表面を凹凸にした場合のプラズマ放電反応器の要部(基本ユニット)を示している。第1電極(11a)および第2電極(12a)間に電圧を印加することによって、第1誘電体(9a)および第2誘電体(10a)の空間部(A)側の外表面に電荷が生じ、電荷と印加した電場との作用で、電圧が充分高い条件では、第1誘電体(9a)と第2誘電体(10a)との間の空間、すなわちプラズマ放電反応部にあるガス中にプラズマ放電が発生する。他の構成は、図9の場合と同様である。なお、図10に示した電荷は、第1電極(11a)を陽極、第2電極(12a)を陰極として電圧を印加した場合に発生したものである。
なお、電極へ電圧を印加するためのリード部分の導電性物質の一部もしくは全部が処理が処理ガスと接触しないような構造(図37参照)とすることにより、該リード部分が処理ガスに接触しないため、反応器に蓄積したPMと電極および/または処理ガス導入口(21)および処理ガス排出口(22)を構成する金属枠の間からの漏電を防ぐことができる。なお、リード部分の導電性物質の一部もしくは全部が処理ガスと接触しない構造とするには、例えば図37に示すように高圧極(35)の端子(44)の向きを処理ガスの流れと垂直にするとよい。
また、処理ガスとして、排ガスの代わりに、酸素または酸素と他のガス(例えば窒素)との混合ガスを用いることにより、前記酸素からオゾンを生成することができる。図31は、オゾン発生装置システムの一例である。
以下実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。なお、実施例中、PM除去率(%)は下記式1によって算出される値をいう。
式1
Figure 2007086430
(実施例1)
実施例1として、プラズマ放電反応器を用いるディーゼルエンジン排ガスPM処理について実験した。プラズマ放電反応器を用いるディーゼルエンジン排ガスPM処理システムを図1に示す。ディーゼルエンジンの排気管(33)にプラズマ放電反応器(34)を取り付け、実験を行った。なお、図1にはエンジン出口からの排ガスの一部を排出する排気管は示されていない。
以下、本実施例で用いたプラズマ放電反応器について説明する。
図7はプラズマ放電反応器(34)の構造を示し、図3はアルミナ板(30)まわりの基本ユニットを示している。なお、図7では、アルミナ板(30)と金属電極(35、40)の溝は図示されていないが、該アルミナ板と金属電極は図3に示されるように溝を有する構造となっている。この基本ユニットは2枚のアルミナ板(30)、2枚の金属電極(35、40)と10枚のアルミナスペーサー(36)から構成される。アルミナ板の表面の溝(31)はエンジン排ガスの流れ方向に垂直となっている。なお、溝の幅(凹部の幅)を4mm、深さ(凹部の深さまたは凸部の高さ)を0.2mm、長さ(凹部の長さ)を150mm、溝と溝との間の距離(凸部の幅)を2mmとした。アルミナ板の裏面にも同様の溝を設けた。また2枚のアルミナ板を一組とし、その間にアルミナスペーサー(36)を挟んで間隔をあけエンジン排ガスがその間隔を通るようにした。金属電極(35、40)(130×130×0.8mm)はいずれもステンレス製で、表面に排ガスの流れ方向に幅4mm、深さ0.2mm、長さ130mmの溝を掘った。溝と溝との間の距離は1mmとした。裏面にも同様の溝を設けた。電気絶縁するために、金属電極(35、40)の両側にアルミナスペーサー(36)(10×150×0.8mm)を取り付けた。一つの金属電極を第1電極、もう一つの金属電極を第2電極とした。また、金属電極の溝はアルミナスペーサーで閉じることにより、エンジン排ガスが、アルミナ板(30、30)の間だけを通過するようにした。
得られた基本ユニットをアルミナ板が16組(32枚)積層されるようにして製作し、図7に示すように、反応器にセットした。反応器上下の不足空間を板状アルミナ充填層(38)で充填した。符号39はアルミナ絶縁管である。
PM発生源として、4気筒、直噴型、総排気量2Lのディーゼルエンジンを用いた。エンジンからの排ガスの一部を150℃の空気で希釈した後、PMモニター(TEOM 1105、Rupprecht&Patashnick)を用いて、PMの排出量を測定した。1.2krpmで3.0kWのエンジン運転条件で実験した。この条件では、エンジンから排出される排ガス流量とPMの量はそれぞれ80Nm/時間、約1.3g/時間であった。なお、反応器の前でエンジン出口からの排ガスの一部を排気することにより、反応器への排ガス流量を20Nm/時間、40Nm/時間、60Nm/時間および80Nm/時間の計4種類に調節した。
次に、図4に示した正負パルス電圧(正パルス部分の立ち上がり時間と電圧半値幅はそれぞれ12μ秒と14μ秒、負パルス部分の立ち上がり時間と電圧半値幅はそれぞれ12μ秒と14μ秒、パルス周波数は217〜445Hz、正パルス部分と負パルス部分の間隔は1.12ミリ秒、正パルス部分と負パルス部分のピーク電圧(絶対値)は7〜10kVに調整した。)と図5に示した正負パルス電流をプラズマPM除去用パルス電源によって発生させた。なお、ピーク電圧波形と電流波形は、それぞれ電圧プローブ(EP−50K パルス電子技術)と電流プローブ(MODEL 2−1.0 STRANGENES)を使って、オシロスコープ(TDS−7104 Tektronix)で測定した。
発生したパルス電圧を図2に示した第1電極と第2電極に印加することによって、プラズマ放電反応器のギャップ空間にプラズマ放電が発生した。なお、それぞれのパルス電圧波形を発生したときのプラズマPM除去用パルス電源の消費電力(電源入力)を計測して、プラズマ放電によるPM除去の効果を調べた。図6に、それぞれの電源入力でのPM除去率と排ガス流量との関係を示す。パルス電圧を印加して、プラズマ放電を発生することにより、PM除去効果が認められた。
(実施例2)
実施例2として、片面に溝を有したアルミナ板使用したプラズマ放電反応器を用いて、ディーゼルエンジン排ガスPM処理について実験した。プラズマ放電反応器を用いるディーゼルエンジン排ガスPM処理システムを図1に示す。ディーゼルエンジンの排気管(33)にプラズマ放電反応器(34)を取り付け、実験を行った。なお、図1には、エンジン出口からの排ガスの一部を排出する排気管は示されていない。
以下、本実験例で用いたプラズマ放電反応器について説明する。図25はプラズマ放電反応器(34)の構造を示し、図26はアルミナ板(30)周りの基本ユニットを示している。この基本ユニットは2枚のアルミナ板(30)、2枚の金属電極(35、40)と6枚のアルミナスペーサー(36)から構成される。アルミナ板はそれぞれ片面だけ表面に溝を有した凹凸構造になっており、その溝(31)はエンジン排ガスの流れ方向に垂直になっている。なお、アルミナ板の長さは149mm、溝の幅(凹部の幅)は3mm、溝と溝との間の距離(凸部の幅)を1mm、溝の深さ(凹部の深さまたは凸部の高さ)は0.2、0.3、0.4、0.5mmの4段階にし、0.2mmの溝が反応器入口側に来るように設置した。また2枚のアルミナ板を一組として、溝を有した面が向かい合うように置き、2枚のアルミナスペーサー(36)(10×149×0.5mm)をはさんで間隔をあけ、エンジン排ガスがその間隔を通るようにした。なお、図26では、アルミナ板の溝(31)は、端から端までとなっているが、アルミナスペーサー(36)の上下からの排ガスの漏れを防ぐために、両端には溝がない方が望ましい。金属電極(35、40)(130×130×0.5mm)はいずれもステンレスの平板を用いた。電気絶縁するために、金属電極の両側にアルミナスペーサー(36)(10×149×0.5mm)を取り付けた。一つの金属電極を第1電極、もう一つの金属電極を第2電極とした。
得られた基本ユニットをアルミナ板が38組(76枚)積層されるようにして製作し、図7に示すように、反応器にセットした。反応器上下の不足空間を板状アルミナ充填層(38)で充填した。なお、符号39はアルミナ絶縁管である。
PM発生源として、4気筒、直噴型、総排気量2Lのディーゼルエンジンを用いた。エンジンからの排気ガスの一部を希釈器(MD19−E Matter Engineering AG)を用いて150℃の空気で希釈した後、PMモニター(TEOM 1105,Rupprecht&Patashnick)を用いて、PMの排出量を測定した。1.7krpmで9.4kWのエンジン運転条件で実験した。この条件では、エンジンから排出される排ガス流量とPMの量はそれぞれ117Nm/時間、約1.9g/時間であった。なお、反応器の前でエンジン出口からの排ガスの一部を排気することにより、反応器への排ガス流量を60Nm/時間、69Nm/時間、86Nm/時間、96Nm/時間、117Nm/時間の計5種類に調節した。
次に図4に示した正負パルス電圧(正パルス部分の立ち上がり時間と電圧半値幅はそれぞれ12μ秒と14μ秒、負パルス部分の立ち上がり時間と電圧半値幅はそれぞれ12μ秒と14μ秒、パルス周波数は21〜131Hz、正パルス部分と負パルス部分の間隔は1.12ミリ秒、正パルス部分と負パルス部分のピーク電圧(絶対値)は8.5〜9.1kVに調整)と、図5に示した正負パルス電流をプラズマPM除去用パルス電源によって発生させた。なお、電圧波形と電流波形は、それぞれ電圧プローブ(EP−50K パルス電子技術)と電流プローブ(MODEL 2−1.0 STRANGENES)を使って、オシロスコープ(TDS−7104 Tektronix)で測定した。
発生したパルス電圧を図25に示した第1電極と第2電極に印加することによって、プラズマ放電反応器のギャップ空間にプラズマ放電が発生した。なお、それぞれのパルス電圧波形を発生した時のプラズマPM除去用パルス電源の消費電力を計測し、また、電圧波形と電流波形から放電電力を計測して、プラズマ放電によるPM除去の効果を調べた。図28に排ガス流量117Nm/時間の時の、放電電力とPM除去率との関係を示す。ここでPM除去率は、上記式1で定義している。パルス電圧を印加して、プラズマ放電を発生することにより、PM除去効果が認められた。また、放電電力の増加と共にPM除去率は増加し、放電電力315Wの時でPM除去率は56%に達した。次に、図29に電源の消費電力約300Wでの排ガス流量とPM除去率との関係を示す。ガス流量の減少とともにPM除去率が増加し、60Nm/時間の時で、最大66%の高いPM除去率が得られた。
また、図30に示すように、従来型の、誘電体の両面に電極を取り付け、該電極の内面又は誘電体の外面にガスを通過させるためのギャップを一定間隔に多数設け、一方の側のギャップの存在しない位置に、他方の側のギャップが存在して位置するようにしてなるPM除去用凹凸型プラズマ反応器(特許文献5参照)30組、50組のものと比べて、圧力損失が大幅に減少した。
(実施例3)
より効率よくPMを除去するために、上記実施例2に示した反応器(34)において、2枚のアルミナ板の間に置くスペーサーをシリカテープ(42)(10×149×0.3mm)に替えてエンジン排ガスが通る間隔を狭め、同様の実験を行った(図27)。なお、金属電極固定用のスペーサーは実施例2と同様にアルミナスペーサー(10×149×0.5mm)を用い、その他の反応器形状は、上記実施例2と同じである。
1.7krpmで9.4kWのエンジン運転条件で実験した。この条件では、エンジンから排出される排ガス流量とPMの量はそれぞれ120Nm/時間、約1.9g/時間であった。また実験例2と同様に図4に示した正負パルス電圧(正パルス部分の立ち上がり時間と電圧半値幅はそれぞれ12μ秒と14μ秒、負パルス部分の立ち上がり時間と電圧半値幅はそれぞれ12μ秒と14μ秒、パルス周波数は21〜131Hz、正パルス部分と負パルス部分の間隔は1.12ミリ秒、正パルス部分と負パルス部分のピーク電圧(絶対値)は8.5〜9.1kVに調整)と、図5に示した正負パルス電流をプラズマPM除去用パルス電源によって発生させた。電圧波形と電流波形測定用のオシロスコープはLeCroy wave Surfer 44Xsを用いた。
図28に放電電力とPM除去率との関係を示す。実際に38組(76枚)積層した状態での2枚のアルミナ板の間隔は、アルミナ板の両端では0.3mm、中央部では0.1〜0.2mmであった。2枚のアルミナ板の間隔を0.5mmから0.1〜0.3mmへ小さくすることにより、パルス放電強度が増大し、実施例2の場合よりもさらに高いPM除去効果が認められた。放電電力214,257Wの時でPM除去率は79%に達した。
(実施例4)
片面加工を施したアルミナ板を使用したプラズマ放電反応器を用いて、プラズマによるオゾン発生の実験を行った。プラズマ放電反応器によるオゾン発生装置システム図を図31に示す。
プラズマ反応器の入口に供給するガス組成は酸素濃度10〜100%(N2バランス)、ガス流量は1500ml/minとした。酸素、窒素のガスは質量流量計を用いて供給した。プラズマ反応器は片面に溝を有したアルミナ板(149×149×1.2mm(実施例2のアルミナ板と同じ板))を、溝を有した面が向き合うように一定の距離を保って重ね、その両端に電極(130×130×0.5mm)を取り付けた。電極は一方をパルス電源の高圧側、他方をアースに取り付け、両電極間にパルス電圧を印加することで、アルミナ間のガスを放電させた。反応器出口から排出されたガスをオゾン計へ導入し、ガス中のオゾン濃度を測定した。反応器温度は恒温槽を用いて制御し、常温(25℃)、100℃で実験を行った。
パルス電源はパルス電子技術株式会社製のプラズマPM除去用パルス電源を用いた。放電部分のギャップ距離(アルミナ板間距離)は0.5mmとした。電圧と電流の波形はそれぞれ電圧プローブ(P6015A、Tekrtonix)と電流プローブ(P6021、Tekrtonix)で測定し、オシロスコープ(TDS754D、Tekrtonix)でデジタル化した後保存し、データ分析に用いた。パルス電源の消費電力は電力計(3193、Hioki)から算出し、パルス電源からの放電電力は放電電圧V、放電電流I、1パルスの時間tより、下記式2により算出した。
式2
Figure 2007086430
パルス電圧はパルス電源のポテンショメータでピーク電圧を4.5kV〜10.5kVに制御した。パルス周波数はパルス電源のポテンショメータで50Hzに固定した。代表的な放電の電圧・電流波形を図32に示す。
生成したオゾンの濃度の測定はオゾン計(PG−620MA−F、荏原実業株式会社)で行った。反応器の入口にガスを導入し、放電を開始して5分間でオゾン濃度の表示値が安定してからオゾン計の数値を読み取った。オゾン生成効率は(生成オゾン濃度×ガス流量)/放電電力により計算した。
反応器温度が常温の場合の、放電のピーク電圧に対する生成オゾン濃度のグラフを図33に示す。プラズマ放電を発生させることにより、オゾンが生成できることが確認できた。酸素濃度100%でピーク電圧10.0kVの時、オゾン濃度は6.8g/Nmに達した。反応器温度が常温の場合の、酸素濃度に対するオゾン生成効率のグラフを図34に示す。酸素濃度100%、ピーク電圧4.7kVの時、オゾン生成効率は186.6g/kWhに達した。
また、反応器温度が100℃の場合の、ピーク電圧に対する生成オゾン濃度のグラフを図35に、酸素濃度に対するオゾン生成効率のグラフを図36に示す。オゾン濃度は最大5.4g/Nm、オゾン生成効率は最大128.7g/kWhとなり、高温でのオゾン生成も確認できた。
(実施例5)
反応器に蓄積したPMと、高圧極(35)及び処理ガス導入口(21)および処理ガス排出口(22)を構成する金属枠との間での漏電によるPM除去率および効率の低下を防止するために、図37に示すように、高圧極側の第一電極(35)の端子(44)を排ガス流れに垂直な向きになるような構造にし、高圧極の端子(44)を直接排ガスに接触しないような反応器を作成した。
また、ステンレス電極への排ガスの流入とそれによる電極の腐食を防ぐために、上記実施例3に示した反応器(図27)において、金属固定用のアルミナスペーサーの替わりにシリコンガスケット(43)を用いてステンレス板の周りを塞ぎ、さらに二枚のアルミナ板(30)を、溝のある面が外側になるように張り合わせた反応器を作成した。図38に基本ユニット図を示す。なお、アルミナ板の間に置くスペーサーは、実施例3の時と同様にシリカテープ(42)(10×149×0.3mm)を用いた。また、アルミナ板の反りによって排ガス流路が塞がらないように、アルミナ板中央部にも同様のシリカテープ(42)を置いた。
このようにして得られた基本ユニットをアルミナ板が36組(72枚)積層されるようにして製作し、図37に示すように反応器にセットした。なお、今回は基本ユニットを流路に対して鉛直方向に置き、高圧側の第一電極(35)の端子(44)が上部に、接地極側の第二電極(40)の端子(45)が排ガス上流部になるようにし、反応器左右の不足空間を板状アルミナ充填層(38)で充填した。なお、符号39はアルミナ絶縁管である。
1.7krpmで9.4kWのエンジン運転条件で実験した。この運転条件では、エンジンから排出される排ガス流量とPMの量はそれぞれ120Nm/時間、約1.5g/時間であった。また実験例2と同様に図4に示したものと同様の正負パルス電圧(正パルス部分の立ち上がり時間と電圧半値幅はそれぞれ12μ秒と14μ秒、負パルス部分の立ち上がり時間と電圧半値幅はそれぞれ12μ秒と14μ秒、パルス周波数は124,143Hz、正パルス部分と負パルス部分の間隔はそれぞれ4.03ミリ秒、3.50ミリ秒、正パルス部分と負パルス部分のピーク電圧(絶対値)は8.08−8.25kVに調整)と、図5に示した正負パルス電流をプラズマPM除去用パルス電源によって発生させた。電圧波形と電流波形測定用のオシロスコープはLeCroy wave Surfer 44Xsを用いた。なお、その他の条件と使用した装置は、上記実施例3の場合と同様とした。
図28に放電電力とPM除去率との関係を示す。放電電力239,262Wの時でPM除去率はそれぞれ57.8、52.3%に達した。また、蓄積したPMと高圧極(35)や処理ガス導入口(21)および処理ガス排出口(22)を構成する金属枠の間の漏電は見られなかった。
本発明のプラズマ放電発生方法では高効率でプラズマ放電を発生させることができる。また、本発明により発生したプラズマ放電は、化学反応、例えば、ディーゼルエンジン排ガス中のPM処理のような固体粒子及び/又は液体粒子を含むガスの処理、フロンガス処理やVOC処理などのようなガスの処理、オゾンなどの有用生成物の生産などの有害物質の無害化および/または有用物質の生成に利用することができ、又は、物理変化、例えば、電気エネルギーを光エネルギーへ転換すること等に利用できる。

Claims (14)

  1. 2つの誘電体が処理ガスの流路となる空間部を介して対向するように設置され、2つの誘電体の空間部に接しない外表面もしくは内部には電極がそれぞれ備え付けられており、少なくとも1つの誘電体の空間部側の外表面に溝が設けられ、該溝により形成されるギャップ部と前記空間部とがプラズマ放電反応部を構成し、該空間部への処理ガス導入口と排出口とが付設され、該電極に電圧を印加できる電源が備え付けられていることを特徴とするプラズマ放電反応器。
  2. 誘電体が、金属酸化物、セラミックス、ガラス、プラスチックまたはシリコンゴムで構成され、かつ板状、管状または球状である請求の範囲1に記載のプラズマ放電反応器。
  3. 誘電体が、板状であり、かつ厚さ0.01〜10mmである請求の範囲1または2に記載のプラズマ放電反応器。
  4. 溝が、誘電体の空間部側の外表面を連続的な凹凸とすることにより設けられており、凹部の幅が0.001mm〜10cmおよび長さが0.001mm〜10mであり、凸部の幅が0.001mm〜10cmおよび長さが0.001mm〜10mであり、凹部の深さまたは凸部の高さが0.001mm以上10mm未満である請求の範囲1または2に記載のプラズマ放電反応器。
  5. 凹凸が、凹部および凸部の幅、深さおよび長さの少なくとも1つが異なる単位区間を有している請求の範囲4に記載のプラズマ放電反応器。
  6. 2つの誘電体間の空間部での距離が0.05〜20mmである請求の範囲1〜5のいずれかに記載のプラズマ放電反応器。
  7. 電極が、1種または2種以上の導電性物質で構成されている請求の範囲1〜6のいずれかに記載のプラズマ放電反応器。
  8. 電極へ電圧を印加するためのリード部分の導電性物質の一部もしくは全部が処理ガスと接触しないような構造を持つ請求の範囲1〜7のいずれかに記載のプラズマ放電反応器。
  9. 請求の範囲1〜8のいずれかに記載のプラズマ放電反応器の電極間に電源を用いて電圧を印加することによって、プラズマ放電を発生させることを特徴とするプラズマ放電発生方法。
  10. 電圧が、交流電圧またはパルス電圧である請求の範囲9に記載のプラズマ放電発生方法。
  11. 電圧のピーク値が100V〜50kVである請求の範囲10に記載のプラズマ放電発生方法。
  12. 請求の範囲1〜8のいずれかに記載のプラズマ放電反応器を用いて、前記プラズマ放電反応器のプラズマ放電反応部に処理ガスを供給し、前記プラズマ放電反応器の電極間に電圧を印加することにより該プラズマ放電反応部にプラズマ放電を発生させて、処理ガス中でプラズマ反応が起こることにより処理ガスの無害化および/または有用物質の生成を行うことを特徴とするガスの処理方法。
  13. 処理されるガスが排ガスであり、排ガスに炭素系粒子状物質が含まれ、炭素系粒子状物質が除去されることを特徴とする請求の範囲12に記載の方法。
  14. プラズマ放電反応部に供給されるガスが酸素または酸素と他のガスの混合ガスであり、前記酸素からオゾンを生成させることを特徴とする請求の範囲12に記載の方法。
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