JP2005032700A - 板状電極を有する気体励起装置及び気体励起方法 - Google Patents

板状電極を有する気体励起装置及び気体励起方法 Download PDF

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孝之 河北
Nobuhiko Yoki
伸彦 瑶樹
Akimitsu Iida
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Abstract

【課題】従来の気体励起効率を少なくとも維持して、製造コスト及びメンテナンスコストを低減した気体励起装置及び気体励起方法を提供する。
【解決手段】気体励起装置10は、被処理気体流入用開口部12と気体排出用開口部13を有するハウジング11内に、複数の円筒/円柱状電極からなる第1電極群及び第2電極群を備え、第1電極群−第2電極群間に交流電位を印加可能であり、
(1)第1電極群電極16Aが、内部棒状電極16Xと円筒状絶縁性外被体16Yとからなり、その外被体表面が被処理気体と接触する保護電極であり、
(2)第2電極群電極が、
(a)同様の保護電極であるか又は
(b)電極表面が露出して被処理気体と接触する露出電極である
前記装置において、
第1電極群又は第2電極群の複数電極を、1つの板状電極14Bに置き換えたことを特徴とする。気体励起方法は、前記装置を用いて実施する。
【選択図】図11

Description

本発明は、板状電極を有する気体励起装置及び気体励起方法に関する。本発明によれば、従来の気体励起装置及び気体励起方法における気体励起効率を少なくとも維持したままで、製造コスト及びメンテナンスコストの低減化を実現することができる。
交流高圧放電条件下に気体を誘導して気体分子を励起し、低温プラズマを発生させる気体励起装置としては種々の装置が知られており、例えば、特開平9−199261号公報(特許文献1)や米国特許第5,483,117号明細書(特許文献2)にも、気体励起装置が記載されている。こうした従来公知の気体励起装置の代表的な態様を図16に示す。図16は、気体励起装置Pのハウジング1の側壁の一部を切り欠いて示す模式的斜視図である。前記気体励起装置Pは、被処理気体Gの流入用開口部2と処理済み気体Cの排出用開口部3とを備えた大略直方体状のハウジング1を有し、前記ハウジング1の内部には、多数の保護電極6を備えている。前記の保護電極6は、図17の模式的断面図に示すとおり、棒状電極6xと、その棒状電極6xの周囲を包囲する円筒状鞘体6yとを含み、前記の円筒状鞘体6yは、絶縁体材料からなる。更に、前記の保護電極6は、2系列の電極群6A,6Bに分かれており、それぞれ電線9A,9Bに接続し、電線9A,9Bは交流電源9と接続している。また、一方の系列の電極群6Bに接続する電線9Bは、接地(アース)されている。なお、図17に示すとおり、ハウジング1内部において最も外側に配置され、ハウジング1の内壁と対向する各保護電極6Bは、それぞれ、ハウジング1の内壁との間で放電が発生しないように、アースされる電線9Bに接続するのが好ましい。原理的にはハウジング1それ自体をアースする必要はないが、安全上の観点からハウジング1それ自体をアースするのが好ましい。
図16及び図17は、従来の気体励起装置の代表的な態様における電極配置構造などを示す目的のために、構成を単純化し、例えば、電極群の数も極端に減少して図示している。実際には、気体励起装置内に大量の電極群を配設する必要があるため、例えば、図19に示すように、ある程度の個数の電極群をまとめて含む電極群ブロック体Qの形態とし、それらのブロック体Qの複数個を気体励起装置内に配設する。なお、図19に示す電極群ブロック体Qは、保護電極6、左側板8A、右側板8B、中央支持板8C、及びリード線9A,9Bを含み、各保護電極6は、前記左側板8Aと前記右側板8Bとの中間に配置される中央支持板8Cに設けた貫通孔を貫通することによって保持されていると共に、前記左側板8Aの内側及び前記右側板8Bの内側の各表面にそれぞれ設けた非貫通孔内部に端部を装入されることによって保持されている。
前記の気体励起装置によって発生する低温非平衡プラズマを利用する脱臭装置や空気浄化装置も知られている。例えば、特開2001−293079号公報(特許文献3)には、低温プラズマを発生する高圧放電部と、その下流に配置され、酸化促進触媒が充填されている触媒部とを有する低温プラズマ脱臭装置が記載されている。前記高圧放電部では、被処理気体に対して高圧放電により解離エネルギーを与えることによりラジカルを発生させる。すなわち、放電により気体中に放出された電子が、臭気ガス中の気体分子に射突し、分子を活性化させる。その活性分子の一部は解離してラジカルとなり、臭気ガス中の悪臭物質を酸化分解したり、あるいは、オゾンを生成させるものと考えられる。ラジカルにより生成された前記オゾンも、悪臭物質を酸化させ、悪臭物質の処理に貢献するものと考えられる。また、放電そのものの有するエネルギーによっても、悪臭物質の酸化分解が行われる。
特開平9−199261号公報 米国特許第5,483,117号明細書 特開2001−293079号公報
図16及び図17に示すタイプの気体励起装置は、一般に多数の円筒状電極をハウジング1内に設けて製造される。これらの各円筒状電極を1本ずつハウジングに固定する作業は極めて煩雑であり、製造コストを上昇させる原因となっていた。また、前記図19に示すように、ある程度の個数の円筒状電極をブロック化して含む電極群ブロック体の形状でハウジングに設置する方法も利用されているが、その電極群ブロック体を製造する作業自体は、各円筒状電極を1本ずつ側板などに固定する作業であり、コスト減の効果も限られている。
また、図16及び図17に示すタイプの気体励起装置で円筒状電極が故障(例えば、損傷)した場合、その故障電極を交換しないで気体励起装置の運転を継続すると、その周囲の正常な電極までも損傷させることになるので、故障電極の交換は、気体励起装置のメンテナンス上で重要な作業である。しかしながら、多数の円筒状電極の中から、1本ないし小数の故障電極を交換する作業は非常に煩雑な作業であり、メンテナンスコストを上昇させる原因となっていた。
更に、図16及び図17に示すタイプの気体励起装置を、汚染空気などの処理に使用して各円筒状電極の表面が汚れた場合、汚れたままで気体励起装置の運転を続けると気体の励起能力が著しく低下するので、定期的な洗浄が必要になる。しかしながら、多数の円筒状電極を配設した前記の気体励起装置の洗浄工程も非常に煩雑な作業であり、メンテナンスコストを上昇させる原因となっていた。
更にまた、図16及び図17に示すタイプの気体励起装置については、装置全体としての励起能を向上させる手段も求められていた。
従って、本発明の課題は、製造コスト及びメンテナンスコストを低減化させた気体励起装置及び気体励起方法を提供することにある。また、気体励起能が向上した気体励起装置及び気体励起方法を提供することにある。
本発明は、
被処理気体の流入用開口部と処理済み気体の排出用開口部とを有するハウジング内に、複数の円筒状又は円柱状電極から構成される第1電極群と複数の円筒状又は円柱状電極から構成される第2電極群とを備え、第1電極群に属する円筒状又は円柱状電極と第2電極群に属する円筒状又は円柱状電極との間に交流電位を印加することができる気体励起装置であって、
(1)第1電極群に属する円筒状又は円柱状電極が、内部棒状電極と、その内部棒状電極の周囲を包囲する円筒状絶縁性外被体とからなり、その絶縁性外被体の外側表面が被処理気体と接触する保護電極であり、
(2)第2電極群に属する円筒状又は円柱状電極が、
(a)前記と同様の保護電極であるか、あるいは
(b)電極表面が露出して、被処理気体と直接に接触する円筒状又は円柱状の露出電極である
前記の気体励起装置において、
前記第1電極群に属する複数の円筒状又は円柱状電極あるいは第2電極群に属する複数の円筒状又は円柱状電極を、1つの板状電極に置き換えたことを特徴とする、気体の励起装置に関する。
本発明装置の好ましい態様においては、板状電極が、内部板状電極と、その内部板状電極の周囲を包囲する直方体状絶縁性外被体とからなる板状保護電極である。
本発明装置の別の好ましい態様においては、板状電極が、板状露出電極である。
本発明装置の更に別の好ましい態様においては、内部板状電極又は板状露出電極が、平滑表面を有する平滑板状電極、表面に凹凸構造物を有する凹凸板状電極、又は貫通孔を有する貫通孔板状電極である。
本発明装置の更に別の好ましい態様においては、第1電極群及び第2電極群がそれぞれ複数の電極列からなり、それらの電極列がそれぞれ平行に交互に配置されている。
本発明装置の更に別の好ましい態様においては、ハウジングと対向して接する位置に第1電極群に属する電極列を配置させると共に、第1電極群を接地させ、第2電極群を接地させない。
本発明装置の更に別の好ましい態様においては、ハウジングが接地されている。
本発明装置の更に別の好ましい態様においては、第1電極群に属する複数の電極列の少なくとも1列の全体が1つの板状電極に置き換えられており、更に好ましい態様においては、第1電極群に属する複数の電極列の全列がそれぞれ板状電極に置き換えられている。
本発明装置の更に別の好ましい態様においては、第2電極群に属する複数の電極列の少なくとも1列の全体が1つの板状電極に置き換えられており、更に好ましい態様においては、第2電極群に属する複数の電極列の全列がそれぞれ板状電極に置き換えられている。
本発明装置の更に別の好ましい態様においては、流入用開口部から排出用開口部への被処理気体の流れ方向に対して平行に板状電極を配置する。
本発明装置の更に別の好ましい態様においては、流入用開口部から排出用開口部への被処理気体の流れ方向に対して垂直方向に貫通孔板状露出電極を配置する。
また、本発明は、
被処理気体の流入用開口部と処理済み気体の排出用開口部とを有すると共に、複数の円筒状又は円柱状電極から構成される第1電極群と複数の円筒状又は円柱状電極から構成される第2電極群とを備えたハウジング内に被処理気体を通過させ、第1電極群に属する円筒状又は円柱状電極と第2電極群に属する円筒状又は円柱状電極との間に交流電位を印加することにより、被処理気体を励起する方法であって、
(1)第1電極群に属する円筒状又は円柱状電極が、内部棒状電極と、その内部電極の周囲を包囲する円筒状電極外被体とからなり、その絶縁性外被体の外側表面が被処理気体と接触する保護電極であり、
(2)第2電極群に属する円筒状又は円柱状電極が、
(a)前記と同様の保護電極であるか、あるいは
(b)電極表面が露出して、被処理気体と直接に接触する円筒状又は円柱状の露出電極である
前記の気体励起方法において、
前記第1電極群に属する複数の円筒状又は円柱状電極あるいは第2電極群に属する複数の円筒状又は円柱状電極を、1つの板状電極に置き換えたことを特徴とする、気体の励起方法にも関する。
本発明によれば、2つ又はそれ以上の保護電極を一体化した1つの板状保護電極に置き換えるか、あるいは、2つ又はそれ以上の露出電極を一体化した1つの板状露出電極に置き換えることにより、製造コスト及びメンテナンスコストを低減化させることができる。特に、多数の保護電極群を一体化した1つの板状保護電極に置き換えるか、あるいは、多数の露出電極群を一体化した1つの板状露出電極に置き換えることにより、製造コスト及びメンテナンスコストを低減化させることができる。
なお、従来法において用いられていた円筒状電極に変えて板状電極を用いても、気体の励起効率は、従来法と少なくとも同レベルであるか、若干向上する。
また、交流電位を印加して放電(無声放電)を発生させる保護電極と保護電極との組合せの内の一方の電極として、露出電極(すなわち、板状露出電極、あるいは円筒状又は円柱状の露出電極)を用いることにより、気体の励起効率を従来型装置よりも増加させることができるので、プラズマ発生量も増加し、従って、同じ印加電圧でより多くの気体を処理するか、あるいは同量の気体を低い印加電圧で処理することができる。
本発明においては、相互間で放電(無声放電)を発生させる第1電極群と第2電極群の内の一方の電極群をアース(接地)する必要はなく、更にハウジングをアース(接地)する必要もない。しかしながら、前記図16に示すタイプの従来型の気体励起装置と同様に、安全性を高めるために、第1電極群と第2電極群の内の一方の電極群及びハウジングをアースさせることが好ましい。そこで、最初に、一方の電極群とハウジングをアースさせる態様を説明し、その後で、アースを必要としない基本的な態様について説明する。
アースさせる態様の本発明装置は、前記図16に示すタイプの従来型の気体励起装置を改良した気体励起装置である。また、アースさせる態様の本発明装置には、
(1)非接地側電極が保護電極であり、接地側電極も保護電極である態様と、
(2)非接地側電極が保護電極であるのに対し、接地側電極が露出電極である態様と
がある。以下、本明細書では、前者(1)の態様を、保護・保護電極型装置と称し、後者(2)の態様を、保護・露出電極型装置と称することがある。
最初に、本発明による保護・保護電極型装置(1)と前記の従来型装置との基本構造の差異を図1及び図10(本発明装置)並びに図16〜18(従来型装置)に沿って説明する。
図18は、前記図16及び図17に示す従来型装置の基本的構造を示す模式的断面図である。従来型装置Pは、被処理気体Gの流入用開口部2と処理済み気体Cの排出用開口部3とを備えたハウジング1を有し、前記ハウジング1の内部には、円筒状保護電極6A,6B,6Bを備えている。前記の円筒状保護電極6A,6B,6Bは、それぞれ内部棒状電極6xと、その内部棒状電極6xの周囲を包囲する円筒状鞘体6yとを含む。前記円筒状保護電極6Aは電線9Aに接続し、前記円筒状保護電極6B,6Bは、それぞれ電線9Bに接続し、電線9A,9Bは交流電源9と接続している。また、電極6B,6Bは、ハウジング1内の外側に配置され、ハウジング1の内壁と対向して接するので、それらと接続する電線9Bは、アースされている。
従来型装置Pでは、図17に示すとおり、円筒状保護電極6A側は接地させずに、非接地側電極群6Hを形成し、一方、円筒状保護電極6B側は接地させて、接地側電極群6Lを形成する。また、それらの非接地側電極群6H及び接地側電極群6Lは、それぞれ、ハウジング1内で列状に1グループを構成し、各グループ(各列)が被処理気体Gの流れ方向に対して平行方向に配置されている。すなわち、ハウジング1の内壁に対向して接している位置(電極群の一方の端部)には、接地側電極群6Lの第1グループ(列)が、被処理気体Gの流れ方向に対して平行方向に配置される(従って、ハウジング1の内壁に対して平行方向に配置される)。続いて、接地側電極群6Lの第1グループ(列)と平行に、非接地側電極群6Hの第1グループ(列)が平行方向に配置され、以下、同様に、接地側電極群6Lの第2グループ(列)以下のグループ(列)と非接地側電極群6Hの第2グループ(列)以下のグループ(列)が交互に平行に配置され、ハウジング1のもう一方の内壁に対向して接している位置(電極群のもう一方の端部)には、接地側電極群6Lのグループ(列)が配置される。
図1は、本発明装置の基本的構造を示す模式的断面図である。本発明装置10は、被処理気体Gの流入用開口部12と処理済み気体Cの排出用開口部13とを備えたハウジング11を有し、前記ハウジング11の内部には、円筒状保護電極16Aと、板状保護電極14B,14Bとを備えている。従来型装置Pは、前記のとおり、円筒状保護電極6A,6B,6Bを備えているのに対し、本発明装置10は、円筒状保護電極6Bの代わりに、板状保護電極14Bを備えている点で異なる(なお、実際には、列状に配置された複数の円筒状保護電極6Bの代わりに、1つの板状保護電極14Bを備えている)。
前記の円筒状保護電極16Aは、従来型装置Pと同様に、内部棒状電極16xと、その内部棒状電極16xの周囲を包囲する円筒状鞘体16yとを含み、前記板状保護電極14Bは、内部板状電極14xと、その内部板状電極14xの周囲を包囲する直方体状鞘体14yとを含む。また、円筒状保護電極16Aは電線19Aと接続し、板状保護電極14B,14Bは、それぞれ電線19Bに接続し、電線19A,19Bは交流電源19と接続している。また、板状保護電極14B,14Bに接続する電線19Bは、好ましくはアースされている。
図10は、図1に示す基本構造を有する本発明装置10のハウジング11の側壁の一部を切り欠いて示す模式的斜視図であり、図11は、その模式的断面図である。図10及び図11から明らかなように、本発明装置10においては、図16及び図17に示す従来型装置Pにおいて、複数の円筒状保護電極から構成される接地側電極群6Lの各列が、それぞれ1つの板状保護電極14Bに置き換わった構造を有している。すなわち、ハウジング11の内壁に対向して接している位置(電極群の一方の端部)には、第1の板状保護電極14Bが、被処理気体Gの流れ方向に対して平行方向に配置される(従って、ハウジング11の内壁に対して平行方向に配置される)。続いて、円筒状保護電極16Aが列状に1グループを構成した非接地側電極群の第1列が、前記の第1板状保護電極14Bと平行方向に配置され、以下、同様に、第2以下の板状保護電極14Bと第2列以下の非接地側電極群が交互に平行に配置され、ハウジング11のもう一方の内壁に対向して接している位置(電極群のもう一方の端部)には、板状保護電極14Bが配置される。なお、円筒状保護電極16Aは、それぞれ電線19Aに接続して、板状保護電極14Bは、それぞれ電線19Bに接続して、そして電線19A,19Bは交流電源19と接続しており、円筒状保護電極16Aと板状保護電極14B,14Bとの間に高電圧が印加される。また、電線19Bは、ハウジング11と共にアースされている。更に、各電極の両端部は、それぞれハウジング11の支持壁11A,11Bで支持されている。
なお、板状保護電極14Bは、図10に示すように、被処理気体Gの流れ方向に沿って、ハウジング11における流入用開口部12の端部付近から排出用開口部13の端部付近に至るまで連続する1枚の板状保護電極で構成することができる。あるいは、前記の連続する1枚の板状保護電極を被処理気体Gの流れ方向に沿って、複数枚に分割した形態、すなわち、2枚以上の複数個の板状保護電極を、被処理気体Gの流れ方向に沿って列状に並べて構成することもできる。この場合、個々の板状保護電極のそれぞれは、従来の複数個の円筒状保護電極に相当する機能を有するものである。
図16及び図17に示す従来型装置Pにおいては、接地側電極群6Lの列状グループが、それぞれ多数の円筒状保護電極6Bを含んで構成されていたので、製造コストやメンテナンスコストが高くなる原因となっていた。これに対して、本発明装置10では、図10から明らかなように、多数の円筒状保護電極を1つの板状保護電極14Bの形態で含むので、製造コスト及びメンテナンスコストが大幅に低減される。
前記の保護電極16Aは、従来型装置Pと同様に、内部棒状電極16xと、その内部棒状電極16xの周囲を包囲する円筒状鞘体16yとを含み、前記の円筒状鞘体16yは、絶縁体材料からなる。内部棒状電極16xと円筒状鞘体16yの内側表面とは、完全な非接触状態でも、完全な接触状態でも、あるいは一部接触及び一部非接触の状態でもよい。内部棒状電極16xと円筒状鞘体16yの内側表面とが、少なくとも1部分で非接触状態である場合は、その空隙部には空気又は適当な保護ガスを充填するか、あるいは液体(例えば、油又は水)を充填して、被処理汚染大気との接触を防止するのが好ましい。
前記の板状保護電極14Bは、板状の内部電極14xと、その内部板状電極14xの周囲を包囲する直方体状鞘体14yとを含み、前記の直方体状鞘体14yは、絶縁体材料からなる。内部板状電極14xと直方体状鞘体14yの内側表面とは、完全な非接触状態でも、完全な接触状態でも、あるいは一部接触及び一部非接触の状態でもよい。内部板状電極14xと直方体状鞘体14yの内側表面とが、少なくとも1部分で非接触状態である場合は、その空隙部には空気又は適当な保護ガスを充填するか、あるいは液体(例えば、油又は水)を充填して、被処理汚染大気との接触を防止するのが好ましい。
前記の内部棒状電極16x及び内部板状電極14xは、任意の導電性材料から構成することができ、例えば、アルミニウム若しくはその合金、銅、炭素質材料、鉄若しくはその合金、あるいはタングステンを挙げることができる。前記の内部棒状電極16xの形状は、特に限定されるものではないが、棒状体(例えば、筒状体若しくは柱状体、特には、円筒状体若しくは円柱状体)、あるいは、導線それ自体若しくは導線を撚って製造した撚り線型電極であることもできる。
前記の内部板状電極14xの形状は、安定な放電が可能な板状である限り、特に限定されない。具体的には、例えば、平滑表面を有する平滑板状電極、表面に凹凸構造物を有する凹凸板状電極、又は貫通孔を有する貫通孔板状電極であることができる。平滑板状電極としては、例えば、図31に示すように、平滑平面310aを有する平板状電極310、あるいは図32に示すように、平滑曲面320aを有する平板状電極320を挙げることができる。なお、平滑曲面としては、図32に示すような平滑凸状曲面だけではなく、平滑凹状曲面も含まれる。
また、表面に凹凸構造物を有する凹凸板状電極としては、例えば、図33に示すように、平面330a上に多数の円錐状突起331をドット状に分散させて配置した凹凸板状電極330を挙げることができる。前記の突起の形状は、円錐状に限定されず、半球状や立方体状であることもできる。また、図34に示すように、平面340a上に多数の立方体状凹部341をドット状に有する凹凸板状電極340を挙げることができる。前記の凹部の形状は、立方体状に限定されず、円錐状や半球状であることもできる。
更に、前記凹凸板状電極として、例えば、図35に示すように、平行に設けた多数の帯状溝350aと帯状突起350bとを有する凹凸板状電極を挙げることができる。前記の帯状溝及び帯状突起は、直線上のみでなく、平行に設けた多数の曲線状であることもできる。また、前記凹凸板状電極としては、例えば、図36に示すように、断面が略半円状の帯状溝360aと断面が略半円状の帯状突起360bとによって、表面に波形を形成する凹凸板状電極を挙げることができる。
前記の内部板状電極は、一方の表面が平滑板状であり、もう一方の表面が凹凸板状であることもできる。あるいは、前記の内部板状電極は、両面が平滑板状又は凹凸板状であることもできる。この場合、各面の平滑板状の形状及び凹凸板状の形状は、それぞれ、同じであっても異なっていてもよい。
貫通孔板状電極としては、例えば、図37に示すように、導電性材料製の板に多数の孔部370aを打ち抜いて形成した多孔板状電極370を挙げることができる。また、後述するように、貫通孔板状電極は、例えば、細い導電性材料繊維から構成される網状電極であることもできる。
本発明による保護・保護電極型装置の別の態様を図2に沿って説明する。
図2は、前記図1と同様に本発明装置の基本的構造を示す模式的断面図である。図2に示す態様の本発明装置20は、被処理気体Gの流入用開口部22と処理済み気体Cの排出用開口部23とを備えたハウジング21を有し、前記ハウジング21の内部には、板状保護電極24A,24B,24Bを備えている。前記の板状保護電極24A及び24Bは、内部板状電極24xと、その内部板状電極24xの周囲を包囲する直方体状鞘体24yとを含む。また、板状保護電極24Aは電線29Aと接続し、板状保護電極24B,24Bは、それぞれ電線29Bに接続し、そして電線29A,29Bは交流電源29と接続しており、板状保護電極24Aと板状保護電極24B,24Bとの間に高電圧が印加される。また、板状保護電極24B,24Bに接続する電線29Bは、ハウジング21と共に好ましくはアースされている。
図12は、図2に示す基本構造を有する本発明装置20のハウジング21の側壁の一部を切り欠いて示す模式的斜視図であり、図13は、その模式的断面図である。従来型装置Pは、前記のとおり、円筒状保護電極6A,6B,6Bを備えているのに対し、図2、図12、及び図13に示す態様の本発明装置20は、円筒状保護電極6Aの代わりに、板状保護電極24Aを備え、円筒状保護電極6Bの代わりに、板状保護電極24Bを備えている点で異なる(なお、実際には、列状に配置された複数の円筒状保護電極6A,6Bの代わりに、1つずつの板状保護電極24A,24Bを備えている)。また、前記図1に示した態様では、従来型装置Pの接地側電極群6Lの各列を、それぞれ板状保護電極14Bに置き換えた構造を有しているのに対し、図2、図12、及び図13に示す態様では、更に、従来型装置Pの非接地側電極群6Hの各列も、それぞれ板状保護電極14Bに置き換えた構造を有しており、全電極群を板状保護電極とした態様である。従って、図2、図12、及び図13に示す態様では、製造コスト及びメンテナンスコストが更に大幅に低減される。なお、板状保護電極24A,24Bは、図12に示すように、被処理気体Gの流れ方向に沿って、ハウジング21における流入用開口部22の端部付近から排出用開口部23の端部付近に至るまで連続する1枚の板状保護電極で構成することができる。あるいは、2枚以上の複数個の板状保護電極で構成することもできる。
本発明による保護・保護電極型装置の更に別の態様を図3に沿って説明する。
図3も、前記図1と同様に本発明装置の基本的構造を示す模式的断面図である。
図3に示す態様の本発明装置30は、被処理気体Gの流入用開口部32と処理済み気体Cの排出用開口部33とを備えたハウジング31を有し、前記ハウジング31の内部には、板状保護電極34Aと、円筒状保護電極36B,36Bとを備えている。前記の円筒状保護電極36Bは、従来型装置Pと同様に、内部棒状電極36xと、その内部棒状電極36xの周囲を包囲する円筒状鞘体36yとを含み。前記の板状保護電極34Aは、内部板状電極34xと、その内部板状電極34xの周囲を包囲する直方体状鞘体34yとを含む。また、板状保護電極34Aは電線39Aと接続し、円筒状保護電極36B,36Bは、それぞれ電線39Bに接続し、そして電線39A,39Bは交流電源39と接続しており、板状保護電極34Aと円筒状保護電極36B,36Bとの間に高電圧が印加される。また、円筒状保護電極36B,36Bに接続する電線39Bは、ハウジング31と共に好ましくはアースされている。
従来型装置Pは、前記のとおり、円筒状保護電極6A,6B,6Bを備えているのに対し、図3に示す態様の本発明装置30は、円筒状保護電極6Aの代わりに、板状保護電極34Aを備えている点で異なる(なお、実際には、列状に配置された複数の円筒状保護電極6Aの代わりに、1つの板状保護電極34Aを備えている)。また、前記図1に示した態様では、従来型装置Pの接地側電極群6Lの各列を、それぞれ板状保護電極14Bに置き換えた構造を有しているのに対し、図3に示す態様では、逆に、従来型装置Pの非接地側電極群6Hの各列を、それぞれ板状保護電極34Aに置き換えた構造を有しており、従って、図3に示す態様も、前記と同様に、製造コスト及びメンテナンスコストが大幅に低減される。
本発明による保護・保護電極型装置では、前記の図1〜図3に示すように、非接地側電極群及び/又は接地側電極群に属する各列を、それぞれ一括して板状保護電極に置き換えることもできるが、非接地側電極群及び/又は接地側電極群に属する全体の列の一部の列のみを板状保護電極に置き換えることもできる。例えば、図10に示す態様において、ハウジング11の両側の内壁に対向して接している位置(電極群の両端部)に設ける電極群の列のみを板状保護電極に置き換え、それ以外の電極群の列を全て円筒状保護電極とすることもできる。あるいは、1列の円筒状保護電極群グループの一部のみを板状保護電極に置き換えることもできる。
次に、本発明による保護・露出電極型装置、すなわち、非接地側電極が保護電極であるのに対し、接地側電極が露出電極である態様の本発明による装置について、図4〜図6に沿って説明する。
図4は、前記図1と同様に本発明装置の基本的構造を示す模式的断面図である。
図4に示す態様の本発明装置40は、被処理気体Gの流入用開口部42と処理済み気体Cの排出用開口部43とを備えたハウジング41を有し、前記ハウジング41の内部には、円筒状保護電極46Aと、板状露出電極45B,45Bとを備えている。前記の円筒状保護電極46Aは、従来型装置Pと同様に、内部棒状電極46xと、その内部棒状電極46xの周囲を包囲する円筒状鞘体46yとを含む。また、円筒状保護電極46Aは電線49Aと接続し、板状露出電極45B,45Bは、それぞれ電線49Bに接続し、そして電線49A,49Bは交流電源49と接続しており、円筒状保護電極46Aと板状露出電極45B,45Bとの間に高電圧が印加される。また、板状露出電極45B,45Bに接続する電線49Bは、ハウジング41と同様に好ましくはアースされている。
前記の板状露出電極45B,45Bは、前記の保護・保護電極型装置に用いる板状保護電極における直方体状鞘体を取り払い、内部板状電極をそのまま露出した形態に相当し、安定な放電が可能な板状である限り、特に限定されない。具体的には、前記と同様に、平滑表面を有する平滑板状電極、表面に凹凸構造物を有する凹凸板状電極、又は貫通孔を有する貫通孔板状電極であることができる。
板状露出電極45B,45Bは、任意の導電性材料から構成することができ、例えば、アルミニウム若しくはその合金、銅、炭素質材料、鉄若しくはその合金、あるいはタングステンを挙げることができる。なお、前記の露出電極は、被処理気体と直接に接触するので、耐蝕性を有し、清浄操作や取替え操作などのメンテナンスが容易な金属、例えば、ステンレススチール(例えば、SUS)を用いるのが好ましい。
図18に示す従来型装置Pでは、非接地側円筒状保護電極6A内の内部棒状電極6xと両側の各接地側円筒状保護電極6B内の内部棒状電極6xとの間で放電が発生する。この従来型の放電では、1対の内部棒状電極6x,6xの間に、2つの円筒状鞘体6yの絶縁体層の2層が介在する。一方、図4に示す本発明装置40では、円筒状保護電極46A内の内部棒状電極46xと両側の各板状露出電極45B,45Bとの間で放電が起こる。この放電では、1つの内部棒状電極46xと各板状露出電極45B,45Bとの間には、1つの円筒状鞘体46yの絶縁体層の1層のみが介在するだけであり、励起能力が向上するので、オゾン発生量が著しく増大する。なお、図4に示す本発明装置40では、ハウジング41と板状露出電極45B,45Bとがアースされているので安全性が高く、例えば、ハウジング41と板状露出電極45B,45Bとの間で放電が発生しない。
また、従来型装置Pは、前記のとおり、列状の多数の円筒状保護電極6A,6B,6Bを備えているのに対し、図4に示す態様の本発明装置40は、列状の多数の円筒状保護電極6Bの代わりに、1つ又は小数の板状露出電極45Bを備えている点で異なり、従って、図4に示す態様においても、前記と同様に、製造コスト及びメンテナンスコストが大幅に低減される。
本発明による保護・露出電極型装置の別の態様を図5に沿って説明する。
図5は、前記図1及び図4と同様に本発明装置の基本的構造を示す模式的断面図である。図5に示す態様の本発明装置50は、被処理気体Gの流入用開口部52と処理済み気体Cの排出用開口部53とを備えたハウジング51を有し、前記ハウジング51の内部には、板状保護電極54Aと、板状露出電極55B,55Bを備えている。前記の板状保護電極54Aは、内部板状電極54xと、その内部板状電極54xの周囲を包囲する直方体状鞘体54yとを含む。また、板状保護電極54Aは電線59Aと接続し、板状露出電極55B,55Bは、それぞれ電線59Bに接続し、そして電線59A,59Bは交流電源59と接続しており、板状保護電極54Aと板状露出電極55B,55Bとの間に高電圧が印加される。また、板状露出電極55B,55Bに接続する電線59Bは、ハウジング51と共に好ましくはアースされている。
図5に示す本発明装置50では、板状保護電極54A内の内部板状電極54xと両側の板状露出電極55B,55Bとの間で放電が起こる。この放電では、1つの内部板状電極54xと各板状露出電極55B,55Bとの間には、1つの直方体状鞘体54yの絶縁体層の1層のみが介在するだけであり、励起能力が向上するので、オゾン発生量が著しく増大する。また、従来型装置Pは、前記のとおり、円筒状保護電極6A,6B,6Bを備えているのに対し、図5に示す態様の本発明装置50は、円筒状保護電極6A(実際には、列状に配置された複数の円筒状保護電極)の代わりに、1つ又は少数の板状保護電極54Aを備え、円筒状保護電極6B(実際には、列状に配置された複数の円筒状保護電極)の代わりに、1つ又は少数の板状露出電極55Bを備えている点で異なり、従って、図5に示す態様も、前記と同様に、製造コスト及びメンテナンスコストが大幅に低減される。
本発明による保護・露出電極型装置の更に別の態様を図6に沿って説明する。
図6は、前記図1及び図4と同様に本発明装置の基本的構造を示す模式的断面図である。図6に示す態様の本発明装置60は、被処理気体Gの流入用開口部62と処理済み気体Cの排出用開口部63とを備えたハウジング61を有し、前記ハウジング61の内部には、板状保護電極64Aと、円筒状又は円柱状露出電極67B,67Bを備えている。前記の板状保護電極64Aは、内部板状電極64xと、その内部板状電極64xの周囲を包囲する直方体状鞘体64yとを含む。また、板状保護電極64Aは電線69Aと接続し、円筒状又は円柱状露出電極67B,67Bは、それぞれ電線69Bに接続し、そして電線69A,69Bは交流電源69と接続しており、板状保護電極64Aと円筒状又は円柱状露出電極67B,67Bとの間に高電圧が印加される。また、円筒状又は円柱状露出電極67B,67Bに接続する電線69Bは、ハウジング61と共に好ましくはアースされている。
前記の円筒状又は円柱状露出電極は、前記の円筒状保護電極における円筒状鞘体を取り払い、内部棒状電極をそのまま露出した形態に相当する。すなわち、前記の円筒状又は円柱状露出電極は、任意の導電性材料から構成することができ、例えば、アルミニウム若しくはその合金、銅、炭素質材料、鉄若しくはその合金、あるいはタングステンを挙げることができる。また、前記の円筒状又は円柱状露出電極も、被処理気体と直接に接触するので、耐蝕性を有し、清浄操作や取替え操作などのメンテナンスが容易な金属、例えば、ステンレススチール(例えば、SUS)を用いるのが好ましい。更に、前記の円筒状又は円柱状露出電極の形状も特に限定されるものではないが、棒状体(例えば、筒状体若しくは柱状体、特には、円筒状体若しくは円柱状体)、あるいは、導線それ自体若しくは導線を撚って製造した撚り線型電極であることもできる。
図6に示す本発明装置60では、板状保護電極64A内の内部板状電極64xと両側の円筒状又は円柱状露出電極67B,67Bとの間で放電が起こる。この放電では、1つの内部板状電極64xと各円筒状又は円柱状露出電極67B,67Bとの間には、1つの直方体状鞘体64yの絶縁体層の1層のみが介在するだけであり、励起能力が向上するので、オゾン発生量が著しく増大する。また、従来型装置Pは、前記のとおり、円筒状保護電極6A,6B,6Bを備えているのに対し、図6に示す態様の本発明装置60は、円筒状保護電極6A(実際には、列状に配置された複数の円筒状保護電極)の代わりに、1つ又は少数の板状保護電極64Aを備えている点で異なり、従って、図6に示す態様も、前記と同様に、製造コスト及びメンテナンスコストが大幅に低減される。
次に、本発明による保護・露出電極型装置、すなわち、非接地側電極が露出電極であるのに対し、接地側電極が保護電極である態様の本発明による装置について、図7〜図9に沿って説明する。
本発明による保護・露出電極型装置の態様を図7に沿って説明する。
図7は、前記図1及び図4と同様に本発明装置の基本的構造を示す模式的断面図である。図7に示す態様の本発明装置70は、被処理気体Gの流入用開口部72と処理済み気体Cの排出用開口部73とを備えたハウジング71を有し、前記ハウジング71の内部には、板状露出電極75Aと、円筒状保護電極76B,76Bとを備えている。前記の円筒状保護電極76B,76Bは、従来型装置Pと同様に、内部棒状電極76xと、その内部棒状電極76xの周囲を包囲する円筒状鞘体76yとを含む。また、板状露出電極75Aは電線79Aに接続し、円筒状保護電極76B,76Bは、それぞれ電線79Bと接続し、そして電線79A,79Bは交流電源79と接続しており、板状露出電極75Aと円筒状保護電極76B,76Bとの間に高電圧が印加される。また、板状露出電極75Aに接続する電線79Aは、ハウジング71と同様に好ましくはアースされている。
図7に示す本発明装置70では、板状露出電極75Aと両側の各円筒状保護電極76B,76B内の内部棒状電極76xとの間で放電が起こる。この放電では、各板状露出電極75Aと1つの内部棒状電極76xとの間には、1つの円筒状鞘体76yの絶縁体層の1層のみが介在するだけであり、励起能力が向上するので、オゾン発生量が著しく増大する。なお、図7に示す本発明装置70では、ハウジング71と板状露出電極75Aとが接地(アース)されているので安全性が高く、ハウジング71と板状露出電極75Aとの間で放電が発生しない。また、従来型装置Pは、前記のとおり、円筒状保護電極6A,6B,6Bを備えているのに対し、図7に示す態様の本発明装置70は、円筒状保護電極6A(実際には、列状に配置された複数の円筒状保護電極)の代わりに、1つ又は少数の板状露出電極75Aを備えている点で異なり、従って、図7に示す態様も、前記と同様に、製造コスト及びメンテナンスコストが大幅に低減される。
本発明による保護・露出電極型装置の別の態様を図8に沿って説明する。
図8は、前記図1及び図4と同様に本発明装置の基本的構造を示す模式的断面図である。図8に示す態様の本発明装置80は、被処理気体Gの流入用開口部82と処理済み気体Cの排出用開口部83とを備えたハウジング81を有し、前記ハウジング81の内部には、板状露出電極85Aと、板状保護電極84B,84Bとを備えている。前記の板状保護電極84B,84Bは、内部板状電極84xと、その内部板状電極84xの周囲を包囲する直方体状鞘体84yとを含む。また、板状露出電極85Aは、それぞれ電線89Aに接続し、板状保護電極84B,84Bは電線89Bと接続し、そして電線89A,89Bは交流電源89と接続しており、板状露出電極85Aと板状保護電極84B,84Bとの間に高電圧が印加される。また、板状露出電極85Aに接続する電線89Aは、ハウジング81と共に好ましくはアースされていることが好ましい。
図8に示す本発明装置80では、板状露出電極85Aと両側の板状保護電極84B,84B内の内部板状電極84xとの間で放電が起こる。この放電では、各板状露出電極85Aと1つの内部板状電極84xとの間には、1つの直方体状鞘体84yの絶縁体層の1層のみが介在するだけであり、励起能力が向上するので、オゾン発生量が著しく増大する。また、従来型装置Pは、前記のとおり、円筒状保護電極6A,6B,6Bを備えているのに対し、図8に示す態様の本発明装置80は、円筒状保護電極6A(実際には、列状に配置された複数の円筒状保護電極)の代わりに、1つ又は少数の板状露出電極85Aを備え、円筒状保護電極6B,6B(実際には、列状に配置された複数の円筒状保護電極)の代わりに、1つ又は少数の板状保護電極84B,84Bを備えている点で異なり、従って、図8に示す態様も、前記と同様に、製造コスト及びメンテナンスコストが大幅に低減される。
本発明による保護・露出電極型装置の更に別の態様を図9に沿って説明する。
図9は、前記図1及び図4と同様に本発明装置の基本的構造を示す模式的断面図である。図9に示す態様の本発明装置90は、被処理気体Gの流入用開口部92と処理済み気体Cの排出用開口部93とを備えたハウジング91を有し、前記ハウジング91の内部には、円筒状又は円柱状露出電極97Aと、板状保護電極94B,94Bとを備えている。前記の板状保護電極94B,94Bは、内部板状電極94xと、その内部板状電極94xの周囲を包囲する直方体状鞘体94yとを含む。また、円筒状又は円柱状露出電極97Aは電線99Aに接続し、板状保護電極94B,94Bは、それぞれ電線99Bと接続し、そして電線99A,99Bは交流電源99と接続しており、円筒状又は円柱状露出電極97Aと板状保護電極94B,94Bとの間に高電圧が印加される。また、円筒状又は円柱状露出電極97Aに接続する電線99Aは、ハウジング91と共に好ましくはアースされている。
図9に示す本発明装置90では、円筒状又は円柱状露出電極97Aと両側の板状保護電極94B,94B内の内部板状電極94xとの間で放電が起こる。この放電では、露出電極97Aと各内部板状電極94xとの間には、1つの直方体状鞘体94yの絶縁体層の1層のみが介在するだけであり、励起能力が向上するので、オゾン発生量が著しく増大する。また、従来型装置Pは、前記のとおり、円筒状保護電極6A,6B,6Bを備えているのに対し、図9に示す態様の本発明装置90は、円筒状保護電極6B,6B(実際には、列状に配置された複数の円筒状保護電極)の代わりに、1つ又は少数の板状保護電極94B,94Bを備えている点で異なり、従って、図9に示す態様も、前記と同様に、製造コスト及びメンテナンスコストが大幅に低減される。
本発明による保護・露出電極型装置では、前記の図4〜図9に示すように、非接地側電極群及び/又は接地側電極群の各列を、それぞれ一括して板状保護電極及び/又は板状露出電極に置き換えることもできるが、非接地側電極群及び/又は接地側電極群の全列の一部の列のみを板状保護電極及び/又は板状露出電極に置き換えることもできる。あるいは、1列の円筒状保護電極群の一部のみを板状保護電極及び/又は板状露出電極に置き換えることができる。
本発明においては、前記の通り、前記図16に示すタイプの従来型の気体励起装置と同様に、安全性を高めるために、第1電極群と第2電極群の内の一方の電極群及びハウジングをアース(接地)させることが好ましい。しかしながら、本発明では、前記図16に示すタイプの従来型の気体励起装置と同様に、原理的には、第1電極群と第2電極群の内の一方の電極群アースさせる必要はなく、更に、ハウジングをアースさせる必要もない。このように、第1電極群と第2電極群の内の一方の電極群をアースさせず、更に、ハウジングもアースさせない態様について、その原理を以下に説明する。
図20は、従来型装置Pの電極の基本的構成を示す模式的断面図であり、前記図18に示す態様(第1電極群と第2電極群の内の一方の電極群及びハウジングをアースさせる態様)の基本的構成に相当する。図20に示す従来型装置Pは、被処理気体Gの流入用開口部2と処理済み気体Cの排出用開口部3とを備えたハウジング1を有し、前記ハウジング1の内部には、円筒状保護電極6A,6Bを備えている。前記の円筒状保護電極6A,6Bは、それぞれ内部棒状電極6xと、その内部棒状電極6xの周囲を包囲する円筒状鞘体6yとを含む。前記円筒状保護電極6Aは電線9Aに接続し、前記円筒状保護電極6Bは、それぞれ電線9Bに接続し、電線9A,9Bは交流電源9と接続している。また、電線及びハウジングは、共にアースされている必要はないが、アースされていてもよい。
これに対し、前記図1に示す本発明の保護・保護電極型装置の態様(第1電極群と第2電極群の内の一方の電極群及びハウジングをアースさせる態様)の基本的構成に相当する態様(アースを必須としない態様)を図21に示す。図21に示す本発明装置10は、被処理気体Gの流入用開口部12と処理済み気体Cの排出用開口部13とを備えたハウジング11を有し、前記ハウジング11の内部には、円筒状保護電極16Aと、板状保護電極14Bとを備えている。図20で示した従来型装置Pは、前記のとおり、多数の列状の円筒状保護電極6A,6Bを備えているのに対し、本発明装置10は、円筒状保護電極6Bの代わりに、1つないし小数の板状保護電極14Bを備えている点で異なる。前記の円筒状保護電極16Aは、従来型装置Pと同様に、内部棒状電極16xと、その内部棒状電極16xの周囲を包囲する円筒状鞘体16yとを含み、前記板状保護電極14Bは、内部板状電極14xと、その内部板状電極14xの周囲を包囲する直方体状鞘体14yとを含む。また、円筒状保護電極16Aは電線19Aと接続し、板状保護電極14Bは、それぞれ電線19Bに接続し、電線19A,19Bは交流電源19と接続している。また、電線及びハウジングは、共にアースされていても、されていなくてもよい。
ところで、図21に示す態様のように、前記ハウジング11と対向して接する位置に円筒状保護電極16A及び板状保護電極14Bを配置すると、前記両電極16A,14B間において発生する目的とする放電の他に、ハウジング11と電極16A,14Bのどちらか一方又は両方との間でも放電が発生するおそれがある。ハウジング11との間の放電が発生すると、ハウジング11を構成する材料によっては、放電によって劣化が起きる。ハウジング11は、本来、電極を固定したり、気体励起装置において他の電極群ブロック体Qを保持する機能を有しており、前記のような劣化は、望ましくない。従って、安全上においても、ハウジング11と前記両電極16A,14Bとの放電を防止することが望ましい。
ハウジング11とハウジング内壁に対向して接している位置に配置する電極群(外側電極)とをアース(接地)する目的は、前記ハウジング11と、円筒状保護電極16A又は板状保護電極14B電極との間で発生する放電を防止するためである。前記の放電を防止する別の手段としては、例えば、放電が発生しない程度にハウジング内壁と外側電極との間隔を設ける方法、又は外側電極とハウジング内壁との間で放電が生じない程度に、電極に印加する電圧を調節する方法等がある。
前記図2に示す本発明の保護・保護電極型装置の態様(アースさせる態様)の基本的構成に相当する態様(アースを必須としない態様)を図22に示す。図22に示す本発明装置20は、被処理気体Gの流入用開口部22と処理済み気体Cの排出用開口部23とを備えたハウジング21を有し、前記ハウジング21の内部には、板状保護電極24A,24Bを備えている。前記の板状保護電極24A及び24Bは、内部板状電極24xと、その内部板状電極24xの周囲を包囲する直方体状鞘体24yとを含む。また、板状保護電極24Aは電線29Aと接続し、板状保護電極24Bは、それぞれ電線29Bに接続し、そして電線29A,29Bは交流電源29と接続しており、板状保護電極24Aと板状保護電極24Bとの間に高電圧が印加される。また、電線及びハウジングは、共にアースされていても、されていなくてもよい。図22に示す本発明装置20において、ハウジング21と板状保護電極24A,24Bとの放電は、前記と同じ方法で防止することができる。
前記図4に示す本発明の保護・露出電極型装置の態様(アースさせる態様)の基本的構成に相当する態様(アースを必須としない態様)を図23に示す。図23に示す本発明装置40は、被処理気体Gの流入用開口部42と処理済み気体Cの排出用開口部43とを備えたハウジング41を有し、前記ハウジング41の内部には、円筒状保護電極46Aと、板状露出電極45Bとを備えている。前記の円筒状保護電極46Aは、従来型装置Pと同様に、内部棒状電極46xと、その内部棒状電極46xの周囲を包囲する円筒状鞘体46yとを含む。また、円筒状保護電極46Aは電線49Aと接続し、板状露出電極45Bは、それぞれ電線49Bに接続し、そして電線49A,49Bは交流電源49と接続しており、円筒状保護電極46Aと板状露出電極45Bとの間に高電圧が印加される。また、電線及びハウジングは、共にアースされていても、されていなくてもよい。
図23に示す本発明装置40において、ハウジング41と円筒状保護電極46A及び/又は板状露出電極45Bとの放電は、前記と同じ方法で防止することができる。なお、板状露出電極45Bの両端部は、円筒状保護電極46Aの両端部と同様に、一般に、それぞれハウジング41の同じ壁面で保持されているので、板状露出電極45Bと円筒状保護電極46Aとの間隔が狭い場合には、ハウジング41の保持壁面において沿面放電が発生する可能性がある。このような沿面放電を防止する手段としては、例えば、図27に示すように、板状露出電極5の両端部に、絶縁性材料からなる鞘体6zを設け、その鞘体6zを介して板状露出電極5をハウジング(図示せず)に固定し、板状露出電極5の露出端部5Aと、隣接する円筒状保護電極との沿面放電可能な距離を実質的に延長させる方法を挙げることができる。
次に、前記図5に示す本発明の保護・露出電極型装置の態様(アースさせる態様)の基本的構成に相当する態様(アースを必須としない態様)を図24に示す。図24に示す本発明装置50は、被処理気体Gの流入用開口部52と処理済み気体Cの排出用開口部53とを備えたハウジング51を有し、前記ハウジング51の内部には、板状保護電極54Aと、板状露出電極55Bを備えている。前記の板状保護電極54Aは、内部板状電極54xと、その内部板状電極54xの周囲を包囲する直方体状鞘体54yとを含む。また、板状保護電極54Aは電線59Aと接続し、板状露出電極55Bは電線59Bと接続し、そして電線59A,59Bは交流電源59と接続しており、板状保護電極54Aと板状露出電極55Bとの間に高電圧が印加される。また、電線及びハウジングは、共にアースされていても、されていなくてもよい。
図24に示す本発明装置50において、ハウジング51と板状保護電極54A及び/又は板状露出電極55Bとの放電は、前記と同じ方法で防止することができ、ハウジング51の保持壁面における沿面放電も、前記と同様の方法で防止することができる。
更に、前記図6に示す本発明の保護・露出電極型装置の態様(アースさせる態様)の基本的構成に相当する態様(アースを必須としない態様)を図25に示す。図25に示す本発明装置60は、被処理気体Gの流入用開口部62と処理済み気体Cの排出用開口部63とを備えたハウジング61を有し、前記ハウジング61の内部には、板状保護電極64Aと、円筒状又は円柱状露出電極67Bとを備えている。前記の板状保護電極64Aは、内部板状電極64xと、その内部板状電極64xの周囲を包囲する直方体状鞘体64yとを含む。また、板状保護電極64Aは電線69Aと接続し、円筒状又は円柱状露出電極67Bは、それぞれ電線69Bに接続し、そして電線69A,69Bは交流電源69と接続しており、板状保護電極64Aと円筒状又は円柱状露出電極67Bとの間に高電圧が印加される。また、電線及びハウジングは、共にアースされていても、されていなくてもよい。図25に示す本発明装置60において、ハウジング61と板状保護電極64A及び/又は円筒状又は円柱状露出電極67Bとの放電は、前記と同じ方法で防止することができ、ハウジング61の保持壁面における沿面放電も、前記と同様の方法で防止することができる。具体的には、例えば、図28に示すように、円筒状又は円柱状露出電極7の両端部に、絶縁性材料からなる鞘体6zを設け、その鞘体6zを介して円筒状又は円柱状露出電極7をハウジング1に固定し、板状露出電極7の露出端部7Aと、隣接する円筒状保護電極との沿面放電可能な距離を実質的に延長させることを挙げることができる。
図1〜図10に示すように、本発明の気体励起装置は、従来型装置Pと同様に、大略直方体状のハウジングの上面に相当する部分に被処理気体Gの流入用開口部を備え、前記ハウジング1の底面に相当する部分に処理済み気体Cの排出用開口部を備えている。また、高圧放電処理(励起処理)が実施される前記ハウジングの内部には、複数の各種電極が、それぞれ相互に間隔を隔てて放電可能な距離を開けて設けられ、しかも被処理気体の流れを妨害しない方向に配置されており、それら各電極の両端部は、それぞれハウジングの支持壁で支持されている。なお、前記ハウジングの内部での電極群の配置は、ハウジング内部で放電がほぼ均等に発生し、各電極間を通過する被処理気体がほぼ均等に処理されるように配置されているのが好ましい。
こうした本発明による気体処理装置の流入用開口部から被処理気体Gを流入すると、被処理気体Gは、円筒状保護電極と板状保護電極との間、又は板状保護電極と板状保護電極との間、あるいは、円筒状保護電極と板状露出電極との間、板状保護電極と板状露出電極との間、又は板状保護電極と円筒状又は円柱状露出電極との間を通過して、最終的に排出用開口部から排出される。また、その間に、非接地側電極群と接地側電極群とに電圧を印加すると、それらの電極間で放電が起こり、気体分子が励起状態となってラジカルが発生する。これらのラジカルにより、被処理気体中の悪臭物質が酸化分解されたり、あるいは、オゾンを生成させるので、被処理気体は酸化処理される。また、こうして発生したラジカル及びオゾンと共に被処理気体を排出用開口部から排出し、酸化促進触媒が充填されている触媒部(図示せず)に送付して、ラジカル及びオゾンと被処理気体との反応を更に進行させ、気体の処理を続行することができる。
本発明による保護・露出電極型装置において、板状露出電極として貫通孔板状電極を用いる場合には、例えば、図14及び図15に示すように、第1電極群(例えば、接地側板状露出電極)及び第2電極群(例えば、非接地側円筒状保護電極群)を、それぞれ、被処理気体Gの流れ方向に対して垂直方向になるように配置することができる。
図14は、こうした態様においてアースしている場合の本発明装置70のハウジング71の側壁の一部を切り欠いて示す模式的斜視図であり、図15は、その模式的断面図である。図14及び図15に示す態様の本発明装置70は、被処理気体Gの流入用開口部72と処理済み気体Cの排出用開口部73とを備えたハウジング71を有し、前記ハウジング71の内部には、非接地側電極群に属する円筒状保護電極76Aと、接地側電極として用いる板状露出電極75Bを備えている。前記の円筒状保護電極76Aは、内部棒状電極76xと、その内部棒状電極76xの周囲を包囲する円筒状鞘体76yとを含む。また、円筒状保護電極76Aは、それぞれ電線(図示せず)と接続し、板状露出電極75Bは、それぞれ電線(図示せず)に接続し、そして各電線は交流電源(図示せず)と接続している。また、板状露出電極75Bに接続する電線(図示せず)は、ハウジング71と共に好ましくはアースされている。
図14及び図15に示す本発明による気体処理装置70の流入用開口部72から被処理気体Gを流入すると、被処理気体Gは、各々の板状露出電極75Bにおける開口部を通過し、更に各々の円筒状保護電極76Aの間を通過して、最終的に排出用開口部73から排出される。また、その間に、円筒状保護電極76Aと板状露出電極75Bとに電圧を印加すると、円筒状保護電極76Aと板状露出電極75Bとの間で放電が起こり、気体分子が励起状態となってラジカルが発生する。これらのラジカルにより、被処理気体中の悪臭物質が酸化分解されたり、あるいは、オゾンを生成させるので、被処理気体は酸化処理される。また、こうして発生したラジカル及びオゾンと共に被処理気体を排出用開口部73から排出し、酸化促進触媒が充填されている触媒部(図示せず)に送付して、ラジカル及びオゾンと被処理気体との反応を更に進行させ、気体の処理を続行することができる。
前記図14及び図15に示す本発明の保護・露出電極型装置の態様(アースさせる態様)の基本的構成に相当する態様(アースを必須としない態様)を図26に示す。図26に示す本発明装置100は、被処理気体Gの流入用開口部102と処理済み気体Cの排出用開口部103とを備えたハウジング101を有し、前記ハウジング101の内部には、円筒状保護電極106Aと板状露出電極105Bを備えている。前記の円筒状保護電極106Aは、内部棒状電極106xと、その内部棒状電極106xの周囲を包囲する円筒状鞘体106yとを含む。また、円筒状保護電極106Aは、それぞれ電線(図示せず)と接続し、板状露出電極105Bは、それぞれ電線(図示せず)に接続し、そして各電線は交流電源(図示せず)と接続している。また、電線及びハウジングは、共にアースされていても、されていなくてもよい。
前記ハウジング101が円筒状保護電極106Aを保持している壁面における沿面放電を防止するには、例えば、図29に示すように、板状露出電極105Bの周囲に、それを包囲する絶縁性材料製鞘体6zを設け、その鞘体6zを介して板状露出電極105Bをハウジング(図示せず)に固定し、板状露出電極105Bの露出端部105Cと、隣接する円筒状保護電極106Aとの沿面放電可能な距離を実質的に延長させる方法を挙げることができる。
本発明の気体励起装置においては、前記の板状保護電極、板状露出電極、及び円筒状又は円柱状露出電極以外は、従来公知の気体励起装置(例えば、前記の特開平9−199261号公報又は米国特許第5,483,117号明細書に記載の装置)において使用されている各部品をそのまま使用することができる。
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1》
図2、図12、及び図13に示す本発明の気体励起装置20と同様の装置を用いて実施した。板状保護電極として、メッシュ板状のSUS電極(縦=16cm;横=2cm;厚さ=1mm)と、その周囲を包囲する直方体状ガラス製鞘体(ガラス層厚=1.2mm)とからなり、直方体状ガラス製鞘体内部に空気を充填した板状保護電極を用い、その電極25枚を、図12及び図13に示すように設置した。ハウジングとしては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)製直方体(縦=16cm;横=16cm;奥行き=11cm)を用いた。また、交流電源としては15KVの電源を用い、非接地側電極群24Aに含まれる板状保護電極を一括して接続した電線と、接地側電極群24Bに含まれる板状保護電極を一括して接続した電線とを電源に接続し、接地側電極24Bに含まれる板状保護電極を一括して接続した電線は、ハウジングと共にアースした。この装置に、被処理気体としての空気(常温)を、0.24m/秒の速度で通過させながら、印加交流電圧を0〜約8kVまで上昇させた。排出用開口部に設けた紫外線吸収方式測定器によってオゾン生成量を測定した。得られた結果を図30の曲線aに示す。
《実施例2》
前記実施例1で用いた気体励起装置において、接地側電極群24Bに属する板状保護電極の代わりに、板状露出電極を設置した本発明の気体励起装置(図5参照)を用いて、前記実施例1と同様の実験を行った。なお、板状露出電極としては、前記実施例1で用いたメッシュ板状のSUS電極をそのまま使用した。結果を図30の曲線bに示す。
《比較例1》
図16及び図17に示す従来型の気体励起装置を用いて、前記実施例1と同様の条件で実験を行った。すなわち、円筒状保護電極として、棒状アルミニウム内部電極(外径=1.5mm)と、円筒状ガラス製鞘体(外径=4mm)とからなり、ガラス製鞘体内部に空気を充填した保護電極を用い、接地側電極群(合計114個)と非接地側電極群(合計90個)を、図16及び図17に示すように設置した。ハウジングとしては、ポリフェニレンサルファイド製直方体(縦=48cm;横=48cm;奥行き=11cm)を用いた。また、交流電源としては15KVの電源を用い、接地側円筒状保護電極群を一括して接続した電線と、非接地側円筒状保護電極群を一括して接続した電線とに接続した。また、接地側円筒状保護電極群を一括して接続した電線と、ハウジングとを共にアースした。この装置に、被処理気体としての空気(常温)を、0.24m/秒の速度で通過させながら、印加交流電圧を0〜約14kVまで上昇させた。排出用開口部に設けた紫外線吸収方式測定器によってオゾン生成量を測定した。得られた結果を図30の曲線cに示す。
本発明によれば、製造コスト及びメンテナンスコストが低減した気体励起装置及び気体励起方法が提供される。
本発明による保護・保護電極型装置の一態様の基本的構造を示す模式的断面図である。 本発明による保護・保護電極型装置の別の態様の基本的構造を示す模式的断面図である。 本発明による保護・保護電極型装置の更に別の態様の基本的構造を示す模式的断面図である。 本発明による保護・露出電極型装置の一態様の基本的構造を示す模式的断面図である。 本発明による保護・露出電極型装置の別の態様の基本的構造を示す模式的断面図である。 本発明による保護・露出電極型装置の更に別の態様の基本的構造を示す模式的断面図である。 本発明による保護・露出電極型装置の一態様の基本的構造を示す模式的断面図である。 本発明による保護・露出電極型装置の別の態様の基本的構造を示す模式的断面図である。 本発明による保護・露出電極型装置の更に別の態様の基本的構造を示す模式的断面図である。 図1に示す本発明装置のハウジングの側壁の一部を切り欠いて示す模式的斜視図である。 図10に示す本発明装置の模式的断面図である。 図2に示す本発明装置のハウジングの側壁の一部を切り欠いて示す模式的斜視図である。 図12に示す本発明装置の模式的断面図である。 板状露出電極を用いる本発明装置のハウジングの側壁の一部を切り欠いて示す模式的斜視図である。 図14に示す本発明装置の模式的断面図である。 従来の気体処理装置のハウジングの側壁の一部を切り欠いて示す模式的斜視図である。 図16に示す従来の気体処理装置の模式的断面図である。 図16に示す従来の気体処理装置の基本的構造を示す模式的断面図である。 従来の気体処理装置において使用されている電極群ブロック体の模式的斜視図である。 図16に示す従来の気体処理装置の電極の基本的構成を示す模式的断面図である。 図1に示す本発明装置の電極の基本的構成を示す模式的断面図である。 図2に示す本発明装置の電極の基本的構成を示す模式的断面図である。 図4に示す本発明装置の電極の基本的構成を示す模式的断面図である。 図5に示す本発明装置の電極の基本的構成を示す模式的断面図である。 図6に示す本発明装置の電極の基本的構成を示す模式的断面図である。 図14に示す本発明装置の電極の基本的構成を示す模式的断面図である。 沿面放電を防止するための直方体状沿面放電防止用鞘体を有する露出電極の模式的斜視図である。 沿面放電を防止するための円筒状沿面放電防止用鞘体を有する露出電極の基本的構造を示す模式的断面図である。 沿面放電を防止するための沿面放電防止用鞘体を周縁に有する板状露出電極の模式的斜視図である。 実施例1〜2及び比較例1で実施した実験結果を示すグラフである。 本発明で用いることのできる平板状電極の斜視図である。 本発明で用いることのできる別の平板状電極の斜視図である。 本発明で用いることのできる凹凸板状電極の斜視図である。 本発明で用いることのできる別の凹凸板状電極の斜視図である。 本発明で用いることのできる更に別の凹凸板状電極の斜視図である。 本発明で用いることのできる更に別の凹凸板状電極の斜視図である。 本発明で用いることのできる貫通孔板状電極の斜視図である。
符号の説明
1,11,21,31,41,51,61,71,81,91,101・・・ハウジング;
1A,1B,11A,11B,21A,21B,101A,101B・・・支持壁;
2,12,22,32,42,52,62,72,82,92,102・・・流入用開口部;
3,13,23,33,43,53,63,73,83,93,103・・・排出用開口部;
14B,24A,24B,34A,54A,64A,84B,94B・・・板状保護電極;
14x,24x,34x,54x,64x,84x,94x・・・内部板状電極;
14y,24y,34y,54y,64y,84y,94y・・・直方体状鞘体;
5,45B,55B,75A,85A,105B・・・板状露出電極;
6A,6B,16A,36B,46A,76B,106A・・・円筒状保護電極;
6x,16x,36x,46x,76x,106x・・・内部棒状電極;
6y,16y,36y,46y,76y,76y・・・円筒状鞘体;
6z・・・沿面放電防止用鞘体
6H・・・非接地側電極群;6L・・・接地側電極群;
7,67B,97A・・・円筒状露出電極;
8A・・・左側板;8B・・・右側板;8C・・・中央支持板;
9,19,29,39,49,59,69,79,89,99・・・交流電源;
9A,19A,29A,39A,49A,59A,69A,79A,89A,99A・・・非接地側電線;
9B,19B,29B,39B,49B,59B,69B,79B,89B,99B・・・接地側電線;
P,10,20,30,40,50,60,70,80,90,100・・・気体励起装置;
310,320・・・平板状電極;310a・・・平滑平面;320a・・・平滑曲面;
330,340,350,360・・・凹凸板状電極;330a,340a・・・平面;
331・・・円錐状突起;341・・・立方体状凹部;350a・・・帯状溝;
350b・・・帯状突起;360a・・・波形帯状溝;360b・・・波形帯状突起;
370・・・多孔板状電極;370a・・・孔部;
Q・・・電極群ブロック体;G・・・被処理気体;C・・・処理済み気体。

Claims (14)

  1. 被処理気体の流入用開口部と処理済み気体の排出用開口部とを有するハウジング内に、複数の円筒状又は円柱状電極から構成される第1電極群と複数の円筒状又は円柱状電極から構成される第2電極群とを備え、第1電極群に属する円筒状又は円柱状電極と第2電極群に属する円筒状又は円柱状電極との間に交流電位を印加することができる気体励起装置であって、
    (1)第1電極群に属する円筒状又は円柱状電極が、内部棒状電極と、その内部棒状電極の周囲を包囲する円筒状絶縁性外被体とからなり、その絶縁性外被体の外側表面が被処理気体と接触する保護電極であり、
    (2)第2電極群に属する円筒状又は円柱状電極が、
    (a)前記と同様の保護電極であるか、あるいは
    (b)電極表面が露出して、被処理気体と直接に接触する円筒状又は円柱状の露出電極である
    前記の気体励起装置において、
    前記第1電極群に属する複数の円筒状又は円柱状電極あるいは第2電極群に属する複数の円筒状又は円柱状電極を、1つの板状電極に置き換えたことを特徴とする、気体の励起装置。
  2. 板状電極が、内部板状電極と、その内部板状電極の周囲を包囲する直方体状絶縁性外被体とからなる板状保護電極である、請求項1に記載の気体の励起装置。
  3. 板状電極が、板状露出電極である、請求項1に記載の気体の励起装置。
  4. 内部板状電極又は板状露出電極が、平滑表面を有する平滑板状電極、表面に凹凸構造物を有する凹凸板状電極、又は貫通孔を有する貫通孔板状電極である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の気体の励起装置。
  5. 第1電極群及び第2電極群がそれぞれ複数の電極列からなり、それらの電極列がそれぞれ平行に交互に配置されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の気体の励起装置。
  6. ハウジングと対向して接する位置に第1電極群に属する電極列を配置させると共に、第1電極群を接地させ、第2電極群を接地させない、請求項1〜5のいずれか一項に記載の気体の励起装置。
  7. ハウジングが接地されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の気体の励起装置。
  8. 第1電極群に属する複数の電極列の少なくとも1列の全体を1つの板状電極に置き換えた請求項1〜7のいずれか一項に記載の気体の励起装置。
  9. 第1電極群に属する複数の電極列の全列をそれぞれ板状電極に置き換えた請求項8に記載の気体の励起装置。
  10. 第2電極群に属する複数の電極列の少なくとも1列の全体を1つの板状電極に置き換えた請求項1〜9のいずれか一項に記載の気体の励起装置。
  11. 第2電極群に属する複数の電極列の全列をそれぞれ板状電極に置き換えた請求項10に記載の気体の励起装置。
  12. 流入用開口部から排出用開口部への被処理気体の流れ方向に対して平行に板状電極を配置する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の気体の励起装置。
  13. 流入用開口部から排出用開口部への被処理気体の流れ方向に対して垂直方向に貫通孔板状露出電極を配置する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の気体の励起装置。
  14. 被処理気体の流入用開口部と処理済み気体の排出用開口部とを有すると共に、複数の円筒状又は円柱状電極から構成される第1電極群と複数の円筒状又は円柱状電極から構成される第2電極群とを備えたハウジング内に被処理気体を通過させ、第1電極群に属する円筒状又は円柱状電極と第2電極群に属する円筒状又は円柱状電極との間に交流電位を印加することにより、被処理気体を励起する方法であって、
    (1)第1電極群に属する円筒状又は円柱状電極が、内部棒状電極と、その内部電極の周囲を包囲する円筒状電極外被体とからなり、その絶縁性外被体の外側表面が被処理気体と接触する保護電極であり、
    (2)第2電極群に属する円筒状又は円柱状電極が、
    (a)前記と同様の保護電極であるか、あるいは
    (b)電極表面が露出して、被処理気体と直接に接触する円筒状又は円柱状の露出電極である
    前記の気体励起方法において、
    前記第1電極群に属する複数の円筒状又は円柱状電極あるいは第2電極群に属する複数の円筒状又は円柱状電極を、1つの板状電極に置き換えたことを特徴とする、気体の励起方法。
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