JPWO2007080929A1 - ポリオキサレートウレタン - Google Patents

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Abstract

ポリオキサレートポリオール(A成分)、ポリエステルポリオール、ポリアルキレンエーテルポリオール、ポリヒドロキシカルボン酸ポリオールの少なくとも一つ(B成分)、鎖延長剤(C成分)、及び、ポリイソシアネート化合物(D成分)を反応させることで、耐久性(耐加水分解性)と生分解特性に優れるポリオキサレートウレタンが得られる。

Description

本発明は、新規なポリオキサレートウレタン、詳しくは、加水分解特性及び生分解特性に優れるポリオキサレートウレタンに関する。
生分解特性に優れたポリエステルウレタンとして、特許文献1にポリオキサレートウレタンが提案されている。しかし、このものは、生分解特性は優れているものの、加水分解速度が速く耐久性(耐加水分解性)の点で改良の余地が残されていた。なお、この文献には、ポリオキサレートウレタンに公知の各種添加剤や他の重合体を配合できることが記載されているが、このような問題を解決できる方法は何ら記載されていなかった。
特開2003−335837号公報
本発明は、公知のポリオキサレートウレタンが抱える問題を解決して、耐久性(耐加水分解性)に優れると共に生分解特性にも優れているポリオキサレートウレタンを提供することを課題とする。
本発明は以下の事項に関する。
1. ポリオキサレートポリオール(A成分)、ポリエステルポリオール、ポリアルキレンエーテルポリオール、ポリヒドロキシカルボン酸ポリオールの少なくとも一つ(B成分)、鎖延長剤(C成分)、及び、ポリイソシアネート化合物(D成分)を反応させて得られるポリオキサレートウレタン。
2. A成分が式(1)で表されるポリオキサレートジオールであり、B成分が、式(2)で表されるポリエステルジオール、式(3)で表されるポリアルキレンエーテルジオール、式(4)で表されるポリヒドロキシカルボン酸ジオールの少なくとも一つであり、D成分がジイソシアネート化合物である、上記1記載のポリオキサレートウレタン。
Figure 2007080929
(式中、Rは分岐構造又は脂環式構造を含んでいてもよい炭素数3〜12の二価の脂肪族炭化水素基を表し、nは重合度を表す正の整数である。)
Figure 2007080929

(式中、R及びRは分岐構造又は脂環式構造を含んでいてもよい炭素数2〜12の二価の脂肪族炭化水素基を表し、mは重合度を表す正の整数である。)
Figure 2007080929
(式中、R及びRは、分岐構造を含んでいてもよい、炭素数2〜6の二価の脂肪族炭化水素基を表し、kは重合度を表す正の整数である。)
Figure 2007080929
(式中、R及びRは分岐構造を含んでいてもよい炭素数2〜6の二価の脂肪族炭化水素基を表し、jは重合度を表す正の整数である。)
3. A成分及びB成分の合計とC成分とD成分の比「(A+B):C:D」がモル基準で1:0.5:1.5〜1:6:7である、上記1又は2記載のポリオキサレートウレタン。
4. A成分とB成分の比「A:B」が重量基準で5:95〜95:5である、上記3記載のポリオキサレートウレタン。
5. A成分及びB成分の数平均分子量がそれぞれ500〜5000の範囲である、上記1又は2記載のポリオキサレートウレタン。
本発明により、耐久性(耐加水分解性)に優れると共に生分解特性にも優れ、更に力学的性質及び熱的性質も一般的な熱可塑性ポリウレタンとして使用するに充分な性質を有するポリオキサレートウレタンを提供することができる。このため、本発明のポリオキサレートウレタンは、成形品、フィルム、シートなど、優れた生分解性材料として広範に利用することができ、非常に有用である。
〔A成分〕
A成分のポリオキサレートポリオールは、オキサレート源とポリオールを重縮合反応に付して得られる構造を有する化合物である。このオキサレート源としては、シュウ酸ジエステル、シュウ酸等が挙げられる。シュウ酸ジエステルが使用されるときは、エステル交換反応を伴う重縮合反応となる。オキサレート源としては、シュウ酸ジエステルが好ましく、例えば、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジプロピル、シュウ酸ジブチル等のシュウ酸ジアルキルや、シュウ酸ジフェニル等のシュウ酸ジアリールが単独又は複数で使用できる。この中ではシュウ酸ジメチルが最も好ましい。
また、ポリオールとしては、脂肪族ジオール、脂肪族トリオール、脂肪族テトラオール等の脂肪族ポリオールが好ましく挙げられる。この中では、式(5)で表される脂肪族ジオールが更に好ましく、式(5)中、Rは、炭素数が3〜12である二価の脂肪族炭化水素基であり、直鎖構造のものに限らず、分岐構造又は脂環式構造を含んでいるものであってもよい。また、前記重縮合反応や後述のポリウレタン化反応に関与しない置換基を有していてもよい。
Figure 2007080929
前記脂肪族ジオールとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等の直鎖構造のもの、ネオペンチルグリコール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジール等の分岐構造を含むもの、trans−1,4−シクロヘキサンジメタノール、cis−1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式構造を含むものなどが挙げられる。
また、ポリオールとして、脂肪族トリオールおよび脂肪族テトラオール等の3価以上のポリオールを使用すると、分子内に分岐構造が導入されるので、使用する場合は、得られる物性等を考慮して、ジオールと共に適宜併用することが好ましい。
前記重縮合反応は、末端が水酸基となるようにポリオールを過剰にして公知の方法により行なうことができる。その際、反応温度及び圧力は目的物が得られる条件であれば特に制限されないが、反応温度は120℃以上で350℃以下、反応圧力は1mmHg(133Pa)以上で760mmHg(1.01×10Pa)以下であることが好ましい。反応促進のため、反応で生成するアルコール等は反応系外に抜き出すことが好ましく、そのためには、反応器に蒸留塔を設けることが好ましく、更に不活性ガス(窒素、ヘリウム、アルゴン等)流通下で反応させてもよく、温度や圧力を変動させてもよく、公知の触媒を添加することもできる。触媒としては、エステル交換触媒が好ましく、例えば、チタン、亜鉛、ゲルマニウム、鉄、スズ等の金属の化合物が挙げられるが、中でもテトラアルコキシチタン(テトラ−n−ブトキシチタン等)が好ましい。触媒の添加量及び添加時期は、反応を促進できる条件であれば特に制限されない。
A成分のポリオキサレートポリオールの中では、前記式(1)で表されるポリオキサレートジオールが好ましく、式(1)中、nはポリオキサレートジオールの重合度(繰り返し構造単位「−ROCOCOO−」の繰り返し個数)を表し、数平均分子量に関連付けられる。Rは一種であっても二種以上含まれていても差し支えない。なお、ポリオキサレートポリオールの数平均分子量は500〜5000、特に1000〜3000の範囲であることが好ましい。
〔B成分〕
B成分は、ポリエステルポリオール、ポリアルキレンエーテルポリオール、およびポリヒドロキシカルボン酸ポリオールの少なくとも一つから成る。
このうち、ポリエステルポリオールは、ジカルボン酸源とポリオールを重縮合反応に付して得られる構造を有する化合物である。このジカルボン酸源としては、式(6)で表される脂肪族ジカルボン酸が好ましく、式(6)中、Rは、分岐構造或いは脂環式構造を含んでいてもよい炭素数2〜12の二価の脂肪族炭化水素基であり、上記重縮合反応や後述のポリウレタン化反応に関与しない置換基を有していてもよい。また、脂肪族ジカルボン酸のジエステルも好ましく挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等が挙げられる。
Figure 2007080929
また、ポリオールとしては、脂肪族ジオール、脂肪族トリオール、脂肪族テトラオール等の脂肪族ポリオールが好ましく挙げられる。この中では、式(7)で表される脂肪族ジオールが更に好ましく、式(7)中、Rは、分岐構造或いは脂環式構造を含んでいてもよい炭素数2〜12の二価の脂肪族炭化水素基であり、前記重縮合反応や後述のポリウレタン化反応に関与しない置換基を有していてもよい。この脂肪族ジオールとしては、エチレングリコールの他、式(5)で表される脂肪族ジオールと同様のものが挙げられる。
Figure 2007080929
また、ポリオールとして、脂肪族トリオールおよび脂肪族テトラオール等の3価以上のポリオールを使用すると、分子内に分岐構造が導入されるので、使用する場合は、得られる物性等を考慮して、ジオールと共に適宜併用することが好ましい。
前記重縮合反応は、末端が水酸基となるようにポリオールを過剰にして公知の方法により行なうことができ、例えば、前記脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールを、必要に応じて二種以上を使用し、前者1モルに対して、後者が1.01モル以上、更には1.05モル以上でかつ2モル以下、更には1.2モル以下の仕込みモル比で脱水重縮合反応させればよい。このとき、反応温度、反応圧力、反応促進のための各種方法などは、前記のポリオキサレートポリオールを得る場合と同様である。
B成分のポリエステルポリオールの中では、前記式(2)で表されるポリエステルジオールが好ましく、式(2)中、mはポリエステルジオールの重合度(構造単位「−ROCORCOO−」の繰り返し個数)を表し、数平均分子量に関連付けられる。R及びRは一種であっても二種以上含まれていても差し支えない。なお、ポリエステルポリオールの数平均分子量は500〜5000、特に1000〜3000の範囲であることが好ましい。
B成分のうち、ポリアルキレンエーテルポリオールは、エーテル源とポリオールを重合反応に付して得られる構造を有する化合物である。このエーテル源としては、式(8)で表されるアルキレンオキサイドが好ましく、式(8)中、Rは、分岐構造を含んでいてもよい炭素数2〜6の二価の脂肪族炭化水素基であり、上記重合反応や後述のポリウレタン化反応に関与しない置換基を有していてもよい。アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン等が挙げられる。
Figure 2007080929

また、ポリオールとしては、脂肪族ジオール、脂肪族トリオール、脂肪族テトラオール等の脂肪族ポリオールが好ましく挙げられる。この中では、式(9)で表される脂肪族ジオールが更に好ましく、式(9)中、Rは、分岐構造を含んでいてもよい炭素数2〜6の二価の脂肪族炭化水素基であり、前記重合反応や後述のポリウレタン化反応に関与しない置換基を有していてもよい。この脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
Figure 2007080929
また、ポリオールとして、脂肪族トリオールおよび脂肪族テトラオール等の3価以上のポリオールを使用すると、分子内に分岐構造が導入されるので、得られる物性等を考慮して、ジオールと共にまたは単独で適宜使用してもよい。
前記重合反応は公知の方法により行なうことができ、例えば、前記アルキレンオキサイドと前記脂肪族ジオールを開環付加重合反応させればよい。この反応は通常の条件で行なうことができ、無触媒又は触媒(アルカリ触媒、アミン系触媒、酸性触媒等)存在下に常圧又は加圧下に1段階又は多段階で行なうことができる。
B成分のポリアルキレンエーテルポリオールの中では、前記式(3)で表されるポリアルキレンエーテルジオールが好ましく、式(3)中、kはポリアルキレンエーテルジオールの重合度(構造単位「−RO−」の繰り返し個数)を表し、数平均分子量に関連付けられる。R及びRは一種であっても二種以上含まれていても差し支えない。なお、ポリアルキレンエーテルポリオールの数平均分子量は500〜5000、特に1000〜3000の範囲であることが好ましい。
B成分のうち、ポリヒドロキシカルボン酸ポリオールは、ヒドロキシカルボン酸源とポリオールを重合反応に付して得られる構造を有する化合物である。このヒドロキシカルボン酸源としては、式(10)で表される脂肪族環状エステルが好ましく、式(10)中、Rは、分岐構造を含んでいてもよい炭素数2〜6の二価の脂肪族炭化水素基であり、上記重合反応や後述のポリウレタン化反応に関与しない置換基を有していてもよい。脂肪族環状エステルとしては、例えば、L−ラクチド、D−ラクチド、D,L−ラクチド、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
Figure 2007080929

また、ポリオールとしては、脂肪族ジオール、脂肪族トリオール、脂肪族テトラオール等の脂肪族ポリオールが好ましく挙げられる。この中では、式(11)で表される脂肪族ジオールが更に好ましく、式(11)中、Rは、分岐構造を含んでいてもよい炭素数2〜6の二価の脂肪族炭化水素基であり、前記重合反応や後述のポリウレタン化反応に関与しない置換基を有していてもよい。この脂肪族ジオールとしては、式(9)で表される脂肪族ジオールと同様のものが挙げられる。
Figure 2007080929
また、ポリオールとして、脂肪族トリオールおよび脂肪族テトラオール等の3価以上のポリオールを使用すると、分子内に分岐構造が導入されるので、得られる物性等を考慮して、ジオールと共にまたは単独で適宜使用してもよい。
前記重合反応は公知の方法により行なうことができ、例えば、前記脂肪族ジオールを開始剤として前記脂肪族環状エステルを開環重合反応させればよい。この反応は通常の条件で行なうことができ、アンチモン、チタン、亜鉛、ゲルマニウム、鉄、スズ等の金属の化合物等の触媒存在下に常圧又は減圧下で行なうことができる。
B成分のポリヒドロキシカルボン酸ポリオールの中では、前記式(4)で表されるポリヒドロキシカルボン酸ジオールが好ましく、式(4)中、jはポリヒドロキシカルボン酸ジオールの重合度(構造単位「−RCOO−」の繰り返し個数)を表し、数平均分子量に関連付けられる。R及びRは一種であっても二種以上含まれていても差し支えない。なお、ポリヒドロキシカルボン酸ポリオールの数平均分子量は500〜5000、特に1000〜3000の範囲であることが好ましい。
〔C成分〕
C成分の鎖延長剤としては、イソシアネート基と反応する水素原子を少なくとも2個有する低分子化合物が挙げられる。このような化合物にはポリオールやポリアミンがあり、ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ジヒドロキシエチルシクロヘキサン等の分岐構造又は脂環式構造を含んでいてもよい炭素数2〜12の脂肪族ジオールが好ましく挙げられる。
また、ポリアミンとしては、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ピペラジン等の分岐構造又は脂環式構造を含んでいてもよい炭素数2〜12の脂肪族ジアミンや、m−(又はp−)キシリレンジアミン、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)等の炭素数6〜18の芳香族ジアミンが好ましく挙げられる。
更に、脂肪族アミノアルコール(2−エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等)、芳香族アミノアルコール(N−フェニルジプロパノールアミン等)、ヒドロキシアルキルスルファミド(ヒドロキシエチルスルファミド、ヒドロキシエチルアミノエチルスルファミド等)、尿素、水なども鎖延長剤として挙げられる。これら鎖延長剤は単独でも複数でも使用できる。
〔D成分〕
D成分のポリイソシアネート化合物としては、脂肪族又は芳香族の各種ポリイソシアネートが挙げられる。脂肪族ポリイソシアネートは、その多価の脂肪族炭化水素基が、直鎖構造のものに限らず、分岐構造又は脂環式構造を含んでいるものでもよく、酸素原子を含んでいるものでもよい。また、芳香族ポリイソシアネートは、多価の芳香族炭化水素基を分子中に含むものであれば、特に制限されない。ポリイソシアネート化合物の中では、ジイソシアネート化合物が好ましく、例えば、脂肪族又は芳香族の各種ジイソシアネートが挙げられる。D成分のポリイソシアネートは単独又は複数で使用できる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート−ビウレット体、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、p−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート、トリレンジソシアネートトリメチロールプロパンアダクト、トリフェニルメタントリイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリイソシアネートフェニルチオホスフェート等が挙げられる。
これらジイソシアネートの中では、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが特に好ましい。
〔ポリオキサレートウレタン〕
本発明のポリオキサレートウレタンは、ポリオキサレートポリオール(A成分)、ポリエステルポリオール、ポリアルキレンエーテルポリオール、ポリヒドロキシカルボン酸ポリオールの少なくとも一つ(B成分)、鎖延長剤(C成分)、及び、ポリイソシアネート化合物(D成分)を反応(ポリウレタン化反応)させて得られ、その数平均分子量は好ましくは10000〜200000の範囲である。
ここで、A成分及びB成分の合計とC成分とD成分の比「(A+B):C:D」はモル基準で1:0.5:1.5〜1:6:7の範囲であることが好ましい。但し、A成分及びB成分の混合物とC成分に含まれる活性水素の合計量:イソシアネート基が、当量比で1:0.8〜1:1.2、更には1:0.95〜1:1.05になるようにD成分を使用することが好ましい。また、A成分とB成分の比「A:B」は重量基準で5:95〜95:5、更には10:90〜70:30、特に20:80〜50:50の範囲であることが好ましい。なお、A成分及びB成分では、その脂肪族炭化水素基が異なっていてもよく、数平均分子量が異なっていてもよい。
ポリウレタン化反応は無溶剤下で行なうことができ、また、イソシアネート基に対して不活性な溶剤の存在下でも行なうことができる。無溶剤下の反応の場合、A成分及びB成分の混合物とC成分を混合し、これにD成分を混合して全量を一度に反応させるか、或いは、A成分及びB成分の混合物とD成分を反応させてイソシアネート基を有するプレポリマーを得た後、これにC成分を混合・反応させるか、或いは、A成分及びB成分の混合物とC成分を混合し、これにD成分の一部を混合・反応させて水酸基を有するプレポリマーを得た後、更に残余のD成分を混合・反応させることにより、ポリウレタン化反応を行なうことができる。無溶剤下の場合の反応温度は80〜180℃であることが好ましい。
溶剤存在下の反応の場合、A成分及びB成分の混合物を溶剤に溶解し、更にC成分を混合した後、これにD成分を混合して全量を一度に反応させるか、或いは、A成分及びB成分の混合物を溶剤に溶解し、これにD成分を混合・反応させてイソシアネート基を有するプレポリマーを得た後、これにC成分を混合・反応させるか、或いは、A成分及びB成分の混合物を溶剤に溶解し、これにC成分とD成分の一部を混合・反応させて水酸基を有するプレポリマーを得た後、更に残余のD成分を混合・反応させることにより、ポリウレタン化反応を行なうことができる。溶剤存在下の場合の反応温度は20〜100℃であることが好ましい。溶剤としては、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、クロロホルムなどが代表的なものである。なお、ポリウレタン化反応では、反応促進のために公知のアミン系又はスズ系の触媒を使用してもよい。
本発明のポリオキサレートウレタンは、イソシアネート基と反応する水素原子を少なくとも2個有する化合物或いはイソシアネート基を少なくとも2個有する化合物と更に反応させることにより、高分子量化又は網状化することができる。また、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有する化合物或いはイソシアネート基と反応する水素原子を少なくとも3個有する化合物と反応させることにより、架橋構造を導入することもできる。
また、本発明のポリオキサレートウレタンは、他のポリウレタンとブレンドすることによりポリオキサレートウレタン組成物とすることもできる。他のポリウレタンは公知の熱可塑性ポリウレタンであればよく、例えば、アジペート系、ラクトン系及びエーテル系などの熱可塑性ポリウレタンが好適に使用される。この組成物において、本発明のポリオキサレートウレタンと他のポリウレタンの割合は、前者:後者(重量比)が5:95〜95:5、更には10:90〜90:10、特に20:80〜80:20の範囲であることが好ましい。本発明のポリオキサレートウレタン及び他のポリウレタンは単独でも複数でも使用できる。なお、A成分、C成分、D成分から得られるポリオキサレートウレタンも他のポリウレタンとブレンドすることにより同様の組成物とすることができる。
前記ブレンドの最も一般的な方法は、公知の連続式混練装置(一軸押出機、二軸押出機、二軸ローター混練機等)や、バッチ式混練装置(オープンロール、ニーダー、バンバリーミキサー等)を使用して溶融混練する方法であり、混練方法や混練条件について特に制限はない。また、溶剤を用いて溶液ブレンドする方法でも差し支えない。
本発明のポリオキサレートウレタン及びその組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で公知の各種添加剤や他の重合体を単独又は複数で配合しても差し支えない。配合可能な添加剤としては、結晶核剤、顔料、染料、耐熱剤、着色防止剤、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、帯電防止剤、安定剤、充填剤(タルク、クレイ、ゼオライト、ゾノトライト、炭酸カルシウム、カーボンブラック、シリカ粉末、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、樹脂型マイクロバルーン、無機型マイクロバルーン等)、強化材(ガラス繊維、炭素繊維、シリカ繊維等)、難燃剤、可塑剤、防水剤(ワックス、シリコンオイル、高級アルコール、ラノリン等)などが挙げられる。
他の配合可能な重合体としては、天然又は合成の高分子材料を挙げることができ、例えば、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリコハク酸エステル、ポリ(3−ヒドロキシブタン酸)、(3−ヒドロキシブタン酸/4−ヒドロキシブタン酸)コポリマー、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリグルタミン酸エステル、酢酸セルロース、アルギン酸、キトサン、澱粉などのプラスチック材料や、天然ゴム、ポリエステルゴム、ポリアミドゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、水添SBSなどのゴム又はエラストマーが挙げられる。
また、本発明のポリオキサレートウレタン及びその組成物は、公知の溶融加工法(射出成形、押出成形、プレス成形、中空成形、熱成形等)を適用して、フィルム、シート、繊維、不織布、容器、各種農・産業資材又は部材などの成形物にすることができる。このうち、射出成形物の用途としては、シール材、ギア、コネクター、スポーツシューズ、マリンスポーツ用品、時計バンド、キャスター、ローラー、婦人靴のヒールトップ、精密研磨パッド、湿式フィルタ、スポンジロールなどが挙げられる。また、押出成形物の用途としては、各種ホース、チューブ、エンベアベルト、エアーマット、ターポリン(野積シート用、レジャーバック用、土木シート用、機械カバー用など)、ケーブル被覆、各種ロープなどが挙げられる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、ポリオキサレートジオールの物性は下記1〜2の方法により、ポリオキサレートウレタン及びポリオキサレートウレタン組成物の物性は下記3〜7の方法によりそれぞれ測定した。
1.数平均分子量(M):H−NMR測定を以下の条件で行なって下記計算式により算出した。式中、SOCOCOOはオキサレート結合に隣接するメチレンのプロトンの積分値、SOHは末端水酸基に隣接するメチレンのプロトンの積分値、Munitはポリオキサレートジオール中の繰り返し構造単位の分子量、Mdiolはポリオキサレートジオール原料の脂肪族ジオールの分子量を表す。
・使用機種:日本電子製JNM−EX400WB
・溶媒:CDCl
・積算回数:32回
・試料濃度:5重量%
・計算式:M=SOCOCOO/SOH×Munit+Mdiol
2.融点(T):示差走査熱量計(DSC−50;島津製作所製)を用いて、窒素ガス雰囲気中、昇温速度10℃/分の条件で測定した。
3.ガラス転移温度(T):融点と同様に測定した。
4.粘度(Pa・sec):E型粘度計(東京計器製)を用いて測定した。
5.引張特性:JIS−K7311に従い、引張試験機(テンシロンUCT−5T;オリエンテック製)を用いて、23℃及び50%RHの条件で測定して、引張弾性率、引張強度、破断伸びを求めた。
6.耐加水分解特性:JIS2号引張試験片を23℃の純水中に浸漬した後、引張特性を前記のように測定して破断伸びの保持率から評価した。
7.生分解特性:試験片(1cm×1cm)を堆肥(ホーチコン(JA製)を5メッシュ以下に粉砕したもの;30℃)中に埋設し、1週間ごとに取出してその重量残存率を測定した。
〔参考例1〕<ポリオキサレートジオールの製造>
攪拌機、温度計及び蒸留塔(分留管、還流ヘッド、コンデンサーを塔頂部に備える)を装着した内容積1L(リットル)のガラス製反応器に、シュウ酸ジメチル(DMO)372.0g(3.15モル)、1,6−ヘキサンジオール(HDL)531.8g(4.508モル)、及びテトラ−n−ブトキシチタン(TBT)0.027g(DMO及びHDLの合計量に対して重量基準で30ppm)を仕込み、メタノールを留出させながら、常圧下160℃で3時間、更に300mmHg(4×10Pa)下170℃で1時間反応させた。次いで、180℃に昇温すると共に100mmHg(1.33×10Pa)に減圧して5時間、更に5mmHg(666Pa)で2時間反応させた。最後に、反応物にTBTと等モル量のリン酸ジブチルを加え、常圧下95℃で3時間攪拌して触媒を失活させた。得られたポリオキサレートジオール(PHMOD−1;ポリヘキサメチレンオキサレートジオール)は、Mが2089、Tが72℃であった。
〔参考例2〕<ポリオキサレートジオールの製造>
攪拌機、温度計及び蒸留塔(分留管、還流ヘッド、コンデンサーを塔頂部に備える)を装着した内容積3Lのガラス製反応器に、DMO1116g(9.45モル)、HDL1595g(13.50モル)、及びTBT0.081g(DMO及びHDLの合計量に対して重量基準で30ppm)を仕込み、メタノールを留出させながら、常圧下170℃で3時間、更に300mmHg下170℃で1時間反応させた。次いで、180℃に昇温すると共に100mmHgに減圧して4時間、200℃に昇温すると共に1mmHg(133Pa)に減圧して2.5時間反応させた。最後に、反応物にTBTと等モル量のリン酸ジブチルを加え、常圧下120℃で2時間攪拌して触媒を失活させた。得られたポリオキサレートジオール(PHMOD−2;ポリヘキサメチレンオキサレートジオール)は、Mが1963、Tが72℃であった。
〔実施例1〕
攪拌機、温度計及び冷却管を装着した内容積1Lのガラス製反応器に、参考例1で得られたポリオキサレートジオール(PHMOD−1)25g(0.0120モル)とポリエチレンアジペートジオール(PEAD;日本ポリウレタン製ニッポラン4040;M=2047、T=46℃)25g(0.0122モル)を仕込み、窒素雰囲気下100℃で1時間攪拌混合した後、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI;日本ポリウレタン製)12.1g(0.0484モル)を加えて同温度で2時間反応させた。その後、反応液を室温まで放冷してジメチルホルムアミド(DMF)139gに完全に解させた。次いで、この溶液を3℃に冷却し、1,2−プロピレンジアミン(PDA;DMF10gに溶解させたもの)1.79g(0.0241モル)を加えて激しく攪拌しながら5分間反応させ、続いて50℃まで昇温して少しずつMDIを加えながら反応させ、粘度(50℃)が11.6Pa・secになった時点で反応を終了させた。
反応終了後、反応液にDMFを加えてポリオキサレートウレタン濃度を31重量%に調整し、得られた溶液を離型性のあるガラス板にキャストして、70℃で1時間、次いで120℃で2時間乾燥して約200μmのフィルムを得た。このフィルムを用いてポリオキサレートウレタンの物性を評価した結果を表1及び2に示す。
〔実施例2〕
PHMOD−1仕込み量を15g(0.0072モル)、PEAD仕込み量を35g(0.0171モル)、MDI使用量を12.2g(0.0486モル)に変え、PDA使用量を1.80g(0.0243モル)に変え、粘度(50℃)が11.3Pa・secになった時点で反応を終了させた以外は、実施例1と同様に反応を行なった。反応終了後、実施例1と同様に約200μmのフィルムを得てポリオキサレートウレタンの物性を評価した。その結果を表1及び2に示す。
〔実施例3〕
PHMOD−1仕込み量を5g(0.0024モル)、PEAD仕込み量を45g(0.220モル)、MDI使用量を12.2g(0.0486モル)に変え、PDA使用量を1.81g(0.0244モル)に変え、粘度(50℃)が12.4Pa・secになった時点で反応を終了させた以外は、実施例1と同様に反応を行なった。反応終了後、実施例1と同様に約200μmのフィルムを得てポリオキサレートウレタンの物性を評価した。その結果を表1及び2に示す。
〔実施例4〕
PHMOD−1仕込み量を25g(0.0120モル)に変え、PEADをポリヘキサメチレンセバケートジオール(PHSD;宇部興産製エタナコール3020;M=3643、T=65℃)44g(0.0121モル)に変えた以外は、実施例1と同様に反応を行なった。反応終了後、実施例1と同様に約200μmのフィルムを得てポリオキサレートウレタンの物性を評価した。その結果を表1及び2に示す。
〔実施例5〕
PHMOD−1仕込み量を5g(0.0024モル)に変え、PEADをポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG;保土谷化学製PTG2000SN;M=1993、T=34℃)45g(0.0226モル)に変え、MDI使用量を12.5g(0.050モル)に変えた以外は、実施例1と同様に反応させて、反応液をDMF140gに完全に溶解させた。次いで、PDA使用量を1.85g(0.0250モル)に変え、粘度(50℃)が26.8Pa・secになった時点で反応を終了させた以外は、実施例1と同様に反応を行なった。反応終了後、ポリオキサレートウレタン濃度を30重量%に調整した以外は、実施例1と同様に約200μmのフィルムを得てポリオキサレートウレタンの物性を評価した。その結果を表1及び2に示す。
〔実施例6〕
実施例1と同様の反応器に、ポリオキサレートジオール(PHMOD−1)6g(0.0029モル)、ポリカプロラクトンジオール(PCLD;東亜合成製プラクセル−220;M=1986、T=54℃)54g(0.0272モル)、1,4−ブタンジオール(BDL)2.73g(0.030モル)、DMF170gを仕込み、窒素雰囲気下100℃で1時間攪拌混合した後、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI;日本ポリウレタン製)10.6g(0.063モル)とジラウリン酸ジブチルスズ0.025gを加えて激しく攪拌しながら反応させた。更に少しずつHDIを加えながら反応させ、粘度(50℃)が47.2Pa・secになった時点で反応を終了させた。反応終了後、ポリオキサレートウレタン濃度を25重量%に調整した以外は、実施例1と同様に約200μmのフィルムを得てポリオキサレートウレタンの物性を評価した。その結果を表1及び2に示す。
〔比較例1〕
実施例1と同様の反応器にポリオキサレートジオール(PHMOD−1)40g(0.0191モル)を仕込み、窒素雰囲気下100℃で1時間攪拌混合した後、MDI(日本ポリウレタン製)9.58g(0.0383モル)を加えて同温度で2時間反応させた。その後、反応液を室温まで放冷してジメチルホルムアミド(DMF)109gに完全に解させた。次いで、この溶液を3℃に冷却し、PDA(DMF10gに溶解させたもの)1.42g(0.0191モル)を加えて激しく攪拌しながら5分間反応させ、続いて60℃まで昇温して少しずつMDIを加えながら反応させ、粘度(40℃)が69.8Pa・secになった時点で反応を終了させた。反応終了後、ポリオキサレートウレタン濃度を30.3重量%に調整した以外は、実施例1と同様に約200μmのフィルムを得てポリオキサレートウレタンの物性を評価した。その結果を表1及び2に示す。
Figure 2007080929
Figure 2007080929
〔参考例3〕
攪拌機、温度計及び冷却管を装着した内容積5Lのガラス製反応器に参考例2で得られたポリオキサレートジオール(PHMOD−2)500g(0.255モル)を仕込み、窒素雰囲気下90℃で溶融させた後、MDI(日本ポリウレタン製)359.3g(1.436モル)を加えて同温度で3時間反応させた。次いで、BDL107.5g(1.193モル)を加えて激しく攪拌しながら1分間反応させ、その反応液を直ちにステンレスバット(テフロン(登録商標)製離型フィルムを敷いたもの)に流し込み、そのまま真空下90℃で2時間キュアさせた。
得られたポリオキサレートウレタン塊状物を破砕し、破砕物12.5gとアジペート系熱可塑性ポリウレタン(パンデックスT−1195;大日本インキ化学工業製)37.5gをドライブレンドし、次いでバッチ式のブラベンダータイプ二軸混練機により210℃で5分間溶融混練した(回転数:60回転/分)。得られたポリオキサレートウレタン組成物を神藤金属工業製圧縮成形機により溶融成形し、4.9MPa下210℃で約100μmのフィルムを得てポリオキサレートウレタン組成物の物性を評価した。
その結果、Tが−33℃、引張弾性率が55.2MPa、引張強度が31.9MPa、破断伸びが300%であった。また、耐加水分解特性(破断伸び保持率)は、101%(1週)、105%(2週)、40%(3週)であり、生分解特性(重量残存率)は、99.0%(1週)、97.3%(2週)、92.8%(3週)、93.5%(4週)であった。
〔参考例4〕
アジペート系熱可塑性ポリウレタンをエーテル系熱可塑性ポリウレタン(パンデックスT−8190;大日本インキ化学工業製)に代えた以外は、参考例3と同様にフィルムを得てポリオキサレートウレタン組成物の物性を評価した。その結果、Tが−48℃、引張弾性率が40.0MPa、引張強度が21.0MPa、破断伸びが350%であった。また、耐加水分解特性(破断伸び保持率)は、101%(1週)、105%(2週)、38%(3週)であり、生分解特性(重量残存率)は、98.9%(1週)、97.1%(2週)、92.6%(3週)、93.3%(4週)であった。
本発明により、耐久性(耐加水分解性)に優れると共に生分解特性にも優れ、更に力学的性質及び熱的性質も一般的な熱可塑性ポリウレタンとして使用するに充分な性質を有するポリオキサレートウレタンを提供することができる。このため、本発明のポリオキサレートウレタン及びポリオキサレートウレタン組成物は、成形品、フィルム、シートなど、優れた生分解性材料として広範に利用することができ、非常に有用である。

Claims (5)

  1. ポリオキサレートポリオール(A成分)、ポリエステルポリオール、ポリアルキレンエーテルポリオール、ポリヒドロキシカルボン酸ポリオールの少なくとも一つ(B成分)、鎖延長剤(C成分)、及び、ポリイソシアネート化合物(D成分)を反応させて得られるポリオキサレートウレタン。
  2. A成分が式(1)で表されるポリオキサレートジオールであり、B成分が、式(2)で表されるポリエステルジオール、式(3)で表されるポリアルキレンエーテルジオール、式(4)で表されるポリヒドロキシカルボン酸ジオールの少なくとも一つであり、D成分がジイソシアネート化合物である、請求項1記載のポリオキサレートウレタン。
    Figure 2007080929

    (式中、Rは分岐構造又は脂環式構造を含んでいてもよい炭素数3〜12の二価の脂肪族炭化水素基を表し、nは重合度を表す正の整数である。)
    Figure 2007080929
    (式中、R及びRは分岐構造又は脂環式構造を含んでいてもよい炭素数2〜12の二価の脂肪族炭化水素基を表し、mは重合度を表す正の整数である。)
    Figure 2007080929
    (式中、R及びRは、分岐構造を含んでいてもよい、炭素数2〜6の二価の脂肪族炭化水素基を表し、kは重合度を表す正の整数である。)
    Figure 2007080929
    (式中、R及びRは分岐構造を含んでいてもよい炭素数2〜6の二価の脂肪族炭化水素基を表し、jは重合度を表す正の整数である。)
  3. A成分及びB成分の合計とC成分とD成分の比「(A+B):C:D」がモル基準で1:0.5:1.5〜1:6:7である、請求項1又は2記載のポリオキサレートウレタン。
  4. A成分とB成分の比「A:B」が重量基準で5:95〜95:5である、請求項3記載のポリオキサレートウレタン。
  5. A成分及びB成分の数平均分子量がそれぞれ500〜5000の範囲である、請求項1又は2記載のポリオキサレートウレタン。
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