JPWO2007066574A1 - シートプラズマ成膜装置 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、シートプラズマ成膜装置においては、プラズマ源から放出された円柱状プラズマは、まず永久磁石が配設されたシートプラズマ変形室に導かれ、永久磁石による磁界を作用させてシート状プラズマに形成される。そして、該シート状プラズマは、例えば、スパッタリング加工を行うスパッタリング室に導入される。スパッタリング室においては、導入されたシート状プラズマを挟むようにして、ターゲット及び基板が対向して配置される。スパッタリング室には、移動して来るシート状プラズマを受けるための陽極が設けられる。シート状プラズマは、ターゲットと基板との間を通過する際に、ターゲットからターゲット粒子をスパッタする。基板には、ターゲットからスパッタされ、シート状プラズマを通過してイオン化されたターゲット粒子が堆積されて、膜が形成される。そして、ターゲットと基板との間を通過したシート状プラズマが陽極に導かれる。
また、上記シートプラズマ変形室とスパッタリング室との間にスリット状の開口部を備えた中間電極を設けたシートプラズマ成膜装置も提案されている(特許文献2参照)。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、ターゲットや基板に安定してバイアス電圧を印加できるシートプラズマ成膜装置を提供することを目的としている。
そこで、上記課題を解決するために、本発明のシートプラズマ成膜装置は、内部を減圧可能な減圧容器と、前記減圧容器の内部にプラズマを発生させるプラズマガンと、前記減圧容器の内部において前記プラズマを受ける陽極と、前記プラズマガンで発生したプラズマを円柱状に成形し前記陽極の側へ流動させるプラズマ流動手段と、前記減圧容器の一部を成し前記円柱状のプラズマが流動するように形成されたシートプラズマ変形室と、前記シートプラズマ変形室の外側に前記流動するプラズマを挟んで同極同士が対向するように設けられ、前記シートプラズマ変形室の内部において前記円柱状のプラズマをシート状のプラズマに変形する一対の永久磁石と、前記減圧容器の一部を成すように形成され、その内部に、基板を保持する基板ホルダとターゲットとが前記変形されたシート状のプラズマをその厚み方向に挟むように配置された成膜室と、を備え、前記減圧容器は、前記成膜室の開口部を構成する第一、第二のボトルネック部を有し、前記シート状のプラズマが前記シートプラズマ変形室から該第一のボトルネック部を通って前記成膜室に流入し、かつ該流入したシート状のプラズマが該第二のボトルネック部を通って前記陽極へ流出するように形成され、前記シート状のプラズマの厚み方向において、前記第一、第二のボトルネック部の内寸が前記成膜室の内寸より小さく、前記第一のボトルネック部の内寸が前記シートプラズマ変形室の内寸より小さい。
このような構成とすると、前記第一、第二のボトルネック部によりシート状プラズマの低密度部分の厚みが規制され、成膜室における前記低密度部分の拡がりが抑制される。その結果、ターゲット表面及び基板表面を適宜配置することにより、ターゲット表面及び基板表面がプラズマにさらされず、ターゲット表面及び基板表面が負電荷で覆われることが防止される。したがって、回路的に導通した状態になることを回避することができ、ターゲット及び基板に安定してバイアス電圧を印加することができる。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
11 フランジ
12 陰極
13 第一電磁コイル
14 放電空間
15 絶縁体
17 筒状部材
18,32 排気口
20 シートプラズマ変形室
21 輸送空間
22 円柱状プラズマ
23 第二電磁コイル(プラズマ流動手段)
24A,24B 永久磁石
25,38 真空ポンプ
26,37 バルブ
27(S) シートプラズマ
28 第三電磁コイル(プラズマ流動手段)
29 第一ボトルネック部
30 成膜室
31 成膜空間
33A ターゲット
33B ターゲットホルダ
33C,34C 円柱状の支軸(支軸)
34A 基板
34B 基板ホルダ
35,36 移動機構
39 第二ボトルネック部
40 チャンバ
42 第一開口部
43 フランジ
45 第二開口部
48 第四電磁コイル(プラズマ流動手段)
50 陽極室
51 陽極
52 永久磁石
100 シートプラズマ成膜装置
G1 第一中間電極
G2 第二中間電極
P 輸送中心
S 主面
V1 主直流電源
V2,V3 直流電源
図1は、本発明の実施形態に係るシートプラズマ成膜装置の構成の一例を示す概略図である。図2は、図1のシートプラズマ成膜装置における成膜室の構成を示す図であって、図2(a)は成膜室の正面図、図2(b)は図2(a)の成膜室をIIB−IIB線に沿って切断した状態を示す断面図である。以下、図1及び図2を参照しながら、本実施形態に係るシートプラズマ成膜装置について説明する。なお、ここでは便宜上、図1に示すように、プラズマ輸送の方向をZ方向にとり、このZ方向に直交し、かつ永久磁石24A、24B(後述)の磁化方向をY方向にとり、これらのZ方向及びY方向の両方に直交する方向をX方向にとって、このシートプラズマ成膜装置の構成を説明する。
本実施形態のシートプラズマ成膜装置100は、図1に示すように、YZ平面において略十字形をなしている。本実施形態のシートプラズマ成膜装置100は、プラズマ輸送の方向(Z方向)から見て順番に、プラズマを高密度に形成するプラズマガン10と、Z方向の軸を中心とした円筒状のシートプラズマ変形室20と、Y方向の軸を中心とした円筒状の成膜室30と、を備えて構成されている。なおこれらの各部10、20、30は、プラズマを輸送する通路を介して互いに気密状態を保って連通されている。
次に、本実施形態のシートプラズマ成膜装置100の特徴的な動作について説明する。
本実施形態のシートプラズマ成膜装置100は、シートプラズマ変形室20と成膜室30とを第一ボトルネック部29を介して接続し、成膜室30と陽極室50とを第二ボトルネック部39を介して接続している。よって、第一ボトルネック部29及び第二ボトルネック部39により、シート状プラズマ27の低密度部分の厚みが規制される。したがって、成膜室30内における低密度部分の拡がりが抑制され、ターゲット33A表面及び基板34A表面がシート状プラズマ27の低密度部分にさらされなくなり、ターゲット33A表面及び基板34A表面が負電荷で覆われなくなる。よって、回路的に導通した状態になることを回避することができ、ターゲット33A及び基板34Aに安定してバイアス電圧を印加することができる。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
図1は、本発明の実施形態に係るシートプラズマ成膜装置の構成の一例を示す概略図である。図2は、図1のシートプラズマ成膜装置における成膜室の構成を示す図であって、図2(a)は成膜室の正面図、図2(b)は図2(a)の成膜室をIIB−IIB線に沿って切断した状態を示す断面図である。以下、図1及び図2を参照しながら、本実施形態に係るシートプラズマ成膜装置について説明する。なお、ここでは便宜上、図1に示すように、プラズマ輸送の方向をZ方向にとり、このZ方向に直交し、かつ永久磁石24A、24B(後述)の磁化方向をY方向にとり、これらのZ方向及びY方向の両方に直交する方向をX方向にとって、このシートプラズマ成膜装置の構成を説明する。
11 フランジ
12 陰極
13 第一電磁コイル
14 放電空間
15 絶縁体
17 筒状部材
18,32 排気口
20 シートプラズマ変形室
21 輸送空間
22 円柱状プラズマ
23 第二電磁コイル(プラズマ流動手段)
24A,24B 永久磁石
25,38 真空ポンプ
26,37 バルブ
27(S) シートプラズマ
28 第三電磁コイル(プラズマ流動手段)
29 第一ボトルネック部
30 成膜室
31 成膜空間
33A ターゲット
33B ターゲットホルダ
33C,34C 円柱状の支軸(支軸)
34A 基板
34B 基板ホルダ
35,36 移動機構
39 第二ボトルネック部
40 チャンバ
42 第一開口部
43 フランジ
45 第二開口部
48 第四電磁コイル(プラズマ流動手段)
50 陽極室
51 陽極
52 永久磁石
100 シートプラズマ成膜装置
G1 第一中間電極
G2 第二中間電極
P 輸送中心
S 主面
V1 主直流電源
V2,V3 直流電源
Claims (6)
- 内部を減圧可能な減圧容器と、
前記減圧容器の内部にプラズマを発生させるプラズマガンと、
前記減圧容器の内部において前記プラズマを受ける陽極と、
前記プラズマガンで発生したプラズマを円柱状に成形し前記陽極の側へ流動させるプラズマ流動手段と、
前記減圧容器の一部を成し前記円柱状のプラズマが流動するように形成されたシートプラズマ変形室と、
前記シートプラズマ変形室の外側に前記流動するプラズマを挟んで同極同士が対向するように設けられ、前記シートプラズマ変形室の内部において前記円柱状のプラズマをシート状のプラズマに変形する一対の永久磁石と、
前記減圧容器の一部を成すように形成され、その内部に、基板を保持する基板ホルダとターゲットとが前記変形されたシート状のプラズマをその厚み方向に挟むように配置された成膜室と、を備え、
前記減圧容器は、前記成膜室の開口部を構成する第一、第二のボトルネック部を有し、前記シート状のプラズマが前記シートプラズマ変形室から該第一のボトルネック部を通って前記成膜室に流入し、かつ該流入したシート状のプラズマが該第二のボトルネック部を通って前記陽極へ流出するように形成され、
前記シート状のプラズマの厚み方向において、前記第一、第二のボトルネック部の内寸が前記成膜室の内寸より小さく、前記第一のボトルネック部の内寸が前記シートプラズマ変形室の内寸より小さい、シートプラズマ成膜装置。 - 前記第一のボトルネック部は、前記変形されたシート状のプラズマがその断面形状を維持したまま通過可能な断面形状を有するように形成されている、請求項1に記載のシートプラズマ成膜装置。
- 前記シート状のプラズマの厚み方向において、前記シート状のプラズマの前記流動による輸送中心と前記ターゲット及び前記基板の少なくともいずれかの表面との距離が、前記シート状のプラズマの輸送中心と前記第一のボトルネック部の内壁との距離及び前記シート状のプラズマの輸送中心と前記第二のボトルネック部の内壁との距離よりも大きい、請求項1に記載のシートプラズマ成膜装置。
- 前記シート状のプラズマの前記輸送中心と前記ターゲット及び前記基板の少なくともいずれかの表面との距離が10mm以上でかつ200mm以下である、請求項3に記載のシートプラズマ成膜装置。
- 前記シート状のプラズマの厚み方向において、前記第一のボトルネック部の内寸が、前記シート状のプラズマの前記輸送中心と前記ターゲット表面及び前記基板表面との距離の和よりも小さく、かつ10mm以上100mm以下である、請求項1に記載のシートプラズマ成膜装置。
- 前記ターゲット及び前記基板の少なくともいずれかを、前記シート状のプラズマの厚み方向に移動させる移動機構を有する、請求項1に記載のシートプラズマ成膜装置。
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