JPWO2007063696A1 - 転動体ねじ装置 - Google Patents

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憲昭 近本
丹羽 宏
宏 丹羽
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明正 吉田
荘志 宮原
荘志 宮原
祥弘 久保田
祥弘 久保田
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Abstract

ナット部材(2)の負荷転動溝(21)の末端において負荷状態から無負荷状態へ、あるいは無負荷状態から負荷状態へ移行するボール(3)の挙動の安定性を高め、無限循環路内におけるボール(3)の循環を円滑に行うことができ、ひいてはねじ軸(1)とナット部材(2)との間に作用する回転抵抗を低減させることが可能なボールねじ装置であり、ナット部材(2)の周壁には、ボール直径よりも大きな内径を有すると共に負荷転動溝(21)の両端と連続する一対のボール導入通路(25)がドリル加工され、このボール導入通路(25)は、前記ナット部材(2)の軸孔(20)の接線方向に貫通形成され、前記循環路形成部材(4)は、一対のボール導入通路(25)における負荷転動溝(21)とは反対側の開口を相互に連結して、前記ボールの無負荷戻し通路(42)を完成させる。

Description

本発明は、ナット部材とねじ軸との間に配列された多数のボール、ローラ等の転動体を介してこれら両部材が回転自在に螺合し、例えば工作機械のワークテーブル等においてモータの回転運動を直線運動に変換する転動体ねじ装置に係り、詳細には、ナット部材の周壁に一対の貫通孔を形成し、かかる貫通孔を介して転動体の無限循環を行うタイプの転動体ねじ装置に関する。
従来、この種の転動体ねじとしては、ナット部材の周壁に一対の貫通孔を形成し、かかる貫通孔に所謂リターンパイプを挿入してボールの無限循環路を形成したものが多数知られている(特開2003−23241号公報、特開2004−92853号公報等)。これら転動体ねじ装置は、図10に示すように、螺旋状のボール転動溝100が形成されたねじ軸101と、前記ボール転動溝100に対向する螺旋状の負荷転動溝を有すると共にボール102を介して前記ねじ軸101に螺合するナット部材103と、このナット部材103に装着されてボール102の無限循環路を形成するリターンパイプ104とを備えている。
図11に示すように、かかるリターンパイプ104は、ナット部材103に挿入される一対の脚部105と、これら脚部105同士を連結する連絡通路部106とを備えて断面略U字状に形成されており、一方の脚部105から他方の脚部105に向けて内部をボール102が転走し得るようになっている。一方、前記ナット部材103の周壁にはリターンパイプ104の脚部105を挿入するための貫通孔がナット部材の中心軸線を挟むようにして一対形成されており、これら貫通孔はナット部材の内周面に対して接線状に開設されている。また、これらの貫通孔は負荷転動溝の数巻分を隔てて形成されている。そして、この貫通孔に対してリターンパイプ104の脚部105を挿入すると、各脚部105がナット部材103の内周面に僅かに突出し、ねじ軸101のボール転走溝100からボール102をリターンパイプ104内に掬い上げるように構成されている。従って、ねじ軸101のボール転動溝100とナット部材103の負荷転動溝との間で荷重を負荷しながら転動してきたボール102は、リターンパイプ104の脚部105が突出する位置に到達すると、荷重から開放されると共にねじ軸101のボール転動溝100から離脱し、リターンパイプ104内を無負荷状態で転動して数巻分前のボール転動溝100に戻される。すなわち、リターンパイプ104をナット部材103に装着することによってボール102の無限循環路が形成されることになる。
また、特開平3−121341号公報に開示される転動体ねじ装置では、ナット部材の貫通孔に挿入されたリターンパイプの脚部が、ボール転動溝のリード角と合致した角度だけ、ねじ軸に垂直な断面から軸方向へ傾斜して形成されている。このため、ねじ軸のボール転動溝とナット部材の負荷転動溝との間で荷重を負荷しながら転動してきたボールは、転動方向を変化させることなくリターンパイプの脚部に転がり込むことができ、その分だけリターンパイプに対するボールの出入りが円滑になされるようになっている。
特開2003−23241号公報 特開2004−92853号公報 特開平3−121341号公報
しかし、これら従来の転動体ねじ装置では、ナット部材の貫通孔に挿入されたリターンパイプの脚部が該ナット部材の内周面に到達しており、リターンパイプの先端とナット部材における負荷転動溝の末端とが直接連結されてボール無限循環路が形成されている。このため、ナット部材に対する貫通孔の加工精度やリターンパイプの加工精度が積み重なった結果として、リターンパイプの先端と負荷転動溝の末端との間に意図しない段差が形成され易く、当該部位を通過するボールの挙動が不安定なものになり易いといった問題点があった。
特に、リターンパイプの先端と負荷転動溝の末端との連結部位においては、ボールが荷重の負荷状態から無負荷状態へ、あるいは無負荷状態から負荷状態へ移行するため、かかる部位においてボールの転動が不安定なものになると、ボールの円滑な循環の妨げとなり、ねじ軸に対するナット部材の回転抵抗が増加する原因となる。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ナット部材の負荷転動溝の末端において負荷状態から無負荷状態へ、あるいは無負荷状態から負荷状態へ移行する転動体の挙動の安定性を高め、無限循環路内における転動体の循環を円滑に行うことができ、ひいてはねじ軸とナット部材との間に作用する回転抵抗を低減させることが可能な転動体ねじ装置を提供することにある。
すなわち、本発明の転動体ねじ装置は、転動体の転動溝が所定のリードで螺旋状に形成されたねじ軸と、このねじ軸が貫通する軸孔を有すると共にこの軸孔の内周面には前記ねじ軸の転動溝に対向する螺旋状の負荷転動溝が形成され、これら転動溝と負荷転動溝を転動する多数の転動体を介して前記ねじ軸に螺合するナット部材と、このナット部材に装着されて転動体の無負荷戻し通路を形成する循環路形成部材とから構成されている。前記ナット部材の周壁には、前記負荷転動溝の両端と連続すると共に前記転動体が無負荷状態で通過する一対の転動体導入通路がドリル加工されている。この転動体導入通路は、前記ナット部材の軸孔の接線方向に貫通形成されている。また、前記循環路形成部材は、一対の転動体導入通路における負荷転動溝とは反対側の開口を相互に連結して、前記転動体の無負荷戻し通路を完成させている。
このように構成される本発明の転動体ねじ装置では、ねじ軸の転動溝とナット部材の負荷転動溝との間で荷重を負荷していた転動体は、かかる負荷転動溝の末端に到達すると、一方の転動体導入通路に進入して荷重から解放されると共に、かかる転動体導入通路を転動した後に循環路形成部材が形成する無負荷戻し通路へと進入する。また、無負荷戻し通路を転動した転動体は他方の転動体導入通路を経て負荷転動溝の反対側の末端に進入し、ねじ軸の転動溝とナット部材の負荷転動溝との間で再び荷重を負荷する。これにより、ボール、ローラといった転動体の無限循環路が完成する。
このとき、前記転動体導入通路はナット部材に対してドリル加工等で直接的に形成されており、ナット部材の加工精度を高めることで負荷転動溝の末端と転動体導入通路の連続性を確保することができる。また、転動体導入通路は前記ナット部材の軸孔の接線方向に貫通形成されているので、負荷転動溝の末端と転動体導入通路との連結部位において転動体の転動方向が急激に変化することもない。それ故、転動体が負荷状態から無負荷状態へ、あるいは無負荷状態から負荷状態へ移行する際に、その挙動が不安定となることはなく、転動体を無限循環路内で円滑に循環させることが可能となる。
一方、本発明の転動体ねじ装置においては、前記転動体導入通路がナット部材に直接形成されるため、前記循環路形成部材をナット部材に装着して転動体の無負荷戻し通路を形成すると、循環路形成部材の加工精度によっては、転動体導入通路と無負荷戻し通路の連結部位に僅かに段差が生じる懸念がある。しかし、転動体は転動体導入通路内で既に無負荷状態にあり、また、かかる転動体導入通路内では直線状に転動しているので、仮に転動体導入通路と無負荷戻し通路の連結部位に僅かな段差が生じたとしても、転動体の循環にとって大きな障害となることはなく、やはり転動体を無限循環路内で円滑に循環させることが可能となる。また、このことは、循環路形成部材のナット部材に対する取付け精度の緩和にも繋がり、その分だけ転動体ねじ装置を容易に組み立てることが可能となる。
すなわち、本発明の転動体ねじ装置によれば、無限循環路内における転動体の循環を円滑に行うことができ、ひいてはねじ軸とナット部材との間に作用する回転抵抗を低減させることが可能となる。
本発明を適用したボールねじ装置の実施の形態を示す側面図である。 図1に示したボールねじ装置の正面図である。 実施の形態に示すボールねじ装置のナット部材及びカバープレートを組み合わせた状態を示す斜視図である。 実施の形態に示すボールねじ装置のナット部材の斜視図である。 実施の形態に示すボールねじ装置のカバープレートの斜視図である。 ボール導入通路を拡大した断面図である。 無限循環路をナット部材の軸方向へ2回繰り返し設けた例を示す斜視図である。 図7のナット部材に装着するカバープレートを示すものである。 2条ねじに対応したナット部材の構造の一例を示す斜視図である。 従来の転動体ねじ装置を示す斜視図である。 従来の転動体ねじ装置のリターンパイプを示す斜視図である。
符号の説明
1…ねじ軸、2…ナット部材、3…ボール、4…カバープレート、10…ボール転動溝、20…軸孔、21…負荷転動溝、22…隆起部、25…ボール導入通路、42…無負荷戻し通路
以下、添付図面を用いて本発明の転動体ねじ装置を詳細に説明する。
図1及び図2は転動体としてボールを用いたボールねじ装置の一例を示すものである。このボールねじ装置は、外周面に螺旋状のボール転動溝が形成されたねじ軸1と、多数のボール3を介して前記ねじ軸1に螺合するナット部材2と、このナット部材に装着される循環路形成部材としてのカバープレート4とから構成されている。前記ナット部材2にカバープレート4を装着することでボール3の無限循環路が該ナット部材2に具備され、かかるナット部材2がねじ軸1の周囲を螺旋状に回転するようになっている。尚、図1においては前記ナット部材2の一部を切り欠いて描いている。
前記ねじ軸1の外周面には所定のリードで螺旋状のボール転動溝10が形成されており、前記ボール3はこのボール転動溝10の内部を転動する。ここで、リードとは、ねじ軸1の1回転においてボール転動溝10がねじ軸1の軸方向へ進行する距離である。前記ボール転動溝10は二つの曲面が略90度で交わるようにして形成されており、ボール進行方向と直交する断面形状はゴシックアーチ状をなしている。このため、前記ボール3はこのゴシックアーチ状のボール転動溝10に対して2点で接触しており、ねじ軸1の軸方向に作用する荷重に対して約45度の接触角を生じるようになっている。また、ねじ軸1の外周面において互いに隣接するボール転動溝10とボール転動溝10との間にはねじ山11が形成されている。尚、図1に示したねじ軸1には1条のボール転動溝10が形成されている。
図3に示すように、前記ナット部材2はカバープレート4を装着した際に円筒状の外観を呈するように形成されており、中央には前記ねじ軸1がそう通される軸孔20を有している。この軸孔20の内周面には前記ねじ軸1のボール転動溝10と対向する負荷転動溝21が形成されており、ナット部材2の負荷転動溝21とねじ軸1のボール転動溝10が対向することにより、ボール3がナット部材2とねじ軸1との間で荷重を負荷しながら転動する負荷通路が構成されるようになっている。
図4は、カバープレート4を取り外した状態のナット部材2を示す斜視図である。かかるナット部材2の表面にはカバープレート4によって覆われる隆起部22が形成されると共に、この隆起部22の両側には前記カバープレート4の取付け基準となる一対の突き合わせ面23,23が形成されている。これら突き合わせ面23は同一平面上に位置している。図示はされていないが、前記カバープレート4はこれを貫通する固定ボルトによって前記ナット部材2に固定されており、かかる固定ボルトは前記突き合わせ面23に形成されたタップ孔に螺合するようになっている。
前記ナット部材2は隆起部22と夫々の突き合わせ面23の交わった部位において最も肉厚が薄く形成されており、かかる部位には軸孔20に通じるボール導入通路25が各々形成されている。これらボール導入通路25はボール3の直径よりも僅かに大きな内径を有しており、ナット部材2の軸孔20の内周面において前記負荷転動溝21の末端と連結されている。すなわち、負荷転動溝21の両端は夫々にボール導入通路25と連結されていることになる。
このボール導入通路25はドリル加工によりナット部材2に対して直接形成されている。従って、ボール導入通路25は途中で屈曲することなく直線状に形成されている。また、ボール導入通路25の軸方向はナット部材2の軸孔20の接線方向と合致しており、負荷転動溝21に沿って軸孔20の内周面を公転してきたボール3が円滑に公転軌道から離脱し、直線状に形成された前記ボール導入通路25へ円滑に転がり込むようになっている。
更に、前記ボール導入通路25は、前記ねじ軸1のボール転動溝10のリード角と合致した角度だけ該ねじ軸1に垂直な断面から軸方向へ傾斜して形成されている。ここでリード角βとは、ねじ軸1の周囲を公転するボール3の中心間距離をd(図2参照)、ねじ軸1のリードをLとした場合に、tanβ=L/πdで表される角度である。ボール導入通路25をこのような角度だけねじ軸1に垂直な断面から軸方向へ傾斜させて形成すると、負荷転動溝21を転動してきたボール3はその転動方向を変化させることなく前記ボール導入通路25に進入することができ、無駄な抵抗を作用させることなく負荷転動溝21とボール導入通路25との間でボール3の受け渡しを行うことが可能となる。
一方、前述したナット部材2の隆起部22には一対のボール導入通路25,25を相互に連結する内側案内溝26が形成されている。この内側案内溝26は長手方向に垂直な断面が半円状に形成されており、その溝幅はボール3の直径よりも僅かに大きく設定されている。
また、前記カバープレート4は略円弧状に形成されており、その両端には前記ナット部材2の突き合わせ面23と接する平坦面40が形成されている。このカバープレート4の裏面には前記内側案内溝26と対向する外側案内溝41が形成されている。かかる外側案内溝41は長手方向に垂直な断面が半円状に形成されており、その溝幅はボール3の直径よりも僅かに大きく設定されている。また、外側案内溝41の両端は前記平坦面40に夫々解放されている。
従って、カバープレート4をナット部材2に装着すると、ナット部材2の隆起部22に形成された内側案内溝26とカバープレート4に形成された外側案内溝41が互いに対向し、ボール3の直径よりも僅かに大きな内径の無負荷戻し通路42が形成される。また、この無負荷戻し通路42の両端部はナット部材2のボール導入通路25と夫々連結される。すなわち、カバープレート4をナット部材2に装着することで、ナット部材2に形成された一対のボール導入通路25を相互に連結する無負荷戻し通路42が完成するのである。
ねじ軸1とナット部材2との間で荷重を負荷しながら転動したボール3は、前記負荷転動溝21の一端から一方のボール導入通路25へ進入し、かかるボール導入通路25において荷重から解放されて無負荷状態となる。また、ボール導入通路25内を進行したボール3は前記無負荷戻し通路42を経て隆起部22の反対側に位置する他方のボール導入通路25に転がり込む。そして、ボール3はこのボール導入通路25を通過した後、負荷転動溝21へ転がり込み、再び荷重を負荷しながらねじ軸1のボール転動溝10とナット部材2の負荷転動溝21との間を転動する。すなわち、このボールねじ装置ではカバープレート4をナット部材2に装着することで、ナット部材2にボール3の無限循環路が具備されている。尚、図3及び図4中において、一点鎖線で描かれた曲線は無限循環路内におけるボール3の軌道を示している。
図6は、ナット部材2に加工されたボール導入通路25を該ナット部材2の軸方向から観察した拡大断面図である。ボール導入通路25はナット部材2の軸孔20に対して接線方向に形成されていることから、かかるボール導入通路25の軸孔側の開口25aは略楕円形状をなしている。このため、負荷転動溝21からボール導入通路25へ転動するボール3は、かかるボール導入通路25に差しかかると、徐々に荷重から解放されながら該ボール導入通路25に転がり込む。
また、前記ボール導入通路25は隆起部22に形成された内側案内溝26と滑らかに連続する一方、軸孔20の内周面に形成された負荷転動溝21の末端とも滑らかに連続している。加えて、前述のように、ボール導入通路25はナット部材2の軸孔20に対して接線方向に形成され、更に、ねじ軸1のボール転動溝10のリード角と合致した角度だけ該ねじ軸1に垂直な断面から軸方向へ傾斜して形成されている。このため、ボール3が負荷転動溝21からボール導入通路25へ進入する際には、ボール3の挙動を不安定とさせるような段差や転動方向の急激な変更が一切なく、ボール3を円滑に負荷転動溝21からボール導入通路25へ導くことができる。このことは、ボール3がボール導入通路25から負荷転動溝21へ進入する際も同じである。
一方、ボール導入通路25は無負荷戻し通路42と連結されており、かかる無負荷戻し通路42はナット部材2側の内側案内溝26とカバープレート4側の外側案内溝41との組み合わせによって形成されていることから、ボール導入通路25と無負荷戻し通路42との連結部位にはナット部材2とカバープレート4の境界面が存在することになる。すなわち、カバープレート4の加工精度や、カバープレート4のナット部材2に対する取付け精度次第では、ボール導入通路25と無負荷戻し通路42の連結部位に段差が生じてしまう。
しかし、ボール3はボール導入通路25内で既に負荷から解放されて無負荷状態にあることから、前記段差が僅かなものであれば、ボール3の転動に対して大きな抵抗が作用することはない。また、ボール導入通路25は直線状に形成され、その内部を転動するボール3の整列状態も安定していることから、ボール導入通路25と無負荷戻し通路42の境界部に僅かな段差が存在したとしても、転動するボール3の挙動が不安定となることはない。従って、ボール導入通路25と無負荷戻し通路42との境界部においても、ボール3の円滑な転動を期待することができる。
前記ボール導入通路25はナット部材2に対して直接ドリル加工されるが、単にドリル加工したのみでは、ボール導入通路25と研削加工された負荷転動溝21とが滑らかに連続せず、両者の連結部位に段差が生じてしまう懸念がある。このため、ボール導入通路25と負荷転動溝21とを滑らかに連続させるためには、ドリル加工後のボール導入通路25に対してナット部材2の外側からエンドミルを挿入し、ボール導入通路25と負荷転動溝21との連結部位、すなわちナット部材2の軸孔20に対するボール導入通路25の開口部位25aに仕上げ加工を施す必要がある。
しかし、このようにナット部材2の外側からボール導入通路25にエンドミルを挿入して、ナット部材2の軸孔20に対するボール導入通路25の開口部位25aに仕上げ加工を施すには、ボール導入通路25の長さを可及的に短くすることが必要である。このことから、ナット部材2の外側には軸孔20を挟むようにして一対の薄肉部5が形成されており、この薄肉部5に対して前記ボール導入通路25が加工されている。図6に示す例では、前記薄肉部5は隆起部22と突き合わせ面23の交わった部位に相当している。
そして、以上のように構成された本発明の転動体ねじ装置によれば、ナット部材2の負荷転動溝21の末端において負荷状態から無負荷状態へ、あるいは無負荷状態から負荷状態へ移行するボール3の挙動の安定性を高め、無限循環路内におけるボール3の循環を円滑に行うことができ、ひいてはねじ軸1とナット部材2との間に作用する回転抵抗を低減させることが可能となる。
尚、本発明の転動体ねじ装置は図1〜図6を用いて説明した例に限られず、例えば、図7に示すように、ナット部材2の軸方向に沿って同一の構造を複数回繰り返した転動体ねじ装置も製作することが可能である。この場合、ナット部材2の隆起部22には2条の内側案内溝26が形成され、かかる隆起部22を覆うカバープレート4には、図8に示すように、これら内側案内溝26に対応した2条の外側案内溝41が形成されることになる。
また、本発明の転動体ねじ装置では、ねじ軸1に2条のボール転動溝10を形成すると共に、ナット部材2の軸孔20の内周面にも2条の負荷転動溝21を形成することも可能である。図9はその場合におけるナット部材2の構成例を示すものである。このナット部材2では隣接する2条の負荷転動溝21のそれぞれに対してボール導入通路25を形成する必要があるため、かかるナット部材2の軸孔20を挟んだ上下に同一の構造を形成した。また、図9に示すナット部材2では前記構造が軸方向へ2回繰り返されている。この場合、ナット部材2に装着するカバープレート4としては、図8に示したものをそのまま利用することができ、ナット部材2の上下に形成された隆起部22に対してカバープレート4を夫々装着することになる。
これら図7及び図9に示す例では、ねじ軸1とナット部材2との間で同時に荷重を負荷している有効ボールの数を増やすことができ、より大きな荷重に抗してねじ軸1の回転運動をナット部材2の直線運動に変換することが可能となる。
更に、図1から図6に示した例では、カバープレート4の裏面とナット部材2との表面に夫々形成された溝26,41を互いに対向させ、これら溝26,41の協働によってトンネル状の無負荷戻し通路42を構成していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ナット部材の隆起部には溝を形成せず、カバープレートの裏面にのみボールを収容可能な溝を形成するようにしても良い。また、無負荷戻し通路が形成された中空状のチューブを循環路形成部材としてナット部材に装着し、かかるチューブの端部を前記ボール導入路に連結するようにしても良い。このように構成しても前記ボール導入通路の機能は一切失われることはなく、前述した本発明の作用効果を充分に発揮することが可能である。
また更に、前述の例では転動体としてボールを用いた例を説明したが、かかる転動体としてはローラを用いることも可能である。その場合、ナット部材に形成する転動体導入路はローラの形状に対応したものとすることが必要である。

Claims (5)

  1. 転動体(3)の転動溝(10)が所定のリードで螺旋状に形成されたねじ軸(1)と、このねじ軸(1)が貫通する軸孔(20)を有すると共にこの軸孔の内周面には前記ねじ軸の転動溝に対向する螺旋状の負荷転動溝(21)が形成され、これら転動溝と負荷転動溝を転動する多数の転動体を介して前記ねじ軸に螺合するナット部材(2)と、このナット部材に装着されて転動体の無負荷戻し通路(42)を形成する循環路形成部材(4)とから構成される転動体ねじ装置において、
    前記ナット部材(2)の周壁には、前記負荷転動溝(21)の両端と連続すると共に前記転動体(3)が無負荷状態で通過する一対の転動体導入通路(25)が形成され、
    この転動体導入通路(25)は、前記ナット部材(2)の軸孔(20)の接線方向に貫通形成され、
    前記循環路形成部材(4)は、一対の転動体導入通路(25)における負荷転動溝(21)とは反対側の開口を相互に連結して、前記転動体(3)の無負荷戻し通路(42)を完成させることを特徴とする転動体ねじ装置。
  2. 前記転動体導入通路(25)は、前記ねじ軸(1)の転動溝(10)のリード角と合致した角度だけ該ねじ軸に垂直な断面から軸方向へ傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1記載の転動体ねじ装置。
  3. 前記転動体導入通路(25)とナット部材(2)の負荷転動溝(21)は滑らかに連続していることを特徴とする請求項1記載の転動体ねじ装置。
  4. 前記ナット部材(2)には軸孔(20)を挟むようにして一対の薄肉部が形成され、前記転動体導入通路(25)はこの薄肉部に形成されていることを特徴とする請求項1記載の転動体ねじ装置。
  5. 前記循環路形成部材(4)は前記ナット部材(2)の表面の一部を覆うプレート状に形成され、かかる循環路形成部材(4)の裏面と前記ナット部材(2)の表面との間で前記無負荷戻し通路(42)が形成されることを特徴とする請求項1記載の転動体ねじ装置。
JP2007547888A 2005-11-30 2006-11-13 転動体ねじ装置 Withdrawn JPWO2007063696A1 (ja)

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