JPWO2007043479A1 - レーダ装置 - Google Patents

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Abstract

移動体に搭載され、移動体の周囲の障害物を検知するレーダ装置である。レーダ装置は、送信部(201)、受信部(202)、速度取得部(204)、参照信号取得部(205)および信号処理部(203)を備える。送信部(201)は、送信信号を所定の周波数で変調したレーダビームを送信する。受信部(202)は、送信部(201)から送信され、障害物で反射したレーダビームを所定の周波数で復調した受信信号を受信する。速度取得部(204)は、移動体の速度を取得する。参照信号取得部(205)は、速度取得部(204)によって取得された速度が所定の値以上である場合に、受信信号を参照信号として取得する。信号処理部(203)は、受信信号と参照信号を用いて、障害物を検出する。

Description

本発明は、移動体に搭載するレーダ装置に関し、特に車両に搭載して車両周囲の障害物を検知するためのレーダ装置に関する。
レーダ波を送受信することにより車両周囲に存在する障害物(以下、ターゲットと呼ぶ)を検知し、ドライバーにターゲットの存在を報知するレーダ装置の開発が進められている。そのレーダ装置の一つとして、パルス方式のレーダ装置(以下、パルスレーダ装置と呼ぶ)が知られている。また、車両に搭載されるレーダ装置は、バンパーの裏側といった外部から直接目視できない位置に設置されている。また、検知範囲によっては複数個のレーダ装置が設置されることになる。
例えば、パルスレーダ装置は、パルス発生器により変調用のパルス信号を生成し、高周波で変調された変調パルスが送信アンテナを通して車外に放射され、放射された先のターゲットに反射して戻ってきた反射波を受信アンテナで受信し、受信した信号を増幅して復調することでべースバンド受信信号が出力される。そして、このベースバンド送信信号とベースバンド受信信号との時間差を求めることにより、ターゲットまでの距離を算出することができる。
また、パルスレーダ装置は、車両から離れたところに存在するターゲットのみならず、車両のごく近傍に存在する物体も検知する必要がある。例えば、送信パルスのパルス幅より短い時間で受信パルスが戻る様な近距離では、パルスレーダ装置の送信アンテナから受信アンテナへ直接回り込んで入力されるレーダビームおよび送信部から受信部への回路上でのカップリングの影響(以下、これらを合わせて「回り込み波」と呼ぶ)で近距離のターゲットを検知できない場合もある。
回り込み波について図10A、図10B、図11Aおよび図11Bを用いて詳細に説明する。図10Aは、その設置の様子を上から見たものである。レーダ装置は通常バンパーのすぐ裏側に設置される。図10Bは、図10Aの状態において、さらにバンパーのすぐ外側に検出対象となるターゲットを設置したものを表している。
図11Aは、図10Aのようにパルスレーダ装置を設置したときの、パルスレーダ装置のアンテナからの距離とベースバンド受信信号の振幅との関係を示した図である。回り込み波は、ターゲットの有無にかかわらず常に発生しているため、ベースバンド受信信号の中には、常に回り込み波の受信による成分も存在する。また、バンパーの反射波については、プラスチックバンパーであれば基本的に電波は透過するが、やはり送信信号の一部はバンパーによって反射されるため、振幅は小さいが反射波が存在する。実際には、回り込み波とバンパーの反射波が合成されたものがベースバンド受信信号として観測される(図中の太い実線)。
一方、図11Bは、図10Bの状態におけるベースバンド受信信号を示したものである。図11Aに加えて、バンパーのすぐ外側に設置されたターゲットの反射波が存在し、実際のベースバンド受信信号は図中の太線で示したものになる。図11Aと図11Bの比較より、ターゲットがある場合とない場合とでベースバンド受信信号の振幅に差があることがわかる。よって、ターゲットがある場合のベースバンド受信信号とターゲットがない場合のベースバンド受信信号との振幅の差分をとることによってターゲットを検知することが可能である。
また、この回り込み波による信号の影響を受けずに極近距離のターゲットを検知する方法として、送受回り込み信号と移動ターゲットの反射信号との位相差が変化すると受信信号が変化することを利用したパルスレーダ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−222669号公報
しかし、実際にレーダ装置を車両に搭載した場合、図11Aに示すような、車両の周囲にターゲットがないときのベースバンド受信信号、つまり参照信号をどうやって算出するかが大きな問題となる。なぜなら、車両周囲に何もターゲットがないという状況はまれであるし、また、レーダ装置自身が正確な参照信号を保持していない限り、車両周囲に何もターゲットがないということを認識することはできないからである。
これを解決する手段として、例えば、カーメーカの工場で車両を組み立てる工程において、パルスレーダ装置を車両に搭載した後、車両の周囲に何もターゲットがない場所に車両を置き、そこで送信信号を送信し、そのときのベースバンド受信信号を参照信号として保持しておく、ということが考えられる。しかし、この方法では、車両の組み立て工程が複雑かつ高コストになってしまう。さらに、レーダ装置を構成するデバイスの特性は、車両の走行に伴い、温度やその他の環境によって大きく変化する。よって、組み立て工程で保持した参照信号は、実際の車両走行においては、参考程度にはなるが正確な参照信号とはならない。
また、特許文献1記載の方法では、レーダ装置とターゲットの間の相対速度がゼロの場合はターゲットを検知できない。
それ故に本発明は、常に正確な参照信号を取得することができ、高精度にターゲットを検知することが可能なレーダ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、本発明の局面は、移動体に搭載され、前記移動体の周囲のターゲットを検知するレーダ装置である。レーダ装置は、送信部、受信部、速度取得部、参照信号取得部および信号処理部を備える。送信部は、送信信号を所定の周波数で変調したレーダビームを送信する。受信部は、送信部から送信され、ターゲットで反射したレーダビームを所定の周波数で復調した受信信号を受信する。速度取得部は、移動体の速度を取得する。参照信号取得部は、速度取得部によって取得された速度が所定の値以上である場合に、受信信号を参照信号として取得する。信号処理部は、受信信号と参照信号を用いて、ターゲットを検出する。
これにより、移動体の速度が所定の値以上であれば、少なくとも移動体の周囲で移動体からの距離が小さい場所にはターゲットがないと判断してよい。よって、移動体の速度が所定の値以上の場合の受信信号を参照信号として保持することにより、正確な参照信号を取得することが可能となる。
また、速度取得部によって取得された速度が実質的にゼロである場合、停止時信号を取得する停止時信号取得部を、さらに備え、参照信号取得部は、レーダ装置が停止した後、再始動した場合に、再始動時に受信した受信信号と、停止時信号と、レーダ装置の参照信号取得部によって取得されて記憶された参照信号とを用いて、再始動時の参照信号を更新するか否かを判定することが好ましい。
また、停止時信号取得部は、受信部によって受信された受信信号と前記参照信号の差分を停止時信号として取得し、参照信号取得部は、レーダ装置の再始動時に受信した受信信号と参照信号の初期値との差分によって算出される信号と、停止時信号との差分の絶対値を予め定められた閾値と比較し、絶対値が閾値より大きい場合に、再始動時の参照信号を再始動時に受信した受信信号と停止時信号との差分値に設定し、絶対値が閾値以下の場合に、再始動時の参照信号を参照信号の初期値に設定することが好ましい。
これにより、レーダ装置の停止時から再び始動するまでの時間が長いと、その間に温度等の環境変化が起こることにより、レーダ装置停止前に保持された参照信号は信頼性の低いものになっている可能性が高い。しかし、停止させた時点と再び始動させた時点とで、移動体周囲に存在するターゲットが変化しなければ、取得された停止時信号は正しい値である。よって、この停止時信号を用いて参照信号を更新することによって、レーダ装置始動直後でも高精度なレーダ動作が可能となる。
また、参照信号取得部は、速度取得部によって取得された速度が所定の値以上である場合に、受信部によって受信された受信信号のうち、最新の複数回の受信信号の平均を参照信号として取得することが好ましい。
また、レーダ装置は、所定の距離以上離した遮蔽物を通して送受信を行うことが好ましい。
また、レーダ装置は、遮蔽物への入射角を所定値以下とすることが好ましい。
また、レーダ装置と遮蔽物との距離は、移動体の周囲の障害物を検知する検知範囲から決定することが好ましい。
また、遮蔽物へのレーダビームの入射角は、移動体の周囲の障害物を検知する検知範囲から決定することが好ましい。
本発明のレーダ装置によれば、正確な参照信号を取得することができるため、高精度にターゲットを検知することが可能となる。
図1は、本発明におけるパルスレーダ装置の車両への設置例を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態1におけるパルスレーダ装置の構成を示すブロック図である。 図3は、パルスレーダ装置とバンパーとの設置位置を示す図である。 図4は、パルスレーダ装置のアンテナからの距離とベースバンド受信信号の振幅との関係を示す図である。 図5は、ターゲットの有無によるベースバンド受信信号の振幅を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態1における参照信号取得部の具体的な動作を示すフローチャートである。 図7は、本発明の実施の形態2におけるパルスレーダ装置の構成を示すブロック図である。 図8は、本発明の実施の形態2における停止時信号取得部の動作を示すフローチャートである。 図9は、本発明の実施の形態2におけるパルスレーダ装置再始動直後の参照信号設定の動作を示すフローチャートである。 図10Aは、ターゲットがない場合の車両に設置されたパルスレーダ装置を上から見た図である。 図10Bは、ターゲットがある場合の車両に設置されたパルスレーダ装置を上から見た図である。 図11Aは、ターゲットがない場合のパルスレーダ装置のアンテナからの距離とベースバンド受信信号の振幅の関係を示す図である。 図11Bは、ターゲットがある場合のパルスレーダ装置のアンテナからの距離とベースバンド受信信号の振幅の関係を示す図である。
符号の説明
200、400 パルスレーダ装置
201 送信部
202 受信部
203 信号処理部
204 速度取得部
205、401 参照信号取得部
206 パルス発生器
207 送信ミキサ
208 送信パワーアンプ
209 送信アンテナ
210 スプリッタ
211 発振器
212 受信アンテナ
213 受信ローノイズアンプ
214 受信ミキサ
402 停止時信号取得部
(実施の形態1)
図1〜図6を参照して、本発明の実施の形態1におけるパルスレーダ装置について説明する。
図1は、パルスレーダ装置の車両への設置例を示す図である。パルスレーダ装置は、車両前部のバンパー(本発明の遮蔽物に相当)の裏側に設置されている。図中に点線で示したように、この場合、パルスレーダ装置が3個設置されている。また、検知したい領域などによって所望の数だけレーダ装置を設置することになる。
図2は、本実施形態にかかるレーダ装置の一例である車両に搭載されるパルスレーダ装置のブロック構成を示す図である。パルスレーダ装置200は、送信部201、受信部202、信号処理部203、速度取得部204、参照信号取得部205を備える。
送信部201は、レーダビームを生成して車外に向けて放射する。送信部201は、パルス発生器206、送信ミキサ207、送信パワーアンプ208、送信アンテナ209、スプリッタ210および発振器211を含む。
まず、送信部201では、パルス発生器206によって変調用のパルス信号がベースバンド送信信号として生成される。一方、発振器211によって生成された高周波の連続波が、スプリッタ210に入力され、送信用と受信用に分割される。
次に、送信ミキサ207に変調パルスと高周波の連続波が入力され、乗算動作によって高周波のパルス信号が生成される。これが送信パワーアンプ208によって増幅された後、送信アンテナ209によってさらに増幅されてレーダビームとして空中に放射される。送信部201は、上記の動作を周期的に繰り返すことで、レーダビームを生成し放射する。
受信部202は、送信アンテナ209から放射されたレーダビームは、ターゲットに照射され、ターゲットにより反射したレーダビームの一部を受信する。受信部202は、スプリッタ210、発振器211、受信アンテナ212、受信LNA(ローノイズアンプ)213および受信ミキサ214を含む。
放射されたレーダビームの先に何らかのターゲットがあれば、放射されたレーダビームはそのターゲットに照射され、照射されたレーダビームの一部が反射して再びパルスレーダ装置200のほうに戻ってくる。この反射したレーダビームは、受信アンテナ212によって受信され、増幅された後、受信LNA213によってさらに増幅される。
受信LNA213によってさらに増幅された信号が、発振器211によって生成されスプリッタ210により分割された高周波の連続波とともに受信ミキサ214に入力される。受信ミキサ214は、送信ミキサ207と同様に乗算動作によってベースバンド受信信号を出力する。
信号処理部203は、ベースバンド受信信号と後述する参照信号取得部205で予め記憶されている参照信号との振幅差を求めることによって、ターゲットの有無を判定する。また、信号処理部203は、ベースバンド送信信号とベースバンド受信信号との時間差を求めることにより、ターゲットまでの距離を算出する。
速度取得部204は、車両の速度を取得する。例えば、車両に設置された車輪速センサからの信号により車速を求めたり、加速度センサからの信号により車両の加速度を検出し、それを時間積分することによって求めてもよい。
参照信号取得部205は、参照信号を取得する。ここで、参照信号とは、車両の周囲にターゲットが存在しない場合に受信部202で受信したベースバンド受信信号である。具体的には、参照信号取得部205は、速度取得部204によって取得された車両の速度が所定の値以上の場合、受信部202で生成されたベースバンド受信信号を参照信号として保持する。これは、車両の速度が所定の値以上の場合、少なくとも移動体の周囲で移動体からの距離が近い場所にはターゲットがないと判断できるためである。
通常の走行シーンにおいて、上記の条件を満足する確率は非常に大きいので、常に最新の参照信号を保持することが可能であり、温度やその他の環境の変化によって生じるレーダ装置のデバイスの特性変化にも追従できる。よって、常に正確な参照信号を取得することが可能となる。
ここで、図3を参照して、パルスレーダ装置の車両への設置位置について説明する。なお、図3はパルスレーダ装置のバンパーに対する設置位置を示す図である。図3において、パルスレーダ装置が、従来のようにバンパーのすぐ裏側ではなく、バンパーから所定の距離以上離して設置されている。この所定の距離とは、少なくとも、バンパー表面から極近距離だけ離れた場所においても、送信部201から送信されたレーダビームが直接受信部202に回り込むことによって発生する回り込み波の影響を受けずに、ターゲットを検知することができる距離のことである。以下、この所定の距離を設定するための一例を説明する。
まず、使用するパルスレーダ装置を、バンパーを前に置いた状態で動作させ、ベースバンド受信信号の時間波形をオシロスコープ等で観測する。なお、図4は、アンテナからの距離と観測したベースバンド受信信号の振幅との関係を示す図である。縦軸および横軸の意味は図10A、図10B、図11Aおよび図11Bと同じであるが、見やすくするために横軸のスケールを拡大している。送信波の出力が大きいために受信部202が飽和し、ベースバンド受信信号の振幅が飽和レベルに張り付いているが、パルスレーダ装置からの距離が長くなるにつれてベースバンド受信信号の振幅が小さくなっていく。バンパーとパルスレーダ装置との距離を変えていき、バンパーに対して、バンパー表面における受信部202のベースバンド受信信号の振幅が飽和しない境界の距離dを求める。実際に車両に設置する場合には、バンパーに対してその距離d以上離した位置に設置する。この時、パルスレーダ装置は、車両本体に設置されても良いし、バンパー自体にその距離d以上離れた位置を保つ様に治具を用いて、もしくは取り付け部を備えるようにバンパーを成型もしくは加工して設置しても良い。
また、バンパー表面における受信部202のベースバンド受信信号の振幅と飽和レベルとの差がゼロとなる境界の距離をdとしたが、図示しない検波器の分解能を考慮して、飽和レベルとの差が検波器の最小分解能に等しいときの距離をdとする方が好ましい。
なお、所定の距離dを設定する際に、使用するパルスレーダ装置を、バンパーを前に置いた状態で動作させたが、バンパーを置かずにベースバンド受信信号の時間波形をオシロスコープ等で観測し、ベースバンド受信信号の振幅と飽和レベルとの差が、バンパーからの反射波によるベースバンド受信信号の振幅と検波器の最小分解能との和に等しいときのパルスレーダ装置からの距離としてもよい。すなわち、バンパーを前に置くと、バンパーからの反射波の振幅が加算されるため、それが加算された状態で、ベースバンド受信信号の振幅が飽和レベルに達しておらず、かつ、飽和レベルまでの差が検波器の最小分解能以上であれば、バンパー直近のターゲットを検出できることになる。
図5は、図3のようにパルスレーダ装置を設置したときのパルスレーダ装置からの距離とベースバンド受信信号の振幅との関係を示した図である。ターゲットがないときとあるときで、ベースバンド受信信号の振幅に差があるため、これを利用することによってバンパー直近のターゲットを検知することが可能となる。
信号処理部203においてターゲットを検出する際に、図5の点線で示すようなターゲットが存在しないと分かっているときのベースバンド受信信号の振幅を参照信号としてパルスレーダ装置内に記憶しておき、ベースバンド受信信号と参照信号との振幅差を求めることにより、ターゲットの有無を判定する。さらに、ベースバンド送信信号とベースバンド受信信号の時間差を求め、それによってターゲットの距離を算出する。
また、一般に、レーダビームが、バンパー等の誘電体に照射される場合、その入射角が大きい(バンパー等に垂直に照射される位置を0度とする)ほど、誘電体を透過するレーダビームのエネルギー成分が小さくなり、逆に、誘電体により反射されるレーダビームのエネルギー成分が大きくなる。本実施例のように、パルスレーダ装置をバンパーから離して設置した場合、パルスレーダ装置をバンパー直近に設置した場合に比べ、レーダビームのバンパーへの入射角が、相対的に小さくなる。よって、バンパーを透過するレーダビームのエネルギー成分が、相対的に大きくなり、特に、バンパー近傍に関して、より広範囲なエリアを検知することができる。したがって、パルスレーダ装置は、バンパーへのレーダビームの入射角が所定値以下になるような位置に設置するのが好ましい。また、車両の周囲のターゲットを検知する検知範囲に基づいて、パルスレーダ装置とバンパーとの距離を決定してもよい。なお、入射角は、バンパーの形状を曲面にする等により調整してもよい。
また、パルスレーダ装置が、バンパーから所定の距離dに設置されると、バンパーから極近距離だけ離れた場所に存在するターゲットでも、遮蔽板を用いたり回路構成を複雑にすることなく、送信波のパワーを抑えずに確実に検知することが可能である。よって、例えば、送信波のパワーを制御することなく、かつ、最大検知距離を小さくすることなく、車両のバンパーに密着したターゲットなども検知することが可能となり、事故の削減に貢献できる。
次に、図6を参照して、参照信号の具体的な算出方法について説明する。また、図6において初期振幅Vinit、参照信号Vref、ベースバンド受信信号の振幅Vといった信号の振幅はスカラー値ではなく、パルスレーダ装置からの距離に関するベクトル、つまり信号の振幅値とパルスレーダ装置からターゲットまでの距離の2次元情報である。
まず、ステップS301において、信号処理部205は、参照信号の振幅Vrefを初期振幅Vinitで初期化するとともに、カウント変数n(nは1以上の整数)を1に設定する。例えば、初期振幅Vinitは、レーダ動作が車両搭載後1回目の場合には、ターゲットがないときのベースバンド受信信号の振幅の典型値とする。また、レーダ動作が2回目以降の場合には、後述するステップS309において、初期振幅Vinitは、後述の式(1)によって更新された参照信号Vref(n)の値となる。
次に、ステップS302では、速度取得部204は、車両に設置された車輪速センサを用いて車速SPを取得する。続くステップS303では、ステップS302で取得された車速SPが車速閾値SPth以上か否かの判定をする。判定の結果、車速SPが、予め設定した車速閾値SPth以上(ステップS303でYes)の場合には、処理は、ステップS304に進む。一方、車速SPが、予め設定した車速閾値SPth未満(ステップS303でNo)の場合には、処理は、ステップS308に進む。続くステップS304では、カウント変数nにおけるベースバンド受信信号の振幅Vを検出する。続くステップS305では、カウント変数nの参照信号Vref(n)は次式(1)に従って更新される。
ref(n)=((n−1)×Vref+V)/n …(1)
また、上述の車速閾値SPthは、例えば、次式(2)で算出されることが望ましい。
SPth[km/h]=max(4×Rmax、30) …(2)
上式(2)において、Rmax[m]は、パルスレーダ装置の最大検知距離であり、max(A、B)は、任意の数値A、Bのうち、大きい方の値を出力とする関数である。また、4×Rmaxで示される値は、その車速における車両の空走距離(ただし、空走時間を1秒間とする)をもとに設定する。例えば、最大検知距離Rmaxが10mの場合、上式(2)より、車速閾値SPthは、40km/hとなる。つまり、自車が40km/hで走行していれば、少なくとも空走距離(この場合、約11m)程度前方に障害物が存在しない可能性が高い。この様な状況では、ターゲットによる影響を受けていないので、受信された受信信号Vを参照信号の算出に用いることができる。また、上式(2)により、最大検知距離Rmaxがどんなに小さい場合でも、車速閾値SPthは、30km/hとなる。例えば、渋滞走行時など自車の速度が小さい(例えば、30km/h以下)場合、最大検知距離Rmax以内のエリアに前方車両などのターゲットが存在する可能性がある。この様な状況では、ターゲットによる影響を受けてしまうので、受信された受信信号Vを参照信号の算出に用いると、参照信号の精度が劣化してしまう。
続くステップS306では、カウント変数nが予め設定した閾値nth以下(ステップS306でYes)の場合には、ステップS307に進む。一方、カウント変数nが予め設定した閾値nthを越える(ステップS306でNo)場合には、ステップS308に進む。ステップS307では、カウント変数nを1だけインクリメントする。
ステップS308では、レーダ動作を終了させる(ステップS308でYes)場合には、ステップS309に進む。一方、レーダ動作を終了させない(ステップS308でNo)場合には、ステップS302に戻って処理を続ける。ステップS309では、上式(1)によって更新された参照信号Vref(n)の値を初期振幅Vinitに代入し、次回レーダ動作時の参照信号Vref(n)算出の際の初期値とし、図6の処理は終了する。
また、ステップS305のように、カウント変数nを用いて参照信号Vref(n)を算出するのは、参照信号Vref(n)を徐々に正しい値に収束させるためである。このようにすることにより、万が一ベースバンド受信信号の振幅が異常な値をとったとしても、その影響を小さくとどめることが可能である。また、ステップS306およびS307によって、カウント変数nがある値以上大きくなることを防いでいる。これは、カウント変数nがあまりに大きくなると、ステップS305で更新する参照信号Vref(n)の値に、最新のベースバンド受信信号の振幅Vの値がほとんど反映されなくなってしまい、温度などによるパルスレーダ装置のデバイスの特性変化に追従することができなくなるためである。
このように、本実施形態によれば、車両の速度が所定以上であれば、少なくとも移動体の周囲で移動体からの距離が小さい場所にはターゲットがないと判断し、このときのベースバンド受信信号を参照信号として利用することにより、常に正確な参照信号を取得できる。よって、高精度に車両周囲のターゲットを検知することが可能となる。
また、本実施例のように、パルスレーダ装置をバンパーから所定の距離だけ離して設置したとき、放射されたレーダビームが、パルスレーダ装置とバンパーの間を2往復以上し、いわゆる多重反射信号として受信される場合がある。この場合、パルスレーダ装置は、受信された多重反射信号を、本来存在しない車両周囲のターゲットとして誤検知してしまう問題がある。しかしながら、前述した参照信号取得部205によって取得された参照信号を用いることにより、バンパーによる多重反射信号か車両周辺のターゲットによる信号かの区別をより正確にすることができる。これにより、誤検知を少なくすることが可能となる。
なお、本実施形態では、図3のように配置したが、これは単なる一例にすぎず、レーダ装置の配置位置は、任意である。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係るパルスレーダ装置について説明する。なお、本発明の実施の形態2におけるレーダ装置は、実施の形態1と同様、車両に搭載されるパルスレーダ装置である。図7は、本実施形態にかかるパルスレーダ装置のブロック構成を示す図である。
本実施形態のパルスレーダ装置400は、実施の形態1のパルスレーダ装置200に加えて、停止時信号取得部402をさらに備える。送信部201、受信部202、信号処理部203、速度取得部204については、実施の形態1におけるパルスレーダ装置200と同じであるため、詳細な説明を省略する。
停止時信号取得部402は、速度取得部204によって取得された車両の速度が実質的にゼロであるときの最新のベースバンド受信信号と参照信号取得部401によって取得された参照信号との差分を、停止時信号として取得保持する。車両のエンジンの停止とともにパルスレーダ装置400を停止させた後でも、停止時信号は図示しない内部メモリ等に保存される。
参照信号取得部401は、実施の形態1の参照信号取得部205と同様に、速度取得部204によって取得された車両の速度が所定以上の場合のベースバンド受信信号を参照信号として保持するのに加えて、以下の動作を行うのが大きな特徴である。
すなわち、車両のエンジン再始動とともにパルスレーダ装置400が再始動した場合に、そのときの受信部202によって受信されるベースバンド受信信号の振幅(V)と前回パルスレーダ装置400の停止時に保存された(図6のステップS309で更新された)参照信号の初期振幅(Vinit)(本発明の参照信号の初期値に相当)とを用いて算出される信号と、停止時信号取得部402の停止時信号との差分の絶対値を利用して参照信号を補正するというのが特徴である。
例えば、車両を駐車してから再始動するまでの時間が長いと、その間に温度等の環境変化が起こることにより、駐車前に保持された参照信号は信頼性の低いものになっている可能性が高い。しかし、車両の駐車時にパルスレーダ装置の動作を停止させた時点と再始動させた時点とで、車両周囲に存在するターゲットが変化しなければ、取得された停止時信号は正しい値である。よって、この停止時信号を用いて参照信号を補正することによって、レーダ装置始動直後でも高精度なレーダ動作が可能となる。
まず、図8を参照して、停止時信号取得部402の具体的な動作について説明する。また、図8において、参照信号の振幅Vref、ベースバンド受信信号の振幅V、停止時信号の振幅Vstpといった信号の振幅はスカラー値ではなく、パルスレーダ装置からの距離に関するベクトル、つまり信号の振幅値とパルスレーダ装置からターゲットまでの距離の2次元情報である。
まず、ステップS501では、停止時信号の振幅Vstpを0に初期化するとともに、カウント変数nを1に設定する。次にステップS502では、速度取得部204は、車両に設置された車輪速センサ等を用いて車速SPを取得する。続くステップS503では、ステップS502で取得された車速SPが0である(ゼロ)か否かの判定をする。判定の結果、車速SPが、0(ゼロ)である(ステップS503でYes)場合には、処理は、ステップS504に進む。一方、車速SPが、0(ゼロ)でない(ステップS503でNo)場合には、処理は、ステップS509に進む。ステップS509では、停止時信号の振幅Vstpを0に初期化したのち、ステップS508に進む。
一方、ステップS504では、カウント変数nにおけるベースバンド受信信号の振幅Vを検出する。続くステップS505では、カウント変数nの停止時信号の振幅Vstp(n)は次式(3)に従って更新される。
stp(n)=((n−1)×Vstp+(V−Vref))/n …(3)
続くステップS506では、カウント変数nが予め設定した閾値nth以下(ステップS506でYes)の場合には、ステップS507に進む。一方、カウント変数nが予め設定した閾値nthを越える(ステップS506でNo)場合には、ステップS508に進む。ステップS507では、カウント変数nを1だけインクリメントする。
ステップS508では、レーダ動作を終了させる(ステップS508でYes)場合には、図8の処理は、終了する。一方、レーダ動作を終了させない(ステップS508でNo)場合には、ステップS502に戻って処理を続ける。
次に、図9を参照して、パルスレーダ装置400の再始動直後に停止時信号を用いて参照信号を設定する方法について説明する。また、図9において初期振幅Vinit(前回パルスレーダ装置400の停止時に保存された(図6のステップS309で更新された)参照信号の振幅Vrefに相当)、参照信号の振幅Vref、ベースバンド受信信号の振幅V、停止時信号の振幅Vstpといった信号の振幅はスカラー値ではなく、パルスレーダ装置からの距離に関するベクトル、つまり信号の振幅値とパルスレーダ装置からターゲットまでの距離の2次元情報である。
まず、ステップS601では、速度取得部204は、車両に設置された車輪速センサ等を用いて車速SPを検出する。ステップS602では、ステップS601で取得された車速SPが0(ゼロ)であるか否かの判定をする。判定の結果、車速SPが、0(ゼロ)である(ステップS602でYes)場合には、処理は、ステップS603に進む。一方、車速SPが、0(ゼロ)でない(ステップS602でNo)場合には、処理は、ステップS607に進む。ステップS607では、パルスレーダ装置400を始動直後に車両が動いてしまったと判断し、停止時信号の振幅Vstpを用いた補正を行うことができないため、信頼性が高いか低いか分からない初期振幅Vinitをそのまま参照信号として採用する。
一方、ステップS603では、カウント変数nにおけるベースバンド受信信号の振幅Vを検出する。続くステップS604では、次式(4)を用いて、図6のステップS309で更新された参照信号の初期振幅Vinitの信頼性を判定する。
|Vstp−(V−Vinit)|>ERRth …(4)
上式(4)において、前回パルスレーダ装置400の停止時に保存された停止時信号の振幅Vstp(図8のステップS505で更新された値)と、ステップS603で検出されたベースバンド受信信号の振幅Vと前回パルスレーダ装置400の停止時に保存された参照信号の初期振幅Vinit(図6のステップS309で更新された値)とを用いて算出した信号(V−Vinit)との差分の絶対値が、予め設定された誤差閾値ERRthより大きいか否か判定する(ステップS604)。判定の結果、上式(4)の左辺(|Vstp−(V−Vinit)|)が誤差閾値ERRthより大きい(ステップS604でYes)場合には、前回パルスレーダ装置400の停止時に保存した初期振幅Vinitの信頼性が低いと判断して、処理は、ステップS605に進む。続くステップS605において、参照信号Vrefを、前回パルスレーダ装置400の停止時に保存された停止時信号の振幅VstpとステップS603で検出されたベースバンド受信信号の振幅Vとを用いて、Vref=V−Vstpと補正する。一方、上式(4)の左辺(|Vstp−(V−Vinit)|)が誤差閾値ERRth以下の(ステップS604でNo)場合には、前回パルスレーダ装置400の停止時に保存された初期振幅Vinitの信頼性が高いと判断して、処理は、ステップ606に進む。続くステップS606において、前回パルスレーダ装置400の停止時に保存された初期振幅Vinitをそのまま参照信号Vrefとして採用する。参照信号Vrefの設定が完了した後、上述のレーダ動作を行う。
以上のように、前回駐車前に保持された停止時信号を用いて参照信号を補正することにより、駐車から再始動までの間に温度等の環境変化が起こった場合でも、レーダ装置始動直後から高精度なレーダ動作が可能となる。
本発明にかかるレーダ装置は、正確な参照信号を取得することができるため、高精度にターゲットを検知することができ、本実施形態において説明した車両に搭載するパルスレーダ装置に限定されず、パルス以外の方式によるレーダ装置等にも適用することができる。
本発明は、移動体に搭載するレーダ装置に関し、特に車両に搭載して車両周囲の障害物を検知するためのレーダ装置に関する。
レーダ波を送受信することにより車両周囲に存在する障害物(以下、ターゲットと呼ぶ)を検知し、ドライバーにターゲットの存在を報知するレーダ装置の開発が進められている。そのレーダ装置の一つとして、パルス方式のレーダ装置(以下、パルスレーダ装置と呼ぶ)が知られている。また、車両に搭載されるレーダ装置は、バンパーの裏側といった外部から直接目視できない位置に設置されている。また、検知範囲によっては複数個のレーダ装置が設置されることになる。
例えば、パルスレーダ装置は、パルス発生器により変調用のパルス信号を生成し、高周波で変調された変調パルスが送信アンテナを通して車外に放射され、放射された先のターゲットに反射して戻ってきた反射波を受信アンテナで受信し、受信した信号を増幅して復調することでべースバンド受信信号が出力される。そして、このベースバンド送信信号とベースバンド受信信号との時間差を求めることにより、ターゲットまでの距離を算出することができる。
また、パルスレーダ装置は、車両から離れたところに存在するターゲットのみならず、車両のごく近傍に存在する物体も検知する必要がある。例えば、送信パルスのパルス幅より短い時間で受信パルスが戻る様な近距離では、パルスレーダ装置の送信アンテナから受信アンテナへ直接回り込んで入力されるレーダビームおよび送信部から受信部への回路上でのカップリングの影響(以下、これらを合わせて「回り込み波」と呼ぶ)で近距離のターゲットを検知できない場合もある。
回り込み波について図10A、図10B、図11Aおよび図11Bを用いて詳細に説明する。図10Aは、その設置の様子を上から見たものである。レーダ装置は通常バンパーのすぐ裏側に設置される。図10Bは、図10Aの状態において、さらにバンパーのすぐ外側に検出対象となるターゲットを設置したものを表している。
図11Aは、図10Aのようにパルスレーダ装置を設置したときの、パルスレーダ装置のアンテナからの距離とベースバンド受信信号の振幅との関係を示した図である。回り込み波は、ターゲットの有無にかかわらず常に発生しているため、ベースバンド受信信号の中には、常に回り込み波の受信による成分も存在する。また、バンパーの反射波については、プラスチックバンパーであれば基本的に電波は透過するが、やはり送信信号の一部はバンパーによって反射されるため、振幅は小さいが反射波が存在する。実際には、回り込み波とバンパーの反射波が合成されたものがベースバンド受信信号として観測される(図中の太い実線)。
一方、図11Bは、図10Bの状態におけるベースバンド受信信号を示したものである。図11Aに加えて、バンパーのすぐ外側に設置されたターゲットの反射波が存在し、実際のベースバンド受信信号は図中の太線で示したものになる。図11Aと図11Bの比較より、ターゲットがある場合とない場合とでベースバンド受信信号の振幅に差があることがわかる。よって、ターゲットがある場合のベースバンド受信信号とターゲットがない場合のベースバンド受信信号との振幅の差分をとることによってターゲットを検知することが可能である。
また、この回り込み波による信号の影響を受けずに極近距離のターゲットを検知する方法として、送受回り込み信号と移動ターゲットの反射信号との位相差が変化すると受信信号が変化することを利用したパルスレーダ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−222669号公報
しかし、実際にレーダ装置を車両に搭載した場合、図11Aに示すような、車両の周囲にターゲットがないときのベースバンド受信信号、つまり参照信号をどうやって算出するかが大きな問題となる。なぜなら、車両周囲に何もターゲットがないという状況はまれであるし、また、レーダ装置自身が正確な参照信号を保持していない限り、車両周囲に何もターゲットがないということを認識することはできないからである。
これを解決する手段として、例えば、カーメーカの工場で車両を組み立てる工程において、パルスレーダ装置を車両に搭載した後、車両の周囲に何もターゲットがない場所に車両を置き、そこで送信信号を送信し、そのときのベースバンド受信信号を参照信号として保持しておく、ということが考えられる。しかし、この方法では、車両の組み立て工程が複雑かつ高コストになってしまう。さらに、レーダ装置を構成するデバイスの特性は、車両の走行に伴い、温度やその他の環境によって大きく変化する。よって、組み立て工程で保持した参照信号は、実際の車両走行においては、参考程度にはなるが正確な参照信号とはならない。
また、特許文献1記載の方法では、レーダ装置とターゲットの間の相対速度がゼロの場合はターゲットを検知できない。
それ故に本発明は、常に正確な参照信号を取得することができ、高精度にターゲットを検知することが可能なレーダ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、本発明の局面は、移動体に搭載され、前記移動体の周囲のターゲットを検知するレーダ装置である。レーダ装置は、送信部、受信部、速度取得部、参照信号取得部および信号処理部を備える。
送信部は、送信信号を所定の周波数で変調したレーダビームを送信する。受信部は、送信部から送信され、ターゲットで反射したレーダビームを所定の周波数で復調した受信信号を受信する。速度取得部は、移動体の速度を取得する。参照信号取得部は、速度取得部によって取得された速度が所定の値以上である場合に、受信信号を参照信号として取得する。信号処理部は、受信信号と参照信号を用いて、ターゲットを検出する。
これにより、移動体の速度が所定の値以上であれば、少なくとも移動体の周囲で移動体からの距離が小さい場所にはターゲットがないと判断してよい。よって、移動体の速度が所定の値以上の場合の受信信号を参照信号として保持することにより、正確な参照信号を取得することが可能となる。
また、速度取得部によって取得された速度が実質的にゼロである場合、停止時信号を取得する停止時信号取得部を、さらに備え、参照信号取得部は、レーダ装置が停止した後、再始動した場合に、再始動時に受信した受信信号と、停止時信号と、レーダ装置の参照信号取得部によって取得されて記憶された参照信号とを用いて、再始動時の参照信号を更新するか否かを判定することが好ましい。
また、停止時信号取得部は、受信部によって受信された受信信号と前記参照信号の差分を停止時信号として取得し、参照信号取得部は、レーダ装置の再始動時に受信した受信信号と参照信号の初期値との差分によって算出される信号と、停止時信号との差分の絶対値を予め定められた閾値と比較し、絶対値が閾値より大きい場合に、再始動時の参照信号を再始動時に受信した受信信号と停止時信号との差分値に設定し、絶対値が閾値以下の場合に、再始動時の参照信号を参照信号の初期値に設定することが好ましい。
これにより、レーダ装置の停止時から再び始動するまでの時間が長いと、その間に温度等の環境変化が起こることにより、レーダ装置停止前に保持された参照信号は信頼性の低いものになっている可能性が高い。しかし、停止させた時点と再び始動させた時点とで、移動体周囲に存在するターゲットが変化しなければ、取得された停止時信号は正しい値である。よって、この停止時信号を用いて参照信号を更新することによって、レーダ装置始動直後でも高精度なレーダ動作が可能となる。
また、参照信号取得部は、速度取得部によって取得された速度が所定の値以上である場合に、受信部によって受信された受信信号のうち、最新の複数回の受信信号の平均を参照信号として取得することが好ましい。
また、レーダ装置は、所定の距離以上離した遮蔽物を通して送受信を行うことが好ましい。
また、レーダ装置は、遮蔽物への入射角を所定値以下とすることが好ましい。
また、レーダ装置と遮蔽物との距離は、移動体の周囲の障害物を検知する検知範囲から決定することが好ましい。
また、遮蔽物へのレーダビームの入射角は、移動体の周囲の障害物を検知する検知範囲から決定することが好ましい。
本発明のレーダ装置によれば、正確な参照信号を取得することができるため、高精度にターゲットを検知することが可能となる。
(実施の形態1)
図1〜図6を参照して、本発明の実施の形態1におけるパルスレーダ装置について説明する。
図1は、パルスレーダ装置の車両への設置例を示す図である。パルスレーダ装置は、車両前部のバンパー(本発明の遮蔽物に相当)の裏側に設置されている。図中に点線で示したように、この場合、パルスレーダ装置が3個設置されている。また、検知したい領域などによって所望の数だけレーダ装置を設置することになる。
図2は、本実施形態にかかるレーダ装置の一例である車両に搭載されるパルスレーダ装置のブロック構成を示す図である。パルスレーダ装置200は、送信部201、受信部202、信号処理部203、速度取得部204、参照信号取得部205を備える。
送信部201は、レーダビームを生成して車外に向けて放射する。送信部201は、パルス発生器206、送信ミキサ207、送信パワーアンプ208、送信アンテナ209、スプリッタ210および発振器211を含む。
まず、送信部201では、パルス発生器206によって変調用のパルス信号がベースバンド送信信号として生成される。一方、発振器211によって生成された高周波の連続波が、スプリッタ210に入力され、送信用と受信用に分割される。
次に、送信ミキサ207に変調パルスと高周波の連続波が入力され、乗算動作によって高周波のパルス信号が生成される。これが送信パワーアンプ208によって増幅された後、送信アンテナ209によってさらに増幅されてレーダビームとして空中に放射される。送信部201は、上記の動作を周期的に繰り返すことで、レーダビームを生成し放射する。
受信部202は、送信アンテナ209から放射されたレーダビームは、ターゲットに照射され、ターゲットにより反射したレーダビームの一部を受信する。受信部202は、スプリッタ210、発振器211、受信アンテナ212、受信LNA(ローノイズアンプ)213および受信ミキサ214を含む。
放射されたレーダビームの先に何らかのターゲットがあれば、放射されたレーダビームはそのターゲットに照射され、照射されたレーダビームの一部が反射して再びパルスレーダ装置200のほうに戻ってくる。この反射したレーダビームは、受信アンテナ212によって受信され、増幅された後、受信LNA213によってさらに増幅される。
受信LNA213によってさらに増幅された信号が、発振器211によって生成されスプリッタ210により分割された高周波の連続波とともに受信ミキサ214に入力される。受信ミキサ214は、送信ミキサ207と同様に乗算動作によってベースバンド受信信号を出力する。
信号処理部203は、ベースバンド受信信号と後述する参照信号取得部205で予め記憶されている参照信号との振幅差を求めることによって、ターゲットの有無を判定する。また、信号処理部203は、ベースバンド送信信号とベースバンド受信信号との時間差を求めることにより、ターゲットまでの距離を算出する。
速度取得部204は、車両の速度を取得する。例えば、車両に設置された車輪速センサからの信号により車速を求めたり、加速度センサからの信号により車両の加速度を検出し
、それを時間積分することによって求めてもよい。
参照信号取得部205は、参照信号を取得する。ここで、参照信号とは、車両の周囲にターゲットが存在しない場合に受信部202で受信したベースバンド受信信号である。具体的には、参照信号取得部205は、速度取得部204によって取得された車両の速度が所定の値以上の場合、受信部202で生成されたベースバンド受信信号を参照信号として保持する。これは、車両の速度が所定の値以上の場合、少なくとも移動体の周囲で移動体からの距離が近い場所にはターゲットがないと判断できるためである。
通常の走行シーンにおいて、上記の条件を満足する確率は非常に大きいので、常に最新の参照信号を保持することが可能であり、温度やその他の環境の変化によって生じるレーダ装置のデバイスの特性変化にも追従できる。よって、常に正確な参照信号を取得することが可能となる。
ここで、図3を参照して、パルスレーダ装置の車両への設置位置について説明する。なお、図3はパルスレーダ装置のバンパーに対する設置位置を示す図である。図3において、パルスレーダ装置が、従来のようにバンパーのすぐ裏側ではなく、バンパーから所定の距離以上離して設置されている。この所定の距離とは、少なくとも、バンパー表面から極近距離だけ離れた場所においても、送信部201から送信されたレーダビームが直接受信部202に回り込むことによって発生する回り込み波の影響を受けずに、ターゲットを検知することができる距離のことである。以下、この所定の距離を設定するための一例を説明する。
まず、使用するパルスレーダ装置を、バンパーを前に置いた状態で動作させ、ベースバンド受信信号の時間波形をオシロスコープ等で観測する。なお、図4は、アンテナからの距離と観測したベースバンド受信信号の振幅との関係を示す図である。縦軸および横軸の意味は図11Aおよび図11Bと同じであるが、見やすくするために横軸のスケールを拡大している。送信波の出力が大きいために受信部202が飽和し、ベースバンド受信信号の振幅が飽和レベルに張り付いているが、パルスレーダ装置からの距離が長くなるにつれてベースバンド受信信号の振幅が小さくなっていく。バンパーとパルスレーダ装置との距離を変えていき、バンパーに対して、バンパー表面における受信部202のベースバンド受信信号の振幅が飽和しない境界の距離dを求める。実際に車両に設置する場合には、バンパーに対してその距離d以上離した位置に設置する。この時、パルスレーダ装置は、車両本体に設置されても良いし、バンパー自体にその距離d以上離れた位置を保つ様に治具を用いて、もしくは取り付け部を備えるようにバンパーを成型もしくは加工して設置しても良い。
また、バンパー表面における受信部202のベースバンド受信信号の振幅と飽和レベルとの差がゼロとなる境界の距離をdとしたが、図示しない検波器の分解能を考慮して、飽和レベルとの差が検波器の最小分解能に等しいときの距離をdとする方が好ましい。
なお、所定の距離dを設定する際に、使用するパルスレーダ装置を、バンパーを前に置いた状態で動作させたが、バンパーを置かずにベースバンド受信信号の時間波形をオシロスコープ等で観測し、ベースバンド受信信号の振幅と飽和レベルとの差が、バンパーからの反射波によるベースバンド受信信号の振幅と検波器の最小分解能との和に等しいときのパルスレーダ装置からの距離としてもよい。すなわち、バンパーを前に置くと、バンパーからの反射波の振幅が加算されるため、それが加算された状態で、ベースバンド受信信号の振幅が飽和レベルに達しておらず、かつ、飽和レベルまでの差が検波器の最小分解能以上であれば、バンパー直近のターゲットを検出できることになる。
図5は、図3のようにパルスレーダ装置を設置したときのパルスレーダ装置からの距離とベースバンド受信信号の振幅との関係を示した図である。ターゲットがないときとあるときで、ベースバンド受信信号の振幅に差があるため、これを利用することによってバンパー直近のターゲットを検知することが可能となる。
信号処理部203においてターゲットを検出する際に、図5の点線で示すようなターゲットが存在しないと分かっているときのベースバンド受信信号の振幅を参照信号としてパルスレーダ装置内に記憶しておき、ベースバンド受信信号と参照信号との振幅差を求めることにより、ターゲットの有無を判定する。さらに、ベースバンド送信信号とベースバンド受信信号の時間差を求め、それによってターゲットの距離を算出する。
また、一般に、レーダビームが、バンパー等の誘電体に照射される場合、その入射角が大きい(バンパー等に垂直に照射される位置を0度とする)ほど、誘電体を透過するレーダビームのエネルギー成分が小さくなり、逆に、誘電体により反射されるレーダビームのエネルギー成分が大きくなる。本実施例のように、パルスレーダ装置をバンパーから離して設置した場合、パルスレーダ装置をバンパー直近に設置した場合に比べ、レーダビームのバンパーへの入射角が、相対的に小さくなる。よって、バンパーを透過するレーダビームのエネルギー成分が、相対的に大きくなり、特に、バンパー近傍に関して、より広範囲なエリアを検知することができる。したがって、パルスレーダ装置は、バンパーへのレーダビームの入射角が所定値以下になるような位置に設置するのが好ましい。また、車両の周囲のターゲットを検知する検知範囲に基づいて、パルスレーダ装置とバンパーとの距離を決定してもよい。なお、入射角は、バンパーの形状を曲面にする等により調整してもよい。
また、パルスレーダ装置が、バンパーから所定の距離dに設置されると、バンパーから極近距離だけ離れた場所に存在するターゲットでも、遮蔽板を用いたり回路構成を複雑にすることなく、送信波のパワーを抑えずに確実に検知することが可能である。よって、例えば、送信波のパワーを制御することなく、かつ、最大検知距離を小さくすることなく、車両のバンパーに密着したターゲットなども検知することが可能となり、事故の削減に貢献できる。
次に、図6を参照して、参照信号の具体的な算出方法について説明する。また、図6において初期振幅Vinit、参照信号Vref、ベースバンド受信信号の振幅Vrといった信号の振幅はスカラー値ではなく、パルスレーダ装置からの距離に関するベクトル、つまり信号の振幅値とパルスレーダ装置からターゲットまでの距離の2次元情報である。
まず、ステップS301において、信号処理部205は、参照信号の振幅Vrefを初期
振幅Vinitで初期化するとともに、カウント変数n(nは1以上の整数)を1に設定する。例えば、初期振幅Vinitは、レーダ動作が車両搭載後1回目の場合には、ターゲットがないときのベースバンド受信信号の振幅の典型値とする。また、レーダ動作が2回目以降の場合には、後述するステップS309において、初期振幅Vinitは、後述の式(1)によって更新された参照信号Vref(n)の値となる。
次に、ステップS302では、速度取得部204は、車両に設置された車輪速センサを用いて車速SPを取得する。続くステップS303では、ステップS302で取得された車速SPが車速閾値SPth以上か否かの判定をする。判定の結果、車速SPが、予め設定した車速閾値SPth以上(ステップS303でYes)の場合には、処理は、ステップS304に進む。一方、車速SPが、予め設定した車速閾値SPth未満(ステップS303でNo)の場合には、処理は、ステップS308に進む。続くステップS304では、カウント変数nにおけるベースバンド受信信号の振幅Vrを検出する。続くステップS30
5では、カウント変数nの参照信号Vref(n)は次式(1)に従って更新される。
ref(n)=((n−1)×Vref+Vr)/n …(1)
また、上述の車速閾値SPthは、例えば、次式(2)で算出されることが望ましい。
SPth[km/h]=max(4×Rmax、30) …(2)
上式(2)において、Rmax[m]は、パルスレーダ装置の最大検知距離であり、max(A、B)は、任意の数値A、Bのうち、大きい方の値を出力とする関数である。また、4×Rmaxで示される値は、その車速における車両の空走距離(ただし、空走時間を1秒間とする)をもとに設定する。例えば、最大検知距離Rmaxが10mの場合、上式(2)より、車速閾値SPthは、40km/hとなる。つまり、自車が40km/hで走行していれば、少なくとも空走距離(この場合、約11m)程度前方に障害物が存在しない可能性が高い。この様な状況では、ターゲットによる影響を受けていないので、受信された受信信号Vrを参照信号の算出に用いることができる。また、上式(2)により、最
大検知距離Rmaxがどんなに小さい場合でも、車速閾値SPthは、30km/hとなる。例えば、渋滞走行時など自車の速度が小さい(例えば、30km/h以下)場合、最大検知距離Rmax以内のエリアに前方車両などのターゲットが存在する可能性がある。この様な状況では、ターゲットによる影響を受けてしまうので、受信された受信信号Vr
参照信号の算出に用いると、参照信号の精度が劣化してしまう。
続くステップS306では、カウント変数nが予め設定した閾値nth以下(ステップS306でYes)の場合には、ステップS307に進む。一方、カウント変数nが予め設定した閾値nthを越える(ステップS306でNo)場合には、ステップS308に進む。ステップS307では、カウント変数nを1だけインクリメントする。
ステップS308では、レーダ動作を終了させる(ステップS308でYes)場合には、ステップS309に進む。一方、レーダ動作を終了させない(ステップS308でNo)場合には、ステップS302に戻って処理を続ける。ステップS309では、上式(1)によって更新された参照信号Vref(n)の値を初期振幅Vinitに代入し、次回レー
ダ動作時の参照信号Vref(n)算出の際の初期値とし、図6の処理は終了する。
また、ステップS305のように、カウント変数nを用いて参照信号Vref(n)を算
出するのは、参照信号Vref(n)を徐々に正しい値に収束させるためである。このよう
にすることにより、万が一ベースバンド受信信号の振幅が異常な値をとったとしても、その影響を小さくとどめることが可能である。また、ステップS306およびS307によって、カウント変数nがある値以上大きくなることを防いでいる。これは、カウント変数nがあまりに大きくなると、ステップS305で更新する参照信号Vref(n)の値に、
最新のベースバンド受信信号の振幅Vrの値がほとんど反映されなくなってしまい、温度
などによるパルスレーダ装置のデバイスの特性変化に追従することができなくなるためである。
このように、本実施形態によれば、車両の速度が所定以上であれば、少なくとも移動体の周囲で移動体からの距離が小さい場所にはターゲットがないと判断し、このときのベースバンド受信信号を参照信号として利用することにより、常に正確な参照信号を取得できる。よって、高精度に車両周囲のターゲットを検知することが可能となる。
また、本実施例のように、パルスレーダ装置をバンパーから所定の距離だけ離して設置したとき、放射されたレーダビームが、パルスレーダ装置とバンパーの間を2往復以上し、いわゆる多重反射信号として受信される場合がある。この場合、パルスレーダ装置は、受信された多重反射信号を、本来存在しない車両周囲のターゲットとして誤検知してしまう問題がある。しかしながら、前述した参照信号取得部205によって取得された参照信
号を用いることにより、バンパーによる多重反射信号か車両周辺のターゲットによる信号かの区別をより正確にすることができる。これにより、誤検知を少なくすることが可能となる。
なお、本実施形態では、図3のように配置したが、これは単なる一例にすぎず、レーダ装置の配置位置は、任意である。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係るパルスレーダ装置について説明する。なお、本発明の実施の形態2におけるレーダ装置は、実施の形態1と同様、車両に搭載されるパルスレーダ装置である。図7は、本実施形態にかかるパルスレーダ装置のブロック構成を示す図である。
本実施形態のパルスレーダ装置400は、実施の形態1のパルスレーダ装置200に加えて、停止時信号取得部402をさらに備える。送信部201、受信部202、信号処理部203、速度取得部204については、実施の形態1におけるパルスレーダ装置200と同じであるため、詳細な説明を省略する。
停止時信号取得部402は、速度取得部204によって取得された車両の速度が実質的にゼロであるときの最新のベースバンド受信信号と参照信号取得部401によって取得された参照信号との差分を、停止時信号として取得保持する。車両のエンジンの停止とともにパルスレーダ装置400を停止させた後でも、停止時信号は図示しない内部メモリ等に保存される。
参照信号取得部401は、実施の形態1の参照信号取得部205と同様に、速度取得部204によって取得された車両の速度が所定以上の場合のベースバンド受信信号を参照信号として保持するのに加えて、以下の動作を行うのが大きな特徴である。
すなわち、車両のエンジン再始動とともにパルスレーダ装置400が再始動した場合に、そのときの受信部202によって受信されるベースバンド受信信号の振幅(Vr)と前
回パルスレーダ装置400の停止時に保存された(図6のステップS309で更新された)参照信号の初期振幅(Vinit)(本発明の参照信号の初期値に相当)とを用いて算出される信号と、停止時信号取得部402の停止時信号との差分の絶対値を利用して参照信号を補正するというのが特徴である。
例えば、車両を駐車してから再始動するまでの時間が長いと、その間に温度等の環境変化が起こることにより、駐車前に保持された参照信号は信頼性の低いものになっている可能性が高い。しかし、車両の駐車時にパルスレーダ装置の動作を停止させた時点と再始動させた時点とで、車両周囲に存在するターゲットが変化しなければ、取得された停止時信号は正しい値である。よって、この停止時信号を用いて参照信号を補正することによって、レーダ装置始動直後でも高精度なレーダ動作が可能となる。
まず、図8を参照して、停止時信号取得部402の具体的な動作について説明する。また、図8において、参照信号の振幅Vref、ベースバンド受信信号の振幅Vr、停止時信号の振幅Vstpといった信号の振幅はスカラー値ではなく、パルスレーダ装置からの距離に
関するベクトル、つまり信号の振幅値とパルスレーダ装置からターゲットまでの距離の2次元情報である。
まず、ステップS501では、停止時信号の振幅Vstpを0に初期化するとともに、カ
ウント変数nを1に設定する。次にステップS502では、速度取得部204は、車両に設置された車輪速センサ等を用いて車速SPを取得する。続くステップS503では、ス
テップS502で取得された車速SPが0である(ゼロ)か否かの判定をする。判定の結果、車速SPが、0(ゼロ)である(ステップS503でYes)場合には、処理は、ステップS504に進む。一方、車速SPが、0(ゼロ)でない(ステップS503でNo)場合には、処理は、ステップS509に進む。ステップS509では、停止時信号の振幅Vstpを0に初期化したのち、ステップS508に進む。
一方、ステップS504では、カウント変数nにおけるベースバンド受信信号の振幅Vrを検出する。続くステップS505では、カウント変数nの停止時信号の振幅Vstp(n)は次式(3)に従って更新される。
stp(n)=((n−1)×Vstp+(Vr−Vref))/n …(3)
続くステップS506では、カウント変数nが予め設定した閾値nth以下(ステップS506でYes)の場合には、ステップS507に進む。一方、カウント変数nが予め設定した閾値nthを越える(ステップS506でNo)場合には、ステップS508に進む。ステップS507では、カウント変数nを1だけインクリメントする。
ステップS508では、レーダ動作を終了させる(ステップS508でYes)場合には、図8の処理は、終了する。一方、レーダ動作を終了させない(ステップS508でNo)場合には、ステップS502に戻って処理を続ける。
次に、図9を参照して、パルスレーダ装置400の再始動直後に停止時信号を用いて参照信号を設定する方法について説明する。また、図9において初期振幅Vinit(前回パルスレーダ装置400の停止時に保存された(図6のステップS309で更新された)参照信号の振幅Vrefに相当)、参照信号の振幅Vref、ベースバンド受信信号の振幅Vr、停
止時信号の振幅Vstpといった信号の振幅はスカラー値ではなく、パルスレーダ装置から
の距離に関するベクトル、つまり信号の振幅値とパルスレーダ装置からターゲットまでの距離の2次元情報である。
まず、ステップS601では、速度取得部204は、車両に設置された車輪速センサ等を用いて車速SPを検出する。ステップS602では、ステップS601で取得された車速SPが0(ゼロ)であるか否かの判定をする。判定の結果、車速SPが、0(ゼロ)である(ステップS602でYes)場合には、処理は、ステップS603に進む。一方、車速SPが、0(ゼロ)でない(ステップS602でNo)場合には、処理は、ステップS607に進む。ステップS607では、パルスレーダ装置400を始動直後に車両が動いてしまったと判断し、停止時信号の振幅Vstpを用いた補正を行うことができないため
、信頼性が高いか低いか分からない初期振幅Vinitをそのまま参照信号として採用する。
一方、ステップS603では、カウント変数nにおけるベースバンド受信信号の振幅Vrを検出する。続くステップS604では、次式(4)を用いて、図6のステップS30
9で更新された参照信号の初期振幅Vinitの信頼性を判定する。
|Vstp−(Vr−Vinit)|>ERRth …(4)
上式(4)において、前回パルスレーダ装置400の停止時に保存された停止時信号の振幅Vstp(図8のステップS505で更新された値)と、ステップS603で検出され
たベースバンド受信信号の振幅Vrと前回パルスレーダ装置400の停止時に保存された
参照信号の初期振幅Vinit(図6のステップS309で更新された値)とを用いて算出した信号(Vr−Vinit)との差分の絶対値が、予め設定された誤差閾値ERRthより大き
いか否か判定する(ステップS604)。判定の結果、上式(4)の左辺(|Vstp−(
r−Vinit)|)が誤差閾値ERRthより大きい(ステップS604でYes)場合に
は、前回パルスレーダ装置400の停止時に保存した初期振幅Vinitの信頼性が低いと判
断して、処理は、ステップS605に進む。続くステップS605において、参照信号Vrefを、前回パルスレーダ装置400の停止時に保存された停止時信号の振幅VstpとステップS603で検出されたベースバンド受信信号の振幅Vrとを用いて、Vref=Vr−Vstpと補正する。一方、上式(4)の左辺(|Vstp−(Vr−Vinit)|)が誤差閾値ERRth以下の(ステップS604でNo)場合には、前回パルスレーダ装置400の停止時に保存された初期振幅Vinitの信頼性が高いと判断して、処理は、ステップ606に進む。続くステップS606において、前回パルスレーダ装置400の停止時に保存された初期振幅Vinitをそのまま参照信号Vrefとして採用する。参照信号Vrefの設定が完了した後、上述のレーダ動作を行う。
以上のように、前回駐車前に保持された停止時信号を用いて参照信号を補正することにより、駐車から再始動までの間に温度等の環境変化が起こった場合でも、レーダ装置始動直後から高精度なレーダ動作が可能となる。
本発明にかかるレーダ装置は、正確な参照信号を取得することができるため、高精度にターゲットを検知することができ、本実施形態において説明した車両に搭載するパルスレーダ装置に限定されず、パルス以外の方式によるレーダ装置等にも適用することができる。
本発明におけるパルスレーダ装置の車両への設置例を示す図 本発明の実施の形態1におけるパルスレーダ装置の構成を示すブロック図 パルスレーダ装置とバンパーとの設置位置を示す図 パルスレーダ装置のアンテナからの距離とベースバンド受信信号の振幅との関係を示す図 ターゲットの有無によるベースバンド受信信号の振幅を示す図 本発明の実施の形態1における参照信号取得部の具体的な動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態2におけるパルスレーダ装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態2における停止時信号取得部の動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態2におけるパルスレーダ装置再始動直後の参照信号設定の動作を示すフローチャート ターゲットがない場合の車両に設置されたパルスレーダ装置を上から見た図 ターゲットがある場合の車両に設置されたパルスレーダ装置を上から見た図 ターゲットがない場合のパルスレーダ装置のアンテナからの距離とベースバンド受信信号の振幅の関係を示す図 ターゲットがある場合のパルスレーダ装置のアンテナからの距離とベースバンド受信信号の振幅の関係を示す図
符号の説明
200、400 パルスレーダ装置
201 送信部
202 受信部
203 信号処理部
204 速度取得部
205、401 参照信号取得部
206 パルス発生器
207 送信ミキサ
208 送信パワーアンプ
209 送信アンテナ
210 スプリッタ
211 発振器
212 受信アンテナ
213 受信ローノイズアンプ
214 受信ミキサ
402 停止時信号取得部

Claims (8)

  1. 移動体に搭載され、前記移動体の周囲の障害物を検知するレーダ装置であって、
    送信信号を所定の周波数で変調したレーダビームを送信する送信部と、
    前記送信部から送信され、前記障害物で反射したレーダビームを前記所定の周波数で復調して生成される受信信号を受信する受信部と、
    前記移動体の速度を取得する速度取得部と、
    前記速度取得部によって取得された速度が所定の値以上である場合に、前記受信信号を参照信号として取得する参照信号取得部と、
    前記受信信号と前記参照信号を用いて、前記障害物を検出する信号処理部とを備えるレーダ装置。
  2. 前記速度取得部によって取得された速度が実質的にゼロである場合、停止時信号を取得する停止時信号取得部を、さらに備え、
    前記参照信号取得部は、前記レーダ装置が停止した後、再始動した場合に、再始動時に受信した受信信号と、前記停止時信号と、前記レーダ装置の前記参照信号取得部によって取得されて記憶された参照信号とを用いて、再始動時の参照信号を更新するか否かを判定することを特徴とする、請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 前記停止時信号取得部は、前記受信部によって受信された受信信号と前記参照信号の差分を停止時信号として取得し、
    前記参照信号取得部は、前記レーダ装置の再始動時に受信した受信信号と前記参照信号の初期値との差分によって算出される信号と、前記停止時信号との差分の絶対値を予め定められた閾値と比較し、前記絶対値が前記閾値より大きい場合に、前記再始動時の参照信号を前記再始動時に受信した受信信号と前記停止時信号との差分値に設定し、前記絶対値が前記閾値以下の場合に、前記再始動時の参照信号を前記参照信号の初期値に設定することを特徴とする、請求項2に記載のレーダ装置。
  4. 前記参照信号取得部は、前記速度取得部によって取得された速度が所定の値以上である場合に、前記受信部によって受信された受信信号のうち、最新の複数回の受信信号の平均を参照信号として取得することを特徴とする、請求項1に記載のレーダ装置。
  5. 前記レーダ装置は、所定の距離以上離した遮蔽物を通して送受信を行うことを特徴とする、請求項1に記載のレーダ装置。
  6. 前記レーダ装置は、前記遮蔽物への入射角を所定値以下とすることを特徴とする、請求項5に記載のレーダ装置。
  7. 前記レーダ装置と前記遮蔽物との距離は、前記移動体の周囲の障害物を検知する検知範囲から決定することを特徴とする、請求項5に記載のレーダ装置。
  8. 前記遮蔽物へのレーダビームの入射角は、前記移動体の周囲の障害物を検知する検知範囲から決定することを特徴とする、請求項6に記載のレーダ装置。
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