JPWO2007020939A1 - 研磨スラリー - Google Patents

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Abstract

導体または金属の研磨に用いられる研磨スラリーであって、水と、フラーレンまたはフラーレン誘導体とを含有し、フラーレンまたはフラーレン誘導体の粒径が100nm未満であることを特徴とする。フラーレンまたはフラーレン誘導体の粒径を100nm未満とすることにより、20μm四方で2nm以下の平坦性を実現することができる。

Description

本発明は、化学機械研磨(CMP)に用いられる研磨スラリーに関する。
近年、より小型化、高機能化された情報電子機器が求められている。これにともなって、LSI(大規模集積回路)のより一層の微細化、高集積化が必要とされている。LSIの高集積化技術として、銅を配線材料とする多層配線技術が知られている。多層配線を形成する場合には、多層配線を構成する各配線層の表面を平坦化する必要がある。各層の平坦化加工として、CMPが適用されている。また、予め形成した配線用の溝に銅をスパッタ法などで埋め込んだ後に、表面の余分な銅を除去して銅配線を形成するダマシンプロセスにおいて、CMPが不可欠となっている。このように、CMPは、LSIのより一層の微細化、高集積化を図る上で、重要な要素技術の一つである。
銅配線の研磨加工用の従来のCMPでは、シリカ系粒子やアルミナ系粒子を研磨砥粒として含有する研磨スラリーが用いられている。たとえば、特許文献1は、銅系金属膜を研磨できるシリカ研磨材を含有するCMP用スラリーを開示する。
特開2004−071673号公報
従来のCMPに用いられる研磨スラリーは、シリカ系粒子やアルミナ系粒子を研磨砥粒とするため、粒径が大きいものでは数百nmにも達するとともに、粒径に大きなばらつきがあった。さらに、シリカ系粒子またはアルミナ系粒子は凝集しやすいため、研磨スラリー中の研磨砥粒の分散性を一様に維持することが困難であった。このため、従来のCMP用研磨スラリーを用いて銅配線を研磨した場合の平坦性は30mm四方で500nm程度であり、多層配線構造の研磨加工に適用した場合には7〜8階層が限界であった。LSIのさらなる高集積化のためには、銅配線をより一層平坦に研磨加工することが必要とされているが、従来のCMP用の研磨スラリーではこの要求に応えることが困難になってきている。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、金属または半導体をCMPで研磨加工したときの表面の平坦性をさらに向上させることのできる研磨スラリーの提供にある。
本発明のある態様は、半導体または金属の研磨に用いられる研磨スラリーであって、水と、フラーレンまたはフラーレン誘導体とを含有し、フラーレンまたは前記フラーレン誘導体の粒径が100nm未満であることを特徴とする。
フラーレンの単分子は粒径が0.71nmと極めて微小な球体である。フラーレンの単分子はダイヤモンドと同等の硬さを有している。このためフラーレンをCMP用の研磨スラリーとして半導体または金属を研磨加工することにより、従来のCMPでは到達が困難であった平坦性を得ることができる。ただし、平坦性を向上させるためには、研磨スラリー中の研磨砥粒の粒径が重要である。フラーレンまたはフラーレン誘導体の粒径が100nm以上になると、研磨砥粒としての粒径が大きすぎるために、基板にスクラッチが発生する。また、フラーレンまたはフラーレン誘導体の粒径が100nm以上になると、粒径のばらつきの絶対値が大きくなるため、基板にうねりが発生し、平坦化が困難になる。しかし、フラーレンまたはフラーレン誘導体の粒径を100nm未満とすることにより、20μm四方で2nm以下の平坦性を実現することができる。これにより、基板表面の平坦性が飛躍的に向上し、十数階層の配線構造を持つLSIの製造が可能になる。
ここで、「フラーレンまたはフラーレン誘導体の粒径」とは、水中のフラーレンまたはフラーレン誘導体の粒としての大きさのことであり、水中のフラーレンまたはフラーレン誘導体は、単分子、クラスターまたは凝集体のいずれの形態でもよい。
本発明の他の態様は、半導体または金属の研磨に用いられる研磨スラリーであって、水と、フラーレンまたはフラーレン誘導体とを含有し、フラーレンまたはフラーレン誘導体が水に溶解していることを特徴とする。ここで、「フラーレンまたはフラーレン誘導体が水に溶解していること」とは、フラーレンまたはフラーレン誘導体を含有する水が懸濁せず、かつ透明である状態をいう。
この態様によれば、フラーレンまたはフラーレン誘導体が水に溶解し、単分子あるいは数個のフラーレン分子が会合したクラスターとして水中に存在する。このため、研磨スラリーの研磨砥粒が極めて微小かつ粒径が分子レベルで均一に保たれるので、従来のCMPでは到達が困難であった平坦性を得ることができる。
水中のフラーレン誘導体の粒径を100nm未満にするため、あるいはフラーレン誘導体を水溶化させるためには、フラーレン誘導体が水酸基を有することが好ましい。
上述の態様において、酸化剤、防腐剤およびキレート剤をさらに含有してもよい。酸化剤、防腐剤およびキレート剤をさらに含有する研磨スラリーは金属を研磨加工する場合に好適である。酸化剤は、金属表面に脆弱な酸化膜を形成させる。防腐剤は、酸化剤の腐食を抑制する。また、キレート剤は、酸化剤によって形成された酸化膜を錯イオンとしてスラリー中へ溶解させる働きをする。このような水溶液中において、研磨パッドで一定加圧され回転運動するフラーレンナノ粒子は研磨砥粒として作用し、スクラッチや粗さを付けることなく脆弱な酸化膜を平滑に除去する役割を果たす。
本発明によれば、半導体または金属をより平坦に研磨加工することができる。
本実施形態で用いられる一般的なCMP装置の構成を示す概略図である。 水溶性C60(OH)36・9H2OのFT−IRスペクトル図である。 反応原料の非水溶性C60(OH)12・5H2OのFT−IRスペクトル図である。 水溶性C60(OH)36・9H2OのTGA測定チャート図である。 研磨時間と表面粗さの関係を示す図である。 本実施例の研磨スラリーを用いた研磨実験によって得られた基板表面のAFM観察像の一例である 本実施例の研磨スラリーを用いた研磨実験によって得られた基板表面のAFM観察像の一例である 水溶性C60(OH)40・9H2OのFT−IRスペクトル図である。 水溶性C60(OH)40・9H2OのTGA測定チャート図である。
符号の説明
10 研磨定盤、12 研磨パッド、20 加圧ヘッド、30 基板、40 研磨スラリー供給手段、50 研磨スラリー。
以下に、本発明の実施の形態を図面等を参照して説明する。
図1は、本実施形態で用いられる一般的なCMP装置の構成を示す概略図である。CMP装置1は、研磨定盤10、研磨パッド12、加圧ヘッド20、および研磨スラリー供給手段40を備える。研磨定盤10は、所定の回転速度で回転可能な機構を有する。この研磨定盤10に研磨パッド12が貼り付けられている。研磨パッド12は、特に限定されないが、たとえば不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などを用いることができる。加圧ヘッド20は、所定の回転速度で回転可能な機構および研磨定盤10に対して所定の圧力で加圧する機構を有する。加圧ヘッド20には、研磨する面を研磨定盤10に向けて、金属または/および半導体からなる基板30が貼り付けられる。研磨スラリー供給手段40は、配管、ポンプ(図示せず)等からなり、研磨時に研磨スラリー50を研磨パッド12の上に連続的に供給することができる。
本発明の実施の形態に係る研磨スラリーは、水およびフラーレンまたはフラーレン誘導体を含有する研磨スラリーであって、フラーレンまたはフラーレン誘導体の粒径が100nm未満である。本発明では、フラーレンはその目的を満たす限り限定されないが、たとえば、C60、C70あるいはより高次のもの、そして、これらの混合物であってもよい。これらフラーレンの中でも好ましいのは、C60である。フラーレンまたはフラーレン誘導体の粒径を100nm未満とすることにより、半導体または金属の表面をより平坦に研磨加工することができる。フラーレンまたはフラーレン誘導体の粒径が100nm未満であれば、フラーレンまたはフラーレン誘導体は、研磨スラリーの水溶液中で単分子、クラスターまたは凝集体のいずれの形態でもよい。フラーレンまたはフラーレン誘導体の粒径を100nm未満とすることにより、20μm四方で2nm以下の平坦性を実現することができる。これにより、基板表面の平坦性が飛躍的に向上し、十数階層の配線構造を持つLSIの製造が可能になる。
半導体または金属の表面の平坦性をより向上させるためには、フラーレンまたはフラーレン誘導体が水に溶解していることが好ましい。フラーレンまたはフラーレン誘導体が水に溶解している状態の研磨スラリーは透明であり、フラーレンまたはフラーレン誘導体の粒径は当然に100nm未満である。フラーレンまたはフラーレン誘導体が水に溶解していることにより、半導体または金属の表面に研磨砥粒が残留しにくくなり、研磨加工後に研磨スラリーを容易に除去することができる。
水中のフラーレン誘導体の粒径を100nm未満にするため、あるいはフラーレン誘導体を水溶化させるためには、フラーレン誘導体が水酸基を有することが好ましい。また、フラーレン誘導体が、アミノ基等の親水基をさらに有することにより、水酸基の数を増大させなくても、水溶性を向上させることができると期待される。できる。なお、フラーレン誘導体の官能基は、水溶性を向上させるものであればよく、上述の水酸基、アミノ基に限られない。たとえば、フラーレン誘導体の官能基としてカルボキシル基、スルホ基、ホルホノ基、およびこれらの塩などを用いることができる。
フラーレンを水溶化する手段としては、フラーレンに水酸基などの置換基が導入されたフラーレン誘導体を用いることに限られず、フラーレンとシクロデキストリン、PVPなどとの包摂体(以下、フラーレン包摂体という)を用いることもできる。フラーレン包摂体を用いることにより、フラーレン自体に構造の変化を与えることなく、フラーレンを水溶化することができる。また、フラーレンを極性有機溶媒に溶解させたのち、多量の水に投入・撹拌することにより、フラーレンを水に分散させてもよい。
金属を研磨加工する場合には、酸化剤、防腐剤およびキレート剤をさらに含有することが好適である。
酸化剤は、研磨対象の金属の表面を酸化させる。酸化剤としては、特に限定されないが、過酸化水素水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
防腐剤は、酸化剤の腐食を抑制する。防腐剤としては、特に限定されないが、BTA(ベンゾトリアゾール)、およびそのアンモニウム化合物などの化合物、キナルジン酸などが挙げられる。
キレート剤は、酸化剤によって形成された酸化膜を錯イオンとしてスラリー中へ溶解させる。キレート剤は、特に限定されないが、マロン酸、クエン酸、リン酸、硝酸、リンゴ酸、およびこれらのアンモニウム化合物などの化合物が挙げられる。
酸化剤、防腐剤およびキレート剤の種類および分量は、研磨対象となる金属の材質に応じて適宜変更することができる。銅の研磨加工に適用可能な研磨スラリーの配合例を下記に示す。
ポリ水酸化フラーレン:0.1〜0.5wt%
過酸化水素水(酸化剤):0.5〜30wt%
クエン酸アンモニウム(キレート剤):0.5〜10wt%
リン酸アンモニウム(キレート剤):0.5〜10wt%
BTA(防腐剤):0.12〜0.5%
なお、研磨スラリーのpHは研磨速度に影響を及ぼすため、水酸化アンモニウムなどのpH調整剤により研磨スラリーのpHが調節されていてもよい。
(実施例1)
フラーレンC60に水酸基が平均して36個修飾したと推定される、水溶性の高いポリ水酸化フラーレンを用いて研磨スラリーを作製し、銅膜をシリコンウエハに電着メッキした基板についてCMPによる研磨実験を行った。
(水溶性水酸化フラーレンの合成)
L.Y.Chiangらが報告している方法(J. Am. Chem. Soc., 1992, 114, 10154)により合成した非水溶性水酸化フラーレン(平均推定構造C60(OH)12・5HO)0.100gに、30%過酸化水素水10mLを加え、懸濁溶液を60℃で4日間攪拌した。溶液が完全に均一な黄色透明になったのを確認した後、反応を停止させ、それぞれ50mLの2−プロパノール、ジエチルエーテル、ヘキサンを順に加えて固体を析出させた。
生じた沈殿を遠心分離機を用いて沈降させた後、デカンテーションで分離し、さらに50mLのエーテルで2回洗浄後、18時間真空乾燥することで反応生成物である水溶性水酸化フラーレンを淡黄土色粉末として0.097g得た。
このようにして得られた粉末のFT−IRスペクトルを図2に示した。水酸基のO−H伸縮に基づく3400cm−1付近の大きなブロードな吸収とともに、C−CおよびC−O伸縮に基づく1620、1370、1080cm−1付近にブロードな吸収を示した。これらの吸収パターンはL.Y.Chiangらが報告している出発原料である非水溶性水酸化フラーレンのスペクトル(図3)とよく似ており(J. Am. Chem. Soc., 1992, 114, 10154)、それぞれの吸収の相対強度比が若干異なることから水酸基の数が異なる水酸化フラーレンであることが示唆された。また、1720cm−1付近の小さな吸収は水酸基のピナコール転位反応によるケトン基の存在を示唆しているが(L. Y. Chiang et al., J. Am. Chem. Soc., 1993, 115, 5453)、通常カルボニルC=O伸縮に基づく吸収は大きいため、存在割合としてはわずかであると判断される。
この水溶性水酸化フラーレンを熱重量分析計TGAを用い、窒素雰囲気下、昇温速度5℃/minで熱分析を行ったところ、室温〜150℃付近までに約9%の重量減少がみられたことから、水酸基により強固に吸着している水分が9%程度存在すると見積もることができた(図4)。
また元素分析の結果、この水溶性水酸化フラーレンは、上述した含水量を考慮すると、C60(OH)36・9HOなる組成を有するものとしてよく一致した。上記組成の元素分析はC:48.20%、H:3.64%であり、実験値はC:48.06%、H:3.61%であり、含水量は10.8%と見積もられた。
この水溶性水酸化フラーレンの水への溶解度を調べたところ17.5mg/mL(1.8wt%)であり、これまでに報告されている包接化合物による水溶化に比べても高い溶解性を有することがわかった。
(研磨スラリーの作製)
上述のように作製された水酸化フラーレン0.02gを超純水20mlに溶解させた後、超音波振動により攪拌した。得られたフラーレン水溶液を超音波で一様分散させて、0.1wt%ポリ水酸化フラーレン水溶液を作製した。次にフラーレン水溶液を100nmのフイルタに通した。その結果、濾過前の水溶液と全く同じ薄黄色の一様な濾過液が得られた。このことより、フラーレン水溶液中のフラーレン粒子は100nm未満であると推定された。
続いて、研磨時の化学的作用を進行させる加工液として、過酸化水素水(1wt%)、クエン酸アンモニウム(0.5wt%)、リン酸アンモニウム(0.5wt%)、およびBTA(0.12wt%)を加えた。このときも溶液の色に変化が認められなかった。これにより、フラーレン粒子の凝集が生じておらず、ポリ水酸化フラーレンの分散安定性が確認された。
(研磨実験)
上述のように作製したCMP用の研磨スラリーと図1に示したようなCMP装置とを用いて、銅のCMP研磨実験を行った。研磨対象として、銅膜をシリコンウエハに電着メッキした基板を用いた。
図5は、研磨時間と表面粗さの関係を示す。5μm四方における研磨前の粗さはRMSで10nm以上あり、また断面曲線から40nm程度の大きなうねりも見られる。しかし、研磨時間の増加にともない、粗さは指数関数的に改善され、約6分程度でRMSが2nm以下(断面曲線ではRMSは0.339nm)の良好な仕上面になっている。また研磨前に見られる基板表面の大きなうねりも除去されており、極めて平坦な表面が得られている。なお、研磨条件は以下のとおりである。
加圧ヘッドの圧力:0.25MPa
研磨定盤10および加圧ヘッド20の回転数:127rpm
図6および図7は、本実施例の研磨スラリーを用いた研磨実験によって得られた基板表面のAFM観察像の一例である。図6は測定領域が20μm四方のときのAFM像である。このときのRMSは、1.644nmであった。また、図7は測定領域が5μm四方のときのAFM像である。このときのRMSは0.722nmであり、粗さが1nm以下の超平滑面が得られた。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
例えば、上述の各実施の形態では、水酸化フラーレンの水酸基の平均数が36であるが、水酸基の数はこれに限られない。たとえば、水酸基の平均数が40の水酸化フラーレンは下記の手順で作製可能であり、研磨スラリーの研磨砥粒として用いることができる。
(水溶性水酸化フラーレンの合成)
実施例1と同様の手順により非水溶性水酸化フラーレンの過酸化水素水懸濁溶液を60℃で4日間攪拌し、溶液が完全に均一な黄色透明になったのを確認した後、さらに10日間反応させたところ、溶液の色が徐々に薄くなり淡黄色透明になった。さらに同様の操作により、乳白色粉末の水溶性水酸化フラーレン0.103gを得た。
このようにして得られた粉末のFT−IR測定を行ったところ、水酸基の平均数が36の水酸化フラーレンとほぼ同じスペクトルであることが確認された(図8)。
この水溶性水酸化フラーレンを熱重量分析計TGAを用い、窒素雰囲気下、昇温速度5℃/minで熱分析を行ったところ、室温〜150℃付近までに約10%の重量減少がみられたことから、水酸基により強固に吸着している水分が10%程度存在すると見積もることができた(図9)。
また元素分析の結果、この水溶性水酸化フラーレン3は、上述した含水量を考慮すると、C60(OH)40・9HOなる組成を有するものとしてよく一致した。上記組成の元素分析はC:46.11%、H:3.74%であり、実験値はC:46.26%、H:3.68%であり、含水量は10.4%と見積もられた。
この水溶性水酸化フラーレン3の水への溶解度を調べたところ58.9mg/mL(5.9wt%)であり、これまでに報告されている包接化合物による水溶化に比べてはるかに高い溶解性を有することがわかった。
本発明によると、半導体または金属をより平坦に研磨加工することができる。より具体的には、本発明の研磨スラリーは、半導体または金属の表面を平坦加工する化学機械研磨の研磨砥粒として有用であり、大きな産業上の利用可能性を有する。

Claims (8)

  1. 半導体または金属の研磨に用いられる研磨スラリーであって、
    水と、フラーレンまたはフラーレン誘導体とを含有し、
    前記フラーレンまたは前記フラーレン誘導体の粒径が100nm未満であることを特徴とする研磨スラリー。
  2. 半導体または金属の研磨に用いられる研磨スラリーであって、
    水と、フラーレンまたはフラーレン誘導体とを含有し、
    前記フラーレンまたは前記フラーレン誘導体が前記水に溶解していることを特徴とする研磨スラリー。
  3. 前記フラーレン誘導体が、水酸基を有することを特徴とする請求項1または2に記載の研磨スラリー。
  4. 酸化剤、防腐剤およびキレート剤をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の研磨スラリー。
  5. 前記酸化剤が過酸化水素水、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムからなる群より選ばれる物質であることを特徴とする請求項4に記載の研磨スラリー。
  6. 前記防腐剤がBTA、BTAのアンモニウム化合物などの化合物、およびキナルジン酸からなる群より選ばれる物質であることを特徴とする請求項4または5に記載の研磨スラリー。
  7. 前記キレート剤がマロン酸、クエン酸、リン酸、硝酸、リンゴ酸、およびこれらのアンモニウム化合物などの化合物からなる群より選ばれる物質であることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の研磨スラリー。
  8. 銅の研磨に用いられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の研磨スラリー。
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