JPWO2007004344A1 - 光ディスク及びCu合金記録層用スパッタリングターゲット - Google Patents

光ディスク及びCu合金記録層用スパッタリングターゲット Download PDF

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Abstract

記録層がZnS-SiO2の保護層で挟まれる構造の光ディスクにおいて、該記録層がZn, Mn, Ga, Ti, Taから選択した1成分以上を総量で1〜20at%含有し残部がCu及び不可避的不純物からなることを特徴とするCu合金記録層を備えた光ディスク。光ディスク及びCu合金記録層用スパッタリングターゲットに関し、特に保護層としてZnS-SiO2が使用される場合において、保護層からのSの拡散によるCu記録層の硫化を防止又は抑制し、記録ビットのエラー発生のない光記録媒体を得ることができる光ディスク及びCu合金記録層用スパッタリングターゲットを提供する。

Description

本発明は、光ディスク及びCu合金記録層用スパッタリングターゲットに関し、特にZnSを含む保護層(例えばZnS-SiO2)が使用される場合に、記録ビットのエラー発生のない光記録媒体を得ることができる光ディスク及びCu合金記録層用スパッタリングターゲットに関する。
近年、磁気ヘッドを必要とせずに記録・再生ができる高密度記録光ディスク技術が開発され、急速に関心が高まっている。この光ディスクは再生専用型、追記型、書き換え型の3種類に分けられるが、特に追記型の光ディスク(Write-once記録)では、高速の記録と大容量の書き込みが要求されている。
このような光ディスクは、基板上の記録薄膜をレーザー光の照射によって加熱昇温させ、その記録薄膜の構造に変化を起こさせ、情報の記録を行うものである。情報の再生に際しては、光学定数の変化に起因する反射率の変化を検出して情報の再生を行うものである。
上記の相変化は1〜数μm程度の径に絞ったレーザー光の照射によって行なわれる。この場合、例えば1μmのレーザービームが10m/Sの線速度で通過するとき、光ディスクのある点に光が照射される時間は100nsであり、この時間内で上記結晶学的変化及び反射率の検出を行う必要がある。
また、上記結晶学的な変化を実現する上で、これに適合する光記録媒体が求められている。
一般に、光ディスクは、記録層が保護層でサンドイッチにされた構造又は記録層の片面が保護層で被覆された構造を有している。また、次世代の光ディスクの記録層としてCu/Siを用いることが提案されている(非特許文献1参照)。このCu記録層にレーザーを照射してCuとSiを反応させ、Cu/Si間の組織に結晶構造の変化を生じさせて記録するものである。書き込みのみであり、追記又は書き換えはできない。
この非特許文献1に記載されたディスク構造を簡単に説明すると、このディスクは青色光を用いる二重構造の無機材料系write-onceディスクに関するものであり、Si層に隣接してCu合金層が設けられ、この記録媒体を保護層により挟んだサンドイッチ構造となっている。さらに、このサンドイッチ構造がスペーサ層を介して二重構造を形成し、さらに反射層を介してPC(ポリカーボネート)基板上に設置されている。表層にはカバー層が設けられる。
この例では、Cu合金の記録層が示されているが、合金成分については、特に言及されていない。また、銅又は銅合金の記録層は緒についたばかりで、何が良いかということが十分に分っている訳ではない。保護層としては、多くの場合ZnSを含有する材料(例えばZnS-SiO2)が使用される。なお、以下については一例として、このZnS-SiO2を保護膜に使用した場合について説明する。
銅製の記録層とこのZnS-SiO2保護層との間に、極めて大きな問題が発生するのが分った。それは、保護層に存在するSがCuに拡散し、Cuを腐蝕して不透明なCuSが形成され、記録層が変質し、記録を読み間違えるという問題を生ずることである。
この保護層からの拡散を防止するために、記録層とこのZnS-SiO2保護層との間に、拡散防止用の透明のバリヤー層を形成することも考えられる。しかし、このバリヤー層を形成すること自体、製造コストの増加になるので、好ましいことではない。したがって、Cuの記録層そのものが、硫化を防止できる方策が最も良いと考えられる。
しかし、Cuの硫化を防止するために、Cu合金とした場合でも、どのような添加成分が最適であるかについては全く不明である。後述するように、合金元素のCuへの添加が、かえって記録層であるCuの硫化を促進するということがあり、適切でない場合もある。
一般に、単にCuの硫化を防止するという合金は研究されているが、光ディスク用として、記録層がZnS-SiO2保護層により挟まれた積層構造をとる場合には、硫化の原因が必ずしも明確ではなく、記録層として最適であるかどうかの知見も得られていないのが現状である。
Hiroyasu Inoue 外4名著「Dual-Layer Inorganic Write-Once Disc based on Blu-ray Disc Format」international Symposium on Optical memory 2003 11/3-7 全期 Technical Digest P.50
本発明は、光ディスク及びCu合金記録層用スパッタリングターゲットに関し、特にZnSを含有する保護層(例えばZnS-SiO2)が使用される場合において、保護層からのSの拡散によるCu記録層の硫化を防止又は抑制し、記録ビットのエラー発生のない光記録媒体を得ることができる光ディスク及びCu合金記録層用スパッタリングターゲットを提供する。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を行った結果、記録層として適合できる合金成分をCuに添加することにより保護層からのSの拡散による影響を抑制できるとの知見を得た。
本発明はこの知見に基づき、記録層がZnSを含む保護層に隣接する構造の光ディスクにおいて、該記録層をZn, Mn, Ga, Ti, Taから選択した1成分以上を総量で1〜20at%含有し残部がCu及び不可避的不純物からなるCu合金記録層を使用した光ディスクを提供するものである。
これによって、ZnSを含む保護層(例えばZnS-SiO2)から拡散するSによる被害、すなわちCuの硫化による非透明CuS、Cu2Sの形成を効果的に防止できる。
さらに本発明の光ディスクは、Cu合金記録層に存在するMg, Na, Ca, Ba, Ce, Li, Zrからなる不純物をそれぞれ0.1at%以下とするものである。この不純物が0.1at%を超えて存在すると、ZnSを含む保護層から拡散するSによる被害を抑制することが難しくなり、かえってCuの硫化を促進する結果となるので、これらの不純物は、極力低減することが望ましいと言える。
さらに、本発明はCu合金記録層を、スパッタリングにより形成するものであり、Cu合金記録層用スパッタリングターゲット自体を、Zn, Mn, Ga, Ti, Taから選択した1成分以上を総量で1〜20at%含有し残部がCu及び不可避的不純物からなる銅合金とするものである。また、同Cu合金記録層用スパッタリングターゲットにおいて、Cu合金に存在するMg, Na, Ca, Ba, Ce, Li, Zrからなる不純物を、それぞれ0.1at%以下であることが望ましい。
本発明の光ディスク及びCu合金記録層用スパッタリングターゲットは、特にZnSを含む保護層(例えばZnS-SiO2)が使用される場合において、保護層からのSの拡散によるCu記録層の硫化を防止又は抑制し、記録ビットのエラー発生のない光記録媒体を得ることができ、そして高速の記録と大容量の書き込みが可能である光ディスク材料として及びCu合金記録層用スパッタリングターゲットとして、優れた効果を有する。
硫化物の標準生成自由エネルギーと温度との関係を示す図である(a)。 硫化物の標準生成自由エネルギーと温度との関係を示す図である(b)。 実施例1のZn添加の防食加速試験における反射率の測定結果を示す図である。 実施例2のMn添加の防食加速試験における反射率の測定結果を示す図である。 比較例1のAl添加の防食加速試験における反射率の測定結果を示す図である。 比較例2のMg添加の防食加速試験における反射率の測定結果を示す図である。 比較例3のB 添加の防食加速試験における反射率の測定結果を示す図である。
次に、本発明に至った経緯及び本発明を具体的に説明する。
一般に、合金による酸化防止の場合には、金属の表面に緻密な酸化膜を形成して、その緻密な酸化膜により、それ以上の酸化が進まないようにする方法が採られている。例えば、Alは酸化力が強い材料であるが、表面に緻密なAl2O3が形成されるため、それ以上の酸化が進まず、耐蝕性に極めて優れた材料となっている。また、MgOも同様な材料である。
このことから、母材に加える添加剤としては、酸化物の標準生成自由エネルギーが小さい材料を選択するのが有効であると考えられる。
この酸化の現象を利用すれば、母材であるCuよりも硫化物の標準生成エネルギーの小さい材料を選択して、Cuへの添加材とすることが適当であると考えられる。
しかし、後述する実施例に示すように、母材であるCuよりも硫化物の標準生成エネルギーのより小さい材料を選択しても、必ずしも硫化を防止できないという現象が現れた。
母材であるCuよりも硫化物の標準生成エネルギーが非常に小さい材料であるAlの添加については、防食(硫化防止)効果はややあるが不十分であり(後述する比較例1参照)、さらにMgの添加については、むしろCuの硫化を促進するという結果になった(後述する比較例2参照)。
それでは、Cuよりも硫化物の標準生成エネルギーが若干高い場合については、どうかということでBを選択した。このBは、Znの硫化物の標準生成エネルギーよりもかなり高いが、Cuのそれよりもやや低いが同程度のものである。この場合は、予想はされたが、Bの添加は、むしろCuの硫化を促進するという結果になった(後述する比較例3参照)。
ところが、後述する実施例1及び2に示すように、MnとZnを添加した場合は、極めて高い防食(硫化防止)効果が現れた。この添加物の共通点は、保護層として使用される例えばZnS-SiO2のZnSと標準生成エネルギーが近い添加材料であることである。逆に、前記のように、この差が大きくなるとAlと Mgに示すように、効果はなくなっている。
すなわち、ZnSの300Kにおける標準生成エネルギーである-112kcal/mol S2から±20の範囲にある標準生成エネルギーを持つ硫化物を形成する元素が有効であることが分った。なお、300Kは室温近傍の温度であり、記録媒体は室温で保存されるため、室温状態での腐食が問題となる。したがって、300KにおけるZnSの挙動が重要である。
これに適合する物質として、Zn, Mn, Ga, Ti, Taから選択した金属元素を挙げることができる。しかも、これらの1〜20at%の添加が有効である。1at%未満では添加の効果がなく、20at%を超える添加は、Cuの記録層としての役目を減ずることになるので好ましくないことが分かった。
このような現象の理由は、必ずしも理論上明確ではないが、次のように推測されるものである。それを以下に説明する。
一般に、ZnSはZnとSがそれぞれ1:1の場合は安定な化合物であるが、組成の中では、必ずしも1:1の化学量論的(ストイキオメトリー)組成にはならず、組成範囲にはZnリッチな場合とSリッチな場合があると考えられる。
Znリッチな場合は、ZnSのSの活量(Sの活性の度合を示す量で、活量が大きいほど活性であり相手を硫化させる)は小さく、硫化物として不安定であるCuS又はCu2Sが形成されることはなく、硫化による腐蝕はないと考えられる。
一方、Sリッチの場合には、ZnSのSの活量は大きく、硫化物としてZnSよりも不安定であるCuS又はCu2Sが形成され、硫化による腐蝕が進むと考えられる。
このような保護層として用いられる組成のZnSはスパッタリングにより形成されるが、部分的にSリッチな部分が形成され、あるいはスパッタリング用ターゲット自体がSリッチに形成されている場合、その組成が皮膜に直接反映されて、ほぼ皮膜の全面がSリッチの層が形成される可能性が高い。このような場合には、SリッチなZnSがCuの腐蝕の原因となると考えられる。
以上から、Cuよりも硫化物として安定な材料を添加することで、ZnSに起因する活性なS(遊離S)が、添加剤と優先的に結合して緻密な膜を形成し、これがCuの硫化を防止することができると考えられる。
この添加材は、上記の通り、Zn, Mn, Ga, Ti, Taから選択した金属元素であり、特にZnとMnが有効である。これらは、硫化物そのものが透明であり、光吸収がないので、記録層としの機能を低下させることもない。
他方、上記のMgについては、標準生成エネルギーが小さく、安定した硫化物を形成する元素であるが、このMgはZnSからSの解離を促進し、ZnSを不安定にするため、かえって活性なSの生成を促し、保護膜としての機能を低下させるものと考えられる。
また、CuSよりもやや小さな標準生成エネルギーを持つBについては、CuSの形成を阻止するだけの活性がなく、Bには添加の効果がないと言える。参考までに、一連の硫化物の標準生成エネルギーと温度との関係を図1と図2に示す。なお、図1は鉄鋼便覧(第3版)、第1巻、12頁「基礎理論(図1・3(b)硫化物の標準自由エネルギーと温度との関係)」、日本鉄鋼協会編、丸善発行(昭和56年10月30日第2刷発行)からの出典による。図2はSwallin固体の熱力学、図7・8「硫化物の標準自由エネルギーと温度との関係」、コロナ社発行(1992年3月25日15版発行)からの出典による。
以上から、ZnSからSの解離を促進しZnSを不安定にするため、かえって活性なSの生成を促し保護膜としての機能を低下させる元素又はCuSの形成を阻止するだけの活性がない元素は、Cu中の不純物として有害である。
したがって、これらは極力減少させることが望ましい。このような元素は、上記の通り、Mg, Na, Ca, Ba, Ce, Li, Zrであり、これらの不純物は、それぞれ0.1at%以下とすることが望ましい。
以下、実施例および比較例に基づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例によって何ら制限されるものではない。すなわち、本発明は特許請求の範囲によってのみ制限されるものであり、本発明に含まれる実施例以外の種々の変形を包含するものである。
(実施例1)
CuにZnを1at%、5at%、10at%、20at%を添加した材料をアーク溶解炉にて溶製し、インゴットを作成した後Cu-Zn合金試料を4種作成した。また、比較のために、Cuのインゴットを同様に作成した。これらの試料の表面を研磨後、硝酸にてエッチングを行い、さらにこの上にZnS-SiO2膜を被覆した。
これらに対して、防食試験を行った。防食試験は、恒温恒湿(85°C、85%、100時間)での加速試験を行った。腐蝕の様子を加速試験の前後での、目視観察と反射率測定により比較した。この目視観察による防食試験の結果を表1に示す。また、反射率測定結果を図3に示す。なお、表1に、各添加元素、300Kにおける硫化物生成の標準自由エネルギー△G[kcal/mol S2]及び防食の総合評価を示す。
ZnSの300Kにおける標準生成エネルギーは-112kcal/mol S2であるが、ZnSと硫化物生成の標準生成エネルギーが同じ添加材料であるZn添加の防食効果は極めて高く良好であった。また、図3に示すように、Zn添加量が20at%で、100時間という長期の加速試験のみにおいて、反射率がCuの腐蝕試験よりも僅か低下するが、その他は殆んど反射率の低下は見られず、Zn添加は極めて有効であることが分る。
(実施例2)
CuにMnを1at%、5at%、10at%、20at%を添加した材料をアーク溶解炉にて溶製し、インゴットを作成した後Cu-Mn合金試料を4種作成した。また、比較のために、Cuのインゴットを同様に作成した。これらの試料の表面を研磨後、硝酸にてエッチングを行い、さらにこの上にZnS-SiO2膜を被覆した。
これらに対して、防食試験を行った。防食試験は、恒温恒湿(85°C、85%、100時間)での加速試験を行った。腐蝕の様子を加速試験の前後での、目視観察と反射率測定により比較した。この防食試験の結果を表1に示す。また、反射率測定結果を図4に示す。
表1に示すように、ZnSと硫化物生成の標準生成エネルギーが近い添加材料であるMn添加による防食効果は極めて高く良好であった。また、図4に示すように、Mn添加したものは、反射率がCu同等か又はそれより良好であり、全体的に殆んど反射率の低下は見られず、Mn添加は極めて有効であることが分る。
また、Gaの△Gは-117、 TiのΔGは-116、 TaのΔGは-102であり、これらはいずれも、ZnSの300Kにおける標準生成エネルギーである-112kcal/mol S2から±20の範囲にある標準生成エネルギーを持つ硫化物を形成する元素である。したがって、これらの添加はZn、Mnと同様の効果を得ることができる。また、これらの複合添加においても同等の効果を得ることができる。
(比較例1)
CuにAlを1at%、5at%、10at%、20at%を添加した材料をアーク溶解炉にて溶製し、インゴットを作成した後Cu-Al合金試料を4種作成した。また、比較のために、Cuのインゴットを同様に作成した。これらの試料の表面を研磨後、硝酸にてエッチングを行い、さらにこの上にZnS-SiO2膜を被覆した。
これらに対して、防食試験を行った。防食試験は、恒温恒湿(85°C、85%、100時間)での加速試験を行った。腐蝕の様子を加速試験の前後での、目視観察と反射率測定により比較した。この防食試験の結果を表1に示す。また、反射率測定結果を図5に示す。
表1に示すように、ZnSと硫化物生成の標準生成エネルギーが離れている添加材料であるAl添加による防食効果はやや劣っていた。また、図5に示すように、Al添加したものは、反射率がCu単独に比べばらつきが大きく、防食試験の時間と共に、全体的に反射率の低下が著しい。これによりAl添加は著しく劣ることが分る。
Figure 2007004344
(比較例2)
CuにMgを1at%、5at%、10at%、20at%を添加した材料をアーク溶解炉にて溶製し、インゴットを作成した後Cu-Mg合金試料を4種作成した。また、比較のために、Cuのインゴットを同様に作成した。これらの試料の表面を研磨後、硝酸にてエッチングを行い、さらにこの上にZnS-SiO2膜を被覆した。
これらに対して、防食試験を行った。防食試験は、恒温恒湿(85°C、85%、100時間)での加速試験を行った。腐蝕の様子を加速試験の前後での、目視観察と反射率測定により比較した。この防食試験の結果を表1に示す。また、反射率測定結果を図6に示す。
表1に示すように、ZnSと硫化物生成の標準生成エネルギーが大きく離れている添加材料であるMg添加による防食効果は著しく劣っていた。また、図6に示すように、Mg添加したものは、反射率がCu単独に比べばらつきが大きく、防食試験の時間と共に、全体的に反射率の低下が著しい。これによりMg添加は著しく劣ることが分る。
(比較例3)
CuにBを1at%、5at%、10at%、20at%を添加した材料をアーク溶解炉にて溶製し、インゴットを作成した後Cu-B合金試料を4種作成した。また、比較のために、Cuのインゴットを同様に作成した。これらの試料の表面を研磨後、硝酸にてエッチングを行い、さらにこの上にZnS-SiO2膜を被覆した。
これらに対して、防食試験を行った。防食試験は、恒温恒湿(85°C、85%、100時間)での加速試験を行った。腐蝕の様子を加速試験の前後での、目視観察と反射率測定により比較した。この防食試験の結果を表1に示す。また、反射率測定結果を図7に示す。
表1に示すように、ZnSと硫化物生成の標準生成エネルギーが大きく離れている添加材料であるB添加による防食効果は著しく劣っていた。また、図7に示すように、Bを添加したものは、反射率がCu単独に比べばらつきが大きく、防食試験の時間と共に、全体的に反射率の低下が著しい。これによりB添加は著しく劣ることが分る。
本発明の光ディスク及びCu合金記録層用スパッタリングターゲットは、特に保護層としてZnS-SiO2が使用される場合において、保護層からのSの拡散によるCu記録層の硫化を防止又は抑制し、記録ビットのエラー発生のない光記録媒体を得ることができ、そして高速の記録と大容量の書き込みが可能である光ディスク材料として及びCu合金記録層用スパッタリングターゲットとして極めて有用である。

Claims (4)

  1. 記録層がZnSを含む保護層に隣接する構造の光ディスクにおいて、該記録層がZn, Mn, Ga, Ti, Taから選択した1成分以上を総量で1〜20at%含有し残部がCu及び不可避的不純物からなることを特徴とするCu合金記録層を備えた光ディスク。
  2. Cu合金記録層に存在するMg, Na, Ca, Ba, Ce, Li, Zrからなる不純物が、それぞれ0.1at%以下であることを特徴とする請求の範囲1記載のCu合金記録層を備えた光ディスク。
  3. Zn, Mn, Ga, Ti, Taから選択した1成分以上を総量で1〜20at%含有し残部がCu及び不可避的不純物からなることを特徴とするCu合金記録層用スパッタリングターゲット。
  4. Cu合金に存在するMg, Na, Ca, Ba, Ce, Li, Zrからなる不純物が、それぞれ0.1at%以下であることを特徴とする請求の範囲3記載のCu合金記録層用スパッタリングターゲット。
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