JPWO2006126596A1 - 表面欠陥検査装置 - Google Patents

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Abstract

平面部を有する被検体40を保持する揺動機構46と、被検体40を照明する照明光6bを生成する照明部50と、照明光6bを少なくとも1軸方向に略平行に進む光として被検体40に照射するコリメートレンズ92と、被検体40からの反射光7を被検体40での反射位置に戻すミラー93と、反射位置に戻された反射光7による被検体40での再反射光8を撮像する撮像部とを備える構成とする。

Description

本発明は、表面欠陥検査装置に関する。例えば、半導体ウエハや液晶ガラス基板などの被検体に照明光を照射し、表面の欠陥を検査する表面欠陥検査装置に関する。
従来、例えば、半導体ウエハ、液晶ガラス基板などの製造工程では、その工程中に、シリコンまたはガラス板からなる基板上に成膜層を介してパターン化したレジストを設けた多層膜状の基板が形成される。
ところが、フォト・リソグラフィ・プロセスにおいて、基板表面に塗布したレジストに膜ムラが生じたり、塵埃などが付着したりすると、エッチング後に形成されるパターンの線幅不良やパターン内のピンホールなどの欠陥が生じてしまう。
そのため、通常は、基板をエッチングする前にこのような欠陥の有無を検査している。
検査の方法は、作業者が基板を目視で観察する方法が多く行われているが、クリーンルームにおいても作業者の体から出る塵埃が無視できないことから、できるだけ作業者と基板とを隔離して観察する方法が提案されている。また、作業者が疲労すると判断力にバラツキが生じやすいので、欠陥の判定を装置に行わせることが提案されている。
例えば、特許文献1には、略平行光束の周囲からライン状の光束を照射できるようにした表面欠陥検査装置が記載されている。この照明には、光源として、白色光を生成するためにハロゲンランプと熱線吸収フィルタとコンデンサレンズとを内部に備えたランプハウスとからなる構成が用いられている。これらは、白色光と、干渉フィルタにより白色光を狭帯域光化した光とを照明できるようになっている。干渉フィルタは、波長550nmから650nmの間において10nm間隔で中心波長を選べるようになっている。
また、特許文献2には、ライン状の照明手段とライン状の撮像手段とを互いの角度が可変となるように配置して、被検体表面を移動させ、照明光の反射光、回折光、散乱光を撮像して、それらの画像から画像処理により欠陥を検出する表面欠陥検査装置が記載されている。そして照明手段には、光源として、白色光を生成するためにハロゲンランプと熱線吸収フィルタとコンデンサレンズとを内部に備えたランプハウスとからなる構成が用いられている。また、照明用の光学系として、ランプハウスからの白色光を狭帯域光化する干渉フィルタと収光レンズとファイバ束とからなる構成が用いられている。
これらの装置では、レジストの層厚方向の側面の形状の異常は収束光を照明したときの散乱光により検出される。
また、特許文献3には、検査対象物に入射した照明光を正反射手段により正反射させて検査対象物に再入射させ、光沢のむらを強調した明暗のパターンを得ることにより検査を行う表面検査装置が記載されている。
特開平7−27709号公報(第5−10頁、図1) 特開平9−061365号公報(第4−6頁、図1−3) 特開平7−229832号公報(第3−4頁、図1−5)
しかしながら、上記のような従来の表面欠陥検査装置は、以下のようなことが知られている。
一般に、半導体ウエハや液晶ガラス基板などの被検体の表層部には、多層膜が形成されている。これらの多層膜の膜厚や平坦度は製造工程のバラツキなどにより均一にはならない。特に被検体の中心部と周辺部との差は、工程によっては大きくなりがちである。このような膜厚バラツキがあると、均一な照明光を照射しても輝度ムラが生じ、欠陥と誤認したり、欠陥を見逃してしまったりする場合がある。
また、従来の表面欠陥検査装置では、異物付着やキズの検査など、干渉や回折現象を用いずに欠陥検出を行う場合には白色光を用いている。しかしながら、目視観察を行う場合でも、撮像素子により撮像する場合でも、それぞれ比視感度特性、撮像素子の波長感度特性があるので光学的な白色光は色味を帯びて観察される。そのため、膜厚差により、波長ごとに反射率特性が変化すると、特定の波長帯域の光の明暗が強調される。そのため、欠陥を誤認識したり欠陥を見失ったりしやすくなる。
また、特許文献3に記載の表面検査装置では、照明光の正反射光を反射位置に戻すためには、大型で複雑な反射ミラーが必要となるという問題がある。また、平面ミラーを用いる場合には、反射位置に戻される光量が少なくなるので、明るい状態での観察ができなくなるという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、欠陥の検出精度を向上することができる表面欠陥検査装置を提供することを目的とする。
また他の目的として、波長によらず認識される光の強度を略一定とすることにより、下層の膜厚等の影響を低減した表面欠陥検査装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の表面欠陥検査装置は、平面部を有する被検体を保持する保持部と、前記被検体を照明する照明光を生成する照明部と、前記照明光を略一定方向に向けて前記被検体に照射する照射光学系と、前記被検体からの反射光を前記被検体での反射位置に戻す再入射光学系と、前記反射位置に戻された反射光による前記被検体での再反射光を撮像する撮像部とを備える構成とする。
この発明によれば、撮像部には、被検体の同一位置で2回以上反射した光が入射されるので、反射率の変化が2乗以上の割合で強調される。そのため反射率の変化をより高感度に検出することができる。
また、照射光学系を備えることにより、照明光を被検体に対して略一定方向に向けて照射して、被検体で反射させ、再入射光学系により反射位置に戻した再反射光を撮像部により撮像するので、再入射光学系が簡素な構成であっても、再反射光を効率的に取得することができる。そのため、明るい再反射光で観察することができる。
また、本発明の表面欠陥検査装置では、前記撮像部が、前記被検体をライン状に撮像するライン撮像部を備え、該ライン撮像部のライン状の撮像領域の長手方向が、前記照射光学系の前記少なくとも1軸方向と直交する方向に配置され、前記保持部が、前記ライン撮像部が前記ライン状の撮像領域の長手方向に直交する方向に移動可能に設けられることが好ましい。
この場合、撮像部にライン撮像部を用いるので、照射光学系や再入射光学系を簡素かつコンパクトな構成とすることができる。
また、本発明の表面欠陥検査装置では、前記照射光学系および前記再入射光学系の少なくともいずれかが、前記被検体の表面に対する光軸の角度位置を可変する角度可変機構に保持されることが好ましい。
この場合、角度可変機構により、照射光学系および再入射光学系の少なくともいずれかの角度位置を変えることで、例えば、正反射光観察、散乱光観察、回折光観察、暗視野観察などの種々の観察を行うことができる。
また、本発明の表面欠陥検査装置では、前記撮像部の受光する光強度に対応する画像信号の出力強度は、前記撮像部の波長感度特性の下に略一定となるように前記撮像部で受光される光が補正されることが好ましい。
このような構成によれば、波長ごとの輝度バラツキを発生させる被検体の下層側の膜厚差や、波長ごとの干渉により干渉縞を発生させる最上層の膜厚差により、被検体からの反射光の輝度分布が生じる場合でも、撮像部の受光する光強度に対応する画像信号の出力強度は、撮像部の波長感度特性の下に略一定となるように前記撮像部で受光される光が補正されるので、波長に依存した輝度ムラが全体として平均化され、ノイズ成分が低減される。
ここで、「撮像部の波長感度特性の下に前記撮像部で受光される光が略一定となるように補正される」とは、撮像部固有の波長感度特性に応じて撮像部が受光する光強度が変換された信号出力が、撮像部が感度を有する波長範囲内で、略平坦(略一定)となるように撮像部で受光される光を補正することを意味する。
また、本発明の表面欠陥検査装置では、前記撮像部が受光する光は、複数の波長にピークを有し、前記複数の波長のピークの強度に対応する前記撮像部が受光する光強度に対応する画像信号の出力強度が略一定となるように前記撮像部が受光する光の強度が補正されることが好ましい。
また、本発明の表面欠陥検査装置では、撮像部が受光する光の強度は、前記撮像部の波長感度特性、もしくは前記照明光の波長分布に基づいて補正されることが好ましい。
また、本発明の表面欠陥検査装置では、前記撮像部が受光する光の強度に対応する画像信号の出力強度は、前記撮像部の波長感度特性、もしくは前記照明光の波長分布に基づいて補正する波長感度補正フィルタにより、略一定となるように補正されることが好ましい。
また、本発明の表面欠陥検査装置では、前記照明部の光源が、異なる波長分布を有するとともにそれぞれ独立に光量を可変できる複数の光源からなり、前記撮像部の波長感度特性に基づいて、前記複数の光源の光強度または光量のバランスは、前記撮像部の受光する光強度に対応する画像信号の出力強度が略一定となるように変更されることが好ましい。
この場合、異なる波長分布を有するともにそれぞれ独立に光量を可変できる複数の光源により、撮像部の波長感度特性に基づいて、照明部から照射され、撮像部で受光される光に対応する撮像部の受光する光強度に対応する画像信号の出力強度が略一定となるように、複数の光源の光強度または光量のバランスを変更するので、光の強度の補正が容易となる。
また、本発明の表面欠陥検査装置では、目視観察可能に構成され、目の波長感度特性の下で観察者の感じる光の強度が略一定となるように、前記照明光の波長分布は、目の標準比視感度特性に対応して補正される構成とすることが好ましい。
また、本発明の表面欠陥検査装置では、前記照明光が照射された被検体の像を目視観察する光路と、撮像する光路とが設けられるとともに、前記目視観察する光路と前記撮像する光路とを切り替える光路切替手段を備え、該光路切替手段の切替動作に同期して、前記照明光の波長分布を切り替える構成とすることが好ましい。
この場合、光路切替手段により目視観察する光路と、撮像する光路とが切り替えられるとき、その切替動作に同期して照明光の波長分布が切り替えられる。そのため、照明光の波長分布を目視観察と撮像とに応じて最適な波長分布に切り替えることができるので、被検体の像を目視観察する場合でも撮像する場合でも高精度の欠陥検出を行うことができる。
また、本発明の表面欠陥検査装置では、前記照明部の光源と被検体との間の光路中に設けられた第1の偏光板と、被検体と前記目または撮像部との間の光路中に設けられた第2の偏光板とを備える構成とすることが好ましい。
この場合、第1の偏光板により照明光の偏光特性を制御するので、第1の偏光板に対して第2の偏光板の向きを適宜の向きに合わせることにより、照明光が被検体に反射される際に偏光状態が変化したかどうかを検出することができる。例えば、それぞれの偏光板をクロスニコルの状態に配置することにより、異物や傷などの欠陥により被検体表面で照明光の偏光状態が変化する場合に、偏光状態が変化した反射光のみを透過させ、暗視野中で容易に検出することができる。
また、被検体表面からの反射光のうち、所定方向の偏光成分のみを取り出すことができるので、被検体下層の膜厚の影響を受けにくい偏光成分のみ取り出して被検体上層の反射率の変化による欠陥を高精度に検出することができる。
また、本発明の表面欠陥検査装置では、前記照明光が被検体から最後に反射されて前記目または前記撮像部に入射される光路上に、前記被検体の像を1方向のみに伸縮させるパワーを有する光学素子を配置した構成とすることが好ましい。
この場合、被検体の像を1方向のみに伸縮する光学素子により、被検体の像の1方向への歪みを補正することができるから、被検体の像を被検体の法線に対して斜め方向から取得する場合にも、被検体の像を平面視の像と同等に補正することができる。そのため、欠陥の検出位置を特定することが容易となる。特に、撮像部により画像データを取得して欠陥を自動的に検出する場合に、画像歪みのない画像データが取得されるので、画像処理で複雑な歪み補正などをすることなく、欠陥検出を正確に行うことができる。
ここで、被検体の像を1方向のみに伸縮させるパワーを有する光学素子は、例えばシリンドリカルレンズやシリンドリカルレンズと同様のパワーを有するフレネルレンズ、自由曲面レンズなどを採用することができる。
また、本発明の表面欠陥検査装置では、被検体と目視観察する位置との間に、前記被検体の像を位置合わせするための参照パターンが形成された透過スクリーンを備える構成とすることが好ましい。
この場合、目視観察する際に透過スクリーン上の参照パターンと被検体の像とを位置合わせすることにより、欠陥検出位置を特定することが容易となる。
本発明の表面欠陥検査装置によれば、再反射光を効率的に取得することができ、明るい再反射光で観察することで反射率の変化をより高感度に検出することができるので、欠陥の検出精度を向上することができるという効果を奏する。
参考例の目視による表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。 参考例の目視による表面欠陥検査装置に用いる透過スクリーンのA視の側面説明図である。 参考例の目視による表面欠陥検査装置の光源の波長分布について説明するためのグラフである。 参考例の目視による表面欠陥検査装置に用いる波長感度補正フィルタの波長特性について説明するためのグラフである。 参考例の目視による表面欠陥検査装置の光源の波長分布を示すグラフである。 参考例の目視による表面欠陥検査装置で観察者に感じられる略白色光の波長分布を示すグラフである。 多層膜の反射率について説明するための膜断面方向の模式図である。 多層膜の反射率について説明するための膜断面方向の模式図である。 多層膜の膜厚による反射率の変化について説明するための数値計算例を示すグラフである。 多層膜の下層を一定としたときの白色光に対する反射特性を説明するためのグラフである。 偏光状態に応じた反射率の入射角依存性について説明するためのグラフである。 最上層に形成された正常なパターンについて説明するための膜厚方向の模式断面図である。 最上層に形成された異常なパターンについて説明するための膜厚方向の模式断面図である。 多層膜が屈折率分布を有する場合の反射率の入射角依存性について説明するためのグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る表面欠陥検査装置に用いる斜影補正レンズのレンズ構成の一例について説明するための模式的な光路図である。 本発明の第1の実施形態に係る表面欠陥検査装置に用いる斜影補正レンズの動作について説明するための模式的な光路図である。 本発明の第1の実施形態に係る表面欠陥検査装置に用いるフロントガラスのレチクルマークについて説明するための法線方向視の説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る表面欠陥検査装置に用いるハーフミラーのレチクルマークについて説明するための法線方向視の説明図である。 本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。 本発明の第2の実施形態の第1変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。 本発明の第2の実施形態の第2変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。 本発明の第2の実施形態の第2変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す平面視の模式図である。 本発明の第2の実施形態の第3変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。 本発明の第2の実施形態の第4変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。 本発明の第2の実施形態の第5変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。 本発明の第2の実施形態の第5変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す平面視の模式図である。 本発明の第2の実施形態の第6変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。 本発明の第2の実施形態の第6変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す平面視の模式図である。 本発明の第2の実施形態の第7変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。 本発明の第2の実施形態の第7変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す平面視の模式図である。 本発明の第2の実施形態の第8変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。 本発明の第2の実施形態の第8変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す平面視の模式図である。 本発明の第2の実施形態の第9変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。 本発明の第2の実施形態の第9変形例に係る表面欠陥検査装置の動作について説明する正面視の動作説明図である。 本発明の第2の実施形態の第9変形例に係る表面欠陥検査装置の動作について説明する正面視の動作説明図である。 本発明の第2の実施形態の第10変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。 本発明の第2の実施形態の第11変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。 本発明の各実施形態に用いることができる他の照明部について説明するための模式的な正面視説明図である。
符号の説明
5、50、51、51A、52、53、53A、54 照明部
6a、6b、6c、126a、126b、126c、152 照明光
7 反射光
8、137b 再反射光
40 被検体
41、125 照明用ランプ(光源)
43 補償フィルタ(波長感度補正フィルタ)
44A 偏光板(第1の偏光板)
44B 偏光板(第2の偏光板)
45、92 コリメートレンズ(照射光学系)
46 揺動機構(保持部)
47、95 フロントガラス(透過スクリーン)
47a、97a、97b、98a、98b レチクルマーク(参照パターン)
48 偏光板移動機構
49 観察者
91 ハーフミラー(透過スクリーン)
93、113、128 ミラー(反射素子)
94、601 斜影補正レンズ(被検体の像を1方向のみに伸縮する光学素子)
101 制御部
102 ミラー(光路切替手段)
104 撮像素子(撮像部)
105 レーザ発光ダイオード(光源)
107 波長補償板(波長感度補正フィルタ)
110、111 偏向ミラー
112、127 フィールドミラー(照射光学系)
117 試料台
119 画像処理部
121 装置制御部
123 光検出素子(撮像部)
124 波長補償フィルタ(波長感度補正フィルタ)
129 補助照明部
130 導光部材
131 ライン撮像素子(撮像部)
132 ライン照明用ランプ(光源)
140A、140C 放物ミラー
140B 放物ミラー(反射素子)
141 照明集光レンズ
150 LED
200 レーザ光(照明光)
500、501、501A、502、503、504、505、506、507、508、509、510、510A 表面欠陥検査装置
600 斜影補正レンズ駆動部
602 電動散乱板
603 フィールドレンズ(照射光学系)
604 凹面ミラー(反射素子)
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
以下では、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
本発明の第1の実施形態に係る表面欠陥検査装置について説明する前に、目視による表面欠陥検査装置の参考例を用いて欠陥検出精度の低下防止について説明する。
図1Aは、参考例の目視による表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。図1Bは、参考例の目視による表面欠陥検査装置に用いる透過スクリーンの図1AにおけるA視の側面説明図である。図2は、参考例の目視による表面欠陥検査装置の光源の波長分布について説明するためのグラフである。横軸は波長を示し、単位は(nm)である(図2〜5に共通)。縦軸は図示左側が光強度を示し、図示右側が比視感度を示す。図3は、参考例の目視による表面欠陥検査装置に用いる波長感度補正フィルタの波長特性について説明するためのグラフである。縦軸は透過率を示し、単位は%である。
参考例の表面欠陥検査装置500は、図1Aに示すように、例えば半導体ウエハや液晶ガラス基板などの多層膜が形成された基板からなる被検体40に照明光6bを照射し、その反射光7を目視観察することにより被検体40の表面欠陥を検査するための装置である。被検体40の外形は、例えば長方形などの適宜の形状でもよいが、以下便宜上、外形が平面視円形の基板であるとして説明する。
表面欠陥検査装置500の概略構成は、照明部5、揺動機構46(保持部)、および偏光板44B(第2の偏光板)が、一部にフロントガラス47(透過スクリーン)を有する隔壁部411により覆われてなる。
照明部5は、発散光である照明光6aを発生する照明用ランプ41(光源)と、照明光6aを集光する集光レンズ42と、照明光6aの波長分布を補正して目視したときに略白色光と感じられるようにする補償フィルタ43(波長感度補正フィルタ)と、偏光板44A(第1の偏光板)と、照明光6aを平行光に変換するためのコリメートレンズ45(照射光学系)とからなり、これらが照明用ランプ41の光軸上に順次配列されている。
照明用ランプ41は、少なくとも可視波長域(380nm〜770nm)に連続スペクトルを有する光源であり、例えば、ハロゲンランプなどを採用することができる。
照明用ランプ41の波長分布の概略形状を、図2の曲線61として示した。すなわち、ハロゲンランプなどの色温度の高い光源では、曲線61に示すように、可視光の短波長側から長波長側に向けて単調に光強度が増大し、赤外波長でも増大を続けるような波長分布を有する。すなわち白色光よりも赤みが勝る光となっている。
このような照明用ランプ41から照射される照明光6aは、目視した場合、人間の標準比視感度が、図2の曲線60で示すように、約550nmにピーク値を有する釣り鐘形の波長感度特性を示すため、図2の曲線62に示すように、ピーク波長が約570nmとやや長波長側に移動した釣り鐘形の波長分布を有する光と感じられる。したがって、照明用ランプ41の波長特性の光はやや赤みが強くなることにより、目視では黄色がかって見える光と感じられる。
補償フィルタ43は、図3に曲線63として示すような波長特性を備えるフィルタである。すなわち、可視波長域の短波長側および長波長側で透過率が高く、その中間部で透過率が低くなり、波長約570nmで最小値をとるような釣り鐘型を上下反転させた略V字型のグラフで表される波長特性を備えるものである。
偏光板44A、44Bは、それぞれ照明光6a、反射光7の偏光状態を制御するためのものである。
偏光板44Aは、照明光6aがコリメートレンズ45により平行光とされて照明光6bとして被検体40に入射されるときの、偏光状態を特定の方向に向けるように配置される。例えば、照明光6bがs偏光として入射するように設ける。
偏光板44Bは、適宜のアクチュエータや回転ステージなどで構成された偏光板移動機構48により、反射光7の光路への進退、および反射光7の光軸を中心とした回転移動とが可能とされている。
そのため、偏光板44Bを反射光7の光路中に進出させると、偏光板44Aとの位置関係により、観察者49が特定の偏光成分のみを目視観察できるようになっている。
コリメートレンズ45は、凸レンズで構成してもよいが、本実施形態では、図1Aに示すように、レンズ厚さを薄くすることができるフレネルレンズを採用している。
フロントガラス47は、隔壁部411に設けられた光学的な開口部であり、反射光7を透過させて観察者49被検体40の像を隔壁部411の外側から目視観察できるようにしたものである。
そして、図1Bに示すように、観察された欠陥の位置が、被検体40上の位置として容易の特定できるように、被検体40の形状や大きさに合わせて、例えば格子状、十字状、円状、楕円状などの目盛線や、位置合わせマークなどからなるレチクルマーク47a(参照パターン)が形成されている。
次に、目視による表面欠陥検査装置500の動作について説明する。
図4は、参考例の目視による表面欠陥検査装置の光源の波長分布を示すグラフである。図5は、参考例の目視による表面欠陥検査装置で観察者に感じられる光の強度(出力強度)が略均一の波長分布を示すグラフである。ここで、横軸は波長を示し、単位は(nm)である(図4、5共通)。図4の図示左側は光源の相対光強度および透過率、図5の縦軸は人が感じる光の強度を示す。
図1Aに示すように、照明用ランプ41から出射された照明光6aは集光レンズ42より集光され、補償フィルタ43を透過して、波長分布が補正される。すなわち、図4に示すように、曲線61で示される光強度の波長分布が、補償フィルタ43の透過波長特性(曲線63参照)により、曲線64で示されるように、約510nmで極大値をとり、約555nmで最小となる極小値をとり、それより高波長側で光強度が単調増加するような特性に補正される。
照明光6aは、次に偏光板44Aを透過することにより光の振動面が紙面垂直方向に揃えられ、被検体40に対してs偏光である偏光状態となる。そして、コリメートレンズ45により平行光とされ、照明光6bとして、被検体40に入射する。
被検体40で反射された反射光7は、偏光板44Bが光路に進出されている場合、偏光板44Bにより特定の偏光成分のみが透過し、フロントガラス47を通して隔壁部411の外部に出射される。そのため、観察者49は、反射光7により被検体40の像を目視観察することができる。
なお、偏光板44Bは、欠陥検出の目的などにより偏光状態を制御する必要がない場合には、偏光板移動機構48により反射光7の光路から退避させ、反射光7が偏光板44Bを透過しないようにしてもよい。
観察者49は、必要に応じて揺動機構46を操作して、被検体40を揺動移動し、欠陥が見やすくなるように配置することができる。
フロントガラス47には、レチクルマーク47aが形成されているので、被検体40の外形や画像をレチクルマーク47aに位置合わせしておくことにより、欠陥が観察された位置を特定したり、観察すべき位置の目安をつけたりしやすくなる。
また、フロントガラス47と揺動機構46との間に透明なガラス板を配置し、フロントガラス47のレチクルマーク47aと同じレチクルマークを形成し、光軸上の位置が一致するよう配置してもよい。このレチクルマークとレチクルマーク47aとが重なるように目を移動させて観察することにより、目の位置を再現性よく配置して観察することができる。
外形が円形の被検体40は、図1Aのように、斜め方向から観察すると楕円形に見えるから、レチクルマーク47aとして、よく使う揺動角度の位置に配置したときの楕円形やその長径や短径を位置合わせできるようにした格子状などのマークとしてもよい。
観察者49が観察する光が正反射光である場合には、反射光7には被検体40の表面パターンの形状変化が輝度の情報として入っており、表面の欠陥情報をそのような表面パターンの輝度情報と関連づけて観察することができるが、そのような情報が失われる暗視野像などを観察する場合でも、レチクルマーク47aにより欠陥の観察位置を特定したり、観察すべき位置の目安をつけやすくなるという利点がある。
このような目視観察において、参考例では、照明光6bが、補償フィルタ43により標準比視感度特性と照明用ランプ41の波長分布とに基づいて補正される。そのため。観察者49には、照明光6bが可視域にわたって光の強度が略一定に感じられるものである。すなわち、照明光6bの波長特性が、図4の曲線64のような波長特性に補正され、観察者49には、図5に曲線65に示すような略一定の光の強度分布であると感じられる。
曲線65は、ピーク強度Sに対して、半値強度となる波長をλ、λとしたとき、λ=約500nm、λ=約640nmとなる強度傾斜部65b、65cと、その中間部で大部分がSに近い平坦部65aとからなる略矩形波状の分布を有している。すなわち、波長λとλとの間で、大部分の波長光が略同程度の強度を有していると感じる。
このように参考例の表面欠陥検査装置500は、照明光6bが、観察者49の視覚にとって可視域にわたって略一定強度の光と感じられ、偏光状態が制御されてs偏光とされている。それぞれの作用について以下に説明する。
例えば、被検体40がシリコン基板上にSiの膜を形成し、その上にフォトレジスト膜を形成した場合を例にとって説明する。
図6A、6Bは、このような多層膜の反射率について説明するための膜断面方向の模式図である。図7は、多層膜の膜厚による反射率の変化について説明するための数値計算例を示すグラフである。横軸は変化させた膜厚、縦軸は反射率を示す。図8は、多層膜の下層を一定としたときの白色光に対する反射特性を説明するためのグラフである。横軸は波長を示し、単位は(nm)である。縦軸は多層膜としての反射率を示す。
図6Aに示すように、屈折率nの空気層1中に置かれた屈折率nの第1誘電体層2に波長λの光を入射したときの第1誘電体層2の表面の反射係数rは、フレネルの公式により次式で表される。
=(n−n)/(n+n) ・・・(1)
同様に、図6Bに示すように、例えばシリコン(屈折率n、厚さd)で形成された基板4上に、Siからなる第2誘電体層3(屈折率n、膜厚d)、フォトレジストからなる第1誘電体層2(屈折率n、膜厚d)が順次積層して形成された場合を考える。この場合は、空気層1に接した第1誘電体層2の表面、第1誘電体層2と第2誘電体層3との境界面、第2誘電体層3と基板4との境界面のそれぞれの反射係数をr、r、rと表すと、以下のようになる。ここで、n=1を用いた。
=(1−n)/(1+n) ・・・(1a)
=(n−n)/(n+n) ・・・(2)
=(n−n)/(n+n) ・・・(3)
これらを用いて、第1誘電体層2と第2誘電体層3との境界面での反射率R12は、フレネルの反射係数より、次式のように表すことができる。
Figure 2006126596
ただし、βは次式の通りである。
β=2π・(d/λ)・n・cosθ ・・・(5)
ここで、角度θは、第1誘電体層2から第2誘電体層3に入射する光の第2誘電体層3に対する入射角を表す。
また、空気層1と接する第1誘電体層2の反射率R01は、同様に次式のように表すことができる。
Figure 2006126596
ただし、βは次式の通りである。
β=2π・(d/λ)・n・cosθ ・・・(7)
ここで、角度θは、空気層1から第1誘電体層2に入射する光の第1誘電体層2に対する入射角を表す。
式(6)から理解されるように、第1誘電体層2の表面の反射率R01は、第1誘電体層2の膜厚dと、第2誘電体層3の膜厚dとの両方の膜厚の影響を受ける。
図7に、具体的な数値計算例を示した。図7の計算では、第1誘電体層2、第2誘電体層3、基板4として、それぞれフォトレジスト、Si、シリコンを想定し、n=1.63、d=1000nm、n=2.02、n=3.947とした。また、入射光の波長λ=600nm、入射角θ=45°とした。そして、第2誘電体層3の膜厚dを9000nmから11000nmまで変化させたときのs偏光の反射率R、p偏光の反射率R、無偏光の反射率Rをそれぞれプロットした。
図7に示すように、反射率R、R、Rは、R≧R≧Rの関係を保って、第2誘電体層3の膜厚の変化に応じて、同一周期で正弦波状に変化していることが分かる。したがって、第1誘電体層2の膜厚が均一であっても、第2誘電体層3の膜厚変化の影響を受けて照明光の反射光の輝度がばらついてしまうものである。
また、このような多層膜に波長λの光を反射させた場合には、下層から反射された光との光路差に応じて干渉が起こり、明暗が観察される。例えば、膜厚をD、光が薄膜中を進む傾角をφ、膜の屈折率をnとした場合、次の式(8)は、干渉により明るくなる条件であり、式(9)は、干渉により暗くなる条件である。
D=λ・m・cosφ/(2・n) ・・・(8)
D=λ・(m+1)・cosφ/(2・n) ・・・(9)
ここで、m=1,2,3,4,…である。
また、薄膜への入射角をθとすると、傾角φとの間には、次式の関係がある。
sinθ=n・sinφ ・・・(10)
式(8)、(9)によれば、傾角φと屈折率nとが一定の場合、膜厚Dと波長λにより反射光の干渉現象により輝度ムラが生じることが分かる。
図8は、図6Bの場合について、d=10000nmとして、波長λを500nmから700nmまで変化させたときの反射率の計算例である。他の条件は、図7の場合と同様である。
図8に示すように、反射率R、R、Rは、R≧R≧Rの関係を保って、相対的に狭い波長帯域と、相対的に広い波長帯域とで、それぞれ略周期的に反射率が変動している。
このように、多層膜の反射光は、下層の膜厚変化や入射光の波長分布に応じて波長ごとに発生する干渉の結果として輝度ムラが生じる。
すなわち、図7に示すように下層の膜厚の変化量により反射する光が明るくなったり暗くなったりするとともに、図8に示すように、波長領域においても明暗が発生する。
ここで、図8において、波長500nm〜700nmの光を一様に照射することを考える。この場合、波長範囲にわたって明暗の緩やかな周期変化が略二巡以上する波長域を持つことになるから、平均された明るさが得られることが分かる。
式(9)において、波長λの値が変化することによりmの値が1以上異なる値に相当する波長域を持っているとすると、膜厚Dが変化したのと同様の輝度変化が加算されることとなり、入射光はすべての波長が加算された平均光量として検出されることになる。
この平均化された明るさは、波長帯域が広いため、膜厚の変化に係わらず常に一定である。そのため、波長域の広い光を入射することにより、前記のような膜厚の変化の影響を抑制することが可能となる。
つまり、反射率を変動させる波長サイクルを少なくとも1つ以上含む広範囲の波長光を含むことにより平均化されることが期待される。
しかし、このような広帯域の波長を含む入射光として、光学的な白色光を照射すると、例えば観察者49には約550nmに感度のピーク値を有する比視感度があるので、視覚的には輝度バラツキを平均化することができず、干渉による輝度ムラを含んだ像が観察される。そのため、欠陥が存在しない領域を欠陥と誤認識したり、輝度ムラがノイズとなって欠陥の検出精度が低下したりする場合が出てくる。
参考例では、照明光6bを、補償フィルタ43を用いることにより照明用ランプ41の波長分布と標準比視感度とのそれぞれの逆特性を有する波長分布に補正するから、観察者49にとって、図5に示すような、認識される光の強度が略一定と感じられる光が被検体40に入射される。そのため、下層の膜厚や入射光の波長に起因する干渉による輝度ムラを平均化することができ、欠陥がない場合の反射光量を平均光量として略一定とすることができる。すなわち下層の膜厚の影響を受けない観察や欠陥検出が可能となる。
したがって、欠陥が存在しない領域を欠陥と誤認識したり、輝度ムラがノイズとなって欠陥の検出精度が低下したりすることを防止できる。
次に、偏光状態が制御されていることの作用について説明する。
図9は、偏光状態に応じた反射率の入射角依存性について説明するためのグラフである。図10A、10Bは、最上層に形成された正常なパターンと異常なパターンとについて説明するための膜厚方向の模式断面図である。図11は、多層膜が屈折率分布を有する場合の反射率の入射角依存性について説明するためのグラフである。図9、11において、横軸は入射角を示し、単位は(°)である。また縦軸は反射率を示す。
一般に反射面に対してs偏光として入射する光に対する反射率は、図9の曲線71に示すように、入射角0°でr(ただし、0<r<1)となり、入射角0°から90°に向けて入射角が増えるにつれてより傾斜が大きくなるような単調増加をして角度90°で1に達する。一方、p偏光として入射する光に対する反射率は、図9の曲線72に示すように、入射角が0°でs偏光と同様にrとなり、0°からθまで入射角が増えるにつれて負の傾きが大きくなるように単調に漸減して、入射角θで0となる。そして、入射角θから90°に向けて反射率が0から1まで単調に増加する。角度θはブリュースター角または偏光角と呼ばれており、ブリュースター角で入射する光のp偏光成分はすべて反射面に対する透過光となってしまうことが知られている。
このように、p偏光の光は、広範囲の入射角度範囲でs偏光の光に比べて反射面を透過しやすい傾向を持っている。そのため、表面層の形状異常などによる反射光の変化もs偏光の光に比べて変化が少なくなる傾向がある。このような特性により、図7、8に示したように輝度ムラを有する場合でもR≧Rの関係がある。
参考例では、照明光6bを偏光板44Aによりs偏光としている。s偏光では、p偏光や無偏光の場合に比べて反射率が高くなるために反射率変化を鋭敏に検知することができるという利点がある。
例えば、図10Aに示すように、基板4上に幅W、膜厚dのパターン形成層20A(屈折率n)がピッチWで形成されたラインとスペースとの繰り返しパターン(デューティ比50%)を形成する場合を考える。この場合の欠陥として、例えば、製造装置のトラブルなどにより幅Wが太ってしまうことが考えられる。例えば、図10Bに示すように根元が幅W(ただし、W>W)となっているものとする。
このような欠陥は、膜厚dが照明光6bの波長と近い場合には、厚さ方向に屈折率が傾斜している欠陥と見なせるので、屈折率の傾斜に依存した反射率の異常として検出することができる。
例えば、n=1.3、W=45nm、屈折率の傾斜率を4.5%、すなわち(W−W)/d=0.045としたときの、反射率の入射角依存性についてシミュレーションした結果を図11に示した。
図11において、実線で示した曲線81、82は、屈折率傾斜のないパターン形成層20Aの場合に対応するs偏光成分、p偏光成分の反射率をそれぞれ示す。また、破線で示した曲線83、84は、屈折率傾斜を有するパターン形成層20Bの場合に対応するs偏光成分、p偏光成分の反射率をそれぞれ示す。
偏光成分同士の変化を比較すると、s偏光成分の反射率を示す曲線81、83は、図9の曲線71と略同様の変化を示し、p偏光成分の反射率を示す曲線82、84は、図9の曲線72と略同様な変化を示している。図9の入射角0°の反射率rは、図11の反射率r、rに対応する。ブリュースター角θは、60°と70°の中間の値となっている。
一方、屈折率傾斜の有無を比較すると、s偏光成分では、曲線81、83から分かるように、90°を除くすべての入射角において、屈折角傾斜を有する場合には反射率が低下している。特に入射角60°の近傍での低下が著しい。
また、p偏光成分では、屈折率傾斜がある場合、入射角0°〜30°において、反射率がやや低下しているものの、入射角50°以上では、ほとんど屈折率傾斜の影響が見られない。
したがって、照明光6bの入射角を60°程度に設定して、s偏光で照明すると、屈折率傾斜を有する領域では、s偏光の反射率が顕著に低下し、暗くなる領域として検出することができる。その場合、偏光板44Aを回転するなどして、p偏光に切り替えれば、正常領域に対して輝度変化がないので、他の輝度ムラによるノイズでないことが確認できる。
このように偏光状態を制御することにより、屈折率傾斜として現われるような欠陥を高精度に検出することができるという利点がある。
このような屈折率傾斜は、上記に述べたパターンの側面の傾斜によっても形成されるが、側面の傾斜がない場合でもパターン形成層20Aの厚さが場所によりばらつくと発生するので、そのような欠陥がある場合も同様に検出することができる。
なお、被検体40の多層膜によっては、反射光7が楕円偏光となる場合があるが、この場合、偏光板44Bを適宜回転させることによりs偏光成分のみを観察することができるので、上記のようなs偏光成分の反射特性を利用した欠陥検出を行うことができる。
また、偏光板44Aは、偏光板44Bと組み合わせて用いることにより、偏光状態を変える欠陥を容易に検出することができる。
すなわち、偏光板移動機構48により光軸まわりに回転させることにより、反射光7から種々の偏光状態の光を選択的に取り出し、反射光7が散乱光となるキズ、異物、結晶異常などの欠陥を検出することができる。
偏光板44A、44Bをクロスニコルの状態に配置して正常部分からの反射光7が消光状態となるようにすれば、暗視野中で偏光状態の異常部のみが光るため、より効率的に検出することができる。
このように、参考例の目視による表面欠陥検査装置500によれば、照明光6bとして、標準比視感度特性の下で光の強度が略一定と感じられる波長分布を備えるようにするので、多層膜が形成された被検体を検査する場合に、下層膜の膜厚差があっても、表面の輝度ムラや色ムラが起こりにくくなり、欠陥の検出精度を向上することができる。
この参考例の目視による欠陥検査の欠陥検出精度の低下の防止方法は、CCDカメラなど撮像装置を用いた表面欠陥検査装置に適用することが可能である。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る表面欠陥検査装置について説明する。
図12は、本発明の第1の実施形態に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。図13Aは、本発明の第1の実施形態に係る表面欠陥検査装置に用いる斜影補正レンズのレンズ構成の一例について説明するための模式的な光路図である。図13Bは、同じく斜影補正レンズの動作について説明するための模式的な光路図である。図14A、14Bは、本発明の第1の実施形態に係る表面欠陥検査装置に用いるフロントガラスおよびハーフミラーのレチクルマークについて説明するための法線方向視の説明図である。
本実施形態の表面欠陥検査装置501は、図12に示すように、被検体40に照明光6bを照射し、その反射光7を被検体40に再入射させた再反射光8を目視観察または撮像することにより被検体40の表面欠陥を検査するための装置である。
表面欠陥検査装置501の概略構成は、照明部50、ハーフミラー91、コリメートレンズ92(照射光学系)、揺動機構46、ミラー93(反射素子)、斜影補正レンズ94(被検体の像を1方向のみに伸縮する光学素子)、偏光板44B、ミラー102(光路切替手段)、結像レンズ群103、撮像素子104(撮像部)、および制御部101が、一部にフロントガラス95(透過スクリーン)を有する隔壁部411により覆われてなる。
照明部50は、参考例の照明部5からコリメートレンズ45を削除した構成を有する。すなわち、照明用ランプ41、集光レンズ42、補償フィルタ43、および偏光板44Aからなる。そして、照明用ランプ41から出射される照明光6aが集光レンズ42により集光され、やや発散度合が低下された照明光6cが出射されるようになっている。
ハーフミラー91は、照明光6cの略50%を反射して、照明光6cの光路を折り曲げるとともに、被検体40により再反射された再反射光8を透過させる光路分岐手段である。したがって、再反射光8に対しては透過スクリーンとして機能するものである。そして、図14Bに示すように、目視観察時に観察位置を合わせ易くするために、レチクルマーク98a、98b(参照パターン)が設けられている。レチクルマーク98a、98bは、適宜の形状、位置で設けることができるが、例えば、レチクルマーク98aとしてハーフミラー91の略中央に入射光の光軸に一致するように設けられた十字マークと、レチクルマーク98bとして周辺部に設けられた十字マークとを採用することができる。
コリメートレンズ92は、ハーフミラー91により反射された照明光6cを平行光として、照明光6bを形成するものである。
揺動機構46は、参考例と同様に、照明光6bにより照射できる位置で被検体40を揺動可能に保持している。
ミラー93は、再入射光学系として被検体40で反射された反射光7が法線方向から入射するような位置に設けられた反射素子である。
揺動機構46、ミラー93は、後述する制御部101により照明光6b、反射光7の光路に対する角度姿勢が制御できるようになっている。
斜影補正レンズ94は、ミラー93で反射された反射光7が被検体40により反射された再反射光8を観察する際に、被検体40の斜め方向に反射されることによる歪みを補正するレンズ群である。そして、コリメートレンズ92、ハーフミラー91を透過した後の光路上に配置されている。
斜影補正レンズ94の具体的な構成としては、図示上下方向に光束を収束させるようなパワーを有するシリンドリカルレンズ群を採用することができる。例えば、図13Aに示すように、再反射光8の入射方向から順に、凸断面を有する第1レンズ94a、および凸断面を有する第2レンズ94bからなる第1レンズ群G1と、凹断面を有する第3レンズ93c、および凸断面を有する第4レンズ94dからなる第2レンズ群G2とが、第1レンズ群G1の焦点位置と第2レンズ群G2の焦点位置が一致するように配置されている。そして、移動機構94Aにより、第1レンズ群G1の前側焦点位置を一定位置に保った状態で、第1レンズ94a、第2レンズ94bは光軸方向の位置を移動できるようになっている。移動機構94Aは、制御部101に電気的に接続されている。
第2レンズ群G2は、第3レンズ94cと第4レンズ94dとのレンズ間距離がLで、合成焦点距離がfとされる。
第1レンズ群G1は、例えば、第1レンズ94aと第2レンズ94bとのレンズ間距離が可変とされ、例えば距離Lのとき、合成焦点距離がf(ただし、f>fとなる値を有する)となっている。また、図13Bに示すように、レンズ間距離がL’のとき、前側合成焦点距離がf’となっている。
合成焦点距離fは、第1レンズ94a、第2レンズ94bの焦点距離をそれぞれf、fとすると、次式のように表される。
1/f=1/f+1/f−L/(f・f) ・・・(11)
ここで、f、Lに代えて、f’、L’としても式(11)を満足する。
すなわち、第1レンズ94a、第2レンズ94bを移動して、レンズ間距離をL’(ただし、L’<L)とすると、f’<fとなる。このf’の位置を第2レンズ群G2の合成焦点位置と同一になるように、第1レンズ94aと第2レンズ94bとの位置を調整する。その結果、焦点距離f’の変化に応じて図示上下方向の光束幅が変化し、例えば、入射光が図示上下方向に主軸を有する楕円光束の場合、第1レンズ群G1の焦点距離を適宜値に調整することにより、円光束として出射することができる。
斜影補正レンズ94の像側の光路上には、偏光板44Bが進退可能に設けられている。
ミラー102は、斜影補正レンズ94から出射され、必要に応じて偏光板44Bを透過した光束の光路を切り替えて結像レンズ群103に導くための反射素子であり、移動機構102Aにより光路に対して進退可能、もしくは必要に応じて着脱可能に設けられている。
フロントガラス95は、参考例のフロントガラス47と略同様の構成を有する。ただし、本実施形態では、目視観察時に、観察者49が観察位置を位置合わせするレチクルマーク97a、97b(参照パターン)を備える。
レチクルマーク97a、97bは、ハーフミラー91のレチクルマーク98a、98bにそれぞれ対応して、例えばフロントガラス95の中央部および周辺部に十字マークなどとして設けられている(図14A参照)。
すなわち、中央部に設けられたレチクルマーク97aは、光軸上に設けられ、周辺部に設けられたレチクルマーク97bは、光軸上の結像位置から観察すると、同じく周辺部に設けられたレチクルマーク98bの像とちょうど一致するような位置関係に設けられている。
結像レンズ群103は、ミラー102が光路内に進出されたときに反射される光束により、被検体40の表面を撮像素子104の撮像面に結像するためのものである。被検体40は揺動により傾くが、十分に被写界深度が深くなるよう結像レンズ群に明るさ絞りを入れてもよい。またフォーカス機能を設け、見たい位置にピント合せできるようにしてもよい。
撮像素子104は、例えばCCDなど、2次元画像を撮像する撮像素子からなり、被検体40の像を撮像し、画像データを取得するものである。
制御部101は、操作部99を介した観察者49の操作入力に応じて、表面欠陥検査装置501の全体制御や、画像処理制御を行うものである。
すなわち、制御部101は、ミラー93、斜影補正レンズ94、偏光板44Bのそれぞれ移動機構93A、94A、440、および揺動機構46に電気的に接続され、それぞれの移動動作を行う制御信号を送出できるようになっている。
また、撮像素子104に電気的に接続され、画像データを取得し、例えば、特開2001−91473等に開示されているように、欠陥画像の表示、抽出などの画像処理を行うことができるようになっている。
本実施形態の表面欠陥検査装置501の動作について説明する。
図12に示すように、照明部50からは、出射光が発散光である点以外は、参考例と同様とされた照明光6cがハーフミラー91に向けて出射される。すなわち、照明光6cは、標準比視感度特性を有する観察者49が目視する場合に光の強度が略一定と感じられるように補正されている。また、偏光状態は、被検体40に対してs偏光となっている。
そして、照明光6cは、ハーフミラー91により略50%が反射され、コリメートレンズ92の光軸に沿って偏向される。そして、コリメートレンズ92により略平行光束とされた照明光6bとして略一方向に向けて被検体40に照射される。
被検体40に入射した照明光6bは、被検体40により反射され、反射光7として、ミラー93に導かれる。ここで、反射光7の反射輝度は、式(6)に示す反射率により決まる。
また被検体40の表面状態によっては偏光状態が変化する。
ミラー93は、制御部101により反射光7が法線方向から入射するように位置制御されるので、ミラー93に入射した反射光7は、ミラー93により反射されて光路を逆進し、被検体40に再入射し、再反射光8としてコリメートレンズ92に向けて反射される。
再反射光8の輝度Iは、照明光6bの輝度をI6b、ミラー93の反射率をRとするとき、次式のように表される。
=(R01・R ・・・(12)
すなわち、被検体40により2回反射されるため、多層膜反射の膜厚変化や屈折率傾斜の影響が2乗された顕著な輝度変化を示す。ただし、補償フィルタ43の作用により、観察者49にとっての略白色光とされるため膜厚変化に応じた輝度ムラは相殺されるので、屈折率傾斜による輝度ムラのみが顕著に現われる。
そのため、屈折率傾斜の検出感度を参考例に比べて向上できるという利点がある。
再反射光8は、コリメートレンズ92を透過すると収束光とされ、ハーフミラー91を透過する。そして、斜影補正レンズ94により、図示上下方向の光束径が調整され、例えば被検体40を平面視したのと同様な観察方向による歪みのない形状、本実施形態の場合は、外形が円形となるようなに画像歪みが修正されて出射される。
偏光板44Bが光路に進出され、かつミラー102が光路から退避されている場合、偏光板44Bにより特定の偏光成分のみが透過し、フロントガラス95を通して隔壁部411の外部に出射される光路が形成される。そのため、観察者49は、再反射光8により被検体40の像を目視観察することができる。
このとき、ハーフミラー91、フロントガラス95にレチクルマーク97a、97b、98a、98bが設けられているので、観察者49は、視野の略中央に観察されるレチクルマーク97a、98aが一致するように光軸方向に直交する方向に移動し、さらに、周辺部のレチクルマーク97b、98bが一致するように、光軸方向に観察位置を移動することにより、再反射光8の結像位置での目視観察を行うことができる。
また観察者49は、必要に応じて操作部99から操作を行い、制御部101により揺動機構46を動作させ、被検体40を揺動移動し、欠陥が見やすくなるように配置することができる。
その際、制御部101は、揺動機構46の揺動位置に合わせてミラー93の姿勢を制御して、反射光7の入射方向を一定に保つようにする。また、制御部101は、揺動機構46の揺動位置に合わせて斜影補正レンズ94の焦点距離を変化させ、斜影補正レンズ94から出射される光束径が一定となるように制御する。
そのため、被検体40を欠陥が見やすい揺動位置に移動しても、観察者49は、被検体40を平面視するのと同様な状態で観察できるので、欠陥位置の特定が容易となるという利点がある。
一方、偏光板44Bが光路に進出され、かつミラー102が光路中に進出されている場合、偏光板44Bにより特定の偏光成分のみが透過し、ミラー102で偏向されて、結像レンズ群103に導かれ、撮像素子104により再反射光8が撮像される光路が形成される。そのため、被検体40の像が撮像され、光電変換されて、制御部101に画像データとして取り込まれる。このとき、撮像素子104の波長(分光)感度特性が人間の比視感度特性と異なる場合、補償フィルタ43は撮像素子104の出力強度が感度を有する波長域にわたって略一定となる特性に設定される必要がある。そのためミラー102が光路に進出するとき補償フィルタ43が切り替わるように構成されていることが望ましい。
制御部101では、目視画像と同一の画像を用いて適宜の欠陥検出動作などを行ったり、また画像自体、あるいは画像処理された画像をモニタ160などに表示したりすることができる。
このように、本実施形態では、ミラー102を光路中に進退させて光路を切り替えることにより、観察者49の感じる光の強度が波長によらず略一定または撮像素子からの画像信号の出力強度が波長によらず略一定となる照明光6bが被検体40を2回反射した再反射光8により目視観察を行ったり、撮像したりすることができる。
なお、本実施形態の偏光板44A、44Bの作用については参考例と同様である。
また目視観察および撮像のいずれの場合でも、欠陥検出の目的などにより偏光成分を規制する必要がない場合には、偏光板44Bを制御部101により再反射光8の光路から退避させ、再反射光8が偏光板44Bを透過しないようにしてもよい。
このように、表面欠陥検査装置501によれば、照明光6bを観察者49または撮像素子104にとって波長によらず光の強度が略一定と感じるようにすることにより、膜厚変化の影響を除去し、被検体40を2回反射させた再反射光8を観察することできるため、屈折率傾斜のある欠陥の検出効率を向上することができる。つまり、再入射光学系のミラー93を導入したのみでは、膜厚変化等の影響によるノイズ成分も同時に強調してしまうのに対して、ノイズ成分を低減した上でミラー93を導入したことにより、より精度の高い欠陥検出を行うことができる。
また、斜影補正レンズ94により、被検体40を常に歪みのない状態で観察することができるので、欠陥観察や、欠陥位置の特定が容易となり、検出精度が向上し、かつ検査時間を短縮できるので欠陥検査の効率を向上することができる。
次に、本実施形態の第1変形例について説明する。
図15は、本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。
本変形例の表面欠陥検査装置501Aは、図15に示すように、上記第1の実施形態の斜影補正レンズ94を削除し、斜影補正レンズ601(被検体の像を1方向のみに伸縮する光学素子)、電動散乱板602を追加したものである。以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
斜影補正レンズ601は、斜影補正レンズ94と同様、ミラー93で反射された反射光7が被検体40により反射された再反射光8を観察する際に、被検体40の斜め方向に反射されることによる歪みを補正するレンズ群であり、被検体40とコリメートレンズ92との間の光路中に設けられている。
斜影補正レンズ601の構成としては、揺動機構46の揺動方向に一致する方向、例えば、図示上下方向に光束を収束させるようなパワーを有するシリンドリカルレンズ群である第1補正レンズ601A、第2補正レンズ601Bが、被検体40側から順次配列され、斜影補正レンズ駆動部600により光軸方向に移動可能に保持された構成を採用することができる。
本変形例の実施態様では、第1補正レンズ601Aは平凹断面のシリンドリカルレンズからなり、第2補正レンズ601Bは凸平断面のシリンドリカルレンズからなり、それぞれの凹面、凸面が同一の曲率半径を有している。したがって、これら凹凸面がそれぞれ密着した状態では平板が形成され、各レンズのパワーが打ち消される。また、各レンズが離間され、空気間隔が設けられた状態では、被検体40からの平行光束が上下方向に拡大されるようになっている。
電動散乱板602は、入力電圧に応じて散乱板となったり、透過板になったりすることができる機構であり、例えば液晶散乱板などから構成される。そして、ミラー93とともに、揺動機構46の揺動角度の変化に応じて移動機構93Aによって回動できるようになっている。
なお、電動散乱板602は、液晶偏光板を利用して遮光状態も形成できる構造となっていることが好ましい。
本変形例の表面欠陥検査装置501Aによれば、制御部101によって、揺動機構46の揺動角度が検出されると、その揺動角度に応じて斜影補正レンズ駆動部600が駆動され、第1補正レンズ601Aと第2補正レンズ601Bとの間のレンズ間距離が制御される。すなわち、揺動方向に沿う図示上下方向の光束が拡大されることにより被検体40の歪みを補正される。そのため、被検体40が観察者49に対して平行な位置に正対しているかのように観察することができる。
このとき、斜影補正レンズ601をコリメートレンズ92と被検体40との間の光路中に設けるので、揺動角度が変化しても、被検体40に照射される照明光6bの幅を変化させて、被検体40上を効率的に照明することができる。そのため、明るさが略一定の状態で観察することができるので、検査精度を安定させることができる。
また、電動散乱板602を設けることにより、ミラー93の反射光7の散乱度合いを容易に変化させることができる。そのため、膜厚変化に応じた輝度ムラを除去する程度を変化させた状態で観察することができる。
なお、このような観察を行う必要がなければ、電動散乱板602は削除してもよい。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る表面欠陥検査装置について説明する。
図16は、本発明の第2の実施形態に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。図中に記載したXYZ直角座標系は方向参照の便宜のために設けたものであり、紙面垂直に手前から奥側に向かうX軸と、紙面内で左側から右側に向かうZ軸と、紙面内で下側から上側に向かうY軸により構成される。
本実施形態の表面欠陥検査装置502は、図16に示すように、被検体40にビーム光源により走査し、その反射光を被検体40に再入射させて、再反射光8を形成し、再反射光8を撮像することにより被検体40の表面欠陥を検査するための装置である。
表面欠陥検査装置502の概略構成は、照明部51、偏光板44A、ビームスプリッタ109、偏向ミラー110、111、斜影補正レンズ94、フィールドミラー112、ミラー113(反射素子)、偏光板44B、結像レンズ群103、光検出素子123(撮像部)、装置制御部121、撮像制御部118、画像処理部119、モニタ120、および操作部122からなる。
照明部51は、複数の波長のレーザ光200(照明光)を発生することができる複数のレーザ光源からなるレーザ発光ダイオード105(光源)と、レーザ発光ダイオード105から出射されたレーザ光を被検体40の面積に比べて小径の平行ビームとするコリメートレンズ106と、波長補償板107(波長感度補正フィルタ)とからなる。
レーザ発光ダイオード105の複数の波長は、それらをコンバイナーなどで合成したときに、白色光または白色光に近い強度分布を形成できるような波長帯域に設定される。例えば、多数の波長のレーザ発光ダイオードを設置して、可視波長域に全域にわたって分散する複数の波長のレーザ光としてもよい。また、単色による検査に比べ、2波長や3波長になれば、条件によっては、下層の膜ムラの影響を除却できるので、例えば、光の三原色であるR、G、Bの中心帯域の波長に近い波長光をそれぞれ含んだ複数のレーザ光としてもよい。
波長補償板107は、レーザ発光ダイオード105により発光され、コリメートレンズ106を透過した複数のレーザ光の波長ごとの強度分布を、光検出素子123の波長感度特性により逆補正して略白色光として撮像できるようにした光学部材である。
波長補償板107は、補正すべき波長帯が複数の単色光または狭帯域光である点と、逆補正すべき波長特性が光検出素子123の波長感度特性である点が異なるものの、参考例の補償フィルタ43と略同様にして補償特性を設定することができる。
波長補償板107は、多層膜コーティングにより必要な補償特性を構築した光学フィルタとして形成することができる。また、レーザ光200に含まれる複数の波長光に対してのみ、補償特性を設定すればよいので、波長光ごとの強度を調整する複数のフィルタを組み合わせて用いてもよい。
ビームスプリッタ109は、光路分岐手段であり、偏光板44Aを透過したレーザ光200を、例えば図示Z軸正方向に配置された偏向ミラー110に向けて反射するとともに、偏向ミラー110により図示Z軸負方向に反射されて戻るレーザ光を透過して、偏光板44Bに導くものである。
偏向ミラー110、111は、いずれも装置制御部121により制御される回動機構110A、111Aにより回動可能に支持され、互いに異なる2軸方向に回動することにより、入射ビームを2次元走査するビーム走査機構である。
偏向ミラー110は、ビームスプリッタ109により反射されたレーザ光200を、図示XY平面内で、Y軸正方向を中心として一定の走査画角の範囲で走査できるようになっている。
偏向ミラー111は、偏向ミラー110により偏向走査されたレーザ光200を、図示ZX平面に直交する面内で、ZX平面に沿う方向を中心にして一定の走査画角の範囲で走査できるようになっている。
偏向ミラー110、111は、例えばガルバノミラーなどの偏向走査素子を採用することができる。
偏向ミラー111により偏向走査されたレーザ光200は、斜影補正レンズ94を透過して、フィールドミラー112に到達するようになっている。
フィールドミラー112は、偏向ミラー110、111により2次元走査されるレーザ光200を反射し、再入射光学系として被検体40に対して一定角度で入射させる反射素子である。つまり、偏向ミラー110、111によりどの方向に偏向走査しても、被検体40に対して、どの光束同士も平行となっている。フィールドミラー112の反射面の曲面形状は、放物面形状や、非点収差などの収差補正を入れた自由曲面などの形状を採用することができる。
なお、図15に描いた破線は、偏向ミラー110、111により偏向される範囲を示すための線である。
試料台117は、被検体40をフィールドミラー112の反射光の出射方向に対して一定角度に保持するための保持機構である。試料台117は、装置制御部121の制御信号にしたがって、被検体40の配置位置をフィールドミラー112に対して調整するために、適宜の移動機構を備えることが好ましい。
ミラー113は、被検体40により反射されたレーザ光200の正反射方向が法線方向となるように配置された平面ミラーである
結像レンズ群103は、ビームスプリッタ109を挟んで偏向ミラー110に対向する位置に設けられ、偏向ミラー110で反射されたレーザ光200のうち、ビームスプリッタ109を透過した光を光検出素子123の受光面上に結像する結像素子である。
光検出素子123は、結像レンズ群103により結像面でレーザ光200を受光して光電変換するものである。光検出素子123としては、フォトダイオードや光電子倍増管などを採用することができる。
ビームスプリッタ109と結像レンズ群103との間には、レーザ光200の偏光状態を制御するための偏光板44Bが設けられている。
装置制御部121は、表面欠陥検査装置502の全体制御を行うもので、操作部122により操作可能とされる。そして、レーザ発光ダイオード105、偏光板44Bを移動する移動機構440、偏向ミラー110、111、斜影補正レンズ94を移動する移動機構94A、試料台117などに電気的に接続され、適宜の制御信号を送出できるようになっている。
移動機構440に対しては、偏光板44Bを光路中に進退させる制御信号を送出する。
偏向ミラー110、111に対しては、レーザ光200を被検体40上の所定位置に走査するための制御信号を送出する。
移動機構94Aに対しては、歪みのない被検体40の画像を取得できるようにレンズ間隔を調整する制御信号を送出する。
試料台117に対しては、被検体40の位置調整を行う制御信号を送出する。
撮像制御部118は、装置制御部121による偏向ミラー110、111に対する走査位置に関する制御信号に応じて、走査位置ごとの画像データを取得する撮像動作を行う制御信号を送出し、画像データを取得し、画像処理部119に走査位置データとともに、画像データを画像処理部119に送出するものである。
画像処理部119は、撮像制御部118から送出された画像データを記憶して、画像処理により異常な輝度ムラを抽出して、欠陥の位置、大きさ、種類などを判定するための手段である。画像処理および欠陥抽出のアルゴリズムは、表面検査に用いられる周知のいかなる手段を採用してもよい。
例えば、被検体40に対応して予め記憶された補正データに基づき、表面欠陥検査装置502内の光学系や光検出素子123の特性に応じて発生する輝度ムラを画像データの画素ごとに補正するシェーディング補正、校正データに基づき光学系による画像歪みを除去する歪み補正、被検体40の位置ずれ情報を検出して画像データの位置ずれを補正する位置ずれ補正などの、画像補正を行う。そして、補正後の画像データを予め記憶されている良品の画像と比較処理して被検体40の欠陥を抽出する。また必要に応じて、被検体40の画像データを細分化し多く含まれている部分を良品と判断して良品画像を構築し、この構築画像と被検体40の画像データとを比較して欠陥を抽出できるようにしてもよい。
抽出された欠陥は、欠陥の発生工程と原因とを特定することができるように分類され、欠陥辞書として記憶された情報と比較して、欠陥種類が特定されるようになっている。
モニタ120は、画像処理部119により処理された画像や、欠陥の画像などを表示したり、操作部122により操作入力するための操作メニュー画面などを表示したりするための表示手段である。
次に、表面欠陥検査装置502の動作について説明する。
レーザ発光ダイオード105で発生されたレーザ光200は、コリメートレンズ106により平行ビーム化され、波長補償板107により、光検出素子123の波長感度特性に応じて、複数の波長光の波長分布が略一定の光の強度を持つものとして受光されるような分布に調整される。
そして偏光板44Aにより、被検体40に対してs偏光となるように偏光状態が制御されて図示Y軸正方向側のビームスプリッタ109に入射される。
ビームスプリッタ109に入射したレーザ光200は、ビームスプリッタ109により反射され、偏向ミラー110に入射し、図示XY平面内で走査される。これはZX平面に沿って配置される被検体40上では、図示X軸方向へのビーム走査に対応する。
偏向ミラー110により走査されるレーザ光200は、偏向ミラー111により、ZX平面に直交する平面内で走査される。これは被検体40上では、図示Z軸方向へのビーム走査に対応する。
偏向ミラー110、111の走査は連続的に行われるが、以下の説明では、そのうちの1つの方向にレーザ光200が走査されているものとして説明する。すなわち、レーザ光200は、被検体40の特定の走査位置に向けて偏向ミラー111から反射され、斜影補正レンズ94に入射する。
斜影補正レンズ94では、レーザ光200が被検体40上に照射されたとき、被検体40上の略円形の範囲を照射できるように、レーザ光200の光束径が図示Y軸方向に調整される。例えば、レーザ光200が円形ビームであれば、被検体40に対し斜投影されるため被検体40上で図示Z方向に長径を有する楕円領域を照射することになるので、画像データに歪みが生じることになる。この場合、図示Y軸方向に短軸を有する楕円ビームに調整することにより、被検体40上で円形領域を照射することができ、走査位置と画像データの画素が一対一に対応した歪みのない画像が取得できる。
斜影補正レンズ94の動作については、参考例に説明した通りである。
斜影補正レンズ94を透過したレーザ光200は、フィールドミラー112により、被検体40に対して一定角度で入射するような光路上に反射される。そして、被検体40により反射され、ミラー113に垂直に入射する。
そのため、レーザ光200は、ミラー113により正反射されて入射光路を逆進し、被検体40上の同一の反射位置に再入射し、再反射され、上述した光路を順次逆進して、円形ビームに戻された状態でビームスプリッタ109に到達する。そして、ビームスプリッタ109の分岐面を透過し、偏光板44Bにより偏光状態を制御され、結像レンズ群103により光検出素子123上に結像され、輝度レベルに応じた検出信号が撮像制御部118に送出され、被検体40上の特定位置の輝度レベルに対応した画像信号が発生される。
偏向ミラー110、111の走査に伴って上記の過程が繰り返され、レーザ光200により被検体40が2次元的に走査され、被検体40の画像データが取得される。
そして、画像処理部119により画像データの画像処理を行い、欠陥を抽出し、欠陥の種類などの判定を行う。
このように、本実施形態の表面欠陥検査装置502では、画像データが、レーザ光200が波長補償板107により光検出素子123の波長感度特性において複数の波長のレーザ光が略一定の光の強度を持つように出力され、認識されるので、参考例で説明したのと同様に、被検体40の下層の膜厚の影響による輝度ムラが平均化され、下層の影響が除去されている。
また、レーザ光200が被検体40に対してs偏光として入射されるため、屈折率傾斜として現われる欠陥が高精度に検出できるものとなっている。
また、被検体40で2回反射された反射光により取得された画像データとなっているので、欠陥による輝度変化が反射率の2乗に比例して顕著となっている。
これらの結果、画像処理部119により欠陥検出を行う場合に、欠陥部分の画像データがノイズに埋もれることなく、また正常データから際だった状態とされているため、欠陥抽出の精度をより向上することができるものである。
また、本実施形態では、被検体40をビーム状のレーザ光200により2次元走査することにより画像データを取得するので、光検出素子123を簡素な構成とすることができるという利点がある。
ここで光検出素子123はそれ単体では撮像を行うものではないが、ガルバノミラーとの組合せにより実質的に撮像を行っているので、撮像部として記載した。
次に、本実施形態の第1変形例について説明する。
図17は、本発明の第2の実施形態の第1変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。
本変形例の表面欠陥検査装置503は、図17に示すように、被検体40の全面に照明光を照射して撮像することにより検査するための装置であり、上記第2の実施形態の照明部51、光検出素子123、波長補償板107に代えて、照明部52、2次元CCDなどの撮像素子104、波長補償フィルタ124(波長感度補正フィルタ)を備え、ハーフミラー91を用いて斜影補正レンズ94とフィールドミラー112との間の光路から照明光を入射するようにしたものである。以下、上記第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
なお、装置制御部121を初めとする制御手段は、略同様のため、図示を省略している(以下の図18〜28Bでも同様)。
照明部52は、照明用ランプ125(光源)、集光レンズ42、および偏光板44Aがこの順に配置されたものである。
照明用ランプ125は、白色LED光源からなり、光学的に略白色の波長分布を有する照明光126aを発生する。ただし、RGBの三原色に相当する3つのLEDを組み合わせてもよい。
集光レンズ42は、照明光126aを集光して発散する範囲を所定範囲に整えた照明光126bを形成する。
ハーフミラー91は、斜影補正レンズ94とフィールドミラー112との間の光路中に配置されている。そのため、偏光板44Aを透過して偏光状態が被検体40に対してs偏光とされた照明光126bが、ハーフミラー91により反射されると、フィールドミラー112に入射し、一定方向に反射されて被検体40の全面を略照射できるようになっている。
フィールドミラー112および撮像素子104までの光学系は、被検体40と光学系の光軸との交点の位置で、かつ光軸100と垂直な面を物体面として撮像素子104に結像できるように設計されている。このとき、被検体40が傾いているが、被写界深度を十分とれるように絞るか、ピント調整機構を設けることにより対応する。
波長補償フィルタ124は、照明用ランプ125の波長分布を、撮像素子104の波長感度特性に対して略白色光となるような波長分布に逆補正するものである。そして、斜影補正レンズ94と結像レンズ群103との間に配置されている。このように本変形例は、波長感度補正フィルタが、被検体での反射後の光路に配置されていてもよい例となっている。
本変形例の構成によれば、照明部52により形成された照明光126bを、ハーフミラー91、フィールドミラー112を経て被検体40の全面を平行光で照射することができる。被検体40で反射された照明光126bは、ミラー113により反射されて被検体40に再反射されて、フィールドミラー112に戻り、ハーフミラー91を透過する。そして、斜影補正レンズ94、波長補償フィルタ124、偏光板44Bを経て、結像レンズ群103で結像され、撮像素子104により撮像される。したがって、被検体40の画像データを1回で取得することができるという利点がある。
また、本変形例によれば、照明部52が、レーザ光源よりも安価な白色LED光源から構成され、偏向ミラー110、111などの回動機構も不要のため、安価な構成とすることができるという利点がある。
次に、本実施形態の第2変形例について説明する。
図18は、本発明の第2の実施形態の第2変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。図19は、同じく平面視の模式図である。ただし、図19は見易さのため適宜部品や光線を省略している。
本変形例の表面欠陥検査装置504は、図18、19に示すように、被検体40をライン状の照明光を照射して撮像することにより検査するための装置であり、上記第2の実施形態の第1変形例の照明部52、撮像素子104、フィールドミラー112、ミラー113に代えて、照明部53、ライン撮像素子131(撮像部)、フィールドミラー127、ミラー128(反射素子)を備え、さらに、補助照明部129、導光部材130を追加したものである。そして、試料台117には図示Z軸方向の移動機構が設けられ、Z軸方向への移動が可能となっている。以下、上記第2の実施形態の第1変形例と異なる点を中心に説明する。
照明部53は、被検体40上で図示X軸方向に延びるライン状の領域を照射するためのものであり、ライン照明用ランプ132(光源)、シリンドリカルレンズ133、偏光板44Aがこの順に配置されている。
ライン照明用ランプ132は、第2の実施形態の第1変形例の照明用ランプ125と同様な波長分布特性を有する白色LED光源が図示X軸方向に複数配列されたものである。
シリンドリカルレンズ133は、ライン照明用ランプ132により発生された照明光126aをフィールドミラー127(照射光学系)とでYZ平面で平行光として照射させる光学素子である。また平行光とせずに一度被検体40面で反射し、ミラー128で反射した後の被検体40面にライン状に結像させるようにしてもよい。これにより、光学系は被検体40面上に照明光がライン状に結像された領域をライン撮像素子131に結像させるよう設計されるのでより明るい画像を取得できる。
なお、偏光板44Aは、照明光126aの透過範囲に合わせて図示X軸方向に長い帯状の構成とされる。
ライン撮像部であるライン撮像素子131は、図示X軸方向にセンサ面が延びるライン撮像素子であり、例えば、撮像素子104と同様な波長感度特性を備えたラインCCDなどを採用することができる。もし、撮像素子104と異なる波長感度特性のCCDを用いる場合には、波長補償フィルタ124の補償特性をその波長感度特性に応じて変更するようにする。
フィールドミラー127は、照明部53から出射された図示X軸方向にライン状に照射される照明光126cを被検体40に対して図示YZ平面内で一定角度で入射させるとともに、照明光126cの主光線が被検体40上で図示X軸に対して直交する方向に入射するための反射面を有する長尺ミラーである。
本変形例では、光路の一部を媒質で満たし裏面ミラーを形成する自由曲面プリズムとしている。ここでフィールドミラー127は、フィールドミラー112の光軸100と交差する付近を残して、Y軸方向の上下部分を切り取ったX軸方向に長尺のミラーとしてもよい。また、断面が放物線形状のシリンドリカルミラーを用いてもよい。
ミラー128は、ミラー113と同様に被検体40で反射された照明光を正反射するためのミラーであり、ミラー113とは、照射領域の形状の違いによる大きさのみが異なる。
補助照明部129は、被検体40上に付着した異物などの検出感度を向上するためにライン照明を行うための光源である。例えば、ライン照明用ランプ132と同様の構成を採用することができるが、照明光126cとのコントラストが付きやすいように、異なる波長分布を有する光源を採用してもよい。
導光部材130は、補助照明部129で発生する照明光を被検体40の近傍まで導光して、被検体40に85°〜90°程度の大きな入射角(図示の角度α)で照射するための部材である。例えば、補助照明部129で発生した照明光が内部を全反射して導光されるようなガラス平面板を用い、被検体40に近接する側の端部を適宜角度にカットして上記入射角に対応する出射方向が得られるようにした構成を採用することができる。
このような構成によれば、第2の実施形態の第1変形例と被検体40上の照明光の照射領域がライン状となる点のみが異なるから、ライン状の照射領域に関して、第1変形例と同様の作用効果を有することは明らかである。そこで、本変形例では、試料台117を図示Z方向に移動させて、被検体40上で照明光の照射領域を移動させることにより、被検体40の全面画像を取得するようにする。
本変形例によれば、照明光126a、126c、およびその反射光がライン状に分布する光路が形成されるので、例えば波長補償フィルタ124、フィールドミラー127、ミラー128、ハーフミラー91、偏光板44A、44Bなどの各光学素子を小型化することができるため、装置の小型化を図ることができる。また、各光学素子の製作が容易となるため、それらを安価に製造することができる。
また、本変形例では、補助照明部129、導光部材130を備えるので、照明光126cによる照明に合わせて、補助照明部129による照明を行うことができる。
補助照明部129による照明光は、入射角が大きいため、一般には照明光126cと混じって観察されることはないが、例えば被検体40上に異物など付着しているとその散乱光が観察される。すなわち、このような被検体40上の表面異物から、照明光126cに比べてコントラスト差の大きい反射光(散乱光)を発生させることができるので、異物検出感度を向上することができるという利点がある。
次に、本実施形態の第3変形例について説明する。
図20は、本発明の第2の実施形態の第3変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。
本変形例の表面欠陥検査装置505は、図20に示すように、上記第2の実施形態の第2変形例において、被検体40に照明光126cを入反射させるための光学系を変更し、被検体40で2回反射されるとき、それぞれ被検体40に対して異なる入射角で入射できるようにしたものである。なお、補助照明部129、導光部材130は、備えていてもいなくてもよいが、図20では図示を省略している。
すなわち本変形例の概略構成は、第2の実施形態の第2変形例のミラー128に代えて、ハーフミラー134、放物ミラー140A、140C、放物ミラー140B(反射素子)、平面ミラー136からなる光学系を備えたものである。以下、上記第2の実施形態の第2変形例と異なる点を中心に説明する。
ハーフミラー134は、フィールドミラー127と被検体40との間で、光路を分岐するための光路分岐部材である。
放物ミラー140A、140B、140Cは、いずれもハーフミラー134を透過して被検体40に入射する照明領域135を焦点位置とする放物面を反射面として備えている。
放物ミラー140Aは、ミラー128と同様の位置に設けられ、照明光126cによる被検体40からの反射光137aを平行光138aとして被検体40側に反射するものである。
被検体40の上方の平行光138aの光路上には、平行光138aを斜め上方(図示Y軸正方向)に反射する平面ミラー136が設けられている。
放物ミラー140Bは、平行光138bを照明領域135に向けて収束光139aとして反射することができる位置に配置されている。
放物ミラー140Cは、収束光139aが被検体40により再反射された再反射光137bをハーフミラー134に向けて平行光138cとして反射するとともに、平行光138cがハーフミラー134により照明光126cと同一の光路に沿って進むような位置に配置されている。
このような構成によれば、照明光126cは、ハーフミラー134を透過して、照明領域135で反射されて反射光137aとなる。そして、放物ミラー140Aにより反射された平行光138aとして平面ミラー136に入射し、平行光138bとして放物ミラー140Bに向けて反射される。そして、放物ミラー140Bにより平行光138bが収束されて収束光139aとして、照明領域135に再入射される。
このとき、被検体40への入射角は、図20に示すように、照明光126cの入射角と異なる角度とされている。
被検体40により再反射された再反射光137bは、放物ミラー140Cにより平行光138cとしてハーフミラー134に向けて反射される。そして、平行光138cが照明光126cの光路を逆進して、第2変形例と同様にライン撮像素子131に結像される。こうして1ライン分の画像データが取得され、試料台117をZ軸方向に移動して以上の過程を繰り返すことにより、被検体40の全面の画像データが取得される。
本変形例によれば、第2の実施形態の第2変形例と同様に、ライン状の照明光を被検体40に2回反射させて画像データを取得することができるが、さらに、2回の反射における入射角を異なる角度とすることができる。
これは、式(10)から分かるように、式(8)、(9)において、光が薄膜中を進む傾角φを変えたことに相当する。そのため、2回の反射における干渉縞が異なるものとなるため、全体として干渉縞が平均化される。そのため干渉による輝度ムラを低減することができる。したがって、屈折率傾斜や膜厚ムラの影響をより低減することができ、欠陥検出精度を向上することができる。
次に、本実施形態の第4変形例について説明する。
図21は、本発明の第2の実施形態の第4変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。
本変形例の表面欠陥検査装置506は、図21に示すように、被検体40をライン状の照明光を照射して撮像することにより検査するための装置であり、上記第2の実施形態の第2変形例において、被検体40とミラー128との間の反射光137aの光路上に照明集光レンズ141を設けたものである。以下、上記第2変形例と異なる点を中心に説明する。
照明集光レンズ141は、照明領域135を撮像するライン撮像素子131の画素に対応したレンズを図示X軸方向に並べたレンズアレイである。そして、照明領域135上の撮像画素に対応する領域からの反射光を集光してミラー128上に結像できるようになっている。すなわち、ミラー128と照明領域135とは共役の関係に配置されている。
本変形例の構成によれば、反射光137aが照明集光レンズ141によりライン撮像素子131の画素に対応する領域の反射光ごとに集光されてミラー128上に結像される。
ミラー128は鏡面からなるので、ミラー128の反射光は略すべて照明集光レンズ141により集光され、被検体40上に再結像される。
したがって、照明光126cは撮像される方向に効率よく照明されるため、明るい画像を取得することができる。また、照明光126cは、ライン撮像素子131の画素に正確に対応する照明領域135上で2回反射されて、最終的にライン撮像素子131により撮像されるので、各画素により取得された画像情報が、例えば隣接画素の領域など他の照射領域の情報をほとんど含まないため、被検体40の画像情報を高精度に取得することができ、欠陥の検出感度を向上することができる。
次に、本実施形態の第5変形例について説明する。
図22A、22Bは、本発明の第2の実施形態の第5変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視および平面視の模式図である。
本変形例の表面欠陥検査装置507は、図22A、22Bに示すように、被検体40をライン状の照明光を照射して撮像することにより検査するための装置であり、上記第2の実施形態において、偏向ミラー111、回動機構111A、斜影補正レンズ94を削除し、上記第2の実施形態の照明部51、フィールドミラー112、ミラー113に代えて、それぞれ照明部51A、フィールドミラー127、ミラー128を備えたものである。以下、上記第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
照明部51Aは、上記第2の実施形態の照明部51の光検出素子123に代えて、ライン撮像素子131を備えるものであり、偏向ミラー110で反射されたレーザ光200を図示ZX平面内でX軸方向に走査するために、レーザ発光ダイオード105からレーザ光200を図示Z軸正方向に照射し、ビームスプリッタ109で図示Y軸正方向に反射させ、偏向ミラー110に導くようにしている。そのため、ライン撮像素子131は、ビームスプリッタ109から図示Y軸負方向に透過する光を撮像できるようになっている。
フィールドミラー127、ミラー128の配置位置、および試料台117がZ軸方向に移動して被検体40の移動を行うことは、上記第2の実施形態の第2変形例と同様である。
すなわち、本変形例は、上記第2の実施形態の第2変形例のライン照明用ランプ132を有する照明部53を、偏向ミラー110の1次元走査による照明部51Aに変形したのと同様の実施態様を備える例となっている。
本変形例によれば、偏向ミラー110に導かれたレーザ光200が、図示ZX平面内で走査され、フィールドミラー127で、被検体40上の図示X軸上のライン状の照射領域にレーザ光200が照射され、その反射光がミラー128で反射されて反射位置で再反射された後、光路を逆進してライン撮像素子131に結像され撮像される。それに同期して、試料台117が図示Z軸方向に移動することで、被検体40が2次元走査される。
次に、本実施形態の第6変形例について説明する。
図23A、23Bは、本発明の第2の実施形態の第6変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視および平面視の模式図である。
本変形例の表面欠陥検査装置508は、図23A、23Bに示すように、上記第2の実施形態の第5変形例のフィールドミラー127に代えて、フィールドレンズ603(照射光学系)を備え、それに対応して、各構成要素の配置位置を適宜変更したものである。すなわち、照明部51Aから出射されるレーザ光200が、被検体40に対して上記第5変形例のフィールドミラー127反射後の光路を通って同一の入射の角度で入射するように、偏向ミラー110を適宜角度傾けて配置し、レーザ光200を走査せしめる。そして、偏向ミラー110と被検体40との間の光路中にフィールドレンズ603を配置して、被検体40上において、図示X軸方向に沿うライン状の照射領域が照明されるようにする。以下、上記第2の実施形態の第5変形例と異なる点を中心に説明する。
フィールドレンズ603は、レーザ光200の主光線が各走査位置で、ライン状の照射領域に直交する方向に進むようにする長尺レンズであり、非球面レンズから構成される。
図23A、23Bでは、偏向ミラー110とフィールドレンズ603との間の光路が折り畳まれていない構成を示したが、反射ミラーを配置して、適宜光路を折り畳み、よりコンパクトな構成としてもよい。
本変形例の表面欠陥検査装置508は、フィールドミラー127に代えてフィールドレンズ603を備えるので、上記第5変形例と同様な作用効果を有する。
次に、本実施形態の第7変形例について説明する。
図24A、24Bは、本発明の第2の実施形態の第7変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視および平面視の模式図である。
本変形例の表面欠陥検査装置509は、図24A、24Bに示すように、被検体40をライン状の照明光を照射して撮像することにより検査するための装置であり、上記第2の実施形態の第4変形例において、シリンドリカルレンズ133、偏光板44A、ハーフミラー91、斜影補正レンズ94を削除し、ミラー128と照明集光レンズ141とに代えて、凹面ミラー604を備え、ハーフミラーキューブ605を追加したものである。なお、補助照明部129は省略した構成としてもよい。以下、上記第2の実施形態の第4変形例と異なる点を中心に説明する。
凹面ミラー604は、被検体40で反射された光を同一反射位置に再結像する非球面形状の反射面を有する長尺ミラーである。そのため、上記第2の実施形態の第4変形例のミラー128と照明集光レンズ141との機能を1部品で兼用する構成となっている。
ハーフミラーキューブ605は、ライン撮像素子131と結像レンズ群103との間の光路中に配置された光路合成手段であり、ライン照明用ランプ132からの光を反射して、結像レンズ群103の光軸に沿って入射させ、被検体40から反射されて結像レンズ群103に戻る光を透過してライン撮像素子131上に導くようなハーフミラー面を備えるものである。
これらライン撮像素子131、ハーフミラーキューブ605、結像レンズ群103は、ライン撮像素子131からなる撮像部と一体化された照明部53Aを構成する。
このような構成により、シリンドリカルレンズ133を削除しても、ライン撮像素子131とライン照明用ランプ132とを光学的共役の位置に配置することができる。そのため、部品点数を削減し、小型化を図ることができるとともに、光量損失を低減することができる。
次に、本実施形態の第8変形例について説明する。
図25A、25Bは、本発明の第2の実施形態の第8変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視および平面視の模式図である。
本変形例の表面欠陥検査装置510は、図25A、25Bに示すように、上記第2の実施形態の第7変形例のフィールドミラー127に代えて、フィールドレンズ603を備え、それに対応して、各構成要素の配置位置を適宜変更したものである。すなわち、照明用ランプ132から出射される照明光126cが、被検体40に対して上記第7変形例の凹面ミラー604反射後の光路を通って同一の入射角度で入射するように配置する。そして、波長補償フィルタ124と被検体40との間の光路中にフィールドレンズ603を配置して、被検体40上において、図示X軸方向に沿うライン状の照射領域が照明されるようにする。
補助照明部129は、図示を省略したが、上記第7変形例と同様の位置に設けられている。
図25A、25Bでは、結像レンズ群103とフィールドレンズ603との間の光路が折り畳まれていない構成を示したが、反射ミラーを配置して、適宜光路を折り畳み、よりコンパクトな構成としてもよい。
本変形例の表面欠陥検査装置510は、フィールドミラー127に代えてフィールドレンズ603を備えるので、上記第7変形例と同様な作用効果を有する。
次に、本実施形態の第9変形例について説明する。
図26は、本発明の第2の実施形態の第9変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。
本変形例の表面欠陥検査装置510Aは、図26に示すように、上記第2の実施形態の第8変形例の表面欠陥検査装置510において、照明部53A、偏光板44B、波長補償フィルタ124、フィールドレンズ603、およびライン撮像素子131を、適宜の筐体に保持して、光学ユニット610を形成し、回動機構611によりライン状の照射領域を中心として図示YZ平面内で回動可能に保持するとともに、凹面ミラー604を回動機構612によりライン状の照射領域を中心として図示YZ平面内で回動可能に保持したものである。
回動機構611、612は、いずれも図示を省略している制御部101に接続され、回動位置が制御されるようになっている。すなわち、光学ユニット610から出射される光の被検体40に対する入射角をθ、その反射光の出射角をθとすると、角度θ、θがそれぞれ独立に制御可能とされている。
本変形例の表面欠陥検査装置510Aの動作について説明する。
図27A、27Bは、本発明の第2の実施形態の第9変形例に係る表面欠陥検査装置の動作について説明する正面視の動作説明図である。
表面欠陥検査装置510Aによれば、回動機構611、612により、角度θ、θを制御することで、種々の表面検査を切り替えて行うことができる。
例えば、図27Aに示す動作例は、θ=0°に設定した場合を示す。
この場合、入射角および反射角が0°となる同軸落射光学系を実現することができる。このような同軸落射光学系は、斜入射でないため撮像部の取得する画像の縦横比が同じ画像となり、斜影補正が不要となる。また、回折光の影響を受けず正反射光のみを撮像することができる。また、s偏光、p偏光の区別がなくなるため、偏光板44Bを光路から外すことができるので、明るい画像で観察を行うことができるという利点がある。
なお、この場合、凹面ミラー604には、光を入射させないので、θの角度は適宜の角度でよい。
また、図27Bに示す動作例は、θを0°〜90°の間に設定し、θをθと異なる角度、例えばθ>θなどに設定した場合の例を示す。
この場合、被検体40に入射した光は、凹面ミラー604によって同一光路を戻って光学ユニット610に再入射することがない。そのため、例えば、被検体40の表面に異物や傷などがある場合、その散乱光のみが、光学ユニット610に再入射してライン撮像素子131により撮像される。したがって、試料台117を図示Z軸方向に移動して、このような散乱光による画像を取得することにより、暗視野観察に対応する撮像を行うことができる。
また、このとき、角度θを被検体40の表面に形成されたパターンに応じて適切な角度に設定することにより、被検体40の表面のパターンから発生する回折光を撮像することが可能となる。このような回折光は、被検体40の表面のパターンの周期や形状により、回折角度や輝度値が大きく変化する特性を有しており、このような特性を用いてパターンの欠陥検出を行うことができる。
なお、この場合、凹面ミラー604には、観察に不要な光を入射させないような角度に退避させておく。
なお、本変形例および上記第8変形例において、必要に応じて、凹面ミラー604の代わりにミラー128を用いるようにしてもよい。
次に、本実施形態の第10変形例について説明する。
図28Aは、本発明の第2の実施形態の第10変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。
本変形例の表面欠陥検査装置511は、図28Aに示すように、上記第2の実施形態の第8変形例の表面欠陥検査装置510において、凹面ミラー604に代えてミラー128を備え、ミラーキューブ614と散乱板616とを追加したものである。以下、上記第8変形例と異なる点を中心に説明する。
ミラーキューブ614は、フィールドレンズ603と被検体40との間の光路(以下入射光路と称する)に対して進退機構615により進退可能に保持され、この入射光路中に進出された状態で、照明光126cを反射して、被検体40の垂直に入射するように配置した長尺の反射部材である。そして、ミラーキューブ614がこの入射光路から退避されると、被検体40で反射された光が、ミラー128に垂直に入射するようになっている。
ミラーキューブ614が入射光路中に進出されると照明光126cは、被検体40で正反射して光路を逆進する。すなわち、同軸落射光学系が形成される。
ミラーキューブ614の位置は、光路長を調整して、ライン撮像素子131に結像される光が、結像レンズ群103の焦点深度内にくるように設定する。
散乱板616は、電動散乱板602と同様な構成により、その光学特性を、透過板、散乱板、遮光板に切り替えることができるようにしたものである。そして、ミラー128と被検体40との間の光路(以下、再入射光路と称する)に対して進退機構617により進退可能に保持されている。
進退機構615、617は、それぞれ、図示を省略している制御部101によって制御される。
例えば、散乱板616を散乱板に設定すると、ミラーキューブ614を入射光路から退避させ、散乱板616を再入射光路へ進出させることにより、被検体40にミラー128から再入射する光を、散乱光とすることができる。
そして、散乱板616を再入射光路から退避させるか、もしくは透過板に設定することで、散乱板への入射光がミラー128によって正反射され、被検体40の反射位置に再入射して反射されて、ライン撮像素子131に撮像される状態とすることができる。
また、散乱板616を遮光板に設定して、再入射光路に進出させることにより、散乱板616に入射する光を遮光、吸収し、被検体40に戻らないようにすることができる。
本変形例では、ミラーキューブ614の進退と、散乱板616の設定、進退とを組み合わせることにより、表面欠陥検査装置511を、同軸落射光学系、斜影正反射光学系、暗視野観察光学系、散乱光観察光学系に切り替えることができ、それぞれを観察すべき欠陥の種類に合わせて切り替えて検査を行うことができる。
次に、本実施形態の第11変形例について説明する。
図28Bは、本発明の第2の実施形態の第11変形例に係る表面欠陥検査装置の概略構成を示す正面視の模式図である。
本変形例の表面欠陥検査装置511Aは、図28Bに示すように、上記第2の実施形態の第10変形例の表面欠陥検査装置511において、波長補償フィルタ124とフィールドレンズ603との間の光路中に、ミラー613を設けて、光路を折り曲げ、コンパクトな構成としたものである。
なお、上記の説明では、照明部において、複数の光源を単一の集光レンズで集光する例で説明したが、複数の光源のそれぞれに集光レンズを設ける構成としてもよい。
図29は、本発明の各実施形態に用いることができる他の照明部について説明するための模式的な正面視説明図である。
このような構成の一例である照明部54は、図示奥行き方向にわたって2次元的に配列された複数のLED150と、LED150のそれぞれの出射口側にそれぞれ設けられLED150で発生された照明光152…をそれぞれ所定光束径に集光する複数のマイクロレンズ151からなる。
LED150は、例えばRGBに対応する3種類の波長からなるものが、混合して配置され、アレイ状の白色LED光源を構成している。
各照明光152は、補償フィルタ43、偏光板44Aを透過して被検体40に向けて出射される。その際、図29では、模式的に互いに重なり合わないようなビーム群として描かれているが、被検体40の位置では略同一径の範囲を照射できるようにわずかに発散しているものである。
また、上記の説明では、第1の偏光板を用いることにより被検体への入射光の偏光状態をs偏光とする例で説明したが、被検体への入射角度をブリュースター角に設定して、第1の偏光板を削除してもよい。ブリュースター角では、図9に示すように、被検体からの反射光がs偏光のみとなるので、第1の偏光板を設けなくても被検体の反射光の偏光状態を制御することができる。
また、上記の第1の実施形態の説明では、被検体の像を1方向のみに伸縮する光学素子である斜影補正レンズ94において、第1レンズ群G1を移動群とし、第2レンズ群G2を固定群とした例で説明したが、光学素子の合成パワーを変える構成はこのような構成に限定されない。
また、上記の説明では、被検体の像を1方向のみに伸縮する光学素子として、1方向へのパワーを可変としたシリンドリカルレンズ群で構成される例で説明したが、光学素子の種類はこれに限定されるものではない。例えば、パワーを有さない光学素子の例として、光軸に対する傾斜角を可変できるようにしたプリズムまたはプリズム群からなる光学素子と、色による分散を補正する、例えばDOEなどの光学素子とを採用することができる。
また、上記の説明では、第2の偏光板を観察位置の近傍に配置した例で説明したが、被検体から観察位置の間であれば、どこに配置してもよい。例えば、ハーフミラー91を用いた表面欠陥検査装置において、ハーフミラー91に代えて偏光ビームスプリッタとすることにより、偏光状態を制御してもよい。この場合、偏光ビームスプリッタが第2の偏光板を兼ねるので、偏光板44Bを削除した簡素な構成とすることができる。
また、上記の説明のうち、目視観察を行う光路と撮像による観察を行う光路とが切り替え可能な構成では、波長感度補正フィルタとして目視観察に合わせた特性を有するものを用いる例で説明したが、光路の切り替えに対応して、それぞれ観察手段ごとに最適な波長特性を有する波長感度補正フィルタを自動または手動で切り替えられるようにしてもよい。
また、上記の第2の実施形態の説明では、偏向ミラー110、111によりレーザ光200を2次元走査することにより、被検体40の全面画像を取得する例で説明したが、レーザ光200を1次元走査して、試料台117によりそれと直交する方向に被検体40を移動させるというように、1次元走査の組合せにより2次元走査を実現してもよい。
また、光検出素子123の代わりに、一次元ラインセンサを配し、ラインセンサの長手方向と直交する方向に一次元走査する偏向ミラーを配置して撮像するようにしてもよい。
また、上記の説明では、照明光が被検体に1回または2回入射する例で説明したが、3回以上入射する構成としてもよい。反射回数が増えるほど、多層膜反射の膜厚変化や屈折率傾斜の影響が、べき乗で強調されることになるので、より顕著な輝度変化を示すという利点がある。
ただし、この場合、反射回数の増大により反射率や散乱の影響で急激に光量が減少することが考えられる。そのため、光源として、拡散の少ない光源やレーザビームなどを採用することが好ましい。また、前記のように複数条件の入射角度で被検体に入射させてその結合した光線を検出すれば照明光が単色でも下層の膜ムラの影響を低減して観察できるので、例えば単色レーザを用いることも可能である。
また、上記第2の実施形態の第3変形例の説明では、再入射光学系である反射素子として放物ミラーを用いた例で説明したが、平行光と収束光とを変換できる光学系であれば、曲面の形状は放物面とは限らず、適宜の自由曲面を採用することができる。また収差等の影響のない範囲であれば、球面形状を用いたシリンドリカル凹面ミラーとしてもよいし、光量の損失が問題とならなければ平面ミラーとしてもよい。
また、反射素子は、被検体で反射された照明光を照射領域に再入射することができれば、必ずしも収束光として再入射させなくてもよい。
また、上記第2の実施形態の第4変形例の説明では、照明集光レンズ141を用いた例で説明したが、ミラー128に代えて、被検体からの画素ごとの反射光を反射領域内再入射するような光学作用を備える非球面ミラーを採用してもよい。この場合、部品点数を削減できる利点がある。
なお、本発明の説明では、照明部が光の強度の波長分布を有し、かつ受光側の目や撮像部が波長感度特性を持つ例で説明したが、照明部が一定値の波長特性を持っていれば、受光側の波長感度特性のみに対応した波長感度補正フィルタを備えればよい。例えば、波長感度特性が、ある波長にピークを持つならば、波長感度特性に基づいてそのピークの波長に対応させ極小値を持つ波長感度補正フィルタを備えればよい。また、受光側の波長感度特性が一定値ならば、照明光の波長分布に基づいて照明光を波長特性が一定強度の白色光とするような波長感度補正フィルタを備えればよい。
また、上記の説明では、波長感度補正フィルタの位置を、照明部にあることとしたが、光源から受光側の目や撮像部までの間にあればよく、同様の効果が得られる。
また、光源そのものの波長分布を受光側の目や撮像部の波長感度特性に対応させてもよい。それぞれ異なる波長を持ち、それぞれ独立に光量を可変できる複数の光源で構成し、その光の強度の波長分布を受光側の目や撮像部の波長感度特性を通したとき、光のピークの強度が略一定となるように、各波長の光源の強度を変更してもよい。このとき波長感度補正フィルタを省略することができる。
また、上記の説明の複数の波長のレーザ光を光源として場合は、波長特性が離散的となるが、受光した波長の光が波長感度特性に基づいて各波長の光のピークの強度が略一定となるようにしておけばよい。複数の波長の光を用い、かつそれらの重ね合わせにより下層の膜ムラの影響を減少させることが本発明の本質部分である。そのため、受光側の目や撮像部の波長感度特性の下で他の波長に対して大きく突出して強度が大きい波長がないように調整しておけば、離散的な波長分布であっても下層の膜ムラの影響を減少させることができる。
また、白色LED光源を用いる場合は、出力する光の強度の波長分布を初めから設計により波長感度特性の下で波長毎の光の強度が略一定となるようにしておくこともできる。
また、複数の波長の異なるLED、例えばRGBの3つの波長域でそれぞれピークを持つ3つのLEDを用いる場合も、レーザ光の場合と同様に受光側の目や撮像部の波長感度特性に対応させ、波長感度特性の下で各波長の光の強度が略一定となるようにすればよい。LEDはレーザ光に比べ広帯域を持つので、重ね合わせにより、より一定値に近づけることが容易となる。レーザ光を光源とした場合と同様に、ある波長域で想定した強度値を上回ったり下回ったりする部分があっても、他の波長に対して大きく突出して強度が大きい波長がないようにすれば、ある波長のみが強いために下層による膜ムラの光の強度変化を平均化することを妨げることがなくなり、下層の膜ムラの影響を減少させることができる。
また、撮像部は3板式のCCDカメラなどのように色分解フィルタを備えたプリズムを用いてRGBなどの複数の波長に分岐させ、それらを複数の撮像素子で撮像する構成としてもよい。このときそれぞれの撮像素子の信号出力に対し、波長感度特性に基づいて光のピークの強度が略一定となるように調整すれば、波長感度補正フィルタや照明の光源側の波長域ごとの調整が不要となり、複数の撮像素子からの信号強度のみを電気的に調整すればよいので、調整が容易となる。
また、上記の説明において、反射素子として平面ミラーを用いた場合の実施態様は、他の光学系による歪みを補正するために非球面ミラーで構成するように変形してもよい。
また、上記の説明では、照明光の波長分布を変える波長感度補正フィルタとして、波長補償板、波長補償フィルタなどを用いているが、照明部および撮像部の特性により観察に必要な範囲の波長域において必要な波長特性が得られる場合には、これらの波長感度補正フィルタを削除してもよい。
また、上記の説明では、斜影補正レンズを用いて、画像の歪みを補正する例で説明したが、撮像された画像を画像処理して、走査ライン間の補間を行うことにより、画像の歪みに応じた伸長処理を行うようにしてもよい。ただし、この場合、光学的に得られる情報量が伸長方向とそれに直交する方向では異なるので、斜影補正レンズも併用する構成とすることが好ましい。
また、上記に説明したすべての実施形態および変形例の構成要素、態様は、実現可能であれば、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせて実施することができる。
例えば、多層膜が形成された被検体を検査する場合に、下層膜の膜厚差があっても、下層による輝度ムラや色ムラの影響を低減し、欠陥の検出精度を向上することができる表面欠陥検査装置を提供するために、以下のような構成としてもよい。
[1]表面に多層膜が形成された被検体に、光源により生成された照明光を照射する照明部を備え、被検体の表面欠陥を検査するために前記照明光が照射された被検体を、目視観察するか撮像するかの少なくともいずれかができるようにした表面欠陥検査装置であって、前記照明部から照射され受光される光の目が感じる光の強度、または撮像部の受光する光強度に対応する画像信号の出力強度は、それぞれ目または撮像部の波長感度特性の下に略一定となるように前記目または撮像部で受光される光が補正されることを特徴とする表面欠陥検査装置。
[2]前記照明部から照射される光は、複数の波長にピークを有し、前記複数の波長のピークの強度に対応する目が感じる強度または前記撮像部が受光する光の強度に対応する画像信号の出力強度が略一定となるように前記照明部から照射される光の強度が補正されることを特徴とする[1]に記載の表面欠陥検査装置。
[3]前記照明部から照射され受光される光の目が感じる光の強度、または撮像部が受光する光の強度は、それぞれ目または撮像部の波長感度特性または照明光の波長分布に基づいて補正されることを特徴とする[1]または[2]に記載の表面欠陥検査装置。
[4]前記照明部から照射され受光される光の目が感じる光の強度、または撮像部が受光する光の強度に対応する画像信号の出力強度は、それぞれ目または撮像部の波長感度特性または照明光の波長分布に基づいて補正する波長感度補正フィルタにより、略一定となるように補正されることを特徴とする[1]または[2]に記載の表面欠陥検査装置。
[5]前記照明部の光源が、異なる波長分布を有するとともにそれぞれ独立に光量を可変できる複数の光源からなり、目または撮像部の波長感度特性に基づいて、前記複数の光源の光強度または光量のバランスは、前記照明部から照射され受光される光の目が感じる光の強度、または撮像部の受光する光強度に対応する画像信号の出力強度が、略一定となるように変更されることを特徴とする[1]または[2]に記載の表面欠陥検査装置。
[6]目の波長感度特性の下で観察者が感じる光の強度が略一定となるように、前記照明光の波長分布は、目の標準比視感度特性に対応して補正されることを特徴とする[1]から[5]のいずれか1項に記載の表面欠陥検査装置。
[7]前記照明光が照射された被検体の像を目視観察する光路と、撮像する光路とが設けられるとともに、前記目視観察する光路と前記撮像する光路とを切り替える光路切替手段を備え、該光路切替手段の切替動作に同期して、前記照明光の波長分布を切り替えることを特徴とする[1]から[6]のいずれか1項に記載の表面欠陥検査装置。
[8]前記照明部の光源と被検体との間の光路中に設けられた第1の偏光板と、被検体と前記目または撮像部との間の光路中に設けられた第2の偏光板とを備えることを特徴とする[1]から[7]のいずれか1項に記載の表面欠陥検査装置。
[9]被検体により反射された前記照明光を、前記被検体において反射された位置に再入射させる反射素子を少なくとも1つ設け、被検体の同一位置で2回以上反射した光を前記目または撮像部により観察できるようにしたことを特徴とする[1]から[8]のいずれか1項に記載の表面欠陥検査装置。
[10]前記照明光が被検体から最後に反射されて前記目または撮像部に入射される光路上に、前記被検体の像を1方向のみに伸縮する光学素子を配置したことを特徴とする[1]から[9]のいずれか1項に記載の表面欠陥検査装置。
[11]被検体と目視観察する位置との間に、前記被検体の像を位置合わせするための参照パターンが形成された透過スクリーンを備えることを特徴とする[1]から[10]のいずれか1項に記載の表面欠陥検査装置。

Claims (13)

  1. 平面部を有する被検体を保持する保持部と、
    前記被検体を照明する照明光を生成する照明部と、
    前記照明光を略一定方向に向けて前記被検体に照射する照射光学系と、
    前記被検体からの反射光を前記被検体での反射位置に戻す再入射光学系と、
    前記反射位置に戻された反射光による前記被検体での再反射光を撮像する撮像部とを備えることを特徴とする表面欠陥検査装置。
  2. 前記撮像部が、前記被検体をライン状に撮像するライン撮像部を備え、
    該ライン撮像部のライン状の撮像領域の長手方向が、前記照射光学系の前記少なくとも1軸方向と直交する方向に配置され、
    前記保持部が、前記ライン撮像部が前記ライン状の撮像領域の長手方向に直交する方向に移動可能に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の表面欠陥検査装置。
  3. 前記照射光学系および前記再入射光学系の少なくともいずれかが、前記被検体の表面に対する光軸の角度位置を可変する角度可変機構に保持されたことを特徴とする請求項1または2に記載の表面欠陥検査装置。
  4. 前記撮像部の受光する光強度に対応する画像信号の出力強度は、前記撮像部の波長感度特性の下に略一定となるように前記撮像部で受光される光が補正されることを特徴とする請求項1に記載の表面欠陥検査装置。
  5. 前記撮像部が受光する光は、複数の波長にピークを有し、前記複数の波長のピークの強度に対応する前記撮像部が受光する光強度に対応する画像信号の出力強度が略一定となるように前記撮像部が受光する光の強度が補正されることを特徴とする請求項4に記載の表面欠陥検査装置。
  6. 撮像部が受光する光の強度は、前記撮像部の波長感度特性、もしくは前記照明光の波長分布に基づいて補正されることを特徴とする請求項4または5に記載の表面欠陥検査装置。
  7. 前記撮像部が受光する光の強度に対応する画像信号の出力強度は、前記撮像部の波長感度特性、もしくは前記照明光の波長分布に基づいて補正する波長感度補正フィルタにより、略一定となるように補正されることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の表面欠陥検査装置。
  8. 前記照明部の光源が、異なる波長分布を有するとともにそれぞれ独立に光量を可変できる複数の光源からなり、
    前記撮像部の波長感度特性に基づいて、前記複数の光源の光強度または光量のバランスは、前記撮像部の受光する光強度に対応する画像信号の出力強度が略一定となるように変更されることを特徴とする請求項4〜6いずれかに記載の表面欠陥検査装置。
  9. 目視観察可能に構成され、
    目の波長感度特性の下で観察者の感じる光の強度が略一定となるように、前記照明光の波長分布は、目の標準比視感度特性に対応して補正されることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の表面欠陥検査装置。
  10. 前記照明光が照射された被検体の像を目視観察する光路と、撮像する光路とが設けられるとともに、
    前記目視観察する光路と前記撮像する光路とを切り替える光路切替手段を備え、
    該光路切替手段の切替動作に同期して、前記照明光の波長分布を切り替えることを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載の表面欠陥検査装置。
  11. 前記照明部の光源と被検体との間の光路中に設けられた第1の偏光板と、
    被検体と前記目または撮像部との間の光路中に設けられた第2の偏光板とを備えることを特徴とする請求項4〜10のいずれかに記載の表面欠陥検査装置。
  12. 前記照明光が被検体から最後に反射されて前記目または前記撮像部に入射される光路上に、前記被検体の像を1方向のみに伸縮する光学素子を配置したことを特徴とする請求項4〜11のいずれかに記載の表面欠陥検査装置。
  13. 被検体と目視観察する位置との間に、前記被検体の像を位置合わせするための参照パターンが形成された透過スクリーンを備えることを特徴とする請求項4〜12のいずれかに記載の表面欠陥検査装置。
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