JP3918840B2 - 欠陥検査方法及びその装置 - Google Patents
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また、イメージセンサなどを用いて画像を検出する場合、センサの受光量が飽和しないように照明光量を調節する必要があるが、例えば、周期的な微細パターンは回折角が大きくなるため、パターンの明暗差が小さく且つ暗く検出されることがあり、パターン像の観察が困難になる。パターンの明暗差が小さく且つ暗く検出される画像では、画像処理を用いた欠陥検査装置においては、検出感度が低くなる問題がある。
この照明光学系の偏光照明は、偏光ビームスプリッターを透過あるいは反射した光を用いて行うことも可能である。この場合、偏光ビームスプリッターと試料の間にλ/2板とλ/4板を配置し、パターンの方向等に応じて、λ/2板を回転させることにより偏光方向を調整し、λ/4板を回転させることにより偏光の楕円率を調整することができる。
また、照明光の振動方向と光学像を形成する0次光と高次回折光の振動方向との組み合わせはたくさんある。これらの設定方法が実用化の上で重要である。本発明では、偏光状態を変更して検出した画像を一覧したり、予備的な欠陥検査を行って欠陥検出感度が高くなる偏光状態を選択できる機能を備えることにより、最適な偏光状態を短時間で正確に求められるようにした。
光源8を発光した光180’はレンズ9を介して集光され、偏光板14を透過する。偏光板14を透過した光は直線偏光となり、ハーフミラー15を透過した光が照明光180となる。ハーフミラー15を透過した光は対物レンズ20を介して試料1を落射照明する。試料1で反射回折した光189’のうち、対物レンズ20のNA(Numerical Aperture)内の光189は再び対物レンズ20に捕捉され、ハーフミラー15を反射して検出光路に導かれる。この検出光189は偏光板22の透過軸に対応した偏光面の電界ベクトルの振動方向(以下、偏光の振動方向と称す)の光を透過し、結像レンズ30を介してイメージセンサ70上に試料1の像を結像する。
ここで、偏光板14は試料1に形成された主たるパターンの方向1aに対して、偏光の振動方向を決める役割を持っており、検出したいパターンの方向1aに対して、例えば直交する振動方向を有する偏光となるように位置決めする。尚、この振動方向は、対物レンズ20の射出瞳19における振動方向である。
また、偏光板22は検出光189のうち、特定の振動方向の光を透過するものであり、パターン方向1aに対して例えば45°に設定する。射出瞳19上における照明光と試料1を反射した0次光と高次回折光の偏光を図1(b)を用いて説明する。また、試料1上の照明光の偏光と試料1を反射した0次光と高次回折光の偏光を図1 (c)を用いて説明する。
図1(b)において、射出瞳における照明光180の1点の偏光を300とする
。偏光300は、瞳位置にける偏光の振動方向と、試料1を照明する方向301が一致(あるいは直交)しているため、正反射光(0次光)の偏光310’と高次回折光の偏光311は照明光の振動方向と同様である(実際には、試料1を反射、回折するときに位相差を受けるため、直線偏光は楕円偏光になるが、ここでは省略した)。
しかし、照明光の振動方向300’と試料1の照明方向302が一致あるいは直交していない場合は、0次光の振動方向310’は照明光の振動方向300’と同じであるが、高次回折光の振動方向320は偏光回転を受けて照明光の振動方向300’とは異なる(尚、実際の振動方向は分布を持っており、振動方向とは振幅の最も大きい振動方向を指す)。
このため、図1(d)に示すとおり、0次光の振動方向と高次回折光の振動方向は異なるため、偏光板22の透過軸を高次回折光の振動方向と一致させることにより、像面における高次回折光の振幅の割合を大きくすることが可能となる。これにより、0次光と高次回折光の振幅をほぼ同等にすることが可能となり、0次光と高次回折光の干渉で形成される光学像の高解像度化が可能となる。
図2に、従来の落射照明と本発明の偏光照明・検出によるラインアンドスペースの光学像検出結果を示す。本発明の画像を取得した時の偏光板14,22の透過軸は、図1に示した条件である。従来照明と本発明の照明σは共に1であり、従来照明の回折像は全体に0次光が分布し、±1次回折光は0次光に対して暗く、振幅が小さい。これに対して、本発明の回折像は±1次回折光の振幅が0次光に比べ大きく、明るく検出されている。尚、±1次回折像には0次光も含まれており、正確にはー1次回折像は+1次回折光に対応する0次光とー1次回折光の分布の和である。これは+1次回折像についても同様である。
また、0次光の低減部は、対応する高次回折光が対物レンズ20のNA外となるため、対物レンズ20の射出瞳19における回折像には検出されない(この±1次回折光の回折角は波長とパターン幅によって求まる) 。従って、0次光低減部の光は試料1の像の形成には寄与しない低周波成分であるため、低減による高解像度化が説明できる。このため、従来照明ではラインアンドスペースのコントラストが低く(C=0.028)、ラインアンドスペースの分離が困難であるが、本発明ではコントラストが0.178に向上し、ラインアンドスペースの分離が明確になっている。
この結果、例えば1画素の検出サイズが0.2μmの検出光学系を用いたとき、従来照明では、せいぜい0.15μm程度しか分解能が得られなかったのに対して、本発明によれば、画素サイズの半分0.1μm程度まで分解能を高くすることができた。これにより、本発明によれば、高解像度化が達成されることが明らかになった。
光源8で発光した光は、レンズ9を介して開口絞り11の開口部を透過し、レンズを介して波長選択フィルタ12を透過した光が視野絞り13に到達する。この波長選択フィルタ12は試料1の分光反射率を考慮し、高解像度の試料1の像を検出するために照明波長域を限定するものであり、例えば干渉フィルタを配置する。視野絞り13を透過した光は、偏光板14を透過して直線偏光になる。この偏光された光はハーフミラー15を透過して、対物レンズ20に入射し、試料1を照明する。
試料1を照明した光は、試料1上で反射、散乱、回折し、対物レンズ20のNA以内の光は再び対物レンズ20に入射し、ハーフミラー15で反射され、偏光板22に入射する。偏光板22は高次回折光を0次光に対して比較的高透過率になるようにθ方向の位置決めをしており、結像レンズ30及びズームレンズ50を介して、試料1の像を撮像するイメージセンサ70の受光面に試料1の像を形成する。尚、イメージセンサ70はリニアセンサやTDIイメージセンサ或いはTVカメラ等である。また、自動焦点合せを行うためには、焦点検出光を焦点検出光学系45に導く必要があり、この光分割手段25は例えばダイクロイックミラーである。
焦点検出光は結像レンズ40で試料1の高さ情報を有した光学像をセンサ41上に形成し、このセンサ出力の信号は、焦点検出信号処理回路90に入力され、この焦点検出信号処理回路90で試料1の高さと対物レンズ20の焦点位置のズレ量を検出し、CPU75に焦点ズレ量のデータを送る。この焦点ズレ量に応じて、CPU75からステージ制御部80にZステージ4を駆動させる指令を行い、所定パルスをステージ制御部80からZステージ4に送り、自動焦点機能が働く。
また、検出光学系の光電変換素子70で検出した試料1の光学像の画像データは、画像処理回路71に入力されて記憶や処理が行われ、欠陥判定回路72で欠陥部の判定を行い、その結果を、デイスプレイなどの表示手段に表示するとともに、通信手段を介して、ワークステーションやデータサーバなどの外部記憶・制御装置へ送信される。
検出した画像データから欠陥部の判定を行う光電変換素子70から欠陥判定回路72までの一連の画像処理の具体的な処理の方法としては、例えば、特開平2−170279号公報または特開平3−33605号公報などに記載されているように、隣接チップの対応する画像データ同士を比較することにより行う方法や、隣接チップの対応する画像データ同士を比較する方法、隣接するパターンの画像データ同士を比較する方法、設計データと画像データ同士を比較する方法等がある。
試料1のXY方向への移動は、ステージ制御部80でXステージ6及びYステージ5の動きを2次元的に制御して行う。また、θステージ3は、XYステージ6及び5の運動方向と試料1に形成されたパターンのθアライメントを行うときに用いる。
本発明では、落射照明方式の光学系が実施の形態であるが、この光学系の解像度Rは、一般的にR=λ/(2NA)で求められる。しかし、直線偏光を用いた光学系では、先に求めたR以上の解像度が得られることを、図2で明らかにした。
図4に、本発明の他の実施形態について説明する。尚、この実施形態においても図1、図2で示したものと同等の効果が得られる。
光源8から発射した光は、レンズ9を介して開口絞り11を透過し、波長選択フィルタ12、視野絞り13を透過して偏光ビームスプリッター15に入射する。偏光ビームスプリッター15を透過するP偏光を照明光とし、P偏光に位相差を与えるλ/2板16,λ/4板17を透過した光が、対物レンズ20を介して試料1を照明する。ここで、λ/2板16を回転させることにより、偏光の振動方向をパターンに対して所定の角度に設定する(図1に示した例では90°であるが、必ずしも90°である必要はない)。また、λ/4板は直線偏光を楕円偏光にする位相差板であり、対物レンズ20を介して試料1を照明した検出光が再びλ/2板16,λ/4板17を透過して偏光ビームスプリッタ20を反射し、検出光路に導かれるようにするためである。
本実施例では試料1の反射による位相差を考慮していないが、λ/4板17がない場合は試料1を正反射(0次光)した光は偏光ビームスプリッターで透過するため、検出光路に導かれるのは高次回折光のみとなる。但し、実際は試料1を反射することにより多少の位相差を受けるため、0次光の漏れ光が検出される。
このため、偏光ビームスプリッタ15を図1に示す偏光板14、偏光板22の代替えとして用いる場合は、高次回折光の振幅と同等の0次光を検出光路に導くためには、λ/4板17を用いて試料1を照明する偏光の楕円率を適正値に設定する必要がある。尚、λ/4板17の結晶の光軸と照明光の直線偏光の振動方向が45°をなす場合は、λ/4板17を透過した照明光は円偏光となる。
この場合、試料1を反射してλ/4板17を往復した0次光はS偏光となり、偏光ビームスプリッター15を反射して検出光路に導かれる。従って、検出光路に導かれる光量は大きくなる。これは、低周波成分である0次光の光量が大きくなるためであり、光学像のコントラストは従来の顕微鏡と同等程度となり、光学像の解像度は向上しない。このため、λ/4板17の結晶の光軸方向と直線偏光の振動方向のなす角は試料1に形成されたパターン等により最適な角度は変化する。従って、λ/4板17による位相差(試料1を照明する偏光の楕円率)を変更できるように回転可能な構成にすると良い。
これにより、試料1を反射、回折した光の一部はλ/2板17,λ/4板17を再び透過して、偏光ビームスプリッター15を反射し、イメージセンサ70上に試料1の光学像を形成する。ここで、λ/2板16とλ/4板17を電動モータで回転可能な構成とっすることにより、試料1を照明する偏光の楕円率とその長軸の向きを制御することができる。
また、偏光の楕円率とその長軸の向きをモータのパルス数としてデータベース化することにより、光学像の高コントラスト化を実現する偏光状態の自動設定が容易になる。さらに、波長幅の広い照明光を用いる場合は、偏光ビームスプリッター15、λ/2板16、λ/4板17について、波長による特性の変化が少ない方が望ましい。これは、λ/2板16、λ/4板17を用いて波長に位相差を加えた場合、波長による位相差のむらが大きいと、特定の波長域が検出系に導かれ、この波長に応じた色が強調されるためである。従って、広帯域波長照明をしても、試料1に透明膜が形成されている場合などは、薄膜干渉による明るさむらが強調されるためである。
図5(a)の光学系では、紫外線光源8を発光した光を照明光学系112を通過してビームスプリッター15に入射する。これを透過したP偏光はλ/2板16とλ/4板17により位相差を受け、対物レンズ20を介して試料1を落射照明する。尚、落射照明する光は、明視野検出する紫外線と、試料1の高さを検出する焦点検出光である。この焦点検出光は平坦化膜で吸収されない可視光等の光が有効である。これは、平坦化膜などで光が吸収されると、高さ検出できないためである。この焦点検出用波長域は、ダイクロイックミラー25の分光反射率(R)で決定される。この一例として、図5(b)に、650nm以上の光を焦点検出用波長域としている。
また、紫外線による明視野像を検出する光路は、第二のダイクロイックミラー26を反射した光路であり、結像レンズ30aでセンサ70a面に像を検出する。この紫外線波長域は第二のダイクロイックミラーの分光反射率で決定され、図5(c)に示す。
また、試料1に紫外線を照射すると、材質によって蛍光が生じる。この蛍光による画像を検出することにより、通常の明視野画像では検出できない欠陥を検出できる。この光学系として、2つのダイクロイックミラーを透過した光を結像レンズで中間像を作り、この像をズームレンズ50でイメージセンサ70上に拡大投影する構成により、実用化できる。尚、紫外線用対物レンズでは紫外線で収差補正されているが、焦点検出光は比較的紫外線と収差が少ない光を選択する必要がある。
まず、この「検査レシピ画面」915上で検査するウェハのIDを登録し、このウェハの品種を入力する。これにより、個々のウェハのどの工程でどのような欠陥がどこにあるか明確になる。さらに、検査する領域を、例えばウェハの座標で指定する。さらに、欠陥検査は、ウェハに形成されたパターンの画像を取得し、この取得した画像を用いて検出するが、検査の方式としては、隣接チップ同士の画像の比較を行って不一致部を欠陥として検出する方式や、設計データと画像を比較する方式がある。「検査レシピ画面」915上の「検査方式」ではこの方式を選択する。
次に、検査レシピ画面915上の「画像処理パラメータ」の項では、画像の位置合わせや欠陥検出感度を決める差画像のしきい値等を入力する。
さらに、検査レシピ画面915上で「光学パラメータ」を選択することにより、「光学パラメータ設定画面」916を画面上に表示して、光学パラメータを変更することにより、種々の欠陥検出感度を設定できるようになっている。この「光学パラメータ設定画面」916では、1.偏光特性 2.波長 3.照明σ 4.空間フィルタ等のうち、少なくとも一つを設定できるようになっている。
1.の偏光特性では、照明光学系と検出光学系の偏光を例えば番号で決められており、欠陥検出感度の高くなる偏光特性の番号が既知である場合は番号を入力する。しかし、ウェハの最初の検査では、欠陥検出感度が高くなる偏光特性が未定であるため、パターンの形状から欠陥検出感度の向上に有利な偏光特性を選択されるようになっている。このパターンの形状と偏光特性の関係は、例えば図1(a)のような関係から求められる。
また、2.の波長は、欠陥のコントラストが高くなるような照明波長域を選択するものであり、例えば、検査対象とするパターンの反射率が高い波長域を選択する。あるいは、パターンとパターンの背景(パターンのない領域)との明るさの差が大きくなる波長域を選択する。さらに、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理をされたウェハでは、膜厚むらがあると絶縁膜の薄膜干渉により検出した像の明るさにむらが生じる。この膜厚むらは欠陥ではないため、明るさの違いは欠陥検査上ノイズになる。この、明るさの違いを低減するためには照明波長幅を広げることが有効である。但し、波長幅をどこまで広げるかは、絶縁膜の設計膜厚とその誤差によって異なるため、絶縁膜の膜厚から照明波長幅を求めることが効果的である。そこで、照明波長域を決める条件として絶縁膜の膜厚を入力する。
次に、3.の照明σは、照明系の開口絞り11の開口径を選択するものであり、穴状のパターンが形成されている場合は、ライン状のパターンの照明σよりも比較的小さくした方が欠陥検出感度が向上する。
また、4.の空間フィルタとは、フーリエ変換面(対物レンズの射出瞳位置あるいはこの射出瞳と共役な位置(ズームレンズ50の瞳位置))に0次光の振幅透過率を低減させたり、位相差を与えたりする光学フィルタであり、パターンの形状や密度などに応じて配置することにより、像の高解像度化が可能となる。
以上のような光学パラメータを設定することにより、欠陥検出に有利な画像を検出することが可能となる。しかし、設定した条件が良いかどうかは、パターンの形状やウェハの構造などにより異なる。
図7に示すように、ウェハ1には露光装置の露光フィールド(ショット)単位で規則的にパターンが配列されている。このパターンの一部分である1’の拡大図の図7(b)では、検査対象と仮定するパターン1a,1a’や、前の工程で形成されたパターン1c等がある。ウェハ1を、図7(b)のライン125で切断したときの断面構造を、図7(c)に示す。検査対象パターン1a,1a’は、絶縁膜1bの膜上に形成されており、検査対象としないパターン1cは、絶縁膜1bの膜中に形成されているとする。この場合、検査対象パターン1a,1bの主たる方向は縦であるため、この方向のパターンが高コントラストになるように光学パラメータを設定することにより、欠陥検出感度の向上が図れる。しかし、光学パラメータの最適値はパターンの形状や構造などによりことなるため、決定するためには大量の時間を要する。
そこで、図8に、高効率な光学パラメータ設定のフローを示す。
まず、ウェハをローディングし、検査対象領域を光学系の視野に移動する。次に光学パラメータの 1)偏光特性 2)照明σ 3)照明波長 4)空間フィルタ について予備的に画像を取得するための、パラメータ範囲を入力する。次に、設定した範囲の条件でそれぞれ画像を取得し、回折像やパターン像を一覧できるように表示すると共に、パターンのコントラストやパターンの鮮鋭度を示す2次微分値の総和などを表示する。
これにより、光学パラメータと光学像の解像度に関する情報が一覧でき、光学パラメータの適正値を容易に決定することができる。但し、最終的な光学パラメータは、欠陥検出上有利な画像であるか否かにより決定する。このため、先のコントラストや2次微分値の和より光学パラメータの範囲を絞り込み、最終的には光学パラメータを変更しながら予備検査を行い、光学パラメータを決定する必要がある。この予備検査結果として表示する内容は、例えば、正常部における差画像の不一致量(平均、最大、偏差)や比較検査結果(検出欠陥数や欠陥の信号レベル及び正常部の最大不一致量Nと欠陥部の不一致量Sの比であるS/N等)であって、これら表示された結果から光学パラメータを決定する。
以上の光学パラメータ設定手段により、欠陥検出感度の高い光学パラメータを、効率的に設定することができる。
図9に、回折像・パターン像の一覧表示の一例として、偏光状態をパラメータとした場合の一覧表示920を示す。まず、偏光の振動方向はXYステージやウェハのオリフラの方向などに対して定義すればよい。例えば、照明光の振動方向:90°、検出光の振動方向45°とは、検査対象パターンの主たる方向と物体上における主光線の振動方向がなす角度である。
このように一覧に表示することにより、高次回折光と0次光の振幅の割合を、回折像のデータから予測することが可能である。また、検査対象パターンが様々な方向にある場合には、検査対象のパターン像よりパターン方向とコントラストなどを検出することが可能である。また、画像の光強度分布を折れ線グラフなどで表示することにより、明るさのレベルなども認識し易くなる。さらに、コントラストや2次微分値の和より、照明光の偏光の振動方向はθ:90°,68°付近が高解像度であることが、容易に読み取ることができる。従って、次に行う予備検査をこの条件で行うことにより、高感度な検査を可能にする光学条件を、短時間で設定することができる。
尚、図4・図5に示す光学系の構成では、試料1を照明する偏光の楕円率とその長軸の向きが偏光状態のパラメータとなる。従って、楕円率とその長軸の向きをパラメータとして、図9と同様の一覧表を表示することが可能となり、高感度検査を実現できるおよその偏光状態を容易に特定することが可能となる。
λ/2板16とλ/4板17とを透過し、更に対物レンズ20を透過した照明光は、試料1で反射することにより位相の飛びと共に試料のパターンに応じて位相差が与えられ、偏光状態が変化する。また、パターンのエッジなどで回折した光は回折光の方向に応じて偏光も変化する。これらの反射光は、再び対物レンズ20に捕捉され、λ/4板17とλ/2板16を通過してPBSに入射し、S偏光成分が反射してセンサ70上に明視野像を結像する。
ここで、λ/2板16とλ/4板17とを用いない通常の明視野検出の場合では、検出した画像が図10(b)のような濃淡画像であったとすると、このときのA−A部の明るさ分布は図10(c)のように、画像左側の密パターン部で暗い画像となっている。この場合、光量を大きくすれば密パターン部の濃淡差を大きくすることが可能であるが、画像右側の平坦部の明るさがさらに大きくなり、CCDセンサ70等ではセンサ70が飽和し、ブルーミングが生じてしまう。このため、光量を大きくすることができず、密パターンをコントラストよく検出することが大変難しい。
しかし、本発明のように、λ/2板16とλ/4板17とを用いて位相差量を調節すれば、偏光ビームスプリッターで反射される平坦部の光を低減して、密パターン部の回折光が反射される割合を大きくすることができる。これにより、密パターンと平坦部の明るさを同じレベルで検出することができるようになる。従って、パターンの密度等によらず、常にコントラストの高い画像を検出でき、密パターン部のパターン欠陥等も容易に検出できる。
図11に、楕円率を−1.0〜1.0の間で変化させたときに、イメージセンサ70で検出される試料1の光学像のコントラストと検出光量比との関係を示す。尚、楕円率の符号は、右回り及び左回りの偏光を区別するものである。また、コントラストは、試料1の表面に形成されているラインアンドスペースの像より求めた。さらに、照明光の照度が一定の場合、楕円率の絶対値が小さくなると、イメージセンサ70に到達する光量が低下する。このため、楕円率−1.0,1.0の円偏光時にイメージセンサ70で検出される光量を基準として、楕円率を変えた時の検出光量比を表している。
この図11から分かるように、コントラストは、楕円率が−0.18の付近で最大となっており、検出光量比が最大となるところ、即ち楕円率が1又は−1になる点とは一致していない。従って、ラインアンドスペースの欠陥検査を行うには、−0.18付近の楕円率となるように設定すると有利である。
これらのボタンは、番号(図中、No)を指定することにより、予め登録されている条件に設定するものである。尚、偏光状態には、様々な検査対象パターンの形状や向きに応じて、検出画像のコントラストを高める偏光条件がデータベース化されている。従って、このデータベース化されている偏光条件の全条件あるいは一部の条件で検査対象ウェーハを予備検査し、この予備検査の結果から、最も検出感度の高い検査結果が得られた偏光状態を、本検査時の偏光条件に設定する方法が考えられる。尚、予備検査を行う場合は、画面上に表示されている「予備検査ボタン」を選択することにより、暫定的に設定した上記 1)〜4)の条件の下で、検査が実行される。
偏光条件とは、図4、図5,図10に記載の光学系において、λ/2板16とλ/4板17を電動回転させるモーターのパルス数などが考えられる。さらに、数種類の偏光条件で予備検査した結果より、本検査に用いる偏光条件を決定する判断基準として、以下の判断基準が挙げられる。
1)欠陥を最も多く検出している偏光条件
2)致命的な欠陥を最も多く検出している偏光条件
3)検出したい欠陥の座標が既知である場合は、この欠陥を最も多く検出している偏光条件従って、複数回の予備検査を行った場合は、上記1)〜3)に示すような判断基準を一覧表示すると決定が容易になる。また、1)〜3)の何れかの値が最大となる偏光条件を自動的に決定することにより、装置ユーザーの条件出しが容易になる。
以上、偏光条件を決定するにあたり、実際には光学顕微鏡か電子顕微鏡で欠陥部をレビューして、検査感度が高い偏光条件を決定することが望ましい。
Claims (7)
- 表面にパターンが形成された試料の欠陥を検査する方法であって、偏光の状態を調整した光を対物レンズを介して前記試料に照射し、該照射により前記試料から発生した回折光の0次回折光と高次回折光との偏光の状態を制御することにより0次回折光と高次回折光との光量のバランスを調整した状態で回折光像を形成し、該回折光像を検出して前記試料表面の画像を得、該得た画像を予め記憶しておいた画像と比較して前記試料の欠陥を検出することを特徴とする欠陥検査方法。
- 前記回折光像を、前記試料から発生した0次回折光のうち偏光の振動方向が高次回折光の偏光の振動方向と一致する成分を透過させるように偏光板を用いて偏光の状態を制御することで0次回折光の振幅を高次回折光の振幅に対して大きな割合で減衰させることにより0次回折光と高次回折光との光量のバランスを調整した状態で形成することを特徴とする請求項1記載の欠陥検査方法。
- 表面にパターンが形成された試料の欠陥を検査する方法であって、偏光の状態を調整した光を対物レンズを介して前記試料に照射し、該照射により前記試料の表面で反射した光を検出して第1の画像を得、該第1の画像をモニタ画面上に表示し、前記試料の表面で反射した光の0次回折光と高次回折光との偏光の状態を制御することにより0次回折光と高次回折光との光量のバランスを調整して該モニタ画面上に表示された第1の画像のコントラストを大きくし、該第1の画像のコントラストを大きくするように前記0次回折光と高次回折光との光量のバランスを調整した調整条件を用いて前記試料の表面で反射した光を検出して第2の画像を得、該得た第2の画像を予め記憶しておいた画像と比較して前記試料の欠陥を検出することを特徴とする欠陥検査方法。
- 前記第1の画像のコントラストを大きくするように前記0次回折光と高次回折光との光
量のバランスを調整することが、前記試料に照射する光又は前記試料の表面で反射した光の0次回折光のうち偏光の振動方向が高次回折光の偏光の振動方向と一致する成分を透過させるように調整した偏光板を用いて偏光の状態を制御することで0次回折光と高次回折光との光量のバランスを調整することを特徴とする請求項3記載の欠陥検査方法。 - 表面にパターンが形成された試料の欠陥を検査する装置であって、対物レンズを介して
前記試料に偏光光を照射して照明する照明手段と、該照明手段で前記試料を照明することにより前記試料の表面で反射した反射光を前記対物レンズと偏光調整部とを介して検出して前記試料の画像を得る画像検出手段と、該画像検出手段で得た画像と該画像のコントラスト調整条件とを表示する表示手段と、該表示手段に表示されたコントラスト調整条件に基いて前記試料の表面で反射した光の0次回折光のうち偏光の振動方向が高次回折光の偏光の振動方向と一致する成分を透過させるように前記偏光調整部の偏光の状態を制御することで0次回折光と高次回折光との光量のバランスを調整するコントラスト調整手段と、該コントラスト調整手段で調整されたコントラストの画像を予め記憶しておいた画像と比較して前記試料の欠陥を検出する欠陥検出手段とを備えたことを特徴とする欠陥検査装置。 - 前記画像検出手段の偏光調整部は、1/2波長板と1/4波長板とを有し、該1/4波長板は前記試料表面から反射した光のうち、前記表面に形成されたパターンからの0次回折光の振幅を高次回折光の振幅に対して大きな割合で減衰させるように前記パターンに応じて調整できるように回転可能に設置されていることを特徴とする請求項5記載の欠陥検査装置。
- 前記画像検出手段は空間フィルタを備え、前記コントラスト調整手段は、前記表示手段に表示されたコントラスト調整条件の中から選択された前記照明手段と前記画像検出手段との上記偏光の状態を含む、照明波長、照明σおよび空間フィルタの何れかの光学パラメータを調整することを特徴とする請求項5記載の欠陥検査装置。
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