JPWO2006118173A1 - 経皮吸収製剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体および外用剤用基剤を含有する血中濃度調節型経皮吸収製剤に関する。本発明の血中濃度調節型経皮吸収製剤は、本発明の活性本体の血中濃度を安定的に持続させ、かつ副作用がなく安全であるため、持続投与が可能な経皮吸収製剤として利用できる。

Description

本発明は、4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体を含有する経皮吸収製剤に関する。
プロスタグランジン(以下、PGと略記する。)類は、生体内の様々な臓器や体液中に広く分布し微量で強力な活性を示し、例えば、平滑筋の弛緩および収縮、血管の収縮および拡張、血小板凝集抑制作用等の多様な生理活性を有する化合物である。PG類の中でも、PGEは細胞保護作用、子宮収縮、発痛作用、消化管の蠕動運動促進、覚醒作用、胃酸分泌抑制作用、血圧降下作用、利尿作用等の生理活性を有しているため、これまで各種の疾病の予防や治療に用いられてきた。
しかしながら、このPGEを含むPG類は、化学的に極めて不安定であり、有効な投与方法としては静脈内投与等の限られた方法しかなく、また血圧低下、胃腸障害、皮膚血管浮腫等の副作用が発現する可能性がある(ザ・ジャーナル・オブ・クリニカル・インヴェスティゲーション第108巻、25〜30頁、2001年)ため、新しい非経口的な投与経路や投与形態としてのPG類の経皮吸収製剤、特に貼付剤の可能性について研究が行われている(例えば、特許文献1、2および3参照)。このような貼付剤の特徴としては、在宅治療が可能、投薬に痛みを伴わない、投薬後の除去が可能等、患者への負担が軽減されるといったメリットがある。
しかし、皮膚のバリヤー機能により、概して薬物の経皮吸収性は乏しく、実用的で限られた貼付面積で薬効発現に必要な薬物量を皮膚から送達することは困難なことが多い。また、貼付剤は薬物の安定性、持続性、効果、安全性(副作用発現)、接着性、違和感、皮膚刺激性(例えば、紅斑、浮腫、掻痒感、発疹、色素沈着等)等の問題点も多い。
一方、4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸は、PGE受容体サブタイプの一つであるEP4に対してアゴニスト活性を有する5−チア−ω−置換フェニル−プロスタグランジンE誘導体として知られた化合物である。4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体は、そのプロドラッグ体として、経皮投与用のパッチ剤、局所投与用の徐放性製剤(例えば、マイクロカプセル製剤、マイクロスフェア製剤、ナノスフェア製剤等)とするか、生体内吸収性高分子と有機溶媒に溶解し、凍結乾燥することによる局所投与用の埋め込み式の持続性フィルム状製剤として、種々の疾患、例えば、骨量低下疾患等の予防および/または治療剤として用いられることが開示されている(例えば、特許文献4、5、6および7参照)。また、骨体積を増加するために、PGE受容体サブタイプの一つであるEP1アゴニストを経皮的に投与することが開示され(例えば、特許文献8参照)、さらに、EP4選択的アゴニストの局所投与が、骨疾患の治療に有用である旨が開示されている(例えば、特許文献9参照)。
しかしながら、これらの文献には、4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体を血中濃度調節型経皮吸収製剤、なかでも貼付剤として具体的に適用し、実験的に証明したものはない。
特開昭58−134019号公報 特公平07−25666号公報 特許第2910857号明細書 国際公開第00/003980号パンフレット 国際公開第01/037877号パンフレット 国際公開第03/009872号パンフレット 国際公開第03/041717号パンフレット 国際公開第00/051585号パンフレット 特開2001−181210号公報
4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体を、経口投与や静脈内投与(例えば、急速静注、点滴静注等)等の全身投与を行った際、活性本体である4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸に変換され、その血中濃度が異常に上昇した場合には、血圧低下や心拍数増加等の循環器への影響や下痢等の副作用の生じるおそれがある。また、骨疾患を治療する場合、骨形成には時間を要するため、静脈内投与では薬剤を局所に多くの回数投与する必要が生じ、患者に負担がかかる。さらに、PG類およびEP4アゴニストを経皮投与した際には、副作用として皮膚血管浮腫が懸念される。
本発明の目的は、十分な薬理学的作用を発揮し、副作用が回避でき安全な、4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体を含有する血中濃度調節型経皮吸収製剤を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体および経皮透過促進剤を含んでいてもよい外用剤用基剤を含有する血中濃度調節型経皮吸収製剤が、活性本体である4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸の血中濃度を持続的に制御できること、および副作用を抑制することができることを見出した。また、本発明の血中濃度調節型経皮吸収製剤が、骨形成作用を有することも見出した。さらに経皮吸収製剤のなかでも貼付剤が好ましいこと、および貼付剤にすることで必要に応じて剥離することにより、副作用の回避が容易であることも見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1] 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体および経皮透過促進剤を含んでいてもよい外用剤用基剤を含有してなる血中濃度調節型経皮吸収製剤、
[2] 血中濃度調節が4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸の血中濃度を、薬理作用を発現する有効な濃度以上から、副作用を発現する濃度を超えない範囲に維持することを特徴とする前項[1]記載の製剤、
[3] 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体が、メチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアートである前項[2]記載の製剤、
[4] 経皮吸収製剤が貼付剤である前項[3]記載の製剤、
[5] 外用剤用基剤が粘着付与剤、軟化剤および/または酸化防止剤を含んでいてもよい粘着剤である前項[4]記載の製剤、
[6] 粘着剤がスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、アクリル酸エステル樹脂およびアクリル系共重合樹脂からなる群より選択される1種以上であり、粘着付与剤がロジン系樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂およびポリイソブチレンからなる群より選択される1種以上であり、軟化剤が流動パラフィン類であり、酸化防止剤がジ−t−ブチルヒドロキシトルエンであり、経皮透過促進剤がミリスチン酸イソプロピル、クロタミトン、オレイン酸およびオレイルアルコールからなる群より選択される1種以上である前項[5]記載の製剤、
[7] 粘着剤がスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体であり、粘着付与剤がロジン系樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂およびポリイソブチレンからなる群より選択される1種以上であり、経皮透過促進剤がオレイルアルコールである前項[6]記載の製剤、
[8] 骨疾患の予防、治療および/または進行抑制剤である前項[2]記載の製剤、
[9] 骨疾患が、骨折または椎体骨折である前項[8]記載の製剤、
[10] 1回投与量中、1cmあたり約1μg〜約200μgの4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体を含有し、貼付面積が約1cm〜約100cmであり、以下の(1)〜(2)から選択される1以上の特性を有する貼付剤である前項[4]記載の製剤:
(1)貼付時の最高血中濃度が約4pg/mLを超えない、
(2)貼付時に約0.1pg/mLを下回らない血中濃度を6時間以上持続する、
[11] 1回投与量中、1cmあたり約10μg〜約100μgのメチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアートおよび外用剤用基剤として、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、脂環族飽和炭化水素樹脂、流動パラフィン類、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、ロジン系樹脂およびポリイソブチレンからなる群より選択される1種以上を含有し、経皮透過促進剤としてミリスチン酸イソプロピル、クロタミトン、オレイン酸およびオレイルアルコールからなる群より選択される1種以上を含有し、貼付面積が約1cm〜約50cmであり、以下の(1)〜(3)の特性をすべて有する前項[4]記載の製剤:
(1)貼付時の最高血中濃度が約2pg/mLを超えない、
(2)貼付時に約0.1pg/mLを下回らない血中濃度を6時間以上持続する、
(3)皮膚血管浮腫が見られない、
[12] 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体および経皮透過促進剤を含んでいてもよい外用剤用基剤を含有してなる血中濃度調節型経皮吸収製剤を哺乳動物に投与することを特徴とする、該哺乳動物における骨疾患の予防、治療および/または進行抑制方法、
[13] 骨疾患の予防、治療および/または進行抑制剤を製造するための、4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体および経皮透過促進剤を含んでいてもよい外用剤用基剤を含有してなる血中濃度調節型経皮吸収製剤の使用、
[14] 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体および経皮透過促進剤を含んでいてもよい外用剤用基剤を含有してなる経皮吸収製剤を投与することを特徴とする、血中濃度調節方法、
[15] メチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート1質量部に対して(i)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体約10〜約200質量部、(ii)脂環族飽和炭化水素樹脂約20〜約300質量部、(iii)流動パラフィン類約30〜約500質量部、(iv)高分子量ポリイソブチレン約1〜約100質量部、(v)低分子量ポリイソブチレン約5〜約200質量部、(vi)ロジン系樹脂約1〜約100質量部および(vii)ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン約0.1〜約3質量部を含有してなる前項[1]〜[12]いずれかに記載の製剤、
[16] さらにオレイルアルコール約1〜約50質量部を含有してなる前項[15]記載の製剤、
[17] 1回投与量中のメチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアートの含有量が約0.01〜約3mgである前項[15]記載の製剤、
[18] 1日に1回貼付する、または2〜4日の間に1回貼り替えることを特徴とする前項[15]〜[17]いずれかに記載の製剤に関する。
本発明の血中濃度調節型経皮吸収製剤(以下、本発明の経皮吸収製剤と略記する場合がある。)に含まれる4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体とは、そのカルボキシル基がエステル化されているものであれば、どのようなものであってもよく、その他の添加物の有無や溶媒の有無、その形状(固体、液体)等によって限定されるものではない。
本発明の経皮吸収製剤は、活性本体である4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸の血中濃度を安定的に維持することができ、そのため、活性本体の血中濃度を薬理活性が発現する有効濃度以上で、かつ副作用が生じる濃度以下に持続的に調整することができる。
本発明において、4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体(以下、本発明化合物と略記する場合がある。)としては、例えば、一般式(I)
Figure 2006118173
(式中、
Figure 2006118173
はα−配置を表し、
Figure 2006118173
はβ−配置を表し、Rは置換基を表す。)で示される化合物等が挙げられる。
本明細書中、Rで示される置換基としては、特に限定されないが、例えば、(1)C1〜8アルキル基、(2)Y−R基[基中、Yは単結合、またはC1〜10アルキレン基を表し、R基は、[1]フェニル基、または[2]1〜3個のC1〜10アルキル基、C1〜10アルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよいビフェニル基を表す。]、(3)Z−Z−Z基[基中、Zは、[1]C1〜15アルキレン基、[2]C2〜15アルケニレン基、または[3]C2〜15アルキニレン基を表し、Zは、[1]−CO−基、[2]−OCO−基、[3]−COO−基、[4]−CONR11−基、[5]−NR12CO−基、[6]−O−基、[7]−S−基、[8]−SO−基、[9]−SO−基、[10]−NR13−基、[11]−NR14CONR15−基、[12]−NR16COO−基、[13]−OCONR17−基、または[14]−OCOO−基を表し、Zは、[1]水素原子、[2]C1〜15アルキル基、[3]C2〜15アルケニル基、[4]C2〜15アルキニル基、[5]環A、または[6]C1〜10アルコキシ基、C1〜10アルキルチオ基、C1〜10アルキル−NR18−基または環Aで置換された、C1〜10アルキル基を表し、環Aは[1]一部または全部が飽和されていてもよいC3〜15の単環または多環式炭素環アリール、または[2]酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜15の単環または多環式複素環アリールを表し、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18はそれぞれ独立して、水素原子またはC1〜15アルキル基を表し、R11とZ基が結合している窒素原子と一緒になって、5〜7員の単環式飽和複素環を表してもよく、上記複素環はさらに酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1個のヘテロ原子を含んでもよく、環A、およびR11とZが結合している窒素原子と一緒になって表される単環式飽和複素環は、[1]C1〜15アルキル基、[2]C2〜15アルケニル基、[3]C2〜15アルキニル基、および[4]C1〜10アルコキシ基、C1〜10アルキルチオ基またはC1〜10アルキル−NR19−基で置換されたC1〜10アルキル基から選択される1〜3個の基で置換されてもよく、R19は水素原子、またはC1〜10アルキル基を表す。]等が挙げられる。
本明細書中、C1〜8アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル基およびそれらの異性体等が挙げられる。
本明細書中、C1〜10アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル基およびそれらの異性体等が挙げられる。
本明細書中、C1〜15アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル基およびそれらの異性体等が挙げられる。
本明細書中、C1〜10アルキレン基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン基およびそれらの異性体等が挙げられる。
本明細書中、C1〜15アルキレン基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン、トリデカメチレン、テトラデカメチレン、ペンタデカメチレン基およびそれらの異性体等が挙げられる。
本明細書中、C1〜10アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ基およびそれらの異性体等が挙げられる。
本明細書中、C1〜10アルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ、ノニルチオ、デシルチオ基およびそれらの異性体等が挙げられる。
本明細書中、C2〜15アルケニル基としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル基およびそれらの異性体等である。
本明細書中、C2〜15アルケニレン基としては、エテニレン、プロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン、ヘキセニレン、ヘプテニレン、オクテニレン、ノネニレン、デセニレン、ウンデセニレン、ドデセニレン、トリデセニレン、テトラデセニレン、ペンタデセニレン基およびそれらの異性体等が挙げられる。
本明細書中、C2〜15アルキニル基としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニル、トリデシニル、テトラデシニル、ペンタデシニル基およびそれらの異性体等が挙げられる。
本明細書中、C2〜15アルキニレン基としては、エチニレン、プロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン、ヘキシニレン、ヘプチニレン、オクチニレン、ノニニレン、デシニレン、ウンデシニレン、ドデシニレン、トリデシニレン、テトラデシニレン、ペンタデシニレン基およびそれらの異性体等が挙げられる。
本明細書中、ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。
本明細書中、一部または全部が飽和されていてもよいC3〜15の単環または多環式炭素環アリールには、スピロ結合した炭素環および架橋した炭素環も含まれる。例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、ベンゼン、ペンタレン、パーヒドロペンタレン、アズレン、パーヒドロアズレン、インデン、パーヒドロインデン、インダン、ナフタレン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、パーヒドロナフタレン、ヘプタレン、パーヒドロヘプタレン、ビフェニレン、as−インダセン、s−インダセン、アセナフチレン、アセナフテン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、9,10−ジヒドロアントラセン、スピロ[4.4]ノナン、スピロ[4.5]デカン、スピロ[5.5]ウンデカン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[3.3.1]−2−ヘプテン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン、アダマンタン、ノルアダマンタン環等が挙げられる。
本明細書中、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜15員の単環または多環式複素環アリールのうち、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、3〜15員の単環または多環式複素環アリールとしては、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チオピラン、チエピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジチアナフタレン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、クロメン、ベンゾオキセピン、ベンゾオキサゼピン、ベンゾオキサジアゼピン、ベンゾチエピン、ベンゾチアゼピン、ベンゾチアジアゼピン、ベンゾアゼピン、ベンゾジアゼピン、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、カルバゾール、β−カルボリン、アクリジン、フェナジン、ジベンゾフラン、キサンテン、ジベンゾチオフェン、フェノチアジン、フェノキサジン、フェノキサチイン、チアンスレン、フェナントリジン、フェナントロリン、ペリミジン環等が挙げられる。
また、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和された3〜15員の単環または多環式複素環アリールとしては、アジリジン、アゼチジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、オキシラン、オキセタン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、チイラン、チエタン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、パーヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、パーヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、パーヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、パーヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、パーヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、パーヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、パーヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、パーヒドロシンノリン、ベンゾオキサチアン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロベンゾアゼピン、ジヒドロベンゾジアゼピン、テトラヒドロベンゾジアゼピン、ベンゾジオキセパン、ジヒドロベンゾオキサゼピン、テトラヒドロベンゾオキサゼピン、ジヒドロカルバゾール、テトラヒドロカルバゾール、パーヒドロカルバゾール、ジヒドロアクリジン、テトラヒドロアクリジン、パーヒドロアクリジン、ジヒドロジベンゾフラン、ジヒドロジベンゾチオフェン、テトラヒドロジベンゾフラン、テトラヒドロジベンゾチオフェン、パーヒドロジベンゾフラン、パーヒドロジベンゾチオフェン、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、ジチアン、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、クロマン、ベンゾジチオラン、ベンゾジチアン、8−アザ−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン、3−アザスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン環等が挙げられる。
本明細書中、5〜7員の単環式飽和複素環とは、さらに酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1個のヘテロ原子を含んでもよい5〜7員の単環式飽和複素環を表し、例えば、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、パーヒドロピリミジン、パーヒドロピリダジン、パーヒドロアゼピン、パーヒドロジアゼピン、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、テトラヒドロオキサジン、パーヒドロオキサゼピン、テトラヒドロチアジン、パーヒドロチアゼピン、モルホリン、チオモルホリン環等が挙げられる。
本発明において、一般式(I)で示される化合物として、より好ましくは、(1)メチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(2)エチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(3)プロピル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(4)イソプロピル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(5)ブチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(6)[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(7)1−{[(シクロヘキシルオキシ)カルボニル]オキシ}エチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(8)2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(9)2−(アセチルオキシ)エチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(10)フェニル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(11)tert−ブチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(12)2−オキソ−2−フェニルエチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(13)2−イソプロポキシ−2−オキソエチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(14){[(ジエチルアミノ)カルボニル]オキシ}メチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(15)2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(16)2−イソプロポキシ−1−メチル−2−オキソエチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(17)1−メチル−2−オキソ−2−フェニルエチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(18)2−メトキシ−2−オキソエチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(19)2−[(4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノイル)オキシ]エチル ノナノアート、(20)2−[(4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノイル)オキシ]エチル トリデカノアート、(21)2−[(4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノイル)オキシ]エチル ヘプタノアート、(22)2−[(4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノイル)オキシ]エチル オクタノアート、(23)2−[(4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノイル)オキシ]エチル デカノアート、(24)2−ヒドロキシエチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(25)2−(ジプロピルアミノ)−2−オキソエチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(26)2−(ジブチルアミノ)−2−オキソエチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(27)2−[(4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノイル)オキシ]エチル 2,2−ジメチルペンタノアート、(28)3−ブトキシプロピル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(29)2−ブトキシエチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(30)2−(ペンチルオキシ)エチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(31)2−(ヘキシルオキシ)エチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(32)2−オキソ−2−(4−ペンチルフェニル)エチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(33)2−[(1,1−ジメチルヘプチル)オキシ]−2−オキソエチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(34)2−(ジペンチルアミノ)−2−オキソエチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(35)2−(オクチルオキシ)エチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(36)2−[(4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノイル)オキシ]エチル 2,2−ジメチルオクタノアート、(37)2−[(4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノイル)オキシ]エチル 2,2−ジエチルペンタノアート、(38)4’−クロロ−1,1’−ビフェニル−4−イル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(39)2−[(4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノイル)オキシ]エチル アダマンタン−1−カルボキシラート、(40)2−[(4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノイル)オキシ]エチル 2,2−ジプロピルペンタノアート、(41)オクチル 4
−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート、(42)1−ブチルペンチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート等が挙げられる。特に好ましくは、例えば、式(I−1)
Figure 2006118173
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、すなわち、メチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート(以下、化合物Aと略記する場合がある。)等が挙げられる。
なお、これらの命名は、IUPAC名を機械的に生成するコンピュータープログラム、ACD/NAME(登録商標、アドバンスト・ケミストリー・ディベロープメント社)を用いて行ったものである。
本発明において本発明化合物は、実質的に純粋で単一な物質であるものに限定されず、医薬品として許容される範囲であれば不純物(例えば、製造工程に由来する副生成物、溶媒、原料、分解物等)を含有していてもよい。医薬品として許容される不純物の含有量は、その含有される不純物によっても異なるが、例えば、化合物Aでは、その分解物である類縁物質個々の量は全量の約1.0%以下、類縁物質の合計量は全量の約4.0%以下であることが好ましい。
本発明化合物は、それ自体公知の方法、例えば、国際公開第00/003980号パンフレット、または国際公開第03/009872号パンフレットに記載の方法、コンプリヘンシヴ・オーガニック・トランスフォーメーションズ:ア・ガイド・トゥー・ファンクショナル・グループ・プレパレーションズ、セカンド・エディション(リチャードC.ラロック、ジョンワイリーアンドサンズ・インク、1999)に記載された方法等を単独で、または複数を組み合わせて用いることによって製造することができる。また、製造された本発明化合物は、通常の精製手段、例えば、常圧下または減圧下における蒸留、シリカゲルまたはケイ酸マグネシウムを用いた高速液体クロマトグラフィーまたは洗浄、再結晶等の方法によって精製することができる。
なお、本明細書で用いられるPGEは公知の化合物であり、CAS登録番号745−65−3として知られている。
本発明において、血中濃度を調節される化合物は、本発明化合物の活性本体である4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸(以下、本発明の活性本体または化合物Bと略記する場合がある。)である。
化合物Bは、式(I−A)
Figure 2006118173
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物である。
本発明の経皮吸収製剤において、本発明化合物は、皮膚透過時から血管到達時までに化合物Bに変換されるか、または本発明化合物が血管内に到達後、体内に存在するエステラーゼ等によって加水分解され、化合物Bへと変換される。従って、本発明の経皮吸収製剤によって、化合物Bの血中濃度を適切に調節することができる。
本発明の血中濃度調節型経皮吸収製剤とは、投与時には、本発明の活性本体の血中濃度が、薬理作用を発現する有効な濃度以上であって、副作用が発現する濃度を超えない範囲を維持する製剤を意味する。また、本発明の活性本体の薬理作用に基づく副作用、例えば、循環器への影響等が生じた場合に、当該製剤を剥離することによって、速やかに本発明の活性本体の血中濃度が減少し、副作用を回避することができる特徴を有する経皮吸収製剤をも意味する。さらに、有効血中濃度を維持し、かつ皮膚血管浮腫を生じない量の本発明化合物を含有する経皮吸収製剤をも意味する。
本明細書中、皮膚血管浮腫とは、一般的にむくみと呼ばれ、経皮吸収製剤によって生じる副作用等を意味し、後記実施例に記載されている浮腫等も意味する。浮腫とは、例えば、血液中の体液が血管外に濾出する等して、血管外皮下組織に水分が過剰にたまった状態をいう。
本明細書中、外用剤用基剤とは、外用剤に用いられる製剤基剤をいう。
本発明の経皮吸収製剤の外用剤用基剤としては、例えば、粘着剤、粘着増強剤、粘着付与剤、両親媒性溶解助剤、懸濁性基剤、軟化剤、乳化剤、緩衝剤、接着剤、架橋剤、皮膚刺激緩和剤、酸化防止剤等からなる群より選ばれる1種以上を使用することができる。
本明細書中、粘着剤または粘着増強剤としては、例えば、プロピレングリコール、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、グリセリン、グルコノ−δ−ラクトン、ゼラチン、デキストリン、カゼインナトリウム、コロジオン、トラガント、トラガント末、コムギデンプン、白色ワセリン、ワセリン・ラノリンアルコール混合物、加水ラノリン、カルナウバロウ、水アメ、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、軽質無水ケイ酸、硫酸化ヒマシ油カリウム塩・アルキルベンゼンスルホン酸塩混合物、酢酸ベンジル、タルク、アクリル系粘着剤(例えば、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、アクリル系共重合樹脂、アクリル酸・アクリル酸オクチルエステル共重合体、アクリル酸エステル・酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸2−エチルヘキシル・ビニルピロリドン共重合体溶液、アクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体溶液、アクリル酸メチル・アクリル酸−2−エチルヘキシル共重合樹脂エマルジョン、メタクリル酸・アクリル酸n−ブチルコポリマー、アクリル酸シルクフィブロイン共重合樹脂、アクリル樹脂アルカノールアミン液、アクリル酸デンプン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸水溶液、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸部分中和物、カルボキシビニルポリマー等)、ゴム系粘着剤(例えば、天然ゴム、生ゴム、高分子量ゴム、RSSNo.1生ゴム、スチレンイソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、シスポリイソプレンゴム、ポリイソブチレン(高分子量ポリイソブチレン、低分子量ポリイソブチレンまたはそれらの任意の割合の混合物)、ハイシスポリイソプレンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・イソブチレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBR)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、アラビアゴム、アラビアゴム末、ロジン系樹脂(例えば、マレイン化ロジングリセリンエステル、ロジン、ロジン誘導体(例えば、超淡色ロジン、超淡色ロジンエステル、酸変性超淡色ロジン、ロジン含有ジオール、超淡色ロジン金属塩等)、水素添加ロジングリセリンエステル、エステルガム等)、ダンマルゴム等)、ビニルエーテル系粘着剤(例えば、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体等)、ビニルエステル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、親水性高分子(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCNa)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2906、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910等)、ポリエチレングリコール(例えば、マクロゴール400、マクロゴール6000等)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ペクチン、ザンタンガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアノガラクタン、ヒアルロン酸ナトリウム等)、動植物性油脂(例えば、トウモロコシ油、ヒマシ油等)、ポリブテン、マレイン化ロジングリセリンエステル、脂肪族炭化水素樹脂(クイントン、エスコレツ等)、テルペン樹脂、テルペン−フェニル樹脂、ポリテルペン系樹脂クマロン−インデン樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
本明細書中、粘着付与剤としては、粘着剤または粘着増強剤と混合することにより、皮膚への粘着性を高める基剤であれば、特に限定されない。例えば、ロジン系樹脂(例えば、マレイン化ロジングリセリンエステル、ロジン、ロジン誘導体(例えば、超淡色ロジン、超淡色ロジンエステル、酸変性超淡色ロジン、ロジン含有ジオール、超淡色ロジン金属塩等)、水素添加ロジングリセリンエステル、エステルガム等)、脂環族飽和炭化水素樹脂(例えば、アルコンP100等)、脂肪族炭化水素樹脂(例えば、クイントンB170等)、水素添加テルペン樹脂、テルペン樹脂、ポリテルペン樹脂、テルペン−フェニル樹脂、キシレン樹脂、液状ゴム(例えば、ポリブテン、液状ポリイソブチレン等)、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、ポリイソブチレン(高分子量ポリイソブチレン、低分子量ポリイソブチレンまたはそれらの任意の割合の混合物)等が挙げられる。
本明細書中、両親媒性溶解助剤としては、水性溶媒と油性溶媒の双方に対して溶解性を有し、経皮吸収に伴い、本発明化合物が非溶解型から溶解型への移行を促進する物質を意味し、このような性質を有するものであれば、特に限定されない。例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ラウリン酸ジエタノールアミド、クエン酸トリエチル、ジメチルイミダゾリジノン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロール・水素添加ステロール、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン、リン酸ナトリウムポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸・リン酸塩、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、トリアセチン、パントテニールエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ドデシルスルホキシド、グリセリン、ゲラニオール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、炭酸プロピレン、チオグリコール酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、氷酢酸、乳酸、酪酸、クエン酸、塩酸、リン酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、ヨウ化カリウム、イクタモール、安息香酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジルエステル、大豆レシチン、水添大豆レシチン、D−マンニトール、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、チオ硫酸ナトリウム、中鎖脂肪酸トリグリセリド、β−シクロデキストリン、多価アルコール(例えば、ポリプロピレングリコール2000、エトキシグリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール400、ジエチレングリコール、エトキシジグリコール、ジイソプロピレングリコール等)、流動パラフィン類(例えば、軽質流動パラフィン、流動パラフィン等)、動植物性油脂(例えば、ナタネ油、大豆油等)、高級脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル等)、グリセリン脂肪酸エステル(例えば、親油型モノオレイン酸グリセリン等)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリオキシエチレンソルビタンモノウラレート等)、ポリエチレングリコール(例えば、ラウロマクロゴール等)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(例えば、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール等)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等)、高級アルコール(例えば、ラウリルアルコール、イソプロパノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール等)、プロピレングリコールモノカプレート(例えば、S−218等)、脂肪酸(例えば、カプリン酸、アジピン酸、セバシン酸、ミリスチン酸、オレイン酸等)、二塩基酸ジエステル類(例えば、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル等)、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油類(例えば、モノ脂肪酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60等)、テルペン油(例えば、ハッカ油、オレンジ油、テレピン油、L−メントール、D−リモネン、メントン、ピネン、ピペリトン、テルピネン、テルピノレン、テルピノール、カルベオール等)、有機溶媒(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、アセトン、酢酸エチル、乳酸エチル、ジメチルエーテル、ゲラニオール変性アルコール、8−アセチルショ糖変性アルコール、リナリールアセテート変性アルコール、フェニルエチルアルコール変性アルコール、ベンジルアルコール、ブタノール、2−ブタノール、ポリビニルアルコール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパンジオール等)等が挙げられる。
本明細書中、懸濁性基剤としては、本発明化合物を懸濁させうる基剤であれば特に限定されない。例えば、エタノール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、モノステアリン酸エチレングリコール、セスキオレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、ジメチルポリシロキサン・二酸化ケイ素混合物、カルボキシビニルポリマー、ポピドン、メチレン−β−ナフタリンスルホン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、大豆レシチン、水添大豆レシチン、中鎖脂肪酸トリグリセリド、アラビアゴム、アラビアゴム末、キサンタンガム、ペクチン、ベントナイト、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、塩化ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、カオリン、カラギーナン、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ステアリン酸アルミニウム、リン酸、ロウ類(例えば、ミツロウ、サラシミツロウ、カルナウバロウ等)、多価アルコール(例えば、ステアリルアルコール、セタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、マクロゴール200、マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール1500、マクロゴール4000、マクロゴール6000等)、セトマクロゴール1000、グリセリン等)、高級脂肪酸エステル(例えば、ラウリル酸ヘキシル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、グリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸グリセリン、ソルビタン脂肪酸エステル等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、流動パラフィン類(例えば、軽質流動パラフィン、流動パラフィン等)、動植物性油脂(例えば、アーモンド油、ツバキ油、パーシック油、ミンク油、サフラワー油、ヤシ油、ユーカリ油、大豆油、ごま油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、綿実油、オリーブ油、ヒマシ油、落花生油、小麦胚芽油、硬化油、スクワラン、スクワレン等)、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油類(例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60等)、セルロース類(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース・カルメロースナトリウム類)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、モノラウリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等)等が挙げられる。
本明細書中、軟化剤としては、粘着剤を可塑化、軟化させ、皮膚への適度な付着性を維持させうる薬剤であれば特に限定されない。例えば、アラントイン、プロピレングリコール、ポリブテン、結晶セルロース、マクロゴール1500、中鎖脂肪酸トリグリセリド、モノステアリン酸グリセリン、ミリスチン酸イソプロピル、生ゴム、乳酸セチル、ノニル酸ワニリルアミド、ハイシスポリイソプレンゴム、精製ラノリン、動植物性油脂(例えば、アーモンド油、オリーブ油、ナタネ油、ヒマシ油、綿実油・大豆油混合物、プロセス油、牛脂、スクワラン、スクワレン等)、鉱物油、流動パラフィン類(例えば、軽質流動パラフィン、流動パラフィン等)が挙げられる。
本明細書中、乳化剤としては、本発明化合物を乳化させうる基剤であれば特に限定されない。例えば、α−モノイソステアリルグリセリルエーテル、モノステアリン酸エチレングリコール、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ラウリン酸ジエタノールアミド、ショ糖脂肪酸エステル、カルボキシビニルポリマー、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、カラギーナン、カリ石ケン、薬用石ケン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、硫酸化ヒマシ油カリウム塩・アルキルベンゼンスルホン酸塩混合物、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、セバシン酸ジエチル、エタノール、グリセリン、ステアリルアルコール・ポリオキシエチレンステアリルエーテル混合物、セタノール・ポリオキシエチレンセチルエーテル混合ワックス、セタノール・ポリソルベート60混合ワックス、セタノール・モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン混合ワックス、セトステアリルアルコール・セトステアリル硫酸ナトリウム混合物、ペンタエリスチルクエン酸高級脂肪酸エステル・ミツロウ・ノニオン乳化剤混合物、リン酸ジセチル、N−ラルロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、安息香チンキ、中鎖脂肪酸トリグリセリド、N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、タルク、セチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ペクチン、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸エステル(例えば、モノオレイン酸グリセリン、親油型モノオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノオレイン酸グリセリン・ジオレイン酸グリセリン・プロピレングリコール混合乳化剤等)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル(例えば、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、リソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリオキシエチレンソルビタンモノウラレート、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、ポリエチレングリコール(例えば、マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール20000、セトマクロゴール1000等)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラノリン、ラウルマクロゴール、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸等)、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油類(例えば、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油5、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油20、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60等)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(例えば、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン(1)ポリオキシプロピレン(1)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル等)、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、グリセリン、セタノール、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、水素添加ラノリンアルコール等)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等)、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等)、セルロース類(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース等)、アクリル酸共重合体(例えば、アクリル酸メチル・アクリル酸−2−エチルヘキシル共重合樹脂エマルジョン等)、流動パラフィン類(例えば、軽質流動パラフィン、流動パラフィン等)、動植物性油脂(例えば、ミネラル油、綿実油・大豆油混合物、卵黄油、スクワラン、スクワレン等)、ラノリン類(例えば、還元ラノリン、精製ラノリン等)、レシチン誘導体(例えば、卵黄リン脂質、大豆レシチン、精製大豆レシチン、水素添加大豆リン脂質、部分水素廉価大豆リン脂質等)、脂肪酸(例えば、ステアリン酸等)、ステアリン酸ポリオキシル類(例えば、ステアリン酸ポリオキシル40、ステアリン酸ポリオキシル45、ステアリン酸ポリオキシル55等)、ロウ類(例えば、ミツロウ、サラシミツロウ、パラフィンワックス、鯨ロウ等)等が挙げられる。
本明細書中、緩衝剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、塩酸トリエタノールアミン、トリエタノールアミンリン酸塩エステルナトリウム液、クロロブタノール、ブドウ糖、ローズ油、有機酸(例えば、クエン酸、無水クエン酸、酒石酸、コハク酸、DL−リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、酢酸、氷酢酸、安息香酸、ε−アミノカプロン酸等)、無機酸(例えば、ホウ酸、ホウ砂、リン酸等)、有機酸金属塩(例えば、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム液、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等)、金属水酸化物(例えば、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、無水リン酸一水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム、水酸化ナトリウム等)、第一、第二または第三リン酸塩(例えば、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、無水リン酸三ナトリウム、リン酸三ナトリウム等)、アミノ酸もしくはそのアミノ酸の塩(例えば、グリシン、L−アルギニン等)等が挙げられる。
本明細書中、接着剤としては、例えば、架橋および非架橋のアクリル系コポリマー、ビニルアセテート接着剤、ポリイソブチレン(高分子量ポリイソブチレン、低分子量ポリイソブチレンまたはそれらの任意の割合の混合物)、メオプレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミドコポリマー、スチレンゴムブロックコポリマー等が挙げられる。
本明細書中、架橋剤としては、例えば、アミノ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物(例えば、ニッセツCK−101等)、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
本明細書中、皮膚刺激緩和剤としては、例えば、グリセリン、クロタミトン等が挙げられる。
本明細書中、酸化防止剤としては、例えば、パラベン類(例えば、メチルパラベン等)、ソルビン酸またはその塩類、ジ−t−ブチルヒドロキシアニソール、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドロキシグアイアレチン酸、グアヤコールエステル類、1,3−ブチレングリコール、デヒドロ硫酸ナトリウム、三価金属イオンを生成する塩(例えば、塩化アルミニウム、ミョウバン、アルミニウムアラントイネート等)等が挙げられる。なお、これらは防腐剤としても用いることができる。
本発明の貼付剤において、上記の外用剤用基剤に加えてさらに経皮透過促進剤を用いてもよい。
本明細書中、経皮透過促進剤としては、粘着剤層内での本発明化合物の溶解性や拡散性を向上する機能を有する化合物であれば、特に限定されない。本発明において、経皮透過促進剤は、それぞれ単独、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。例えば、クロタミトン、尿素、エタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセタミド、2−ピロリドン、N,N−ジエチル−m−トルアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、チオグリコール酸カルシウム、オキサゾリジノン、ジオキソラン誘導体、ラウロカプラム誘導体、天然精油、ラウリルジエタノールアミド、N−ヒドロキシメチルラクテート、ソルビトール、スクワレン、トリアセチン(例えば、グリセリルトリアセテート等)、テルペン油(例えば、ハッカ油、オレンジ油、テレピン油、L−メントール、D−リモネン、メントン、ピネン、ピペリトン、テルピネン、テルピノレン、テルピノール、カルベオール等)、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル、モノラウリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、乳酸セチル、モノラウリン酸グリセロール、モノオレイン酸グリセロール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン等)、二塩基酸ジエステル類(例えば、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル等)、アザシクロアルカン(例えば、1−ドデシルアザシクロヘプタンー2−オン(エイゾン)、1−(2−(デシルチオ)エチル)アザシクロペンタン−2−オン等)、脂肪酸もしくは脂肪酸アルコール類(例えば、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコセン酸、オレイルアルコール、イソプロパノール、ラウリルアルコール等)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル等)、中鎖脂肪酸グリセリド(例えば、カプリル酸モノグリセリド等)等が挙げられる。
本発明化合物には、前記した外用剤用基剤や経皮透過促進剤の他にも、経皮吸収製剤の製造に一般的に使用されるその他の添加剤を適宜配合してもよい。このような添加剤としては、例えば、固形賦形剤(例えば、D−ソルビトール、D−ソルビトール液、白糖等)、泥状化剤(例えば、ゼラチン等)、粉末賦形剤(例えば、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛等)、界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油20、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリオキシエチレンソルビタンモノウラレート等)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(例えば、ステアリン酸ポリオキシル40等)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン等)、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、ショ糖脂肪酸エステル、マクロゴール400、ラウロマクロゴール、リン酸ナトリウムポリオキシエチレンラウリルエーテル、リン酸ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(例えば、ポリオキシエチレン(120)ポリオキシプロピレン(40)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)グリコール等)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、アルキルアリルポリエーテルアルコール、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ラウリル酸ジエタノールアミド、ステアリルアルコール、二塩基酸ジエステル類(例えば、セバシン酸ジエチル等)、スクワラン、N−ココイル−N−アルギニンエチルエステル−DL−ピロリドンカルボン酸塩、N−ココイル−N−メチルアミノエチルスルホン酸ナトリウム、セタノール、セトマクロゴール1000、ラウリン硫酸ナトリウム等)、保湿剤(例えば、アルカリ土類金属類(例えば、塩化マグネシウム)、尿素、グリセリン、ヒアルロン酸ナトリウム等)、着香料(例えば、ハッカ油、オレンジ油、カミツレ油、スペアミント油、チョウジ油、テレピン油、パインオイル、ハッカ水、ヒマラヤスギ油、ベルガモット油、ユーカリ油、ラベンダー油、ローズ水、ローズ油、ローマカミツレ油、ペルーバルサム、D−カンフル、DL−カンフル、D−ボルネオール、DL−ボルネオール、DL−メントール、L−メントール、ゲラニオール、サリチル酸メチル、シンナムアルデヒド、ピペロナール等)、溶剤(例えば、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、イソプロパノール、ジエチルエーテル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、メタノール変性アルコール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等)、塩酸、水、生理食塩水、含水エタノール、不飽和脂肪酸(例えば、オレイン酸等)、合成スクワラン、ジプロピレングリコール、サリチル酸エチレングリコール、石油ベンジン、トリクロロエタン、8−アセチルショ糖変性アルコール等)等が挙げられる。これらの添加剤は、一般に経皮吸収製剤に通常用いられる割合で配合される。また、これらの添加剤は単独で用いてもよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、外用剤用基剤として、例えば、水溶性高分子化合物(例えば、ポリアクリル酸およびその誘導体、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、ポリエチレングリコール、アラビアゴム、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、天然多糖類等)、脂溶性高分子化合物(例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、スチレン・イソブチレン・スチレンブロック共重合体、スチレンブタジエン共重合体、ラノリン、ワセリン、プラスティベース、ミツロウ、鯨ロウ、固形パラフィン等)、脂肪酸およびその誘導体(例えば、炭素原子数3〜40の脂肪酸、その脂肪酸エステル、またはその脂肪酸アルカリ金属塩等)、動植物性油脂(例えば、オリーブ油、ハッカ油、大豆油、綿実油、トウモロコシ油、ユーカリ油、ヒマシ油、ゴマ油、アーモンド油、ツバキ油、パーシック油、ミンク油、サフラワー油、ヤシ油等)、アルコール類(炭素原子数1〜40を有し、かつ分子中に水酸基1〜10個を有するアルコール類、例えば、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オクタンジオール、ブタンジオール、D−ソルビトール、ベンジルアルコール等)、テルペン油(例えば、ハッカ油、オレンジ油、テレピン油、L−メントール、D−リモネン、メントン、ピネン、ピペリトン、テルピネン、テルピノレン、テルピノール、カルベオール等)、界面活性剤(例えば、非イオン界面活性剤(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤等)および水も用いることができ、それぞれ単独、あるいは二種以上を組み合わせて、または前記外用剤用基剤と組み合わせて使用することもできる。
また、本発明の経皮吸収製剤のうち、特に貼付剤(以下、本発明の貼付剤と略記する場合がある。)において薬物の良好な皮膚移行性を得るためには、貼付部位に拘らず、確実に貼付剤を皮膚面に固定する必要がある。しかし皮膚接着性が大きすぎると、例えば、使用後に貼付剤を剥離除去する際に、その物理的刺激により角質剥離が生じる等の皮膚刺激性が懸念される。そのため、貼付剤の皮膚密着性を高め、物理的皮膚刺激性を抑制するための方法として、油性ゲル粘着技術がある。油性ゲル粘着技術には、易剥離性吸着剤、皮膚面固定用粘着層を形成する粘着剤および液状成分等が用いられる。易剥離性吸着剤としては、例えば、架橋アクリル系粘着ポリマー、エチレン・酢酸・ビニル共重合体、またはエチレン・エチルアクリレート共重合体等が挙げられる。皮膚面固定用粘着層を形成する粘着剤としては、例えば、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤等を基本に軟化剤および添加剤等を配合して粘着性を調整したもの等が挙げられる。軟化剤としては鉱物油等が挙げられる。液状成分は、例えば粘着性を調整するために配合され、前記軟化剤や、他には脂肪酸エステル等が使用される。
本発明の経皮吸収製剤には、軟膏剤(例えば、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤等)、硬膏剤(例えば、貼付剤、湿布剤等)等が含まれる。より好ましくは、硬膏剤であり、さらに好ましくは貼付剤である。貼付剤には、例えば、プラスター剤(例えば、マトリックス(粘着単層)型貼付剤、リザーバー型貼付剤等)、パップ剤等が挙げられる。さらに、マトリックス型貼付剤には、薬剤分散型のマトリックス型貼付剤、薬剤溶解型のマトリックス型貼付剤等が含まれる。本発明において、プラスター剤、特にマトリックス型貼付剤が好ましい。マトリックス型貼付剤は、本発明化合物と、前記した外用剤用基剤から選ばれる任意の基剤を組み合わせることにより形成した粘着性を有する「薬物含有粘着剤層」、「支持体」および薬物含有粘着剤層を保護する「セパレーター」からなる貼付剤構造形成体より構成される。薬剤分散型のマトリックス型貼付剤の薬物含有粘着剤層には、非溶解型の本発明化合物か、または溶解型と非溶解型の混合型の本発明化合物が含まれ、薬剤溶解型のマトリックス型貼付剤の薬物含有粘着剤層には、溶解型の本発明化合物が含まれる。本発明において、薬剤溶解型のマトリックス型貼付剤が最も好ましい。また、薬物含有粘着剤層の厚さは、皮膚への長時間の貼付に耐え、剥離除去時の皮膚面への糊残りを生じ難くするため、プラスター剤の場合は約10μm〜約500μmが好ましく、約10μm〜約200μmがより好ましく、特に約20μm〜約200μmが好ましい。パップ剤の場合は、約300μm〜約2000μmが好ましく、約500μm〜約1500μmがより好ましい。
本発明のプラスター剤は、救急絆創膏自主基準に基づく粘着力試験法第二法(JIS−Z0237−1991粘着テープ・粘着シート試験法「180度引きはがし法」)において、引張試験機を用いた引張強度が約1N〜約12Nであることが好ましく、約1N〜約5Nであることがより好ましい。
本発明の貼付剤における薬物含有粘着剤層には、本発明化合物および粘着剤が含まれ、任意に両親媒性溶解助剤、懸濁性基剤、軟化剤、乳化剤、緩衝剤、粘着増強剤、粘着付与剤、架橋剤、皮膚刺激緩和剤、酸化防止剤および経皮透過促進剤から選択される1種以上が含まれる。好ましくは、本発明化合物および粘着剤が含まれ、任意に両親媒性溶解助剤、粘着付与剤、架橋剤、皮膚刺激緩和剤および経皮透過促進剤から選択される1種以上が含まれ、より好ましくは、粘着付与剤、軟化剤、酸化防止剤を含み、さらに任意に経皮透過促進剤を含有してなる製剤である。ここで、粘着剤、両親媒性溶解助剤、懸濁性基剤、軟化剤、酸化防止剤、乳化剤、緩衝剤、粘着増強剤、粘着付与剤、架橋剤、皮膚刺激緩和剤および経皮透過促進剤としては、前記と同じものが使用できる。
本発明の貼付剤における、粘着剤および/または粘着増強剤としては、例えば、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、ポリイソブチレン(高分子量ポリイソブチレン、低分子量ポリイソブチレンまたはそれらの任意の割合の混合物)、アクリル酸エステル樹脂、アクリル系共重合樹脂等が好ましい。スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体としては特に限定されないが、JSR株式会社製のSIS−5009、SIS−5229(いずれも商品名)等が好ましく用いられる。アクリル酸エステル樹脂としては、特に限定されないが、日本カーバイド工業株式会社製のニッセツPE−300(商品名)等が好ましく用いられる。アクリル系共重合樹脂としては、特に限定されないが、日本カーバイド工業株式会社製のニカゾールTS−620(商品名)等が好ましく用いられる。
本発明の貼付剤における粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂(例えば、マレイン化ロジングリセリンエステル、ロジン、ロジン誘導体(例えば、超淡色ロジン、超淡色ロジンエステル、酸変性超淡色ロジン、ロジン含有ジオール、超淡色ロジン金属塩等)、水素添加ロジングリセリンエステル、エステルガム等)および脂環族飽和炭化水素樹脂等が好ましい。ロジン誘導体としては、荒川化学工業株式会社製の超淡色ロジンエステルKE−311(商品名)等が好ましく用いられる。脂環族飽和炭化水素樹脂としては、特に限定されないが、荒川化学工業株式会社製のアルコンPE−100(商品名)が好ましく用いられる。
本発明の貼付剤における両親媒性溶解助剤としては、例えば、高級脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル等)、高級アルコール(例えば、ラウリルアルコール、イソプロパノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール等)、脂肪酸(例えば、カプリン酸、アジピン酸、セバシン酸、ミリスチン酸、オレイン酸等)、二塩基酸ジエステル類(例えば、セバシン酸ジエチル、セバシン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル等)、流動パラフィン類(例えば、流動パラフィン、軽質流動パラフィン等)、トリアセチン、ベンジルアルコールおよび/またはL−メントールから選ばれる1種または2種以上が好ましく、特に流動パラフィン、軽質流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピルおよびオレイルアルコールから選択される1〜3種が好ましい。軽質流動パラフィンとしては、特に限定されないが、三光化学工業株式会社製のNo.70−S(商品名)が好ましい。
本発明の貼付剤における架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート系化合物が好ましい。ポリイソシアネート系化合物としては、例えば、日本カーバイド工業株式会社製のニッセツCK−101(商品名)等が好ましい。
本発明の貼付剤における皮膚刺激緩和剤としては、例えば、クロタミトン等が好ましい。
本発明の貼付剤における経皮透過促進剤としては、例えば、脂肪酸もしくは脂肪族アルコール類(例えば、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイルアルコール、イソプロパノール、ラウリルアルコール等)、脂肪酸エステル(例えば、モノラウリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、乳酸セチル、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、ミリスチン酸イソプロピル等)、テルペン油(例えば、ハッカ油、オレンジ油、テレピン油、L−メントール、D−リモネン、メントン、ピネン、ピペリトン、テルピネン、テルピノレン、テルピノール、カルベオール等)、クロタミトン等が好ましく、特にオレイン酸、ミリスチン酸イソプロピル、D−メントール、クロタミトン、オレイルアルコール等が好ましい。
本発明の貼付剤における薬物含有粘着剤層質量における上記各外用剤用基剤の割合は、通常貼付剤として作製可能な割合であり、かつ本発明の目的を達成できる割合であれば、特に限定されない。
本発明の貼付剤における外用剤用基剤としては、例えば、粘着剤、粘着増強剤および/または粘着付与剤として(1)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびロジン誘導体の組み合わせ、(2)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体および脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせ、(3)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレンおよびロジン誘導体の組み合わせ、(4)アクリル酸エステル樹脂、(5)アクリル系共重合樹脂ならびに(6)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ロジン誘導体、ポリイソブチレンおよび脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせから選ばれる1つの基剤と、両親媒性溶解助剤、皮膚刺激緩和剤および/または軟化剤として(a)L−メントール、(b)軽質流動パラフィンおよび(c)流動パラフィンから選ばれる1以上の基剤の組み合わせが好適であり、さらに任意に経皮透過促進剤として(i)ミリスチン酸イソプロピル、(ii)クロタミトン、(iii)オレイン酸および(iv)オレイルアルコールからなる群より選択される1以上の基剤とを組み合わてもよく、あるいはさらに架橋剤としてポリイソシアネート系化合物を組み合わせてもよい。
本発明の貼付剤における外用剤用基剤としてより好ましくは、例えば、粘着剤および粘着付与剤として(1)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびロジン誘導体の組み合わせ、(2)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体および脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせ、(3)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ロジン誘導体、脂環族飽和炭化水素樹脂、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエンおよびポリイソブチレンの組み合わせから選ばれる基剤と、軟化剤として(a)軽質流動パラフィンおよび(b)流動パラフィンから選ばれる1以上の基剤であり、さらに任意に経皮透過促進剤として(i)ミリスチン酸イソプロピル、(ii)クロタミトンおよび(iii)オレイルアルコールからなる群より選択される1以上の基剤を組み合わせて用いてもよい。
本発明の貼付剤における外用剤用基剤としてさらに好ましくは、例えば、粘着剤および粘着付与剤としてスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ロジン系樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂およびポリイソブチレンからなる群より選択される1種以上の基剤であり、酸化防止剤としてジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、軟化剤として流動パラフィンおよび軽質流動パラフィンから選択される1種以上を組み合わせた基剤であり、さらに任意に用いる経皮透過促進剤としてミリスチン酸イソプロピルおよびオレイルアルコールから選択される1種以上を用いた基剤等が挙げられる。
本発明の貼付剤における本発明化合物と外用剤用基剤の特に好ましい組み合わせとしては、例えば、メチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアートおよび、粘着剤、粘着増強剤および/または粘着付与剤としてスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ロジン系樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂、高分子量ポリイソブチレンおよび低分子量ポリイソブチレンの組み合わせからなる基剤と、酸化防止剤としてジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、軟化剤として流動パラフィンとを組み合わせた基剤を含有する貼付剤等が挙げられる。さらに任意に用いる経皮透過促進剤としてオレイルアルコール等が挙げられる。
本発明のマトリックス型貼付剤の構造形成体を構成する支持体は特に限定されないが、皮膚面に貼付した際に顕著な違和感を生じない程度に柔軟性を有するものが好ましく、例えば、プラスチックフィルム(例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリエチレン、エチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等)、金属箔(例えば、アルミニウム箔等)、不織布、綿布、織布、編布、紙等からなる単層フィルムやこれらの積層フィルムが使用できる。
セパレーターは、本発明の貼付剤を使用する際に容易に剥がすことができ、セパレーターを覆う前の薬物含有粘着剤層を維持できるものであれば特に限定されない。具体的には、例えばフッ素樹脂の処理を施した紙、プラスチックフィルム(例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリエチレン、エチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等)等を使用できる。
本発明の貼付剤の好ましい投与方法は、1日1回〜4回、あるいは2〜7日の間に1回貼り替えるか、または就寝前等必要に応じて貼付する方法である。より好ましくは、1日に1回、あるいは2〜4日の間に1回貼り替えるか、または就寝前等必要な状況において貼付する方法である。
本発明の貼付剤の貼付部位は、貼付可能な位置であれば特に限定されないが、例えば、上腕部、腹部、胸部、腰背部、臀部または脚部(例えば、大腿部内側、ふくらはぎ等)等であり、1枚または2〜4枚を前記同一部位または異なる部位に貼付する。複数枚を貼付する場合、その位置は特に限定されないが、対称な位置に貼付するのが好ましい。また、皮膚刺激を避けるため、同一箇所に連続して貼付しないことが好ましい。
本発明の貼付剤の貼付面積とは、本発明化合物が貼付基剤に塗布されている面積をいう。貼付面積は、約1cm〜約200cmであることが好ましく、約1cm〜約50cmであることがより好ましく、約1cm〜約10cmであることが特に好ましい。プラスター剤である場合は、約1cm〜約200cmが好ましく、特に約1cm〜約50cmが好ましく、約1cm〜10cmが好ましい。パップ剤である場合は、約10cm〜約200cmが好ましく、約10cm〜約100cmがより好ましい。またその形状はいかなるものであってもよいが、好ましくは正方形、長方形もしくはそれらの四隅が丸いもの、円形または楕円形等、通常プラスター剤やパップ剤として用いられるものである。
当業者にとっては明らかであるが、患者における本発明の活性本体の血中濃度は、イン・ビトロ透過速度を全身クリアランスで除した値(Css)で表すことができる。
本発明の貼付剤に配合される本発明化合物の量としては、投与時間、用いる外用剤用基剤およびそれらの配合量等によっても異なるが、ヒトをはじめとする哺乳動物に経皮投与した際に、疾患の予防、治療および/または進行抑制を達成するための有効血中濃度以上から、副作用が発現する濃度を超えない範囲としては、目的を達成する濃度であれば特に限定されない。具体的には、本発明の活性本体のヒト体内での血中濃度が約0.01pg/mL〜約10pg/mL、より好ましくは約0.2pg/mL〜約4pg/mLである範囲であれば、特に限定されない。すなわち、貼付時の最高血中濃度として好ましくは約4pg/mL、さらに好ましくは約2pg/mLである。一方、貼付時の血中濃度としては6時間以上、約0.1pg/mLを下回らないことが好ましく、より好ましくは約0.2pg/mLを下回らないことが好ましい。かかる血中濃度を達成するためには例えば、1製剤中あるいは1回投与量中に、本発明化合物が約0.001mg〜約20mgが配合されていることが好ましく、約0.005mg〜約5mgが配合されていることがより好ましく、さらに好ましくは、約0.01mg〜約3mgである。また、本発明化合物の量は薬物含有粘着剤層全体の約0.002質量%〜約10質量%であることが好ましく、約0.02質量%〜約5質量%であることがより好ましく、さらに好ましくは、約0.1質量%〜約3質量%である。
貼付面積あたりの本発明化合物の配合量として好ましくは、約1μg/cm〜約2mg/cmであり、より好ましくは約1μg/cm〜約200μg/cmであり、さらに好ましくは約10μg/cm〜約100μg/cmある。
有効成分としてメチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート(化合物A)を用いる場合、用いられる外用剤用基剤は以下の組成が好ましい。
粘着剤としてはスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸共重合樹脂が好ましく、より好ましくはスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体である。スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体を用いる場合の配合量は、化合物A1質量部に対して約10質量部〜約200質量部が好ましく、より好ましくは約20質量部〜約100質量部である。アクリル酸エステル樹脂および/またはアクリル酸共重合樹脂を用いる場合の配合量は、化合物A1質量部に対して約50質量部〜約1000質量部が好ましく、約100質量部〜約500質量部がより好ましい。
粘着付与剤は単独で用いてもよく、複数のものを組み合わせて用いてもよい。粘着付与剤としてはロジン系樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂およびポリイソブチレンから選択される1以上の基剤が好適に用いられる。ロジン系樹脂を用いる場合の配合比としては、化合物A1質量部に対して約1質量部〜約100質量部が好ましく、より好ましくは約3質量部〜約10質量部である。脂環族飽和炭化水素樹脂を用いる場合の配合比としては、化合物A1質量部に対して約20質量部〜約300質量部が好ましく、約50質量部〜約100質量部がより好ましい。ポリイソブチレンを用いる場合、高分子量イソブチレン、低分子量イソブチレンのいずれも好ましく、また両者を混合して用いることも好ましい。その配合比としては化合物A1質量部に対して高分子量ポリイソブチレン約1質量部〜約100質量部および/または低分子量ポリイソブチレン約5質量部〜約200質量部が好ましく、より好ましくは高分子量ポリイソブチレン約3質量部〜約50質量部および低分子量ポリイソブチレン約10質量部〜約75質量部である。
本発明の貼付剤において、軟化剤としては流動パラフィン類が好ましいが、より好ましくは軽質流動パラフィン、流動パラフィンである。流動パラフィンの配合比としては、化合物A1質量部に対して約30質量部〜約500質量部が好ましい。
本発明の貼付剤において、経皮透過促進剤は必要により本発明の外用剤用基剤とともに用いてもよい。経皮透過促進剤として好ましくは、ミリスチン酸イソプロピル、クロタミトン、オレイン酸およびオレイルアルコールからなる群より選択される1以上の基剤であり、より好ましくはミリスチン酸イソプロピルおよびオレイルアルコールである。ミリスチン酸イソプロピルの配合比としては化合物A1質量部に対して約0.5質量部〜約20質量部が好ましく、約1質量部〜約10質量部がより好ましい。オレイルアルコールの配合比としては化合物A1質量部に対して約1質量部〜約50質量部が好ましく、約1質量部〜約30質量部がより好ましい。
本発明における製剤には、酸化防止剤としてジ−t−ブチルヒドロキシトルエンを用いてもよく、その配合比としては、化合物A1質量部に対して約0.1質量部〜約3質量部が好ましく、より好ましくは約0.15質量部〜約2質量部である。
本発明の経皮吸収製剤において、粘着剤としてスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、アクリル酸エステル樹脂およびアクリル酸共重合樹脂からなる群より選択される1種以上が好ましく、それらの配合量は1製剤中または1回投与量中に好ましくは約0.1mg〜約100mgであり、より好ましくは約1mg〜約50mgである。
本発明の貼付剤において、軟化剤として、流動パラフィン類(軽質流動パラフィンまたは流動パラフィン)を必要に応じて加えてもよく、その配合量は1製剤中または1回投与量中に約3mg〜約400mgであり、より好ましくは約10mg〜約100mgである。
本発明の貼付剤において、粘着付与剤としてポリイソブチレンを用いる場合、1製剤中または1回投与量中に高分子量ポリイソブチレン約0.3mg〜約50mgおよび/または低分子量ポリイソブチレン約1mg〜約70mg含有することが好ましく、高分子量ポリイソブチレン約1mg〜約10mgおよび低分子量ポリイソブチレン約2mg〜約20mg含有することがより好ましい。
本発明の貼付剤において、粘着付与剤としてロジン系樹脂を用いる場合、1製剤中または1回投与量中に約0.1mg〜約70mg含有することが好ましく、約0.3mg〜約50mg含有することがより好ましく、さらに好ましくは約1mg〜約20mgである。粘着付与剤として脂環族飽和炭化水素樹脂を用いる場合、1製剤中または1回投与量中に約1mg〜約100mg含有することが好ましく、より好ましくは約5mg〜約50mgである。
本発明の貼付剤において、酸化防止剤としてジ−t−ブチルヒドロキシトルエンを用いる場合、1製剤中または1回投与量中に約0.03mg〜約0.9mg含有することが好ましく、より好ましくは約0.1mg〜約0.5mgである。
本発明化合物は、溶解型、非溶解型、または溶解型と非溶解型の混合型のいずれで配合されていてもよく、安定性および安全性を保ち、本発明化合物を効率よく、かつ持続的に皮膚透過させ、本発明の活性本体に変換し、本発明の活性本体の血中濃度を調節させることができれば特に制限されない。具体的には、溶解型の本発明化合物のみを配合するか、あるいは溶解型および非溶解型の混合型の本発明化合物を配合する。
一般的に、貼付剤において、非溶解型状態の薬物は経皮吸収に関与しないが、薬物含有粘着剤層中の溶解型薬物の含有量が多いほど、速く経皮吸収される薬物量も多くなり、長時間薬効を持続させることが可能になる。言い換えれば、薬理作用の持続時間は、外用剤用基剤に対する薬物の飽和溶解度によって制限されることになる。しかし、薬物の溶解度が低い外用剤用基剤の場合は、薬物の持続時間や安定した有効血中濃度の持続が十分でないこともある。良好な薬効の持続性を得るためには、さらに溶解度の高い外用剤用基剤を使用するか、薬物を溶解させた薬物含有粘着剤層を厚くするか、薬物の含有率を高めるか、皮膚面に接する薬物含有粘着剤層の面積を大きくするか等の手段により投与量を増大させる。しかし、これらの方法は、違和感、接着性、皮膚刺激性、経済性等に問題点も多い。
貼付剤における薬物含有粘着剤層の溶解型薬物の濃度は、経皮吸収速度に直接的に影響を与え、皮膚へ吸収されることにより減少する。使用する薬物含有粘着剤層に対する飽和溶解度を超える過剰な薬物は、非溶解型薬物として薬物含有粘着剤層に分散されるので、薬物含有粘着剤層中に含有される溶解型薬物の量は、使用する外用剤用基剤により決定される。
一方、非溶解型薬物は、貼付剤における薬物含有粘着剤層中に溶解した薬物が皮膚に吸収されて減少した溶解型薬物を薬物含有粘着剤層中に供給し、補う機能を持つ。その結果、長時間にわたり高い経皮吸収速度が保持され、有効血中濃度が長時間維持される。
従って、本発明の貼付剤としては、薬物の飽和溶解度の高い薬物含有粘着剤層を選択して、溶解型の本発明化合物を含有する貼付剤を作製するか、または溶解型および非溶解型の混合型の本発明化合物を含有する貼付剤により、経皮吸収性、安定した血中濃度パターンおよび薬効持続性が良好なマトリックス型貼付剤を提供することができる。
本発明の貼付剤において、溶解型の本発明化合物とは、本発明化合物が完全に溶解された状態で薬物含有粘着剤層中に存在することであり、詳しくは薬物含有粘着剤層中に本発明化合物が目視または光学顕微鏡で観察されず、薬物含有粘着剤層が均一であることである。また、高濃度でも薬物が析出することなく、薬物含有粘着剤層に完全に溶解された状態で薬物を保持できることが好ましい。高濃度の本発明化合物を溶解型で保持するために、さらに添加剤を用いてもよい。添加剤は粘着剤との相溶性に優れ、本発明化合物を十分に溶解し、経時的に粘着剤と添加剤が分離しないものであれば特に限定されない。これにより、投与初期における経皮吸収速度に優れ、有効血中濃度を長時間維持することができる。
本発明において、溶解型および非溶解型の混合型の本発明化合物とは、本発明化合物の溶解状態と非溶解状態で薬物含有粘着剤層中に混在することである。溶解型による速やかな吸収による薬物含有粘着剤層中の本発明化合物の減少を補うべく、非溶解型の本発明化合物の再溶解が速やかに起こり、溶解した本発明化合物の吸収により薬効持続性が保持される。薬物含有粘着剤層中のすべての本発明化合物の消失速度に対する、非溶解型の本発明化合物の消失速度の比は、好ましくは約0.1以上である。消失速度の比が低い場合には、溶解型薬物の減少に対する非溶解型薬物の再溶解が不十分となるので、薬効の持続性は必ずしも良くない。
本発明の貼付剤は以下に示す一般的な方法によって製造することができる。薬物含有粘着剤層に用いる溶液または分散液は、例えば、(1)溶剤法、(2)加熱法(ホットメルト法)、または(3)カレンダー法によって作製される。溶剤法とは、化合物および外用剤用基剤を例えば、ヘキサン、ゴム揮発油、酢酸エチル、キシレン、クロロホルム等の溶剤に溶解し、溶液を展延後に溶剤を留去する方法である。好ましくは展延後約20℃〜約60℃で、約30秒〜約24時間乾燥する。加熱法は、化合物および外用剤用基剤を高熱にて溶解混合し、展延して冷却する方法である。カレンダー法とは、化合物および外用剤用基剤をミキサーで混合し、カレンダーロールで展延する方法である。また、粘度が比較的低いものは化合物および外用剤用基剤を通常のミキサーで混合し展延される。このようにして得られた薬物含有粘着剤層に用いる溶液または分散液を保護用のセパレーター上に塗布、乾燥してセパレーター上に薬物含有粘着剤層を形成し、その後、支持体を当該薬物含有粘着剤層に接着させることによって製造できる。本発明の貼付剤の製造方法は、溶剤法が好ましい。また、本発明の貼付剤の製造方法は以上の方法に限定されるものではなく、他の効率的な方法で製造してもよい。
[毒性]
本発明化合物の毒性は十分に低いため、また本発明の経皮吸収製剤は、本発明の活性本体の種々の副作用を十分に低く抑えることができるので、医薬品として安全に使用することができる。
[医薬品への適用]
本発明の活性本体は、EP4作動活性を有するので、哺乳動物(例えば、ヒト、非ヒト動物、例えば、サル、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス等)における、免疫疾患(例えば、自己免疫疾患(例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症、シェーグレン症候群、関節リウマチ、全身性エリトマトーデス(SLE)等)、臓器移植後の拒絶反応等)、喘息、骨形成異常、神経細胞死、肺傷害、肝障害、急性肝炎、腎炎、腎不全、高血圧、心筋虚血、全身性炎症反応症候群、火傷性疼痛、敗血症、血球貪食症候群、マクロファージ活性化症候群、スティル病、川崎病、熱傷、全身性肉芽腫、潰瘍性大腸炎、クローン病、透析時の高サイトカイン血症、多臓器不全、ショック、睡眠異常、血小板凝集、消化管潰瘍(例えば、胃潰瘍、十二指腸潰瘍等)、口内炎、禿頭症、脱毛症、骨疾患等の疾患の予防、治療および/または進行抑制を目的に、本発明化合物を含有する経皮吸収製剤として使用することができる。ここで、骨疾患とは、例えば、(1)骨折、癌骨転移、高カルシウム血症、ページェット病、骨欠損(歯槽骨欠損、下顎骨欠損、小児期突発性骨欠損等)、骨壊死、(2)原発性骨粗鬆症(例えば、加齢に伴う原発性骨粗鬆症、閉経に伴う原発性骨粗鬆症、卵巣摘出術に伴う原発性骨粗鬆症、椎体骨折等)、(3)二次性骨粗鬆症(例えば、グルチコルチコイド誘発性骨粗鬆症、甲状腺機能亢進性骨粗鬆症、固定誘発性骨粗鬆症、ヘパリン誘発性骨粗鬆症、免疫抑制誘発性骨粗鬆症、腎不全による骨粗鬆症、炎症性骨粗鬆症、クッシング症候群に伴う骨粗鬆症、リウマチ性骨粗鬆症等)等が挙げられる。さらにまた、本発明の活性本体は、骨の手術後の骨形成(例えば、骨折後の骨形成、骨移植後の骨形成、人工関節術後の骨形成、脊椎固定術後の骨形成、その他骨再建術後の骨形成等)の促進・治癒促進を目的に、本発明化合物を含有する経皮吸収製剤として使用することができる。また、本発明化合物は骨移植代替療法等にも用いることができる。
上記の種々の疾患のうち、本発明の活性本体の適応として最も好ましい疾患は骨疾患であり、とりわけ、骨折または椎体骨折が好ましい。また、本発明の活性本体を、骨の手術後の骨形成(例えば、骨折後の骨形成、骨移植後の骨形成、人工関節術後の骨形成、脊椎固定術後の骨形成、その他骨再建術後の骨形成等)の促進・治癒促進を目的に、本発明化合物を含有する経皮吸収製剤として使用することも好ましい。
本発明化合物は、前記疾患の予防、治療および/または進行抑制等を目的として、前記外用剤用基剤を組み合わせて患者に容易に投与可能な形態、すなわち経皮吸収製剤とした後に、生体内に投与される。
本発明化合物を用いて調製した経皮吸収製剤は、他の薬剤、例えば、ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬、ビスホスホネート製剤、ビタミンD製剤、カルシウム製剤、エストロゲン製剤、カルシトニン製剤、イプリフラボン製剤、タンパク同化ステロイド薬、ビタミンK製剤、カテプシンK阻害薬、HMG−CoA還元酵素阻害薬、副甲状腺ホルモン、成長因子、カスパーゼ−1阻害薬、PTHrP誘導体、メタロプロテイナーゼ阻害薬、ファルソネイドX受容体作動薬、抗アンドロゲン薬、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERMs)、プロゲステロン作動薬、カルシウム受容体アンタゴニスト(カルシリティクス)、ストロンチウム製剤、α−カルシトニン遺伝子関連ペプチド製剤、骨形成蛋白製剤、抗RANKL抗体、抗TNF−α抗体、抗IL−6抗体等と併用して使用してもよい。併用する薬剤は、本発明の経皮吸収製剤に含有されていてもよい。また、併用する薬剤の投与方法は特に限定されず、経口投与であっても非経口投与であってもよい。
ホスホジエステラーゼ4阻害薬としては、例えば、シロミラスト、ロフルミラスト、アロフィリン、OPC−6535、ONO−6126、IC−485、AWD−12−281、CC−10004、CC−1088、KW−4490、ZK−117137、YM−976、BY−61−9987、CC−7085、CDC−998,MEM−1414、ND−1251、Bay19−8004、D−4396、PD−168787、アチゾラム、シパムフィリン、ロリプラム、NIK−616、SCH−351591、V−11294A、OS−0217、GRC3886、NIK−639等が挙げられる。
ビスホスホネート製剤としては、例えば、アレンドロン酸ナトリウム水和物、イバンドロン酸、インカドロン酸二ナトリウム、エチドロン酸二ナトリウム、オルパドロネート、クロドロン酸ナトリウム水和物、ゾレドロン酸、チルドロン酸二ナトリウム、ネリドロネート、パミドロン酸二ナトリウム、ピリドロネート、ミノドロン酸水和物、リセドロン酸ナトリウム水和物、YM175等が挙げられる。
ビタミンD製剤としては、例えば、アルファカルシドール、ファレカルシトリオール、カルシトリオール、1α,25−ジヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロタキステロール、ST−630、KDR、ED−71、ロカルトール(Ro44−7190)、タカルシオール、マキサカルシトール等が挙げられる。
カルシウム製剤としては、例えば、塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、L−アスパラギン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム等が挙げられる。
エストロゲン製剤としては、例えば、エストラジオール、安息香酸エストラジオール、エストラジオールシピオナート、エストラジオールジプロピオナート、エストラジオールエナンタート、エストラジオールヘキサヒドロベンゾアート、エストラジオールフェニルプロピオナート、エストラジオールウンデカノアート、吉草酸エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール、メストラノール等が挙げられる。
カルシトニン製剤としては、例えば、カルシトニン、サケカルシトニン(STH−32、SMC20−51)、ニワトリカルシトニン(MCI−536)、セカルシフェロール、エルカトニン、TJN−135等が挙げられる。
イプリフラボン製剤としては、例えば、イプリフラボン等が挙げられる。
タンパク同化ステロイド薬としては、例えば、オキシメトロン、スタノゾロール、デカン酸ナンドロロン、フェニルプロピオン酸ナンドロロン、シクロヘキシルプロピオン酸ナンドロロン、酢酸メテノロン、メスタノロン、エチルエストレノール、カルステロン等が挙げられる。
ビタミンK製剤としては、例えば、メナテトレノン、フィトナジオン等が挙げられる。
カテプシンK阻害薬としては、例えば、ONO−5334、AAE581、SB462795等が挙げられる。
HMG−CoA還元酵素阻害薬としては、例えば、プラバスタチンナトリウム、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム、セリバスタチンナトリウム、イタバスタチン、アトルバスタチンカルシウム水和物、ロバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、ZD−4522、ロスバスタチン等が挙げられる。
副甲状腺ホルモン(PTH)としては、例えば、乾燥甲状腺、レボチロキシンナトリウム、リオチロニンナトリウム、プロピルチオウラシル、チアマゾール、酢酸テリパラチド等が挙げられる。
成長因子としては、例えば、線維芽細胞成長因子(FGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、肝細胞成長因子(HGF)、インシュリン様成長因子(IGF)等が挙げられる。
カスパーゼ−1阻害薬としては、例えば、ニトロフルビプロフェン、プラルナカサン等が挙げられる。
PTHrP誘導体としては、例えば、hPTHrP、RS−66271等が挙げられる。
メタロプロテイナーゼ阻害薬としては、例えば、ONO−4817等が挙げられる。
ファルネソイドX受容体作動薬としては、例えば、SR−45023A等が挙げられる。
抗アンドロゲン薬としては、例えば、酢酸オサテロン等が挙げられる。
選択的エストロゲン受容体モジュレーターとしては、例えば、TSE−424、WJ−713/MPA、酒石酸ラソフォキシフェン、塩酸ラロキシフェン、クエン酸タモキシフェン等が挙げあれる。
プロゲステロン作動薬としては、例えば、トリメゲストン等が挙げられる。
カルシウム受容体アンタゴニストとしては、例えば、NPS−423557等が挙げられる。
ストロンチウム製剤としては、例えば、ラネリック酸ストロンチウム等が挙げられる。
抗RANKL抗体としては、例えば、AMG162等が挙げられる。
骨形成蛋白製剤としては、例えば、YM484等が挙げられる。
抗TNF−α抗体としては、例えば、インフリマキシブ、エタネルセプト、アダリムバブ等が挙げられる。
以上の併用薬剤は例示であって、これらに限定されるものではない。
他の薬剤は、任意の2種以上を組み合わせて投与してもよい。また、併用する薬剤には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく今後見出されるものも含まれる。
以下、実施例を挙げて、本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
[製剤例]
実施例1
スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(以下、SISと略記する。:SIS−5229、JSR)(300mg)、超淡色ロジンエステル(KE−311、荒川化学工業)(300mg)および軽質流動パラフィン(No.70−S、三光化学工業)(400mg)を酢酸エチル(キシダ化学)(1000mg)に溶解させて、粘着液を調製した。メチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート(以下、化合物Aと略記する。)(40mg)またはPGE(40mg)を粘着液に溶解させて塗工液を調製した。塗工液を支持体(ポリエチレンフィルムCoTran9720、3Mヘルスケアー)上に、厚みが約60μmになるようにベーカー式アプリケーター(テスター産業)を用いて展延した。粘着面を室温下、18時間減圧乾燥させた。乾燥した粘着面を剥離ライナーで覆い、11mm径(0.95cm)(製剤1A)もしくは25mm径(4.9cm)(製剤1B)の円形、または10cm(3.2×3.2cm)(製剤1C)の四角形に切断して製剤(主成分量:0.2mg/cm)を得た。
実施例2
化合物A、下記表1に示す粘着剤、経皮透過促進剤およびその他の外用剤用基剤を用いて、実施例1に示される方法と同様の操作を行って(ただし、SISおよび超淡色ロジンエステルを使用した場合は、有機溶媒として酢酸エチル(化合物Aが40mgのとき、1000mgまたは、化合物Aが80mgのとき2000mgを加えた。)を使用した。)、25mm径(約4.9cm)(製剤2A)の円形、または3.2×3.2cm(約10cm)(製剤2B)の四角形に切断して製剤(主成分量:0.2mg/cm)を得た。
Figure 2006118173
表中の外用剤用基剤は以下の意味を表す。
SIS:スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS−5229、JSR)
ロジンエステル:超淡色ロジンエステル(KE−311、荒川化学工業)
OA:オレイン酸(和光純薬工業)
MIP:ミリスチン酸イソプロピル(和光純薬工業)
CT:クロタミトン(金剛化学)
軽質流動パラフィン(No.70−S、三光化学工業)
PE−300:ニッセツPE−300(アクリル酸エステル樹脂、日本カーバイト工業)
TS−620:ニカゾールTS−620(アクリル系共重合樹脂、日本カーバイト工業)
実施例3
SIS(577mg)、超淡色ロジンエステル(KE−311、荒川化学工業)(577mg)および軽質流動パラフィン(No.70−S、三光化学工業)(626mg)を酢酸エチル(キシダ化学)(2000mg)に溶解させて、粘着液を調製した。オレイルアルコール(AO−85S(商品名)、日本油脂)(200mg)および化合物A(40mg)を粘着液に溶解させて塗工液を調製した。塗工液を支持体(ポリエチレンテレフタラートフィルム)上に、約60μmの厚みになるようにベーカー式アプリケーター(テスター産業)を用いて展延した。粘着面を室温下、18時間減圧乾燥した。乾燥した粘着面を剥離ライナーで覆い、1.78cmの円形に切断して貼付用製剤(主成分量:70μg/cm)を得た。
実施例4
SIS(1731mg)、超淡色ロジンエステル(KE−311、荒川化学工業)(1731mg)および軽質流動パラフィン(No.70−S、三光化学工業)(2478mg)を酢酸エチル(キシダ化学)(6000mg)に溶解させて、粘着液を調製した。化合物A(60mg)を粘着液に溶解させて塗工液を調製した。塗工液を支持体(ポリエチレンテレフタラートフィルム)上に、厚みが約60μmになるようにベーカー式アプリケーター(テスター産業)を用いて展延した。粘着面を室温下、ドライヤーにて1分間乾燥した。乾燥した粘着面を剥離ライナーで覆い、約4cmの正方形に切断して貼付用製剤(主成分量:70μg/cm)を得た。
実施例5
SIS(1731mg)、超淡色ロジンエステル(KE−311(商品名)、荒川化学工業)(1731mg)および軽質流動パラフィン(No.70−S(商品名)、三光化学工業)(1878mg)を酢酸エチル(キシダ化学)(6000mg)に溶解させて、粘着液を調製した。また、オレイルアルコール(AO−85S(商品名)、日本油脂)(600mg)および化合物A(60mg)を粘着液に溶解させて塗工液を調製した。塗工液を支持体(ポリエチレンテレフタラートフィルム)上に、厚みが約60μmになるようにベーカー式アプリケーター(テスター産業)を用いて展延した。粘着面を室温下、ドライヤーにて1分間乾燥した。乾燥した粘着面を剥離ライナーで覆い、約4cmの正方形に切断して貼付用製剤(主成分量:70μg/cm)を得た。
実施例6
SIS(4g)、高分子量ポリイソブチレン(ビスタネックスMML−10(商品名)、エクソン化学)(0.6g)、低分子量ポリイソブチレン(オパノールB12SPN(商品名)、BASFジャパン)(1.4g)、超淡色ロジンエステル(KE−311(商品名)、荒川化学工業)(0.8g)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP−100(商品名)、荒川化学工業)(5.2g)、流動パラフィン(ハイコールM352(商品名)、カネダ)(7.56g)、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(ヨシノックス(商品名)、エーピーアイコーポレーション)(0.04g)をn−ヘキサン(20g)に溶解させて、粘着液を調製した。化合物A(0.4g)を粘着液に溶解させて塗工液を調製した。塗工液を支持体(ポリエチレンテレフタラートフィルム)上に、厚みが約60μmになるようにアプリケーターを用いて展延した。粘着面を室温下にて乾燥させた。乾燥した粘着面を剥離ライナーで覆い、約4cmの正方形に切断して貼付用製剤(主成分量:140μg/cm)を得た。
実施例7
SIS(4g)、高分子量ポリイソブチレン(ビスタネックスMML−10(商品名)、エクソン化学)(0.6g)、低分子量ポリイソブチレン(オパノールB12SPN(商品名)、BASFジャパン)(1.4g)、超淡色ロジンエステル(KE−311(商品名)、荒川化学工業)(0.8g)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP−100(商品名)、荒川化学工業)(5.2g)、流動パラフィン(ハイコールM352(商品名)、カネダ)(6.56g)、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(ヨシノックス(商品名)、エーピーアイコーポレーション)(0.04g)をn−ヘキサン(20g)に溶解させて、粘着液を調製した。また、オレイルアルコール(AO−85S(商品名)、日本油脂)(1g)および化合物A(0.4g)を粘着液に溶解させて塗工液を調製した。塗工液を支持体(ポリエチレンテレフタラートフィルム)上に、厚みが約60μmになるようにアプリケーターを用いて展延した。粘着面を室温下にて乾燥させた。乾燥した粘着面を剥離ライナーで覆い、約4cmの正方形に切断して貼付用製剤(主成分量:140μg/cm)を得た。
実施例8
SIS(4g)、高分子量ポリイソブチレン(ビスタネックスMML−10(商品名)、エクソン化学)(0.6g)、低分子量ポリイソブチレン(オパノールB12SPN(商品名)、BASFジャパン)(1.4g)、超淡色ロジンエステル(KE−311(商品名)、荒川化学工業)(0.8g)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP−100(商品名)、荒川化学工業)(5.2g)、流動パラフィン(ハイコールM352(商品名)、カネダ)(7.90g)、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(ヨシノックス(商品名)、エーピーアイコーポレーション)(0.04g)をn−ヘキサン(20g)に溶解させて、粘着液を調製した。化合物A(0.06g)を粘着液に溶解させて塗工液を調製した。塗工液を支持体(ポリエチレンテレフタラートフィルム)上に、厚みが約60μmになるようにアプリケーターを用いて展延した。粘着面を室温下にて乾燥させた。乾燥した粘着面を剥離ライナーで覆い、約4cmの正方形に切断して貼付用製剤(主成分量:30μg/cm)を得た。
実施例9
SIS(4g)、高分子量ポリイソブチレン(ビスタネックスMML−10(商品名)、エクソン化学)(0.6g)、低分子量ポリイソブチレン(オパノールB12SPN(商品名)、BASFジャパン)(1.4g)、超淡色ロジンエステル(KE−311(商品名)、荒川化学工業)(0.8g)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP−100(商品名)、荒川化学工業)(5.2g)、流動パラフィン(ハイコールM352(商品名)、カネダ)(7.76g)、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(ヨシノックス(商品名)、エーピーアイコーポレーション)(0.04g)をn−ヘキサン(20g)に溶解させて、粘着液を調製した。化合物A(0.20g)を粘着液に溶解させて塗工液を調製した。塗工液を支持体(ポリエチレンテレフタラートフィルム)上に、厚みが約60μmになるようにアプリケーターを用いて展延した。粘着面を室温下にて乾燥させた。乾燥した粘着面を剥離ライナーで覆い、約4cmの正方形に切断して貼付用製剤(主成分量:100μg/cm)を得た。
[生物学的実施例]
試験例(1):イン・ビトロ皮膚透過試験(1)
ウィスター雄性ラット(7週齢、Wister/Slc、n=3)の腹部摘出除毛皮膚をフランツ型セル(直径1.1cm)に装着した。前記の実施例1で作製した製剤1Aを、腹部摘出除毛皮膚の角質層に貼付した。真皮層側のセルにはハンクス緩衝液(HBSS)(シグマ、pH7.4)を適用した。経時的に真皮層側セルからHBSS(200μL)を採取し、以下の条件によるHPLC法により、化合物Aの活性本体である化合物BまたはPGEを定量した。24時間までの累積透過量を定量し、平均値を算出した。結果を図1に示す。
HPLC条件
化合物A(活性本体:化合物B)
カラム:YMC-Pack ODS A-302(4.6mm I.d., 150mm)、
カラム温度:50℃、
移動層:0.1%リン酸水溶液:アセトニトリル=7:3、
検出波長:220nm、
内部標準物質:p−ヒドロキシ安息香酸エチル。
PGE
カラム:YMC-Pack ODS A-302(4.6mm I.d., 150mm)、
カラム温度:30℃、
移動層:0.02Mリン酸水素カリウム水溶液:アセトニトリル=3:2、
検出波長:205nm、
内部標準物質:p−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル。
この結果より、PGEの貼付剤では、高い累積透過量が得られない一方、化合物Aの貼付剤では、高い累積透過量が得られた。なお、化合物Aは真皮層側のセルにまったく検出されなかったことから、化合物Aは皮膚透過時に活性本体である化合物Bにすべて変換されていることがわかった。
試験例(2):イン・ビトロ皮膚透過試験(2)
雄性ヘアレスラット(7週齢、HWY/Slc、n=3)の腹部摘出皮膚をフランツ型セル(直径2.5cm)に装着した。実施例1で作製した製剤1B、または実施例2(1)、2(2)、2(4)および2(6)で作製した製剤2Aを、腹部摘出皮膚の角質層に貼付した。真皮層側のセルには生理食塩水を適用した。経時的に真皮層側セルから生理食塩水(200μL)を採取し、以下の条件によるHPLC法により、化合物Bを定量した。48時間までの累積透過量を定量し、平均値を算出した。結果を図2に示す。
HPLC条件
カラム:YMC-Pack ODS A-302(4.6mm I.d., 150mm)、
カラム温度:40℃付近の一定温度、
移動層:0.1%リン酸水溶液:アセトニトリル=7:3、
検出波長:210nm、
内部標準物質:p−ヒドロキシ安息香酸エチル。
この結果より、どの外用剤用基剤の組み合わせにおいても、実施例1で作製した貼付剤と比較して、化合物Bの累積透過量が増加した。
試験例(3):血中濃度測定
雄性ヘアレスラット(10週齢、HWY/Slc、n=3)の腹部皮膚を電気バリカンで剪毛した。前記実施例1で作製した製剤1C、または実施例2(7)および実施例2(8)で作製した製剤2Bを腹部に貼付し、不織布粘着包帯(メッシュポア、No.50、ニチバン社製)を巻いて24時間閉塞した。24時間後に各製剤を除去し、投与部位を微温湯で湿らせた脱脂綿で軽く拭き取った。貼付後3、6、9、12、24、27、33、48時間に、無麻酔下、頚動脈からヘパリン処理したポリプロピレン製ディスポーサブル注射筒を用いて、採血(約0.3mL)し、血漿をポリプロピレン製容器に移した。得られた血漿は直ちに氷冷し、凍結保存した。その後、各時間における化合物Bの血漿中濃度(ng/mL)を測定し、3検体の平均を算出した。結果を図3に示す。
この結果より、実施例1で作製した貼付剤は、ラットにおける化合物Bの血中濃度は、3ng/mLに緩やかに到達したのに対して、実施例2(7)および2(8)で作製した貼付剤は貼付している24時間の間、化合物Bの血中濃度は、5ng/mL〜11ng/mLに到達し、さらにその血中濃度を持続的に維持していた。また、貼付用製剤の剥離後化合物Bは速やかに血中から消失した。
試験例(4):ヘアレスラット皮膚一次刺激性の評価
試験例(3)において、前記実施例で製造した貼付剤を雄性ヘアレスラット腹部に24時間貼付後、その貼付剤の除去時(0時間)および除去後24時間経過時の皮膚反応を観察し、表2に示すドレイズ(Draize)の評価基準[ザ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペリメンタル・セラピューティクス第83巻、377−390頁、1944年]に従って評価した。
Figure 2006118173
各検体の平均評点を算出した。さらに、各検体の平均評点から全動物の平均評点を算出して一次刺激インデックス(PII)とした。
各検体の平均評点=各検体の評点の合計/2
PII=各検体の平均評点の合計/6
安全性区分は、(i)PIIが0のときは刺激性なし、(ii)0を越えて2以下のときは弱い刺激物、(iii)2を越えて5以下のときは中程度の刺激物、(iv)5を越えるときは強い刺激物とした。
この結果、本発明の貼付剤は、いずれも皮膚一次刺激指数が1以下であり、刺激性は弱く、問題はなかった。特に浮腫は全く見られなかった。例えば、実施例2(8)で作製した製剤2BのPIIは、0.67であり、浮腫はいずれの個体でも観察されなかった。
[安定性試験]
上記実施例2(3)、2(9)および2(10)で作製した貼付剤を、それぞれ一定の大きさ(2×2cm)に切断し、質量を測定した。サンプルをシリカゲル(ドライヤーン(登録商標)、山仁薬品)とともにアルミピローに入れて密封し、(1)5℃の条件下で2週間、1ヶ月、または3ヶ月(2)25℃の条件下で2週間、1ヶ月、または3ヶ月(3)40℃で2週間、1ヶ月、または3ヶ月間保存した。保存後の各サンプルおよび保存前の各サンプルについて、HPLC法により試験例(2)に示した条件にて化合物Aを検出した。
この結果、いずれの外用剤用基剤の組み合わせでも、25℃および2週間の条件で安定であった。例えば、実施例2(3)の貼付剤における、25℃および2週間後の化合物Aの残存率は、97.5%であった。
試験例(5):ヒトの皮膚を用いた薬物透過試験
アステランド社より入手したヒト皮膚(66歳女性腹部皮膚、表皮−真皮皮膚(非熱処理)、n=3)をフランツ型セル(1.78cm)に装着し、実施例3で製造した製剤を角質層側に貼付した。真皮層側のセルには生理食塩水(8mL)を適用した。経時的に真皮層側セルから1mLを採取し、以下の条件によるLC/MS/MS法により、化合物Aおよび化合物Bを定量した。48時間までの累積透過量を定量し、平均値を算出した。
LC/MS/MS測定条件(HPLC)
測定機器パーキン・エルマーシリーズ200 マイクロポンプス・アンド・CTCアナリティクスAS 859オートサンプラー
カラム:キーストーン・ハイパーシルBDSC1830x2.1mm,3μm
溶出液:以下の表3に従って経時的に溶媒比を調節した。
Figure 2006118173
なお、表中の緩衝液は、25mM水酸化アンモニウム水溶液(pH3.5):ギ酸=15:85(体積比)を表す。
流速:300μL/分
インジェクション量:5μL
実行時間:4.5分
リテンション時間:化合物A:〜3.45分/化合物B:〜3.25分
質量分析計
機器:PE SCIEX API 3000
インターフェイス:電子スプレー(ターボイオンスプレー)
モード:マルチ反応モニタリング(MRM)
化合物Aおよびその活性本体である化合物Bのヒト皮膚透過性を測定し、その累積透過量を図4に示す。図4における累積透過量の傾きから、皮膚透過速度を算出した。化合物Aは0.16±0.04(μg/cm/hr)、化合物Bは0.07±0.01(μg/cm/hr)であった。
また、「ヒト角質−表皮皮膚の透過速度」を「全身クリアランス」で除し、ヒト予想血中濃度を算出した。ヒト予想血中濃度は、1cm貼付で0.7pg/mL、5cm貼付で3.7pg/mL、10cm貼付で7.4pg/mLであった。
なお、全身クリアランスは5.180L/hr・kg、体重60kgとして算出した。
本発明の経皮吸収製剤は、本発明の活性本体の血中濃度を安定的に持続させ、かつ副作用がなく安全であるため、医薬品として利用できる。
生物学的実施例の試験例(1)のイン・ビトロ皮膚透過試験(1)の結果である。化合物Aの累積透過量は、化合物Bの検出値を化合物Aに換算した値を表わす。 生物学的実施例の試験例(2)のイン・ビトロ皮膚透過試験(2)の結果である。 生物学的実施例の試験例(3)の血中濃度測定の結果である。 実施例3で製造した製剤を用いたヒト皮膚透過性試験の結果である。化合物Aおよび化合物Bの累積検出量を表す。

Claims (18)

  1. 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体および経皮透過促進剤を含んでいてもよい外用剤用基剤を含有してなる血中濃度調節型経皮吸収製剤。
  2. 血中濃度調節が4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸の血中濃度を、薬理作用を発現する有効な濃度以上から、副作用を発現する濃度を超えない範囲に維持することを特徴とする請求項1記載の製剤。
  3. 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体が、メチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアートである請求項2記載の製剤。
  4. 経皮吸収製剤が貼付剤である請求項3記載の製剤。
  5. 外用剤用基剤が粘着付与剤、軟化剤および/または酸化防止剤を含んでいてもよい粘着剤である請求項4記載の製剤。
  6. 粘着剤がスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、アクリル酸エステル樹脂およびアクリル系共重合樹脂からなる群より選択される1種以上であり、粘着付与剤がロジン系樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂およびポリイソブチレンからなる群より選択される1種以上であり、軟化剤が流動パラフィン類であり、酸化防止剤がジ−t−ブチルヒドロキシトルエンであり、経皮透過促進剤がミリスチン酸イソプロピル、クロタミトン、オレイン酸およびオレイルアルコールからなる群より選択される1種以上である請求項5記載の製剤。
  7. 粘着剤がスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体であり、粘着付与剤がロジン系樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂およびポリイソブチレンからなる群より選択される1種以上であり、経皮透過促進剤がオレイルアルコールである請求項6記載の製剤。
  8. 骨疾患の予防、治療および/または進行抑制剤である請求項2記載の製剤。
  9. 骨疾患が、骨折または椎体骨折である請求項8記載の製剤。
  10. 1回投与量中、1cmあたり約1μg〜約100μgの4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体を含有し、貼付面積が約1cm〜約200cmであり、以下の(1)〜(2)から選択される1以上の特性を有する貼付剤である請求項4記載の製剤:
    (1)貼付時の最高血中濃度が約4pg/mLを超えない、
    (2)貼付時に約0.1pg/mLを下回らない血中濃度を6時間以上持続する。
  11. 1回投与量中、1cmあたり約10μg〜約100μgのメチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアートおよび外用剤用基剤として、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、脂環族飽和炭化水素樹脂、流動パラフィン類、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、ロジン系樹脂およびポリイソブチレンからなる群より選択される1種以上を含有し、経皮透過促進剤としてミリスチン酸イソプロピル、クロタミトン、オレイン酸およびオレイルアルコールからなる群より選択される1種以上を含有し、貼付面積が約1cm〜約50cmであり、以下の(1)〜(3)の特性をすべて有する請求項4記載の製剤:
    (1)貼付時の最高血中濃度が約2pg/mLを超えない、
    (2)貼付時に約0.1pg/mLを下回らない血中濃度を6時間以上持続する、
    (3)皮膚血管浮腫が見られない。
  12. 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体および経皮透過促進剤を含んでいてもよい外用剤用基剤を含有してなる血中濃度調節型経皮吸収製剤を哺乳動物に投与することを特徴とする、該哺乳動物における骨疾患の予防、治療および/または進行抑制方法。
  13. 骨疾患の予防、治療および/または進行抑制剤を製造するための、4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体および経皮透過促進剤を含んでいてもよい外用剤用基剤を含有してなる血中濃度調節型経皮吸収製剤の使用。
  14. 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタン酸のエステル体および経皮透過促進剤を含んでいてもよい外用剤用基剤を含有してなる経皮吸収製剤を投与することを特徴とする、血中濃度調節方法。
  15. メチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアート1質量部に対して(i)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体約10質量部〜約200質量部、(ii)脂環族飽和炭化水素樹脂約20質量部〜約300質量部、(iii)流動パラフィン類約30質量部〜約500質量部、(iv)高分子量ポリイソブチレン約1質量部〜約100質量部、(v)低分子量ポリイソブチレン約5質量部〜約200質量部、(vi)ロジン系樹脂約1質量部〜約100質量部および(vii)ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン約0.1質量部〜約3質量部を含有してなる請求項1〜12いずれかに記載の製剤。
  16. さらにオレイルアルコール約1質量部〜約50質量部を含有してなる請求項15記載の製剤。
  17. 1回投与量中のメチル 4−{[2−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−{(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ブタ−1−エニル}−5−オキソシクロペンチル)エチル]スルファニル}ブタノアートの含有量が約0.01mg〜約3mgである請求項15記載の製剤。
  18. 1日に1回貼付する、または2日〜4日の間に1回貼り替えることを特徴とする請求項15乃至17記載の製剤。
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