JPWO2006112352A1 - 記録装置及び記録方法、並びにコンピュータプログラム - Google Patents

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Abstract

記録装置(1)は、複数種類の記録媒体(100)の夫々に、記録媒体の種類に応じた光ビーム(B)を照射することでデータを記録する記録手段(11)と、記録手段から記録媒体へ至る前記光ビームの光路中に配置され、且つ光ビームを回折させることでデータの記録用及びトラッキング処理用のメインビーム、並びにトラッキング処理用であって、トラッキング信号の振幅が最大となる複数のサブビームを生成する回折手段(12)と、記録媒体の種類に応じて複数のサブビームの夫々が集光する位置を調整するように回折手段を制御する制御手段(42)と、トラッキング信号によりトラッキング処理を実行するトラッキング手段(44)とを備える。

Description

本発明は、例えばDVDレコーダ等の記録装置及び方法、並びにコンピュータをこのような記録装置として機能させるコンピュータプログラムの技術分野に関する。
例えば、CDやDVDやBlu−ray Disc等の光ディスクにデータを記録する際には、半導体レーザのトラッキング処理(トラッキング制御)が行なわれる。トラッキング処理の一具体例として、非特許文献1に記載された3ビームトラッキング方式があげられる。3ビームトラッキング方式とは、光ピックアップから照射される光ビームを回折格子に入射させることで、主としてデータの記録に利用されるメインビームと主としてトラッキング処理に利用される二つのサブビームとを生成し、これらのサブビームを利用してトラッキング処理を行なう技術である。単層光ディスクの記録面上において、二つのサブビームのスポットは、メインビームのスポットと比較してトラックピッチの半分だけずらして配置されており、二つのサブビームの反射光を例えば二分割フォトディテクタ等により受光することで得られる光量(或いは、位相)の差を検出することでトラッキング処理を行なっている。
「光磁気ディスク用光学ヘッド」、電子材料、工業調査会、昭和63年7月1日発行、第二十七巻、第七号、p73−74
しかしながら、CDやDVDやBlu−ray Disc等の異なる光ディスクのいずれか一つにのみデータを記録する記録装置においては、上述の3ビームトラッキング方式を用いたトラッキング処理を好適に実行することができても、夫々の光ディスクにデータを記録する場合には、上述の3ビームトラッキング方式を用いたトラッキング処理を好適に実行することができないという技術的な問題点を有している。言い換えれば、夫々の光ディスクの規格(例えば、記録面上の構造やサイズ、記録容量、或いはデータの記録の態様等)が異なるがゆえに、単純にメインビームとサブビームとを光ディスクに照射するのみでは、夫々の光ディスクに対応した好適なトラッキング処理ができないという技術的な問題点を有している。三つ以上のサブビームを用いる場合も同様の問題点を有している。
本発明が解決しようとする課題は上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、複数種類の記録媒体に対して、複数の光ビームを用いたトラッキング処理を好適に行なうことが可能な記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
(記録装置)
本発明の記録装置は上記課題を解決するために、複数種類の記録媒体の夫々に、該記録媒体の種類に応じた光ビームを照射することでデータを記録する記録手段と、前記記録手段から前記記録媒体へ至る前記光ビームの光路中に配置され、且つ前記光ビームを回折させることで前記データを記録するために及びトラッキング処理を行なうために用いられるメインビーム、並びに前記トラッキング処理を行なうために用いられる複数のサブビームであって且つ該複数のサブビームの夫々若しくは一部及び前記メインビームより生成されるトラッキング信号の振幅が最大となる複数のサブビームを生成する回折手段と、前記記録媒体の種類に応じて前記複数のサブビームの夫々が集光する位置を調整するように前記回折手段を制御する制御手段と、前記トラッキング信号により前記トラッキング処理を実行するトラッキング手段とを備える。
本発明の記録装置によれば、記録手段の動作により、光ディスク等の記録媒体に対して光ビームが照射される。特に、本実施形態に係る記録装置は、複数種類の記録媒体に対してデータを記録可能に構成されている。複数種類の記録媒体に対してデータを記録するために、データの記録の対象となる記録媒体の種類に応じた光ビームが照射される。その結果、複数種類の記録媒体の夫々に対してデータを記録することができる。
本実施形態では特に、記録手段と記録媒体との間に回折手段が配置されている。より具体的には、記録手段から記録媒体へ至る光ビームの光路中に回折手段が配置されている。記録手段から照射される光ビームは、回折手段に入射した後、記録媒体(具体的には、例えばデータの記録を望む記録層)に集光される。回折手段は、記録手段から照射される光ビームを回折することで、主としてデータの記録及び記録動作の際のトラッキング処理に用いられるメインビームと、主として記録動作の際のトラッキング処理に用いられる複数のサブビームを生成する。その結果、メインビームが記録媒体に集光されることでデータが記録される。このとき、データの記録の対象となる記録媒体の種類に応じて、好適な態様で光ビームは回折する。
このとき、回折手段は、メインビーム及び複数のサブビームの夫々若しくは一部から生成されるトラッキング信号の振幅が最大となるような複数のサブビームを生成する。言い換えれば、制御手段の動作により、記録媒体の種類に応じてサブビームの夫々が集光する位置が調整されることで、回折手段は、メインビーム及び複数のサブビームの夫々若しくは一部から生成されるトラッキング信号の振幅が最大となるような複数のサブビームを生成する。つまり、トラッキング信号の振幅が最大となるような一又は複数のサブビーム或いはこのようなサブビームを含む複数のサブビームを生成する。尚、ここでの「トラッキング信号」とは、トラッキング処理を行なうために、メインビーム及び複数のサブビームの夫々ないしは少なくとも一つの反射光から得られる信号を示す広い趣旨である。そして、メインビーム及び複数のサブビームの夫々若しくは一部の反射光からはトラッキング処理を制御するためのトラッキング信号が生成される。その後、トラッキング手段の動作により、メインビーム及び複数のサブビームの夫々若しくは一部の反射光より生成されるトラッキング信号を用いてトラッキング処理が行なわれる。
一般に、複数種類の記録媒体において複数の光ビームを用いてトラッキング処理を行なうと、一の記録媒体にデータを記録している際のサブビームが集光される記録領域の態様ないしは状態と、他の記録媒体にデータを記録している際のサブビームが集光される記録領域の態様ないしは状態とが相異なる場合がある。これは、後述の実施例において図面を用いて詳細に説明するが、記録媒体毎に、例えばデータを記録する記録トラックのトラックピッチ等が異なることに起因している。このとき、夫々の記録媒体において得られるトラッキング信号が異なる場合がある。具体的には、例えば一の記録媒体において好適なトラッキング信号(例えば、振幅が最大となるようなトラッキング信号)が得られたとしても、他方の記録媒体において好適なトラッキング信号が得られない場合がある。しかしながら、本実施形態では、回折手段によって、トラッキング信号の振幅が最大となるようなサブビームが記録媒体に照射される。そして、このように生成されたサブビームを用いてトラッキング信号が生成されるため、特段の不都合を生ずることなく複数種類の記録媒体においてトラッキング処理を行なうことが可能となる。
以上の結果、本実施形態に係る記録装置によれば、複数種類の記録媒体に対して、複数の光ビームを用いたトラッキング処理を適切に行うことが可能となる。
本発明の記録装置の一の態様は、前記制御手段は、前記複数のサブビームの夫々が集光する位置を、前記メインビームのスポット(即ち、メインビームが集光することで形成されるスポット)を中心として回転させて調整するように前記回折手段を制御する。
この態様によれば、サブビームの夫々が集光する位置を変更することができる。例えば、複数のサブビームの夫々が集光する位置を結ぶ線が、メインビームの進行方向に対して交わる角度を変更することができる。これにより、データの記録が行なわれる記録媒体毎に、複数のサブビームの夫々が集光する間隔や配置等を適宜変更することができる。従って、複数種類の記録媒体に対して、複数の光ビームを用いたトラッキング処理を好適に行なうことができる。
上述の如く複数のサブビームの夫々が集光する位置を回転させる記録装置の態様では、前記制御手段は、前記記録媒体上に形成される前記データを記録するための同心円状の又はスパイラル状の記録トラックのトラックピッチに応じて、前記複数のサブビームの夫々が集光する位置を回転させるように前記回折手段を制御するように構成してもよい。
このように構成すれば、トラックピッチが異なる複数種類の記録媒体に対して、複数の光ビームを用いたトラッキング処理を好適に行うことができる。
上述の如く複数のサブビームの夫々が集光する位置を回転させる記録装置の態様では、前記制御手段は、前記光ビームの照射方向を回転軸とし且つ前記メインビームが集光される位置を中心点として、前記回折手段を所定角度回転させるように制御すように構成もよい。
このように構成すれば、比較的容易に複数のサブビームの夫々が集光する位置を回転させることができる。
上述の如く回折手段を所定角度回転させる記録装置の態様では、弾性体と、該弾性体及び前記回折手段の夫々に接続された磁石部と、該磁石部に対して磁界を印加する電磁石とを更に備えており、前記制御手段は、前記電磁石に電流を流す又は流さないことで前記回折手段を所定角度回転させるように構成してもよい。
このように構成すれば、比較的容易に回折手段を回転させることが可能となる。もちろん、この構成以外であっても、例えば電気的作用ないしは磁気的作用の少なくとも一方を用いて回折手段を回転させるように構成してもよい。
上述の如く複数のサブビームの夫々が集光する位置を回転させる記録装置の態様では、前記回折手段は液晶素子を含んでおり、前記制御手段は、前記液晶素子への電圧印加パターンを制御するように構成してもよい。
このように構成すれば、比較的容易に複数のサブビームの夫々が集光する位置を回転させることができる。
上述の如く複数のサブビームの夫々が集光する位置を回転させる記録装置の態様では、前記記録媒体には、前記データを記録するための同心円状又はスパイラル状の記録トラックが形成されており、前記制御手段は、前記複数のサブビームのうち一のサブビームが集光されるスポット(即ち、一のサブビームが集光することで形成されるスポット)の両端部分に、前記データが記録済みの前記記録トラックが配置され、且つ前記複数のサブビームのうち他のサブビームが集光されるスポット(即ち、他のサブビームが集光することで形成されるスポット)の両端部分に前記データが未記録の記録トラックが配置されるように前記回折手段を制御するように構成してもよい。
このように構成すれば、一のサブビームと他のサブビーム(即ち、複数のサブビームのうち二つのサブビーム)の夫々が形成するスポットの両端部分の記録の態様は概ね同一である。具体的には、例えば一のサブビームにおいては、メインビームの進行方向を中心とした一方の側と他方の側との夫々にデータが記録済みの記録トラックが位置し、他方、例えば他のサブビームにおいては、メインビームの進行方向を中心とした一方の側と他方の側との夫々にデータが未記録の記録トラックが位置する。言い換えれば、夫々のサブビームにおいて、その両端部分に記録の態様が異なる記録トラックは配置されない。このため、例えばメインビームの進行方向に沿って分割された二つの受光部分を有する受光素子によりサブビームの反射光が受光される場合、夫々の受光部分における反射光の光量等は概ね同一となる。従って、複数の光ビームを用いたトラッキング処理を好適に行なうことが可能となる。
本発明の記録装置の他の態様は、前記回折手段は、回折格子を備えており、前記制御手段は、前記回折格子の格子間隔を変化させるように前記回折手段を制御する。
この態様によれば、回折手段の格子間隔を変化させることで、該回折手段によって生成される複数のサブビームの夫々が集光する位置を比較的容易に変更することができる。従って、例えば、メインビームとサブビームとの間隔を広げたり或いは狭めたりすることができる。これにより、データの記録が行なわれる記録媒体毎に、複数のサブビームの夫々が集光する間隔や配置等を適宜変更することができる。従って、複数種類の記録媒体に対して、複数の光ビームを用いたトラッキング処理を好適に行なうことができる。
上述の如く回折格子の格子間隔を変化させる記録装置の態様では、前記制御手段は、前記記録媒体上に形成される前記データを記録するための同心円状の又はスパイラル状の記録トラックのトラックピッチに応じて、前記格子間隔を変化させるように前記回折手段を制御するように構成してもよい。
このように構成すれば、トラックピッチが異なる複数種類の記録媒体に対して、複数の光ビームを用いたトラッキング処理を好適に行うことができる。
上述の如く回折格子の格子間隔を変化させる記録装置の態様では、前記記録媒体には、前記データを記録するための同心円状又はスパイラル状の記録トラックが形成されており、前記制御手段は、前記複数のサブビームのうち一のサブビームが集光されるスポットの両端部分に、前記データが記録済みの前記記録トラックが配置され、且つ前記複数のサブビームのうち他のサブビームが集光されるスポットの両端部分に前記データが未記録の記録トラックが配置されるように前記回折手段を制御するように構成してもよい。
このように構成すれば、上述したように、夫々のサブビームにおいて、その両端部分に記録の態様が異なる記録トラックは配置されない。従って、上述したように、複数の光ビームを用いたトラッキング処理を好適に行なうことが可能となる。
上述の如く回折格子の格子間隔を変化させる記録装置の態様では、前記回折手段は液晶素子を含んでおり、前記制御手段は、前記液晶素子への電圧印加パターンを制御するように構成してもよい。
このように構成すれば、比較的容易に回折格子の格子間隔を変化させることができる。
本発明の記録装置の他の態様は、前記回折手段は音響光学効果を実現する音響光学素子を含んでおり、前記制御手段は、前記音響光学効果素子内に超音波を伝播する伝播手段と、前記超音波の周波数を変更する周波数変更手段とを更に備える。
この態様によれば、音響光学素子中に超音波を伝播することで、音響光学素子中において音響光学効果を発現させることができる。その結果、音響光学素子中において、屈折率の粗密の状態が生ずる。このとき、伝播する超音波の周波数を変化させることで、屈折率の粗密の間隔が変化し、結果として、複数のサブビームの夫々が集光する位置を比較的容易に変更することができる。これは、後述する回折手段の格子間隔を変化させる状態と、実質的には同等である。従って、例えば、メインビームとサブビームとの間隔を広げたり或いは狭めたりすることができる。これにより、データの記録が行なわれる記録媒体毎に、複数のサブビームの夫々が集光する間隔や配置等を適宜変更することができる。従って、複数種類の記録媒体に対して、複数の光ビームを用いたトラッキング処理を好適に行なうことができる。
上述の如く音響光学素子を含む回折手段を備える記録装置の態様では、前記周波数変更手段は、前記記録媒体上に形成される前記データを記録するための同心円状の又はスパイラル状の記録トラックのトラックピッチに応じて、前記周波数を変更するように構成してもよい。
このように構成すれば、トラックピッチが異なる複数種類の記録媒体に対して、複数の光ビームを用いたトラッキング処理を好適に行うことができる。
本発明の記録装置の他の態様は、前記メインビーム及び前記複数のサブビームの少なくとも一部の反射光を受光する受光手段を更に備えており、前記受光手段のうち前記複数のサブビームの少なくとも一部の反射光を受光する受光面は、前記複数のサブビームの夫々の集光する位置が移動する方向に沿って、分割されている。
この態様によれば、受光手段がメインビームやサブビームの反射光を受光することで、例えばトラッキング信号等が生成される。このとき、複数のサブビームの夫々が集光する位置が変化したとしても、それに伴って受光手段の受光面も、複数のサブビームの夫々が集光する位置の変化に伴って分割されているため、好適に複数のサブビームの夫々の反射光を受光することができる。従って、複数のサブビームの夫々が集光する位置が変化したとしても、トラッキング信号を好適に生成することができ、その結果好適なトラッキング処理を行うことができる。
本発明の記録装置の他の態様は、前記メインビーム及び前記複数のサブビームの少なくとも一部の反射光を受光する受光手段を更に備えており、前記受光手段のうち前記複数のサブビームの少なくとも一部の反射光を受光する受光面は、屈折率を変化させる部材を介して前記複数のサブビームの少なくとも一部の反射光を受光する。
例えば、複数のサブビームの夫々が集光する位置が変化すると、受光手段上におけるサブビームの反射光の受光位置(受光面)も変化する。このため、受光手段上において、サブビームの反射光を好適に受光することができないという技術的な問題点が生じ得る。しかるにこの態様によれば、サブビームの反射光は、屈折率を変化させる部材を介して受光手段に集光される。このため、屈折率を変化させる部材中においてサブビームの反射光の光路が変化する。従って、受光手段上においてサブビームの反射光が集光されるべき位置にサブビームの反射光が集光されるように屈折率を変化させれば、複数のサブビームの夫々が集光する位置が変化しても、好適に複数のサブビームの夫々の反射光を受光することができる。従って、複数のサブビームの夫々が集光する位置が変化したとしても、トラッキング信号を好適に生成することができ、その結果好適なトラッキング処理を行うことができる。
本発明の記録装置の他の態様は、前記屈折率を変化させる部材は、該部材への前記複数のサブビームの少なくとも一部の反射光の入射角が、前記受光手段への前記複数のサブビームの少なくとも一部の反射光の入射角よりも大きくなる形状を有している。
この態様によれば、サブビームの反射光の、屈折率を変化させる部材への入射角を相対的に大きくすることができる。従って、サブビームの反射光の光路を、より好適に変化させることができ、結果として複数のサブビームの夫々が集光する位置が変化しても、好適に複数のサブビームの夫々の反射光を受光することができる。
本発明の記録装置の他の態様は、前記記録媒体は、前記データを記録するための同心円状の又はスパイラル状の記録トラックのトラックピッチ又は前記データの記録容量が夫々異なる複数の記録層を備える。
この態様によれば、トラックピッチ(或いは、記録容量)が異なる複数の記録層を備える記録媒体に対しても、複数の光ビームを用いたトラッキング処理を好適に行うことができる。
本発明の記録装置の他の態様は、前記記録手段は、前記データを記録するための同心円状の又はスパイラル状の記録トラックのトラックピッチ又は前記記録媒体における前記データの記録容量に応じて、異なる波長の光ビームを照射する。
この態様によれば、複数種類の記録媒体に対して、複数の光ビームを用いたトラッキング処理を好適に行うことができるとともに、複数種類の記録媒体に対して好適にデータを記録することができる。
(記録方法)
本発明の記録方法は上記課題を解決するために、複数種類の記録媒体の夫々に、該記録媒体の種類に応じた光ビームを照射することでデータを記録する記録手段を備える記録装置における記録方法であって、前記光ビームを回折させることで前記データを記録するために及びトラッキング処理を行なうために用いられるメインビーム、並びに前記トラッキング処理を行なうために用いられる複数のサブビームであって且つ該複数のサブビームの夫々若しくは一部及び前記メインビームより生成されるトラッキング信号の振幅が最大となる複数のサブビームを生成する回折工程と、前記記録媒体の種類に応じて前記複数のサブビームの夫々が集光する位置を調整するように前記回折工程を制御する制御工程と、前記トラッキング信号により前記トラッキング処理を実行するトラッキング工程とを備える。
本発明の記録方法によれば、上述した本発明の記録装置が有する各種利益と同様の利益を享受することができる。
尚、上述した本発明の記録装置における各種態様に対応して、本発明の記録方法も各種態様を採ることが可能である。
(コンピュータプログラム)
本発明のコンピュータプログラムは上記課題を解決するために、上述した本発明の記録装置(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータを制御する記録制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記記録装置のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明のコンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の記録装置を比較的簡単に実現できる。
尚、上述した本発明の記録装置における各種態様に対応して、本発明のコンピュータプログラムも各種態様を採ることが可能である。
コンピュータ読取可能な媒体内のコンピュータプログラム製品は上記課題を解決するために、上述した本発明の記録装置(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータにより実行可能なプログラム命令を明白に具現化し、該コンピュータを、前記記録装置のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明のコンピュータプログラム製品によれば、当該コンピュータプログラム製品を格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラム製品をコンピュータに読み込めば、或いは、例えば伝送波である当該コンピュータプログラム製品を、通信手段を介してコンピュータにダウンロードすれば、上述した本発明の記録装置を比較的容易に実施可能となる。更に具体的には、当該コンピュータプログラム製品は、上述した本発明の記録装置として機能させるコンピュータ読取可能なコード(或いはコンピュータ読取可能な命令)から構成されてよい。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
以上説明したように、本発明の記録装置又は方法は、記録手段、回折手段、制御手段及びトラッキング手段、又は回折工程、制御工程及びトラッキング工程を備える。従って、複数種類の記録媒体に対して、3ビームトラッキング方式等を用いたトラッキング処理を適切に行うことが可能となる。
本実施例において用いられる光ディスクの概略構成を示す平面図及び断面図である。 本実施例において用いられる光ディスクの記録面における部分拡大斜視図である。 第1実施例に係る記録再生装置の基本構成を概念的に示すブロック図である。 第1実施例の変形例に係る記録再生装置の基本構成を概念的に示すブロック図である。 第1実施例に係る記録再生装置の記録動作の流れを概念的に示すフローチャートである。 光ビームの集光の態様を概念的に示す平面図である。 グレーティング素子を回転させる具体的構成を概念的に示す平面図である。 液晶素子を含むグレーティング素子の構成を概念的に示す平面図である。 第2実施例に係る記録再生装置の基本構成を概念的に示すブロック図である。 グレーティング素子のスリットを概念的に示す平面図であり、 グレーティング素子のスリットの間隔を変化させた場合の、光ディスク上における光ビームの集光の態様を概念的に示す平面図である。 光ディスクにデータを記録している場合の光ビームの放射の様子を、光ビームの進行方向と直交する方向から観察した場合の概略図である。 液晶素子を含むグレーティング素子の構成を概念的に示す平面図である。 第3実施例に係る記録再生装置の基本構成を概念的に示すブロック図である。 ホログラムレーザ上における受光素子が、光ビームの反射光を受光する態様を概念的に示す断面図である。 PDの受光面の第1の態様を概念的に示す平面図である。 PDの受光面の第2の態様を概念的に示す断面図である。 図17に示すPDに反射光が集光される様子を概念的に示す断面図である。 PDの受光面の第3の態様を概念的に示す断面図である。 PDの受光面の第4の態様を概念的に示す断面図である。 多層型ディスクに光ビームを放射する態様を概念的に示す模式図である。
符号の説明
1、2、3、4、6 記録再生装置
11 ホログラムレーザ
12 グレーティング素子
41 3ビームトラッキングサーボ回路
42 グレーティング駆動素子
43 ディスク識別回路
44 トラッキング駆動回路
45 音響光学素子超音波周波数ドライブ回路
60 制御部
100 光ディスク
111 屈折率変更素子
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例毎に順に図面に基づいて説明する。
(光ディスクの構成)
まず、本実施例に係る記録再生装置によって、データの記録及び記録されたデータの再生が行われる光ディスク100の構成について、図1及び図2を用いて説明する。ここに、図1は、光ディスク100の概略構成を示す平面図及び断面図であり、図2は、光ディスク100の記録面における部分拡大斜視図である。
図1(a)に示すように、光ディスク100は、直径12cm程度の円板形状であり、中心にセンターホール102が設けられている。光ディスク100の例としては、例えばDVD±RやDVD±RWやDVD−RAMやBD(Blu−ray Disc)やHD DVD(High Definition DVD)などが挙げられる。図1(b)に示すように、光ディスク100は、透明基板101a、101bとの間に、記録層103が設けられる構造を有している。また、記録層103の各記録領域には、センターホール102を中心にスパイラル状或いは同心円状に、図示しないグルーブトラック及びランドトラック等のトラックが交互に設けられている。このグルーブトラック及びランドトラックの夫々の上に或いはいずれか一方の上には、データがECCブロックの単位で分割されて記録される。
光ディスク100の構成を更に詳細に説明すると、図2に示すように、光ディスク100は、ディスク状の透明基板101a上に(図2では下側に)、データの記録面を構成する加熱などによる非可逆変化記録型又は相変化記録型の記録膜113が積層され、更にその上に(図2では下側)に、反射膜118が積層されて、最後に透明基板101bが積層されている。記録膜113の表面からなるデータの記録面には、グルーブトラックGT及びランドトラックLTが交互に形成されている。尚、光ディスク100の記録時及び再生時には、例えば図2に示したように、透明基板101aを介して例えばグルーブトラックGT上に、光ビームBが照射される。例えば、記録時には、記録レーザパワーで光ビームBが照射されることで、記録すべきデータに応じて、記録膜113への加熱などによる非可逆変化記録又は相変化記録が実施される。他方、再生時には、記録レーザパワーよりも弱い再生レーザパワーで光ビームBが照射されることで、記録膜113へ記録されたデータの読出しが実施される。
そして、グルーブトラックGTは、一定の振幅及び空間周波数で揺動されている。即ち、グルーブトラックGTは、ウォブリングされており、そのウォブル119の周期は所定値に設定されている。ランドトラックLT上にはプリフォーマットアドレスを示すランドプリピットLPPと呼ばれるアドレスピットが形成されている。この2つのアドレッシング(即ち、ウォブル119及びランドプリピットLPP)により記録中のディスク回転制御や記録クロックの生成、また記録アドレス等のデータ記録に必要な情報を得ることができる。尚、グルーブトラックGTのウォブル119を周波数変調や位相変調など所定の変調方式により変調することによりプリフォーマットアドレス等のデータ記録に必要な情報を予め記録するようにしてもよい。
(記録再生装置の第1実施例)
続いて、図3から図9を参照して、本発明の記録装置の第1実施例としての記録再生装置について説明する。
(1)構成
次に、本発明の記録装置の第1実施例としての記録再生装置1の構成について、図3を用いて説明する。ここに、図3は、第1実施例に係る記録再生装置1の基本構成を概念的に示すブロック図である。
図3に示すように、記録再生装置1は、光ピックアップ10と、信号処理部21と、レーザ駆動回路22と、再生部30と、3ビームトラッキングサーボ回路41と、グレーティング駆動回路42と、ディスク識別回路43と、トラッキング駆動回路44と、フォーカスサーボ回路51と、フォーカス駆動回路52と、制御部60と、スピンドルモータ70と、を備えている。記録再生装置1は、光ディスク100に対して、光ビームBを照射することによって、データを記録すると共に、光ディスク100に記録されたデータを再生する装置である。
光ピップアップ10は、ホログラムレーザ11と、グレーティング素子12と、集光レンズ13と、対物レンズ14と、対物レンズ14を保持するアクチュエータ部15と、3波長互換素子16とを備える。
ホログラムレーザ11は、本発明における「記録手段」の一具体例を構成しており、図示しないレーザチップや基板や受光素子やホログラム素子などを有して構成されている。レーザチップと受光素子は同一の基板上に配置されており、ホログラム素子は基板の光ビームBの出力側に対向して設けられている。レーザチップは光ビームBを放射し、受光素子は入力される光ビームBを受光する。ホログラム素子は、レーザチップから出力された光ビームBを、そのまま透過させると共に、当該光ビームBの入射面と反対の面から入射される光ビームを屈折させて、基板上の受光素子に集光させる。このように、ホログラムレーザ11は、光源及びディテクタとしての機能を有している。
また、第1実施例においては、トラッキング処理(トラッキング制御)を行なうために3ビームトラッキング方式を用いている。従って、光ビームBの反射光を受光する受光素子(より具体的には、後述のメインビーム及びサブビームの夫々に対応する複数の受光素子の夫々)は、その受光部分が例えば2分割(或いは、4分割)されている。例えば、受光素子は、光ビームBの光ディスク100上における進行方向を基準として、光ビームBの左側半分の反射光を受光する受光部D1と右側半分の反射光を受光する受光部D2とを有している。このように分割された受光部D1及びD2を有する受光素子からは、夫々の受光部分において得られる信号の和である総和信号や差である差分信号ないしはプッシュプル信号が、受光信号S31として出力される。
また、第1実施例におけるホログラムレーザ11は、少なくとも3つの波長に対応する光ビームBを放射可能に構成されている。例えば、光ディスク100の一具体例を構成するCDに対してデータを記録ないしは再生する際には、略780nmの波長を有する光ビームBを放射する。例えば、光ディスク100の一具体例を構成するDVDに対してデータを記録ないしは再生する際には、略650nmの波長を有する光ビームBを放射する。例えば、光ディスク100の一具体例を構成するBlu−ray DiscあるいはHD DVDに対してデータを記録ないしは再生する際には、略405nmの波長を有する光ビームBを照射する。もちろん、これら以外の波長を有する光ビームBを照射するように構成してもよい。また、単一のレーザチップを用いて複数の波長に対応する光ビームBを放射するように構成してもよいし、複数のレーザチップを用いて複数の波長に対応する光ビームBを放射するように構成してもよい。また、複数の波長のレーザを、ダイクロックミラーを用いて複数の波長に対応する光ビームBを放射するように構成してもよい。また、第1実施例におけるホログラムレーザ11は、少なくとも3つの波長に対応した光ビームBを放射するようになっているが、これは単なる一例であり、2つの波長に対応した光ビームBを放射するようにしても良い。また、ホログラムレーザ11は、1つの波長でトラックピッチが異なるディスクに対応した光ビームBを放射するものでも良い。
グレーティング素子12は、本発明における「回折手段」の一具体例を構成しており、ホログラムレーザ11から放射される光ビームBを回折させ、主としてデータを記録し且つトラッキング処理を行なうためのメインビームと、主としてトラッキング処理を行なうための二つのサブビームとを生成する。グレーティング素子12は、例えば多数のスリット(ないしは、溝)を有する透明基板を含んで構成されていてもよいし、或いは液晶素子を含む液晶スリットを含んで構成されていてもよい。
尚、以下の説明では、光ビームBと単純に表記している場合は、ホログラムレーザ11から放射される光ビームB自体を示す他、グレーティング素子12において生成されるメインビーム及び二つのサブビームの全体を示す場合もあることを注記しておく。
集光レンズ13には、入射した光ビームBを略平行光にして、対物レンズ14に入射させる。より具体的には、グレーティング素子12において生成されたメインビーム及び二つのサブビームの夫々を略平行光にして対物レンズ14に入射させる。
対物レンズ14は、アクチュエータ部15に設けられている。アクチュエータ部15は、対物レンズ14の配置位置を変更するための駆動機構を有している。アクチュエータ部15は、トラッキング駆動回路44から供給されるアクチュエータ駆動信号S44に従って、対物レンズ14の位置をトラッキング方向に移動させる。このように、トラッキング処理(トラッキング制御)が行なわれる。
また、アクチュエータ部15は、フォーカス駆動回路52から供給されるアクチュエータ駆動信号S52に従って、対物レンズ14の位置をフォーカス方向に移動させる。このようにフォーカス処理(フォーカス制御)が行なわれる。
対物レンズ14には、集光レンズ13によって略平行光にされた光ビームBが入射される。対物レンズ14は、これらの光ビームBを集光して、光ディスク100に照射する。
3波長互換素子16は、波長選択性を有する開口制御素子或いは収差補正素子を含んでおり、ホログラムレーザ11から放射される光ビームBの波長に応じて、収差補正を行ったり、或いは開口数(NA)を調整する。また、ディスクの基板厚に対応して球面収差補正を行うようにしても良い。
信号処理部21は、入力端子INを有しており、図示しない制御線を介して制御部60から供給される制御信号に基づいて、入力端子INを介して外部から入力されたデータに信号処理を施し、記録信号S21としてレーザ駆動回路22に出力する。より具体的には、信号処理部21は、外部から入力されたデータに対して、アドレスやパリティや訂正符号(ECC:Error Correction Code)やsyncフレーム(同期フレーム)を付加したり、或いはスクランブル処理を施したり、或いは8/16変調等の各種変調を行なうことで、記録信号S21を生成する。
レーザ駆動回路22は主として増幅回路により構成され、信号処理部21から入力された記録信号S21を増幅等してレーザ駆動信号S22を生成し、光ピックアップ10のホログラムレーザ11にレーザ駆動信号S22を供給する。レーザ駆動回路22における増幅率は信号処理部21により制御され、光ディスク100にデータを記録する場合には、ホログラムレーザ11から光ディスク100に相変化ないしは熱変化を生じさせることができるエネルギー量(以下、「記録パワー」という)の光ビームBが出力されるように増幅率が制御される。一方、光ディスク100に記録されているデータを再生する場合、光ディスク100において相変化ないしは熱変化が生じないエネルギー量(以下、「再生パワー」という)の光ビームBがホログラムレーザ11から出力されるように増幅率が制御される。
再生部30は、出力端子OUTを有しており、図示しない制御線を介して制御部60から供給される制御信号に基づいて、ホログラムレーザ11から供給される受光信号S31に対応した再生データを出力端子OUTに出力する。受光信号S31は、ホログラムレーザ11が受光した光ビームBの反射光を複数の受光素子などにより受光して得られる、受光素子毎の受光光量等を示す信号である。特に、本実施例では、メインビーム及び二つのサブビームの夫々に対応した受光素子などにより、光ビームBの反射光が受光され、メインビーム及び二つのサブビームの夫々に対応した受光信号S31が得られる。
3ビームトラッキングサーボ回路41は、ホログラムレーザ11から出力される受光信号S31に基づいてトラッキングサーボ制御信号(トラッキングエラー信号)S41を生成する。より具体的には、メインビームのプッシュプル信号から二つのサブビームのプッシュプル信号を減算することでトラッキングサーボ制御信号S41を生成する。その後、3ビームトラッキングサーボ回路41は、トラッキングサーボ制御信号S41をトラッキング駆動回路44に供給する。尚、3ビームトラッキング方式については、本発明の特徴部分を除いては、上述した先行技術或いはその他の従来技術と同様であるため、その基本的な説明については省略する。
グレーティング駆動回路42は、制御部60と共に本発明の「制御手段」の一具体例を構成しており、ディスク識別回路43から供給される識別信号S43に基づいて、制御部60の制御の下に、グレーティング素子12を所定角度回転させる。このグレーティング素子12の回転については後に詳述する(図7等参照)。
ディスク識別回路43は、現在光ビームBが集光されている光ディスク100の種類を識別する識別信号S43を、グレーティング駆動回路42に供給する。即ち、現在光ビームBが集光されている光ディスク100が、例えばCDであるか、例えばDVDであるか、或いは例えばBlu−ray Discであるか等を示す識別信号S43を、グレーティング駆動回路42に供給する。ディスク識別回路43は、制御部60の制御の下に、ホログラムレーザ11から出力される受光信号S31に基づいて識別信号S43を生成するように構成されてもよい。或いは、光ディスク100に記録されているディスク種別フラグを再生することで得られる受光信号S31に基づいて、識別信号S43を生成するように構成されてもよい。或いは、フォーカスサーチ時に検出されるフォーカスS字信号を測定することによって得られるディスク基板厚に基づいて、識別信号S43を生成するように構成されてもよい。具体的には、対物レンズの焦点位置がディスク表面および記録反射層と一致した時にそれぞれ出力されるフォーカスS字信号の間隔を検出することで、あるいは、フォーカスS字信号が検出された時の対物レンズの上下方向の位置を位置センサ等を用いて検出することで、光ディスクの種類を識別する。例えば検出した光ディスクの基板厚が1.2[mm]であればCDであり、例えば検出した光ディスクの基板厚が0.6[mm]であればDVDであり、或いは、例えば検出した光ディスクの基板厚が0.1[mm]ならばBlu-ray Discと判定することができる。
トラッキング駆動回路44は、制御部60と共に本発明の「トラッキング手段」の一具体例を構成しており、3ビームトラッキングサーボ回路41から供給されるトラッキングサーボ制御信号S41に基づいて、アクチュエータ駆動信号S44を生成し、アクチュエータ部15を駆動させる。即ち、トラッキング駆動回路44は、アクチュエータ駆動信号S44を供給することによってアクチュエータ部15を制御し、対物レンズ14の光ディスク100の径方向(即ち、トラッキング方向)における位置を調整する。
フォーカスサーボ回路51は、ホログラムレーザ11から出力される受光信号S31に基づいてフォーカスサーボ制御信号(フォーカスエラー信号)S51を生成する。その後、フォーカスサーボ回路51は、生成したフォーカスサーボ制御信号S51をフォーカス駆動回路52に供給する。
フォーカス駆動回路52は、フォーカスサーボ回路51から供給されるフォーカスサーボ制御信号S51に基づいて、アクチュエータ駆動信号S52を生成し、アクチュエータ部15を駆動させる。即ち、フォーカス駆動回路52は、アクチュエータ駆動信号S52を供給することによってアクチュエータ部15を制御し、対物レンズ14の光ディスク100に対する距離(即ち、フォーカス方向における位置)を調整する。
制御部60は、主としてCPU(Central Processing Unit)により構成され、図示しない制御線を介して上述の各種構成要素に制御信号を出力することで、記録再生装置1全体を制御する。
スピンドルモータ70は、ホログラムレーザ11から出力される受光信号S31より生成されるスピンドルサーボ制御信号に基づいて、所定速度で光ディスク100を回転させるように構成されている。
尚、図3における記録再生装置1は、光源及びディテクタとしての機能を共に有するホログラムレーザを用いているが、光源とディテクタとを別々の素子として構成してもよい。係る構成について、図4を参照して説明する。ここに、図4は、第1実施例の変形例に係る記録再生装置2の基本構成を概念的に示すブロック図である。尚、図3における記録再生装置1と同様の構成要件については同一の参照符号を付して、その詳細な説明については省略する。
図4に示すように、変形例に係る記録再生装置2における光ピックアップ10aは、ホログラムレーザ11に代えて、レーザチップ17と、受光素子18と、ビームスプリッタ19とを備えている。
レーザチップ17は、上述のホログラムレーザ11が有する機能のうち、光源としての機能を有している。他方、受光素子18は、上述のホログラムレーザ11が有する機能のうち、ディテクタとしての機能を有している。ビームスプリッタ19は、レーザチップ17から出力された光ビームBを、そのまま透過させると共に、当該光ビームBの入射面と反対の面から入射される光ビームを反射させて、受光素子18に集光させる。
このような構成を有する光ピックアップ10aを用いても、第1実施例に係る記録再生装置1と同様の動作を行なうことができる。もちろん、以下に説明をする第2実施例から第5実施例においても、同様の構成を採用してもよいことは言うまでもない。尚、以下の動作原理の説明においては、説明の簡略化のために、第1実施例に係る記録再生装置1を用いて説明を進める。
(2)動作原理
続いて、図5を参照して、第1実施例に係る記録再生装置1の動作原理(特に、記録動作)について説明する。ここに、図5は、第1実施例に係る記録再生装置1の記録動作の流れを概念的に示すフローチャートである。
図5に示すように、初めに、現在データを記録している光ディスク100の種別が識別される(ステップS111)。この識別は、制御部60の制御の下に、ディスク識別回路43の動作によって行なわれる。その後、識別結果である識別信号S43がグレーティング駆動回路42へ出力される。
続いて、グレーティング駆動回路42の動作により、グレーティング素子12を駆動する(即ち、所定角度回転させる)か否かが判定される(ステップS112)。例えば、現在データを記録している光ディスク100がBlu−ray Discであれば、グレーティング素子12を駆動しないと判定してもよい。他方、現在データを記録している光ディスク100がCDないしはDVDであれば、グレーティング素子12を所定角度回転させると判定してもよい。
この判定の結果、グレーティング素子12を回転させると判定された場合(ステップS112:Yes)、グレーティング駆動回路42は、グレーティング素子12を所定角度回転させる(ステップS113)。具体的には、グレーティング駆動回路42は、識別信号S43に基づいて、グレーティング素子12を所定の方向に向かって所定角度回転させる。
他方、グレーティング素子12を回転させないと判定された場合(ステップS112:No)、グレーティング駆動回路42は、グレーティング素子12を回転させない。
続いて、光ビームBの反射光がホログラムレーザ11の受光素子において受光されることで生成される受光信号S31に基づいて、3ビームトラッキングサーボ回路41の動作により、トラッキングサーボ制御信号S41が生成される(ステップS114)。その後、生成されたトラッキングサーボ制御信号S41に基づいてトラッキング処理が行なわれる(ステップS115)。係るトラッキング処理が行われた後に、データの記録が開始される(ステップS101)。
その後、制御部60の制御の下に、記録動作を終了するか否かが判定される(ステップS121)。この判定の結果、記録動作を終了すると判定された場合(ステップS121:Yes)、そのまま記録動作を終了し、適宜光ディスク100にファイナライズ処理を施したり、或いは記録再生装置1から光ディスク100をイジェクトしてもよい。また、グレーティング素子12の回転を微調整可能な場合は、データの記録前あるいは記録途中に適宜回転調整を行い、トラッキングエラー信号の振幅が最大になるようにしても良い。
このように、本実施例では、データを記録する光ディスク100の種別に応じて、選択的にグレーティング素子12を所定角度回転させている。この理由について、図6を参照して説明する。ここに、図6は、光ビームBの集光の態様を概念的に示す平面図である。尚、図6では、光ビームB(即ち、メインビーム及び二つのサブビーム)が記録層上で形成するスポットを図示しているが、図6におけるスポットの径等はあくまでも目安的な例示であり、実際のスポットの大きさを忠実に示しているものではない。
図6(a)から図6(c)に示すように、メインビームは、現在データを記録しているグルーブトラックGT上にスポットを形成する。また、メインビームが形成するスポットとトラックピッチTpの半分の距離だけずれた位置に(具体的には、データを記録中のグルーブトラックGTに隣接する二つのランドトラックLT上に)、二つのサブビームがスポットを形成している。データは光ディスク100の内周側から外周側に向かって記録されるため、ここでは、図6(a)から図6(c)中メインビームが形成するスポットの右上に(即ち、外周側に)スポットを形成するサブビームを先行ビームと称し、図6(a)から図6(c)中メインビームが形成するスポットの左下に(即ち、内周側に)スポットを形成するサブビームを後行ビームと称する。また、図6(a)から図6(c)においては、既にデータが記録された記録部分を網掛け模様にて示している。即ち、先行ビームが形成するスポットの両端部分に位置するグルーブトラックGTにはデータは記録されていない。他方、後行ビームが形成するスポットの両端部分に位置するグルーブトラックGTにはデータが記録されている。
このとき、メインビームが形成するスポットの中心がグルーブトラックGTの略中心からずれていない場合には、先行ビーム及び後行ビームの夫々が形成するスポットの中心は、ランドトラックLTの略中心に形成される。このため、2分割された受光部D1及びD2の夫々において受光される先行ビームの反射光の光量等は略同一であり、また2分割された受光部D1及びD2の夫々において受光される後行ビームの反射光の光量等は略同一である。即ち、先行ビームが形成するスポットの右側部分及び左側部分の夫々の反射光の光量等は相等しく、後行ビームが形成するスポットの右側部分及び左側部分の夫々の反射光の光量等は相等しい。
他方、メインビームが形成するスポットの中心がグルーブトラックGTの略中心から例えば右側にずれた場合には、先行ビーム及び後行ビームの夫々が形成するスポットの中心は、ランドトラックLTの略中心から右側にずれた位置に形成される。このため、2分割された受光部D1及びD2の夫々において受光される先行ビームの反射光の光量等は相異なり、また2分割された受光部D1及びD2の夫々において受光される後行ビームの反射光の光量等は相異なる。即ち、先行ビームが形成するスポットの右側部分及び左側部分の夫々の反射光の光量等は相異なり、後行ビームが形成するスポットの右側部分及び左側部分の夫々の反射光の光量等は相異なる。係る光量等の相違を反映して生成されるトラッキングサーボ制御信号S41に基づいて、これらが相等しくなるようなトラッキング処理が行なわれる。
図6(a)においては、トラックピッチTpが概ね0.32μmないしは0.35μmである光ディスク100(具体的には、例えばBlu−ray Disc等)にデータを記録している態様を示している。この場合、二つのサブビームを結ぶ線が、メインビームの進行方向に対して交わる角度は、θ1となっている。
他方、図6(b)は、トラックピッチTpが概ね0.74μmである光ディスク(具体的には、例えばDVD等)にデータを記録する態様を示している。この場合、グレーティング素子12が所定角度回転しているため、二つのサブビームを結ぶ線が、メインビームの進行方向に対して交わる角度は、θ2(θ2>θ1)となっている。従って、メインビームが形成するスポットの中心がグルーブトラックGTの略中心からずれていない場合には、先行ビーム及び後行ビームの夫々が形成するスポットの中心は、ランドトラックLTの略中心に形成される。更には、先行ビームが形成するスポットの両端部分に位置するグルーブトラックGTにはデータは記録されておらず、後行ビームが形成するスポットの両端部分に位置するグルーブトラックGTにはデータが記録されている状態が維持されている。言い換えれば、メインビームが形成するスポットの中心がグルーブトラックGTの略中心からずれていない場合において、先行ビーム及び後行ビームの夫々が形成するスポットの中心がランドトラックLTの略中心に形成され、且つ先行ビームが形成するスポットの両端部分に位置するグルーブトラックGTにはデータは記録されておらず、後行ビームが形成するスポットの両端部分に位置するグルーブトラックGTにはデータが記録されている状態が維持されるように、グレーティング素子12が所定の方向に所定角度回転する。更に言い換えれば、メインビームが形成するスポットの中心がグルーブトラックGTの略中心からずれていない場合において、トラッキングエラー信号の振幅が最大となるように、グレーティング素子12が所定の方向に所定角度回転する。
他方、図6(c)は、トラックピッチTpが概ね1.6μmである光ディスク(具体的には、例えばCD等)にデータを記録する態様を示している。この場合、グレーティング素子12が所定角度回転しているため、二つのサブビームを結ぶ線が、メインビームの進行方向に対して交わる角度は、θ3(θ3>θ2>θ1)となっている。従って、メインビームが形成するスポットの中心がグルーブトラックGTの略中心からずれていない場合には、先行ビーム及び後行ビームの夫々が形成するスポットの中心は、ランドトラックLTの略中心に形成される。更には、先行ビームが形成するスポットの両端部分に位置するグルーブトラックGTにはデータは記録されておらず、後行ビームが形成するスポットの両端部分に位置するグルーブトラックGTにはデータが記録されている状態が維持されている。言い換えれば、メインビームが形成するスポットの中心がグルーブトラックGTの略中心からずれていない場合において、先行ビーム及び後行ビームの夫々が形成するスポットの中心がランドトラックLTの略中心に形成され、且つ先行ビームが形成するスポットの両端部分に位置するグルーブトラックGTにはデータは記録されておらず、後行ビームが形成するスポットの両端部分に位置するグルーブトラックGTにはデータが記録されている状態が維持されるように、グレーティング素子12が所定の方向に所定角度回転する。更に言い換えれば、メインビームが形成するスポットの中心がグルーブトラックGTの略中心からずれていない場合において、トラッキングエラー信号の振幅が最大となるように、グレーティング素子12が所定の方向に所定角度回転する。
ここで、グレーティング素子12を回転させない場合について考察する。グレーティング素子12を回転させなければ、先行ビーム及び後行ビームの夫々が形成するスポットの位置(具体的には、メインビームとの間の間隔や、二つのサブビームを結ぶ線が、メインビームの進行方向に対して交わる角度等)は変わらない。従って、DVDやCDにデータを記録している場合の先行ビームは、図6(b)や図6(c)に示すスポットの位置よりも内周側にスポットを形成する。他方、DVDやCDにデータを記録している場合の後行ビームは、図6(b)や図6(c)に示すスポットの位置よりも外周側にスポットを形成する。このため、メインビームが形成するスポットの中心がグルーブトラックGTの略中心からずれていない場合であっても、先行ビームや後行ビームが形成するスポットの中心は、ランドトラックLTの略中心からずれた位置に形成される。このため、先行ビームが形成するスポットの右側部分及び左側部分の夫々の反射光の光量等は相異なり、後行ビームが形成するスポットの右側部分及び左側部分の夫々の反射光の光量等は相異なる。このため、グレーティング素子12を回転させない場合には、トラッキングズレが発生していない場合であっても、あたかもトラッキングズレが発生しているように認識され得る。その結果、誤ったトラッキングサーボ制御信号に基づいた誤ったトラッキング処理が行なわれ得るという不都合が生ずる。
しかるに、第1実施例に係る記録再生装置1によれば、データを記録する光ディスク100の種別に応じて(この場合、具体的にはトラックピッチTp、もしくはビームの波長に応じて)グレーティング素子12を回転させることで、サブビームのスポットの位置を変化させている。このため、データを記録する光ディスク100の種別が変わったとしても、メインビームが形成するスポットの中心がグルーブトラックGTの略中心からずれていない場合には、先行ビーム及び後行ビームの夫々が形成するスポットの中心は、ランドトラックLTの略中心に形成される。更には、先行ビームが形成するスポットの両端部分に位置するグルーブトラックGTにはデータは記録されておらず、後行ビームが形成するスポットの両端部分に位置するグルーブトラックGTにはデータが記録されている状態が維持される。言い換えれば、トラッキングエラー信号の振幅が最大となるような状態が維持される。このため、複数種類の光ディスク100に対して、好適に3ビームトラッキング方式を用いたトラッキング処理が行われる。
また、光ディスク100の種別に対応して、複数のグレーティング素子12を用意する必要がなくなる。このため、記録再生装置1の構成を大幅に簡略化することが可能となる。
ここで、図7を参照して、グレーティング素子12を回転させる具体的構成について説明する。ここに、図7は、グレーティング素子12を回転させる具体的構成を概念的に示す平面図である。
図7(a)に示すように、グレーティング駆動回路42は、電流を流すことで磁界を発生させる電磁石421と、グレーティング素子12に固定された磁石422と、磁石422及びピックアップ10本体に固定された例えばバネやゴムやその他弾力を有する部材を含む弾性体423とを備えている。
電磁石421には、ディスク識別回路43から識別信号S43が供給されており、該識別信号S43に従って、電磁石421のコイルに供給される電流のオン・オフが制御される。電流がオンになった場合、電磁石421には磁界が発生する。他方、電流がオフになった場合、電磁石421には磁界は発生しない。従って、例えば光ディスク100の一具体例を構成するBlu−ray Discにデータを記録している場合には、電流をオフにすることで、図7(a)に示すようにグレーティング素子12は回転することなく(即ち、初期状態にあり)、メインビーム及びサブビームの夫々は、図6(a)に示すようなスポットを記録面上に形成する。他方、例えば光ディスク100の一具体例を構成するDVDやCD等にデータを記録している場合には、電流をオンにすることで電磁石421に磁界を発生させ、磁石422との間に引力を作用させる。その結果、図7(b)に示すように、電磁石421と磁石422とが接合し、グレーティング素子12が所定角度回転し、メインビーム及びサブビームの夫々は、図6(b)ないしは図6(c)に示すようなスポットを記録面上に形成する。このとき、コイルに供給する電流の大きさを調整することで、引力の大きさを制御し、その結果グレーティング素子12が回転する角度の大きさを制御するように構成してもよい。CDやDVD等にデータを記録した後に改めてBlu−ray Discにデータを記録する場合には、コイルに供給される電流をオフにすることで、弾性体423の弾力によって、電磁石421と磁石422とが離れ、図6(a)の状態に戻る。このように、電磁石等を用いることで、比較的容易にグレーティング素子12を所定角度回転させることができる。
尚、コイルに供給される電流のオン・オフに代えて、コイルに供給される電流の向きを変化させることで、磁石422との間に引力ないしは斥力を作用させるように構成してもよい。
或いは、図7に示すように物理的にスリットの角度を変化させることに代えて、図8に示すように、液晶素子を含むグレーティング素子12(以下、適宜“液晶グレーティング素子12a)と称する)を用いて、電気的にスリットの角度(ないしは、スリットの配置等)を変化させるように構成してもよい。ここに、図8は、液晶素子を含むグレーティング素子の構成を概念的に示す平面図である。
図8(a)に示すように、複数の第1電極121と、該第1電極121とは異なる方向に沿って形成される複数の第2電極122と、該第1電極121及び第2電極122との夫々とは異なる方向に沿って形成される複数の第3電極123とを備える液晶グレーティング素子12aを用いてもよい。例えばBlu−ray Discにデータを記録する場合には、第1電極121を用いて液晶素子に電圧を印加することで、第1電極121のパターンに従ってスリットが形成される。また、例えばDVDにデータを記録する場合には、第2電極122を用いて液晶素子に電圧を印加することで、第2電極122のパターンに従ってスリットが形成される。また、例えばCDにデータを記録する場合には、第3電極123を用いて液晶素子に電圧を印加することで、第3電極123のパターンに従ってスリットが形成される。即ち、液晶素子に電圧を印加する際に用いる電極を変えれば(即ち、液晶素子駆動用の電流を供給する電極を変えれば)、比較的容易に、液晶グレーティング素子12aのスリットの角度を変化させることができる。
このような液晶グレーティング素子12aは、図8(b)に示すように、第1電極121と、第2電極122と、第3電極123と、絶縁層124と、液晶素子125と、他端電極126とがこの順に積層される。第1電極121、第2電極122及び第3電極123の夫々は、図8(a)に示したようにパターン化されており、また第1電極121と第2電極122との間及び第2電極122と第3電極123との間には絶縁層124が形成されているため、第1電極121、第2電極122及び第3電極123の夫々が干渉ないしは短絡することもない。従って、第1実施例に係る記録再生装置1に用いられる液晶グレーティング素子12aを、比較的容易に実現することができる。或いは、三つの液晶グレーティング素子が積層された液晶グレーティング素子を、第1実施例に係る記録再生装置1に用いられる液晶グレーティング素子12aとして用いてもよい。
尚、上述の第1実施例では、光ディスク100の一具体例を構成するCDやDVDにデータを記録する場合にグレーティング素子12を所定角度回転させる態様を例示した。しかしながら、必要に応じて、グレーティング素子12を所定角度回転させるべき光ディスク100の種別を変えてもよいことは言うまでもない。要は、上述したように好適なトラッキング処理を行なうことができれば、グレーティング素子12を回転させる場合の光ディスク100の種別はいずれであってもよい。
(記録再生装置の第2実施例)
続いて、図9から図13を参照して、本発明の記録装置の第2実施例としての記録再生装置について説明する。尚、上述の第1実施例と同様の構成要件ないしは動作ステップについては同一の参照符号ないしはステップ番号を付して、その詳細な説明については省略する。
(1)基本構成
初めに、第2実施例に係る記録再生装置3の構成について、図9を用いて説明する。ここに、図9は、第2実施例に係る記録再生装置3の基本構成を概念的に示すブロック図である。
図9に示すように、第2実施例に係る記録再生装置3は、光ピックアップ10bと、信号処理部21と、レーザ駆動回路22と、再生部30と、3ビームトラッキングサーボ回路41と、グレーティング駆動回路42bと、ディスク識別回路43と、トラッキング駆動回路44と、フォーカスサーボ回路51と、フォーカス駆動回路52と、制御部60と、スピンドルモータ70と、を備えている。
第2実施例では特に、光ピックアップ10b中に含まれるグレーティング素子12bは、本発明における「回折手段」の一具体例を構成しており、スリットの間隔が任意にないしは所定のルールに従って変化するように構成されている。
グレーティング駆動回路42bは、制御部60と共に本発明の「制御手段」の一具体例を構成しており、ディスク識別回路43から供給される識別信号S43に基づいて、制御部60の制御の下に、グレーティング素子12bのスリットの間隔を変化させる。このグレーティング素子12bのスリットの間隔の変化については後に詳述する(図10等参照)。
(2)動作原理
続いて、図10及び図11を参照して、第2実施例に係る記録再生装置3の動作原理(特に、記録動作)について説明する。特にここでは、グレーティング素子12bのスリットの間隔の変化に焦点を当てて説明を進める。ここに、図10は、グレーティング素子12bのスリットを概念的に示す平面図であり、図11は、グレーティング素子12bのスリットの間隔を変化させた場合の、光ディスク100上における光ビームBの集光の態様を概念的に示す平面図である。尚、動作の流れとしては、第1実施例における記録再生装置1と概ね同様である。
図10(a)に示すように、例えば光ディスク100の一具体例を構成するCDにデータを記録する際には、グレーティング素子12bのスリットの間隔がd1であるとする。このときの光ディスク100上における光ビームBの集光の態様は、図11(a)に示すように、メインビームが形成するスポットの中心がグルーブトラックGTの略中心からずれていない場合には、先行ビーム及び後行ビームの夫々が形成するスポットの中心は、ランドトラックLTの略中心に形成される。
他方、図10(b)に示すように、例えば光ディスク100の一具体例を構成するDVDにデータを記録する際には、グレーティング素子12bのスリットの間隔をd1からd2へと変化させる。即ち、CDにデータを記録する場合と比較して、スリットの間隔をより小さくしている。このときの光ディスク100上における光ビームBの集光の態様は、図11(b)の実線にて示すように、先行ビームはより内周側にスポットを形成し、後行ビームはより外周側にスポットを形成する。但し、グレーティング素子12bのスリットの間隔が変化したに過ぎないため、二つのサブビームを結ぶ線が、メインビームの進行方向に対して交わる角度は、図11(a)の場合と同一である。
このとき、メインビームが形成するスポットの中心がグルーブトラックGTの略中心からずれていない場合には、先行ビーム及び後行ビームの夫々が形成するスポットの中心がランドトラックLTの略中心に形成される状態を維持することができるように、グレーティング素子12bのスリットの間隔を変化させる。
ここで、スリットの間隔について、図12を参照して説明する。ここに、図12は、光ディスク100にデータを記録している場合の光ビームBの放射の様子を、光ビームBの進行方向と直交する方向から観察した場合の概略図である。
図12に示すように、グレーティング素子12bにおいて生成されるメインビームの進行方向とサブビームの進行方向との間の角度をθとし、グレーティング素子12bのスリットの間隔をdとし、光ビームBの波長をλとすると、sinθ=λ/dの関係が成立する。一方で、光ディスク100上におけるメインビームが形成するスポットの中心とサブビームが形成するスポットの中心との間隔iは、光ディスク100の表面から記録層103までの距離(即ち、基板101bの厚さ)tと、θと、基板101bの屈折率nによって定まる。他方で、光ディスク100上におけるメインビームが形成するスポットの中心とサブビームが形成するスポットの中心との間隔iは、トラックピッチTpによって定まる。まとめると、トラックピッチTpにより光ディスク100上におけるメインビームが形成するスポットの中心とサブビームが形成するスポットの中心との間隔iが決定し、基板101bの厚さtと屈折率nと光ビームBの波長λより、適切なスリットの間隔dを決定することができる。
従って、第2実施例に係る記録再生装置3は、図12における各関係を考慮した上で、メインビームが形成するスポットの中心がグルーブトラックGTの略中心からずれていない場合には、先行ビーム及び後行ビームの夫々が形成するスポットの中心がランドトラックLTの略中心に形成される状態を維持することができるように、グレーティング素子12bのスリットの間隔を変化させている。言い換えれば、第2実施例に係る記録再生装置3は、図12における各関係を考慮した上で、トラッキングエラー信号の振幅が最大となるようにスリットの間隔を変化させる。これにより、第1実施例における記録再生装置1と同様に、複数種類の光ディスク100に対して、3ビームトラッキング方式を用いたトラッキング処理を適切に行うことが可能となる。
尚、第2実施例においては、グレーティング素子12bとして、図13に示すような液晶グレーティング素子12dを用いることが好ましい。即ち、具体的には、例えば、CDにデータを記録する際の好適なスリットの間隔を実現できる第1電極121bと、DVDにデータを記録する際の好適なスリットの間隔を実現できる第2電極122bと、Blu−ray Discにデータを記録する際の好適なスリットの間隔を実現できる第3電極123bとを備える液晶グレーティング素子12dを用いることが好ましい。
(記録再生装置の第3実施例)
続いて、図14を参照して、本発明の記録再生装置の第3実施例としての記録再生装置について説明する。ここに、図14は、第3実施例に係る記録再生装置4の基本構成を概念的に示すブロック図である。尚、上述の第1実施例や第2実施例と同様の構成要件ないしは動作ステップについては同一の参照符号ないしはステップ番号を付して、その詳細な説明については省略する。
図14に示すように、第3実施例に係る記録再生装置4は、光ピックアップ10cと、信号処理部21と、レーザ駆動回路22と、再生部30と、3ビームトラッキングサーボ回路41と、ディスク識別回路43と、トラッキング駆動回路44と、フォーカスサーボ回路51と、フォーカス駆動回路52と、制御部60と、スピンドルモータ70と、を備えている。
第3実施例に係る記録再生装置4では特に、光ピックアップ10cは、グレーティング素子に代えて、本発明における「伝播手段」の一具体例を構成するトランスジューサー121cが貼り付けられた音響光学素子12cを備えている。音響光学素子は、例えば二酸化テルル(TeO)やモリブデン酸鉛(PbMoO)等の光学結晶を含んでいる。また、トランスジューサーとして、例えばニオブ酸リチウム(LiNbO)圧電薄膜等が一具体例としてあげられる。
また、記録再生装置4は、本発明の「周波数変更手段」の一具体例を構成する音響光学素子超音波周波数ドライブ回路45を備えている。音響光学素子超音波周波数ドライブ回路45は、トランスジューサー121cを介して音響光学素子12c中に超音波を伝播する。特に、音響光学超音波周波数ドライブ回路45は、伝播される超音波の周波数を任意に設定可能に構成されている。
このように音響光学素子12c中に超音波が伝播されると、音響光学効果により、音響光学素子12c中に、屈折率が粗密(ないしは、屈折率の周期的な大小の分布)の状態が生ずる。このように屈折率が粗密の状態が生じている音響光学素子12cに光ビームBを入射させると、光ビームBは回折し、例えばメインビーム(0次光)と二つのサブビーム(1次光)等とが生成される。これは、音響光学素子12cが多数のスリットを有するグレーティング素子と同等の機能を有することを示している。
このとき、伝播される超音波の周波数を変化させることで、この屈折率の粗密の間隔が変化する。従って、実質的にグレーティング素子のスリットの間隔を変化させるのと同等の状態を実現することができる。つまり、第3実施例に係る記録再生装置4は、第2実施例に係る記録再生装置3と同様の動作を行なうことができる。これにより、第3実施例に係る記録再生装置4も、複数種類の光ディスク100に対して、3ビームトラッキング方式を用いたトラッキング処理を適切に行うことが可能となる。
(受光素子の具体的構造)
続いて、図15を参照して、ホログラムレーザ11上における受光素子が、光ビームBの反射光を受光する態様について説明する。ここに、図15は、ホログラムレーザ11上における受光素子が、光ビームBの反射光を受光する態様を概念的に示す断面図である。
上述の第1実施例から第3実施例においては、光ディスク100の種別に応じて、サブビームの光路が変化する。言い換えれば、サブビームが形成するスポットの、光ディスク100上における位置が変化する。例えば、第1実施例においては、サブビームが形成するスポットが、メインビームが形成するスポットを中心に回転し、第2実施例や第3実施例においては、サブビームが形成するスポットが、メインビームが形成するスポットに近づくないしは遠ざかる。このため、係るサブビームの反射光をホログラムレーザ11において受光する際に、以下の点で技術的な問題が生ずる。
図15(a)に示すように、本来メインビームと例えば二つのサブビームの反射光は、ホログラムレーザ11上の受光素子(フォトディテクタ:PD)に集光される。具体的には、メインビームはメインビーム用PDに集光され、二つのサブビームは夫々対応するサブビーム用PDに集光される。
このとき、グレーティング素子12を回転させたり、或いはグレーティング素子12cのスリットの間隔を変化させることで、サブビームの光路が変化する。従って、図15(b)に示すように、その反射光の光路も当然に変化し、二つのサブビームの夫々が、対応するサブビーム用PDに集光されなくなってしまう。これでは、トラッキングサーボ制御信号等を好適に生成することが困難ないしは不可能となり得、結果として好適にトラッキング処理を行うことが困難ないしは不可能となり得るという技術的な問題が生ずる。
従って、上述の第1実施例から第3実施例においては、図16から図20を参照して説明する以下の対応をとることが好ましい。ここに、図16は、PDの受光面の第1の態様を概念的に示す平面図であり、図17は、PDの受光面の第2の態様を概念的に示す断面図であり、図18は、図17に示すPDに反射光が集光される様子を概念的に示す断面図であり、図19は、PDの受光面の第3の態様を概念的に示す断面図であり、図20は、PDの受光面の第4の態様を概念的に示す断面図である。
図16に示すように、サブビーム用PDの受光面は、サブビームの反射光が集光する位置の移動の方向に沿って長辺を有していてもよい。即ち、サブビーム用PDの受光面は、サブビームの反射光が集光する位置が移動しても、該サブビームの反射光を集光できるような大きさを有していてもよい。このとき、サブビーム用PDの分割の方向は、サブビームの反射光が集光する位置の移動の方向と同一である。即ち、グレーティング素子12の回転等によってサブビームの反射光が集光する位置が変わったとしても、該反射光のうち、メインビームの進行方向に対して右側部分と左側部分の夫々を受光することができるように、サブビーム用PDは分割されている。
このような構成を有するPDを備える記録再生装置であれば、サブビームが形成するスポットが集光する位置が変化したとしても、その反射光を好適に受光することができ、その結果、好適にトラッキング処理を行うことが可能となる。
図17に示すように、夫々のPD上に、屈折率を適宜変更可能な素子(以降、適宜“屈折率変更素子”と称する)111を設けるように構成してもよい。屈折率変更素子111の屈折率は、例えば制御部60の制御の下に、サブビームの反射光がPD上に集光するような屈折率となるように変更される。この屈折率の変更は例えば、サブビームの光路ないしはサブビームの角度(例えば、メインビームの進行方向に対するサブビームの進行方向がなす角度)に応じて行われてもよいし、データを記録する光ディスク100の種類に応じて行われてもよいし、或いはグレーティング素子12のスリットの間隔に応じて行われてもよい。いずれにせよ、屈折率変更素子111の屈折率を適宜変更することで、サブビームの反射光がPD上に集光される。
具体的には、図18(a)に示すように、メインビームとサブビームとの夫々の反射光の角度がx1のときには、メインビームとサブビームとの夫々の反射光は、対応するPD上に集光している。
他方で、グレーティング素子12の回転等によって、サブビームの光路等が変化したときには、図18(b)に示すように、サブビームの反射光の光路も変化する。具体的には、メインビームの反射光の進行方向に対するサブビームの夫々の反射光の進行方向の角度がx1からx2へと変化する。このとき、屈折率変更素子111の屈折率を変更しなければ、サブビームの反射光は、太い鎖線にて示すように、サブビーム用PD上に集光しない。このため、サブビームの光路等が変化したときには、太い実線にて示すように、サブビームの反射光がPD上に集光するように屈折率変更素子111の屈折率を変更する。
このように、屈折率変更素子111の屈折率を適宜変更することで、サブビームの光路等が変化しても、その反射光を好適に受光することができ、その結果、好適にトラッキング処理を行うことが可能となる。
尚、図17や図18において示した屈折率変更素子111は、サブビームの反射光の屈折率変更素子111への入射角が相対的に大きい場合には、効果的に反射光の光路を変化させることができる。しかしながら、この入射角が相対的に小さければ、反射光の光路を効果的に変化させることができない。例えば、反射光の入射角が0度に近ければ近いほど、屈折率変更素子111の屈折率を変更したとしても、その光路はあまりないしは殆ど変化しない。このような事態を想定して、図19(a)や図19(b)に示すように、屈折率変更素子111は、サブビームの反射光の屈折率変更素子111への入射角が相対的に大きくなるような形状を有していることが好ましい。
また、図20(a)に示すように、夫々のPD上に屈折率変更素子111を設けることに代えて又は加えて、全てのPDに共通の屈折率変更素子111を設けるように構成してもよい。この場合であっても、図20(b)に示すように、屈折率が好適に変更された屈折率変更素子111中においてサブビームの反射光の光路が変化する。これにより、サブビームの角度が変化したとしても、サブビームの反射光はPD上に集光する。
尚、屈折率変更素子111を設けることに加えて又は代えて、対物レンズ13自体の屈折率を適宜変更可能に構成してもよい。
なお、本発明は、上述したCDやDVDやBlu−ray Discに限定されるものではなく、その他の様々な光ディスクに対しても適用することが可能である。また、単層型の光ディスクに限らず、二層型の光ディスクや三層以上の多層型の光ディスクに対しても適用することができる。また、二層型ないしは多層型の光ディスクに適用する場合には、各記録層が必ずしも同一のトラックピッチTp(或いは、同一の記録容量)を有している必要はない。例えば、図21に示すように、第1の記録層L0のトラックピッチTpが概ね1.6μmであり、第2の記録層L1のトラックピッチTpが概ね0.74μmであり、第3の記録層L2のトラックピッチTpが概ね0.32μmないしは0.35μmであるような光ディスク100aに対しても適用することができる。
また、上述の実施例では、記録媒体の一例として光ディスク100及び記録再生装置の一例として光ディスク100に係るレコーダ或いはプレーヤについて説明したが、本発明は、光ディスク及びそのレコーダに限られるものではなく、他の高密度記録或いは高転送レート対応の各種記録媒体並びにそのレコーダ或いはプレーヤにも適用可能である。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう記録装置及び方法、並びに記録制御用のコンピュータプログラムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明に係る記録装置及び記録方法、並びにコンピュータプログラムは、例えばDVDレコーダ等の記録装置等の記録装置に利用可能である。また、例えば民生用或いは業務用の各種コンピュータ機器に搭載される又は各種コンピュータ機器に接続可能な記録装置等にも利用可能である。

Claims (20)

  1. 複数種類の記録媒体の夫々に、該記録媒体の種類に応じた光ビームを照射することでデータを記録する記録手段と、
    前記記録手段から前記記録媒体へ至る前記光ビームの光路中に配置され、且つ前記光ビームを回折させることで前記データを記録するために及びトラッキング処理を行なうために用いられるメインビームと、並びに前記トラッキング処理を行なうために用いられる複数のサブビームであって且つ該複数のサブビームの夫々若しくは一部及び前記メインビームより生成されるトラッキング信号の振幅が最大となる複数のサブビームとを生成する回折手段と、
    前記記録媒体の種類に応じて前記複数のサブビームの夫々が集光する位置を調整するように前記回折手段を制御する制御手段と、
    前記トラッキング信号により前記トラッキング処理を実行するトラッキング手段と
    を備えることを特徴とする記録装置。
  2. 前記制御手段は、前記複数のサブビームの夫々が集光する位置を、前記メインビームのスポットを中心として回転させて調整するように前記回折手段を制御することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の記録装置。
  3. 前記制御手段は、前記記録媒体上に形成される前記データを記録するための同心円状の又はスパイラル状の記録トラックのトラックピッチに応じて、前記複数のサブビームの夫々が集光する位置を回転させるように前記回折手段を制御することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の記録装置。
  4. 前記制御手段は、前記光ビームの照射方向を回転軸とし且つ前記メインビームが集光される位置を中心点として、前記回折手段を所定角度回転させるように制御することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の記録装置。
  5. 弾性体と、
    該弾性体及び前記回折手段の夫々に接続された磁石部と、
    該磁石部に対して磁界を印加する電磁石と
    を更に備えており、
    前記制御手段は、前記電磁石に電流を流す又は流さないことで前記回折手段を所定角度回転させることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の記録装置。
  6. 前記回折手段は液晶素子を含んでおり、
    前記制御手段は、前記液晶素子への電圧印加パターンを制御することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の記録装置。
  7. 前記記録媒体には、前記データを記録するための同心円状又はスパイラル状の記録トラックが形成されており、
    前記制御手段は、前記複数のサブビームのうち一のサブビームが集光されるスポットの両端部分に、前記データが記録済みの前記記録トラックが配置され、且つ前記複数のサブビームのうち他のサブビームが集光されるスポットの両端部分に前記データが未記録の記録トラックが配置されるように前記回折手段を制御することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の記録装置。
  8. 前記回折手段は、回折格子を備えており、
    前記制御手段は、前記回折格子の格子間隔を変化させるように前記回折手段を制御することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の記録装置。
  9. 前記制御手段は、前記記録媒体上に形成される前記データを記録するための同心円状の又はスパイラル状の記録トラックのトラックピッチに応じて、前記格子間隔を変化させるように前記回折手段を制御することを特徴とする請求の範囲第8項に記載の記録装置。
  10. 前記記録媒体には、前記データを記録するための同心円状又はスパイラル状の記録トラックが形成されており、
    前記制御手段は、前記複数のサブビームのうち一のサブビームが集光されるスポットの両端部分に、前記データが記録済みの前記記録トラックが配置され、且つ前記複数のサブビームのうち他のサブビームが集光されるスポットの両端部分に前記データが未記録の記録トラックが配置されるように前記回折手段を制御することを特徴とする請求の範囲第8項に記載の記録装置。
  11. 前記回折手段は液晶素子を含んでおり、
    前記制御手段は、前記液晶素子への電圧印加パターンを制御することを特徴とする請求の範囲第8項に記載の記録装置。
  12. 前記回折手段は音響光学効果を実現する音響光学素子を含んでおり、
    前記制御手段は、前記音響光学効果素子内に所定周波数の超音波を伝播する伝播手段と、前記超音波の周波数を変更する周波数変更手段とを更に備えることを特徴とする請求の範囲第8項に記載の記録装置。
  13. 前記周波数変更手段は、前記記録媒体上に形成される前記データを記録するための同心円状の又はスパイラル状の記録トラックのトラックピッチに応じて、前記周波数を変更することを特徴とする請求の範囲第12項に記載の記録装置。
  14. 前記メインビーム及び前記複数のサブビームの少なくとも一部の反射光を受光する受光手段を更に備えており、
    前記受光手段のうち前記複数のサブビームの少なくとも一部の反射光を受光する受光面は、前記複数のサブビームの夫々の集光する位置が移動する方向に沿って、分割されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の記録装置。
  15. 前記メインビーム及び前記複数のサブビームの少なくとも一部の反射光を受光する受光手段を更に備えており、
    前記受光手段のうち前記複数のサブビームの少なくとも一部の反射光を受光する受光面は、屈折率を変化させる部材を介して前記複数のサブビームの少なくとも一部の反射光を受光することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の記録装置。
  16. 前記屈折率を変化させる部材は、該部材への前記複数のサブビームの少なくとも一部の反射光の入射角が、前記受光手段への前記複数のサブビームの少なくとも一部の反射光の入射角よりも大きくなる形状を有していることを特徴とする請求の範囲第15項に記載の記録装置。
  17. 前記記録媒体は、前記データを記録するための同心円状の又はスパイラル状の記録トラックのトラックピッチ又は前記データの記録容量が夫々異なる複数の記録層を備えることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の記録装置。
  18. 前記記録手段は、前記データを記録するための同心円状の又はスパイラル状の記録トラックのトラックピッチ又は前記記録媒体における前記データの記録容量に応じて、異なる波長の光ビームを照射することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の記録装置。
  19. 複数種類の記録媒体の夫々に、該記録媒体の種類に応じた光ビームを照射することでデータを記録する記録手段を備える記録装置における記録方法であって、
    前記光ビームを回折させることで前記データを記録するために及びトラッキング処理を行なうために用いられるメインビーム、並びに前記トラッキング処理を行なうために用いられる複数のサブビームであって且つ該複数のサブビームの夫々若しくは一部及び前記メインビームより生成されるトラッキング信号の振幅が最大となる複数のサブビームを生成する回折工程と、
    前記記録媒体の種類に応じて前記複数のサブビームの夫々が集光する位置を調整するように前記回折工程を制御する制御工程と、
    前記トラッキング信号により前記トラッキング処理を実行するトラッキング工程と
    を備えることを特徴とする記録方法。
  20. 請求の範囲第1項に記載の記録装置に備えられたコンピュータを制御する記録制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記記録装置の少なくとも一部として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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