JPWO2006101028A1 - 単分子導電性錯体、導電性自己組織化膜、及びこれを用いた金属と半導体からなる電極の接合体 - Google Patents

単分子導電性錯体、導電性自己組織化膜、及びこれを用いた金属と半導体からなる電極の接合体 Download PDF

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Abstract

式(1)で表されるエンジイン化合物は、非常に構造が簡単で、製造方法も容易であり、しかも、従来提案されている化合物と比較して分子長が短いという特徴を有する。このことから、本発明のエンジイン化合物からなる電極の接合体は、従来作製が困難であったナノ分子配線(ナノ分子ワイヤ)としての応用が大いに期待できる。

Description

本発明は、単分子導電性錯体、導電性自己組織化膜、及びこれを用いた金属と半導体からなる電極の接合体に関し、さらに詳述すれば、エンジイン型構造を有する化合物からなる単分子導電性錯体、導電性自己組織化膜、及び当該化合物と金属、金属酸化物または半導体とが化学結合してなる電極の接合体に関する。
従来、各種基板上での単分子錯体、自己組織化膜として、硫黄原子等のヘテロ原子を含んだ化合物に関する研究開発が活発に行われている。そして、これらの単分子錯体及び自己組織化膜を電子デバイスへ応用すべく、単分子錯体や自己組織化膜に導電性を付与した化合物に関する研究開発も活発に行われている。
また、上記錯体・自己組織化機能を有する化合物や、これらの化合物に導電性を付与した化合物と、金属または半導体からなる電極との接合体についての研究開発も行われている。
例えば、導電性を付与した自己組織化膜用の化合物としては、キノンを電子受容構造として末端に有する2−(11−メルカプトウンデシル)ハイドロキノンが知られている(非特許文献1参照)。
また、電子受容構造であるテトラシアノキノジメタンを末端に有するビス(10−(2−((2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジイリデン)ジマロノニトリル))デシル)ジスルフィドと、電子供与構造であるテトラメチルフェニレンジアミンを末端に有するN,N,N−トリメチル−N−(10−メルカプト)デシル−1,4−フェニレンジアミンの混合物が知られている(非特許文献2参照)。
さらに、下記式(3)で表される化合物が知られており、具体的な化合物としては、式(3)において、R11〜R14がメチル基、2−シアノエチル基、または水素原子である化合物、R11が水素原子、R12〜R14が2−シアノエチル基で表される化合物が知られている(特許文献1参照)。これらの化合物は、製造法が簡便であることから、産業的な応用という点において有利である。
Figure 2006101028
(式中、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいC1〜C6アルキル基、置換基を有してもよいC2〜C6アルケニル基、置換基を有してもよいC1〜C6アリール基、臭素原子、塩素原子を表す。)
また、下記式(4)で表される、化合物が知られており(特許文献2参照)、この化合物も、製造法が簡便であることから、産業的な応用という点において有利である。
Figure 2006101028
(式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、有機基を表し、少なくとも一つはアリーレン基及びアルキレン基の少なくとも一方を含む二価の連結基、及びその末端に金属表面、金属酸化物表面、または半導体表面と共有結合または配位結合により結合を形成させる結合基を有する有機基を表し、R5〜R8は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、C1〜C3アルキル基、またはC1〜C3アルコキシ基で表す。)
一方、電子デバイスへの応用を考慮した、種々の単分子錯体・自己組織化膜、または導電性を付与した種々の単分子錯体・自己組織化膜を利用した金属と半導体からなる電極の作製・製造方法については、例えば、金属・金属、金属・半導体、半導体・半導体電極間を電気的に接合する、いわゆる分子配線(分子ワイヤ)等が知られている(特許文献3〜7及び非特許文献3〜16参照)。
上記各文献に示されるように、単分子導電性錯体、導電性自己組織化膜用の化合物として、これまで種々の化合物が報告されてはいるものの、その化学構造はかなり限定されていて多様性に欠ける上、機能的にも十分でないものが多い。さらに、製造方法も複雑で、電子デバイス等への産業的な応用を考えると、実用的なものは皆無である。
国際公開第01/68595パンフレット 特開2004−175742号公報 特開2003−168788号公報 特開2004−058260号公報 特開2004−119618号公報 特開2004−136377号公報 特開2005−033184号公報 J. Chem. Soc., Faraday Trans., 92, 3813 (1996) Langmuir, 14, 5834 (1998) Science, 278, 10 October, 252 (1997) Science, 286, 19 November, 1550 (1999) Science, 301, 29 August, 1221 (2003) Applied Physics Letters, 82, 19, 3322 (2003) Advanced Materials, 15, 22, 1881 (2003) Angew. Chem. Int. Ed., 2004, 43, 6148 Surface Science, 573, 1 (2004) Chem. Mater., 2004, 16, 4477 Journal of Chemical Physics, 121, 13, 6485 (2004) J. Am. Chem. Soc., 2004, 126, 14182 J. Am. Chem. Soc., 2004, 126, 15897 Phys. Chem. Chem. Phys., 2004, 6, 4330 J. Am. Chem. Soc., 2005, 127, 1384 J. Am. Chem. Soc., 2005, 127, 2386
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、製造法が簡便であるとともに、単分子導電性錯体、導電性自己組織化膜として利用可能なエンジイン化合物、及びこのエンジイン化合物を用いた電極接合体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、エンイン型、好ましくはエンジイン型のπ共役鎖を有し、かつ、硫黄・セレン等の16族原子等の金属表面、金属酸化物表面または半導体表面と、共有結合または配位結合を形成し得る結合基を、その分子末端に有するπ共役系化合物が、導電性及び自己組織化膜用化合物として好適であることを見出し、本発明を完成した。
また、このエンジイン化合物からなる単分子導電性錯体、導電性自己組織化膜を用いて、金属・金属電極を作製し、その特性を検討した結果、電子デバイス等への応用も十分可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 式(1)で表されることを特徴とするエンジイン化合物。
Figure 2006101028
〔式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルケニル基、炭素数1〜10アルキニル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10アルキルチオ基、炭素数1〜10モノアルキルアミノ基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ基、炭素数1〜10トリアルキルシリル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル基、炭素数1〜10アルコキシカルボニル基、炭素数1〜10アルコキシ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルオキシカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ニトロアルキル基、Wで置換されていてもよいアリール基、Wで置換されていてもよいアリールアルキル基、Wで置換されていてもよいアリールオキシ基、Wで置換されていてもよいアリールチオ基、Wで置換されていてもよいモノアリールアミノ基、Wで置換されていてもよいジアリールアミノ基、Wで置換されていてもよい炭素数1〜10トリアリールシリル基、Wで置換されていてもよいアリールカルボニル基またはWで置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基を表し、X1及びX2は、それぞれ独立して、硫黄原子またはセレン原子を表し、Yは、水素原子、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10アルキルカルボニル基、炭素数1〜10アルコキシカルボニル基、Wで置換されていてもよいアリール基、Wで置換されていてもよいアリールアルキル基、Wで置換されていてもよい炭素数1〜10アリールカルボニル基またはWで置換されていてもよい炭素数1〜10アリールオキシカルボニル基を表し、Wは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルケニル基、炭素数1〜10アルキニル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10アルキルチオ基、炭素数1〜10モノアルキルアミノ基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ基、炭素数1〜10トリアルキルシリル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル基、炭素数1〜10アルコキシカルボニル基、Zで置換されていてもよいフェニル基、Zで置換されていてもよいナフチル基またはZで置換されていてもよいビフェニル基を表し、Zは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルケニル基、炭素数1〜10アルキニル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10アルキルチオ基、炭素数1〜10モノアルキルアミノ基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ基、炭素数1〜10トリアルキルシリル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル基または炭素数1〜10アルコキシカルボニル基を表す。〕
2. 前記R1及びR2が、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ基、炭素数1〜10アルコキシ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルオキシカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ニトロアルキル基またはWで置換されていてもよいアリール基(Wは、前記と同じ意味を表す。)、X1及びX2が、硫黄原子、Yが、水素原子、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10アルキルカルボニル基、炭素数1〜10アルコキシカルボニル基、Wで置換されていてもよいアリール基、Wで置換されていてもよいアリールアルキル基、Wで置換されていてもよい炭素数1〜10アリールカルボニル基またはWで置換されていてもよい炭素数1〜10アリールオキシカルボニル基(Wは、前記と同じ意味を表す。)であることを特徴とする1のエンジイン化合物、
3. 前記R1及びR2が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルコキシ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルオキシカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ニトロアルキル基またはWで置換されていてもよいアリール基(Wは、前記と同じ意味を表す。)、Yが、水素原子または炭素数1〜10アルキルカルボニル基であることを特徴とする2のエンジイン化合物、
4. エンジイン化合物が、その両末端で金属表面、金属酸化物表面、または半導体表面と共有結合または配位結合してなることを特徴とする式(2)で示される電極接合体、
Figure 2006101028
〔式中、R1、R2、X1及びX2は、上記と同じ意味を表す。Mは、前記金属、金属酸化物または半導体に由来する金属原子であって、Au、Ag、Cu、Pd、Fe、Hg、GaまたはInを表す。〕
5. 前記R1及びR2が、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ基、炭素数1〜10アルコキシ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルオキシカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ニトロアルキル基またはWで置換されていてもよいアリール基(Wは、前記と同じ意味を表す。)、X1及びX2が、硫黄原子であることを特徴とする4の電極接合体、
6. 前記R1及びR2が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルコキシ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルオキシカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ニトロアルキル基またはWで置換されていてもよいアリール基(Wは、前記と同じ意味を表す。)であることを特徴とする5の電極接合体、
7. 前記エンジイン化合物が、その両末端で金属表面または金属酸化物表面と共有結合または配位結合してなり、前記Mが、前記金属または金属酸化物に由来する金属原子であって、Au、Ag、Cu、Pd、Fe、Hg、GaまたはInを表すことを特徴とする6の電極接合体、
8. 前記エンジイン化合物が、その両末端で金属表面と共有結合または配位結合してなり、前記Mが、前記金属に由来する金属原子であって、Au、Ag、Cu、Pd、Fe、Hg、GaまたはInを表すことを特徴とする7の電極接合体
を提供する。
本発明のπ共役系を有する上記式(1)で示されるエンジイン化合物は、エンジイン型構造を有し、かつ、硫黄・セレン等の16族原子等の金属表面、金属酸化物表面または半導体表面と、共有結合または配位結合により結合を形成させる結合基を、その分子末端に有しており、電極である金属表面、金属酸化物表面または半導体表面と、共有結合や配位結合により容易に結合し、上記式(2)で示される電極接合体を与える。
この電極接合体につき、分子配線としての特性を検討した結果、従来の分子配線用化合物のそれよりも優れていることが確認された。
さらに、本発明のエンジイン化合物は、構造が非常に簡単で、製造方法も簡便であり、しかも、従来提案されている化合物と比較して分子長が短いという特徴を有する。このことから、本発明のエンジイン化合物からなる電極接合体は、従来作製が困難であったナノ分子配線(ナノ分子ワイヤ)としての応用が大いに期待でき、産業上の利用価値が高いといえる。
実施例1で得られたエンジイン−ジチオールのコンダクタンスステップを示すグラフである。 比較例1の1,6−ヘキサンジチオールのコンダクタンスステップを示すグラフである。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
なお、本明細書中、「n」はノルマルを、「i」はイソを、「s」はセカンダリーを、「t」はターシャリーを、「c」はシクロを、「o」はオルトを、「m」はメタを、「p」はパラを意味する。
上記式(1)及び(2)におけるR1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルケニル基、炭素数1〜10アルキニル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10アルキルチオ基、炭素数1〜10モノアルキルアミノ基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ基、炭素数1〜10トリアルキルシリル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル基、炭素数1〜10アルコキシカルボニル基、炭素数1〜10アルコキシ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルオキシカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ニトロアルキル基、Wで置換されていてもよいアリール基、Wで置換されていてもよいアリールアルキル基、Wで置換されていてもよいアリールオキシ基、Wで置換されていてもよいアリールチオ基、Wで置換されていてもよいモノアリールアミノ基、Wで置換されていてもよいジアリールアミノ基、Wで置換されていてもよい炭素数1〜10トリアリールシリル基、Wで置換されていてもよいアリールカルボニル基またはWで置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基を表す。
中でも、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ基、炭素数1〜10アルコキシ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルオキシカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ニトロアルキル基またはWで置換されていてもよいアリール基(Wは、上記と同じ意味を表す。)が好ましく、特に、水素原子、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルコキシ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルオキシカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ニトロアルキル基またはWで置換されていてもよいアリール基(Wは、上記と同じ意味を表す。)が好ましい。
1及びX2は、それぞれ独立して硫黄原子またはセレン原子であるが、金属、金属酸化物または半導体表面上で自己組織化膜を形成し易いことから、特に、硫黄原子であることが好ましい。
式(1)におけるYは、水素原子、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10アルキルカルボニル基、炭素数1〜10アルコキシカルボニル基、Wで置換されていてもよいアリール基、Wで置換されていてもよいアリールアルキル基、Wで置換されていてもよい炭素数1〜10アリールカルボニル基またはWで置換されていてもよい炭素数1〜10アリールオキシカルボニル基(Wは、上記と同じ意味を表す。)を表すが、合成の容易さ、及び金属、金属酸化物または半導体との接合体を形成し易いことから、水素原子または炭素数1〜10アルキルカルボニル基が好ましく、特に、炭素数1〜10アルキルカルボニル基が好適である。
なお、Wは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルケニル基、炭素数1〜10アルキニル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10アルキルチオ基、炭素数1〜10モノアルキルアミノ基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ基、炭素数1〜10トリアルキルシリル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル基、炭素数1〜10アルコキシカルボニル基、Zで置換されていてもよいフェニル基、Zで置換されていてもよいナフチル基またはZで置換されていてもよいビフェニル基を表し、Zは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルケニル基、炭素数1〜10アルキニル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10アルキルチオ基、炭素数1〜10モノアルキルアミノ基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ基、炭素数1〜10トリアルキルシリル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル基、炭素数1〜10アルコキシカルボニル基を表す。
式(2)におけるMは、エンジイン化合物がその両末端で結合している金属、金属酸化物または半導体に由来する金属原子であり、具体的には、Au、Ag、Cu、Pd、Fe、Hg、GaまたはInを表すが、Au、Cu、Inが好ましい。
次に、式(1)及び(2)で示される化合物の置換基の具体例について、説明する。
炭素数1〜10アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、c−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、c−ブチル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、c−ペンチル、2−メチル−c−ブチル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、c−ヘキシル、1−メチル−c−ペンチル、1−エチル−c−ブチル、1,2−ジメチル−c−ブチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル等が挙げられる。
炭素数1〜10アルケニル基の具体例としては、CH=CH2、CH=CHMe、CH=CHEt、CH=CMe2、CH=CEt2、CMe=CH2、CMe=CHMe、CMe=CMe2、CH2CH=CH2、CH2CH=CHMe、CH2CH=CHEt、CH2CMe=CH2、CH2CH2CH=CH2、CH2CH2CH=CHMe、CH2CH=CMe2、CHMeCH=CH2、CH2CMe=CHMe、CHMeCH=CHMe、CH2CMe=CHEt、CH2CH2CH=CMe2、CH2CMe=CMe2、CH=C=CH2等が挙げられる。
炭素数1〜10アルキニル基の具体例としては、C≡CMe、C≡CEt、CH2C≡CH、CH2C≡CMe、CH2C≡CEt、CH2CH2C≡CH、CH2CH2C≡CMe、CHMeC≡CH、CHMeC≡CMe等が挙げられる。
炭素数1〜10ハロアルキル基の具体例としては、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH2F、CH2CHF2、CH2CF3、CH2CH2CH2F、CH2CH2CHF2、CH2CH2CF3、CH2Cl、CHCl2、CCl3、CH2CH2Cl、CH2Br、CHBr2、CBr3、CH2CH2Br等が挙げられる。
炭素数1〜10アルコキシ基の具体例としては、OMe、OEt、OPr−n、OPr−i、OBu−n、OBu−i、OBu−s、OBu−t、OPen−n、OCHEt2、OHex−n、OCHMe(Pr−n)、OCHMe(Bu−n)、OCHEt(Pr−n)、OCH2CH2CHMe2等が挙げられる。
炭素数1〜10アルキルチオ基の具体例としては、SMe、SEt、SPr−n、SPr−i、SBu−n、SBu−i、SBu−s、SBu−t、SPen−n、SCHEt2、SHex−n、SCHMe(Pr−n)、SCHMe(Bu−n)、SCHEt(Pr−n)、SCH2CH2CHMe2等が挙げられる。
炭素数1〜10モノアルキルアミノ基の具体例としては、NHMe、NHEt、NHPr−n、NHPr−i、NHBu−n、NHBu−i、NHBu−s、NHBu−t、NHPen−n、NHCHEt2、NHHex−n等が挙げられる。
炭素数1〜10ジアルキルアミノ基の具体例としては、NMe2、NEt2、N(Pr−n)2、N(Pr−i)2、N(Bu−n)2、N(Bu−i)2、N(Bu−s)2、N(Bu−t)2、N(Pen−n)2、N(CHEt22、N(Hex−n)2等が挙げられる。
炭素数1〜10トリアルキルシリル基の具体例としては、SiMe3、SiEt3、Si(Pr−n)3、Si(Pr−i)3、Si(Bu−n)3、Si(Bu−i)3、Si(Bu−s)3、Si(Bu−t)3等が挙げられる。
炭素数1〜10アルキルカルボニル基の具体例としては、C(O)Me、C(O)Et、C(O)Pr−n、C(O)Pr−i、C(O)Bu−n、C(O)Bu−i、C(O)Bu−s、C(O)Bu−t、C(O)Pen−n、C(O)CHEt2、C(O)Hex−n等が挙げられる。
炭素数1〜10アルコキシカルボニル基の具体例としては、OC(O)Me、OC(O)Et、OC(O)Pr−n、OC(O)Pr−i、OC(O)Bu−n、OC(O)Bu−i、OC(O)Bu−s、OC(O)Bu−t、OC(O)Pen−n、OC(O)CHEt2、OC(O)Hex−n等が挙げられる。
炭素数1〜10アルコキシ(炭素数1〜10)アルキル基の具体例としては、CH2OMe、CH2OEt、CH2OPr−n、CH2OPr−i、CH2CH2OMe、CH2CH2OEt、CH2CH2OPr−n、CH2CH2OPr−i、CH2CH2CH2OMe、CH2CH2CH2OEt、CH2CH2CH2OPr−n、CH2CH2CH2OPr−i等が挙げられる。
炭素数1〜10アルキルカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基の具体例としては、CH2C(O)Me、CH2C(O)Et、CH2C(O)Pr−n、CH2C(O)Pr−i、CH2CH2C(O)Me、CH2CH2C(O)Et、CH2CH2C(O)Pr−n、CH2CH2C(O)Pr−i、CH2CH2CH2C(O)Me、CH2CH2CH2C(O)Et、CH2CH2CH2C(O)Pr−n、CH2CH2CH2C(O)Pr−i等が挙げられる。
炭素数1〜10アルキルオキシカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基の具体例としては、CH2C(O)OMe、CH2C(O)OEt、CH2C(O)OPr−n、CH2C(O)OPr−i、CH2CH2C(O)OMe、CH2CH2C(O)OEt、CH2CH2C(O)OPr−n、CH2CH2C(O)OPr−i、CH2CH2CH2C(O)OMe、CH2CH2CH2C(O)OEt、CH2CH2CH2C(O)OPr−n、CH2CH2CH2C(O)OPr−i等が挙げられる。
炭素数1〜10ジアルキルアミノ(炭素数1〜10)アルキル基の具体例としては、CH2NMe2、CH2NEt2、CH2N(Pr−n)2、CH2N(Pr−i)2、CH2CH2NMe2、CH2CH2NEt2、CH2CH2N(Pr−n)2、CH2CH2N(Pr−i)2、CH2CH2CH2NMe2、CH2CH2CH2NEt2、CH2CH2CH2N(Pr−n)2、CH2CH2CH2N(Pr−i)2等が挙げられる。
炭素数1〜10ニトロアルキル基の具体例としては、CH2NO2、CH2CH2NO2、CH2CH2CH2NO2等が挙げられる。
なお、以上の説明において、「Me」はメチル基、「Et」はエチル基、「Pr」はプロピル基、「Bu」はブチル基を意味する。
Wで置換されていてもよいアリール基の具体例としては、フェニル、o−メチルフェニル、m−メチルフェニル、p−メチルフェニル、o−トリフルオロメチルフェニル、m−トリフルオロメチルフェニル、p−トリフルオロメチルフェニル、p−エチルフェニル、p−i−プロピルフェニル、p−t−ブチルフェニル、o−クロルフェニル、m−クロルフェニル、p−クロルフェニル、o−ブロモフェニル、m−ブロモフェニル、p−ブロモフェニル、o−フルオロフェニル、p−フルオロフェニル、o−メトキシフェニル、m−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル、o−トリフルオロメトキシフェニル、p−トリフルオロメトキシフェニル、o−ニトロフェニル、m−ニトロフェニル、p−ニトロフェニル、o−ジメチルアミノフェニル、m−ジメチルアミノフェニル、p−ジメチルアミノフェニル、p−シアノフェニル、3,5−ジメチルフェニル、3,5−ビストリフルオロメチルフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3,5−ビストリフルオロメトキシフェニル、3,5−ジエチルフェニル、3,5−ジ−i−プロピルフェニル、3,5−ジクロルフェニル、3,5−ジブロモフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3,5−ジニトロフェニル、3,5−ジシアノフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,4,6−トリストリフルオロメチルフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2,4,6−トリストリフルオロメトキシフェニル、2,4,6−トリクロルフェニル、2,4,6−トリブロモフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、o−ビフェニリル、m−ビフェニリル、p−ビフェニリル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピロール−1−イル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル等が挙げられる。
Wで置換されていてもよいアリールアルキル基の具体例としては、フェニルメチル、o−メチルフェニルメチル、m−メチルフェニルメチル、p−メチルフェニルメチル、o−トリフルオロメチルフェニルメチル、m−トリフルオロメチルフェニルメチル、p−トリフルオロメチルフェニルメチル、p−エチルフェニルメチル、p−i−プロピルフェニルメチル、p−t−ブチルフェニルメチル、o−クロルフェニルメチル、m−クロルフェニルメチル、p−クロルフェニルメチル、o−ブロモフェニルメチル、m−ブロモフェニルメチル、p−ブロモフェニルメチル、o−フルオロフェニルメチル、p−フルオロフェニルメチル、o−メトキシフェニルメチル、m−メトキシフェニルメチル、p−メトキシフェニルメチル、o−トリフルオロメトキシフェニルメチル、p−トリフルオロメトキシフェニルメチル、o−ニトロフェニルメチル、m−ニトロフェニルメチル、p−ニトロフェニルメチル、o−ジメチルアミノフェニルメチル、m−ジメチルアミノフェニルメチル、p−ジメチルアミノフェニルメチル、p−シアノフェニルメチル、3,5−ジメチルフェニルメチル、3,5−ビストリフルオロメチルフェニルメチル、3,5−ジメトキシフェニルメチル、3,5−ビストリフルオロメトキシフェニルメチル、3,5−ジエチルフェニルメチル、3,5−ジ−i−プロピルフェニルメチル、3,5−ジクロルフェニルメチル、3,5−ジブロモフェニルメチル、3,5−ジフルオロフェニルメチル、3,5−ジニトロフェニルメチル、3,5−ジシアノフェニルメチル、2,4,6−トリメチルフェニルメチル、2,4,6−トリストリフルオロメチルフェニルメチル、2,4,6−トリメトキシフェニルメチル、2,4,6−トリストリフルオロメトキシフェニルメチル、2,4,6−トリクロルフェニルメチル、2,4,6−トリブロモフェニルメチル、2,4,6−トリフルオロフェニルメチル、α−ナフチルメチル、β−ナフチルメチル、o−ビフェニリルメチル、m−ビフェニリルメチル、p−ビフェニリルメチル、チオフェン−2−イルメチル、チオフェン−3−イルメチル、フラン−2−イルメチル、フラン−3−イルメチル、ピロール−1−イルメチル、ピロール−2−イルメチル、ピロール−3−イルメチル等が挙げられる。
Wで置換されていてもよいアリールオキシ基の具体例としては、フェニルオキシ、o−メチルフェニルオキシ、m−メチルフェニルオキシ、p−メチルフェニルオキシ、o−トリフルオロメチルフェニルオキシ、m−トリフルオロメチルフェニルオキシ、p−トリフルオロメチルフェニルオキシ、p−エチルフェニルオキシ、p−i−プロピルフェニルオキシ、p−t−ブチルフェニルオキシ、o−クロルフェニルオキシ、m−クロルフェニルオキシ、p−クロルフェニルオキシ、o−ブロモフェニルオキシ、m−ブロモフェニルオキシ、p−ブロモフェニルオキシ、o−フルオロフェニルオキシ、p−フルオロフェニルオキシ、o−メトキシフェニルオキシ、m−メトキシフェニルオキシ、p−メトキシフェニルオキシ、o−トリフルオロメトキシフェニルオキシ、p−トリフルオロメトキシフェニルオキシ、o−ニトロフェニルオキシ、m−ニトロフェニルオキシ、p−ニトロフェニルオキシ、o−ジメチルアミノフェニルオキシ、m−ジメチルアミノフェニルオキシ、p−ジメチルアミノフェニルオキシ、p−シアノフェニルオキシ、3,5−ジメチルフェニルオキシ、3,5−ビストリフルオロメチルフェニルオキシ、3,5−ジメトキシフェニルオキシ、3,5−ビストリフルオロメトキシフェニルオキシ、3,5−ジエチルフェニルオキシ、3,5−ジ−i−プロピルフェニルオキシ、3,5−ジクロルフェニルオキシ、3,5−ジブロモフェニルオキシ、3,5−ジフルオロフェニルオキシ、3,5−ジニトロフェニルオキシ、3,5−ジシアノフェニルオキシ、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ、2,4,6−トリストリフルオロメチルフェニルオキシ、2,4,6−トリメトキシフェニルオキシ、2,4,6−トリストリフルオロメトキシフェニルオキシ、2,4,6−トリクロルフェニルオキシ、2,4,6−トリブロモフェニルオキシ、2,4,6−トリフルオロフェニルオキシ、α−ナフチルオキシ、β−ナフチルオキシ、o−ビフェニリルオキシ、m−ビフェニリルオキシ、p−ビフェニリルオキシ、チオフェン−2−イルオキシ、チオフェン−3−イルオキシ、フラン−2−イルオキシ、フラン−3−イルオキシ、ピロール−1−イルオキシ、ピロール−2−イルオキシ、ピロール−3−イルオキシ等が挙げられる。
Wで置換されていてもよいアリールチオ基の具体例としては、フェニルチオ、o−メチルフェニルチオ、m−メチルフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、o−トリフルオロメチルフェニルチオ、m−トリフルオロメチルフェニルチオ、p−トリフルオロメチルフェニルチオ、p−エチルフェニルチオ、p−i−プロピルフェニルチオ、p−t−ブチルフェニルチオ、o−クロルフェニルチオ、m−クロルフェニルチオ、p−クロルフェニルチオ、o−ブロモフェニルチオ、m−ブロモフェニルチオ、p−ブロモフェニルチオ、o−フルオロフェニルチオ、p−フルオロフェニルチオ、o−メトキシフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ、p−メトキシフェニルチオ、o−トリフルオロメトキシフェニルチオ、p−トリフルオロメトキシフェニルチオ、o−ニトロフェニルチオ、m−ニトロフェニルチオ、p−ニトロフェニルチオ、o−ジメチルアミノフェニルチオ、m−ジメチルアミノフェニルチオ、p−ジメチルアミノフェニルチオ、p−シアノフェニルチオ、3,5−ジメチルフェニルチオ、3,5−ビストリフルオロメチルフェニルチオ、3,5−ジメトキシフェニルチオ、3,5−ビストリフルオロメトキシフェニルチオ、3,5−ジエチルフェニルチオ、3,5−ジ−i−プロピルフェニルチオ、3,5−ジクロルフェニルチオ、3,5−ジブロモフェニルチオ、3,5−ジフルオロフェニルチオ、3,5−ジニトロフェニルチオ、3,5−ジシアノフェニルチオ、2,4,6−トリメチルフェニルチオ、2,4,6−トリストリフルオロメチルフェニルチオ、2,4,6−トリメトキシフェニルチオ、2,4,6−トリストリフルオロメトキシフェニルチオ、2,4,6−トリクロルフェニルチオ、2,4,6−トリブロモフェニルチオ、2,4,6−トリフルオロフェニルチオ、α−ナフチルチオ、β−ナフチルチオ、o−ビフェニリルチオ、m−ビフェニリルチオ、p−ビフェニリルチオ、チオフェン−2−イルチオ、チオフェン−3−イルチオ、フラン−2−イルチオ、フラン−3−イルチオ、ピロール−1−イルチオ、ピロール−2−イルチオ、ピロール−3−イルチオ等が挙げられる。
Wで置換されていてもよいモノアリールアミノ基の具体例としては、フェニルアミノ、o−メチルフェニルアミノ、m−メチルフェニルアミノ、p−メチルフェニルアミノ、o−トリフルオロメチルフェニルアミノ、m−トリフルオロメチルフェニルアミノ、p−トリフルオロメチルフェニルアミノ、p−エチルフェニルアミノ、p−i−プロピルフェニルアミノ、p−t−ブチルフェニルアミノ、o−クロルフェニルアミノ、m−クロルフェニルアミノ、p−クロルフェニルアミノ、o−ブロモフェニルアミノ、m−ブロモフェニルアミノ、p−ブロモフェニルアミノ、o−フルオロフェニルアミノ、p−フルオロフェニルアミノ、o−メトキシフェニルアミノ、m−メトキシフェニルアミノ、p−メトキシフェニルアミノ、o−トリフルオロメトキシフェニルアミノ、p−トリフルオロメトキシフェニルアミノ、o−ニトロフェニルアミノ、m−ニトロフェニルアミノ、p−ニトロフェニルアミノ、o−ジメチルアミノフェニルアミノ、m−ジメチルアミノフェニルアミノ、p−ジメチルアミノフェニルアミノ、p−シアノフェニルアミノ、3,5−ジメチルフェニルアミノ、3,5−ビストリフルオロメチルフェニルアミノ、3,5−ジメトキシフェニルアミノ、3,5−ビストリフルオロメトキシフェニルアミノ、3,5−ジエチルフェニルアミノ、3,5−ジ−i−プロピルフェニルアミノ、3,5−ジクロルフェニルアミノ、3,5−ジブロモフェニルアミノ、3,5−ジフルオロフェニルアミノ、3,5−ジニトロフェニルアミノ、3,5−ジシアノフェニルアミノ、2,4,6−トリメチルフェニルアミノ、2,4,6−トリストリフルオロメチルフェニルアミノ、2,4,6−トリメトキシフェニルアミノ、2,4,6−トリストリフルオロメトキシフェニルアミノ、2,4,6−トリクロルフェニルアミノ、2,4,6−トリブロモフェニルアミノ、2,4,6−トリフルオロフェニルアミノ、α−ナフチルアミノ、β−ナフチルアミノ、o−ビフェニリルアミノ、m−ビフェニリルアミノ、p−ビフェニリルアミノ、チオフェン−2−イルアミノ、チオフェン−3−イルアミノ、フラン−2−イルアミノ、フラン−3−イルアミノ、ピロール−1−イルアミノ、ピロール−2−イルアミノ、ピロール−3−イルアミノ等が挙げられる。
Wで置換されていてもよいジアリールアミノ基の具体例としては、ジフェニルアミノ、ビス(o−メチルフェニル)アミノ、ビス(m−メチルフェニル)アミノ、ビス(p−メチルフェニル)アミノ、ビス(o−トリフルオロメチルフェニル)アミノ、ビス(m−トリフルオロメチルフェニル)アミノ、ビス(p−トリフルオロメチルフェニル)アミノ、ビス(p−エチルフェニル)アミノ、ビス(p−i−プロピルフェニル)アミノ、ビス(p−t−ブチルフェニル)アミノ、ビス(o−クロルフェニル)アミノ、ビス(m−クロルフェニル)アミノ、ビス(p−クロルフェニル)アミノ、ビス(o−ブロモフェニル)アミノ、ビス(m−ブロモフェニル)アミノ、ビス(p−ブロモフェニル)アミノ、ビス(o−フルオロフェニル)アミノ、ビス(p−フルオロフェニル)アミノ、ビス(o−メトキシフェニル)アミノ、ビス(m−メトキシフェニル)アミノ、ビス(p−メトキシフェニル)アミノ、ビス(o−トリフルオロメトキシフェニル)アミノ、ビス(p−トリフルオロメトキシフェニル)アミノ、ビス(o−ニトロフェニル)アミノ、ビス(m−ニトロフェニル)アミノ、ビス(p−ニトロフェニル)アミノ、ビス(o−ジメチルアミノフェニル)アミノ、ビス(m−ジメチルアミノフェニル)アミノ、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)アミノ、ビス(p−シアノフェニル)アミノ、ビス(3,5−ジメチルフェニル)アミノ、ビス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)アミノ、ビス(3,5−ジメトキシフェニル)アミノ、ビス(3,5−ビストリフルオロメトキシフェニル)アミノ、ビス(3,5−ジエチルフェニル)アミノ、ビス(3,5−ジ−i−プロピルフェニル)アミノ、ビス(3,5−ジクロルフェニル)アミノ、ビス(3,5−ジブロモフェニル)アミノ、ビス(3,5−ジフルオロフェニル)アミノ、ビス(3,5−ジニトロフェニル)アミノ、ビス(3,5−ジシアノフェニル)アミノ、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)アミノ、ビス(2,4,6−トリストリフルオロメチルフェニル)アミノ、ビス(2,4,6−トリメトキシフェニル)アミノ、ビス(2,4,6−トリストリフルオロメトキシフェニル)アミノ、ビス(2,4,6−トリクロルフェニル)アミノ、ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)アミノ、ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)アミノ、ビス(α−ナフチル)アミノ、ビス(β−ナフチル)アミノ、ビス(o−ビフェニリル)アミノ、ビス(m−ビフェニリル)アミノ、ビス(p−ビフェニリル)アミノ、ビス(チオフェン−2−イル)アミノ、ビス(チオフェン−3−イル)アミノ、ビス(フラン−2−イル)アミノ、ビス(フラン−3−イル)アミノ、ビス(ピロール−1−イル)アミノ、ビス(ピロール−2−イル)アミノ、ビス(ピロール−3−イル)アミノ等が挙げられる。
Wで置換されていてもよい炭素数1〜10トリアリールシリル基の具体例としては、トリフェニルシリル、トリス(o−メチルフェニル)シリル、トリス(m−メチルフェニル)シリル、トリス(p−メチルフェニル)シリル、トリス(o−トリフルオロメチルフェニル)シリル、トリス(m−トリフルオロメチルフェニル)シリル、トリス(p−トリフルオロメチルフェニル)シリル、トリス(p−エチルフェニル)シリル、トリス(p−i−プロピルフェニル)シリル、トリス(p−t−ブチルフェニル)シリル、トリス(o−クロルフェニル)シリル等が挙げられる。
Wで置換されていてもよいアリールカルボニル基の具体例としては、フェニルカルボニル、o−メチルフェニルカルボニル、m−メチルフェニルカルボニル、p−メチルフェニルカルボニル、o−トリフルオロメチルフェニルカルボニル、m−トリフルオロメチルフェニルカルボニル、p−トリフルオロメチルフェニルカルボニル、p−エチルフェニルカルボニル、p−i−プロピルフェニルカルボニル、p−t−ブチルフェニルカルボニル、o−クロルフェニルカルボニル、m−クロルフェニルカルボニル、p−クロルフェニルカルボニル、o−ブロモフェニルカルボニル、m−ブロモフェニルカルボニル、p−ブロモフェニルカルボニル、o−フルオロフェニルカルボニル、p−フルオロフェニルカルボニル、o−メトキシフェニルカルボニル、m−メトキシフェニルカルボニル、p−メトキシフェニルカルボニル、o−トリフルオロメトキシフェニルカルボニル、p−トリフルオロメトキシフェニルカルボニル、o−ニトロフェニルカルボニル、m−ニトロフェニルカルボニル、p−ニトロフェニルカルボニル、o−ジメチルアミノフェニルカルボニル、m−ジメチルアミノフェニルカルボニル、p−ジメチルアミノフェニルカルボニル、p−シアノフェニルカルボニル、3,5−ジメチルフェニルカルボニル、3,5−ビストリフルオロメチルフェニルカルボニル、3,5−ジメトキシフェニルカルボニル、3,5−ビストリフルオロメトキシフェニルカルボニル、3,5−ジエチルフェニルカルボニル、3,5−ジ−i−プロピルフェニルカルボニル、3,5−ジクロルフェニルカルボニル、3,5−ジブロモフェニルカルボニル、3,5−ジフルオロフェニルカルボニル、3,5−ジニトロフェニルカルボニル、3,5−ジシアノフェニルカルボニル、2,4,6−トリメチルフェニルカルボニル、2,4,6−トリストリフルオロメチルフェニルカルボニル、2,4,6−トリメトキシフェニルカルボニル、2,4,6−トリストリフルオロメトキシフェニルカルボニル、2,4,6−トリクロルフェニルカルボニル、2,4,6−トリブロモフェニルカルボニル、2,4,6−トリフルオロフェニルカルボニル、α−ナフチルカルボニル、β−ナフチルカルボニル、o−ビフェニリルカルボニル、m−ビフェニリルカルボニル、p−ビフェニリルカルボニル、チオフェン−2−イルカルボニル、チオフェン−3−イルカルボニル、フラン−2−イルカルボニル、フラン−3−イルカルボニル、ピロール−1−イルカルボニル、ピロール−2−イルカルボニル、ピロール−3−イルカルボニル等が挙げられる。
Wで置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基の具体例としては、フェニルオキシカルボニル、o−メチルフェニルオキシカルボニル、m−メチルフェニルオキシカルボニル、p−メチルフェニルオキシカルボニル、o−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル、m−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル、p−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル、p−エチルフェニルオキシカルボニル、p−i−プロピルフェニルオキシカルボニル、p−t−ブチルフェニルオキシカルボニル、o−クロルフェニルオキシカルボニル、m−クロルフェニルオキシカルボニル、p−クロルフェニルオキシカルボニル、o−ブロモフェニルオキシカルボニル、m−ブロモフェニルオキシカルボニル、p−ブロモフェニルオキシカルボニル、o−フルオロフェニルオキシカルボニル、p−フルオロフェニルオキシカルボニル、o−メトキシフェニルオキシカルボニル、m−メトキシフェニルオキシカルボニル、p−メトキシフェニルオキシカルボニル、o−トリフルオロメトキシフェニルオキシカルボニル、p−トリフルオロメトキシフェニルオキシカルボニル、o−ニトロフェニルオキシカルボニル、m−ニトロフェニルオキシカルボニル、p−ニトロフェニルオキシカルボニル、o−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル、m−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル、p−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル、p−シアノフェニルオキシカルボニル、3,5−ジメチルフェニルオキシカルボニル、3,5−ビストリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル、3,5−ジメトキシフェニルオキシカルボニル、3,5−ビストリフルオロメトキシフェニルオキシカルボニル、3,5−ジエチルフェニルオキシカルボニル、3,5−ジ−i−プロピルフェニルオキシカルボニル、3,5−ジクロルフェニルオキシカルボニル、3,5−ジブロモフェニルオキシカルボニル、3,5−ジフルオロフェニルオキシカルボニル、3,5−ジニトロフェニルオキシカルボニル、3,5−ジシアノフェニルオキシカルボニル、2,4,6−トリメチルフェニルオキシカルボニル、2,4,6−トリストリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル、2,4,6−トリメトキシフェニルオキシカルボニル、2,4,6−トリストリフルオロメトキシフェニルオキシカルボニル、2,4,6−トリクロルフェニルオキシカルボニル、2,4,6−トリブロモフェニルオキシカルボニル、2,4,6−トリフルオロフェニルオキシカルボニル、α−ナフチルオキシカルボニル、β−ナフチルオキシカルボニル、o−ビフェニリルオキシカルボニル、m−ビフェニリルオキシカルボニル、p−ビフェニリルオキシカルボニル、チオフェン−2−イルオキシカルボニル、チオフェン−3−イルオキシカルボニル、フラン−2−イルオキシカルボニル、フラン−3−イルオキシカルボニル、ピロール−1−イルオキシカルボニル、ピロール−2−イルオキシカルボニル、ピロール−3−イルオキシカルボニル等が挙げられる。
本発明のエンジイン化合物の好適なものとしては、下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2006101028
(1)エンジイン化合物の製造方法
単分子導電性錯体及び導電性自己組織化膜に用いられる下記式(5)で示されるエンジイン化合物は、例えば、以下の方法で合成できる。
Figure 2006101028
Figure 2006101028
(式中、R1、R2、及びXは上記と同じ。R3は炭素数1〜6アルキル基またはアリール基を表す。R4は炭素数1〜10アルキル基またはアリール基を表す。Zは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を表す。)
すなわち、ハロゲン化エンイン誘導体(A)と、シリル化アセチレン(B)とをパラジウム触媒存在下、薗頭反応を行うことにより、中間体(C)を合成し、その後、対応する脱シリル化体(D)に変換する。そして、この末端アセチレン化合物(D)を用いて、目的とする化合物(5)を得ることができる。
ここで、パラジウム触媒としては、種々の構造のものを用いることができるが、いわゆる低原子価のパラジウム錯体を用いることが好ましく、特に3級ホスフィンや3級ホスファイトを配位子とするゼロ価錯体が好ましい。また、反応系中で容易にゼロ価錯体に変換される適当な前駆体を用いることもできる。さらに、反応系中で、3級ホスフィンや3級ホスファイトを配位子として含まない錯体と、3級ホスフィンや3級ホスファイトとを混合し、3級ホスフィンや3級ホスファイトを配位子とする低原子価錯体を発生させることもできる。
配位子である3級ホスフィンまたは3級ホスファイトとしては、例えば、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、フェニルジメチルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト等が挙げられる。また、これらの配位子の2種以上を混合して含む錯体も好適に用いられる。
触媒として、3級ホスフィンや3級ホスファイトを含まないパラジウム錯体及び/または3級ホスフィンや3級ホスファイトを含むパラジウム錯体と、上述の配位子と、を組み合わせて用いることも好ましい態様である。
上記配位子に組み合わせて用いられる、3級ホスフィンや3級ホスファイトを含まない錯体としては、ビス(ベンジリデンアセトン)パラジウム、酢酸パラジウム等が挙げられる。一方、3級ホスフィンや3級ホスファイトを既に配位子として含む錯体としては、ジメチルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジメチルビス(ジフェニルメチルホスフィン)パラジウム、(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらパラジウム触媒の使用量は、いわゆる触媒量で良く、一般的には、基質(B)に対して20モル%以下で十分であり、通常、5モル%以下である。
上記製造法に用いられる反応溶媒としては、当該反応条件下において安定であり、かつ不活性で反応を妨げないものであれば、特に限定されるものではない。例えば、水、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール等)、セロソルブ類(例えばメトキシエタノール、エトキシエタノール等)、非プロトン性極性有機溶媒類(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレア、スルホラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、脂肪族炭化水素類(例えばペンタン、ヘキサン、c−ヘキサン、オクタン、デカン、デカリン、石油エーテル等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、低級脂肪族酸エステル(例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等)、アルコキシアルカン類(例えばジメトキシエタン、ジエトキシエタン等)、ニトリル類(例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等)等の溶媒が挙げられる。
これらの溶媒は、反応の起こり易さ等を考慮して適宜選択することができる。また、上記溶媒は、一種単独でまたは二種以上混合して用いることができる。なお、上記各溶媒は、必要に応じて、適当な脱水剤や乾燥剤を用いて非水溶媒として用いることもできる。
反応温度は、通常、−100℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−50〜50℃の範囲で行うのがよい。反応時間は、通常、0.1〜1000時間である。
反応終了後は、適当な溶媒により目的物を抽出し、溶媒を減圧濃縮して粗物を得ることができる。
さらに、蒸留、再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法による精製を行うことで、純粋な目的物(5)を単離することができる。
なお、上記製法において、出発物質として用いられている中間体(A)は、以下の方法で合成できる。
Figure 2006101028
(式中、R1、R2、R3、及びZは上記と同じ。Meはメチル基を、Buはブチル基を表す。)
すなわち、2価チタン反応剤Ti(Oi−Pr)4/2i−PrMgClによる内部アセチレン(E)と、末端アセチレン(B)との選択的なクロスカップリング反応により得られたチタナシクロペンタジエン中間体(F)を、ヨウ素または臭素で処理し、1,4−ジハロ−1,3−ジエン誘導体(G)を得る(J. Org. Chem., 63, 10060 (1998)、J. Am. Chem. Soc., 121, 7342 (1999) 参照)。
1,4−ジハロ−1,3−ジエン誘導体(G)に塩基を作用させ、脱ハロゲン化水素反応を行って中間体(H)に変換する。中間体(H)をアルキル化してエンイン化合物(I)に誘導した後、シリル基をハロゲン置換することにより目的とする中間体(A)を製造することができる(J. Org. Chem., 63, 10060 (1998) 参照)。
(2)エンジイン化合物を用いた電極の接合体の作製方法
Figure 2006101028
(式中、R1、R2、R4、X、M、及びnは上記と同じ。)
上記で得られたエンジイン化合物(5)を加水分解後、金属基板に浸して自己組織化膜を作成する。次に、超真空下でチップを用いてブリッジングさせ、目的とする電極の接合体(単分子導電性錯体)(2)を得ることができる。
単一分子と金属との接合は、例えば、走査トンネル顕微鏡(以下、STMという)ブレイクジャンクション法によって作製することができる。
ここで、STMブレイクジャンクション法とは、上記で作成した導電性自己組織化膜を有する金属基板に対し、金属チップを押し込み、その後、約4nm/secでチップを基板から離していき、金属基板−分子−金属チップのように、金属基板、金属チップをそれぞれ電極とし、分子を2電極間に挟み込む方法である。すなわち、STMブレイクジャンクション法によって得られた電極の接合体において、一方の電極は、その表面に分子の片側もしくは両端が化学的に結合した金属基板であり、他方の電極は、STMチップである。
なお、上記金属チップの形態としては、特に限定されるものではなく、例えば、機械的切断または電解研磨などによって先端を尖らせる等の加工を施した金属ワイヤなどを用いることができる。なお、測定には清浄なチップの作製が必須であることから、超高真空化でのベーキングやアルゴンイオンスパッタなどの処理を探針に施す必要がある。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例にて採用した分析装置及び分析条件は、下記のとおりである。
1H NMR (300 MHz) 及び 13C NMR (75 MHz) 測定条件;
装置:Varian Gemini-2000
測定溶媒:CDCl3
基準物質:テトラメチルシラン (TMS) (δ 0.0 ppm for 1H)
CDCl3 (δ 77.0 ppm for 13C)
IR測定装置;JASCO A-230
元素分析装置;Elementar Vario-EL
[実施例1]
[1]トランス−エンジニルジチオ酢酸エステル化合物14の合成
(1)1,4−ジヨード−1,3−ジエン化合物の合成
Figure 2006101028
(式中、Meはメチル基を表す。)
1−トリメチルシリル−1−プロピン(5.61g,50.0mmol)のエーテル(500mL)溶液に、テトラ−i−プロポキシチタン(18.5mL,62.5mmol)を加えた後、−78℃に冷却し、i−プロピルマグネシウムクロライド(2.23mol/Lエーテル溶液、56.1mL,125mmol)をゆっくり加えた。30分かけて−50℃に昇温し、その温度で2時間撹拌した。トリメチルシリルアセチレン(8.20mL,58.0mmol)を加え、−50℃で3時間撹拌した。
ヨウ素(31.8g,125mmol)を加えて室温で2時間撹拌した。0℃で反応溶液に水を加えた後、セライトろ過をした。
エーテルと飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液とを加えて、過剰のヨウ素がなくなるのを確認した後、分液し、さらに飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧下濃縮して得られた粗生成物は、NMRを確認し、そのまま次の反応に用いた。
(2)シス−シリル化ハロエンイン化合物の合成
Figure 2006101028
(式中、Meはメチル基を表す。)
上記で得られた1,4−ジヨード−1,3−ジエン化合物の粗物のTHF(250mL)溶液にピロリジン(20.8mL,250mmol)を0℃で加え、室温下で12時間撹拌した。反応溶液に、水を0℃で加えてクエンチした。水層からエーテルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧下濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、シス−ハロエンイン化合物を2工程で収率32%(5.39g)で得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.04 (s, 3H), 0.29 (s, 9H), 0.23 (s, 9H).
13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 138.38, 116.46, 110.69, 98.97, 23.19, 1.47, -0.32.
IR (neat) 2959, 2898, 2153, 1544, 1408, 1251, 1201, 842, 759, 696 cm-1.
Anal. Calcd for C11H21ISi2: C, 39.28; H, 6.29. Found: C, 39.10; H, 6.31.
(3)ビスシリル化エンイン化合物10の合成
Figure 2006101028
(式中、Meはメチル基を表す。)
実施例1[1](2)で得られたシス−シリル化ハロエンイン化合物(2.13g,6.34mmol)をエーテル(21mL)に溶解し、−78℃に冷却した。
t−ブチルリチウム(1.6M/ペンタン溶液、9.89mL,15.9mmol)を加えて、そのまま1時間撹拌した。ヨードメタン(1.58mL,25.4mmol)を滴下し、室温に昇温した後、6時間撹拌した。反応溶液に水を0℃で加えてクエンチした。
水層からエーテルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧下濃縮して得られた粗生成物は、NMRを確認し、そのまま次の反応に使用した。
(4)トランス−ハロエンイン化合物11の合成
Figure 2006101028
(式中、Meはメチル基を表す。)
上記で得られたビスシリル化エンイン化合物10の粗物をジクロロメタン(32mL)に溶解し、N−ヨードコハク酸イミド(2.80g,12.7mmol)を加え、反応容器をアルミ箔で遮光し、室温下で2時間撹拌した。0℃で反応溶液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてクエンチした。水層からジクロロメタンで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧下濃縮して得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、トランス−ハロエンイン化合物11を2工程で収率68%(1.19g)で得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.78-2.72 (m, 3H), 2.05-1.95 (m, 3H), 0.20 (s, 9H).
13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 123.73, 110.05, 101.87, 99.30, 32.56, 28.27, -0.18.
IR (neat) 2959, 2140, 1251, 1072, 864, 760 cm-1.
Anal. Calcd for C9H15ISi: C, 38.85; H, 5.43. Found: C, 39.02; H, 5.07.
(5)トランス−ビスシリル化エンジイン化合物12の合成
Figure 2006101028
(式中、Meはメチル基を表す。)
実施例1[1](4)で得られたトランス−ハロエンイン化合物11(150mg,0.540mmol)の脱気したトリエチルアミン(1.3mL)溶液に、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(31.2mg,0.0270mmol)及びヨウ化第一銅(10.2mg,0.0539mmol)を室温下で加えた後、トリメチルシリルアセチレン(0.152mL,1.08mmol)の脱気したTHF(5.4mL)溶液を滴下した。反応溶液をそのまま室温下で12時間撹拌した。反応溶液に水を0℃で加えてクエンチした。水層からエーテルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧下濃縮して得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、トランス−ビスシリル化エンジイン化合物12を収率98%(110mg)で得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.01 (s, 6H), 0.20 (s, 18H).
13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 125.62, 105.16, 103.73, 21.12, -0.12.
IR (neat) 2960, 2140, 1251, 1194, 939, 842, 760, 699 cm-1.
Anal. Calcd for C14H24Si2: C, 67.66; H, 9.73. Found: C, 67.47; H, 9.64.
(6)トランス−ジメチルエンジイン13の合成
Figure 2006101028
(式中、Meはメチル基を表す。)
実施例1[1](5)で得られたトランス−ビスシリル化エンジイン化合物12(0.273g,1.10mmol)をTHF(2.2mL)に溶解し、0℃に冷却した後、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1.0M/THF溶液、3.31mL,3.31mmol)を加え、そのまま1時間撹拌した。反応溶液に、水を加えてクエンチした。水層から少量のヘキサンで抽出した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。少量のシリカゲルを用いてろ過し、そのろ液は濃縮せずに、そのまま次の反応に使用した。
(7)トランス−エンジニルジチオ酢酸エステル化合物14の合成
Figure 2006101028
(式中、Meはメチル基を表す。)
上記で得られたトランス−ジメチルエンジイン13を含むろ液を、−50℃に冷却し、n−ブチルリチウム(1.59M/ヘキサン溶液、1.52mL,2.42mmol)を滴下した。反応溶液は、−50℃で1時間撹拌した。反応溶液を−30℃に昇温した後、硫黄(0.106g,3.31mmol)を加えた。反応溶液を室温に昇温した後、2時間撹拌し、再度、−50℃に冷却した。反応溶液に、塩化アセチル(0.274mL,3.86mmol)を加え、室温に昇温した後、12時間撹拌した。反応溶液に水を0℃で加えてクエンチした。水層からエーテルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧下濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/エーテル)で精製し、トランス−エンジニルジチオ酢酸エステル化合物14を2工程で収率10%(0.0291g)で得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.48 (s, 6H), 2.13 (s, 6H).
13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 191.77, 125.02, 103.29, 80.44, 29.58, 20.88.
IR (neat) 2925, 2855, 1739, 1461, 1251, 1110, 946, 841 cm-1.
Anal. Calcd for C12H12O2S2: C, 57.11; H, 4.79. Found: C, 57.39; H, 4.50.
[2]エンジイン−ジチオール:金錯体の合成
実施例1[1]で得られたトランス−エンジニルジチオ酢酸エステル化合物14をモル濃度2mmol/Lになるようにトルエンに溶解し、加水分解を行うため、その溶液に1滴の30%アンモニア水を滴下し、1時間放置した後、金(111)面の基板を1分間浸し、エンジイン−ジチオール:金錯体を作製した。ここで、エンジイン−ジチオール:金錯体の確認は、下記特性評価前に、真空ギャップを介して、メカニカルカットした金ワイヤーをベーク、スパッタ処理を施したチップで、表面を走査することで行った。
[3]エンジイン−ジチオール:金錯体の特性評価
メカニカルカットした金ワイヤーをベーク、スパッタ処理を施し、それをチップとして用い、上記で作製した基板に対して、チップを押し込み、約4nm/秒で基板から離していく際の、チップと金基板との間の距離を横軸に、電流値の変化を縦軸にとり、グラフ化し、そのような操作を繰り返し観察した。
その結果、図1に示されるような階段状に電流値が変化する様子を観察することができた。この階段状の水平方向にフラットな部分において、最も低い値を基底値とすると、その電流値の付近にステップが集中し、さらにその2倍、3倍の値の付近にもステップが集中した。これらの量子化したコンダクタンスのステップはそれぞれ1分子、2分子、3分子のコンダクタンスに相当していると考えることができる。このことから、その電流の基底値から算出できるコンダクタンス値を、その分子の持つ固有のコンダクタンス値であると決定した。具体的な基底値は、0.1Vで約8.4nAとなり、エンジイン−ジチオールのコンダクタンス値は、1.1×10-30と算出された。
[比較例1]
[1]1,6−ヘキサンジチオール:金錯体の合成
1,6−ヘキサンジチオールの分子については、その1mmol/Lエタノール溶液に1分間浸し、金錯体を作製した。その金錯体の確認は、実施例1[2]と同様の方法で行った。
[2]1,6−ヘキサンジチオール:金錯体の特性評価
1,6−ヘキサンジチオールの存在下で実施例1[3]と同様の操作を行うと、図2のようなグラフが得られた。その基底値は、0.1Vで約0.73nAとなり、1,6−ヘキサンジチオールのコンダクタンス値は、9.4×10-50と算出された。
以上のように、上記実施例1[1]で得られたπ共役系を有するトランス−エンジニルジチオ酢酸エステル化合物14の分子は、飽和炭化水素からなる1,6−ヘキサンジチオールよりも、10倍以上も高い導電性を持つことが確認された。

Claims (8)

  1. 式(1)で表されることを特徴とするエンジイン化合物。
    Figure 2006101028
    〔式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルケニル基、炭素数1〜10アルキニル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10アルキルチオ基、炭素数1〜10モノアルキルアミノ基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ基、炭素数1〜10トリアルキルシリル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル基、炭素数1〜10アルコキシカルボニル基、炭素数1〜10アルコキシ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルオキシカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ニトロアルキル基、Wで置換されていてもよいアリール基、Wで置換されていてもよいアリールアルキル基、Wで置換されていてもよいアリールオキシ基、Wで置換されていてもよいアリールチオ基、Wで置換されていてもよいモノアリールアミノ基、Wで置換されていてもよいジアリールアミノ基、Wで置換されていてもよい炭素数1〜10トリアリールシリル基、Wで置換されていてもよいアリールカルボニル基またはWで置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基を表し、
    1及びX2は、それぞれ独立して、硫黄原子またはセレン原子を表し、
    Yは、水素原子、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10アルキルカルボニル基、炭素数1〜10アルコキシカルボニル基、Wで置換されていてもよいアリール基、Wで置換されていてもよいアリールアルキル基、Wで置換されていてもよい炭素数1〜10アリールカルボニル基またはWで置換されていてもよい炭素数1〜10アリールオキシカルボニル基を表し、
    Wは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルケニル基、炭素数1〜10アルキニル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10アルキルチオ基、炭素数1〜10モノアルキルアミノ基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ基、炭素数1〜10トリアルキルシリル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル基、炭素数1〜10アルコキシカルボニル基、Zで置換されていてもよいフェニル基、Zで置換されていてもよいナフチル基またはZで置換されていてもよいビフェニル基を表し、
    Zは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルケニル基、炭素数1〜10アルキニル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10アルキルチオ基、炭素数1〜10モノアルキルアミノ基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ基、炭素数1〜10トリアルキルシリル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル基または炭素数1〜10アルコキシカルボニル基を表す。〕
  2. 前記R1及びR2が、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ基、炭素数1〜10アルコキシ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルオキシカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ニトロアルキル基またはWで置換されていてもよいアリール基(Wは、前記と同じ意味を表す。)、
    1及びX2が、硫黄原子、
    Yが、水素原子、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10アルキルカルボニル基、炭素数1〜10アルコキシカルボニル基、Wで置換されていてもよいアリール基、Wで置換されていてもよいアリールアルキル基、Wで置換されていてもよい炭素数1〜10アリールカルボニル基またはWで置換されていてもよい炭素数1〜10アリールオキシカルボニル基(Wは、前記と同じ意味を表す。)であることを特徴とする請求項1記載のエンジイン化合物。
  3. 前記R1及びR2が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルコキシ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルオキシカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ニトロアルキル基またはWで置換されていてもよいアリール基(Wは、前記と同じ意味を表す。)、
    Yが、水素原子または炭素数1〜10アルキルカルボニル基であることを特徴とする請求項2記載のエンジイン化合物。
  4. エンジイン化合物が、その両末端で金属表面、金属酸化物表面、または半導体表面と共有結合または配位結合してなることを特徴とする式(2)で示される電極接合体。
    Figure 2006101028
    〔式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルケニル基、炭素数1〜10アルキニル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10アルキルチオ基、炭素数1〜10モノアルキルアミノ基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ基、炭素数1〜10トリアルキルシリル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル基、炭素数1〜10アルコキシカルボニル基、炭素数1〜10アルコキシ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルオキシカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ニトロアルキル基、Wで置換されていてもよいアリール基、Wで置換されていてもよいアリールアルキル基、Wで置換されていてもよいアリールオキシ基、Wで置換されていてもよいアリールチオ基、Wで置換されていてもよいモノアリールアミノ基、Wで置換されていてもよいジアリールアミノ基、Wで置換されていてもよい炭素数1〜10トリアリールシリル基、Wで置換されていてもよいアリールカルボニル基またはWで置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基を表し、
    1及びX2は、それぞれ独立して、硫黄原子またはセレン原子を表し、
    Wは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルケニル基、炭素数1〜10アルキニル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10アルキルチオ基、炭素数1〜10モノアルキルアミノ基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ基、炭素数1〜10トリアルキルシリル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル基、炭素数1〜10アルコキシカルボニル基、Zで置換されていてもよいフェニル基またはZで置換されていてもよいナフチル基、Zで置換されていてもよいビフェニル基を表し、
    Zは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルケニル基、炭素数1〜10アルキニル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10アルキルチオ基、炭素数1〜10モノアルキルアミノ基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ基、炭素数1〜10トリアルキルシリル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル基または炭素数1〜10アルコキシカルボニル基を表す。)
    Mは、前記金属、金属酸化物または半導体に由来する金属原子であって、Au、Ag、Cu、Pd、Fe、Hg、GaまたはInを表す。〕
  5. 前記R1及びR2が、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ基、炭素数1〜10アルコキシ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルオキシカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ニトロアルキル基またはWで置換されていてもよいアリール基(Wは、前記と同じ意味を表す。)、
    1及びX2が、硫黄原子であることを特徴とする請求項4記載の電極接合体。
  6. 前記R1及びR2が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10ハロアルキル基、炭素数1〜10アルコキシ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10アルキルオキシカルボニル(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ジアルキルアミノ(炭素数1〜10)アルキル基、炭素数1〜10ニトロアルキル基またはWで置換されていてもよいアリール基(Wは、前記と同じ意味を表す。)であることを特徴とする請求項5記載の電極接合体。
  7. 前記エンジイン化合物が、その両末端で金属表面または金属酸化物表面と共有結合または配位結合してなり、
    前記Mが、前記金属または金属酸化物に由来する金属原子であって、Au、Ag、Cu、Pd、Fe、Hg、GaまたはInを表すことを特徴とする請求項6記載の電極接合体。
  8. 前記エンジイン化合物が、その両末端で金属表面と共有結合または配位結合してなり、
    前記Mが、前記金属に由来する金属原子であって、Au、Ag、Cu、Pd、Fe、Hg、GaまたはInを表すことを特徴とする請求項7記載の電極接合体。
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