JPWO2006098337A1 - レンチキュラーレンズシートおよびその製造方法並びに転写材用樹脂組成物 - Google Patents

レンチキュラーレンズシートおよびその製造方法並びに転写材用樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、色の再現性が高い微細遮光パターンを有するレンチキュラーレンズシートを提供することを課題とする。【解決手段】 上記課題を解決する本発明は、遮光層に含まれるカーボンブラックの平均一次粒径が10nm以上50nm以下であること、好ましくは、遮光層断面の走査電子顕微鏡観察画像において、画像全体に対するカーボンブラックの占める面積比率が60%以上95%以下であるレンチキュラーレンズシートおよびその製造方法である。【選択図】 図1

Description

本発明は、背面投写型ディスプレイ用スクリーンに用いられるレンチキュラーレンズシートおよびその製造方法並びにその製造方法で用いられる転写材用樹脂組成物に関する。
背面投写型スクリーンに用いられるレンチキュラーシートはコントラストを向上させるために遮光パターンを施すことが一般的である。しかしながら近年高画質化・高精細化が求められており、背面投写型スクリーンではより画素の小さい液晶ディスプレイやデジタルマイクロミラーデバイスを表示方式とする要求が増えつつある。そこで、レンチキュラーレンズシートにも画素とレンチキュラーレンズの干渉によるモアレ模様を回避すべく、より微細ピッチの遮光パターン付きレンチキュラーレンズシートが必要となっている。
従来、例えば、特許文献1に例示されるように、レンチキュラーシートの観察面側へ粘着性を有する光硬化性樹脂を積層し、レンズ面から露光することにより集光部分のみを硬化させることによって粘着性を消失させ、更に観察面側よりトナーを散布して粘着性の残っている部分にのみトナーを付着させ、粘着部分に付着したトナー以外を除去する方法が採用されてきた。
しかしながら、高画質化、高精細化のためにより小さいレンズピッチが要求される場合には、特許文献1の方法では境界線の鮮明な遮光パターンが得られにくいという問題があった。
一方、より境界線の鮮明な遮光パターンを形成できる方法としては、例えば、特許文献2のように着色顔料、有機高分子重合体、着色顔料のほかに平均1次粒径が2μm以下である微粒子を含む着色層が形成されていることを特徴とする転写シートを用いる印刷法が提案されている。しかし、この方法は、境界線をはっきりさせるためには好適な方法であるが、着色層に顔料以外の微粒子が入っているために、観察面側の遮光パターンの黒色度が低下し明るい部屋で投影した時には色再現性が低下する傾向があった。
特開昭59−121033号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2003−162006号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2004−246352号公報(特許請求の範囲、実施例等)
上記のように、従来のレンチキュラーレンズシートでは、境界線が鮮明でないか、あるいは色再現性が十分でないという問題があり、境界線が鮮明で色再現性の高い遮光パターンを有するレンチキュラーレンズが市場から求められているというのが実情であった。
従って、本発明の目的は、色の再現性が高い微細遮光パターンを有するレンチキュラーレンズシートを提供することにある。
本発明者らは、JIS K5600−4に従って色座標(a*,b*)を測定したときのa*およびb*の値が一定範囲にある場合に色の再現性が高い微細遮光パターンを有するレンチキュラーレンズが得られ、また、上記a*、b*の値は遮光層に含まれるカーボンブラックの粒径によって制御できることを見出し、さらに検討を重ねた結果、上記課題を解決し得る本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、遮光層に含まれるカーボンブラックの平均一次粒径が10nm以上50nm以下であることを特徴とするレンチキュラーレンズシートである。
また、本発明は、レンチキュラーレンズのレンズピッチが200μm以下である上記レンチキュラーレンズシート、遮光層断面の走査電子顕微鏡観察画像において画像全体に対するカーボンブラックの占める面積比率が60%以上95%以下である上記レンチキュラーレンズシート、および観察面側よりJIS K5600−4に従って色座標(a*,b*)を測定したときに下記式(1)および(2)を満足する上記レンチキュラーレンズシートを好ましい態様として包含する。
−2.0≦a*≦2.0 (1)
−2.0≦b*≦1.0 (2)
さらに、本発明は、上記のレンチキュラーレンズシートを製造する方法において、以下の工程(1)〜(3)を含むことを特徴とするレンチキュラーレンズシートの製造方法である。
工程(1):片面にレンズ形状が形成され、反対面が平坦であるレンチキュラーレンズ基材シートの平坦面上に光硬化性樹脂層を形成する工程;
工程(2):レンズ形状が形成された面から紫外線を照射し、工程(1)によって形成された光硬化性樹脂層のレンズによって集光した部分を硬化させる工程;
工程(3):部分的に硬化された光硬化性樹脂層面に、転写材の転写層を密着させ、未硬化部分にのみ一次粒径が10nm以上50nm以下のカーボンブラックを含有する着色層を転写させて遮光層を形成する工程。
さらに本発明は、転写材用樹脂組成物およびこれを用いた転写材であって、該樹脂組成物は以下の成分(a)〜(c);
成分(a):顔料、
成分(b):水酸基含有重合体、
成分(c):酸性基、塩基性基、あるいはこれらの塩を含む重合体、
を含み、成分(a)〜(c)の合計を100%としたときに、成分(a)の質量比が60質量%以上90質量%以下であることを特徴とする。
また本発明は、成分(a)である顔料が粒径10nm以上50nm以下のカーボンブラックである樹脂組成物である。
そして本発明は、転写材が、請求項7に記載された転写材用樹脂組成物からなる転写層含む上記のレンチキュラーレンズシートの製造方法である。
本発明のレンチキュラーレンズシートは高精彩且つ色の再現性の良いレンチキュラーレンズシートであり、背面投写型スクリーンに有利に利用することができる。また、本発明の製造法は、高精彩且つ色の再現性の良いレンチキュラーレンズシートを得ることができ、更に本発明の転写材を用いることによって高精彩且つ色の再現性の良いレンチキュラーレンズシートを得る製造方法を効率よく利用することができる。
カーボンブラックの走査電子顕微鏡写真である。 図1の写真の二色化処理結果である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のレンチキュラーレンズシートは、片面にレンズが形成されており、反対面が平坦であるレンチキュラーレンズシートの平坦面上に遮光層が形成されている。
本発明に用いるレンチキュラーレンズシートはレンズピッチが、モアレ模様防止の観点から、200μm以下であることが好ましい。またレンズ形状は一次元形状、即ちシリンドリカルレンズが配列されたものでも良いし、二次元形状、即ち凸レンズが配列されたものでも良い。また、特許文献3に提案されているようにレンズ層が2層積層された構成でも良い。
レンチキュラーレンズシートを製造する方法としては、特に制限されず、公知の方法が採用される。例えば、ポリメチルメタアクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、メチルメタアクリレートとスチレンの共重合体などの熱可塑性樹脂を押出成形や射出成形によって加工する方法、光硬化性樹脂や熱可塑性樹脂をポリエチレンテレフタレートなどの基材上に塗布した後、金型を用いて成形しながら光照射によって硬化させる方法などが挙げられる。上記光硬化性樹脂や熱可塑性樹脂は公知のものであれば特に制限はなく、光硬化性樹脂の具体例としてはアクリル酸エステルに光ラジカル発生剤を加えたものや、エポキシエステルやオキセタンエステルに光酸発生剤を加えたものなどが挙げられる。また熱硬化性樹脂の具体例としてはエポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。
次に本発明においてレンチキュラーレンズシートの平坦面上に形成される遮光層について説明する。遮光層はレンズ面から入射した光が乱反射した場合に観察面側に漏れて画像が二重に見える現象が発生することを防ぐためおよび出射部以外に入射した外光の反射を抑制するための層である。
遮光層に含有されるカーボンブラックの平均一次粒径が10nm以上50nm以下であることが重要であり、10nm以上30nm以下であることがより好ましい。カーボンブラックの平均一次粒径が10nm未満の場合には、粒子の凝集が大きくなり分散しにくくなるため好ましくない。一方、その平均一次粒径が50nmを超える場合には、赤みを帯びた黒色を呈するようになるため、レンチキュラーレンズシートを観察面側から観察すると赤みを帯びた外観を呈し色の再現性が低下することとなる。
本発明のレンチキュラーレンズシートに形成されている遮光層に配合されるカーボンブラックは、平均一次粒径が10nm以上50nm以下であれば、特に制限はないが、分散性の観点から、一般にカーボンブラックの物性の指標として用いられる窒素吸着比表面積は50m/g以上500m/g以下であることが好ましく、200m/g以上400m/g以下であることがより好ましい。またカーボンブラックのPH値は、分散性および色再現性の観点から、2.5以上8.0以下であることが好ましく、2.5以上7.0以下がより好ましい。
遮光層に含まれるカーボンブラックの平均一次粒径を測定する方法としては、遮光層断面を観察し粒径を測定する方法が挙げられる。具体的には、遮光層断面を電子顕微鏡観察し、得られた画像上のカーボンブラックの粒径を測定し画像の拡大倍率を考慮して平均一次粒径を算出する方法である。測定する粒子の数は、画像上に存在する全てのカーボン粒子の数でも良いし、無作為に抽出した一定数の個数でも良い。無作為に抽出する場合は少なくとも30個以上のカーボン粒子の粒径を測定することが必要である。また、精度の高い測定を行うためには、倍率が5万倍以上の電子顕微鏡観察観察画像を用いて粒径を測定することが好ましい。
画像上のカーボンブラックの粒径を測定する方法としては、定規などを用いて直接測定しても良いし、画像の電子データと、画像から粒径を演算できるプログラムを用いて算出する方法でもよい。注意すべきは、本発明において測定すべき粒子は一次粒子であり、例えば電子顕微鏡観察の結果、カーボンブラックの一次粒子が凝集し、凝集塊を形成している場合でも、凝集塊の大きさではなく、凝集塊を形成している個々のカーボンブラックの粒径を測定する必要があるということである。
本発明において遮光層を構成する成分の組成についてはカーボンブラックの平均一次粒径が10nm以上50nm以下であれば特に制限はないが、基本的にはカーボンブラックおよび重合体を含む組成物である。
上記した重合体はカーボンブラックの分散性を向上させるためおよび膜としての強度を保つために必要な成分である。重合体は公知のものであれば特に制限はないが、例えば、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、繊維系樹脂などが挙げられる。中でもこれらの樹脂に極性基や極性基の塩を有するものが好ましい。極性基の具体例としては水酸基、カルボキシル基、スルホニル基、酸アミド基、アミノ基等であり、極性基の塩の具体例としてはスルホン酸ナトリウム、酸アミドアミン塩などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いることも可能であるが、2種類以上の混合物として用いることも可能である。例えば、本発明においてはカーボンブラックの分散性を向上させるためにはポリエステル酸アミドアミン塩が好ましく、一方、膜としての強度を保つためにはブチラール樹脂が好ましいので、これらの混合物を用いることも可能である。
遮光層には上述の組成物のほかに本発明の効果を損なわない範囲で、レベリング剤、無機フィラーなどを含むことも可能である。また、10nm以下あるいは50nm以上のカーボンブラックも、その平均一次粒径が、10nm以上かつ50nm以下である範囲を満たすように含んでいてもよいのは当然である。
また、本発明のレンチキュラーレンズシートは、遮光層断面の走査電子顕微鏡観察画像において、画像全体に対するカーボンブラックの占める面積比率が60%以上95%以下である請求項1または2記載のレンチキュラーレンズシートであることを特徴とする。ここで、遮光層に含まれるカーボンブラックの体積比は、多すぎると遮光層が脆くなり、少なすぎると遮光性能が低下する可能性がある。遮光層に含まれるカーボンブラックの体積比を測定する方法として遮光層断面を観察する方法が挙げられる。具体的には、遮光層断面を走査電子顕微鏡観察し、得られた一定範囲の画像のなかで、画像全体の面積に対するカーボンブラックの占める面積を測定する方法が挙げられる。ある画像を基に面積を測定する方法としては、例えば面積あたりの重量が均一な紙面上に画像を印刷し、カーボンブラックが印刷された部分とそれ以外の部分を切り分け、その重量から面積比を算出する方法や、画像の電子データを用いて画像を白色と黒色の二色化処理を行い、カーボンブラックの部分のみを黒色とし白色部分と黒色部分の面積比から算出する方法がある。これらの演算処理を行うプログラムとしてはソフト名「imageJ」(米国立精神衛生/神経疾患・脳卒中研究所 研究支援ブランチHP http://rsb.info.nih.gov/ij/index.html)等が挙げられるが、これに制限されるものではない。
ここで、画像の電子データを用いて画像を白色と黒色の二色化処理を行う場合、カーボンブラックの部分とその他の部分との境界を決定する基準によって、カーボンブラックの面積比が異なってしまう。本発明において用いる二色化処理の基準を以下に記す。図1の写真が走査電子顕微鏡で観察した画像であり、図2の写真は図1の写真に対して二色化処理を施した画像である。ここで、黒色部分がカーボンブラックの占めている部分である。二色化処理は前記の結果と同等の結果が得られるように処理条件を定めることとする。
本発明において、遮光層に含まれる一次粒径が10nm以上50nm以下のカーボンブラックの体積比は、遮光層断面の走査電子顕微鏡観察画像において、ある一定範囲の画像全体に対するカーボンブラックの占める面積比率で測定した場合に60%以上95%以下であることが好ましく、70%以上90%以下がより好ましい。
遮光層の膜厚は、薄くなると遮光性能が低下し、厚くなると幅方向と高さ方向のアスペクト比が大きく成るので壊れやすくなる。このため、遮光層の膜厚は0.5μm以上10μm以下が好ましく、1μm以上5μm以下がより好ましい。
また、本発明のレンチキュラーレンズシートは、観察面側よりJIS K5600−4に従って色座標(a*,b*)を測定したときに以下の式(1)および(2)を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンチキュラーレンズシートである。
−2.0≦a*≦2.0 (1)
−2.0≦b*≦1.0 (2)
ここで、JIS K5600−4に従って測定する色座標について以下に説明する(JIS K5600−4−4より抜粋)。
色は、相互に直角である三つのベクトルで作られた立体座標の一つの点によって、定義した観測者および定義した光源に関して、唯一のものとしてその特性を示している。JIS K5600−4では、CIE(the Commission Internaionale de l’Eclairage)が勧告している種々の色座標から、(CIE1964)補助標準表色系の色座標(CIE Publication No.15参照)と、(CIE1976)L*a*b*色空間の色座標(CIE Publication No.15参照,Supplement No.2参照)が、塗膜の測色用として規定されている。本発明では、(CIE1976)L*a*b*色空間の色座標を用い、この色座標は、次の式によって算出される。
ここに、
である。X、Y、Zは、塗膜の10度三刺激値を表す。Xn、Yn、Znは、選ばれた標準光の下での完全拡散反射面の10度三刺激値である。
本発明においてa*の値が−2.0よりも小さい時は緑色に近くなり、2.0よりも大きい時は赤色に近くなるので、色の再現性が低下する傾向にある。また、a*の値が−2.0よりも小さい時は青色に近くなり、1.0よりも大きい時は黄色に近くなるので、色の再現性が低下する傾向にある。
このため、観察面側よりJIS K5600−4に従って色座標(a*,b*)を測定したときに以下の式(1)および(2)を満足することが好ましく、
−2.0≦a*≦2.0 (1)
−2.0≦b*≦1.0 (2)
式(3)および(4)を満足することがより好ましい
−1.0≦a*≦1.0 (3)
−2.0≦b*≦1.0 (4)
本発明の樹脂組成物は、遮光パターン付きレンチキュラーレンズシートを製造する際に用いる転写材の転写層に含まれる着色層を形成するための樹脂組成物であって、以下の成分(a)〜(c);
成分(a):顔料、
成分(b):水酸基含有重合体、
成分(c):酸性基、塩基性基、あるいはこれらの塩を含む重合体、
を含み、成分(a)〜(c)の合計を100%としたときに、成分(a)顔料の質量比が60質量%以上90質量%以下である樹脂組成物である。
成分(a)の顔料は遮光層に遮光性を付与させるための成分であり、公知の顔料であれば特に制限はないが、例えば、亜鉛華、鉛白、チタン白、塩基性硫酸鉛、酸化アンチモンなどの白色顔料、カーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アイボリーブラック、ボーンブラック、黒鉛などの黒色顔料、カドミウムレッド、アンチモン朱、赤色レーキなどの赤色顔料、黄鉛、亜鉛黄、カドミウム黄、黄色酸化鉄、黄色レーキなどの黄色顔料、紺青、群青、コバルト青、フタロシアニン色素などの青色顔料、クロムグリーン、酸化クロム、エメラルド緑、亜鉛緑、ギネー緑などの緑色顔料、酸化鉄、弁柄、黄土等の褐色顔料、アルミニウム粉、ブロンズ紛、亜鉛末、鉛粉などの金属顔料、炭酸石灰紛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、クレー、炭酸マグネシウムなどの体質顔料が挙げられるが、一般的に遮光パターン付きレンチキュラーレンズシートの遮光層は黒色が望まれることが多いため、黒色顔料であることが好ましい。中でも入手容易性、外観品位の観点からカーボンブラックがより好ましく、粒径10nm以上50nm以下のカーボンブラックであることがさらに好ましい。
また、成分(a)の顔料は、添加量が少ないと遮光性が低下するため色の再現性が悪くなり、多すぎると膜強度が低くなり脆い膜となるので、樹脂組成物に対する質量比が60質量%以上90質量%以下であることが重要であり、70質量%以上85質量%以下であることがより好ましい。
成分(a)の顔料としてカーボンブラックを用いる場合は、上記したものが好適に用いられる。
成分(a)の顔料として用いるカーボンブラックに特に制限はないが、分散性の観点から、一般にカーボンブラックの物性の指標として用いられる窒素吸着比表面積は50m/g以上500m/g以下であることが好ましく、200m/g以上400m/g以下であることがより好ましい。またカーボンブラックのPH値は、分散性及び色再現性の観点から、2.5以上8.0以下であることが好ましく、2.5以上7.0以下がより好ましい。
成分(a)の顔料として用いるカーボンブラックの平均一次粒径を測定する方法としては、遮光層断面を観察し粒径を測定する方法が挙げられる。具体的には、遮光層断面を電子顕微鏡観察し、得られた画像上のカーボンブラックの粒径を測定し画像の拡大倍率を考慮して平均一次粒径を算出する方法である。測定する粒子の数は、画像上に存在する全てのカーボン粒子の数でも良いし、無作為に抽出した一定数の個数でも良い。無作為に抽出する場合は少なくとも30個以上のカーボン粒子の粒径を測定することが必要である。また、精度の高い測定を行うためには、倍率が5万倍以上の電子顕微鏡観察観察画像を用いて粒径を測定することが好ましい。
画像上のカーボンブラックの粒径を測定する方法としては、定規などを用いて直接測定しても良いし、画像の電子データと、画像から粒径を演算できるプログラムを用いて算出する方法でもよい。注意すべきは、本発明において測定すべき粒子は一次粒子であり、例えば電子顕微鏡観察の結果、カーボンブラックの一次粒子が凝集し、凝集塊を形成している場合でも、凝集塊の大きさではなく、凝集塊を形成している個々のカーボンブラックの粒径を測定する必要があるということである。
成分(b)の水酸基含有重合体は遮光層の膜強度を確保するために必要な成分であり、水酸基を含有する公知の重合体であれば、特に制限はないが、例えば、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、繊維系樹脂などが挙げられる。転写性、顔料の分散安定性の観点からは、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂が好ましくブチラール樹脂がより好ましい。
成分(b)の水酸基含有重合体の質量比は、成分(a)〜(c)の合計を100%としたときに、5質量%以上40質量%以下が好ましく、10質量%以上20質量%以下がより好ましい。
成分(c)の酸性基、塩基性基、あるいはこれらの塩を含む重合体は、顔料の分散性を向上させるために必要な成分であり、酸性基、塩基性基、あるいはこれらの塩を含む公知の重合体であれば特に制限はないが、例えば、アクリル樹脂や飽和または不飽和のポリエステル樹脂などが挙げられる。また酸性基としてはカルボキシル基、スルホン酸基が挙げられ、酸性基の塩としてはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。塩基性基の例としてはアミノ基、イミド基、酸アミド基などが挙げられ、塩基性基の塩としては4級アンモニウムクロライド塩、酸アミドアミン塩等が挙げられる。用いる顔料によって異なるが、酸性顔料に対しては塩基性基及びその塩を含む重合体、塩基性顔料に対しては酸性基及びその塩を含む重合体を用いることがより好ましい。
成分(c)の酸性基、塩基性基、あるいはこれらの塩を含む重合体の質量比は、成分(a)〜(c)の合計を100%としたときに、5質量%以上40質量%以下が好ましく、10質量%以上20質量%以下がより好ましい。
本発明の樹脂組成物は目的に応じて希釈剤を用いても良い。希釈剤は一般の樹脂塗料に用いられている希釈剤であれば特に制限はないが、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチルなどのエステル系化合物;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジオキサン等のエーテル系化合物;トルエン、キシレンなどの芳香族化合物;ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族化合物;塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルムなどのハロゲン系炭化水素;メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノールなどのアルコール化合物、水などを挙げることができる。
また、本発明による樹脂組成物は本発明の効果を損なわない範囲で、レベリング剤、無機フィラーなどを含むことも可能である。また必要に応じて希釈剤を加えて塗工してもよい。
本発明の樹脂組成物は、公知の混合方法によって混合することが出来る。具体的にはプロペラ攪拌やロールミル、ボールミル、ビーズミル、超音波照射などの方法が挙げられ適宜選択することが出来る。中でも、ボールミルとビーズミルが実用性、分散性の観点から好ましい。
また、本発明はレンチキュラーレンズシートの製造方法に用いる転写材を提供する。本発明による転写材はベースフィルム上に少なくとも請求項1または2記載の樹脂組成物からなる遮光層を含む転写層を積層したものであり、バインダー層、保護層などを含む転写層であっても良い。転写層の構成としては遮光層のみ、保護層/遮光層、遮光層/バインダー層などが挙げられ、用途によって使い分けることが可能である。本発明による転写材に用いるベースフィルムは、充分な自己保持性を有する通常の転写箔に用いられるフィルムであれば特に限定されずに用いることができる。
ベースフィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、フッ素系樹脂フィルムなどの合成樹脂フィルム;セルロースアセテートフィルムなどの人造樹脂フィルム;セロハン紙、グラシン紙などの洋紙;和紙などの他のフィルム状物;これらの複合フィルム状物、複合シート状物等が挙げられる。
ベースフィルムの厚さは、特に限定されないが、しわや亀裂の発生を抑制するために、通常4〜150μmの範囲であることが好ましく、12〜100μmの範囲であることがより好ましく、25〜50μmの範囲であることがさらに好ましい。
上記ベースフィルムの離型性が不十分な場合は、ベースフィルムの少なくとも片面に離型処理を行うことができる。かかる離型処理は、離型性ポリマーやワックスなどを適宜選択して公知の方法で行うことができる。かかる離型処理に用いる処理剤としては、例えば、パラフィンワックス等の離型性ワックス;シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、尿素−メラミン系樹脂、セルロース系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂などの離型性樹脂;各種界面活性剤などが挙げられる。これらを単独で又は2種以上溶剤などと混合して、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの通常の印刷法に従ってベースフィルム上に塗布し、乾燥し、更に必要に応じて硬化(加熱、紫外線照射、電子線照射、放射線照射などの硬化手段が挙げられる)させて、離型性ベースフィルムを形成することができる。
ベースフィルム上に本発明による樹脂組成物からなる遮光層を含む転写層を形成する方法としては、含浸法、凸版印刷法、平板印刷法、凹版印刷などで用いられるロールを用いた塗工法、基材に噴霧するようなスプレー法、カーテンフローコートなどにより形成することができる。
請求項1または2記載の本発明による樹脂組成物からなる遮光層の膜厚は0.1μm以上10μm以下が好ましく、1μm以上5μm以下がより好ましい。
次に、レンチキュラーレンズシートに遮光層を形成する方法について説明する。
本発明のレンチキュラーレンズシートに遮光層を形成する方法としては、上記構成の遮光層を形成できる方法であれば特に制限されないが、以下の工程(1)〜(3)を含む遮光パターン付きレンチキュラーレンズシート製造方法を採用することが、色再現性の観点から好ましい。
工程(1):片面にレンズ形状が形成され、反対面が平坦であるレンチキュラーレンズシートの平坦面上に光硬化性樹脂層を形成する工程;
工程(2):レンズ形状が形成された面から紫外線を照射し、工程(1)によって形成された光硬化性樹脂層のレンズによって集光した部分を硬化させる工程;
工程(3):部分的に硬化された光硬化性樹脂層面に、転写材を密着させ、未硬化部分にのみ一次粒子径が10nm以上50nm以下のカーボンブラックを含有する着色層を転写させて遮光層を形成する工程。
以下、工程(1)〜(3)を含む遮光パターン付きレンチキュラーレンズシートの製造方法について具体的に説明する。
工程(1)は、片面にレンズ形状が形成され、反対面が平坦であるレンチキュラーレンズ基材シートの平坦面上に光硬化性樹脂層を形成する工程であり、光硬化性樹脂層を形成する方法としては含浸法、凸版印刷法、平板印刷法、凹版印刷などで用いられるロールを用いた塗工法、基材に噴霧するようなスプレー法、カーテンフローコート法などにより形成することができる。さらに、光硬化性樹脂層を基材上に形成する方法として転写材を用いる方法を利用しても良い。
光硬化性樹脂層を形成する際に用いる硬化性樹脂組成物は希釈剤を加えて塗工してもよい。その際希釈剤の添加量は、目的とする硬化樹脂組成物からなる層の膜厚に合わせて任意の量を加えることができる。かかる希釈剤としては一般の樹脂塗料に用いられている希釈剤であれば特に制限はないが、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチルなどのエステル系化合物;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジオキサン等のエーテル系化合物;トルエン、キシレンなどの芳香族化合物;ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族化合物;塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルムなどのハロゲン系炭化水素;メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノールなどのアルコール化合物、水などを挙げることができる。これらの希釈材は、用いるシート基材樹脂に応じて適宜採用される。
片面にレンズ形状が形成され、反対面が平坦であるレンチキュラーレンズ基材シートは、片面にレンズ形状が形成され、反対面が平坦である公知のレンチキュラーレンズシートであれば特に制限はなく、レンズ形状は一次元形状、即ちシリンドリカルレンズが配列されたものでも良いし、二次元形状、即ち凸レンズが配列されたものでも良い。また、特許文献3に提案されているようにレンズ層が2層積層された構成でも良い。
工程(2)は、上述の工程(1)で得られたレンチキュラーレンズ基材シートと光硬化性樹脂層からなる積層体のレンズ形状が形成された面から紫外線を照射し、レンズによって集光した光硬化性樹脂層の一部分を硬化させる工程であり、遮光層を積層したくない部分のみ硬化させる工程である。具体的な紫外線発生源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどが挙げられる。紫外線を照射する方法としては、バッチ式でも連続式でも良いが、レンズ面に対し垂直方向から紫外線を照射することが好ましい。また紫外線は拡散光でも良いが、並行光である方がより好ましい。並行光を照射する方法としては公知の方法であれば特に制限はないが、例えばフレネルレンズを通して照射する方法や、スリットを通して照射する方法などが挙げられる。
工程(3)は、工程(2)で得られたレンチキュラーレンズ基材シートと部分的に硬化させた光硬化性樹脂層からなる積層体の光硬化性樹脂層面に、転写材を密着させ、未硬化部分にのみカーボンブラックの一次粒径が10nm以上50nm以下である着色層を転写させ遮光層を形成させる工程である。
転写材の着色層面を密着させる方法としては、公知の方法であれば特に制限はなく、例えばロールを用いて圧着させる方法等が挙げられる。また、ロールを用いて圧着させる場合、ロールは25℃程度の室温でも良いが、30〜80℃程度にロールを加熱する方法も使うことができる。
ここで、本発明の1つであるカーボンブラックの一次粒径が10nm以上50nm以下である着色層を有する転写材について説明する。この転写材は、上述の工程(1)〜(3)を含む遮光パターン付きレンチキュラーレンズシート製造方法のうち、工程(3)で述べた転写材として用いることができる。
本発明による転写材はベースフィルム上に少なくとも着色層を含む転写層を積層したものであり、バインダー層、保護層などを含む転写層であっても良い。転写層の構成としては着色層のみ、保護層/着色層、着色層/バインダー層などが挙げられ、用途によって使い分けることが可能である。本発明による転写材に用いるベースフィルムは、充分な自己保持性を有する通常の転写箔に用いられるフィルムであれば特に限定されずに用いることができる。
ベースフィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、フッ素系樹脂フィルムなどの合成樹脂フィルム;セルロースアセテートフィルムなどの人造樹脂フィルム;セロハン紙、グラシン紙などの洋紙;和紙などの他のフィルム状物;これらの複合フィルム状物、複合シート状物等が挙げられる。
ベースフィルムの厚さは、特に限定されないが、しわや亀裂の発生を抑制するために、通常4〜150μmの範囲であることが好ましく、12〜100μmの範囲であることがより好ましく、25〜50μmの範囲であることがさらに好ましい。
上記ベースフィルムの離型性が不十分な場合は、ベースフィルムの少なくとも片面に離型処理を行うことができる。かかる離型処理は、離型性ポリマーやワックスなどを適宜選択して公知の方法で行うことができる。かかる離型処理に用いる処理剤としては、例えば、パラフィンワックス等の離型性ワックス;シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、尿素−メラミン系樹脂、セルロース系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂などの離型性樹脂;各種界面活性剤などが挙げられる。これらを単独で又は2種以上溶剤などと混合して、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの通常の印刷法に従ってベースフィルム上に塗布し、乾燥し、更に必要に応じて硬化(加熱、紫外線照射、電子線照射、放射線照射などの硬化手段が挙げられる)させて、離型性ベースフィルムを形成することができる。
ベースフィルム上に着色層を形成する方法としては、含浸法、凸版印刷法、平板印刷法、凹版印刷などで用いられるロールを用いた塗工法、基材に噴霧するようなスプレー法、カーテンフローコートなどにより形成することができる。
次に、本発明による転写材に含まれる着色層について説明する。
本発明による転写材に含まれる着色層は着色層に含まれるカーボンブラックの一次粒径が10nm以上50nm以下であることが必要である。平均一次粒径が10nm未満の場合は粒子の凝集が大きくなり分散しにくくなり好ましくない。一方、平均一次粒径が50nmを越えると赤みを帯びた黒色を呈するため、レンチキュラーレンズシートを観察面側から観察すると赤みを帯びた外観を呈するため色の再現性が低下し好ましくない。
着色層の膜厚は、薄くなると遮光性能が低下し、厚くなると幅方向と高さ方向のアスペクト比が大きく成るので壊れやすくなる。このため、着色層の膜厚は0.5μm以上10μm以下が好ましく、1μm以上5μm以下がより好ましい。
着色層の組成についてはカーボンブラックの平均一次粒径が10nm以上50nm以下であれば特に制限はないが、基本的にはカーボンブラックおよび重合体を含む組成物である。重合体はカーボンブラックの分散性を向上させるためおよび膜としての強度を保つために必要な成分である。重合体は公知のものであれば特に制限はないが、例えば、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、繊維系樹脂などが挙げられる。中でもこれらの樹脂に極性基や極性基の塩を有するものが好ましい。極性基の具体例としては水酸基、カルボキシル基、スルホニル基、酸アミド基、アミノ基等であり、極性基の塩の具体例としてはスルホン酸ナトリウム、酸アミドアミン塩などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いることも可能であるが、2種類以上の混合物として用いることも可能である。例えば、本発明においてはカーボンブラックの分散性を向上させるためにはポリエステル酸アミドアミン塩が好ましく、一方膜としての強度を保つためにはブチラール樹脂が好ましいので、これらの混合物を用いることも可能である。遮光層には上述の組成物のほかに本発明の効果を損なわない範囲で10nm以下あるいは50nm以上のカーボンブラック、レベリング剤、無機フィラーなどを含むことも可能である。また必要に応じて希釈剤を加えて塗工してもよい。その際希釈剤の添加量は、目的とする硬化樹脂組成物からなる層の膜厚に合わせて任意の量を加えることができる。
かかる希釈剤としては一般の樹脂塗料に用いられている希釈剤であれば特に制限はないが、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチルなどのエステル系化合物;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジオキサン等のエーテル系化合物;トルエン、キシレンなどの芳香族化合物;ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族化合物;塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルムなどのハロゲン系炭化水素;メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノールなどのアルコール化合物、水などを挙げることができる。
特に、該着色層は、上記した以下の成分(a)〜(c);
成分(a):顔料、
成分(b):水酸基含有重合体、
成分(c):酸性基、塩基性基、あるいはこれらの塩を含む重合体、
を含み、成分(a)〜(c)の合計を100%としたときに、成分(a)顔料の質量比が60質量%以上90質量%以下であり、成分(a)である顔料が粒径10nm以上50nm以下のカーボンブラックである転写材用樹脂組成物よりなるものであるのがより好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1〜5、比較例1〜5
離型処理を施した厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にエポキシ変性BisAジアクリレート4質量%(商品名#540 大阪有機化学工業(株)製)トリアジントリアクリレート4質量%(商品名M315、東亜合成(株)製)、エポキシ変性フェノキシアクリレート2質量%(商品名M600A、共栄社化学(株)製)、γアクリロイルキシプロピルトリメトキシシラン2質量%(商品名KBM5103 信越化学工業(株)製)、ポリメチルメタアクリレート8質量%(商品名パラペット (株)クラレ社製)、光重合開始剤1質量%(商品名イルガキュア184 日本チバガイギー(株)製)メチルエチルケトン 79質量%からなる光硬化性樹脂組成物を固形分膜厚が20μmになるように塗工した後、100℃で2分間乾燥させ転写フィルム1を作成した。
表1および表2に示す配合組成の着色層用組成物をボールミルにて24時間混練後、厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に固形分膜厚が2μmになるように塗工した後、100℃で2分間乾燥させ転写フィルム2を作成した。
片面にピッチ150μmのシリンドリカルレンズを配し、他方は平坦面であるレンチキュラーレンズの平坦面にラミネータを用いて転写フィルム1をラミネート(装置:MRK−650Y型 (株)エム・シー・ケー製ラミネート装置を使用)した後、レンズ面より露光(HTE−3000B、HI−TECH社製露光装置を使用、照射強度10mW/cm、照射量15mJ/cm)し、集光部のみ部分硬化させた。
さらに、転写フィルム1の基材フィルムを剥離した後、部分硬化させた該光硬化性樹脂層上に転写フィルム2の着色層面を、ラミネータを用いてラミネートした。
転写フィルム2の基材フィルムを剥離した後、遮光層側よりUV露光(照射強度100mW/cm、照射量300mJ/cm)を行い、遮光パターン付きレンチキュラーレンズシートを作製した。
評価方法
1.カーボン粒径: 得られたフィルムを走査電子顕微鏡にて観察し、無作為に抽出した30個のカーボンブラックの平均一次粒径を測定した。
2.a*およびb*: 得られた遮光パターン付きレンチキュラーレンズシートの観察面をJIS K5600−4(CIE1976(L*a*b*))に従って測定し(装置名:SMカラーコンピュータ スガ試験機株式会社製)、a*およびb*を求めた。
3.色の再現性: 実施例1〜5および比較例1〜5により得られた遮光パターン付きレンチキュラーレンズシートを、それぞれ同一形状のフレネルレンズと組み合わせてプロジェクションテレビに装着し、無作為に抽出した10人の観察者によって色の再現性を比較評価した。比較例1と比べ、10人全員が色の再現性がよく、黒が深いと判定した場合を○、中でも最も黒が深いと判定したものを◎、それ以外を×とした。
4.面積比率
得られた遮光パターン付きレンチキュラーレンズシートの断面の走査電子顕微鏡(SEM)観察を行い、粒子部分とその他の部分の面積比を測定し、観察領域の全面が粒子で満たされている場合を充填率100%として充填率を計算した。面積比の測定は、SEM観察の電子画像を二色化処理した後、ソフト名「imageJ」(米国立精神衛生/神経疾患・脳卒中研究所 研究支援ブランチHP http://rsb.info.nih.gov/ij/index.html)を用いて面積比の測定を行った。
上記評価方法によって得られた結果を表1および表2に示す。この結果、特に実施例1〜3の結果から分かるようにカーボンブラックの平均一次粒径が10nm以上50nm以下である場合は色の再現性の良い遮光パターン付きレンチキュラーレンズを得ることができる。
また、実施例1,2,4および5並びに比較例3〜5の結果から、本発明の転写材用樹脂組成物よりなる着色層を備えることにより、黒色度が高く、微細な遮光パターンを得ることができることがわかる。
実施例6
レンズ形状が、楕円形状(縦30μm、横13μm、縦ピッチ150μm、横ピッチ30μm)のレンチキュラーレンズシートを用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。評価した結果、色の再現性◎であった。

Claims (9)

  1. 遮光層に含まれるカーボンブラックの平均一次粒径が10nm以上50nm以下であることを特徴とするレンチキュラーレンズシート。
  2. レンチキュラーレンズのレンズピッチが200μm以下であることを特徴とする請求項1記載のレンチキュラーレンズシート。
  3. 遮光層断面の走査電子顕微鏡観察画像において、画像全体に対するカーボンブラックの占める面積比率が60%以上95%以下であることを特徴とする請求項1または2記載のレンチキュラーレンズシート。
  4. 観察面側よりJIS K5600−4に従って色座標(a*,b*)を測定したときに以下の式(1)および(2)を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンチキュラーレンズシート。
    −2.0≦a*≦2.0 (1)
    −2.0≦b*≦1.0 (2)
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載のレンチキュラーレンズシートを製造する方法において、以下の工程(1)〜(3)を含むことを特徴とするレンチキュラーレンズシートの製造方法。
    工程(1):片面にレンズ形状が形成され、反対面が平坦であるレンチキュラーレンズ基材シートの平坦面上に光硬化性樹脂層を形成する工程;
    工程(2):レンズ形状が形成された面から紫外線を照射し、工程(1)によって形成された光硬化性樹脂層のレンズによって集光した部分を硬化させる工程;
    工程(3):部分的に硬化された光硬化性樹脂層面に、転写材の転写層を密着させ、未硬化部分にのみ一次粒径が10nm以上50nm以下のカーボンブラックを含有する転写材用樹脂組成物よりなる着色層を転写させて遮光層を形成する工程。
  6. 転写材用樹脂組成物であって、以下の成分(a)〜(c);
    成分(a):顔料、
    成分(b):水酸基含有重合体、
    成分(c):酸性基、塩基性基、あるいはこれらの塩を含む重合体、
    を含み、成分(a)〜(c)の合計を100%としたときに、成分(a)顔料の質量比が60質量%以上90質量%以下であることを特徴とする転写材用樹脂組成物。
  7. 成分(a)である顔料が平均一次粒径10nm以上50nm以下のカーボンブラックである請求項6に記載の転写材用樹脂組成物。
  8. 請求項6または7記載の転写材用樹脂組成物からなる転写層を含む転写材
  9. 転写材が、請求項7に記載された転写材用樹脂組成物からなる転写層含む請求項5に記載のレンチキュラーレンズシートの製造方法。
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