JPWO2006095415A1 - 車両内広告放送制御装置 - Google Patents

車両内広告放送制御装置 Download PDF

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Abstract

鉄道の線路脇に設置された広告看板に関する広告放送を、車両が広告看板を通過するタイミングにあわせて、鉄道の車両内で放送する車両内広告放送制御装置を提供することを目的とする。鉄道の線路脇に設置された広告看板をその車両が通過する際に、鉄道の車両内で広告看板の広告放送を行う車両内広告放送制御装置であって、車両内広告放送制御装置は、車両内広告放送制御装置の外部から所定の信号を受信することで、車両内で広告放送を行うことを判定し、判定後、広告看板に対応する広告放送を車両内のスピーカーから放送する、車両内広告放送制御装置である。

Description

本発明は、地下鉄を含む鉄道の線路脇に設置された広告看板に関する広告放送を、車両が広告看板を通過するタイミングと合わせて、鉄道の車両内で放送する車両内広告放送制御装置に関する。
鉄道は線路の軌道に沿って運行しているが、その線路脇に、鉄道の車両内の乗客に対する広告を行うために様々な広告看板が設置されている。この広告看板としては、例えば下記特許文献1や特許文献2に開示されているように、車両が当該広告看板を通過することによって、乗客が動画のように広告を見ることが出来るような広告看板がある。
このような広告看板は、乗客が擬似的な動画像として広告を見られるので、従来の車両の中吊りポスターや絵のような静止画の広告よりも広告効果が高いと考えられる。特に地下鉄の場合、車両外の暗闇の中に突然動画像が出現する意外性があり、その広告効果が高い。尚、本明細書の広告看板は、特許文献1や特許文献2のように動画像を出現させるものの他、写真、絵等の静止画を所定箇所に貼付や印刷等した、従来型の広告看板も含んでいることは言うまでもなく、乗客に対して、少なくとも視覚による広告効果を狙った看板であれば、如何なるものでも良い。
特表2003−511745号公報 特表2004−506926号公報
しかし現在は、特許文献1や特許文献2に記載の広告装置のように、車両内では音を放送することが出来ないので、音のない擬似的な動画像による広告効果しか期待できず、例えばテレビCMのように音と映像とを同時に放送できるような広告であれば、その広告効果は著しく高くなる。
例えば飲料水の広告看板の場合、車両がその広告看板を通過する際に、併せてその飲料水の商品名を車両内で音を放送できれば、乗客に対して、視覚及び聴覚の両方から飲料水の商品名をアピールでき、広告効果が高まる。
本発明者は上記問題点に鑑み、地下鉄を含む鉄道の線路脇に設置された広告看板に関する広告放送を、車両が広告看板を通過するタイミングと合わせて、鉄道の車両内で放送する車両内広告放送制御装置を発明した。
請求項1の発明は、鉄道の線路脇に設置された広告看板をその車両が通過する際に、前記鉄道の車両内で前記広告看板の広告放送を行う車両内広告放送制御装置であって、前記車両内広告放送制御装置は、前記車両内広告放送制御装置の外部から所定の信号を受信することで、前記車両内で広告放送を行うことを判定し、前記判定後、前記広告看板に対応する広告放送を前記車両内のスピーカーから放送する、車両内広告放送制御装置である。
本発明のように、広告放送を行う信号を外部から受信し、それによって広告放送を車両内で放送することで、広告看板を車両が通過するタイミングと連動して広告放送を行うことが出来る。
請求項2の発明は、鉄道の線路脇に設置された広告看板をその車両が通過する際に、前記鉄道の車両内で前記広告看板の広告放送を行う車両内広告放送制御装置であって、前記車両内広告放送制御装置は、前記車両内広告放送制御装置を設置した車両の所定位置からの運行距離を算出し、所定の距離に到達すると、前記広告看板に対応する広告放送を前記車両内のスピーカーから放送する、車両内広告放送制御装置である。
本発明のように、外部から信号を受信するのではなく、運行距離を算出してその距離に対応付けられた広告放送を行うことで、広告看板の前を車両が通過するタイミングと連動して広告放送を行うことが出来る。
請求項3の発明は、前記車両内広告放送制御装置は、前記広告放送を放送する前に、所定の注意放送を前記車両内のスピーカーから放送する、車両内広告放送制御装置である。
このように広告放送を放送する前に注意放送を車両内で放送することによって、乗客に事前に広告放送の認知をさせることが出来、乗客が広告放送の事前準備を行うことが出来る。
請求項4の発明は、前記車両内広告放送制御装置は、前記所定の信号を受信後、又は、前記所定の距離に到達後、前記広告放送を各車両又は各スピーカーで放送するタイミングを算出し、前記タイミングに基づいて前記広告看板に対応する広告放送を前記車両内のスピーカーから放送する、車両内広告放送制御装置である。
車両内広告放送制御装置を各車両に設置していない場合、その信号を受信する位置や運行位置が車両毎に異なっている。しかし各車両で同時に放送すると、まだ広告看板を通過していない車両でも広告放送を放送することとなり、広告看板と広告放送との連動が行えない。そこで各車両又は各スピーカーが広告看板を通過するタイミングを算出し、このタイミングによって広告放送を各車両又は各スピーカーでずらして放送することによって、広告看板と広告放送とを連動して放送することが可能となる。
請求項5の発明は、鉄道の線路脇に設置された広告看板をその車両が通過する際に、前記鉄道の車両内で前記広告看板の広告放送を行う車両内広告放送制御装置であって、前記車両内広告放送制御装置は、前記広告看板に取り付けられた、又はその近傍にある広告放送信号送信装置から、所定の信号を受信する信号検出装置と、前記車両内でどの広告放送を放送するかを前記所定の信号に基づいて判定する放送制御装置と、前記判定に基づいて、前記車両内で放送する広告放送のデータを予め記憶した広告放送記憶装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送する出力制御装置と、を有する車両内広告放送制御装置である。
本発明のように、広告看板やその近傍に設置された広告放送信号送信装置からの信号を検出することにより車両内で広告放送を行うことで、広告看板と広告放送とを連動して放送することが出来る。
請求項6の発明は、前記車両内広告放送制御装置は、前記信号検出装置は、更に、前記鉄道の進行方向に対して、前記広告看板の手前側にある注意放送信号装置から所定の信号を受信し、前記放送制御装置は、更に、前記車両内でどの注意放送を放送するかを前記所定の信号に基づいて判定し、前記出力制御装置は、更に、前記判定に基づいて前記車両内で放送する注意放送のデータを予め記憶した注意放送記憶装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送する、車両内広告放送制御装置である。
上述の発明に於いて、突然広告放送を行うのではなく、本発明のように広告放送を放送する前に注意放送を車両内で放送することによって、乗客に事前に広告放送が行われることを認知させることが出来、乗客が広告放送に対して驚き、不測の事態を防止することが出来る。
請求項7の発明は、鉄道の線路脇に設置された広告看板をその車両が通過する際に、前記鉄道の車両内で前記広告看板の広告放送を行う車両内広告放送制御装置であって、前記車両内広告放送制御装置は、所定位置からの運行距離を算出する運行距離演算装置と、前記算出した運行距離と予め定められた距離とを比較し、前記予め定められた距離に到達すると、前記距離に予め対応付けられた広告放送を前記車両内で放送することを判定する放送制御装置と、前記判定に基づいて、前記車両内で放送する広告放送のデータを予め記憶した広告放送記憶装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送する出力制御装置と、を有する車両内広告放送制御装置である。
本発明のように、外部から信号を受信するのではなく、運行距離を算出してその距離に対応付けられた広告放送を行うことで、広告看板を鉄道が通過するタイミングと連動して広告放送を行うことが出来る。
請求項8の発明は、前記車両内広告放送制御装置は、前記放送制御装置は、前記算出した運行距離と予め定められた距離とを比較し、注意放送を放送する距離に到達すると、前記距離に予め対応付けられた注意放送を前記車両内で放送することを判定し、広告放送を放送する距離に到達すると、前記距離に予め対応付けられた広告放送を前記車両内で放送することを判定し、前記出力制御装置は、前記広告放送を放送する判定の場合には、前記車両内で放送する広告放送のデータを予め記憶した広告放送記憶装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送し、前記注意放送を放送する判定の場合には、前記車両内で放送する注意放送のデータを予め記憶した注意放送記憶装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送する、車両内広告放送制御装置である。
上述の発明に於いて、突然広告放送を行うのではなく、本発明のように広告放送を放送する前に注意放送を車両内で放送することによって、乗客に事前に広告放送が行われることを認知をさせることが出来、乗客が広告放送に対して驚き、不測の事態を防止することが出来る。
請求項9の発明は、鉄道の線路脇に設置された広告看板をその車両が通過する際に、前記鉄道の車両内で前記広告看板の広告放送を行う車両内広告放送制御装置であって、前記車両内広告放送制御装置は、前記車両内で放送する広告放送のデータを所定箇所に設置された広告放送送信装置から受信して記憶する放送受信装置と、前記広告看板に取り付けられた、又はその近傍にある広告放送信号送信装置から、所定の信号を受信する信号検出装置と、前記車両内でどの広告放送を放送するかを前記所定の信号に基づいて判定する放送制御装置と、前記判定に基づいて、前記車両内で放送する広告放送のデータを前記放送受信装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送する出力制御装置と、を有する車両内広告放送制御装置である。
広告看板やその近傍に設置された広告放送信号送信装置からの信号を検出することにより車両内で広告放送を行う場合に、車両内で放送する広告放送のデータは、予め車両内広告放送制御装置に記憶しておかなくても、駅や線路脇等の所定箇所に設置された広告放送送信装置から受信し、それを放送することとしても良い。
請求項10の発明は、前記車両内広告放送制御装置は、前記放送受信装置は、更に、前記車両内で放送する注意放送のデータを所定の箇所に設置された注意放送送信装置から受信して記憶し、前記信号検出装置は、更に、前記鉄道の進行方向に対して、前記広告看板の手前側にある注意放送信号装置から所定の信号を受信し、前記放送制御装置は、更に、前記車両内でどの注意放送を放送するかを前記所定の信号に基づいて判定し、前記出力制御装置は、更に、前記判定に基づいて前記車両内で放送する注意放送のデータを前記放送受信装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送する、車両内広告放送制御装置である。
広告放送を放送することを乗客に認知させる注意放送も、予め車両内広告放送制御装置に記憶しておかなくても、駅や線路脇等の所定箇所に設置された注意放送送信装置から受信し、それを放送することとしても良い。
請求項11の発明は、鉄道の線路脇に設置された広告看板をその車両が通過する際に、前記鉄道の車両内で前記広告看板の広告放送を行う車両内広告放送制御装置であって、前記車両内広告放送制御装置は、前記車両内で放送する広告放送のデータを所定箇所に設置された広告放送送信装置から受信して記憶する放送受信装置と、所定位置からの運行距離を算出する運行距離演算装置と、前記算出した運行距離と予め定められた距離とを比較し、前記予め定められた距離に到達すると、前記距離に予め対応付けられた広告放送を前記車両内で放送することを判定する放送制御装置と、前記判定に基づいて、前記車両内で放送する広告放送のデータを前記放送受信装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送する出力制御装置と、を有する車両内広告放送制御装置である。
外部から信号を受信するのではなく、運行距離を算出してその距離に対応付けられた広告放送を行う場合に、車両内で放送する広告放送のデータは、予め車両内広告放送制御装置に記憶しておかなくても、駅や線路脇等の所定箇所に設置された広告放送送信装置から受信し、それを放送することとしても良い。
請求項12の発明は、前記車両内広告放送制御装置は、前記放送受信装置は、更に、前記車両内で放送する注意放送のデータを所定の箇所に設置された注意放送送信装置から受信して記憶し、前記放送制御装置は、前記算出した運行距離と予め定められた距離とを比較し、注意放送を放送する距離に到達すると、前記距離に予め対応付けられた注意放送を前記車両内で放送することを判定し、広告放送を放送する距離に到達すると、前記距離に予め対応付けられた広告放送を前記車両内で放送することを判定し、前記出力制御装置は、前記広告放送を放送する判定の場合には、前記車両内で放送する広告放送のデータを前記放送受信装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送し、前記注意放送を放送する判定の場合には、前記車両内で放送する注意放送のデータを前記放送受信装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送する、車両内広告放送制御装置である。
広告放送を放送することを乗客に認知させる注意放送も、予め車両内広告放送制御装置に記憶しておかなくても、駅や線路脇等の所定箇所に設置された注意放送送信装置から受信し、それを放送することとしても良い。
請求項13の発明は、前記車両内広告放送制御装置は、更に、前記広告放送を各車両又は各スピーカーで放送するタイミングを算出する放送遅延時間演算装置を有しており、前記出力制御装置は、前記タイミング毎に、前記広告看板に対応する広告放送を前記車両内のスピーカーから放送する、車両内広告放送制御装置である。
上述の各発明に於いて、車両内広告放送制御装置を各車両に設置していない場合、その信号を受信する位置や運行位置が車両毎に異なっている。しかし各車両で同時に放送すると、まだ広告看板を通過していない車両でも広告放送を放送することとなり、広告看板の前を通過するタイミングと広告放送を行うタイミングがずれてしまう。そこで各車両又は各スピーカーが広告看板を通過するタイミングを算出し、このタイミングによって広告放送を各車両又は各スピーカーでずらして放送することによって、広告看板の前を車両が通過するタイミングにあわせて広告放送を放送することが可能となる。
請求項14の発明は、前記運行距離演算装置は、前記車両に設置された加速度センサーから加速度のデータを受信して加速度を2重積分する、前記鉄道の速度計のデータを受信して速度を積分する、或いは前記車両の車輪の回転数を計測するセンサーから車輪の回転数のデータを受信してそれと前記車輪の一回転の距離とを乗算する、ことにより前記車両の運行距離を算出する、車両内広告放送制御装置である。
外部からの信号を受信せずに、自らの運行距離を算出することで広告放送を放送するタイミングを図る方式の車両内広告放送制御装置の場合、運行距離は本発明のようにすれば算出することが出来る。
請求項15の発明は、前記車両内広告放送制御装置は、更に、前記鉄道の車両内で乗客に対して行われる業務放送を検出し、業務放送開始を検出した場合には広告放送不許可の信号を前記出力制御装置に送信し、業務放送終了を検出した場合には広告放送許可の信号を前記出力制御装置に送信する業務放送検出装置を有しており、前記出力制御装置は、前記広告放送を放送する際に、前記業務放送検出装置から広告放送許可の信号を受信している、又は前記業務放送検出装置から広告放送不許可の信号を受信していないことを確認後、前記車両内で放送する広告放送のデータを前記車両内に設置されたスピーカーから放送する、車両内広告放送制御装置である。
乗客に対する業務放送は、鉄道を安全に運行管理を行う上で広告放送よりも優先されるべきものである。そこで本発明のように構成することで、広告放送よりも業務放送を優先して放送することが出来る。
請求項16の発明は、請求項1から請求項15のいずれかに記載の車両内広告放送制御装置を設置した鉄道の車両である。
このような車両内広告放送制御装置は鉄道の車両に設置される。
本発明によって、地下鉄を含む鉄道の線路脇に設置された広告看板に関する広告放送を、車両が広告看板を通過するタイミングと合わせて鉄道の車両内で放送することが出来、その広告効果を一層向上させることが出来る。
本発明の第1の実施形態の概念図である。 本発明の第2の実施形態の概念図である。 本発明の第3の実施形態の概念図である。 本発明の第4の実施形態の概念図である。 本発明の第1の実施形態のシステム構成の一例を示すシステム構成図である。 本発明の第2の実施形態のシステム構成の一例を示すシステム構成図である。 本発明の第3の実施形態のシステム構成の一例を示すシステム構成図である。 本発明の第4の実施形態のシステム構成の一例を示すシステム構成図である。 本発明の第1の実施形態の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。 広告放送記憶装置の概念図である。 注意放送記憶装置の概念図である。 放送制御装置に於ける、直近の停車駅からの距離に基づいて放送する注意放送・広告放送の対応関係を示す概念図である。 基準駅演算装置に於ける、直近の停車駅と駅を発車した信号の受信回数との対応関係を示す概念図である。 放送制御装置に於ける、始発駅からの距離に基づいて放送する注意放送・広告放送の対応関係を示す概念図である。 本発明の第5の実施形態のシステム構成の一例を示すシステム構成図である。 本発明の第6の実施形態のシステム構成の一例を示すシステム構成図である。 本発明の第7の実施形態のシステム構成の一例を示すシステム構成図である。 本発明の第8の実施形態のシステム構成の一例を示すシステム構成図である。 本発明の第5の実施形態の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。 本発明の第6の実施形態の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。 本発明の第7の実施形態の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。 本発明の第8の実施形態の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。 広告放送信号送信装置、注意放送信号送信装置の信号受信圏内と車両との関係を示す概念図である。
符号の説明
1:車両内広告放送制御装置
2:信号検出装置
3:放送制御装置
4:出力制御装置
5:広告放送記憶装置
6:注意放送記憶装置
7:業務放送検出装置
8:駅検出装置
9:基準駅演算装置
10:放送遅延時間演算装置
11:運行距離演算装置
12:加速度センサー
13:ドア開閉センサー
14:放送受信装置
20:鉄道の一編成
21:車両
22:広告看板
23:広告放送信号送信装置
24:注意放送信号送信装置
25:スピーカー
26:広告放送送信装置
27:注意放送送信装置
本発明の概念図を図1から図4に示す。図1では広告看板22或いはその近傍に広告放送信号送信装置23を設置し、その信号を検出して広告放送を行う車両内広告放送制御装置1を各車両に設けた場合、図2では広告看板22或いはその近傍に広告放送信号送信装置23を設置し、その信号を検出して広告放送を行う車両内広告放送制御装置1を鉄道の車両に設けた場合、図3では車両の運行位置を自ら算出し、その位置に基づいて広告放送を行う車両内広告放送制御装置1を各車両に設けた場合、図4では車両の運行位置を自ら算出し、その位置に基づいて広告放送を行う車両内広告放送制御装置1を鉄道の車両に設けた場合を示す。以下、各実施態様に応じて説明する。尚、鉄道はどのようなものであっても良く、地上を運行する在来線の他に、地下鉄、モノレール、特急、新幹線、その他の各種鉄道を含む。
尚、鉄道はその進行方向によって先頭車両及び最後尾車両が変更される。即ち当初は先頭車両だった車両が終点に到着し、次に折り返し運転をする場合には先頭車両だった車両は最後尾車両に、最後尾車両だった車両は先頭車両となる。従って、鉄道の一編成20のうち各車両に車両内広告放送制御装置1を設けない場合には、実際にはその先頭車両及び最後尾車両に各々設置し、進行方向に対して先頭車両の車両内広告放送制御装置1だけを機能させるようにすると良い。そして進行方向が変わった場合には機能する車両内広告放送制御装置1を切り替えると良い。又、各車両に車両内広告放送制御装置1を設置する場合にも、その進行方向に対して先頭付近に設置する場合には、同様の理由から後部付近にも設置することも出来る。
まず図1の、広告看板22或いはその近傍に広告放送信号送信装置23を設置し、その信号を検出して広告放送を行う車両内広告放送制御装置1を各車両に設けた場合を説明する。この場合、広告放送信号送信装置23から送信された所定の信号を車両内広告放送制御装置1で検出し、それにより、所定の広告放送を車両21内で放送する場合である。尚、実施例1では、広告放送を車両21内で放送する前に注意放送を車両21内で放送し、その後広告放送を放送する場合を説明する。注意放送を放送するには、車両の進行方向に対して広告放送信号送信装置23の手前に設置された注意放送信号送信装置24から送信された所定の信号を検出して車両21内で注意放送を放送する。
尚、本明細書に於いて広告放送とは鉄道の線路脇(或いは近傍)、ホームやその近傍に沿って設置された広告看板22の前を車両21が通過するタイミングにあわせて放送される音声広告(尚、音声広告には、その広告看板22の音声メッセージの他、音楽だけであっても良い)であり、注意放送とは広告放送を放送する前に、広告放送を車両21内でこれから放送することを車両21内の乗客に知らせる放送である。尚、注意放送には「広告放送をこれから流します」といった趣旨の音声メッセージを放送しても良いし、チャイムのようなものであっても良い。
図1の場合の車両内広告放送制御装置1のシステム構成の一例を図5に示す。車両内広告放送制御装置1は、鉄道の各車両(車両21の内部、車両21の外部、或いは一部を車両21の内部とし、他を車両21の外部に設置していても良い)に設置されており、信号検出装置2と放送制御装置3と出力制御装置4と広告放送記憶装置5と注意放送記憶装置6と業務放送検出装置7とを有している。
信号検出装置2は、広告放送信号送信装置23或いは注意放送信号送信装置24から送信された所定の信号を検出する装置である。信号検出装置2は、信号を検出しやすいように車両21外に設置されても良いし、車両21内に設置してあっても構わない。
広告放送信号送信装置23、注意放送信号送信装置24から送信される信号は、広告放送を識別する情報(広告放送識別情報)、注意放送を識別する情報(注意放送識別情報)である。このような信号は、例えば英数字、記号等により具現化される信号であると良い。また広告放送信号送信装置23と注意放送信号送信装置24は、車両21の運行平均速度×注意放送の時間により算出される距離以上離れて設置されていると良いが、これに限定されない。即ち注意放送を放送し終わるまでに広告放送信号送信装置23を車両内広告放送制御装置1が通過しないような距離だけ離れていれば良い。又、広告放送信号送信装置23と注意放送信号送信装置24は、信号を常に送信していても良いし、広告放送信号送信装置23・注意放送信号送信装置24又はそれらの近傍に設置されたセンサーで、車両21が近づいたことを検出したタイミングで送信するようにしても良い。この概念図を図26に示す。
放送制御装置3は、信号検出装置2で検出した広告放送識別情報、注意放送識別情報に基づいて、どの広告放送、注意放送を放送するかを判定する制御装置である。例えば広告放送識別情報「1」を受信した場合、広告放送記憶装置5(後述)に記憶した、広告放送識別情報「1」に対応する広告放送1を放送することを判定し、注意放送識別情報「A」を受信した場合、注意放送記憶装置6(後述)に記憶した、注意放送識別情報「A」に対応する注意放送Aを放送することを判定する。
出力制御装置4は、放送制御装置3で判定した放送を広告放送記憶装置5或いは注意放送記憶装置6から取得し、車両21に設置されたスピーカー25から放送する制御装置である。尚、広告放送或いは注意放送の放送前、或いは放送中に業務放送検出装置7で業務放送が放送されていることを検出した場合には、当該広告放送、注意放送の放送を中止・中断する。これによって業務放送を優先して放送することが出来る。またスピーカー25は業務放送用のスピーカー25と兼用であっても良いし、別に設置しても良い。
広告放送記憶装置5は、広告放送識別情報と、車両21内で放送する広告放送のデータとを対応付けて記憶する装置である。図13に広告放送記憶装置5の概念図を示す。尚、実際には広告放送のデータのデータファイル名を広告放送識別情報としていると良い。
注意放送記憶装置6は、注意放送識別情報と、車両21内で放送する注意放送のデータとを対応付けて記憶する装置である。図14に注意放送記憶装置6の概念図を示す。尚、実際には注意放送のデータのデータファイル名を注意放送識別情報としていると良い。又、注意放送は一つだけ(例えば、チャイム、「これから広告放送を行います」等の音声メッセージ)であっても良いし、各広告看板22毎に分けても良い。例えば「これから○○社の広告放送を行います」等の音声メッセージであり、広告看板22の社名毎に別の音声メッセージとする。更に、社名と定型メッセージとを合成して注意放送としても良い。上述の例では、「これから○○社の広告放送を行います」の定型メッセージと、「○○社」に相当する社名の音声メッセージとからなり、注意放送識別情報に対応する社名の音声メッセージを注意放送記憶装置6から抽出し、この音声メッセージを定型メッセージに合成することとしても良い。尚、このような合成処理は出力制御装置4で行われる。
業務放送検出装置7は、鉄道の車両21内で乗客に対して行われる業務放送を検出し、業務放送開始を検出した場合には注意放送・広告放送不許可の信号を出力制御装置4に送信し、業務放送終了を検出した場合には注意放送・広告放送許可の信号を出力制御装置4に送信する装置である。例えば車掌室や運転室で制御する、乗客に対する業務放送を行うスイッチを監視し、そのスイッチがオンになった場合に、業務放送が行われることを検出し、注意放送・広告放送不許可の信号を出力制御装置4に送信し、乗客に対する業務放送を行うスイッチがオフになった場合に、注意放送・広告放送許可の信号を出力制御装置4に送信する等の方法がある。
図1及び図5の場合の処理プロセスの一例を図9のフローチャートを用いて説明する。車両内広告放送制御装置1は、図1に示すように鉄道の各車両に設置されており、車両21内に設置された各スピーカー25から広告放送、注意放送を放送する場合である。
車両内広告放送制御装置1を各車両に設置した一編成の鉄道20は、通常通り駅を出発し、次の駅に向かって運行する(S100)。その駅間に於いて鉄道が運行し、車両21の進行方向に向かって、広告看板22(広告放送信号送信装置23)の手前側に設置された注意放送信号送信装置24の信号受信圏内に車両21が到達すると(図26左側)、信号検出装置2は注意放送信号送信装置24から送信された信号(注意放送識別情報)を検出する(S110)。
この信号(注意放送識別情報)を検出すると、放送制御装置3は、どの注意放送を放送するかを判定する。例えば注意放送識別情報「A」を受信した場合、注意放送記憶装置6に記憶した、注意放送識別情報「A」に対応する注意放送Aを放送することを判定する。
放送制御装置3に於ける判定後、出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送許可の信号を受信済みである(或いは注意放送・広告放送不許可の信号を受信していない)ことを確認し、当該注意放送のデータを注意放送記憶装置6から取得し、スピーカー25から放送する(S120)。例えば上述では注意放送識別情報「A」に対応する注意放送Aのデータを注意放送記憶装置6から取得し、そのデータをスピーカー25から放送する。放送するスピーカー25が車両21内に複数設置されている場合には、その各々から放送すると良い。
注意放送信号送信装置24と広告放送信号送信装置23とは、注意放送の放送時間以上の距離を設けて設置しているので、注意放送の放送終了後、車両21は広告放送信号送信装置23の信号受信圏内に到達することとなり(図26右側)、信号検出装置2は広告放送信号送信装置23から送信された信号(広告放送識別情報)を検出する(S130)。
この信号(広告放送識別情報)を検出すると、放送制御装置3は、どの広告放送を放送するかを判定する。例えば広告放送識別情報「1」を受信した場合、広告放送記憶装置5に記憶した、広告放送識別情報「1」に対応する広告放送1を放送することを判定する。
放送制御装置3に於ける判定後、出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送許可の信号を受信済みである(或いは注意放送・広告放送不許可の信号を受信していない)ことを確認し、当該広告放送のデータを広告放送記憶装置5から取得し、スピーカー25から放送する(S140)。例えば上述では広告放送識別情報「1」に対応する広告放送1のデータを広告放送記憶装置5から取得し、そのデータをスピーカー25から放送する。放送するスピーカー25が車両21内に複数設置されている場合には、その各々から放送すると良い。
注意放送、広告放送の放送中、或いはその放送前に業務放送検出装置7が業務放送を検出した場合(例えば車掌が乗客に対する業務放送を行う為のスイッチをオンにした等の場合)、業務放送検出装置7は出力制御装置4に対して、注意放送・広告放送不許可の信号を送信する。出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送不許可の信号を受信した場合には、例え注意放送、広告放送の放送中であっても、その放送を中止、中断する制御を行い、業務放送を優先的に放送する。業務放送用のスピーカー25と注意放送、広告放送用のスピーカー25とが共通の場合には、出力制御装置4は、業務放送の放送にスイッチを強制的に切り替える。
以上のようなシステム構成、処理プロセスを実行することによって、鉄道の線路脇に設置された広告看板22の前を車両21が通過するタイミングにあわせて広告放送を車両21内で放送することが出来る。つまり、広告放送信号送信装置23は、広告看板22と一体的に或いはその近傍に設置されているので、広告放送信号送信装置23から広告放送識別信号を受信すると、それに併せて広告放送が放送される。即ち、車両21が広告看板22の前を通過するタイミングにあわせて広告放送を放送することが出来る。
更に広告放送を車両21内で放送する前に注意放送を放送することによって、乗客にこれから車両21内で広告放送が放送されることを認知させることが出来るので、乗客に広告放送に対する事前準備を行わせることも出来る。
次に図2の、広告看板22或いはその近傍に広告放送信号送信装置23を設置し、その信号を検出して広告放送を行う車両内広告放送制御装置1を、鉄道の一編成20の先頭車両に設けた場合を説明する。この場合、広告放送信号送信装置23から送信された所定の信号を車両内広告放送制御装置1で検出し、各車両毎に放送する時間差を算出し、その時間差毎に所定の広告放送を車両21内で放送する場合である。尚、実施例2では、広告放送を車両21内で放送する前に注意放送を車両21内で放送し、その後広告放送を放送する場合を説明する。注意放送を放送するには、車両の進行方向に対して広告放送信号送信装置23の手前に設置された注意放送信号送信装置24から送信された所定の信号を検出して車両21内で注意放送を放送する。
図2の場合の車両内広告放送制御装置1のシステム構成の一例を図6に示す。車両内広告放送制御装置1は、車両21の進行方向に対して先頭車両(車両21の内部、車両21の外部、或いは一部を車両21の内部とし他を車両21の外部に設置していても良い)に設置されており、信号検出装置2と放送制御装置3と出力制御装置4と広告放送記憶装置5と注意放送記憶装置6と業務放送検出装置7と放送遅延時間演算装置10とを有している。尚、信号検出装置2、広告放送記憶装置5、注意放送記憶装置6、業務放送検出装置7は実施例1と同様であるので説明を省略する。
放送制御装置3は、信号検出装置2で検出した広告放送識別情報、注意放送識別情報に基づいて、どの広告放送、注意放送を放送するかを判定する制御装置である。例えば広告放送識別情報「1」を受信した場合、広告放送記憶装置5(後述)に記憶した、広告放送識別情報「1」に対応する広告放送1を放送することを判定し、注意放送識別情報「A」を受信した場合、注意放送記憶装置6(後述)に記憶した、注意放送識別情報「A」に対応する注意放送Aを放送することを判定する。更に、実施例2では、進行方向に対して先頭車両に車両内広告放送制御装置1が設置されている。そうすると、先頭車両で広告放送信号送信装置23から広告放送識別情報の信号を検出した際に、そのまま各車両のスピーカー25で同時に広告放送を放送してしまうと、最後尾車両では広告看板22に到達する前に広告放送を開始することとなり、最後尾車両が広告看板22を通過するタイミングとずれてしまう。そこで、広告看板22とタイミングがあうように、広告放送を放送する遅延時間を算出する為の放送遅延時間算出信号を放送遅延時間演算装置10に送信する。
放送遅延時間演算装置10は、車両の運行速度を検出し、それに基づいて各車両21(又は各スピーカー25)での放送遅延時間を算出する装置である。運行速度を検出するには、図6に示すように加速度センサー12を車両21に設置し、それを積分することにより運行速度を算出する。そして車両内広告放送制御装置1(或いは信号検出装置2)から各車両(又は各スピーカー25)までの距離で除することによって、放送遅延時間を算出することが出来る。又、加速度センサー12以外にも車両の速度計(運転台で計測している速度計)から運行速度を取得しても良い。尚、車両内広告放送制御装置1から各車両(各スピーカー25)までの距離は固定的であるので、予め放送遅延時間演算装置10に記憶しておけばよい。又車両内広告放送制御装置1から各車両(各スピーカー25)までの距離ではなく、信号検出装置2からの距離としても良いし、所定箇所(例えば始発駅や一つ前の停車駅)からの距離とすることが出来る。
例えば車両21の運行速度が時速57.6km(秒速16m)であり、1両あたりの長さが16mの場合、2両目は放送遅延時間が1秒、3両目は放送遅延時間が2秒、4両目は放送遅延時間が3秒、のように算出できる。
出力制御装置4は、放送制御装置3で判定した放送を広告放送記憶装置5或いは注意放送記憶装置6から取得し、車両21に設置されたスピーカー25から放送する制御装置である。尚、広告放送或いは注意放送の放送前、或いは放送中に業務放送検出装置7で業務放送が放送されていることを検出した場合には、当該広告放送、注意放送の放送を中止・中断する。これによって業務放送を優先して放送することが出来る。またスピーカー25は業務放送用のスピーカー25と兼用であっても良いし、別に設置しても良い。また本実施例に於ける出力制御装置4は、放送遅延時間演算装置10で算出した放送遅延時間に基づいて、各車両或いは各スピーカー25で広告放送を放送するタイミングをずらして放送する(場合によっては注意放送を放送するタイミングもずらして良い)。上述の例の場合、先頭車両では放送遅延時間を0秒、2両目では放送遅延時間が1秒、3両目では放送遅延時間2秒なので、出力制御装置4は、まず先頭車両のスピーカー25で当該広告放送を放送し、それから1秒後に2両目のスピーカー25で当該広告放送を放送し、更にそれから1秒後(累計で2秒後)に3両目のスピーカー25で当該広告放送を放送する制御を行う。
図2及び図6の場合の処理プロセスの一例を図10のフローチャートを用いて説明する。車両内広告放送制御装置1は、図1に示すように車両の進行方向に対して先頭車両に設置されており、車両21内に設置された各スピーカー25から広告放送、注意放送を放送する場合である。
車両内広告放送制御装置1を各車両に設置した一編成の鉄道20は、通常通り駅を出発し、次の駅に向かって運行する(S200)。その駅間に於いて鉄道が運行し、車両21の進行方向に向かって、広告看板22(広告放送信号送信装置23)の手前側に設置された注意放送信号送信装置24の信号受信圏内に車両21が到達すると(図26左側)、信号検出装置2は注意放送信号送信装置24から送信された信号(注意放送識別情報)を検出する(S210)。
この信号(注意放送識別情報)を検出すると、放送制御装置3は、どの注意放送を放送するかを判定する。例えば注意放送識別情報「A」を受信した場合、注意放送記憶装置6に記憶した、注意放送識別情報「A」に対応する注意放送Aを放送することを判定する。
注意放送の放送の際にも放送遅延時間を算出する場合には、放送遅延時間演算装置10が車両の運行速度を検出し、それに基づいて各車両(又は各スピーカー25)での注意放送の放送遅延時間を算出する(S220)。注意放送の放送遅延時間も、広告放送の放送遅延時間と同様に算出できる。
放送制御装置3に於ける判定後、出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送許可の信号を受信済みである(或いは注意放送・広告放送不許可の信号を受信していない)ことを確認し、当該注意放送のデータを注意放送記憶装置6から取得し、放送遅延時間毎に、各車両のスピーカー25から注意放送を放送する(S230)。例えば上述では注意放送識別情報「A」に対応する注意放送Aのデータを注意放送記憶装置6から取得し、そのデータを、先頭車両のスピーカー25ではすぐに、2両目のスピーカー25では1秒後、3両目のスピーカー25では2秒後に放送する。
注意放送信号送信装置24と広告放送信号送信装置23とは、注意放送の放送時間以上の距離を設けて設置しているので、注意放送の放送終了後、車両21は広告放送信号送信装置23の信号受信圏内に到達することとなり(図26右側)、信号検出装置2は広告放送信号送信装置23から送信された信号(広告放送識別情報)を検出する(S240)。
この信号(広告放送識別情報)を検出すると、放送制御装置3は、どの広告放送を放送するかを判定する。例えば広告放送識別情報「1」を受信した場合、広告放送記憶装置5に記憶した、広告放送識別情報「1」に対応する広告放送1を放送することを判定する。
そして放送遅延時間演算装置10が車両21の運行速度を検出し、それに基づいて各車両(又は各スピーカー25)での広告放送の放送遅延時間を算出する(S250)。
放送制御装置3に於ける判定後、出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送許可の信号を受信済みである(或いは注意放送・広告放送不許可の信号を受信していない)ことを確認し、当該広告放送のデータを広告放送記憶装置5から取得し、放送遅延時間毎に、各車両のスピーカー25から放送する(S260)。例えば上述では広告放送識別情報「1」に対応する広告放送1のデータを広告放送記憶装置5から取得し、そのデータを、先頭車両のスピーカー25ではすぐに、2両目のスピーカー25では1秒後、3両目のスピーカー25では2秒後に放送する。
注意放送、広告放送の放送中、或いはその放送前に業務放送検出装置7が業務放送を検出した場合(例えば車掌が乗客に対する業務放送を行う為のスイッチをオンにした等の場合)、業務放送検出装置7は出力制御装置4に対して、注意放送・広告放送不許可の信号を送信する。出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送不許可の信号を受信した場合には、例え注意放送、広告放送の放送中であっても、その放送を中止、中断する制御を行い、業務放送を優先的に放送する。業務放送用のスピーカー25と注意放送、広告放送用のスピーカー25とが共通の場合には、出力制御装置4は、業務放送の放送にスイッチを強制的に切り替える。
以上のようなシステム構成、処理プロセスを実行することによって、鉄道の線路脇に設置された広告看板22の前を車両21が通過するタイミングにあわせて広告放送を車両21内で放送することが出来る。つまり、広告放送信号送信装置23は、広告看板22と一体的に或いはその近傍に設置されているので、広告放送信号送信装置23から広告放送識別信号を受信すると、それに併せて広告放送が放送される。即ち、車両21が広告看板22の前を通過するタイミングにあわせて広告放送を放送することが出来る。
更に広告放送を車両21内で放送する前に注意放送を放送することによって、乗客にこれから車両21内で広告放送が放送されることを認知させることが出来るので、乗客に広告放送に対する事前準備を行わせることも出来る。
加えて、車両内広告放送制御装置1を一編成20のうちの進行方向に対して先頭車両に設置した場合でも、各車両がその広告看板22の前を通過するのにあわせて広告放送を放送させることが可能となる。尚、注意放送は、乗客に対して広告放送が放送されることを認知させる為の放送であるので、放送遅延時間を算出せず、全車両21で同時に放送しても良い。
次に図3の、車両21の運行位置を自ら算出し、その位置に基づいて広告放送を行う車両内広告放送制御装置1を各車両に設けた場合を説明する。この場合、車両21が運行している現在位置を算出し、所定位置に到達した場合に、所定の広告放送を車両21内で放送する場合である。尚、実施例3では、広告放送を車両21内で放送する前に注意放送を車両21内で放送し、その後広告放送を放送する場合を説明する。注意放送を放送するには、広告放送を放送する位置(距離)よりも、進行方向に対して手前の位置(距離)に到達した場合に、所定の注意放送を車両21内で放送する。
図3の場合の車両内広告放送制御装置1のシステム構成の一例を図7に示す。車両内広告放送制御装置1は、鉄道の各車両21(車両21の内部、車両21の外部、或いは一部を車両21の内部とし他を車両21の外部に設置していても良い)に設置されており、放送制御装置3と出力制御装置4と広告放送記憶装置5と注意放送記憶装置6と業務放送検出装置7と駅検出装置8と基準駅演算装置9と運行距離演算装置11とを有している。
放送制御装置3は、後述する運行距離演算装置11で算出した、直近の停車駅或いは始発駅からの距離に基づいて、どの広告放送、注意放送を放送するかを判定する制御装置である。例えば直近の停車駅から1000mの位置に到達した場合に注意放送を放送し、直近の停車駅から1500mの位置に到達した場合に広告放送を放送することが、予め放送制御装置3で定められている場合、当該位置に到達した場合に対応する注意放送・広告放送を放送することを判定する。尚、本実施例では直近の停車駅からの距離に基づいて判定する場合を説明する。この場合の放送制御装置3が放送する、各直近の停車駅からの距離に基づいて放送する注意放送、広告放送の概念図を図15に示す。
図15の場合、車両21(放送制御装置3)がA駅から1000mの位置に到達した場合に注意放送識別情報が注意放送Aであるデータを放送することを判定し、車両21(放送制御装置3)がA駅から1500mの位置に到達した場合に広告放送識別情報が広告放送1であるデータを放送することを判定し、車両21(放送制御装置3)がB駅から500mの位置に到達した場合に注意放送識別情報が注意放送Bであるデータを放送することを判定し、車両21(放送制御装置3)がB駅から1000mの位置に到達した場合に広告放送識別情報が広告放送2であるデータを放送することを判定し、車両21(放送制御装置3)がC駅から800mの位置に到達した場合に注意放送識別情報が注意放送Cであるデータを放送することを判定し、車両21(放送制御装置3)がC駅から1300mの位置に到達した場合に広告放送識別情報が広告放送3であるデータを放送することを判定することを示している。
出力制御装置4は、放送制御装置3で判定した放送を広告放送記憶装置5或いは注意放送記憶装置6から取得し、車両21に設置されたスピーカー25から放送する制御装置である。尚、広告放送或いは注意放送の放送前、或いは放送中に業務放送検出装置7で業務放送が放送されていることを検出した場合には、当該広告放送、注意放送の放送を中止・中断する。これによって業務放送を優先して放送することが出来る。またスピーカー25は業務放送用のスピーカー25と兼用であっても良いし、別に設置しても良い。
広告放送記憶装置5は、広告放送識別情報と、車両21内で放送する広告放送のデータとを対応付けて記憶する装置である。図13に広告放送記憶装置5の概念図を示す。尚、実際には広告放送のデータのデータファイル名を広告放送識別情報としていると良い。
注意放送記憶装置6は、注意放送識別情報と、車両21内で放送する注意放送のデータとを対応付けて記憶する装置である。図14に注意放送記憶装置6の概念図を示す。尚、実際には注意放送のデータのデータファイル名を注意放送識別情報としていると良い。又、注意放送は一つだけ(例えば、チャイム、「これから広告放送を行います」等の音声メッセージ)であっても良いし、各広告看板22毎に分けても良い。例えば「これから○○社の広告放送を行います」等の音声メッセージであり、広告看板22の社名毎に別の音声メッセージとする。更に、社名と定型メッセージとを合成して注意放送としても良い。上述の例では、「これから○○社の広告放送を行います」の定型メッセージと、「○○社」に相当する社名の音声メッセージとからなり、注意放送識別情報に対応する社名の音声メッセージを注意放送記憶装置6から抽出し、この音声メッセージを定型メッセージに合成することとしても良い。尚、このような合成処理は出力制御装置4で行われる。
業務放送検出装置7は、鉄道の車両21内で乗客に対して行われる業務放送を検出し、業務放送開始を検出した場合には注意放送・広告放送不許可の信号を出力制御装置4に送信し、業務放送終了を検出した場合には注意放送・広告放送許可の信号を出力制御装置4に送信する装置である。例えば車掌室や運転室で制御する、乗客に対する業務放送を行うスイッチを監視し、そのスイッチがオンになった場合に、業務放送が行われることを検出し、注意放送・広告放送不許可の信号を出力制御装置4に送信し、乗客に対する業務放送を行うスイッチがオフになった場合に、注意放送・広告放送許可の信号を出力制御装置4に送信する等の方法がある。
駅検出装置8は、車両21に設置された加速度センサー12(或いは速度計)から加速度(或いは速度)の信号を受信し、ドア開閉センサー13からドアの開閉の信号を受信し、駅に停車したことを検出する装置である。具体的には加速度センサー12から受信する加速度が0の時に、或いは速度計から受信する速度が0の時に、ドア開閉センサー13から、ドアが開いた信号と閉じた信号を受信した場合に、駅に停車したことを検出する。そしてドア開閉センサー13からドアが閉じた信号を受信後、加速度センサー12或いは速度計が0以上になった場合に、駅を発車したことを検出する。そして基準駅演算装置9に駅を発車した信号を送信する。
尚、駅検出装置8は、上述以外にも、加速度又は速度が0になり、且つドアが開いたことによって駅に停車したことを検出しても良い。この場合、駅検出装置8は駅に停車した信号を基準駅演算装置9に送信する。このように駅検出装置8は、駅の発車、停車のいずれを検出しても良い。
基準駅演算装置9は、始発駅から順番に直近の停車駅を算出する装置である。これは駅検出装置8から駅を発車した信号(或いは駅に停車した信号)を何回受信したかをカウントすることにより算出できる。例えばA駅が始発駅で、次がB駅、その次がC駅の場合、A駅の発車時に駅検出装置8から駅を発車した信号を1度受信するので、基準駅演算装置9は、直近の停車駅はA駅であることを判定し、次に鉄道がB駅に到着、出発すると、B駅の発車時に駅検出装置8から駅を発車した信号を再度受信する。そうすると基準駅演算装置9が受信した駅を発車した信号は2回になるので、直近の停車駅がB駅であることを判定できる。従って基準駅演算装置9は、当該鉄道の停車する駅を始発駅から順番に終着駅まで記憶し、駅を発車(或いは駅に停車)した信号の受信回数との対応を予め記憶している。この概念図を図16に示す。尚、発車ではなく停車の信号を検出する場合でも同様に行える。
運行距離演算装置11は、加速度センサー12(レートジャイロ等)から取得した加速度、或いは速度計から取得した速度に基づいて、車両21の運行距離を算出する装置である。加速度に基づく場合には、加速度の2重積分を算出することによって運行距離を算出し、速度に基づく場合には、速度の積分を算出することによって運行距離を算出する。
図3及び図7の場合の処理プロセスの一例を図11のフローチャートを用いて説明する。車両内広告放送制御装置1は、図3に示すように鉄道の各車両に設置されており、車両21内に設置された各スピーカー25から広告放送、注意放送を放送する場合である。
車両内広告放送制御装置1を各車両21に設置した一編成の鉄道20は、通常通り駅を出発し、次の駅に向かって運行する(S300)。ここではA駅からB駅に向かっているとする。A駅を発車することによって、駅検出装置8は、加速度センサー12又は速度計からそれが0以上になったこと、及びドア開閉センサー13からドアが開いて閉じたことを検出しているので、A駅(始発駅)を出発したことを検出し、駅検出装置8に駅を発車した信号を送信する。基準駅演算装置9は、駅検出装置8から駅を発車した信号を受信すると、A駅は始発駅であるから、受信した信号の回数は1であることから、基準駅演算装置9は直近の停車駅がA駅であると算出する。
A駅とB駅の駅間に於いて鉄道が運行し、この運行中には駅検出装置8は駅停車を検出しないので(S310)、運行距離演算装置11が加速度センサー12からの加速度或いは速度計からの速度に基づいて、A駅からの運行距離を算出する(S320)。
そして運行距離演算装置11が算出した距離がA駅から1000mの位置に到達すると、放送制御装置3は、図15に示すように、注意放送Aを放送することを判定する(S330)。
放送制御装置3に於ける判定後、出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送許可の信号を受信済みである(或いは注意放送・広告放送不許可の信号を受信していない)ことを確認し、当該注意放送のデータを注意放送記憶装置6から取得し、スピーカー25から放送する(S340)。例えば上述では注意放送識別情報「A」に対応する注意放送Aのデータを注意放送記憶装置6から取得し、そのデータをスピーカー25から放送する。放送するスピーカー25が車両21内に複数設置されている場合には、その各々から放送すると良い。
注意放送の放送中、或いは放送終了後にも鉄道は運行しているので、運行距離演算装置11は随時距離を算出しているが(S320)、その距離がA駅から1500mの位置に到達すると、放送制御装置3は、図15に示すように、広告放送1を放送することを判定する(S350)。
放送制御装置3に於ける判定後、出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送許可の信号を受信済みである(或いは注意放送・広告放送不許可の信号を受信していない)ことを確認し、当該広告放送のデータを広告放送記憶装置5から取得し、スピーカー25から放送する(S360)。例えば上述では広告放送識別情報「1」に対応する広告放送1のデータを広告放送記憶装置5から取得し、そのデータをスピーカー25から放送する。放送するスピーカー25が車両21内に複数設置されている場合には、その各々から放送すると良い。
注意放送、広告放送の放送中、或いはその放送前に業務放送検出装置7が業務放送を検出した場合(例えば車掌が乗客に対する業務放送を行う為のスイッチをオンにした等の場合)、業務放送検出装置7は出力制御装置4に対して、注意放送・広告放送不許可の信号を送信する。出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送不許可の信号を受信した場合には、例え注意放送、広告放送の放送中であっても、その放送を中止、中断する制御を行い、業務放送を優先的に放送する。業務放送用のスピーカー25と注意放送、広告放送用のスピーカー25とが共通の場合には、出力制御装置4は、業務放送の放送にスイッチを強制的に切り替える。
更に広告放送(この場合は広告放送1)の放送終了後も鉄道はB駅に向かって運行しているので、運行距離演算装置11は距離を算出している(S320)。しかし図15に示すように、広告放送1の終了後、B駅に到着するまでに新たな注意放送、広告放送はないので、そのままB駅に到着する。
B駅に鉄道が到着すると、その加速度或いは速度が0になるので、駅検出装置8が加速度センサー12から受信する加速度或いは速度計から受信する速度は0となり、更にドア開閉センサー13からドアが開けられた信号を受信する。そしてドア開閉センサー13からドアが閉じられた信号を受信し、加速度センサー12から受信する加速度或いは速度計から受信する速度が0より大きくなった場合に、駅検出装置8はB駅を発車したことを検出する(S310)。従って、駅検出装置8は基準駅演算装置9に、駅を発車した信号を送信する。そうすると、基準駅演算装置9は、駅を発車した信号を2回受信したこととなるので、直近の停車駅がB駅であることを算出する(S370)。尚、この際に運行距離演算装置11で算出する運行距離を0に戻すと良い。
そして上述と同様に、運行距離演算装置11がB駅からの運行距離を算出し、B駅から500mの位置に到達すると、放送制御装置3は、図15に示すように、注意放送Bを放送することを判定する(S330)。
以後は上述と同様に注意放送、広告放送を行うこととなる。
以上のようなシステム構成、処理プロセスを実行することによって、鉄道の線路脇に設置された広告看板22の前を車両21が通過するタイミングにあわせて広告放送を車両21内で放送することが出来る。つまり、放送制御装置3には、直近の停車駅(又は始発駅)から広告看板22までの距離が記憶されているので、車両21がその距離に到達した段階で、それに併せて広告放送が放送される。即ち、車両21が広告看板22の前を通過するタイミングにあわせて広告放送を放送することが出来る。
更に広告放送を車両21内で放送する前に注意放送を放送することによって、乗客にこれから車両21内で広告放送が放送されることを認知させることが出来るので、乗客に広告放送に対する事前準備を行わせることも出来る。
次に図4の、車両の運行位置を自ら算出し、その位置に基づいて広告放送を行う車両内広告放送制御装置1を鉄道の一編成20の一つ(或いは二以上であって全車両以外)の車両21に設けた場合を説明する。この場合、車両21が運行している現在位置を算出し、所定位置に到達した場合に、所定の広告放送を車両21内で放送する場合である。この場合、車両内広告放送制御装置1で算出した運行距離と、予め定められた車両21又はスピーカー25の距離とから、各車両(スピーカー25毎)に放送する時間差を算出し、その時間差毎に所定の広告放送を車両21内で放送する場合である。尚、実施例6では、広告放送を車両21内で放送する前に注意放送を車両21内で放送し、その後広告放送を放送する場合を説明する。注意放送を放送するには、広告放送を放送する位置(距離)よりも、進行方向に対して手前の位置(距離)に到達した場合に、所定の注意放送を車両21内で放送する。
図4の場合の車両内広告放送制御装置1のシステム構成の一例を図8に示す。車両内広告放送制御装置1は、鉄道の一編成20のいずれかの車両21(車両21の内部、車両21の外部、或いは一部を車両21の内部とし他を車両21の外部に設置していても良い)に一以上設置されており、放送制御装置3と出力制御装置4と広告放送記憶装置5と注意放送記憶装置6と業務放送検出装置7と駅検出装置8と基準駅演算装置9と放送遅延時間演算装置10と運行距離演算装置11とを有している。尚、広告放送記憶装置5、注意放送記憶装置6、駅検出装置8、基準駅演算装置9、運行距離演算装置11、業務放送検出装置7は実施例3と同様なので説明を省略する。
放送制御装置3は、運行距離演算装置11で算出した、直近の停車駅或いは始発駅からの距離に基づいて、どの広告放送、注意放送を放送するかを判定する制御装置である。例えば直近の停車駅から1000mの位置に到達した場合に注意放送を放送し、直近の停車駅から1500mの位置に到達した場合に広告放送を放送することが、予め放送制御装置3で定められている場合、当該位置に到達した場合に対応する注意放送・広告放送を放送することを判定する。尚、本実施例では直近の停車駅からの距離に基づいて判定する場合を説明する。この場合の放送制御装置3が放送する、各直近の停車駅からの距離に基づいて放送する注意放送、広告放送の概念図を図15に示す。更に実施例6では、鉄道の一編成20のうち各車両毎に車両内広告放送制御装置1を設けていない。その為、車両21毎又はスピーカー25毎に広告放送を放送する場合に、車両21と広告看板22との位置がずれタイミングがあわない場合がある。そこで、広告看板22とタイミングがあうように、広告放送を放送する放送遅延時間を算出する為の放送遅延時間算出信号を放送遅延時間演算装置10に送信する。
図15の場合、車両21(放送制御装置3)がA駅から1000mの位置に到達した場合に注意放送識別情報が注意放送Aであるデータを放送することを判定し、車両21(放送制御装置3)がA駅から1500mの位置に到達した場合に広告放送識別情報が広告放送1であるデータを放送することを判定し、車両21(放送制御装置3)がB駅から500mの位置に到達した場合に注意放送識別情報が注意放送Bであるデータを放送することを判定し、車両21(放送制御装置3)がB駅から1000mの位置に到達した場合に広告放送識別情報が広告放送2であるデータを放送することを判定し、車両21(放送制御装置3)がC駅から800mの位置に到達した場合に注意放送識別情報が注意放送Cであるデータを放送することを判定し、車両21(放送制御装置3)がC駅から1300mの位置に到達した場合に広告放送識別情報が広告放送3であるデータを放送することを判定することを示している。
放送遅延時間演算装置10は、車両21の運行速度を検出し、それに基づいて各車両(又は各スピーカー25)での放送遅延時間を算出する装置である。運行速度を検出するには、図8に示すように加速度センサー12を車両21に設置し、それを積分することにより運行速度を算出する。そして車両内広告放送制御装置1(或いは信号検出装置2)から各車両(又は各スピーカー25)までの距離で除することによって、放送遅延時間を算出することが出来る。又、加速度センサー12以外にも車両21の速度計(運転台がある車両で計測している速度)から運行速度を取得しても良い。尚、車両内広告放送制御装置1から各車両(各スピーカー25)までの距離は固定的であるので、予め放送遅延時間演算装置10に記憶しておけばよい。又車両内広告放送制御装置1から各車両(各スピーカー25)までの距離ではなく、所定箇所からの距離とすることが出来る。車両21の運行速度を検出するには、加速度センサー12による加速度を積分する他、速度計からの速度の信号を検出しても良い。
例えば車両の運行速度が時速57.6km(秒速16m)であり、1両あたりの長さが16mの場合、2両目は放送遅延時間が1秒、3両目は放送遅延時間が2秒、4両目は放送遅延時間が3秒、のように算出できる。
尚、車両内広告放送制御装置1が進行方向に対して先頭車両に設置されていない場合には、遅延ではなく、早めに放送することが求められる。そこで上述と同様に算出した時間分だけ早めに放送するようにする。
出力制御装置4は、放送制御装置3で判定した放送を広告放送記憶装置5或いは注意放送記憶装置6から取得し、車両21に設置されたスピーカー25から放送する制御装置である。尚、広告放送或いは注意放送の放送前、或いは放送中に業務放送検出装置7で業務放送が放送されていることを検出した場合には、当該広告放送、注意放送の放送を中止・中断する。これによって業務放送を優先して放送することが出来る。またスピーカー25は業務放送用のスピーカー25と兼用であっても良いし、別に設置しても良い。また本実施例に於ける出力制御装置4は、放送遅延時間演算装置10で算出した放送遅延時間に基づいて、各車両或いは各スピーカー25で広告放送を放送するタイミングをずらして放送する(場合によっては注意放送を放送するタイミングもずらして良い)。上述の例の場合、先頭車両では放送遅延時間を0秒、2両目では放送遅延時間が1秒、3両目では放送遅延時間2秒なので、出力制御装置4は、まず先頭車両のスピーカー25で当該広告放送を放送し、それから1秒後に2両目のスピーカー25で当該広告放送を放送し、更にそれから1秒後(累計で2秒後)に3両目のスピーカー25で当該広告放送を放送する制御を行う。尚、車両内広告放送制御装置1が進行方向に対して先頭車両以外の車両21に備えられている場合には、放送遅延時間演算装置10が算出した遅延時間分だけ、早めにスピーカー25から放送する。例えば最後尾車両にある場合、最後尾車両の放送1秒前に後ろから2両目で放送し、更にその前の車両21(後ろから3両目)は最後尾車両の放送2秒前に放送を行う。
図4及び図8の場合の処理プロセスの一例を図12のフローチャートを用いて説明する。車両内広告放送制御装置1は図4に示すように車両21の進行方向に対して先頭車両に設置されており、車両21内に設置された各スピーカー25から広告放送、注意放送を放送する場合を説明するが、先頭車両以外の車両21に設置されている場合には、上述のように車両内広告放送制御装置1が設置された車両21で放送されるタイミングから遅延時間分だけ早めに放送すればよい。
車両内広告放送制御装置1を各車両に設置した一編成の鉄道20は、通常通り駅を出発し、次の駅に向かって運行する(S400)。ここではA駅からB駅に向かっているとする。A駅を発車することによって、駅検出装置8は、加速度センサー12又は速度計からそれが0以上になったこと、及びドア開閉センサー13からドアが開いて閉じたことを検出しているので、A駅(始発駅)を出発したことを検出し、駅検出装置8に駅を発車した信号を送信する。基準駅演算装置9は、駅検出装置8から駅を発車した信号を受信すると、A駅は始発駅であるから、受信した信号の回数は1であることから、基準駅演算装置9は直近の停車駅がA駅であると算出する。
A駅とB駅の駅間に於いて鉄道が運行し、この運行中には駅検出装置8は駅停車を検出しないので(S410)、運行距離演算装置11が加速度センサー12からの加速度或いは速度計からの速度に基づいて、A駅からの運行距離を算出する(S420)。
そして運行距離演算装置11が算出した距離がA駅から1000mの位置に到達すると、放送制御装置3は、図15に示すように、注意放送Aを放送することを判定する(S430)。
注意放送の放送の際にも放送遅延時間を算出する場合には、放送遅延時間演算装置10が車両21の運行速度を検出し、それに基づいて各車両(又はスピーカー25)での注意放送の放送遅延時間を算出する(S440)。注意放送の放送遅延時間も、広告放送の放送遅延時間と同様に算出できる。
放送制御装置3に於ける判定後、出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送許可の信号を受信済みである(或いは注意放送・広告放送不許可の信号を受信していない)ことを確認し、当該注意放送のデータを注意放送記憶装置6から取得し、放送遅延時間毎に、各車両のスピーカー25から注意放送を放送する(S450)。例えば上述では注意放送識別情報「A」に対応する注意放送Aのデータを注意放送記憶装置6から取得し、そのデータを、先頭車両(車両内広告放送制御装置1が設置されている車両21)のスピーカー25ではすぐに、2両目のスピーカー25では1秒後、3両目のスピーカー25では2秒後、といったように放送遅延時間毎にタイミングをずらして各車両のスピーカー25から放送する。放送するスピーカー25が車両21内に複数設置されている場合には、その各々から放送すると良い。
注意放送を放送する直近の停車駅からの距離と、広告放送を放送する直近の停車駅の距離とは、注意放送の放送時間(放送するのに必要な時間)以上の距離が離れて設定されているので、注意放送の放送終了後、広告放送を放送する距離に到達することとなる。
つまり、注意放送の放送中、或いは放送終了後にも鉄道は運行しているので、運行距離演算装置11は随時、距離を算出しているが(S420)、その距離がA駅から1500mの位置に到達すると、放送制御装置3は、図15に示すように、広告放送1を放送することを判定する(S460)。
そして放送遅延時間演算装置10が車両21の運行速度を検出し、それに基づいて各車両21(又は各スピーカー25)での広告放送の放送遅延時間を算出する(S470)。
放送制御装置3に於ける判定後、出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送許可の信号を受信済みである(或いは注意放送・広告放送不許可の信号を受信していない)ことを確認し、当該広告放送のデータを広告放送記憶装置5から取得し、放送遅延時間毎に、各車両のスピーカー25から広告放送を放送する(S480)。例えば上述では広告放送識別情報「1」に対応する広告放送1のデータを広告放送記憶装置5から取得し、そのデータを、先頭車両(車両内広告放送制御装置1が設置されている車両21)のスピーカー25ではすぐに、2両目のスピーカー25では1秒後、3両目のスピーカー25では2秒後に、各車両毎(各スピーカー25毎)にスピーカー25から放送する。放送するスピーカー25が車両21内に複数設置されている場合には、その各々から放送すると良い。
注意放送、広告放送の放送中、或いはその放送前に業務放送検出装置7が業務放送を検出した場合(例えば車掌が乗客に対する業務放送を行う為のスイッチをオンにした等の場合)、業務放送検出装置7は出力制御装置4に対して、注意放送・広告放送不許可の信号を送信する。出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送不許可の信号を受信した場合には、例え注意放送、広告放送の放送中であっても、その放送を中止、中断する制御を行い、業務放送を優先的に放送する。業務放送用のスピーカー25と注意放送、広告放送用のスピーカー25とが共通の場合には、出力制御装置4は、業務放送の放送にスイッチを強制的に切り替える。
更に広告放送(この場合は広告放送1)の放送終了後も鉄道はB駅に向かって運行しているので、運行距離演算装置11は距離を算出している(S420)。しかし図15に示すように、広告放送1の終了後、B駅に到着するまでに新たな注意放送、広告放送はないので、そのままB駅に到着する。
B駅に鉄道が到着すると、その加速度或いは速度が0になるので、駅検出装置8が加速度センサー12から受信する加速度或いは速度計から受信する速度は0となり、更にドア開閉センサー13からドアが開けられた信号を受信する。そしてドア開閉センサー13からドアが閉じられた信号を受信し、加速度センサー12から受信する加速度或いは速度計から受信する速度が0より大きくなった場合に、駅検出装置8はB駅を発車したことを検出する(S410)。従って、駅検出装置8は基準駅演算装置9に、駅を発車した信号を送信する。そうすると、基準駅演算装置9は、駅を発車した信号を2回受信したこととなるので、直近の停車駅がB駅であることを算出する(S490)。尚、この際に運行距離演算装置11で算出する運行距離を0に戻すと良い。
そして上述と同様に、運行距離演算装置11がB駅からの運行距離を算出し、B駅から500mの位置に到達すると、放送制御装置3は、図15に示すように、注意放送Bを放送することを判定する(S430)。
以後は上述と同様に注意放送、広告放送を行うこととなる。
以上のようなシステム構成、処理プロセスを実行することによって、鉄道の線路脇に設置された広告看板22の前を車両21が通過するタイミングにあわせて広告放送を車両21内で放送することが出来る。つまり、放送制御装置3には、直近の停車駅(又は始発駅)から広告看板22までの距離が記憶されているので、車両21がその距離に到達した段階で、それに併せて広告放送が放送される。即ち、車両21が広告看板22の前を通過するタイミングにあわせて広告放送を放送することが出来る。
更に広告放送を車両21内で放送する前に注意放送を放送することによって、乗客にこれから車両21内で広告放送が放送されることを認知させることが出来るので、乗客に広告放送に対する事前準備を行わせることも出来る。
実施例1から実施例4では広告放送を広告放送記憶装置5に、注意放送を注意放送記憶装置6に予め記憶している場合を説明したが、広告放送、注意放送を各々車両内広告放送制御装置1の外部から受信して、それを放送するように構成しても良い。この場合のシステム構成を図18から図21に示す。図18は広告放送のデータ、注意放送のデータを外部から取得し、広告放送信号送信装置23、注意放送信号送信装置24から所定の信号を受信後、当該データを放送する場合であって車両内広告放送制御装置1が各車両に設置されている場合、図19は広告放送のデータ、注意放送のデータを外部から取得し、広告放送信号送信装置23、注意放送信号送信装置24から所定の信号を受信後、当該データを放送する場合であって車両内広告放送制御装置1が各車両に設置されていない場合、図20は広告放送のデータ、注意放送のデータを外部から取得し、車両21の運行位置を自ら算出し、その位置に基づいて広告放送、注意放送を行う車両内広告放送制御装置1が各車両に設置されている場合、図21は広告放送のデータ、注意放送のデータを外部から取得し、車両21の運行位置を自ら算出し、その位置に基づいて広告放送、注意放送を行う車両内広告放送制御装置1が各車両に設置されていない場合である。即ち広告放送のデータ、注意放送のデータを外部から取得することを除けば、図18は図5、図19は図6、図20は図7、図21は図8の各々のシステム構成に対応している。
まず図18の場合を説明する。上述のように、図18は広告放送のデータ、注意放送のデータを外部から取得し、広告放送信号送信装置23、注意放送信号送信装置24から所定の信号を受信後、当該データを放送する場合であって車両内広告放送制御装置1が各車両に設置されている場合である。尚、実施例5では、広告放送を車両21内で放送する前に注意放送を車両21内で放送し、その後広告放送を放送する場合である。注意放送を放送するには、車両21の進行方向に対して広告放送信号送信装置23の手前に設置された注意放送信号送信装置24から送信された所定の信号を検出して車両21内で注意放送を放送する。
本実施例の車両内広告放送制御装置1のシステム構成の一例を図18に示す。車両内広告放送制御装置1は、鉄道の各車両21(車両21の内部、車両21の外部、或いは一部を車両21の内部とし他を車両21の外部に設置していても良い)に設置されており、信号検出装置2と放送制御装置3と出力制御装置4と放送受信装置14と業務放送検出装置7とを有している。尚、信号検出装置2、業務放送検出装置7、広告放送信号送信装置23、注意放送信号送信装置24は実施例1と同様である。
放送制御装置3は、信号検出装置2で検出した広告放送識別情報、注意放送識別情報に基づいて、どの広告放送、注意放送を放送するかを判定する制御装置である。例えば広告放送識別情報「1」を受信した場合、広告放送送信装置26から送信され放送受信装置14(後述)で受信した、広告放送識別情報「1」に対応する広告放送1を放送することを判定し、注意放送識別情報「A」を受信した場合、広告放送送信装置26から送信され放送受信装置14で受信した、注意放送識別情報「A」に対応する注意放送Aを放送することを判定する。
出力制御装置4は、放送制御装置3で判定した放送を放送受信装置14から取得し、車両21に設置されたスピーカー25から放送する制御装置である。尚、広告放送或いは注意放送の放送前、或いは放送中に業務放送検出装置7で業務放送が放送されていることを検出した場合には、当該広告放送、注意放送の放送を中止・中断する。これによって業務放送を優先して放送することが出来る。またスピーカー25は業務放送用のスピーカー25と兼用であっても良いし、別に設置しても良い。
広告放送送信装置26は、車両21内で放送する広告放送のデータを車両内広告放送制御装置1に於ける放送受信装置14に送信する装置である。本明細書では広告放送送信装置26が駅のホームに設置されている場合を説明するが、それ以外にも広告看板22や、駅、広告看板22の近傍に設置されていても良い。又、設置場所には限定されない。即ち当該広告放送を行う広告看板22を車両21が通過する時までに車両21に広告放送のデータを送信できる位置に設置されていればよい。更に、広告放送信号送信装置23と広告放送送信装置26とが一体的になっていても良い。この場合、広告放送送信装置26から広告放送識別情報と広告放送のデータとが送信され、広告放送信号送信装置23は設けずとも良い。そして広告放送識別情報は信号検出装置2で、広告放送のデータは放送受信装置14で受信するが、信号検出装置2と放送受信装置14とが一体的になっていても良い。
注意放送送信装置27は、車両21内で放送する注意放送のデータを車両内広告放送制御装置1に於ける放送受信装置14に送信する装置である。本明細書では注意放送送信装置27が駅のホームに設置されている場合を説明するが、それ以外にも広告看板22や、駅、広告看板22の近傍に設置されていても良い。又、設置場所には限定されない。即ち当該注意放送を行うタイミングである、広告看板22を車両21が通過する時までに注意放送が終了するように注意放送のデータを送信できる位置に設置されていればよい。更に、注意放送信号送信装置24と注意放送送信装置27とが一体的になっていても良い。この場合、注意放送送信装置27から注意放送識別情報と注意放送のデータとが送信され、注意放送信号送信装置24は設けずとも良い。そして注意放送識別情報は信号検出装置2で、注意放送のデータは放送受信装置14で受信するが、信号検出装置2と放送受信装置14とが一体的になっていても良い。
広告放送送信装置26、注意放送送信装置27は、そこから送信されるデータを車両内広告放送制御装置1の放送受信装置14で受信できる範囲内であれば、どのような箇所に設置されていても良い。
図18の場合の処理プロセスの一例を図22のフローチャートを用いて説明する。車両内広告放送制御装置1は、鉄道の各車両に設置されており、車両21内に設置された各スピーカー25から広告放送、注意放送を放送する場合である。
車両内広告放送制御装置1を各車両に設置した一編成の鉄道20は、鉄道が駅を出発するまでに、駅に設置された広告放送送信装置26から広告放送のデータを、注意放送送信装置27から注意放送のデータを放送受信装置14が受信する(S500)。受信が完了すると放送受信装置14は放送制御装置3に対して受信完了の信号を送信する。尚、広告放送のデータ、注意放送のデータは、それらを識別する為に広告放送識別情報、注意放送識別情報と対応付けて送信される。好適には送信される広告放送のデータ、注意放送のデータのファイル名(データ名)として広告放送識別情報、注意放送識別情報が対応付けられている。又、受信した広告放送のデータ、注意放送のデータは、放送受信装置14で記憶しておく。
各放送データの受信後、鉄道は通常通り駅を出発し、次の駅に向かって運行する(S510)。その駅間に於いて鉄道が運行し、車両21の進行方向に向かって、広告看板22(広告放送信号送信装置23)の手前側に設置された注意放送信号送信装置24の信号受信圏内に車両21が到達すると(図26左側)、信号検出装置2は注意放送信号送信装置24から送信された信号(注意放送識別情報)を検出する(S520)。
この信号(注意放送識別情報)を検出すると、放送制御装置3は、どの注意放送を放送するかを判定する。例えば注意放送識別情報「A」を受信した場合、注意放送記憶装置6に記憶した、注意放送識別情報「A」に対応する注意放送Aを放送することを判定する。
放送制御装置3に於ける判定後、出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送許可の信号を受信済みである(或いは注意放送・広告放送不許可の信号を受信していない)ことを確認し(更に注意放送のデータを受信完了後であることを確認しても良い)、当該注意放送のデータを放送受信装置14から取得し、スピーカー25から放送する(S530)。例えば上述では注意放送識別情報「A」に対応する注意放送Aのデータを放送受信装置14から取得し、そのデータをスピーカー25から放送する。放送するスピーカー25が車両21内に複数設置されている場合には、その各々から放送すると良い。
注意放送信号送信装置24と広告放送信号送信装置23とは、注意放送の放送時間以上の距離を設けて設置しているので、注意放送の放送終了後、車両は広告放送信号送信装置23の信号受信圏内に到達することとなり(図26右側)、信号検出装置2は広告放送信号送信装置23から送信された信号(広告放送識別情報)を検出する(S540)。
この信号(広告放送識別情報)を検出すると、放送制御装置3は、どの広告放送を放送するかを判定する。例えば広告放送識別情報「1」を受信した場合、広告放送記憶装置5に記憶した、広告放送識別情報「1」に対応する広告放送1を放送することを判定する。
放送制御装置3に於ける判定後、出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送許可の信号を受信済みである(或いは注意放送・広告放送不許可の信号を受信していない)ことを確認し(更に広告放送のデータを受信完了後であることを確認しても良い)、当該広告放送のデータを放送受信装置14から取得し、スピーカー25から放送する(S550)。例えば上述では広告放送識別情報「1」に対応する広告放送1のデータを放送受信装置14から取得し、そのデータをスピーカー25から放送する。放送するスピーカー25が車両21内に複数設置されている場合には、その各々から放送すると良い。
注意放送、広告放送の放送中、或いはその放送前に業務放送検出装置7が業務放送を検出した場合(例えば車掌が乗客に対する業務放送を行う為のスイッチをオンにした等の場合)、業務放送検出装置7は出力制御装置4に対して、注意放送・広告放送不許可の信号を送信する。出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送不許可の信号を受信した場合には、例え注意放送、広告放送の放送中であっても、その放送を中止、中断する制御を行い、業務放送を優先的に放送する。業務放送用のスピーカー25と注意放送、広告放送用のスピーカー25とが共通の場合には、出力制御装置4は、業務放送の放送にスイッチを強制的に切り替える。
以上のようなシステム構成、処理プロセスを実行することによって、鉄道の線路脇に設置された広告看板22の前を車両21が通過するタイミングにあわせて広告放送を車両21内で放送することが出来る。つまり、広告放送信号送信装置23は、広告看板22と一体的に或いはその近傍に設置されているので、広告放送信号送信装置23から広告放送識別信号を受信すると、それに併せて広告放送が放送される。即ち、車両21が広告看板22の前を通過するタイミングにあわせて広告放送を放送することが出来る。
更に広告放送を車両21内で放送する前に注意放送を放送することによって、乗客にこれから車両21内で広告放送が放送されることを認知させることが出来るので、乗客に広告放送に対する事前準備を行わせることも出来る。
次に図19の場合を説明する。上述のように、図19は広告放送のデータ、注意放送のデータを外部から取得し、広告放送信号送信装置23、注意放送信号送信装置24から所定の信号を受信後、当該データを放送する場合であって車両内広告放送制御装置1が各車両に設置されていない場合である。この場合、広告放送信号送信装置23から送信された所定の信号を車両内広告放送制御装置1で検出し、各車両毎に放送する時間差を算出し、その時間差毎に所定の広告放送を車両21内で放送する場合である。尚、実施例6では、広告放送を車両21内で放送する前に注意放送を車両21内で放送し、その後広告放送を放送する場合を説明する。注意放送を放送するには、車両21の進行方向に対して広告放送信号送信装置23の手前に設置された注意放送信号送信装置24から送信された所定の信号を検出して車両21内で注意放送を放送する。
図19に本実施例の車両内広告放送制御装置1のシステム構成の一例を示す。車両内広告放送制御装置1は、車両21の進行方向に対して先頭車両(車両21の内部、車両21の外部、或いは一部を車両21の内部とし他を車両21の外部に設置していても良い)に設置されており、信号検出装置2と放送制御装置3と出力制御装置4と広告放送記憶装置5と注意放送記憶装置6と業務放送検出装置7と放送遅延時間演算装置10とを有している。尚、信号検出装置2、業務放送検出装置7、放送受信装置14は実施例5と、放送遅延時間演算装置10は実施例2と同様であるので説明を省略する。
放送制御装置3は、信号検出装置2で検出した広告放送識別情報、注意放送識別情報に基づいて、どの広告放送、注意放送を放送するかを判定する制御装置である。例えば広告放送識別情報「1」を受信した場合、広告放送送信装置26から送信され放送受信装置14で受信した広告放送識別情報「1」に対応する広告放送1を放送することを判定し、注意放送識別情報「A」を受信した場合、注意放送送信装置27から送信され放送受信装置14で受信した、注意放送識別情報「A」に対応する注意放送Aを放送することを判定する。更に、実施例6では、進行方向に対して先頭車両に車両内広告放送制御装置1が設置されている。そうすると、先頭車両で広告放送信号送信装置23から広告放送識別情報の信号を検出した際に、そのまま各車両のスピーカー25で同時に広告放送を放送してしまうと、最後尾車両では広告看板22に到達する前に広告放送を開始することとなり、広告看板22とタイミングがずれてしまう。そこで、広告看板22とタイミングがあうように、広告放送を放送する遅延時間を算出する為の放送遅延時間算出信号を放送遅延時間演算装置10に送信する。
出力制御装置4は、放送制御装置3で判定した放送を放送受信装置14から取得し、車両21に設置されたスピーカー25から放送する制御装置である。尚、広告放送或いは注意放送の放送前、或いは放送中に業務放送検出装置7で業務放送が放送されていることを検出した場合には、当該広告放送、注意放送の放送を中止・中断する。これによって業務放送を優先して放送することが出来る。またスピーカー25は業務放送用のスピーカー25と兼用であっても良いし、別に設置しても良い。また本実施例に於ける出力制御装置4は、放送遅延時間演算装置10で算出した放送遅延時間に基づいて、各車両或いは各スピーカー25で広告放送を放送するタイミングをずらして放送する制御を行う(場合によっては注意放送を放送するタイミングもずらして良い)。
図19の場合の処理プロセスの一例を図23のフローチャートを用いて説明する。車両内広告放送制御装置1は、実施例2と同様に車両21の進行方向に対して先頭車両に設置されており、車両21内に設置された各スピーカー25から広告放送、注意放送を放送する場合である。
車両内広告放送制御装置1を各車両に設置した一編成の鉄道20は、鉄道が駅を出発するまでに、駅に設置された広告放送送信装置26から広告放送のデータを、注意放送送信装置27から注意放送のデータを放送受信装置14が受信する(S600)。受信が完了すると放送受信装置14は放送制御装置3に対して受信完了の信号を送信する。尚、広告放送のデータ、注意放送のデータは、それらを識別する為に広告放送識別情報、注意放送識別情報と対応付けて送信される。好適には送信される広告放送のデータ、注意放送のデータのファイル名(データ名)として広告放送識別情報、注意放送識別情報が対応付けられている。又、受信した広告放送のデータ、注意放送のデータは、放送受信装置14で記憶しておく。
各放送データの受信後、鉄道は通常通り駅を出発し、次の駅に向かって運行する(S610)。その駅間に於いて鉄道が運行し、車両21の進行方向に向かって、広告看板22(広告放送信号送信装置23)の手前側に設置された注意放送信号送信装置24の信号受信圏内に車両が到達すると(図26左側)、信号検出装置2は注意放送信号送信装置24から送信された信号(注意放送識別情報)を検出する(S620)。
この信号(注意放送識別情報)を検出すると、放送制御装置3は、どの注意放送を放送するかを判定する。例えば注意放送識別情報「A」を受信した場合、注意放送送信装置27から送信され放送受信装置14に記憶した、注意放送識別情報「A」に対応する注意放送Aを放送することを判定する。
注意放送の放送の際にも放送遅延時間を算出する場合には、放送遅延時間演算装置10が車両の運行速度を検出し、それに基づいて各車両21(又は各スピーカー25)での注意放送の放送遅延時間を算出する(S620)。注意放送の放送遅延時間も、広告放送の放送遅延時間と同様に算出できる。
放送制御装置3に於ける判定後、出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送許可の信号を受信済みである(或いは注意放送・広告放送不許可の信号を受信していない)ことを確認し(更に注意放送のデータを受信完了後であることを確認しても良い)、当該注意放送のデータを放送受信装置14から取得し、放送遅延時間毎に、各車両のスピーカー25から注意放送を放送する(S640)。例えば上述では注意放送識別情報「A」に対応する注意放送Aのデータを放送受信装置14から取得し、そのデータを、先頭車両のスピーカー25ではすぐに、2両目のスピーカー25では1秒後、3両目のスピーカー25では2秒後に放送する。
注意放送信号送信装置24と広告放送信号送信装置23とは、注意放送の放送時間以上の距離を設けて設置しているので、注意放送の放送終了後、車両21は広告放送信号送信装置23の信号受信圏内に到達することとなり(図26右側)、信号検出装置2は広告放送信号送信装置23から送信された信号(広告放送識別情報)を検出する(S650)。
この信号(広告放送識別情報)を検出すると、放送制御装置3は、どの広告放送を放送するかを判定する。例えば広告放送識別情報「1」を受信した場合、広告放送送信装置26から送信され放送受信装置14で受信した広告放送識別情報「1」に対応する広告放送1を放送することを判定する。
そして放送遅延時間演算装置10が車両21の運行速度を検出し、それに基づいて各車両(又は各スピーカー25)での広告放送の放送遅延時間を算出する(S660)。
放送制御装置3に於ける判定後、出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送許可の信号を受信済みである(或いは注意放送・広告放送不許可の信号を受信していない)ことを確認し(更に広告放送のデータを受信完了後であることを確認しても良い)、当該広告放送のデータを放送受信装置14から取得し、放送遅延時間毎に、各車両のスピーカー25から放送する(S670)。例えば上述では広告放送識別情報「1」に対応する広告放送1のデータを放送受信装置14から取得し、そのデータを、先頭車両のスピーカー25ではすぐに、2両目のスピーカー25では1秒後、3両目のスピーカー25では2秒後に放送する。
注意放送、広告放送の放送中、或いはその放送前に業務放送検出装置7が業務放送を検出した場合(例えば車掌が乗客に対する業務放送を行う為のスイッチをオンにした等の場合)、業務放送検出装置7は出力制御装置4に対して、注意放送・広告放送不許可の信号を送信する。出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送不許可の信号を受信した場合には、例え注意放送、広告放送の放送中であっても、その放送を中止、中断する制御を行い、業務放送を優先的に放送する。業務放送用のスピーカー25と注意放送、広告放送用のスピーカー25とが共通の場合には、出力制御装置4は、業務放送の放送にスイッチを強制的に切り替える。
以上のようなシステム構成、処理プロセスを実行することによって、鉄道の線路脇に設置された広告看板22の前を車両21が通過するタイミングにあわせて広告放送を車両21内で放送することが出来る。つまり、広告放送信号送信装置23は、広告看板22と一体的に或いはその近傍に設置されているので、広告放送信号送信装置23から広告放送識別信号を受信すると、それに併せて広告放送が放送される。即ち、車両21が広告看板22の前を通過するタイミングにあわせて広告放送を放送することが出来る。
更に広告放送を車両21内で放送する前に注意放送を放送することによって、乗客にこれから車両21内で広告放送が放送されることを認知させることが出来るので、乗客に広告放送に対する事前準備を行わせることも出来る。
加えて、車両内広告放送制御装置1を一編成20のうちの進行方向に対して先頭車両に設置した場合でも、各車両がその広告看板22の前を通過するのにあわせて広告看板22と連動させることが可能となる。尚、注意放送は、乗客に対して広告放送が放送されることを認知させる為の放送であるので、放送遅延時間を算出せず、全車両21で同時に放送しても良い。
次に図20の場合を説明する。図20は広告放送のデータ、注意放送のデータを外部から取得し、車両21の運行位置を自ら算出し、その位置に基づいて広告放送、注意放送を行う車両内広告放送制御装置1が各車両に設置されている場合である。尚、実施例7では、広告放送を車両21内で放送する前に注意放送を車両21内で放送し、その後広告放送を放送する場合を説明する。注意放送を放送するには、広告放送を放送する位置(距離)よりも、進行方向に対して手前の位置(距離)に到達した場合に、所定の注意放送を車両21内で放送する。
図20に本実施例の車両内広告放送制御装置1のシステム構成の一例を示す。車両内広告放送制御装置1は、鉄道の各車両21(車両21の内部、車両21の外部、或いは一部を車両21の内部とし他を車両21の外部に設置していても良い)に設置されており、放送制御装置3と出力制御装置4と放送受信装置14と業務放送検出装置7と駅検出装置8と基準駅演算装置9と運行距離演算装置11とを有している。放送制御装置3と基準駅演算装置9と駅検出装置8と運行距離演算装置11と業務放送検出装置7は実施例3と、放送受信装置14は実施例5、実施例6と同様なので説明を省略する。
出力制御装置4は、放送制御装置3で判定した放送を放送受信装置14から取得し、車両21に設置されたスピーカー25から放送する制御装置である。尚、広告放送或いは注意放送の放送前、或いは放送中に業務放送検出装置7で業務放送が放送されていることを検出した場合には、当該広告放送、注意放送の放送を中止・中断する。これによって業務放送を優先して放送することが出来る。またスピーカー25は業務放送用のスピーカー25と兼用であっても良いし、別に設置しても良い。
図20の場合の処理プロセスの一例を図24のフローチャートを用いて説明する。車両内広告放送制御装置1は、図20に示すように鉄道の各車両21に設置されており、車両21内に設置された各スピーカー25から広告放送、注意放送を放送する場合である。
車両内広告放送制御装置1を各車両21に設置した一編成の鉄道20は、鉄道が駅を出発するまでに、駅に設置された広告放送送信装置26から広告放送のデータを、注意放送送信装置27から注意放送のデータを放送受信装置14が受信する(S700)。受信が完了すると放送受信装置14は放送制御装置3に対して受信完了の信号を送信する。尚、広告放送のデータ、注意放送のデータは、それらを識別する為に広告放送識別情報、注意放送識別情報と対応付けて送信される。好適には送信される広告放送のデータ、注意放送のデータのファイル名(データ名)として広告放送識別情報、注意放送識別情報が対応付けられている。又、受信した広告放送のデータ、注意放送のデータは、放送受信装置14で記憶しておく。
各放送データの受信後、車両内広告放送制御装置1を各車両21に設置した一編成の鉄道20は、通常通り駅を出発し、次の駅に向かって運行する(S710)。ここではA駅からB駅に向かっているとする。A駅を発車することによって、駅検出装置8は、加速度センサー12又は速度計からそれが0以上になったこと、及びドア開閉センサー13からドアが開いて閉じたことを検出しているので、A駅(始発駅)を出発したことを検出し、駅検出装置8に駅を発車した信号を送信する。基準駅演算装置9は、駅検出装置8から駅を発車した信号を受信すると、A駅は始発駅であるから、受信した信号の回数は1であることから、基準駅演算装置9は直近の停車駅がA駅であると算出する。
A駅とB駅の駅間に於いて鉄道が運行し、この運行中には駅検出装置8は駅停車を検出しないので(S720)、運行距離演算装置11が加速度センサー12からの加速度或いは速度計からの速度に基づいて、A駅からの運行距離を算出する(S730)。
そして運行距離演算装置11が算出した距離がA駅から1000mの位置に到達すると、放送制御装置3は、図15に示すように、注意放送Aを放送することを判定する(S740)。
放送制御装置3に於ける判定後、出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送許可の信号を受信済みである(或いは注意放送・広告放送不許可の信号を受信していない)ことを確認し(更に注意放送のデータを受信完了後であることを確認しても良い)、当該注意放送のデータを放送受信装置14から取得し、スピーカー25から放送する(S750)。例えば上述では注意放送識別情報「A」に対応する注意放送Aのデータを放送受信装置14から取得し、そのデータをスピーカー25から放送する。放送するスピーカー25が車両21内に複数設置されている場合には、その各々から放送すると良い。
注意放送の放送中、或いは放送終了後にも鉄道は運行しているので、運行距離演算装置11は随時距離を算出しているが(S730)、その距離がA駅から1500mの位置に到達すると、放送制御装置3は、図15に示すように、広告放送1を放送することを判定する(S760)。
放送制御装置3に於ける判定後、出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送許可の信号を受信済みである(或いは注意放送・広告放送不許可の信号を受信していない)ことを確認し(更に広告放送のデータを受信完了後であることを確認しても良い)、当該広告放送のデータを放送受信装置14から取得し、スピーカー25から放送する(S770)。例えば上述では広告放送識別情報「1」に対応する広告放送1のデータを放送受信装置14から取得し、そのデータをスピーカー25から放送する。放送するスピーカー25が車両21内に複数設置されている場合には、その各々から放送すると良い。
注意放送、広告放送の放送中、或いはその放送前に業務放送検出装置7が業務放送を検出した場合(例えば車掌が乗客に対する業務放送を行う為のスイッチをオンにした等の場合)、業務放送検出装置7は出力制御装置4に対して、注意放送・広告放送不許可の信号を送信する。出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送不許可の信号を受信した場合には、例え注意放送、広告放送の放送中であっても、その放送を中止、中断する制御を行い、業務放送を優先的に放送する。業務放送用のスピーカー25と注意放送、広告放送用のスピーカー25とが共通の場合には、出力制御装置4は、業務放送の放送にスイッチを強制的に切り替える。
更に広告放送(この場合は広告放送1)の放送終了後も鉄道はB駅に向かって運行しているので、運行距離演算装置11は距離を算出している(S730)。しかし図15に示すように、広告放送1の終了後、B駅に到着するまでに新たな注意放送、広告放送はないので、そのままB駅に到着する。
B駅に鉄道が到着すると、その加速度或いは速度が0になるので、駅検出装置8が加速度センサー12から受信する加速度或いは速度計から受信する速度は0となり、更にドア開閉センサー13からドアが開けられた信号を受信する。そしてドア開閉センサー13からドアが閉じられた信号を受信し、加速度センサー12から受信する加速度或いは速度計から受信する速度が0より大きくなった場合に、駅検出装置8はB駅を発車したことを検出する(S720)。従って、駅検出装置8は基準駅演算装置9に、駅を発車した信号を送信する。そうすると、基準駅演算装置9は、駅を発車した信号を2回受信したこととなるので、直近の停車駅がB駅であることを算出する(S780)。尚、この際に運行距離演算装置11で算出する運行距離を0に戻すと良い。
尚、鉄道がB駅に停車中にB駅に設置された広告放送送信装置26及び注意放送送信装置27は、放送受信装置14に対して、B駅とC駅との間にある広告看板22の前を車両21が通過するタイミングにあわせて放送する広告放送のデータ、注意放送のデータを送信している(S700)。受信完了後、放送受信装置14は放送制御装置3に対して受信完了の信号を送信する。
鉄道がB駅を発車すると、上述と同様に、運行距離演算装置11がB駅からの運行距離を算出する。B駅から500mの位置に到達すると、放送制御装置3は、図15に示すように、注意放送Bを放送することを判定する(S740)。
以後は上述と同様に注意放送、広告放送を行うこととなる。
以上のようなシステム構成、処理プロセスを実行することによって、鉄道の線路脇に設置された広告看板22の前を車両21が通過するタイミングにあわせて広告放送を車両21内で放送することが出来る。つまり、放送制御装置3には、直近の停車駅(又は始発駅)から広告看板22までの距離が記憶されているので、車両21がその距離に到達した段階で、それにあわせて広告放送が放送される。即ち、車両21が広告看板22の前を通過するタイミングにあわせて広告放送を放送することが出来る。
更に広告放送を車両21内で放送する前に注意放送を放送することによって、乗客にこれから車両21内で広告放送が放送されることを認知させることが出来るので、乗客に広告放送に対する事前準備を行わせることも出来る。
次に図21の場合を説明する。図21は広告放送のデータ、注意放送のデータを外部から取得し、車両21の運行位置を自ら算出し、その位置に基づいて広告放送を行う車両内広告放送制御装置1を鉄道の一編成20の一つの車両21に設けた場合を説明する。この場合、車両21が運行している現在位置を算出し、所定位置に到達した場合に、所定の広告放送を車両21内で放送する場合である。この場合、車両内広告放送制御装置1で算出した運行距離と、予め定められた車両21又はスピーカー25の距離とから、各車両(スピーカー25毎)に放送する時間差を算出し、その時間差毎に所定の広告放送を車両21内で放送する場合である。尚、実施例8では、広告放送を車両21内で放送する前に注意放送を車両21内で放送し、その後広告放送を放送する場合を説明する。注意放送を放送するには、広告放送を放送する位置(距離)よりも、進行方向に対して手前の位置(距離)に到達した場合に、所定の注意放送を車両21内で放送する。
図21に本実施例の車両内広告放送制御装置1のシステム構成の一例を示す。車両内広告放送制御装置1は、鉄道の一編成20のうち一以上であって全車両以外の車両21(車両21の内部、車両21の外部、或いは一部を車両21の内部とし他を車両21の外部に設置していても良い)に一以上設置されており、放送制御装置3と出力制御装置4と放送受信装置14と業務放送検出装置7と駅検出装置8と基準駅演算装置9と放送遅延時間演算装置10と運行距離演算装置11とを有している。尚、放送制御装置3、駅検出装置8、基準駅演算装置9、運行距離演算装置11、業務放送検出装置7、放送遅延時間演算装置10は実施例4と、放送受信装置14は実施例5乃至実施例7と同様なので説明を省略する。
出力制御装置4は、放送制御装置3で判定した放送を放送受信装置14から取得し、車両21に設置されたスピーカー25から放送する制御装置である。尚、広告放送或いは注意放送の放送前、或いは放送中に業務放送検出装置7で業務放送が放送されていることを検出した場合には、当該広告放送、注意放送の放送を中止・中断する。これによって業務放送を優先して放送することが出来る。またスピーカー25は業務放送用のスピーカー25と兼用であっても良いし、別に設置しても良い。また本実施例に於ける出力制御装置4は、放送遅延時間演算装置10で算出した放送遅延時間に基づいて、各車両或いは各スピーカー25で広告放送を放送するタイミングをずらして放送する(場合によっては注意放送を放送するタイミングもずらして良い)。尚、車両内広告放送制御装置1が進行方向に対して先頭車両以外の車両21に備えられている場合には、放送遅延時間演算装置10が算出した遅延時間分だけ、早めにスピーカー25から放送する。例えば最後尾車両にある場合、最後尾車両の放送1秒前に後ろから2両目で放送し、更にその前の車両21(後ろから3両目)は最後尾車両の放送2秒前に放送を行う。
図21の場合の処理プロセスの一例を図25のフローチャートを用いて説明する。車両内広告放送制御装置1は図21に示すように車両21の進行方向に対して先頭車両に設置されており、車両21内に設置された各スピーカー25から広告放送、注意放送を放送する場合を説明するが、先頭車両以外の車両21に設置されている場合には、上述のように車両内広告放送制御装置1が設置された車両21で放送されるタイミングから遅延時間分だけ早めに放送すればよい。
車両内広告放送制御装置1を各車両に設置した一編成の鉄道20は、鉄道が駅を出発するまでに、駅に設置された広告放送送信装置26から広告放送のデータを、注意放送送信装置27から注意放送のデータを放送受信装置14が受信する(S800)。受信が完了すると放送受信装置14は放送制御装置3に対して受信完了の信号を送信する。尚、広告放送のデータ、注意放送のデータは、それらを識別する為に広告放送識別情報、注意放送識別情報と対応付けて送信される。好適には送信される広告放送のデータ、注意放送のデータのファイル名(データ名)として広告放送識別情報、注意放送識別情報が対応付けられている。又、受信した広告放送のデータ、注意放送のデータは、放送受信装置14で記憶しておく。
各放送データの受信後、車両内広告放送制御装置1を各車両に設置した一編成の鉄道20は、通常通り駅を出発し、次の駅に向かって運行する(S810)。ここではA駅からB駅に向かっているとする。A駅を発車することによって、駅検出装置8は、加速度センサー12又は速度計からそれが0以上になったこと、及びドア開閉センサー13からドアが開いて閉じたことを検出しているので、A駅(始発駅)を出発したことを検出し、駅検出装置8に駅を発車した信号を送信する。基準駅演算装置9は、駅検出装置8から駅を発車した信号を受信すると、A駅は始発駅であるから、受信した信号の回数は1であることから、基準駅演算装置9は直近の停車駅がA駅であると算出する。
A駅とB駅の駅間に於いて鉄道が運行し、この運行中には駅検出装置8は駅停車を検出しないので(S820)、運行距離演算装置11が加速度センサー12からの加速度或いは速度計からの速度に基づいて、A駅からの運行距離を算出する(S830)。
そして運行距離演算装置11が算出した距離がA駅から1000mの位置に到達すると、放送制御装置3は、図15に示すように、注意放送Aを放送することを判定する(S840)。
注意放送の放送の際にも放送遅延時間を算出する場合には、放送遅延時間演算装置10が車両21の運行速度を検出し、それに基づいて各車両(又はスピーカー25)での注意放送の放送遅延時間を算出する(S850)。注意放送の放送遅延時間も、広告放送の放送遅延時間と同様に算出できる。
放送制御装置3に於ける判定後、出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送許可の信号を受信済みである(或いは注意放送・広告放送不許可の信号を受信していない)ことを確認し(更に注意放送のデータを受信完了後であることを確認しても良い)、当該注意放送のデータを放送受信装置14から取得し、放送遅延時間毎に、各車両のスピーカー25から注意放送を放送する(S860)。例えば上述では注意放送識別情報「A」に対応する注意放送Aのデータを放送受信装置14から取得し、そのデータを、先頭車両(車両内広告放送制御装置1が設置されている車両21)のスピーカー25ではすぐに、2両目のスピーカー25では1秒後、3両目のスピーカー25では2秒後、といったように放送遅延時間毎にタイミングをずらして各車両のスピーカー25から放送する。放送するスピーカー25が車両21内に複数設置されている場合には、その各々から放送すると良い。
注意放送を放送する直近の停車駅からの距離と、広告放送を放送する直近の停車駅の距離とは、注意放送の放送時間(放送するのに必要な時間)以上の距離が離れて設定されているので、注意放送の放送終了後、広告放送を放送する距離に到達することとなる。
つまり、注意放送の放送中、或いは放送終了後にも鉄道は運行しているので、運行距離演算装置11は随時距離を算出しているが(S830)、その距離がA駅から1500mの位置に到達すると、放送制御装置3は、図15に示すように、広告放送1を放送することを判定する(S870)。
そして放送遅延時間演算装置10が車両21の運行速度を検出し、それに基づいて各車両(又は各スピーカー25)での広告放送の放送遅延時間を算出する(S880)。
放送制御装置3に於ける判定後、出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送許可の信号を受信済みである(或いは注意放送・広告放送不許可の信号を受信していない)ことを確認し(更に広告放送のデータを受信完了後であることを確認しても良い)、当該広告放送のデータを放送受信装置14から取得し、放送遅延時間毎に、各車両のスピーカー25から広告放送を放送する(S890)。例えば上述では広告放送識別情報「1」に対応する広告放送1のデータを放送受信装置14から取得し、そのデータを、先頭車両(車両内広告放送制御装置1が設置されている車両21)のスピーカー25ではすぐに、2両目のスピーカー25では1秒後、3両目のスピーカー25では2秒後に、各車両毎(各スピーカー25毎)にスピーカー25から放送する。放送するスピーカー25が車両21内に複数設置されている場合には、その各々から放送すると良い。
注意放送、広告放送の放送中、或いはその放送前に業務放送検出装置7が業務放送を検出した場合(例えば車掌が乗客に対する業務放送を行う為のスイッチをオンにした等の場合)、業務放送検出装置7は出力制御装置4に対して、注意放送・広告放送不許可の信号を送信する。出力制御装置4は、業務放送検出装置7から注意放送・広告放送不許可の信号を受信した場合には、例え注意放送、広告放送の放送中であっても、その放送を中止、中断する制御を行い、業務放送を優先的に放送する。業務放送用のスピーカー25と注意放送、広告放送用のスピーカー25とが共通の場合には、出力制御装置4は、業務放送の放送にスイッチを強制的に切り替える。
更に広告放送(この場合は広告放送1)の放送終了後も鉄道はB駅に向かって運行しているので、運行距離演算装置11は距離を算出している(S830)。しかし図15に示すように、広告放送1の終了後、B駅に到着するまでに新たな注意放送、広告放送はないので、そのままB駅に到着する。
B駅に鉄道が到着すると、その加速度或いは速度が0になるので、駅検出装置8が加速度センサー12から受信する加速度或いは速度計から受信する速度は0となり、更にドア開閉センサー13からドアが開けられた信号を受信する。そしてドア開閉センサー13からドアが閉じられた信号を受信し、加速度センサー12から受信する加速度或いは速度計から受信する速度が0より大きくなった場合に、駅検出装置8はB駅を発車したことを検出する(S820)。従って、駅検出装置8は基準駅演算装置9に、駅を発車した信号を送信する。そうすると、基準駅演算装置9は、駅を発車した信号を2回受信したこととなるので、直近の停車駅がB駅であることを算出する(S900)。尚、この際に運行距離演算装置11で算出する運行距離を0に戻すと良い。
尚、鉄道がB駅に停車中にB駅に設置された広告放送送信装置26及び注意放送送信装置27は、放送受信装置14に対して、B駅とC駅との間にある広告看板22と連動して放送する広告放送のデータ、注意放送のデータを送信している(S800)。受信完了後、放送受信装置14は放送制御装置3に対して受信完了の信号を送信する。
鉄道がB駅を発車すると、上述と同様に、運行距離演算装置11がB駅からの運行距離を算出し、B駅から500mの位置に到達すると、放送制御装置3は、図15に示すように、注意放送Bを放送することを判定する(S840)。
以後は上述と同様に注意放送、広告放送を行うこととなる。
以上のようなシステム構成、処理プロセスを実行することによって、鉄道の線路脇に設置された広告看板22の前を車両21が通過するタイミングにあわせて広告放送を車両21内で放送することが出来る。つまり、放送制御装置3には、直近の停車駅(又は始発駅)から広告看板22までの距離が記憶されているので、車両21がその距離に到達した段階で、それにあわせて広告放送が放送される。即ち、車両21が広告看板22の前を通過するタイミングにあわせて広告放送を放送することが出来る。
更に広告放送を車両21内で放送する前に注意放送を放送することによって、乗客にこれから車両21内で広告放送が放送されることを認知させることが出来るので、乗客に広告放送に対する事前準備を行わせることも出来る。
尚、実施例3及び実施例4、実施例7及び実施例8の他の実施形態として、運行距離演算装置11は駅からではなく、始発駅からの運行距離を算出しても良い。この場合、放送制御装置3では、図17に示すように、始発駅からの距離と放送するデータとを対応付けて記憶している。この実施例の場合、駅検出装置8、基準駅演算装置9を設けなくても良い。また放送制御装置3は、運行距離演算装置11で始発駅からの距離を算出し、始発駅からの距離が所定値になった場合に、対応する注意放送、広告放送を放送することを判定し、出力制御装置4が、注意放送識別情報に対応するデータを注意放送記憶装置6から取得し、広告放送識別情報に対応するデータを広告放送記憶装置5から取得し、スピーカー25から放送することとなる。業務放送を検出した場合は上述と同様である。
更に、実施例3及び実施例4、実施例7乃至実施例9の他の実施形態として、車両21の車輪にその回転数を計測するセンサー(車輪センサー)を設けておき、運行距離演算装置11は、車輪センサーから車輪の回転数の信号を受信することで運行距離を演算しても良い。つまり、車輪の回転数が判明すれば、車輪が一回転した場合の距離は2πr(rは車輪の半径)で分かるので、車輪の回転数×2πr(rは車輪の半径)を算出すれば運行距離を算出することが出来る。また車輪の一回転の距離は予め記憶しておいても良い。この運行距離は実施例3及び実施例4、実施例7及び実施例8のように直近の停車駅からの運行距離であっても良いし、実施例9のように始発駅からの運行距離であっても良い。直近の停車駅からの運行距離の場合、運行距離演算装置11以外の車両内広告放送制御装置1は実施例3及び実施例4、実施例7乃至実施例9のように構成され、始発駅からの運行距離の場合、運行距離演算装置11以外の車両内広告放送制御装置1は実施例9のように構成される。
実施例5乃至実施例10に於いて、注意放送又は広告放送のいずれかを車両内広告放送制御装置1の外部から受信し、他方を予め記憶装置として記憶するように構成しても良い。注意放送を外部から受信する場合には、注意放送送信装置27から注意放送のデータを受信し、広告放送は広告放送記憶装置5に予め記憶しておく。そして注意放送を放送する場合には出力制御装置4は、放送受信装置14から注意放送のデータを取得し、広告放送を放送する場合には出力制御装置4は、広告放送記憶装置5から広告放送のデータを取得する。一方、広告放送を外部から受信する場合には、広告放送送信装置26から広告放送のデータを受信し、注意放送は注意放送記憶装置6に予め記憶しておく。そして注意放送を放送する場合には出力制御装置4は、注意放送記憶装置6から注意放送のデータを取得し、広告放送を放送する場合には出力制御装置4は、放送受信装置14から広告放送のデータを取得する。
実施例5乃至実施例11に於いて、各停車駅に設置した広告放送送信装置26、注意放送送信装置27から広告放送のデータ、注意放送のデータを放送受信装置14で受信する場合を説明したが、始発駅に於いて、そこから通過する広告看板22の広告放送のデータ、注意放送のデータの全てを予め受信するように構成しても良い。このように構成すると、各停車駅で各放送のデータを受信しなくても良い。
本発明に於ける各装置は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。
本発明者によって、地下鉄を含む鉄道の線路脇に設置された広告看板22に関する音声データを、車両21が広告看板22の前を通過するタイミングを合わせて、鉄道の車両21内で再生して放送することが出来、その広告効果を一層向上させることが出来る。

Claims (16)

  1. 鉄道の線路脇に設置された広告看板をその車両が通過する際に、前記鉄道の車両内で前記広告看板の広告放送を行う車両内広告放送制御装置であって、
    前記車両内広告放送制御装置は、
    前記車両内広告放送制御装置の外部から所定の信号を受信することで、前記車両内で広告放送を行うことを判定し、
    前記判定後、前記広告看板に対応する広告放送を前記車両内のスピーカーから放送する、
    ことを特徴とする車両内広告放送制御装置。
  2. 鉄道の線路脇に設置された広告看板をその車両が通過する際に、前記鉄道の車両内で前記広告看板の広告放送を行う車両内広告放送制御装置であって、
    前記車両内広告放送制御装置は、
    前記車両内広告放送制御装置を設置した車両の所定位置からの運行距離を算出し、
    所定の距離に到達すると、前記広告看板に対応する広告放送を前記車両内のスピーカーから放送する、
    ことを特徴とする車両内広告放送制御装置。
  3. 前記車両内広告放送制御装置は、
    前記広告放送を放送する前に、所定の注意放送を前記車両内のスピーカーから放送する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両内広告放送制御装置。
  4. 前記車両内広告放送制御装置は、
    前記所定の信号を受信後、又は、前記所定の距離に到達後、前記広告放送を各車両又は各スピーカーで放送するタイミングを算出し、前記タイミングに基づいて前記広告看板に対応する広告放送を前記車両内のスピーカーから放送する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両内広告放送制御装置。
  5. 鉄道の線路脇に設置された広告看板をその車両が通過する際に、前記鉄道の車両内で前記広告看板の広告放送を行う車両内広告放送制御装置であって、
    前記車両内広告放送制御装置は、
    前記広告看板に取り付けられた、又はその近傍にある広告放送信号送信装置から、所定の信号を受信する信号検出装置と、
    前記車両内でどの広告放送を放送するかを前記所定の信号に基づいて判定する放送制御装置と、
    前記判定に基づいて、前記車両内で放送する広告放送のデータを予め記憶した広告放送記憶装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送する出力制御装置と、
    を有することを特徴とする車両内広告放送制御装置。
  6. 前記車両内広告放送制御装置は、
    前記信号検出装置は、更に、前記鉄道の進行方向に対して、前記広告看板の手前側にある注意放送信号装置から所定の信号を受信し、
    前記放送制御装置は、更に、前記車両内でどの注意放送を放送するかを前記所定の信号に基づいて判定し、
    前記出力制御装置は、更に、前記判定に基づいて前記車両内で放送する注意放送のデータを予め記憶した注意放送記憶装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の車両内広告放送制御装置。
  7. 鉄道の線路脇に設置された広告看板をその車両が通過する際に、前記鉄道の車両内で前記広告看板の広告放送を行う車両内広告放送制御装置であって、
    前記車両内広告放送制御装置は、
    所定位置からの運行距離を算出する運行距離演算装置と、
    前記算出した運行距離と予め定められた距離とを比較し、前記予め定められた距離に到達すると、前記距離に予め対応付けられた広告放送を前記車両内で放送することを判定する放送制御装置と、
    前記判定に基づいて、前記車両内で放送する広告放送のデータを予め記憶した広告放送記憶装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送する出力制御装置と、
    を有することを特徴とする車両内広告放送制御装置。
  8. 前記車両内広告放送制御装置は、
    前記放送制御装置は、前記算出した運行距離と予め定められた距離とを比較し、注意放送を放送する距離に到達すると、前記距離に予め対応付けられた注意放送を前記車両内で放送することを判定し、広告放送を放送する距離に到達すると、前記距離に予め対応付けられた広告放送を前記車両内で放送することを判定し、
    前記出力制御装置は、
    前記広告放送を放送する判定の場合には、前記車両内で放送する広告放送のデータを予め記憶した広告放送記憶装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送し、前記注意放送を放送する判定の場合には、前記車両内で放送する注意放送のデータを予め記憶した注意放送記憶装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の車両内広告放送制御装置。
  9. 鉄道の線路脇に設置された広告看板をその車両が通過する際に、前記鉄道の車両内で前記広告看板の広告放送を行う車両内広告放送制御装置であって、
    前記車両内広告放送制御装置は、
    前記車両内で放送する広告放送のデータを所定箇所に設置された広告放送送信装置から受信して記憶する放送受信装置と、
    前記広告看板に取り付けられた、又はその近傍にある広告放送信号送信装置から、所定の信号を受信する信号検出装置と、
    前記車両内でどの広告放送を放送するかを前記所定の信号に基づいて判定する放送制御装置と、
    前記判定に基づいて、前記車両内で放送する広告放送のデータを前記放送受信装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送する出力制御装置と、
    を有することを特徴とする車両内広告放送制御装置。
  10. 前記車両内広告放送制御装置は、
    前記放送受信装置は、更に、前記車両内で放送する注意放送のデータを所定の箇所に設置された注意放送送信装置から受信して記憶し、
    前記信号検出装置は、更に、前記鉄道の進行方向に対して、前記広告看板の手前側にある注意放送信号装置から所定の信号を受信し、
    前記放送制御装置は、更に、前記車両内でどの注意放送を放送するかを前記所定の信号に基づいて判定し、
    前記出力制御装置は、更に、前記判定に基づいて前記車両内で放送する注意放送のデータを前記放送受信装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送する、
    ことを特徴とする請求項9に記載の車両内広告放送制御装置。
  11. 鉄道の線路脇に設置された広告看板をその車両が通過する際に、前記鉄道の車両内で前記広告看板の広告放送を行う車両内広告放送制御装置であって、
    前記車両内広告放送制御装置は、
    前記車両内で放送する広告放送のデータを所定箇所に設置された広告放送送信装置から受信して記憶する放送受信装置と、
    所定位置からの運行距離を算出する運行距離演算装置と、
    前記算出した運行距離と予め定められた距離とを比較し、前記予め定められた距離に到達すると、前記距離に予め対応付けられた広告放送を前記車両内で放送することを判定する放送制御装置と、
    前記判定に基づいて、前記車両内で放送する広告放送のデータを前記放送受信装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送する出力制御装置と、
    を有することを特徴とする車両内広告放送制御装置。
  12. 前記車両内広告放送制御装置は、
    前記放送受信装置は、更に、前記車両内で放送する注意放送のデータを所定の箇所に設置された注意放送送信装置から受信して記憶し、
    前記放送制御装置は、前記算出した運行距離と予め定められた距離とを比較し、注意放送を放送する距離に到達すると、前記距離に予め対応付けられた注意放送を前記車両内で放送することを判定し、広告放送を放送する距離に到達すると、前記距離に予め対応付けられた広告放送を前記車両内で放送することを判定し、
    前記出力制御装置は、前記広告放送を放送する判定の場合には、前記車両内で放送する広告放送のデータを前記放送受信装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送し、前記注意放送を放送する判定の場合には、前記車両内で放送する注意放送のデータを前記放送受信装置から取得して前記車両内に設置されたスピーカーから放送する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の車両内広告放送制御装置。
  13. 前記車両内広告放送制御装置は、更に、
    前記広告放送を各車両又は各スピーカーで放送するタイミングを算出する放送遅延時間演算装置を有しており、
    前記出力制御装置は、前記タイミング毎に、前記広告看板に対応する広告放送を前記車両内のスピーカーから放送する、
    ことを特徴とする請求項5から請求項12のいずれかに記載の車両内広告放送制御装置。
  14. 前記運行距離演算装置は、
    前記車両に設置された加速度センサーから加速度のデータを受信して加速度を2重積分する、前記鉄道の速度計のデータを受信して速度を積分する、或いは前記車両の車輪の回転数を計測するセンサーから車輪の回転数のデータを受信してそれと前記車輪の一回転の距離とを乗算する、ことにより前記車両の運行距離を算出する、
    ことを特徴とする請求項2、請求項7又は請求項11のいずれかに記載の車両内広告放送制御装置。
  15. 前記車両内広告放送制御装置は、更に、
    前記鉄道の車両内で乗客に対して行われる業務放送を検出し、業務放送開始を検出した場合には広告放送不許可の信号を前記出力制御装置に送信し、業務放送終了を検出した場合には広告放送許可の信号を前記出力制御装置に送信する業務放送検出装置を有しており、
    前記出力制御装置は、
    前記広告放送を放送する際に、前記業務放送検出装置から広告放送許可の信号を受信している、又は前記業務放送検出装置から広告放送不許可の信号を受信していないことを確認後、前記車両内で放送する広告放送のデータを前記車両内に設置されたスピーカーから放送する、
    ことを特徴とする請求項5から請求項14のいずれかに記載の車両内広告放送制御装置。
  16. 請求項1から請求項15のいずれかに記載の車両内広告放送制御装置を設置した鉄道の車両。
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