JP2005014784A - 映像情報配信表示システム、並びに鉄道列車 - Google Patents

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靖 横須賀
Masato Hotta
正人 堀田
Masayasu Futagawa
正康 二川
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聡 長井
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Abstract

【課題】旅客には前方風景画像に加え、多くの情報が提供され得、土産業者等にとっては売上増大が見込まれ、旅客輸送事業者にとっては、広告依頼の増加を見込めるようにすること。
【解決手段】例えば、列車が走行している状態で、その前方風景が撮像装置2によりリアルタイムに撮影された上、その前方風景画像が各車両の旅客用モニタ12各々で表示される際に、その前方風景画像には、各種情報が適切なタイミングで重畳表示されるようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、旅客輸送機関、特に走行状態にある鉄道列車で前方風景がリアルタイムに撮影され、その撮影された前方風景画像に対しては適切なタイミングで各種情報が重畳された上、旅客に対し配信表示されるようにした映像情報配信表示システム、更には、そのような映像情報配信表示システムが搭載されてなる鉄道列車に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、IT(インフォメーションテクノロジー)化の進展に伴い、旅客列車や航空機で移動中であっても、恰も家庭やオフィスに居るのと近い感覚で様々な情報にアクセスし得るサービスが実現されつつある。例えば、列車で移動中であっても、携帯電話機等を用いれば、メールの送受信が可能とされており、また、インターネットアクセスをスピーディーに受けられるサービスの実験等も各地で行われている。
【0003】
一方、以上とは別に、鉄道や航空機等を利用して移動する際での1つの娯楽としては、窓外の風景を楽しむということが挙げられる。実際上、鉄道では、窓外の風景をより楽しめるように、窓構造や座席位置が工夫された列車が既に運行されているのが実情である。しかし、列車の窓構造等が工夫され、窓外の風景を見やすくしても、先頭車両から前方を見た風景の流れは、先頭車両のごく一部に着座している旅客へのサービスとなり、全ての旅客にそれと同様なサービスを提供することは不可能となっている。同様なサービスを提供するには、カメラ等で前方風景を撮影し、前方風景画像をモニタに表示するようにすれば、先頭車両に乗車しなくても、恰も先頭車両の前部に乗車したのと同じように、前方風景を楽しむことが可能になる。
【0004】
そのようなサービスは、既に航空機で行われており、離着陸時に前方風景がカメラで撮影された上、前方風景画像が不特定多数の旅客に配信表示されている。そこで、このようなサービスを列車にも導入することが考えられている。列車前方の風景が撮影された上、不特定多数の旅客にその前方風景画像が配信表示されるようにすれば、列車で移動する際での娯楽が増えると考えられるからである。
【0005】
また、自動車では、運転者の運転上の負担を軽減し、運転をアシストするために、車外の画像が撮影されることで、車線から逸脱することの危険性が警告表示されたり、更には、撮影画像を利用した自動運転システムが考えられている。鉄道ではまた、以上のような機運とは別に、カメラ画像の応用システムとして、検測車にカメラを取付け、走行中に電車車両に電力を供給するためのトロリー線を撮影することで、その磨耗状態を計測するシステム等が既に実用化されている。
【0006】
以上のシステムは、あくまでも、撮影された画像をそのまま旅客に配信したり、画像をセンサ情報として利用してメンテナンスに利用しているだけに過ぎない。特に、トロリー線の設備を撮影してメンテナンスに利用するシステムは特殊目的であり、旅客へのサービスという観点とは方向性が異なるが、撮像画像を利用したシステムの構築が進んでいるという点で、その一例として挙げられる。
【0007】
因みに、特許文献1には、列車搭載映像情報配信表示システムが開示されている。これによる場合、キロ程表示、ドア開/閉表示、緊急メッセージ表示、リアルタイム情報表示の何れの割込みもない場合は、広告情報が表示される一方、何れかの新しい割込みがあった場合には、現表示中の情報より優先度が大であるか否かが判断された上、優先度が大であれば、現表示中の情報の表示を中止してその割込みに係る情報が表示されているも、優先度が大でなければ、現表示中の情報表示の終了後に、その割込みに係る情報が表示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2002―127905号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
窓外に流れる風景は、鉄道旅行者にとっては、1つの大きな楽しみであると考えられるが、その風景は、あくまでも、進行方向に対し横方向のものが中心となっている。これに対し、先頭車両から見た、視野が大きく、且つ迫力ある前方風景は、旅行者にとっては、より大きな楽しみであると考えられる。このような観点からすれば、航空機や列車の先頭車両で撮影された前方風景画像を旅客座席に配信表示することは、旅客をおおいに楽しませるサービスとして十分、成り立つと考えられる。
【0010】
しかしながら、撮影された前方風景画像に何等手を加えることなく、その前方風景画像をそのまま旅客に配信表示するだけでは、旅客を単に風景面でのみ楽しませるだけに終ることなる。そこで、その前方風景画像を更に積極的に有効利用することが考えられる。旅客へのより一層のサービス向上や商業的利益を目的として、前方風景画像に対し、各種情報(各種広告情報や運行/乗り継ぎ情報、沿線情報、気象情報、ニュース等)を重畳表示せしめることが考えられるというものである。このように、前方風景画像に各種情報がタイミングよく重畳表示される場合には、旅客には多くの情報が提供される一方では、土産業者等にとっては売上増大が、また、旅客輸送事業者にとっては、土産業者等からの広告依頼の増加が見込めることになる。
【0011】
よって、本発明の目的は、旅客には前方風景画像に加え、多くの情報が提供され得、また、土産業者等にとっては売上増大が見込まれ、更に、旅客輸送事業者にとっては、各種企業や団体等からの広告依頼の増加が見込まれる映像情報配信表示システム、更には、そのような映像情報配信表示システムが搭載されてなる鉄道列車を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の映像情報配信表示システムは、走行状態で前方風景が撮像手段によりリアルタイムに撮影された上、撮影された前方風景画像が旅客に対し配信表示されるようにしたものであり、旅客に対し配信表示される前方風景画像に、各種情報を適切なタイミングで重畳させるようにしたものである。その際に、特定情報としての広告情報や地域密接情報、観光案内情報等は特定タイミング下で前方風景画像に重畳されるように、また、非特定情報は随時、重畳されるようにしたものである。尤も、前方風景画像に各種情報が適切なタイミングで重畳されるに際して、特定情報については、走行位置情報に基づき何れかが所定に選択された上、重畳されるようにしてもよい。
【0013】
また、撮像手段として設けられている通常明るさ用の可視光撮像手段、非通常明るさ用の赤外線撮像手段のうち、何れか一方が外部環境測定結果に応じて最適に選択されるようにしたものである。撮像手段自体はまた、これに関連して設けられている撮像方向可変手段が走行位置情報(具体的には、その走行位置での曲率情報や勾配変化情報)に基づき制御されることによって、その撮影方向が制御されるようにしたものである。これは、特に鉄道列車では、走行方向は常に直線上にあるとは限らなく、曲線上にある場合でも、常に鉄道線路に沿った方向での前方風景画像が撮影されるようにするためである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を鉄道列車に例を採って、図1から図14により説明する。
先ず本発明による鉄道列車について説明すれば、その先頭車両の一例での基本的構成を図1に示す。図示のように、先頭車両9の前部には撮像装置2が取付けされており、これにより列車走行状態での前方風景画像が連続的に撮影可能とされている。このようにして、リアルタイムに撮影された前方風景画像は、車両各々に取付けされている旅客用モニタ12に配信表示されることによって、旅客にその前方風景画像を楽しんで貰えるようになっている。その際に、単に前方風景画像だけが配信表示されるのではなく、旅客用モニタ12への前方風景画像には各種情報がタイミングよく重畳されることによって、多くの情報が旅客に提供されている。
【0015】
さて、前方風景画像には各種情報がタイミングよく重畳されるが、これら各種情報のうち、特定情報としての広告情報や地域密接情報、観光案内情報等は特定タイミング下で前方風景画像に重畳されるように、また、ニュース等の非特定情報は随時、重畳されるようになっている。この特定情報の重畳タイミングについて説明すれば、先頭車両9が営業運転中、撮像装置2で撮影された前方風景画像は情報配信制御装置1に取込まれた上、画像処理装置5等で画像認識処理等が実施される。例えばデータベース6に事前記憶されているサンプル画像群の中からは、前方風景画像との比較により一致するサンプル画像が検索されており、一致するサンプル画像が検索された場合には、その前方風景画像に対しては必要な処理が実施される。後述のように、その前方風景画像に対しては、説明や広告に係る情報が重畳される。
【0016】
しかしながら、サンプル画像群を構成しているサンプル画像各々と前方風景画像との一致検知を全線に亘って行うことは、処理負荷上、得策ではなく、前方風景画像と比較されるサンプル画像を走行位置情報に基づき、絞り込むことが考えられる。サンプル画像各々には、事前に走行位置範囲情報が付与された上、走行位置情報を走行位置範囲内に含むサンプル画像だけが、前方風景画像と比較されるサンプル画像として絞込み選択される場合は、処理負荷の軽減が図れることになる。
【0017】
ここで、走行位置情報について説明すれば、現時点での走行位置情報は先頭車両9に搭載されている位置検知装置7から常時、得られるようになっている。その位置検知装置7としては、GPS(グローバールポジショニングシステム)によるものや、位置検知用タグ(例えば鉄道線路に沿って1km間隔に設置)と走行距離から走行位置を検知するもの等、幾つかの手段が考えられるが、何れの手段によってもよい。要は、先頭車両9が路線上の何処に現に存在しているかを特定し得、サンプル画像各々に付与されている走行位置範囲情報と比較し得る内容であれば、何れの手段によっても構わない。この走行位置情報に基づき、前方風景画像と比較されるサンプル画像の数が大幅に減らされることで、処理負荷が低減化されているものである。因みに、これら処理の指定は、必要に応じて指示入力装置4を用い操作者により行われており、その処理の状況はまた、モニタ装置4を介し操作者により監視されている。
【0018】
以上のように、一致するサンプル画像が検索された場合には、その前方風景画像に対しては必要な処理、例えば、その前方風景画像に対しては、説明や広告に係る情報が重畳されるが、必要な処理が施された前方風景画像は、その後、車上ネットワーク10を介し、各車両における旅客用装置に配信される。各車両では、旅客用端末処理装置11でその前方風景画像が受信された上、旅客用モニタ12で可視画像として表示される。
【0019】
ところで、これまでの説明では、旅客の意思とは無関係に、旅客用モニタ12への前方風景画像には各種情報が重畳された上、各種情報が旅客に提供されているが、旅客の意思が反映された情報を提供させることも可能となっている。各旅客にとって有用な情報が異なることも当然考えられることから、旅客用端末処理装置11に、各旅客からの要求を受け付ける機能を具備させようというものである。その際、旅客の性別や年齢、旅行目的、目的地等により各旅客が所望する情報の内容は大きく変化すると考えられるが、どこまで、各旅客に応じた情報をカスタマイズ可能とするかは、コストパフォーマンスを考慮の上、決定すればよい。カスタマイズの手法としては、様々なパソコンソフトで実現されているような手法でもよいし、幾つかのパターンを組合せて好みに合せるようなタイプのものでもよく、特には限定されない。
【0020】
さて、旅客用モニタ12上での表示例について説明すれば、図2にその特徴的な表示例を模式的に示す。図示のように、旅客用モニタ12上には、撮像装置2で撮影された前方風景画像20が表示されているが、この前方風景画像20上の一部には、広告情報22が重畳された状態として表示されている。これについて、より詳細に説明すれば、モニタ画面の右下部付近には列車進行方向での線路が、また、左上部付近には山20が、更に、その山20の麓付近には広告依頼主としての会社21が含まれている前方風景画像が表示されているが、広告情報22はその会社21が前方風景画像20内に出現した時点で、初めて重畳表示されるようになっている。
【0021】
会社21が前方風景画像20内に出現していることは、前方風景画像とデータベース6に事前記憶されているサンプル画像各々とを比較し、一致度が一定以上であるサンプル画像が存在することを以って、検出可能となっている。結局、図示のように、会社21が前方風景画像20内の適当位置に出現した時点で、初めて広告情報22が重畳表示される。このようなタイミングで、広告情報22が重畳表示される場合には、周囲の風景とマッチした、これまでには無い効果的な広告が演出可能とされる。このように、広告の価値を高めることで、広告サービスを利用するユーザの興味が高められることになる。尤も、以上よりは重畳表示タイミング精度が良好ではないが、特定情報の簡易的な重畳表示も可能となっている。会社21が出現するであろう走行位置が事前設定された上、その走行位置に達した時点で、例えば広告情報22が重畳表示されるようにすればよい。
【0022】
ここで、遅ればせながら、前方風景画像について説明すれば、悪天候や夜間等には、可視光不足により良好な前方風景画像を得ることは困難であることから、そのような場合には、赤外線撮像装置で撮影された前方風景画像が用いられたり、あるいは見通しが良い時期に事前撮影された前方風景画像が使用される等、代替前方風景画像を用い対処することが考えられる。
【0023】
赤外線撮像装置が使用可能とされている場合、図3に示すように、通常の撮像装置2と赤外線撮像装置2´を予め用意しておき、通常は撮像装置2を用いるが、操作者が周囲外部環境や、現に表示されている前方風景画像を確認の上、必要に応じて、操作者により撮像装置を変更する指令が指示入力装置4から入力されるようにすれば、それまでの撮像装置2に代わって、赤外線撮像装置2´が以降、使用可能とされる。本例では、2種類の撮像装置の場合が示されているが、必要であれば、更に多くの種類の撮像装置が予め装備されてもよい。また、操作者によるマニュアル操作が想定されているが、照度計13等を用い、自動的に撮像装置2,2´を切替え制御することや、照度計13や散乱光を利用した霧の濃度等を測定する装置等による外部環境測定結果に応じて、自動的に切替え制御することも可能である。何れにしても、自動切替え制御が必要な場合には、使用環境に応じて適切な測定装置が用いられればよい。
【0024】
更に、撮像装置2に関連して説明すれば、鉄道線路にはカーブ部分や勾配変化部分が存在しており、単なる前方固定の撮影だけでは、前方風景画像を良好に撮影し得ない場合が考えられる。このような場合には、図4に示すように、撮像方向可変装置14を撮像装置2に取付け、位置検知装置7からの走行位置情報とデータベース6に事前記憶されている撮影方向情報を用い、情報配信制御装置1から撮像方向可変装置14に対し、在線位置に応じた撮影方向が指示されるようにすれば、適切な撮影方向で前方風景画像が撮影可能となる。
【0025】
図5はまた、車両内での旅客用モニタ12の一例での設置態様を示す。図示のように、車両内は模式的に示されており、車両内の前部天井には旅客用モニタ12が取付けされており、したがって、旅客各々は座席31に着席した状態で、それを見上げる感じで前方風景画像を見ることになる。このような取付け態様は、観光バス等でのテレビ受像機の配置等と同様である。旅客用モニタ12が、そのように設置された場合には、旅客各々に対してインタラクティブなサービスを提供することは困難であり、放送的なサービスが提供される場合には、そのような設置態様が採られることになる。
【0026】
一方、図6には、座席各々の背面に旅客用モニタ12が取付けされた場合が示されているが、このような設置態様による場合、座席31の後側に着席している旅客にとっては、その正面に旅客用モニタ12が位置しているので、旅客各々に対しての双方向的な専用映像サービスの提供が可能となる。このような旅客モニタ12の設置態様は、航空機での映像サービス等にも見ることができる。このように設置された旅客用モニタ(ポインティングデバイスやタッチパネル式のもの)12の画面上に、後述のように、提供可能なサービスメニュー一覧を表示しておき、好みのサービスを指定できる機能等を組込んでおけば、旅客各々により簡単に所望のサービスを指定できるようになるので、きめ細かなサービスを提供することが容易となる。
【0027】
ここで、図7により、改めて情報配信制御装置1内で実行される前方風景画像とデータベース6内に事前記憶されているサンプル画像各々とのマッチング判定処理について詳細に説明すれば、以下のようである。
即ち、撮像装置2で撮影された前方風景画像は画像処理部40に取込まれた上、静止画像として切出された後、コマ落しされた画像に変換される。このコマ落しされた画像に対しては、画像処理部40で、例えば明るさや輝度補正、陰影強調、輪郭抽出、特徴点強調等の処理が施されるが、このような処理が施されたコマ落し画像が画像マッチング処理部41に順次、与えられるようになっている。一方、コマ落し画像が画像マッチング処理部41に与えられる度に、撮影された前方風景画像にマッチさせて何れかの特定情報が表示されるべく、データベース6からは画像管理部42によりサンプル画像(特定情報が重畳表示されるべき前方風景画像のサンプル画像)が順次、読み出されるようになっている。その画像マッチング処理部41ではまた、コマ落し画像とサンプル画像各々との画像比較からマッチング度(類似度、あるいは一致度)が算出されており、何れかのサンプル画像との画像比較で一定値以上のマッチング度が得られたことを以って、そのサンプル画像に関連付けされている特定情報が、例えば図2に示した広告情報22ように表示されているものである。
【0028】
しかしながら、広告情報や沿線情報として表示されるべき特定情報が多くなると、それに応じてサンプル画像数が多くなることは否めなく、コマ落し画像が得られる度に、常時、全てのサンプル画像を比較対象としてマッチング判定が行われるとすれば、処理負荷がある一定以上に大きくなれば、全てのサンプル画像をマッチング判定処理し得なくなる虞があるというものである。そこで、サンプル画像各々には事前に走行位置範囲情報を付与しておき、位置検知装置7からの走行位置情報を画像管理装置42に取込み、その走行位置情報とその近傍のサンプル画像(走行位置情報を走行位置範囲に含むサンプル画像)だけをデータベース6から取り出した上、画像マッチング処理部41で処理するようにすれば、以上の処理負荷上の不具合は解消されることになる。結局、走行位置情報により絞り込み選択されたサンプル画像だけが候補画像として、画像マッチング処理部41でコマ落し画像と順次、画像比較されることになる。この画像比較から順次、算出されるマッチング度(類似度)に基づき、画像マッチング判定/地域逸脱判定処理部43では、最終的なマッチング判定処理が行われる。
【0029】
ところで、既述のように、気象条件や昼夜条件等で、通常の可視画像用の撮像装置2で撮影された前方風景画像と何れかのサンプル画像とが、必ずしもマッチングするとは限らなく、マッチング判定上の確度を上げるべく、赤外線等の特殊な撮像装置で撮影された前方風景画像を画像処理部40に入力させ、適切な画像処理が施されたコマ落し画像を用いることも考えられる。それでも様々な要因により、コマ落し画像とマッチングが取れない場合が予想される。そこで、マッチングが取れない場合でも、特定情報の重畳表示が不可能となるのを避けるために、各サンプル画像についてマッチング判定されるべき走行位置範囲を事前に設定しておき、マッチング判定されるべきサンプル画像が事前設定走行位置範囲内にあるか否かが検証される。その結果、そのサンプル画像と走行位置範囲内でマッチングしなかった場合は、前方風景画像との関係は弱くなるが、予めマッチングしなかった場合に出力すべき画像の出力が指示されるようになっている。画像マッチング判定/地域逸脱判定処理部43では、マッチング判定結果として2通りのものが得られるが、それぞれの判定結果に従って画像管理装置42に対しては、表示すべき画像や情報を指定する指令が出力される一方、表示画像処理部44に対しては、画像管理装置42から送られてくる画像や情報を如何に表示するかの指示が出力されている。
【0030】
その画像マッチング判定/地域逸脱判定処理部43での処理フローの概要を図8に示す。図示のように、マッチング度が入力される度に、そのマッチング度が規定値以上であるか否かが判定される(処理81,82)。この判定で、そのマッチング度が規定値以上であると判定された場合、旅客に対し現に表示されている前方風景画像には、画像管理部42からの特定情報、例えば図2に示した広告情報22が重畳表示されるべく、画面内での表示位置、表示輝度、表示時間が表示画像処理部44に対し指示される(処理83)。一方、マッチング度が規定値未満と判定された場合には、走行位置が未だ走行位置範囲内にあるか否かが判定される(処理84)。未だ走行位置範囲内にあると判定された場合には、次コマ落し画像に対するマッチング度入力に備えるようにされる。
【0031】
しかしながら、走行位置が走行位置範囲内から外れたと判定された場合には、結局、そのサンプル画像とはマッチングが取れなかったとして、事前記憶されている画像の中から、その特定情報に係るものが、現に表示されている前方風景画像と置換されて表示される等の指示が表示画像処理部44に対し指示される(処理85)。このように、現に表示されている前方風景画像に特定情報が重畳表示されたり、その特定情報に係る画像が現に表示されている前方風景画像と置換されて表示されるようになっている。尤も、そのような表示手法以外にも、テロップとして画面上に情報を流しながら表示したり、文字だけではなく、関連する映像や文字情報を組合せたものを前方風景画像と組合せて表示する等、各種バリエーションが考えられる。幾つか例を図9(a)〜(d)として示す。
【0032】
その図9(a)〜(d)のうち、図9(a),(b)は、前方風景画像内で注目位置を特定することなく、特定情報(広告情報等)を表示させる手法の例を示す。特に図9(a)では、テレビ等で頻繁に見られるように、前方風景画像内の何れかの位置に、特定情報はテロップ60として流されている。本例では、画面の下部位置に流されているが、上部位置であってもよい。また、図9(b)は、画面の何れか適当な位置に特定情報61が表示されている。このような表示例は、例えば、サンプル画像とマッチングが取れなかった場合での表示や、位置特定ではなく、地域全体で情報を流す場合に有効な手法である。
【0033】
一方、図9(c),(d)は、前方風景画像内で注目位置を特定して表示する例を示す。図2に示したものと表示手法が類似しているが、図9(c)では、文字情報だけではなく、文字情報は強調画像62と組合せられた状態として表示されており、また、図9(d)では、吹出し表示枠内で長い文書が表示される場合に、スクロール表示63により表示されている。表示手法については、ここで例示したもの以外にも数多く考えられ、テレビ放送やインターネットのウェブ画面、TVゲーム等で用いられている手法の使用を排除するものではなく、情報を効果的に伝達し得る手法が適宜選択されればよい。図9(a)〜(d)のうち、特に本発明が推奨する表示手法としては、図2や図9(c),(d)に示したようなものが挙げられるが、画像マッチングが取れなかった場合での代替手段としては、図9(a),(b)に示したような表示手法が使用されることになる。
【0034】
ところで、列車走行中に前方風景画像に重畳表示される情報としては、例示してきたような広告や名所等の特定情報だけではなく、これ以外にも、鉄道事業者がサービスとして提供すれば、有効であると考えられる情報が各種存在する。ここで、前方風景画像に重畳表示される情報の一例での種別一覧を図10に示す。有効であると考えられる情報としては、この列車自体が予定通り運行されているか否か、あるいは乗り継ぎがある場合には、乗り継ぐ列車が走行する線区での運行状況や混雑状況はどうなのか等が挙げられ、これらは、旅客にとっては重要な情報となる。また、現在でも、複数の線区が乗り入れている駅に列車が到着する際には、その直前に車内アナウンスが流されているが、自分が乗り継ぐ列車の運行状況や、乗り継ぐ駅の状況等についてのより詳細な情報があれば、便利であると考えられる。
【0035】
更に、沿線情報としては、旅行目的や旅行者個々により有用な情報の程度が異なったり、列車が駅に到着する時間でも情報の有用度が変化すると考えられる。例えば、観光目的であれば、観光地の地元で案内される穴場情報や、人出の状況、駅からの交通機関案内等が有効な情報になると考えられる。また、ビジネス旅行であれば、飲食店街の情報、例えば昼食時間帯であれば、昼食を取れる飲食店、夕食時であれば、夕食が取れる飲食店の情報が有効であると考えられる。その他、商店街の案内等、例えば、お土産等の買い物情報や娯楽、宿泊情報等もあると便利な場合がある。また、ポイント天気予報や季節情報等も気になる場合がある。
【0036】
これらの情報は、データベース6に事前記憶可能な情報であるとは限らなく、内容が変化する可能性が大きい情報については、別途、外部からその都度、入手する必要がある(その入手手法については、図15により後述)。これら情報を表示させるには、図6に示したように、旅客個々の座席で画面を操作可能な仕様の場合と、図5に示したように、一括表示させる場合とでは事情が異なっている。旅客個々の座席で画面が操作可能な場合には、図11に一例として示すように、旅客用モニタ12に情報選択メニュー一覧を表示し、旅客個々により好みの情報が選択されるようにすればよい。本例でのメニュー選択の手法は、ポインティング用ペン70を画面上に押し付けることで、画面上の一箇所を、選択されたことを示す背景色に変化させ、背景色に変化したメニューが選択されている。これ以外にも、アイコンを配置して選択する手法等、様々な手法が考えられるが、何れの手法でも構わない。
【0037】
一方、表示されるべき情報を自動的に判断の上、一括表示させるには、図12に示すように、条件設定処理部80からのカレンダ情報や時計情報等と、位置検知装置7からの走行位置情報とに基づき、情報配信制御装置1が適切な時間帯に適切な情報を表示させることが考えられる。例えば昼時であれば、昼食が可能な商店街の情報、夕方であれば、夕食が取れる店舗や宿泊情報が表示されるようにする。また、列車走行目的等の条件も情報配信制御装置1に対し設定される場合には、リゾート列車であれば、娯楽中心の情報が、また、修学旅行であれば、歴史や地理中心の情報が表示されるよう、制御することが考えられ、これらの場合でも、列車の走行位置や時間情報等を利用し、適切に情報が表示されるようにすればよい。
【0038】
ここで、図10に示した情報のうち、非特定情報、即ち、広告類以外の情報の表示例について説明すれば、乗り継ぎ等の情報は、位置検知装置7からの走行位置情報から表示タイミングが、図2に示す画面で線路が前方風景画像から、それぞれ認識された上、次停車駅に到着前に、線路の進行方向先に次停車駅の見取り図が表示されるようにして、駅内の何れの番線に到着し、他線区の列車は何れの番線から発着するのか、遅れは無いか等の情報が表示されるようにする。また、他の交通機関であれば、例えば、駅の何処にバス停やタクシー乗り場があって、どのように運行されているか等の情報が表示されるようにする。図13に例を示す。図示のように、駅を含む駅周辺情報81が表示されており、駅のどの辺りにバス停があるかが示されている。
【0039】
商店街の情報も同様に、線路の進行方向先に見取り図を表示して、線路の何れの側に商店街があるのか、また、説明に係る店舗が何処にあるのかが表示されるようにする。更に、観光地の案内情報は、前方風景画像内に入っていれば、図2に示したように位置を認識して、観光情報を流すようにするが、その画像内に入らなければ、前記同様、説明文ととともに、線路の進行方向先に地図等が表示されるようにする。更にまた、天気予報等も観光地エリアを対象にしたスポット的なものを、前記同様に、線路の進行方向先に、観光地の紹介を表示しながら、天気予報が表示されるようにする。この他、走行線区の運行情報や季節の情報、ニュース等で、前方風景画像の位置と関係がないものについては、図9(a),(b)に示したように、前方風景画像内で注目位置を特定することなく、テロップ等の手法を用い、情報が流されるようにする。
【0040】
以上のような表示をさせるために、データベース6に記憶される情報には、図14に示すような属性情報が付加される。この属性情報で特徴的な点は、画面内位置指定欄85が用意されていることである。この画面内位置指定欄85により画面上の何処を認識して表示させるのかが指定される。指定不要であれば、指定無しと設定される。その他、参照画像No.や表示様式が指定される。これら以外にも、情報を表示させる属性として幾つか考えられるが、本発明とは直接関係ないので、図14では、破線表示されている。例えば、表示時間や表示輝度に変化をつける、アニメーションを加える等の表示属性を付け加えることが考えられる。このようにして、様々な情報の中から旅客にマッチした情報が、列車が適切な位置を走行中に、適切な表示形式で表示可能となっている。
【0041】
ところで、図10に示した情報には、データベース6に事前記憶可能なものと、列車走行中にその都度、外部から入手する必要があるものとがある。その都度、外部から入手する必要があるのは、これは、時々刻々、その内容が変化している可能性が大であり、最新のものに更新してから、表示させる必要があるからである。事前記憶可能な情報、例えば沿線情報等については、メモリデバイスに記憶された情報を走行線区に合せて走行前にデータベース6にセットしておけばよく、また、適宜更新が必要な運行情報や乗り継ぎ情報、他の交通機関の状況については、無線通信を利用して、適宜外部から入手されるようになっている。
【0042】
無線通信を利用して情報を更新する方法の例を図15に示す。図示のように、先頭車両9に搭載された通信装置8を介し、地上システムにおける情報配信サーバ90に対し無線により情報要求が発せられれば、これに応答して、情報配信サーバ90から通信装置8には、最新の運行管理情報やニュース等が返送されるようになっている。具体的には、通信装置8から情報要求があった場合、情報配信サーバ90では、ネットワーク93を介し、運行管理システム91やその他の情報ソース92から必要とされる最新の情報が収集されるが、このようにして収集された情報が通信装置8に返送されているものである。情報ソースとしては、現在インターネット等を介し、様々な情報が取得可能なので、ここでは、様々な情報源を一括して情報ソース92としている。
【0043】
以上の無線通信では、列車側から情報要求が行われているが、定期的に情報配信サーバ90から列車側に向かって配信したり、良好な無線通信状態で高速に一気に大量配信したり、列車側から走行位置情報を地上に定期的に送信し、情報配信サーバ90でその走行位置情報を認識し、走行位置に応じた情報を選択して列車側に配信する等、様々な方式が考えられる。本発明では、情報配信手法について特定の方式のみ許容するというものではなく、システム仕様に従って、最適な通信手法が選択されればよい。このように、事前記憶可能な情報や、時々刻々変化する情報、更には、これら情報を組合わせれば、図2や図9、図13に示したような形式で、旅客には各種情報が提供可能となる。
【0044】
ここまで、列車での旅行を例に説明してきたが、GPS等の位置検知装置や地上と交信するための無線通信装置等、図1に示したシステムと同様の設備を装備したバス等でも同様の情報サービスを受け得ることは、特に言及するまでもなく可能である。また、湖や海岸線を巡る遊覧船でも同様に、情報サービスシステムを構築することが可能である。但し、情報サービス内容としては、列車特有の運行情報や乗り継ぎ情報等は、情報として適切であるとは限らないので、各旅客輸送機関で適切な情報が提供されるようにすればよい。
【0045】
因みに、以下のような発明(1)〜(6)も考えられる。
(1):旅客輸送システムの情報サービスシステムに於いて、走行中の移動体の前方を撮影しているリアルタイム撮像画像に、撮像中の映像の中の特定位置を指し示し、情報を表示させるリアルタイム映像重畳情報サービスシステムを搭載した旅客輸送システム。
(2):(1)記載のシステムで、撮像中の特定位置を指し示すために予めサンプル画像をデータベースとして持ち、旅客輸送する移動体の位置情報を利用し、撮像中の映像の中の特定位置を認識するために、該特定位置を検索するためのサンプル画像を呼び出す枚数を制限することを特徴とするリアルタイム映像重畳情報サービスシステムを搭載した旅客輸送システム。
(3):(2)記載のシステムで、撮像中の映像の中の特定位置を認識させる領域を過ぎても、該特定位置を認識できなかった場合は、予め準備していた映像を放映するか、リアルタイム撮像中の画像内で、特定位置を指し示さず重畳表させるべき情報を表示することを特徴とするリアルタイム映像重畳情報サービスシステムを搭載した旅客輸送システム。
【0046】
(4):(1)〜(3)の何れかに記載のシステムで、旅客輸送する移動体の位置によって撮影装置の角度を自動的に変更することを特徴とするリアルタイム映像重畳情報サービスシステムを搭載した旅客輸送システム。
(5):(1)〜(4)の何れかに記載のシステムで、旅客輸送する移動体の輸送サービス目的、或いは走行時間、或いは走行の季節によって表示する情報内容を自動的に設定することができる、或いは旅行者によって選択することができることを特徴とするリアルタイム映像重畳情報サービスシステムを搭載した旅客輸送システム。
(6):(1)〜(5)の何れかに記載のシステムで、リアルタイム撮像中の画像に重畳すべき情報に、該撮像中の画像内で位置を特定して表示するのか、しないのかを指定する属性に従い表示手法を自動的に変更して表示することを特徴とするリアルタイム映像重畳情報サービスシステムを搭載した旅客輸送システム。
【0047】
以上、説明したように、リゾート列車の先頭車やバスの前部座席付近等でしか味わえない輸送機関の先頭から見る迫力ある前方風景画像が前部座席付近以外にも配信表示されているばかりか、その前方風景画像には有用な情報が重畳表示可能とされていることから、配信表示画像の価値がより高められることになる。また、旅行者にとっては、前方風景画像に有用な情報が重畳表示されることで、移動中の時間をより楽しく過ごせるようになり、たとえ、運行状況が乱れた場合でも、適切に旅行計画を立て直したり、旅行先での行動をより楽しく快適なものにすることができる。更に、鉄道やバス等の旅客輸送事業者にとっては、広告に今までにはないユニークな効果が演出されているので、各種企業や団体等からの広告依頼の増加を見込めることになる。
【0048】
【発明の効果】
旅客には前方風景画像に加え、多くの情報が提供され得、また、土産業者等にとっては売上増大が見込まれ、更に、旅客輸送事業者にとっては、各種企業や団体等からの広告依頼の増加を見込めるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による鉄道列車における先頭車両の一例での基本的構成を示す図である。
【図2】広告情報が重畳された前方風景画像の表示例を示す図である。
【図3】通常の撮像装置と赤外線撮像装置が予め用意されている場合での、これら装置の切替え制御を説明するための図である。
【図4】撮像装置の撮影方向制御を説明するための図である。
【図5】車両内での旅客用モニタの一例での設置態様を示す図である。
【図6】同じく、車両内での旅客用モニタの他の例での設置態様を示す図である。
【図7】情報配信制御装置内で実行される前方風景画像とサンプル画像各々とのマッチング判定処理を説明するための図である。
【図8】画像マッチング判定/地域逸脱判定処理部での処理フローの概要を示す図である。
【図9】特定情報の各種表示例を示す図である。
【図10】前方風景画像に重畳表示される情報の一例での種別一覧を示す図である。
【図11】旅客個々により好みの情報が選択される場合を説明するための図である。
【図12】表示されるべき情報を自動的に判断の上、一括表示させる場合を説明するための図である。
【図13】駅周辺の見取り図が情報として表示される場合を説明するための図である。
【図14】情報種別に応じて付加される属性情報の例を示す図である。
【図15】無線通信による情報の更新方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1…情報配信制御装置、2…撮像装置、5…画像処理装置、6…データベース、7…位置検知装置、9…先頭車両、10…車上ネットワーク、11…旅客用端末処理装置、12…旅客用モニタ、14…撮像方向可変装置

Claims (12)

  1. 走行状態で前方風景が撮像手段によりリアルタイムに撮影された上、撮影された前方風景画像が旅客に対し配信表示されるようにした映像情報配信表示システムであって、旅客に対し配信表示される前方風景画像に、各種情報を適切なタイミングで重畳させる情報重畳手段が設けられてなる映像情報配信表示システム。
  2. 請求項1記載の映像情報配信表示システムにおいて、上記撮像手段として設けられている可視光撮像手段、赤外線撮像手段のうち、何れか一方が外部環境測定結果に応じて選択されるようにした映像情報配信表示システム。
  3. 請求項1、または2に記載の映像情報配信表示システムにおいて、上記撮像手段に関連して設けられている撮像方向可変手段が走行位置情報に基づき制御されることによって、上記撮像手段での撮影方向が制御されるようにした映像情報配信表示システム。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の映像情報配信表示システムにおいて、特定情報としての広告情報、地域密接情報および観光案内情報は特定タイミング下で前方風景画像に重畳される一方、非特定情報は随時、重畳されるようにした映像情報配信表示システム。
  5. 請求項4記載の映像情報配信表示システムにおいて、事前記憶されているサンプル画像群の中から前方風景画像と一致するサンプル画像を検索するサンプル画像検索手段によりサンプル画像が検索された場合に、該サンプル画像に予め関連付けされている特定情報が上記前方風景画像に重畳されるようにした映像情報配信表示システム。
  6. 請求項5記載の映像情報配信表示システムにおいて、上記サンプル画像群を構成しているサンプル画像各々には、事前に走行位置範囲情報が付与された上、走行位置情報を走行位置範囲内に含むサンプル画像が、上記前方風景画像と比較されるサンプル画像として絞込み選択されるようにした映像情報配信表示システム。
  7. 請求項6記載の映像情報配信表示システムにおいて、絞込み選択されたサンプル画像が走行位置範囲内で上記前方風景画像と一致しなかった場合、該サンプル画像に関連して事前記憶されている特定画像が上記前方風景画像と置換された状態、または上記前方風景画像に重畳された状態として配信表示されるようにした映像情報配信表示システム。
  8. 請求項4記載の映像情報配信表示システムにおいて、非特定情報が随時、前方風景画像に重畳されるに際しては、旅客の輸送サービス目的、走行時間帯、あるいは走行季節に応じた情報が自動的に選択されるか、または旅客操作用情報選択メニューから任意に選択された情報が選択された上、重畳されるようにした映像情報配信表示システム。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の映像情報配信表示システムにおいて、前方風景画像に重畳されるべき情報各々は、該前方風景画像内で該情報の表示位置が特定されて表示されるか否かを指定する属性に従う態様で表示されるようにした映像情報配信表示システム。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載の映像情報配信表示システムが搭載されてなる鉄道列車。
  11. 走行状態で前方風景が撮像手段によりリアルタイムに撮影された上、撮影された前方風景画像が旅客に対し配信表示されるようにした映像情報配信表示システムであって、情報重畳手段により旅客に対し配信表示される前方風景画像に各種情報が適切なタイミングで重畳されるに際しては、特定情報としての広告情報、地域密接情報および観光案内情報は走行位置情報に基づき、選択された上、重畳される一方、非特定情報は随時、重畳されるようにした映像情報配信表示システム。
  12. 請求項11記載の映像情報配信表示システムが搭載されてなる鉄道列車。
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