JPWO2006046568A1 - 電気化学ガスセンサを用いた自己診断付きガス検出装置 - Google Patents

電気化学ガスセンサを用いた自己診断付きガス検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2006046568A1
JPWO2006046568A1 JP2006519015A JP2006519015A JPWO2006046568A1 JP WO2006046568 A1 JPWO2006046568 A1 JP WO2006046568A1 JP 2006519015 A JP2006519015 A JP 2006519015A JP 2006519015 A JP2006519015 A JP 2006519015A JP WO2006046568 A1 JPWO2006046568 A1 JP WO2006046568A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas sensor
output
transistor
turned
test signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006519015A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4134228B2 (ja
Inventor
井上 智弘
智弘 井上
裕樹 藤森
裕樹 藤森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Figaro Engineering Inc
Original Assignee
Figaro Engineering Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Figaro Engineering Inc filed Critical Figaro Engineering Inc
Publication of JPWO2006046568A1 publication Critical patent/JPWO2006046568A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4134228B2 publication Critical patent/JP4134228B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/403Cells and electrode assemblies
    • G01N27/406Cells and probes with solid electrolytes
    • G01N27/407Cells and probes with solid electrolytes for investigating or analysing gases
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/417Systems using cells, i.e. more than one cell and probes with solid electrolytes
    • G01N27/4175Calibrating or checking the analyser
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Abstract

電気化学ガスセンサに並列に10秒程度の間テスト信号を加え、この間増幅回路をオフしておく。テスト信号のオフ後に増幅回路をオンし、オン後の所定時間の間にガスセンサの出力波形に所定電圧のピークが有れば、ガスセンサを正常とする。

Description

この発明は電気化学ガスセンサの自己診断に関する。
特許文献1〜特許文献3は、電気化学ガスセンサのキャパシタンスを用いた自己診断を開示している。特許文献1,2では、液体電解質を用いたガスセンサを対象とし、パルス的なテスト信号を、ガスセンサではなく増幅器に入力する。ガスセンサは固定抵抗と並列に増幅器の他の入力に接続され、増幅器はテスト信号の入力に対応して出力を変化させるが、この際の伝達関数がガスセンサの容量によって変化する。ガスセンサの容量はセンサが正常かどうかで変化するので、増幅器の出力からガスセンサの状態を診断できる。
特許文献3では、ガスセンサにパルス的な電圧を加え、パルス終了後のセンサの出力波形から自己診断を行う。即ち正常なガスセンサでは容量が大きく、不良なガスセンサでは容量が小さいので、パルス終了後の出力の緩和速度から、ガスセンサを検査できる。
USP6251243 USP6123818 USP6200443
この発明の課題は、電気化学ガスセンサの新たな自己診断装置を提供することにある。
この発明のガス検出装置は、固体または液体の電解質に少なくとも検知極と対極とを接続した、電気化学ガスセンサの出力を、増幅回路で増幅してガスを検出すると共に、電気的なテスト信号を加えた際の、前記ガスセンサの出力応答から前記ガスセンサを自己診断するようにした装置において、
前記増幅回路が前記ガスセンサの出力を増幅しない状態で、前記ガスセンサに前記テスト信号を加えるためのテスト信号印加手段と、
前記テスト信号の終了時に前記増幅回路を前記ガスセンサの出力を増幅する状態にすると共に、この時点から所定の時間内に、前記増幅回路の出力をサンプリングするためのサンプリング手段と、
サンプリング手段の出力から、前記ガスセンサの自己診断を行うための自己診断手段、とを設けたことを特徴とする。
電気化学ガスセンサで用いる電解質は、固体電解質でも、硫酸や水酸化カリウム、金属塩水溶液などの液体電解質でも、あるいはイオン性液体などでも良い。増幅回路をガスセンサの出力を増幅する状態にするのは、好ましくはテスト信号の終了と同時もしくはそれ以降のタイミングとし、特に好ましくはテスト信号の終了後に増幅回路をガスセンサの出力を増幅する状態にする。
好ましくは、自己診断手段は、サンプリング手段の出力が、清浄空気中での出力とは異なる所定範囲内にある際に前記ガスセンサを正常とし、サンプリング手段の出力が、清浄空気中での出力付近の第2の所定範囲内にある際と、前記増幅回路の出力レンジの両端付近にある際とに、前記ガスセンサを異常とする。
好ましくは、前記ガスセンサと並列に抵抗を接続する。
好ましくは、ガス検出装置の電源によりガスセンサの検知極及び対極の一方の電極を定電位に保ち、ガスセンサの他方の電極を前記増幅回路中の演算増幅器の入力側に接続し、ソースの電位とゲートの電位との電圧が所定値以上であることによりオープンするFETスイッチの、ソースとドレインを前記ガスセンサと並列に配置し、前記電源がオンでFETスイッチのソースとゲート間の電圧が所定値以上、電源がオフで所定値未満となるように、ゲートを配置する。
ここで好ましくは、前記他方の電極と演算増幅器の入力との間に、テスト信号を加える間オープンするスイッチを設ける。
特に好ましくは、テスト信号印加手段は、該他方の電極からガスセンサにテスト信号を加える。
この発明では、簡単に電気化学ガスセンサを自己診断でき、特にガスセンサの状態を、正常と、ショートや断線/電極劣化/ドライアップなどの異常とに診断できる。
ガスセンサに並列に抵抗を接続すると、無電源放置時などのセンサの分極を防止でき、かつガスセンサに極く小さなテスト信号を加えるのが容易になる。
ガス検出装置の電源によりガスセンサの検知極及び対極の一方の電極を定電位に保ち、ガスセンサの他方の電極を前記増幅回路中の演算増幅器の入力側に接続し、ソースの電位とゲートの電位との電圧が所定値以上であることによりオープンするFETスイッチの、ソースとドレインを前記ガスセンサと並列に配置し、前記電源がオンでFETスイッチのソースとゲート間の電圧が所定値以上、電源がオフで所定値未満となるように、ゲートを配置する。すると電源がオンの場合、FETスイッチはオープンして動作せず、かつ電源がオフで閉じて、ガスセンサの両極を接続して分極を防止する。
演算増幅器にはオフセットがあり、ガスセンサの分極防止のため並列に抵抗を配置すると、演算増幅器の両入力が抵抗で接続される。オフセットがあり、高い増幅率で動作する演算増幅器では、両入力の電圧が完全に等しくなると、大きなオフセット電圧が出力される。ガスセンサをFETスイッチで並列接続し、電源がオンでスイッチが開くと、演算増幅器の両入力は非オーミック抵抗のガスセンサで接続され、オフセットによる出力電圧を小さくできる。そこで演算増幅器に関する制限を減らし、回路コストを大幅に小さくできる。
ここで好ましくは、前記他方の電極と演算増幅器の入力との間に、テスト信号を加える間オープンするスイッチを設けると、スイッチでガスセンサと増幅回路の接続を開閉できる。ガスセンサの一方の電極をポテンショスタット回路を介して電源に接続し、他方の電極を演算増幅器に接続する場合を考える。ポテンショスタット回路は一種のバッファで、演算増幅器を含んでいる。ここで、バッファ用の演算増幅器とセンサ信号の増幅用の演算増幅器とを別電源とすると、2パッケージ分の演算増幅器が必要になる。ところが増幅用の演算増幅器へのセンサ信号の入力を遮断するためのスイッチを設けると、2つの演算増幅器を電源が共通の1パッケージで実現でき、演算増幅器を1パッケージ分減らすことができる。
特に好ましくは、テスト信号印加手段は、該他方の電極からガスセンサにテスト信号を加えると、簡単に小さなテスト信号をガスセンサに加えて、電解質や電極の劣化、ヒステリシスなどを防止できる。
実施例で用いた電気化学ガスセンサの要部断面図 実施例の自己診断付きのガス検出装置の回路図 実施例での自己診断アルゴリズムを示すフローチャート 実施例の自己診断での、センサ出力と各トランジスタの動作を示すタイミングチャート 実施例での2つのガスセンサの自己診断結果を示す特性図 実施例で10回自己診断を行った前後での、ガスセンサの出力を示す特性図 ガスセンサに並列抵抗を配置した場合と配置しない場合とでの、電源をオンした際の出力の差異を示す特性図で、電源オン前に、1000ppmのCO中に1時間放置し、次いで空気中で1時間放置した。 最適実施例の回路図 最適実施例のタイミングチャート 第3の実施例の回路図
符号の説明
2 ガスセンサ 4 電解質膜 6 対極 8 検知極
10,12 多孔質導電性膜 14 対極板 16 検知極板
20 電源 22 マイクロコンピュータ 24 自己診断部
26 ガス検出部 28 入出力 30 ツェナーダイオード
32,33 FETスイッチ Tr1,Tr2 トランジスタ
R1〜R12 抵抗 C1〜C7 コンデンサ
VR1,VR2 可変抵抗 IC1〜IC3 演算増幅器
Vcc 増幅回路電源 A 接地
P1,P2 制御信号 P3 出力
以下に本発明を実施するための実施例を示す。
図1〜図7に、実施例を示す。図1に用いた電気化学式のガスセンサ2を示すと、4は電解質膜で、高分子プロトン導電体膜などの固体電解質膜でもよく、あるいはセパレータに保持した液体電解質の膜でも良い。また液体電解質には、硫酸,KOH,MgSOなどの電解質を水に溶かした水性電解質の他に、有機電解質を用いても良く、特にイオン性液体を用いても良い。液体電解質を用いる場合、電解質は必ずしも膜状にする必要はなく、例えば適宜の容器に収容しても良い。
6は対極、8は検知極で、ここでは対極6と検知極8を電解質膜4の両面に設けるが、片面に距離を空けて配置しても良い。対極6や検知極8では、例えば微細なカーボン粒子にPtやPt−Ruなどの貴金属触媒を担持させると共にバインダーを添加し、必要に応じてさらに固体や液体の電解質を添加する。10,12は多孔質導電性膜で、ここでは多孔質でかつ疎水性のカーボンシートやカーボンペーパーとする。14は対極板、16は検知極板である。対極板14には破線で示す孔を設けて、図示しない液溜から、水蒸気や電解液と酸素とを補給する。検知極板16にも破線で示す孔を設けて、COなどの検出対象ガスを導入すると共に、検知極での反応により生じたCOなどを排出する。対極板14や検知極板16は例えば金属板で、検知極8での被検出ガスの電極反応に伴う電流を増幅してガスを検出する。
図2に自己診断付きのガス検出装置の回路を示すと、20は電源で、例えばここでは5Vや3Vなどの電池電源とし、22はマイクロコンピュータで、自己診断部24とガス検出部26並びに入出力28を備えている。30は2〜3V程度の出力のツェナーダイオード、Tr1,Tr2はトランジスタで、他のスイッチでも良く、R1〜R11は抵抗である。このうち抵抗R9は例えば100Ω〜10KΩ程度の抵抗とし、抵抗R10は抵抗R9に比べて充分高抵抗な抵抗とし、例えばトランジスタTr2をオンさせて抵抗R10を接地Aに接続した際に、ガスセンサ2に加わる電圧が充分小さな値となるようにする。この電圧はここでは1mV程度で、好ましくは10μV〜100mV程度とする。C1〜C6はコンデンサで、VR1,VR2は可変抵抗である。図2ではガスセンサ2の対極をC、検知極をSと表示し、対極Cが例えば1.0Vの定電位に保たれるように、可変抵抗VR1を調整する。
IC1,IC2は演算増幅器で、例えばガスセンサ2の検知極Sを反転入力側に接続し、2段の演算増幅器IC1,IC2でガスセンサ2の出力を増幅する。この場合の増幅率は、ガスセンサ2に1μAの電流が流れた場合に、出力P3が3V変化するようにしてある。Vccは増幅回路電源で、トランジスタTr1を介して電源20から供給され、演算増幅器IC1,IC2の電源であり、ガスセンサ2の増幅回路の電源である。
図2の回路では、ガスセンサ2の対極を例えば1.0Vの定電位に保つと共に、検知極Sを抵抗R3を介して演算増幅器IC1の反転入力に接続する。ガスセンサ2と並列に抵抗R9を接続し、かつガスセンサ2と抵抗R9との並列片、特にその検知極S側を、トランジスタTr2と1MΩ程度の抵抗R10を介して接地する。そしてトランジスタTr2の制御信号がP2で、トランジスタTr2をオンさせることをテスト信号を加えるという。抵抗R10と抵抗R9との抵抗値の比は、ここでは1000:1で、例えば10:1〜100000:1程度とする。トランジスタTr2をオンし、短い初期的な緩和時間が経過すると、ガスセンサ2にはごく小さな電圧が加わることになる。このようにテスト信号を加えた際に、ガスセンサ2に加わる電圧をごく小さな値に保つことが抵抗R9の役割の1つである。抵抗R9の他の役割は、電源20がオフしている際に、ガスセンサ2が分極することを防止する点にある。
マイクロコンピュータ22の自己診断部24は、適当な周期で、例えば制御信号P2によりトランジスタTr2を10秒間オンさせると共に、制御信号P1により増幅回路電源Vccをオフさせる。そして好ましくはトランジスタTr2がオンしている間、トランジスタTr1はオフしているものとする。トランジスタTr2を10秒間オンさせた後にオフし、例えばこれと同時に、好ましくはトランジスタTr2のオフ後、1m秒〜100秒程度、より好ましくは10m秒〜10秒程度の間隔をおいて、トランジスタTr1をオンさせる。そしてトランジスタTr1をオンさせた後10秒間などの、所定時間内の出力P3の波形から、ガスセンサ2を自己診断する。このように、制御信号P1により増幅回路電源Vccを制御し、制御信号P2によりテスト信号を制御し、出力P3を入出力28から取り込んで、自己診断を行う。
実施例では対極Cを例えば1.0Vの定電位側に接続したが、検知極S側を定電位に接続して、対極C側をトランジスタTr2や演算増幅器IC1の反転入力側に接続しても良い。また実施例ではガスセンサ2を電流駆動するので、その出力を演算増幅器IC1の反転入力側に接続したが、電圧駆動としても良く、また非反転入力側に接続してもよい。さらに実施例では演算増幅器IC1,IC2を2段に用いたが、これ以外にバッファ用の演算増幅器を介して、例えば1Vの定電位を発生させても良い。テスト信号はトランジスタTr2を介して加えるが、例えば入出力28から直接加えるようにしても良い。さらにテスト信号では抵抗R9から抵抗R10へ電流が流れるようにしたが、テスト信号の極性を逆にしても良い。またガスセンサ2は検知極,対極の2極のものに限らず、これ以外に参照極を加えた3極のものでも良い。
通常時のガス検出装置の動作を示すと、トランジスタTr1がオンで、トランジスタTr2はオフしている。ここでCOや水素,アルコールなどのガスが検知極Sに拡散すると、検知極Sから対極Cへ向けて電流が流れる。この電流に等しい電流が、抵抗R2、ここでは100KΩを流れる。このため例えばガスセンサ2に1μAの電流が流れると、演算増幅器IC1の出力側の電位は100mV変化し、演算増幅器IC2の非反転入力の電位も100mV増加する。そこで演算増幅器IC2側では、抵抗R6の両端間電圧は例えば100mVとなり、抵抗R7の抵抗値を抵抗R6の30倍としておくと、演算増幅器IC2の出力P3は、例えば+3V増加する。
マイクロコンピュータ22の自己診断部24は、例えば1日1回、あるいは1週間に1回などの適当な頻度で、例えば10秒間トランジスタTr2をオンし、この時トランジスタTr1をオンさせておく。トランジスタTr2のオフと同時に、好ましくはトランジスタTr2のオフから1m秒〜100秒程度経過した後にトランジスタTr1をオンする。トランジスタTr1を再度オンさせた後、所定時間内での出力P3の波形からガスセンサ2を自己診断する。
図3〜図4に自己診断アルゴリズムを示すと、例えば10秒の間トランジスタTr1をオフし、トランジスタTr2をオンする。次いでトランジスタTr2をオフし、例えば1秒待機して、トランジスタTr1をオンする。トランジスタTr1をオンした直後には、演算増幅器IC1,IC2が安定するまでの過渡現象や、コンデンサC2〜C5の電圧が安定するまでの過渡現象が加わるため、例えば5秒間待機する。この間の待機時間は0でもよく、好ましくは10秒以下とする。
トランジスタTr1をオンした後の5秒間に出力P3(Vout)が2〜4Vの所定範囲内にあるかどうかを検査し、1回でもこの範囲内に出力P3があれば、ガスセンサを正常とする。そして5秒間の間、出力P3が常に2V未満もしくは4V超の場合、ガスセンサに異常が発生しているものとする。なおここでは演算増幅器IC1,IC2の出力レンジは0〜5Vの範囲で、清浄空気中での出力P3の値は1Vである。また1回異常を検出したことをもって、ガスセンサ2が異常であるとはせず、例えば複数回異常を継続して検出した際に、異常と判断するようにしても良い。
図4に示すように、トランジスタTr1をオフし、トランジスタTr2をオンすると、出力P3と対極Cとは抵抗R6,R7などを介して接続されるので、出力P3の値は1V未満のほぼ一定値となる。またこの期間で、トランジスタTr2をオンした直後を除くと、ガスセンサ2に加わる電圧は抵抗R10と抵抗R9との比で定まるので、ガスセンサ2にはごく僅かな電圧、例えば1mV程度の電圧が加わる。そしてこの程度の僅かな電圧でも、ガスセンサの電解質と電極との間に電気2重層などを形成させることができる。またガスセンサ2に加えるテスト信号はごく小さなものなので、ヒステリシスなどの原因となることがない。
トランジスタTr2をオフした後トランジスタTr1をオンすると、テスト信号でガスセンサ2に形成された電気2重層などを中和するように、例えば検知極Sから対極C側に電流が流れ込み、これによって還元性ガスを検出した際と同じ極性の信号が出力P3に表れる。この信号は電気2重層などが消滅すると消えるので、一時的なパルス信号として表れ、何らかの形でこのパルスを検出することにより、ガスセンサ2が正常であることを確認できる。
例えばガスセンサ2に断線がある、ガスセンサ2が差し込まれていない、ガスセンサ2の電解質膜がドライアップなどにより異常になっている、ガスセンサ2の電極が劣化しているなどの場合、出力信号は図4の破線のようになる。これは、テスト信号によりガスセンサ2に生じるはずの電気2重層、などを解消するための電流が流れないことによる。またガスセンサ2がショートしている場合、トランジスタTr1をオンすると、出力P3は出力レンジの両端のいずれかに表れる。なお演算増幅器IC1,IC2などの付帯回路を自己診断する場合、トランジスタTr1,Tr2のオン/オフに同期した出力変化が生じるかどうかをチェックすればよい。
図5に2個のガスセンサに対する自己診断の結果を示す。出力は図2の出力P3であり、1Vが清浄空気中に対する出力で、"Blank"はガスセンサを取り外した状態を、"Good1","Good2"は正常なガスセンサを取り付けた状態を示し、"Good1"と"Good2"では2個のガスセンサを入れ替えてある。
"Short"はガスセンサを短絡した状態を示し、"Open"は断線したガスセンサを取り付けた状態を示す。"Catalyst Deteriorated"は触媒劣化したガスセンサを用いた例で、ここでは、検知極や対極をカーボンのみで貴金属を担持していない電極として、触媒劣化したガスセンサに代用した。"Dry-Up"は、ガスセンサに水蒸気が補給されない、もしくは電解液が補給されないなどにより、電解質が異常となった状態である。ここでは、液溜を空にしてセパレータのKOH水溶液に水蒸気が補給されないようにし、50℃の乾燥空気中で2時間乾燥したセンサを"Dry-Up"とした。
図5の"Power"の行は、電池電源のON/OFFを示し、Tr1やTr2のON/OFFでは、斜線を付した状態がオンで、それ以外の状態がオフである。用いたガスセンサでは、電解質は0.1規定のKOH水溶液で、親水性のセパレータに保持させた。なお電解質をプロトン導電体固体電解質や硫酸水溶液にしても、同様の結果が得られた。
"Good1","Good2"の状態で、トランジスタTr1がオフでトランジスタTr2がオンの状態を10秒間保ち、次いでトランジスタTr2をオフした後、1秒後にトランジスタTr1をオンした。この時、ガスセンサの出力には半値幅が5〜20秒程度のピーク状のパルスが生じた。これに対して、ガスセンサが断線している、触媒劣化している、ドライアップしているなどの場合、トランジスタTr2をオフした後、トランジスタTr1をオンすると、出力P3は0V程度に一旦減少し、次いで清浄空気中の出力1Vへ向けて、指数関数的に緩和した。一方、ガスセンサをショートしておくと、トランジスタTr1がオンであれば、出力は0Vもしくは5V付近の値を示した。0Vと5V付近のどちらの値となるかは、回路の細かな常数や演算増幅器IC1,IC2などのばらつきで定まるものと考えられる。
ガスセンサを差し込んでいない"Blank"でも、10秒間、トランジスタTr1をオフすると共にトランジスタTr2をオンし、次いでトランジスタTr2をオフした後に、トランジスタTr1をオンした。すると断線の場合などと同様に、出力は0Vまで減少した後に1Vへ向けて指数関数的に緩和した。一方"Blank"の状態で、トランジスタTr1,Tr2を共にオンすると、抵抗R9から抵抗R10へ流れる電流のため、出力P3は3V強へと増加した。また"Good2"の状態でも、トランジスタTr1とトランジスタTr2を共にオンすると、出力は3V強に同様に増加した。そこでトランジスタTr1をオンしたままで、トランジスタTr2をオンしてテスト信号を加えても、ガスセンサの自己診断を行うことはできないことが判明した。
次にトランジスタTr2のオフ前にトランジスタTr1をオンすると、"Blank"で示したように、出力P3は3V強へと増加しようとするので、このピークと正常なガスセンサで生じるピークとが重なり、診断が難しくなる。このためトランジスタTr2をオフさせると同時に、もしくはトランジスタTr2をオフさせた後に、トランジスタTr1をオンさせることが好ましい。好ましくは、トランジスタTr2をオフさせた後、1msec〜100sec後に、特に好ましくは10msec〜10sec後に、トランジスタTr1をオンさせる。
正常なガスセンサから生じるパルスの検出では、トランジスタTr1を再度オンした後、5〜10秒の間にセンサ信号が1回でも2〜4Vの間にあると、パルス有りとした。このような検出方法に代えて、トランジスタTr1を再度オンした後10秒程度の間に、出力P3が2Vなどのラインを下から上向きへと横切り、かつ2Vあるいは3Vなどのラインを上から下向きに横切ったことを検出するようにしても良い。即ちパルスの検出方法自体は任意である。また実施例では、トランジスタTr1を再度オンした後に出力P3が2〜4Vの範囲に達しない場合異常とし、この間出力が0〜2Vに保たれると、ガスセンサを異常とする。またこれ以外にガスセンサ出力が0V付近に固定された場合や、4V以上に固定された場合も、ガスセンサを異常と判断する。パルスを検出する時間幅(window)はセンサの種類や検査条件などに応じて定め、トランジスタTr2のオフからトランジスタTr1のオンまでの時間は既知なので、トランジスタTr2のオフから所定の時間幅内にパルスを検出するということもできる。
実施例では、テスト信号としてガスセンサにごく小さな電圧を加えるので、ヒステリシスが小さい。実施例での自己診断を1時間おきに10回続けた際の、ガスセンサの出力信号の変化を図6に示す。自己診断を10回行っても出力に有意差はない。図7は、電池電源をオフした状態での、ガスセンサの分極防止への、抵抗R9の役割を示す。2個のガスセンサを各々1KΩの抵抗R9と並列に接続し、他の2個のガスセンサは並列抵抗無しで、これらを1000ppmのCO中に無電源で1時間放置した。その後清浄空気中で1時間放置し、次いで実施例のガス検出回路に組み込み、電池電源をオンした。その際の出力波形を図7に示す。並列抵抗を配置していない場合、電源投入からセンサ信号を安定するまでには10分程度の時間が必要である。これに対して並列抵抗を配置すると、例えば1分以内にガスの検出を開始できる。
なおトランジスタTr2を設けず、抵抗R10のガスセンサ2の反対側に、入出力28から直接テスト信号を加えても良い。テスト信号の波形は方形波としたが、波形は任意である。ガスセンサ2は、検知極Sと対極Cを逆にして図2の回路に組み込むこともでき、また図2の増幅回路などは適宜に変更できる。
実施例では以下の効果が得られる。
(1) 電気化学ガスセンサの状態を、正常/ショート/断線や触媒劣化などの異常とに識別できる。
(2) 自己診断に加えるテスト信号は1mV×10秒と極く小さく、自己診断に要する時間は1分以内で、ヒステリシスも残らず、かつ固定抵抗R9で簡単にテスト電圧を作り出すことができる。テスト信号をさらに小さくもしくは短くすると、自己診断に要する時間をさらに短くできる。
(3) 電気化学ガスセンサでの通常の増幅回路を用いて、テスト信号の印加回路を追加するだけでよいので、自己診断のために、ガスセンサを特殊な増幅回路に組み込む必要がない。
最適実施例
図8,図9に最適実施例を示し、特に指摘した点以外は図1〜図7の実施例と同様で、同じ符号は同じものを示す。演算増幅器IC3はガスセンサ2の対極を例えば1.5〜2V程度の定電位に保ち、トランジスタTr1を介さない電源Vcc1により動作し、C7はコンデンサである。32はFETスイッチで、ソースS2とゲートGとの電位差が0付近では、ソースS2とドレインD間の抵抗は50Ω程度、1.5V以上ではMΩ台の抵抗となる。FETスイッチ32は、検出回路の電源をオンすると開き、電源をオフすると閉じて、放置時のガスセンサ2の分極を防止する。演算増幅器IC2はトランジスタTr1を経由する電源Vcc2に接続され、図2の演算増幅器IC2は設けなかった。
図8の最適実施例の動作を図9に示すと、トランジスタTr1を例えば10秒間オフし、この間に、例えばトランジスタTr1のオフよりも、立ち上がりでも立ち下がりでも0.1〜1秒ずつ狭い幅で、トランジスタTr2をオンする。トランジスタTr1のオフにより演算増幅器IC1がオフし、トランジスタTr2のオンにより、ガスセンサ2にテスト信号を加える。この時、FETスイッチ32はオフしたままで、自己診断には関与しない。そして図2の回路と同様に自己診断し、例えばトランジスタTr1を再度オンしてから3〜5秒目に信号P3をサンプリングし、所定の電圧範囲、例えば2〜4V、に有ればセンサ2は良好とする。
分極防止用のFETスイッチ32は、ゲートGがアースAに接続され、電源Vcc1がオフすると閉じ、電源Vcc1がオンすると開いて、演算増幅器IC1のオフセットを打ち消す。図2の回路では演算増幅器IC1の2つの入力が抵抗R9で接続されているため、演算増幅器IC1の出力にオフセットが生じる。図8では、2つの入力は非オーミック素子のガスセンサ2で接続され、オフセットを小さくできる。このためオフセットの大きな演算増幅器でも使用でき、回路コストを著しく小さくできる。
図10は最適実施例を変形したもので、33はFETスイッチ32と同様のFETスイッチで、Sはソース、Dはドレイン、Gはゲートである。R12は1Ω程度の大きな抵抗である。信号P1でFETスイッチ33を開き、センサ2と演算増幅器IC1との接続を断つ。また信号P1のデュレーションの間に、テスト信号P2が加えられる。他の点では、最適実施例と同様である。図10では、2つの演算増幅器IC1,IC3を共通の電源Vccで駆動できるので、演算増幅器を2個含むパッケージを演算増幅器IC1,IC3として用いることができる。これに対して図8では、演算増幅器IC1,IC3は別電源で動作するので、パッケージでのこれらの電源回路を共通化できず、演算増幅器が2パッケージ必要になる。
この発明は電気化学ガスセンサの自己診断に関する。
特許文献1〜特許文献3は、電気化学ガスセンサのキャパシタンスを用いた自己診断を開示している。特許文献1,2では、液体電解質を用いたガスセンサを対象とし、パルス的なテスト信号を、ガスセンサではなく増幅器に入力する。ガスセンサは固定抵抗と並列に増幅器の他の入力に接続され、増幅器はテスト信号の入力に対応して出力を変化させるが、この際の伝達関数がガスセンサの容量によって変化する。ガスセンサの容量はセンサが正常かどうかで変化するので、増幅器の出力からガスセンサの状態を診断できる。
特許文献3では、ガスセンサにパルス的な電圧を加え、パルス終了後のセンサの出力波形から自己診断を行う。即ち正常なガスセンサでは容量が大きく、不良なガスセンサでは容量が小さいので、パルス終了後の出力の緩和速度から、ガスセンサを検査できる。
USP6251243 USP6123818 USP6200443
この発明の課題は、電気化学ガスセンサの新たな自己診断装置を提供することにある。
この発明のガス検出装置は、固体または液体の電解質に少なくとも検知極と対極とを接続した、電気化学ガスセンサの出力を、増幅回路で増幅してガスを検出すると共に、電気的なテスト信号を加えた際の、前記ガスセンサの出力応答から前記ガスセンサを自己診断するようにした装置において、
前記増幅回路が前記ガスセンサの出力を増幅しない状態で、前記ガスセンサに前記テスト信号を加えるためのテスト信号印加手段と、
前記テスト信号の終了時に前記増幅回路を前記ガスセンサの出力を増幅する状態にすると共に、この時点から所定の時間内に、前記増幅回路の出力をサンプリングするためのサンプリング手段と、
サンプリング手段の出力から、前記ガスセンサの自己診断を行うための自己診断手段、とを設けたことを特徴とする。
電気化学ガスセンサで用いる電解質は、固体電解質でも、硫酸や水酸化カリウム、金属塩水溶液などの液体電解質でも、あるいはイオン性液体などでも良い。増幅回路をガスセンサの出力を増幅する状態にするのは、好ましくはテスト信号の終了と同時もしくはそれ以降のタイミングとし、特に好ましくはテスト信号の終了後に増幅回路をガスセンサの出力を増幅する状態にする。
好ましくは、自己診断手段は、サンプリング手段の出力が、清浄空気中での出力とは異なる所定範囲内にある際に前記ガスセンサを正常とし、サンプリング手段の出力が、清浄空気中での出力付近の第2の所定範囲内にある際と、前記増幅回路の出力レンジの両端付近にある際とに、前記ガスセンサを異常とする。
好ましくは、前記ガスセンサと並列に抵抗を接続する。
好ましくは、ガス検出装置の電源によりガスセンサの検知極及び対極の一方の電極を定電位に保ち、ガスセンサの他方の電極を前記増幅回路中の演算増幅器の入力側に接続し、ソースの電位とゲートの電位との電圧が所定値以上であることによりオープンするFETスイッチの、ソースとドレインを前記ガスセンサと並列に配置し、前記電源がオンでFETスイッチのソースとゲート間の電圧が所定値以上、電源がオフで所定値未満となるように、ゲートを配置する。
ここで好ましくは、前記他方の電極と演算増幅器の入力との間に、テスト信号を加える間オープンするスイッチを設ける。
特に好ましくは、テスト信号印加手段は、該他方の電極からガスセンサにテスト信号を加える。
この発明では、簡単に電気化学ガスセンサを自己診断でき、特にガスセンサの状態を、正常と、ショートや断線/電極劣化/ドライアップなどの異常とに診断できる。
ガスセンサに並列に抵抗を接続すると、無電源放置時などのセンサの分極を防止でき、かつガスセンサに極く小さなテスト信号を加えるのが容易になる。
ガス検出装置の電源によりガスセンサの検知極及び対極の一方の電極を定電位に保ち、ガスセンサの他方の電極を前記増幅回路中の演算増幅器の入力側に接続し、ソースの電位とゲートの電位との電圧が所定値以上であることによりオープンするFETスイッチの、ソースとドレインを前記ガスセンサと並列に配置し、前記電源がオンでFETスイッチのソースとゲート間の電圧が所定値以上、電源がオフで所定値未満となるように、ゲートを配置する。すると電源がオンの場合、FETスイッチはオープンして動作せず、かつ電源がオフで閉じて、ガスセンサの両極を接続して分極を防止する。
演算増幅器にはオフセットがあり、ガスセンサの分極防止のため並列に抵抗を配置すると、演算増幅器の両入力が抵抗で接続される。オフセットがあり、高い増幅率で動作する演算増幅器では、両入力の電圧が完全に等しくなると、大きなオフセット電圧が出力される。ガスセンサをFETスイッチで並列接続し、電源がオンでスイッチが開くと、演算増幅器の両入力は非オーミック抵抗のガスセンサで接続され、オフセットによる出力電圧を小さくできる。そこで演算増幅器に関する制限を減らし、回路コストを大幅に小さくできる。
ここで好ましくは、前記他方の電極と演算増幅器の入力との間に、テスト信号を加える間オープンするスイッチを設けると、スイッチでガスセンサと増幅回路の接続を開閉できる。ガスセンサの一方の電極をポテンショスタット回路を介して電源に接続し、他方の電極を演算増幅器に接続する場合を考える。ポテンショスタット回路は一種のバッファで、演算増幅器を含んでいる。ここで、バッファ用の演算増幅器とセンサ信号の増幅用の演算増幅器とを別電源とすると、2パッケージ分の演算増幅器が必要になる。ところが増幅用の演算増幅器へのセンサ信号の入力を遮断するためのスイッチを設けると、2つの演算増幅器を電源が共通の1パッケージで実現でき、演算増幅器を1パッケージ分減らすことができる。
特に好ましくは、テスト信号印加手段は、該他方の電極からガスセンサにテスト信号を加えると、簡単に小さなテスト信号をガスセンサに加えて、電解質や電極の劣化、ヒステリシスなどを防止できる。
以下に本発明を実施するための実施例を示す。
図1〜図7に、実施例を示す。図1に用いた電気化学式のガスセンサ2を示すと、4は電解質膜で、高分子プロトン導電体膜などの固体電解質膜でもよく、あるいはセパレータに保持した液体電解質の膜でも良い。また液体電解質には、硫酸,KOH,MgSOなどの電解質を水に溶かした水性電解質の他に、有機電解質を用いても良く、特にイオン性液体を用いても良い。液体電解質を用いる場合、電解質は必ずしも膜状にする必要はなく、例えば適宜の容器に収容しても良い。
6は対極、8は検知極で、ここでは対極6と検知極8を電解質膜4の両面に設けるが、片面に距離を空けて配置しても良い。対極6や検知極8では、例えば微細なカーボン粒子にPtやPt−Ruなどの貴金属触媒を担持させると共にバインダーを添加し、必要に応じてさらに固体や液体の電解質を添加する。10,12は多孔質導電性膜で、ここでは多孔質でかつ疎水性のカーボンシートやカーボンペーパーとする。14は対極板、16は検知極板である。対極板14には破線で示す孔を設けて、図示しない液溜から、水蒸気や電解液と酸素とを補給する。検知極板16にも破線で示す孔を設けて、COなどの検出対象ガスを導入すると共に、検知極での反応により生じたCOなどを排出する。対極板14や検知極板16は例えば金属板で、検知極8での被検出ガスの電極反応に伴う電流を増幅してガスを検出する。
図2に自己診断付きのガス検出装置の回路を示すと、20は電源で、例えばここでは5Vや3Vなどの電池電源とし、22はマイクロコンピュータで、自己診断部24とガス検出部26並びに入出力28を備えている。30は2〜3V程度の出力のツェナーダイオード、Tr1,Tr2はトランジスタで、他のスイッチでも良く、R1〜R11は抵抗である。このうち抵抗R9は例えば100Ω〜10KΩ程度の抵抗とし、抵抗R10は抵抗R9に比べて充分高抵抗な抵抗とし、例えばトランジスタTr2をオンさせて抵抗R10を接地Aに接続した際に、ガスセンサ2に加わる電圧が充分小さな値となるようにする。この電圧はここでは1mV程度で、好ましくは10μV〜100mV程度とする。C1〜C6はコンデンサで、VR1,VR2は可変抵抗である。図2ではガスセンサ2の対極をC、検知極をSと表示し、対極Cが例えば1.0Vの定電位に保たれるように、可変抵抗VR1を調整する。
IC1,IC2は演算増幅器で、例えばガスセンサ2の検知極Sを反転入力側に接続し、2段の演算増幅器IC1,IC2でガスセンサ2の出力を増幅する。この場合の増幅率は、ガスセンサ2に1μAの電流が流れた場合に、出力P3が3V変化するようにしてある。Vccは増幅回路電源で、トランジスタTr1を介して電源20から供給され、演算増幅器IC1,IC2の電源であり、ガスセンサ2の増幅回路の電源である。
図2の回路では、ガスセンサ2の対極を例えば1.0Vの定電位に保つと共に、検知極Sを抵抗R3を介して演算増幅器IC1の反転入力に接続する。ガスセンサ2と並列に抵抗R9を接続し、かつガスセンサ2と抵抗R9との並列片、特にその検知極S側を、トランジスタTr2と1MΩ程度の抵抗R10を介して接地する。そしてトランジスタTr2の制御信号がP2で、トランジスタTr2をオンさせることをテスト信号を加えるという。抵抗R10と抵抗R9との抵抗値の比は、ここでは1000:1で、例えば10:1〜100000:1程度とする。トランジスタTr2をオンし、短い初期的な緩和時間が経過すると、ガスセンサ2にはごく小さな電圧が加わることになる。このようにテスト信号を加えた際に、ガスセンサ2に加わる電圧をごく小さな値に保つことが抵抗R9の役割の1つである。抵抗R9の他の役割は、電源20がオフしている際に、ガスセンサ2が分極することを防止する点にある。
マイクロコンピュータ22の自己診断部24は、適当な周期で、例えば制御信号P2によりトランジスタTr2を10秒間オンさせると共に、制御信号P1により増幅回路電源Vccをオフさせる。そして好ましくはトランジスタTr2がオンしている間、トランジスタTr1はオフしているものとする。トランジスタTr2を10秒間オンさせた後にオフし、例えばこれと同時に、好ましくはトランジスタTr2のオフ後、1m秒〜100秒程度、より好ましくは10m秒〜10秒程度の間隔をおいて、トランジスタTr1をオンさせる。そしてトランジスタTr1をオンさせた後10秒間などの、所定時間内の出力P3の波形から、ガスセンサ2を自己診断する。このように、制御信号P1により増幅回路電源Vccを制御し、制御信号P2によりテスト信号を制御し、出力P3を入出力28から取り込んで、自己診断を行う。
実施例では対極Cを例えば1.0Vの定電位側に接続したが、検知極S側を定電位に接続して、対極C側をトランジスタTr2や演算増幅器IC1の反転入力側に接続しても良い。また実施例ではガスセンサ2を電流駆動するので、その出力を演算増幅器IC1の反転入力側に接続したが、電圧駆動としても良く、また非反転入力側に接続してもよい。さらに実施例では演算増幅器IC1,IC2を2段に用いたが、これ以外にバッファ用の演算増幅器を介して、例えば1Vの定電位を発生させても良い。テスト信号はトランジスタTr2を介して加えるが、例えば入出力28から直接加えるようにしても良い。さらにテスト信号では抵抗R9から抵抗R10へ電流が流れるようにしたが、テスト信号の極性を逆にしても良い。またガスセンサ2は検知極,対極の2極のものに限らず、これ以外に参照極を加えた3極のものでも良い。
通常時のガス検出装置の動作を示すと、トランジスタTr1がオンで、トランジスタTr2はオフしている。ここでCOや水素,アルコールなどのガスが検知極Sに拡散すると、検知極Sから対極Cへ向けて電流が流れる。この電流に等しい電流が、抵抗R2、ここでは100KΩを流れる。このため例えばガスセンサ2に1μAの電流が流れると、演算増幅器IC1の出力側の電位は100mV変化し、演算増幅器IC2の非反転入力の電位も100mV増加する。そこで演算増幅器IC2側では、抵抗R6の両端間電圧は例えば100mVとなり、抵抗R7の抵抗値を抵抗R6の30倍としておくと、演算増幅器IC2の出力P3は、例えば+3V増加する。
マイクロコンピュータ22の自己診断部24は、例えば1日1回、あるいは1週間に1回などの適当な頻度で、例えば10秒間トランジスタTr2をオンし、この時トランジスタTr1をオフさせておく。トランジスタTr2のオフと同時に、好ましくはトランジスタTr2のオフから1m秒〜100秒程度経過した後にトランジスタTr1をオンする。トランジスタTr1を再度オンさせた後、所定時間内での出力P3の波形からガスセンサ2を自己診断する。
図3〜図4に自己診断アルゴリズムを示すと、例えば10秒の間トランジスタTr1をオフし、トランジスタTr2をオンする。次いでトランジスタTr2をオフし、例えば1秒待機して、トランジスタTr1をオンする。トランジスタTr1をオンした直後には、演算増幅器IC1,IC2が安定するまでの過渡現象や、コンデンサC2〜C5の電圧が安定するまでの過渡現象が加わるため、例えば5秒間待機する。この間の待機時間は0でもよく、好ましくは10秒以下とする。
トランジスタTr1をオンした後の5秒間に出力P3(Vout)が2〜4Vの所定範囲内にあるかどうかを検査し、1回でもこの範囲内に出力P3があれば、ガスセンサを正常とする。そして5秒間の間、出力P3が常に2V未満もしくは4V超の場合、ガスセンサに異常が発生しているものとする。なおここでは演算増幅器IC1,IC2の出力レンジは0〜5Vの範囲で、清浄空気中での出力P3の値は1Vである。また1回異常を検出したことをもって、ガスセンサ2が異常であるとはせず、例えば複数回異常を継続して検出した際に、異常と判断するようにしても良い。
図4に示すように、トランジスタTr1をオフし、トランジスタTr2をオンすると、出力P3と対極Cとは抵抗R6,R7などを介して接続されるので、出力P3の値は1V未満のほぼ一定値となる。またこの期間で、トランジスタTr2をオンした直後を除くと、ガスセンサ2に加わる電圧は抵抗R10と抵抗R9との比で定まるので、ガスセンサ2にはごく僅かな電圧、例えば1mV程度の電圧が加わる。そしてこの程度の僅かな電圧でも、ガスセンサの電解質と電極との間に電気2重層などを形成させることができる。またガスセンサ2に加えるテスト信号はごく小さなものなので、ヒステリシスなどの原因となることがない。
トランジスタTr2をオフした後トランジスタTr1をオンすると、テスト信号でガスセンサ2に形成された電気2重層などを中和するように、例えば検知極Sから対極C側に電流が流れ込み、これによって還元性ガスを検出した際と同じ極性の信号が出力P3に表れる。この信号は電気2重層などが消滅すると消えるので、一時的なパルス信号として表れ、何らかの形でこのパルスを検出することにより、ガスセンサ2が正常であることを確認できる。
例えばガスセンサ2に断線がある、ガスセンサ2が差し込まれていない、ガスセンサ2の電解質膜がドライアップなどにより異常になっている、ガスセンサ2の電極が劣化しているなどの場合、出力信号は図4の破線のようになる。これは、テスト信号によりガスセンサ2に生じるはずの電気2重層、などを解消するための電流が流れないことによる。またガスセンサ2がショートしている場合、トランジスタTr1をオンすると、出力P3は出力レンジの両端のいずれかに表れる。なお演算増幅器IC1,IC2などの付帯回路を自己診断する場合、トランジスタTr1,Tr2のオン/オフに同期した出力変化が生じるかどうかをチェックすればよい。
図5に2個のガスセンサに対する自己診断の結果を示す。出力は図2の出力P3であり、1Vが清浄空気中に対する出力で、"Blank"はガスセンサを取り外した状態を、"Good1","Good2"は正常なガスセンサを取り付けた状態を示し、"Good1"と"Good2"では2個のガスセンサを入れ替えてある。
"Short"はガスセンサを短絡した状態を示し、"Open"は断線したガスセンサを取り付けた状態を示す。"Catalyst Deteriorated"は触媒劣化したガスセンサを用いた例で、ここでは、検知極や対極をカーボンのみで貴金属を担持していない電極として、触媒劣化したガスセンサに代用した。"Dry-Up"は、ガスセンサに水蒸気が補給されない、もしくは電解液が補給されないなどにより、電解質が異常となった状態である。ここでは、液溜を空にしてセパレータのKOH水溶液に水蒸気が補給されないようにし、50℃の乾燥空気中で2時間乾燥したセンサを"Dry-Up"とした。
図5の"Power"の行は、電池電源のON/OFFを示し、Tr1やTr2のON/OFFでは、斜線を付した状態がオンで、それ以外の状態がオフである。用いたガスセンサでは、電解質は0.1規定のKOH水溶液で、親水性のセパレータに保持させた。なお電解質をプロトン導電体固体電解質や硫酸水溶液にしても、同様の結果が得られた。
"Good1","Good2"の状態で、トランジスタTr1がオフでトランジスタTr2がオンの状態を10秒間保ち、次いでトランジスタTr2をオフした後、1秒後にトランジスタTr1をオンした。この時、ガスセンサの出力には半値幅が5〜20秒程度のピーク状のパルスが生じた。これに対して、ガスセンサが断線している、触媒劣化している、ドライアップしているなどの場合、トランジスタTr2をオフした後、トランジスタTr1をオンすると、出力P3は0V程度に一旦減少し、次いで清浄空気中の出力1Vへ向けて、指数関数的に緩和した。一方、ガスセンサをショートしておくと、トランジスタTr1がオンであれば、出力は0Vもしくは5V付近の値を示した。0Vと5V付近のどちらの値となるかは、回路の細かな常数や演算増幅器IC1,IC2などのばらつきで定まるものと考えられる。
ガスセンサを差し込んでいない"Blank"でも、10秒間、トランジスタTr1をオフすると共にトランジスタTr2をオンし、次いでトランジスタTr2をオフした後に、トランジスタTr1をオンした。すると断線の場合などと同様に、出力は0Vまで減少した後に1Vへ向けて指数関数的に緩和した。一方"Blank"の状態で、トランジスタTr1,Tr2を共にオンすると、抵抗R9から抵抗R10へ流れる電流のため、出力P3は3V強へと増加した。また"Good2"の状態でも、トランジスタTr1とトランジスタTr2を共にオンすると、出力は3V強に同様に増加した。そこでトランジスタTr1をオンしたままで、トランジスタTr2をオンしてテスト信号を加えても、ガスセンサの自己診断を行うことはできないことが判明した。
次にトランジスタTr2のオフ前にトランジスタTr1をオンすると、"Blank"で示したように、出力P3は3V強へと増加しようとするので、このピークと正常なガスセンサで生じるピークとが重なり、診断が難しくなる。このためトランジスタTr2をオフさせると同時に、もしくはトランジスタTr2をオフさせた後に、トランジスタTr1をオンさせることが好ましい。好ましくは、トランジスタTr2をオフさせた後、1msec〜100sec後に、特に好ましくは10msec〜10sec後に、トランジスタTr1をオンさせる。
正常なガスセンサから生じるパルスの検出では、トランジスタTr1を再度オンした後、5〜10秒の間にセンサ信号が1回でも2〜4Vの間にあると、パルス有りとした。このような検出方法に代えて、トランジスタTr1を再度オンした後10秒程度の間に、出力P3が2Vなどのラインを下から上向きへと横切り、かつ2Vあるいは3Vなどのラインを上から下向きに横切ったことを検出するようにしても良い。即ちパルスの検出方法自体は任意である。また実施例では、トランジスタTr1を再度オンした後に出力P3が2〜4Vの範囲に達しない場合異常とし、この間出力が0〜2Vに保たれると、ガスセンサを異常とする。またこれ以外にガスセンサ出力が0V付近に固定された場合や、4V以上に固定された場合も、ガスセンサを異常と判断する。パルスを検出する時間幅(window)はセンサの種類や検査条件などに応じて定め、トランジスタTr2のオフからトランジスタTr1のオンまでの時間は既知なので、トランジスタTr2のオフから所定の時間幅内にパルスを検出するということもできる。
実施例では、テスト信号としてガスセンサにごく小さな電圧を加えるので、ヒステリシスが小さい。実施例での自己診断を1時間おきに10回続けた際の、ガスセンサの出力信号の変化を図6に示す。自己診断を10回行っても出力に有意差はない。図7は、電池電源をオフした状態での、ガスセンサの分極防止への、抵抗R9の役割を示す。2個のガスセンサを各々1KΩの抵抗R9と並列に接続し、他の2個のガスセンサは並列抵抗無しで、これらを1000ppmのCO中に無電源で1時間放置した。その後清浄空気中で1時間放置し、次いで実施例のガス検出回路に組み込み、電池電源をオンした。その際の出力波形を図7に示す。並列抵抗を配置していない場合、電源投入からセンサ信号を安定するまでには10分程度の時間が必要である。これに対して並列抵抗を配置すると、例えば1分以内にガスの検出を開始できる。
なおトランジスタTr2を設けず、抵抗R10のガスセンサ2の反対側に、入出力28から直接テスト信号を加えても良い。テスト信号の波形は方形波としたが、波形は任意である。ガスセンサ2は、検知極Sと対極Cを逆にして図2の回路に組み込むこともでき、また図2の増幅回路などは適宜に変更できる。
実施例では以下の効果が得られる。
(1) 電気化学ガスセンサの状態を、正常/ショート/断線や触媒劣化などの異常とに識別できる。
(2) 自己診断に加えるテスト信号は1mV×10秒と極く小さく、自己診断に要する時間は1分以内で、ヒステリシスも残らず、かつ固定抵抗R9で簡単にテスト電圧を作り出すことができる。テスト信号をさらに小さくもしくは短くすると、自己診断に要する時間をさらに短くできる。
(3) 電気化学ガスセンサでの通常の増幅回路を用いて、テスト信号の印加回路を追加するだけでよいので、自己診断のために、ガスセンサを特殊な増幅回路に組み込む必要がない。
最適実施例
図8,図9に最適実施例を示し、特に指摘した点以外は図1〜図7の実施例と同様で、同じ符号は同じものを示す。演算増幅器IC3はガスセンサ2の対極を例えば1.5〜2V程度の定電位に保ち、トランジスタTr1を介さない電源Vcc1により動作し、C7はコンデンサである。32はFETスイッチで、ソースS2とゲートGとの電位差が0付近では、ソースS2とドレインD間の抵抗は50Ω程度、1.5V以上ではMΩ台の抵抗となる。FETスイッチ32は、検出回路の電源をオンすると開き、電源をオフすると閉じて、放置時のガスセンサ2の分極を防止する。演算増幅器IC2はトランジスタTr1を経由する電源Vcc2に接続され、図2の演算増幅器IC2は設けなかった。
図8の最適実施例の動作を図9に示すと、トランジスタTr1を例えば10秒間オフし、この間に、例えばトランジスタTr1のオフよりも、立ち上がりでも立ち下がりでも0.1〜1秒ずつ狭い幅で、トランジスタTr2をオンする。トランジスタTr1のオフにより演算増幅器IC1がオフし、トランジスタTr2のオンにより、ガスセンサ2にテスト信号を加える。この時、FETスイッチ32はオフしたままで、自己診断には関与しない。そして図2の回路と同様に自己診断し、例えばトランジスタTr1を再度オンしてから3〜5秒目に信号P3をサンプリングし、所定の電圧範囲、例えば2〜4V、に有ればセンサ2は良好とする。
分極防止用のFETスイッチ32は、ゲートGがアースAに接続され、電源Vcc1がオフすると閉じ、電源Vcc1がオンすると開いて、演算増幅器IC1のオフセットを打ち消す。図2の回路では演算増幅器IC1の2つの入力が抵抗R9で接続されているため、演算増幅器IC1の出力にオフセットが生じる。図8では、2つの入力は非オーミック素子のガスセンサ2で接続され、オフセットを小さくできる。このためオフセットの大きな演算増幅器でも使用でき、回路コストを著しく小さくできる。
図10は最適実施例を変形したもので、33はFETスイッチ32と同様のFETスイッチで、Sはソース、Dはドレイン、Gはゲートである。R12は1Ω程度の大きな抵抗である。信号P1でFETスイッチ33を開き、センサ2と演算増幅器IC1との接続を断つ。また信号P1のデュレーションの間に、テスト信号P2が加えられる。他の点では、最適実施例と同様である。図10では、2つの演算増幅器IC1,IC3を共通の電源Vccで駆動できるので、演算増幅器を2個含むパッケージを演算増幅器IC1,IC3として用いることができる。これに対して図8では、演算増幅器IC1,IC3は別電源で動作するので、パッケージでのこれらの電源回路を共通化できず、演算増幅器が2パッケージ必要になる。
実施例で用いた電気化学ガスセンサの要部断面図 実施例の自己診断付きのガス検出装置の回路図 実施例での自己診断アルゴリズムを示すフローチャート 実施例の自己診断での、センサ出力と各トランジスタの動作を示すタイミングチャート 実施例での2つのガスセンサの自己診断結果を示す特性図 実施例で10回自己診断を行った前後での、ガスセンサの出力を示す特性図 ガスセンサに並列抵抗を配置した場合と配置しない場合とでの、電源をオンした際の出力の差異を示す特性図で、電源オン前に、1000ppmのCO中に1時間放置し、次いで空気中で1時間放置した。 最適実施例の回路図 最適実施例のタイミングチャート 第3の実施例の回路図
符号の説明
2 ガスセンサ 4 電解質膜 6 対極 8 検知極
10,12 多孔質導電性膜 14 対極板 16 検知極板
20 電源 22 マイクロコンピュータ 24 自己診断部
26 ガス検出部 28 入出力 30 ツェナーダイオード
32,33 FETスイッチ Tr1,Tr2 トランジスタ
R1〜R12 抵抗 C1〜C7 コンデンサ
VR1,VR2 可変抵抗 IC1〜IC3 演算増幅器
Vcc 増幅回路電源 A 接地
P1,P2 制御信号 P3 出力

Claims (6)

  1. 固体または液体の電解質に少なくとも検知極と対極とを接続した、電気化学ガスセンサの出力を、増幅回路で増幅してガスを検出すると共に、電気的なテスト信号を加えた際の、前記ガスセンサの出力応答から前記ガスセンサを自己診断するようにした装置において、
    前記増幅回路が前記ガスセンサの出力を増幅しない状態で、前記ガスセンサに前記テスト信号を加えるためのテスト信号印加手段と、
    前記テスト信号の終了時に前記増幅回路を前記ガスセンサの出力を増幅する状態にすると共に、この時点から所定の時間内に、前記増幅回路の出力をサンプリングするためのサンプリング手段と、
    サンプリング手段の出力から、前記ガスセンサの自己診断を行うための自己診断手段、とを設けたことを特徴とするガス検出装置。
  2. 自己診断手段は、サンプリング手段の出力が、清浄空気中での出力とは異なる所定範囲内にある際に前記ガスセンサを正常とし、サンプリング手段の出力が、清浄空気中での出力付近の第2の所定範囲内にある際と、前記増幅回路の出力レンジの両端付近にある際とに、前記ガスセンサを異常とする、ことを特徴とする請求項1のガス検出装置。
  3. 前記ガスセンサと並列に抵抗を接続したことを特徴とする、請求項1のガス検出装置。
  4. ガス検出装置の電源によりガスセンサの検知極及び対極の一方の電極を定電位に保ち、ガスセンサの他方の電極を前記増幅回路中の演算増幅器の入力側に接続し、ソースの電位とゲートの電位との電圧が所定値以上であることによりオープンするFETスイッチの、ソースとドレインを前記ガスセンサと並列に配置し、前記電源がオンでFETスイッチのソースとゲート間の電圧が所定値以上、電源がオフで所定値未満となるように、ゲートを配置したことを特徴とする、請求項2のガス検出装置。
  5. 前記他方の電極と演算増幅器の入力との間に、テスト信号を加える間オープンするスイッチを設けたことを特徴とする、請求項4のガス検出装置。
  6. テスト信号印加手段は、該他方の電極からガスセンサにテスト信号を加えるようにしたことを特徴とする、請求項4のガス検出装置。
JP2006519015A 2004-10-28 2005-10-25 電気化学ガスセンサを用いた自己診断付きガス検出装置 Expired - Fee Related JP4134228B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004313829 2004-10-28
JP2004313829 2004-10-28
US11/041291 2005-01-25
US11/041,291 US7090755B2 (en) 2004-10-28 2005-01-25 Gas detecting device with self-diagnosis for electrochemical gas sensor
PCT/JP2005/019615 WO2006046568A1 (ja) 2004-10-28 2005-10-25 電気化学ガスセンサを用いた自己診断付きガス検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2006046568A1 true JPWO2006046568A1 (ja) 2008-05-22
JP4134228B2 JP4134228B2 (ja) 2008-08-20

Family

ID=36227809

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006519015A Expired - Fee Related JP4134228B2 (ja) 2004-10-28 2005-10-25 電気化学ガスセンサを用いた自己診断付きガス検出装置

Country Status (7)

Country Link
US (1) US7090755B2 (ja)
EP (1) EP1806576B1 (ja)
JP (1) JP4134228B2 (ja)
KR (1) KR100816436B1 (ja)
CN (1) CN100451638C (ja)
ES (1) ES2392724T3 (ja)
WO (1) WO2006046568A1 (ja)

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4820193B2 (ja) * 2006-03-20 2011-11-24 矢崎総業株式会社 ガス濃度測定装置
JP4714612B2 (ja) * 2006-03-20 2011-06-29 矢崎総業株式会社 ガス濃度測定装置
JP4800908B2 (ja) * 2006-03-20 2011-10-26 矢崎総業株式会社 電気化学式ガスセンサ内蔵ガス警報器
JP4468460B2 (ja) * 2008-02-25 2010-05-26 リンナイ株式会社 不完全燃焼検出装置
US9203928B2 (en) 2008-03-20 2015-12-01 Callahan Cellular L.L.C. Data storage and retrieval
US8458285B2 (en) 2008-03-20 2013-06-04 Post Dahl Co. Limited Liability Company Redundant data forwarding storage
US7599997B1 (en) 2008-08-01 2009-10-06 Gene Fein Multi-homed data forwarding storage
US8097146B2 (en) 2008-03-27 2012-01-17 Sensor Electronics Corporation Device and method for monitoring an electrochemical gas sensor
US7877456B2 (en) 2008-04-08 2011-01-25 Post Dahl Co. Limited Liability Company Data file forwarding storage and search
US8386585B2 (en) 2008-04-25 2013-02-26 Tajitshu Transfer Limited Liability Company Real-time communications over data forwarding framework
US8452844B2 (en) 2008-05-07 2013-05-28 Tajitshu Transfer Limited Liability Company Deletion in data file forwarding framework
US8352635B2 (en) 2008-09-29 2013-01-08 Tajitshu Transfer Limited Liability Company Geolocation assisted data forwarding storage
EP2327981B1 (en) * 2009-04-06 2013-12-04 Life Safety Distribution AG Checking electrochemical gas sensors
DE102009024573A1 (de) * 2009-06-10 2010-12-23 Novar Gmbh Verfahren und Schaltung zur Prüfung eines Kohlenmonoxid-Sensors
JP5628916B2 (ja) 2009-08-04 2014-11-19 ジェンテックス コーポレイション 電気化学センサ及び関連装置で使用するための陰極材料及びその製造方法
DE102009036012A1 (de) * 2009-08-04 2011-02-17 Knick Elektronische Messgeräte GmbH & Co. KG Elektrochemischer Sensor zur Messung des Sauerstoffpartialdrucks in einer Prozessflüssigkeit sowie Verfahren zu dessen Funktionsprüfung
JP5214651B2 (ja) * 2010-03-02 2013-06-19 日本特殊陶業株式会社 ガスセンサ素子、ガスセンサおよびガスセンサの制御システム
DE102011003514A1 (de) * 2011-02-02 2012-08-02 Robert Bosch Gmbh Verfahren und Überwachungsgerät zur Überwachung zumindest einer Funktion eines chemosensitiven Feldeffekttransistors
JP5783891B2 (ja) * 2011-12-12 2015-09-24 グンゼ株式会社 計測表示装置
JP5566420B2 (ja) * 2012-05-11 2014-08-06 矢崎エナジーシステム株式会社 ガス警報器
US9689785B2 (en) * 2012-06-18 2017-06-27 Postech Academy-Industry Foundation Metal oxide semiconductor gas sensor having nanostructure and method for manufacturing same
US10054564B2 (en) * 2012-07-20 2018-08-21 Life Safety Distribution Ag Systems and methods of fast power up for electrochemical sensors
US10775339B2 (en) 2014-11-26 2020-09-15 Gentex Corporation Membranes for use in electrochemical sensors and associated devices
CN106253664A (zh) * 2016-08-12 2016-12-21 安徽中杰信息科技有限公司 一种提高极板收集电荷效率的偏置方法
US10782263B2 (en) 2017-05-04 2020-09-22 Analog Devices Global Systems and methods for determining the condition of a gas sensor
CN109298033B (zh) * 2018-09-06 2020-12-04 赛特威尔电子股份有限公司 一种电化学气体传感器及其诊断方法
CN110092900B (zh) * 2019-04-30 2020-06-05 华中科技大学 一种二氧化碳基嵌段共聚物的制备方法

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61212753A (ja) 1985-03-18 1986-09-20 Fujikura Ltd 酸素センサ−の自己診断方法
GB8907564D0 (en) 1989-04-04 1989-05-17 Neotronics Technology Plc Fault detection in electrochemical gas sensing equipment
JP2613316B2 (ja) 1990-11-26 1997-05-28 新コスモス電機株式会社 定電位電解式ガスセンサの機能点検方法とその装置
DE4445947C2 (de) * 1994-12-22 1998-03-12 Draegerwerk Ag Verfahren zur Erkennung von Fehlerquellen bei amperometrischen Meßzellen
DE19510574C1 (de) * 1995-03-23 1996-06-05 Testo Gmbh & Co Verfahren zur Zustandsbestimmung eines elektrochemischen Gassensors
DE69631142T2 (de) 1996-10-29 2004-06-03 Zellweger Analytics Ltd., Poole Zustandsüberwachung eines Gasdetektors
JPH1114589A (ja) 1997-06-23 1999-01-22 Ngk Insulators Ltd ガスセンサ
US6290829B1 (en) 1997-07-14 2001-09-18 Ngk Insulators, Ltd. Gas sensor
US6200443B1 (en) 1998-09-29 2001-03-13 Atwood Industries, Inc. Gas sensor with a diagnostic device
CN1160561C (zh) * 2000-03-10 2004-08-04 重庆大学 溶解气体在线智能监测诊断装置及其方法
CN1126953C (zh) * 2000-03-10 2003-11-05 重庆大学 气电转换机构用气体传感器的制作方法
US6428684B1 (en) * 2000-08-02 2002-08-06 Industrial Scientific Corporation Method and apparatus for diagnosing the condition of a gas sensor
US6948352B2 (en) 2002-02-07 2005-09-27 Walter Kidde Portable Equipment, Inc. Self-calibrating carbon monoxide detector and method
JP4135880B2 (ja) 2002-07-25 2008-08-20 フィガロ技研株式会社 プロトン導電体ガスセンサと、これを用いたガス検出装置、並びにプロトン導電体ガスセンサの自己診断方法
JP4020019B2 (ja) 2002-08-29 2007-12-12 株式会社デンソー ガスセンサの異常検出装置
JP4194085B2 (ja) * 2003-03-18 2008-12-10 フィガロ技研株式会社 プロトン導電体ガスセンサの自己診断方法とガス検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
US7090755B2 (en) 2006-08-15
JP4134228B2 (ja) 2008-08-20
ES2392724T3 (es) 2012-12-13
US20060091007A1 (en) 2006-05-04
EP1806576A1 (en) 2007-07-11
CN1906481A (zh) 2007-01-31
EP1806576A4 (en) 2010-05-05
KR20060085918A (ko) 2006-07-28
KR100816436B1 (ko) 2008-03-25
WO2006046568A1 (ja) 2006-05-04
EP1806576B1 (en) 2012-08-15
CN100451638C (zh) 2009-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4134228B2 (ja) 電気化学ガスセンサを用いた自己診断付きガス検出装置
US5466356A (en) Potentiostat circuit for electrochemical cells
US20050121338A1 (en) Self-diagnostic method for electrochemical gas sensor and gas detecting device
JP2016524789A (ja) 参照電極不使用での作動レドックス・フロー電池セルの正の電解質溶液の帯電状態の推定
Asif et al. Selective calcium ion detection with functionalized ZnO nanorods-extended gate MOSFET
US7445698B2 (en) Gas concentration detecting apparatus
JP2007147463A (ja) 空燃比検出装置
WO2011096106A1 (ja) 電気化学的ガス検出装置
US6447659B1 (en) Intrinsic shorting link for gas sensors
JP4834616B2 (ja) 警報器
US20040251144A1 (en) Monitoring of gas sensors
JPS62116248A (ja) ガスモニタ−回路
JP2008286724A (ja) ガス警報器
JP4834617B2 (ja) 警報器
JP4669369B2 (ja) ガスセンサの異常診断方法及び異常診断装置
JP2009229254A (ja) 電気化学式ガス検知装置
US20220255097A1 (en) Self-powered system and method for power extraction and measurement of energy-generator units
JP4444520B2 (ja) ガスセンサ
JP4086108B2 (ja) NOx測定装置
US20120274337A1 (en) Method and Apparatus for Diagnosing Electrochemical Sensor
JP2000206088A (ja) 化学センサ
JP5897371B2 (ja) 電気化学ガスセンサの感度調整方法、及びガス検出装置
JP5803857B2 (ja) 燃料電池システム
JP2007255922A (ja) ガス濃度測定装置
US20040085073A1 (en) Method for the operation of an analytical circuit for an electromechanical cell

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080514

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080602

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110606

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4134228

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140606

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S802 Written request for registration of partial abandonment of right

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R311802

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees