JPWO2006033401A1 - ギア駆動制御装置、ギア駆動制御方法、旋回制御装置、および建設機械 - Google Patents
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Abstract
電動旋回ショベルの旋回制御装置50において、バックラッシュ判定手段61およびトルクリミット設定手段63を備えるギア駆動制御装置60を設けた。これにより、バックラッシュ解消時には、電動モータの出力トルクがトルクリミットによって制限されるので、過剰なトルクが出力されるのを防止できる。そして、その後は、ギア駆動制御装置60の出力制御手段64により、出力トルクが徐々に変化するようにした。このため、違和感なく旋回体の加減速が行われるようになり、従って、バックラッシュ解消時のショックを抑制でき、バックラッシュを感じさせることないスムーズな旋回動作を実現できる。
Description
本発明は、バックラッシュを有して噛み合うギアの駆動を制御するためのギア駆動制御装置、ギア駆動制御方法、そのようなギア駆動制御装置を備えた旋回制御装置、および建設機械に関する。
従来、上部の旋回体を備えたショベル等の建設機械では、当該旋回体がフレームに対してスイングサークルを介して旋回するように構成されている。
また、近年では、旋回体を油圧モータではなく、電動モータで駆動し、他の作業機や走行体を油圧アクチュエータで駆動するハイブリットタイプの電動旋回ショベルが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
このような電動旋回ショベルでは、旋回体の旋回動作が電動モータで行われるため、油圧駆動されるブームやアームの上昇動作と同時に旋回体を旋回させても、旋回体の動作がブームやアームの上昇動作に影響されることがない。このため、旋回体をも油圧駆動する場合に比し、制御バルブ等でのロスを少なくでき、エネルギ効率が良好である。
また、近年では、旋回体を油圧モータではなく、電動モータで駆動し、他の作業機や走行体を油圧アクチュエータで駆動するハイブリットタイプの電動旋回ショベルが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
このような電動旋回ショベルでは、旋回体の旋回動作が電動モータで行われるため、油圧駆動されるブームやアームの上昇動作と同時に旋回体を旋回させても、旋回体の動作がブームやアームの上昇動作に影響されることがない。このため、旋回体をも油圧駆動する場合に比し、制御バルブ等でのロスを少なくでき、エネルギ効率が良好である。
ところで、スイングサークルを介して旋回体を旋回駆動させる場合、スイングサークルに設けられた従動側のギアと噛合する駆動側のギアを、油圧モータや電動モータで駆動している。従動側のギアとモータ側の駆動ギアとの間にはバックラッシュが存在するために、例えば旋回開始時点では、駆動ギア側が先に回転し始めてギア同士が接触した段階でバックラッシュが解消し、定速旋回状態から減速を開始した時点では、駆動ギアを備えた旋回体が自身の慣性によって旋回し続けようとするため、ギア同士が旋回開始時とは逆側に接触した段階でバックラッシュが解消する。
そして、バックラッシュが解消することにより、旋回体の旋回状態が不連続に変化すると、モータ側の制御が乱れ、建設機械としての乗り心地が阻害されるという問題が生じる。つまり、従来のモータ制御によれば、バックラッシュが解消した瞬間には、過大な出力トルクが出るようになっているため、旋回体の動き初めや減速し始めが急な動作となり、オペレータの体感するショックが大きいのである。特に、電動旋回ショベルのように、電動モータで駆動する場合では、旋回操作に対する応答性が油圧モータに比して良好である分、より大きなショックとして感じられるようになり、その改善が望まれている。
本発明の目的は、バックラッシュが存在するギアを駆動する場合において、バックラッシュを感じさせることないスムーズな駆動を実現できるギア駆動制御装置、ギア駆動制御方法、そのようなギア駆動制御装置を備えた旋回制御装置、および建設機械を提供することにある。
本発明のギア駆動制御装置は、バックラッシュを有して噛み合うギアの駆動側のギア駆動を制御するギア駆動制御装置であって、前記駆動側のギアまたは従動側のギアがバックラッシュ内を回転しているか否かを判定するバックラッシュ判定手段と、前記駆動源の出力トルクを変化させるための指令値を記憶する指令値記憶手段と、バックラッシュ内を回転していると判定された場合に、バックラッシュ解消時の駆動源の出力トルクを制限するようにトルクリミットを設定するトルクリミット設定手段と、バックラッシュが解消した後に、前記指令値を徐々に変化させて前記駆動源の出力トルクを上限側または下限側に徐々に変化させるように制御する出力制御手段とを備えていることを特徴とする。
なお、ここでの出力トルクとは、加速時の駆動トルクおよび減速時の制動トルクを含んだものをいう。
なお、ここでの出力トルクとは、加速時の駆動トルクおよび減速時の制動トルクを含んだものをいう。
このような本発明によれば、バックラッシュ解消時(バックラッシュが詰まった瞬間)には、駆動源の出力トルクがトルクリミットによって制限されるので、過剰なトルクが出力されることはない。そして、その後は、出力トルクが徐々に変化するので、違和感なく旋回体の加減速が行える。従って、バックラッシュ解消時のショックが抑制され、バックラッシュを感じさせることないスムーズな旋回動作が実現される。
本発明のギア駆動制御装置において、前記指令値はトルクリミットであり、前記出力制御手段は、トルクリミットを順次変更することで、前記出力トルクを上限側または下限側に徐々に変化させることが望ましい。
このような本発明によれば、順次変更されるトルクリミットを限度として出力トルクが変化するので、このトルクリミットに沿って出力トルクを無理なく確実に変化させることが可能である。
本発明のギア駆動制御装置において、前記指令値は旋回操作に応じて出力される速度指令値であり、前記出力制御手段は、速度指令値をバックラッシュ解消直後に実速度に近い値に変更することで、前記出力トルクを上限側または下限側に徐々に変化させることが望ましい。
このような本発明によれば、速度指令値をバックラッシュ解消直後に実速度に近い値に変更するので、速度指令値がその値からから順次変更されるようになり、この速度指令値に基づいて出力トルクも徐々に変化するようになる。また、この際には、トルクリミットを徐々に変化させ、これに沿って出力トルクをも変化させる前述した本発明とは異なって、変化中のトルクリミットへの外部ノイズの影響を心配する必要がないため、外部ノイズに強い制御が行え、信頼性が向上する。
本発明の旋回制御装置は、バックラッシュを有して噛み合うギアにより旋回する旋回体を制御する旋回制御装置において、駆動側のギアの駆動を制御する前述した本発明のギア駆動制御装置を備えていることを特徴とする。
このような本発明によれば、前述した本発明のギア駆動制御装置を備えているので、同様の効果を有する旋回制御装置が得られる。
このような本発明によれば、前述した本発明のギア駆動制御装置を備えているので、同様の効果を有する旋回制御装置が得られる。
本発明のギア駆動制御方法は、バックラッシュを有して噛み合うギアの駆動側のギア駆動を制御するギア駆動制御方法であって、前記駆動側のギアまたは従動側のギアがバックラッシュ内を回転しているか否かを判定し、バックラッシュ内を回転していると判定された場合には、バックラッシュ解消時の駆動源の出力トルクを制限するようにトルクリミットを設定し、バックラッシュが解消した後に、前記駆動源の出力トルクを上限側または下限側に徐々に変化させることを特徴とする。
このような本発明によれば、前述した本発明のギア駆動制御装置と同様の効果が得られる。
このような本発明によれば、前述した本発明のギア駆動制御装置と同様の効果が得られる。
本発明の建設機械は、バックラッシュを有して噛み合うギアにより旋回する旋回体と、この旋回体を制御する前述した本発明の旋回制御装置とを備えていることを特徴とする。
このような本発明によれば、前述した本発明の旋回制御装置を備えているので、同様の効果を有する建設機械が得られる。
このような本発明によれば、前述した本発明の旋回制御装置を備えているので、同様の効果を有する建設機械が得られる。
1…電動旋回ショベル(建設機械)、3A…従動側のギア、4…旋回体、5…電動モータ(駆動源)、5A…駆動側のギア、50…旋回制御装置、60…ギア駆動制御装置、61…バックラッシュ判定手段、62…指令値記憶手段、63…トルクリミット設定手段、64…出力制御手段。
〔第1実施形態〕
〔1−1〕全体構成
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る電動旋回ショベル(建設機械)1を示す平面図、図2は、電動旋回ショベル1に搭載された旋回制御装置50およびギア駆動制御装置60を説明するための図である。
〔1−1〕全体構成
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る電動旋回ショベル(建設機械)1を示す平面図、図2は、電動旋回ショベル1に搭載された旋回制御装置50およびギア駆動制御装置60を説明するための図である。
図1において、電動旋回ショベル1は、下部走行体2を構成するトラックフレーム上にスイングサークル3を介して設置された旋回体4を備え、旋回体4はスイングサークル3に設けられた従動側のギア3Aと噛合する駆動側のギア5Aを電動モータ(駆動源)5で駆動することにより旋回駆動される。電動モータ5の電力源は、図示を省略するが、旋回体4に搭載の発電機であり、この発電機が図示しないエンジンによって駆動される。
旋回体4には、それぞれ図示しない油圧シリンダによって動作されるブーム6、アーム7、およびバケット8が設けられており、これらによって作業機9が構成されている。各油圧シリンダの油圧源は、前記エンジンで駆動される油圧ポンプ(図示せず)である。従って、電動旋回ショベル1は、油圧駆動の作業機9と電気駆動の旋回体4とを備えたハイブリット建設機械である。
この電動旋回ショベル1によれば、図2に示すように、旋回レバー10(通常はアーム7操作用の作業機レバーを兼用)からは、傾倒角度に応じたレバー信号が旋回制御装置50に出力される。そして、旋回制御装置50は、レバー信号に基づき電動モータ5の駆動を制御することで、旋回体4の旋回動作を制御する。
具体的に、このレバー信号は先ず、旋回制御装置50の速度指令値生成手段51に入力され、ここで速度指令値ωtarに変換される。速度指令値ωtarとフィードバックされた電動モータ5の実速度ωactとの偏差は、速度ゲインKとの掛算によりトルク指令値Ttarに変換される。従って、旋回レバー10を大きく傾けても、実速度が上がらない場合には、トルク指令値Ttarを大きくして速度指令値ωtarに近づけるように制御する。ただし、このような制御は、一般的なP(Proportional:比例)制御による速度制御である。変換されたトルク指令値Ttarは、インバータ52に出力される。また、旋回制御装置50には、ギア5Aの駆動を制御するためのギア駆動制御装置60が備えられており、ここで設定された電動モータ5のトルクリミット(指令値)Tlimもインバータ52に出力される。
インバータ52はコンパレータ部分を有しており、図2に示すように、入力されるレバー信号に基づいたトルク指令値Ttarとギア駆動制御装置60で求められたトルクリミットTlimの値とを比較し、小さい方を選択するようになっている。従って、旋回開始時や減速開始時においては、ギア駆動制御装置60で求められた微小状態のトルクリミットTlimの値、および可変とされたトルクリミットTlimの値が電動モータ5の最終的な指令値として選択される。
これにより、旋回体の旋回開始時や減速開始時の、バックラッシュに起因する不連続な旋回動作が改善され、オペレータの体感するショックが低減される。このように、トルクリミットTlimは、電動モータ5のトルクを指令する値という点で、トルク指令値Ttarと同次元の指令値である。インバータ52は、この最終的な指令値を電流値および電圧値に変換し、電動モータ5を速度指令値ωtarで駆動するように制御する。
〔1−2〕ギア駆動制御装置の構成
次に、ギア駆動制御装置60の構成について、図2および図3に基づき説明する。
ギア駆動制御装置60は、従動側のギア3Aと駆動側のギア5Aとの噛合状態に応じ電動モータ5の駆動を制御することで、ギア5Aの駆動を制御している。このために、本実施形態のギア駆動制御装置60は、図2に示すように、バックラッシュ判定手段61、指令値記憶手段62、トルクリミット設定手段63、および出力制御手段64を備えている。
次に、ギア駆動制御装置60の構成について、図2および図3に基づき説明する。
ギア駆動制御装置60は、従動側のギア3Aと駆動側のギア5Aとの噛合状態に応じ電動モータ5の駆動を制御することで、ギア5Aの駆動を制御している。このために、本実施形態のギア駆動制御装置60は、図2に示すように、バックラッシュ判定手段61、指令値記憶手段62、トルクリミット設定手段63、および出力制御手段64を備えている。
バックラッシュ判定手段61は、フィードバックされた電動モータ5の実速度ωactと出力トルクTmとに基づき、ギア5Aがバックラッシュ内を回転しているか否かを判定する。これにより、バックラッシュが解消されたか否か判断できる。ここで、「バックラッシュ内を回転」とは、図3に示すように、ギア3Aとギア5Aとが接触していない状態、つまりギャップS1≠0、かつギャップS2≠0の状態での回転をいう。また、「バックラッシュが解消する」とは、ギア3Aとギア5Aとの相対速度差によりギャップが詰まる側の歯面同士が接触した状態をいう。例えば、図3において、ギア5Aが時計回りに加速している場合は、ギア3Aとギア5Aとの相対速度差によりギャップS1が詰まるためギャップS1=0となった状態であり、ギア5Aが時計回りに減速している場合は、ギャップS2が詰まるためギャップS2=0となった状態をいう。
図2に戻り、指令値記憶手段62は、インバータ52のコンパレータ部分に出力されるトルクリミットTlimを記憶する。
トルクリミット設定手段63は、バックラッシュ判定手段61の判定結果に応じて、トルクリミットTlimの設定を行う。具体的に、トルクリミット設定手段63は、バックラッシュ内を回転しているとトルクリミット設定手段63が判定した場合、トルクリミットTlimを所定の値に設定し電動モータ5の出力トルクTmを制限する。
トルクリミット設定手段63は、バックラッシュ判定手段61の判定結果に応じて、トルクリミットTlimの設定を行う。具体的に、トルクリミット設定手段63は、バックラッシュ内を回転しているとトルクリミット設定手段63が判定した場合、トルクリミットTlimを所定の値に設定し電動モータ5の出力トルクTmを制限する。
出力制御手段64は、バックラッシュ判定手段61の判定結果に応じて、トルクリミットTlimを変更する。すなわち、出力制御手段64は、バックラッシュ内を回転していないとトルクリミット設定手段63が判定した場合、つまりバックラッシュが解消した後、トルクリミットTlimを指令値記憶手段62の記憶値Tmemから順次変更させて、電動モータ5の出力トルクを上限側または下限側に徐々に変化させるよう制御する。
〔1−3〕ギア駆動制御装置でのトルクリミットの生成フロー
次に、ギア駆動制御装置でのトルクリミットの生成フローについて、図4および図5のフローチャートを参照して説明する。
図4に示すように、バックラッシュ判定手段61は、旋回体4の旋回開始時または減速開始時において、駆動側のギア5Aがバックラッシュ内を回転しているか否かを判定する(ST1)。
次に、ギア駆動制御装置でのトルクリミットの生成フローについて、図4および図5のフローチャートを参照して説明する。
図4に示すように、バックラッシュ判定手段61は、旋回体4の旋回開始時または減速開始時において、駆動側のギア5Aがバックラッシュ内を回転しているか否かを判定する(ST1)。
具体的には、図5に示すように、先ず、電動モータ5の出力トルクTmが、電動モータ5の空転時の加速トルクTfreeに所定値αを加えた値より小さいか、つまり加速トルクTfreeに略等しいかを判定する(ST11)。次いで、略等しい場合であって、電動モータ5の旋回加速度amが所定値aa以上であるかを判定する(ST12)。所定値aa以上である場合には、ギア5Aはバックラッシュ内を回転していると判定する(ST13)。つまり、殆どトルクを出力せずに加速または減速している場合には、ギア5Aがバックラッシュ内を空転しているのであり、バックラッシュ内であると判定する。ここで、空転時の加速トルクTfreeは、電動モータ5を構成するロータの慣性モーメントと旋回加速度amとの積で求められる。
一方、ST11において、出力トルクTmが電動モータ5の空転時の加速トルクTfreeに所定値αを加えた値より大きい場合には、ギア接触状態で加速または減速しているのであり、バックラッシュが解消していると判定する(ST14)。また、ST12において、出力トルクTmが殆ど出力されず、かつ旋回加速度amも所定値を下回っている場合には、バックラッシュが解消した状態で定速旋回しているのであり、やはりギア接触状態と判定する(ST14)。
図4に戻って、トルクリミット設定手段63は、ST1にてギア5Aがバックラッシュ内を回転していると判定された場合に、電動モータ5での出力可能な最大トルクであるトルクリミットTlimを、通常時のMAX値Tmaxから所定の微小値Taに制限し(ST2)、制限されたトルクリミットの値をインバータ52のコンパレータ部分に出力する。この微小値Taへの制限は、バックラッシュが解消された後も、所定時間経過するまでの間継続される。
一方、ギア5Aとギア3Aとのバックラッシュが解消されており、ギア接触状態であると判定された場合、出力制御手段64は、指令値記憶手段62の記憶値TmemがTmaxより小さいか否か、つまりトルクリミット設定手段63によるトルクリミットの制限が行われているか否かを判定する(ST3)。行われていない場合には、通常のMAX値Tmaxを適用する(ST5)。一方、バックラッシュが解消して前記の所定時間経過した直後の最初の判定段階では、トルクリミットTlimは微小値Taに限定されていることから、ST3での判定が「Y」となり、ST4に進む。
ST4では、旋回開始時であれば、微小値TaのトルクリミットTlimの値を上限側に一定値ΔTだけ変化させ、減速開始時であれば、下限側に一定値ΔTだけ変化させ、トルクリミットが制限された状態のままST1に戻る。ここで求められた値を含む最終的なトルクリミットTlimは、指令値記憶手段62によりTmemとして記憶される(ST6)。従って、この後には、ST1から引き続きST3、ST4に至り、旋回開始時であれば、トルクリミットTlimの値は記憶値Tmemから一定値ΔTずつ上限側に順次変更され、減速開始時であれば、トルクリミットTlimの値は記憶値Tmemから一定値ΔTずつ下限側に順次変更される。そして、トルクリミットTlimの変更は、値が上限または下限のMAX値に達するまで行われる。
〔1−4〕ギア駆動制御装置による制御方法
続いて、図6ないし図8をも参照し、ギア駆動制御装置60による制御方法について、旋回制御装置50との関係を示しながら説明する。
図6Aは、静止状態にある旋回体4の旋回を開始させ、定速旋回を行った後に停止させた場合の一連の操作におけるレバー信号、速度指令値ωtar、電動モータ5の実速度ωactを表す図、図6Bは、その操作中に設定されるトルクリミットTlim、実際の出力トルクTmを表す図である。図7Aおよび図7Bは、図6Aおよび図6Bでの旋回開始時の要部を拡大して示す図、図8Aおよび図8Bは、図6Aおよび図6Bでの減速開始時の要部を拡大して示す図である。なお、図7Aおよび図8Aには、旋回体4の実際の速度である旋回体速度も示してある。
続いて、図6ないし図8をも参照し、ギア駆動制御装置60による制御方法について、旋回制御装置50との関係を示しながら説明する。
図6Aは、静止状態にある旋回体4の旋回を開始させ、定速旋回を行った後に停止させた場合の一連の操作におけるレバー信号、速度指令値ωtar、電動モータ5の実速度ωactを表す図、図6Bは、その操作中に設定されるトルクリミットTlim、実際の出力トルクTmを表す図である。図7Aおよび図7Bは、図6Aおよび図6Bでの旋回開始時の要部を拡大して示す図、図8Aおよび図8Bは、図6Aおよび図6Bでの減速開始時の要部を拡大して示す図である。なお、図7Aおよび図8Aには、旋回体4の実際の速度である旋回体速度も示してある。
図6Aおよび図7Aにおいて、旋回レバー10を傾倒させると、略直角にレバー信号が立ち上がり、速度指令値生成手段51に入力される(矢印a)。入力されると速度指令値生成手段51は、略リニアに速度指令値ωtarを増加させるとともに、これに伴って電動モータ5の実速度ωactも上昇する。しかし、ギア5Aとギア3Aとの間にバックラッシュがあると、図7Aに拡大して示すように、このバックラッシュ内をギア5Aが回転する間、旋回体速度はゼロであり、旋回体4は旋回しない。
そして、矢印bにおいて、ギア5Aがギア3Aに接触し、バックラッシュが解消すると、電動モータ5にかかる負荷が急増するために、速度指令値ωtarは増加し続けるのであるが、電動モータ5の実速度ωactは一旦ゼロになる(矢印c)。この後、この矢印cの位置から、実速度が再び上昇し、旋回体4も実際に旋回を開始する。
この場合のトルクリミットおよび電動モータ5の実際の出力トルクにTmついて、図6Bおよび図7Bを用いて説明する。先ず、レバー信号の入力直後において、バックラッシュ判定手段61により、ギア5Aのバックラッシュ内での回転が判定されると、トルクリミット設定手段63は、それまでの上限のMAX値Tmaxのトルクリミットをゼロ近傍の微小値Taに制限する(矢印a)。また、バックラッシュ内での回転時には、速度指令値ωtarに実速度ωactが略遅れなく追従するうえ、電動モータ5には殆ど負荷がかからないため、出力トルク(以下、駆動トルク)も極微小な値となる。そして、矢印bにおいてバックラッシュが解消されると、駆動トルクは一気に出力されるのであるが、トルクリミットTlimが微小値Taに制限されているために、それ以上の駆動トルクが出ることはない。この後、トルクリミットTlimの微小状態が所定時間tだけ継続され、駆動トルクが抑えられる。
次いで、所定時間tの経過後には(矢印d)、出力制御手段64が起動し、トルクリミットTlimの値を徐々に変更する。すると、図7Aに示すように、速度指令値ωtarと実速度ωactとの偏差が大きいために、インバータ52のコンパレータには大きなトルク指令値Ttarが入力されるのであるが、トルクリミットTlimの値は一定の勾配を持った状態に制限されるので、コンパレータでは、より小さいトルクリミットTlimの値の方が選択され、このトルクリミットTlimに沿って駆動トルクが無理なく徐々に変化することになる。
図6Aおよび図6Bに戻り、旋回レバー10を所定の角度に維持させると、速度指令値ωtarが一定となり、電動モータ5の実速度ωactも一定となって旋回体4が定速旋回状態に入る。この間、トルクリミットのTlim値は、上限のMAX値Tmaxまで変化し、また、駆動トルクは、一定に維持された後、旋回体4の定速旋回に併せて略ゼロに戻る。定速旋回では、電動モータ5には殆ど負荷がかからないからである。
以上とは反対に、旋回体4の減速開始時にあっては、 図6Aおよび図8Aに示すように、傾倒させた旋回レバー10をニュートラル位置に戻すと、略直角にレバー信号が立ち下がる(矢印e)。これにより、入力されると速度指令値生成手段51は、略リニアに速度指令値ωtarを減少させるとともに、これに伴って電動モータ5の実速度ωactも下降する。しかし、減速時には、ギア5Aを減速させても、旋回体4自身はその慣性によって減速されないため、図8Aに拡大して示すように、ギア5Aとギア3Aとの間のバックラッシュ内をギア5Aが移動する間、旋回体速度は定速に維持される。
そして、矢印fにおいて、ギア5Aがギア3Aに接触し、バックラッシュが解消すると、ギア5Aには電動モータ5の回転を促す力が作用するために、速度指令値ωtarが減少し続ける一方で、電動モータ5の実速度ωactが定速まで戻る(矢印g)。この後、この矢印gの位置から、実速度が再び下降し、旋回体4も実際に速度を落とす。
この場合のトルクリミットTlimおよび電動モータ5の実際の出力トルクTmについて、図6Bおよび図8Bを用いて説明する。先ず、バックラッシュ判定手段61により、ギア5Aのバックラッシュ内での回転が判定されると、トルクリミット設定手段63は、それまでの下限のMAX値Tmaxのトルクリミットをゼロ近傍の微小値Taに変更する(矢印e)。また、バックラッシュ内での回転時には、速度指令値ωtarに実速度ωactが略遅れなく追従し、電動モータ5の回転が促進される方向の力が作用しないため、制動用の出力トルク(以下、制動トルク)も極微小な値となる。そして、矢印fにおいてバックラッシュが解消されると、制動トルクは一気に出力されるのであるが、トルクリミットTlimが微小に制限されているために、それ以上の制動トルクが出ることはない。この後、トルクリミットTlimの微小状態が所定時間tだけ継続され、制動トルクが抑えられる。
次いで、所定時間tの経過後(矢印h)には、出力制御手段64が起動し、トルクリミットTlimの値を一定値ずつ変更する。すると、図8Aに示すように、速度指令値ωtarと実速度ωactとの偏差が大きいために、インバータ52のコンパレータには大きなトルク指令値Ttarが入力されるのであるが、トルクリミットTlimの値は一定の勾配を持った状態に制限されるので、コンパレータでは、より小さいトルクリミットTlimの値の方が選択され、このトルクリミットTlimに沿って制動トルクが無理なく徐々に変化することになる。
図6Aおよび図6Bに戻り、旋回レバー10をニュートラルに戻すと、速度指令値ωtarがゼロとなり、電動モータ5の実速度ωactもゼロとなって旋回体4が停止する。この間、トルクリミットTlimの値は、下限のMAX値Tmaxまで変化し、また、制動トルクは、一定に維持された後、旋回体4の停止に併せて略ゼロに戻る。
〔1−5〕本実施形態による効果
このような本実施形態によれば、以下の効果がある。
(1)電動旋回ショベル1に搭載された旋回制御装置50には、バックラッシュ判定手段61およびトルクリミット設定手段63が設けられており、バックラッシュ解消時には、電動モータ5の出力トルク(駆動トルク、制動トルク)がトルクリミットTlimによって制限されるので、過剰なトルクが出力されるのを防止できる。そして、その後は、旋回制御装置50に設けられた出力制御手段64により、電動モータ5の出力トルクTmが徐々に変化するので、違和感なく旋回体4の加減速を行える。従って、バックラッシュ解消時のショックを抑制でき、バックラッシュを感じさせることないスムーズな旋回動作を実現できる。
このような本実施形態によれば、以下の効果がある。
(1)電動旋回ショベル1に搭載された旋回制御装置50には、バックラッシュ判定手段61およびトルクリミット設定手段63が設けられており、バックラッシュ解消時には、電動モータ5の出力トルク(駆動トルク、制動トルク)がトルクリミットTlimによって制限されるので、過剰なトルクが出力されるのを防止できる。そして、その後は、旋回制御装置50に設けられた出力制御手段64により、電動モータ5の出力トルクTmが徐々に変化するので、違和感なく旋回体4の加減速を行える。従って、バックラッシュ解消時のショックを抑制でき、バックラッシュを感じさせることないスムーズな旋回動作を実現できる。
(2)出力制御手段64は、順次変更されるトルクリミットTlimを限度として出力トルクTmを変化させるので、このトルクリミットに沿って出力トルクTmを無理なく確実に変化させることができる。
(3)本実施形態での建設機械は、電動モータ5で旋回体4を旋回させる電動旋回ショベル1であるから、従来であれば、旋回操作時の応答性が良すぎて、バックラッシュの存在が明らかに感じられるであるが、前記の旋回制御装置50を搭載することで、そのような感じを全く受けることがなく、その応答性の良さを他の部分で十分に活かすことができる。従って、本発明に係る旋回制御装置50を電動旋回ショベル1に搭載することのメリットは非常に大きい。
〔第2実施形態〕
図9は、本発明の第2実施形態に係る旋回制御装置50およびギア駆動制御装置60を説明するための図であり、図10には、制御フローが示されている。なお、これらの図において、前述した第1実施形態と同様な構成には同一符合を付し、ここでのそれらの説明を省略または簡略化する。
図9は、本発明の第2実施形態に係る旋回制御装置50およびギア駆動制御装置60を説明するための図であり、図10には、制御フローが示されている。なお、これらの図において、前述した第1実施形態と同様な構成には同一符合を付し、ここでのそれらの説明を省略または簡略化する。
図9、図10において、本実施形態では、出力制御手段64の機能が第1実施形態と比して大きく異なる。また、指令値記憶手段62が、トルクリミットの替わりに速度指指令値を記憶する点も第1実施形態とは異なる。
本実施形態の出力制御手段64は、速度指令値生成手段51の一部として設けられており、図10に示すST3において先ず、バックラッシュが解消された直後であるか否かを判定する。前回の判定が解消直後でなければ、最初に戻る。この際のトルクリミットTlimは、通常のMAX値Tmaxに戻されていることは言うまでもない。一方、バックラッシュが解消して所定時間経過した直後の最初の判定段階では、やはりトルクリミットTlimは通常のMAX値Tmaxに戻されるが、それまでバックラッシュ内での旋回であったことから、ST3での判定が「Y」となり、ST4に進む。
本実施形態の出力制御手段64は、速度指令値生成手段51の一部として設けられており、図10に示すST3において先ず、バックラッシュが解消された直後であるか否かを判定する。前回の判定が解消直後でなければ、最初に戻る。この際のトルクリミットTlimは、通常のMAX値Tmaxに戻されていることは言うまでもない。一方、バックラッシュが解消して所定時間経過した直後の最初の判定段階では、やはりトルクリミットTlimは通常のMAX値Tmaxに戻されるが、それまでバックラッシュ内での旋回であったことから、ST3での判定が「Y」となり、ST4に進む。
ST4では、バックラッシュ解消直後に速度指令値ωtarを電動モータ5の実速度ωact近辺の略同じ値にスライドさせて変更し、この値から従来通り指令値記憶手段62に記憶されている記憶値を用いて、レバー信号に基づき速度指令値ωtarを順次変化させる。すなわち、第1実施形態では、トルクリミットTlimを順次変更することで、出力トルクや制動トルクを無理なく出力していたが、本実施形態では、速度指令値ωtarをスライドさせて変更し、ここから変化させることにより、同様な機能を実現している。
このことを図11ないし図13をも参照し、より詳細に説明する。
図11Aおよび図12Aにおいて、レバー信号が速度指令値生成手段51に入力された後(矢印a)、バックラッシュ内であると判定されると、このバックラッシュ内で回転している間、出力制御手段64は、通常通りにレバー信号から決まる速度指令値ωtarを生成して出力する。この結果、電動モータ5の出力トルクTmは、図11Bおよび図12Bに示すように、第1実施形態と同様、極微小に維持される。勿論、この間にあっては、トルクリミットTlimの値も、第1実施形態と同様に、微小に設定されている。
図11Aおよび図12Aにおいて、レバー信号が速度指令値生成手段51に入力された後(矢印a)、バックラッシュ内であると判定されると、このバックラッシュ内で回転している間、出力制御手段64は、通常通りにレバー信号から決まる速度指令値ωtarを生成して出力する。この結果、電動モータ5の出力トルクTmは、図11Bおよび図12Bに示すように、第1実施形態と同様、極微小に維持される。勿論、この間にあっては、トルクリミットTlimの値も、第1実施形態と同様に、微小に設定されている。
この後、ギア5Aがギア3Aに接触し、バックラッシュが解消と(矢印b)、実速度ωactがゼロになることに併せて、出力制御手段64は、速度指令値ωtarを実速度ωactに近いゼロ近辺までスライドさせて変更する(矢印c)。そして、スライドが完了した後には、指令値記憶手段62に記憶されている記憶値を用いて速度指令値ωtarをレバー信号に基づいて変化させると、実速度ωactもこれに追従するように変化するようになる。この変化は、速度指令値ωtarが通常の指令値(図10A)に戻るまで行われる。
一方、この際のトルクリミットの値は、バックラッシュが解消した所定時間tの経過後に通常のMAX値Tmaxに変更されるが、出力トルク(駆動トルク)は、速度指令値ωtarと実速度ωactとの偏差が少ないために、レバー信号から決まる値とされて徐々に変化するようになり、スムーズな旋回開始操作を実現できる。
一方、この際のトルクリミットの値は、バックラッシュが解消した所定時間tの経過後に通常のMAX値Tmaxに変更されるが、出力トルク(駆動トルク)は、速度指令値ωtarと実速度ωactとの偏差が少ないために、レバー信号から決まる値とされて徐々に変化するようになり、スムーズな旋回開始操作を実現できる。
また、減速時の制御は、図13A、図13Bに拡大して示す通りであり、矢印fにてバックラッシュが解消すると、出力制御手段64は、電動モータ5の実速度ωactがもとの定速を維持するように戻るのに併せて、速度指令値ωtarを実速度ωactと略同じ値にスライドさせて変更する(矢印g)。この結果、所定時間tの経過後には、トルクリミットTlimの値は通常のMAX値Tmaxに戻るが(矢印h)、出力トルク(制動トルク)は、レバー信号から決まる値とされて徐々に変化する。
このような本実施形態の旋回制御装置50でも、説明を省略したが、第1実施形態と同様、バックラッシュ判定手段61およびトルクリミット設定手段63を備えているため、前述した(1)、(3)の効果を同様に得ることができる。また、本実施形態の特有な構成により、以下の効果がある。
(4)本実施形態では、速度指令値ωtarを実速度ωactに近い値に変更し、ここからレバー信号に基づいて変化させるので、この速度指令値ωtarに応じて出力トルクTmも徐々に変化させることができる。そして、この際には、第1実施形態のようにトルクリミットTlimを徐々に変更し、これに沿って出力トルクTmをも変化させるのとは異なって、変化中のトルクリミットTlimへの外部ノイズの影響をなくすことができるため、外部ノイズに強い制御が行え、信頼性を向上させることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記各実施形態では、ギア5Aがバックラッシュ内を回転しているか否かを電動モータ5の出力トルクTmを用いて判定していたが、出力トルクTmの代わりに、電動モータ5に出力される電流値を用いてもよい。
例えば、前記各実施形態では、ギア5Aがバックラッシュ内を回転しているか否かを電動モータ5の出力トルクTmを用いて判定していたが、出力トルクTmの代わりに、電動モータ5に出力される電流値を用いてもよい。
また、図4のST11では、出力トルクTmが空転時の加速トルクTfreeと略等しい場合に、ST12に進むようにしていたが、出力トルクTmが所定閾値よりも小さい場合や、前記電流値が所定閾値よりも小さい場合、あるいは、速度ゲインKが小さいときには、速度指令値ωtarと実速度ωactとの偏差が所定閾値よりも小さい場合に、ST12に進むようにしてもよい。
さらに、旋回体4の旋回開始が検出された後の一定時間や、定速旋回操作からさらに加速旋回操作が行われたと判断された後の一定期間、定速旋回操作あるいは加速旋回操作から減速旋回操作が行われたと判断された後の一定期間などを、それぞれをバックラッシュ内として定めてもよい。
この他、旋回体4自身の旋回速度(図7A、図13Aの旋回体速度のこと)を検出する速度センサを設けたときには、電動モータ5の実速度と旋回体4の実速度との偏差が所定閾値よりも大きい場合に、バックラッシュ内であると判定してもよい。
この他、旋回体4自身の旋回速度(図7A、図13Aの旋回体速度のこと)を検出する速度センサを設けたときには、電動モータ5の実速度と旋回体4の実速度との偏差が所定閾値よりも大きい場合に、バックラッシュ内であると判定してもよい。
前記各実施形態では、電動モータ5を備えた電動旋回ショベル1について説明したが、本発明の建設機械としては、これに限定されず、通常の油圧ショベルであってもよい。従って、本発明に係る駆動源としては、電動モータ5に限らず、油圧モータ等であってもよい。
その他、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
本発明は、バックラッシュを有して噛み合うギアの駆動に適用できるとともに、このようなギアを介して旋回するように構成されたあらゆる建設機械に適用できる。
Claims (6)
- バックラッシュを有して噛み合うギア(3A,5A)の駆動側のギア(5A)駆動を制御するギア駆動制御装置(60)であって、
前記駆動側のギア(5A)または従動側のギア(3A)がバックラッシュ内を回転しているか否かを判定するバックラッシュ判定手段(61)と、
前記駆動源(5)の出力トルクを変化させるための指令値を記憶する指令値記憶手段(62)と、
バックラッシュ内を回転していると判定された場合に、バックラッシュ解消時の駆動源(5)の出力トルクを制限するようにトルクリミットを設定するトルクリミット設定手段(63)と、
バックラッシュが解消した後に、前記指令値を徐々に変化させて前記駆動源(5)の出力トルクを上限側または下限側に徐々に変化させるように制御する出力制御手段(64)とを備えている
ことを特徴とするギア駆動制御装置(60)。 - 請求項1のギア駆動制御装置(60)において、
前記指令値はトルクリミットであり、
前記出力制御手段(64)は、トルクリミットを順次変更することで、前記出力トルクを上限側または下限側に徐々に変化させる
ことを特徴とするギア駆動制御装置(60)。 - 請求項1のギア駆動制御装置(60)において、
前記指令値は旋回操作に応じて出力される速度指令値であり、
前記出力制御手段(64)は、速度指令値をバックラッシュ解消直後に実速度に近い値に変更することで、前記出力トルクを上限側または下限側に徐々に変化させる
ことを特徴とするギア駆動制御装置(60)。 - バックラッシュを有して噛み合うギア(3A,5A)により旋回する旋回体(4)を制御する旋回制御装置(50)において、
駆動側のギア(5A)の駆動を制御する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のギア駆動制御装置(60)を備えている
ことを特徴とする旋回制御装置(50)。 - バックラッシュを有して噛み合うギア(3A,5A)の駆動側のギア(5A)駆動を制御するギア駆動制御方法であって、
前記駆動側のギア(5A)または従動側のギア(3A)がバックラッシュ内を回転しているか否かを判定し、
バックラッシュ内を回転していると判定された場合には、バックラッシュ解消時の駆動源(5)の出力トルクを制限するようにトルクリミットを設定し、
バックラッシュが解消した後に、前記駆動源(5)の出力トルクを上限側または下限側に徐々に変化させる
ことを特徴とするギア駆動制御方法。 - 建設機械(1)において、
バックラッシュを有して噛み合うギア(3A,5A)により旋回する旋回体(4)と、
この旋回体(4)を制御する請求項4に記載の旋回制御装置(50)とを備えている
ことを特徴とする建設機械(1)。
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