JPWO2006030605A1 - 金属微粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザー光をレンズ等により集光させることなく、かつ、金属ナノ粒子を効率よく製造する方法を提供することを課題とする。【解決手段】まず、金属箔片を出発材料として、これを分散液中に分散させる。次に、この金属箔片に対し集光手段を設けることなくレーザー光を直接照射すると、多数の金属微粒子が生成される。得られる金属微粒子の粒径は出発材料である金属箔片の形状(特に厚さ)とレーザー光の吸収エネルギーとの関係でナノ粒子からサブミクロン粒子の大きさまで制御することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、金属微粒子を効率よく製造する方法等に関する。
大きさが数nm(ナノメートル)乃至数百nmの金属微粒子は特異的な光学特性、電気的特性、磁気特性、触媒作用などを備えているため、その製造方法は工業材料・医薬品など様々な分野における新素材・新物質開発のキーテクノロジーとして注目されている。なお、本明細書では、大まかな金属微粒子の大きさによって「ナノ粒子」及び「サブミクロン粒子」とよび区別するものとする。便宜上、ナノ粒子とは、粒径が1nm以上100nm未満の粒子をいい、サブミクロン粒子とは、粒径が100nm以上1μm未満の粒子をいうものと定義する。なお、ナノ粒子よりも小さい粒径1nm未満の粒子としては、分子様金属粒子(これを「クラスター」という。)及び「原子」などがある。
ナノメートルサイズの金属微粒子を製造する方法には種々の方法が知られているが、例えば、特許文献1には、被処理液中に設置したターゲットに高出力のレーザー光をレンズを用いて集光して照射することにより、ナノ粒子を含むコロイド溶液を製造する方法(これを『液中レーザーアブレーション』という。)が記載されている。
また、例えば、特許文献2には、レーザー光により固体有機化合物を微粒子化する方法が記載されている。
特開2004−90081号公報 特開2001−113159号公報 J.Phys.Chem B 2003.107, 6920-6923
液中レーザーアブレーションの場合、ターゲット物質は通常金属プレートなどバルク状の金属が用いられる。このため、レーザー光を用いてターゲット物質を瞬時に蒸発させるためには、YAGレーザーなどの短波長高出力のレーザー光を光学式のレンズにより集光しなければならない。
しかし、液中レーザーアブレーションを用いて微粒子作製を効率的に行うためには、レンズ焦点位置を精密に制御する技術が求められる(上掲特許文献1参照)。
このため、液中レーザーアブレーションはレーザー照射位置の微妙な制御が難しく、しかも、ナノ粒子の生成効率が極めて低い等の問題を含んでいた。また、液中レーザーアブレーションでは、例えば10[J/cm]を超えるレーザーフルエンス(レーザービームの断面における単位面積当りのパルスのエネルギー密度、以下本明細書では単に「エネルギー密度」ともいう。)のような高エネルギーパルスを金属に照射するが、その際、種々の粒子(例えば、原子・クラスターなど)が溶液中で生成され、それらが結合・合体することにより、ナノ粒子が成長する。このようなメカニズムによるため、粒子のサイズを均一化することが難かしかった。さらに、溶液中の微粒子は凝集しやすく、凝集を抑制するために界面活性剤その他の物質を「保護剤」として加える必要があった。
液中レーザーアブレーションに関する上記の問題を解決する「合金ナノ粒子」の製造方法として、バルク金属ターゲットの代わりに、液体中に分散させた複数の金属粉を出発材料として、ナノ粒子の合金を製造する方法が提案されている(上掲非特許文献1)。しかし、この場合も、凝集を抑制するために保護剤を加えなければならず、かつ、得られるナノ粒子のサイズが不均一であるという問題があった。さらに、この方法では、ナノ粒子しか得られず、サブミクロン粒子を得ることができなかった。
サブミクロン粒子乃至ナノ粒子に対して実用上要求される最も望ましい属性は、粒子サイズを含めたその均一性であり、理想的には他の添加物(還元剤や保護剤)を含まない、すなわち化学的に純度の高い粒子であることが望ましい。しかし、上記の通り、従来知られる方法では、これらの要求を満たす金属微粒子を製造することができなかった。
本発明は、金属微粒子を効率よく製造する新規な方法を提供することをその主たる技術的課題とする。
本発明に係る第1の金属微粒子の製造方法は、金属箔片を出発材料として金属微粒子を製造する方法であって、金属箔片を出発材料として、これを分散液中に分散させる工程と、その後前記金属箔片に対しレーザー光を直接照射する工程とを含むことを特徴とする。
なお、本明細書において、「直接照射」とは、特に集光手段を設ける必要はないという意味である。
また、本明細書において、「金属箔片」とは、「厚さが約1μm以下の箔片状の金属(フレーク)」を意味するものとする。
以下に述べるように、得られる金属微粒子の粒径は出発材料である金属箔片の形状(特に厚さ)とレーザー光の吸収エネルギーとの関係を利用してナノ粒子からサブミクロン粒子まで大きさを自由に制御することができる。
この方法において、前記金属箔片に照射するレーザー光のエネルギー密度は少なくとも前記金属箔片を融点近傍に到達させるために必要なエネルギー密度Eth1[J/cm]以上とすること(第1の条件)が必要である。
この第1の条件によると、粒径が数百nmオーダーの多数のサブミクロン粒子が分散液中に生成される。このサブミクロン粒子を光学顕微鏡などで観察すると、比較的真球に近い球形状であるという特徴を持っている。このようにして得られるサブミクロン粒子は導電性インクの原料など、様々な用途に用いることが期待される。
さらに、前記金属箔片に照射するレーザー光のエネルギー密度は少なくとも前記金属箔片を沸点近傍に到達させるために必要なエネルギー密度Eth2[J/cm]以上としてもよい(第2の条件)。
この第2の条件によると、粒径が数nm乃至数十nmオーダーの多数のナノ粒子が分散液中に生成される。すなわち、第1の条件と第2の条件のいずれかの条件によると、粒径が数nm乃至数百nmまで(ナノ粒子〜サブミクロン粒子まで)の範囲で金属微粒子の粒径を制御することができる。
また、これとは別の方法で粒径が数nm乃至数十nmの金属微粒子(金属ナノ粒子)を製造する方法として、分散液中に分散している粒径が数百nmの金属微粒子に対し、前記金属微粒子を沸点近傍に到達させるために必要なエネルギー密度Eth2[J/cm]以上のレーザー光を照射することによっても、金属微粒子を製造することができる。
すなわち、出発物質である金属箔片の状態から直接Eth2[J/cm]以上のエネルギー密度のレーザー光を照射してもよく、また、一旦第1の条件などによってサブミクロン粒子を生成した後、引き続き第2の条件でレーザー光を照射することによっても、金属ナノ粒子を製造することができる。
この方法によると、第1の条件よりもさらに粒径が小さい金属微粒子(概ね数nm乃至数十nmオーダーの多数のナノ粒子)が分散液中に生成される。このナノ粒子も前記サブミクロン粒子と同様真球に近い球形状であることが特徴である。得られるナノ粒子は様々な新規材料開発などの用途に利用されることが期待される。
分散液は、金属に対して強い電子供与性をもつ官能基を有する化合物からなる溶媒、例えば、鎖状又は環状ケトンからなる溶媒であることが好ましい。
以上のように本発明は、液中レーザーアブレーション法とは全く異なるメカニズムで微粒子化が起こっている。従って、以上のように第1又は第2の条件でレーザー光を照射する時は、液中レーザーアブレーション法のようにレンズによりターゲット金属に集光する必要はなくまたレーザー照射位置を制御する必要もない。但し、必要なエネルギー密度に調節するためにレンズを使用することを妨げるものではない。
本発明に係る第2の金属微粒子の製造方法は、金属薄膜を出発材料として金属微粒子を製造する方法であって、表面に金属薄膜が形成された基板を溶媒中に浸漬させる工程と、その後前記金属薄膜に対し集光手段を設けることなくレーザー光を前記基板の表面又は裏面から直接照射する工程とを含むことを特徴とする。なお、「直接照射」とは、特に集光手段を設ける必要はないという意味である。
後述するように、本発明は、出発材料である金属の厚さが一定値以内であることが非常に重要である。金属箔片の場合と比較して、基板上に薄膜を形成した場合、膜厚の制御性が向上する。とくに、基板は表面に例えば数十μmオーダーの粗さ(あらさ)のすりガラス基板を用いることが好ましい。
本発明に係る第1の金属微粒子は、金属箔片又は金属薄膜に対し、水・アルコール系溶媒・疎水性溶媒・鎖状又は環状ケトンからなる溶媒等の分散液中においてレーザー光を照射して得られる金属微粒子であって、粒径が数nm乃至数百nmの球形金属微粒子(サブミクロン粒子)であることを特徴とする。
また、本発明にかかる第2の金属微粒子は、粒径が数十nm乃至数百nmの金属微粒子(サブミクロン粒子)に対し、水・アルコール系溶媒・疎水性溶媒・鎖状又は環状ケトンからなる溶媒等の分散液中においてレーザー光を照射して得られる金属微粒子であって、粒径が数nm乃至数十nmの球形金属微粒子(ナノ粒子)であることを特徴とする。
本発明に係る第3の金属微粒子は、アセトンその他のケトン類を含む分散液中に保存された金属微粒子であって、前記金属微粒子は、粒径が1nm以上1μm未満の球形であることを特徴とする。このように、アセトンその他のケトン類を分散液とすることにより、高濃度の金属微粒子を効率よく製造及び保存することが可能となる。なお、この場合、分散液中に界面活性剤その他の物質よりなる保護剤を含む必要はない。
第1乃至第3の金属微粒子は、いずれも真球に近い球形であり、かつ粒度の均一性が高いという特徴を持っている。
また、本発明に係る金属微粒子分散液は、粒径が1nm以上1μm未満の球形金属微粒子を製造及び保存するために用いられる分散液であって、前記分散液は、アセトンその他のケトン類を主成分とし、界面活性剤その他の保護剤を含まないことを特徴とする。この発明は、アセトンその他のケトン類の新規な用途を見いだしたものであり、これらを分散液として金属微粒子を保存すると、極めて高濃度の金属微粒子を長期間凝集させることなく保存することが可能である。
本発明に係る金属微粒子の製造方法によれば、液中レーザーアブレーションのようにレーザー光を集光しなくても極めて効率よく大量にサイズの均一な金属微粒子(ナノ粒子及びサブミクロン粒子)を製造することができる。また、上記製造方法に付随して得られる金属微粒子及びその分散液は、様々な技術分野に応用されるものと期待される。
(課題の解決原理について)
−金属微粒子化現象−
図1は本発明に係る金属微粒子の製造方法において生じる基本的な現象を説明するための図である。図1(a)は、分散液10で満たされたビーカーに、金属箔片(フレーク状の金属片であり、平均粒径が数μm乃至数十μm程度)12が分散液中に均一に分散している様子を示している。ここに、入射強度I[J/cm]のレーザー光を照射すると、図1(b)に示すように、多数のサブミクロン粒子14が生成された。
図2(a)は、図1(b)の状態から分散液を乾燥除去した後、サブミクロン粒子14を光学顕微鏡により観察した写真である。得られたサブミクロン粒子14はいずれも極めて真球に近い球形状であることが観察され、大きさが均一であった。一部大きなかたまりが見られるのは、乾燥の際にサブミクロン粒子が凝集するためである。
図2(b)は、ランダムに数百個のサブミクロン粒子14を選び、その粒度分布を測定した結果を示している。サブミクロン粒子14の平均粒径は約0.6μm、分布の幅は±約0.2μmであり、粒度均一性が極めて高いことが明らかとなった。
図1(b)の状態から、さらに入射強度を高くして、入射強度I[J/cm](I<I)とすると、図1(c)に示すように、粒径が数十nm程度のナノ粒子16が多数生成される。
なお、図1(b)の状態つまりサブミクロン粒子14が存在している状態では、分散液10は濁ったように見えるが、図1(c)の状態つまりナノ粒子16が存在している状態では、分散液10はコロイド状となり、金属特有の発色が表れるようになる。例えば、金コロイドでは赤色、銀コロイドでは黄色、銅コロイドでは緑褐色にそれぞれ着色した。
別の実験として、図1(b)の状態を経ずに図1(a)の状態からある一定以上の強度(上記の例では入射強度I[J/cm])のレーザー光を入射すると、サブミクロン粒子14を経ずにナノ粒子16が多数生成された。さらに、照射するレーザー光と金属箔片の厚さ等の条件に応じて、生成される微粒子の大きさや粒度分布が変化したり、ナノ粒子が再度凝集してクラスター化したりするなど様々な現象が観察された。
このように、本件発明者らは金属箔片を出発物質とすることにより、液中レーザーアブレーションのようにレンズによる集光を行わなくても、金属微粒子が生成されうるという知見を初めて見いだした。
また、その後の研究により、定性的には、出発物質の金属箔片は、ある程度大きな表面粗さがある方が金属微粒子の生成効率が高いことも明らかになっている。この表面粗さは、金属箔片の比表面積とも有意に相関し、例えば、比表面積(BET表面積)が異なる4種類の試料(A:0.88、B:1.60、C:1.93、D:3.54 ※単位は[m/g])を用いて1064nmのレーザー光を照射した実験では、A、B、C、Dの順に表面積が増大し、比表面積が大きいものほど微粒子の生成効率が高いという結果が得られている。最適な粗さがどの程度かということについては、今後の実験により明らかとなるであろう。
−金属微粒子生成のメカニズムについて−
以上の結果を踏まえ、金属微粒子生成のメカニズムについて説明する。
図3(a)〜(d)及び図4(e)〜(h)は、本発明に係る金属微粒子生成のメカニズムについて説明するための概念図である。
図3(a)は、図1における金属箔片12が分散液10中に存在していること、及び、この金属箔片12にレーザー光L(例えば、波長532[nm]、パルス幅:5[ns])が入射している様子を示している。
図3(b)は、レーザー光が照射された直後の様子を表している。光は金属箔片12の表層部12aで吸収され、この部分でまず局所的に温度が上昇して一瞬にして融点近傍にまで達する。しかし、金属箔片12は熱伝導率が大きいため、極めて短時間のうちに金属箔片全体に熱拡散が起こる結果、金属箔片全体として温度が均一な高温状態となる。図3(c)は、表層部で上昇した温度が急速熱拡散を起こしている様子を表している。
その一方で、高温に加熱された金属箔片12の周囲には多量の分散液10が存在しているため、金属箔片を取り囲む媒体に熱が奪われる。その結果、表層部の温度が下がり、図3(d)に示すように、高温高圧状態の内部(コア)18が低温の殻(シェル)17に閉じこめられたような状態(コアシェル構造)となる。
ところで、図3(d)では、[コア18/シェル17]の二重構造で表しているが、より正確には、このように高温のコアシェル構造が溶媒中に存在した場合、金属箔片の周囲には高温の蒸気が形成されることになり、[コア/溶媒により冷却された外殻部/高温蒸気層]という三重構造が形成されることになる。
いずれにせよこのようなコアシェル構造は物理的に極めて不安定であるため、図4(e)に示すように、熱応力を緩和するために金属箔片の内部から爆発的な分裂が生じる。その結果、図4(f)に示すように、一つの金属箔片12から多数のサブミクロン粒子14(約数百nmオーダー、微粒子の粒径d1の典型値は例えば500nm乃至600nm程度)に分裂する。これが、図1(b)の状態である。
さらに高エネルギーのレーザーを照射すると、図4(g)に示すように、サブミクロン粒子14はさらに分裂して小さくなり、最終的には図4(h)に示すように一つのサブミクロン粒子14から多数のナノ粒子16(約数十nmオーダー、ナノ粒子の粒径d2の典型値は例えば20nm程度)となる。
なお、分散液の条件などにもよるが、レーザー光の照射量や照射時間が過剰になると、図4(h)の状態を経た後でナノ粒子の凝集が起こり、図4(g)のように、サブミクロン粒子14とナノ粒子16とが混在した状態となる場合がある。しかし、用途によっては、このようにサブミクロン粒子とナノ粒子の両方を含む系が望ましい場合もあると考えられる。
結論として、本発明に係る金属微粒子の生成メカニズムは、上記のように、コアシェル構造の爆発的な分裂によるものと考えられ、従来から知られる液中レーザーアブレーションとは明らかにメカニズムが相違している。金と銀の金属箔片を混合した試料を出発物質として、532nm光を比較的高いフルエンスで長時間照射すると、初期に生成したナノ粒子の二次的なアブレーション(蒸発)を通じて合金化が起こる場合もあるが、その他の照射条件では金と銀の合金ナノ粒子は一切生成しないという事実、及び、本発明に係る方法により得られる金属ナノ粒子は極めて真球に近くかつ狭い粒径分布で生成されるという事実等に鑑みると、本発明に係るナノ粒子は主として液中レーザーアブレーションのように原子状の粒子が蒸発して再結合することにより生成されるものではないと考えられる。
−数値計算に基づく理論的考察−
本件発明者たちは、銅箔片の場合を例に取り、数値計算に基づく理論的考察を行った。始めに、出発物質である銅箔片12の形状を、図5(a)に示すように、断面積S[μm]、厚さd[μm]と規定し、銅箔片全体が融点に達するのに必要なエネルギー(融解エネルギー)E1[J]と、沸点に達するのに必要なエネルギー(沸点到達エネルギー)E2[J]とを計算により求めた。
計算に必要な物理定数は、次の通りである:
銅の原子量M=63.54、密度d=8.92[g/cm]、融点=1083℃、沸点=2582℃、比熱(固体)=0.393[J/g]、融解熱=205[J/g]、比熱(液体)=0.487[J/(g・K)]、蒸発熱=480[J/(g・K)]。
図5(a)に示すような、表面積S[μm]、厚さd[μm]の銅箔片の質量は、8.92×10−12×S×d[g]である。従って、(i)融解エネルギーE1及び(ii)沸点到達エネルギーE2、は、それぞれ次のように計算される。但し、初期温度はいずれも室温(20℃)として計算した。
(i)融解エネルギーE1[J]
E1={(0.393×(1083−20)+205}×8.92×10−12×S×d
(ii)沸点到達エネルギーE2[J]
E2=E1+{(0.487×(2582−1083)}×8.92×10−12×S×d
これによると、
E1=5.56×10−9×S×d[J]・・・・・(i)
E2=1.2×10−9×S×d[J]・・・・・・(ii)
と計算される。
さて、レーザー光を金属箔片にパルス照射した場合、入射エネルギーの大部分は反射され、残りは吸収される。この場合、入射エネルギーは指数関数で減衰し、入射面の表層部(約20nm以下)で殆ど全てのエネルギーが吸収されて金属箔片の厚さがこれ以上の場合、透過光は実質ゼロとなる。レーザー光が照射されると表層部でのみ局所的に温度が上昇するのはこのためである。
図5(b)は、図5(a)に示す金属箔片にレーザー光が入射した際の光の入射光、反射光及び透過光の強度を示す概念図である。
数値計算を簡略化するため、入射エネルギーの大きさを1とした場合、透過光のエネルギーの大きさは実質ゼロであるから、金属箔片が吸収するエネルギーの大きさは概ね0.3であり、残り0.7は反射されるものと仮定する(なお、この仮定はレーザー光の波長に対する金属箔片の厚さや光の吸収係数などの条件により変わってくるが、この概算値は実験条件に対して概ね合理的な値と考えられる。)。
さて、銅箔片にレーザー光がパルス照射された場合に、銅箔片が融解する条件(但し、初期温度は室温とする。)は、レーザー光1パルス分の入射エネルギー密度をF[J/cm]とすると、断面積S[μm]の銅箔片が吸収するエネルギーAは、吸収係数0.3として、
A=0.3×F×S×10−8[J]
となる。
そうすると、銅箔片全体の融解条件(初期温度は室温20℃)は、
A>E1
すなわち、
0.3×F×S×10−8>5.56×10−9×S×d
となり、式を整理すると、
F>1.85×d ・・・・・・・・・・(式1)
と計算される。
同様に、沸点到達エネルギーE2についても、A>E2が成立するから、両辺に式を代入して整理すると、
F>4×d ・・・・・・・・・・(式2)
と計算される。
ここで、dは銅箔片の厚さであるが、ここにBET法(窒素吸着を利用した表面積を求める一般的な方法)により求めた表面積の値からの計算で求めた数値を代入すると、興味深い結果が得られる。
−融解条件−
Figure 2006030605
−沸点到達条件−
Figure 2006030605
これらの結果から、ある限界のエネルギー密度Eth1(これを、「第1のスレッショルドエネルギー」と定義する)を超えるレーザー光が金属箔片に照射されるとサブミクロン粒子が生成され、これよりもさらに大きいエネルギー密度Eth2(これを、「第2のスレッショルドエネルギー」と定義する)を超えるレーザー光が金属箔片に照射されるとナノ粒子が生成される、と考えられる。
但し、「沸点到達条件」として数値計算を行ったが、周囲には多くの分散液があるため、金属箔片が実際に原子として蒸発することは決してない。この点は重要である。もちろん、さらにエネルギーを上げると、コアシェル構造の爆発といった上記メカニズムの説明で示した過程を経ることなく、液中レーザーアブレーションと同じような蒸発が起こると考えられる。
以下の表は、第1及び第2のスレッショルドエネルギーの計算値と、実験概算値の比較を示している。この結果は上記理論的考察の合理性を示していると考えられる。
−比較表−
Figure 2006030605
なお、以上の理論的考察はバルク金属の光学定数に基づくものであるが、この理論によると、光吸収係数が大きく低下する波長では、微粒子化が起こらないはずである。しかしながら、その後の実験によると、Nd:YAGレーザーの基本波長1064nmでも波長532nmの場合と同等以上の効率で微細化することが判明した。従って上記理論は若干の修正が必要と考えられる。
すなわち、上記数値計算では、金属箔片の形状が平板状という単純なモデルを仮定し、しかも、光学定数としてバルクの光学定数が用いられた。しかし、実際には、箔片の端部の形状や表面粗さの影響により、表面プラズモン的な光との相互作用が長波長でも比較的大きな吸収係数を与えると考えられる。
分散液中でバルク状の銀プレートに対して1064nmのレーザー光を照射した場合、鏡面(表面粗さが極めて小さいとき)に照射しても入射光の殆どが反射され微粒子化は起こらなかったのに対し、スパッタリング用ターゲットとして使用した表面粗さの大きい銀プレートに同様のレーザー光を照射すると、激しい微粒子化が起こることが確認された。これは、本発明に係るメカニズムが、より詳細には「表面プラズモン共鳴」などを考慮した複雑な理論的説明がなされるべきものであることを示唆していると考えられる。
以上のように金属箔片は、バルク金属と比較して、光の吸収効率が高く、さらに、金属内部への熱拡散効率が大きいため、比較的長波長の光でも効率よくコアシェル構造が形成すると考えられ、これが本発明に係る金属微粒子生成のメカニズムと考えられる。このように考えると、出発物質の金属箔片の粗さがある程度大きい場合、本来十分に光が吸収されないはずの長波長域でも微粒子化が起こるという、本件発明者らによる実験結果とも整合するのである。
−有機化合物破砕法と比較したメカニズムの相違−
ところで、固体有機化合物の微粒子を製造する方法として、常温で固体の有機化合物を溶媒中に分散させ、これにパルスレーザー光を照射する方法が知られている(上掲特許文献2等)。しかし、そのメカニズムは、有機化合物にレーザー光を照射することにより、有機化合物の照射部位と溶媒との間に局所的な温度差を生じさせることで内部にクラックを発生させ、これにより内部から破砕するというものである。
有機化合物は一般に熱に弱く高温になると分解の可能性があると考えられる。このため有機化合物が溶融状態になるほどの強度のレーザー光を用いると熱損傷を与えるため、許されない。その一方で、固体有機化合物は熱伝導率が悪いため、レーザー光照射部位において局所的に温度が上昇しても短時間の照射であれば周囲に熱伝導せず、熱損傷を免れると同時に照射部位における溶媒との温度差によってそこからクラックが発生して破砕するのである。
結果的には有機化合物破砕法においては熱伝導率の悪さが微粒子化に重要な役割を果たしている。また、破砕による微粒子化の場合、球形の微粒子が得られることはないと考えられる。
また、有機化合物をクラックにより破砕する方法の場合、レーザー光の繰り返し照射による相互作用により段階的に破砕が進行するものと考えられ、短時間パルスレーザーの繰り返し照射が望ましいのに対し、本発明に係る金属箔片の微細化の場合、金属箔片を溶融状態にするだけのエネルギーを持つレーザー光が個々の金属箔片に1度照射されれば上述したメカニズムにより直ちに爆発的分裂が起こるため、一つの箔片に対して繰り返し照射する必要はない。実験においてパルス照射としたのは、分散液中に多数の金属箔片が存在するため一様にレーザー光が照射される機会を与えるためである。
以上のように、分散液中に分散した有機化合物をレーザー光により微粒子化するものと、分散液中に金属箔片を分散させレーザー光により微粒子化する本発明とは、その課題解決のメカニズムを全く異にするものである。
(第1の実施形態)
次に、本発明に係る金属微粒子の製造方法について説明する。はじめに、本発明を実施するために重要な条件である、出発物質、レーザー光及び分散液について一般的説明を加える。
A.出発物質
出発物質は金属箔片、具体的には、金・銀・銅・ニッケル・銅−亜鉛合金(真鍮)、その他の金属箔片を用いることができる。本発明において、出発物質の厚さは極めて重要である。同じエネルギー密度のレーザー光を照射する場合でも、厚さが薄いほど粒径の小さな金属微粒子が効率よく形成される。本件発明者らの実験によると、平均厚さが1μmを超えたものはいずれの金属を用いた場合も全く微粒子化しなかった。(但し、レーザー光の強度をもっと大きくすれば微粒子化すると思われる。)
金属箔片の製造方法は特に限定されないが、一例としては、アトマイズ粉をフレーク状に粉砕したり、薄い天然マイカ(雲母)の上にスパッタ法で金属薄膜を形成し、超音波処理でマイカと共に粉砕する、などの方法が考えられる。
なお、金・銀・銅・ニッケル・亜鉛などの純金属に限らず、銅−亜鉛合金(真鍮)や銅−銀合金のような合金についても箔片状にすれば同様な微細化が可能である。
また、メカニズム等の詳細は明らかでないが、厚さ25μmのポリイミド薄膜状にスパッタリング法により0.2μm程度シリコン膜(Si)を堆積して、これを幅1mm乃至2mm程度長さ数mm程度の短冊状に切ったもの(箔片にみたててこのような形状とした)についても、金属と同様にサブミクロン粒子が得られた。シリコンは金属と比べて熱伝導性が低い一方でレーザー光の吸収係数は金属よりもはるかに大きいといった点で、金属とは明らかに異なる物性を有している。それにもかかわらず、金属と同様の手法でシリコン微粒子を生成したが、シリコンのような非金属に対する微細化のメカニズムやその用途等については更なる検証が必要であろう。
B.レーザー光
次に重要なものはレーザー光である。レーザー光の波長は金属の吸収係数がある程度大きくなるような波長とすることが望ましいが、ある程度のエネルギー密度以上であれば、吸収率30%(反射率70%)程度でも出発物質が箔片であるため、少ないエネルギー密度でもコアシェル構造による爆発が起こる。具体的な数値については実施例として後述する。
例えば、レーザー光は、YAGレーザーや、エキシマレーザー、半導体レーザー、色素レーザーなどを用いることができる。また、一つの箔片に対して1発の短時間レーザー照射で微粒子化が起こるので、同じ条件で多くの箔片に照射するためにはパルス照射が望ましいことは既述の通りである。
ここで、分散液中で瞬間的に高温に加熱された金属箔片が分裂して微細化する時間スケールについての知見を得るため、「フェムト秒レーザー」を用いてパルス間隔を1秒と1ミリ秒の2つの場合について比較実験した。
パルス間隔が1秒の場合は、微粒子化が起こらなかった。単発のフェムト秒パルスのエネルギーでは金属箔片の溶融が生じないのでこれは当然の帰結である。一方、パルス間隔が1ミリ秒の場合は、金属箔片の激しい分裂微細化が確認された。これは、複数のパルスのエネルギーが積算されて金属箔片の溶融が進行したためと考えられる。また、微細化の時間スケールは当初予想していたよりもはるかに長く、ミリ秒以上の可能性も示唆された。これらの結果は、光源はパルスレーザー光に限定されず、例えばミリ秒程度の時間幅を有する他の強力パルス光源(レーザー光以外の光源)でも代替可能であることを示唆するものである。
以上のような理由により、本発明で用いる「レーザー光」とは、単位面積あたりのエネルギー密度が一定範囲内にあることが重要であり、単色性やコヒーレント性といったレーザー光特有の性質は必要ないと考えられる。この意味において、本明細書では、「レーザー光」を通常よりも広義に解し、単色性或いはコヒーレント性のない、強力(高エネルギー)パルス光をも含むものとする。
C.分散液(分散溶媒)
分散液は出発物質である金属箔片を分散(金属箔片の状態を保つ必要があるため、金属箔片を溶解させる溶媒は不可である。)させるための溶媒である。分散液は、熱伝導率が低い物質が望ましい。また、分散性がよい(すなわち液中で均一に箔片が存在するということ)ことも重要である。よって、分散液として適用可能なものとしては、以下のものが挙げられる。
(1)水
水は熱伝導率が小さく、微細化の効率は高いという利点がある。但し、出発物質の分散性が悪いため、金属箔片が沈殿乃至分離しやすい。よって、攪拌装置などの補助手段により溶媒中で均一に分散させるなどの工夫が必要である。
(2)アルコール系溶媒
アルコール類(例えば、エチルアルコール)、或いは、アルコールと水との混合溶液を用いることもできる。微細化効率は水よりもやや劣る。また、エチルアルコールの場合、得られた微粒子(特にナノ粒子)を凝集させる場合がある。
(3)疎水性溶媒
例えば、少量の長鎖アルキルアミンを含むヘキサンなどの溶媒を用いることもできる。本件発明者らによる実験では、分散性、微細化効率共に良好であった。
(4)その他の溶媒
ところで、分散された微粒子の濃度が低いうちは、上記(1)乃至(3)のうちいずれの溶媒を用いても比較的長期に亘り分散性が保持される。しかし、収率を上げるために濃度を高くすると、保護剤を添加しない限り、24時間以内に凝集や沈降が始まる。また、一旦凝集・沈降したものは、強制的に分散させても直ちに再沈降する。このような場合でも、以下の溶媒を用いると長期に亘り、分散性が保持されることが明らかとなってきた。
a.[ケトン類]
a1.アセトンやジエチルケトン等の鎖状ケトン類
a2.シクロヘキサノン等の環状ケトン類
b.[テトラヒドロフラン(THF)]
c.[アセトニトリル、ジメチルスルオキシド(DMSO)]
これらの溶媒はいずれもルイス塩基性が高い溶媒であり、金属に対する電子供与性を有している。このため、溶媒分子自身が金属微粒子表面に配位することにより粒子を保護し、分散性が向上するものと考えられる。
特に、上記a1及びa2の鎖状又は環状ケトン類の効果は絶大であり、例えば、アセトン10ccに50mg以上の金属ナノ粒子を分散させた高濃度分散液でも、数ヶ月以上の長期に亘り凝集や沈降は全く見られず、また、比較的大きなサブミクロン粒子の場合、重力による沈降は起こるが凝集は起こらないことが判明した。そこで、比重が大きいケトン類を用いたところ重力による沈降をも抑制できた。
以上のとおり、ケトン類(環状及び鎖状)、THF、アセトニトリル、DMSOは、高濃度の分散液を製造することができる溶媒として有用である。なかでも、アセトンは揮発性が高いため分散液から金属微粒子を取り出し易く、分散保持性(凝縮・沈降のしにくさ)の点、扱いやすさの点等、総じて優れていた。なお、本件発明者らは、実験において金・銀・銅・ニッケル・亜鉛・コバルト・ゲルマニウム・ゲルマニウムと他の金属との合金(ゲルマニウム合金)・銅−亜鉛合金(真鍮)及び銅−銀合金で比較したが、金属の種類よる依存性は特に見られず、分散性は溶媒にのみ依存した。
<アセトン等の特異性について>
本件発明者らは、アセトン及びその他のケトン類(ジケトン類を含む)を含む金属微粒子の分散液が、なぜ他の分散液と比較して分散保持性の点で優れているのか検討した。一つの可能性として、レーザー照射による金属箔片の爆発的分裂の際にアセトンが熱分解し、何らかの生成物が金属微粒子の凝集を抑制していることが考えられる。この真偽を明らかにするため、以下のような実験を行った。
[実験]
(ステップ1):エチルアルコールを分散液として金(Au)ナノ粒子を生成し、これを[試料I]とする。
(ステップ2):試料Iにアセトンを加えたものを、[試料II]とする。エチルアルコールとアセトンの混合比は、容量比で2:3とした。
(ステップ3):試料I及び試料IIの吸光スペクトルの経時変化を測定する。
上述のとおり、エチルアルコールはナノ粒子を凝集させてしまうことが知られている。[試料I]を作成した時点で、すでに金ナノ粒子の凝集が始まっていることが目視により観察された。ところが、これにアセトンを加えた[試料II]では、凝集がみられなくなり、むしろ再分散(凝集の逆)が起こっていた。
図10(a)及び(b)は、ステップ3で測定した吸光スペクトルの経時変化を比較した結果を示す図である。[試料I]の場合、時間の経過と共に凝集が進行したが、[試料2]の場合、逆に、再分散が進行した。なお、図10(b)のP点は、「等吸収点」とよばれる。
このように、エタノール系では凝集が一方的に進行したのに対し、アセトンを混合した系では、等吸収点を伴いながら吸光スペクトルが変化し、むしろ粒子径が小さくなった。アセトンはレーザー照射後十分な時間が経過した後に添加しているので、アセトンを添加した効果はアセトンの熱分解物によるものではなく、アセトン分子そのものに起因していると考えられる。また、その他の環状及び鎖状ケトン類でもほぼ同様の結果が得られた。
図6乃至図8は、平均粒径及び厚さの異なる3種類の銅箔片を分散液中に分散させ、大きさの異なるエネルギー密度のレーザー光をパルス照射した結果得られた粒子の光学顕微鏡による拡大写真である。なお、これらの写真はいずれも分散液を乾燥させて撮影されたものである。また、銅箔片の厚みはBET法により求めた表面積から計算で求めた値である。
レーザー光は、波長532[nm]、パルス幅:5[ns]のYAGレーザーを用いた。また、銅箔片を分散させる分散液(分散溶媒)は、アルコールと水の混合溶媒を用いた。
−(条件1):平均粒径40μm、銅箔片厚み0.317μm−
図6(a)は、レーザー照射前の状態を表している。図6(b)は約250[mJ/cm]のパルス照射をした場合、図6(c)は約500[mJ/cm]のパルス照射をした場合、図6(d)は約1[J/cm]のパルス照射をした場合を示している。
上記考察によれば、微粒子化するか否かは入射エネルギーと銅箔片の厚さの関係で決まる。厚さが0.3μmの場合、入射エネルギー250[mJ/cm]ではサブミクロン粒子の生成は限定的であったが、500[mJ/cm]ではサブミクロン粒子が生成され、1[J/cm]の場合、多数のナノ粒子が生成されている様子が観察された。1[J/cm]の場合はナノ粒子の凝集も見られ、図4(g)のような状態となっていると考えられる。
−(条件2):平均粒径13μm、銅箔片厚み0.185μm−
図6(a)は、レーザー照射前の状態を表している。図6(b)は約250[mJ/cm]のパルス照射をした場合、図6(c)は約500[mJ/cm]のパルス照射をした場合、図6(d)は約1[J/cm]のパルス照射をした場合を示している。
厚さが0.185μmの場合、入射エネルギー250[mJ/cm]ではサブミクロン粒子の生成は限定的であったが、500[mJ/cm]ではサブミクロン粒子が生成され、1[J/cm]の場合、多数のナノ粒子が生成されている様子が観察された。1[J/cm]の場合はナノ粒子の凝集は殆どなく、図4(h)のような状態となっていると考えられる。
−(条件3):平均粒径3μm、厚み0.062μm−
図7(a)は、レーザー照射前の状態を表している。図7(b)は約150[mJ/cm]のパルス照射をした場合、図7(c)は約250[mJ/cm]のパルス照射をした場合、図7(d)は約500[mJ/cm]のパルス照射をした場合、図7(e)は約1[J/cm]のパルス照射をした場合を示している。
厚さが0.062μmの場合、入射エネルギー150[mJ/cm]ではサブミクロン粒子の生成は限定的であったが、250[mJ/cm]及び500[mJ/cm]ではサブミクロン粒子が生成された。さらに、1[J/cm]の場合、多数のナノ粒子が生成されている様子が観察された。1[J/cm]の場合はナノ粒子の凝集は殆どなく、図4(h)のような状態となっていると考えられる。
以上の実験結果は全て上記理論的考察の結論ともよく一致する。すなわち、銅箔片の厚さdが小さいほど、小さい入射エネルギーでも微粒子化或いはナノ粒子化が起こり、厚さが大きくなるほど微粒子化或いはナノ粒子化に必要なレーザー光の入射エネルギーは大きくなる。
本発明に係る方法で製造したナノ粒子を含む分散液は、少なくとも銀と金に関しては、SDSなどの保護剤(界面活性剤)を入れなくても何ヶ月間も沈殿せず、すなわち凝集しないで分散状態を保持していることが確認されている。これは、得られたナノ粒子の形状が極めて真球に近い球形状になっているためと考えられる。これに対し、レーザーアブレーションで生成した場合、原子やクラスターなど様々な粒子が集まって微粒子化するため、大きさや形状が不均一で凝集しやすいのではないかと考えられる。
本発明により得られた金属微粒子は、分散液を除去してサブミクロン粒子或いはナノ粒子として種々の新素材の原料として用いられることが期待される。また、溶媒中で分散状態を保っている性質を利用すれば、スクリーン印刷の技術を用いて微細配線をインクジェット方式などで描画する導電性インクに適用することもできる。なお、導電性インクに用いる場合、ナノ粒子よりはむしろサブミクロン粒子の方が導電性がよいと考えられる。
また、ビーカーのように大きな容器に分散液を留めた状態でレーザー光を照射する代わりに、分散液を滴下したり或いは細管中を流しながら、レーザー光を照射するなどしてもよい。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態を応用し、出発物質を金属箔片に代えて金属薄膜を適用した場合には興味深い結果が得られる。金属薄膜は横方向に連続しているという点において粒径が無限大の金属箔片と考えることができる。
この場合、照射レーザー光のビームサイズにもよるが、薄膜全体を同時に照射することはできず、照射領域の境界部分で、非照射領域に向かって横方向への熱拡散が生じ、境界近傍では吸収されたエネルギーの損失が起こり、爆発的分裂のエネルギーに寄与しなくなると予想される。
そうすると、目的とする球状金属微粒子以外の金属粒子が混じることとなり、好ましくない。そこで、本実施形態では、金属薄膜を平坦な基板上ではなく、すりガラスのような半透明基板の粗面上に堆積、横方向への熱拡散を阻害するようにしたことによって、横方向の熱的なつながりを不完全なものとし、爆発的な分裂を引き起こす駆動力が阻害されにくくなるようにした。
[実験]
図9(a)に示すように、半透明基板例えばすりガラス21上に金属薄膜(例えば膜厚0.1μmの銅薄膜)をスパッタリング法など公知の方法により形成し、これを基板ごと溶媒中(第1の実施形態で説明した各種分散液を用いることができる。)に浸漬し、すりガラスの表面(粗面側)若しくは裏面(平坦面側)から例えば波長532nmのレーザー光を1パルス照射する。
第1の実施形態同様、膜厚と照射強度の関係に応じてサブミクロン粒子やナノ粒子が生成された。
図9(b)〜(d)は、得られた金属微粒子を光学顕微鏡により撮影した結果を示している。図9(b)は、重量膜厚0.05μm乃至0.1μmの場合、図9(c)は重量膜厚0.02μm〜0.04μmの場合、(d)は重量膜厚0.02μm以下の場合である。
本実施形態のように、金属薄膜を出発物質とする場合は、本発明において重要な『厚さ(膜厚)』の精密な制御が可能である点で、粒径制御などの向上が図られるものと考えられる。なお、すりガラスの粗さに関する詳細なデータは得ていないが、実験によれば概ね数十μmオーダーの粗さでほぼ予想通りの結果を得ることができた。
本発明に係る金属微粒子製造方法によると、サブミクロン粒子或いはナノ粒子を効率よくかつ大量に製造することができる。本発明により得られる金属微粒子は従来から知られるナノ粒子よりも真球に近い球形状をしているため、その特性を活かした新素材開発に適用することが期待される。
以上のように、本発明は工業的に大きな波及効果が期待でき、その産業上の利用可能性は極めて大きい。
図1は、本発明に係るナノ粒子製造方法を適用する際に生じる現象を説明するための図である。(a)は、分散液10で満たされたビーカーに、金属箔片12が分散液中に均一に分散している様子を示している。(b)は多数のサブミクロン粒子14が生成された様子を示している。(c)は、(b)の状態から、さらに入射強度を高くして、粒径が数十nm程度のナノ粒子16が多数生成された様子を示している。 図2(a)は、図1(b)の状態から分散液を乾燥除去した後、サブミクロン粒子14を光学顕微鏡により観察した写真である。(b)は、ランダムに数百個のサブミクロン粒子14を選び、その粒度分布を測定した結果を示す図である。 図3(a)〜(d)は、本発明に係る金属微粒子生成のメカニズムについて説明するための概念図である。 図4(e)〜(h)は、本発明に係る金属微粒子生成のメカニズムについて説明するための概念図である。 図5(a)は、数値計算に基づく理論的考察を行うために設定した銅箔片12の形状である。(b)は、(a)に示す金属箔片にレーザー光が入射した際の光の入射光、反射光及び透過光の強度を示す概念図である。 図6(a)〜(d)は、銅箔片を分散液中に分散させ、エネルギー密度の異なるレーザー光をパルス照射した結果得られた粒子の光学顕微鏡による拡大写真である。 図7(a)〜(d)は、銅箔片を分散液中に分散させ、エネルギー密度の異なるレーザー光をパルス照射した結果得られた粒子の光学顕微鏡による拡大写真である。 図8(a)〜(e)は、銅箔片を分散液中に分散させ、エネルギー密度の異なるレーザー光をパルス照射した結果得られた粒子の光学顕微鏡による拡大写真である。 図9(a)は、すりガラスを利用した金属微粒子製造方法を説明するための説明図である。(b)〜(d)は、第2の実施形態に係る方法により製造した金属微粒子の光学顕微鏡による拡大写真である。 図10(a)及び(b)は、ステップ3で測定した吸光スペクトルの経時変化を比較した結果を示す図である。
符号の説明
10 分散液
12 金属箔片
14 サブミクロン粒子
16 ナノ粒子
17 低温の殼(シェル)
18 高温高圧状態の内部(コア)
21 すりガラス

Claims (11)

  1. 金属箔片を出発材料として金属微粒子を製造する方法であって、金属箔片を分散液中に分散させる工程と、その後前記金属箔片に対しレーザー光を直接照射する工程とを含むことを特徴とする金属微粒子の製造方法。
  2. 前記金属箔片に照射するレーザー光のエネルギー密度は少なくとも前記金属箔片を融点近傍に到達させるために必要なエネルギー密度Eth1[J/cm]以上とすることを特徴とする請求項1記載の金属微粒子の製造方法。
  3. 前記金属箔片に照射するレーザー光のエネルギー密度は少なくとも前記金属箔片を沸点近傍に到達させるために必要なエネルギー密度Eth2[J/cm]以上とすることを特徴とする請求項1記載の金属微粒子の製造方法。
  4. 粒径が数十nmの金属微粒子を製造する方法であって、分散液中に分散している粒径が数百nmの金属微粒子に対し、前記金属微粒子を沸点近傍に到達させるために必要なエネルギー密度Eth2[J/cm]以上のレーザー光を照射することを特徴とする金属微粒子の製造方法。
  5. 前記分散液は、金属に対して強い電子供与性をもつ官能基を有する化合物からなる溶媒であることを特徴とする請求項1記載の金属微粒子の製造方法。
  6. 前記分散液は、鎖状又は環状ケトンからなる溶媒であることを特徴とする請求項1記載の金属微粒子の製造方法。
  7. 金属薄膜を出発材料として金属微粒子を製造する方法であって、表面に金属薄膜が形成された基板を溶媒中に浸漬させる工程と、その後前記金属薄膜に対しレーザー光を前記基板の表面又は裏面から直接照射する工程とを含むことを特徴とする金属微粒子の製造方法。
  8. 金属箔片又は金属薄膜に対し、水・アルコール系溶媒・疎水性溶媒・鎖状又は環状ケトンからなる溶媒等の分散液中においてレーザー光を照射して得られる金属微粒子であって、粒径が数nm乃至数百nmの球形金属微粒子。
  9. 粒径が数十nm乃至数百nmの金属微粒子に対し、水・アルコール系溶媒・疎水性溶媒・鎖状又は環状ケトンからなる溶媒等の分散液中においてレーザー光を照射して得られる金属微粒子であって、粒径が数nm乃至数十nmの球形金属微粒子。
  10. アセトンその他のケトン類を含む分散液中に保存された金属微粒子であって、前記金属微粒子は、粒径が1nm以上1μm未満であることを特徴とする球形金属微粒子。
  11. 粒径が1nm以上1μm未満の球形金属微粒子を製造及び保存するために用いられる分散液であって、前記分散液は、アセトンその他のケトン類を主成分とし、界面活性剤その他の保護剤を含まないことを特徴とする、金属微粒子分散液。
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