JPWO2006025408A1 - 露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

投影光学系で生ずる非回転対称な収差成分を効率的に補正することができる露光装置等を提供する。投影光学系(PL)の動的な非回転対称な光学特性を調整する調整機構(40など)、及び投影光学系(PL)の静的な非回転対称な光学特性を調整する調整機構(22など)が搭載されている。また、主制御系(20)は、投影光学系(PL)の像面に共役な面の露光光(IL)の断面形状及び大きさに応じて投影光学系(PL)の光学特性を調整する調整機構(40など)の調整量を変更する。

Description

本発明は、マスクのパターンを投影光学系を介して基板上に転写する露光装置、及び当該露光装置を用いてデバイスを製造するデバイス製造方法に関する。
本願は、2004年8月31日に出願された特願2004−251877号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
半導体素子、液晶表示素子、撮像装置(CCD(Charge Coupled Device)等)、薄膜磁気ヘッド等のデバイスを製造する際に、マスクとしてのレチクルのパターンを基板としてのフォトレジストが塗布されたウェハ(又はガラスプレート等)上の各ショット領域に転写するために、ステッパ等の投影露光装置が使用されている。投影露光装置においては、露光光の照射量や周囲の気圧変化等によって、投影光学系の結像特性が変化する。このため、結像特性を所望の状態に維持するために、投影露光装置には、例えば投影光学系を構成する一部の光学部材の位置又は姿勢(傾き)を制御することによって、その結像特性を補正する結像特性補正機構が設けられている。従来の結像特性補正機構によって補正することができる結像特性は、歪曲収差や倍率等の回転対称の低い次数の成分である。
ところで、近年の露光装置においては、特定のパターンに対する解像度を高めるために、所謂輪帯照明、4極照明(照明光学系の瞳面上の4箇所の領域を2次光源とする照明法)などの、照明光学系の瞳面上の光軸を含む領域を露光光が通過しない照明条件が用いられる機会が多くなっている。かかる照明条件を用いるときには、投影光学系中の瞳面付近の光学部材は、ほぼ中抜けの状態で露光光が照明されることになる。また、投影光学系を大型化することなく、転写できるパターンの面積を大きくするため、最近ではスキャニングステッパ等の走査露光型の投影露光装置も多用されている。走査露光型の場合、レチクルは走査方向を短辺方向とする、例えば長方形状の照明領域で照明されるため、投影光学系中のレチクル及びウェハに近い光学部材は、主に非回転対称な領域が露光光に照明されることになる。
このような露光装置においては、投影光学系の結像特性中の高次の球面収差等の高次成分の変動や非回転対称な収差の変動が生じる虞があるため、このような収差変動を抑えるようにした投影露光装置が以下の特許文献1,特許文献2で提案されている。
特開平10−64790号公報 特開平10−50585号公報
ところで、最近においては、例えば所定のライン・アンド・スペースパターンを主に含むレチクルパターンを転写するような場合に、照明光学系の瞳面上の光軸を挟む2つの領域のみを2次光源とするダイポール照明(2極照明)が用いられることがある。このダイポール照明は4極照明に比べて光量分布が大きく非回転対称になっているため、投影像に非回転対称な収差成分である光軸上での非点収差(以下、「センターアスティグマティズム」という)が発生する。また、ダイポール照明によってセンターアスティグマティズム以外の非回転対称な収差変動も生じる。
更に、近年においては、1台の露光装置で形状及び大きさが異なるデバイスが製造されることが多くなってきており、レチクル上の照明領域の大きさ及び形状を大幅に変化させて露光処理が行われる機会が増大しており、レチクル上における照明領域の大きさ及び形状によっては投影光学系の光学特性が所定の許容範囲を超えてしまう事態が発生する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、投影光学系の光学特性を所望の状態に維持できる露光装置、及び当該露光装置を用いたデバイス製造方法を提供することを目的とする。特に、投影光学系で生ずる非回転対称な収差成分を効率的に補正することができる露光装置、及び当該露光装置を用いてデバイスを製造するデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、実施の形態に示す各図に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
上記課題を解決するために、本発明の露光装置は、照明光(IL)をマスク(R)に照射する照明光学系(ILS)と、前記マスクのパターンの像を基板(W)上に投影する投影光学系(PL)とを備える露光装置において、前記投影光学系の光学特性を調整する調整装置(14、22、40)と、前記投影光学系の像面との共役面における前記照明光の断面形状及び大きさの少なくとも一方を設定する設定装置(9)と、前記設定装置によって設定された前記照明光の断面形状及び大きさに応じて、前記調整装置による前記投影光学系の光学特性の調整を制御する制御装置(20)とを備えることを特徴としている。
この発明によると、投影光学系の像面との共役面における前記照明光の断面形状及び大きさに応じて投影光学系の光学特性の調整が行われる。
また、上記課題を解決するために、本発明の露光装置は、照明光(IL)をマスク(R)に照射する照明光学系(ILS)と、前記マスクのパターンの像を基板(W)上に投影する投影光学系(PL)とを備える露光装置において、前記投影光学系における非回転対称の静的な光学特性を調整する第1調整機構(22)と、前記投影光学系における非回転対称の動的な光学特性を調整する第2調整機構(40)とを備えることを特徴としている。
この発明によると、第1調整機構により投影光学系における非回転対称の静的な光学特性が調整されるとともに、第2調整機構により投影光学系における非回転対称の動的な光学特性が調整される。
本発明のデバイス製造方法は、上記の露光装置を用いてデバイスのパターンを物体(W)上に転写する工程(S46)を含むことを特徴としている。
本発明によれば、投影光学系の光学特性を所望状態に維持することができる。また、投影光学系の光学特性を所望状態に維持できる露光装置を使うことによって歩留まりの高いデバイス製造を行うことができる。
本発明の一実施形態による露光装置の概略構成を示す図である。 結像特性補正機構の一例を示す図である。 調整機構の構成例を示す断面図である。 調整機構の構成例を示す上面図である。 温度調整器の他の構成例を示す図である。 熱輸送機構を用いた温度調整器の構成例を示す図である。 投影光学系の一部を断面とした正面図である。 投影光学系の一部を断面とした正面図である。 ダイポール照明を行った際に生ずるレンズの形状変化を説明するための図である。 ダイポール照明を行った際に生ずるレンズの形状変化を説明するための図である。 ダイポール照明を行った際に生ずるレンズの形状変化を説明するための図である。 ダイポール照明を行った際に生ずるレンズの形状変化を説明するための図である。 ダイポール照明を行った際に生ずるレンズの形状変化を説明するための図である。 ダイポール照明を行った際に生ずるレンズの形状変化を説明するための図である。 ダイポール照明により生ずるセンターアスティグマティズムを示す図である。 非露光光照射機構を用いた投影光学系の非回転対称な収差の補正方法の一例を説明するための図である。 非露光光照射機構を用いた投影光学系の非回転対称な収差の補正方法の一例を説明するための図である。 主制御系の内部構成、及び主制御系と各種信号の授受を行う装置を示すブロック図である。 フォーカス変動量についての代表的な伝達関数を示す図である。 メモリに記憶されたテーブルの一例を説明するための図である。 マイクロデバイスとしての半導体素子を製造する製造工程の一部を示すフローチャートである。 図14のステップS13の詳細なフローの一例を示す図である。
符号の説明
9 視野絞り 14 結像特性補正機構 20 主制御系 22 調整機構 37 メモリ 40 非露光光照射機構 IL 露光光(照明光) ILS照明光学系 PL 投影光学系 R レチクル(マスク) W ウェハ(基板、物体)
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
〔露光装置〕
図1は、本発明の一実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。図1に示す露光装置は、投影光学系PLに対してマスクとしてのレチクルRと基板としてのウェハWとを相対的に移動させつつ、レチクルRに形成されたパターンをウェハWに逐次転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の露光装置である。
尚、以下の説明においては、必要であれば図中にXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。図1に示すXYZ直交座標系は、X軸及びY軸がウェハW表面に対してほぼ平行となるよう設定され、Z軸がウェハW表面に対してほぼ直交する方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直方向に設定される。また、本実施形態ではレチクルR及びウェハWを同期移動させる方向(走査方向)をY方向に設定している。
図1に示す露光装置は、露光光源1、照明光学系ILS、レチクルステージRST、投影光学系PL、ウェハステージWST、及び主制御系20を含む。露光光源1は、例えばKrFエキシマレーザ光源(波長247nm)である。尚、露光光源1としては、ArFエキシマレーザ光源(波長193nm)、Fレーザ光源(波長157nm)、Krレーザ光源(波長146nm)、Arレーザ光源(波長126nm)等の紫外レーザ光源、YAGレーザの高調波発生光源、固体レーザ(半導体レーザ等)の高調波発生装置、又は水銀ランプ(i線等)等も使用することができる。
露光時に露光光源1からパルス発光された露光光ILは、不図示のビーム整形光学系等を経て断面形状が所定形状に整形されて、オプティカル・インテグレータ(ユニフォマイザ又はホモジナイザ)としての第1フライアイレンズ2に入射して、照度分布が均一化される。第1フライアイレンズ2から射出された露光光ILは、不図示のリレーレンズ及び振動ミラー3を経てオプティカル・インテグレータとしての第2フライアイレンズ4に入射して、照度分布が更に均一化される。振動ミラー3は、レーザ光である露光光ILのスペックルの低減、及びフライアイレンズによる干渉縞の低減のために使用される。尚、フライアイレンズ2,4の代わりに、回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element)又は内面反射型インテグレータ(ロッドレンズ等)等を使用することもできる。
第2フライアイレンズ4の射出側の焦点面(照明光学系ILSの瞳面)には、露光光の光量分布(2次光源)を小さい円形(小σ照明)、通常の円形、複数の偏心領域(2極及び4極照明)、並びに輪帯状等のうちの何れかに設定して照明条件を決定するための照明系開口絞り部材5が、駆動モータ5cによって回転自在に配置されている。装置全体の動作を統轄制御するコンピュータよりなる主制御系20が、駆動モータ5cを介して照明系開口絞り部材5の回転角を制御することによって照明条件を設定する。図1に示す状態では、照明系開口絞り部材5の複数の開口絞り(σ絞り)のうちの、光軸を中心として対称に2つの円形開口が形成された第1のダイポール照明(2極照明)用の開口絞り5a、及びこの開口絞り5aを90°回転した第2のダイポール照明用の開口絞り5bが図示されている。そして、第2フライアイレンズ4の射出側の焦点面には、第1のダイポール照明用の開口絞り5aが設置されている。尚、本例においては、照明系開口絞り部材5を用いて照明光学系ILSの瞳面での光量分布の調整を行っているが、米国特許6,563,567に開示されているような他の光学部材を用いて照明光学系ILSの瞳面での光量分布の調整を行ってもよい。
照明系開口絞り部材5中の開口絞り5aを通過した露光光ILは、反射率の小さいビームスプリッタ6に入射する。ビームスプリッタ6で反射された露光光は、集光レンズ(不図示)を介してインテグレータセンサ7に受光される。インテグレータセンサ7の検出信号は主制御系20に供給されおり、この検出信号に基づいて主制御系20は、露光光源1の出力を制御すると共に、必要に応じて不図示の減光機構を用いて露光光ILのパルスエネルギーを段階的に制御する。
ビームスプリッタ6を透過した露光光ILは、不図示のリレーレンズを経て視野絞り9の開口上に入射する。視野絞り9は、実際には固定視野絞り(固定ブラインド)及び可動視野絞り(可動ブラインド)から構成されている。後者の可動視野絞りは、レチクルRのパターン面(レチクル面)とほぼ共役な面に配置され、前者の固定視野絞りは、そのレチクル面との共役面から僅かにデフォーカスした面に配置されている。固定視野絞りは、レチクルR上の照明領域の形状を規定するために使用される。尚、ここでは固定視野絞りがレチクル面との共役面から僅かにデフォーカスしている場合を例に挙げて説明するが、共役面に配置されていても良い。可動視野絞りは、露光対象の各ショット領域への走査露光の開始時及び終了時に不要な部分への露光が行われないように、レチクルR(又は、ウェハW)と同期して動き、その照明領域を遮るために使用される。固定視野絞りは、レチクルR(又は、ウェハW)に同期して動かないけれども、必要に応じて照明領域の走査方向及び非走査方向の中心及び幅を規定するためにも使用される。主制御系20が固定視野絞り及び可動視野絞りの動作を制御する。
視野絞り9の開口を通過した露光光ILは、不図示のコンデンサレンズ、光路折り曲げ用のミラー10、及びコンデンサレンズ11を経て、レチクルRのレチクル面の照明領域を均一な照度分布で照明する。視野絞り9(固定視野絞り)の開口の通常の形状は、縦横比が1:3から1:4程度の長方形である。従って、視野絞り9の開口とほぼ共役なレチクルR上の照明領域の通常の形状も長方形である。尚、主制御系20が視野絞り9の開口の形状を変えることにより、レチクルRに照射される露光光ILの分布、即ち露光光ILの断面形状及び大きさ(投影光学系の像面との共役面における照明光の断面形状及び大きさ)が変わる。また、レチクルステージRST上のレチクルRを交換してレチクルRの周辺部の遮光領域(不要な光を遮光するために形成された領域)により規定される開口やパターンの分布(密度)が変わる場合にも投影光学系の像面との共役面における照明光の形状及び大きさが変わる。
露光光ILのもとで、レチクルRの照明領域内のパターンは、両側テレセントリックの投影光学系PLを介して投影倍率β(βは1/4,1/5等)で、フォトレジストが塗布されたウェハW上の一つのショット領域上の露光領域に投影される。その露光領域は、投影光学系PLに関してレチクルR上の照明領域と共役な長方形の領域である。ウェハWは、例えば半導体(シリコン等)又はSOI(silicon on insulator)等の直径が200〜300mm程度の円板状の基板である。
露光光ILの一部はウェハWで反射され、その反射光は投影光学系PL、レチクルR、コンデンサレンズ11、ミラー10、及び視野絞り9を順次経てビームスプリッタ6に戻り、ビームスプリッタ6で更に反射された光が集光レンズ(不図示)を介して反射量センサ(反射率モニタ)8で受光される。反射量センサ8の検出信号は主制御系20に供給されている。また、投影光学系PLの外部(例えば、投影光学系PLの±X側及び±Y側の計4箇所)には、気圧及び温度を計測するための環境センサ12が配置されており、各環境センサ12で計測された計測データも主制御系20に供給されている。
露光光源1、フライアイレンズ2,4、ミラー3,10、照明系開口絞り部材5、視野絞り9、及びコンデンサレンズ11等から照明光学系ILSが構成されている。照明光学系ILSは更に気密室としての不図示のサブチャンバに覆われている。露光光ILに対する光路空間の透過率を高く維持するために、そのサブチャンバ内及び投影光学系PLの鏡筒内には、不純物を高度に除去したドライエアー(露光光がArFエキシマレーザの場合には窒素ガス、ヘリウムガス等も使用される)が供給されている。
また、本実施形態の投影光学系PLは屈折系であり、投影光学系PLを構成する複数の光学部材は、光軸AXを中心として回転対称な石英(露光光がArFエキシマレーザの場合には蛍石等も使用される)よりなる複数のレンズ、及び石英よりなる平板状の収差補正板等を含んでいる。そして、投影光学系PLの瞳面PP(照明光学系ILSの瞳面と共役な面)には開口絞り13が配置され、その瞳面PPの近傍にレンズL1,L2が配置されている。
レンズL1には、投影光学系PLの動的な光学特性(特に、非回転対称収差)を調整するために、露光光ILとは異なる波長域の照明光が非露光光照射機構40により照射される。レンズL2は、投影光学系PLの静的な光学特性(特に、非回転対称な収差)を調整するために、調整機構22により所定の調整が施される。調整機構22及び非露光光照射機構40による投影光学系PLの光学特性の調整は、主制御系20が制御する。調整機構22及び非露光光照射機構40の詳細については後述する。また、主制御系20は制御部15を介して投影光学系PLの光学特性(特に、回転対称な収差)を調整するための結像特性補正機構14の動作を制御する。尚、投影光学系PLの静的な光学特性とは、投影光学系PLが初期状態、即ち投影光学系PLが露光光ILの照射による影響を受けていない状態での光学特性であり、投影光学系PLの動的な光学特性とは、投影光学系PLに露光光ILが照射されたことによって変化する光学特性である。
レチクルRはレチクルステージRST上に吸着保持され、レチクルステージRSTは不図示のレチクルベース上でY方向に一定速度で移動すると共に、同期誤差を補正するようにX方向、Y方向、回転方向に微動して、レチクルRの走査を行う。レチクルステージRSTのX方向、Y方向の位置及び回転角は、このレチクルステージRST上に設けられた移動鏡(不図示)及びレーザ干渉計(不図示)によって計測され、この計測値が主制御系20に供給されている。
投影光学系PLの上部側面には、レチクルRのパターン面(レチクル面)に斜めにスリット像を投影し、そのレチクル面からの反射光を受光してそのスリット像を再結像し、そのスリット像の横ずれ量からレチクル面のZ方向への変位を検出する斜入射方式のフォーカスセンサ(以下、「レチクル側AFセンサ」と言う)16が配置されている。レチクル側AFセンサ16による検出情報は、主制御系20に供給されている。また、レチクルRの周辺部の上方には、レチクルアライメント用のレチクルアライメント顕微鏡(不図示)が配置されている。
一方、ウェハWは、ウェハホルダ(不図示)を介してZチルトステージ17上に吸着保持されている。Zチルトステージ17はウェハステージWST上に固定され、ウェハステージWSTは不図示のウェハベース上でY方向に一定速度で移動可能であると共に、X方向、Y方向にステップ移動可能である。また、Zチルトステージ17は、ウェハWのZ方向の位置、及びX軸、Y軸の回りの傾斜角を制御する。ウェハステージWSTのX方向、Y方向の位置及び回転角は、レーザ干渉計(不図示)によって計測され、この計測値が主制御系20に供給されている。主制御系20は、その計測値及び各種制御情報に基づいてウェハステージWSTの位置、速度などを制御する。
投影光学系PLの下部側面には、ウェハWの表面(ウェハ面)に斜めに複数のスリット像を投影し、そのウェハ面からの反射光を受光してそれらのスリット像を再結像し、それらのスリット像の横ずれ量からウェハ面のZ方向への変位(デフォーカス量)及び傾斜角を検出する斜入射方式のフォーカスセンサ(以下、「ウェハ側AFセンサ」と言う)18が配置されている。ウェハ側AFセンサ18による検出情報は、主制御系20に供給されており、主制御系20は、レチクル側AFセンサ16及びウェハ側AFセンサ18の検出情報に基づいて、常時ウェハ面が投影光学系PLの像面に合焦されるように、Zチルトステージ17を駆動する。
また、Zチルトステージ17上のウェハWの近くには、露光光ILの露光領域の全体を覆う受光面を備えた光電センサよりなる照射量センサ19が固定され、照射量センサ19の検出信号が主制御系20に供給されている。露光開始前又は定期的に、照射量センサ19の受光面を投影光学系PLの露光領域に移動した状態で露光光ILを照射して、照射量センサ19の検出信号をインテグレータセンサ7の検出信号で除算することによって、主制御系20は、ビームスプリッタ6から照射量センサ19(ウェハW)までの光学系の透過率を算出して記憶する。また、Zチルトステージ17上には、投影光学系PLの収差を測定する収差測定装置21が設けられている。この収差測定装置21の測定結果は、主制御系20に供給されている。収差測定装置21は、例えば特開2002―14005号公報(対応米国特許公開2002/0041377号)に開示されているような空間像センサを用いることができる。
更に、ウェハステージWSTの上方には、ウェハアライメント用のオフ・アクシス方式のアライメントセンサ(不図示)が配置されており、上記のレチクルアライメント顕微鏡及びそのアライメントセンサの検出結果に基づいて、主制御系20はレチクルRのアライメント及びウェハWのアライメントを行う。露光時には、レチクルR上の照明領域に露光光ILを照射した状態で、レチクルステージRST及びウェハステージWSTを駆動して、レチクルRとウェハW上の一つのショット領域とをY方向に同期走査する動作と、ウェハステージWSTを駆動してウェハWをX方向、Y方向にステップ移動する動作とが繰り返される。この動作によって、ステップ・アンド・スキャン方式でウェハW上の各ショット領域にレチクルRのパターン像が露光される。
以上、本発明の一実施形態に係る露光装置の全体構成について説明したが、次に投影光学系PLの光学特性を調整するために設けられた結像特性補正機構14、調整機構22、及び非露光光照射機構40について順に説明する。
[結像特性補正機構14]
図2は、結像特性補正機構14の一例を示す図である。図2において、投影光学系PLの鏡筒内で、複数の光学部材中から選択された例えば5枚のレンズL11,L12,L13,L14,L15がそれぞれ3個の光軸方向に独立に伸縮自在の駆動素子14a,14b,14c,14d,14eを介して保持されている。レンズL11〜L15の前後には固定された不図示のレンズや収差補正板も配置されている。この場合、3個の駆動素子14a(図2では2個のみを図示している)は、ほぼ正3角形の頂点となる位置関係で配置されており、同様に他の3個ずつの駆動素子14b〜14eもそれぞれほぼ正三角形の頂点となる位置関係で配置されている。
伸縮自在の駆動素子14a〜14eとしては、例えばピエゾ素子のような圧電素子、磁歪素子、又は電動マイクロメータ等を使用することができる。制御部15が、主制御系20からの制御情報に基づいて駆動素子14a〜14eの伸縮量を独立に制御することによって、5枚のレンズL11〜L15のそれぞれの光軸方向の位置、及び光軸に垂直な直交する2軸の回りの傾斜角を独立に制御することができる。これによって、投影光学系PLの結像特性中の所定の回転対称な収差を補正することができる。尚、結像特性補正機構14で調整する投影光学系PLの回転対称な光学特性(収差)は、フォーカス誤差、投影倍率誤差、像面湾曲収差、歪曲収差(ディストーション)、コマ収差、球面収差のうちの少なくとも一つを含む。
例えば、レチクル又はウェハに近い位置のレンズL11,L15の光軸方向の位置や傾斜角を制御することによって、例えば歪曲収差(倍率誤差を含む)等を補正することができる。また、例えば投影光学系PLの瞳面に近い位置のレンズL13の光軸方向の位置を制御することによって、球面収差等を補正することができる。尚、図2の駆動対象のレンズL13は、図1の投影光学系PL内の収差補正用の照明光が照射されるレンズL1と同一であってもよい。
このように投影光学系PL内のレンズ等を駆動する機構については、例えば特開平4−134813号公報にも開示されている。また、投影光学系PL内の光学部材の代わりに、又はその光学部材と共に、図1のレチクルRの光軸方向の位置を制御して、所定の回転対称な収差を補正してもよい。更に、図1の結像特性補正機構14としては、例えば特開昭60−78454号公報に開示されているように、投影光学系PL内の所定の2つのレンズ間の密閉された空間内の気体の圧力を制御する機構を用いてもよい。
[調整機構22]
図3Aは、調整機構22の構成例を示す断面図であり、図3Bは、調整機構22の構成例を示す上面図である。尚、図3A及び3Bにおいては、図示を簡略化するために調整機構22の構成のみを図示しており、調整機構22以外の構成(例えば、鏡筒等)の図示は省略している。図3Aに示す通り、調整機構22は、保持部材22a、温度調整器22b、及び調整ネジ22c等を含む。
保持部材22aは、例えばアルミニウム等の熱伝導性が高い材質から形成されており、レンズL2周辺の一端に当接してレンズL2を保持するものである。温度調整器22bは、例えばヒータ等の加熱素子又はペルチェ素子等の加熱冷却素子を備えており、投影光学系PLの光学特性を調整するためにレンズL2を加熱又は冷却する。この温度調整器22bは、保持部材22a上に取り付けられており、熱伝導性の高い保持部材22aを介してレンズL2の加熱又は冷却を行う。保持部材22aを介して行われるレンズL2の温度調整は、主制御系20の制御の下で制御部23によって制御される。尚、温度調整器22bの素子をレンズL2に直接取り付けて、レンズL2の温度調整を行うようにしてもよい。
また、保持部材22aには、レンズL2に対する当接面から一側面(当接面に対向する面)に貫通するネジ穴が形成されており、このネジ穴に調整ネジ22cが嵌合される。調整ネジ22cはその軸がレンズL2の光軸に直交する面とほぼ平行となるように配置される。この調整ネジ22cは、投影光学系PLの光学特性を調整するためにレンズL2を加圧又は減圧するものである。レンズL2の中心に向かう方向に調整ネジ22cを回転させることでレンズL2を加圧する(レンズL2を押す力を高める)ことができ、逆にレンズL2の中心から周辺に向かう方向に調整ネジ22cを回転させることでレンズL2を減圧する(レンズL2を押す力を弱める若しくは無くす)ことができる。この調整ネジ22cはレンズL2を加圧するための部材であるため剛性の高い材質で形成することが望ましく、更には温度調整器22bが効率的にレンズL2を加熱又は冷却できるように、熱伝導性が高い材質で形成することが好ましい。
投影光学系PLに設けられる不図示の鏡筒には調整ネジ22cを操作するための操作穴(図示省略)が設けられており、オペレータは鏡筒の外部から鏡筒に形成された操作穴を介して調整ネジ22cを調整することができる。尚、投影光学系PLの内部は、光学特性の変動を抑えるために温調されている。このため、例えば通常は蓋等によって操作穴が塞がれており、調整ネジ22cを操作するときのみ、蓋を取り外して操作穴が現れるようにすることが望ましい。
調整機構22はレンズL2の周囲に複数設けられており、図3Bに示す例では各々がレンズL2の中心に関して45°の角度をなすように8個設けられている。図3A及び3Bに示す通り、調整機構22に設けられた温度調整器22bは制御部23に接続されており、何れの温度調整器22bを温度調整するか、及び何度に調整するかは制御部23によって制御される。
本実施形態においては、投影光学系PLの静的な光学特性(非回転対称な収差)の調整は、温度調整器22b及び調整ネジ22cの何れによっても行うことができる。温度調整器22bによる調整は、制御部23により制御できるけれども応答性が比較的遅い。これに対し、調整ネジ22cによる調整は応答性が比較的速いけれどもオペレータによる手作業が必要になる。従って、本実施形態においては調整ネジ22cによる調整は、投影光学系の製造時、又は露光装置の製造時に行われ、温度調整器22bによる調整は露光装置の定期又は不定期のメンテナンス時に投影光学系PLの静的な光学特性の経時変化を補正するために行われる。尚、本実施形態において、調整機構22は投影光学系PLの静的な非回転対称な収差を調整するものであるが、投影光学系PLの回転対称な収差の調整に用いても良い。
尚、以上の例では、調整ネジ22cによりレンズL2の周辺から中心に向かう方向に力を加えてレンズL2を加圧減圧する構成について説明したが、この構成以外に例えばレンズL2の周辺を上下方向(±Z方向)に挟み込み、この挟み込む力によってレンズL2の面内に働く応力を生じさせる機構を用いても良い。また、上記の例ではオペレータが手作業で調整ネジ22cを調整する場合を例に挙げて説明したが、調整ネジ22cを回転させるアクチュエータを設けて調整ネジ22cの回転角を制御部23を介して制御する構成にしても良い。
更に、上記の例では温度調整器22bがヒータ等の加熱素子又はペルチェ素子等の加熱冷却素子を備える場合を例に挙げたが、投影光学系PLの外部に加熱冷却源を設けるとともに、この加熱冷却源と保持部材22a又はレンズL2の端部近傍とをヒートパイプ等の熱輸送機構で接続した構成としてもよい。図4は、熱輸送機構を用いた温度調整器22bの構成例を示す図である。図4に示す通り、投影光学系PLの外部には制御部23に制御される複数の加熱冷却源24が設けられており、各々の加熱冷却源24からレンズL2の端部に向けてヒートパイプ25が配設されている。
尚、図4においては図示を簡略化しているが、加熱冷却源24及びヒートパイプ25を8個設け、ヒートパイプ25の各々の端部が図3Bと同様に、レンズL2の周囲における8箇所に配置される。以上の構成により、制御部23が加熱冷却源24を制御することで、投影光学系PLの光学特性の調整を温度調整器22bと同様に行うことができる。尚、図4においては、複数の加熱冷却源24を備える構成を例に挙げて説明したが、投影光学系PLの外部に8個のヒートパイプが接続された1つの加熱冷却源を備えた構成としても良い。かかる構成の場合には、例えば個々のヒートパイプの流路の開閉を制御してレンズL2の加熱又は冷却部位を変えるようにする。
また、本実施形態においては、レンズL2の周囲に8個の調整機構22を等間隔に設けているが、調整機構22の数や位置は任意に設定することができる。また、本実施形態においては、レンズL2の周囲の同じ位置に温度調整器22bと調整ネジ22cとを配置しているが、レンズL2の周囲の異なる位置にそれぞれを配置してもよく、それぞれの数が異なっていてもよい。更に、温度調整器22bと調整ネジ22cの一方を、投影光学系PLの瞳面近傍のレンズL2とは異なる他のレンズの周囲に配置してもよい。また、投影光学系PLの静的な光学特徴を調整するために、調整機構22は、温度調整器22bと調整ネジ22cの両方を備えているが、どちらか一方のみを備えることもできる。
[非露光光照射機構40]
次に、投影光学系PLの動的な光学特性(非回転対称収差)を調整するための非露光光照射機構40について説明する。図1に示す非露光光照射機構40は、例えばダイポール照明を行った際に投影光学系PLで生ずるセンターアスティグマティズム等の非回転対称な収差を補正するものである。投影光学系PLの非回転対称な収差を補正するために、非露光光照射機構40は、投影光学系PLの瞳面PP付近のレンズL1に露光光ILとは異なる波長域の収差補正用の照明光(以下、「非露光光」と言う)LBを照射する。
本実施形態では、非露光光LBとして、ウェハWに塗布されたフォトレジストを殆ど感光しない波長域の光を使用する。このため、非露光光LBとして、一例として炭酸ガスレーザ(COレーザ)からパルス発光される例えば波長10.6μmの赤外光を使用する。尚、COレーザとして連続光を用いてもよい。この波長10.6μmの赤外光は、石英に対する吸収性が高く、投影光学系PL中の1枚のレンズによってほぼ全て(望ましくは90%以上)吸収されるため、他のレンズに対して影響を与えることなく収差を制御するために使用し易いという利点がある。また、本実施形態のレンズL1に照射された非露光光LBは、90%以上が吸収されるように設定されている。
尚、非露光光LBとしては、上記の赤外光以外にYAGレーザ等の固体レーザ光から射出される波長1μm程度の近赤外光、又は半導体レーザから射出される波長数μm程度の赤外光等も使用することができる。即ち、非露光光LBを発生する光源は、非露光光LBが照射される光学部材(レンズ等)の材料等に応じて最適なものを採用することができる。尚、図1等において、レンズL1は凸レンズのように描かれているが、凹レンズであってもよい。
図1の非露光光照射機構40において、光源系41から射出された非露光光LBは、ミラー光学系42によって複数(本実施形態では8個)の光路及び光電センサ43に向かう一つの光路に分岐される。光電センサ43で検出される非露光光LBの光量に対応する検出信号は、光源系41にフィードバックされている。また、その複数の光路の内の2つの光路の非露光光LBが、投影光学系PLをX方向に挟むように配置された2つの照射機構44a,44bを介してそれぞれ非露光光LBa,LBbとしてレンズL1に照射される。
図5は、非露光光照射機構40の詳細な構成例を示す上面図である。図5において、図1の光源系41は、光源41a及び制御部41bから構成されている。光源41aから射出された非露光光LBは、それぞれ非露光光LBの光路を90°折り曲げる状態(閉じた状態)と非露光光LBをそのまま通過させる状態(開いた状態)との何れかに高速に切り換えることができる可動ミラーとしてのガルバノミラー45g,45c,45e,45a,45h,45d,45f,45bを経て光電センサ43に入射し、光電センサ43の検出信号が制御部41bに供給されている。ガルバノミラー45a〜45hが図1のミラー光学系42に対応する。制御部41bは、主制御系20からの制御情報に応じて光源41aの発光のタイミング、出力、及びガルバノミラー45a〜45hの開閉を制御する。
また、8個のガルバノミラー45a〜45hで順次光路が折り曲げられた非露光光LBは、それぞれ光ファイバー束46a〜46h(又は金属管等も使用できる)を介して照射機構44a〜44hに導かれている。8個の照射機構44a〜44hは同一構成であり、その内の照射機構44a,44bは、集光レンズ47と、所定の低い反射率を有するビームスプリッタ48と、光ファイバー束又はリレーレンズ系等からなる光ガイド部49と、集光レンズ51と、集光レンズ47及び光ガイド部49をビームスプリッタ48に固定する保持枠50とを備えている。
非露光光LBは、照射機構44a,44bからそれぞれ非露光光LBa,LBbとして投影光学系PL内のレンズL1に照射される。この場合、第1の一対の照射機構44a,44bと、第2の一対の照射機構44c,44dとは、それぞれ投影光学系PLをX方向及びY方向に挟むように対向して配置されている。そして、第3の一対の照射機構44e,44fと、第4の一対の照射機構44g,44hとは、それぞれ照射機構44a,44bと照射機構44c,44dとを投影光学系PLの光軸を中心として時計回りに45°回転した角度で配置されている。そして、非露光光LBは、照射機構44c〜44hからそれぞれ非露光光LBc〜LBhとして投影光学系PL内のレンズL1に照射される。尚、非露光光LBa〜LBhが照射される光学部材、並びにその光学部材上での非露光光LBa〜LBhの照射領域の位置、形状及びサイズは、実験やシミュレーションによりできるだけ非回転対称な収差(センターアスティグマティズムなど)が低減されるように決定される。
また、照射機構44a〜44hの各ビームスプリッタ48で反射された一部の非露光光をそれぞれ受光する光電センサ52a〜52hが設けられており、8個の光電センサ52a〜52hの検出信号も制御部41bに供給されている。制御部41bは、光電センサ52a〜52hの検出信号によって、照射機構44a〜44hから投影光学系PL内のレンズL1に照射される直前の非露光光LBa〜LBhの光量を正確にモニタすることができ、このモニタ結果に基づいて非露光光LBa〜LBhの照射量の各々が例えば主制御系20によって指示された値に制御される。投影光学系PLの直前で、光電センサ52a〜52hによって非露光光LBの照射量を計測することによって、光ファイバー束46a〜46hの長さ(光路長)が様々であっても、更に光学系等の経時変化の影響を受けることなく、レンズL1に照射される非露光光LBa〜LBhの照射量を正確にモニタできる。
図6A及び6Bは、投影光学系PLの一部を断面とした正面図である。図6Aに示す通り、照射機構44a,44bは、それぞれ投影光学系PLの鏡筒のフランジ部F内に設けられた開口Fa,Fb内に、レンズL1に向かって僅かに斜め下方に傾斜するように配置されている。そして、照射機構44a,44bから射出される非露光光LBa,LBbは、露光光ILの光路に斜めに交差する方向にレンズL1に入射する。図5の他の照射機構44c〜44hも同様に、図6Aのフランジ部F内の開口に同じ傾斜角で配置されており、それらからの非露光光LBc〜LBhも露光光ILの光路に斜めに交差する方向にレンズL1に入射する。
これによって、非露光光LBa〜LBhのレンズL1内での光路が長くなり、非露光光LBa〜LBhはレンズL1内で殆どが吸収されると共に、投影光学系PLから殆ど射出されなくなる。また、投影光学系PLの一部の光学部材(レンズL1)のレンズ面、即ち露光光ILが入射(あるいは射出)し得る領域に、投影光学系PLの他の光学部材を介さずに非露光光LBを照射しているので、レンズL1の温度分布を効率的に調整することができ、その結果、投影光学系PLの非回転対称な収差を短時間で精度良く調整できる。
尚、図6Bは図6Aの変形例であり、この図6Bに示す通り、照射機構44a,44b(他の照射機構44c〜44hも同様)を、それぞれ投影光学系PLの鏡筒のフランジ部F内に設けられた開口Fc,Fd内に、レンズL1に向かって僅かに斜め上方に傾斜するように配置して、非露光光LBa,LBbでレンズL1の底面を照明してもよい。この場合には、非露光光LBa〜LBhの投影光学系PLのウェハW側から漏れ出る量を更に低減することができる。
図5に戻り、光源41a、制御部41b、ガルバノミラー45a〜45h、光ファイバー束46a〜46h、照射機構44a〜44h、及び光電センサ52a〜52hなどから非露光光照射機構40が構成されている。そして、例えば2つのX方向の非露光光LBa,LBbのみをレンズL1に照射する場合には、ガルバノミラー45a〜45hを全部開いた状態(非露光光LBを通過させる状態)から、ガルバノミラー45aを所定時間だけ閉じる動作(非露光光LBを反射する状態)とガルバノミラー45bを所定時間だけ閉じる動作とを交互に繰り返せばよい。収差への影響が無い十分短い時間(例えば1msec)でガルバノミラーを切り換えることにより、収差への影響を無くすことができる。また、非露光光LBはパルス光であるため、ガルバノミラー45a〜45hの開閉動作は所定パルス数を単位として行ってもよい。同様に、2つのY方向の非露光光LBc,LBdのみをレンズL1に照射する場合には、ガルバノミラー45cを所定時間だけ閉じる動作とガルバノミラー45dを所定時間だけ閉じる動作とを交互に繰り返せばよい。このようにガルバノミラー45a〜45hを用いることによって、非露光光LBの光量損失が殆ど無い状態でレンズL1に効率的に照射することができる。
尚、図5の構成例では、レンズL1上の8箇所の領域を非露光光LBで照明できるようにしているが、例えばレンズL1上のX方向及びY方向の4箇所の領域のみを非露光光LBで照明できるようにしても、通常の用途で発生する殆どの収差を補正することができる。また、ガルバノミラー45a〜45hを用いる代わりに、例えば固定のミラー及びビームスプリッタを組み合わせて非露光光LBを8個の光束に分岐し、これらの光束の光路をシャッタを用いて開閉してもよい。この構成では、複数箇所を同時に非露光光LBで照射することができる。更に、光源として例えば炭酸ガスレーザ又は半導体レーザを用いる場合には、レンズL1上で必要な照射領域の個数(図5では8個)だけその光源を用意し、それらの光源の発光のオン・オフ若しくはシャッタによってレンズL1上の照射領域を直接制御してもよい。以上説明した通り、非露光光照射機構40は露光光ILを投影光学系PLに照射したときに生ずる投影光学系PLの非回転対称な収差(動的な光学特性)を調整することができる。
以上、投影光学系PLの光学特性を調整するために設けられた結像特性補正機構14、調整機構22、及び非露光光照射機構40について説明したが、次にこれらを用いて投影光学系PLの光学特性を調整する方法について説明する。尚、結像特性補正機構14を用いて投影光学系PLの光学特性を調整する方法については、例えば前述した特開平4−134813号公報にも開示されているため、ここでは調整機構22及び非露光光照射機構40により投影光学系PLの光学特性が調整される方法について説明する。
〔非回転対称な収差成分の補正方法〕
照明系開口絞り部材5による照明条件の変更や、視野絞り9によるレチクルR上の照明領域の形状及び大きさの変更等が行われると、投影光学系PLに非回転対称な収差成分が発生する可能性がある。ここでは、ダイポール照明を行った際に投影光学系で生ずる非回転対称な収差成分の調整について説明する。
図7A、7B、7C、8A、及び8Bは、ダイポール照明を行った際に生ずるレンズの形状変化を説明するための図である。まず、X方向に対応する方向に離れた2つの開口を持つ開口絞り5aが第2フライアイレンズ4の射出側の焦点面に配置される場合には、レチクルRに形成されている主な転写用のパターンは、一例として図7Aに拡大して示す通り、Y方向に細長いラインパターンをX方向(非走査方向)にほぼ投影光学系PLの解像限界に近いピッチで配列してなるX方向のライン・アンド・スペースパターン(以下、「L&Sパターン」と言う)PVである。この際に、レチクルR上には通常、L&SパターンPVよりも大きい配列ピッチで配列方向がX方向及びY方向(走査方向)の別の複数のL&Sパターン等も形成されている。
開口絞り5aを用いるX方向のダイポール照明では、レチクルが無いものとすると、図7Bに示す通り、投影光学系PLの瞳面PPにおいて、光軸AXを挟んでX方向に対称な2つの円形領域IRxを露光光ILが照明する。また、露光光ILの光路に種々のレチクルパターンが配置された場合にも、通常は0次光の光量が回折光の光量に比べてかなり大きいと共に、回折角も小さいため、露光光IL(結像光束)の大部分は円形領域IRx又はその近傍を通過する。従って、露光を継続すると、その瞳面PP近傍のレンズL1の温度分布は、光軸をX方向に挟む2つの円形領域IRxで最も高くなり、その周辺の領域に向かって次第に低くなる分布となり、この温度分布に応じてレンズL1は熱膨張(熱変形)する。
この場合、レンズL1をY方向及びX方向に見て変化を誇張した側面図はそれぞれ図7C及び7Dのようになる。これらの図において、露光光吸収前のレンズL1の面形状を面Aとすると、露光光吸収後の熱膨張した面Bは、X軸に沿った方向(図7C)では、広い範囲に亘って光軸を挟む2つの凸部ができるために屈折力が低下し、Y軸に沿った方向(図7D)では局所的に中央部に1つの凸部ができるため屈折力が増加する。このように、X方向とY方向との屈折力に差が生ずるとセンターアスティグマティズムなどの非回転対称な収差が生ずる。図9は、ダイポール照明により生ずるセンターアスティグマティズムを示す図である。図9に示す通り、投影光学系PLの像面は、X方向に開いた光束に対しては屈折力が低下するために下方(−Z方向)の像面IVとなり、Y方向に開いた光束に対しては屈折力が増加するために上方(+Z方向)の像面IHとなる。従って、光軸上での非点収差であるセンターアスティグマティズムΔZが発生する。
センターアスティグマティズムが生じている状態で、仮にレチクルR上にX方向のL&SパターンPVの他に、Y方向に所定ピッチ(このピッチは通常はL&SパターンPVのピッチよりも大きい)で配列されたY方向のL&Sパターン(図示省略)が形成されているものとすると、X方向のL&SパターンPVを通過した露光光はX方向に拡がり、Y方向のL&Sパターンを通過した露光光はY方向に拡がる。従って、X方向のL&SパターンPVの像は図9の下方の像面IVに形成され、Y方向のL&Sパターンの像は図9の上方の像面IHに形成されるため、仮にウェハ面を像面IVに合わせ込むと、X方向のL&SパターンPVの像は高解像度で転写されるが、Y方向のL&Sパターンの像にはデフォーカスによるぼけが発生してしまう。
一方、図8Aに拡大して示す通り、レチクルR上に主にX方向に細長いラインパターンをY方向(走査方向)にほぼ投影光学系PLの解像限界に近いピッチで配列してなるY方向のL&SパターンPHが形成されているものとする。この場合には、図1の照明光学系ILSの瞳面には開口絞り5aを90°回転した形状の開口絞り5bが設定される。この開口絞り5bを用いるY方向のダイポール照明では、レチクルが無いものとすると、図8Bに示す通り、投影光学系PLの瞳面PPにおいて、光軸AXを挟んでY方向に対称な2つの円形領域IRyを露光光ILが照明する。この際に、露光光ILの光路に種々のレチクルパターンが配置されても、通常は大部分の露光光IL(結像光束)は円形領域IRy及びその近傍を通過する。そして、露光光ILの光路中に図8AのレチクルRが配置されると、解像限界に近いピッチのL&SパターンPHからの±1次回折光もほぼ円形領域IRy又はその近傍を通過するため、そのL&SパターンPHの像は高解像度でウェハW上に投影される。
この場合、図1の投影光学系PLの瞳面PPの近傍のレンズL1に入射する露光光ILの光量分布もほぼ図8Bの光量分布になる。従って、露光を継続すると、その瞳面PP近傍のレンズL1の温度分布は、光軸をY方向に挟む2つの円形領域IRyで最も高くなり、その周辺の領域に向かって次第に低くなる分布となり、その分布に応じてレンズL1は熱膨張する。そのため、投影光学系PLの像面は、図7A、7B及び7Cの場合とはほぼ逆に、X方向に開いた光束に対しては屈折力が増加するために上方の像面IHの近傍となり、Y方向に開いた光束に対しては屈折力が低下するために下方の像面IVの近傍となり、図9の場合と逆符号でほぼ同じ大きさのセンターアスティグマティズムが発生する。尚、レチクルRがX方向(非走査方向)を長手方向とする長方形の照明領域で照明されているため、その照明領域に起因するセンターアスティグマティズムも図9のセンターアスティグマティズムと同じ符号で常に僅かに発生している。これに対して、図8Bのダイポール照明で発生するセンターアスティグマティズムは、その長方形の照明領域に起因するセンターアスティグマティズムとは符号が逆になり、全体としてのセンターアスティグマティズムは図7Bのダイポール照明を用いる場合よりも僅かに小さくなる。
これらのセンターアスティグマティズムは、非回転対称な収差であると共に、ダイポール照明によって他の非回転対称な収差(例えば、投影光学系PLの光軸に垂直な面内で直交する二方向の投影倍率差(XY倍率差))も発生するが、これらの非回転対称な収差は、図1の結像特性補正機構14では実質的に補正できない。本実施形態においては、露光光ILの照射によって生じる投影光学系PLの動的な非回転対称な収差を補正するために、非露光光照射機構40が設けられている。
図10A及び10Bは、非露光光照射機構を用いた投影光学系の非回転対称な収差の補正方法の一例を説明するための図である。図7Bに示す通り、投影光学系PLの瞳面PP上で光軸AXをX方向に対称に挟む2つの円形領域IRxに露光光ILが照射される場合には、レンズL1上の光軸AXをX方向に対称に挟む領域IRx及びその近傍の領域に露光光ILが照射される。図10Aに示す通り、本実施形態では、ほぼその領域IRxを光軸AXの回りに90°回転した領域である、レンズL1上でほぼ光軸AXをY方向に対称に挟む円形領域LRc,LRdにそれぞれ図5に示した非露光光LBc,LBdをそれぞれ照射する。尚、その非露光光LBc,LBd(他の非露光光も同様)の照射領域の形状やサイズは、例えば、図5において照射機構44c,44d内での集光レンズ51の位置を光軸方向に可動とすることによって変えることも可能である。
露光光ILの照射領域を90°回転した領域を非露光光LBc,LBdで照射することにより、レンズL1の温度分布は領域IRx及び領域LRc,LRdで高くなり、それから離れるに従って次第に低くなる分布となる。図10A及び10Bにおいて、X軸及びY軸の原点を光軸AXとすると、レンズL1の光軸AX及びX軸を含む面内の非走査方向に沿った断面図、及び光軸AX及びY軸を含む面内の走査方向に沿った断面図は共に図10Bに誇張して示す通りになる。図10Bに示す通り、レンズL1の熱膨張の様子は、非走査方向及び走査方向共にその断面形状がほぼ中央部及びその左右で膨張した形状に近くなり、屈折率分布も中央部及びその左右でそれ以外の領域よりも大きく変化する。この結果、露光光ILのみを照明した場合の図7C及び7Dの変形と比べて、露光光IL及び非露光光LBc,LBdを照射したレンズL1の変形の状態は、非走査方向及び走査方向で似た状態となるため、X方向及びY方向に開いた光束に対するフォーカス位置は互いにほぼ等しくなり、センターアスティグマティズムは殆ど発生しなくなる。つまり、非回転対称な収差が回転対称な収差に変更されることになる。回転対称な収差は、図2に示す結像特性補正機構14で補正することができるため、投影光学系PLの結像特性を厳密に制御することができる。
尚、非露光光を照射するレンズは、レンズL1のように照明光学系ILSの瞳面と共役な投影光学系PLの瞳面の近傍のレンズとすると、センターアスティグマティズムの補正効果が大きくなる。このとき、瞳面近傍の複数のレンズに非露光光を照射してもよい。更に、照射対象の光学部材(L1)上で、露光光IL及び非露光光LBを合わせた照射領域ができるだけ回転対称に近い方が効果的である。但し、投影光学系PL中のどの位置の光学部材(レンズ等)に非露光光を照射しても、その照射量を制御することによって、ほぼ所望の範囲でセンターアスティグマティズムの補正効果を得ることができる。また、露光光と共に非露光光LBをレンズL1に照射することによって、センターアスティグマティズム以外の非回転対称な収差も減少する。以上、ダイポール照明を行ったときに生じる非回転対称な収差を補正する方法について述べたが、ダイポール照明に限らず、照明系開口絞り部材5の設定を変更して、他の照明条件でレチクルRを照明する場合にも非回転対称な収差が生じ得る。
また、照明系開口絞り5aの変更以外に、視野絞り9によりレチクルR上の照明領域の位置、形状、及び大きさを変更して投影光学系PLの像面と共役な面における露光光ILの位置、断面形状、及び大きさが変更された場合にも非回転対称な収差が生ずることがある。また、レチクルRの開口の位置、形状、大きさやレチクルRのパターンの分布(密度)が変わった場合にも、投影光学系PLの像面と共役な面において露光光ILの分布が変わり、非回転対称な収差が生ずることがある。かかる収差も上記の非露光光照射機構40で補正することができる。即ち、本実施形態においては、投影光学系PLの初期状態における静的な光学特性(非回転対称な光学特性)を調整機構22を使って調整するとともに、露光光ILの照射に起因する投影光学系PLの動的な光学特性(非回転対称な収差)を、照明系開口絞り部材5で規定される照明条件や投影光学系PLの像面と共役な面における露光光ILの分布等に応じて、非露光光照射機構40を使って調整する。
〔主制御系の内部構成〕
図11は、主制御系20の内部構成、及び主制御系20と各種信号の授受を行う装置を示すブロック図である。図3A及び3Bに示す通り主制御系20は、結像特性演算部31、結像特性制御部32、露光量制御部33、ステージ制御部34、Zチルトステージ制御部35、コントローラ36、及びメモリ37を含んで構成される。結像特性演算部31は、インテグレータセンサ7及び反射量センサ8の検出信号を用いて、レチクルRから投影光学系PLに入射する露光光ILの積算エネルギー、及びウェハWで反射されて投影光学系PLに戻る露光光ILの積算エネルギーを算出する。
この結像特性演算部31には、コントローラ36から露光中の照明条件の情報、視野絞り9の開口の形状及び大きさを示す情報、更にはレチクルRの特性(開口の大きさやパターン分布)を示す情報も供給されている。また、結像特性演算部31は、照明条件、露光光ILの積算エネルギー、及び環境センサ12から供給される周囲の気圧、温度等の情報を用いて、投影光学系PLの結像特性中の回転対称な収差成分及び非回転対称な収差成分の変動量を算出する。ここで、結像特性演算部31が投影光学系PLの結像特性中の非回転対称な収差成分の変動量を算出する場合には、コントローラ36によってメモリ37から読み出された伝達関数(詳細は後述する)を用いて算出する。
結像特性制御部32は、結像特性演算部31で算出された投影光学系PLの動的な収差成分の変動量に基づいて、制御部15を介して結像特性補正機構14及び非露光光照射機構40の動作を制御することにより、投影光学系PLの光学特性を所望の状態に調整する。ここで、結像特性補正機構14により投影光学系PLの結像特性を補正する場合には、主制御系20内の結像特性制御部32からの制御情報に基づいて、制御部15が3個ずつの駆動素子14a〜14eの伸縮量を独立に制御することによって、5枚のレンズL11〜L15のそれぞれの光軸方向の位置、及び光軸に垂直な直交する2軸の回りの傾斜角を独立に制御する。これによって、投影光学系PLの結像特性中の所定の回転対称な収差が補正される。
また、非露光光照射機構40により投影光学系PLの光学特性を調整する場合には、レンズL1に対する非露光光LBa〜LBhの照射又は非照射を制御する。非露光光照射機構40の制御によって、投影光学系PLの結像特性中の所定の非回転対称な収差が補正される。
露光量制御部33は、インテグレータセンサ7の検出信号と予め計測されているビームスプリッタ6からウェハWまでの光学系の透過率とを用いてウェハW上での露光エネルギーを間接的に算出する。ここで、ビームスプリッタ6からウェハWまでの光学系の透過率は、露光開始前又は定期的に、照射量センサ19の受光面を投影光学系PLの露光領域に移動した状態で露光光ILを照射して、照射量センサ19の検出信号をインテグレータセンサ7の検出信号で除算することによって求める。また、露光量制御部33は、ウェハW上での積算露光エネルギーが目標範囲内に収まるように、露光光源1の出力を制御すると共に、必要に応じて不図示の減光機構を用いて露光光ILのパルスエネルギーを段階的に制御する。また、コントローラ36からの制御信号により照明系開口絞り部材5を回転駆動する駆動モータ5cの回転角度を制御し、更に視野絞り9の開口の大きさを制御する。
ステージ制御部34は、レチクルステージRST上に設けられた不図示のレーザ干渉計の計測値と各種制御情報とに基づいて、レチクルステージRSTの位置及び速度を制御する。また、ウェハステージWST上に設けられた不図示のレーザ干渉計の計測値と各種制御情報とに基づいて、ウェハステージWSTの位置及び速度を制御する。また、Zチルトステージ制御部35は、レチクル側AFセンサ16及びウェハ側AFセンサ18の検出情報に基づいて、常時ウェハ面が投影光学系PLの像面に合焦されるように、Zチルトステージ17を駆動する。
コントローラ36は、結像特性演算部31、結像特性制御部32、露光量制御部33、ステージ制御部34、及びZチルトステージ制御部35を制御することで、露光装置の全体的な動作を制御する。メモリ37は、投影光学系PLに入射する光のエネルギーと投影光学系PLの光学特性の変動量との関係を示す伝達関数を記憶している。
メモリ37に記憶される伝達関数の一般式は、例えば以下の(1)式で表される。

但し、
F :露光光吸収によるフォーカス変化量
Δt:露光光吸収によるフォーカス変化量の計算間隔
:露光光吸収によるフォーカス変化時定数
:露光光吸収による時刻Δt前のフォーカス変化時定数
:露光光吸収に対するフォーカス変化率の時定数
:ウェハ反射率
α :ウェハ反射率依存性
Q :露光光の入射エネルギー
上記(1)に示す伝達関数は、投影光学系PLに露光光ILを照射したときのフォーカス変動量を示す伝達関数である。照明系開口絞り部材5で規定される照明条件、投影光学系PLの像面の共役面における露光光ILの断面形状及び大きさ等に応じて上記(1)式中の変数Qを変えることにより、投影光学系PLのフォーカス変動量を求めることができる。図12は、フォーカス変動量についての代表的な伝達関数を示す図である。図12に示す通り、フォーカス変動量は、露光光ILの照射開始とともに大きく変動するが、露光光ILの照射時間が長くなるにつれて徐々に変動量の変化率が小さくなってある変動量に漸近する変化を示す。ここでは、フォーカス変動量についての伝達関数について説明したが、倍率等の回転対称な収差及びセンターアスティグマティズム等の非回転対称な収差についても同様の伝達関数を使ってそれぞれの変動量を求めることができる。
次に、以上説明した露光装置によりウェハWを露光する際の動作の一例について説明する。尚、投影光学系PLの静的な光学特性(非回転対称な収差)は、調整機構22の温度調整器22bと調整ネジ22cの少なくとも一方を用いて所定の許容範囲内に既に調整されている。この場合、収差測定装置21等を用いて投影光学系PLの静的な光学特性を測定し、その結果に基づいて調整機構22による調整を行うことができる。露光動作が開始されると、まず主制御系20内のコントローラ36は露光量制御部33に制御信号を出力し、モータ5cを駆動させて照明系開口絞り部材5に形成された開口絞りの何れかを第2フライアイレンズ4の射出側の焦点面に配置させるとともに、視野絞り9を駆動して開口の形状及び大きさを設定する。ここでは、第2フライアイレンズ4の射出側の焦点面に開口絞り5aが配置されるとする。これにより、照明条件とレチクルR上における照明領域の形状及び大きさとが設定される。これと同時に、コントローラ36は、結像特性演算部31に対して設定した照明条件の情報、視野絞り9の開口の形状及び大きさを示す情報、及びレチクルRの特性を示す情報を出力する。
次に、照射量センサ19の受光面が投影光学系PLの露光領域に配置されている状態で、露光量制御部33が露光光源1に制御信号を出力して露光光ILを射出させ、照射量センサ19の検出信号とインテグレータセンサ7の検出信号を得て、これらの検出信号からビームスプリッタ6からウェハWまでの光学系の透過率を求める。次いで、コントローラ36は不図示のレチクルローダに制御信号を出力して所定のレチクルRを搬送させてレチクルステージRST上に保持させるとともに、不図示のウェハローダに制御信号を出力してウェハWを搬送させてウェハステージWST上に保持させる。
以上の初期処理が終了すると、ステージ制御部34がレチクルステージRST及びウェハステージWSTの各々に制御信号を出力し、例えばレチクルステージRSTの+Y方向への加速を開始するとともに、ウェハステージWSTの−Y方向への加速を開始する。レチクルステージRST及びウェハステージWSTの加速を開始してから所定時間経過し、これらのステージの各々が一定速度になると、コントローラ36が露光量制御部33を制御して露光光源1から露光光ILを射出させる。
露光光源1から射出された露光光は、第1フライアイレンズ2、振動ミラー3、及び第2フライアイレンズ4等を順次介した後で照明系開口絞り部材5に形成された開口絞り5aを透過する。開口絞り5aを透過した露光光ILは、ビームスプリッタ6を介して視野絞り9でスリット状に整形され、ミラー10によって−Z方向に偏向された後、コンデンサレンズ11を介してレチクルR上に照射される。露光光ILは開口絞り5aによって整形されており、レチクルR上の照射領域はX方向に長いスリット状になる。
レチクルRを透過した露光光は、投影光学系PLを介してウェハW上の露光すべきショット領域に照射され、これによってレチクルRに形成されたパターンの一部がウェハWの露光処理すべきショット領域内の一部に転写される。このようにして、ウェハW上の各ショット領域が順次露光される。露光光ILが照射されている間、インテグレータセンサ7及び反射量センサ8から検出信号が出力されており、結像特性演算部31は、インテグレータセンサ7及び反射量センサ8の検出信号を用いて、レチクルRから投影光学系PLに入射する露光光ILの積算エネルギー、及びウェハWで反射されて投影光学系PLに戻る露光光ILの積算エネルギーを算出する。
前述した通り、結像特性演算部31には、コントローラ36から露光中の照明条件の情報、視野絞り9の状態を示す情報、及びレチクルRの特性を示す情報が供給されているとともに、メモリ37に記憶された伝達関数が読み出されて供給されている。結像特性演算部31は、上記の照明条件の情報、視野絞り9の状態を示す情報、及びレチクルRの特性を示す情報、露光光ILの積算エネルギー、並びに環境センサ12から供給される周囲の気圧、温度等の情報と伝達関数とを用いて、投影光学系PLの結像特性中の回転対称な収差成分及び非回転対称な収差成分の変動量を算出する。尚、投影光学系PLの収差成分の変動量は、前述した(1)式を用いて算出する。この算出結果は、結像特性演算部31からコントローラ36へ出力される。
コントローラ36は、結像特性演算部31の算出結果を結像特性制御部32に出力する。結像特性制御部32は、コントローラ36から出力された算出結果に基づいて、制御部15を介して結像特性補正機構14の動作を制御して、常に所望の結像特性が得られるように投影光学系PLの回転対称な収差の変動を抑制する。また、露光光ILの照射による投影光学系PLの非回転対称収差の補正は、非露光光照射機構40によって行われる。以上の制御は露光動作が行われている間は繰り返し実行されるため、投影光学系PLの回転対称収差及び非回転対称収差を、照明条件、投影光学系PLの像面の共役面における露光光ILの分布等に応じて精確に制御することができる。
以上の説明においては、伝達関数を用いて投影光学系PLの光学特性を調整する場合を例に挙げて説明したが、投影光学系PLの光学特性を調整する際にメモリ37に記憶されているテーブルに設定された調整量を用いて投影光学系PLの光学特性を調整しても良い。図13は、メモリ37に記憶されたテーブルの一例を説明するための図である。ある照明条件の下で、投影光学系PLの光学特性の調整量は照明光学系ILSに設けられた視野絞り9の開口の大きさ(面積)に応じて変化する。このため、視野絞り9の開口の大きさと投影光学系PLの光学特性の調整量との関係を図示すると図13中の曲線AJとなる。尚、図13に示した視野絞り9の開口の大きさと投影光学系PLの光学特性の調整量との関係は一例にすぎず、直線であっても良い。
本実施形態においては、視野絞り9の開口の大きさを複数に区分し、各区分における代表的な調整量を設定し、視野絞り9の開口の大きさを示す情報と代表的な調整量とを対応付けてテーブルに記憶している。図13に示す例では視野絞り9の開口の大きさが区分R1〜R5の5つに区分されており、区分R1〜R5の各々について代表的な調整量J1〜J5が設定されている。従って、上記のテーブルには、例えば区分R1〜R5の各々の最大値及び最小値と調整量J1〜J5とが対応付けて記憶されることになる。各区分R1〜R5における代表的な調整量は、例えば、各区分R1〜R5に含まれる曲線AJの平均値を用いる。これ以外に、各区分R1〜R5に含まれる曲線AJを直線近時したときの平均値、又は各区分R1〜R5に含まれる曲線AJの最大値と最小値との中間値を用いることができる。また、視野絞り9の開口の大きさの区分は5つに限らず、視野絞り9の開口の大きさの変化を考慮して、適宜定めることができる。
以上のテーブルを用いる場合には、コントローラ36がメモリ37からテーブルを読み出し、その設定に対応した投影光学系PLの光学特性の調整量を読み出し、その調整量を結像特性制御部32に出力する。結像特性制御部32はコントローラ36から出力された調整量に応じて投影光学系PLの光学特性を調整する制御信号を制御部15及び非露光光照射機構40に出力して投影光学系PLの光学特性を調整する。以上の処理により、露光光ILの断面形状及び大きさに応じて投影光学系PLに対する光学特性(回転対称収差及び非回転対称収差)が調整される。
尚、以上の説明では、視野絞り9の開口の大きさ(面積)に応じた投影光学系PLの光学特性の調整量のテーブルについて説明したが、視野絞り9の開口の大きさのみならず、視野絞り9の開口の位置や形状に応じたテーブルを持つようにしても良い。例えば、視野絞り9の開口の長手方向の長さ、又は開口のX方向に対応する方向の長さとY方向に対応する方向の長さとに応じたテーブルを持つようにしても良い。即ち、メモリ37に記憶する調整量のテーブルは、視野絞り9の設定、照明系開口絞り部材5の設定、及びレチクルRの特性等で決定される各種の条件毎に用意することができる。
以上のように、本実施形態に係る露光装置においては、投影光学系PLの静的な光学特性(非回転対称な収差)を調整する調整機構22と、投影光学系PLの動的な光学特性(回転対称な収差)を調整する非露光光照射機構40とを備えているため、非露光光照射機構40による動的な非回転対称な収差の調整量を小さくすることができ、投影光学系PLの動的な非回転収差の調整をより精密に行うことができる。更に、本実施形態の露光装置においては、投影光学系PLの像面と共役な面内における露光光ILの分布(露光光ILの位置、断面形状、及び大きさ)を考慮して、すなわち、視野絞り9の開口の設定状態とレチクルの特性の少なくとも一方を考慮して投影光学系PLの光学特性を調整しているので、投影光学系PLの光学特性を所望状態に制御して、レチクルRのパターンを精度よく投影することができる。
以上、本発明の実施形態による露光装置及び方法について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上述の実施形態の露光装置は、投影光学系PLの静的な非回転対称収差を調整する調整機構と動的な非回転対称収差を調整する調整機構とを用いた調整と、投影光学系PLの像面と共役な面内における露光光ILの分布を考慮した投影光学系PLの光学特性の調整との両方を行うようにしているが、どちらか一方の調整を行う露光装置とすることもできる。
また、上述の実施形態においては、投影光学系PLの像面と共役な面内における露光光ILの分布を考慮して、投影光学系PLの回転対象な収差と非回転対称な収差を調整するようにしているが、どちらか一方を調整するようにするようにしてもよい。また、上記実施形態では、伝達関数又はテーブルを用いて投影光学系PLの光学特性を調整する場合について説明したが、図1に示す収差測定装置21を用いて投影光学系のPLの非回転対称収差を実測し、その測定結果を用いて投影光学系PLの光学特性を調整しても良い。また、上述の実施形態においては、調整機構22と非露光光照射機構40とでそれぞれ異なるレンズに所定の調整を行っているが、同一のレンズに所定の調整を行うようにしてもよい。
また、上述の実施形態においては、投影光学系の非回転対称な収差として、主にセンターアスティグマティズムを補正する場合について説明したが、非回転対称な収差として、センターアスティグマティズムに限らず、直交する二方向の投影倍率差(XY倍率差)や像シフト等の他の非回転対称な収差が発生する可能性もある。従って、調整機構22の調整対象となる光学部材は、非回転対称な収差の種類に応じて実験やシミュレーションから最適なものを決めることができる。同様に、非露光光照射機構40の調整対象となる光学部材、及びその光学部材上における非露光光LBの照射位置、形状、及びサイズは、非回転対処な収差の種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、上述の非回転対称なXY倍率差を調整する場合には、投影光学系PLの複数の光学部材のうちの比較的レチクルRに近い光学素子、あるいはウェハWに近い光学素子を選択するのが好ましい。尚、非露光光照射機構40を投影光学系PLの回転対称な収差の調整に用いてもよい。例えば、投影光学系PLの開口数と照明光学系ILSの開口数との比を表すσ値を小さく(例えば0.4以下に)する小σ照明法を採用する場合に発生しやすい高次の回転対称収差は非露光光照射機構40を使って良好に補正することができる。
また、上記実施形態では、調整機構22が投影光学系PLの静的な光学特性を調整し、非露光光照射機構40が投影光学系PLの動的な光学特性を調整する場合について説明したが、調整機構22で投影光学系PLの動的な光学特性を調整するようにしてもよく、非露光光照射機構40で投影光学系PLの静的な光学特性を調整するようにしても良い。即ち、投影光学系PLの静的な非回転対称収差を調整する調整機構、及び動的な非回転対称収差を調整する調整機構は上述の実施形態に限定されず、加熱作用、冷却作用、外力作用等を用いる各種の手法を適宜選択又は組み合わせて採用することができる。
また、上記実施形態では、本発明をステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、レチクルのパターンを一括して転写するステップ・アンド・リピート方式の露光装置(所謂、ステッパ)にも本発明を適用することができる。また、上述の実施形態においては屈折系の投影光学系PLを用いて説明したが、屈折系と反射系とを含む投影光学系や、反射系のみからなる投影光学系にも本発明を適用することができる。また、露光光ILの照明領域(露光領域)の形状は矩形に限られず、例えば円弧状であってもよい。
また、本発明の露光装置は、半導体素子の製造に用いられてデバイスパターンを半導体基板上へ転写する露光装置、液晶表示素子の製造に用いられて回路パターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられてデバイスパターンをセラミックウェハ上へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置等にも適用することができる。
〔デバイス製造方法〕
次に、本発明の実施形態による露光装置を半導体素子を製造する露光装置に適用し、この露光装置を用いて半導体素子を製造する方法について説明する。図14は、マイクロデバイスとしての半導体素子を製造する製造工程の一部を示すフローチャートである。図14に示す通り、まず、ステップS10(設計ステップ)において、半導体素子の機能・性能設計を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS11(マスク製作ステップ)において、設計したパターンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ステップS12(ウェハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウェハを製造する。
次に、ステップS13(ウェハ処理ステップ)において、ステップS10〜ステップS12で用意したマスクとウェハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウェハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS14(デバイス組立ステップ)において、ステップS13で処理されたウェハを用いてデバイス組立を行う。このステップS14には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS15(検査ステップ)において、ステップS14で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
図15は、図14のステップS13の詳細なフローの一例を示す図である。図15において、ステップS21(酸化ステップ)においてはウェハの表面を酸化させる。ステップS22(CVDステップ)においてはウェハ表面に絶縁膜を形成する。ステップS23(電極形成ステップ)においてはウェハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS24(イオン打込みステップ)においてはウェハにイオンを打ち込む。以上のステップS21〜ステップS24のそれぞれは、ウェハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウェハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS25(レジスト形成ステップ)において、ウェハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS26(露光工程)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクのパターンをウェハに転写する。次に、ステップS27(現像工程)においては露光されたウェハを現像し、ステップS28(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS29(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウェハ上に多重にパターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップS26)において上記の露光装置が備える投影光学系PLの光学特性が調整されつつ、レチクルRに形成されたパターンがウェハW上に転写される。このため、投影光学系PLの像面と共役な面に入射する露光光ILの断面形状及び大きさに応じて投影光学系PLの光学特性が調整される、微細なパターンを忠実にウェハ上に転写することができ、その結果として製造不良が低減されて高い歩留まりでデバイスを製造することができる。
尚、本発明は、国際公開(WO)第99/49504号パンフレット等に開示されているような投影光学系PLとウェハWとの間を局所的に液体で満たす液浸露光装置、特開平6−124873号公報に開示されているような露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる液浸露光装置、特開平10−303114号公報に開示されているようなステージ上に所定深さの液体槽を形成し、その中に基板を保持する液浸露光装置の何れの露光装置にも適用可能である。

Claims (10)

  1. 照明光をマスクに照射する照明光学系と、前記マスクのパターンの像を基板上に投影する投影光学系とを備える露光装置において、
    前記投影光学系の光学特性を調整する調整装置と、
    前記投影光学系の像面との共役面における前記照明光の断面形状及び大きさの少なくとも一方を設定する設定装置と、
    前記設定装置によって設定された前記照明光の断面形状及び大きさに応じて、前記調整装置による前記投影光学系の光学特性の調整を制御する制御装置と
    を備えることを特徴とする露光装置。
  2. 前記制御装置は、前記照明光の断面形状及び大きさに応じて前記投影光学系に入射する光のエネルギーと前記投影光学系の光学特性の変動量との関係を示す伝達関数を記憶する記憶部を備えており、当該記憶部に記憶された伝達関数を用いて前記調整装置による前記投影光学系の光学特性の調整を制御することを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  3. 前記制御装置は、前記照明光の断面形状及び大きさに応じて前記投影光学系に対する光学特性の調整量を複数設定したテーブルを記憶する記憶部を備えており、当該記憶部に記憶されたテーブルを用いて前記調整装置による前記投影光学系の光学特性の調整を制御することを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  4. 前記投影光学系の光学特性は、非回転対称収差を含むことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の露光装置。
  5. 前記投影光学系の光学特性は、回転対称収差を含むことを特徴とする請求項4記載の露光装置。
  6. 照明光をマスクに照射する照明光学系と、前記マスクのパターンの像を基板上に投影する投影光学系とを備える露光装置において、
    前記投影光学系における非回転対称の静的な光学特性を調整する第1調整機構と、
    前記投影光学系における非回転対称の動的な光学特性を調整する第2調整機構と
    を備えることを特徴とする露光装置。
  7. 前記静的な光学特性は、前記投影光学系が初期状態で有している光学特性であり、
    前記動的な光学特性は、前記投影光学系に前記照明光を入射させたときに前記照明光の照明条件に応じて変化する光学特性である
    ことを特徴とする請求項6記載の露光装置。
  8. 前記第1調整機構は、前記投影光学系に含まれる少なくとも1つの光学素子に対して、加熱、冷却、加圧、減圧の少なくとも一つを行う機構を含むことを特徴とする請求項6又は請求項7記載の露光装置。
  9. 前記第2調整機構は、前記投影光学系の少なくとも一部に前記照明光の波長とは異なる波長の光ビームを照射する機構を含むことを特徴とする請求項6から請求項8の何れか一項に記載の露光装置。
  10. 請求項1から請求項9の何れか一項に記載の露光装置を用いてデバイスのパターンを物体上に転写する工程を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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