JPH11305419A - フォトマスク、収差補正板、及び露光装置 - Google Patents
フォトマスク、収差補正板、及び露光装置Info
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- JPH11305419A JPH11305419A JP14660498A JP14660498A JPH11305419A JP H11305419 A JPH11305419 A JP H11305419A JP 14660498 A JP14660498 A JP 14660498A JP 14660498 A JP14660498 A JP 14660498A JP H11305419 A JPH11305419 A JP H11305419A
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- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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- C03B19/14—Other methods of shaping glass by gas- or vapour- phase reaction processes
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- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 波長200nm程度以下の紫外線を用いても
光透過率が高く、耐紫外線性が良好で、かつ加工作業性
が良く、高精度を実現できるフォトマスクを提供するこ
とである。 【解決手段】 このフォトマスクは、ケイ素化合物を火
炎中で加水分解せしめてガラス微粒子を得(S1)、こ
れを堆積させて多孔質ガラスを形成し(S2)、該多孔
質ガラスをフッ素含有雰囲気中で加熱処理してフッ素を
ドープし(S3)、その後透明化(S4)してなる石英
ガラスを用いて製造されている。ガラス中の不完全な構
造(結合)がフッ素で終端され、より完全な構造とな
り、紫外線の吸収が減少し、紫外線の強いエネルギーを
受けても安定にその構造を保つことができる。従って、
光透過率が高く、紫外線照射による経時的な劣化が少な
いフォトマスクが提供される。
光透過率が高く、耐紫外線性が良好で、かつ加工作業性
が良く、高精度を実現できるフォトマスクを提供するこ
とである。 【解決手段】 このフォトマスクは、ケイ素化合物を火
炎中で加水分解せしめてガラス微粒子を得(S1)、こ
れを堆積させて多孔質ガラスを形成し(S2)、該多孔
質ガラスをフッ素含有雰囲気中で加熱処理してフッ素を
ドープし(S3)、その後透明化(S4)してなる石英
ガラスを用いて製造されている。ガラス中の不完全な構
造(結合)がフッ素で終端され、より完全な構造とな
り、紫外線の吸収が減少し、紫外線の強いエネルギーを
受けても安定にその構造を保つことができる。従って、
光透過率が高く、紫外線照射による経時的な劣化が少な
いフォトマスクが提供される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、半導体素
子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド、その他
のマイクロデバイスを製造するために用いられる露光装
置、該露光装置に使用されるフォトマスク及び収差補正
板に関する。
子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド、その他
のマイクロデバイスを製造するために用いられる露光装
置、該露光装置に使用されるフォトマスク及び収差補正
板に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子等を製造するためのフォトリ
ソグラフィ工程において、フォトマスク(レチクルを含
む)のパターン像を投影光学系を介して感光基板上に転
写する露光装置が使用されている。このような露光装置
に使用されるフォトマスクは、一般に石英ガラスを用い
て製造される。石英ガラスは、光の透過損失が少なく、
温度変化に対して耐性があり、耐食性や弾性性能が良好
で、線膨張率が小さい(約5.5×10-7/K)等の優
れた性質を有しており、精度の高いパターン形成が可能
であるとともに、その作業性も良いという利点を有して
いる。
ソグラフィ工程において、フォトマスク(レチクルを含
む)のパターン像を投影光学系を介して感光基板上に転
写する露光装置が使用されている。このような露光装置
に使用されるフォトマスクは、一般に石英ガラスを用い
て製造される。石英ガラスは、光の透過損失が少なく、
温度変化に対して耐性があり、耐食性や弾性性能が良好
で、線膨張率が小さい(約5.5×10-7/K)等の優
れた性質を有しており、精度の高いパターン形成が可能
であるとともに、その作業性も良いという利点を有して
いる。
【0003】ここで、半導体集積回路は微細化の方向で
開発が進み、フォトリソグラフィ工程においては、光源
の短波長化が進んでおり、いわゆる真空紫外線、特に2
00nmよりも短い波長の光、例えばArFエキシマレ
ーザ(波長193nm)やF2 レーザ(波長157n
m)等の光が露光用光として用いられるようになってき
た。
開発が進み、フォトリソグラフィ工程においては、光源
の短波長化が進んでおり、いわゆる真空紫外線、特に2
00nmよりも短い波長の光、例えばArFエキシマレ
ーザ(波長193nm)やF2 レーザ(波長157n
m)等の光が露光用光として用いられるようになってき
た。
【0004】ところが、通常の石英ガラスは、波長が2
00nm程度以下の光に適用すると、吸収や散乱によっ
て透過損失が大きくなるとともに、吸収により生じる発
熱や蛍光により光学性能が低下し、ガラス自体が経時的
に変色するカラーセンターや密度が変化するコンパクシ
ョン等を生じ、このことは波長が短くなるにつれて顕著
となる。従って、通常の石英ガラスを用いる場合には、
ArFエキシマレーザ(波長193nm)程度の波長の
光への適用が限界であると考えられ、それ以下の波長の
光に対しては通常の石英ガラスを用いたフォトマスクを
使用することは一般に難しいものと考えられる。このた
め、200nm程度以下の波長の光に対しても透過率が
高い材料である蛍石(CaF2 )を用いてフォトマスク
を製造することが検討されている。なお、かかる蛍石の
使用は波長190nm以下の光に適用する場合に特に有
効であると考えられるが、上述のArFエキシマレーザ
の場合についても透過率の観点からは、蛍石の使用が望
ましい。
00nm程度以下の光に適用すると、吸収や散乱によっ
て透過損失が大きくなるとともに、吸収により生じる発
熱や蛍光により光学性能が低下し、ガラス自体が経時的
に変色するカラーセンターや密度が変化するコンパクシ
ョン等を生じ、このことは波長が短くなるにつれて顕著
となる。従って、通常の石英ガラスを用いる場合には、
ArFエキシマレーザ(波長193nm)程度の波長の
光への適用が限界であると考えられ、それ以下の波長の
光に対しては通常の石英ガラスを用いたフォトマスクを
使用することは一般に難しいものと考えられる。このた
め、200nm程度以下の波長の光に対しても透過率が
高い材料である蛍石(CaF2 )を用いてフォトマスク
を製造することが検討されている。なお、かかる蛍石の
使用は波長190nm以下の光に適用する場合に特に有
効であると考えられるが、上述のArFエキシマレーザ
の場合についても透過率の観点からは、蛍石の使用が望
ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蛍石は
温度変化に対して耐性が低く、脆弱で傷つき易く、パタ
ーンの形成過程において破損が生じたり、線膨張率が比
較的に大きいため、高い精度のマスクパターンの形成が
難しいとともに、露光装置に適用されて実際に露光処理
を行う場合に温度を極めて厳密に管理しなければなら
ず、高い精度で感光基板上にパターンを転写するのに支
障がある。
温度変化に対して耐性が低く、脆弱で傷つき易く、パタ
ーンの形成過程において破損が生じたり、線膨張率が比
較的に大きいため、高い精度のマスクパターンの形成が
難しいとともに、露光装置に適用されて実際に露光処理
を行う場合に温度を極めて厳密に管理しなければなら
ず、高い精度で感光基板上にパターンを転写するのに支
障がある。
【0006】また、露光装置には投影光学系のディスト
ーション等の収差による像歪みを補正するため、フォト
マスクと感光基板との間の結像光路中(例えば、フォト
マスクと投影光学系の間)に固定的にあるいは着脱可能
に透明な収差補正板を装着することがあり、かかる場合
の収差補正板についても上述のフォトマスクと同様の問
題がある。
ーション等の収差による像歪みを補正するため、フォト
マスクと感光基板との間の結像光路中(例えば、フォト
マスクと投影光学系の間)に固定的にあるいは着脱可能
に透明な収差補正板を装着することがあり、かかる場合
の収差補正板についても上述のフォトマスクと同様の問
題がある。
【0007】そして、このような問題は、露光装置の短
波長化の障害となり、感光基板上に形成するパターンの
微細化への対応を難しくするとともに、経時的に安定し
た露光性能の実現や長寿命の露光装置の提供を難しくし
ていた。
波長化の障害となり、感光基板上に形成するパターンの
微細化への対応を難しくするとともに、経時的に安定し
た露光性能の実現や長寿命の露光装置の提供を難しくし
ていた。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、特に短波長
(波長200nm程度以下)の光を用いて露光を行う露
光装置において、光透過率が高く、耐紫外線性が良好
で、かつ加工作業性が良く、高精度を実現できるフォト
マスク及び収差補正板を提供することである。また、本
発明の他の目的は、感光基板上に形成するパターンの微
細化に対応できるとともに、露光性能の経時的な劣化が
少なく、寿命の長い露光装置を提供することである。
たものであり、その目的とするところは、特に短波長
(波長200nm程度以下)の光を用いて露光を行う露
光装置において、光透過率が高く、耐紫外線性が良好
で、かつ加工作業性が良く、高精度を実現できるフォト
マスク及び収差補正板を提供することである。また、本
発明の他の目的は、感光基板上に形成するパターンの微
細化に対応できるとともに、露光性能の経時的な劣化が
少なく、寿命の長い露光装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】以下、この項に示す説明
では、理解の容易化のため、本発明の各構成要件に実施
形態の図に示す参照符号を付して説明するが、本発明の
各構成要件は、これら参照符号によって限定されるもの
ではない。
では、理解の容易化のため、本発明の各構成要件に実施
形態の図に示す参照符号を付して説明するが、本発明の
各構成要件は、これら参照符号によって限定されるもの
ではない。
【0010】1.上述した目的を達成するための本発明
の請求項1記載のフォトマスクは、波長が200nm程
度以下の照明光を射出する光源(1)を備えた露光装置
に使用されるフォトマスク(R)であって、フッ素がド
ープされた石英ガラスを用いて製造されたことを特徴と
する。
の請求項1記載のフォトマスクは、波長が200nm程
度以下の照明光を射出する光源(1)を備えた露光装置
に使用されるフォトマスク(R)であって、フッ素がド
ープされた石英ガラスを用いて製造されたことを特徴と
する。
【0011】本発明の請求項2記載のフォトマスクは、
請求項1記載のフォトマスクにおいて、前記石英ガラス
は、ケイ素化合物を火炎中で加水分解せしめて得たガラ
ス微粒子を堆積させて多孔質ガラスを形成し(S1,S
2)、該多孔質ガラスをフッ素含有雰囲気中で加熱処理
してフッ素をドープ(S3)した後に透明化(S4)し
てなることを特徴とする。
請求項1記載のフォトマスクにおいて、前記石英ガラス
は、ケイ素化合物を火炎中で加水分解せしめて得たガラ
ス微粒子を堆積させて多孔質ガラスを形成し(S1,S
2)、該多孔質ガラスをフッ素含有雰囲気中で加熱処理
してフッ素をドープ(S3)した後に透明化(S4)し
てなることを特徴とする。
【0012】フッ素がドープされた石英ガラスは、該ガ
ラス中の不完全な構造(結合)がフッ素により終端さ
れ、より完全な構造となり、紫外線の吸収が少なくなる
とともに、紫外線の強いエネルギーを受けても安定にそ
の構造を保つことができる。従って、波長が200nm
程度以下の紫外線を照明光として使用する場合に光透過
率が高く、紫外線照射による経時的な劣化(カラーセン
ターやコンパクションの発生等)が少ないフォトマスク
が提供される。さらに、蛍石を用いて製造されたフォト
マスクと比較して、加熱・冷却に対して耐性があるとと
もに傷つき難いので、パターンの形成を含む製造の作業
性が良いとともに、線膨張率が極めて小さいので、精度
の高いフォトマスクが提供される。
ラス中の不完全な構造(結合)がフッ素により終端さ
れ、より完全な構造となり、紫外線の吸収が少なくなる
とともに、紫外線の強いエネルギーを受けても安定にそ
の構造を保つことができる。従って、波長が200nm
程度以下の紫外線を照明光として使用する場合に光透過
率が高く、紫外線照射による経時的な劣化(カラーセン
ターやコンパクションの発生等)が少ないフォトマスク
が提供される。さらに、蛍石を用いて製造されたフォト
マスクと比較して、加熱・冷却に対して耐性があるとと
もに傷つき難いので、パターンの形成を含む製造の作業
性が良いとともに、線膨張率が極めて小さいので、精度
の高いフォトマスクが提供される。
【0013】本発明の請求項3記載のフォトマスクは、
請求項1記載のフォトマスクにおいて、前記石英ガラス
は、さらに水素がドープ(S5)されていることを特徴
とする。フッ素に加えて水素をドープすることにより、
紫外線の照射により結合が切れた場合に、ドープされた
水素分子により終端されるため、さらに耐紫外線性を向
上することができる。従って、請求項1又は2記載のも
のよりもさらに紫外線照射による劣化が少ないフォトマ
スクが提供される。
請求項1記載のフォトマスクにおいて、前記石英ガラス
は、さらに水素がドープ(S5)されていることを特徴
とする。フッ素に加えて水素をドープすることにより、
紫外線の照射により結合が切れた場合に、ドープされた
水素分子により終端されるため、さらに耐紫外線性を向
上することができる。従って、請求項1又は2記載のも
のよりもさらに紫外線照射による劣化が少ないフォトマ
スクが提供される。
【0014】2.本発明の請求項4記載のフォトマスク
は、波長が200nm程度以下の照明光を射出する光源
(1)を備えた露光装置に使用されるフォトマスク
(R)であって、構造決定温度が1200K以下で、か
つOH基濃度が1000ppm以上である石英ガラスを
用いて製造されたことを特徴とする。
は、波長が200nm程度以下の照明光を射出する光源
(1)を備えた露光装置に使用されるフォトマスク
(R)であって、構造決定温度が1200K以下で、か
つOH基濃度が1000ppm以上である石英ガラスを
用いて製造されたことを特徴とする。
【0015】1000ppm以上のOH基を含有する石
英ガラスは、それ以外の石英ガラスに比較して構造的に
安定しており、構造決定温度がより低下する傾向にあ
る。そして、構造決定温度は低い方がガラス内の歪んだ
結合部分が少なくなると考えられることから、紫外線照
射によるかかる歪んだ結合部分の切断が少なくなり、こ
れにより散乱損失や吸収損失が小さくなり、耐紫外線性
が向上する。従って、波長が200nm程度以下の紫外
線を照明光として使用する場合に光透過率が高く、紫外
線照射による経時的な劣化(カラーセンターやコンパク
ションの発生等)が少ないフォトマスクが提供される。
さらに、蛍石を用いて製造されたフォトマスクと比較し
て、加熱・冷却に対して耐性があるとともに傷つき難い
ので、パターンの形成を含む製造の作業性が良いととも
に、線膨張率が極めて小さいので、精度の高いフォトマ
スクが提供される。
英ガラスは、それ以外の石英ガラスに比較して構造的に
安定しており、構造決定温度がより低下する傾向にあ
る。そして、構造決定温度は低い方がガラス内の歪んだ
結合部分が少なくなると考えられることから、紫外線照
射によるかかる歪んだ結合部分の切断が少なくなり、こ
れにより散乱損失や吸収損失が小さくなり、耐紫外線性
が向上する。従って、波長が200nm程度以下の紫外
線を照明光として使用する場合に光透過率が高く、紫外
線照射による経時的な劣化(カラーセンターやコンパク
ションの発生等)が少ないフォトマスクが提供される。
さらに、蛍石を用いて製造されたフォトマスクと比較し
て、加熱・冷却に対して耐性があるとともに傷つき難い
ので、パターンの形成を含む製造の作業性が良いととも
に、線膨張率が極めて小さいので、精度の高いフォトマ
スクが提供される。
【0016】なお、ここでいう「構造決定温度」とは、
石英ガラスの構造安定性を表すパラメータとして導入さ
れたファクターである。室温での石英ガラスの密度揺ら
ぎ、即ち構造安定性は、高温で融液状態にある石英ガラ
スの密度、構造が冷却過程においてガラス転移点付近で
凍結されたときの密度、構造によって決定される。即
ち、密度、構造が凍結されたときの温度に相当する熱力
学的密度、構造が室温下でも保存されるのである。その
密度、構造が凍結されたときの温度を、「構造決定温
度」と定義する。
石英ガラスの構造安定性を表すパラメータとして導入さ
れたファクターである。室温での石英ガラスの密度揺ら
ぎ、即ち構造安定性は、高温で融液状態にある石英ガラ
スの密度、構造が冷却過程においてガラス転移点付近で
凍結されたときの密度、構造によって決定される。即
ち、密度、構造が凍結されたときの温度に相当する熱力
学的密度、構造が室温下でも保存されるのである。その
密度、構造が凍結されたときの温度を、「構造決定温
度」と定義する。
【0017】3.本発明の請求項5記載のフォトマスク
は、波長が200nm程度以下の照明光を射出する光源
(1)を備えた露光装置に使用されるフォトマスク
(R)であって、薄板状の石英ガラス(41)にパター
ンを形成するとともに、前記石英ガラスの変形を防止す
るように、少なくとも前記照明光が通過する領域が蛍石
からなる補強部材(42)で前記石英ガラスを保持して
なることを特徴とする。
は、波長が200nm程度以下の照明光を射出する光源
(1)を備えた露光装置に使用されるフォトマスク
(R)であって、薄板状の石英ガラス(41)にパター
ンを形成するとともに、前記石英ガラスの変形を防止す
るように、少なくとも前記照明光が通過する領域が蛍石
からなる補強部材(42)で前記石英ガラスを保持して
なることを特徴とする。
【0018】本発明の請求項6記載のフォトマスクは、
請求項5記載のフォトマスクにおいて、前記石英ガラス
(41)は、前記パターンの形成面が前記補強部材(4
2)にほぼ密着するように固定されていることを特徴と
する。
請求項5記載のフォトマスクにおいて、前記石英ガラス
(41)は、前記パターンの形成面が前記補強部材(4
2)にほぼ密着するように固定されていることを特徴と
する。
【0019】石英ガラスを透過する光の損失は該ガラス
の板厚に比例して大きくなるから、該ガラスを薄板状と
してこれにパターンを形成して、この部分における透過
損失を減少させた。そして、この薄板状の石英ガラスを
少なくとも照明光が通過する領域が蛍石からなる補強部
材で保持することにより、薄板状であることによる強度
的な弱さを改善し、撓みの発生等を防止した。パターン
は薄板状の石英ガラスに形成するから、波長が200n
m程度以下の紫外線を照明光として使用する場合にも損
失が少なく、また、加熱・冷却による劣化も少なく、線
膨張率も小さいので、精度の高いパターンを容易に製造
できる。また、紫外線に対して優れた特性を呈する蛍石
を有する補強部材による補強によって撓みの発生も少な
く、高精度で優れた特性を有するフォトマスクが提供さ
れる。
の板厚に比例して大きくなるから、該ガラスを薄板状と
してこれにパターンを形成して、この部分における透過
損失を減少させた。そして、この薄板状の石英ガラスを
少なくとも照明光が通過する領域が蛍石からなる補強部
材で保持することにより、薄板状であることによる強度
的な弱さを改善し、撓みの発生等を防止した。パターン
は薄板状の石英ガラスに形成するから、波長が200n
m程度以下の紫外線を照明光として使用する場合にも損
失が少なく、また、加熱・冷却による劣化も少なく、線
膨張率も小さいので、精度の高いパターンを容易に製造
できる。また、紫外線に対して優れた特性を呈する蛍石
を有する補強部材による補強によって撓みの発生も少な
く、高精度で優れた特性を有するフォトマスクが提供さ
れる。
【0020】本発明の請求項7記載のフォトマスクは、
請求項5又は6記載のフォトマスクにおいて、前記石英
ガラス(41)は、フッ素がドープされていることを特
徴とする。薄板状の石英ガラスにフッ素をドープするこ
とにより、さらに透過損失を低減できるとともに、耐紫
外線性を向上することができる。
請求項5又は6記載のフォトマスクにおいて、前記石英
ガラス(41)は、フッ素がドープされていることを特
徴とする。薄板状の石英ガラスにフッ素をドープするこ
とにより、さらに透過損失を低減できるとともに、耐紫
外線性を向上することができる。
【0021】4.本発明の請求項8記載の露光装置は、
波長が200nm程度以下の照明光をフォトマスク
(R)に照射する照明光学系と、前記フォトマスクから
出射する照明光を感光基板(W)上に投射する投影光学
系(PL)とを備えた露光装置において、前記投影光学
系の物体面側に配置され、前記フォトマスクを前記物体
面にほぼ沿って移動するステージ(20A,20B)
と、前記ステージに設けられ、前記フォトマスクを保持
してその変形を防止するために、少なくとも前記照明光
が通過する領域が蛍石からなる補強部材(42)とを備
えたことを特徴とする。
波長が200nm程度以下の照明光をフォトマスク
(R)に照射する照明光学系と、前記フォトマスクから
出射する照明光を感光基板(W)上に投射する投影光学
系(PL)とを備えた露光装置において、前記投影光学
系の物体面側に配置され、前記フォトマスクを前記物体
面にほぼ沿って移動するステージ(20A,20B)
と、前記ステージに設けられ、前記フォトマスクを保持
してその変形を防止するために、少なくとも前記照明光
が通過する領域が蛍石からなる補強部材(42)とを備
えたことを特徴とする。
【0022】この露光装置によると、フォトマスクは紫
外線に優れた特性を呈する蛍石を有する補強部材に保持
されているから、該フォトマスクの撓み等の変形が防止
され、従って、高精度のパターン転写を実現できる。ま
た、該フォトマスクを薄くしてもその撓み等の変形が防
止されるから、精度低下を招くことなく、透過損失を小
さくすることが可能である。
外線に優れた特性を呈する蛍石を有する補強部材に保持
されているから、該フォトマスクの撓み等の変形が防止
され、従って、高精度のパターン転写を実現できる。ま
た、該フォトマスクを薄くしてもその撓み等の変形が防
止されるから、精度低下を招くことなく、透過損失を小
さくすることが可能である。
【0023】5.本発明の請求項9記載の収差補正板
は、波長が200nm程度以下の照明光で照射されるパ
ターンの像を所定面上に投影する投影光学系(PL)の
収差補正板(38)であって、フッ素がドープされた石
英ガラス、又は構造決定温度が1200K以下で、かつ
OH基濃度が1000ppm以上である石英ガラスを用
いて製造されたことを特徴とする。
は、波長が200nm程度以下の照明光で照射されるパ
ターンの像を所定面上に投影する投影光学系(PL)の
収差補正板(38)であって、フッ素がドープされた石
英ガラス、又は構造決定温度が1200K以下で、かつ
OH基濃度が1000ppm以上である石英ガラスを用
いて製造されたことを特徴とする。
【0024】フッ素がドープされた石英ガラスは、該ガ
ラス中の不完全な構造(結合)がフッ素により終端さ
れ、より完全な構造となり、紫外線の吸収が少なくなる
とともに、紫外線の強いエネルギーを受けても安定にそ
の構造を保つことができる。
ラス中の不完全な構造(結合)がフッ素により終端さ
れ、より完全な構造となり、紫外線の吸収が少なくなる
とともに、紫外線の強いエネルギーを受けても安定にそ
の構造を保つことができる。
【0025】また、1000ppm以上のOH基を含有
する石英ガラスは、それ以外の石英ガラスに比較して構
造的に安定しており、構造決定温度がより低下する傾向
にある。そして、構造決定温度は低い方がガラス内の歪
んだ結合部分が少なくなると考えられることから、紫外
線照射によるかかる歪んだ結合部分の切断が少なくな
り、これにより散乱損失や吸収損失が小さくなり、耐紫
外線性が向上する。
する石英ガラスは、それ以外の石英ガラスに比較して構
造的に安定しており、構造決定温度がより低下する傾向
にある。そして、構造決定温度は低い方がガラス内の歪
んだ結合部分が少なくなると考えられることから、紫外
線照射によるかかる歪んだ結合部分の切断が少なくな
り、これにより散乱損失や吸収損失が小さくなり、耐紫
外線性が向上する。
【0026】従って、波長が200nm程度以下の紫外
線を照明光として使用する場合に光透過率が高く、紫外
線照射による経時的な劣化(カラーセンターやコンパク
ションの発生等)が少ない収差補正板が提供される。さ
らに、傷つき難いので、ディストーションの分布等に対
応した形状への研磨加工を含む製造の作業性が良いとと
もに、線膨張率が極めて小さいので、精度の高い収差補
正を行うことができる収差補正板が提供される。
線を照明光として使用する場合に光透過率が高く、紫外
線照射による経時的な劣化(カラーセンターやコンパク
ションの発生等)が少ない収差補正板が提供される。さ
らに、傷つき難いので、ディストーションの分布等に対
応した形状への研磨加工を含む製造の作業性が良いとと
もに、線膨張率が極めて小さいので、精度の高い収差補
正を行うことができる収差補正板が提供される。
【0027】6.本発明の請求項10記載の露光装置
は、波長が200nm程度以下の照明光をフォトマスク
(R)に照射する照明光学系と、前記フォトマスクから
出射する照明光を感光基板(W)上に投射する投影光学
系(PL)とを備えた露光装置において、フッ素がドー
プされた石英ガラス、又は構造決定温度が1200K以
下で、かつOH基濃度が1000ppm以上である石英
ガラスからなり、前記投影光学系の非回転対称な収差を
補正する収差補正板(38)を、前記フォトマスクと前
記感光基板との間の結像光路中に配置したことを特徴と
する。
は、波長が200nm程度以下の照明光をフォトマスク
(R)に照射する照明光学系と、前記フォトマスクから
出射する照明光を感光基板(W)上に投射する投影光学
系(PL)とを備えた露光装置において、フッ素がドー
プされた石英ガラス、又は構造決定温度が1200K以
下で、かつOH基濃度が1000ppm以上である石英
ガラスからなり、前記投影光学系の非回転対称な収差を
補正する収差補正板(38)を、前記フォトマスクと前
記感光基板との間の結像光路中に配置したことを特徴と
する。
【0028】この露光装置によると、前記所定の石英ガ
ラスを用いた収差補正板を備えており、この収差補正板
は、波長が200nm程度以下の紫外線の照射に対して
透過率が高く、経時的な劣化が少ないという優れた特性
を有しているから、経時的に安定した収差補正を行うこ
とができる。従って、長期に渡って高い露光精度を実現
でき、装置の信頼性を向上できるとともに、長寿命化を
図ることもできる。本発明の請求項11のフォトマスク
は請求項1又は2に記載のフォトマスクにおいて、前記
石英ガラス中のOH基の濃度が、100ppm以下であ
ることを特徴とする。本発明のフォトマスクを、波長1
70nm程度以下の照明光を照射する光源を備えた露光
装置において使用する場合には、石英ガラス中のOH基
の濃度を100ppm以下に抑えることで、そのような
極短波長の光束に対する透過率を向上させることができ
る。
ラスを用いた収差補正板を備えており、この収差補正板
は、波長が200nm程度以下の紫外線の照射に対して
透過率が高く、経時的な劣化が少ないという優れた特性
を有しているから、経時的に安定した収差補正を行うこ
とができる。従って、長期に渡って高い露光精度を実現
でき、装置の信頼性を向上できるとともに、長寿命化を
図ることもできる。本発明の請求項11のフォトマスク
は請求項1又は2に記載のフォトマスクにおいて、前記
石英ガラス中のOH基の濃度が、100ppm以下であ
ることを特徴とする。本発明のフォトマスクを、波長1
70nm程度以下の照明光を照射する光源を備えた露光
装置において使用する場合には、石英ガラス中のOH基
の濃度を100ppm以下に抑えることで、そのような
極短波長の光束に対する透過率を向上させることができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。
形態に基づき説明する。
【0030】第1実施形態 1.全体構成 本実施形態は、フォトマスクとしてのレチクル上に形成
されたパターンの像を投影光学系を介してウエハ(感光
基板)上の各ショット領域に逐次転写するステップ・ア
ンド・スキャン方式の投影露光装置に本発明を適用した
ものである。
されたパターンの像を投影光学系を介してウエハ(感光
基板)上の各ショット領域に逐次転写するステップ・ア
ンド・スキャン方式の投影露光装置に本発明を適用した
ものである。
【0031】図1は本発明の実施形態の投影露光装置の
概略構成図である。同図において、1はF2 エキシマレ
ーザ光源であり、この光源1からの波長157nmで狭
帯化された露光光としての紫外パルス光ILは、露光装
置本体との間で光路を位置的にマッチングさせるための
可動ミラー等を含むビームマッチングユニット(BM
U)3を通り、遮光性のパイプ5を介して光アッテネー
タとしての可変減光器6に入射する。
概略構成図である。同図において、1はF2 エキシマレ
ーザ光源であり、この光源1からの波長157nmで狭
帯化された露光光としての紫外パルス光ILは、露光装
置本体との間で光路を位置的にマッチングさせるための
可動ミラー等を含むビームマッチングユニット(BM
U)3を通り、遮光性のパイプ5を介して光アッテネー
タとしての可変減光器6に入射する。
【0032】ウエハ上のレジストに対する露光量を制御
するための露光コントローラ30が、光源1の発光の開
始及び停止、発振周波数、及びパルスエネルギーで定ま
る出力を制御するとともに、可変減光器6における紫外
パルス光ILに対する減光率を段階的又は連続的に調整
する。なお、光源1として、波長193nmのArfエ
キシマレーザ光やその他の波長200nm程度以下の紫
外線を射出するものを使用する場合にも本発明を適用す
ることができる。
するための露光コントローラ30が、光源1の発光の開
始及び停止、発振周波数、及びパルスエネルギーで定ま
る出力を制御するとともに、可変減光器6における紫外
パルス光ILに対する減光率を段階的又は連続的に調整
する。なお、光源1として、波長193nmのArfエ
キシマレーザ光やその他の波長200nm程度以下の紫
外線を射出するものを使用する場合にも本発明を適用す
ることができる。
【0033】可変減光器6を通った光ILは、所定の光
軸に沿って配置されるレンズ系7A,7Bよりなるビー
ム整形光学系を経て、オプチカル・インテグレータ(ロ
ットインテグレータ、又はフライアイレンズなどであっ
て、図1ではフライアイレンズ)11に入射する。な
お、フライアイレンズ11は、照度分布均一性を高める
ために、直列に2段配置してもよい。フライアイレンズ
11の射出面には開口絞り系12が配置されている。開
口絞り系12には、通常照明用の円形の開口絞り、複数
の偏心した小開口よりなる変形照明用の開口絞り、輪帯
照明用の開口絞り等が切り換え自在に配置されている。
フライアイレンズ11から出射されて開口絞り系12の
所定の開口絞りを通過した光ILは、透過率が高く反射
率が低いビームスプリッタ8に入射する。ビームスプリ
ッタ8で反射された光は光電検出器よりなるインテグレ
ータセンサ9に入射し、インテグレータセンサ9の検出
信号は露光コントローラ30に供給されている。
軸に沿って配置されるレンズ系7A,7Bよりなるビー
ム整形光学系を経て、オプチカル・インテグレータ(ロ
ットインテグレータ、又はフライアイレンズなどであっ
て、図1ではフライアイレンズ)11に入射する。な
お、フライアイレンズ11は、照度分布均一性を高める
ために、直列に2段配置してもよい。フライアイレンズ
11の射出面には開口絞り系12が配置されている。開
口絞り系12には、通常照明用の円形の開口絞り、複数
の偏心した小開口よりなる変形照明用の開口絞り、輪帯
照明用の開口絞り等が切り換え自在に配置されている。
フライアイレンズ11から出射されて開口絞り系12の
所定の開口絞りを通過した光ILは、透過率が高く反射
率が低いビームスプリッタ8に入射する。ビームスプリ
ッタ8で反射された光は光電検出器よりなるインテグレ
ータセンサ9に入射し、インテグレータセンサ9の検出
信号は露光コントローラ30に供給されている。
【0034】ビームスプリッタ8の透過率及び反射率は
予め高精度に計測されて、露光コントローラ30内のメ
モリに記憶されており、露光コントローラ30は、イン
テグレータセンサ9の検出信号より間接的に投影光学系
PLに対する光ILの入射光量をモニタできるように構
成されている。なお、投影光学系PLに対する入射光量
をモニタするためには、同図中に示すように、例えばレ
ンズ系7Aの前にビームスプリッタ8Aを配置し、この
ビームスプリッタ8Aからの反射光を光電検出器9Aで
受光し、光電検出器9Aの検出信号を露光コントローラ
30に供給するようにしてもよい。
予め高精度に計測されて、露光コントローラ30内のメ
モリに記憶されており、露光コントローラ30は、イン
テグレータセンサ9の検出信号より間接的に投影光学系
PLに対する光ILの入射光量をモニタできるように構
成されている。なお、投影光学系PLに対する入射光量
をモニタするためには、同図中に示すように、例えばレ
ンズ系7Aの前にビームスプリッタ8Aを配置し、この
ビームスプリッタ8Aからの反射光を光電検出器9Aで
受光し、光電検出器9Aの検出信号を露光コントローラ
30に供給するようにしてもよい。
【0035】ビームスプリッタ8を透過した光ILは、
コンデンサレンズ系14を経てレチクルブラインド機構
16内の固定照明視野絞り(固定ブラインド)15Aに
入射する。固定ブラインド15Aは、投影光学系PLの
円形視野内の中央で走査露光方向と直交した方向に伸び
るように配置された直線スリット状又は矩形状の開口部
を有する。さらに、レチクルブラインド機構16内に
は、固定ブラインド15Aとは別に照明視野領域の走査
露光方向の幅を可変とするための可動ブラインド15B
が設けられている。可動ブラインド15Bの開口率の情
報は露光コントローラ30にも供給され、インテグレー
タセンサ9の検出信号から求められる入射光量にその開
口率を乗じた値が、投影光学系PLに対する実際の入射
光量となる。
コンデンサレンズ系14を経てレチクルブラインド機構
16内の固定照明視野絞り(固定ブラインド)15Aに
入射する。固定ブラインド15Aは、投影光学系PLの
円形視野内の中央で走査露光方向と直交した方向に伸び
るように配置された直線スリット状又は矩形状の開口部
を有する。さらに、レチクルブラインド機構16内に
は、固定ブラインド15Aとは別に照明視野領域の走査
露光方向の幅を可変とするための可動ブラインド15B
が設けられている。可動ブラインド15Bの開口率の情
報は露光コントローラ30にも供給され、インテグレー
タセンサ9の検出信号から求められる入射光量にその開
口率を乗じた値が、投影光学系PLに対する実際の入射
光量となる。
【0036】レチクルブラインド機構16の固定ブライ
ンド15Aでスリット状に整形された紫外パルス光IL
は、結像用レンズ系17、反射ミラー18、及び主コン
デンサレンズ系19を介して、レチクルRの回路パター
ン領域上で固定ブラインド15Aのスリット状の開口部
と相似な照明領域を一様な強度分布で照射する。即ち、
固定ブラインド15Aの開口部又は可動ブラインド15
Bの開口部の配置面は、結像用レンズ系17と主コンデ
ンサレンズ系19との合成系によってレチクルRのパタ
ーン面とほぼ共役となっている。
ンド15Aでスリット状に整形された紫外パルス光IL
は、結像用レンズ系17、反射ミラー18、及び主コン
デンサレンズ系19を介して、レチクルRの回路パター
ン領域上で固定ブラインド15Aのスリット状の開口部
と相似な照明領域を一様な強度分布で照射する。即ち、
固定ブラインド15Aの開口部又は可動ブラインド15
Bの開口部の配置面は、結像用レンズ系17と主コンデ
ンサレンズ系19との合成系によってレチクルRのパタ
ーン面とほぼ共役となっている。
【0037】紫外パルス光ILのもとで、レチクルRの
照明領域内の回路パターンの像が両側テレセントリック
な投影光学系PLを介して所定の投影倍率β(βは例え
ば1/4,1/5等)で、投影光学系PLの結像面に配
置されたウエハW上のレジスト層のスリット状の露光領
域に転写される。その露光領域は、ウエハW上の複数の
ショット領域のうちの1つのショット領域上に位置して
いる。以下、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を
とり、Z軸に垂直な平面内で走査方向(図1の紙面に平
行な方向)にX軸をとり、走査方向に直交する非走査方
向(図1の紙面に対して垂直な方向)にY軸をとって説
明する。
照明領域内の回路パターンの像が両側テレセントリック
な投影光学系PLを介して所定の投影倍率β(βは例え
ば1/4,1/5等)で、投影光学系PLの結像面に配
置されたウエハW上のレジスト層のスリット状の露光領
域に転写される。その露光領域は、ウエハW上の複数の
ショット領域のうちの1つのショット領域上に位置して
いる。以下、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を
とり、Z軸に垂直な平面内で走査方向(図1の紙面に平
行な方向)にX軸をとり、走査方向に直交する非走査方
向(図1の紙面に対して垂直な方向)にY軸をとって説
明する。
【0038】このとき、レチクルRは、その両側部近傍
の領域がレチクルホルダ20B上に真空吸着されてお
り、このレチクルホルダ20Bは伸縮可能な複数の駆動
素子20Cを介してレチクルステージ20A上に載置さ
れている。レチクルステージ20Aは、不図示のレチク
ルベース上にX方向に等速移動できるとともに、X方
向、Y方向、回転方向に微動できるように載置されてい
る。レチクルステージ20A(レチクルR)の2次元的
な位置、及び回転角は駆動制御ユニット22内のレーザ
干渉計によってリアルタイムに計測されている。この計
測結果及び装置全体の動作を統括制御するコンピュータ
よりなる主制御系27からの制御情報に基づいて、駆動
制御ユニット22内の駆動モータ(リニアモータやボイ
スコイルモータ等)は、レチクルステージ20Aの走査
速度及び位置の制御を行う。
の領域がレチクルホルダ20B上に真空吸着されてお
り、このレチクルホルダ20Bは伸縮可能な複数の駆動
素子20Cを介してレチクルステージ20A上に載置さ
れている。レチクルステージ20Aは、不図示のレチク
ルベース上にX方向に等速移動できるとともに、X方
向、Y方向、回転方向に微動できるように載置されてい
る。レチクルステージ20A(レチクルR)の2次元的
な位置、及び回転角は駆動制御ユニット22内のレーザ
干渉計によってリアルタイムに計測されている。この計
測結果及び装置全体の動作を統括制御するコンピュータ
よりなる主制御系27からの制御情報に基づいて、駆動
制御ユニット22内の駆動モータ(リニアモータやボイ
スコイルモータ等)は、レチクルステージ20Aの走査
速度及び位置の制御を行う。
【0039】そして、レチクルRのアライメントを行う
際には、レチクルRに形成されている一対のレチクルア
ライメントマーク(不図示)の中心を投影光学系PLの
露光フィールドのほぼ中心に設定した状態で、レチクル
アライメントマークが露光光ILと同じ波長域の照明光
で照明される。レチクルアライメントマークの像はウエ
ハステージ24上のアライメントマーク(不図示)の近
傍に形成され、レチクルアライメント顕微鏡(不図示)
でレチクルアライメントマークの像に対するウエハステ
ージ24上のアライメントマークの位置ずれ量を検出
し、これらの位置ずれ量を補正するようにレチクルステ
ージ20Aを位置決めすることで、レチクルRのウエハ
Wに対する位置合わせが行われる。この際に、アライメ
ントセンサ(不図示)で対応する基準マークを観察する
ことで、アライメントセンサの検出中心からレチクルR
のパターン像の中心までの間隔(ベースライン量)が算
出される。ウエハW上に重ね合わせ露光を行う場合に
は、アライメントセンサの検出結果をそのベースライン
量で補正した位置に基づいてウエハステージ24を駆動
することで、ウエハW上の各ショット領域にレチクルR
のパターン像を高い重ね合わせ精度で転写できる。
際には、レチクルRに形成されている一対のレチクルア
ライメントマーク(不図示)の中心を投影光学系PLの
露光フィールドのほぼ中心に設定した状態で、レチクル
アライメントマークが露光光ILと同じ波長域の照明光
で照明される。レチクルアライメントマークの像はウエ
ハステージ24上のアライメントマーク(不図示)の近
傍に形成され、レチクルアライメント顕微鏡(不図示)
でレチクルアライメントマークの像に対するウエハステ
ージ24上のアライメントマークの位置ずれ量を検出
し、これらの位置ずれ量を補正するようにレチクルステ
ージ20Aを位置決めすることで、レチクルRのウエハ
Wに対する位置合わせが行われる。この際に、アライメ
ントセンサ(不図示)で対応する基準マークを観察する
ことで、アライメントセンサの検出中心からレチクルR
のパターン像の中心までの間隔(ベースライン量)が算
出される。ウエハW上に重ね合わせ露光を行う場合に
は、アライメントセンサの検出結果をそのベースライン
量で補正した位置に基づいてウエハステージ24を駆動
することで、ウエハW上の各ショット領域にレチクルR
のパターン像を高い重ね合わせ精度で転写できる。
【0040】一方、ウエハWは、ウエハホルダWHを介
してZチルトステージ24Z上に吸着保持され、Zチル
トステージ24Zは、投影光学系PLの像面と平行なX
Y平面に沿って2次元移動するXYステージ24XY上
に固定され、Zチルトステージ24Z及びXYステージ
24XYによりウエハステージ24が構成されている。
Zチルトステージ24Zは、ウエハWの表面をオートフ
ォーカス方式及びオートレベリング方式で投影光学系P
Lの像面に合わせ込み、XYステージ24XYはウエハ
WのX方向への等速走査、X方向及びY方向へのステッ
ピングを行う。Zチルトステージ24Z(ウエハW)の
2次元的な位置、及び回転角は駆動制御ユニット25内
のレーザ干渉計によってリアルタイムに計測されてい
る。この計測結果及び主制御系27からの制御情報に基
づいて、駆動制御ユニット25内の駆動モータ(リニア
モータ等)は、XYステージ24XYの走査速度及び位
置の制御を行う。ウエハWの回転誤差は、主制御系27
及び駆動制御ユニット22を介してレチクルステージ2
0Aを回転することで補正される。
してZチルトステージ24Z上に吸着保持され、Zチル
トステージ24Zは、投影光学系PLの像面と平行なX
Y平面に沿って2次元移動するXYステージ24XY上
に固定され、Zチルトステージ24Z及びXYステージ
24XYによりウエハステージ24が構成されている。
Zチルトステージ24Zは、ウエハWの表面をオートフ
ォーカス方式及びオートレベリング方式で投影光学系P
Lの像面に合わせ込み、XYステージ24XYはウエハ
WのX方向への等速走査、X方向及びY方向へのステッ
ピングを行う。Zチルトステージ24Z(ウエハW)の
2次元的な位置、及び回転角は駆動制御ユニット25内
のレーザ干渉計によってリアルタイムに計測されてい
る。この計測結果及び主制御系27からの制御情報に基
づいて、駆動制御ユニット25内の駆動モータ(リニア
モータ等)は、XYステージ24XYの走査速度及び位
置の制御を行う。ウエハWの回転誤差は、主制御系27
及び駆動制御ユニット22を介してレチクルステージ2
0Aを回転することで補正される。
【0041】主制御系27は、レチクルステージ20A
及びXYステージ24XYのそれぞれの移動位置、移動
速度、移動加速度、位置オフセット等の各種情報を駆動
制御ユニット22及び25に送る。そして、走査露光時
には、レチクルステージ20Aを介して紫外パルス光I
Lの照明領域に対してレチクルRが+X方向(又は−X
方向)に速度Vrで走査されるのに同期して、XYステ
ージ24XYを介してレチクルRのパターンの像の露光
領域に対してウエハWが−X方向(又は+X方向)に速
度β・Vr(βはレチクルRからウエハWへの投影倍
率)で走査される。
及びXYステージ24XYのそれぞれの移動位置、移動
速度、移動加速度、位置オフセット等の各種情報を駆動
制御ユニット22及び25に送る。そして、走査露光時
には、レチクルステージ20Aを介して紫外パルス光I
Lの照明領域に対してレチクルRが+X方向(又は−X
方向)に速度Vrで走査されるのに同期して、XYステ
ージ24XYを介してレチクルRのパターンの像の露光
領域に対してウエハWが−X方向(又は+X方向)に速
度β・Vr(βはレチクルRからウエハWへの投影倍
率)で走査される。
【0042】また、主制御系27は、ウエハW上の各シ
ョット領域のレジストを適正露光量で走査露光するため
の各種露光条件を設定して、露光コントローラ30とも
連携して最適な露光シーケンスを実行する。即ち、ウエ
ハW上の1つのショット領域への走査露光開始の指令が
主制御系27から露光コントローラ30に発せられる
と、露光コントローラ30は光源1の発光を開始すると
ともに、インテグレータセンサ9の検出信号等に基づき
投影光学系PLに対する入射光量を求める。そして、露
光コントローラ30では、その入射光量及び投影光学系
PLの透過率に応じて、走査露光後のウエハW上のレジ
ストの各点で適正露光量が得られるように、光源1の出
力(発信周波数及びパルスエネルギー)及び可変減光器
6の減光率を制御する。そして、当該ショット領域への
走査露光の終了時に、光源1の発光が停止される。
ョット領域のレジストを適正露光量で走査露光するため
の各種露光条件を設定して、露光コントローラ30とも
連携して最適な露光シーケンスを実行する。即ち、ウエ
ハW上の1つのショット領域への走査露光開始の指令が
主制御系27から露光コントローラ30に発せられる
と、露光コントローラ30は光源1の発光を開始すると
ともに、インテグレータセンサ9の検出信号等に基づき
投影光学系PLに対する入射光量を求める。そして、露
光コントローラ30では、その入射光量及び投影光学系
PLの透過率に応じて、走査露光後のウエハW上のレジ
ストの各点で適正露光量が得られるように、光源1の出
力(発信周波数及びパルスエネルギー)及び可変減光器
6の減光率を制御する。そして、当該ショット領域への
走査露光の終了時に、光源1の発光が停止される。
【0043】また、この実施形態のZチルトステージ2
4Z上のウエハホルダWHの近傍には光電検出器よりな
る照射量モニタ32が設置され、照射量モニタ32の検
出信号も露光コントローラ30に供給されている。照射
量モニタ32は、投影光学系PLによる露光領域の全体
を覆う大きさの受光面を備え、XYステージ24XYを
駆動してその受光面を投影光学系PLの露光領域を覆う
位置に設定することで、投影光学系PLを通過した紫外
パルス光ILの光量を計測できる。この実施形態では、
インテグレータセンサ9及び照射量モニタ32の検出信
号を用いて投影光学系PLの透過率を計測する。なお。
照射量モニタ32の代わりに、その露光領域内での光量
分布を計測するためのピンホール状の受光部を有する照
度むらセンサを使用しても良い。
4Z上のウエハホルダWHの近傍には光電検出器よりな
る照射量モニタ32が設置され、照射量モニタ32の検
出信号も露光コントローラ30に供給されている。照射
量モニタ32は、投影光学系PLによる露光領域の全体
を覆う大きさの受光面を備え、XYステージ24XYを
駆動してその受光面を投影光学系PLの露光領域を覆う
位置に設定することで、投影光学系PLを通過した紫外
パルス光ILの光量を計測できる。この実施形態では、
インテグレータセンサ9及び照射量モニタ32の検出信
号を用いて投影光学系PLの透過率を計測する。なお。
照射量モニタ32の代わりに、その露光領域内での光量
分布を計測するためのピンホール状の受光部を有する照
度むらセンサを使用しても良い。
【0044】この実施形態では、F2 エキシマレーザ光
源1を用いているため、パイプ5内から可変減光器6、
レンズ系7A,7B、さらにフライアイレンズ11〜主
コンデンサレンズ系19までの各照明光路を外気から遮
断するサブチャンバ35が設けられ、そのサブチャンバ
35内の全体には配管36を通して酸素含有率を極めて
低く抑えたヘリウムガス(He)が供給される。同様に
投影光学系PLの鏡筒内部の空間(複数のレンズ素子間
の空間)の全体にも配管37を介してヘリウムガスが供
給される。
源1を用いているため、パイプ5内から可変減光器6、
レンズ系7A,7B、さらにフライアイレンズ11〜主
コンデンサレンズ系19までの各照明光路を外気から遮
断するサブチャンバ35が設けられ、そのサブチャンバ
35内の全体には配管36を通して酸素含有率を極めて
低く抑えたヘリウムガス(He)が供給される。同様に
投影光学系PLの鏡筒内部の空間(複数のレンズ素子間
の空間)の全体にも配管37を介してヘリウムガスが供
給される。
【0045】そのヘリウムガスの供給は、サブチャンバ
35や投影光学系PLの鏡筒の気密性が高い場合は、一
度大気との完全な置換が行われた後はそれ程頻繁に行う
必要はない。しかしながら、光路内に存在する各所の物
質(硝材、コート材、接着剤、塗料、金属、セラミック
ス等)から生じる水分子や炭化水素分子等が光学素子の
表面に付着して起こる透過率変動を考慮すると、温度制
御されたヘリウムガスを光路内で強制的にフローさせつ
つ、ケミカルフィルタや静電フィルタによってそれらの
不純物分子を除去していくことも必要である。
35や投影光学系PLの鏡筒の気密性が高い場合は、一
度大気との完全な置換が行われた後はそれ程頻繁に行う
必要はない。しかしながら、光路内に存在する各所の物
質(硝材、コート材、接着剤、塗料、金属、セラミック
ス等)から生じる水分子や炭化水素分子等が光学素子の
表面に付着して起こる透過率変動を考慮すると、温度制
御されたヘリウムガスを光路内で強制的にフローさせつ
つ、ケミカルフィルタや静電フィルタによってそれらの
不純物分子を除去していくことも必要である。
【0046】2.結像特性の補正 図1の装置には投影光学系PLの結像特性を補正するた
めの補正機構が設けられている。この補正機構は、主に
対称性の像歪等の結像特性を補正する第1補正機構、及
び主に非対称性の像歪等の結像特性を補正する第2補正
機構から構成されている。まず、第1補正機構について
説明する。投影光学系PLの結像特性としては、焦点位
置(フォーカス位置)、像面湾曲、ディストーション
(倍率調整、像歪等)、非点収差等があり、それらを補
正する機構はそれぞれ考えられるが、ここではディスト
ーションに関する補正機構の説明を行う。この実施形態
では、投影光学系PLの結像特性を実測によりあるいは
計算により求めておき、その結果に基づき結像特性を補
正する。
めの補正機構が設けられている。この補正機構は、主に
対称性の像歪等の結像特性を補正する第1補正機構、及
び主に非対称性の像歪等の結像特性を補正する第2補正
機構から構成されている。まず、第1補正機構について
説明する。投影光学系PLの結像特性としては、焦点位
置(フォーカス位置)、像面湾曲、ディストーション
(倍率調整、像歪等)、非点収差等があり、それらを補
正する機構はそれぞれ考えられるが、ここではディスト
ーションに関する補正機構の説明を行う。この実施形態
では、投影光学系PLの結像特性を実測によりあるいは
計算により求めておき、その結果に基づき結像特性を補
正する。
【0047】図1において、第1補正機構は、レチクル
R(レチクルホルダ20B)の駆動機構20C及び投影
光学系PLの最もレチクル側のレンズエレメント(最上
位のレンズエレメント)の駆動機構(不図示)から構成
されている。即ち、主制御系27の制御の下、不図示の
結像特性制御系によってレチクルRを吸着保持するレチ
クルホルダ20B又は投影光学系PL内の最上位のレン
ズエレメントを駆動することにより、結像特性の補正を
行う。
R(レチクルホルダ20B)の駆動機構20C及び投影
光学系PLの最もレチクル側のレンズエレメント(最上
位のレンズエレメント)の駆動機構(不図示)から構成
されている。即ち、主制御系27の制御の下、不図示の
結像特性制御系によってレチクルRを吸着保持するレチ
クルホルダ20B又は投影光学系PL内の最上位のレン
ズエレメントを駆動することにより、結像特性の補正を
行う。
【0048】まず、最上位のレンズエレメントの駆動に
ついて説明する。投影光学系PL内において、最上位の
レンズエレメントは支持部材に固定され、最上位のレン
ズエレメントに続く他のレンズエレメント等は投影光学
系PLの鏡筒本体に固定されている。なお、この実施形
態において、投影光学系PLの光軸AXは該他のレンズ
エレメント以下の投影光学系PLの本体の光学系の光軸
を指すものとする。最上位のレンズエレメントの支持部
材は伸縮自在の複数のピエゾ素子等からなる駆動素子を
介して投影光学系PLの鏡筒本体と連結されている。こ
の場合、該駆動素子の伸縮により、該最上位のレンズエ
レメントを光軸AXに平行に移動することができる。ま
た、駆動素子を3個設けて独立に伸縮させることによっ
て、最上位のレンズエレメントを光軸AXに垂直な面に
対して傾けることもでき、これらの動作によって投影光
学系PLの結像特性、例えば投影倍率、ディストーショ
ン、像面湾曲、非点収差等を補正することができるよう
になっている。
ついて説明する。投影光学系PL内において、最上位の
レンズエレメントは支持部材に固定され、最上位のレン
ズエレメントに続く他のレンズエレメント等は投影光学
系PLの鏡筒本体に固定されている。なお、この実施形
態において、投影光学系PLの光軸AXは該他のレンズ
エレメント以下の投影光学系PLの本体の光学系の光軸
を指すものとする。最上位のレンズエレメントの支持部
材は伸縮自在の複数のピエゾ素子等からなる駆動素子を
介して投影光学系PLの鏡筒本体と連結されている。こ
の場合、該駆動素子の伸縮により、該最上位のレンズエ
レメントを光軸AXに平行に移動することができる。ま
た、駆動素子を3個設けて独立に伸縮させることによっ
て、最上位のレンズエレメントを光軸AXに垂直な面に
対して傾けることもでき、これらの動作によって投影光
学系PLの結像特性、例えば投影倍率、ディストーショ
ン、像面湾曲、非点収差等を補正することができるよう
になっている。
【0049】ここで、最上位のレンズエレメントが光軸
AXの方向に平行移動した場合、その移動量に応じた変
化率で投影光学系PLの投影倍率(レチクルからウエハ
への倍率)が変化する。また、該最上位のレンズエレメ
ントが光軸AXに垂直な平面に対して傾斜した場合は、
その回転軸に対して一方の投影倍率が拡大し、他方の投
影倍率が縮小して、所謂、正方形の像が台形状に歪む変
形を起こすことができる。逆に、台形状の歪みは該最上
位のレンズエレメントの傾斜によって補正できることに
なる。
AXの方向に平行移動した場合、その移動量に応じた変
化率で投影光学系PLの投影倍率(レチクルからウエハ
への倍率)が変化する。また、該最上位のレンズエレメ
ントが光軸AXに垂直な平面に対して傾斜した場合は、
その回転軸に対して一方の投影倍率が拡大し、他方の投
影倍率が縮小して、所謂、正方形の像が台形状に歪む変
形を起こすことができる。逆に、台形状の歪みは該最上
位のレンズエレメントの傾斜によって補正できることに
なる。
【0050】次に、レチクルRの駆動について説明す
る。前記のように、レチクルホルダ20Bの底面の複数
の駆動素子(例えば、ピエゾ素子)20Cの伸縮により
投影光学系PLとレチクルRとの間隔を変化させること
ができる。ここで、レチクルRが光軸AXに平行に移動
した場合、投影像には所謂糸巻型(あるいは○型)ディ
ストーションと呼ばれる収差を発生させることができ
る。なお、投影光学系PLの前記最上位のレンズエレメ
ントを駆動する駆動素子やレチクルRを駆動する駆動素
子20Cとしては、ピエゾ素子の他、電歪素子や磁歪素
子等が使用できる。
る。前記のように、レチクルホルダ20Bの底面の複数
の駆動素子(例えば、ピエゾ素子)20Cの伸縮により
投影光学系PLとレチクルRとの間隔を変化させること
ができる。ここで、レチクルRが光軸AXに平行に移動
した場合、投影像には所謂糸巻型(あるいは○型)ディ
ストーションと呼ばれる収差を発生させることができ
る。なお、投影光学系PLの前記最上位のレンズエレメ
ントを駆動する駆動素子やレチクルRを駆動する駆動素
子20Cとしては、ピエゾ素子の他、電歪素子や磁歪素
子等が使用できる。
【0051】上記のように、レチクルRあるいは投影光
学系PLの最上位のレンズエレメントを駆動することに
より、投影光学系PLの投影倍率あるいは像歪を最適に
補正できる。また、これらを駆動することによって結像
面のフォーカス位置あるいは傾斜角が変化するが、その
量は焦点位置検出系(不図示)のオフセットとしてフィ
ードバックされ、ウエハWの表面のフォーカス位置が常
に投影光学系PLの結像面の平均的なフォーカス位置と
一致するように制御されている。
学系PLの最上位のレンズエレメントを駆動することに
より、投影光学系PLの投影倍率あるいは像歪を最適に
補正できる。また、これらを駆動することによって結像
面のフォーカス位置あるいは傾斜角が変化するが、その
量は焦点位置検出系(不図示)のオフセットとしてフィ
ードバックされ、ウエハWの表面のフォーカス位置が常
に投影光学系PLの結像面の平均的なフォーカス位置と
一致するように制御されている。
【0052】なお、投影像の歪みを補正するための第1
補正機構は上記の機構の他に、例えば投影光学系とレチ
クルとの間の空間に像歪を補正する部分的に微妙に曲率
を持たせたようなガラスプレートを挿入する機構、ある
いは投影光学系PLとレチクルRとの間の空間に厚さが
可変のガラスプレート(例えば光学くさび等)を挿入す
る機構等も使用できる。特にこの厚さが可変のガラスプ
レートを挿入する方法は、レチクルRを上下する方法と
ほとんど等価であるが、レチクルステージ20Aの剛性
に悪影響を与えることなく、同一の効果が得られる。ま
た、投影光学系PLの一部のレンズ間の気体室を密封し
て、その圧力又は空気の組成を変化させる方法等種々の
方法が提案されており、これらも同様に使用できる。
補正機構は上記の機構の他に、例えば投影光学系とレチ
クルとの間の空間に像歪を補正する部分的に微妙に曲率
を持たせたようなガラスプレートを挿入する機構、ある
いは投影光学系PLとレチクルRとの間の空間に厚さが
可変のガラスプレート(例えば光学くさび等)を挿入す
る機構等も使用できる。特にこの厚さが可変のガラスプ
レートを挿入する方法は、レチクルRを上下する方法と
ほとんど等価であるが、レチクルステージ20Aの剛性
に悪影響を与えることなく、同一の効果が得られる。ま
た、投影光学系PLの一部のレンズ間の気体室を密封し
て、その圧力又は空気の組成を変化させる方法等種々の
方法が提案されており、これらも同様に使用できる。
【0053】これらの第1補正機構は、実測によりある
いは計算により求められた結像特性を補正する場合以外
に、大気圧の変化、投影光学系PLの照明光吸収、ある
いは照明条件の変更等に伴う結像特性の変化を補正する
場合にも用いられる。これを以下に簡単に説明する。ま
ず、大気圧の変化等の環境変化に対応する補正について
説明する。主制御系27には、大気圧センサ、温度セン
サ等からなる環境センサ(不図示)からの情報が供給さ
れており、主制御系27ではこれらの情報に基づき、予
め計算又は実験等で求めておいた係数、あるいはテーブ
ル等を用いて結像特性の変化量が計算される。さらに、
駆動素子20C等の各補正手段の補正量が求められ、そ
の結果が不図示の結像特性制御系に制御信号として送ら
れる。この制御信号に基づき、結像特性制御系は駆動素
子20C及び投影光学系PLの最上位のレンズエレメン
トの駆動素子等を駆動して該最上位のレンズエレメント
又はレチクルRの制御を行う。
いは計算により求められた結像特性を補正する場合以外
に、大気圧の変化、投影光学系PLの照明光吸収、ある
いは照明条件の変更等に伴う結像特性の変化を補正する
場合にも用いられる。これを以下に簡単に説明する。ま
ず、大気圧の変化等の環境変化に対応する補正について
説明する。主制御系27には、大気圧センサ、温度セン
サ等からなる環境センサ(不図示)からの情報が供給さ
れており、主制御系27ではこれらの情報に基づき、予
め計算又は実験等で求めておいた係数、あるいはテーブ
ル等を用いて結像特性の変化量が計算される。さらに、
駆動素子20C等の各補正手段の補正量が求められ、そ
の結果が不図示の結像特性制御系に制御信号として送ら
れる。この制御信号に基づき、結像特性制御系は駆動素
子20C及び投影光学系PLの最上位のレンズエレメン
トの駆動素子等を駆動して該最上位のレンズエレメント
又はレチクルRの制御を行う。
【0054】また、投影光学系PLの照明光吸収に関し
ては、例えばウエハステージ24上の照射量モニタ32
により、投影光学系PLを通過する照明光量の測定を実
露光動作の前に行う。主制御系27には、予め照明光量
に対する結像特性の変化量を算出するための、例えば微
分方程式等の数学モデル等が記憶されており、照明光量
をモニタすることにより、結像特性の刻々の変化量が計
算される。その変化量に基づいて、上述の環境変化の場
合と同様に補正機構により補正することができる。
ては、例えばウエハステージ24上の照射量モニタ32
により、投影光学系PLを通過する照明光量の測定を実
露光動作の前に行う。主制御系27には、予め照明光量
に対する結像特性の変化量を算出するための、例えば微
分方程式等の数学モデル等が記憶されており、照明光量
をモニタすることにより、結像特性の刻々の変化量が計
算される。その変化量に基づいて、上述の環境変化の場
合と同様に補正機構により補正することができる。
【0055】次に、第2補正機構の構成及び動作につい
て詳しく説明する。第2補正機構は前述のように主に非
対称性(非回転対称性)の像歪の補正を行うものであ
り、ウエハW上の像歪に合わせてレチクルRの投影像を
歪ませることにより結像特性の補正が行われる。まず、
構成について説明する。
て詳しく説明する。第2補正機構は前述のように主に非
対称性(非回転対称性)の像歪の補正を行うものであ
り、ウエハW上の像歪に合わせてレチクルRの投影像を
歪ませることにより結像特性の補正が行われる。まず、
構成について説明する。
【0056】図1に示すように、レチクルRと投影光学
系PLとの間(ほぼ中間位置)に、透明な光学部材から
なる補正板(収差補正板)38がXY平面に平行に配置
されている。補正板38は、手作業により着脱自在に、
あるいは自動交換装置(不図示)により挿脱自在に設け
られている。自動交換装置を設けた場合には、保管庫に
保管されている他の同様の補正板と必要に応じて交換さ
れるようにすることができる。補正板38は、投影光学
系PLの投影像の形状を変化させることにより、第1補
正機構で補正が難しいランダムなディストーションを補
正することを目的とする。また、この補正板38は、こ
の投影露光装置の前又は後に配置される他の投影露光装
置のディストーション特性に合わせた像歪を発生させる
目的にも使用できる。なお、補正板38の形状等につい
ては後述する。
系PLとの間(ほぼ中間位置)に、透明な光学部材から
なる補正板(収差補正板)38がXY平面に平行に配置
されている。補正板38は、手作業により着脱自在に、
あるいは自動交換装置(不図示)により挿脱自在に設け
られている。自動交換装置を設けた場合には、保管庫に
保管されている他の同様の補正板と必要に応じて交換さ
れるようにすることができる。補正板38は、投影光学
系PLの投影像の形状を変化させることにより、第1補
正機構で補正が難しいランダムなディストーションを補
正することを目的とする。また、この補正板38は、こ
の投影露光装置の前又は後に配置される他の投影露光装
置のディストーション特性に合わせた像歪を発生させる
目的にも使用できる。なお、補正板38の形状等につい
ては後述する。
【0057】次に、この第2補正機構の動作について図
2を参照して説明する。投影光学系PLのディストーシ
ョンはテスト露光あるいは光電センサを用いる方法で計
測され、まず第1補正機構により補正が行われる。しか
し、補正しきれないディストーションが残留する。図2
(a)は、残留ディストーションの一例を示し、この場
合残留ディストーションをレチクルR上でのパターンの
ずれとして表している。即ち、ウエハW上での投影像の
残留ディストーションをレチクルR上でのパターンの横
ずれ量に換算した状態が図2(a)に示されている。
2を参照して説明する。投影光学系PLのディストーシ
ョンはテスト露光あるいは光電センサを用いる方法で計
測され、まず第1補正機構により補正が行われる。しか
し、補正しきれないディストーションが残留する。図2
(a)は、残留ディストーションの一例を示し、この場
合残留ディストーションをレチクルR上でのパターンの
ずれとして表している。即ち、ウエハW上での投影像の
残留ディストーションをレチクルR上でのパターンの横
ずれ量に換算した状態が図2(a)に示されている。
【0058】この図2(a)において、点線で示す理想
格子(歪みのない格子状の投影像に対応するパターン)
39の各格子点では、矢印のように投影像のずれが生じ
ている。この場合、矢印の方向及び大きさは、投影像の
ずれの方向及び大きさを示す。この図2(a)に示すよ
うに、これらの矢印の方向及び大きさには共に一貫性が
なく、ランダムに分布している。例えば、左上部の隣合
う4つの格子点P(1,1),P(1,2),P(2,
1),P(2,2)は、それぞれ左上方の点Q(1,
1)、左下方の点Q(1,2)、右上方の点Q(2,
1)、及び右下方の点Q(2,2)までずれている。こ
のように近接した位置同士のずれがばらばらな方向性を
有している。また、他の角部の格子点P(1,5),P
(5,1),P(5,5)もそれぞれ左下方の点Q
(1,5)、左上方の点Q(5,1)、及び下方の点Q
(5,5)までずれている。即ち、部分領域及び全体領
域にかかわらず、ずれの方向はランダムである。また、
それらのずれの大きさもランダムである。
格子(歪みのない格子状の投影像に対応するパターン)
39の各格子点では、矢印のように投影像のずれが生じ
ている。この場合、矢印の方向及び大きさは、投影像の
ずれの方向及び大きさを示す。この図2(a)に示すよ
うに、これらの矢印の方向及び大きさには共に一貫性が
なく、ランダムに分布している。例えば、左上部の隣合
う4つの格子点P(1,1),P(1,2),P(2,
1),P(2,2)は、それぞれ左上方の点Q(1,
1)、左下方の点Q(1,2)、右上方の点Q(2,
1)、及び右下方の点Q(2,2)までずれている。こ
のように近接した位置同士のずれがばらばらな方向性を
有している。また、他の角部の格子点P(1,5),P
(5,1),P(5,5)もそれぞれ左下方の点Q
(1,5)、左上方の点Q(5,1)、及び下方の点Q
(5,5)までずれている。即ち、部分領域及び全体領
域にかかわらず、ずれの方向はランダムである。また、
それらのずれの大きさもランダムである。
【0059】これらの対称性のないランダムな像歪の成
分は、従来の方法では、通常これ以上の補正はできな
い。しかし、この実施形態では、このランダムな像歪の
成分を補正板38を使用して補正する。図2(b)は、
補正板38がレチクルRと投影光学系PL(最上位のレ
ンズエレメント)との間に配置された状態の断面図を示
し、この図2(b)に示すように、補正板38の上表面
38AはレチクルRにほぼ平行な状態に成形されてい
る。一方、下表面38Bは、局所的に角度を持たせ、レ
チクルRを通過した主光線がディストーションを打ち消
す方向に曲がるように研磨加工されている。この場合の
補正板38の断面形状は、図2(a)の理想格子39の
中央の格子点P(3,1)〜格子点P(3,5)を結ぶ
直線40上の投影像のディストーションを補正する場合
の例を示している。従って、格子点P(3,1)を通る
図2(b)の主光線L(3,1)は、格子点P(3,
1)での左上方向へのずれを打ち消す方向、即ち右下方
向に曲げられる。同様に、格子点P(3,2)〜格子点
P(3,5)をそれぞれ通過する主光線L(3,2)〜
L(3,5)も格子点P(3,2)〜格子点P(3,
5)でのそれぞれのディストーションを打ち消す方向に
曲げられる。そして、補正板38の全体の形状は図2
(a)のディストーションの分布に対応した形状に研磨
加工されている。
分は、従来の方法では、通常これ以上の補正はできな
い。しかし、この実施形態では、このランダムな像歪の
成分を補正板38を使用して補正する。図2(b)は、
補正板38がレチクルRと投影光学系PL(最上位のレ
ンズエレメント)との間に配置された状態の断面図を示
し、この図2(b)に示すように、補正板38の上表面
38AはレチクルRにほぼ平行な状態に成形されてい
る。一方、下表面38Bは、局所的に角度を持たせ、レ
チクルRを通過した主光線がディストーションを打ち消
す方向に曲がるように研磨加工されている。この場合の
補正板38の断面形状は、図2(a)の理想格子39の
中央の格子点P(3,1)〜格子点P(3,5)を結ぶ
直線40上の投影像のディストーションを補正する場合
の例を示している。従って、格子点P(3,1)を通る
図2(b)の主光線L(3,1)は、格子点P(3,
1)での左上方向へのずれを打ち消す方向、即ち右下方
向に曲げられる。同様に、格子点P(3,2)〜格子点
P(3,5)をそれぞれ通過する主光線L(3,2)〜
L(3,5)も格子点P(3,2)〜格子点P(3,
5)でのそれぞれのディストーションを打ち消す方向に
曲げられる。そして、補正板38の全体の形状は図2
(a)のディストーションの分布に対応した形状に研磨
加工されている。
【0060】このように補正板38を所定の形に研磨加
工することで、対応するディストーションの補正が行え
る。しかし、あまり多くの像のずれ量を補正板38で補
正しようとすると、補正板38の厚さが場所により大き
く変わり、像面や球面収差に悪影響が出るため、できる
だけ対称成分は第1の補正機構で補正し、残留分のみ補
正板38で補正するのがよい。
工することで、対応するディストーションの補正が行え
る。しかし、あまり多くの像のずれ量を補正板38で補
正しようとすると、補正板38の厚さが場所により大き
く変わり、像面や球面収差に悪影響が出るため、できる
だけ対称成分は第1の補正機構で補正し、残留分のみ補
正板38で補正するのがよい。
【0061】なお、本発明の収差補正板は、上述した補
正板38に限定されることはなく、他の収差(像面湾
曲、非点収差、球面収差、及びコマ収差)を補正するも
のでもよいし、あるいは任意の収差についてその回転対
称成分(投影光学系PLの組立、調整時に補正しきれず
に残存する成分などを含む)を補正するものでもよい。
また、本実施形態の補正板38はレチクルRと投影光学
系PLとの間に配置することが好ましいが、本発明が適
用される補正板(光学素子)の設置位置はレチクルRと
投影光学系PLとの間に限られるものではない。即ち、
補正対象とする収差に応じて、レチクルRと感光基板W
との間で結像光路中の所定位置に光学素子を配置すれば
よい。さらに、本発明による補正板の形状も任意でよ
い。前述の補正板として、例えば偏心コマ収差を補正す
るために、投影光学系PLと感光基板Wとの間に傾斜可
能に配置される平行平面板を用いてもよい。また、像面
湾曲(ペッツバール像面)を補正する所定の曲率を持つ
ガラスプレートを用いてもよいし、あるいは球面収差を
補正する平行平面板を用いてもよい。なお、像面湾曲、
又は球面収差を補正する光学素子は投影光学系PLと感
光基板Wとの間に配置される。また、曲率、又は厚さが
異なる複数の光学素子をそれぞれ交換して結像光路中に
配置するように構成してもよい。さらに前述の補正板と
して、レチクルRと投影光学系PLとの間に配置される
2つの楔状光学素子を用いてもよい。この場合、少なく
とも1つの光学素子を移動可能に構成し、その厚さを調
整してディストーション、特に回転対称成分を補正す
る。
正板38に限定されることはなく、他の収差(像面湾
曲、非点収差、球面収差、及びコマ収差)を補正するも
のでもよいし、あるいは任意の収差についてその回転対
称成分(投影光学系PLの組立、調整時に補正しきれず
に残存する成分などを含む)を補正するものでもよい。
また、本実施形態の補正板38はレチクルRと投影光学
系PLとの間に配置することが好ましいが、本発明が適
用される補正板(光学素子)の設置位置はレチクルRと
投影光学系PLとの間に限られるものではない。即ち、
補正対象とする収差に応じて、レチクルRと感光基板W
との間で結像光路中の所定位置に光学素子を配置すれば
よい。さらに、本発明による補正板の形状も任意でよ
い。前述の補正板として、例えば偏心コマ収差を補正す
るために、投影光学系PLと感光基板Wとの間に傾斜可
能に配置される平行平面板を用いてもよい。また、像面
湾曲(ペッツバール像面)を補正する所定の曲率を持つ
ガラスプレートを用いてもよいし、あるいは球面収差を
補正する平行平面板を用いてもよい。なお、像面湾曲、
又は球面収差を補正する光学素子は投影光学系PLと感
光基板Wとの間に配置される。また、曲率、又は厚さが
異なる複数の光学素子をそれぞれ交換して結像光路中に
配置するように構成してもよい。さらに前述の補正板と
して、レチクルRと投影光学系PLとの間に配置される
2つの楔状光学素子を用いてもよい。この場合、少なく
とも1つの光学素子を移動可能に構成し、その厚さを調
整してディストーション、特に回転対称成分を補正す
る。
【0062】3.レチクルR及び収差補正板38の製造 この実施形態における光源1はF2 エキシマレーザ光源
(波長157nm)であるため、レチクルR及び補正板
38は、以下に示すようなフッ素がドープされた合成石
英ガラス又はOH基濃度が1000ppm以上の合成石
英ガラスを用いて製造される。
(波長157nm)であるため、レチクルR及び補正板
38は、以下に示すようなフッ素がドープされた合成石
英ガラス又はOH基濃度が1000ppm以上の合成石
英ガラスを用いて製造される。
【0063】(1)フッ素ドープ石英ガラスを用いて製
造する場合 まず、フッ素がドープされた合成石英ガラスの製造方法
について、図3の製造工程図を参照して説明する。ま
ず、SiCl4 のようなケイ素化合物を酸水素火炎中で
加水分解せしめてガラス微粒子(いわゆるスート)を得
る(S1)。次に、該ガラス微粒子を堆積させて多孔質
ガラス(いわゆるスート体)を形成する(S2)。かか
る多孔質ガラスの形成方法及び諸条件は特に限定され
ず、いわゆるVAD(Vapor PhaseAxia
l Deposition)法、いわゆるOVD(Ou
tside Vapor Deposition)法、
いわゆるゾルゲル法等が適宜採用される。
造する場合 まず、フッ素がドープされた合成石英ガラスの製造方法
について、図3の製造工程図を参照して説明する。ま
ず、SiCl4 のようなケイ素化合物を酸水素火炎中で
加水分解せしめてガラス微粒子(いわゆるスート)を得
る(S1)。次に、該ガラス微粒子を堆積させて多孔質
ガラス(いわゆるスート体)を形成する(S2)。かか
る多孔質ガラスの形成方法及び諸条件は特に限定され
ず、いわゆるVAD(Vapor PhaseAxia
l Deposition)法、いわゆるOVD(Ou
tside Vapor Deposition)法、
いわゆるゾルゲル法等が適宜採用される。
【0064】続いて、前記多孔質ガラスをフッ素含有雰
囲気中で加熱処理してフッ素ドープされた多孔質ガラス
を得る(S3)。このフッ素含有雰囲気としては、Si
F4のようなフッ素化合物のガスを0.1〜100容量
%含有する不活性ガス雰囲気が好ましい。また、このフ
ッ素ドープ処理中の圧力は、0.1〜10atm、温度
は1000〜1700℃がそれぞれ好ましい。上記の範
囲外では充分量のフッ素がドープされにくい傾向にある
からである。
囲気中で加熱処理してフッ素ドープされた多孔質ガラス
を得る(S3)。このフッ素含有雰囲気としては、Si
F4のようなフッ素化合物のガスを0.1〜100容量
%含有する不活性ガス雰囲気が好ましい。また、このフ
ッ素ドープ処理中の圧力は、0.1〜10atm、温度
は1000〜1700℃がそれぞれ好ましい。上記の範
囲外では充分量のフッ素がドープされにくい傾向にある
からである。
【0065】次いで、前記フッ素ドープされた多孔質ガ
ラスを透明化してフッ素ドープされた合成石英ガラスを
得る(S4)。多孔質ガラスは、通常、Heのような不
活性ガス雰囲気中で該ガラスの軟化点(好ましくは融
点)近傍以上の温度で透明化されるが、ここでは前記多
孔質ガラスをフッ素含有雰囲気中で透明化することが好
ましい。フッ素含有雰囲気中で透明化を行うと、ドープ
されるフッ素量が増加、維持される傾向にあるからであ
る。このフッ素含有雰囲気としては、SiF4 のような
フッ素化合物のガスを0.1〜100容量%含有する不
活性ガス雰囲気が好ましい。また、このフッ素ドープ処
理中の圧力は、0.1〜10atmが好ましい。なお、
フッ素含有雰囲気中で前記多孔質ガラスを透明化する場
合、前記フッ素ドープ処理工程(S3)と、この透明化
処理工程(S4)とを単一の工程で行うことも可能であ
る。
ラスを透明化してフッ素ドープされた合成石英ガラスを
得る(S4)。多孔質ガラスは、通常、Heのような不
活性ガス雰囲気中で該ガラスの軟化点(好ましくは融
点)近傍以上の温度で透明化されるが、ここでは前記多
孔質ガラスをフッ素含有雰囲気中で透明化することが好
ましい。フッ素含有雰囲気中で透明化を行うと、ドープ
されるフッ素量が増加、維持される傾向にあるからであ
る。このフッ素含有雰囲気としては、SiF4 のような
フッ素化合物のガスを0.1〜100容量%含有する不
活性ガス雰囲気が好ましい。また、このフッ素ドープ処
理中の圧力は、0.1〜10atmが好ましい。なお、
フッ素含有雰囲気中で前記多孔質ガラスを透明化する場
合、前記フッ素ドープ処理工程(S3)と、この透明化
処理工程(S4)とを単一の工程で行うことも可能であ
る。
【0066】そして、前記フッ素ドープされた合成石英
ガラスを水素ガス含有雰囲気中で加熱処理することによ
ってフッ素及び水素がドープされた合成石英ガラスを得
る(S5)。この水素ガス含有雰囲気としては、水素ガ
スを0.1〜100容量%含有する不活性ガス雰囲気が
好ましい。また、この水素ドープ処理中の圧力は、0.
1〜10atmが好ましい。上記の範囲外では、充分量
の水素分子がドープされにくい傾向にあるからである。
また、上記水素ドープ処理(S5)の間の温度は、好ま
しくは500℃以下、より好ましくは0〜500℃、特
に好ましくは300〜500℃である。
ガラスを水素ガス含有雰囲気中で加熱処理することによ
ってフッ素及び水素がドープされた合成石英ガラスを得
る(S5)。この水素ガス含有雰囲気としては、水素ガ
スを0.1〜100容量%含有する不活性ガス雰囲気が
好ましい。また、この水素ドープ処理中の圧力は、0.
1〜10atmが好ましい。上記の範囲外では、充分量
の水素分子がドープされにくい傾向にあるからである。
また、上記水素ドープ処理(S5)の間の温度は、好ま
しくは500℃以下、より好ましくは0〜500℃、特
に好ましくは300〜500℃である。
【0067】この製造方法においては、まず前記多孔質
ガラス(いわゆるスート体)にフッ素をドープすること
により、多孔質ガラス中の不完全構造(結合)をフッ素
で終端することが可能になる。特にVAD法等で合成さ
れた多孔質ガラスでは、脱水処理や透明化処理の際に雰
囲気が酸素欠乏雰囲気になり易く、163nmに吸収帯
を持つSi−Si結合が生成し易くなる。この製造方法
によれば、ここにFが存在することにより、Si−Si
結合を開裂させてSi−F結合で終端させることができ
るため上記吸収帯の生成が解消される。また、Si−F
結合はSi−H結合やSi−Cl結合より結合エネルギ
ーが大きく、紫外線の強いエネルギーを受けても安定に
その構造を保つことができる。なお、本発明によるフォ
トマスクを、波長170nm程度以下の照明光を照射す
る光源を備えた露光装置において使用する場合には、上
記の脱水処理等によって、石英ガラス中のOH基の濃度
を低下させることが望ましい。OH基の濃度を低下させ
ることによって、石英ガラスの波長155nmから17
0nm程度の光束に対する透過率を向上させることがで
きるためである。透過率向上のために、石英ガラス中の
OH基の濃度は100ppm以下に抑えることが望まし
い。また、より好ましくは、10ppm程度以下とする
と、波長155nmから170nm程度の光束に対する
透過率を一層向上させることができ好都合である。ここ
で、1ppm以下にまで脱OH基処理した場合は、還元
性の欠陥種、例えば前記Si−Si結合などが生成する
可能性があるが、本発明においては、石英ガラス中に、
フッ素をドープしており、このフッ素の作用によりこの
ような欠陥の発生を抑制することができる。
ガラス(いわゆるスート体)にフッ素をドープすること
により、多孔質ガラス中の不完全構造(結合)をフッ素
で終端することが可能になる。特にVAD法等で合成さ
れた多孔質ガラスでは、脱水処理や透明化処理の際に雰
囲気が酸素欠乏雰囲気になり易く、163nmに吸収帯
を持つSi−Si結合が生成し易くなる。この製造方法
によれば、ここにFが存在することにより、Si−Si
結合を開裂させてSi−F結合で終端させることができ
るため上記吸収帯の生成が解消される。また、Si−F
結合はSi−H結合やSi−Cl結合より結合エネルギ
ーが大きく、紫外線の強いエネルギーを受けても安定に
その構造を保つことができる。なお、本発明によるフォ
トマスクを、波長170nm程度以下の照明光を照射す
る光源を備えた露光装置において使用する場合には、上
記の脱水処理等によって、石英ガラス中のOH基の濃度
を低下させることが望ましい。OH基の濃度を低下させ
ることによって、石英ガラスの波長155nmから17
0nm程度の光束に対する透過率を向上させることがで
きるためである。透過率向上のために、石英ガラス中の
OH基の濃度は100ppm以下に抑えることが望まし
い。また、より好ましくは、10ppm程度以下とする
と、波長155nmから170nm程度の光束に対する
透過率を一層向上させることができ好都合である。ここ
で、1ppm以下にまで脱OH基処理した場合は、還元
性の欠陥種、例えば前記Si−Si結合などが生成する
可能性があるが、本発明においては、石英ガラス中に、
フッ素をドープしており、このフッ素の作用によりこの
ような欠陥の発生を抑制することができる。
【0068】次に、上記多孔質ガラスを透明化した後、
水素ガス雰囲気中、好ましくは500℃以下の温度域で
加熱処理する。水素分子のドープは熱力学的には常温か
ら2500K(2227℃)までの温度領域で可能であ
る。水素を好ましくは500℃以下という比較的低温で
ドープすることにより、紫外線照射により結合が切れて
E’センターになり易いSi−H結合を作ることなく、
また、Si−F結合を減少させることなく、水素分子の
状態で水素ドープを行うことができる。従って、上記の
強い構造に加え、紫外線の照射により生成したE’セン
ターが、ドープされている水素分子により終端され、さ
らに強い耐紫外線性を得ることができる。なお、500
℃を越えた温度で水素雰囲気での熱処理を行うと、Si
−H結合が生成するため耐紫外線性は低下してしまう傾
向があり、熱処理温度をさらに上昇させることは好まし
くない。もっとも、熱処理温度が低い程、生産効率が低
下するため、特に好ましくは300〜500℃である。
水素ガス雰囲気中、好ましくは500℃以下の温度域で
加熱処理する。水素分子のドープは熱力学的には常温か
ら2500K(2227℃)までの温度領域で可能であ
る。水素を好ましくは500℃以下という比較的低温で
ドープすることにより、紫外線照射により結合が切れて
E’センターになり易いSi−H結合を作ることなく、
また、Si−F結合を減少させることなく、水素分子の
状態で水素ドープを行うことができる。従って、上記の
強い構造に加え、紫外線の照射により生成したE’セン
ターが、ドープされている水素分子により終端され、さ
らに強い耐紫外線性を得ることができる。なお、500
℃を越えた温度で水素雰囲気での熱処理を行うと、Si
−H結合が生成するため耐紫外線性は低下してしまう傾
向があり、熱処理温度をさらに上昇させることは好まし
くない。もっとも、熱処理温度が低い程、生産効率が低
下するため、特に好ましくは300〜500℃である。
【0069】このようにして製造された合成石英ガラス
中のフッ素濃度は、100ppm以上が好ましく、より
好ましくは100〜30000ppm、特に好ましくは
500〜30000ppmである。また、この合成石英
ガラス中の水素分子濃度は、1×1017molecul
es/cm3 以上が好ましく、特に好ましくは1×10
17〜1×1010molecules/cm3 である。
中のフッ素濃度は、100ppm以上が好ましく、より
好ましくは100〜30000ppm、特に好ましくは
500〜30000ppmである。また、この合成石英
ガラス中の水素分子濃度は、1×1017molecul
es/cm3 以上が好ましく、特に好ましくは1×10
17〜1×1010molecules/cm3 である。
【0070】なお、上述した製造方法においては、フッ
素に加えて水素をもドープしているが、水素のドープは
必ずしも必要ではなく、フッ素のみをドープした合成石
英ガラスを用いてレチクルR又は補正板38を製造する
こともできる。この場合における合成石英ガラスの製造
方法は、上述したフッ素及び水素をドープした合成石英
ガラスの製造方法から水素をドープする工程(図3のS
5)を削除することにより容易に実現できるので、その
説明は省略することにする。
素に加えて水素をもドープしているが、水素のドープは
必ずしも必要ではなく、フッ素のみをドープした合成石
英ガラスを用いてレチクルR又は補正板38を製造する
こともできる。この場合における合成石英ガラスの製造
方法は、上述したフッ素及び水素をドープした合成石英
ガラスの製造方法から水素をドープする工程(図3のS
5)を削除することにより容易に実現できるので、その
説明は省略することにする。
【0071】本実施形態におけるレチクルR及び補正板
38は、上述した方法により製造されたフッ素がドープ
された合成石英ガラスを用いて製造されている。フッ素
がドープされた合成石英ガラスは、該ガラス中の不完全
な構造(結合)がフッ素により終端され、より完全な構
造となり、紫外線の吸収が少なくなるとともに、紫外線
の強いエネルギーを受けても安定にその構造を保つこと
ができる。
38は、上述した方法により製造されたフッ素がドープ
された合成石英ガラスを用いて製造されている。フッ素
がドープされた合成石英ガラスは、該ガラス中の不完全
な構造(結合)がフッ素により終端され、より完全な構
造となり、紫外線の吸収が少なくなるとともに、紫外線
の強いエネルギーを受けても安定にその構造を保つこと
ができる。
【0072】従って、このようにして製造されたレチク
ルR及び補正板38は、波長が157nmのF2 エキシ
マレーザを照明光として使用する場合にも光透過率が高
く、カラーセンターやコンパクションの発生等の紫外線
照射による経時的な劣化が少ない。さらに、合成石英ガ
ラスを用いているから、加熱・冷却に対して耐性があ
り、パターンの形成を含む製造の作業性が良いととも
に、線膨張率が極めて小さいので、製造時及び露光時に
おいて、高い精度を実現することができる。
ルR及び補正板38は、波長が157nmのF2 エキシ
マレーザを照明光として使用する場合にも光透過率が高
く、カラーセンターやコンパクションの発生等の紫外線
照射による経時的な劣化が少ない。さらに、合成石英ガ
ラスを用いているから、加熱・冷却に対して耐性があ
り、パターンの形成を含む製造の作業性が良いととも
に、線膨張率が極めて小さいので、製造時及び露光時に
おいて、高い精度を実現することができる。
【0073】また、フッ素に加えて水素をもドープする
ことにより、フッ素及び水素分子のそれぞれの耐紫外線
性に対する特性の相乗効果によって耐紫外線性を飛躍的
に高めることができる。なお、現在のフォトマスクの基
板サイズは厚さ6mm程度の150mm角が一般的であ
るが、上記VAD法,OVD法,ゾルゲル法等の製法
は、円柱状の石英ガラスの製造に適するものであり、こ
のような大面積の平板ガラスの製造に適したものではな
い。そこで、石英ガラス基板の製造に際し、まず、円柱
状のガラスロッドを上記各製法で製造した後、円柱状の
ガラスロッドを加熱プレスして概平板状に変形し、その
後に、研削及び研磨して所望のサイズに仕上げる方法を
採用することもできる。このプレス変形加工に際し、さ
らに、上記加熱処理後に500℃以下での水素雰囲気処
理を行なっても良い。この水素処理により、石英ガラス
中に水素分子を溶存させることで耐光性を向上させるこ
とができる。この水素処理時の温度は、水素との反応に
よる完全性の欠陥種の生成を抑制するために、500℃
以下であることが望ましい。この方法により、150m
m角のレチクル用基板を、より小さな直径の円柱状の石
英ガラスから形成することが可能となり、より小規模
の、すなわちより安価な生産設備によって本発明のフォ
トマスクを製造することが可能である。もちろん、収差
補正版に関してもこの製造方法を適用することもでき
る。
ことにより、フッ素及び水素分子のそれぞれの耐紫外線
性に対する特性の相乗効果によって耐紫外線性を飛躍的
に高めることができる。なお、現在のフォトマスクの基
板サイズは厚さ6mm程度の150mm角が一般的であ
るが、上記VAD法,OVD法,ゾルゲル法等の製法
は、円柱状の石英ガラスの製造に適するものであり、こ
のような大面積の平板ガラスの製造に適したものではな
い。そこで、石英ガラス基板の製造に際し、まず、円柱
状のガラスロッドを上記各製法で製造した後、円柱状の
ガラスロッドを加熱プレスして概平板状に変形し、その
後に、研削及び研磨して所望のサイズに仕上げる方法を
採用することもできる。このプレス変形加工に際し、さ
らに、上記加熱処理後に500℃以下での水素雰囲気処
理を行なっても良い。この水素処理により、石英ガラス
中に水素分子を溶存させることで耐光性を向上させるこ
とができる。この水素処理時の温度は、水素との反応に
よる完全性の欠陥種の生成を抑制するために、500℃
以下であることが望ましい。この方法により、150m
m角のレチクル用基板を、より小さな直径の円柱状の石
英ガラスから形成することが可能となり、より小規模
の、すなわちより安価な生産設備によって本発明のフォ
トマスクを製造することが可能である。もちろん、収差
補正版に関してもこの製造方法を適用することもでき
る。
【0074】(2)OH基濃度が1000ppm以上の
石英ガラスを用いて製造する場合 この場合のレチクルR及び補正板38の製造に用いられ
る合成石英ガラスは、構造決定温度が1200K以下
で、かつOH基濃度が1000ppm以上、好ましくは
1000〜1300ppmとした合成石英ガラスであ
る。
石英ガラスを用いて製造する場合 この場合のレチクルR及び補正板38の製造に用いられ
る合成石英ガラスは、構造決定温度が1200K以下
で、かつOH基濃度が1000ppm以上、好ましくは
1000〜1300ppmとした合成石英ガラスであ
る。
【0075】このようにOH基濃度を1000ppm以
上としかつ構造決定温度を1200K以下にすること
で、波長200nm程度以下の真空紫外線に適用した場
合において、散乱損失及び吸収損失を極めて低くするこ
とができるとともに、経時的な劣化を少なくすることが
できるから、かかる合成石英ガラスを用いてレチクルR
や補正板38を製造することにより、透過率が高くかつ
耐紫外線性に優れたレチクルRや補正板38を得ること
ができる。
上としかつ構造決定温度を1200K以下にすること
で、波長200nm程度以下の真空紫外線に適用した場
合において、散乱損失及び吸収損失を極めて低くするこ
とができるとともに、経時的な劣化を少なくすることが
できるから、かかる合成石英ガラスを用いてレチクルR
や補正板38を製造することにより、透過率が高くかつ
耐紫外線性に優れたレチクルRや補正板38を得ること
ができる。
【0076】レチクルRや補正板38における光散乱と
光吸収のトータル量すなわち透過損失量は、ウエハW上
の光量に影響し、照度低下によるスループットの低下な
どに影響を及ぼすから、かかる光散乱や光吸収を少なく
する必要がある。ここで、光吸収とは、光学部材に入射
した光子エネルギーによる電子遷移に起因する現象であ
る。光学部材において光吸収が起こると、そのエネルギ
ーは主に熱エネルギーに変換され、光学部材が膨張した
り、屈折率や面状態が変化し、結果として高解像度が得
られなくなる。さらに、光吸収は、電子状態の変化を伴
い、その緩和過程で入射光より長い波長の光が蛍光とし
て放出される。その蛍光の波長が露光波長と近く、その
強度が高ければ、像のコントラストを著しく低下させ
る。
光吸収のトータル量すなわち透過損失量は、ウエハW上
の光量に影響し、照度低下によるスループットの低下な
どに影響を及ぼすから、かかる光散乱や光吸収を少なく
する必要がある。ここで、光吸収とは、光学部材に入射
した光子エネルギーによる電子遷移に起因する現象であ
る。光学部材において光吸収が起こると、そのエネルギ
ーは主に熱エネルギーに変換され、光学部材が膨張した
り、屈折率や面状態が変化し、結果として高解像度が得
られなくなる。さらに、光吸収は、電子状態の変化を伴
い、その緩和過程で入射光より長い波長の光が蛍光とし
て放出される。その蛍光の波長が露光波長と近く、その
強度が高ければ、像のコントラストを著しく低下させ
る。
【0077】また、一般的に、物質中に入射した光エネ
ルギーは散乱現象を生ずる。散乱現象は、レーリー散
乱、ブリリアン散乱等の弾性散乱やラマン散乱等の非弾
性散乱に大別できる。特に、レチクルRや補正板38中
の散乱強度が高いと、その散乱光は像のコントラストを
低下させ、光学性能を低下させる原因となる。もっと
も、光散乱は、光吸収による光学部材の形状や屈折率の
変化に比べて、その影響は小さいが、F2 エキシマレー
ザ(波長157nm)のような真空紫外線域では、光散
乱は無視できない。
ルギーは散乱現象を生ずる。散乱現象は、レーリー散
乱、ブリリアン散乱等の弾性散乱やラマン散乱等の非弾
性散乱に大別できる。特に、レチクルRや補正板38中
の散乱強度が高いと、その散乱光は像のコントラストを
低下させ、光学性能を低下させる原因となる。もっと
も、光散乱は、光吸収による光学部材の形状や屈折率の
変化に比べて、その影響は小さいが、F2 エキシマレー
ザ(波長157nm)のような真空紫外線域では、光散
乱は無視できない。
【0078】ここで、構造安定性のパラメータである構
造決定温度が1200K以下である石英ガラス、即ち理
想に近い構造を持つ石英ガラスに1000ppm以上の
OH基が導入された石英ガラスにおいて、真空紫外線に
対する透過損失が著しく抑制される機構は必ずしも明確
でないが、以下のように考えることができる。なお、本
発明の石英ガラスの構造決定温度は、例えば光ファイバ
の構造決定温度である約1450Kと比較して非常に低
い。
造決定温度が1200K以下である石英ガラス、即ち理
想に近い構造を持つ石英ガラスに1000ppm以上の
OH基が導入された石英ガラスにおいて、真空紫外線に
対する透過損失が著しく抑制される機構は必ずしも明確
でないが、以下のように考えることができる。なお、本
発明の石英ガラスの構造決定温度は、例えば光ファイバ
の構造決定温度である約1450Kと比較して非常に低
い。
【0079】構造決定温度が高い石英ガラスは構造的に
は不安定であると考えられる。即ち、石英ガラスネット
ワーク中の≡Si−O−Si≡結合角はガラスであるが
ゆえにある分布を持っており、この結合角分布の中には
構造的に不安定なものが含まれている。この結合角分布
は石英ガラス中の酸素原子と珪素原子とで作られる四面
体どうしが架橋しており、従って歪んだ状態の四面体が
存在していることに起因していると考えられる。このよ
うな歪んだ結合部分は、紫外線の照射により容易に切断
され、有害なE’センターやNBOHCなどの欠陥を発
生させてしまうものと考えられる。これに対して、構造
決定温度が低い石英ガラスにおいては、かかる歪んだ結
合部分が非常に少ないと考えられる。
は不安定であると考えられる。即ち、石英ガラスネット
ワーク中の≡Si−O−Si≡結合角はガラスであるが
ゆえにある分布を持っており、この結合角分布の中には
構造的に不安定なものが含まれている。この結合角分布
は石英ガラス中の酸素原子と珪素原子とで作られる四面
体どうしが架橋しており、従って歪んだ状態の四面体が
存在していることに起因していると考えられる。このよ
うな歪んだ結合部分は、紫外線の照射により容易に切断
され、有害なE’センターやNBOHCなどの欠陥を発
生させてしまうものと考えられる。これに対して、構造
決定温度が低い石英ガラスにおいては、かかる歪んだ結
合部分が非常に少ないと考えられる。
【0080】そして、上記範囲内のOH基を含有する石
英ガラスは、それ以外の石英ガラスに比較して構造的に
安定しており、構造決定温度がより低下する傾向にあ
る。その詳細な理由は以下の通りである。前述のよう
に、石英ガラスネットワーク中の≡Si−O−Si≡結
合角はガラスであるがゆえにある分布を持っており、構
造的に不安定な歪んだ結合部分が含まれている。しかし
ながら、上記範囲内のOH基が含有されると不安定な結
合角をとってまで架橋する必要が無くなるため、四面体
が最安定構造に近づくことができる。従って、上記範囲
内のOH基を含有する石英ガラスは、それ以外の石英ガ
ラスに比較して構造的に安定しており、また、構造決定
温度がより低下する傾向にある。
英ガラスは、それ以外の石英ガラスに比較して構造的に
安定しており、構造決定温度がより低下する傾向にあ
る。その詳細な理由は以下の通りである。前述のよう
に、石英ガラスネットワーク中の≡Si−O−Si≡結
合角はガラスであるがゆえにある分布を持っており、構
造的に不安定な歪んだ結合部分が含まれている。しかし
ながら、上記範囲内のOH基が含有されると不安定な結
合角をとってまで架橋する必要が無くなるため、四面体
が最安定構造に近づくことができる。従って、上記範囲
内のOH基を含有する石英ガラスは、それ以外の石英ガ
ラスに比較して構造的に安定しており、また、構造決定
温度がより低下する傾向にある。
【0081】従って、OH基濃度が1000ppm以上
でかつ構造決定温度が1200K以下とした合成石英ガ
ラスにおいては、それらの相乗効果によって、真空紫外
線に対する散乱損失や吸収損失を低くすることができ
る。このような石英ガラスにおいては、フッ素濃度が3
00ppm以上であることが好ましい。フッ素濃度が3
00ppm以上であると、同一のアニール条件下で構造
決定温度がより低下する傾向にあるからである。
でかつ構造決定温度が1200K以下とした合成石英ガ
ラスにおいては、それらの相乗効果によって、真空紫外
線に対する散乱損失や吸収損失を低くすることができ
る。このような石英ガラスにおいては、フッ素濃度が3
00ppm以上であることが好ましい。フッ素濃度が3
00ppm以上であると、同一のアニール条件下で構造
決定温度がより低下する傾向にあるからである。
【0082】また、石英ガラスの耐紫外線性を悪化させ
る要因として、≡Si−Si≡、≡Si−O−O−Si
≡、溶存酸素分子等が知られている。これらの前駆体
は、エキシマレーザなどの紫外線照射によって容易に
E’センターやNBOHCなどの構造欠陥に変換されて
しまい、透過率の低下の原因となる。しかし、この実施
形態の石英ガラスにおいては、そのような化学量論比か
らのずれに起因する不完全構造が少ないから、耐紫外線
性も良好であり、従って、この実施形態におけるレチク
ルRや補正板38は、経時的に劣化が少なく、所定の性
能を長期間に渡って実現することができる。
る要因として、≡Si−Si≡、≡Si−O−O−Si
≡、溶存酸素分子等が知られている。これらの前駆体
は、エキシマレーザなどの紫外線照射によって容易に
E’センターやNBOHCなどの構造欠陥に変換されて
しまい、透過率の低下の原因となる。しかし、この実施
形態の石英ガラスにおいては、そのような化学量論比か
らのずれに起因する不完全構造が少ないから、耐紫外線
性も良好であり、従って、この実施形態におけるレチク
ルRや補正板38は、経時的に劣化が少なく、所定の性
能を長期間に渡って実現することができる。
【0083】なお、この石英ガラスにおいては、塩素濃
度が50ppm以下であることが好ましく、10ppm
以下であることが特に好ましい。塩素濃度が50ppm
を超えると、石英ガラス中のOH基濃度を1000pp
m以上に維持することが困難となる傾向にあるからであ
る。さらに、含有金属不純物(Mg,Ca,Ti,C
r,Fe,Ni,Cu,Zn,Co,Mn,Na,K)
濃度がそれぞれ50ppb以下、より好ましくは20p
pb以下という高純度の石英ガラスを用いることが好ま
しい。これにより、前述の構造欠陥が減って理想に近い
構造となり、さらに金属不純物による屈折率変化、面変
化、透過率劣化がより少なくなり、耐紫外線性が向上す
る傾向にある。
度が50ppm以下であることが好ましく、10ppm
以下であることが特に好ましい。塩素濃度が50ppm
を超えると、石英ガラス中のOH基濃度を1000pp
m以上に維持することが困難となる傾向にあるからであ
る。さらに、含有金属不純物(Mg,Ca,Ti,C
r,Fe,Ni,Cu,Zn,Co,Mn,Na,K)
濃度がそれぞれ50ppb以下、より好ましくは20p
pb以下という高純度の石英ガラスを用いることが好ま
しい。これにより、前述の構造欠陥が減って理想に近い
構造となり、さらに金属不純物による屈折率変化、面変
化、透過率劣化がより少なくなり、耐紫外線性が向上す
る傾向にある。
【0084】第2実施形態 以下、本発明の第2実施形態について図面を参照して説
明する。この第2実施形態の投影露光装置は、上述した
第1実施形態の投影露光装置の全体構成とほぼ同じであ
り、レチクルRの構造及びその保持構造を工夫したもの
である。従って、投影露光装置の詳細についての説明は
省略する。
明する。この第2実施形態の投影露光装置は、上述した
第1実施形態の投影露光装置の全体構成とほぼ同じであ
り、レチクルRの構造及びその保持構造を工夫したもの
である。従って、投影露光装置の詳細についての説明は
省略する。
【0085】図4はこの第2実施形態のレチクルR及び
レチクルホルダ20Bの構成を示す図であり、(a)は
正面図、(b)は平面図である。図4において、フォト
マスクとしてのレチクルRは、薄板状の合成石英ガラス
からなるガラス基板41及び板状の蛍石(CaF2 )か
らなる補強基板(補強部材)42を備えて構成される。
ガラス基板41上には、転写すべきパターン及びレチク
ルアライメントマーク等が形成される。ガラス基板41
の厚さとしては、例えば0.5〜1.0mm程度であ
り、この場合における補強基板42の厚さとしては、例
えば2〜3mm程度に設定することができる。なお、図
4(b)において、参照番号43で示すのがガラス基板
41のパターン形成領域(照明光が通過し得る領域)で
ある。
レチクルホルダ20Bの構成を示す図であり、(a)は
正面図、(b)は平面図である。図4において、フォト
マスクとしてのレチクルRは、薄板状の合成石英ガラス
からなるガラス基板41及び板状の蛍石(CaF2 )か
らなる補強基板(補強部材)42を備えて構成される。
ガラス基板41上には、転写すべきパターン及びレチク
ルアライメントマーク等が形成される。ガラス基板41
の厚さとしては、例えば0.5〜1.0mm程度であ
り、この場合における補強基板42の厚さとしては、例
えば2〜3mm程度に設定することができる。なお、図
4(b)において、参照番号43で示すのがガラス基板
41のパターン形成領域(照明光が通過し得る領域)で
ある。
【0086】レチクルホルダ20Bは、第1ホルダ4
4,44及び第2ホルダ45,45を備えて構成され
る。第1ホルダ44は補強基板42を吸着保持するもの
であり、第1ホルダ44には真空吸引用の複数の通孔4
4Aが形成されているとともに、補強基板42が吸着さ
れる部分にはゴム等からなる薄膜状の弾性シート46が
それぞれ装着されている。第2ホルダ45は、第1ホル
ダ44に略直交するように配置されており、これらの第
2ホルダ45には真空吸引用の複数の通孔45Aが形成
されており、ガラス基板41の両側部近傍がこの第2ホ
ルダ45に吸着保持される。これらの第1ホルダ44及
び第2ホルダ45は、レチクルステージ20A上に互い
に独立的に支持固定されている。
4,44及び第2ホルダ45,45を備えて構成され
る。第1ホルダ44は補強基板42を吸着保持するもの
であり、第1ホルダ44には真空吸引用の複数の通孔4
4Aが形成されているとともに、補強基板42が吸着さ
れる部分にはゴム等からなる薄膜状の弾性シート46が
それぞれ装着されている。第2ホルダ45は、第1ホル
ダ44に略直交するように配置されており、これらの第
2ホルダ45には真空吸引用の複数の通孔45Aが形成
されており、ガラス基板41の両側部近傍がこの第2ホ
ルダ45に吸着保持される。これらの第1ホルダ44及
び第2ホルダ45は、レチクルステージ20A上に互い
に独立的に支持固定されている。
【0087】補強基板42は第1ホルダ44上に吸着保
持された状態でその上面が第2ホルダ45の上面と同一
の平面となり、若しくは極めて僅かに突出しており、ガ
ラス基板41がそのパターン形成面を下に向けて第2ホ
ルダ45に吸着保持された状態で、補強基板42の上面
はガラス基板41の下面に一様に密着することにより、
ガラス基板41が薄板状であるがための自重による撓み
等の変形を防止する。
持された状態でその上面が第2ホルダ45の上面と同一
の平面となり、若しくは極めて僅かに突出しており、ガ
ラス基板41がそのパターン形成面を下に向けて第2ホ
ルダ45に吸着保持された状態で、補強基板42の上面
はガラス基板41の下面に一様に密着することにより、
ガラス基板41が薄板状であるがための自重による撓み
等の変形を防止する。
【0088】この実施形態におけるレチクルRは、薄板
状のガラス基板41にパターンを形成し、このガラス基
板41の撓み等を防止すべく紫外線に優れた特性を有す
る蛍石からなる補強基板42で保持するようにしてい
る。ガラス基板41は合成石英ガラスから構成されてい
るので、加熱・冷却による劣化が少なく、硬度も高く傷
等もつき難いからパターン形成等の加工の作業性が良い
とともに、線膨張率が小さいから精度の良いパターンを
形成することができる。
状のガラス基板41にパターンを形成し、このガラス基
板41の撓み等を防止すべく紫外線に優れた特性を有す
る蛍石からなる補強基板42で保持するようにしてい
る。ガラス基板41は合成石英ガラスから構成されてい
るので、加熱・冷却による劣化が少なく、硬度も高く傷
等もつき難いからパターン形成等の加工の作業性が良い
とともに、線膨張率が小さいから精度の良いパターンを
形成することができる。
【0089】このガラス基板41は薄いので照明光の透
過損失が小さく、照明光として紫外線を用いた場合であ
っても実用が可能である。ここで、ガラス基板41は透
過損失を小さくすべく薄板としたことから、撓み等によ
る変形により露光時の精度の低下が懸念されるが、蛍石
からなる比較的に厚い補強基板42によって、ガラス基
板41の少なくともパターン形成領域(照明光の通過領
域)を一様に保持するようにしたから、この部分の変形
は防止され、高精度の露光を実現することができる。
過損失が小さく、照明光として紫外線を用いた場合であ
っても実用が可能である。ここで、ガラス基板41は透
過損失を小さくすべく薄板としたことから、撓み等によ
る変形により露光時の精度の低下が懸念されるが、蛍石
からなる比較的に厚い補強基板42によって、ガラス基
板41の少なくともパターン形成領域(照明光の通過領
域)を一様に保持するようにしたから、この部分の変形
は防止され、高精度の露光を実現することができる。
【0090】なお、ガラス基板41は通常の合成石英ガ
ラスであっても良いが、前記第1実施形態で説明したよ
うなフッ素をドープした合成石英ガラス、フッ素及び水
素をドープした合成石英ガラス、又はOH基を1000
ppm以上含有した合成石英ガラスを用いて構成するこ
とができ、このようにすれば、さらに耐紫外線性や透過
率を向上することができる。また、アルミニウムなどの
軽金属をドープした合成石英ガラスを用いてもよい。
ラスであっても良いが、前記第1実施形態で説明したよ
うなフッ素をドープした合成石英ガラス、フッ素及び水
素をドープした合成石英ガラス、又はOH基を1000
ppm以上含有した合成石英ガラスを用いて構成するこ
とができ、このようにすれば、さらに耐紫外線性や透過
率を向上することができる。また、アルミニウムなどの
軽金属をドープした合成石英ガラスを用いてもよい。
【0091】また、上述した弾性シート46は、補強部
材42やホルダ44,45等の各部の寸法を厳密に加工
等して、補強基板42の上面と第2ホルダ45上面を同
一平面内に設定することができる場合には必ずしも必要
ではなく、若しくはこれに代えて各部の寸法誤差を吸収
するための他の手段を採用することも可能である。
材42やホルダ44,45等の各部の寸法を厳密に加工
等して、補強基板42の上面と第2ホルダ45上面を同
一平面内に設定することができる場合には必ずしも必要
ではなく、若しくはこれに代えて各部の寸法誤差を吸収
するための他の手段を採用することも可能である。
【0092】さらに、上述した第2実施形態では、ガラ
ス基板41と補強基板42をそれぞれ独立的に第1及び
第2ホルダ44,45に吸着保持するようにしている
が、両者を密着させた状態で保持する保持部材により一
体化し、これをレチクルホルダ20Bに吸着保持させる
ようにしてもよい。このようにすることで、ガラス基板
41と補強基板42の間に埃や異物等が進入することを
防止でき、ガラス基板41のパターン形成面の保護にも
役立つとともに、補強基板42をペリクルとして機能さ
せることができる。
ス基板41と補強基板42をそれぞれ独立的に第1及び
第2ホルダ44,45に吸着保持するようにしている
が、両者を密着させた状態で保持する保持部材により一
体化し、これをレチクルホルダ20Bに吸着保持させる
ようにしてもよい。このようにすることで、ガラス基板
41と補強基板42の間に埃や異物等が進入することを
防止でき、ガラス基板41のパターン形成面の保護にも
役立つとともに、補強基板42をペリクルとして機能さ
せることができる。
【0093】加えて、補強基板42は、ガラス基板41
の少なくとも照明光が通過する領域43の部分を保持で
きれば十分であるから、その領域に対応する部分のみを
蛍石で構成し、これを保持部材で保持して構成すること
ができる。
の少なくとも照明光が通過する領域43の部分を保持で
きれば十分であるから、その領域に対応する部分のみを
蛍石で構成し、これを保持部材で保持して構成すること
ができる。
【0094】ところで、蛍石は脆弱で傷つき易いという
好ましくない性質を有しているから、補強基板42を含
むレチクルRの搬送中等において該補強基板42に傷が
つき、あるいは損傷により発生した異物により露光処理
に悪影響を及ぼすことが懸念される。この対策として
は、補強基板42に以下のような保護膜を形成するのが
よい。
好ましくない性質を有しているから、補強基板42を含
むレチクルRの搬送中等において該補強基板42に傷が
つき、あるいは損傷により発生した異物により露光処理
に悪影響を及ぼすことが懸念される。この対策として
は、補強基板42に以下のような保護膜を形成するのが
よい。
【0095】図5はこの場合の補強基板を示す図であ
り、(a)は底面図、(b)は側面図である。補強基板
42の底面(ガラス基板が密着される面と反対側の面)
の第1ホルダ41に真空吸着される部分には、それぞれ
保護膜47が形成されている。この保護膜47として
は、例えば、CVD(Chemical Vapor
Deposition)法で成長させたダイヤモンドを
使用することができる。また、酸化ケイ素(SiO又は
SiO2 )、クロム(Cr)、酸化クロム(CrO)、
ケイ化モリブデン(MoSi2 )等を使用することもで
き、その形成方法としては、通常のパターン形成と同様
にフォトリソグラフィプロセスにより形成することがで
きる。
り、(a)は底面図、(b)は側面図である。補強基板
42の底面(ガラス基板が密着される面と反対側の面)
の第1ホルダ41に真空吸着される部分には、それぞれ
保護膜47が形成されている。この保護膜47として
は、例えば、CVD(Chemical Vapor
Deposition)法で成長させたダイヤモンドを
使用することができる。また、酸化ケイ素(SiO又は
SiO2 )、クロム(Cr)、酸化クロム(CrO)、
ケイ化モリブデン(MoSi2 )等を使用することもで
き、その形成方法としては、通常のパターン形成と同様
にフォトリソグラフィプロセスにより形成することがで
きる。
【0096】補強基板42の第1ホルダ44に真空吸着
される部分には保護膜47が形成されているので、蛍石
のように柔らかい材質で構成した場合であっても、第1
ホルダ44等との接触時に損傷等が生じることがなく、
補強基板42自体に欠陥を生じることが少なくなるとと
もに、異物の発生が少なくなるから、該異物がガラス基
板41のパターン面等に付着して露光精度を悪化させる
等の不具合を防止することができる。
される部分には保護膜47が形成されているので、蛍石
のように柔らかい材質で構成した場合であっても、第1
ホルダ44等との接触時に損傷等が生じることがなく、
補強基板42自体に欠陥を生じることが少なくなるとと
もに、異物の発生が少なくなるから、該異物がガラス基
板41のパターン面等に付着して露光精度を悪化させる
等の不具合を防止することができる。
【0097】なお、補強基板42の保護膜47の形成箇
所は、図5に示した位置に限定されず、その側面部分や
他の部材と接触する全ての部分に形成することができ
る。また、補強基板42とガラス基板41を一体化させ
る場合には、そのために使用する保持部材に保持される
部分に保護膜47を形成するとよい。さらに、この保護
膜47は補強基板42のみならず、ガラス基板41の第
2ホルダ45に対する真空吸着部分やその他の部分に形
成してもよい。この場合には、ガラス基板41のパター
ンの成膜と同時に成膜するようにすれば、成膜工程が簡
略化され、製造コストを低減することができる。なお、
補強基板42はレチクルホルダ20B(第1ホルダ4
4)に常に保持しておくようにし、ガラス基板41のみ
を交換するようにしてもよい。また、第1ホルダ44を
用いなくてもよく、このときは補強基板42をレチクル
ステージ20Aに直接固定してもよい。
所は、図5に示した位置に限定されず、その側面部分や
他の部材と接触する全ての部分に形成することができ
る。また、補強基板42とガラス基板41を一体化させ
る場合には、そのために使用する保持部材に保持される
部分に保護膜47を形成するとよい。さらに、この保護
膜47は補強基板42のみならず、ガラス基板41の第
2ホルダ45に対する真空吸着部分やその他の部分に形
成してもよい。この場合には、ガラス基板41のパター
ンの成膜と同時に成膜するようにすれば、成膜工程が簡
略化され、製造コストを低減することができる。なお、
補強基板42はレチクルホルダ20B(第1ホルダ4
4)に常に保持しておくようにし、ガラス基板41のみ
を交換するようにしてもよい。また、第1ホルダ44を
用いなくてもよく、このときは補強基板42をレチクル
ステージ20Aに直接固定してもよい。
【0098】上述したようにArFエキシマレーザ(1
93nm)を用いる露光装置では、合成石英ガラスから
なるレチクルを用いることも可能であるが、透過率など
を考えると、第1及び第2実施形態で説明したレチクル
や収差補正板を用いることが好ましい。特に波長が19
0nm程度以下、具体的には150〜190nmに発振
スペクトルを有する照明光を用いる露光装置では、通常
の合成石英ガラスの使用は現実的ではないので、本発明
によるフォトマスクや収差補正板を用いる。また、前述
の第1及び第2実施形態では本発明による石英ガラス
を、レチクル、又は収差補正板に適用するものとした
が、投影光学系PLの瞳面(フーリエ変換面)又はその
近傍に配置され、結像光束の光学特性(振幅透過率、可
干渉性など)を部分的に異ならせる光学フィルター、所
謂瞳フィルターに適用してもよい。例えば、コンタクト
ホールパターンなどの孤立パターンを感光基板Wに転写
するときは、投影光学系PLの光軸を中心とする円形領
域に分布する結像光束を遮光し、その円形領域の外側に
分布する結像光束を通過させる中心遮光型瞳フィルター
が用いられる。そこで、第1又は第2実施形態の石英ガ
ラスに、クロムなどの遮光材で円形遮光部を形成し、前
述の中心遮光型瞳フィルターとして用いるようにしても
よい。
93nm)を用いる露光装置では、合成石英ガラスから
なるレチクルを用いることも可能であるが、透過率など
を考えると、第1及び第2実施形態で説明したレチクル
や収差補正板を用いることが好ましい。特に波長が19
0nm程度以下、具体的には150〜190nmに発振
スペクトルを有する照明光を用いる露光装置では、通常
の合成石英ガラスの使用は現実的ではないので、本発明
によるフォトマスクや収差補正板を用いる。また、前述
の第1及び第2実施形態では本発明による石英ガラス
を、レチクル、又は収差補正板に適用するものとした
が、投影光学系PLの瞳面(フーリエ変換面)又はその
近傍に配置され、結像光束の光学特性(振幅透過率、可
干渉性など)を部分的に異ならせる光学フィルター、所
謂瞳フィルターに適用してもよい。例えば、コンタクト
ホールパターンなどの孤立パターンを感光基板Wに転写
するときは、投影光学系PLの光軸を中心とする円形領
域に分布する結像光束を遮光し、その円形領域の外側に
分布する結像光束を通過させる中心遮光型瞳フィルター
が用いられる。そこで、第1又は第2実施形態の石英ガ
ラスに、クロムなどの遮光材で円形遮光部を形成し、前
述の中心遮光型瞳フィルターとして用いるようにしても
よい。
【0099】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0100】上述した第1及び第2実施形態では、いわ
ゆるステップ・アンド・スキャン方式の露光装置を一例
として説明したが、本発明は、この方式の露光装置に限
定されず、いわゆるステップ・アンド・リピート方式の
露光装置及びその他の方式の露光装置にも適用すること
ができる。
ゆるステップ・アンド・スキャン方式の露光装置を一例
として説明したが、本発明は、この方式の露光装置に限
定されず、いわゆるステップ・アンド・リピート方式の
露光装置及びその他の方式の露光装置にも適用すること
ができる。
【0101】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、特に短波長の光を用いて露光を行う露光装置におい
て、光透過率が高く、耐紫外線性が良好で、かつ加工作
業性が良く、高精度を実現できるフォトマスク及び収差
補正板を提供することができるという効果がある。ま
た、感光基板上に形成するパターンの微細化に対応でき
るとともに、露光性能の経時的な劣化が少なく、寿命の
長い露光装置を提供することができるという効果があ
る。
ば、特に短波長の光を用いて露光を行う露光装置におい
て、光透過率が高く、耐紫外線性が良好で、かつ加工作
業性が良く、高精度を実現できるフォトマスク及び収差
補正板を提供することができるという効果がある。ま
た、感光基板上に形成するパターンの微細化に対応でき
るとともに、露光性能の経時的な劣化が少なく、寿命の
長い露光装置を提供することができるという効果があ
る。
【図1】 本発明の第1実施形態に係る投影露光装置の
概略構成図である。
概略構成図である。
【図2】 本発明の第1実施形態の収差補正板を説明す
るための図であり、(a)は非対称な残留ディストーシ
ョンの一例を示す図、(b)は補正板の形状及び配置を
示す断面図である。
るための図であり、(a)は非対称な残留ディストーシ
ョンの一例を示す図、(b)は補正板の形状及び配置を
示す断面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態のフッ素ドープ石英ガ
ラスの製造工程図である。
ラスの製造工程図である。
【図4】 本発明の第2実施形態のレチクルの構成を示
す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図5】 本発明の第2実施形態のレチクルの補強基板
の構成図であり、(a)は底面図、(b)は側面図であ
る。
の構成図であり、(a)は底面図、(b)は側面図であ
る。
R… レチクル(フォトマスク) W… ウエハ(感光基板) PL… 投影光学系 1… F2 エキシマレーザ光源 20A… レチクルステージ 20B… レチクルホルダ 38… 収差補正板 41… ガラス基板 42… 補強基板(補強部材) 44… 第1ホルダ 45… 第2ホルダ 47… 保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/30 516A
Claims (11)
- 【請求項1】 波長が200nm程度以下の照明光を射
出する光源を備えた露光装置に使用されるフォトマスク
であって、 フッ素がドープされた石英ガラスを用いて製造されたこ
とを特徴とするフォトマスク。 - 【請求項2】 前記石英ガラスは、ケイ素化合物を火炎
中で加水分解せしめて得たガラス微粒子を堆積させて多
孔質ガラスを形成し、該多孔質ガラスをフッ素含有雰囲
気中で加熱処理してフッ素をドープした後に透明化して
なることを特徴とする請求項1記載のフォトマスク。 - 【請求項3】 前記石英ガラスは、さらに水素がドープ
されていることを特徴とする請求項1記載のフォトマス
ク。 - 【請求項4】 波長が200nm程度以下の照明光を射
出する光源を備えた露光装置に使用されるフォトマスク
であって、 構造決定温度が1200K以下で、かつOH基濃度が1
000ppm以上である石英ガラスを用いて製造された
ことを特徴とするフォトマスク。 - 【請求項5】 波長が200nm程度以下の照明光を射
出する光源を備えた露光装置に使用されるフォトマスク
であって、 薄板状の石英ガラスにパターンを形成するとともに、前
記石英ガラスの変形を防止するように、少なくとも前記
照明光が通過する領域が蛍石からなる補強部材で前記石
英ガラスを保持してなることを特徴とするフォトマス
ク。 - 【請求項6】 前記石英ガラスは、前記パターンの形成
面が前記補強部材にほぼ密着するように固定されている
ことを特徴とする請求項5記載のフォトマスク。 - 【請求項7】 前記石英ガラスは、フッ素がドープされ
ていることを特徴とする請求項5又は6記載のフォトマ
スク。 - 【請求項8】 波長が200nm程度以下の照明光をフ
ォトマスクに照射する照明光学系と、前記フォトマスク
から出射する照明光を感光基板上に投射する投影光学系
とを備えた露光装置において、 前記投影光学系の物体面側に配置され、前記フォトマス
クを前記物体面にほぼ沿って移動するステージと、 前記ステージに設けられ、前記フォトマスクを保持して
その変形を防止するために、少なくとも前記照明光が通
過する領域が蛍石からなる補強部材とを備えたことを特
徴とする露光装置。 - 【請求項9】 波長が200nm程度以下の照明光で照
射されるパターンの像を所定面上に投影する投影光学系
の収差補正板であって、 フッ素がドープされた石英ガラス、又は構造決定温度が
1200K以下で、かつOH基濃度が1000ppm以
上である石英ガラスを用いて製造されたことを特徴とす
る収差補正板。 - 【請求項10】 波長が200nm程度以下の照明光を
フォトマスクに照射する照明光学系と、前記フォトマス
クから出射する照明光を感光基板上に投射する投影光学
系とを備えた露光装置において、 フッ素がドープされた石英ガラス、又は構造決定温度が
1200K以下で、かつOH基濃度が1000ppm以
上である石英ガラスからなり、前記投影光学系の非回転
対称な収差を補正する収差補正板を、前記フォトマスク
と前記感光基板との間の結像光路中に配置したことを特
徴とする露光装置。 - 【請求項11】前記石英ガラス中のOH基濃度が100
ppm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記
載のフォトマスク。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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