JP2000133588A - 露光装置及び方法、該露光装置の製造方法並びに該露光装置を用いたデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置及び方法、該露光装置の製造方法並びに該露光装置を用いたデバイス製造方法

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JP2000133588A
JP2000133588A JP11173775A JP17377599A JP2000133588A JP 2000133588 A JP2000133588 A JP 2000133588A JP 11173775 A JP11173775 A JP 11173775A JP 17377599 A JP17377599 A JP 17377599A JP 2000133588 A JP2000133588 A JP 2000133588A
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optical system
fluoride
exposure
exposure apparatus
projection
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English (en)
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Yutaka Suenaga
豊 末永
Yasuhiro Omura
泰弘 大村
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Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】極めて微細なパターンを転写すること 【解決手段】投影原版上に設けられたパターンの像を基
板上に転写する露光装置であって、200nm以下の露光エ
ネルギービームを供給する光源;該光源からの露光エネ
ルギービームを前記投影原版へ導く照明系;及び前記投
影原版からの露光エネルギービームに基づいて、前記パ
ターンの像を前記基板上に形成する投影系;を含み、前
記投影系は、前記露光エネルギービームの光路に沿って
配置された少なくとも2つの屈折光学部材を含み、前記
投影系中の全ての前記屈折光学部材は、少なくとも2種
類以上のフッ化物の結晶材料からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子や液晶
表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程中におい
て、投影原版上のパターンを基板上に転写する際に使用
される露光装置及び方法、この露光装置を用いたデバイ
ス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘ
ッド等)の製造方法、及びこの露光装置の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子等を製造する際に、マスクと
してのレチクルのパターンの像を投影光学系を介して、
レジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)
上に転写する一括露光型(ステッパー等)、又はステッ
プ・アンド・スキャン方式のような走査露光型の投影露
光装置が使用されている。半導体集積回路等のパターン
の微細化が進むに従って、その種の露光装置に備えられ
ている投影光学系に対しては特に解像力の向上が望まれ
ている。投影光学系の解像力を向上するためには、露光
波長をより短くするか、あるいは開口数(N.A.)を大き
くすることが考えられる。
【0003】そこで、近年、露光光(露光エネルギービ
ーム)については、水銀ランプのg線(波長436n
m)からi線(波長365nm)が主に用いられるよう
になってきており、最近ではより短波長の露光光、例え
ばKrFエキシマレーザ光(波長248nm)、更には
ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、F2レー
ザ光(波長157nm)等の深紫外線領域や真空紫外領
域の光が用いられようとしている。
【0004】さて、200nm以下の紫外線領域の露光
エネルギービームで使用される投影光学系としては、例
えば特開平5−173065号公報、米国特許第5,4
02,267号公報、米国特許第5,668,672号
公報等において提案されている
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記各公報において提
案されている技術では、屈折光学素子として合成石英
(SiO2)を含む構成となっている。200nm以下
の紫外先領域の露光エネルギービームを露光光として用
いる場合、この波長域が酸素の吸収帯に近い波長域であ
るため、酸素(O2)を含む合成石英はこの波長域の露光
エネルギービームを吸収する恐れがある。また、合成石
英の製造工程において不純物等が混入することによっ
て、この波長域での透過率低下(吸収率増大)を招く恐
れがある。
【0006】この場合、合成石英がこの波長域の露光エ
ネルギービームを吸収することにより熱を生じ、これに
より石英自体の屈折率変化や、熱膨張による面形状変化
を招く恐れがある。このような露光エネルギービームに
よる照射変動が生じると投影光学系の性能が劣化し、微
細なパターンの転写が困難になる恐れがある。一方、2
00nm以下の波長域の露光エネルギービームを供給す
る光源に関しては、その波長幅を狭くすること、すなわ
ち狭帯化が進んできているとはいえ、ある程度の波長幅
を有しているのが実状である。従って、投影原版上のパ
ターンをコントラストを維持した状態で基板上へ転写す
るためには、投影光学系の色収差補正を行うことが肝要
である。
【0007】上記特開平5−173065号公報及び米
国特許第5,402,267号公報の投影光学系では、
屈折光学部材が1種類の石英のみで構成されているた
め、200nm以下の露光エネルギービームを供給する
光源と組み合わせて使用した場合、照射変動による結像
性能劣化の恐れがある。また、米国特許第5,668,
672号公報では、石英からなる硝材と螢石からなる硝
材とを組み合わせて色収差補正を行っているが、投影光
学系中に石英が存在しているため、200nm以下の露
光エネルギービームを供給する光源と組み合わせて使用
した場合には照射変動による結像性能劣化の恐れがあ
る。このように、上記各公報に開示された技術では、結
果として微細パターンの転写が困難となる。
【0008】そこで、本発明は、極めて微細なパターン
を転写することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にかかる露光装置は、投影原版上に設けられ
たパターンの像を基板上に転写する露光装置であって、
200nm以下の露光エネルギービームを供給する光源;該
光源からの露光エネルギービームを前記投影原版へ導く
照明光学系;及び前記投影原版からの露光エネルギービ
ームに基づいて、前記パターンの像を前記基板上に形成
する投影光学系;を含み、前記投影光学系は、前記露光
エネルギービームの光路に沿って配置された少なくとも
2つの屈折光学部材を含み、前記投影光学系中の全ての
前記屈折光学部材は、少なくとも2種類以上のフッ化物
の結晶材料からなるものである。
【0010】また、上記目的を達成するために、本発明
にかかる露光装置は、投影原版上に設けられたパターン
の像を基板上に転写する露光装置であって、200nm
以下の露光エネルギービームを供給する光源;該光源か
らの露光エネルギービームを前記投影原版へ導く照明光
学系;及び前記投影原版からの露光エネルギービームに
基づいて、前記パターンの像を前記基板上に形成する投
影光学系;を含み、前記投影光学系は、前記露光エネル
ギービームの光路に沿って配置された少なくとも2つの
屈折光学部材を含み、前記投影光学系の前記露光エネル
ギービームの光路中に位置する全ての光透過性の材料
は、石英を除く少なくとも2種類以上の材料からなるも
のである。
【0011】また、上記目的を達成するために、本発明
にかかる露光装置は、投影原版上に設けられたパターン
の像を基板上に転写する露光装置であって、200nm
以下の露光エネルギービームを供給する光源;該光源か
らの前記露光エネルギービームを受けることができる位
置に配置されて、前記露光エネルギービームを前記投影
原版へ導く照明光学系;及び前記投影原版と前記基板と
の間に配置されて、前記投影原版からの露光エネルギー
ビームに基づいて、前記パターンの像を前記基板上に形
成する投影光学系;を含み、前記投影光学系は、凹面鏡
と、フッ化物の結晶材料から構成されたビームスプリッ
タと、該ビームスプリッタと前記投影原版との間の光路
中に配置される第1のレンズ群と、該ビームスプリッタ
と前記基板との間の光路中に配置される第2のレンズ群
と、を含み、前記投影原版を経由した前記露光エネルギ
ービームは、前記第1のレンズ群、及び前記ビームスプ
リッタを順に通過して、前記凹面鏡で反射され、前記ビ
ームスプリッタ及び前記第2のレンズ群を順に通過して
前記基板上に達するものである。
【0012】本発明の露光装置の好ましい態様において
は、前記少なくとも2種類以上のフッ化物のうちの1種
は、螢石である。本発明の露光装置の好ましい態様にお
いては、前記投影光学系中で露光エネルギービームが通
過する全ての前記屈折光学部材の軸上厚の総和をΣDと
し、前記螢石で構成される前記屈折光学部材の軸上厚の
総和をΣDcとするとき、 (1) 0.60<ΣDc/ΣD<0.98 を満足するものである。
【0013】また、本発明の露光装置の好ましい態様に
おいては、前記投影光学系は、少なくとも2つの螢石か
らなる正レンズを含むものである。また、本発明の露光
装置の好ましい態様においては、前記少なくとも2種類
以上のフッ化物のうちの1種は、フッ化バリウムであ
る。また、本発明の露光装置の好ましい態様において
は、前記投影光学系は、少なくとも1つのフッ化バリウ
ムの結晶材料からなる負レンズを含むものである。
【0014】また、本発明の露光装置の好ましい態様に
おいては、前記光源は、160nm以下の露光光を供給
するものである。また、本発明の露光装置の好ましい態
様においては、前記光源は、1.5pmよりも狭い半値
全幅の露光光を供給するものである。また、本発明の露
光装置の好ましい態様においては、前記光源から前記基
板へ至る光路のうちの一部の光路は外気から密封された
密封空間を形成し、該密封空間には酸素濃度を低減させ
た気体が封入されているものである。
【0015】また、本発明の露光装置の好ましい態様に
おいては、前記照明光学系は、反射鏡とフッ化物の結晶
材料からなる屈折光学部材との少なくとも一方で構成さ
れるものである。また、本発明の露光装置の好ましい態
様においては、前記少なくとも2種類以上のフッ化物の
結晶材料は、第1の分散dn1/dλを有する第1のフ
ッ化物の結晶材料と、第2の分散dn2/dλを有する
第2のフッ化物の結晶材料とを含み、以下の条件を満足
するものである。 (2) 0.1×106<|(dn1/dλ)−(dn2/dλ)| また、本発明の露光装置の好ましい態様においては、前
記少なくとも2種類以上のフッ化物の結晶材料は、フッ
化カルシウム(CaF2)、フッ化バリウム(Ba
2)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウ
ム(MgF2)、リチウム・カルシウム・アルミニウム
・フローライド(LiCaAlF6)、及びリチウム・
ストロンチウム・アルミニウム・フローライド(LiS
rAlF6)からなるグループから選択された少なくと
も2種類の材料である。
【0016】また、本発明の露光装置の好ましい態様に
おいては、前記投影光学系は、前記露光エネルギービー
ムの光路中に配置された少なくとも1つの凹面鏡を含む
ものである。また、本発明の露光装置の好ましい態様に
おいては、前記投影光学系の前記露光エネルギービーム
の光路中には、光透過性光学部材のみが配置されるもの
である。
【0017】また、本発明の露光装置の好ましい態様に
おいては、前記投影光学系は、単一の直線状に延びた光
軸を有するものである。また、本発明の露光装置の好ま
しい態様においては、前記投影光学系は、少なくとも1
つのフッ化リチウムからなる正レンズを有し、かつ少な
くとも1つのフッ化カルシウムからなる負レンズを有す
るものである。
【0018】また、本発明の露光装置の好ましい態様に
おいては、前記投影光学系は、少なくとも1つのフッ化
バリウムからなる負レンズを有し、かつ少なくとも1つ
のフッ化カルシウムからなる正レンズを有するものであ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】上述の構成の如き本発明によれ
ば、投影光学系中の屈折光学部材として、200nm以
下の露光エネルギービームに対して十分なる透過率を有
するフッ化物の結晶を用いているため、投影光学系中の
屈折光学部材の露光エネルギービームの吸収を実質上影
響がない程度に低減でき、露光エネルギービームの吸収
による照射変動の発生を実質上無視することができる。
【0020】また、屈折光学部材として少なくとも2種
類のフッ化物の結晶を用いているため、屈折光学部材を
構成する材料が互いに異なる分散を持つことになり、色
収差の補正を達成することが可能となる。また、上述の
好ましい態様のように、屈折光学部材として用いられて
いる少なくとも2種類以上のフッ化物のうちの1種が螢
石であるときには、螢石はフッ化物の中では比較的に製
造方法及び加工方法が確立している材料であるため、屈
折光学部材を製造・加工することが容易であり、製造上
の利点がある。
【0021】本発明の露光装置の好ましい態様において
は、前記投影光学系中で露光エネルギービームが通過す
る全ての前記屈折光学部材の軸上厚の総和をΣDとし、
前記螢石で構成される前記屈折光学部材の軸上厚の総和
をΣDcとするとき、 (1) 0.60<ΣDc/ΣD<0.98 を満足するものである。
【0022】この条件(1)は、投影光学系中のフッ化
物からなる屈折光学部材のうち螢石(フッ化カルシウ
ム)の占める割合を規定する式である。上記条件(1)
の下限を下回るときには、螢石に比べて製造・加工が困
難な他のフッ化物の割合が増えすぎるため屈折光学部材
の製造・加工が困難となる。また、上記条件(1)の上
限を超える場合には、投影光学系の色収差補正を達成す
ることが困難となる。
【0023】さて、上述の好ましい態様においては、前
記投影光学系は少なくとも2つの螢石からなる正レンズ
を含むものである。フッ化物のうち螢石は比較的アッベ
数の大きな(分散が小さい)材料であり、この螢石を正
レンズに使用し、かつ螢石よりもアッベ数の小さいフッ
化物を負レンズとして用いて組み合わせることにより、
屈折光学部材で生じた色収差(主に軸上色収差)を補正
することが可能となる。さらに、2つ以上の正レンズを
用いているため、大きな像側開口数を達成できる。これ
により、微細なパターンをコントラスト良く基板上に転
写することが可能となる。
【0024】また、上述の好ましい態様においては、投
影光学系中の屈折光学部材を構成する少なくとも2種類
以上のフッ化物のうちの1種は、フッ化バリウムであ
る。フッ化バリウムは、フッ化物中で比較的アッベ数が
小さく、他のアッベ数の大きなフッ化物と組み合わせる
ことにより色収差補正を達成できる。このとき、投影光
学系においては、少なくとも1つのフッ化バリウムの結
晶材料からなる負レンズを含むことが好ましい。前述の
ように、フッ化バリウムはアッベ数が比較的小さいた
め、フッ化バリウムからなる負レンズを、例えばアッベ
数の大きな螢石からなる正レンズと組み合わせて、屈折
光学部材で生じた色収差(主に軸上色収差)を良好に補
正することができる。
【0025】さて、上述のように、本発明の露光装置の
好ましい態様においては、前記光源から前記基板へ至る
光路のうちの一部の光路は外気から密封された密封空間
を形成しており、該密封空間内には酸素濃度を低減させ
た気体(窒素等の不活性ガス)が封入されているもので
ある。本発明においては、光源が酸素の吸収帯に近い波
長を供給しているため、露光エネルギービームの光路中
の気体の酸素濃度を低減させれば、エネルギーロスを少
なくすることができる。
【0026】ここで、フッ化物結晶は僅かな水溶性を有
しているものが多いため、フッ化物結晶からなる屈折光
学部材を外気から密封された密封空間内に配置し、該密
封空間内に水分濃度が極めて低い気体を封入することが
好ましい。これは、特にフッ化リチウムからなる屈折光
学部材に対して有効である。これにより、投影光学系の
光学性能の経時安定性が良好になる。
【0027】また、上述のように、本発明にかかる露光
装置の好ましい態様では、光源からの露光エネルギービ
ームを投影原版へ導くための照明光学系は、反射鏡とフ
ッ化物の結晶材料からなる屈折光学部材との少なくとも
一方で構成されるものである。これにより、照明光学系
においても、露光エネルギービームの吸収を低減させる
ことが可能となる。
【0028】また、上述のように本発明の好ましい態様
にかかる露光装置では、投影光学系中の屈折光学部材を
構成する少なくとも2種類以上のフッ化物の結晶材料
は、第1の分散dn1/dλを有する第1のフッ化物の
結晶材料と、第2の分散dn2/dλを有する第2のフ
ッ化物の結晶材料とを含み、以下の条件を満足するもの
である。 (2) 0.1×106<|(dn1/dλ)−(dn2/dλ)| 上記条件(2)は、投影光学系において良好なる色収差
補正を達成するために規定されたものであり、条件
(2)の範囲を外れる場合には、色収差補正が不十分と
なるため好ましくない。
【0029】また、上述のように本発明の露光装置の好
ましい態様においては、前記少なくとも2種類以上のフ
ッ化物の結晶材料は、フッ化カルシウム(CaF2)、
フッ化バリウム(BaF2)、フッ化リチウム(Li
F)、フッ化マグネシウム(MgF2)、リチウム・カ
ルシウム・アルミニウム・フローライド(LiCaAl
6)、及びリチウム・ストロンチウム・アルミニウム
・フローライド(LiSrAlF6)からなるグループ
から選択された少なくとも2種類の材料である。
【0030】上記のフッ化物結晶は、フッ化物のなかで
は、光学素子加工・製造がしやすい材料であり、このグ
ループから材料を選択することで投影光学系の製造、ひ
いては露光装置の製造が容易となる。また、上述の好ま
しい態様においては、投影光学系は、前記露光エネルギ
ービームの光路中に配置された少なくとも1つの凹面鏡
を含むものである。投影光学系は全体として正パワー
(正屈折力)を有しており、そのペッツバール和は正と
なり、像面が負へ湾曲する傾向がある。凹面鏡は正パワ
ーを有するにもかかわらず、そのペッツバール和は負で
あり、さらにそれ自体から色収差を発生させないという
特性を有しているため、投影光学系の正パワーを担いつ
つ、ペッツバール和の補正を可能にできる利点があり、
屈折光学部材ではペッツバール和補正の負担が少なくな
り、屈折光学部材の収差補正能力を色収差補正に振り向
けることができる。このとき、凹面鏡自体から色収差が
生じないため、屈折光学部材自体から発生する色収差
(主に軸上色収差)を、2種類以上のフッ化物で補正す
れば良い。
【0031】この構成(投影光学系が露光エネルギービ
ームの光路中に配置された少なくとも1つの凹面鏡を含
む構成)において、一つの好ましい態様にかかる投影光
学系は、複数の屈折光学部材からなる正レンズ群と凹面
鏡とを含む第1結像系、この第1結像系と像面との間に
配置される光路折り曲げ鏡、及びこの光路折り曲げ鏡と
像面との間に配置された複数の屈折光学部材を含む第2
結像系を有するものである。このとき、物体からの露光
エネルギービームは、正レンズ群、凹面鏡、光路折り曲
げ鏡、及び第2結像系の順に通過して像面に達する。こ
こで、第1結像系は投影光学系の光軸に直交する面内に
おいて光軸を含まない位置に中間像を形成することが好
ましく、第2結像系はこの中間像を縮小倍率のもとで像
面に再結像させることが好ましい。
【0032】上記構成では、比較的に大きな開口数の光
束が通過する縮小側に、屈折光学部材からなる第2結像
系を配しているため、高い開口数であっても投影光学系
を構成する光学部材(屈折光学部材、凹面鏡など)の物
理的干渉を避けることが可能となる。ここで、上記一つ
の好ましい態様にかかる投影光学系では、少なくとも第
1結像系中の複数の屈折光学部材が2種類以上のフッ化
物の結晶から構成されることが好ましい。このとき、分
散dn/dλの小さな材料を正レンズとして用い、かつ
分散dn/dλの大きな材料を負レンズとして用いるこ
とが好ましい。この構成により、屈折光学部材自体から
生じる軸上色収差を補正することが可能となる。
【0033】なお、上記一つの好ましい態様にかかる投
影光学系では、凹面鏡を適切な位置に配置しているた
め、倍率色収差の発生量は比較的少ない。しかしなが
ら、さらに倍率色収差を補正するためには、第2結像系
を構成する複数の屈折光学部材を少なくとも2種類以上
のフッ化物の結晶から構成することが好ましい。このと
き、分散dn/dλの大きな材料を正レンズとして用
い、かつ分散dn/dλの小さな材料を負レンズとして
用いることが好ましい。
【0034】また、上記構成(投影光学系が露光エネル
ギービームの光路中に配置された少なくとも1つの凹面
鏡を含む構成)において、別の好ましい態様にかかる投
影光学系は、複数の屈折光学部材からなる第1レンズ
群、ビームスプリッタ、凹面鏡、及び複数の光学部材か
らなり正屈折力を有する第2レンズ群を有するものであ
る。この構成では、物体からの露光エネルギービーム
は、第1レンズ群、ビームスプリッタ、凹面鏡、ビーム
スプリッタ、第2レンズ群の順に通過して像面に達す
る。
【0035】ここで、上記別の好ましい態様にかかる投
影光学系では、少なくとも第2レンズ群を構成する複数
の屈折光学部材が2種類以上のフッ化物結晶で構成され
ることが好ましい。このとき、第2レンズ群は、分散d
n/dλの小さな材料からなる正レンズと、分散dn/
dλの大きな材料からなる負レンズとを有することが好
ましい。これにより、屈折光学部材から発生する軸上色
収差を良好に補正することが可能となる。
【0036】また、上記別の好ましい態様にかかる投影
光学系では、第1レンズ群を構成する複数の屈折光学部
材が2種類以上のフッ化物結晶で構成されることが好ま
しい。このとき、第1レンズ群は、分散dn/dλの大
きな材料からなる正レンズと、分散dn/dλの小さな
材料からなる負レンズとを有することが好ましい。これ
により、屈折光学部材から発生する倍率色収差を良好に
補正することができる。
【0037】上述の如き一つの好ましい態様あるいは別
の好ましい態様にかかる投影光学系では、屈折光学部材
の屈折面及び凹面鏡の反射面の少なくとも何れか一方を
非球面とすることが好ましい。これにより、投影光学系
全体の大きさを小さくしても良好な収差補正を達成でき
る利点がある。また、本発明の露光装置の好ましい態様
においては、前記投影光学系の前記露光エネルギービー
ムの光路中には、光透過性屈折部材のみが配置される。
なお、光透過性部材とは、レンズや光透過性の平行平面
板などの屈折性光学部材や、光透過性の基材に設けられ
た透過型の回折性光学素子など指す。
【0038】また、本発明の露光装置の好ましい態様に
おいては、前記投影光学系は、単一の直線状に延びた光
軸を有する。このように投影光学系を構成すれば、投影
光学系を構成する光学部材を直筒の鏡筒で保持でき、投
影光学系の製造・調整の容易性の向上や、更なる高精度
化を達成することができる。さて、上述の如き本発明に
かかる露光装置は、波長200nm以下の露光エネルギービ
ームを供給する光源を準備する工程と;第1のフッ化物
結晶から第1屈折光学素子を形成する工程と;該第1の
フッ化物結晶とは異なる第2のフッ化物結晶から第2屈
折光学素子を形成する工程と;前記光源からの露光エネ
ルギービームの光路中に沿って前記第1及び第2屈折光
学素子を配置する工程と;を含み、前述の機能を達成す
るように、電気的、機械的または光学的に連結すること
で組み上げられる。
【0039】次に、図1〜3を参照して本発明にかかる
露光装置の第1の実施の形態について説明する。第1の
実施の形態の露光装置は、露光光源としてエキシマレー
ザ光源を使用し、投影光学系として反射屈折系を使用す
るステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置に本
発明を適用したものである。図1は第1実施形態の投影
露光装置の概略構成を示し、この図1において、露光制
御装置1により発光状態が制御されたエキシマレーザ光
源2から射出されたパルスレーザ光よりなる照明光IL
(露光エネルギービーム)は、偏向ミラー3で偏向され
て第1照明光学系4に達する。エキシマレーザ光源2と
して本例では、発振スペクトルの半値幅が10pm程度
にされたArFエキシマレーザ(波長193nm)のレ
ーザ光源が使用される。但し、露光用の光源としては、
例えば発振スペクトルの半値幅が1pm未満に狭帯化さ
れたArFエキシマレーザの狭帯化レーザ光源や、F2
レーザ(波長157nm)光源を使用しても良く、波長
200nm以下の露光エネルギービーム(露光光)を供
給するものであれば、どのような光源でも使用できる。
【0040】第1照明光学系4には、ビームエキスパン
ダ、光量可変機構、照明光学系のコヒーレンスファクタ
(所謂σ値)を変更した場合に照明光の光量を切り換え
るための照明切り換え機構、及びフライアイレンズ等が
含まれている。そして、第1照明光学系4の射出面に照
明光ILの面状に分布する2次光源が形成され、この2
次光源の形成面に照明条件を種々に切り換えるための照
明光学系開口絞り用の切り換えレボルバ5が配置されて
いる。切り換えレボルバ5の側面には、通常の円形の開
口絞り、光軸から偏心した複数の開口よりなる所謂変形
照明用の開口絞り、輪帯状の開口絞り、及び小さい円形
開口よりなる小さいσ値用の開口絞り等が形成され、切
り換え装置6を介して切り換え用レボルバ5を回転する
ことによって、所望の照明光学系開口絞り(σ絞り)を
その第1照明光学系4の射出面に配置できるようになっ
ている。また、そのように照明光学系開口絞りを切り換
えた場合には、切り換え装置6によって同期して、最も
光量が大きくなるように第1照明光学系4内の照明切り
換え機構が切り換えられる。
【0041】切り換え装置6の動作は、露光制御装置1
によって制御され、露光制御装置1の動作は、装置全体
の動作を統轄制御する主制御装置7によって制御されて
いる。なお、第1実施形態では、オプティカルインテグ
レータとしてフライアイレンズを使用しているが、ロッ
ド型インテグレータを用いても良い。この場合、ロッド
型インテグレータの入射面近傍に2次光源が虚像として
形成されるため、投影光学系の瞳での光源像の形状を切
り替えるための機構は、ロッド型インテグレータの射出
面をレチクル上へ結像させる光学系(本例では第3照明
光学系に相当する)中において2次光源と共役となる面
に設けることができる。また、ロッド型インテグレータ
の入射面へ入射させる光束の集光状態を変更する機構を
設けても光源像の形状を変更することができる。
【0042】さて、切り換え用レボルバ5で設定された
照明光学系開口絞りを透過した照明光ILは、透過率が
大きく反射率の小さいビームスプリッタ8に入射し、ビ
ームスプリッタ8で反射された照明光は、フォトダイオ
ード等の光電検出器よりなるインテグレータセンサ9で
受光される。このインテグレータセンサ9で照明光を光
電変換して得られる検出信号が露光制御装置1に供給さ
れる。その検出信号とウエハ上での露光量との関係は予
め計測して記憶されており、露光制御装置1では、その
検出信号よりウエハ上での積算露光量をモニタする。ま
た、その検出信号は、露光用の照明光ILを使用する各
種センサ系の出力信号を規格化するのにも利用される。
【0043】ビームスプリッタ8を透過した照明光IL
は、第2照明光学系10を介して照明視野絞り系(レチ
クルブラインド系)11を照明する。この照明視野絞り
系11の配置面は、第1照明光学系4中のフライアイレ
ンズの入射面と共役であり、フライアイレンズの各レン
ズエレメントの断面形状とほぼ相似の照明領域でその照
明視野絞り系11が照明される。照明視野絞り系11
は、可動ブラインドと固定ブラインドとに分かれてお
り、固定ブラインドは固定された矩形の開口を有する視
野絞りであり、可動ブラインドはレチクルの走査方向及
び非走査方向に独立に動く開閉自在の2対の可動ブレー
ドである。固定ブラインドでレチクル上の照明領域の形
状の決定が行われ、可動ブラインドで走査露光の開始時
及び終了時にその固定ブラインドの開口の覆いをそれぞ
れ徐々に開く動作、及び閉める動作が行われる。これに
よって、ウエハ上で本来の露光対象のショット領域以外
の領域に照明光が照射されるのが防止される。
【0044】この照明視野絞り系11中の可動ブライン
ドの動作は、駆動装置12によって制御されており、ス
テージ制御装置13によって後述のようにレチクルとウ
エハとの同期走査を行う際に、ステージ制御装置13
は、駆動装置12を介してその可動ブラインドを同期し
て駆動する。照明視野絞り系11を通過した照明光IL
は、第3照明光学系14を経てレチクルRのパターン面
(下面)の矩形の照明領域15を均一な照度分布で照明
する。照明視野絞り系11の固定ブラインドの配置面
は、レチクルRのパターン面と共役であり、照明領域1
5の形状はその固定ブラインドの開口によって規定され
ている。
【0045】以下では、レチクルRのパターン面に平行
な面内で図1の紙面に垂直にX軸を、図1の紙面に平行
にY軸を取り、レチクルRのパターン面に垂直にZ軸を
取って説明する。このとき、レチクルR上の照明領域1
5は、X方向に長い矩形領域であり、走査露光時には、
照明領域15に対してレチクルRが+Y方向、又は−Y
方向に走査される。即ち、走査方向はY方向に設定され
ている。
【0046】レチクルR上の照明領域15内のパターン
は、両側(又はウエハ側に片側)テレセントリックな投
影光学系PLを介して投影倍率β(|β|は例えば1/
4,1/5,1/6等)で縮小されて、フォトレジスト
が塗布されたウエハW上の露光領域16に結像投影され
る。レチクルRは、レチクルステージ17上に保持さ
れ、レチクルステージ17はレチクル支持台18上のY
方向に伸びたガイド上にエアベアリングを介して載置さ
れている。レチクルステージ17はリニアモータによっ
てレチクル支持台18上をY方向に一定速度で走査でき
ると共に、X方向、Y方向、及び回転方向(θ方向)に
レチクルRの位置を調整できる調整機構を備えている。
レチクルステージ17の端部に固定された移動鏡19
m、及び不図示のコラムに固定されたレーザ干渉計19
によって、レチクルステージ17(レチクルR)のX方
向、Y方向の位置が例えば常時0.001μm(1n
m)程度の分解能で計測されると共に、レチクルステー
ジ17の回転角も計測され、計測値がステージ制御装置
13に供給され、ステージ制御装置13は供給された計
測値に応じてレチクル支持台18上のリニアモータ等の
動作を制御する。
【0047】一方、ウエハWはウエハホルダ20を介し
て試料台21上に保持され、試料台21はウエハステー
ジ22上に載置され、ウエハステージ22は、定盤23
上のガイド上にエアベアリングを介して載置されてい
る。そして、ウエハステージ22は、定盤23上でリニ
アモータによってY方向に一定速度での走査、及びステ
ッピング移動ができると共に、X方向へのステッピング
移動ができるように構成されている。また、ウエハステ
ージ22内には、試料台21をZ方向に所定範囲で移動
するZステージ機構、及び試料台21の傾斜角を調整す
るチルト機構(レベリング機構)が組み込まれている。
【0048】試料台21の側面部に固定された移動鏡2
4m、及び不図示のコラムに固定されたレーザ干渉計2
4によって、試料台21(ウエハW)のX方向、Y方向
の位置が常時0.001μm程度の分解能で計測される
と共に、試料台21の回転角及びチルト角も計測され、
計測値がステージ制御装置13に供給され、ステージ制
御装置13は供給された計測値に応じてウエハステージ
22の駆動用のリニアモータ等の動作を制御する。
【0049】走査露光時には、主制御装置7からステー
ジ制御装置13に露光開始のコマンドが送出され、これ
に応じてステージ制御装置13では、レチクルステージ
17を介してレチクルRをY方向に速度VRで走査する
のと同期して、ウエハステージ22を介してウエハWを
Y方向に速度VWで走査する。レチクルRからウエハW
への投影倍率βを用いて、ウエハWの走査速度VWはβ
・VRに設定される。また、投影光学系PLは外部のベ
ース部材上に植設されたコラム25(図2参照)の中板
上に保持されている。そして、投影光学系PLのX方向
の側面部に、ウエハWの表面の複数の計測点に斜めにス
リット像等を投影して、それら複数の計測点でのZ方向
の位置(フォーカス位置)に対応する複数のフォーカス
信号を出力する、斜入射方式の多点のオートフォーカス
センサ(以下、「AFセンサ」という)26が配置され
ている。多点のAFセンサ26からの複数のフォーカス
信号は、フォーカス・チルト制御装置27に供給され、
フォーカス・チルト制御装置27では、それら複数のフ
ォーカス信号よりウエハWの表面のフォーカス位置及び
傾斜角を求め、求めた結果をステージ制御装置13に供
給する。
【0050】ステージ制御装置13では、供給されたフ
ォーカス位置及び傾斜角が、それぞれ予め求められてい
る投影光学系PLの結像面のフォーカス位置及び傾斜角
に合致するように、ウエハステージ22内のZステージ
機構、及びチルト機構をサーボ方式で駆動する。これに
よって、走査露光中においても、ウエハWの露光領域1
6内の表面はオートフォーカス方式、及びオートレベリ
ング方式で投影光学系PLの結像面に合致するように制
御される。
【0051】更に、投影光学系PLの+Y方向の側面に
オフ・アクシス方式のアライメントセンサ28が固定さ
れており、アライメント時にはアライメントセンサ28
によってウエハWの各ショット領域に付設されたアライ
メント用のウエハマークの位置検出が行われ、検出信号
がアライメント信号処理装置29に供給されている。ア
ライメント信号処理装置29にはレーザ干渉計24の計
測値も供給され、アライメント信号処理装置29では、
その検出信号及びレーザ干渉計24の計測値より検出対
象のウエハマークのステージ座標系(X,Y)での座標
を算出して、主制御装置7に供給する。ステージ座標系
(X,Y)とは、レーザ干渉計24によって計測される
試料台21のX座標及びY座標に基づいて定められる座
標系を言う。主制御装置7では、供給されたウエハマー
クの座標より、ウエハW上の各ショット領域のステージ
座標系(X,Y)での配列座標を求めてステージ制御装
置13に供給し、ステージ制御装置13では供給された
配列座標に基づいて各ショット領域に走査露光を行う際
のウエハステージ22の位置を制御する。
【0052】また、試料台21上には基準マーク部材F
Mが固定され、基準マーク部材FMの表面にはアライメ
ントセンサの位置基準となる種々の基準マーク、及びウ
エハWの反射率の基準となる基準反射面等が形成されて
いる。そして、投影光学系PLの上端部に、ウエハW側
から投影光学系PLを介して反射される光束等を検出す
る反射光検出系30が取り付けられ、反射光検出系30
の検出信号が自己計測装置31に供給されている。主制
御装置7の管理のもとで後述のように、自己計測装置3
1ではウエハWの反射量(反射率)のモニタ、照度むら
の計測、及び空間像の計測等を行う。
【0053】次に、図2を参照して図1に示した第1実
施形態の投影光学系PLの構成について詳細に説明す
る。図2は、投影光学系PLを示す断面図であり、この
図2において、投影光学系PLは機構的には、第1鏡筒
部41、光軸偏向部42、及び第2鏡筒部43の部分鏡
筒より構成されている。そして、第1鏡筒部41内に凹
面鏡M1が配置されている。
【0054】第1鏡筒部41は、複数の屈折光学部材
(レンズ素子)L11〜L17と凹面鏡M1とを含む第
1結像系の各光学要素をレンズ枠を介して保持してい
る。また、光軸偏向部42は、第1結像系と第2結像系
との間に配置される光路折り曲げ鏡M2と、第2結像系
中の光路折り曲げ鏡M3とを保持しており、これら光路
折り曲げ鏡M2,M3の間に配置される屈折光学部材
(レンズ素子)L20もレンズ枠を介して保持してい
る。そして、第2鏡筒部43は、第2結像系中の複数の
屈折光学部材L21〜L29及び開口絞りASをレンズ
枠を介して保持している。ここで、第1結像系は、光路
折り曲げ鏡M2の近傍にやや縮小倍率のもとでレチクル
R上の照明領域15の中間像を形成し、第2結像系は、
該中間像を所定の縮小倍率のもとでウエハW上の露光領
域16上に再結像させる。
【0055】本例では、第1鏡筒部41内の屈折光学部
材L11〜L16及び凹面鏡M1は光軸Ax1に沿って
配列されており、光軸偏向部42内の屈折光学部材L2
0は、該光軸Ax1に対してほぼ直交する光軸Ax2に
沿って配列されており、第2鏡筒部43内の屈折光学部
材L21〜L29は、光軸Ax1とほぼ平行な光軸Ax
3に沿って配列されている。
【0056】このとき、光路折り曲げ鏡M2は、光軸偏
向部42内で光軸Ax1から+Y方向に偏心した位置に
光軸Ax1に対して+Y方向にほぼ45°で傾斜した状
態で配置されている。また、光路折り曲げ鏡M3は光軸
偏向部42内で光軸Ax2及び光軸Ax3が交差する位
置に光軸Ax2にほぼ45°で傾斜した状態で配置され
ている。
【0057】このように、第1実施形態では各屈折光学
部材L11〜L29及び凹面鏡は、互いに直交する光軸
Ax1〜Ax3上に配置されている。この場合、照明光
ILによるレチクルR上の矩形の照明領域15は光軸A
X1から−Y方向に偏心した位置に設定され、照明領域
15を通過した照明光(以下、「結像光束」と呼ぶ)
は、第1鏡筒部41内のレンズL11,L12,…,L
17を経て凹面鏡45に入射し、凹面鏡45で反射集光
された結像光束は、再びレンズL17,L15,…,L
13を経て光軸偏向部42内の光路折り曲げ鏡M2で+
Y方向に偏向される。
【0058】その光軸偏向部42において、光路折り曲
げ鏡M2で反射された結像光束は、レンズL20を介し
て光路折り曲げ鏡M3に入射する。光路折り曲げ鏡M3
で−Z方向に偏向された結像光束は、第2鏡筒43に向
かい、第2鏡筒部43において、その結像光束は、レン
ズL21,L22,…,L28,L29を介してウエハ
W上の露光領域16に、レチクルR上の照明領域15内
のパターンの縮小像を形成する。
【0059】第1実施形態では、第1鏡筒部41及び第
2鏡筒部43は、露光装置のコラム25の上板にフラン
ジ41a,43aを介して支持されており、光軸偏向部
42は、これら第1及び第2鏡筒部41,43を接続す
るように設けられている。次に、図3を参照して、第1
実施形態の投影露光装置の空調系につき説明する。本例
の投影露光装置は全体として所定のチャンバ内に設置さ
れているが、更にその投影露光装置は複数のユニットに
分けられ、各ユニット別に独立に空調が行われている。
このような空調システムを、以下では「ユニット別空調
システム」と呼ぶ。
【0060】図3は第1実施形態のユニット別空調シス
テムを示し、この図3において、図1の投影露光装置が
照明光学系ユニット111、レチクルステージ系ユニッ
ト112、投影光学系ユニット113、ウエハステージ
系ユニット114、及びウエハ搬送系ユニット115に
大きく分かれている。具体的に、照明光学系ユニット1
11は、箱状のケーシング内に図1のエキシマレーザ光
源2、偏向ミラー3、第1照明光学系4、切り換えレボ
ルバ5、ビームスプリッタ8、インテグレータセンサ
9、第2照明光学系10、照明視野絞り系11、及び第
3照明光学系14よりなる照明光学系を収納したもので
ある。また、レチクルステージ系ユニット112は、箱
状のケーシング内に図1のレチクル支持台18、レチク
ルステージ17(移動鏡19mを含む)、レチクルR、
レチクルRと第3照明光学系14との間の光路、及びレ
チクルRと投影光学系PLとの間の光路を収納したもの
である。
【0061】そして、投影光学系ユニット113は、図
1の投影光学系PLそのものであるが、投影光学系PL
の鏡筒をケーシングとみなして、このケーシング内のレ
ンズ群の間の気体の流れを制御できるように構成されて
いる。更に、ウエハステージ系ユニット114は、図1
の定盤23上に設置された箱状のケーシング内にウエハ
ステージ22、試料台21(移動鏡24m、基準マーク
部材FMを含む)、ウエハホルダ20、ウエハW、及び
投影光学系PLとウエハWとの間の空間部を収納したも
のであり、ウエハ搬送系ユニット115は、箱状のケー
シング内に図1では省略されているウエハ搬送系を収納
したものである。本例では、照明光学系ユニット11
1、レチクルステージ系ユニット112、投影光学系ユ
ニット113、ウエハステージ系ユニット114、及び
ウエハ搬送系ユニット115のそれぞれに対して、所定
の気体の供給及び排気が独立に行えるようになってい
る。
【0062】そのための空調装置として、塵除去フィル
タ及びオゾン除去フィルタを内蔵した第1空調装置11
6と、不図示の窒素ガスボンベより供給された窒素(N
2)ガスを循環させる第2空調装置117とが備えられて
いる。そして、第1空調装置116は、チャンバの外部
から取り込んだ空気、及び配管118Bを介して戻され
る空気より塵除去フィルタを介して塵等を除去すると共
に、オゾン除去フィルタを介してオゾンを除去して得ら
れる空気の温度及び流量を調整し、調整後の空気を配管
118Aを介して気体切り換え器120Aに供給する。
一方、第2空調装置117は、配管119B及び133
Bを介して戻される窒素ガスの内で、純度の高い部分の
温度及び流量を調整して配管119A及び133Aを介
して循環させると共に、純度の低い部分を配管136を
介してチャンバが設置されているクリーンルームの外部
の大気中に放出する。更に、第2空調装置117は、不
足した窒素ガスを窒素ガスボンベより補う、即ち不足分
についてパージを行うようにしている。
【0063】次に、気体切り換え器120Aでは供給さ
れた2種類の気体(オゾン除去後の空気、及び窒素ガ
ス)の一方を配管121Aを介して空調風量制御器12
2Aに供給し、空調風量制御器122Aでは配管123
Aを介して照明光学系ユニット111内部に気体を供給
すると共に、配管124Aを介して空調風量制御器12
5Aにも気体を供給する。空調風量制御器122A,1
25A(その他も同様)では、それぞれ供給された気体
の温度及び流量(風量)の調整を行って吹き出す機能を
有する。そして、空調風量制御器125Aでは配管12
6A及び127Aを介して、それぞれレチクルステージ
系ユニット112内部及び空調風量制御器128Aに気
体を供給する。更に、空調風量制御器128Aでは配管
129Aを介してウエハ搬送系ユニット115内部に気
体を供給すると共に、配管130A、空調風量制御器1
31A、及び配管132Aを介してウエハステージ系ユ
ニット114内部にも気体を供給する。
【0064】また、ウエハ搬送系ユニット115内部を
循環した気体は配管129Bを介して空調風量制御器1
28Bに排気され、ウエハステージ系ユニット114内
部を循環した気体は配管132B、空調風量制御器13
1B、及び配管130Bを介して空調風量制御器128
Bに排気され、空調風量制御器128Bから排気される
気体、及びレチクルステージ系ユニット112内部を循
環した気体は、それぞれ配管127B及び126Bを介
して空調風量制御器125Bに排気される。同様に、空
調風量制御器125Bから排気される気体、及び照明光
学系ユニット111内部を循環した気体はそれぞれ配管
124B及び123Bを介して空調風量制御器122B
に排気され、空調風量制御器122Bから排気される気
体は配管121Bを介して気体切り換え器120Bに供
給され、気体切り換え器120Bでは供給された気体が
空気であるときには配管118Bを介して第1空調装置
116に戻すと共に、供給された気体が窒素ガスである
ときには配管119Bを介して第2空調装置117に戻
すように構成されている。従って、照明光学系ユニット
111、レチクルステージ系ユニット112、ウエハス
テージ系ユニット114、及びウエハ搬送系ユニット1
15には共通に、オゾンを除去した空気か又は窒素ガス
の何れかが選択的に供給できるようになっている。
【0065】また、第2空調装置117では、配管13
3A、空調風量制御器134A及び配管135Aを介し
て、投影光学系ユニット113に対して温度及び流量が
制御された窒素ガスを供給し、投影光学系ユニット11
3内を循環した窒素ガスが配管135B、空調風量制御
器134B、及び配管133Bを介して第2空調装置1
17に戻されるように構成されている。従って、投影光
学系ユニット113には、他のユニットとは異なり、常
時窒素ガスのみが供給されるようになっている。これ
は、投影光学系PLは特にメンテナンスを行う必要がな
いためである。即ち、投影光学系ユニット113は外部
に対して高い気密性を保つように構成され、常時窒素ガ
スが供給されるようになっている。
【0066】また、空調風量制御器134A及び134
B中にはそれぞれ温度センサ、及び窒素ガスの純度を計
測する純度センサが設置されており、計測される純度が
所定の許容値以下となったときには、第2空調装置11
7において純度の低い窒素ガスが配管136を介して外
部に排出されて、不足分が窒素ガスボンベより補給され
る。
【0067】第1実施形態では、露光光源としてArF
エキシマレーザ、又はF2レーザ等のレーザ光源2が使
用されている。例えば、ArFエキシマレーザ光は、通
常の空気の成分中では、オゾン(O3)による吸収率が最
も高く、次いで酸素(O2)がオゾンに変化する際の吸収
率が高くなっており、窒素ガスの吸収率は殆ど無視でき
る程度である。そのため、露光用の照明光ILの光路上
には、気体を流すとすれば窒素ガスを流すことによっ
て、最も効率的に(高い透過率で)ウエハWへの露光を
行うことができる。
【0068】そこで、通常の露光シーケンスでは、図3
の気体切り換え器120Aでは、第2空調装置117か
らの窒素ガスを配管121Aに供給する。これによっ
て、照明光学系ユニット111、レチクルステージ系ユ
ニット112、ウエハステージ系ユニット114、及び
ウエハ搬送系ユニット115には共通に窒素ガスが供給
されて、ウエハには高い照明効率で転写露光が行われ
る。
【0069】一方、メンテナンス時又は試験的に露光を
行うような場合には、投影光学系ユニット113以外の
ユニットは作業者によってケーシングが開かれる可能性
があるため、安全上の見地より窒素ガスを供給すること
はできない。そのため、メンテナンス時等には、図3の
気体切り換え器120Aでは、第1空調装置116から
のオゾン除去後の空気を配管121Aに供給する。これ
によって、照明光学系ユニット111、レチクルステー
ジ系ユニット112、ウエハステージ系ユニット11
4、及びウエハ搬送系ユニット115には共通にその空
気が供給されて、作業者は安全に作業を行うことができ
る。しかも、投影光学系ユニット113以外のユニット
に供給されている気体はオゾン除去後の空気であり、露
光用の照明光ILに対する吸収率は低いため、照明効率
の低下も僅かである。
【0070】また、図3において、照明光学系ユニット
111、レチクルステージ系ユニット112、ウエハス
テージ系ユニット114、及びウエハ搬送系ユニット1
15の内部の排気口の近傍にそれぞれ窒素ガス用の濃度
センサ137A〜137Dが設置され、濃度センサ13
7A〜137Dの検出結果が図1の主制御装置7に供給
されている。主制御装置7では、メンテナンス時等にそ
れらのユニットに供給する気体をオゾン除去後の空気に
切り換えた際には、濃度センサ137A〜137Dで検
出される窒素濃度が通常の空気の濃度程度になるまで、
作業開始可の表示を行わないか、又はチャンバのカバー
を閉じた状態でロックしておく。これによって安全に作
業が行われる。
【0071】なお、それ以外に、主制御装置7にタイマ
を接続しておき、主制御装置7では、メンテナンス時等
にそれらのユニットに供給する気体をオゾン除去後の空
気に切り換えた際には、そのタイマを用いて所定の時間
経過後に作業開始可の表示等を行うようにしてもよい。
また、露光用の照明光の光路上の気体の種類によって吸
収率が異なるので、主制御装置7には、それぞれの気体
に対するウエハの表面上での照度がパラメータとして記
憶され、気体の種類の切り換え時にパラメータの変換が
行われるようになっている。
【0072】更に、図3の例では例えば照明光学系ユニ
ット111、レチクルステージ系ユニット112、ウエ
ハステージ系ユニット114、及びウエハ搬送系ユニッ
ト115に対して並列に気体が供給されているが、それ
らのユニットの全部、又は一部を配管で直列に接続し、
接続されたユニットに直列に選択された気体を供給する
ようにしてもよい。これによって、配管の配列が簡略化
される。
【0073】また、オゾン除去後の空気は取り込まれた
空気(外気)をオゾン除去フィルタにかけるのみで得ら
れるが、窒素ガスは連続的に使用する際には窒素ガスボ
ンベの交換を行う必要があり、且つ露光時とメンテンナ
ンス時等とで部分的に空気との入れ換えを行う必要があ
る。そこで、ウエハ上に塗布されるフォトレジストの必
要露光量が大きい(感度が低い)場合には、スループッ
トを高めるために照明光学系ユニット111〜ウエハ搬
送系ユニット115に対して窒素ガスを流して照明光の
吸収率を低くする一方、フォトレジストの必要露光量が
小さい(感度が高い)場合には、吸収による光量低下が
あっても殆どスループットに影響しないため、オゾン除
去後の空気を流すようにしてもよい。このように感光条
件によって使用する気体の使い分けを行うことによっ
て、スループット及び運転コストを全体として最適化で
きる。
【0074】また、後者のようにフォトレジストの必要
露光量が小さい場合には、オゾン除去後の空気の代わり
に、外部から取り込まれた空気(大気)そのものを使用
してもよい。更に、窒素ガスの代わりに、ArFエキシ
マレーザ光、又はF2レーザ光に対する吸収率の低い他
の気体(例えばヘリウムのような不活性ガス等)を使用
してもよい。
【0075】次に、図4を参照して、本発明にかかる露
光装置の第2の実施の形態について説明する。図4は、
第2実施形態の投影露光装置の概略構成を示す図であ
る。図4において、図1と同様にXYZ座標系を採用し
ている。なお、図1〜3に示した第1実施形態と同様の
機能を有する部材には同じ符号を付してある。
【0076】第2の実施の形態の露光装置は、露光光源
としてF2レーザ光源を使用し、投影光学系として屈折
型光学系を使用する投影露光装置に本発明を適用したも
のである。第2実施形態の投影露光装置では、レチクル
上の所定形状の照明領域に対して相対的に所定の第1の
方向にレチクル及び基板を同期して走査することによ
り、基板上の第1列目の領域への露光が行われる。その
後、そのレチクルを交換するか、又はそのレチクルを上
記照明領域の第1の方向と直交する第2の方向に沿って
所定量だけ移動させて、基板を照明領域の第2の方向と
共役な方向に横ずれさせる。そして、再びレチクル上の
所定形状の照明領域に対して相対的に第1の方向にレチ
クル及び基板を同期して走査することにより、基板上の
第2列目の領域への露光を行う。このように第2実施形
態の露光装置は、投影光学系の露光フィールドよりも広
い基板上の領域にレチクルのパターンを露光することが
できる、スティッチング及びスリットスキャン型の露光
装置である。なお、このようなスティッチング及びスリ
ットスキャン型の露光装置は、米国特許第5,477,
304号公報、特開平8-330220号公報、特開平10-28440
8号公報などに開示されている。
【0077】図4において、レーザ光源2は、例えば発
振波長157nmのフッ素ダイマーレーザ(F2レー
ザ)からなる。このF2レーザは、自然発振で1.5p
m程度と十分に狭い半値全幅を有する。そして、自然発
振のスペクトル分布から1つのスペクトルを選択するこ
とにより、1pm程度の半値全幅を有するスペクトルを
得ることができる。
【0078】なお、第2実施形態におけるレーザ光源2
としては、波長約120nm〜約180nmの真空紫外
域に属する光を発する光源、例えば発振波長146nm
のクリプトンダイマーレーザ(Kr2レーザ)や、発振
波長126nmのアルゴンダイマーレーザ(Ar2レー
ザ)などを用いることができる。さて、レーザ光源2か
らのパルスレーザ光(照明光)は、偏向ミラー3にて偏
向されて、光路遅延光学系41へ向かい、レーザ光源2
からの照明光の時間的可干渉距離(コヒーレンス長)以
上の光路長差が付けられた時間的に複数の光束に分割さ
れる。なお、このような光路遅延光学系は例えば特開平
1-198759号公報に開示されている。
【0079】光路遅延光学系41から射出される照明光
は、光路偏向ミラー42にて偏向された後に、第1フラ
イアイレンズ43、ズームレンズ44、振動ミラー45
を順に介して第2フライアイレンズ46に達する。第2
フライアイレンズ46の射出側には、有効光源のサイズ
・形状を所望に設定するための照明光学系開口絞り用の
切り替えレボルバ5が配置されている。本例では、照明
光学系開口絞りでの光量損失を低減させるために、ズー
ムレンズ44による第2フライアイレンズ46への光束
の大きさを可変としている。
【0080】照明光学系開口絞りの開口から射出した光
束は、コンデンサレンズ群10を介して照明視野絞り
(レチクルブラインド)11を照明する。照明視野絞り
10からの光は、偏向ミラー151,154、レンズ群
152,153,155からなる照明視野絞り結像光学
系(レチクルブラインド結像系)を介してレチクルR上
へ導かれ、レチクルR上には、照明視野絞り10の開口
部の像である照明領域が形成される。レチクルR上の照
明領域からの光は、複数種類のフッ化物結晶からなる材
料で構成された投影光学系PLを介してウエハW上へ導
かれ、ウエハW上には、レチクルRの照明領域内のパタ
ーンの縮小像が形成される。
【0081】さて、真空紫外域の波長の光を露光光とす
る場合には、その光路から酸素、水蒸気、炭化水素系の
ガス等の、かかる波長帯域の光に対し強い吸収特性を有
するガス(以下、適宜「吸収性ガス」と呼ぶ)を排除す
る必要がある。従って、第2実施形態では、照明光路
(レーザ光源2〜レチクルRへ至る光路)及び投影光路
(レチクルR〜ウエハWへ至る光路)を外部雰囲気から
遮断し、それらの光路を真空紫外域の光に対する吸収の
少ない特性を有する特定ガスとしての窒素、ヘリウム、
アルゴン、ネオン、クリプトンなどのガス、またはそれ
らの混合ガス(以下、適宜「低吸収性ガス」あるいは
「特定ガス」と呼ぶ)で満たしている。
【0082】具体的には、レーザ光源2から光遅延光学
系41までの光路をケーシング30により外部雰囲気よ
り遮断し、光遅延光学系41から照明視野絞り11まで
の光路をケーシング40により外部雰囲気より遮断し、
照明視野絞り結像光学系をケーシング150により外部
雰囲気から遮断し、それらの光路内に上記特定ガスを充
填している。また、投影光学系PL自体もその鏡筒がケ
ーシングとなっており、その内部光路に上記特定ガスを
充填している。
【0083】ケーシング170は、照明視野絞り結像光
学系を納めたケーシング150と投影光学系PLとの間
の空間を外部雰囲気から遮断しており、その内部にレチ
クルRを保持するレチクルステージRSを収納してい
る。このケーシング170には、レチクルRを搬入・搬
出するための扉173が設けられており、この扉173
の外側には、レチクルRを搬入・搬出時にケーシング1
70内の雰囲気が汚染されるのを防ぐためのガス置換室
174が設けられている。このガス置換室174にも扉
177が設けられており、複数種のレチクルを保管して
いるレチクルストッカ210との間でレチクルの受け渡
しは扉177を介して行う。
【0084】ケーシング200は、投影光学系PLとウ
エハWとの間の空間を外部雰囲気から遮断しており、そ
の内部に、ウエハWを保持するウエハステージ22、基
板としてのウエハWの表面のZ方向の位置(フォーカス
位置)や傾斜角を検出するための斜入射形式のオートフ
ォーカスセンサ26、オフ・アクシス方式のアライメン
トセンサ28、ウエハステージ22を載置している定盤
23を収納している。このケーシング200には、ウエ
ハWを搬入・搬出するための扉203が設けられてお
り、この扉203の外側にはケーシング200内部の雰
囲気が汚染されるのを防ぐためのガス置換室204が設
けられている。このガス置換室204には扉207が設
けられており、装置内部へのウエハWの搬入、装置外部
へのウエハWの搬出はこの扉207を介して行う。
【0085】ここで、ケーシング40,150,17
0,200のそれぞれには、給気弁147,156,1
71,201が設けられており、これらの給気弁14
7,156,171,201は図示なきガス供給装置に
接続された給気管路に接続されている。また、ケーシン
グ40,150,170,200のそれぞれには、排気
弁148,157,172,202が設けられており、
これらの排気弁148,157,172,202は、そ
れぞれ図示なき排気管路を介して上記ガス供給装置に接
続されている。なお、ガス供給装置からの特定ガスは不
図示の温度調整装置により所定の目標温度に制御されて
いる。
【0086】同様に、ガス置換室174,204にも給
気弁175,205と排気弁176,206とが設けら
れており、給気弁175,205は給気管路を介して、
排気弁176,206は排気管路を介してそれぞれ上記
ガス供給装置に接続されている。さらに、投影光学系P
Lの共同にも給気弁181及び排気弁182が設けられ
ており、給気弁181は図示なき給気管路を介して、排
気弁182は図示なき排気管路を介して上記ガス供給装
置に接続されている。
【0087】なお、給気弁147,156,171,1
75,181,201,205が設けられた給気管路
と、排気弁148,157,172,176,182,
202,206が設けられた排気管路とには、HEPA
フィルタあるいはULPAフィルタ等の塵(パーティク
ル)を除去するためのフィルタと、酸素等の吸収性ガス
を除去するケミカルフィルタとが設けられている。
【0088】なお、ガス置換室174,204において
は、レチクル交換又はウエハ交換毎にガス置換を行う必
要がある。例えば、レチクル交換の際には、扉174を
開いてレチクルストッカ210からレチクルをガス置換
室174内に搬入し、扉174を閉めてガス置換室17
4内を特定ガスで満たし、その後、扉173を開いて、
レチクルをレチクルステージRS上に載置する。また、
ウエハ交換の際には、扉207を開いてウエハをガス置
換室204内に搬入し、この扉207を締めてガス置換
室204内を特定ガスで満たす。その後、扉203を開
いてウエハをウエハホルダ20上に載置する。なお、レ
チクル搬出、ウエハ搬出の場合はこの逆の手順である。
なお、ガス置換室174,204へのガス置換の際に
は、ガス置換室内の雰囲気を減圧した後に、給気弁から
特定ガスを供給しても良い。
【0089】また、ケーシング170,200において
は、ガス置換室174,204によるガス置換を行った
気体が混入する可能性があり、このガス置換室174,
204のガス中にはかなりの量の酸素などの吸収ガスが
混入している可能性が高いため、ガス置換室174,2
04のガス置換と同じタイミングでガス置換を行うこと
が望ましい。また、ケーシング及びガス置換室において
は、外部雰囲気の圧力よりも高い圧力の特定ガスを充填
しておくことが好ましい。
【0090】
【実施例】次に、本発明にかかる露光装置の投影光学系
の数値実施例につき図面を参照して説明する。ここで、
第1実施例〜第3実施例は、上記図1〜3に示した第1
実施形態の投影光学系に適したものであり、第4及び第
5実施例は、上記図4に示した第2実施形態の投影光学
系に適したものである。
【0091】[第1実施例]図5は、第1実施例にかか
る投影光学系のレンズ断面図である。第1実施例にかか
る投影光学系PLは、波長λ=193.40nm±0.
01nm(±10pm)の波長幅の露光エネルギービー
ムに最適化されたものである。
【0092】図5において、投影光学系PLは、凹面鏡
M1を含み、レチクルRの中間像を形成する第1結像系
PLaと、この中間像を所定の縮小倍率のもとでウエハ
W上に再結像させる第2結像系PLbと、第1結像系P
Laと第2結像系PLbとの間に配置された光路折り曲
げミラーM2とを備えている。なお、図5の例では、光
路折り曲げミラーは1つであるが、図2に示したよう
に、第2結像系PLb中に光路折り曲げミラーを設けて
も良い。
【0093】第1結像系PLaは、最もレチクルR側に
配置される第1群G1と、第2群G2と、凹面鏡M1と
を有しており、レチクルRを経由した照明光学系からの
露光エネルギービームが、第1群G1、第2群G2を順
に通過して凹面鏡M1に達し、凹面鏡で反射された露光
エネルギービームが第2群を通過した後に光路折り曲げ
ミラーM2へ向かうように、各群及び凹面鏡が位置決め
されている。
【0094】第1群G1は、レチクルR側から順に、両
凸レンズL11、レチクル側に凸面を向けたメニスカス
レンズL12、凹面鏡M1側に凹面を向けたメニスカス
負レンズL13、及び凹面鏡M1側に凹面を向けた略平
凹形状の負レンズL14とを有する。第2群G2は、凹
面鏡M1から遠い側から順に(第1群G1側から順
に)、第1群G1側に凸面を向けたメニスカス正レンズ
L15と、両凸レンズL16と、両凹レンズL17と、
第1群G1側に凸面を向けたメニスカス正レンズL18
と、第1群G1側に凹面を向けたメニスカス負レンズL
19とを有している。
【0095】第2結像系は、光路折り曲げミラーM2側
(中間像形成位置側)から順に、両凸レンズL20、両
凸レンズL21、中間像形成位置側に凹面を向けたメニ
スカス負レンズL22、中間像形成位置側に凸面を向け
たメニスカス正レンズL23、開口絞りAS、中間像形
成位置側に凸面を向けた2つのメニスカス正レンズL2
4、L25,中間像形成位置側に凹面を向けたメニスカ
ス負レンズL26、中間像形成位置側に凸面を向けたメ
ニスカス正レンズL27、中間像形成位置側に凹面を向
けたメニスカス負レンズL28、及び両凸レンズL29
を有している。
【0096】第1実施例にかかる投影光学系では、第1
結像系PLa中の両凹レンズL17がフッ化バリウム
(BaF2)で形成されており、該両凹レンズL17以
外の屈折光学素子は、フッ化カルシウム(螢石、CaF
2)で形成されている。また、第1実施例にかかる投影
光学系では、第1結像系PLa中のメニスカス負レンズ
L19の凹面鏡M1側のレンズ面、第2結像系PLb中
のメニスカス正レンズL24の中間像形成位置側のレン
ズ面、及び第2結像系PLb中のメニスカス正レンズL
25のウエハW側のレンズ面が回転対称非球面形状に形
成されている。なお、さらなる高性能化、小型化を図る
ために非球面形状のレンズ面を増やしても良く、凹面鏡
M1の反射面も回転対称非球面形状に形成しても良い。
【0097】以下の表2に第1実施例にかかる投影光学
系PLのレンズデータを掲げる。表2において、左端に
は各光学面(レンズ面、反射面)の面番号を示し、rは
各光学面の曲率半径、dは各光学面間の面間隔を示し、
rの列に各光学面の曲率半径を表し、dの列に各面間隔
を表している。また、表2中、d0は物体面(レチクル
面)から最もレチクル側の光学面までの距離、WDは最
もウエハ側の光学面からウエハ面(像面)までの距離、
βはレチクル側から投影光学系へ光が入射するときの投
影光学系の横倍率、NAはウエハ側の開口数をそれぞれ
表している。なお、表2において、曲率半径rの符号は
光線の進行方向に向けて凸となる場合を正とし、面間隔
dは反射面の前後で符号が反転するものとしている。
【0098】また、フッ化カルシウム(螢石)CaF2及び
フッ化バリウムBaF2の露光エネルギービームの波長λに
対する屈折率n(λ)、1pm当たりの屈折率の変化量
である分散dn/dλは以下の表1の通りである。な
お、以下において、1pm当たりの屈折率の変化量であ
る分散dn/dλの値が正であるとは、波長λが長くな
るにつれて屈折率nも上昇することを意味し、この分散
dn/dλの値が負であるとは、波長λが長くなると屈
折率nが低下することを意味する。
【0099】
【表1】 n(193.41nm) n(193.40nm) n(193.39nm) dn/dλ CaF2 1.501255 1.501265 1.501275 -1×10-6 BaF2 1.569269 1.569285 1.569301 -1.6×10-6 また、表2において面番号に※を付した光学面は非球面
を表し、表2では非球面についての曲率半径は頂点曲率
半径を示している。この非球面形状は、非球面頂点での
接平面を考え、該接平面上で光軸が通過する位置を原
点、光線の進行方向を正としたとき接平面上での高さy
の位置における非球面の光軸方向の変位を非球面頂点を
基準としてz(y)とするとき、以下の式(a)で表さ
れる。
【0100】
【数1】
【0101】ただし、(a)式において、rは頂点曲率
半径、κは円錐係数、A,B,C,D,E,F,G,H
はそれぞれ非球面係数を示している。本実施例では、表
3に円錐係数κ、非球面係数A,B,C,Dを非球面デ
ータとして示した。
【0102】
【表2】 d0 = 84.572625 WD = 16.000000 |β|=1/4 NA =0.60 面番号 r d 材料 1: 871.16824 27.000000 蛍石 L11 2: -380.20201 1.000000 3: 224.26749 25.000000 蛍石 L12 4: 258.64591 15.740207 5: 1940.07786 20.000000 蛍石 L13 6: 387.03193 17.466259 7: -36301.92312 22.948015 蛍石 L14 8: 517.35208 349.972078 9: 352.71528 45.000000 蛍石 L15 10: 13713.82681 271.046061 11: 410.96935 40.000000 蛍石 L16 12: -1038.81277 10.252945 13: -428.47645 20.000000 フッ化バリウム L17 14: 206.04444 1.000000 15: 210.50640 40.000000 蛍石 L18 16: 2181.36614 35.003163 17: -223.34109 25.000000 蛍石 L19 *18: -12905.57320 20.674820 19: -375.59609 -20.674820 M1 *20: -12905.57320 -25.000000 蛍石 L19 21: -223.34109 -35.003163 22: 2181.36614 -40.000000 蛍石 L18 23: 210.50640 -1.000000 24: 206.04444 -20.000000 フッ化バリウム L17 25: -428.47645 -10.252945 26: -1038.81277 -40.000000 蛍石 L16 27: 410.96935 -271.046061 28: 13713.82681 -45.000000 蛍石 L15 29: 352.71528 -288.378273 30: ∞ 219.962086 M2 31: 676.35050 24.000000 蛍石 L20 32: -874.40286 369.722215 33: 1254.34163 28.000000 蛍石 L21 34: -976.80660 14.522645 35: -412.59450 22.000000 蛍石 L22 36: -621.46447 311.589802 37: 586.39212 30.000000 蛍石 L23 38: 3646.08543 77.860846 39: ∞ 76.973258 AS *40: 258.44076 40.426938 蛍石 L24 41: 1223.19093 0.200000 42: 302.72739 45.000000 蛍石 L25 *43: 5772.33218 15.976633 44: -1486.32264 25.000000 蛍石 L26 45: -3965.41128 15.769952 46: 252.90031 55.697827 蛍石 L27 47: 951.03836 19.992659 48: 152.49590 47.403052 蛍石 L28 49: 88.34801 8.850248 50: 106.89426 66.198893 蛍石 L29 51: -1279.55924 1.000000 52: ∞ 6.000000 蛍石 P 53: ∞ (WD) 以下の表3に、表2中の非球面形状の光学面の非球面デ
ータに示す。
【0103】
【表3】 [第18面(第20面)の非球面データ] κ= 0.000000 A= -0.292039×10-08 B= -0.412188×10-13 C= 0.125546×10-17 D= -0.558880×10-22 [第40面の非球面データ] κ= -0.792468 A= -0.163748×10-08 B= -0.374334×10-13 C= -0.261430×10-18 D= -0.575093×10-22 [第43面の非球面データ] κ= 0.000000 A= 0.539237×10-08 B= -0.731731×10-13 C= -0.182744×10-17 D= 0.132937×10-22 図6に、第1実施例にかかる投影光学系のウエハW上で
の横収差図を示す。ここで、図6(a)は像高Y=18
におけるメリジオナル方向の横収差図、図6(b)は像
高Y=16におけるメリジオナル方向の横収差図、図6
(c)は像高Y=14におけるメリジオナル方向の横収
差図、図6(d)は像高Y=18におけるサジタル方向
の横収差図、図6(e)は像高Y=16におけるサジタ
ル方向の横収差図、図6(f)は像高Y=14における
サジタル方向の横収差図である。また、図6(a)〜図
6(f)の各横収差図において、実線は波長λ=19
3.40nmによる収差曲線、破線は波長λ=193.
41nmによる収差曲線、一点鎖線は波長λ=193.
39nmによる収差曲線を表している。
【0104】各収差図からも明らかな通り、第1実施例
にかかる投影光学系は、良好な収差補正がなされ、特に
±10pmの波長幅の露光エネルギービームに対する色
収差が良好に補正されている。また、第1実施例の投影
光学系では、屈折光学部材としてフッ化物結晶のみを用
いており、200nm以下の波長のもとでも照射変動を
起こし難い利点がある。従って、第1実施例の投影光学
系を露光装置に組み込むことにより、狭帯化が不完全な
光源であっても極めて微細なパターンをウエハ上に転写
することが可能となる。 [第2実施例]図7は、第2実施例にかかる投影光学系
のレンズ断面図である。第2実施例にかかる投影光学系
PLは、波長λ=193.40nm±0.01nm(±
10pm)の波長幅の露光エネルギービームに最適化さ
れたものである。
【0105】図7に示す投影光学系PLは、図5の第1
実施例の投影光学系とは異なり中間像を形成しない。図
7において、第2実施例の投影光学系は、正屈折力を有
する第1群G1、ビームスプリッタBS,凹面鏡M1を
含む第2群G2、及び正屈折力の第3群G3とを有して
いる。なお、図7に示す投影光学系PLは光路折り曲げ
ミラーを有していないが、レチクルRとウエハWとの配
置を互いに平行にするために、第1群G1中に光路折り
曲げミラーを設けても良い。また、ビームスプリッタと
しては、振幅分割を行うものハーフミラー(ハーフプリ
ズム)や偏光分離を行う偏光ビームスプリッタなどを適
用できる。なお、偏光ビームスプリッタを用いる場合に
は、少なくともビームスプリッタBSと凹面鏡M1との
間の光路中は1/4波長板を設けることが好ましく、ビ
ームスプリッタBSとウエハWとの間の光路中にも1/
4波長板を設けることがさらに好ましい。
【0106】図7の第2実施例にかかる投影光学系で
は、レチクルRを経由した照明光学系からの露光エネル
ギービームが第1群G1、ビームスプリッタBS、凹面
鏡M1を含む第2群G2、ビームスプリッタBS、及び
第3群G3の順に通過してウエハW(像面)に達するよ
うに、各光学部材が位置決めされている。なお、図7の
例では、第1群G1から凹面鏡M1(第2群G2)へ向
かう露光エネルギービームを透過し、かつ凹面鏡M1
(第2群G2)から第3群G3へ向かう露光エネルギー
ビームを反射するようにビームスプリッタBSが配置さ
れている。しかしながら、第1群G1から凹面鏡M1
(第2群G2)へ向かう露光エネルギービームを反射
し、かつ凹面鏡M1(第2群G2)から第3群G3へ向
かう露光エネルギービームを透過するようにビームスプ
リッタBSを配置することも可能である。
【0107】図7において、第1群G1は、レチクルR
側から順に、レチクルR側に凹面を向けた正メニスカス
レンズL11、両凸レンズL12、両凹レンズL13、
両凹レンズL14、レチクルR側に凹面を向けた2枚の
正メニスカスレンズL15,L16を備えている。第2
群G2は、凹面鏡M1、及び該凹面鏡M1とビームスプ
リッタBS側との間に配置されてビームスプリッタBS
側に凹面を向けた負メニスカスレンズL21を備えてい
る。
【0108】第3群G3は、ビームスプリッタBS側か
ら順に、ビームスプリッタBS側に凸面を向けた正メニ
スカスレンズL31、両凹レンズL32、及びビームス
プリッタBS側に凸面を向けた2枚の正メニスカスレン
ズL33,L34を備えている。第2実施例にかかる投
影光学系では、第1群G1中の両凹レンズL13及び第
3群G3中の両凹レンズL32がフッ化バリウム(BaF
2)で形成されており、これらの両凹レンズL13,L
32以外の屈折光学素子(レンズ及びビームスプリッ
タ)は、フッ化カルシウム(螢石、CaF2)で形成されて
いる。
【0109】なお、第2実施例において、フッ化物結晶
からなるキューブ型のビームスプリッタBSにおける結
晶の歪みの影響を低減するために、結晶の(111)面
を光束に対して垂直となるように構成することが好まし
い。具体的には、キューブ型のビームスプリッタBSの
第1群G1側の入射面(ビームスプリッタBSの凹面鏡
M1側の入射/射出面)が螢石の結晶の(111)面に
平行になるようにするか、キューブ型のビームスプリッ
タBSの第3群G3側の射出面が螢石の結晶の(11
1)面に平行になるようにすることが好ましい。これに
よって、キューブ型のビームスプリッタBSを通過する
露光エネルギービームが(111)面に垂直になるた
め、螢石の歪の影響が低減される。なお、第2実施例で
は、ビームスプリッタBSを通過する光束のうち、光路
変換面(半透過面、偏光分離面)を透過する光束が結晶
材料の(111)面とほぼ垂直になるようにビームスプ
リッタBSを構成することが好ましい。これは、ビーム
スプリッタBSを通過する光路長を考えると、光路変換
面(半透過面、偏光分離面)を透過する光束の方が光路
変換面にて反射される光束よりも長く、より歪みの影響
を受けやすいからである。
【0110】また、第2実施例にかかる投影光学系で
は、第1群G1においては、両凹レンズL13のビーム
スプリッタBS側のレンズ面、両凹レンズL14のビー
ムスプリッタ側のレンズ面、及び正メニスカスレンズL
15のレチクル側のレンズ面が回転対称非球面形状に形
成されている。第2群G2においては、凹面鏡M1の反
射面及び負メニスカスレンズL21のビームスプリッタ
BS側のレンズ面が回転対称非球面形状に形成されてい
る。そして、第3群G3においては、両凹レンズL32
のビームスプリッタ側のレンズ面、正メニスカスレンズ
L33のビームスプリッタBS側のレンズ面、及び正メ
ニスカスレンズL34のウエハW側のレンズ面が回転対
称非球面形状に形成されている。なお、さらなる高性能
化、小型化を図るために非球面形状のレンズ面を増やし
ても良い。また、凹面鏡M1の反射面は、製造を容易に
するために球面形状に形成しても良い。
【0111】以下の表4に第2実施例にかかる投影光学
系PLのレンズデータを掲げる。表4における各光学諸
元r、d、d0、WD、β、NAの表記は、表2の第1
実施例と同様の表記であるため、ここでは説明を省略す
る。また、フッ化カルシウム(螢石)CaF2及びフッ化バ
リウムBaF2の露光エネルギービームの波長λに対する屈
折率n(λ)、分散dn/dλは上記表1の通りであ
る。
【0112】また、表4において面番号に※を付した光
学面は非球面を表し、この非球面形状は、上記式(a)
で表される。
【0113】
【表4】 d0 = 179.836818 WD = 10.000001 |β|=1/4 NA =0.60 面番号 r d 材料 1: -10250.79431 30.000000 蛍石 L11 2: -717.04267 2.438719 3: 383.49011 51.000000 フッ化バリウム L12 4: -285.17312 1.469515 5: -280.61345 18.000000 蛍石 L13 *6: 355.18016 268.889080 7: -2851.14242 20.000000 蛍石 L14 *8: 511.82390 272.939367 *9: -869.71671 65.000000 蛍石 L15 10: -327.57872 1.173164 11: -1190.29881 40.000000 蛍石 L16 12: -642.56168 1.000000 13: ∞ 320.000000 蛍石 BS 14: ∞ 40.965577 *15: -347.83226 20.000000 蛍石 L21 16: -800.36628 20.432301 *17: -638.57219 -20.432301 M1 18: -800.36628 -20.000000 蛍石 L21 *19: -347.83226 -40.965577 20: ∞ -160.000000 蛍石 BS 21: ∞ 160.000000 蛍石 (方向変換面) 22: ∞ 1.000000 23: 250.00239 37.000000 蛍石 L31 24: 1835.59656 6.000000 *25: -5396.89224 15.000000 フッ化バリウム L32 26: 1137.05237 1.000000 *27: 268.20043 30.000000 蛍石 L33 28: 2667.15845 1.000000 29: 170.52979 120.218554 蛍石 L34 *30: 1480.11693 10.000001 以下の表5に、表4中の非球面形状の光学面の非球面デ
ータに示す。
【0114】
【表5】 [第6面の非球面データ] κ= 0.254955 A= 0.288011×10-08 B= 0.197315×10-13 C= 0.306816×10-17 D= 0.000000×10+00 [第8面の非球面データ] κ= -0.112951 A= -0.865512×10-10 B= -0.671998×10-15 C= -0.670423×10-18 D= 0.000000×10+00 [第9面の非球面データ] κ= -0.925654 A= -0.454939×10-09 B= -0.445290×10-14 C= -0.376839×10-19 D= 0.000000×10+00 [第15面(第19面)の非球面データ] κ= 0.053630 A= 0.869858×10-09 B= 0.240907×10-14 C= 0.229343×10-18 D= 0.101423×10-23 [第17面(反射面)の非球面データ] κ= -0.111428 A= 0.354531×10-09 B= 0.376023×10-15 C= 0.715525×10-19 D= 0.000000×10+00 [第25面の非球面データ] κ= 172.768780 A= -0.381884×10-09 B= -0.859147×10-13 C= 0.345931×10-17 D= -0.628469×10-22 [第27面の非球面データ] κ= 0.129701 A= 0.353753×10-08 B= 0.154211×10-12 C= 0.412201×10-18 D= -0.583718×10-22 [第30面の非球面データ] κ= 2095.961373 A= 0.173519×10-06 B= -0.405184×10-09 C= 0.475715×10-12 D= -0.314679×10-15 図8に、第2実施例にかかる投影光学系のウエハW上で
の横収差図を示す。ここで、図8(a)は像高Y=18
におけるメリジオナル方向の横収差図、図8(b)は像
高Y=16におけるメリジオナル方向の横収差図、図8
(c)は像高Y=14におけるメリジオナル方向の横収
差図、図8(d)は像高Y=18におけるサジタル方向
の横収差図、図8(e)は像高Y=16におけるサジタ
ル方向の横収差図、図8(f)は像高Y=14における
サジタル方向の横収差図である。また、図8(a)〜図
8(f)の各横収差図において、実線は波長λ=19
3.40nmによる収差曲線、破線は波長λ=193.
41nmによる収差曲線、一点鎖線は波長λ=193.
39nmによる収差曲線を表している。
【0115】各収差図からも明らかな通り、第2実施例
にかかる投影光学系は、良好な収差補正がなされ、特に
±10pmの波長幅の露光エネルギービームに対する色
収差が良好に補正されている。また、第2実施例の投影
光学系では、屈折光学部材としてフッ化物結晶のみを用
いており、200nm以下の波長のもとでも照射変動を
起こし難い利点がある。従って、第2実施例の投影光学
系を露光装置に組み込むことにより、狭帯化が不完全な
光源であっても極めて微細なパターンをウエハ上に転写
することが可能となる。
【0116】[第3実施例]図9は、第3実施例にかか
る投影光学系のレンズ断面図である。第3実施例にかか
る投影光学系PLは、波長λ=193.40nm±0.
01nm(±10pm)の波長幅の露光エネルギービー
ムに最適化されたものである。図9において、第3実施
例にかかる投影光学系PLは、第1実施例と同様に第1
結像系PLaと第2結像系PLbと光路折り曲げミラー
M2とを備えている。なお、図9の例においても第2結
像系PLb中にさらなる光路折り曲げミラーを設けても
良い。
【0117】第3実施例の第1結像系PLaは、第1実
施例と同様に、最もレチクルR側に配置される第1群G
1と、第2群G2と、凹面鏡M1とを有しており、レチ
クルRを経由した照明光学系からの露光エネルギービー
ムが、第1群G1、第2群G2を順に通過して凹面鏡M
1に達し、凹面鏡で反射された露光エネルギービームが
第2群を通過した後に光路折り曲げミラーM2へ向かう
ように、各群及び凹面鏡が位置決めされている。
【0118】第3実施例において、第1群G1は、レチ
クルR側から順に、両凸レンズL11、レチクル側に凸
面を向けたメニスカスレンズL12、両凹レンズL1
3、及び凹面鏡M1側に凹面を向けたメニスカス負レン
ズL14を有する。第2群G2は、凹面鏡M1から遠い
側から順に(第1群G1側から順に)、両凸レンズL1
5と、凹面鏡M1側に凹面を向けたメニスカス負レンズ
L16と、両凸レンズL17と、両凹レンズL18と、
第1群G1側に凹面を向けたメニスカス負レンズL19
とを有している。
【0119】第2結像系は、光路折り曲げミラーM2側
(中間像形成位置側)から順に、両凸レンズL20、両
凸レンズL21、中間像形成位置側に凹面を向けたメニ
スカス負レンズL22、中間像形成位置側に凸面を向け
たメニスカス正レンズL23、開口絞りAS、中間像形
成位置側に凸面を向けたメニスカス正レンズL24、両
凸レンズL25,両凹レンズL26、中間像形成位置側
に凸面を向けたメニスカス正レンズL27、中間像形成
位置側に凹面を向けたメニスカス負レンズL28、及び
両凸レンズL29を有している。
【0120】第3実施例にかかる投影光学系では、第1
結像系PLa中の両凸レンズL17及び第2結像系PL
b中の両凹レンズL26がフッ化リチウム(LiF)で形
成されており、これら両凸レンズL17及び両凹レンズ
L26以外の屈折光学素子は、フッ化カルシウム(螢
石、CaF2)で形成されている。また、第3実施例にかか
る投影光学系では、第1結像系PLa中のメニスカス負
レンズL19の凹面鏡M1側のレンズ面、第2結像系P
Lb中のメニスカス正レンズL24の中間像形成位置側
のレンズ面、及び第2結像系PLb中のメニスカス正レ
ンズL25のウエハW側のレンズ面が回転対称非球面形
状に形成されている。なお、さらなる高性能化、小型化
を図るために非球面形状のレンズ面を増やしても良く、
凹面鏡M1の反射面も回転対称非球面形状に形成しても
良い。
【0121】以下の表7に第3実施例にかかる投影光学
系PLのレンズデータを掲げる。表7における各光学諸
元r、d、d0、WD、β、NAの表記は、表2の第1
実施例と同様の表記であるため、ここでは説明を省略す
る。また、表7において面番号に※を付した光学面は非
球面を表し、この非球面形状は、上記式(a)で表され
る。
【0122】また、フッ化リチウムLiFの露光エネルギ
ービームの波長λに対する屈折率n(λ)、波長1pm
当たりの屈折率の変化量である分散dn/dλは以下の
表6の通りである。
【0123】
【表6】 n(193.41nm) n(193.40nm) n(193.39nm) dn/dλ LiF 1.441811 1.441817 1.441824 -0.65×10-6
【0124】
【表7】 d0 = 94.886386 WD = 16.000000 |β|=1/4 NA =0.60 面番号 r d 材料 1: 650.97957 27.000000 蛍石 L11 2: -347.82508 1.000000 3: 215.02562 25.000000 蛍石 L12 4: 267.11861 16.241393 5: -1191.93512 20.000000 蛍石 L13 6: 376.62657 16.421979 7: 2423.98207 19.469031 蛍石 L14 8: 481.45386 340.747306 9: 543.50711 45.000000 蛍石 L15 10: -4414.45734 293.563955 11: 555.10097 20.000000 蛍石 L16 12: 320.88231 7.000000 13: 366.76657 47.000000 フッ化リチウム L17 14: -566.13830 6.046749 15: -414.83076 20.000000 蛍石 L18 16: 2344.01933 100.862326 17: -242.79738 25.000000 蛍石 L19 *18: -8238.60039 25.961796 19: -397.44578 -25.961796 M1 *20: -8238.60039 -25.000000 蛍石 L19 21: -242.79738 -100.862326 22: 2344.01933 -20.000000 蛍石 L18 23: -414.83076 -6.046749 24: -566.13830 -47.000000 フッ化リチウム L17 25: 366.76657 -7.000000 26: 320.88231 -20.000000 蛍石 L16 27: 555.10097 -293.563955 28: -4414.45734 -45.000000 蛍石 L15 29: 543.50711 -288.623356 30: ∞ 210.68423 M2 31: 764.66537 24.000000 蛍石 L20 32: -1086.13236 344.326892 33: 752.57340 28.000000 蛍石 L21 34: -847.85250 12.261977 35: -411.95512 22.000000 蛍石 L22 36: -911.01214 292.015674 37: 536.03324 30.000000 蛍石 L23 38: 2371.38066 193.698930 39: ∞ 70.000000 AS *40: 257.70928 40.426938 蛍石 L24 41: 695.08658 0.200000 42: 260.63720 48.000000 蛍石 L25 *43: -2292.01101 16.503311 44: -1115.57682 25.000000 フッ化リチウム L26 45: 3092.66092 15.075726 46: 234.20418 52.919955 蛍石 L27 47: 1020.54167 19.298313 48: 161.80016 47.293104 蛍石 L28 49: 98.97930 7.175193 50: 125.35073 65.602116 蛍石 L29 51: -965.45665 1.000000 52: ∞ 6.000000 蛍石 P 53: ∞ (WD) 以下の表8に、表7中の非球面形状の光学面の非球面デ
ータを示す。
【0125】
【表8】 [第18面(第20面)の非球面データ] κ= 0.000000 A= -0.268228×10-08 B= 0.958987×10-14 C= -0.586009×10-19 D= -0.117463×10-23 [第40面の非球面データ] κ= -0.806915 A= -0.182595×10-08 B= -0.330691×10-13 C= -0.682492×10-18 D= -0.150418×10-22 [第43面の非球面データ] κ= 0.000000 A= 0.480787×10-08 B= -0.934126×10-13 C= 0.711029×10-18 D= 0.185034×10-22 図10に、第3実施例にかかる投影光学系のウエハW上
での横収差図を示す。ここで、図10(a)は像高Y=
18におけるメリジオナル方向の横収差図、図10
(b)は像高Y=16におけるメリジオナル方向の横収
差図、図10(c)は像高Y=14におけるメリジオナ
ル方向の横収差図、図10(d)は像高Y=18におけ
るサジタル方向の横収差図、図10(e)は像高Y=1
6におけるサジタル方向の横収差図、図10(f)は像
高Y=14におけるサジタル方向の横収差図である。ま
た、図10(a)〜図10(f)の各横収差図におい
て、実線は波長λ=193.40nmによる収差曲線、
破線は波長λ=193.41nmによる収差曲線、一点
鎖線は波長λ=193.39nmによる収差曲線を表し
ている。
【0126】各収差図からも明らかな通り、第3実施例
にかかる投影光学系は、良好な収差補正がなされ、特に
±10pmの波長幅の露光エネルギービームに対する色
収差が良好に補正されている。また、第3実施例の投影
光学系では、屈折光学部材としてフッ化物結晶のみを用
いており、200nm以下の波長のもとでも照射変動を
起こし難い利点がある。従って、第1実施例の投影光学
系を露光装置に組み込むことにより、狭帯化が不完全な
光源であっても極めて微細なパターンをウエハ上に転写
することが可能となる。
【0127】[第4実施例]図11(a)は、第4実施
例にかかる投影光学系のレンズ断面図である。第4実施
例にかかる投影光学系PLは、波長λ=157.624
nm±0.5pm(±0.0005nm)の波長幅の露
光エネルギービームに最適化されたものである。
【0128】図11(a)において、第4実施例の投影
光学系PLは、直線状に延びた光軸Axに沿って配置さ
れた複数枚のレンズ素子からなる。そして、第4実施例
の投影光学系は、レチクルR側より順に、両凹レンズL
11、3枚の両凸レンズL12,L13,L14、ウエ
ハW側に凹面を向けた2枚の負メニスカスレンズL1
5,L16、両凹レンズL17、レチクルR側に凹面を
向けた負メニスカスレンズL18、レチクルR側に凹面
を向けた正メニスカスレンズL19、3枚の両凸レンズ
L20,L21,L22、ウエハW側に凹面を向けた負
メニスカスレンズL23、2枚の両凹レンズL24,L
25、2枚の両凸レンズL26,L27、両凹レンズL
28、開口絞りAS、両凸レンズL29、レチクルR側
に凹面を向けた負メニスカスレンズL30、両凸レンズ
L31、両凹レンズL32、両凸レンズL33、ウエハ
W側に凹面を向けた2枚の正メニスカスレンズL34,
L35、ウエハW側に凹面を向けた負メニスカスレンズ
L36、及びウエハW側の凹面を向けた正メニスカスレ
ンズL37を有する。
【0129】ここで、第4実施例にかかる投影光学系で
は、正レンズL21,L26,L27,L29,L3
1,L33がフッ化リチウム(LiF)で形成されてお
り、これらの正レンズL21,L26,L27,L2
9,L31,L33以外のレンズ(屈折光学素子)は、
フッ化カルシウム(螢石、CaF2)で形成されてい
る。また、第4実施例にかかる投影光学系では、負レン
ズL11のウエハW側のレンズ面、正レンズL13のレ
チクルR側のレンズ面、負レンズL15のウエハW側の
レンズ面、負レンズL16のウエハW側のレンズ面、負
レンズL23のウエハWの側レンズ面、負レンズL24
のレチクルR側のレンズ面、負レンズL25のウエハW
側のレンズ面、及び負レンズL30のレチクルR側のレ
ンズ面、正レンズL35のウエハW側のレンズ面が回転
対称非球面形状に形成されている。なお、さらなる高性
能化、小型化を図るために非球面形状のレンズ面を増や
しても良い。
【0130】図11(b)は、第4及び第5実施例にか
かる投影光学系のイメージサークルICと露光領域IE
との関係を示す平面図である。図11(b)に示すよう
に、第4及び第5実施例の投影光学系は、直径16.4
mmのイメージサークルICを有し、そのイメージサー
クルIC内に、走査方向(Y方向)の幅6.5mm、走
査直交方向(X方向)の幅15mmの長方形状の露光領
域IEを確保している。なお、第4及び第5実施例で
は、長方形状の露光領域としたが、露光領域IEの形状
としては、イメージサークルICに包含される領域であ
れば、六角形状、等脚台形状、不等脚台形状、菱形形
状、正方形状、円弧形状など様々な形状とすることがで
きる。
【0131】以下の表10に第4実施例にかかる投影光
学系PLのレンズデータを掲げる。表10における各光
学諸元r、d、d0、WD、β、NAの表記は、表2の
第1実施例と同様の表記であるため、ここでは説明を省
略する。また、フッ化カルシウム(螢石)CaF2及び
フッ化リチウムLiFの露光エネルギービームの波長λ
に対する屈折率n(λ)、波長1pm当たりの屈折率の
変化量である分散dn/dλは以下の表9の通りであ
る。
【0132】
【表9】 n(157.6245nm) n(157.624nm) n(157.6235nm) dn/dλ CaF2 1.5592368 1.559238 1.5592392 -2.4×10-6 LiF 1.4858992 1.485900 1.4859008 -1.6×10-6 また、表10において面番号に※を付した光学面は非球
面を表し、この非球面形状は、上記式(a)で表され
る。
【0133】
【表10】 d0 = 55.0134 WD = 13.6725 |β|=1/4 NA =0.75 面番号 曲率半径r(mm) 面間隔d(mm) 材料 1: -95.68120 12.1641 螢石 L11 *2: 173.25208 22.6963 3: 3267.49862 36.4883 螢石 L12 4: -125.92446 1.0079 *5: 349.17880 34.1054 螢石 L13 6: -167.00762 1.0000 7: 168.52097 34.6434 螢石 L14 8: -524.21727 1.0908 9: 132.45374 27.5236 螢石 L15 *10: 64.16275 20.7110 11: 1452.10031 12.9460 螢石 L16 *12: 78.82527 21.3753 13: -182.42797 12.1500 螢石 L17 14: 177.47117 18.1356 15: -125.62480 22.1279 螢石 L18 16: -457.24838 1.4207 *17: -597.81461 33.2038 螢石 L19 18: -125.46324 1.0000 19: 8309.27276 29.0754 螢石 L20 20: -202.66426 1.0000 21: 363.77205 33.7749 フッ化リチウム L21 22: -277.11941 1.1938 23: 480.33249 22.5424 螢石 L22 24: -585.72897 1.2902 25: 224.18301 29.2532 螢石 L23 *26: 121.00176 17.0007 *27: -2572.61582 12.7356 螢石 L24 28: 91.67295 31.1501 29: -116.20584 18.7618 螢石 L25 *30: 291.88952 2.4395 31: 373.66307 31.7541 フッ化リチウム L26 32: -149.30453 2.1638 *33: 218.03538 42.6153 フッ化リチウム L27 34: -137.56852 4.4336 35: -144.61706 20.0000 螢石 L28 36: 658.12705 5.0000 37: ∞ 5.0000 AS 38: 301.50853 42.5810 フッ化リチウム L29 39: -150.32227 3.3936 *40: -135.39762 12.0000 螢石 L30 41: -313.24923 1.0000 42: 221.91051 41.2552 フッ化リチウム L31 43: -205.87410 1.7016 44: -196.09660 20.0000 螢石 L32 45: 356.77528 1.0000 46: 170.21571 35.1606 フッ化リチウム L33 47: -896.09753 1.0000 48: 86.85349 32.8922 螢石 L34 49: 228.35708 1.0408 50: 82.89042 26.1671 螢石 L35 *51: 594.96633 2.2109 52: 563.74043 13.0000 螢石 L36 53: 81.77976 2.0045 54: 90.62440 17.9449 螢石 L37 55: 153.17398 (WD) 以下の表11に、表10中の非球面形状の光学面の非球
面データを示す。
【0134】
【表11】 [第2面の非球面データ] κ= 0.00000 A= -2.06101×10-07 B= 1.00406×10-11 C= 3.26543×10-15 D= -1.24906×10-18 E= 1.77233×10-22 F= -1.20316×10-26 [第5面の非球面データ] κ= 0.00000 A= -1.20987×10-07 B= -5.72817×10-12 C= 1.48225×10-15 D= -1.04507×10-19 E= 1.30629×10-24 F= 1.10384×10-28 [第10面の非球面データ] κ= 0.00000 A= 8.46920×10-08 B= -1.04493×10-10 C= -3.32058×10-14 D= -5.30752×10-18 E= 4.45062×10-23 F= -4.95104×10-26 [第12面の非球面データ] κ= 0.00000 A= -2.74928×10-07 B= 1.92175×10-10 C= 4.48364×10-14 D= 3.23238×10-18 E= 1.73078×10-21 F= 4.25241×10-25 [第17面の非球面データ] κ= 0.00000 A= -5.98724×10-08 B= 1.37628×10-11 C= 1.45110×10-15 D= -2.32803×10-19 E= 5.15684×10-23 F= -5.58296×10-27 [第26面の非球面データ] κ= 0.00000 A= -6.13777×10-08 B= -1.21896×10-11 C= 1.22783×10-15 D= -5.72693×10-19 E= -4.77527×10-23 F= 2.75975×10-27 [第27面の非球面データ] κ= -2.26316×10+03 A= -6.41287×10-08 B= 9.39860×10-12 C= 1.19937×10-15 D= -1.82871×10-18 E= 2.99109×10-22 F= -2.16040×10-26 [第30面の非球面データ] κ= 0.00000 A= -1.68914×10-08 B= 1.19350×10-11 C= -2.75541×10-15 D= 1.34646×10-19 E= 4.71385×10-23 F= -5.94448×10-27 [第33面の非球面データ] κ= 0.00000 A= 9.36074×10-10 B= -4.28253×10-13 C= -7.46527×10-16 D= -1.53426×10-21E=
6.74747×10-24 F= -7.35655×10-28 [第40面の非球面データ] κ= 0.00000 A= -8.45070×10-09 B= 1.41195×10-12 C= 1.50504×10-16 D= 1.26991×10-20 E= -4.37500×10-25 F= 1.31886×10-29 [第51面の非球面データ] κ= 0.00000 A= 3.58298×10-07 B= -2.39947×10-11 C= -1.91987×10-15 D= 8.16510×10-19 E= -1.44401×10-22 F= 4.59232×10-28 図12に、第4実施例にかかる投影光学系のウエハW上
での横収差図を示す。ここで、図12(a)は像高Y=
8.2mmにおけるメリジオナル方向の横収差図、図1
2(b)は像高Y=4.1mmにおけるメリジオナル方
向の横収差図、図12(c)は像高Y=0mmにおける
メリジオナル方向の横収差図、図12(d)は像高Y=
8.2mmにおけるサジタル方向の横収差図、図12
(e)は像高Y=4.1mmにおけるサジタル方向の横
収差図、図12(f)は像高Y=0mmにおけるサジタ
ル方向の横収差図である。また、図12(a)〜図12
(f)の各横収差図において、実線は波長λ=157.
624nmによる収差曲線、破線は波長λ=157.6
24nm+0.5pmによる収差曲線、一点鎖線は波長
λ=157.624nm−0.5pmによる収差曲線を
表している。
【0135】各収差図からも明らかな通り、第4実施例
にかかる投影光学系は、良好な収差補正がなされ、特に
±0.5pmの波長幅の露光エネルギービームに対する
色収差が良好に補正されている。また、第4実施例の投
影光学系では、屈折光学部材としてフッ化物結晶のみを
用いており、160nm以下の波長のもとでも照射変動
を起こし難い利点がある。従って、第4実施例の投影光
学系を露光装置に組み込むことにより、極めて微細なパ
ターンを安定してウエハ上に転写することが可能とな
る。
【0136】[第5実施例]図13は、第5実施例にか
かる投影光学系のレンズ断面図である。第5実施例にか
かる投影光学系PLは、波長λ=157.624nm±
0.5pm(±0.0005nm)の波長幅の露光エネ
ルギービームに最適化されたものである。
【0137】図13において、第5実施例の投影光学系
PLは、直線状に延びた光軸Axに沿って配置された複
数枚のレンズ素子からなる。そして、第5実施例の投影
光学系は、レチクルR側より順に、両凹レンズL11、
3枚の両凸レンズL12,L13,L14、ウエハW側
に凹面を向けた2枚の負メニスカスレンズL15,L1
6、両凹レンズL17、レチクルR側に凹面を向けた負
メニスカスレンズL18、レチクルR側に凹面を向けた
正メニスカスレンズL19、3枚の両凸レンズL20,
L21,L22、ウエハW側に凹面を向けた負メニスカ
スレンズL23、2枚の両凹レンズL24,L25,2
枚の両凸レンズL26,L27、両凹レンズL28、開
口絞りAS、両凸レンズL29、レチクルR側に凹面を
向けた負メニスカスレンズL30、両凸レンズL31、
両凹レンズL32、両凸レンズL33、ウエハW側に凹
面を向けた2枚の正メニスカスレンズL34,L35、
ウエハW側に凹面を向けた負メニスカスレンズL36、
及びウエハW側に凹面を向けた正メニスカスレンズL3
7を有する。
【0138】ここで、第5実施例にかかる投影光学系で
は、負レンズL24,L25,L28,L30,L3
2,L36がフッ化バリウム(BaF2)で形成されて
おり、これらの負レンズL24,L25,L28,L3
0,L32,L36以外のレンズ(屈折光学素子)は、
フッ化カルシウム(螢石、CaF2)で形成されてい
る。
【0139】また、第5実施例にかかる投影光学系で
は、負レンズL11のウエハW側のレンズ面、正レンズ
L13のレチクルR側のレンズ面、負レンズL15のウ
エハW側のレンズ面、負レンズL16のウエハW側のレ
ンズ面、正レンズL19のレチクルR側のレンズ面、負
レンズL23のウエハW側のレンズ面、負レンズL24
のレチクルR側のレンズ面、負レンズL25のウエハW
側のレンズ面、正レンズL27のレチクルR側のレンズ
面、負レンズL30のレチクルR側のレンズ面、及び正
レンズL35のウエハW側のレンズ面が回転対称非球面
形状に形成されている。なお、さらなる高性能化、小型
化を図るために非球面形状のレンズ面を増やしても良
い。
【0140】以下の表13に第5実施例にかかる投影光
学系PLのレンズデータを掲げる。表13における各光
学諸元r、d、d0、WD、β、NAの表記は、表2の
第1実施例と同様の表記であるため、ここでは説明を省
略する。また、フッ化バリウムBaF2の露光エネルギ
ービームの波長λに対する屈折率n(λ)、波長1pm
当たりの屈折率の変化量である分散dn/dλは以下の
表12の通りである。
【0141】
【表12】 n(157.6245nm) n(157.624nm) n(157.6235nm) dn/dλ BaF2 1.6510960 1.651100 1.6211040 -3.991×10-6 また、表13において面番号に※を付した光学面は非球
面を表し、この非球面形状は、上記式(a)で表され
る。
【0142】
【表13】 d0 = 53.9318 WD = 12.0917 |β|=1/4 NA =0.75 面番号 曲率半径r(mm) 面間隔d(mm) 材料 1: -100.35193 12.2780 螢石 L11 *2: 173.25952 22.5188 3: 2957.10647 37.5294 螢石 L12 4: -123.91124 1.0000 *5: 401.76915 30.9558 螢石 L13 6: -167.12701 1.0000 7: 160.14344 32.5639 螢石 L14 8: -561.13914 1.0000 9: 130.84694 27.5637 螢石 L15 *10: 64.14937 19.7545 11: 1326.12657 12.0588 螢石 L16 *12: 79.28038 19.7487 13: -179.38889 12.0000 螢石 L17 14: 175.85617 16.8500 15: -126.34477 21.7662 螢石 L18 16: -430.76041 1.0035 *17: -554.05872 32.7681 螢石 L19 18: -125.92657 1.1241 19: 2457.92518 31.5823 螢石 L20 20: -220.14715 1.0000 21: 354.79802 31.5155 螢石 L21 22: -282.33926 1.0000 23: 478.43567 21.1371 螢石 L22 24: -578.52465 1.0000 25: 226.92835 28.5955 螢石 L23 *26: 122.08258 14.6058 *27: -2764.92201 12.0000 フッ化バリウム L24 28: 92.56074 27.8925 29: -115.33400 18.9417 フッ化バリウム L25 *30: 294.27651 2.2139 31: 373.26874 29.2078 螢石 L26 32: -149.78065 1.0000 *33: 219.84522 39.6877 螢石 L27 34: -137.89130 2.2987 35: -145.40651 20.0000 フッ化バリウム L28 36: 651.33144 5.0000 37: ∞ 5.0000 AS 38: 297.13381 44.9643 螢石 L29 39: -153.88170 3.4389 *40: -137.51846 12.2111 フッ化バリウム L30 41: -338.49514 2.2552 42: 222.41705 42.3168 螢石 L31 43: -199.07230 1.6303 44: -190.03065 20.0000 フッ化バリウム L32 45: 360.96440 1.1493 46: 200.37522 39.5196 螢石 L33 47: -615.58720 1.1984 48: 82.52054 32.9835 螢石 L34 49: 218.09275 1.0366 50: 78.65925 25.8579 螢石 L35 *51: 450.22903 2.1898 52: 437.09594 13.0000 フッ化バリウム L36 53: 87.74560 1.9672 54: 99.48304 17.7667 螢石 L37 55: 146.38489 (WD) 以下の表14に、表13中の非球面形状の光学面の非球
面データを示す。
【0143】
【表14】 [第2面の非球面データ] κ= 0.00000 A= -2.12961×10-07 B= 1.09821×10-11 C= 2.30928×10-15 D= -6.53888×10-19 E= -1.47169×10-23 F= 1.17423×10-26 [第5面の非球面データ] κ= 0.00000 A= -1.20222×10-07 B= -5.70833×10-12 C= 1.54954×10-15 D= -1.11092×10-19 E= 1.02230×10-24 F= 1.54127×10-28 [第10面の非球面データ] κ= 0.00000 A= 7.89247×10-08 B= -1.10675×10-10 C= -3.30039×10-14 D= -5.03380×10-18 E= 2.56453×10-22 F= -3.54476×10-26 [第12面の非球面データ] κ= 0.00000 A= -2.64010×10-07 B= 2.01084×10-10 C= 4.46106×10-14 D= 2.45816×10-18 E= 2.04624×10-21 F= -7.98657×10-27 [第17面の非球面データ] κ= 0.00000 A= -6.17875×10-08 B= 1.27502×10-11 C= 1.65143×10-15 D= -1.96804×10-19 E= 4.35607×10-23 F= -3.91638×10-27 [第26面の非球面データ] κ= 0.00000 A= -6.09308×10-08 B= -1.38511×10-11 C= 1.09647×10-15 D= -6.54943×10-19 E= -5.76995×10-23 F= -6.80525×10-27 [第27面の非球面データ] κ= -1.63840×10+03 A= -6.35540×10-08 B= 1.02179×10-11 C= 1.19695×10-15 D= -1.88021×10-18 E= 3.05419×10-22 F= -2.39670×10-26 [第30面の非球面データ] κ= 0.00000 A= -1.74936×10-08 B= 1.16777×10-11 C= -2.82030×10-15 D= 1.59537×10-19 E= 4.95954×10-23 F= -6.59274×10-27 [第33面の非球面データ] κ= 0.00000 A= -1.19387×10-10 B= -7.67124×10-13 C= -7.41363×10-16 D= -3.87775×10-21 E= 8.27365×10-24 F= -1.01103×10-27 [第40面の非球面データ] κ= 0.00000 A= -8.13628×10-09 B= 1.22451×10-12 C= 1.25817×10-16 D= 1.39682×10-20 E= -5.34992×10-25 F= 2.86241×10-29 [第51面の非球面データ] κ= 0.00000 A= 3.70718×10-07 B= -2.46491×10-11 C= -2.11213×10-15 D= 7.18299×10-19 E= -7.02161×10-23 F= -2.59543×10-26 図14に、第5実施例にかかる投影光学系のウエハW上
での横収差図を示す。ここで、図14(a)は像高Y=
8.2mmにおけるメリジオナル方向の横収差図、図1
4(b)は像高Y=4.1mmにおけるメリジオナル方
向の横収差図、図14(c)は像高Y=0mmにおける
メリジオナル方向の横収差図、図14(d)は像高Y=
8.2mmにおけるサジタル方向の横収差図、図14
(e)は像高Y=4.1mmにおけるサジタル方向の横
収差図、図14(f)は像高Y=0mmにおけるサジタ
ル方向の横収差図である。また、図14(a)〜図14
(f)の各横収差図において、実線は波長λ=157.
624nmによる収差曲線、破線は波長λ=157.6
24nm+0.5pmによる収差曲線、一点鎖線は波長
λ=157.624nm−0.5pmによる収差曲線を
表している。
【0144】各収差図からも明らかな通り、第5実施例
にかかる投影光学系は、良好な収差補正がなされ、特に
±0.5pmの波長幅の露光エネルギービームに対する
色収差が良好に補正されている。また、第5実施例の投
影光学系では、屈折光学部材としてフッ化物結晶のみを
用いており、160nm以下の波長のもとでも照射変動
を起こし難い利点がある。従って、第5実施例の投影光
学系を露光装置に組み込むことにより、極めて微細なパ
ターンを安定してウエハ上に転写することが可能とな
る。
【0145】上記第1〜第5実施例にかかる投影光学系
の条件対応数値を以下の表14に示す。
【0146】
【表15】 (1)ΣDc/ΣD (2)|(dn1/dλ)−(dn2/dλ)| 第1実施例 0.95 0.6×106 第2実施例 0.94 0.6×106 第3実施例 0.85 0.35×106 第4実施例 0.68 0.8×106 第5実施例 0.86 1.591×106 次に、上記の実施の形態の投影露光装置を用いてウエハ
上に所定の回路パターンを形成する際の動作の一例につ
き図15のフローチャートを参照して説明する。
【0147】先ず、図15のステップ101において、
1ロットのウエハ上に金属膜が蒸着される。次のステッ
プ102において、その1ロットのウエハ上の金属膜上
にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ10
3において、第1乃至第3実施例(図5、図7、図9)
のうち何れかの投影光学系PLを備えた図1の投影露光
装置、あるいは第4又は第5実施例(図11、図13)
の投影光学系PLを備えた図4の投影露光装置を用い
て、レチクルR上のパターンの像がその投影光学系PL
を介して、その1ロットのウエハ上の各ショット領域に
順次露光転写される。その後、ステップ104におい
て、その1ロットのウエハ上のフォトレジストの現像が
行われた後、ステップ105において、その1ロットの
ウエハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチング
を行うことによって、レチクルR上のパターンに対応す
る回路パターンが、各ウエハ上の各ショット領域に形成
される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成
等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造
される。
【0148】この際に、各実施例の投影光学系は、屈折
光学部材としてフッ化物結晶のみを用いており200n
m以下の波長のもとでも照射変動を起こし難い利点があ
るため、極めて微細なパターンをウエハ上に転写するこ
とが可能となる。さて、上記実施例では、2種類以上の
フッ化物結晶を組み合わせて色収差補正をしたが、投影
光学系に回折光学素子を加えて、回折光学素子による色
収差補正効果も併せて利用しても良い。この場合、回折
光学素子を透過型とする場合には、フッ化物結晶からな
る基板上に回折光学素子を設けることが好ましい。ま
た、このような回折光学素子は凹面鏡や凸面鏡、平面鏡
などの反射部材の反射面上に設けても良い。
【0149】さらに、上述の実施例では、光源としてF
2レーザを用いているが、その代わりに、157nmに
発振スペクトルを持つYAGレーザなどの固体レーザの
高調波を用いるようにしても良い。また、DFB半導体
レーザまたはファイバーレーザから発振される赤外域ま
たは可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム
(またはエルビウムとイットリビウムとの両方)がドー
プされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を
用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
【0150】例えば、単一波長レーザ光の発振波長を
1.51〜1.59μmの範囲内とすると、発生波長が
151〜159nmの範囲内である10倍高調波が出力
される。特に発振波長を1.57〜1.58μmの範囲
内とすると、発生波長が157〜158nmの範囲内の
10倍高調波、すなわちF2レーザ光とほぼ同一波長と
なる紫外光が得られる。また、発振波長を1.03〜
1.12μmの範囲内とすると、発生波長が147〜1
60nmの範囲内である7倍高調波が出力され、特に発
振波長を1.099〜1.106μmの範囲内とする
と、発生波長が157〜158μmの範囲内の7倍高調
波、すなわちF2レーザ光とほぼ同一波長となる紫外光
が得られる。なお、単一波長発振レーザとしては、イッ
トリビウム・ドープ・ファイバーレーザを用いる。
【0151】このように、レーザ光源からの高調波を使
用する場合には、この高調波自体が十分に狭いスペクト
ル幅(例えば0.01pm程度)であるので、上述の光
源2の代わりに用いることができる。さらに、半導体素
子の製造に用いられる露光装置だけでなく、液晶表示素
子などを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイ
スパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄
膜磁気ヘッドの製造に用いられる、デバイスパターンを
セラミックウエハ上に転写する露光装置、撮像素子(C
CDなど)の製造に用いられる露光装置などにも本発明
を適用することができる。また、レチクルまたはマスク
を製造するためにガラス基板またはシリコンウエハなど
に回路パターンを転写する露光装置にも、本発明を適用
することができる。
【0152】なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取
り得ることは勿論である。
【0153】
【発明の効果】上述の如き本発明にかかる露光装置によ
れば、投影光学系中の屈折光学部材の露光エネルギービ
ームの吸収を実質上影響がない程度に低減でき、露光エ
ネルギービームの吸収による照射変動の発生を実質上無
視することができため、極めて微細なパターンを転写で
きる。
【0154】また、本発明にかかる露光装置の製造方法
によれば、極めて微細なパターンを転写することができ
る露光装置を提供できる。また、本発明にかかるデバイ
ス製造方法によれば、高密度なパターンを有するデバイ
スを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる露光装置の第1実施形態を示す
概略構成図である。
【図2】図1中の投影光学系の構成を示す断面図であ
る。
【図3】第1実施形態のユニット別空調システムを示す
構成図である。
【図4】本発明にかかる露光装置の第2実施形態を示す
概略構成図である。
【図5】第1実施例にかかる投影光学系のレンズ構成図
である。
【図6】第1実施例にかかる投影光学系の収差図であ
る。
【図7】第2実施例にかかる投影光学系のレンズ構成図
である。
【図8】第2実施例にかかる投影光学系の収差図であ
る。
【図9】第3実施例にかかる投影光学系のレンズ構成図
である。
【図10】第3実施例にかかる投影光学系の収差図であ
る。
【図11】図11(a)は第4実施例にかかる投影光学
系のレンズ構成図であり、図11(b)は投影光学系の
イメージフィールド内の露光領域形状を示す図である。
【図12】第4実施例にかかる投影光学系の収差図であ
る。
【図13】第5実施例にかかる投影光学系のレンズ構成
図である。
【図14】第5実施例にかかる投影光学系の収差図であ
る。
【図15】本発明にかかるデバイス製造方法の実施の形
態の一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
PL:投影光学系 PLa:第1結像系 PLb:第2結像系 AS:開口絞り P:保護部材 M1:凹面鏡 M2:光路折り曲げミラー BS:ビームスプリッタ

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】投影原版上に設けられたパターンの像を基
    板上に転写する露光装置において、 200nm以下の露光エネルギービームを供給する光
    源;該光源からの露光エネルギービームを前記投影原版
    へ導く照明光学系;及び前記投影原版からの露光エネル
    ギービームに基づいて、前記パターンの像を前記基板上
    に形成する投影光学系;を含み、 前記投影光学系は、前記露光エネルギービームの光路に
    沿って配置された少なくとも2つの屈折光学部材を含
    み、 前記投影光学系中の全ての前記屈折光学部材は、少なく
    とも2種類以上のフッ化物の結晶材料からなることを特
    徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】前記少なくとも2種類以上のフッ化物のう
    ちの1種は、螢石であることを特徴とする請求項1記載
    の露光装置。
  3. 【請求項3】前記投影光学系中の全ての前記屈折光学部
    材の軸上厚の総和をΣDとし、前記螢石で構成される前
    記屈折光学部材の軸上厚の総和をΣDcとするとき、 0.60<ΣDc/ΣD<0.98 を満足することを特徴とする請求項1または2記載の露
    光装置。
  4. 【請求項4】前記投影光学系は、少なくとも2つの螢石
    からなる正レンズを含むことを特徴とする請求項2また
    は3の何れか一項記載の露光装置。
  5. 【請求項5】前記少なくとも2種類以上のフッ化物のう
    ちの1種は、フッ化バリウムであることを特徴とする請
    求項1乃至4の何れか一項記載の露光装置。
  6. 【請求項6】前記投影光学系は、少なくとも1つのフッ
    化バリウムの結晶材料からなる負レンズを含むことを特
    徴とする請求項5記載の露光装置。
  7. 【請求項7】前記光源は、160nm以下の露光光を供
    給することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項記
    載の露光装置。
  8. 【請求項8】前記光源は、1.5pmよりも狭い半値全
    幅の露光光を供給することを特徴とする請求項1乃至7
    の何れか一項記載の露光装置。
  9. 【請求項9】前記光源から前記基板へ至る光路のうちの
    一部の光路は外気から密封された密封空間を形成し、該
    密封空間には酸素濃度を低減させた気体が封入されてい
    ることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項記載の
    露光装置。
  10. 【請求項10】前記照明光学系は、反射鏡とフッ化物の
    結晶材料からなる屈折光学部材との少なくとも一方で構
    成されることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項
    記載の露光装置。
  11. 【請求項11】前記少なくとも2種類以上のフッ化物の
    結晶材料は、第1の分散dn1/dλを有する第1のフ
    ッ化物の結晶材料と、第2の分散dn2/dλを有する
    第2のフッ化物の結晶材料とを含み、 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至1
    0の何れか一項記載の露光装置。 0.1×106<|(dn1/dλ)−(dn2/d
    λ)|
  12. 【請求項12】前記少なくとも2種類以上のフッ化物の
    結晶材料は、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ
    化リチウム、フッ化マグネシウム、リチウム・カルシウ
    ム・アルミニウム・フローライド、及びリチウム・スト
    ロンチウム・アルミニウム・フローライドからなるグル
    ープから選択された少なくとも2種類の材料であること
    を特徴とする請求項1乃至11の何れか一項記載の露光
    装置。
  13. 【請求項13】前記投影光学系は、前記露光エネルギー
    ビームの光路中に配置された少なくとも1つの凹面鏡を
    含むことを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項記
    載の露光装置。
  14. 【請求項14】前記投影光学系の前記露光エネルギービ
    ームの光路中には、光透過性光学部材のみが配置される
    ことを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項記載の
    露光装置。
  15. 【請求項15】前記投影光学系は、単一の直線状に延び
    た光軸を有することを特徴とする請求項1乃至12の何
    れか一項記載の露光装置。
  16. 【請求項16】前記投影光学系は、少なくとも1つのフ
    ッ化リチウムからなる正レンズを有し、かつ少なくとも
    1つのフッ化カルシウムからなる負レンズを有すること
    を特徴とする請求項14または15記載の露光装置。
  17. 【請求項17】前記投影光学系は、少なくとも1つのフ
    ッ化バリウムからなる負レンズを有し、かつ少なくとも
    1つのフッ化カルシウムからなる正レンズを有すること
    を特徴とする請求項1乃至15の何れか一項記載の露光
    装置。
  18. 【請求項18】投影原版上に設けられたパターンの像を
    基板上に転写する露光装置において、 200nm以下の露光エネルギービームを供給する光
    源;該光源からの露光エネルギービームを前記投影原版
    へ導く照明光学系;及び前記投影原版からの露光エネル
    ギービームに基づいて、前記パターンの像を前記基板上
    に形成する投影光学系;を含み、 前記投影光学系は、前記露光エネルギービームの光路に
    沿って配置された少なくとも2つの屈折光学部材を含
    み、 前記投影光学系の前記露光エネルギービームの光路中に
    位置する全ての光透過性の材料は、石英を除く少なくと
    も2種類以上の材料からなることを特徴とする露光装
    置。
  19. 【請求項19】投影原版上に設けられたパターンの像を
    基板上に転写する露光装置において、 200nm以下の露光エネルギービームを供給する光
    源;該光源からの前記露光エネルギービームを受けるこ
    とができる位置に配置されて、前記露光エネルギービー
    ムを前記投影原版へ導く照明光学系;及び前記投影原版
    と前記基板との間に配置されて、前記投影原版からの露
    光エネルギービームに基づいて、前記パターンの像を前
    記基板上に形成する投影光学系;を含み、 前記投影光学系は、 凹面鏡と、 フッ化物の結晶材料から構成されたビームスプリッタ
    と、 該ビームスプリッタと前記投影原版との間の光路中に配
    置される第1のレンズ群と、 該ビームスプリッタと前記基板との間の光路中に配置さ
    れる第2のレンズ群と、を含み、 前記投影原版を経由した前記露光エネルギービームは、
    前記第1のレンズ群、及び前記ビームスプリッタを順に
    通過して、前記凹面鏡で反射され、前記ビームスプリッ
    タ及び前記第2のレンズ群を順に通過して前記基板上に
    達することを特徴とする露光装置。
  20. 【請求項20】前記第1及び第2のレンズ群は、フッ化
    物の結晶材料から構成されることを特徴とする請求項1
    9記載の露光装置。
  21. 【請求項21】前記第1及び第2のレンズ群の少なくと
    も一方は、少なくとも2種類以上のフッ化物の結晶材料
    からなることを特徴とする請求項20記載の露光装置。
  22. 【請求項22】前記ビームスプリッタはキューブ型ビー
    ムスプリッタであることを特徴とする請求項19乃至2
    1の何れか一項記載の露光装置。
  23. 【請求項23】前記キューブ型ビームスプリッタは、光
    路変換面を有し、 前記キューブ型ビームスプリッタを形成している結晶材
    料の(111)面が前記光路変換面を透過する光束に対
    してほぼ垂直又はほぼ平行となるように位置決めされる
    ことを特徴とする請求項22記載の露光装置。
  24. 【請求項24】前記 前記キューブ型ビームスプリッタ
    を形成している結晶材料の(111)面が前記光路変換
    面を透過する光束に対してほぼ垂直となるように位置決
    めされることを特徴とする請求項23記載の露光装置。
  25. 【請求項25】前記フッ化物の結晶材料は、フッ化カル
    シウム、フッ化バリウム、フッ化リチウム、フッ化マグ
    ネシウム、リチウム・カルシウム・アルミニウム・フロ
    ーライド、及びリチウム・ストロンチウム・アルミニウ
    ム・フローライドからなるグループから選択されること
    を特徴とする請求項19乃至24の何れか一項記載の露
    光装置。
  26. 【請求項26】請求項1乃至25の何れか一項記載の露
    光装置を用いたデバイスの製造方法であって、 前記基板上に感光材料を塗布する第1工程と、 前記光源からの前記露光エネルギービームに基づいて、
    前記基板上に前記投影光学系を介して前記マスクのパタ
    ーンの像を投影する第2工程と、 前記基板上の前記感光材料を現像する第3工程と、 該現像後の感光材料をマスクとして前記基板上に所定の
    回路パターンを形成する第4工程と、を有することを特
    徴とするデバイス製造方法。
  27. 【請求項27】投影原版上に設けられたパターンの像を
    基板上に露光する方法において、 200nm以下の露光エネルギービームを供給する第1
    工程と、 供給された前記露光エネルギービームを前記投影原版へ
    導く第2工程と、 前記投影原版からの露光エネルギービームを少なくとも
    2つの屈折光学部材へ導いた後に、前記パターンの像を
    前記基板上に形成する第3工程とを含み、 前記投影原版と前記基板との間に位置する全ての屈折光
    学部材は、少なくとも2種類以上のフッ化物の結晶材料
    からなることを特徴とする露光方法。
  28. 【請求項28】波長200nm以下の露光エネルギービ
    ームを供給する光源を準備する工程と、 第1のフッ化物結晶から第1屈折光学素子を形成する工
    程と、 該第1のフッ化物結晶とは異なる第2のフッ化物結晶か
    ら第2屈折光学素子を形成する工程と、 前記光源からの露光エネルギービームの光路中に沿って
    前記第1及び第2屈折光学素子を配置する工程とを含む
    ことを特徴とする露光装置の製造方法。
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