JP2003234276A - 露光装置及び光学装置、デバイス製造方法 - Google Patents

露光装置及び光学装置、デバイス製造方法

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JP2003234276A
JP2003234276A JP2002031504A JP2002031504A JP2003234276A JP 2003234276 A JP2003234276 A JP 2003234276A JP 2002031504 A JP2002031504 A JP 2002031504A JP 2002031504 A JP2002031504 A JP 2002031504A JP 2003234276 A JP2003234276 A JP 2003234276A
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lens barrel
exposure apparatus
temperature adjusting
optical system
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Yuichi Shibazaki
祐一 柴崎
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 投影光学系に温度分布が生じるのを簡易な構
成で抑えることができ、精度良い露光処理を行うことが
できる露光装置を提供する。 【解決手段】 露光装置EXは、マスクMと基板Pとを
同期移動してマスクMのパターンPAを投影光学系PL
を介して基板P上に転写する走査型露光装置である。こ
の走査型露光装置EXは、投影光学系PLを構成する投
影レンズEを保持する鏡筒Kと、鏡筒Kのフランジ部2
のうち同期移動方向と交わる方向の少なくとも2箇所に
設置され、この少なくとも2箇所の温度をそれぞれ独立
して調整可能な複数のヒートシンク7とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスクのパターン
を投影光学系を介して所定面上に転写する露光装置、及
び露光装置に搭載されて好適な光学装置、この露光装置
を用いたデバイス製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示デバイスや半導体デバイスはい
わゆるフォトリソグラフィの手法によって製造される
が、このフォトリソグラフィ工程ではマスクのパターン
を投影光学系を介して感光性基板に転写する露光装置が
用いられる。この露光装置において、投影光学系は温度
変動によって光学特性を変化させるため、高い露光精度
を得るために投影光学系を極めて高精度に温度調整する
必要がある。
【0003】従来における投影光学系の温度調整方法と
して、例えば特開平11−354431号公報に開示さ
れる技術がある。この技術は、投影光学系の鏡筒やこれ
を支持する構造物にヒートシンクなどの温度制御装置を
設置し、これによって周囲の温度変動が投影光学系に伝
わるのを遮断しようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した技術は、周囲
の温度変動が投影光学系に伝わるのを遮断して投影光学
系の温度を一定に維持するようにしたものであり、温度
を安定化できるので有効である。ところが、以下に述べ
るような問題が生じるようになった。
【0005】投影光学系を温度調整する場合、温度を一
定に維持することも重要であるが、温度分布を均一にす
ることも大変重要である。温度分布を均一にしないと投
影光学系は収差を生じてしまう。例えば、投影光学系の
光軸方向に温度分布が生じると回転対称な収差(倍率や
フォーカス、球面収差等)が発生する。一方、光軸と交
わる方向に温度分布が生じると非回転対称な収差(セン
ターアス等)が発生する。しかしながら、上記従来技術
では投影光学系の温度分布を均一にすることは困難な構
成であり、特に、非回転対称な収差成分を低減すること
は困難であった。
【0006】投影光学系を露光装置本体に搭載前に、こ
の投影光学系に対して収差補正を含む調整を行ったとし
ても、露光装置本体に存在する熱源や空調系の空調ムラ
によって温度分布が生じる場合があるため、搭載後には
この温度分布の影響を受けて投影光学系に収差が生じる
おそれがある。そして、搭載後の調整で収差が許容値以
下に低減されないと、投影光学系を露光装置から取り外
し、工場などに戻して再度調整し直すといった工程を取
らざるを得なくなる。
【0007】一方、こういった不具合を防ぐために、空
調系を含む露光装置全体を精度良く温度調整して温度分
布を均一化することも考えられるが、温度調整装置の複
雑化及び大型化を招き、コスト増加や露光装置のフット
プリント増大といった別の問題が生じる。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、投影光学系に温度分布が生じるのを簡易な構成
で抑えることができ、精度良い露光処理を行うことがで
きる露光装置、及びこの露光装置に搭載される光学装
置、並びにデバイス製造方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明は、実施の形態に示す図1〜図7に対応付けし
た以下の構成を採用している。本発明の露光装置(E
X)は、マスク(M)と基板(P)とを同期移動してマ
スク(M)のパターン(PA)を投影光学系(PL)を
介して所定面(P)上に転写する露光装置において、投
影光学系(PL)を構成する光学素子(E)を保持する
鏡筒(K)と、鏡筒(K)又は該鏡筒(K)の外面に対
して同期移動方向と交わる方向のうち少なくとも2箇所
に設置され、該少なくとも2箇所の温度をそれぞれ独立
して調整可能な複数の温度調整装置(S、7a〜7f)
とを備えることを特徴とする。
【0010】本発明によれば、投影光学系を構成する光
学素子を保持する鏡筒又は鏡筒の外面の温度を調整可能
な温度調整装置が設けられているので、鏡筒を介して光
学素子を含む鏡筒内部の空間の温度を調整でき、周囲の
温度変動に起因する収差を低減できる。そして、温度調
整装置は、マスクと基板との同期移動方向と交わる方向
の少なくとも2箇所に設置され、この少なくとも2箇所
の温度をそれぞれ独立して調整可能なので、投影光学系
の光軸と交わる方向の温度分布を調整して非回転対称な
収差成分を効果的に低減できる。ここで、温度調整装置
の温度調整は、光学素子を含む鏡筒内部の温度分布を均
一にする調整はもちろん、任意の温度分布にする調整も
含む。
【0011】本発明の光学装置(PL)は、マスク
(M)のパターン(PA)を所定面(P)上に転写する
ための複数の光学素子(E)と、複数の光学素子(E)
を保持する鏡筒(K)とを備える光学装置において、鏡
筒(K)の外面のうち、該鏡筒(K)の軸線(O)を基
準として対向する少なくとも2箇所に設置され、該少な
くとも2箇所の温度をそれぞれ独立して調整可能な複数
の温度調整装置(S、7a〜7f)を備えることを特徴
とする。
【0012】本発明によれば、光学素子を保持する鏡筒
の外面のうち、鏡筒の軸線を基準として対向する少なく
とも2箇所に、これら2箇所の温度をそれぞれ独立して
調整可能な複数の温度調整装置を設けたので、光学素子
を含む鏡筒内部の温度分布を調整できる。したがって、
この光学装置を露光装置に搭載後において周囲に温度変
動が生じても光学素子を含む鏡筒内部を任意の温度分布
に調整することができる。
【0013】本発明のデバイス製造方法は、上記記載の
露光装置を用いてデバイスを製造することを特徴とす
る。
【0014】本発明によれば、光学素子を含む鏡筒内部
の温度分布、特に光軸と交わる方向の温度分布が調整さ
れた投影光学系を用いてデバイスの製造をすることによ
り、高いパターン精度を有するデバイスを製造すること
ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の露光装置及び光学
装置、デバイス製造方法について、図面を参照しながら
説明する。図1は本発明の露光装置及び光学装置の第1
実施形態を示す概略構成図であって、一部を断面にした
図である。
【0016】図1において、露光装置EXは、マスクM
を支持するマスクステージMSTと、基板(感光性基
板)Pを支持する基板ステージPSTと、マスクステー
ジMSTに支持されているマスクMを露光光(露光用照
明光)ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで
照明されたマスクMのパターンPAを基板ステージPS
Tに支持されている基板Pに投影する投影光学系(光学
装置)PLとを備えている。
【0017】露光装置EXは、マスクステージMSTに
支持されているマスクMと基板ステージPSTに支持さ
れている基板Pとを投影光学系PLに対して同期移動し
つつマスクMのパターンPAを基板(所定面)Pに転写
する走査型露光装置である。以下の説明では、投影光学
系PLの光軸方向をZ軸方向とし、このZ軸方向と直交
する方向でマスクM及び基板Pの同期移動方向をY軸方
向とし、非同期移動方向をX軸方向とする。また、それ
ぞれの軸周りの回転方向をθZ、θY、θXとする。
【0018】照明光学系ILは、露光用光源1から射出
され、ミラーMIで偏向された光を露光光ELに変換
し、マスクステージMSTに支持されているマスクMの
パターンPAを露光光ELにより均一な照度分布で照明
するものであり、ビーム整形・変調光学系、オプティカ
ルインテグレータ、照明シャッタ、開口絞り、リレーレ
ンズ、コンデンサレンズ等の光学素子・光学部材を有し
ている。本実施形態において、露光用光源1としては、
KrFエキシマレーザ(発振波長248nm)あるいは
ArFエキシマレーザ(発振波長193nm)が用いら
れている。なお、露光光ELとしては、水銀ランプのg
線(波長436nm)、h線(405nm)、i線(波
長365nm)等の輝線、F2 レーザ光(波長157n
m)などを用いることもできる。
【0019】マスクステージMSTはマスクMを吸着保
持し、マスクステージ駆動系MSTDによりX軸方向及
びY軸方向に移動可能に設けられている。また、マスク
ステージMSTの中央部には、マスクMのパターン像が
通過する開口が形成されている。
【0020】投影光学系PLは、石英や蛍石を光学硝材
とした投影レンズ(光学素子)Eと、これら投影レンズ
Eを保持する鏡筒Kとを有しており、光軸をZ軸方向に
一致させて配置されている。なお、図1には複数の投影
レンズEのうちの一部が示されており、残りは省略され
ている。
【0021】鏡筒Kは複数の分割鏡筒K1〜K4を積層
して接続したものであり、分割鏡筒K1〜K4のそれぞ
れを接続することによって露光光ELが通過する光路空
間が形成される。分割鏡筒どうしはボルトやクランプ部
材などの固定部材によって固定される。
【0022】鏡筒Kは、外側鏡筒KAと投影レンズEを
保持する内側鏡筒KBとの2重構造となっており、外側
鏡筒KAと内側鏡筒KBとで挟まれた空間50には光学
素子温度調整系KSとしての流路51が設けられてい
る。この流路51は、鏡筒K全体を包囲するように例え
ば螺旋状に形成されており、温度調整された温調用流体
(例えば住友3M社製商品名フロリナート)が流れるこ
とにより鏡筒Kが温度調整され、これに伴い投影レンズ
Eを含む鏡筒Kの内部空間が温度調整される。流路51
は、鏡筒K上部に設けられた入口51aと、鏡筒K下部
に設けられた出口51bとを有しており、光学素子温度
調整系KSとしての流体供給部52から供給された温調
用流体は、入口51aから入り、流路51を流れて出口
51bから出て流体供給部52に戻される。ここで、鏡
筒Kは分割鏡筒K1〜K4によって構成されているた
め、流路51は分割鏡筒K1〜K4のそれぞれに設けら
れており、分割鏡筒K1〜K4を接続することによって
流路51のそれぞれも接続される。
【0023】なお、流路51は、外側鏡筒KAと内側鏡
筒KBとの間に配置されるステンレス鋼など脱ガスの少
ない材質で形成されたパイプ(チューブ)によって構成
することができる。また、流路51は螺旋状に限らず、
複数系統の流路を直線状に設けたものでもよい。流路を
直線状とする場合は、流路51は鏡筒Kの肉厚部に例え
ばドリル加工によって設けられた貫通穴によって構成さ
れてもよい。更に、貫通穴を形成し、この形成された貫
通穴にステンレス鋼などからなるパイプを配置する構成
としてもよい。
【0024】分割鏡筒K1〜K4のそれぞれの接続面は
適度に研磨されており、この接続面にはOリングやフッ
素系樹脂などからなるシール部材が設けられている。シ
ール部材は外側鏡筒KAの接続面、すなわち流路51よ
り外側に設けられている。シール部材を設けることによ
って、鏡筒K内部(光路空間)には鏡筒K外部から接続
面を介して不純ガスが浸入することがない。
【0025】鏡筒Kは、長手方向中央部に鏡筒Kを支持
するフランジ部(搭載接続部)2を有している。本実施
形態において、フランジ部2は複数の分割鏡筒K1〜K
4のうち分割鏡筒K3に設けられている。なお、フラン
ジ部2の形成材料としては、低熱膨張の材質、例えばイ
ンバー(Inver;ニッケル36%、マンガン0.2
5%、および微量の炭素と他の元素を含む鉄からなる低
膨張の合金)が挙げられる。
【0026】鏡筒Kは支持台4にフランジ部2を介して
支持される。支持台4の上面4aには開口4bが形成さ
れており、鏡筒Kは開口4bに対して上方から挿入さ
れ、この開口4bに鏡筒Kのうちフランジ部2より下側
の部分が差し込まれている。そして、フランジ部2を支
持台4の上面4aに支持させ、フランジ部2及び支持台
4の上面4aに形成されているボルト穴に差し込まれた
ボルト(不図示)を締め付けることによって、鏡筒Kは
フランジ部2を介して支持台4の上面4aに固定され
る。
【0027】鏡筒Kのフランジ部2と支持台4の上面4
aとの間には断熱材3が設けられている。断熱材3の形
成材料としては、例えばセラミックス材料が挙げられ
る。断熱材3により、支持台4の熱がフランジ部2を介
して鏡筒Kに伝達することが抑えられている。また、断
熱材3の厚み及び厚み分布を設定することにより、鏡筒
Kひいては投影光学系PLのZ軸方向及び傾斜方向の位
置調整を行うことが可能である。
【0028】基板ステージPSTは支持台4の内部に配
置されている。基板ステージPSTは、基板ステージ駆
動系PSTDによりX軸方向及びY軸方向に移動可能に
設けられているとともに、Z軸方向へも移動可能となっ
ている。更に、基板ステージPSTは、θX方向及びθ
Y方向に傾斜可能に設けられてレベリング調整可能とな
っており、θZ方向へも移動可能となっている。マスク
ステージ駆動系MSTD及び基板ステージ駆動系PST
Dの駆動は主制御装置CONTによって制御される。
【0029】露光装置EXは基板ステージPSTに支持
されている基板PのZ軸方向における位置を検出する焦
点検出系5を備えている。焦点検出系5は、送光系5a
と受光系5bとを有しており、支持台4の一部である支
持部4cに設けられている。送光系5a内の光源から射
出された検出光は、複数のスリット開口が設けられたス
リット板(不図示)を介して、斜めから基板Pに入射す
る。基板Pで反射した検出光は、受光系5b内の、振動
ミラー、スリット板に対応してスリット開口が設けられ
た受光スリット(ともに不図示)を介しスリットに対応
した複数の受光素子(不図示)に人射し、受光信号を振
動ミラーの振動周波数で同期検波することで、各々のス
リットに対応した基板P上での検出点における焦点位置
を計測する。
【0030】また、不図示ではあるが、露光装置EXは
基板ステージPのX軸方向及びY軸方向における位置を
検出するレーザ干渉計を有しており、基板ステージPS
Tに設けられているX移動鏡及びY移動鏡のそれぞれに
レーザ光を照射し、X移動鏡及びY移動鏡のそれぞれで
発生した反射光を検出することにより、基板ステージP
STのX軸方向及びY軸方向における位置、ひいては基
板PのX軸方向及びY軸方向における位置が検出され
る。
【0031】露光装置EXはチャンバCHに収容されて
おり、チャンバCH内部は不図示の空調系によって所定
の温度及び湿度に管理されている。空調系はチャンバC
H内の環境を制御するものであって、空調系で温度調整
されたガスは、ダクト及びチャンバCHの内部に設置さ
れた塵除去用のHEPAフィルタ、及び硫酸イオン、ア
ンモニウムイオン、シリコン系有機物などを除去するケ
ミカルフィルタを介してチャンバCH内に吹き出す。チ
ャンバCH内の吹出口の反対側には吸引口が配置されて
おり、チャンバCH内に吹き出した清浄なガスは、この
吸引口及びダクトを介して空調系に戻るようになってい
る。
【0032】次に、図2及び図3を参照しながら本発明
に係る温度調整装置について説明する。図2は図1の投
影光学系(光学装置)PL近傍を拡大した側面図、図3
は図2のA−A矢視図である。温度調整装置Sは、鏡筒
Kの温度を調整するものであって、鏡筒Kのうちこの鏡
筒Kを支持するフランジ部(搭載接続部)2の周囲に設
けられた複数の温度調整部7(7a〜7f)を有してい
る。本実施形態において、温度調整部7は液体式のヒー
トシンクによって構成されている。温度調整装置Sは、
第1温度調整系SY1と第2温度調整系SY2とからな
っており、ヒートシンク(温度調整部)7a〜7cは第
1温度調整系SY1に含まれ、ヒートシンク(温度調整
部)7d〜7fは第2温度調整系SY2に含まれる構成
となっている。
【0033】第1温度調整系SY1は、前記ヒートシン
ク7a〜7cと、これらヒートシンクに対して流路30
Aを介して温度調整された流体を供給する第1温度調整
器11Aとを有している。第1温度調整器11Aは、ヒ
ートシンク7a〜7cに対して流体を供給可能な第1流
体供給装置12Aと、流路30Aのうち第1流体供給装
置12Aとヒートシンク7aとの間に設けられ、第1流
体供給装置12Aから供給された流体の温度を調整可能
な第1温度調整装置13Aとを有している。第2温度調
整系SY2は、前記ヒートシンク7d〜7fと、これら
ヒートシンクに対して流路30Bを介して温度調整され
た流体を供給する第2温度調整器11Bとを有してい
る。第2温度調整器11Bは、ヒートシンク7d〜7f
に対して流体を供給可能な第2流体供給装置12Bと、
流路30Bのうち第2流体供給装置12Bとヒートシン
ク7dとの間に設けられ、第2流体供給装置12Bから
供給された流体の温度を調整可能な第2温度調整装置1
3Bとを有している。
【0034】図3に示すように、フランジ部2の外周形
状は円形状であり、複数のヒートシンク7はフランジ部
2の外周にほぼ等間隔で設けられている。第1温度調整
器11Aとヒートシンク7a〜7cとは流路30Aを介
して直列に接続されている。また、第2温度調整器11
Bとヒートシンク7d〜7fとは流路30Bを介して直
列に接続されている。
【0035】第1温度調整系SY1のヒートシンク7a
〜7cは、鏡筒Kの軸線Oに対して+X側に配置されて
おり、第2温度調整系SY2のヒートシンク7d〜7f
は鏡筒Kの軸線Oに対して−X側に配置されている。こ
こで、第1温度調整系SY1のヒートシンク7bと第2
温度調整系SY2のヒートシンク7eとは鏡筒Kの軸線
Oを基準として対向する位置に設けられ、それぞれ鏡筒
Kの+X側と−X側とに設けられている。つまり、第1
温度調整系SY1のヒートシンク7bと第2温度調整系
SY2のヒートシンク7eとは、マスクMと基板Pとの
同期移動方向であるY軸方向に対して水平面内(XY面
内)において直交する方向に設置されている。
【0036】また、第1温度調整系SY1のヒートシン
ク7aと第2温度調整系SY2のヒートシンク7fと
は、水平面(XY面内)内において鏡筒Kの軸線Oを基
準として対向する位置に設けられており、同様に、第1
温度調整系SY1のヒートシンク7cと第2温度調整系
SY2のヒートシンク7dとは、水平面内において鏡筒
Kの軸線Oを基準として対向する位置に設けられてい
る。このように、第1温度調整系SY1のヒートシンク
7a〜7cと第2温度調整系SY2のヒートシンク7d
〜7fとは同期移動方向(走査方向)であるY軸を挟む
ように設けられている。
【0037】フランジ部2は投影光学系PLの瞳面近傍
に対応して設けられている。したがって、本実施形態に
おいて、温度調整装置Sのヒートシンク7は投影光学系
PLの瞳面もしくは瞳面近傍を囲む鏡筒Kの外面に設置
された構成となっている。
【0038】第1温度調整器11Aは流路30Aを介し
て直列に接続されたヒートシンク7a〜7cのそれぞれ
に対して温度調整用流体を供給可能となっている。同様
に、第2温度調整器11Bは流路30Bを介して直列に
接続されたヒートシンク7d〜7fのそれぞれに対して
温度調整用流体を供給可能となっている。流路30A,
30Bは可撓性のパイプ(チューブ)によって構成され
ており、自由に曲げることができる。
【0039】図4はヒートシンク7を示す断面図であっ
て、+Z側から見た図である。図4に示すように、ヒー
トシンク7は略直方体状であり、フランジ部2(鏡筒
K)に接続し、鉄やアルミニウムあるいはステンレス鋼
などの金属によって形成され内部空間を有する箱状部材
15と、この箱状部材15の内部空間に配置されアルミ
ニウム等によって構成された軽石状の中空部材16とを
有している。中空部材16は箱状部材15の内壁にロウ
付けされている。
【0040】また、箱状部材15とフランジ部2とは、
熱伝導ゴムシートやサーマルシリコンコンパウンドなど
の熱伝導率の良い材料17を挟み込んで接続されてい
る。こうすることにより、鏡筒Kからヒートシンク7へ
熱が伝達される際の熱抵抗が減らされる。
【0041】ここで、ヒートシンク7が取り付けられる
フランジ部2の外周形状は円形状であると説明したが、
ヒートシンク7は略直方体状であるため、フランジ部2
(鏡筒K)のうち、ヒートシンク7が取り付けられる取
付面を平面に加工しておいてもよい。こうすることによ
り、ヒートシンク7と鏡筒Kとは面接触状態で接続され
ている。そして、ヒートシンク7とフランジ部2(鏡筒
K)との間に前記熱伝導ゴムシートやサーマルシリコン
コンパウンドを挟み、ボルトなどの接続部材を用いてヒ
ートシンク7とフランジ部2とが接続される。
【0042】図3に戻って、第1温度調整系SY1のう
ち、可撓性を有する流路30Aと、ヒートシンク7a〜
7cの箱状部材15の内部空間とはそれぞれ連通してお
り、第1温度調整器11Aは流路30Aを介してヒート
シンク7aのうち箱状部材15の内部空間に温度調整用
流体を供給する。
【0043】第1温度調整器11Aは、前述したよう
に、第1流体供給装置12Aと、第1流体供給装置12
Aから流路30Aを介してヒートシンク7aに供給され
る温度調整用流体の温度を所定の温度に制御するヒータ
などの温度制御装置13Aとを有している。第1温度制
御装置13Aは、主制御装置CONTの指示に基づき、
第1流体供給装置12Aからヒートシンク7aに供給さ
れる流体を所定の温度に調整する。
【0044】ここで、ヒートシンク7は液体式ヒートシ
ンクであって、温度調整用流体の構成材料としては、例
えば、フッ素系不活性液体(例えば住友3M社製品名フ
ロリナート)やハイドロフルオロエーテル(例えば住友
3M社製品名ノベック)、あるいは水などの液体が挙げ
られる。
【0045】ヒートシンク7aは、中空部材16が配置
されている箱状部材15の内部空間に温度調整用流体が
供給されることにより、箱状部材15を介して鏡筒Kの
熱を吸収して温度調整する。鏡筒Kが温度調整されるこ
とにより、鏡筒Kを介して投影レンズEを含む鏡筒K内
部(光路空間)が温度調整される。そして、ヒートシン
ク7aの箱状部材15内部の温度調整用流体は流路30
Aを介してヒートシンク7bに供給され、ヒートシンク
7bにおいて鏡筒Kの温度調整が行われる。同様に、ヒ
ートシンク7bからヒートシンク7cに温度調整用流体
が供給され、ヒートシンク7cにおいて鏡筒Kの温度調
整が行われる。ヒートシンク7cから排出された温度調
整用流体は第1温度調整器11Aの第1流体供給装置1
2Aに戻される。
【0046】同様に、第2温度調整系SY2の第2温度
調整器11Bによって所定の温度に調整された温度調整
用流体がヒートシンク7d〜7fのそれぞれに順次供給
され、ヒートシンク7d〜7fのそれぞれはフランジ部
2(鏡筒K)の各設置位置で熱を吸収して温度調整す
る。そして、ヒートシンク7fから排出された温度調整
用流体は第2温度調整器11Bの第2流体供給装置12
Bに戻される。
【0047】流体供給装置12A,12B及び温度制御
装置13A,13Bを備えた第1温度調整器11A及び
第2温度調整器11Bのそれぞれは、供給する温度調整
用流体の単位時間当たりの流量及び温度をそれぞれ独立
して調整可能となっている。したがって、鏡筒Kは軸線
Oを挟んで対向する部分を、第1温度調整系SY1及び
第2温度調整系SY2のそれぞれによって独立して温度
調整される。
【0048】次に、上述した露光装置EXを用いてマス
クMに形成されたパターンPAを基板Pに転写する方法
について説明する。ここで、本発明は温度調整装置Sを
用いて投影光学系PLを温度調整することにより投影光
学系PLの収差を低減しようとするものである。そこ
で、デバイス製造のための露光処理をする前に、まず、
温度調整装置Sのパラメータを設定するためのテスト用
露光処理が行われる。
【0049】主制御装置CONTの制御の基で、空調系
によりチャンバCH内部が所定の温度及び湿度に調整さ
れる。更に、流体供給部52及び流路51を備えた光学
素子温度調整系KSが鏡筒Kを温度調整する。そして、
不図示のローダによってマスクステージMSTにマスク
(テスト用マスク)Mがロードされるとともに、基板ス
テージPSTに基板Pがロードされる。このとき、投影
光学系PLに温度分布が生じている場合がある。
【0050】テスト用マスクMには投影光学系PLの収
差検出用パターンが形成されている。露光装置EXは、
テスト用マスクMと基板PとをY軸方向に同期移動しつ
つ、テスト用マスクMに形成されている収差検出用パタ
ーンを投影光学系PLを介して基板Pに転写する。
【0051】テスト用パターンが転写された基板Pは現
像処理を施され、基板Pに形成されたパターンに基づい
て、投影光学系PLの収差情報が検出される。すなわ
ち、投影光学系PLに生じている温度分布に起因する投
影光学系PLの収差情報が基板Pに形成されたパターン
から検出される。具体的には、投影光学系PLの温度
(温度分布)に起因する収差と基板Pに形成されるパタ
ーン形状(線幅精度)との関係を予めに求めておき、こ
の求めておいた関係と前記検出したパターン形状とに基
づいて、投影光学系PLの収差情報が求められる。そし
て、求めた収差情報に基づいて、投影光学系PLの目標
温度(目標温度分布)が求められ、この求めた結果に基
づいて、温度調整装置Sのパラメータ、具体的には、第
1温度調整器11A及び第2温度調整器11Bのそれぞ
れから供給する温度調整用流体の温度や単位時間当たり
の流量が設定される。
【0052】なお、前記関係(温度分布に起因する収差
と基板Pに形成されるパターン形状との関係)は予め実
験的に求められる。例えば、複数条件の温度(温度分
布)のもとで基板Pにパターンを形成し、このパターン
形状を検出することにより、温度分布に起因する収差と
パターン形状との複数のデータを予め実験的に求めてお
くことができる。
【0053】温度調整装置Sのパラメータが求められた
ら、マスクステージMSTのテスト用マスクMがアンロ
ードされるとともにデバイス製造用マスクMがロードさ
れ、基板ステージPSTにも基板Pがロードされる。そ
して、温度調整装置Sのうち、第1温度調整器11Aか
らヒートシンク7a〜7cに対して前記設定したパラメ
ータに基づいて温度調整された温度調整用流体が単位時
間当たり所定の流量(例えば0.6リットル/分程度)
で供給される。同様に、第2温度調整器11Bからヒー
トシンク7d〜7fに対して温度調整された温度調整用
流体が単位時間当たり所定の流量で供給される。こうし
て、温度調整装置Sによって、鏡筒Kのうち走査方向で
あるY軸を挟んだ少なくとも2箇所を独立して温度調整
し、投影光学系PLの温度分布を低減した状態で走査露
光が行われる。温度分布を低減することにより投影光学
系PLは温度分布に起因する収差が低減された状態でマ
スクMのパターンを基板Pに精度良く転写することがで
きる。
【0054】以上説明したように、投影光学系PLを構
成する投影レンズEを保持する鏡筒Kのフランジ部2に
おいて、マスクMと基板Pとの同期移動方向(走査方
向)と交わる方向の少なくとも2箇所にヒートシンク7
が設置され、この設置部分の温度がそれぞれ独立して調
整されるようにしたので、投影光学系PLの光軸と交わ
る方向であるX軸方向における温度分布が均一化され
る。したがって、温度分布に起因する非回転対称な収差
成分が効果的に低減される。そして、投影光学系PLの
うち走査方向(Y軸方向)と交わる方向(X軸方向)
は、走査による温度分布の平均化効果が無いため温度分
布規格が厳しい方向であるが、鏡筒Kのうち、+X側と
−X側とに第1温度調整系SY1と第2温度調整系SY
2とのそれぞれを設け、温度調整を独立して行うように
したので、この規格が厳しい方向に対する温度分布調整
が高精度に行われる。したがって、温度分布に起因する
投影光学系PLの収差を低減した状態で露光装置EXは
精度良い露光処理を行うことができる。
【0055】また、投影光学系PLの瞳面近傍は光軸と
交わる方向の温度分布規格が特に厳しい部分であるが、
この瞳面もしくは瞳面近傍を囲む鏡筒Kの外面にヒート
シンク7を設けたことによって、この瞳面近傍の温度分
布を調整することができ、露光装置EXは精度良い露光
処理を行うことができる。
【0056】また、フランジ部2は支持台4に接続する
部分であるため、支持台4の温度分布の影響を一番受け
やすい部分であるが、このフランジ部2にヒートシンク
7を設けたことにより、支持台4の温度分布が鏡筒K全
体に伝達されることを効果的に防止できる。更に、支持
台4とフランジ部2との間に断熱材3を配置したことに
より、支持台4からフランジ部2への伝熱を効果的に抑
制できる。
【0057】なお、上記実施形態においては、投影光学
系PLの瞳面近傍にフランジ部2が設けられているよう
に説明したが、投影光学系PLの瞳面とフランジ部2と
のZ軸方向における位置がずれている場合には、いずれ
か一方を囲むようにヒートシンク7を設けてもよいし、
両方を囲むように設けてもよい。
【0058】なお、図3では各ヒートシンク7a〜7c
(7d〜7f)のそれぞれは離散的に設けられている構
成であるが、連続したヒートシンクとしてもよいし、一
体としてもよい。連続したヒートシンクには分割された
ヒートシンクでありながら、その端部が互いに接触し、
フランジ部2とヒートシンク7とが接触する接触面が連
続して繋がっているものが含まれる。
【0059】上記実施形態において、ヒートシンク7は
中空部材16を有し、温度調整用流体(冷媒)との接触
面積を増やすことによって熱伝導効率を向上する構成で
ある。したがって、ヒートシンク7の箱状部材15内部
に配置される部材としては冷媒との接触面積を大きくす
ることができればよく、軽石状の中空部材16のかわり
に、アルミニウムを束子状(スチールウール状)とした
線状部材の集合体や、アルミニウム製の複数のフィン部
材を配置する構成としてもよい。
【0060】更に、ヒートシンク7において、箱状部材
15の内部空間に中空部材16を配置しない構成とする
ことも可能である。一方、内部空間に中空部材16を設
け、これと箱状部材15の内壁とをロウ付けすることに
より、箱状部材15の内部空間に供給された温度調整用
流体の温度を熱効率良く鏡筒Kに伝達することができ
る。すなわち、中空部材16を設けることにより、温度
調整用流体と接する面積を増やし、熱抵抗を小さくして
ヒートシンク7の内部空間の温度調整用流体と鏡筒Kと
の熱伝達を効率良く行いつつ温度調整できる。
【0061】上記実施形態において、ヒートシンク7は
熱伝導ゴムシートやサーマルシリコンコンパウンドを挟
んで鏡筒K(フランジ部2)に接続されているが、これ
ら熱伝導率の良い材料を挟まなくてもよい。また、ヒー
トシンク7は鏡筒Kに接着されずに、鏡筒Kに対して僅
かな間隔をあけて配置されていてもよい。
【0062】上記実施形態において、温度調整部7はヒ
ートシンクであるが、フランジ部2(鏡筒K)に接する
部分において媒体が気化し、フランジ部2(鏡筒)から
離れた部分で媒体が凝縮するヒートパイプであってもよ
い。更に、温度調整部7はぺルチェ素子であってもよ
い。更に温度調整装置Sとは別に、温度調整されたガス
を鏡筒Kに吹き付ける空冷系を併設してもよい。
【0063】上記実施形態において、温度調整装置Sは
温度調整用流体をヒートシンク7に供給する際に温度及
び単位時間当たりの流量を設定し供給するように説明し
たが、単位時間当たりの流量を一定として温度のみを制
御してヒートシンク7に供給してもよい。また、温度を
一定値に設定した状態で単位時間当たりの流量を調整す
るようにしてもよい。こうすることによっても、ヒート
シンク7による鏡筒Kからの熱吸収を行うことができ
る。
【0064】なお、上記実施形態においては、テスト用
露光処理により基板Pにテスト用パターンを露光し、こ
のパターン形状(線幅精度)に基づいて収差を求め、こ
の求めた収差と予め求めておいた前記関係とに基づいて
温度調整をするように説明したが、鏡筒Kの温度を測定
して温度分布を求め、この求めた温度分布に基づいて、
鏡筒Kの+X側と−X側とに設けられた第1,第2温度
調整系SY1,SY2のそれぞれで温度調整を行うよう
にしてもよい。
【0065】あるいは、投影光学系PLを露光装置EX
本体に搭載する前に、光源などの熱源や空調系に起因す
る露光装置EXの温度分布を予め測定しておき、この露
光装置EXの温度分布をキャンセルするように、2つの
第1温度調整系SY1,SY2のそれぞれのパラメータ
(ヒートシンクに供給すべき流体の温度や単位時間当た
りの流量)を予め設定しておき、投影光学系PLを露光
装置EX本体に搭載した後、前記設定したパラメータに
基づいて投影光学系PLの温度調整をするようにしても
よい。
【0066】上記実施形態では、温度調整装置Sは、投
影光学系PLを第1温度調整系SY1及び第2温度調整
系SY2の2系統で温度調整するように説明したが、も
ちろん、3系統以上の任意の複数系統で温度調整しても
よい。この場合においても、走査方向(Y軸方向)を挟
んで両側(±X側)の少なくとも2箇所に温度調整部が
設置される。
【0067】次に、図5を参照しながら本発明の露光装
置EXの第2実施形態について説明する。ここで、以下
の説明において上述した第1実施形態と同一又は同等の
構成部分については同一の符号を付し、その説明を省略
する。図5に示すように、露光装置EXは、鏡筒Kのフ
ランジ部2に設けられた温度調整装置Sの他に、上部の
分割鏡筒K1に設けられた上部温度調整装置SAと、下
部の分割鏡筒K4に設けられた下部温度調整装置SBと
を備えている。上部温度調整装置SAは、走査方向(Y
軸方向)を挟むようにして上部第1温度調整系SYA1
と上部第2温度調整系SYA2とを備えている。同様
に、下部温度調整装置SBは、走査方向(Y軸方向)を
挟むようにして下部第1温度調整系SYB1と下部第2
温度調整系SYB2とを備えている。
【0068】このように、鏡筒Kの外面のうち投影光学
系PLの光軸方向における異なる複数箇所に温度調整装
置S,SA,SBを設け、それぞれの位置において温度
調整を独立して行うことにより、投影光学系PLの光軸
方向に生じる温度分布に起因する回転対称な収差も低減
できる。
【0069】なお、温度調整装置S(SA、SB)は、
分割鏡筒K1〜K4のそれぞれに設けてもよい。特に、
本実施形態のようにArFエキシマレーザのような20
0nm以下の波長の光を露光光ELとして用いる場合に
は反射屈折系が色収差補正等の観点から有利であり、こ
のような反射屈折系では、鏡筒が複数に分割され、各分
割鏡筒ごとに温度調整装置を設けることは特に効果的で
ある。そして、光学素子温度調整系と本実施形態に係る
温度調整装置Sを併用することにより、投影光学系PL
の温度及び温度分布を所望の状態に制御することができ
る。
【0070】なお、上述した第2実施形態では、上部温
度調整装置SA、温度調整装置S、下部温度調整装置S
Bのそれぞれが、Y軸を挟んで両側に第1温度調整系及
び第2温度調整系のそれぞれを有した2系統構成である
が、投影光学系PLの瞳面近傍あるいはフランジ部2に
設けた温度調整装置S以外の温度調整装置、すなわち上
部温度調整装置SAや下部温度調整装置SBは、2系統
ではなく1系統であってもよい。つまり、上部温度調整
装置SAや下部温度調整装置SBは複数のヒートシンク
7で鏡筒Kの上部及び下部を包囲しこれらを流路30で
直列に接続した構成としてもよい。こうすることによっ
て装置構成を簡易化して光軸方向の温度分布を許容値以
下に抑えることができる。
【0071】また、上記実施形態では、上部温度調整装
置SA及び下部温度調整装置SBのそれぞれを備えた構
成であるが、上部温度調整装置SA及び下部温度調整装
置SBのうち少なくともいずれか一方を備えた構成とし
てもよい。
【0072】また、光軸方向に複数の温度調整装置S
(SA,SB)を設けた場合、例えば、上部温度調整装
置SAの流路30A(30B)と温度調整装置Sの流路
30A(30B)とを接続してもよいし、下部温度調整
装置SBの流路30A(30B)と温度調整装置Sの流
路30A(30B)とを接続してもよい。また、第1,
第2流体供給装置12A,12B及び第1,第2温度制
御装置13A,13Bは、上部温度調整装置SA、温度
調整装置S、下部温度調整装置SBのそれぞれに独立し
て設けてもよいし、共用してもよい。
【0073】上記各実施形態では、ヒートシンク7はフ
ランジ部2(鏡筒K)の外面に設けられた構成である
が、図6に示すように、フランジ部2(あるいは鏡筒K
の肉厚部)に空間60を設けるとともに、空間60に対
する入口60a及び出口60bを設け、この空間60内
部にヒートシンク7を配置してもよい。この場合、流路
30A,30Bは、入口60a及び出口60bを介して
空間60内部のヒートシンク7と外部の温度調整器11
A,11Bとを接続する。
【0074】なお、上記各実施形態では、流体供給装置
12(12A,12B)は、鏡筒Kあるいは鏡筒K外面
に設けられたヒートシンク7に対して温度調整用流体を
供給する構成であるが、例えば、支持台4やステージP
ST、MSTなど、露光装置EXを構成する鏡筒K以外
の装置・機構に対して温度調整のために温度調整用流体
を供給してもよい。
【0075】なお、上記各実施形態では、流体供給部5
2及び流路51を備えた光学素子温度調整系KSが設け
られた構成であるが、この光学素子温度調整系KSは省
略してもよい。
【0076】なお、本実施形態の露光装置EXとして、
マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパター
ンを露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ
・アンド・リピート型の露光装置にも適用することがで
きる。
【0077】露光装置EXの用途としては半導体製造用
の露光装置、角型のガラスプレートに液晶表示素子パタ
ーンを露光する液晶用の露光装置、薄膜磁気ヘッドを製
造するための露光装置などに広く適当できる。
【0078】基板ステージPSTやマスクステージMS
Tにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用
いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス
力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、
ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいい
し、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。
【0079】ステージの駆動装置として平面モ−タを用
いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニット
のいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電
機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に
設ければよい。
【0080】基板ステージPSTの移動により発生する
反力は、特開平8−166475号公報に記載されてい
るように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に
逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露
光装置においても適用可能である。
【0081】マスクステージMSTの移動により発生す
る反力は、特開平8−330224号公報に記載されて
いるように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)
に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた
露光装置においても適用可能である。
【0082】以上のように、本願実施形態の露光装置
は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む
各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、
光学的精度を保つように、組み立てることで製造され
る。これら各種精度を確保するために、この組み立ての
前後には、各種光学系については光学的精度を達成する
ための調整、各種機械系については機械的精度を達成す
るための調整、各種電気系については電気的精度を達成
するための調整が行われる。各種サブシステムから露光
装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機
械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等
が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組
み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程
があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光
装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行わ
れ、露光装置全体としての各種精度が確保される。な
お、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理さ
れたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0083】半導体デバイスは、図7に示すように、デ
バイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設
計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するス
テップ202、デバイスの基材である基板(ウエハ、ガ
ラスプレート)を製造する基板ステップ203、前述し
た実施形態の露光装置によりレチクルのパターンを基板
に露光する基板処理ステップ204、デバイス組み立て
ステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケ
ージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て
製造される。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の露光装置
によれば、投影光学系の鏡筒又は鏡筒の外面のうちマス
クと基板との同期移動方向と交わる方向の少なくとも2
箇所に温度調整装置を設け、この少なくとも2箇所の温
度をそれぞれ独立して調整するようにしたので、簡易な
構成で投影光学系の光軸と交わる方向の温度分布を調整
できる。したがって、非回転対称な収差成分を効果的に
低減でき、精度良い露光処理を実現することができる。
【0085】本発明の光学装置によれば、光学素子を保
持する鏡筒の外面のうち、鏡筒の軸線を基準として対向
する少なくとも2箇所に、これら2箇所の温度をそれぞ
れ独立して調整可能な複数の温度調整装置を設けたの
で、光学素子を含む鏡筒内部の温度分布を調整できる。
したがって、光学素子を含む鏡筒内部を任意の温度分布
に調整することができ、温度分布に起因する光学特性の
変化を抑えることができ、光学装置は所望の性能を発揮
できる。
【0086】本発明のデバイス製造方法によれば、光学
素子を含む鏡筒内部の温度分布、特に光軸と交わる方向
の温度分布が調整された投影光学系を用いてデバイスの
製造をすることにより、高いパターン精度を有するデバ
イスを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光装置の第1実施形態を示す概略側
方断面図である。
【図2】図1の投影光学系近傍を示す側面図である。
【図3】図2のA−A矢視図である。
【図4】温度調整装置を構成するヒートシンクを示す断
面図である。
【図5】本発明の露光装置の第2実施形態を示す側面図
である。
【図6】本発明の露光装置の他の実施例を示す図であっ
て、(a)は側方断面図、(b)は(a)のB−B矢視
図である。
【図7】デバイスの製造工程の一例を示すフローチャー
ト図である。
【符号の説明】
2 フランジ部(搭載支持部) 3 断熱材 4 支持台 7(7a〜7f) ヒートシンク(温度調整部、温度
調整装置) E 投影レンズ(光学素子) EX 露光装置 K 鏡筒 K1〜K4 分割鏡筒 M マスク P 基板(所定面) PA パターン PL 投影光学系(光学装置) S 温度調整装置 SA 上部温度調整装置 SB 下部温度調整装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクと基板とを同期移動してマスクの
    パターンを投影光学系を介して所定面上に転写する露光
    装置において、 前記投影光学系を構成する光学素子を保持する鏡筒と、 前記鏡筒又は該鏡筒の外面に対して前記同期移動方向と
    交わる方向のうち少なくとも2箇所に設置され、該少な
    くとも2箇所の温度をそれぞれ独立して調整可能な複数
    の温度調整装置とを備えることを特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】 前記温度調整装置は、前記投影光学系の
    瞳面もしくは瞳面近傍を囲む前記鏡筒の外面に設置され
    ていることを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  3. 【請求項3】 前記鏡筒に設けられる搭載接続部と、 前記搭載接続部を介して前記鏡筒を支持する支持台とを
    有し、 前記温度調整装置は、前記搭載接続部に設置されている
    ことを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  4. 【請求項4】 前記搭載接続部と前記支持台との間に断
    熱材を有することを特徴とする請求項3記載の露光装
    置。
  5. 【請求項5】 前記温度調整装置は、前記鏡筒の外面の
    うち、前記投影光学系の光軸方向における異なる複数箇
    所に設置されていることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか一項記載の露光装置。
  6. 【請求項6】 マスクのパターンを所定面上に転写する
    ための複数の光学素子と、前記複数の光学素子を保持す
    る鏡筒とを備える光学装置において、 前記鏡筒の外面のうち、該鏡筒の軸線を基準として対向
    する少なくとも2箇所に設置され、該少なくとも2箇所
    の温度をそれぞれ独立して調整可能な複数の温度調整装
    置を備えることを特徴とする光学装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項5のいずれか一項記載
    の露光装置を用いてデバイスを製造することを特徴とす
    るデバイス製造方法。
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