JP2005166922A - 支持装置、光学装置、露光装置、及びデバイスの製造方法 - Google Patents

支持装置、光学装置、露光装置、及びデバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 エネルギービームの光路上の配置される光学部材が隔てる空間に対する種類が異なる気体のリークを防止し、かつ光学的な性能の低下を抑制することができる支持装置等等を提供する。
【解決手段】 エネルギービームの光路上に配置される光学部材Lを支持する支持装置Dにおいて、光学部材Lが収容される容器100の壁面と光学部材Lの外周側面Laとの間で、かつ光学部材Lの外周側面Laとの間に所定の間隔CLを空けて設置され、光学部材Lの外周側面Laの近傍に存在するガスを容器100の外部に排気する排気機構130を備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば、半導体素子製造における露光工程で用いられる支持装置、光学装置、露光装置等に関する。
半導体素子、薄膜磁気ヘッド、液晶表示素子等のデバイスを製造するフォトリソグラフィー工程では、フォトマスクあるいはレチクルに形成されたパターンの像をフォトレジスト等の感光剤を塗布した基板上に転写させる露光装置が一般的に使用されている。そして、半導体メモリの大容量化やCPUプロセッサの高速化・高集積化の進展に伴い、基板上のショット領域に投影されるパターン形状の微細化の要請は年を追う毎に厳しくなり、露光装置に使用される露光用照明光(以下、「露光光」という)は、従来の主流であった水銀ランプに代わってKrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)のような短波長の光が用いられるようになってきている。また、更なるパターン形状の微細化を目指してF2レーザ(157nm)を用いた露光装置の開発が進められている。
しかし、真空紫外線と呼ばれる約190nm以下の波長の光は、酸素分子、水分子、二酸化炭素分子等(以下、吸光ガスという)に吸収されやすいという性質を持つため、大気中を透過することができない。したがって、真空紫外線を露光光に用いる露光装置では、露光光が通過する空間内を窒素やヘリウム等の真空紫外線を殆ど吸収しないガス(以下、低吸光性ガスという)で置換することにより、露光光を基板上面まで十分な照度で到達させる必要がある。
このため、特開平6−260385号公報に示すように、露光装置の光路上の空間を筐体で囲い、低吸光性ガスでその筐体内の空間を充填する技術がある。この場合、例えば全光路長を1000mmとすると、光路上の空間内の吸光ガス濃度は、1ppm程度以下が実用的とされている。
特開平6−260385号公報
上記技術のように、光路上に所定のガスが供給される空間を備える光学装置では、シール機構の採用により気体のリークが防止される。シール機構としては、Oリングなどのシール部材を変形させて隙間を塞ぐ技術が一般的である。しかしながら、複数の空間の境界に光学部材が配置される場合においては、シール部材を変形させるための力(もしくはその反力)によって光学部材が変形し、光学的な性能の低下を招くという問題がある。
また、レンズ等の光学部材が配置される容器内に供給(置換)される低吸光性ガスとしては、レンズ等の光学部材が露光光を吸収することにより生じる温度上昇を抑えるために、冷却効果の高いヘリウムガスが用いられている。ところが、ヘリウムガスの屈折率(1.000038程度)は、大気や窒素ガスの屈折率(1.000319程度)とは大きく異なるため、例えば、ヘリウムガスが充満した空間内に他の気体が混入すると、その空間内の屈折率が大きく変動し、収差の原因となり、所望の光学性能を実現できなくなるという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、エネルギービームの光路上の配置される光学部材が隔てる空間に対する種類が異なる気体のリークを防止し、かつ光学的な性能の低下を抑制することができる支持装置、光学装置、露光装置等を提供することを目的とする。
本発明に係る支持装置、光学装置、露光装置、デバイスの製造方法では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、エネルギービーム(EL)の光路(LS)上に配置される光学部材(L)を支持する支持装置(D)において、光学部材(L)が収容される容器(100)の壁面と光学部材(L)の外周側面(La)との間で、かつ光学部材(L)の外周側面(La)との間に所定の間隔(CL)を空けて設置され、光学部材(L)の外周側面(La)の近傍に存在するガスを容器(100)の外部に排気する排気機構(130,140,150)を備えるようにした。この発明によれば、光学部材が隔てる2つの空間に存在するそれぞれのガスが、光学部材の外周側面において排気機構により外部に排気されるので、2つの空間のガスの混合が抑えられる。
また、光学部材(L)の周縁部の一部(TB)を把持する把持部(111)を有し、排気機構(150)が、把持部(111)に設けられるものでは、把持部と光学部材との隙間を狭くすることができる。更に、狭い隙間に排気機構が設けられるので、排気量が低減できる。
また、排気機構(130,140,150)が、光学部材(L)の外周側面(La)に対向する排気口(132,142,152)を有するものでは、平面度の高い光学部材の外周側面と対向するので、より隙間を狭くして、シール特性を向上させることができる。
また、外周側面(La)が、エネルギービーム(EL)の光軸に対して所定角度に傾けて形成されるものでは、光学部材を光軸方向に移動させることにより、光学部材の外周部と排気機構との隙間を容易に変化(調整)することができる。
また、光学部材(L)が隔てる2つの空間(S,S)のうちの少なくとも一方に所定のガス(G)が供給されるものでは、ガス漏れがなく、しかも外部からの大気など流入がなく、所定のガスにより所望の光学特性を安定して維持することができる。
第2の発明は、エネルギービーム(EL)の光路(LS)上に光学部材群(L)が配置される光学装置(PL,10)において、光学部材群(L)を支持する複数の光学部材支持部(D)のうちの少なくとも1つに、第1の発明の支持装置(D)が用いられるようにした。この発明によれば、光学部材群が形成する空間に所定ガスが供給された場合には、ガスの漏れや大気の流入がないので、所望の光学特性を維持することができる。
第3の発明は、パターン(PA)が形成されたマスク(R)をエネルギービーム(EL)により照明する照明系(10)と、マスク(R)のパターン(PA)を基板(W)上に転写する投影光学系(PL)との少なくとも一方を、第2の発明の光学装置(10,PL)で構成するようにした。この発明によれば、照明系或いは投影光学系が、安定した光学特性を備えるので、基板に微細な回路パターンを露光することができる。
また、マスク(R)のパターン(PA)を基板(W)上に投影する投影光学系(PL)を備える露光装置(STP)において、投影光学系(PL)を構成する複数の光学部材(L,106,107)のうち、基板(W)に対向する第1光学部材(106)とは異なる第2光学部材(L)を保持する支持装置(D)として、第1の発明の支持装置(D)を用いられ、第2光学部材(L)が隔てる基板(W)側の空間(S)に不活性ガスを供給するとともに、不活性ガスの一部が第1光学部材(106)と基板(W)との間の空間(S11)に流出するようにした。この発明によれば、基板に対向する第1光学部材にシール構造を設ける必要がないので、第1光学部材をシンプルかつコンパクトに構成することができる。また、不活性ガスの一部が第1光学部材と基板との間の空間に供給されるので、第1光学部材の曇りを防止することができる。
また、第1光学部材(106)と基板(W)との間の空間(S11)に流出した不活性ガスを外部に排気する排気部(65)を備えるものでは、第1光学部材と基板との間の空間に大気が混入することが防止されるので、所望の光学特性等を維持することができる。
第4の発明は、リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、リソグラフィ工程において第3の発明の露光装置(STP)を用いるようにした。この発明によれば、微細なパターンを備えるデバイスを製造することができる。
本発明によれば以下の効果を得ることができる。
第1の発明は、エネルギービームの光路上に配置される光学部材を支持する支持装置において、光学部材が収容される容器の壁面と光学部材の外周側面との間で、かつ光学部材の外周側面との間に所定の間隔を空けて設置され、光学部材の外周側面の近傍に存在するガスを容器の外部に排気する排気機構を備えるようにした。この発明によれば、光学部材が隔てる2つの空間に供給したガスの混合が抑えられ、例えば、エネルギービームが吸収されたり、光学特性等が変化したりすることが防止できる。
また、光学部材の周縁部の一部を把持する把持部を有し、排気機構が、把持部に設けられるものでは、把持部と光学部材との隙間を狭くすることができるので、2つの空間の隔離が行いやすくなる。更に、狭い隙間に排気機構が設けられるので、排気量が低減される、ランニングコストを抑えることができる。
また、排気機構が、光学部材の外周側面に対向する排気口を有するものでは、シール特性が向上するとともに、排気機構からの排気量が低減してランニングコストを抑えることができる。
また、外周側面が、エネルギービームの光軸に対して所定角度に傾けて形成されるものでは、光学部材を光軸方向に移動させることにより、光学部材の外周部と排気機構との隙間を容易に変化(調整)させることができ、シール性能や排気量を調整することができる。
また、光学部材が隔てる2つの空間のうちの少なくとも一方に所定のガスが供給されるものでは、ガス漏れがなく、しかも外部からの大気など流入がなく、所定のガスにより所望の光学特性を安定して維持することができる。
第2の発明は、エネルギービームの光路上に光学部材群が配置される光学装置において、光学部材群を支持する複数の光学部材支持部のうちの少なくとも1つに、第1の発明の支持装置が用いられるようにした。この発明によれば、光学部材群が形成する空間に所定ガスが供給された場合には、ガスの漏れや大気の流入がないので、所望の光学特性を維持することができる。また、光学特性を維持するランニングコストも抑えることができる。
第3の発明は、パターンが形成されたマスクをエネルギービームにより照明する照明系と、マスクのパターンを基板上に転写する投影光学系との少なくとも一方を、第2の発明の光学装置で構成するようにした。この発明によれば、照明系或いは投影光学系が、安定した光学特性を備えるので、基板に微細な回路パターンを露光することができる。
また、マスクのパターンを基板上に投影する投影光学系を備える露光装置において、投影光学系を構成する複数の光学部材のうち、基板に対向する第1光学部材とは異なる第2光学部材を保持する支持装置として、第1の発明の支持装置を用いられ、第2光学部材が隔てる基板側の空間に不活性ガスを供給するとともに、不活性ガスの一部が第1光学部材と基板との間の空間に供給するようにした。この発明によれば、基板に対向する第1光学部材にシール構造を設ける必要がないので、第1光学部材をシンプルかつコンパクトに構成することができる。したがって、第1光学部材の周囲にセンサ類等を配置しやすくなり、製品コストを抑えることができる。
また、不活性ガスの一部が第1光学部材と基板との間の空間に流出されるので、第1光学部材の曇りを防止することができ、安定した光学特性を維持することができる。
また、第1光学部材と基板との間の空間に流出した不活性ガスを外部に排気する排気部を備えるものでは、所望の光学特性等が維持されるので、基板に微細な回路パターンを露光することができる。
第4の発明は、リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、リソグラフィ工程において第3の発明の露光装置を用いるようにした。この発明によれば、微細なパターンを備えるデバイスを製造することができるので、半導体メモリの大容量化やCPUプロセッサの高速化・高集積化を達成することができる。
以下、本発明の支持装置、光学装置、露光装置、デバイスの製造方法の実施形態について図を参照して説明する。
図1は、露光装置STPの構成を示す概念図である。露光装置STPは、真空紫外域の露光光(エネルギービーム)ELをレチクル(マスク)Rに照明しつつ、レチクルRとウエハ(基板)Wとを一次元方向に相対的に同期移動させて、レチクルRに形成された回路パターンPAを投影光学系PLを介してウエハW上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、いわゆるスキャニング・ステッパである。
露光装置STPは、真空紫外域の露光光ELによりレチクルRを照明する露光照明系10、レチクルRを保持するレチクルステージ30、レチクルRから射出される露光光ELをウエハW上に照射する投影光学系PL、ウエハWを保持するウエハステージ50、露光装置STPの動作を統括的に制御する主制御系等から構成される。
また、露光装置STPには、後述する光源1から照射された露光光ELが、露光照明系10、レチクルステージ30及び投影光学系PLを経てウエハステージ50に戴置されたウエハWまで到達するように光路空間LSが形成されるが、露光光ELとして真空紫外域の波長の光を用いることから、この光路空間LSから露光光ELを吸収する吸光ガス(例えば、酸素、水蒸気、炭化水素系のガス)を低減させる必要がある。そのため、光路空間LSを形成する露光照明系10、レチクルステージ30、投影光学系PL及びウエハステージ50は、それぞれ密閉された空間(室)内に配置され、その各空間内から吸光ガスが排除され、真空紫外線の光に対するエネルギー吸収が少ない特性を有する特定ガス、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、等の不活性ガス、又はこれらの混合ガス(以下、低吸光性ガス(所定ガス)Gという)で満たされる。
露光照明系(照明系,光学装置)10は、光源1から照射された露光光ELによりレチクルR上の所定の照明領域内をほぼ均一な照度分布で照射するために、オプティカルインテグレータを含む照度均一化光学系、リレーレンズ、可変NDフィルタ、レチクルブラインド、及びダイクロイックミラー等(いずれも不図示)等を備える。
露光光ELとしては、波長約120nm〜約190nmの真空紫外線又は深紫外線であり、例えば、発振波長193nmのArFエキシマレーザ(ArFレーザ)、発振波長157nmのフッ素レーザ(F2レーザ)、発振波長146nmのクリプトンダイマーレーザ(Kr2レーザ)、発振波長126nmのアルゴンダイマーレーザ(Ar2レーザ)等が用いられる。
露光光ELとして真空紫外線を用いるため、露光照明系10は、照明系ハウジング11の内部に収納、密閉される。なお、照明系ハウジング11の下端には光透過窓12が設けられる。そして、照明系ハウジング11内は、吸光ガスを排除するために、低吸光性ガスGで満たされる。これにより、照明系ハウジング11内は吸光ガスの濃度が数ppm以下に維持される。
レチクルステージ30は、レチクルRを戴置するとともに、不図示の駆動部によりX方向に一次元走査移動し、さらにY方向、及び回転方向(Z軸回りのθ方向)に微動する。駆動部としては、例えばリニアコイルモータが用いられる。レチクルステージ30は、定盤31、移動テーブル32、レチクルホルダ33を備え、レチクルR上の回路パターンPAに対応した開口を有するレチクルホルダ33に、回路パターンPAを下にしたレチクルRが真空吸着機構により保持される。
レチクルステージ30は、レチクル室20内に配置される。レチクル室20は、照明系ハウジング11、投影光学系PLの鏡筒と隙間無く接合された隔壁21によって覆われて形成される。そして、レチクル室20の内部には、露光光ELを殆ど吸収しない低吸光性ガスG、ここでは窒素ガス(N)が常時供給される。
レチクル室20の隔壁21には、給気管路22の一端と排気管路23の一端がそれぞれ接続される。給気管路22の他端は、不図示の窒素ガス供給装置に接続される。また、排気管路23の他端は、不図示のガス排気装置に接続される。そして、窒素ガス供給装置から給気管路22を介して常時高純度の窒素ガスがレチクル室20内に供給され、一方、レチクル室20内のガスが排気管路23を介してガス排気装置に排気される。このようにして、窒素ガスがレチクル室20内に常時供給され、レチクル室20内の吸光ガス(酸素、水蒸気、有機物等)の濃度は、数ppm以下に維持される。
また、レチクル室20の隔壁21の−X側側壁には、光透過窓24が設けられる。同様に、+Y側の側壁にも光透過窓(不図示)が設けられる。そして、レチクル室20の外部に設けたレーザ干渉計35から光透過窓24を介して移動テーブル32上にX方向に延設された平面鏡からなる移動鏡34に対して測長レーザが略垂直に投射され、その反射光によりレチクルステージ30のY方向の位置、すなわちレチクルRの位置が逐次検出されて、不図示の主制御系に出力される。
投影光学系(光学装置)PLは、例えば、両面テレセントリックな縮小系、かつ共通のZ軸方向の光軸を有する複数枚のレンズエレメント(蛍石、フッ化リチウム等のフッ化物結晶からなるレンズや反射鏡)からなる屈折光学系が用いられる。投影光学系PLは、レチクルRを介して射出される照明光を所定の投影倍率β(βは、例えば1/4)で縮小して、レチクルRの回路パターンPAの像をウエハW上の特定領域(ショット領域)に結像させる。
投影光学系PLのレンズ材料は、熱膨張係数の大きな蛍石等の結晶材料で形成される。したがって、レンズが露光光ELを吸収することにより発生する温度上昇がレンズの結像特性等に対して与える影響が非常に大きい。そこで、投影光学系PL内の光路空間に供給される低吸収性ガスとしては、冷却効果が大きいヘリウムガスが用いられる。
しかしながら、ヘリウムガスは、窒素ガスや空気との屈折率の差が大きいため、ヘリウムガスを満たした投影光学系PLの鏡筒100内部に、レチクル室20或いは後述するウエハ室40内の窒素ガスがわずかでも混入すると、鏡筒100内のヘリウムガスの屈折率が変動して、投影光学系PLの結像特性が大幅に悪化してしまう。
このため、投影光学系PLの上端部(+Z側)及び下端部(−Z側)に投影光学系PLの鏡筒100内部のヘリウムガスと外部の窒素ガス等とを略完全に隔離する機構が設けられる。なお、このヘリウムガスと窒素ガスを隔離する機構を含む投影光学系PLの構造については、後に詳述する。
ウエハステージ50は、定盤51、XY平面内で移動可能なXYテーブル52、吸着機構を備えたウエハホルダ53等から構成され、ウエハWが吸着保持されるとともに、例えばリニアモータ等からなる不図示の駆動部によりに駆動される。
そして、ウエハステージ50は、ウエハ室40内に配置される。ウエハ室40は、投影光学系PLの鏡筒100と隙間なく接合された隔壁41で覆われており、その内部のガスが外部と隔離されている。ウエハ室40の内部には、露光光ELを殆ど吸収しない低吸光性ガスG、ここでは窒素が常時供給される。
なお、ウエハステージ50は、複数の防振ユニット56を介してウエハ室40内に水平に支持される。また、ウエハ室40は、複数の防振ユニット57を介して床面F上に支持される。防振ユニット57によって床面Fからの微振動が絶縁されるとともに、防振ユニット56によってウエハステージ50の移動に伴う振動が隔壁41や投影光学系PLに伝達されることが抑制される。
また、ウエハ室40の隔壁41には、図1に示すように、給気管路42一端と、排気管路43の一端がそれぞれ接続される。給気管路42の他端は、不図示の窒素ガス供給装置に接続される。また、排気管路43の他端は、不図示のガス排気装置に接続される。そして、窒素ガス供給装置から給気管路42を介して常時高純度の窒素ガスがウエハ室40内に供給され、一方、ウエハ室40内のガスが排気管路43を介してガス排気装置に排気される。
また、ウエハ室40内には、ウエハWの周辺に局所的に窒素ガスを供給及び排気して、ウエハWの周辺から吸光ガスを追放する局所パージ機構60が設けられる。ウエハWの周辺には、ウエハWのレジストから脱ガス等が発生するため、ウエハWの周辺に局所的に窒素ガスを供給及び排気することにより、ウエハWの周辺から吸光ガスを略完全に追放している。
局所パージ機構60は、ウエハWが戴置されるウエハホルダ53の周囲に給気管路61の一端と、排気管路62の一端とが対向配置して構成される。そして、それぞれの他端は、上述した窒素ガス供給装置とガス排気装置に接続される。
このようにして、窒素ガスがウエハ室40内、特にウエハWの周辺に常時供給され、吸光ガス(酸素、水蒸気、有機物等)の濃度は、数ppm以下に維持される。
また、ウエハ室40の隔壁41の−X側側壁には、光透過窓44が設けられる。同様に、隔壁41の+Y側の側壁にも光透過窓(不図示)が設けられる。
そして、ウエハ室40の外部に設置されがX軸レーザ干渉計55Xから光透過窓44を介してXYテーブル52の−X側の端部にY方向に延設された平面鏡からなるX移動鏡54Xに対して測長ビームが略垂直に投射され、その反射光によりXYテーブル52の位置、すなわちウエハWのX方向の位置が検出される。同様にウエハWのY方向の位置が検出され、その位置情報は不図示の主制御系に出力される。
また、露光装置STPは、露光装置STPを統括的に制御する主制御系(不図示)を備える。主制御系には、各種演算を行う演算部の他、各種情報を記録する記憶部、入出力部等が設けられる。
そして、例えば、露光量やレチクルステージ30及びウエハステージ50の位置等を制御して、レチクルRに形成された回路パターンPAの像をウエハW上のショット領域に転写する露光動作を繰り返し行う。
次に、投影光学系PLの構成等について図2を用いて詳述する。
図2は、投影光学系PLの構成を示す断面図である。図2に示すように、投影光学系PLは、鏡筒(容器)100と、鏡筒100内部に所定間隔て配置された複数枚のレンズL,L,…,L(以下、これらをまとめてレンズ(光学部材,光学部材群)Lと呼ぶ)を備える。
また、鏡筒100の上端部及び下端部には、円形の平行平板からなる光学部材としての隔壁平板106,107が設けられる。この隔壁平板106,107により鏡筒100の内部と外部とが隔てられる。
鏡筒100の内周面には、各レンズLの周縁部を上下方向から複数箇所で保持するレンズ保持機構(支持装置、光学部材支持部)D,D,…,D(以下、これらをまとめてレンズ保持機構Dと呼ぶ)が設けられる。
レンズ保持機構Dは、レンズLを上下方向から保持するコ字形の保持ブロック(把持部)111と、鏡筒100の内側壁に固定されるとともに保持ブロック111を介してレンズLを戴置する円環形の支持部112とから構成される。
そして、保持ブロック111は、レンズLの外周側面Laに設けられた周縁部の一部、すなわち少なくとも3箇所の突起部(以下、タブTBと呼ぶ)を上下方向から保持する。レンズLのタブTBは、保持ブロック111により把持された際の歪みが十分に小さくなるように、光軸(Z)方向に厚い構造となっている。そして、タブTBを含むレンズLの外周側面Laの平面度は高く形成される。
このように保持ブロック111を介してレンズLを支持部112上に載せる構成とすることにより、レンズLの水平(XY)方向の位置を微調整することができる。また、保持ブロック111は、レンズの上下(Z)方向の位置を微調整する機構を備え、各種収差を低減できる。
なお、隔壁平板106,107は、隔壁平板106,107を下方向(或いは上下方向)から3箇所で支持する支持機構により支持される。また、隔壁平板106の外面は、ウエハWのレジストからの脱ガス等の不純物に常に曝されており、曇りが発生して透過率が低下しやすい。このため、交換しやすく、また設置再現性を確保しやすいように、鏡筒100の側壁とのクリアランスCLが大きく形成される。
そして、投影光学系PLの鏡筒100の光軸(Z)方向の略中央部に設けられたフランジ部FLGには、投影光学系PLの鏡筒100の内部と外部とを連通する給気経路101及び排気経路102がそれぞれ形成される。これらの給気経路101及び排気経路102には、給気管路103及び排気管路104の一端部がそれぞれ接続されており、給気管路103及び排気管路104の他端部は、鏡筒100内にヘリウムガスを供給するとともに、鏡筒100内のヘリウムガスを吸引(排気)するガス排気装置(不図示)に接続される。
ガス排気装置は、給気経路101及び給気管路103を介して低吸光性ガスGとしてのヘリウムガス(He)を投影光学系PLの鏡筒100内に常時供給し、一方、排気経路102及び排気管路104を介して鏡筒100内のガスを外部に排気することにより、鏡筒100内のガスを高純度のヘリウムガスに置換する。これにより、投影光学系PLの鏡筒100内部の吸光ガスの濃度は、常時数ppm以下の濃度に維持される。なお、鏡筒100内部に圧力センサ、濃度センサ等を設け、これらのセンサの計測値に基づいて、ガス排気装置に内蔵されたポンプ等の動作を主制御系により制御してもよい。
なお、フランジ部FLGを介して給排気を行うのは、機械的強度が高い部分を使用することで、ヘリウムガスの給気管路103及び排気管路104を経由して投影光学系PLに伝達される振動の影響を最小限に抑えるためである。
図3は、排気機構130を示す断面図である。
鏡筒100内の最下部に位置するレンズ(第2光学部材)Lを保持するレンズ保持機構Dには、鏡筒100内部からのヘリウムガスの流出、及びウエハ室40側から投影光学系PLの鏡筒100内部への気体の流入、すなわちウエハ室40内の窒素ガスの流入し、鏡筒100内のヘリウムガスと混合することを阻止するために排気機構130が設けられる。
このような排気機構130は、通常、上述した隔壁平板106の近傍に設けることが望ましい。しかしながら、隔壁平板106の近傍は、ウエハWと近接する領域であり、各種センサ(例えば、オートフォーカスセンサ)等が配置される等、各種装置が密集している。また、上述したように、隔壁平板106の交換を行いやすく、また、設置再現性を確保しやすくするために、鏡筒100の側壁とのクリアランスCLが大きく形成されている。このため、大きな間隔のクリアランスCLを封止ことは困難であり、また、この領域に鏡筒100内部からのヘリウムガスの流出及び鏡筒100内の外部ガスの流入を阻止する機構を設けるスペースを確保することが困難である。また、隔壁平板106は交換を前提とした光学部品であるため、ランニングコスト低減の観点から比較的薄く形成される。一方、レンズLは隔壁平板106に比べて厚く形成されることが多く、強度的に有利である。
そこで、スペース上の制約が少なく、また強度上有利である、隔壁平板106に最も近接するレンズLの近傍に排気機構130を設け、一方、隔壁平板106と鏡筒100の側壁とのクリアランスCLからはガスの流通が可能としている。
レンズLを保持する保持ブロック111が戴置される支持部112の内周側面112aは、レンズLの外周側面Laと約10μm程度の微小な隙間(以下、クリアランス(間隔)CLという)を空けて近接するように形成される。レンズLは、隔壁平板106,107とは異なり、交換部品ではないため、交換作業用隙間、すなわちクリアランスCLを小さくすることができる。
なお、レンズLの外周側面Laは、光軸方向(Z方向)に平行に形成されており、支持部112の内周側面112aもレンズL1の外周側面Laに略平行になるように光軸方向に平行に形成される。
そして、支持部112の内周側面112aには、すなわちレンズLの外周側面Laと対向する面には、その全周にわたって所定深さ(例えば数μm)の排気溝131が形成される。更に、排気溝131の内部底面には、鏡筒100の外面まで貫通した複数の排気通路(排気口)132が所定間隔(角度)で形成される。これらの排気通路132のそれぞれには、排気管路133の一端に接続される。また、これらの排気管路133の他端は、不図示のバキュームポンプに接続される。
そして、バキュームポンプが動作すると、排気通路132及び排気管路133を介して排気溝131内部に負圧が生じ、レンズLの外周側面Laを取り囲むクリアランスCLに存在するガスが、排気溝131から複数の排気通路132及び排気管路133を介して外部に強制排気される。
このため、レンズLが隔てる2つの空間(ウエハW側の空間をS、鏡筒100内部側の空間をSとする)において、例えば空間S内のガスが空間Sに流入しようとしても、クリアランスCLを通過する際に、排気溝131に引き込まれ、更に排気通路132及び排気管路133から外部に強制排気される。これにより、空間Sと空間Sに存在するガスが互いに他方の空間に流入することが防止される。
また、レンズLは隔壁平板106に比べて厚く形成されるので、バキュームポンプの動作に伴う減圧に対して歪みが生じにくく、光学特性を維持できる。また、クリアランスCLの間隔が狭く、更にZ方向の距離(すなわちレンズの厚み)が長いので、クリアランスCLを通過するガスを確実に捕捉することができる。
また、クリアランスCLが狭いので、バキュームポンプにより排気されるヘリウムガス或いは窒素ガスの量はごく少量である。このため、これらのガスの使用量増加は僅かであり、排気機構130による強制排気に伴うコスト上昇は無視できる程度である。
なお、排気通路132及び排気管路133の数、間隔、口径、吸引流量等は、バキュームポンプの動作により排気溝131の全周にわたって略均一な負圧が生じ、クリアランスCLに存在する気体が確実に強制排気できる程度となるように、予め実験で求めておく。
ところで、上述したレンズLが隔てる2つの空間S,SのうちレンズLと隔壁平板106の間の空間Sには、供給管路108を介して窒素ガスが供給される。しかしながら、上述したように、レンズ保持機構Dに排気機構130を設けたため、空間Sと空間Sに存在するガスが混合することが防止される。すなわち、窒素ガスが鏡筒100の更に内部側に流入することはない。一方、隔壁平板106の支持部には、シール機構が設けられていないため、空間S1に供給された窒素ガスは、隔壁平板106と鏡筒100の壁面との間を流通し、ウエハステージ50側に流出する。ウエハステージ50が配置されるウエハ室40には、窒素ガスが供給されているため、空間Sに供給された窒素ガスがウエハステージ50側(以下、隔壁平板106とウエハWとの間の空間をS11と呼ぶ)に流入しても問題は発生しない。
また、図2に示すように、投影光学系PLの最上部のレンズLを保持するレンズ保持機構Dにも排気機構140が設けられる。排気機構140は、排気機構130と同様な構成である。すなわち、レンズ保持機構Dを構成する支持部112の内周側面112aに排気溝が形成されるとともに、排気溝の内部底面には、鏡筒100の外面まで貫通した複数の排気通路(排気口)142が所定間隔で形成される。また、排気通路142のそれぞれには、排気管路の一端が接続され、他端はバキュームポンプに接続される。
図4は、局所パージ機構60を示す図である。上述したように、隔壁平板(第1光学部材)106とウエハWとの間には、この空間S11を局所的にパージする局所パージ機構60が設けられている。局所パージ機構60は、投影光学系PL及びウエハステージ50とは非接触に配置される。したがって、局所パージ機構60と投影光学系PLの間、及び局所パージ機構60とウエハステージ50との間には、隙間CLが形成される。したがって、局所パージ機構60から供給された窒素ガス及び隔壁平板106側の空間Sから流入した窒素ガスの一部が局所パージ機構60の排気管路62から排気されずに隙間CLから外部に漏れたり、或いは局所パージ機構60の外周部から隙間CLを介して吸光ガスが流入したりするおそれがある。そこで、局所パージ機構60の外周部に更に排気管路(排気部)65を設けて、空間S11から隙間CLを介して漏れてきた窒素ガス、及び隙間CLを介して空間S11に流入しようとするガスを外部に強制排気するようにする。
このように、空間Sに供給された窒素ガスを隔壁平板106と鏡筒100の壁面との間を流通させてウエハステージ50側に流出することにより、隔壁平板106の曇りの発生を抑えることができる。また、局所パージ機構60の外周部に更に排気管路65を設けることにより、局所パージ機構60が抱える問題を解決することができる。
次に、上述した構成を備える露光装置STPによる露光作業について、簡単に説明する。
まず、各種の露光条件が設定された後に、不図示の主制御系の管理の下で、レチクル顕微鏡及びオフアクシス・アライメントセンサ等(ともに不図示)を用いたレチクルアライメント、アライメントセンサのベースライン計測等の所定の準備作業が行われる。その後、主制御系の管理の下、アライメントセンサを用いたウエハWのファインアライメント(エンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)等)が終了し、ウエハW上の複数のショット領域の配列座標が求められる。
ウエハWの露光のための準備作業が終了すると、不図示の主制御系がアライメント結果に基づいてウエハW側のX軸レーザ干渉計55X及びY軸レーザ干渉計55Yの計測値をモニタしつつ、ウエハWのファーストショット(第1番目のショット領域)の露光のための加速開始位置(走査開始位置)にウエハ駆動系に指令してウエハステージ50を移動させる。
次いで、主制御系がレチクル駆動系及びウエハ駆動系に指令して、レチクルステージ30及びウエハステージ50とのX軸方向の走査を開始し、レチクルステージ30,ウエハステージ50がそれぞれの目標走査速度に達すると、露光光ELによってレチクルRのパターン領域が照射され、走査露光が開始される。
そして、レチクルRのパターン領域の異なる領域が露光光ELで逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、ウエハW上のファーストショット領域に対する走査露光が終了する。これにより、レチクルRの回路パターンPAが投影光学系PLを介してウエハW上のファーストショット領域のレジスト層に縮小転写される。このファーストショット領域に対する走査露光が終了すると、主制御系により、ウエハステージ50がX,Y軸方向にステップ移動し、セカンドショット領域の露光のための加速開始位置に移動する。すなわち、ショット間ステッピング動作が行われる。そして、セカンドショット領域に対して上述した走査露光を行う。
このようにして、ウエハWのショット領域の走査露光と次ショット領域の露光のためのステッピング動作とが繰り返し行われ、ウエハW上の全ての露光対象ショット領域にレチクルRの回路パターンPAが順次転写される。
ここで、ウエハW上の各ショット領域に対する走査露光に際して、その光学特性が最大限発揮できる状態が維持される。すなわち、投影光学系PLの鏡筒100内にヘリウムガスが供給され、また、レチクル室20、ウエハ室40内に窒素ガスが供給される。これにより、それぞれの内部空間の吸光ガスの濃度が数ppm以下程度に維持された高精度パージが実現されている。また、排気機構130,140の作用により、投影光学系PLの鏡筒100の内部のガスの屈折率が安価かつ一定に維持されるとともに、レンズL,Lの変形が抑制されてレンズL,Lの光学特性も維持される。さらに、隔壁平板106,107の曇りも抑制される。
したがって、光源1からウエハWに至るまでの露光光ELの光路空間LSのガス環境を略理想的な環境に維持し、しかも、レンズL,Lの光学特性も変動しないので、露光光ELの照度低下や各種収差の発生を抑制して、精度の高い露光を実現することができる。
また、経時的にみても、投影光学系PLの結像特性の劣化が殆ど起こらず、また、レチクル室20及びウエハ室40に充填されるガスの屈折率の変動も抑制される。したがって、ウエハW上の転写パターンの劣化も防止できる。
図5は、レンズLの外形形状を変化させた例を示す図である。図5に示すように、レンズLの外周側面Laが光軸方向(Z方向)に対して所定の角度となるように形成してもよい。また、支持部112の内周側面112aもレンズLの外周側面Laに略平行になるように光軸方向に対して所定の角度となるように形成する。レンズLは、ウエハWに最も近接するレンズであるため、レンズLの外周側面Laを光軸方向に対して所定の角度となるように形成しても、所望の光学特性を得ることができる。
そして、レンズLを光軸方向に移動させることにより、クリアランスCL、すなわちレンズLの外周側面Laと支持部112の内周側面112aとの隙間を変化させることができる。このようにクリアランスCLを変化させることにより、排気通路132及び排気管路133の増設等を行うことなく、排気機構130の排気量を容易に調整することができる。
なお、排気機構140についても、同様に、レンズLtの外周側面La及び支持部112の内周側面112aを光軸方向に対して所定の角度となるように形成してもよい。
これにより、排気機構130,140の排気量を個別に調整することができる。なお、レンズL,Lの光軸方向の移動は、保持ブロック111が備える上下方向の位置調整機構を用いることができるので、設備コストを上昇させることはない。
また、上述した実施形態では、排気機構130,140をレンズ保持機構D,Dの支持部112に設ける場合について説明したが、保持ブロック111に排気機構150を設けてもよい。
図6は、保持ブロック111に設けられた排気機構150を示す図である。図6に示すように、保持ブロック111におけるレンズL(或いはレンズL)のタブTBの外周側面TBaに対向する面111aに排気溝151を設ける。そして、排気溝151に排気経路(排気口)152及び排気管路153を設ける。排気管路153は、不図示のバキュームポンプに連結する。なお、排気機構150の作用は、排気機構130,140と同様である。
元来、保持ブロック111は、レンズLと近接する部材であるため、レンズLとの隙間CLを容易に狭く形成することができるので、排気機構130,140を配置する上で好適である。なお、支持部112とレンズLとの間の隙間からガスが流通することが防止するため、支持部112の内周側面112aの形状をレンズLの外周側面Laに倣わせることが望ましい。
また、保持ブロック111は、レンズLの外周上の数箇所(少なくとも3箇所以上)にしかないので、支持部112に設けた排気機構130,140と同時に使用することが望ましい。排気機構130,140と排気機構150とを同時に動作させることにより、よりガスの混合を防止することができる。
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲においてプロセス条件や設計要求等に基づき種々変更可能である。本発明は、例えば以下のような変更をも含むものとする。
例えば、露光照明系10の光透過窓12の支持装置に、上述した排気機構130を設けてもよい。
また、例えば、排気機構を備えた支持部によって支持する光学部材としては、曲面レンズに限らず、平行隔板、ビームスプリッタ、ダイクロイックミラーなど、光学装置に用いられる様々な光学部材が適用可能である。また、その支持構造は、上述した実施例で示した構造に限らず、光学部材の設置スペースや光学部材の特性や要求精度に応じて適宜決定される。
また、上述したレンズ保持部材など、支持部における光学部材に接する部分の材質としては、ケミカルクリーン対策が施された樹脂あるいは金属部材が好ましく用いられる。また、インバー材など、熱歪みが生じにくい材質を用いることにより、熱の発生に伴う台座の変形を防ぎ、光学部材での歪みの発生や、光学部材の姿勢の乱れを抑制することができる。
また、光路上から吸光物質を排除するには、予め構造材料表面からの脱ガス量を低減する処置を施しておくことが好ましい。例えば、(1)構造材料の表面積を小さくする、(2)構造材料表面を機械研磨、電解研磨、バル研磨、化学研磨、又はGBB(Glass Beads Blasting)といった方法によって研磨し、構造材料の表面粗さを低減しておく、(3)超音波洗浄、クリーンドライエア等の流体の吹き付け、真空加熱脱ガス(ベーキング)などの手法によって、構造材料表面を洗浄する、(4)炭化水素やハロゲン化物を含む電線被膜物質やシール部材(Oリング等)、接着剤等を光路空間に可能な限り設置しない、等の方法がある。
また、照明系チャンバからウエハ操作部のカバーを構成する筐体(筒状体等も可)や、透過性ガスを供給する配管は、不純物ガス(脱ガス)の少ない材料、例えばステンレス鋼、チタン合金、セラミックス、四フッ化エチレン、テトラフルオロエチレン−テルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、又はテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロペン共重合体等の各種ポリマーで形成することが望ましい。
また、レンズにより隔てられる空間には、気体が供給される場合の他、液体を供給する場合もある。例えば、投影光学系PLとウエハWの間に水やフッ素系オイル等の液体を供給してもよい。この場合には、投影光学系PL内の気体が投影光学系PLとウエハWの間に漏れたり、逆に、投影光学系PLとウエハWの間の液体が投影光学系PL内に漏れたりすることが防止できる。
また、各筐体内の駆動機構(レチクルブラインドやステージ等)などに電力を供給するケーブルなども、同様に上述した不純物ガス(脱ガス)の少ない材料で被覆することが望ましい。
なお、本発明は走査露光型の投影露光装置のみならず、一括露光型(ステッパ型)の投影露光装置等にも適用できることは明らかである。これらに備えられる投影光学系は、反射屈折系のみならず、屈折系や反射系であってもよい。さらに、投影光学系の倍率は縮小倍率のみならず、等倍や拡大であってもよい。
また、本発明はエネルギービームとして、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)を使用する場合や、Krレーザ光(波長146nm)、Arレーザ光(波長126nm)、YAGレーザ等の高調波、又は半導体レーザの高調波等の波長が200nm〜100nm程度の真空紫外光にも適用できる。
また、露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適当できる。
また、ウエハステージやレチクルステージにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。
また、ステージの駆動装置として平面モ−タを用いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に設ければよい。
また、ウエハステージの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
また、レチクルステージの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
以上のように、本願実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
そして、上記のように露光が行われたウエハが、現像工程、パターン形成工程、ボンディング工程、パッケージング等を経ることによって、半導体素子等の電子デバイスが製造される。
露光装置の構成を示す概念図 投影光学系の構成を示す断面図 排気機構を示す断面図及び上面図 局所パージ機構を示す図 レンズの外形形状を変化させた例を示す図 保持ブロックに設けられた排気機構を示す断面図
符号の説明
10 露光照明系(照明系,光学装置)
65 排気管路(排気部)
100 鏡筒(容器)
106 隔壁平板(光学部材、第1光学部材)
107 隔壁平板(光学部材)
111 保持ブロック(把持部)
130,140,150 排気機構
132,142,152 排気通路(排気口)
EL 露光光(エネルギービーム)
STP 露光装置
PL 投影光学系(光学装置)
D(D〜D) レンズ保持機構(支持装置、光学部材支持部)
L(L〜L) レンズ(光学部材、光学部材群)
レンズ(第2光学部材)
La(La〜La) 外周側面
TB タブ
CL クリアランス(間隔)
LS 光路空間
,S,S11 空間
R レチクル(マスク)
PA 回路パターン
W ウエハ(基板)
G 所定ガス

Claims (10)

  1. エネルギービームの光路上に配置される光学部材を支持する支持装置において、
    前記光学部材が収容される容器の壁面と前記光学部材の外周側面との間で、かつ前記光学部材の外周側面との間に所定の間隔を空けて設置され、前記光学部材の外周側面の近傍に存在するガスを前記容器の外部に排気する排気機構を備えることを特徴とする支持装置。
  2. 前記光学部材の周縁部の一部を把持する把持部を有し、前記排気機構は、前記把持部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
  3. 前記排気機構は、前記光学部材の外周側面に対向する排気口を有することを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
  4. 前記外周側面は、前記エネルギービームの光軸に対して所定角度に傾けて形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の支持装置。
  5. 前記光学部材が隔てる2つの空間のうちの少なくとも一方に所定のガスが供給されることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の支持装置。
  6. エネルギービームの光路上に光学部材群が配置される光学装置において、
    前記光学部材群を支持する複数の光学部材支持部のうちの少なくとも1つに、請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の支持装置が用いられることを特徴とする光学装置。
  7. パターンが形成されたマスクをエネルギービームにより照明する照明系と、前記マスクのパターンを基板上に転写する投影光学系との少なくとも一方を、請求項6に記載の光学装置で構成することを特徴とする露光装置。
  8. マスクのパターンを基板上に投影する投影光学系を備える露光装置において、
    前記投影光学系を構成する複数の光学部材のうち、前記基板に対向する第1光学部材とはことなる第2光学部材を保持する支持装置として、請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の支持装置を用いられ、
    前記第2光学部材が隔てる前記基板側の空間に不活性ガスを供給するとともに、前記不活性ガスの一部が前記第1光学部材と前記基板との間の空間に流出することを特徴とする露光装置。
  9. 前記第1光学部材と前記基板との間の空間に流出した前記不活性ガスを外部に排気する排気部を備えることを特徴とする請求項8に記載の露光装置。
  10. リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、前記リソグラフィ工程において請求項7から請求項9のうちいずれか一項に記載の露光装置を用いることを特徴とするデバイスの製造方法。


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