JP2001189268A - 露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法

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JP2001189268A JP2000317550A JP2000317550A JP2001189268A JP 2001189268 A JP2001189268 A JP 2001189268A JP 2000317550 A JP2000317550 A JP 2000317550A JP 2000317550 A JP2000317550 A JP 2000317550A JP 2001189268 A JP2001189268 A JP 2001189268A
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Takechika Nishi
健爾 西
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長200nm以下の露光用照明光を用いる
場合に、ケミカルクリーン及び照明光の透過率の面で、
高い性能を発揮する。 【解決手段】 投影光学系の像面側の端面、基板ステー
ジ及びその駆動装置を含む第1空調室152と、投影光
学系の物体面側の端面、マスクステージ及びその駆動装
置を含む第2空調室154と、前記投影光学系を含む第
3空調室156と、照明光学系を含む第4空調室158
と、第1及び第2空調室内に中純度のヘリウムガスを供
給して空調を行う空調制御装置162と、第3及び第4
空調室内に高純度のヘリウムガスを供給して空調を行う
空調制御装置164とを備える。従って、空調制御装置
162と空調制御装置164とで、それぞれに要求され
る性能に応じた空調用の気体を用いて、流量や汚染を独
立して管理でき、各々理想的な制御を独立して行うこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光装置及び露光
方法、並びにデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、
例えば半導体素子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素
子、又は薄膜磁気ヘッド等を製造するためのリソグラフ
ィ工程中で、マスクパターンを基板上に転写するために
使用される露光装置及び露光方法、並びにこれらを用い
たデバイス製造方法に関する。本発明は、特にF2レー
ザ光のような真空紫外光を露光用の照明光として用いる
露光装置に適用して卓効あるものである。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体素子を製造する際に、マス
クとしてのレチクルのパターンをフォトレジストが塗布
されたウエハの各ショット領域に転写するための露光装
置として、従来はステップ・アンド・リピート方式(静
止露光方式)の縮小投影型露光装置(ステッパ)が多用
されていた。これに対して最近、投影光学系に対する負
担をあまり大きくすることなく、転写対象パターンを大
面積化するという要請に応えるために、レチクル上のパ
ターンの一部を投影光学系を介してウエハ上に縮小投影
した状態で、レチクルとウエハとを投影光学系に対して
同期走査することにより、レチクル上のパターンの縮小
像を逐次ウエハ上の各ショット領域に転写するステップ
・アンド・スキャン方式の投影露光装置、すなわちいわ
ゆるスキャニング・ステッパが注目されている。このス
キャニング・ステッパは、1回の走査露光でレチクルの
全面のパターンを等倍でウエハの全面に転写するアライ
ナーの転写方式(スリットスキャン方式)の長所と、ス
テッパの転写方式の長所とを組み合わせて発展させたも
のである。
【0003】また、一般に投影露光装置では、より解像
度を高めることが求められているが、解像度を高めるた
めの1つの方法が、露光用の照明光としてより短波長の
光束を使用することである。従来は、この露光用の照明
光として超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、
i線等)が用いられていたが、近年ではKrFエキシマ
レーザ光(波長248nm)若しくはArFエキシマレ
ーザ光(波長193nm)等の遠紫外域若しくは真空紫
外域の光が使用されるに至った。また、金属蒸気レーザ
光やYAGレーザ光の高調波等の使用も検討されてい
る。
【0004】ところで、エキシマレーザ光のような紫外
光を露光用の照明光として使用する場合、紫外光はオゾ
ンにより吸収されると共に、フォトレジストの特性をも
考慮して、投影露光装置の内部に窒素(N2)ガス、又
はオゾンを除去した気体(空気等)を循環させる必要性
が指摘されていた。しかしながら、例えば単に投影露光
装置が設置されているチャンバの内部の気体の全部を窒
素ガス等に置き換えるのでは、メンテナンス時等に作業
者が不注意によりチャンバの扉を開放した場合に、高濃
度の窒素ガスが漏出する恐れがある。
【0005】かかる不都合を改善するものとして、特開
平9−246140号公報に、「露光光源として紫外域
以下の波長で発振するレーザ光源を使用し、その照明光
学系、投影光学系、レチクルステージ、及び基板ステー
ジを複数個の独立のケーシング内に収納し、これら複数
個のケーシングの内の少なくとも1つのケーシング内に
複数種類の気体を切り換えて供給する気体供給手段を設
けた投影露光装置」が開示されている。この投影露光装
置では、選択されたケーシング内に通常の露光時には露
光用の照明光に対する吸収率の低い気体が供給され、メ
ンテナンス時に試験的に露光を行うようなときには、作
業者にとって安全な空気等の気体が供給されるので、上
記の高濃度の窒素ガスの漏出をほぼ確実に防止すること
ができ、メンテナンスが実施し易いというメリットがあ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】半導体素子の高集積化
の要請は年々厳しくなり、これに伴って露光装置には、
より一層の解像度(解像力)の向上が要請されるように
なってきた。このため、露光用照明光としても、KrF
エキシマレーザ光やArFエキシマレーザ光ではもはや
不十分であり、より短波長のF2レーザ光(波長157
nm)あるいはそれより短波長の真空紫外光を露光用照
明光として用いることが真剣に検討されるに至ってお
り、次世代の露光装置としては、F2レーザ露光装置が
有力な選択肢の1つであることは間違いない。
【0007】しかるに、上記公報に記載の投影露光装置
では、KrFエキシマレーザ光やArFエキシマレーザ
光を露光用照明光として用いることを前提としているた
め、窒素、オゾンを除去した空気、空気の3種類の内の
任意の2種類の気体を切り換えて使用することとしてい
た。
【0008】また、上記公報に記載の投影露光装置で
は、循環する窒素のうちで、純度の低い部分を外部の大
気に放出していた。
【0009】一方、F2レーザ光あるいはそれより短波
長の真空紫外光を露光用照明光として用いる場合、真空
紫外光は光路上の酸素、水蒸気、及び炭化水素ガス等の
気体により吸収されてしまい、レーザ光束の十分な透過
率を確保することが困難である。そのため、レーザ光束
の光路から上記気体を排除するために、ヘリウムを用い
て、その光路上の気体を置換する可能性がある。
【0010】ヘリウムは窒素などに比べて高価であるこ
とから、上記公報に記載の投影露光装置において、単に
窒素に代えてヘリウムを用いるのみでは、コストの上昇
を招くことになる。また、ArFエキシマレーザ光を用
いる場合に比べて、F2レーザ光等を用いる場合には、
光路中を一層ケミカルクリーンな状態に保つ必要もある
ため、かかる点においても、上記公報に記載の発明をそ
のまま用いたのでは不十分である。
【0011】本発明は、かかる従来技術の有する不都合
に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、ケミカル
クリーン及び露光用照明光の透過率の面で、高い性能を
発揮することができる新たな露光装置及び露光方法を提
供することにある。
【0012】また、本発明の第2の目的は、高集積度の
マイクロデバイスの生産性を向上させることができるデ
バイス製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、光源からの照明光により基板(W)を露光する露光
装置であって、前記光源から前記基板に至る前記照明光
の光路上に配置され、前記照明光が通過する距離が短
く、かつ所定レベルのケミカルクリーン度が要求される
少なくとも1つの第1のタイプの空調室(152、15
4)と;前記光路上に配置され、前記照明光が通過する
距離が前記第1のタイプの空調室より長く、前記第1の
タイプの空調室に比べて高いケミカルクリーン度が要求
される少なくとも1つの第2のタイプの空調室(15
6、158)と;前記第1のタイプの空調室内に空調用
の第1の気体を供給して空調を行う第1の空調制御装置
(162)と;前記第2のタイプの空調室内に空調用の
第2の気体を供給して空調を行う第2の空調制御装置
(164)とを備える露光装置である。
【0014】ここで、空調とは、一般的には、空気調
節、すなわち室内の空気の温度や湿度を、一番いい状態
に保つように自動的に調節すること(エアコンディショ
ニング)を意味するが、本明細書において、「空調」と
は空気に限らず、気体を室内に送り込んで、上記空気調
節と同様に室内環境を所望の状態に保つように調節する
ことを意味する。
【0015】これによれば、第2のタイプの空調室で
は、照明光(照明光束)が通過する気体部分が多く、高
いケミカルクリーン度が要求されるので、照明光の吸収
を極力抑制してかつケミカルクリーンな空調を行う必要
がある一方、第1のタイプの空調室では、照明光が通過
する距離が短く、かつ要求されるケミカルクリーン度が
第2のタイプの空調室ほど高くないので、照明光が通過
する部分の気体による照明光吸収は小さく、ある程度の
ケミカルクリーンな空調を行うだけで足りる。このよう
に第1のタイプの空調室と第2のタイプの空調室とで空
調に要求される性能が異なっている。
【0016】しかるに、請求項1に記載の露光装置で
は、第1の空調制御装置により、第1のタイプの空調室
内に空調用の第1の気体を供給して空調が行われ、第2
の空調制御装置により、第2のタイプの空調室内に空調
用の第2の気体を供給して空調が行われるようになって
いる。このため、第1の空調制御装置と第2の空調制御
装置とで、それぞれに要求される性能に応じた空調用の
気体を用いて、流量や汚染を独立して管理することが可
能になり、各々理想的な制御を独立して行うことが可能
になる。従って、例えば第1のタイプの空調室内に光学
系を配置し、第2のタイプの空調室内に塵等を嫌うマス
クあるいは基板等を配置することにより、光学系の透過
率劣化や塵付着を防止することが可能となる。また、そ
れぞれに要求されるケミカルクリーン度も容易に達成す
ることができる。
【0017】この場合において、請求項2に記載の発明
の如く、前記第2の気体は純度の高い不活性ガスであ
り、前記第1の気体は、前記第2の気体より純度の低い
不活性ガスであることとすることができる。
【0018】請求項1に記載の露光装置において、請求
項3に記載の発明の如く、前記第1のタイプの空調室と
前記第2のタイプの空調室とを収容する第3のタイプの
空調室(151)と;前記第3のタイプの空調室内に空
調用の第3の気体を供給して空調を行う第3の空調制御
装置(166)とを更に備えることとすることができ
る。すなわち、第1のタイプの空調室と前記第2のタイ
プの空調室との外側に、これらを収容し、第3の空調制
御装置により第3の気体を用いて空調される第3のタイ
プの空調室を設け、二重構造の空調室を構成することが
できる。
【0019】この場合において、請求項4に記載の発明
の如く、前記第2のタイプの空調室の空調に用いられる
前記第2の気体は純度の高い不活性ガスであり、前記第
1のタイプの空調室の空調に用いられる前記第1の気体
は、前記第2の気体より純度の低い不活性ガスであり、
前記第3の気体は、前記第1の気体より更に純度の低い
前記不活性ガスを含む気体であることとすることができ
る。
【0020】請求項1に記載の露光装置において、請求
項5に記載の発明の如く、マスク(R)を前記照明光に
より照明する照明光学系(IOP)と、前記マスクを保
持するマスクステージ(RST)と、前記マスクから出
射される前記照明光を前記基板に投射する投影光学系
(PL)と、前記基板を保持する基板ステージ(WS
T)とを含んで構成される露光装置本体を備え、前記第
1のタイプの空調室として、前記投影光学系の像面側の
端面、前記基板ステージ及びその駆動装置を含む第1空
調室(152)と、前記投影光学系の物体面側の端面、
前記マスクステージ及びその駆動装置を含む第2空調室
(154)との少なくとも一方を有し、前記第2のタイ
プの空調室として、前記投影光学系を含む第3空調室
(156)と、前記照明光学系を含む第4空調室(15
8)との少なくとも一方を有することとすることができ
る。
【0021】一般に、光学系が含まれる第3空調室及び
第4空調室内では、照明光束が通過する気体部分が多
く、照明光の吸収を極力抑制してかつケミカルクリーン
な空調を行う必要がある一方、ステージ系が含まれる第
1空調室及び第2空調室内では、照明光が通過する距離
が短くその部分の気体による照明光吸収は小さいので、
例えばステージの位置を干渉計を用いて計測する場合に
その計測精度を悪化させない程度のケミカルクリーン度
があれば足りる。但し、第1空調室、第2空調室内では
基板、マスクに塵が付着するのを防止するため、ある程
度の流量の気体を流す必要がある。このように第1、第
2空調室と第3、第4空調室とで空調に要求される性能
が異なる。
【0022】本発明によれば、第1の空調制御装置によ
り、第1、第2の空調室の少なくとも一方の内部に空調
用の第1の気体を供給して空調が行われ、第2の空調制
御装置により、第3及び第4空調室の少なくとも一方の
内部に空調用の第2の気体を供給して空調が行われるの
で、第1の空調制御装置と第2の空調制御装置とで、そ
れぞれに要求される性能に応じた空調用の気体を用い
て、流量や汚染を独立して管理することが可能になり、
各々理想的な制御を独立して行うことが可能になり、光
学系の透過率劣化や塵付着を防止することが可能とな
る。
【0023】この場合において、前記第2の気体は純度
の高い不活性ガスであり、前記第1の気体は、前記第2
の気体より純度の低い不活性ガスであっても良い。第2
の気体は、照明光学系及び投影光学系等の光学系内空間
に供給されるものであるから、空調により汚染度が悪化
するのを防止するために純度の高い不活性ガスを用いる
必要がある。一方、メンテナンス頻度や、基板、マスク
の交換頻度が高いステージ部ではケミカルフィルタを用
いて汚染を無くす必要はあるが、そこに供給される第1
の気体は、上記の干渉計計測精度を悪化させないレベル
の純度があれば、それ以上高純度である必要は少ない。
【0024】請求項5に記載の露光装置において、請求
項6に記載の発明の如く、前記第1の空調制御装置によ
り、前記第1のタイプの空調室内に空調用の第1の気体
が供給され、その内部のガス置換が行われる際に、前記
第1のタイプの空調室内に収容された前記基板ステージ
及び前記マスクステージの少なくとも一方の特定ステー
ジを駆動するステージ制御装置(81)と更に備えるこ
ととすることができる。かかる場合には、メンテナンス
頻度の高い第1のタイプの空調室(第1、2の空調室の
少なくとも一方)内のみガス置換する際には、ステージ
制御装置により、前記基板ステージ及び前記マスクステ
ージの少なくとも一方の特定ステージを駆動しつつガス
置換が行われるので、そのステージの駆動により積極的
にガスが拡散され、より高速なガス置換が可能となる。
【0025】請求項5に記載の露光装置において、請求
項7に記載の発明の如く、前記第2の空調制御装置は、
予備電源により動作可能であり、装置の電源がオフされ
たとき、前記予備電源による動作を開始して前記第2の
タイプの空調室内からの内部ガスの排出を停止するとと
もに、前記空調用の第2の気体を僅かに供給することと
することができる。かかる場合には、元々メンテナンス
頻度が低く、前述の様な駆動部分が少ない投影光学系や
照明光学系については常に空調用の第2の気体をパージ
した状態を維持できるため、運転の再開に際し装置を立
上げる際に真空状態にする頻度が極めて少なくなり、不
要に装置へのストレスを与える必要がなくなり、立ち上
げ時間も短縮することができる。
【0026】請求項5に記載の露光装置において、請求
項8に記載の発明の如く、前記第1のタイプの空調室
は、露光時に、前記第1の気体を用いた全体空調と並行
して前記第2の気体を用いた部分的な空調が行われるこ
ととすることができる。
【0027】この場合において、請求項9に記載の発明
の如く、前記第1のタイプの空調室は、前記第2の気体
をその内部の特定箇所に導く通路を有することとするこ
とができる。
【0028】請求項5に記載の露光装置では、請求項1
0に記載の発明の如く、前記第1のタイプの空調室とし
て、前記第1空調室と前記第2空調室とを有し、前記第
2のタイプの空調室として、前記第3空調室と前記第4
空調室とを有することとすることができる。かかる場合
には、照明光学系から基板に至る照明光の光路の全てが
第1の気体又は第2の気体を用いて空調が行われること
になる。これにより、光学系の透過率劣化やマスク及び
基板に対する塵付着をより確実に防止することが可能と
なる。
【0029】この場合において、請求項11に記載の発
明の如く、前記第1の空調室と前記第3の空調室、前記
第3の空調室と前記第2の空調室、及び前記第2の空調
室と第4の空調室とは、シート部材(160C、160
B、160A)にてそれぞれ区画されていることとする
ことができる。かかる場合には、隣接する空調室間がシ
ート部材にてそれぞれ区画されているので、各空調室内
の気体を各々独立して大気と置換することができ、メン
テナンス時の作業性が極めて良くなる。この場合、シー
ト部材は、各空調室内のケミカルクリーン度の低下を抑
制する観点からは、ケミカルクリーン処理が施されてい
ることが望ましい。
【0030】この場合において、請求項12に記載の発
明の如く、前記シート部材は、少なくともその表面にケ
ミカル処理が施された耐圧シートであることとすること
ができる。かかる場合には、隣接する空調室間が少なく
ともその表面にケミカル処理が施された耐圧シートにて
それぞれ区画されているので、各空調室内のケミカルク
リーン度の低下を抑制することができるとともに、各空
調室内のガス置換に際し、各空調室内を一旦真空状態に
して内部ガスを急速に排気した後に、前述した不活性ガ
スを供給することにより、効率良くガス置換を行うこと
が可能となる。
【0031】あるいは、請求項13に記載の発明の如
く、前記シート部材は、金属箔を備えていることとして
も良い。かかる場合には、金属箔を備えたシート部材に
より振動伝達抑制効果の向上が期待できる。シート部材
は軟性プラスチックに金属を蒸着したシート部材であっ
ても良い。
【0032】上記請求項11に記載の露光装置では、請
求項14に記載の発明の如く、前記露光装置本体は、前
記基板ステージを移動可能に支持するとともに前記投影
光学系を支持し、防振機構(18A〜18C)により支
持された第1ユニット(12)と、前記第1ユニットと
は振動に関して独立し、前記基板ステージの駆動装置
(84)を支持する第2ユニット(14)とを備え、前
記シート部材は前記第1、第2ユニット間に生じる相対
的な位置変化に応じて変形することとすることができ
る。かかる場合には、隣接する空調室間を区画するシー
ト部材が、第1、第2ユニット間に生じる相対的な位置
変化に応じて変形するので、そのシート部材は第1、第
2ユニット間に生じる相対的な位置変化を妨げず、第
1、第2ユニット間で振動を伝えることがない。従っ
て、基板ステージの駆動装置を支持する第2ユニット側
の振動が投影光学系等を支持する第1ユニット側の振動
要因となるのを防止できるとともに、シート部材により
上記各空調室間を区画することができる。
【0033】この場合において、請求項15に記載の発
明の如く、前記第1ユニットは、前記マスクステージを
も移動可能に支持し、前記第2ユニットは前記マスクス
テージの駆動装置(82)をも支持することとしても良
い。
【0034】上記請求項14又は15に記載の露光装置
において、請求項16に記載の発明の如く、前記シート
部材は、所定の表面あらさ以下に抑えられた2つの部材
の間に前記シート部材を挟み込んだ状態で締結するとと
もにその締結を解除可能な締結機構(222、226)
によって前記各ユニットに締結されていることとするこ
とができる。かかる場合には、シート部材が、締結機構
により、その内面側と外面側に配置された所定の表面あ
らさ以下に抑えられた2つの部材(例えばスペーサ)を
介して第1、第2ユニットに締結されるので、シート部
材と各ユニットを密着することで、発生するガス汚染を
防止することができるとともに、空調室間の仕切り部材
を剛体により形成した場合に比べて軽量化が可能であ
る。また、締結機構は、締結を容易に解除できるので、
仕切り部材が固定される場合に比べてメンテナンス時の
作業性を向上させることができる。
【0035】上記請求項10に記載の露光装置におい
て、請求項17に記載の発明の如く、前記第3空調室と
前記第4空調室との空調に用いられる前記第2の気体は
純度の高い不活性ガスであり、前記第1空調室と前記第
2空調室との空調に用いられる前記第1の気体は、前記
第2の気体より純度の低い不活性ガスであることとする
ことができる。
【0036】上記請求項4及び17に記載の各露光装置
において、不活性ガスは、窒素、ネオン、アルゴン、ク
リプトン、キセノン等であっても良いが、請求項18に
記載の発明の如く、前記不活性ガスがヘリウムガスであ
っても良い。
【0037】上記請求項17に記載の露光装置におい
て、請求項19に記載の発明の如く、前記第1〜第4空
調室を含む第5空調室と;前記第5空調室内の空調を行
う第3の空調制御装置とを備えることとすることができ
る。
【0038】この場合において、請求項20に記載の発
明の如く、前記第1〜第4空調室内の空調にそれぞれ用
いられた気体中の前記不活性ガスの濃度を個別に検出す
る第1の濃度センサ(210A〜210D)と;前記第
1の濃度センサの出力に基づいて前記第1〜第4空調室
内の空調にそれぞれ用いられた気体中の前記不活性ガス
の濃度を監視する第1の監視装置(80)とを更に備
え、前記第1の監視装置により、前記第1及び第2空調
室の少なくとも一方である第1の特定空調室で、当該第
1の特定空調室内の空調に用いられた気体中の前記不活
性ガスの濃度が所定濃度以下であることが検出されたと
き、前記第1の空調制御装置が、前記第1の特定空調室
内に新しい第1の気体を供給するとともに、前記第1の
特定空調室内の空調に用いられた気体を前記第5空調室
の空調用の気体として前記第3の空調制御装置に対して
排出し、前記第1の監視装置により、前記第3及び第4
空調室の少なくとも一方である第2の特定空調室で、当
該第2の特定空調室内の空調に用いられた気体中の前記
不活性ガスの濃度が所定濃度以下であることが検出され
たとき、前記第2の空調制御装置が、前記第2の特定空
調室内に新しい第2の気体を供給するとともに、前記第
2の特定空調室内の空調に用いられた気体を前記第5空
調室の空調用の気体として前記第3の空調制御装置に対
して排出することとすることができる。
【0039】かかる場合には、第1及び第2空調室の少
なくとも一方である第1の特定空調室内の空調に用いら
れた気体中の不活性ガスの濃度がしきい値以下に低下す
ると、その濃度の低下が、第1の監視装置により第1の
濃度センサの出力に基づいて検出される。これにより、
第1の空調制御装置により、第1の特定空調室内に新し
い第1の気体が供給されるとともに、第1の特定空調室
内の空調に用いられた気体が第5空調室用の空調用の気
体として第3の空調制御装置に対して排出される。一
方、第3及び第4空調室の少なくとも一方である第2の
特定空調室内の空調に用いられた気体中の不活性ガスの
濃度がしきい値以下に低下すると、その濃度の低下が、
第1の監視装置により第1の濃度センサの出力に基づい
て検出される。これにより、第2の空調制御装置によ
り、第2の特定空調室内に新しい第2の気体が供給され
るとともに、第2の特定空調室内の空調に用いられた気
体が第5空調室用の空調用の気体として第3の空調制御
装置に対して排出される。そして、第3の空調制御装置
によって、その排出された気体を用いて第5空調室内の
空調が行われる。
【0040】本来、第1〜第4空調室内の気体は、高純
度の不活性ガス(第1及び第2空調室内に供給される第
1の気体は、第3及び第4空調室内に供給される第2の
気体に比べて不活性ガスの純度は低くても足りるが、あ
る程度の高純度である必要はある)で置換する必要があ
り、純度が下がるとそれをそのまま使用することはでき
なくなる。しかし、本発明の如く、第1〜第4空調室を
含む第5空調室(全体空調室)の内部にその純度が低下
した不活性ガスを供給すれば、第1〜第4空調室内を陽
圧にしなくても、僅かに入り込むガスも不活性ガスであ
ることから、その全体空調をN2やドライエア(乾燥空
気)で行う場合と比較すると、第1〜第4空調室内の不
活性ガスの純度が劣化する速度を極めて遅くすることが
できる。すなわち、不活性ガスが充填された空間を2重
構造にて構成することができ、これにより不活性ガスの
供給量も少なく抑えることが可能となる。
【0041】この場合において、請求項21に記載の発
明の如く、前記第1の濃度センサは、不純物濃度センサ
及びオゾンセンサの少なくとも一方を含むこととするこ
とができる。かかる場合には、第1の濃度センサの計測
値が、所定の許容量を超えたことにより、第1〜第4空
調室内気体中の不活性ガスの濃度が所定濃度値以下に低
下したことを検出できる。
【0042】上記請求項20に記載の露光装置におい
て、請求項22に記載の発明の如く、前記空調用の気体
をリサイクル用に貯蓄する貯蓄機構(214)と;前記
第5空調室内の空調に用いられた気体中の前記不活性ガ
スの濃度を検出するための第2の濃度センサ(215)
と;前記第2の濃度センサの出力に基づいて前記第5空
調室内の空調に用いられた気体中の前記不活性ガスの濃
度を監視する第2の監視装置(80)とを更に備え、前
記第2の監視装置により前記気体中の前記不活性ガスの
濃度が所定濃度以下であることが検出されたとき、前記
第3の空調制御装置は、前記第5空調室の空調に用いら
れた気体を前記貯蓄機構に排出することとすることがで
きる。かかる場合には、第1〜第4空調室内での使用に
より不活性ガスの純度が低下した気体が第5空調室内に
送り込まれ、その第5空調室内の空調を行うことにより
その気体の純度が所定濃度以下まで低下すると、その純
度の低下が第2の監視装置により第2の濃度センサの出
力に基づいて検出される。これにより、第3の空調制御
装置により、第5空調室の空調に用いられた気体が貯蓄
機構に排出される。このように、純度が低下した使用済
みの空調用の気体が外部に排出されることなく、貯蓄機
構に貯蓄されるので、環境の汚染を防止できるとともに
作業者がそれを吸引したりすることを防止することがで
きる。また、貯蓄機構に貯蓄された気体はリサイクルさ
れるのでコストダウンにもつながる。
【0043】この場合において、請求項23に記載の発
明の如く、前記第2の濃度センサは、不純物濃度センサ
及びオゾンセンサの少なくとも一方を含むこととするこ
とができる。かかる場合には、第2の濃度センサの計測
値が、所定の許容量を超えたことにより、第5空調室内
気体中の不活性ガスの濃度が所定濃度値以下に低下した
ことを検出できる。
【0044】請求項24に記載の発明は、光源からの照
明光により基板(W)を露光する露光方法であって、前
記光源から前記基板に至る前記照明光の光路のうち、前
記照明光が通過する距離が短く、かつ所定レべルのケミ
カルクリーン度が要求される第1の空間に、第1の気体
を供給し、前記光路のうち、前記照明光が通過する距離
が前記第1の空間より長い第2の空間に、第2の気体を
供給し、前記第1の空間が前記第1の気体で満たされ、
かつ前記第2の空間が前記第2の気体で満たされた後
に、前記光源からの照明光により前記基板を露光する露
光方法である。
【0045】この場合において、請求項25に記載の発
明の如く、前記第2の気体は、純度の高い不活性ガスで
あり、前記第1の気体は、前記第2の気体より純度の低
い不活性ガスであることとすることができる。
【0046】この場合において、請求項26に記載の発
明の如く、前記第1の空間と前記第2の空間とを収容す
る第3の空間を有する場合には、前記第3の空間に第3
の気体を供給することとしても良い。
【0047】この場合において、請求項27に記載の発
明の如く、前記第3の気体は、前記第1の気体より純度
の低い不活性ガスであることとすることができる。
【0048】この場合において、請求項28に記載の発
明の如く、前記第1の空間には、前記基板を保持するス
テージが収容され、前記第2の空間には、前記照明光に
より前記基板を露光するための光学系を収容することと
することができる。
【0049】リソグラフィ工程において、請求項29に
記載の発明の如く、請求項1〜23に記載の各露光装置
を用いて露光を行うことにより、基板上にパターンを精
度良く形成することができ、これにより、より高集積度
のマイクロデバイスを歩留まり良く製造することができ
る。
【0050】リソグラフィ工程において、請求項30に
記載の発明の如く、請求項24〜28に記載の各露光方
法を用いることにより、基板上にパターンを精度良く形
成することができ、これにより、より高集積度のマイク
ロデバイスを歩留まり良く製造することができる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
〜図12に基づいて説明する。図1には、一実施形態の
露光装置10の全体構成が概略的に示されている。この
露光装置10は、マスクとしてのレチクルRと基板とし
てのウエハWとを一次元方向(ここでは、図1における
紙面直交方向であるY軸方向とする)に同期移動しつ
つ、レチクルRに形成された回路パターンを投影光学系
PLを介してウエハW上の各ショット領域に転写する、
ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、す
なわちいわゆるスキャニング・ステッパである。
【0052】露光装置10は、不図示の光源からの照明
光によりレチクルRを照明する照明光学系IOP、レチ
クルRを保持するマスクステージとしてのレチクルステ
ージRST、レチクルRから出射される照明光をウエハ
W上に投射する投影光学系PL、ウエハWを保持する基
板ステージとしてのウエハステージWST、及びレチク
ルステージRST、ウエハステージWSTをそれぞれ移
動可能に支持するとともに投影光学系PLを保持する第
1ユニットとしての本体コラム12、及びレチクルステ
ージRSTやウエハステージWSTの駆動装置を支持す
る第2ユニット14等を備えている。なお、この図1に
おいては、レチクルステージRSTの駆動装置等は図示
が省略されている。
【0053】前記本体コラム12は、クリーンルームの
床面FD上に水平に載置された装置の基準となるフレー
ムキャスタと呼ばれるベースプレートBP上に立設され
た複数(ここでは3つ)のボディ支持部材16A、16
B、16C(但し、紙面奥側のボディ支持部材16Cは
図示省略)のそれぞれの上面に配置された防振機構とし
ての防振ユニット18A、18B、18C(但し、図1
においては、紙面奥側の防振ユニット18Cは図示省
略、図4参照)によってほぼ水平に支持された平面視三
角形状の鏡筒定盤20と、この鏡筒定盤20の下面に垂
下された吊り下げコラム22と、鏡筒定盤20の上面に
立設された支持コラム24とを備えている。
【0054】前記防振ユニット18A、18B、18C
のそれぞれは、ボディ支持部材16A、16B、16C
の上部に直列(又は並列)に配置された内圧が調整可能
なエアマウントとボイスコイルモータとを含んで構成さ
れている。これらの防振ユニット18A〜18Cによっ
て、ベースプレートBP及びボディ支持部材16A〜1
6Cを介して鏡筒定盤20に伝わる床面FDからの微振
動がマイクロGレベルで絶縁されるようになっている。
【0055】前記吊り下げコラム22は、鏡筒定盤20
の下面の三角形の各頂点の近傍で防振ユニット18A、
18B、18Cの位置より内側の位置から垂下された各
2本合計6本の定盤吊り下げ部材26と、これら6本の
定盤吊り下げ部材26によって各頂点近傍の位置が吊り
下げ支持された平面視三角形状(鏡筒定盤20より一回
り小さな三角形状)のベース部材としてのウエハベース
定盤28(図4参照)とから構成されている。
【0056】支持コラム24は、鏡筒定盤20上面の3
箇所、具体的にはウエハベース定盤28より一回り小さ
な三角形の各頂点の近傍位置に植設された3本の脚30
A、30B、30C(但し、図1においては、紙面奥側
の脚30Cは図示せず、図2参照)と、これらの脚30
A〜30Cによってほぼ水平に支持された平面視三角形
状(ウエハベース定盤28より一回り小さな三角形状)
のレチクルベース定盤32とを有している。
【0057】前記第2ユニット14は、ベースプレート
BPの上面に植設された4本の支柱34A、34B、3
4C、34D(但し、図1においては、紙面奥側の支柱
34C、34Dは図示せず、図2参照)と、これらの支
柱34A〜34Dによって、前記レチクルベース定盤3
2の上方で支持された平面視矩形のレチクル駆動装置支
持定盤36とを有している。本実施形態では、支柱34
A、34Bは、鏡筒定盤20の−Y側の辺(底辺)の−
Y側にX軸方向に所定間隔を隔てて配置され、また、支
柱34C、34Dは鏡筒定盤20の斜辺の両側に配置さ
れ、かつこれらの支柱34A〜34Dは、レチクル駆動
装置支持定盤36の各頂点近傍に配置されている(図2
参照)。
【0058】前記照明光学系IOPは、ベースプレート
BP上に設けられた照明系支持部材38によって支持さ
れている。この照明光学系IOPは、内部を外気に対し
て気密状態にする照明系ハウジングを備え、この照明系
ハウジング内には、空気(酸素)の含有濃度を数%以
下、望ましくは1%未満にしたクリーンなヘリウムガス
(He)が充填されている。
【0059】照明系ハウジング内には、例えば、可変減
光器、ビーム整形光学系、オプティカルインテグレータ
としてのフライアイレンズ系、振動ミラー、集光レンズ
系、照明系開口絞り、リレーレンズ系、レチクルブライ
ンド機構、主コンデンサレンズ系等が所定の位置関係で
収納されている。
【0060】照明光学系IOPの図1における紙面奥側
には、少なくとも一部にビームマッチングユニットと呼
ばれる光軸調整用の光学系を含む引き回し光学系が接続
されており、この引き回し光学系を介して床面FD上に
設置された不図示の光源が接続されている。この光源と
しては、例えばF2レーザ(発振波長157nm)、K
2レーザ(発振波長146nm)、Ar2レーザ(発振
波長126nm)等のパルス紫外光を出力するパルスレ
ーザ光源が用いられる。この光源には、不図示の光源制
御装置が接続されており、この光源制御装置によって光
源から射出されるパルス紫外光の発振中心波長の制御、
パルス発振のトリガ制御、レーザチャンバ内のガスの制
御等が行われるようになっている。
【0061】照明光学系IOPにより、レチクルブライ
ンド機構を構成する固定レチクルブラインド(固定視野
絞り)によって規定されるレチクルR上のスリット状の
照明領域が均一な照度で照明される。この場合、スリッ
ト状照明領域は、図1中の投影光学系PLの円形投影視
野の中央にX軸方向(非走査方向)に細長く延びるよう
に設定され、そのY軸方向(走査方向)の幅はほぼ一定
に設定されている。
【0062】なお、光源は、クリーンルームよりクリー
ン度が低い別の部屋(サービスルーム)あるいはクリー
ンルームの床下に設けられたユーティリティスペースに
設置しても構わない。
【0063】前記レチクルステージRSTは、レチクル
ベース定盤32上に浮上支持され、レチクルRをレチク
ルベース定盤32上でY軸方向に大きなストロークで直
線駆動するとともに、X軸、Y軸方向及びθz方向(Z
軸回りの回転方向)に微小駆動可能に構成されている。
【0064】これを更に詳述すると、レチクルステージ
RSTの底面には、図2及びこの図2のA−A線断面図
である図3に示されるように、4つの気体静圧軸受け4
0が設けられており、この4つの気体静圧軸受け40に
よって、平面視三角形状のレチクルベース定盤32の上
面にY軸方向に沿って延設された一対のY軸方向ガイド
42A、42Bの上方に所定のクリアランス(例えば5
〜10μm程度のクリアランス)を介して浮上支持され
ている。気体静圧軸受けとしては、ここでは、ヘリウム
ガスを噴出するものが用いられている。
【0065】また、このレチクルステージRSTの中央
部には、図3に示されるように、その内部底面にパルス
紫外光の通路を形成する開口が設けられた凹部44が形
成され、この凹部44の内部底面にレチクルRが載置さ
れ、不図示の静電チャック又はバキュームチャックによ
って吸着されている。このように、レチクルRは、実際
には、レチクルステージRSTの上面より下方の位置に
配置されるが、図1では、作図の便宜上からレチクルス
テージRSTの上部にレチクルRが搭載された状態が示
されている。
【0066】また、レチクルステージRSTは、図2に
示されるように、5本の板ばね46によってレチクルス
テージRSTより一回り大きな矩形枠状部材から成るX
Y方向微少駆動用レチクルフレーム48に連結されてい
る。これら5本の板ばね46は、XY面内方向、すなわ
ちX軸方向、Y軸方向及びZ軸回りの回転方向であるθ
z方向の剛性がZ軸方向、及びX、Y軸回りの回転方向
であるθx、θy方向に比べて相当大きくなっている。
【0067】これら5本の板ばね46は、レチクルステ
ージRSTの重心を通るY軸に関して線対称となる位置
に配置されている。このため、複数の気体静圧軸受け4
0相互間の浮上力のアンバランス等何らかの要因により
レチクルステージRSTをXY面に対して傾斜させる回
転モーメントが作用しても、この回転モーメントがレチ
クルステージRSTの振動要因となることがないように
なっている。前述のように、板ばね46は、Z方向の剛
性が大きくないので、レチクルステージRSTは、複数
の気体静圧軸受け40によりガイド42A、42B上に
支持され、精度良く加工されたガイド42A、42B上
を移動することができる。
【0068】XY方向微少駆動用レチクルフレーム48
には、一対のX方向微少駆動用のボイスコイルモータ5
0A、50B及びY方向微少駆動用のボイスコイルモー
タ50Cの可動子52a、52b、52cの一端がそれ
ぞれ接続されている。これらの可動子52a、52b、
52cとともにボイスコイルモータ50A、50B、5
0Cをそれぞれ構成する固定子54a、54b、54c
は、XY方向微少駆動用レチクルフレーム48より更に
一回り大きな矩形枠状部材から成るY方向駆動用レチク
ルフレーム56に固定されている。ボイスコイルモータ
50A、50Bは、XY方向微少駆動用レチクルフレー
ム48の重心を通るX軸に関して対称な位置に配置さ
れ、ボイスコイルモータ50CはXY方向微少駆動用レ
チクルフレーム48の重心を通るY軸上に配置されてい
る。
【0069】このため、一対のX方向微少駆動用のボイ
スコイルモータ50A、50Bに同じ大きさの駆動力を
発生させることにより、XY方向微少駆動用レチクルフ
レーム48を±X方向に微少駆動することができ、ま
た、ボイスコイルモータ50A、50Bに異なる大きさ
の駆動力(反対方向の駆動力を含む)を発生させること
により、XY方向微少駆動用レチクルフレーム48をθ
z方向に駆動することができる。また、ボイスコイルモ
ータ50Cに駆動力を発生させることにより、XY方向
微少駆動用レチクルフレーム48を±Y方向に微少駆動
することができる。この場合、5本の板ばね46は、X
Y面内方向、すなわちX軸方向、Y軸方向及びZ軸回り
の回転方向であるθz方向の剛性が大きいので、上記の
XY方向微少駆動用レチクルフレーム48の駆動の際
に、レチクルステージRSTがXY方向微少駆動用レチ
クルフレーム48と一体的に駆動される。すなわち、本
実施形態では、上記3つのボイスコイルモータ50A、
50B、50Cが、実質的にレチクルステージRSTを
X、Y面内で微少駆動する微少駆動装置を構成してい
る。
【0070】Y方向駆動用レチクルフレーム56のX軸
方向一側(−X側)の側面には、支持ユニット58が突
設されており、この支持ユニット58の底面に、一対の
Z軸方向支持用の気体静圧軸受け60と、2対のX方向
支持用気体静圧軸受け62とが設けられている。気体静
圧軸受け60、62としても、ヘリウムガスを噴出する
ものが用いられている。
【0071】前記一対の気体静圧軸受け60に対向する
レチクル駆動装置支持定盤36の上面には、Y方向駆動
部Z軸支持用ガイド面36aが形成され、また、レチク
ル駆動装置支持定盤36の上部には、2対の気体静圧軸
受け62のそれぞれに対向してヨーガイド37がY軸方
向に延設されている。ヨーガイド37のX軸方向の両側
の側面には、4つの気体静圧軸受け62のそれぞれに対
向してX軸支持用ガイド面37a、37bが形成されて
いる(図2参照)。
【0072】上記支持ユニット58の−X側には、レチ
クルステージ用リニアモータ64Aの可動子(電機子ユ
ニット)66aが固定されている。この可動子66aと
共にレチクルステージ用リニアモータ64Aを構成する
断面コ字状の固定子(磁極ユニット)68aは、可動子
66aを挟持した状態でY軸方向に延びている。この固
定子68aの底面には、図3に示されるように、Z軸方
向支持用の気体静圧軸受け70が複数設けられており、
これらの気体静圧軸受け70が対向する部分のレチクル
駆動装置支持定盤36の上面には、固定子Z軸支持用ガ
イド面36bが形成されている。すなわち、固定子68
aは、固定子Z軸支持用ガイド面36bの上方に所定の
クリアランス(例えば5〜10μmのクリアランス)を
介して浮上支持されている。気体静圧軸受け70として
もヘリウムガスを噴出するものが用いられている。
【0073】Y方向駆動用レチクルフレーム56のX軸
方向他側(+X側)の側面には、支持ユニット72が突
設されており、この支持ユニット72の底面に、Z軸方
向支持用の気体静圧軸受け73が設けられている。この
気体静圧軸受け73としてもヘリウムガスを噴出するも
のが用いられている。この気体静圧軸受け73に対向す
るレチクル駆動装置支持定盤36の上面には、図3に示
されるように、Y方向駆動部Z軸支持用ガイド面36c
が形成されている。
【0074】上記支持ユニット72の+X側には、レチ
クルステージ用リニアモータ64Bの可動子(電機子ユ
ニット)66bが固定されている。この可動子66bと
共にレチクルステージ用リニアモータ64Bを構成する
断面コ字状の固定子(磁極ユニット)68bは、可動子
66bを挟持した状態でY軸方向に延びている。この固
定子68bの底面には、Z軸方向支持用の気体静圧軸受
け70が複数設けられており、これらの気体静圧軸受け
70が対向する部分のレチクル駆動装置支持定盤36の
上面には、固定子Z軸支持用ガイド面36dが形成され
ている。すなわち、固定子68bは、固定子Z軸支持用
ガイド面36dの上方に所定のクリアランス(例えば5
〜10μmのクリアランス)を介して浮上支持されてい
る。
【0075】この場合、Y方向駆動用レチクルフレーム
56が、XY方向微少駆動用レチクルフレーム48及び
レチクルステージRSTと一体で走査方向(Y軸方向)
に移動する際には、Y方向駆動用レチクルフレーム56
に固定されたリニアモータ64A、64Bの可動子66
a、66bとそれぞれの固定子68a、68bとが相対
的に逆方向に移動する。
【0076】レチクル駆動装置支持定盤36と固定子6
8a,68bとの間、支持ユニット58,72とレチク
ル駆動装置支持定盤36との間、及びレチクルステージ
RSTとガイド42A,42Bとの間の摩擦力が零であ
る場合には、運動量保存の法則が成立し、Y方向駆動用
レチクルフレーム56、XY方向微少駆動用レチクルフ
レーム48及びレチクルステージRST等の全体の質量
と、固定子68a,68bとの質量比で決定される移動
距離だけ固定子68a、68bが移動する。
【0077】このため、Y方向駆動用レチクルフレーム
56、すなわちレチクルステージRSTの走査方向の加
減速時の反力は固定子68a,68bの移動によって吸
収されるので、上記反力によってレチクル駆動装置支持
定盤36が振動するのを効果的に防止することができ
る。
【0078】本実施形態では、図3から明らかなよう
に、レチクルベース定盤32、より具体的には、Y軸方
向ガイド42A,42Bは、レチクルステージRSTの
みを支持しているので、レチクルベース定盤32に作用
する重力方向の力は、僅かである。
【0079】図1に戻り、前記レチクルステージRST
の+X方向及び+Y方向の側面には、その位置や移動量
を計測するための位置検出装置であるレチクルレーザ干
渉計74からの測長ビームを反射する反射面がそれぞれ
形成されている。レチクルレーザ干渉計74は、支持コ
ラム24の上端部に固定されている。
【0080】これを更に詳述すると、レチクルステージ
RSTの+X方向の側面は、Y軸方向に延びる第1の反
射面76aとされ、また、レチクルステージRSTの+
Y方向の側面は、X軸方向に延びる第2の反射面76b
とされている(図2参照)。そして、第1の反面76a
には、図3に示されるレチクルX干渉計74XからのX
軸方向の測長ビームが照射され、その反射光に基づいて
レチクルX干渉計74Xによりその測長ビームの照射位
置のX位置が計測される。また、第2の反射面76bに
は、一対のレチクルY干渉計74Y1、74Y2(図9参
照)からY軸方向の測長ビームが照射され、それぞれの
反射光に基づいてレチクルY干渉計74Y1、74Y2
よりそれぞれの測長ビームの照射位置のY位置が計測さ
れる。また、各レーザ干渉計に対応した固定鏡Mrは、
投影光学系PLの鏡筒の側面に設けられている(図1参
照)。
【0081】上記の3つのレチクルレーザ干渉計によっ
て計測されるレチクルステージRST(即ちレチクル
R)の位置情報は後述するステージ制御装置81(図1
〜図3では図示せず、図9参照)に送られる。ステージ
制御装置81では、レチクルX干渉計74Xの計測値に
基づいてレチクルステージのX位置を求め、レチクルY
干渉計74Y1、74Y2の計測値の平均値に基づいてレ
チクルステージRSTのY位置を求め、両者の計測値の
差を測長軸間距離で除してレチクルステージRSTのθ
z方向の回転量(ヨーイング量)を求めるようになって
いる。このステージ制御装置81で求められた、レチク
ルステージRSTの位置情報は主制御装置80にリアル
タイムで供給される。
【0082】上述のように、実際には、3つのレチクル
レーザ干渉計が支持コラム24の上端部に固定されてい
るが、図1においては、これらが代表的にレチクルレー
ザ干渉計74として示されている。
【0083】ステージ制御装置81では、基本的にはレ
チクルレーザ干渉計74から出力される位置情報(或い
は速度情報)が主制御装置80からの指令値(目標位
置、目標速度)と一致するように上記リニアモータ64
A,64B、及びボイスコイルモータ50A〜50Cを
制御する。
【0084】以下においては、必要に応じて、上記のリ
ニアモータ64A,64B、及びボイスコイルモータ5
0A〜50Cによって、レチクルステージRSTをX、
Y、θz方向に駆動するレチクル駆動装置82(図9参
照)が構成されているものとして説明を行う。
【0085】図1に戻り、前記投影光学系PLは、鋳物
等で構成された前記鏡筒定盤20の中央部に形成された
平面視円形の開口内にその光軸AX方向をZ軸方向とし
て上方から挿入されている。投影光学系PLの鏡筒部の
外周部には、該鏡筒部に一体化されたフランジFLGが
設けられている。このフランジFLGの素材としては、
低熱膨張の材質、例えばインバー(Inver;ニッケル3
6%、マンガン0.25%、及び微量の炭素と他の元素
を含む鉄からなる低膨張の合金)が用いられており、こ
のフランジFLGは、投影光学系PLを鏡筒定盤20に
対して点と面とV溝とを介して3点で支持するいわゆる
キネマティック支持マウントを構成している。このよう
なキネマティック支持構造を採用すると、投影光学系P
Lの鏡筒定盤20に対する組み付けが容易で、しかも組
み付け後の鏡筒定盤20及び投影光学系PLの振動、温
度変化、姿勢変化等に起因する応力を最も効果的に軽減
できるという利点がある。
【0086】投影光学系PLとしては、ここでは、物体
面(レチクルR)側と像面(ウエハW)側の両方がテレ
セントリックで円形の投影視野を有し、石英や螢石を光
学硝材とした屈折光学素子(レンズ素子)のみから成る
1/4、1/5、あるいは1/6縮小倍率の屈折光学系
が使用されている。このため、レチクルRにパルス紫外
光が照射されると、レチクルR上の回路パターン領域の
うちのパルス紫外光によって照明された部分からの結像
光束が投影光学系PLに入射し、その回路パターンの部
分倒立像がパルス紫外光の各パルス照射の度に投影光学
系PLの像面側の円形視野の中央にスリット状または矩
形状(多角形)に制限されて結像される。これにより、
投影された回路パターンの部分倒立像は、投影光学系P
Lの結像面に配置されたウエハW上の複数のショット領
域のうちの1つのショット領域表面のレジスト層に縮小
転写される。
【0087】次に、ウエハステージWST及びその駆動
装置の構成等について説明する。
【0088】図4には、ウエハステージWSTをXY2
次元方向に駆動する駆動装置近傍の各構成部分が平面図
にて示されている。
【0089】この図4に示されるように、ウエハステー
ジWSTの駆動装置84は、ベースプレートBP上に植
設された前記4本の支柱34A〜34Dによってウエハ
ベース定盤28の上方でほぼ水平に保持されている。
【0090】この駆動装置84は、支柱34A、34B
間にX軸方向に沿って架設された第1のXリニアガイド
86と、支柱34C、34D間にX軸方向に沿って架設
された第2のXリニアガイド88と、これらのXリニア
ガイド86、88に沿ってそれぞれ移動する第1、第2
のスライドユニット90A、90Bと、これらのスライ
ドユニット90A,90Bがその両端に固定され、Y軸
方向に延びるYリニアガイド92と、このYリニアガイ
ド92に沿って移動するXY方向移動ユニット94とを
備えている。
【0091】図5には、図4のB−B線断面図が示さ
れ、図6には図4のC−C線断面図が示されている。以
下、これらの図も参照しつつ、駆動装置84の各構成部
分について更に詳述する。
【0092】第1のXリニアガイド86は、図5に示さ
れるように、断面略L字状部材から成るガイド部材96
と、このガイド部材96の上面にX軸方向に沿って密に
並べられた複数の永久磁石98(図4参照)から成る磁
極ユニット100Aとを備えている。ガイド部材96の
−Y方向の端部の上面には、凸部97が設けられてい
る。この凸部の±Y側の側面には、図5の円D内を拡大
して示す図7(A)に示されるように、Y軸支持用ガイ
ド面97a、97bが形成されている。また、凸部97
の+Y側のガイド部材96上面には、Z軸支持用ガイド
面96aが形成されている。
【0093】前記第1のスライドユニット90Aには、
図5に示されるように、磁極ユニット100Aに対向し
て電機子ユニット102Aが設けられている。この場
合、磁極ユニット100Aと電機子ユニット102Aと
によって第1のXリニアモータ104A(図9参照)が
構成されている。
【0094】また、第1のスライドユニット90Aに
は、図7(A)に示されるように、Z軸支持用ガイド面
96a、Y軸支持用ガイド面97a、97bにそれぞれ
対向して軸受けとしての気体静圧軸受け106a、10
6b、106cが設けられ、これらの気体静圧軸受け1
06a〜106cから噴き出される加圧気体の静圧によ
り、当該気体静圧軸受け106a〜106cの軸受け面
は、ガイド面96a、97a、97bに対して所定のク
リアランス(例えば5μm程度のクリアランス)を介し
て非接触で支持されている。気体静圧軸受け106a、
106b、106cとしてもヘリウムガスを噴出するも
のが用いられている。
【0095】この場合、気体静圧軸受け106a、10
6b、106cのそれぞれは、X方向に所定間隔を隔て
て少なくとも各2つ配置されており、これによって、第
1のスライドユニット90A及びYリニアガイド92の
θz回転(ヨーイング)、及びθy回転(ローリング)
をも防止するようになっている。すなわち、Y軸支持用
ガイド面97a、97bが形成された凸部97はヨーガ
イドの役目をも兼ねている。
【0096】第2のXリニアガイド88は、図5に示さ
れるように、断面L字状部材から成るガイド部材108
と、このガイド部材108の上面にX軸方向に沿って密
に並べられた複数の永久磁石98から成る磁極ユニット
100Bとを備えている。ガイド部材108の+Y方向
の端部の上面には、図5の円E内を拡大して示す図7
(B)に示されるように、Z軸支持用ガイド面108a
が形成されている。
【0097】前記第2のスライドユニット90Bには、
図5に示されるように、磁極ユニット100Bに対向し
て電機子ユニット102Bが設けられている。この場
合、磁極ユニット100Bと電機子ユニット102Bと
によって第2のXリニアモータ104B(図9参照)が
構成されている。
【0098】また、この第2のスライドユニット90B
には、図7(B)に示されるように、Z軸支持用ガイド
面108aに対向して軸受けとしての気体静圧軸受け1
06dが設けられ、この気体静圧軸受け106dから噴
き出される加圧気体の静圧により、該気体静圧軸受け1
06dの軸受け面は、ガイド面108aに対して所定の
クリアランス(例えば5μm程度のクリアランス)を介
して非接触で支持されている。気体静圧軸受け106d
としてもヘリウムガスを噴出するものが用いられてい
る。
【0099】前記Yリニアガイド92は、図6に示され
るように、断面略U字状のガイド部材110と、このガ
イド部材110のX軸方向中央部の上面にY軸方向に沿
って密に並べられた複数の永久磁石98から成る磁極ユ
ニット112とを備えている。ガイド部材110の+X
方向の端部の上面には、凸部111が設けられ、この凸
部111の±X側の側面には、図6の円F内を拡大して
示す図7(C)に示されるように、X軸支持用ガイド面
111a、111bが形成されている。また、このガイ
ド部材110の凸部111の内側には、その上面にZ軸
支持用ガイド面110aが形成されている。また、ガイ
ド部材110の−X側の上面には、Z軸支持用ガイド面
110bが形成されている。
【0100】前記XY方向移動ユニット94には、図6
に示されるように、磁極ユニット112に対向して電機
子ユニット114が設けられている。この場合、磁極ユ
ニット112と電機子ユニット114とによってYリニ
アモータ116(図9参照)が構成されている。本実施
形態では、上記第1、第2のXリニアモータ104A、
104B及びYリニアモータ116が、ステージ制御装
置81によって制御されるようになっている(図9参
照)。
【0101】また、XY方向移動ユニット94には、図
7(C)に示されるように、Z軸支持用ガイド面110
a、X軸支持用ガイド面111a、111bにそれぞれ
対向して軸受けとしての気体静圧軸受け118a、11
8b、118cが設けられている。同様に、XY方向移
動ユニット94には、Z軸支持用ガイド面110bに対
向して気体静圧軸受けが設けられている。
【0102】これらの気体静圧軸受けから噴き出される
加圧気体(ヘリウムガス)の静圧により、該気体静圧軸
受けの軸受け面は、それぞれのガイド面に対して所定の
クリアランス(例えば5μm程度のクリアランス)を介
して非接触で支持されている。
【0103】この場合、気体静圧軸受け118a、11
8b、118cのそれぞれは、Y方向に所定間隔を隔て
て少なくとも各2つ配置されており、これによって、X
Y方向移動ユニット94のθz回転(ヨーイング)、及
びθx回転(ピッチング)をも防止するようになってい
る。すなわち、X軸支持用ガイド面111a、111b
が形成された凸部111はヨーガイドの役目をも兼ねて
いる。
【0104】前記XY方向移動ユニット94の±X側の
側面には、図4に示されるように、各2本合計4本の板
ばね118のそれぞれの一端が接続され、これらの板ば
ね118の他端側は、前述したウエハステージWSTを
構成する平面視矩形枠状のXYステージ120に接続さ
れている。すなわち、4本の板ばね118によってXY
方向移動ユニット94にXYステージ120が連結され
ている。この場合、XYステージ120は、後述するよ
うにウエハベース定盤28上に気体静圧軸受けにより浮
上支持され、板ばね118としては、X、Y、θz方向
の剛性が、Z、θx、θy方向の剛性に比べて高いもの
が使用されている。このため、XY方向移動ユニット9
4を駆動することにより、これと一体でXYステージ1
20(すなわちウエハステージWST)を移動させるこ
とができる。
【0105】また、XYステージ120の底面には、不
図示の気体静圧軸受けが複数設けられており、これら気
体静圧軸受けから噴出される加圧気体(ヘリウムガス)
の静圧により、XYステージ120がウエハベース定盤
28の上面の上方に所定のクリアランス(例えば5μm
程度のクリアランス)を介して非接触で浮上支持されて
いる。また、ウエハベース定盤28は、その表面が高精
度に加工されているので、XYステージ120は、ウエ
ハベース定盤28の表面に沿って精度良く移動できる。
このXYステージ120上には、後述するように試料台
支持ユニットを介してウエハWを保持する試料台が搭載
され、これらXYステージ120、試料台支持ユニット
及び試料台によってウエハステージWSTが構成され
る。ウエハベース定盤28は、矩形枠状のXYステージ
120及び試料台等のみを支持すれば足り、ウエハステ
ージの駆動装置を支持する必要がないので、ウエハベー
ス定盤28に作用する重力方向の力は従来の露光装置に
比べて非常に小さくなっている。更に、ウエハステージ
WSTは後述するフォーカス・レベリング動作時に高応
答することができる。
【0106】本実施形態の露光装置10では、ステージ
制御装置81により、XY方向移動ユニット94に設け
られた電機子ユニット114に駆動電流が供給される
と、電機子ユニット114と磁極ユニット112との間
に電磁相互作用によりローレンツ力が発生し、このロー
レンツ力により電機子ユニット114が設けられたXY
方向移動ユニット94がウエハステージWSTと一体で
+Y方向(あるいは−Y方向)に駆動される。すなわ
ち、このようにしてYリニアモータ116が駆動力を発
生する。このとき、磁極ユニット112が設けられたY
リニアガイド92に上記の駆動力の反力が作用し、この
反力が第1、第2のスライドユニット90A、90Bを
介して第1、第2のXリニアガイド86、88に伝達さ
れ、さらに支柱34A、34B、34C、34Dに伝達
される。この伝達された反力により支柱34A〜34D
が振動する。この振動は、ベースプレートBP及び床面
FDに伝達される(逃がされる)ので、原則的には、ウ
エハベース定盤28及びそれが設けられた本体コラム1
2には殆ど悪影響を与えない。しかしながら、上記の支
柱34A、34B、34C、34Dの振動がある程度以
上大きいと、この振動が支柱34A〜34D、ベースプ
レートBP、ボディ支持部材16A〜16C、防振ユニ
ット18A〜18Cを順次経由してウエハベース定盤2
8に伝達される可能性は否定できない。
【0107】そこで、本実施形態では、図4に示される
ように、支柱34C、34Dの+Y側に反力キャンセル
機構としての反力キャンセル用アクチュエータ122
C、122Dが設けられるとともに、支柱34A、34
Bの−Y側に反力キャンセル機構としての反力キャンセ
ル用アクチュエータ122A、122Bが設けられてい
る。これらの反力キャンセル用アクチュエータ122A
〜122Dは、ベースプレートBP上に植設された支持
部材124A〜124Dによってそれぞれ支持されてい
る(図1及び図5参照)。
【0108】上記反力キャンセル用アクチュエータ12
2A〜122Dは、主制御装置80によって制御される
(図9参照)。主制御装置80では、ウエハステージW
STのY方向駆動指令をステージ制御装置81に与える
と同時にその指令情報に応じて上記の支柱34A〜34
Dに作用するであろうY軸方向の反力をキャンセルする
ためのカウンターフォースを反力キャンセル用アクチュ
エータ122A、122B又は122C、122Dに発
生させるべく、反力キャンセル用アクチュエータ122
A〜122Dをフィードフォワード制御するようになっ
ている。このため、本実施形態では、ウエハステージW
STのY方向駆動時に支柱34A〜34Dに生じる振動
が発生とほぼ同時(時間遅れなく)に減衰され、ベース
プレートBPには、非常に僅かな振動しか伝達されず、
この僅かな振動がベースプレートBPからウエハベース
定盤28側に伝達されたとしても、この振動は防振ユニ
ット18A〜18Cによって確実に絶縁される。
【0109】また、主制御装置80からの指示に応じ、
ステージ制御装置81により、上記と同様にして、第
1、第2のXリニアモータ104A、104Bが同一速
度で駆動されると、第1、第2のスライドユニット90
A、90Bが同一速度で+X方向(あるいは−X方向)
に移動し、これによりYリニアガイド92及びXY方向
移動ユニット94と一体的にウエハステージWSTが+
X方向(あるいは−X方向)に駆動される。このウエハ
ステージWSTのX軸方向の移動の際に、第1、第2の
Xリニアガイド86、88には、第1、第2のスライド
ユニット90A、90Bの駆動力の反力が作用し、この
反力が支柱34A〜34Dに伝達される。この伝達され
た反力により支柱34A〜34Dが振動する。この振動
は、ベースプレートBP及び床面FDに伝達される(逃
がされる)ので、原則的には、ウエハベース定盤28及
びそれが設けられた本体コラム12には殆ど悪影響を与
えない。しかしながら、この場合も、上記の支柱34
A、34B、34C、34Dの振動がある程度以上大き
いと、この振動が支柱34A〜34D、ベースプレート
BP、ボディ支持部材16A〜16C、防振ユニット1
8A〜18Cを順次経由してウエハベース定盤28に伝
達される可能性は否定できない。
【0110】そこで、本実施形態では、支柱34B、3
4Dの+X側に反力キャンセル機構としての反力キャン
セル用アクチュエータ123B、123Dが設けられる
とともに、支柱34A、34Cの−X側に反力キャンセ
ル機構としての反力キャンセル用アクチュエータ123
A、123Cが設けられている。これらの反力キャンセ
ル用アクチュエータ123A〜123Dは、ベースプレ
ートBP上に植設された支持部材125A〜125Dに
よって支持されている(図1及び図6参照)。
【0111】上記反力キャンセル用アクチュエータ12
3A〜123Dは、主制御装置80によって制御される
(図9参照)。主制御装置80では、ウエハステージW
STのX方向駆動指令をステージ制御装置81に与える
と同時にその指令情報に応じて上記の支柱34A〜34
Dに作用するであろう反力をキャンセルするためのカウ
ンターフォースを反力キャンセル用アクチュエータ12
3A、123C又は123B、123Dに発生させるべ
く、反力キャンセル用アクチュエータ123A〜123
Dをフィードフォワード制御するようになっている。こ
のため、本実施形態では、ウエハステージWSTのX方
向駆動時に支柱34A〜34Dに生じる振動が発生とほ
ぼ同時に(時間遅れなく)減衰され、ベースプレートB
Pには、非常に僅かな振動しか伝達されず、この僅かな
振動がベースプレートBPからウエハベース定盤28側
に伝達されたとしても、この振動は防振ユニット18A
〜18Cによって確実に絶縁される。
【0112】また、本実施形態では、上述の如く、ウエ
ハステージWSTの駆動時に第1、第2のXリニアガイ
ド86、88、Yリニアガイド92に作用する反力を時
間遅れなくキャンセルすることができるので、前記反力
に起因する第1、第2のXリニアガイド86、88、Y
リニアガイド92及びそれらの支持部材に生じる歪み、
その結果発生する回転方向の誤差を抑えることができ
る。
【0113】前記4本の板ばね118は、図4に示され
るように、XYステージ120の重心(ウエハステージ
WSTの重心にほぼ一致)を通るX軸に関して線対称と
なる配置で配置されている。このため、不図示の配線の
抵抗力やXYステージ120を浮上支持する気体静圧軸
受け間の浮上力のアンバランス等に起因する回転モーメ
ントが作用したとしてもXYステージ120が振動する
ことがない構造となっている。
【0114】また、XYステージ120の上面には、三
角形の各頂点の近傍に、試料台支持ユニット136A〜
136Cがそれぞれ設けられている。これらの試料台支
持ユニット136A〜136Cは、それぞれ、一対の試
料台支持棒132とこれらの試料台支持棒132の間に
配置された駆動機構としてのボイスコイルモータ134
とから構成されている。各ボイスコイルモータ134
は、図6に示されるように、XYステージ120の上面
に固定された断面略U字状の固定子135aと、これに
対応して設けられた可動子135bとから構成される。
なお、実際には、ボイスコイルモータ134の可動子1
35bは、後述する試料台に固定される。
【0115】XYステージ120上には、前記試料台支
持ユニット136A〜136Cを介して図1に示される
試料台138が搭載されている。この試料台138上に
ウエハホルダ140(図1では図示省略、図8(A)、
(B)参照)を介してウエハWが静電吸着又は真空吸着
により固定されている。
【0116】図8(A)には、ウエハステージWSTの
平面図が示され、図8(B)には、板ばね118によっ
てXY方向移動ユニット94に取り付けられた状態のウ
エハステージWSTを−Y方向から見た側面図が示され
ている。ここで、これらの図を参照しつつ、試料台13
8のXYステージ120に対する組み付け方法について
説明する。
【0117】試料台138には、前記試料台支持ユニッ
ト136A〜136Cをそれぞれ構成する各一対の試料
台支持棒132に対応して合計3対の開口がそれぞれ形
成されている。試料台138が所定の位置決め状態で試
料台支持ユニット136A〜136C上に載置される
と、前記3つのボイスコイルモータ134それぞれの固
定子135aと可動子135bとが係合し、かつ上記各
開口をそれぞれ介して各試料台支持棒132が、試料台
138の上面とほぼ同一面となる。そして、図8(A)
に示されるような、長手方向の中間部が長手方向に直交
する方向について3つの部分に分離された全体として長
方形の3つの板ばね142A、142B、142Cを前
記試料台支持ユニット136A、136B、136Cに
それぞれ対向する位置に載置し、板ばね142A、14
2B、142Cそれぞれの中央の分離部を試料台138
にねじ止めし、残りの分離部をそれぞれ対向する試料台
支持棒132にねじ止めすることにより、板ばね142
A〜142Cを介して試料台138とXYステージ12
0(試料台支持棒132)とが連結される。図8
(A)、(B)には、このようにして試料台138の組
み付けが完了した状態が示されている。板ばね142A
〜142Cは、XY面内方向、すなわちX、Y、θz方
向の剛性が、Z、θx、θy方向の剛性に比べて格段高
く、特にその長手方向に直交する方向の剛性が最も高
い。このため、試料台支持ユニット136A〜136C
をそれぞれ構成する3つのボイスコイルモータ134に
よって、それぞれの支持点がZ軸方向に駆動され、試料
台138がZ駆動あるいはチルト駆動されると、板ばね
142A〜142Cがいわゆるパンタグラフ状に変形
し、試料台138に余分な力が掛からずその変形が抑制
されるようになっている。
【0118】なお、かかる試料台の組み付け構造や組み
付け方法については、例えば特開平9−320954号
公報等に詳細に開示されている。
【0119】また、試料台138の上面には、ウエハW
上の各ショット領域に付設されたアライメントマーク
(ウエハマーク)の位置を検出するためのオフアクシス
・アライメント顕微鏡ALG(図9参照)のいわゆるベ
ースライン計測のための基準マークその他の基準マーク
(いずれも図示省略)が形成された基準マーク板FMが
設けられている。この基準マーク板FMの表面は、試料
台138に搭載されたウエハホルダ140上に保持され
たウエハWの表面とほぼ同一高さとされている。
【0120】なお、図示は省略されているが、アライメ
ント顕微鏡ALGは、投影光学系PLの側面の所定の位
置に固定されており、例えば画像処理方式の結像式アラ
イメントセンサが用いられる。このアライメントセンサ
ALGの計測結果は、主制御装置80に供給されるよう
になっている(図9参照)。
【0121】前記試料台138の位置は、図1に示され
るように、鏡筒定盤20に吊り下げ状態で固定されたウ
エハレーザ干渉計システム146によって所定の分解
能、例えば0.5〜1nm程度の分解能でリアルタイム
に計測される。
【0122】これを更に詳述すると、図8(A)に示さ
れるように、試料台138の+X側の側面、+Y側の側
面には、鏡面加工が施され、それぞれ反射面138a、
138bが形成されている。
【0123】一方の反射面138aには、X軸方向の5
本の測長ビームWIX1、WIX2、WIX3、WIX
4、及びWIX5が、ウエハレーザ干渉計システム14
6を構成するレーザ干渉計146X1、146X2、14
6X3、146X4、146X 5(図9参照)からそれぞ
れ照射されている。これらの干渉計に対応する固定鏡M
wは、投影光学系PLの鏡筒下端にそれぞれ固定されて
おり、各干渉計では、それぞれの測長ビームの照射位置
のX位置を固定鏡Mwを基準として計測する(図1参
照)。
【0124】測長ビームWIX1、WIX2は、同一X
Y面上で投影光学系PLの光軸AXを通るX軸に関して
ほぼ対称となる光路に沿って照射されている。また、測
長ビームWIX3、WIX4は、同一XY面上でアライ
メント顕微鏡ALGの検出中心を通るX軸に関してほぼ
対称となる光路に沿って照射されている。また、測長ビ
ームWIX5は、測長ビームWIX1(又はWIX2)
の真下の光路に沿って照射されている(図8(B)参
照)。
【0125】他方の反射面138bには、Y軸方向の5
本の測長ビームWIY1、WIY2、WIY3、WIY
4、及びWIY5が、ウエハレーザ干渉計システム14
6を構成するレーザ干渉計146Y1、146Y2、14
6Y3、146Y4、146Y 5(図9参照)からそれぞ
れ照射されている。これらの干渉計に対応する固定鏡M
wは、投影光学系PLの鏡筒下端にそれぞれ固定されて
おり、各干渉計では、それぞれの測長ビームの照射位置
のY位置を固定鏡Mwを基準として計測する(図1参
照)。
【0126】測長ビームWIY1、WIY2は、同一X
Y面上で投影光学系PLの光軸AXを通るY軸に関して
ほぼ対称となる光路に沿って照射されている。また、測
長ビームWIY3、WIY4は、同一XY面上でアライ
メント顕微鏡ALGの検出中心を通るY軸に関してほぼ
対称となる光路に沿って照射されている。また、測長ビ
ームWIY5は、測長ビームWIY1(又はWIY2)
の真下の光路に沿って照射されている。
【0127】このように、試料台138の位置を計測す
る干渉計は、X軸方向、Y軸方向について各5つ合計1
0個の干渉計が設けられているが、図1においては、こ
れらが代表してウエハレーザ干渉計システム146とし
て示されている。
【0128】このウエハレーザ干渉計システム146を
構成する各干渉計の計測値は、ステージ制御装置81
(図1では図示せず、図9参照)に供給されており、ス
テージ制御装置81では、次のようにして、試料台13
8の位置を求める。
【0129】すなわち、ステージ制御装置81では、後
述する露光時には、主制御装置80からの指示に応じ
て、測長ビームWIX1、WIX2にそれぞれ対応する
2つの干渉計146X1、146X2の計測値の平均値に
基づいて試料台138のX位置を求めるとともに、測長
ビームWIY1、WIY2にそれぞれ対応する2つの干
渉計146Y1、146Y2の計測値の平均値に基づいて
試料台138のY位置を求める。また、ステージ制御装
置81では、測長ビームWIX1、WIX5にそれぞれ
対応する2つの干渉計146X1、146X5の計測値の
差と測長軸間隔とに基づいて試料台138のθy回転量
を求めるとともに、測長ビームWIY1、WIY5にそ
れぞれ対応する2つの干渉計146Y1、146Y5の計
測値の差と測長軸間隔とに基づいて試料台138のθx
回転量を求める。また、ステージ制御装置81では、干
渉計146X1、146X2の計測値の差と測長軸間距
離、及び干渉計146Y1、146Y2の計測値の差と測
長軸間距離の少なくとも一方に基づいて試料台138の
θz回転量を求める。
【0130】また、ステージ制御装置81では、後述す
るウエハアライメント時には、主制御装置80からの指
示に応じて、測長ビームWIX3、WIX4にそれぞれ
対応する2つの干渉計146X3、146X4の計測値の
平均値に基づいて試料台138のX位置を求めるととも
に、測長ビームWIY3、WIY4にそれぞれ対応する
2つの干渉計146Y3、146Y4の計測値の平均値に
基づいて試料台138のY位置を求める。この場合にお
いても、ステージ制御装置81では上記と同様にして、
試料台のθx、θy、θz回転量を求めることは可能で
ある。
【0131】なお、上記のステージ制御装置81が求め
た試料台138の位置情報は主制御装置80にリアルタ
イムで供給される。
【0132】このように、本実施形態では、露光時、ア
ライメント時のいずれのときにおいても、いわゆるアッ
ベ誤差の影響をなくした正確な試料台138の位置計測
が可能になっている。
【0133】前記ウエハベース定盤28には、図1では
図示が省略されているが、実際には、ウエハベース定盤
28(本体コラム12)のZ方向の振動を計測する3つ
の振動センサ(例えば加速度計)とXY面内方向の振動
を計測する3つの振動センサ(例えば加速度計)(例え
ばこの内の2つの振動センサは、ウエハベース定盤28
のY方向の振動を計測し、残りの振動センサはX方向の
振動を計測する)とが取り付けられている。以下におい
ては、便宜上、これら6つの振動センサを総称して振動
センサ群148と呼ぶものとする。この振動センサ群1
48の計測値は、主制御装置80に供給されるようにな
っている(図9参照)。従って、主制御装置80では振
動センサ群148の計測値に基づいてウエハベース定盤
28の6自由度方向(X,Y,Z,θx,θy,θz方
向)の振動を求めることができる。
【0134】例えば、前述したウエハステージWSTの
駆動時に、ウエハステージWSTの移動に伴う偏荷重が
ウエハベース定盤28に作用し、ウエハベース定盤28
が振動すると、主制御装置80が、このウエハベース定
盤28の6自由度方向の振動を振動センサ群148の計
測値に基づいて検出し、この検出結果に基づいて防振ユ
ニット18A〜18Cを制御することにより、ウエハベ
ース定盤28の振動を速やかに制振することができる。
【0135】しかしながら、先にも説明したように、本
実施形態では、ウエハステージWSTの駆動時に、ウエ
ハステージWSTの移動に伴いウエハベース定盤28に
作用する偏荷重は非常に小さいので、上記の振動センサ
群148を必ずしも設けなくとも良い。すなわち、防振
ユニット18A〜18Cとして、必ずしもアクティブ防
振装置を用いなくても、パッシブな防振装置を用いても
良い。
【0136】さらに、本実施形態の露光装置では、ウエ
ハWのZ方向位置を検出するフォーカスセンサAF(図
1では図示省略、図9参照)が、投影光学系PLの鏡筒
の下端部に不図示の保持部材を介して固定されている。
このフォーカスセンサAFとしては、例えば特開平6−
283403号公報に開示される多点焦点位置検出系が
用いられる。このフォーカスセンサAFの出力が主制御
装置80に供給され、主制御装置80ではステージ制御
装置81を介して試料台138のZ駆動及びチルト駆動
を制御していわゆるフォーカス・レベリング制御を行う
ようになっている。
【0137】図9には、上述した露光装置10における
露光時のステージ駆動及び防振に関連する制御系の構成
が簡単に示されている。この制御系は、ワークステーシ
ョン(又はマイクロコンピュータ)から成る主制御装置
80及びステージ制御装置81を中心として構成されて
いる。主制御装置80は、これまでに説明した各種の制
御を行う他、装置全体を統括的に制御する。
【0138】次に、上述のようにして構成された露光装
置10における露光動作について説明する。
【0139】前提として、ウエハW上のショット領域を
適正露光量(目標露光量)で走査露光するための各種の
露光条件が予め設定される。また、不図示のレチクル顕
微鏡及びオフアクシス・アライメント顕微鏡ALG等を
用いたレチクルアライメント、ベースライン計測等の準
備作業が行われ、その後、アライメント顕微鏡ALGを
用いたウエハWのファインアライメント(例えば、特開
昭61−44429号公報などに開示されるEGA(エ
ンハンスト・グローバル・アライメント)等)が終了
し、ウエハW上の複数のショット領域の配列座標が求め
られる。
【0140】このようにして、ウエハWの露光のための
準備動作が終了すると、主制御装置80では、アライメ
ント結果に基づいてウエハWの第1ショットの露光のた
めの走査開始位置にウエハステージWSTを移動すべ
く、ステージ制御装置81に指令を与える。この指令に
より、ステージ制御装置81により、ウエハレーザ干渉
計システム146の計測値をモニタしつつ駆動装置84
を構成する各モータが駆動制御され、第1ショットの露
光のための走査開始位置にウエハステージWSTが位置
決めされる。
【0141】次に、主制御装置80からの指示に基づい
てステージ制御装置81により、駆動装置82、84を
介してレチクルステージRSTとウエハステージWST
とのY方向の走査が開始され、両ステージRST、WS
Tがそれぞれの目標走査速度に達すると、パルス紫外光
によってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走
査露光が開始される。
【0142】ステージ制御装置81では、特に上記の走
査露光時にレチクルステージRSTのY軸方向の移動速
度VrとウエハステージWSTのY軸方向の移動速度V
wとが投影光学系PLの投影倍率(1/4倍、1/5
倍、あるいは1/6倍)に応じた速度比に維持されるよ
うに駆動装置82、84を介してレチクルステージRS
T及びウエハステージWSTを同期制御する。この同期
制御中に、主制御装置80ではフォーカスセンサAFを
用いてウエハWのZ位置を計測し、この計測結果に基づ
いてステージ制御装置81を介してウエハステージWS
T上の3つのボイスコイルモータ134を適宜制御し、
ウエハ表面のパルス紫外光の照射領域が常に投影光学系
PLの最良結像面の焦点深度内に合致するように、フォ
ーカス・レベリング制御を行う。
【0143】そして、レチクルRのパターン領域の異な
る領域がパルス紫外光で逐次照明され、パターン領域全
面に対する照明が完了することにより、ウエハW上の第
1ショットの走査露光が終了する。これにより、レチク
ルRのパターンが投影光学系PLを介して第1ショット
に縮小転写される。
【0144】このようにして、第1ショットの走査露光
が終了すると、主制御装置80からの指示に基づき、ス
テージ制御装置81により駆動装置84を介してウエハ
ステージWSTがX、Y軸方向にステップ移動され、第
2ショットの露光のため走査開始位置に移動される。こ
のステッピングの際に、ステージ制御装置81ではウエ
ハレーザ干渉計システム146の計測値に基づいてウエ
ハステージWST(ウエハW)のX、Y、θz方向の位
置変位をリアルタイムに計測する。この計測結果に基づ
き、ステージ制御装置81では駆動装置84を制御して
ウエハステージWSTのXY位置変位が所定の状態にな
るようにウエハステージWSTの位置を制御する。
【0145】また、ステージ制御装置81ではウエハス
テージWSTのθz方向の変位の情報に基づいて駆動装
置82を制御し、そのウエハW側の回転変位の誤差を補
償するようにレチクルステージRSTを回転制御する。
あるいは、ステージ制御装置81では、ウエハステージ
WSTのθz方向の変位の情報に基づいて第1のXリニ
アモータ104Aと第2のXリニアモータ104Bとの
推力分配率を制御することにより、ウエハステージWS
Tの回転誤差を補正する。
【0146】そして、ステージ制御装置81では第2シ
ョットに対して上記と同様の走査露光を行う。
【0147】このようにして、ウエハW上のショットの
走査露光と次ショット露光のためのステッピング動作と
が繰り返し行われ、ウエハW上の露光対象ショットの全
てにレチクルRのパターンが順次転写される。
【0148】次に、本実施形態の露光装置10の空調系
について、図10に基づいて説明する。露光装置10は
全体として所定のチャンバ内に設置されているが、更に
チャンバ内に露光装置10の各部をそれぞれ収納する複
数の空調室としての空調ユニットが設けられ、各ユニッ
ト別に独立に空調が行われている。このような空調シス
テムを、以下では「ユニット別空調システム」と呼ぶ。
【0149】図10には、本実施形態のユニット別空調
システムが簡略化して示されている。この図10におい
て、チャンバ151の内部には、第1空調室としてのウ
エハステージ系ユニット152、第2空調室としてのレ
チクルステージ系ユニット154、第3空調室としての
投影光学系ユニット156及び第4空調室としての照明
系ユニット158が設けられている。本実施形態では、
ウエハステージ系ユニット152及びレチクルステージ
系ユニット154が、それぞれ本発明に係る第1のタイ
プの空調室を構成し、投影光学系ユニット156及び照
明系ユニット158が、それぞれ本発明に係る第2のタ
イプの空調室を構成している。
【0150】これを更に詳述すると、照明系ユニット1
58の下方に隣接してレチクルステージ系ユニット15
4が配置され、このレチクルステージ系ユニット154
の下方に隣接して投影光学系ユニット156が配置さ
れ、さらにこの投影光学系ユニット156の下方に隣接
してウエハステージ系ユニット152が配置されてい
る。
【0151】この場合、照明系ユニット158とレチク
ルステージ系ユニット154との間の隔壁、レチクルス
テージ系ユニット154と投影光学系ユニット156と
の間の隔壁、投影光学系ユニット156とウエハステー
ジ系ユニット152との間の隔壁及びウエハステージ系
ユニット152の底面側の隔壁は、ケミカルクリーンな
シート部材としての耐圧シート160A、160B、1
60C、160Dによってそれぞれ形成されている。残
りの部分の隔壁は、ステンレス等のケミカルクリーンな
金属によって形成されている。
【0152】照明系ユニット158と、レチクルステー
ジ系ユニット154との間のシート部材160Aの一部
には、照明系ハウジングが挿入可能な大きさを有する開
口部が設けられている。そして、その開口部に照明系ハ
ウジングを挿入した状態で、後述する締結機構を用い
て、シート部材160Aを照明系ハウジングに固定され
ている。この場合、照明系ハウジングに収容されたレチ
クル側の光学部材(レンズ又は平行平面ガラス)によっ
て隔壁の一部が構成されている。
【0153】また、レチクルステージ系ユニット154
と、投影光学系ユニット156の間のシート部材160
Aの一部には、投影光学系PLの物体面側が挿入可能な
大きさを有する開口部が設けられている。そして、その
開口部に投影光学系PLの物体面側を挿入した状態で、
後述する締結機構を用いて、シート部材160Bを投影
光学系PLに固定されている。この場合、投影光学系P
Lの物体面側の光学部材(レンズ又は平行平面ガラス)
によって隔壁の一部が構成されている。
【0154】さらに、投影光学系ユニット156と、ウ
エハステージ系ユニット152との間のシート部材16
0Cの一部には、投影光学系PLの像面側が挿入可能な
大きさを有する開口部が設けられている。そして、その
開口部に投影光学系PLの像面側を挿入した状態で、後
述する締結機構を用いてシート部材160Cを投影光学
系PLに固定されている。この場合、投影光学系の像面
側の光学部材(レンズ又は平行平面ガラス)によって隔
壁の一部が構成されている。
【0155】前記照明系ユニット158内には、照明系
ハウジングと、該照明系ハウジング内に収納された可変
減光器、ビーム整形光学系、フライアイレンズ系、振動
ミラー、集光レンズ系、照明系開口絞り、リレーレンズ
系、レチクルブラインド機構、主コンデンサレンズ系等
とから成る図1の照明光学系IOPが収納されている。
【0156】前記レチクルステージ系ユニット154の
内部には、前述した投影光学系PLの物体面側(レチク
ル側)の端面、レチクルステージRST、レチクル駆動
装置支持定盤36、レチクルベース定盤32、駆動装置
82、レチクルRと照明光学系IOPとの間の光路、及
びレチクルRと投影光学系PLとの間の光路等が収納さ
れている。また、本実施形態では、前記耐圧シート16
0Aの配置面は、投影光学系PLの物体面側の端面にほ
ぼ一致している。
【0157】前記投影光学系ユニット156の内部に
は、投影光学系PLの像面側の一部を除く大部分が収納
されている。
【0158】前記ウエハステージ系ユニット152の内
部には、投影光学系PLの像面側(ウエハ側)の端面、
ウエハステージWST、駆動装置84、ウエハベース定
盤28の上半部、投影光学系PLとウエハWとの間の光
路等が収納されている。
【0159】本実施形態では、上記耐圧シート160A
〜160Dとして、耐圧シート本体の廻り(表裏面を含
む)を脱ガス処理がなされたシートで被覆した2重構造
(3層構造)のものが用いられている。
【0160】ここで、脱ガス処理がなされたシートと
は、例えば、フッ素樹脂で形成されると共に、そのシー
トに2次加硫を施したシートである。また、他の例とし
て、前述したように露光光を吸収する気体、及び露光光
と反応して光学部材の表面に付着する有機物などの発生
が抑制されたシートであり、その表面は、例えば、フッ
素樹脂や、四フッ化エチレン、テトラフルオロエチレン
ーテトラフルオロ(アルキルビニルエーテル)、又はテ
トラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロペン共重合
体等の各種ポリマーで形成したものなどがある。
【0161】本実施形態では、照明系ユニット158、
レチクルステージ系ユニット154投影光学系ユニット
156及びウエハステージ系ユニット152のそれぞれ
に対して、所定の気体の供給及び排気が独立に行えるよ
うになっている。そのための空調制御装置として、不図
示のヘリウムガスボンベより供給される純度(濃度)が
比較的高いヘリウムガス(中純度のヘリウムガス:空調
用の第1の気体)をウエハステージ系ユニット152及
びレチクルステージ系ユニット154内に供給して空調
を行う第1の空調制御装置162と、照明系ユニット1
58及び投影光学系ユニット156内に、不図示のヘリ
ウムガスボンベより供給される上記第1の気体より更に
純度(濃度)が高いヘリウムガス(高純度のヘリウムガ
ス:空調用の第2の気体)を供給して空調を行う第2の
空調制御装置164とを備えている。第2の空調制御装
置では、ウエハステージ系ユニット152及びレチクル
ステージ系ユニット154内にも必要に応じて上記第2
の気体を供給して部分空調を行うようになっている(こ
れについては、後述する)。
【0162】さらに、本実施形態では、各空調ユニット
外部のチャンバ151内の全体空調を行うための第3の
空調制御装置166、並びにメンテナンス時にレチクル
ステージ系ユニット154及びウエハステージ系ユニッ
ト152内の空調を行う第4の空調制御装置168及び
メンテナンス時に主として照明系ユニット158内の空
調を行う第5の空調制御装置170を備えている。
【0163】前記第1、第2、第3、第4及び第5の空
調制御装置162、164、166、168、170
は、HEPAフィルタ(high efficiency particulate
air-filter)又はULPAフィルタ(ultra low penetr
ation air-filter)等のパーティクル除去用のエアフィ
ルタ(以下、単に「エアフィルタ」と呼ぶ)、露光光と
反応して光学部材の表面に付着する有機物(この有機物
には、露光装置を構成する部品から発生する脱ガスも含
まれる)を除去するケミカルフィルタ(活性炭あるいは
ゼオライト等)、及び供給される気体中に含まれるオゾ
ンを除去するオゾン除去フィルタ(二酸化マンガンある
いは酸化チタン等)を内蔵している。なお、F2レーザ
光あるいはそれより短波長の真空紫外光を露光用照明光
として用いる場合、真空紫外光は光路上の酸素、水蒸
気、及び炭化水素ガス等の気体により吸収されてしま
う。そのため、各空調制御装置162、164、166
に、さらに、各ユニットに供給されるヘリウム中の酸
素、水蒸気、二酸化炭素及び有機ガス(露光装置を構成
する部品からの脱ガス等)などの気体(以下、吸収性ガ
ス)を除去するための不純物除去フィルタを設ける必要
がある。
【0164】その際、第2の空調制御装置164には、
高純度のヘリウムが供給され、第1の空調制御装置16
2、第3の空調制御装置166には、中純度のへリウム
が供給されるので、第2の空調制御装置164と、第1
及び第3の空調制御装置162、166の不純物除去フ
ィルタにおける不純物除去性能を異ならせても良い。
【0165】また、第3の空調制御装置166は、メン
テナンス時に空気を取り込む必要があるので、メンテナ
ンス時以外、例えば、通常の装置運転時に、チャンバ1
51に供給する気体が不純物除去フィルタを通過させる
ように、第3の空調制御装置内の気体の流路を切り換え
る切換装置を備えている。
【0166】さらに、オゾン除去フィルタを、すべての
空調制御装置が内臓している場合について説明したが、
各ユニット内に微量に含まれる酸素と、露光光との反応
によってオゾンが発生するのであれば、オゾン除去フィ
ルタを第1、第2、第3の空調制御装置162、16
4、166に内臓させるだけで良い。
【0167】なお、各空調制御装置の詳細については、
後述する。
【0168】前記第1の空調制御装置162には、第
1、第2給気ポート及び第1、第2排気ポートが設けら
れている。この内、第1給気ポートは配管171を介し
て中純度のヘリウムガスを収容した不図示の第1のヘリ
ウムガスボンベに接続され、第1排気ポートは配管17
2を介して第1の切り換え器173の第1給気ポートに
接続されている。また、第2給気ポートは、配管174
を介して第2の切り換え器175の第1排気ポートに接
続され、第2排気ポートは、配管176を介して第3の
空調制御装置166の第1給気ポートに接続されてい
る。
【0169】前記第1の切り換え器173は、上記第1
給気ポートの他、第2給気ポート及び排気ポートを有す
る。その第2給気ポートには配管177を介して第4の
空調制御装置168の排気ポートが接続され、排気ポー
トには、配管178の一端が接続されている。この配管
178の他端は、空調風量制御器179の給気ポートに
接続され、この空調風量制御器179の第1、第2排気
ポートは、配管180、181をそれぞれ介してレチク
ルステージ系ユニット154の第1給気口、ウエハステ
ージ系ユニット152の第1給気口にそれぞれ接続され
ている。
【0170】これらレチクルステージ系ユニット15
4、ウエハステージ系ユニット152の排気口は、配管
182、183をそれぞれ介して空調風量制御器184
の第1、第2給気ポートにそれぞれ接続されている。こ
の空調風量制御器184の排気ポートは、配管185を
介して前述した第2の切り換え器175の給気ポートに
接続されている。また、第2の切り換え器175の第2
排気ポートは、配管186を介して第4の空調制御装置
168の第1給気ポートに接続されている。また、この
第4の空調制御装置168は、第1給気ポートの他に第
2給気ポートを有し、該第2給気ポートは、一端がチャ
ンバ151外の大気中に開放された配管187の他端に
接続されている。
【0171】前記第2の空調制御装置164には、第
1、第2給気ポート及び第1、第2排気ポートが設けら
れている。この内、第1給気ポートは配管188を介し
て高純度のヘリウムガスを収容した不図示の第2のヘリ
ウムガスボンベに接続され、第1排気ポートは配管18
9を介して第3の切り換え器190の第1給気ポートに
接続されている。また、第2給気ポートは、配管191
を介して第4の切り換え器192の第1排気ポートに接
続され、第2排気ポートは、配管193を介して第3の
空調制御装置166の第2給気ポートに接続されてい
る。
【0172】前記第3の切り換え器190は、上記第1
給気ポートの他、第2給気ポート、第1排気ポート及び
第2排気ポートを有する。その第2給気ポートは配管1
94を介して第5の空調制御装置170の排気ポートに
接続されている。また、第3の切り換え器190の第1
排気ポートは、配管195を介して照明系ユニット15
8の給気口に接続され、第2排気ポートは、配管196
を介して空調風量制御器197の給気ポートに接続され
ている。この空調風量制御器197の第1排気ポート
は、配管198を介してレチクルステージ系ユニット1
54の第2給気口に接続され、第2排気ポートは、配管
199を介して空調風量制御器200の給気ポートに接
続されている。この空調風量制御器200の第1、第2
排気ポートは、配管201、202をそれぞれ介して投
影光学系ユニット156の給気口、ウエハステージ系ユ
ニット152の第2給気口にそれぞれ接続されている。
【0173】前記照明系ユニット158、投影光学系ユ
ニット156の排気口は、配管203、204をそれぞ
れ介して空調風量制御器205の第1、第2給気ポート
にそれぞれ接続されている。この空調風量制御器205
の排気ポートは、配管206を介して前述した第4の切
り換え器192の給気ポートに接続されている。また、
第4の切り換え器192の第2排気ポートは、配管20
7を介して第5の空調制御装置170の第1給気ポート
に接続されている。この第5の空調制御装置170は、
第1給気ポートの他に第2給気ポートを有し、該第2給
気ポートは、一端がチャンバ151外の大気中に開放さ
れた配管208の他端に接続されている。
【0174】前記照明系ユニット158、レチクルステ
ージ系ユニット154、投影光学系ユニット156、及
びウエハステージ系ユニット152の内部には、それぞ
れの排気口近傍に、第1の濃度センサ210A、210
B、210C、210Dがそれぞれ配設されている。こ
れらの濃度センサ210A、210B、210C、21
0Dは、前述した吸収性ガスの濃度を測定する不純物濃
度センサ、酸素センサ及びオゾンセンサをそれぞれ含
む。これらの濃度センサ210A、210B、210
C、210Dの計測値は、前述した主制御装置80に供
給されており、主制御装置80では、これらの濃度セン
サの計測値に基づいて各空調ユニット内の空調に用いら
れる気体中のヘリウムガスの濃度を監視する。具体的に
は、主制御装置80では、露光装置の通常運転中は、そ
れぞれの第1の濃度センサを構成する不純物濃度セン
サ、オゾンセンサの少なくとも一方の検出値が、それぞ
れの空調ユニット毎に定められた不純物濃度の第1のし
きい値、オゾン濃度の第2のしきい値を超えるか否かを
監視する。そして、濃度センサ210A、210B、2
10C、210Dの計測値に基づき、いずれかの空調ユ
ニット内の不純物濃度又はオゾン濃度が上記第1のしき
い値を超えたことを検出したときに、その濃度センサに
対応するユニット内の空調に用いられた気体中のヘリウ
ムガスの濃度が、各空調ユニット毎に予め定めた所定の
値以下に低下したことを検知する。主制御装置80で
は、メンテナンス時にそれぞれの第1の濃度センサに含
まれる酸素センサの検出値が、通常の空気の濃度程度に
なるか否かを監視する。
【0175】本実施形態では、濃度センサが各空調ユニ
ット内にそれぞれ配置される構成としたが、一つの濃度
センサに対して各空調ユニットから選択的にガスを供給
して計測するようにしてもよい。すなわち、一つの濃度
センサに対して各空調ユニットと接続する配管をそれぞ
れ設け、配管と一つの濃度センサとの間に流路切換弁を
設ければ良い。
【0176】この一方、後述するガス置換中には、主制
御装置80では、それぞれの濃度センサで検出される不
純物濃度及びオゾン濃度が、それぞれの空調ユニット毎
に定められた不純物濃度の第2のしきい値、オゾン濃度
の第2のしきい値以下になるか否かを監視し、不純物濃
度及びオゾン濃度がともに第2のしきい値以下になった
とき、ガス置換が終了したことを検知するようになって
いる。
【0177】この他、本実施形態では、図10に示され
るように、チャンバ151の天井部に設けられた給気口
に、配管211を介して第3の空調制御装置166の第
1排気ポートが接続され、チャンバ151の底部近傍に
設けられた排気口に、配管212を介して第3の空調制
御装置166の第3給気ポートが接続されている。さら
に、第3の空調制御装置166の第2排気ポートには、
配管213を介して貯蓄機構としてのガス貯蓄機構21
4が接続され、第3の空調制御装置166の第4給気ポ
ートは、一端がチャンバ151外の大気中に開放された
配管216の他端に接続されている。
【0178】また、チャンバ151の排気口の近傍に
は、酸素センサ及びオゾンセンサを含む第2の濃度セン
サ215が配設されている。この第2の濃度センサ21
5の計測値は、前述した主制御装置80に供給されてお
り、主制御装置80では、この第2の濃度センサ215
の計測値に基づいてチャンバ151内の空調に用いられ
る気体中のヘリウムガスの濃度を監視する。すなわち、
主制御装置80では、第2の濃度センサ215を構成す
る不純物濃度センサ、オゾンセンサの少なくとも一方の
検出値が、予め定められた不純物濃度のしきい値、オゾ
ン濃度のしきい値を超えるか否かを監視する。そして、
不純物濃度又はオゾン濃度がそのしきい値を超えたこと
を検出したときに、チャンバ内の空調に用いられた気体
中のヘリウムガスの濃度が、予め定めた所定の値以下に
低下したことを検知する。
【0179】ここで、第1の空調制御装置162、第2
の空調制御装置164、第3の空調制御装置166を中
心として構成された上述の空調系による各空調ユニット
及びチャンバ151内の空調動作について説明する。な
お、以下に説明する各部の動作は、主制御装置80の管
理の下に行われる。
【0180】まず、通常の装置運転時(以下、適宜「通
常状態」と呼ぶ)、すなわちメンテナンス時等以外の動
作について説明する。
【0181】第1の空調制御装置162から供給される
中純度のヘリウムガスを用いた空調は次のようにして行
われる。
【0182】前記第3の空調制御装置166は、通常状
態で、第1排気ポート及び第3給気ポートが「開」、そ
の他のポートが「閉」となっている。また、前記第2の
切り換え器175は、通常状態で、給気ポート及び第1
排気ポートが「開」、第2排気ポートが「閉」になって
いる。
【0183】前記第1の空調制御装置162は、通常状
態で、第1給気ポート及び第2排気ポートが「閉」、第
2給気ポート及び第1排気ポートが「開」となってお
り、配管174及び第2の切り換え器175を介してレ
チクルステージ系ユニット154、ウエハステージ系ユ
ニット152側から戻される第1の気体(中純度のヘリ
ウムガス)の温度及び流量を調整して配管172を介し
て第1の切り換え器173に供給する。
【0184】第1の切り換え器173は、通常状態で、
第1給気ポート及び排気ポートが「開」、第2給気ポー
トが「閉」となっており、配管172を介して第1の空
調制御装置162から送り込まれる中純度のヘリウムガ
スを配管178を介して空調風量制御器179に供給す
る。
【0185】空調風量制御器179は、通常状態で、給
気ポート及び第1、第2の排気ポートの全てが「開」と
なっており、配管178を介して送り込まれた中純度の
ヘリウムガスの温度及び流量(風量)の調整を行って、
配管180、181をそれぞれ介してレチクルステージ
系ユニット154、ウエハステージ系ユニット152に
向けて吹き出す。そして、レチクルステージ系ユニット
154、ウエハステージ系ユニット152内を流通した
中純度のヘリウムガスは、配管182、183をそれぞ
れ介して空調風量制御器184に送られる。そして、こ
の空調風量制御器184から吹き出された中純度のヘリ
ウムガスは、配管185、第2の切り換え器175及び
配管174を介して第1の空調制御装置162に戻され
る。すなわち、このようにして、第1の空調制御装置1
62から供給された中純度のヘリウムガスが循環され、
レチクルステージ系ユニット154、ウエハステージ系
ユニット152内部の空調が行われる。
【0186】この循環中に中純度のヘリウムガスが減少
した場合には、第1の空調制御装置162ではその減少
による不足分を不図示のヘリウムガスボンベより補う、
すなわち不足分についてパージを行うようになってい
る。
【0187】また、上記の中純度のヘリウムガスの循環
中に、前述の如く、主制御装置80により、濃度センサ
210B、210Dの計測値に基づいてレチクルステー
ジ系ユニット154、ウエハステージ系ユニット152
内の空調に用いられた気体中のヘリウムガス濃度が監視
されており、主制御装置80はその濃度が予め定めた所
定の値以下に低下したことを検知すると、第1の空調制
御装置162及び第3の空調制御装置166に対してそ
の旨を通知する。
【0188】上記の通知により、第3の制御装置166
はその第1給気ポートを開く。また、第1の空調制御装
置162では、上記の通知により不図示の方向切り換え
弁を切り換えて配管174を配管176に連通する排気
経路をその内部に形成すると同時に、第2排気ポートを
開き、第2の切り換え器175から配管174を介して
戻されるレチクルステージ系ユニット154、ウエハス
テージ系ユニット152内の空調に用いられた気体(中
純度のヘリウムガス)を第3の空調制御装置166に対
して送る。これと同時に、第1の空調制御装置162で
は、第1給気ポートを開いて不図示のガスボンベから新
たな中純度のヘリウムガスを取り込み、これを第1の切
り換え器173及び空調風量制御器179を介してレチ
クルステージ系ユニット154、ウエハステージ系ユニ
ット152内に新たな空調用の気体として供給する。
【0189】すなわち、このようにして、第1の空調制
御装置162により、レチクルステージ系ユニット15
4、ウエハステージ系ユニット152内のガス置換が開
始される。そして、このガス置換中、主制御装置80に
より濃度センサ210B、210Dを用いてレチクルス
テージ系ユニット154、ウエハステージ系ユニット1
52内の気体中の不純物濃度、オゾン濃度が監視され
る。そして、前述の如くしてガス置換が完了したことを
検知すると、主制御装置80ではその旨を第1の空調制
御装置162、第3の空調制御装置166に通知する。
【0190】上記のガス置換完了の通知により、第3の
空調制御装置166はその第1給気ポートを閉じる。ま
た、第1の空調制御装置162では、上記ガス置換完了
の通知により不図示の方向切り換え弁を切り換えて配管
174を配管172に連通する循環経路をその内部に形
成すると同時に、第1給気ポートを閉じて新たなヘリウ
ムガスの供給を停止する。
【0191】第2の空調制御装置164から供給される
高純度のヘリウムガスを用いた空調は次のようにして行
われる。
【0192】前述の如く、前記第3の空調制御装置16
6は、通常状態で、第1排気ポート及び第3給気ポート
が「開」、その他のポートが「閉」となっている。ま
た、前記第4の切り換え器192は、通常状態で、給気
ポート及び第1排気ポートが「開」、第2排気ポートが
「閉」になっている。
【0193】前記第2の空調制御装置164は、通常状
態で、第1給気ポート及び第2排気ポートが「閉」、第
2給気ポート及び第1排気ポートが「開」となってお
り、配管191及び第4の切り換え器192を介して照
明系ユニット158、投影光学系ユニット156側から
戻される第2の気体(高純度のヘリウムガス)の温度及
び流量を調整して配管189を介して第3の切り換え器
190に供給する。
【0194】第3の切り換え器190は、通常状態で、
第1給気ポート、第1排気ポート及び第2排気ポートが
「開」、第2給気ポートが「閉」となっており、配管1
89を介して第2の空調制御装置164から送り込まれ
る高純度のヘリウムガスを配管195を介して照明系ユ
ニット158内に吹き出すとともに、配管196を介し
て空調風量制御器197に供給する。
【0195】空調風量制御器197は、通常状態で、給
気ポート及び第2の排気ポートが「開」、第1排気ポー
トが「閉」となっており、配管196を介して供給され
た高純度のヘリウムガスの温度及び流量(風量)の調整
を行って、配管199を介して空調風量制御器200に
供給する。この空調風量制御器200は、通常状態で給
気ポート及び第1排気ポートが「開」、第2排気ポート
が「閉」となっており、配管199を介して供給された
高純度のヘリウムガスの温度及び流量(風量)の調整を
行って配管201を介して投影光学系ユニット156内
に吹き出す。
【0196】前記の如くして、照明系ユニット158、
投影光学系ユニット156に供給され、これらのユニッ
ト内を流通した高純度のヘリウムガスは、配管203、
204をそれぞれ介して空調風量制御器205に送られ
る。そして、この空調風量制御器205から吹き出され
た高純度のヘリウムガスは、配管206、第4の切り換
え器192及び配管191を介して第2の空調制御装置
164に戻される。すなわち、このようにして、第2の
空調制御装置164から供給された高純度のヘリウムガ
スが循環され、照明系ユニット158、投影光学系ユニ
ット156内部の空調が行われる。
【0197】ところで、前述した露光時には、主制御装
置80からの指令に応じて空調風量制御器197の第1
排気ポート、空調風量制御器200の第2排気ポートが
「開」となり、空調風量制御器197、空調風量制御器
200から配管198、202をそれぞれ介して高純度
のヘリウムガスがレチクルステージ系ユニット154、
ウエハステージ系ユニット152内にも吹き出される。
すなわち、中純度のヘリウムガスで満たされたユニット
内に高純度のヘリウムガスが供給されることになる。こ
の吹き出された高純度のヘリウムガスは、レチクルステ
ージ系ユニット154内では、レチクル干渉計74の干
渉計光路の部分空調や投影光学系PLの上端部のレンズ
の曇りを防止するために用いられ、ウエハステージ系ユ
ニット152内では、ウエハ干渉計146の干渉計光路
の部分空調、フォーカスセンサAFの検出光束の光路の
部分空調及び投影光学系PLの下端面のレンズの曇りを
防止するために用いられる。かかる意味では、レチクル
ステージ系ユニット154内やウエハステージ系ユニッ
ト152内に、上記各部の部分空調を効果的に行うため
に、高純度のヘリウムガスを上記各部に確実に導く通路
を形成し、この通路内に高純度のヘリウムガスが供給さ
れるようにしても良い。この通路は、例えば、いわゆる
エアカーテン(窒素ガスやヘリウムガス等を用いたも
の)や筒状部材によって形成することができる。
【0198】本実施形態では、上述のようにしてレチク
ルステージ系ユニット154内、ウエハステージ系ユニ
ット152内の部分空調が行われる結果、レチクル干渉
計74、ウエハ干渉計146、フォーカスセンサAFそ
れぞれの計測精度を向上することができるとともに、投
影光学系PLの曇りを抑制して透過率の低下を抑制する
ことができる。
【0199】上記の循環中に高純度のヘリウムガスが減
少した場合には、第2の空調制御装置164ではその減
少による不足分を不図示のヘリウムガスボンベより補
う、すなわち不足分についてパージを行うようになって
いる。
【0200】また、上記の高純度のヘリウムガスの循環
中に、前述の如く、主制御装置80により、濃度センサ
210A、210Cの計測値に基づいて照明ユニット1
58、投影光学系ユニット156内の空調に用いられた
気体中のヘリウムガス濃度が監視されており、主制御装
置80はその濃度が予め定めた所定の値以下に低下した
ことを検知すると、第2の空調制御装置164及び第3
の空調制御装置166に対してその旨を通知する。
【0201】上記の通知により、第3の制御装置166
はその第2給気ポートを開く。また、第2の空調制御装
置164では、上記の通知により不図示の方向切り換え
弁を切り換えて配管191を配管193に連通する排気
経路をその内部に形成すると同時に、第2排気ポートを
開き、第4の切り換え器192から配管191を介して
戻される照明系ユニット158、投影光学系ユニット1
56内の空調に用いられた気体(高純度のヘリウムガ
ス)を第3の空調制御装置166に対して送る。これと
同時に、第2の空調制御装置164では、第1給気ポー
トを開いて不図示のガスボンベから新たな高純度のヘリ
ウムガスを取り込み、これを前述と同様にして照明系ユ
ニット158、投影光学系ユニット156内に新たな空
調用の気体として供給する。
【0202】すなわち、このようにして、第2の空調制
御装置164により、照明系ユニット158、投影光学
系ユニット156内のガス置換が開始される。そして、
このガス置換中、主制御装置80により濃度センサ21
0A、210Cを用いて照明系ユニット158、投影光
学系ユニット156内の気体中の不純物濃度、オゾン濃
度が監視される。そして、前述の如くしてガス置換が完
了したことを検知すると、主制御装置80ではその旨を
第2の空調制御装置164、第3の空調制御装置166
に通知する。
【0203】上記のガス置換完了の通知により、第3の
空調制御装置166はその第2給気ポートを閉じる。ま
た、第2の空調制御装置164では、上記ガス置換完了
の通知により不図示の方向切り換え弁を切り換えて配管
191を配管189に連通する循環経路をその内部に形
成すると同時に、第1給気ポートを閉じて新たなヘリウ
ムガスの供給を停止する。
【0204】なお、上述した中純度のヘリウムガスを用
いた空調と高純度のヘリウムガスを用いた空調は同時並
行的に行われるが、上の説明では、説明の便宜上から分
けて説明したものである。
【0205】第3の空調制御装置166によるチャンバ
151内の全体空調は、次のようにして行われる。
【0206】チャンバ151内には、初期状態で、前述
した中純度のヘリウムガスよりも更にヘリウムガスの濃
度の低い気体(低純度のヘリウムガス)が収容されてい
るものとする。
【0207】第3の空調制御装置166は、通常状態
で、第1排気ポート及び第3給気ポートが「開」、その
他のポートが「閉」となっており、チャンバ151、配
管212、211内部に存在する気体(低純度のヘリウ
ムガス)の温度、流量を調整しながら循環させてチャン
バ151内の全体空調を行っている。そして、前述の如
くして、第1の空調制御装置162又は第2の空調制御
装置164からそれぞれ所定値以下にヘリウムガスの濃
度が低下した中純度のヘリウムガス、高純度のヘリウム
ガスが供給されると、これらのヘリウムガスを含む気体
を循環させてチャンバ151内の全体空調を行う。
【0208】また、上記のヘリウムガスを含む気体の循
環によるチャンバ151内の全体空調が行われていると
き、前述の如く、主制御装置80により、濃度センサ2
15の計測値に基づいてチャンバ151内の全体空調に
用いられた気体中のヘリウムガス濃度が監視されてお
り、主制御装置80はその濃度が予め定めた所定の値以
下に低下したことを検知すると、例えば第1の空調制御
装置162及び第3の空調制御装置166に対してその
旨を通知する。
【0209】この通知により、第3の空調制御装置16
6では第2排気ポートを開き、配管212を介して戻さ
れるそのヘリウムガス濃度が低下した気体(以下、「劣
化ヘリウムガス」と呼ぶ)をリサイクル用ガスとしてガ
ス貯蓄機構214に排出する。第1の空調制御装置16
2では、上記の通知により、それまで空調に使用してい
た中純度のヘリウムガスを第3の空調制御装置166に
対して前述の如くして供給すると同時に、不足分のヘリ
ウムガスを補うべく、不図示の第1のヘリウムガスタン
クから新たな中純度のヘリウムガスを取り込む。なお、
第1の空調制御装置162及び第2の空調制御装置16
4は、不図示のヘリウムガスボンベから供給されるヘリ
ウムについても、エアフィルタ、ケミカルフィルタ、オ
ゾン除去フイルタ、不純物除去フィルタを通過させてい
る。このため、不図示のへリウムボンべと第1、第2の
空調制御装置162、164との間の配管自身からの脱
ガスや、ガスリークなどのトラブルにより混入する吸収
性ガスを除去することができる。
【0210】次に、メンテナンス時の空調動作について
説明する。
【0211】メンテナンス時には、チャンバ151は勿
論、投影光学系ユニット156以外の空調ユニットは作
業者によってケーシングが開かれる可能性があるため、
作業者がヘリウムガスを含む気体を吸い込む等の事態の
発生を事前に防止するため、次のような対策がとられて
いる。
【0212】メンテナンス時等には、第1の空調制御装
置162では、主制御装置80からの指令に基づき、第
2の切り換え器175の第1排気ポートを閉じると同時
に第2排気ポートを開く。また、これと同時に、第1の
空調制御装置162では、第1の切り換え器173の第
1給気ポートを閉じ、第2給気ポートを開く。第4の空
調制御装置168では、配管187を介して露光装置が
設置されるクリーンルーム内の空気を取り込み、その取
り込んだ空気をエアフィルタ、ケミカルフィルタ、オゾ
ン除去フィルタを通過させて、取り込んだ空気中の塵
埃、有機物、オゾンを除去して清浄化し、清浄化された
後の空気の温度、流量を調整して配管177を介して第
1の切り換え器173に供給する。そして、この清浄化
された空気が第1の切り換え器173から空調風量制御
器179を介してレチクルステージ系ユニット154、
ウエハステージ系ユニット152に供給され、これらの
空調ユニット内の中純度ヘリウムガスを清浄化された空
気に置換するガス置換が開始される。
【0213】同様に、第2の空調制御装置164では、
主制御装置80からの指令に基づき、第4の切り換え器
192の第1排気ポートを閉じると同時に第2排気ポー
トを開く。また、これと同時に、第2の空調制御装置1
64では、第3の切り換え器190の第1給気ポート及
び第2排気ポートを閉じ、第2給気ポートを開くととも
に、空調風量制御器205の第2給気ポートを閉じる。
第5の空調制御装置170では、配管208を介して空
気を取り込み、その取り込んだ空気をエアフィルタ、ケ
ミカルフィルタ、オゾン除去フィルタを通過させて、取
り込んだ空気中の塵埃、有機物、オゾンを除去して清浄
化し、清浄化された後の空気の温度、流量を調整して配
管194を介して第3の切り換え器190に供給する。
そして、この清浄化された後の空気が第3の切り換え器
190から照明系ユニット158内に供給され、該照明
系ユニット158内の高純度ヘリウムガスを清浄化され
た後の空気に置換するガス置換が開始される。
【0214】ここで、第3の切り換え器190の第2排
気ポート及び空調風量制御器205の第2給気ポートを
閉じるのは、投影光学系ユニット156内に高純度のヘ
リウムガスを閉じ込めておくためである。これは、投影
光学系PLは特にメンテナンスを行う必要がなく、ま
た、内部の高純度ヘリウムガスを空気で置換すると投影
光学系PLを構成するレンズ等の曇りの要因になるため
である。かかる点からは、投影光学系ユニット156内
に他の空調ユニットと独立して高純度ヘリウムガスを常
時供給する空調経路を別に設けても良い。
【0215】また、第3の空調制御装置166では、主
制御装置80からの指令に基づき、第4給気ポートを開
いて配管216を介して空気を取り込み、その取り込ん
だ空気をエアフィルタ、ケミカルフィルタ、オゾン除去
フィルタを通過させて、取り込んだ空気中の塵埃、有機
物、オゾンを除去して清浄化し、清浄化された後の空気
の温度、流量を調整して配管211を介してチャンバ1
51内に供給するとともに、第2排気ポートを開いて配
管212を介して戻って来た気体を配管213を介して
ガス貯蓄機構214に対して排出する。これにより、チ
ャンバ151内の空調に用いられていたヘリウムガスを
含む気体を空気に置換するガス置換が開始される。
【0216】上記のレチクルステージ系ユニット15
4、ウエハステージ系ユニット152、照明系ユニット
158、及びチャンバ151内のガス置換は、ほぼ同時
に開始されるが、主制御装置80では、不図示のタイマ
を用いてガス置換の開始からの経過時間を計り、所定時
間が経過してそれぞれのガス置換が完了するまでは、作
業開始可の表示を行わないか、又はチャンバ151のカ
バーを閉じた状態でロックしておくようになっている。
なお、主制御装置80では、上記のタイマによる経過時
間の計時に代えて、濃度センサ210A、210B、2
10D、215で計測される不純物濃度が通常の空気の
濃度程度になるまで作業開始可の表示を行わないか、又
はチャンバ151のカバーを閉じた状態でロックしてお
くようにしても良い。
【0217】本実施形態の露光装置では、上述したガス
置換により、投影光学系ユニット156以外の空調ユニ
ットに供給されている気体は清浄化された後の空気であ
り、有機物、塵埃が露光光の光路中に配置される光学素
子表面に付着することがなく、しかも投影光学系ユニッ
ト156内には、露光用照明光の吸収率が殆ど無視でき
る高純度のヘリウムガスが充填された状態となっている
ので、メンテナンス終了後から、露光動作に移行する場
合には、投影光学系ユニット以外の空調ユニットにへリ
ウムガスを供給するだけとなり、迅速に露光を開始する
ことができる。
【0218】例えば、メンテナンス終了後に、レンズ表
面に付着した有機物などを除去するための光洗浄動作を
省略することができる。
【0219】ところで、本実施形態の露光装置10は、
図1からも容易に想像されるように、脚30A〜30
C、支柱34A〜34D等の柱部材を多く備えているの
で、前記耐圧シート160A〜160D等を用いて隣接
する空調ユニット間等を区画するために、それらの耐圧
シートの取付け方法についても工夫をしている。
【0220】図11には、一例として、レチクルステー
ジ系ユニット154と投影光学系ユニット156とを区
画する耐圧シート160Bの脚30A〜30C(但し、
紙面奥側の脚30Cは図示せず)に対する取付け構造が
一部断面して示されている。
【0221】この図11に示されるように、脚30A、
30B等の耐圧シート取付け部は、断面円形状(あるい
は楕円形状)となるように形成された小径部30A’、
30B’等とされている。そして、これらの小径部30
A’、30B’の外周部に2つのC字状のスペーサ22
0A、220Bが互い違いになるように左右から嵌め込
まれており、これらのスペーサ220A、220Bの外
側に耐圧シート160Bを挟み込むように、スペーサ2
20A、220Bのそれぞれと同一方向から、図12に
拡大して示されるような取付け金具222が互い違いに
なるようにそれぞれ挿入されている。そして、それぞれ
の取付金具222の一方の突出部222aに形成された
穴224を介してスクリュ226を挿入し、他方の突出
部222bに形成されたねじ穴228にスクリュ226
を螺合して締め付けることで、耐圧シート160Bが脚
30A、30B等に固定されている。すなわち、本実施
形態では、取付け金具222とスクリュ226とによっ
て、解除可能な締結機構が構成されている。
【0222】この場合、スペーサ220A、220Bの
外周面、及び取付金具222の内周面はともに所定の表
面あらさ以下に抑えられている。また、前述の如く、耐
圧シート160Bの表裏面はケミカルクリーンなシート
によって形成されている。このため、上記の如く、ねじ
を締め付けて耐圧シートを固定しても、耐圧シート16
0Bとスペーサ、取付金具との接触面部分から脱ガスが
殆ど生じず、耐圧シート160Bを脚に固定することに
よるガス汚染を防止することができる。
【0223】また、C字状のスペーサ220Aとスペー
サ220Bとは、図11に示されるように、それぞれの
開放端の近傍が相互に密着しているので、ガス漏れをほ
ぼ確実に防止できるようになっている。
【0224】耐圧シート160Bのその他の柱部材(例
えば支柱34A〜34D)に対する固定は上記と同様に
して行われている。なお、締結機構を、照明系ハウジン
グ、投影光学系の物体面側、像画側に用いる場合は、照
明系ハウジング、及び投影光学系の物体面側、像面側の
大きさに対応するC字状のスぺーサ、及び取付け金具を
用意すれば良い。
【0225】本実施形態では、耐圧シート160Bは、
図1の本体コラム(第1ユニット)12の一部を構成す
る脚30A〜30Cと、第2ユニット14の一部を構成
する支柱34A〜34Dとの両者に上述の如くして固定
される。また、耐圧シート160Bは、投影光学系PL
の物体面側に、脚30A〜30C及び支柱34A〜34
Dに対する取り付け方法と同様に取り付けられるので、
第2ユニット14側で発生した振動が、耐圧シート16
0Bを介して本体コラム12及び投影光学系PL側に伝
達するおそれがある。かかる点を考慮して、耐圧シート
160Bに所定量の撓みを持たせている。このため、耐
圧シート160Bが、本体コラム12と第2ユニット1
4との間に生じる相対的な位置変化に応じて変形し、そ
れらの相対的な位置変化を妨げず、第2ユニット14側
で発生した振動が、耐圧シート160Bを介して本体コ
ラム12側及び投影光学系PL側に伝達する事態が生じ
るのを効果的に防止できるようになっている。なお、投
影光学系PLと脚30A〜30Cとの間の部分で耐圧シ
ート160Bに撓みを持たせても良い。
【0226】また、投影光学系PLの像面側、及び照明
ハウジングに対しても耐圧シートが同様に取り付けられ
ている。
【0227】また、スクリュ226を緩めて、取付け金
具222を取り外すことにより、耐圧シート160Bを
簡単に取り外すことができるので、空調ユニット間の仕
切り部材が固着される場合に比べてメンテナンス時の作
業性を向上させることができる。
【0228】その他の耐圧シート160A、160C、
160Dの柱部材に対する取付けも上記と同様にして行
われており、同様の効果を奏している。
【0229】以上詳細に説明した本実施形態の露光装置
によると、以下のような様々の効果を得ることができ
る。
【0230】光学系が含まれる投影光学系ユニット15
6、照明系ユニット158内では、照明光束が通過する
気体部分が多く、照明光の吸収を極力抑制してかつケミ
カルクリーンな空調を行う必要がある一方、ステージ系
が含まれるウエハステージ系ユニット152、レチクル
ステージ系ユニット154では、照明光が通過する距離
が短くその部分の気体による照明光吸収は小さいので、
ステージの位置を計測する干渉計の計測精度を悪化させ
ない程度のケミカルクリーン度があれば足りる。但し、
ウエハステージ系ユニット152、レチクルステージ系
ユニット154内ではウエハ、レチクルに塵が付着する
のを防止するため、ある程度の流量の気体を流す必要が
ある。このようにウエハステージ系ユニット152、レ
チクルステージ系ユニット154と投影光学系ユニット
156、照明系ユニット158とで空調に要求される性
能が異なる。
【0231】しかるに、本実施形態の露光装置では、前
述の如く、第1の空調制御装置162により、ウエハス
テージ系ユニット152、レチクルステージ系ユニット
154内に空調用の第1の気体としての中純度のヘリウ
ムガスを供給して空調が行われ、第2の空調制御装置1
64により、投影光学系ユニット156、照明系ユニッ
ト158内に空調用の第2の気体としての高純度のヘリ
ウムガスを供給して空調が行われているので、結果的
に、第1の空調制御装置162と第2の空調制御装置1
64とで、それぞれに要求される性能に応じた空調用の
気体を用いて、流量や汚染を独立して管理することがで
きる。従って、各々理想的な制御を独立して行うことが
可能になり、光学系の透過率劣化や塵付着を防止するこ
とが可能となっている。
【0232】ここで、第2の気体として高純度のヘリウ
ムガスを用い、第1の気体としてそれより純度の低いヘ
リウムガスを用いるのは、第2の気体は、照明光学系I
OP及び投影光学系PL等の光学系内空間に供給される
ものであるから、空調により汚染度が悪化するのを防止
するために純度の高い不活性ガスを用いる必要がある一
方、メンテナンス頻度や、レチクル、ウエハの交換頻度
が高いステージ部ではケミカルフィルタを用いて汚染を
無くす必要はあるが、そこに供給される第1の気体は、
前述した干渉計計測精度を悪化させないレベルの純度が
あれば、それ以上高純度である必要は少ないためであ
る。
【0233】また、本実施形態の露光装置では、空調ユ
ニット152、154、156、158の内の任意の空
調ユニット内の空調に用いられた気体中のヘリウムガス
の濃度がそれぞれのしきい値以下に低下すると、その濃
度の低下が、主制御装置80により第1の濃度センサ2
10A〜210Dの出力に基づいて検出される。そし
て、その濃度の低下が検出された任意の空調ユニットに
対応する空調制御装置(第1の空調制御装置162、第
2の空調制御装置164のいずれか)によってその任意
の空調ユニット内に新しい空調用の気体が供給されると
ともに、その任意の空調ユニット内の空調に用いられた
気体がチャンバ151内の全体空調用として第3の空調
制御装置166に対して排出される。そして、第3の空
調制御装置166によって、その任意の空調ユニットの
空調に用いられた気体を用いてチャンバ151内の全体
空調が行われる。このため、空調ユニット152、15
4、156、158内を陽圧にしなくても、それらの空
調ユニット内に僅かに入り込むガスもヘリウムガスであ
ることから、その全体空調をN2やドライエアで行う場
合に比較して、空調ユニット152、154、156、
158内の空調に用いられたヘリウムガスの純度が劣化
する速度を極めて遅くすることができる。すなわち、本
実施形態では、ヘリウムガスが充填された空間を2重構
造にて構成することができ、これによりヘリウムガスの
供給量も少なく抑えることが可能となる。
【0234】また、本実施形態では、空調ユニット15
2、154、156、158内での使用によりヘリウム
ガスの純度が低下した気体がチャンバ151内に送り込
まれ、そのチャンバ151内の空調を行うことによりそ
の気体中のヘリウムガスの純度が所定濃度以下まで低下
すると、その純度の低下が主制御装置80により第2の
濃度センサ215の出力に基づいて検出される。する
と、第3の空調制御装置166により、チャンバ151
内の空調に用いられた気体がガス貯蓄機構214に排出
される。このように、純度が低下した使用済みの空調用
の気体が外部に排出されることなく、ガス貯蓄機構21
4に貯蓄されるので、環境の汚染を防止できるとともに
作業者がそれを吸引したりすることを防止することがで
きる。また、ガス貯蓄機構214に貯蓄された気体はリ
サイクルされるのでコストダウンにもつながる。
【0235】また、第1の濃度センサ210A〜210
Dが不純物濃度センサ及びオゾンセンサをそれぞれ含む
ので、これらのセンサの計測値の少なくとも一方が、所
定の許容量を超えたことにより、主制御装置80では空
調ユニット152、154、156、158内の気体中
のヘリウムガスの濃度が所定濃度値以下に低下したこと
を検出できる。また、第2の濃度センサ215が不純物
濃度センサ及びオゾンセンサを含むので、これらのセン
サの計測値の少なくとも一方が、所定の許容量を超えた
ことにより、主制御装置80ではチャンバ151内の気
体中のヘリウムガスの濃度が所定濃度値以下に低下した
ことを検出できる。
【0236】また、本実施形態では、隣接する空調ユニ
ット間、具体的には、照明系ユニット158とレチクル
ステージ系ユニット154との間、レチクルステージ系
ユニット154と投影光学系ユニット156との間、及
び投影光学系ユニット156とウエハステージ系ユニッ
ト152との間が、耐圧シート本体とその周囲を覆うケ
ミカルクリーンなシートとから成る2重構造(3層構
造)の耐圧シート160A、160B、160Cにてそ
れぞれ区画されているので、各空調ユニット内のケミカ
ルクリーン度の低下を抑制することができるとともに、
各空調ユニット内の気体を各々独立して空気(大気)と
置換することができるので極めてメンテナンス時の作業
性が良くなる。
【0237】また、本実施形態の露光装置では、レチク
ルステージRST、ウエハステージWSTをそれぞれ移
動可能に支持するレチクルベース定盤32、ウエハベー
ス定盤28を含む本体コラム12が3つの防振ユニット
18A〜18Cに支持され、この本体コラム12とは振
動に関して独立した第2ユニット14を構成する支柱3
4A〜34DによってレチクルステージRSTの駆動装
置82及びウエハステージWSTの駆動装置84が支持
されている。また、レチクルステージRSTの駆動装置
82を構成するXY方向微小駆動用レチクルフレーム4
8とレチクルステージRSTとが、レチクルステージR
STの移動面内方向(X、Y及びθz方向)の剛性が移
動面に直交する方向(Z、θx及びθy方向)の剛性に
比べて高い板ばね46によって連結されるとともに、ウ
エハステージWSTの駆動装置84を構成するXY方向
移動ユニット94とXYステージ120とが、XYステ
ージ120の移動面内方向(X、Y及びθz方向)の剛
性が移動面に直交する方向(Z、θx及びθy方向)の
剛性に比べて高い板ばね118によって連結されてい
る。
【0238】このため、例えばレチクルステージRST
の駆動時にその駆動装置82を支持する支柱34A〜3
4Dに作用する反力が、レチクルベース定盤32に殆ど
伝達されることがなく、同様に、ウエハステージWST
の駆動時にその駆動装置84を支持する支柱34A〜3
4Dに作用する反力が、ウエハベース定盤28に殆ど伝
達されることがないので、それらのレチクルベース定盤
32及びウエハベース定盤28を含む本体コラム12を
振動させたり、歪ませたりすることが殆どない。
【0239】また、上記の板ばね46、118は、それ
ぞれのステージ移動面内方向の剛性が高いため、それぞ
れの駆動装置によりそれらの板ばねを介してそれぞれの
ステージを容易に駆動することができる。また、レチク
ルステージRSTとその駆動装置82、ウエハステージ
WSTとその駆動装置84とを、それぞれ分離している
ことから、それぞれのステージの小型・軽量化が可能で
あり、それぞれのステージ移動に伴いレチクルベース定
盤32、ウエハベース定盤28に作用する偏荷重を軽減
することができる。
【0240】また、上記の板ばね46、118は、それ
ぞれのステージの移動面に直交する方向の剛性が低いた
め、仮に、ステージの駆動に伴う偏荷重等何らかの要因
により、ウエハベース定盤28、レチクルベース定盤3
2がベースプレートBPに対して傾いた場合、ウエハス
テージWST、レチクルステージRSTはこれに追従し
て傾くが、この際に板ばね118、46がウエハステー
ジWST、レチクルステージRSTの姿勢の変化を許容
するように変形し、結果的に各ステージに板ばねにより
連結された駆動装置の構成部分(XY方向移動ユニット
94、XY方向微小駆動用レチクルフレーム48)は元
の姿勢を維持したままとなる。従って、本実施形態で
は、吊り下げタイプのウエハベース定盤を採用し、各ス
テージとそれぞれの駆動装置とを分離した構成を採用し
ているにもかかわらず、駆動装置のガイドがかじる等の
不都合の発生を防止することができ、防振性、ステージ
の位置制御性に優れたものとなっている。特にウエハス
テージWST側は、結果的にフォーカス・レベリング制
御も容易になっている。
【0241】また、本実施形態では、ウエハステージW
ST、レチクルステージRSTの駆動により、第2ユニ
ット14に作用する反力をキャンセルするためのカウン
タフォースを、第2ユニット14(具体的には、支柱3
4A〜34D)に与える反力キャンセル用アクチュエー
タ122A〜122D及び123A〜123Dを備え、
これらのアクチュエータを主制御装置80がフィードフ
ォワード制御しているので、本体コラム12のみなら
ず、第2ユニット14についても振動の抑制が可能とな
り、しかも反力キャンセル用アクチュエータによりカウ
ンターフォースが時間遅れなく第2ユニット14に与え
られるので、第2ユニット14に前記反力が生じるとほ
ぼ同時にその反力をほぼキャンセルすることができる。
【0242】また、照明系ユニット158とレチクルス
テージ系ユニット154との間、レチクルステージ系ユ
ニット154と投影光学系ユニット156との間、及び
投影光学系ユニット156とウエハステージ系ユニット
152との間を区画する耐圧シート160A、160
B、160C等が、上記本体コラム12、第2ユニット
14間に生じる相対的な位置変化に応じて伸縮するの
で、それらの耐圧シート160A、160B、160C
等は本体コラム12、第2ユニット14間に生じる相対
的な位置変化を妨げず、従って本体コラム12、第2ユ
ニット14間で振動を伝えることがない。従って、ウエ
ハステージWST及びレチクルステージRSTの駆動装
置を支持する第2ユニット14側の振動が投影光学系P
L等を支持する本体コラム12側の振動要因となるのを
防止できるとともに、耐圧シート160A、160B、
160Cにより上記各空調ユニット間を区画することが
できる。
【0243】また、本実施形態の露光装置では、例え
ば、前述した通常運転中に、主制御装置80により、濃
度センサ210B、210Dの計測値に基づいてレチク
ルステージ系ユニット154、ウエハステージ系ユニッ
ト152内の空調に用いられた気体中のヘリウムガス濃
度が監視されており、主制御装置80はその濃度が予め
定めた所定の値以下に低下したことを検知すると、第1
の空調制御装置162及び第3の空調制御装置166に
対してその旨を通知し、第1の空調制御装置162によ
り、ウエハステージ系ユニット162、レチクルステー
ジ系ユニット164内に中純度のヘリウムガスが供給さ
れ、その内部のガス置換が行われるが、この際に、主制
御装置80からの指示に応じてステージ制御装置81で
は、ウエハステージ及びレチクルステージをそれぞれ駆
動するようにしても良い。このようにすると、メンテナ
ンス頻度の高いレチクルステージ系ユニット154、ウ
エハステージ系ユニット152内のみガス置換する際に
は、ステージ制御装置81により、各ステージを駆動し
つつガス置換が行われるので、ステージの駆動により積
極的にガスが拡散され、より高速なガス置換が可能とな
る。
【0244】なお、停電時、シャットダウン時、装置移
動時等の後の空調ユニット152、154、156、1
58内の雰囲気を元の状態に復帰させるためにガス置換
を行う際には、耐圧シート160A〜160Dが耐え得
る所定の同一真空度で各空調ユニット内部の気体を排出
し、空調用の気体の供給を行う工程を繰り返すことで、
ガス置換を行えば良い。
【0245】また、本実施形態では、上述の如く、ガス
置換の際に各空調ユニット内を一度真空にすることでガ
ス置換の効率を高めているが、ガス置換に時間をかけて
も良い場合には、各空調ユニット内を必ずしも一旦真空
にしなくとも良い。例えば、各空調ユニット内のガスを
一旦窒素ガス(N2ガス)で置換し、その後ヘリウムガ
ス(He)に置換したり、あるいは、各空調ユニット内
のガスを時間を掛けて徐々にヘリウムガスに置換するよ
うにしても良い。このようにする場合には、前述した耐
圧シート160A〜160Dは勿論、これに代えて、金
属箔(金属の薄いシート、通常0.15mm以下のもの
をいう)を備えるシート部材(金属箔そのもの、あるい
は金属箔がその表面に付されたシート部材)や、軟性プ
ラスチックに金属を蒸着したシート部材等のケミカルク
リーンなシート部材を使用することも可能となる。この
ようなシート部材は耐圧シート160A〜160Dに比
べて振動伝達抑制効果に優れているという利点を有して
いる。また、このようなシート部材を用いる場合も、該
シート部材に皺を寄せたり、柱部材等に緩めに固定した
りすることで、更なる3次元的振動にも対応することが
可能となる。
【0246】また、上記では特に説明しなかったが、本
実施形態の露光装置では、第2の空調制御装置164
は、予備電源により動作可能となっており、露光装置の
電源がオフされたとき、その予備電源による動作を開始
して投影光学系ユニット156、照明系ユニット158
内からの内部ガスの排出を停止するとともに、それらの
内部に高濃度のヘリウムガスを僅かに供給するようにな
っている。このため、元々メンテナンス頻度が低く、駆
動部分が少ない投影光学系PLや照明光学系IOPにつ
いては常に高純度のヘリウムガスをパージした状態を維
持できるため、運転の再開に際し装置を立上げる際に真
空状態にする頻度が極めて少なくなり、不要に装置への
ストレスを与える必要がなくなり、立ち上げ時間も短縮
することができる。
【0247】この他、本実施形態の露光装置では、ウエ
ハステージWSTのヨーイング(θz回転)は、非走査
方向であるX軸方向に駆動する駆動装置が、第1のXリ
ニアモータ104Aと第2のXリニアモータ104Bと
を有しているので、ステージ制御装置81が、ウエハレ
ーザ干渉計システム146の検出結果に基づいて、第1
のXリニアモータ104Aと第2のXリニアモータ10
4Bとの推力分配率を制御することにより、確実に補正
することができる。
【0248】また、XY方向移動ユニット94がウエハ
ステージWSTの駆動装置84に含まれるので、ウエハ
ステージWSTの構成を簡略化することが可能となり、
これによってウエハステージWSTの小型・軽量化が可
能になっている。同様の理由により、レチクルステージ
RSTも小型軽量化が可能になっている。
【0249】また、板ばね118は、ウエハステージW
STの重心位置に関して線対称となる状態で配置されて
いることから、ウエハステージWSTにピッチング、ロ
ーリング等を生じさせる回転モーメントがその振動要因
となることがない。この点は、レチクルステージRST
側も同様である。
【0250】また、本実施形態では、図4及び図2から
明らかなように、ウエハベース定盤28、レチクルベー
ス定盤32は、三角形の各頂点位置の近傍で吊り下げ部
材26、脚30A〜30Cによってそれぞれ3点支持さ
れ、ウエハステージWSTの駆動装置84、レチクルス
テージRSTの駆動装置82は、支柱34A〜34Dに
よりそれらの三角形にほぼ重なる長方形の各頂点位置で
4点支持されているので、吊り下げ部材26及び脚30
A〜30Cと支柱34A〜34Dとをいわゆる入子構造
の配置とすることができ、スペース効率を良好に維持し
てフットプリントの増大を防止することができる。
【0251】また、ウエハステージWST、レチクルス
テージRSTの位置を計測するウエハレーザ干渉計シス
テム146、レチクルレーザ干渉計74を構成する各干
渉計が、防振ユニット18A〜18Cによって支持さ
れ、前述の如く、振動、歪み等が効果的に抑制された本
体コラム12側に固定され、それぞれのステージの位置
を本体コラム12に支持された投影光学系PL(に固定
された固定鏡)を基準として計測していることから、そ
れらの干渉計の計測誤差が非常に小さくなり、それらの
干渉計により各ステージの位置を精度良く計測すること
が可能になる。
【0252】また、本実施形態では、XYステージ12
0上に配置された3つの試料台支持ユニット136A〜
136Cをそれぞれ構成する各一対の試料台支持棒13
2の先端面と試料台138の上面とが、ほぼ同一面とな
る状態で、前記各試料台支持棒132と試料台138と
がXYステージ120(ウエハステージWST)の移動
面内方向の剛性が移動面に直交する方向の剛性に比べて
高い板ばね142A〜142Cによって連結され、試料
台支持ユニット136A〜136Cをそれぞれ構成する
3つのボイスコイルモータ134により、試料台138
をZ・チルト駆動するようになっていることから、ウエ
ハステージWSTの移動面内の駆動に伴う反力の影響を
殆ど受けることがなく、ボイスコイルモータ134によ
りウエハベース定盤28を基準面として試料台138の
Z・チルト駆動を高精度に行うことが可能になる。
【0253】また、前述した板ばね118の変形で発生
するステージ部のストレスを板ばね142A〜142C
で吸収することができるので、試料台138に歪みが生
じるのを効果的に抑制することができ、その側面に形成
された反射面の変形も抑制することができ、この意味に
おいてもウエハステージWSTの位置計測精度の向上が
可能になる。
【0254】本実施形態の露光装置10では、上述した
数々の工夫により、F2レーザ光あるいはそれより短波
長の真空紫外光を露光用照明光として用いる場合に、ケ
ミカルクリーン及び露光用照明光の透過率の面で、高い
性能を発揮することができ、また、装置各部の振動や応
力を低減し、また、それぞれのステージの位置制御性の
向上、両ステージの同期整定時間の短縮によりスループ
ットの向上が可能となり、また、投影光学系PLの振動
に起因するパターン転写位置ずれや像ボケ等の発生を効
果的に防止して露光精度の向上を図ることができる。
【0255】なお、上記実施形態では、空調ユニット1
52、154、156、158及びチャンバ151内の
空調用の気体に用いられる不活性ガスがヘリウムガスで
ある場合について説明したが、本発明がこれに限定され
ないことは勿論である。すなわち、不活性ガスとして、
ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン等を用いても
構わない。上記実施形態では、照明系ユニット158と
投影光学系ユニット156内の使用により純度が低下し
たへリウムガスをチャンバ151内の空調用として使用
する場合について説明したが、照明系ユニット158と
投影光学系ユニット156内で使用されたへリウムガス
の純度が、レチクルステージ系ユニット154、ウエハ
ステージ系ユニット152内で使用できるへリウムガス
の純度の許容範囲内に入っているのであれば、照明系ユ
ニット158と投影光学系ユニット156内で使用され
たヘリウムガスをレチクルステージ系ユニット154、
ウエハステージ系ユニット152内に供給するようにし
ても良い。
【0256】また、上記実施形態では、第1の気体及び
第2の気体としてへリウムガスを用いる場合について説
明したが、窒素ガスを用いても良い。
【0257】さらに、上記実施形態では、第1の気体と
して純度の低い(中純度の)ヘリウムガスを用い、第2
の気体として純度の高いへリウムガスを用いる場合につ
いて説明したが、第1の気体と第2の気体の種類を異な
らせても良い。例えば、第1の気体として窒素ガス、第
2の気体としてヘリウムガスを用いても良い。また、上
記実施形態では、照明系ユニット内全体にヘリウムガス
を供給する場合について説明したが、照明系ユニット内
で、光路長の短い空間においては、純度の高い窒素を供
給しても良い。
【0258】また、本実施形態の露光装置では、軸受け
として気体静圧軸受けに限らず、磁気軸受けを用いても
良い。
【0259】なお、上記実施形態では、光源として、F
2レーザ光源、Kr2レーザ光源あっるいはAr2レーザ
光源を用いるものとしたが、これに限らず、例えば波長
193nmの真空紫外光を発するArFエキシマレーザ
光源を用いても良い。
【0260】また、例えば、上記実施形態と同様に真空
紫外光を用いる露光装置であっても、投影光学系として
反射光学素子のみからなる反射系、又は反射光学素子と
屈折光学素子とを有する反射屈折系(カタッディオプト
リック系)を採用しても良い。ここで、反射屈折型の投
影光学系としては、例えば特開平8−171054号公
報(及びこれに対応する米国特許第5,668,672
号)、並びに特開平10−20195号公報(及びこれ
に対応する米国特許第5,835,275号)などに開
示される、反射光学素子としてビームスプリッタと凹面
鏡とを有する反射屈折系、又は特開平8−334695
号公報(及びこれに対応する米国特許第5,689,3
77号)、並びに特開平10−3039号公報(及びこ
れに対応する米国特許出願第873,605号(出願
日:1997年6月12日))などに開示される、反射
光学素子としてビームスプリッタを用いずに凹面鏡など
を有する反射屈折系を用いることができる。
【0261】この他、特開平10−104513号公報
(及び米国特許第5,488,229号)に開示され
る、複数の屈折光学素子と2枚のミラー(凹面鏡である
主鏡と、屈折素子又は平行平面板の入射面と反対側に反
射面が形成される裏面鏡である副鏡)とを同一軸上に配
置し、その複数の屈折光学素子によって形成されるレチ
クルパターンの中間像を、主鏡と副鏡とによってウエハ
上に再結像させる反射屈折系を用いても良い。この反射
屈折系では、複数の屈折光学素子に続けて主鏡と副鏡と
が配置され、照明光が主鏡の一部を通って副鏡、主鏡の
順に反射され、さらに副鏡の一部を通ってウエハ上に達
することになる。
【0262】さらに、反射屈折型の投影光学系として
は、例えば円形イメージフィールドを有し、かつ物体面
側、及び像面側が共にテレセントリックであるととも
に、その投影倍率が1/4倍又は1/5倍となる縮小系
を用いても良い。また、この反射屈折型の投影光学系を
備えた走査型露光装置の場合、照明光の照射領域が投影
光学系の視野内でその光軸をほぼ中心とし、かつレチク
ル又はウエハの走査方向とほぼ直交する方向に沿って延
びる矩形スリット状に規定されるタイプであっても良
い。かかる反射屈折型の投影光学系を備えた走査型露光
装置によれば、例えば波長157nmのF2レーザ光を
露光用照明光として用いても100nmL/Sパターン
程度の微細パターンをウエハ上に高精度に転写すること
が可能である。
【0263】また、真空紫外光としてArFエキシマレ
ーザ光やF2レーザ光などが用いられるが、DFB半導
体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、
又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム
(又はエルビウムとイットリビウムの両方)がドープさ
れたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用い
て紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
【0264】例えば、単一波長レーザの発振波長を1.
51〜1.59μmの範囲内とすると、発生波長が18
9〜199nmの範囲内である8倍高調波、又は発生波
長が151〜159nmの範囲内である10倍高調波が
出力される。特に発振波長を1.544〜1.553μ
mの範囲内とすると、発生波長が193〜194nmの
範囲内の8倍高調波、即ちArFエキシマレーザ光とほ
ぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57
〜1.58μmの範囲内とすると、発生波長が157〜
158nmの範囲内の10倍高調波、即ちF2レ−ザ光
とほぼ同一波長となる紫外光が得られる。
【0265】また、発振波長を1.03〜1.12μm
の範囲内とすると、発生波長が147〜160nmの範
囲内である7倍高調波が出力され、特に発振波長を1.
099〜1.106μmの範囲内とすると、発生波長が
157〜158nmの範囲内の7倍高調波、即ちF2
ーザ光とほぼ同一波長となる紫外光が得られる。この場
合、単一波長発振レーザとしては例えばイットリビウム
・ドープ・ファイバーレーザを用いることができる。
【0266】また、半導体素子などのマイクロデバイス
だけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装
置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又は
マスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエ
ハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を
適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真
空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レ
チクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、
フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネ
シウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミ
ティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは
透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)
が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが
用いられる。
【0267】勿論、半導体素子の製造に用いられる露光
装置だけでなく、液晶表示素子などを含むディスプレイ
の製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレー
ト上に転写する露光装置、薄膜磁気へッドの製造に用い
られる、デバイスパターンをセラミックウエハ上に転写
する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)の製造に用
いられる露光装置などにも本発明を適用することができ
る。
【0268】なお、上記実施形態では、本発明が、スキ
ャニング・ステッパに適用された場合について説明した
が、マスクと基板とを静止した状態でマスクのパターン
を基板に転写するとともに、基板を順次ステップ移動さ
せるステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装
置を構成する基板ステージ部分に本発明を適用しても良
い。かかる場合にも、本発明は、ケミカルクリーン及び
露光用照明光の透過率の面で、高い性能を発揮すること
ができるので、高精度な露光が可能となる。
【0269】また、本発明に係る露光装置において、ウ
エハステージやレチクルステージにリニアモータ(米国
特許第5,623,853号又は米国特許第5,52
8,118号の公報参照)を用いる場合は、エアべアリ
ングを用いたエア浮上型に限らず、ローレンツ力又はリ
アクタンス力を用いた磁気浮上型のものを用いても良
い。
【0270】また、複数のレンズから構成される照明光
学系、投影光学系を露光装置の本体コラムに搭載し、光
学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチク
ルステージやウエハステージを本体コラムに搭載して配
線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認
等)をすることにより上記実施形態の露光装置を製造す
ることができる。なお、露光装置の製造は温度およびク
リーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望
ましい。
【0271】また、半導体デバイスは、デバイスの機能
・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づい
たレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエ
ハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置に
よりレチクルのパターンをウエハに転写するステップ、
デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディ
ング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を
経て製造される。以下、このデバイス製造方法について
更に詳述する。
【0272】《デバイス製造方法》次に、上述したリソ
グラフィシステム(露光装置)及び露光方法をリソグラ
フィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態につ
いて説明する。
【0273】図13には、デバイス(ICやLSI等の
半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、
マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示され
ている。図13に示されるように、まず、ステップ40
1(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設
計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、そ
の機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続
き、ステップ402(マスク製作ステップ)において、
設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一
方、ステップ403(ウエハ製造ステップ)において、
シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0274】次に、ステップ404(ウエハ処理ステッ
プ)において、ステップ401〜ステップ403で用意
したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成
する。次いで、ステップ405(デバイス組立ステッ
プ)において、ステップ404で処理されたウエハを用
いてデバイス組立を行う。このステップ405には、ダ
イシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング
工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0275】最後に、ステップ406(検査ステップ)
において、ステップ405で作製されたデバイスの動作
確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工
程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0276】図14には、半導体デバイスの場合におけ
る、上記ステップ404の詳細なフロー例が示されてい
る。図14において、ステップ411(酸化ステップ)
においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ412
(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形
成する。ステップ413(電極形成ステップ)において
はウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ4
14(イオン打込みステップ)においてはウエハにイオ
ンを打ち込む。以上のステップ411〜ステップ414
それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成し
ており、各段階において必要な処理に応じて選択されて
実行される。
【0277】ウエハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ4
15(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光
剤を塗布する。引き続き、ステップ416(露光ステッ
プ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露
光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンを
ウエハに転写する。次に、ステップ417(現像ステッ
プ)においては露光されたウエハを現像し、ステップ4
18(エッチングステップ)において、レジストが残存
している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより
取り去る。そして、ステップ419(レジスト除去ステ
ップ)において、エッチングが済んで不要となったレジ
ストを取り除く。
【0278】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターン
が形成される。
【0279】以上説明した本実施形態のデバイス製造方
法を用いれば、露光工程(ステップ416)において上
記実施形態の露光装置及びその露光方法が用いられるの
で、ケミカルクリーン及び露光用照明光の透過率の面
で、高い性能を発揮することができ、また、装置各部の
振動や応力を低減し、また、それぞれのステージの位置
制御性の向上、両ステージの同期整定時間の短縮により
スループットの向上が可能となり、また、投影光学系P
Lの振動に起因するパターン転写位置ずれや像ボケ等の
発生を効果的に防止して、重ね合せ精度の向上を含む露
光精度の向上が可能となる。従って、高集積度のデバイ
スの生産性(歩留まりを含む)を向上することができ
る。
【0280】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1〜
請求項23に記載の各発明によれば、ケミカルクリーン
及び露光用照明光の透過率の面で、高い性能を発揮でき
るという従来にない優れた露光装置を提供することがで
きる。
【0281】また、請求項24〜請求項28に記載の各
発明によれば、ケミカルクリーン及び露光用照明光の透
過率の面で、高い性能を発揮できるという従来にない優
れた露光方法が提供される。
【0282】また、請求項29及び請求項30に記載の
各発明によれば、高集積度のマイクロデバイスの生産性
を向上させることができるデバイス製造方法が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の露光装置の構成を概略的に示す図
である。
【図2】図1の装置のレチクルステージ及びその駆動装
置を概略的に示す平面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】ウエハステージをXY2次元方向に駆動する駆
動装置近傍の各構成部分を示す平面図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】図4のC−C線断面図である。
【図7】図7(A)は、図5の円D内を拡大して示す
図、図7(B)は、図5の円E内を拡大して示す図、図
7(C)は、図6の円F内を拡大して示す図である。
【図8】図8(A)は、ウエハステージを示す平面図、
図8(B)は、板ばね118によってXY方向移動ユニ
ット94に取り付けられた状態のウエハステージWST
を−Y方向から見た側面図である。
【図9】図1の装置の制御系を示すブロック図である。
【図10】一実施形態のユニット別空調システムの構成
を模式化して示す図である。
【図11】図10のレチクルステージ系ユニットと投影
光学系ユニットとを区画する耐圧シート160Bの柱部
材に対する取付け構造を一部断面して示す図である。
【図12】図11の取付金具を拡大して示す斜視図であ
る。
【図13】本発明に係るデバイス製造方法の実施形態を
説明するためのフローチャートである。
【図14】図13のステップ404における処理を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
10…露光装置、12…本体コラム(第1ユニット)、
14…第2ユニット、18A〜18C…防振ユニット
(防振機構)、80…主制御装置(第1の監視装置、第
2の監視装置)、81…ステージ制御装置、82…駆動
装置、84…駆動装置、151…チャンバ(第5空調
室、第3のタイプの空調室)、152…ウエハステージ
系ユニット(第1空調室、第1のタイプの空調室)、1
54…レチクルステージ系ユニット(第2空調室、第1
のタイプの空調室)、156…投影光学系ユニット(第
3空調室、第2のタイプの空調室)、158…照明系ユ
ニット(第4空調室、第2のタイプの空調室)、160
A〜160D…耐圧シート(シート部材)、162…第
1の空調制御装置、164…第2の空調制御装置、16
6…第3の空調制御装置、210A〜210D…第1の
濃度センサ、214…ガス貯蓄機構(貯蓄機構)、21
5…第2の濃度センサ、222…取付け金具(締結機構
の一部)、226…スクリュ(締結機構の一部)、R…
レチクル(マスク)、W…ウエハ(基板)、IOP…照
明光学系、PL…投影光学系、RST…レチクルステー
ジ(マスクステージ)、WST…ウエハステージ(基板
ステージ)。

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの照明光により基板を露光する
    露光装置であって、前記光源から前記基板に至る前記照
    明光の光路上に配置され、前記照明光が通過する距離が
    短く、かつ所定レベルのケミカルクリーン度が要求され
    る少なくとも1つの第1のタイプの空調室と;前記光路
    上に配置され、前記照明光が通過する距離が前記第1の
    タイプの空調室より長く、前記第1のタイプの空調室に
    比べて高いケミカルクリーン度が要求される少なくとも
    1つの第2のタイプの空調室と;前記第1のタイプの空
    調室内に空調用の第1の気体を供給して空調を行う第1
    の空調制御装置と;前記第2のタイプの空調室内に空調
    用の第2の気体を供給して空調を行う第2の空調制御装
    置と;を備える露光装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の気体は純度の高い不活性ガス
    であり、前記第1の気体は、前記第2の気体より純度の
    低い不活性ガスであることを特徴とする請求項1に記載
    の露光装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のタイプの空調室と前記第2の
    タイプの空調室とを収容する第3のタイプの空調室と;
    前記第3のタイプの空調室内に空調用の第3の気体を供
    給して空調を行う第3の空調制御装置と;を更に備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  4. 【請求項4】 前記第2のタイプの空調室の空調に用い
    られる前記第2の気体は純度の高い不活性ガスであり、 前記第1のタイプの空調室の空調に用いられる前記第1
    の気体は、前記第2の気体より純度の低い不活性ガスで
    あり、 前記第3の気体は、前記第1の気体より更に純度の低い
    前記不活性ガスを含む気体であることを特徴とする請求
    項3に記載の露光装置。
  5. 【請求項5】 マスクを前記照明光により照明する照明
    光学系と、前記マスクを保持するマスクステージと、前
    記マスクから出射される前記照明光を前記基板に投射す
    る投影光学系と、前記基板を保持する基板ステージとを
    含んで構成される露光装置本体を備え、 前記第1のタイプの空調室として、前記投影光学系の像
    面側の端面、前記基板ステージ及びその駆動装置を含む
    第1空調室と、前記投影光学系の物体面側の端面、前記
    マスクステージ及びその駆動装置を含む第2空調室との
    少なくとも一方を有し、 前記第2のタイプの空調室として、前記投影光学系を含
    む第3空調室と、前記照明光学系を含む第4空調室との
    少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1に記
    載の露光装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の空調制御装置により、前記第
    1のタイプの空調室内に空調用の第1の気体が供給さ
    れ、その内部のガス置換が行われる際に、前記第1のタ
    イプの空調室内に収容された前記基板ステージ及び前記
    マスクステージの少なくとも一方の特定ステージを駆動
    するステージ制御装置を更に備えることを特徴とする請
    求項5に記載の露光装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の空調制御装置は、予備電源に
    より動作可能であり、装置の電源がオフされたとき、前
    記予備電源による動作を開始して前記第2のタイプの空
    調室内からの内部ガスの排出を停止するとともに、前記
    空調用の第2の気体を僅かに供給することを特徴とする
    請求項5に記載の露光装置。
  8. 【請求項8】 前記第1のタイプの空調室は、露光時
    に、前記第1の気体を用いた全体空調と並行して前記第
    2の気体を用いた部分的な空調が行われることを特徴と
    する請求項5に記載の露光装置。
  9. 【請求項9】 前記第1のタイプの空調室は、前記第2
    の気体をその内部の特定箇所に導く通路を有することを
    特徴とする請求項8に記載の露光装置。
  10. 【請求項10】 前記第1のタイプの空調室として、前
    記第1空調室と前記第2空調室とを有し、 前記第2のタイプの空調室として、前記第3空調室と前
    記第4空調室とを有することを特徴とする請求項5に記
    載の露光装置。
  11. 【請求項11】 前記第1の空調室と前記第3の空調
    室、前記第3の空調室と前記第2の空調室、及び前記第
    2の空調室と第4の空調室とは、シート部材にてそれぞ
    れ区画されていることを特徴とする請求項10に記載の
    露光装置。
  12. 【請求項12】 前記シート部材は、少なくともその表
    面にケミカル処理が施された耐圧シートであることを特
    徴とする請求項11に記載の露光装置。
  13. 【請求項13】 前記シート部材は、金属箔を備えてい
    ることを特徴とする請求項11に記載の露光装置。
  14. 【請求項14】 前記露光装置本体は、前記基板ステー
    ジを移動可能に支持するとともに前記投影光学系を支持
    し、防振機構により支持された第1ユニットと、前記第
    1ユニットとは振動に関して独立し、前記基板ステージ
    の駆動装置を支持する第2ユニットとを備え、 前記シート部材は前記第1、第2ユニット間に生じる相
    対的な位置変化に応じて変形することを特徴とする請求
    項11に記載の露光装置。
  15. 【請求項15】 前記第1ユニットは、前記マスクステ
    ージをも移動可能に支持し、 前記第2ユニットは前記マスクステージの駆動装置をも
    支持することを特徴とする請求項14に記載の露光装
    置。
  16. 【請求項16】 前記シート部材は、所定の表面あらさ
    以下に抑えられた2つの部材の間に前記シート部材を挟
    み込んだ状態で締結するとともにその締結を解除可能な
    締結機構によって前記各ユニットに締結されていること
    を特徴とする請求項14又は15に記載の露光装置。
  17. 【請求項17】 前記第3空調室と前記第4空調室との
    空調に用いられる前記第2の気体は純度の高い不活性ガ
    スであり、前記第1空調室と前記第2空調室との空調に
    用いられる前記第1の気体は、前記第2の気体より純度
    の低い不活性ガスであることを特徴とする請求項10に
    記載の露光装置。
  18. 【請求項18】 前記不活性ガスがヘリウムガスである
    ことを特徴とする請求項4又は17に記載の露光装置。
  19. 【請求項19】 前記第1〜第4空調室を含む第5空調
    室と;前記第5空調室内の空調を行う第3の空調制御装
    置と;を更に備えることを特徴とする請求項17に記載
    の露光装置
  20. 【請求項20】 前記第1〜第4空調室内の空調にそれ
    ぞれ用いられた気体中の前記不活性ガスの濃度を個別に
    検出する第1の濃度センサと;前記第1の濃度センサの
    出力に基づいて前記第1〜第4空調室内の空調にそれぞ
    れ用いられた気体中の前記不活性ガスの濃度を監視する
    第1の監視装置とを更に備え、 前記第1の監視装置により、前記第1及び第2空調室の
    少なくとも一方である第1の特定空調室で、当該第1の
    特定空調室内の空調に用いられた気体中の前記不活性ガ
    スの濃度が所定濃度以下であることが検出されたとき、
    前記第1の空調制御装置が、前記第1の特定空調室内に
    新しい第1の気体を供給するとともに、前記第1の特定
    空調室内の空調に用いられた気体を前記第5空調室の空
    調用の気体として前記第3の空調制御装置に対して排出
    し、 前記第1の監視装置により、前記第3及び第4空調室の
    少なくとも一方である第2の特定空調室で、当該第2の
    特定空調室内の空調に用いられた気体中の前記不活性ガ
    スの濃度が所定濃度以下であることが検出されたとき、
    前記第2の空調制御装置が、前記第2の特定空調室内に
    新しい第2の気体を供給するとともに、前記第2の特定
    空調室内の空調に用いられた気体を前記第5空調室の空
    調用の気体として前記第3の空調制御装置に対して排出
    することを特徴とする請求項19に記載の露光装置。
  21. 【請求項21】 前記第1の濃度センサは、不純物濃度
    センサ及びオゾンセンサの少なくとも一方を含むことを
    特徴とする請求項20に記載の露光装置。
  22. 【請求項22】 前記空調用の気体をリサイクル用に貯
    蓄する貯蓄機構と;前記第5空調室内の空調に用いられ
    た気体中の前記不活性ガスの濃度を検出するための第2
    の濃度センサと;前記第2の濃度センサの出力に基づい
    て前記第5空調室内の空調に用いられた気体中の前記不
    活性ガスの濃度を監視する第2の監視装置とを更に備
    え、 前記第2の監視装置により前記気体中の前記不活性ガス
    の濃度が所定濃度以下であることが検出されたとき、前
    記第3の空調制御装置は、前記第5空調室の空調に用い
    られた気体を前記貯蓄機構に排出することを特徴とする
    請求項20に記載の露光装置。
  23. 【請求項23】 前記第2の濃度センサは、不純物濃度
    センサ及びオゾンセンサの少なくとも一方を含むことを
    特徴とする請求項22に記載の露光装置。
  24. 【請求項24】 光源からの照明光により基板を露光す
    る露光方法であって、 前記光源から前記基板に至る前記照明光の光路のうち、
    前記照明光が通過する距離が短く、かつ所定レべルのケ
    ミカルクリーン度が要求される第1の空間に、第1の気
    体を供給する工程と;前記光路のうち、前記照明光が通
    過する距離が前記第1の空間より長い第2の空間に、第
    2の気体を供給する工程と;前記第1の空間が前記第1
    の気体で満たされ、かつ前記第2の空間が前記第2の気
    体で満たされた後に、前記光源からの照明光により前記
    基板を露光する工程と;を含む露光方法。
  25. 【請求項25】 前記第2の気体は、純度の高い不活性
    ガスであり、前記第1の気体は、前記第2の気体より純
    度の低い不活性ガスであることを特徴とする請求項24
    に記載の露光方法。
  26. 【請求項26】 前記第1の空間と前記第2の空間とを
    収容する第3の空間を有し、 前記第3の空間に第3の気体を供給することを特徴とす
    る請求項25に記載の露光方法。
  27. 【請求項27】 前記第3の気体は、前記第1の気体よ
    り純度の低い不活性ガスであること特徴とする請求項2
    6に記載の露光方法。
  28. 【請求項28】 前記第1の空間には、前記基板を保持
    するステージが収容され、 前記第2の空間に、前記照明光により前記基板を露光す
    るための光学系を収容することを特徴とする請求項27
    に記載の露光方法。
  29. 【請求項29】 リソグラフィ工程を含むデバイス製造
    方法であって、 前記リソグラフィ工程で、請求項1〜23のいずれか一
    項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とす
    るデバイス製造方法。
  30. 【請求項30】 リソグラフィ工程を含むデバイス製造
    方法であって、 前記リソグラフィ工程で、請求項24〜28のいずれか
    一項に記載の露光方法を用いることを特徴とするデバイ
    ス製造方法。
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EP1398669A1 (en) * 2002-09-13 2004-03-17 ASML Netherlands B.V. Lithographic apparatus and device manufacturing method
US6961113B1 (en) 1999-05-28 2005-11-01 Nikon Corporation Exposure method and apparatus
US7148949B2 (en) 2002-09-13 2006-12-12 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and device manufacturing method

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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