WO2010098299A1 - 光学素子の保持装置、光学系、及び露光装置 - Google Patents

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Abstract

 温度制御用の光束を照射することなく、レンズ等の光学素子の非回転対称な温度分布を回転対称な分布に近付けることが可能な光学素子の保持装置である。投影光学系内のレンズL1を保持する保持装置17であって、レンズL1を支持する支持板24と、レンズL1の表面の少なくとも一部の領域に接触する磁性流体Lqを保持する液体保持板25と、液体保持板25で保持された磁性流体Lqの分布を制御する電磁石28を含む複数の流体制御部26A~26Hと、を備える。

Description

光学素子の保持装置、光学系、及び露光装置
 本発明は、光学素子の保持装置に関し、特に光学素子の温度分布を制御する機構を備えた保持装置に関する。さらに本発明は、その保持装置を備える光学系、この光学系を備える露光装置、及びこの露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
 半導体デバイス等の各種デバイスの製造工程中で、レチクルのパターンを投影光学系を介して感光基板上に転写露光するためにステッパーやスキャニングステッパー等の露光装置が使用される。この露光装置は、投影光学系の結像特性を所定の状態に維持するために、所定のレンズの位置及び傾斜角を調整する結像特性補正機構が備えられている。従来の結像特性補正機構によって補正できる結像特性は、歪曲収差や倍率等の回転対称の低い次数の収差成分である。
 これに対して近年の露光装置では、例えば所定の周期性を持つパターンを転写する際の解像度を高めるために、2極照明(ダイポール照明)又は4極照明等の、照明光学系の瞳面上での露光光の強度分布を非回転対称とする照明条件が使用されることがある。このような場合に発生する光軸上の非点収差(センターアス)のような非回転対称な収差を低減するために、投影光学系の瞳面近傍のレンズに対して、温度分布を回転対称に近付けるように非露光光を照射するようにした結像特性補正機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2005/022614号パンフレット
 従来の非露光光を照射する方式の結像特性補正機構は構造が複雑である。さらに、この構造では、投影光学系が全体として大型化するとともに、例えば投影光学系内で他のレンズに近接して配置されているレンズにその補正機構を装着することは困難であった。
 また、従来の露光装置の投影光学系には、露光光の照射によるレンズ等の光学素子の温度上昇を抑制するために、光学素子の支持部材に液体(冷媒)を供給するヒートシンクを装着した冷却機構を備えたものもある。しかしながら、一般に光学素子は複数点で支持部材に支持されており、光学素子と支持部材との接触面積は小さく、かつ空気層はほぼ断熱層として作用するため、従来の冷却機構を用いて光学素子の温度分布を制御することは困難であった。
 本発明はこのような課題に鑑み、温度制御用の光束、又は本来の照明光以外の光束を照射することなく、光学素子の非回転対称な温度分布を回転対称な分布に近付けることを可能にすることを目的とする。
 本発明の第1の態様によれば、光学素子の保持装置が提供される。この保持装置は、その光学素子を支持する支持部材と、その光学素子の表面の少なくとも一部の領域に接触する磁性体又は金属を含む流体を保持する流体保持部材と、その流体保持部材で保持されたその流体の状態を制御する制御装置と、を備えるものである。
 また、本発明の第2の態様によれば、複数の光学素子を含む光学系において、その複数の光学素子の少なくとも一つの光学素子を支持するために、本発明の第1の態様による光学素子の支持装置を備え、その光学系の非回転対称な収差に応じてその制御装置によってその流体の状態を制御する光学系が提供される。
 また、本発明の第3の態様によれば、光学素子の保持装置が提供される。この保持装置は、その光学素子を支持する支持部材と、その光学素子の表面の少なくとも一部に非接触状態で配置され、互いに独立に温度制御される複数の温度制御部材と、その複数の温度制御部材とその光学素子との間に供給される流体と、を備えるものである。
 また、本発明の第4の態様によれば、複数の光学素子を含む光学系において、その複数の光学素子の少なくとも一つの光学素子を支持するために、本発明の第3の態様の光学素子の支持装置を備え、その光学系の非回転対称な収差に応じてその複数の温度制御部材の温度を制御する光学系が提供される。
 また、本発明の第5の態様によれば、露光光でパターンを照明し、その露光光でそのパターン及び投影光学系を介して物体を露光する露光装置において、本発明の光学系を備える露光装置が提供される。
 また、本発明の第6の態様によれば、本発明の露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成された基板を処理することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
 本発明の第1の態様の光学素子の保持装置によれば、光学素子の非回転対称な温度分布を抑制するように流体の状態を制御することで、温度制御用の光束を照射することなく、光学素子の温度分布を回転対称な分布に近付けることができる。また、流体を介することによって、流体の状態の変化に高速に追従して光学素子の温度分布を制御できるとともに、その流体のダンピング作用によって外乱による光学素子の振動を抑制できる。
 また、本発明の第3の態様の光学素子の保持装置によれば、光学素子の非回転対称な温度分布を抑制するように複数の温度制御部材の温度を個別に制御することで、本来の照明光以外の光束を照射することなく、光学素子の温度分布を回転対称な分布に近付けることができる。また、その光学素子の表面に対向して配置された複数の温度制御部材から流体を介して広い面積で温度制御することによって、複数の温度制御部材の温度変化に高速に追従して光学素子の温度分布を制御できる。
第1の実施形態の露光装置を示す一部を切り欠いた図である。 (A)は図1中のレンズL1及び保持装置17の機構部を示す平面図、(B)は図2(A)のBB線に沿う断面図である。 (A)はX方向のL&Sパターンを示す拡大図、(B)は図3(A)のパターンに対応する瞳面上の強度分布を示す図である。 (A)はY方向のL&Sパターンを示す拡大図、(B)は図4(A)のパターンに対応する瞳面上の強度分布を示す図である。 保持装置17によって制御された磁性流体Lqの分布の一例を示す平面図である。 第1の実施形態の変形例を示す平面図である。 (A)は第2の実施形態のレンズL1及び保持装置17Bの機構部を示す平面図、(B)は図7(A)のBB線に沿う断面図である。 保持装置17Bによって制御されたレンズL1の温度分布の一例を示す平面図である。 第3の実施形態の露光装置を示す一部を切り欠いた図である。 図9中のレンズL1及び保持装置17Cの機構部を示す斜視図である。 (A)は図9中のレンズL1及び保持装置17Cの機構部を示す平面図、(B)は図11(A)のAA線に沿う断面図、(C)は図11(A)のBB線に沿う断面図である。 保持装置17Cからカバー部材を外した状態を示す分解斜視図である。 保持装置17CでレンズL1の温度制御を行う場合を示す平面図である。 保持装置17Cの別の動作の説明に供する平面図である。 半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
 [第1の実施形態]
 以下、本発明の第1の実施形態につき図1~図5を参照して説明する。本実施形態は、スキャニングステッパー(スキャナー)よりなる走査露光型の露光装置(投影露光装置)の投影光学系内のレンズを保持するための保持装置に本発明を適用したものである。
 図1は、本実施形態の露光装置100の概略構成を示す。図1において、露光装置100は、露光光源(不図示)、この露光光源からの露光用の照明光(露光光)ILでレチクルR(マスク)を照明する照明光学系4、レチクルRを保持して移動するレチクルステージRST、レチクルRのパターンの像をレジスト(感光材料)が塗布されたウエハW(基板)上に投影する投影光学系PL、及びウエハWを保持して移動するウエハステージWSTを備えている。さらに露光装置100は、ステージの駆動系、投影光学系PLの結像特性を所定の状態に維持するための制御を行う結像特性制御系16、この結像特性制御系16によって制御される結像特性補正機構、及び装置全体の動作を統括的に制御するコンピュータを含む主制御系14等を備えている。
 露光光源としては、一例としてArFエキシマレーザ(波長193nm)が用いられている。なお、露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、F2 レーザ(波長157nm)のような発振段階で紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からの近赤外域のレーザ光を波長変換して真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの、或いは水銀放電ランプ等も使用できる。
 照明光学系4は、例えば特開2001-313250号公報(対応する米国特許出願公開第2003/0025890号明細書)などに開示されるように、オプティカルインテグレータ(フライアイレンズ、ロッドインテグレータ、回折光学素子など)等を含む照度均一化光学系、レチクルブラインド(可変視野絞り)、及びコンデンサ光学系等を含んでいる。照明光学系4は、レチクルブラインドで規定されたレチクルR上のスリット状の照明領域を照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。また、通常照明、2極照明、4極照明、輪帯照明、又はコヒーレンスファクタの小さい小σ照明等の照明条件に応じて、照明光学系4内の瞳面5における照明光ILの強度分布が不図示の設定機構によって、光軸を中心とする円形領域、光軸を挟む2つの円形領域、光軸を挟む4つの円形領域、輪帯状の領域、又は小さい円形領域等でそれぞれ大きい強度となる分布に切り換えられる。
 レチクルRに形成された回路パターン領域のうち、照明光ILによって照射される部分(パターン)の像は、両側テレセントリック(又はウエハ側に片側テレセントリック)で投影倍率βが縮小倍率の投影光学系PLを介してウエハW上の一つのショット領域に結像投影される。一例として、投影光学系PLの投影倍率βは1/4、視野直径は27~30mm程度である。投影光学系PLは屈折系であるが、その他に反射屈折系等も使用できる。以下、投影光学系PLの光軸AXと平行な方向に沿ってZ軸を取り、Z軸に垂直な面内で図1の紙面に平行な方向にX軸を、図1の紙面に垂直な方向にY軸を取って説明する。この場合、走査露光時にレチクルRとウエハWとが相対走査される方向がY軸に平行な方向(Y方向)である。また、XY平面はほぼ水平面に平行である。なお、X軸、Y軸、及びZ軸の回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向と呼ぶ。
 先ず、投影光学系PLの物体面側において、レチクルRを保持するレチクルステージRSTは、走査露光時にレチクルベース(不図示)上をエアベアリングを介して少なくともY方向に定速移動する。レチクルステージRSTの移動座標位置(X方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角)は、移動鏡Mrとこれに対向して配置されたレーザ干渉計システム10とで逐次計測され、その移動はリニアモータ等で構成される駆動系11によって行われる。なお、移動鏡Mr、レーザ干渉計システム10は、実際には少なくともX方向に1軸及びY方向に2軸の3軸のレーザ干渉計を構成している。レーザ干渉計システム10の計測情報はステージ制御ユニット15に供給され、ステージ制御ユニット15はその計測情報及び主制御系14からの制御情報に基づいて、駆動系11の動作を制御する。
 一方、投影光学系PLの像面側において、ウエハWをウエハホルダ(不図示)を介して保持するウエハステージWSTは、走査露光時に少なくともY方向に定速移動できるとともに、X方向及びY方向にステップ移動できるように、エアベアリングを介して不図示のウエハベース上に載置されている。また、ウエハステージWSTの移動座標位置(X方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角)は、投影光学系PL下部の基準鏡Mfと、ウエハステージWST上の移動鏡Mw(鏡面加工された側面でもよい)と、これに対向して配置されたレーザ干渉計システム12とで逐次計測され、その移動はリニアモータ等で構成される駆動系13によって行われる。なお、移動鏡Mw及びレーザ干渉計システム12は、少なくともX方向に1軸及びY方向に2軸の3軸のレーザ干渉計を構成している。また、レーザ干渉計システム12は、実際には更にθx方向、θy方向の回転角計測用の2軸のレーザ干渉計も備えている。レーザ干渉計システム12の計測情報はステージ制御ユニット15に供給され、ステージ制御ユニット15はその計測情報及び主制御系14からの制御情報に基づいて、駆動系13の動作を制御する。
 また、ウエハステージWSTには、ウエハWのZ方向の位置(フォーカス位置)と、θx方向及びθy方向の傾斜角とを制御するZレベリング機構も備えられている。そして、例えば斜入射方式の多点のオートフォーカスセンサ(不図示)で計測されるウエハW表面の像面からのデフォーカス量が所定精度内に収まるように、オートフォーカス方式でそのZレベリング機構が駆動される。
 さらに、ウエハWの露光前に予めレチクルRとウエハWとのアライメントを行っておくために、レチクルRの位置を計測するためのレチクルアライメント系(不図示)と、ウエハW上のマークを検出するためのオフアクシス方式のアライメント系19とが設けられている。
 そして、図1の露光装置100によるウエハWの露光時には、レチクルRへの照明光ILの照射を開始して、レチクルRのパターンの一部の投影光学系PLを介した像をウエハW上の一つのショット領域に投影しつつ、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとを投影光学系PLの投影倍率βを速度比としてY方向に同期して移動(同期走査)する走査露光動作によって、そのショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。その後、照明光ILの照射を停止して、ウエハステージWSTを介してウエハWをX方向、Y方向にステップ移動する動作と、上記の走査露光動作とを繰り返すことによって、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の全部のショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。
 次に、本実施形態の投影光学系PLの結像特性補正機構の構成及び動作につき説明する。先ず、図1の主制御系14は照明条件(照明光学系4の瞳面5上の照明光ILの強度分布)及び露光時間(積算露光量)の情報を結像特性制御系16に供給し、結像特性制御系16は、例えば1ロットのウエハの露光中に所定の時間間隔で、その情報を用いて投影光学系PLの歪曲収差及び倍率等の回転対称な収差の変動量と、センターアス等の非回転対称な収差の変動量とを計算する。また、結像特性補正機構は、回転対称な収差を補正するために、投影光学系PL中の所定のレンズのZ方向の位置及びθx方向、θy方向の傾斜角を補正する機械的な補正機構(不図示)を備えている。このような結像特性の機械的な補正機構は、例えば特開平4-134813号公報に開示されている。結像特性制御系16は、露光中にその所定の時間間隔で、上記の回転対称な収差の変動量が許容範囲内に収まるようにその機械的な補正機構を駆動する。
 また、結像特性補正機構は、非回転対称な収差を補正又は低減するために、投影光学系PL中の瞳面の近傍のレンズL1を保持する保持装置17を備えている。即ち、図1において、投影光学系PLは、それぞれ複数の光学素子としてのレンズや収差補正板等を収納している円筒状の下部鏡筒21及び上部鏡筒23と、下部鏡筒21に連結されたリング状のフランジ部材22と、下部鏡筒21と上部鏡筒23との間でレンズL1を保持する保持装置17とを備えている。投影光学系PLのフランジ部材22が、コラム機構の一部である支持部材20に設けられた開口を覆うように支持部材20に載置されている。
 また、保持装置17は、下部鏡筒21及びフランジ部材22の上面に固定されて、中央に照明光ILを通過させる開口が形成された平板状の支持板24と、中央にレンズL1が配置される開口が形成されて、支持板24上に固定された液体保持板25とを備え、支持板24によってレンズL1が支持され、液体保持板25の外周部に上部鏡筒23が固定されている。液体保持板25とレンズL1の側面との間に磁性流体Lqが保持されている。また、下部鏡筒21の上部にレンズL3が保持され、上部鏡筒23の下部にレンズL2が保持されている。
 図2(A)は、図1中のレンズL1及び保持装置17の機構部を示す斜視図であり、図2(B)は、図2(A)のBB線に沿う断面図である。図2(B)において、レンズL1の側面L1bの下部に凸部L1aが形成され、凸部L1aの例えば3箇所が支持板24によって安定に支持されている。液体保持板25は、支持板24上に載置される輪帯状の固定部25aと、固定部25aの内周側にレンズL1の側面L1bから所定間隔を隔てて側面L1bを囲むように一端部が設けられた側壁部25bと、側壁部25bの他端部(自由端)から離れた位置、すなわち、一端部に設けられ、レンズL1の側面L1bに向かって延びる底部25cとを有する。支持板24及び液体保持板25の固定部25aは、複数のボルト(不図示)によって図1のフランジ部材22に固定されている。
 液体保持板25は、熱伝導率が高く導電性の良好な金属、例えばチタン合金等から形成されている。液体保持板25の側壁部25bとレンズL1の側面L1bとの間隔は例えば数mmである。また、液体保持板25の側壁部25b及び底部25cと、レンズL1の側面L1bとの間に磁性流体Lqが保持されている。磁性流体Lqは、例えばテフロン(登録商標)系の液体中に所定量の磁性体の粉末(例えば鉄粉)を混入したものである。この場合、底部25cと側面L1bとの間隔g1は、底部25cと側面L1bとの間における磁性流体Lqの表面張力の作用によって、その上の磁性流体Lqが漏れ出ないような例えば数μm(例えば5~8μm程度)の微小間隔に設定されている。このような構成によって、液体保持板25とレンズL1とは非接触であるにも関わらず、液体保持板25とレンズL1との間の磁性流体Lqが支持板24側に漏れ出ることが防止されている。
 また、レンズL1の側面L1bの側壁部25bに対向する部分には、導電性の薄膜(例えば金属の薄膜)及び磁性流体Lqをはじく撥液性のコーティング膜32が形成されている。コーティング膜32としては例えばテフロン(登録商標)等の合成樹脂等が使用できる。これによって、磁性流体Lqは側面L1bに沿って容易に移動可能である。
 図2(A)に示すように、磁性流体Lqに磁場を作用させない状態では、レンズL1の側面と側壁部25bとの間の全面に磁性流体Lqが満たされている。この状態での磁性流体Lqの深さは、一例として、図2(B)の底部25cから側壁部25bの上面(レンズL1の上端よりも低く設定されている)までの高さ(最大深さ)の数分の1である。その磁性流体Lqの量は、後述のように、磁性流体Lqの分布を変えたときに、磁性流体Lqの部分的な深さの最大値がその最大深さを超えないように設定されている。
 また、液体保持板25の隔壁部25bの外周の底部にリング状のヒートシンク27が設けられ、ヒートシンク27に対して図1の温度制御系18から可撓性を持つ供給配管29を介して温度制御された冷媒Coが供給され、ヒートシンク27内を流れた冷媒Coが、可撓性を持つ回収配管30を介して温度制御系18に回収されている。冷媒Co等としては、例えばフッ素系不活性液体などが使用できる。フッ素系不活性液体としては例えばフロリナート(米国スリーエム社の商品名)が使用できる。側壁部25bには温度センサ31が設けられ、温度センサ31で計測される温度情報が温度制御系18に供給されている。温度制御系18は、側壁部25bの温度の計測値に基づいてヒートシンク27に供給される冷媒Coの温度及び流量を制御する。
 また、液体保持板25の側壁部25bの外周のヒートシンク27の上部に、レンズL1の中心(光軸AX)の周りに等角度間隔で8個の同じ構造の流体制御部26A,26B,26C,26D,26E,26F,26G,26Hが固定されている。流体制御部26A~26Hは、それぞれ非磁性体の容器内に、レンズL1のほぼ中心方向に磁性流体Lqを吸引するための磁場を発生する電磁石28を収納したものである。
 図2(B)に示すように、流体制御部26Aの電磁石28は、例えばレンズL1の半径方向に沿って配列された鉄心にコイルを巻回して形成されている。そのコイルに直流電流を流すことによって、側壁部25bを隔てて保持されている磁性流体Lqに対して流体制御部26A側に磁場による吸引力FAが発生し、流体制御部26A側に磁性流体Lqを集めることができる。流体制御部26A~26H内の電磁石28に流れる電流が温度制御系18によって個別に制御される。
 なお、図2(B)に2点鎖線で示すように、磁性流体Lqの上部、及び流体制御部26A~26Hの外面を覆うように輪帯状のカバー部材37を設けることが好ましい。これによって、流体制御部26A~26Hからの放射の影響が軽減される。
 図2(A)において、レンズL1用の保持装置17は、支持板24、液体保持板25、液体保持板25に設けられたヒートシンク27、液体保持板25の側壁部25bを囲むように設けられた電磁石28を含む流体制御部26A~26H、側壁部25bとレンズL1の側面との間に保持される磁性流体Lq、温度センサ31、供給配管29、回収配管30、及び図1の温度制御系18を含んで構成されている。温度制御系18から流体制御部26A~26H内の電磁石28に選択的に直流電流を供給することによって、流体制御部26A~26Hが接する側壁部25bに個別に磁性流体Lqを吸引して、レンズL1の側面の磁性流体Lqの分布を制御できる。この場合、ヒートシンク27によって側壁部25bは一様に冷却されているため、レンズL1の側面で磁性流体Lqの量が多い部分では、磁性流体Lqの量が少ない部分に比べて冷却効果が高くなって温度がより低下する。従って、磁性流体Lqの分布によってレンズL1の温度分布を効率的に制御することができる。
 また、図1の結像特性制御系16から温度制御系18に対して液体保持板25の側壁部25bの目標温度、及びレンズL1の目標とする温度分布の情報が供給される。温度制御系18は、側壁部25bの温度がその目標温度に維持されるようにヒートシンク27に供給する冷媒Coの温度及び流量を制御する。さらに温度制御系18は、レンズL1の温度分布がその目標とする温度分布になるように、流体制御部26A~26Hの電磁石28に流れる直流電流を制御して、磁性流体Lqの分布を制御する。磁性流体Lqは空気に比べて熱伝導率が数倍以上であるため、磁性流体Lqの分布を制御することによって、レンズL1の温度分布を目標とする分布に迅速に設定できる。
 そして、照明光学系4の瞳面5の強度分布がほぼ回転対称となる通常の照明条件で露光を行う場合には、照明光ILの照射によるレンズL1の温度上昇を抑制するために、ヒートシンク27によって液体保持板25の側壁部25bの温度は例えばレンズL1の温度よりも低い所定温度に設定される。そして、流体制御部26A~26H内の電磁石28には電流は供給されない。従って、レンズL1の側面の磁性流体Lqの分布は一様となり、レンズL1は回転対称な温度分布で効率的に冷却される。この際に磁性流体Lqは空気に比べて熱伝導率が数倍以上であるため、レンズL1を効率的に冷却できる。従って、保持装置17は、レンズL1を支持するとともに、レンズL1を一様に冷却する装置として作用する。
 次に、保持装置17を用いて投影光学系PLの非回転対称な収差(例えばセンターアス)を補正又は低減する動作の一例につき説明する。この場合、レチクルR上に図3(A)の拡大図で示すように、主にX方向に微細ピッチで配列されたライン・アンド・スペースパターン(以下、L&Sパターンと言う。)33Vが形成されているときには、照明条件として、照明光学系4の瞳面5における照明光ILの強度分布が図3(B)のX方向(レチクルR上のX方向に対応する方向)に離れた2つの領域34で大きくなるX方向の2極照明が使用される。
 一方、レチクルR上に図4(A)の拡大図で示すように、主にY方向に微細ピッチで配列されたL&Sパターン33Hが形成されているときには、照明条件として、瞳面5における照明光ILの強度分布が図4(B)のY方向に離れた2つの領域36Yで大きくなるY方向の2極照明が使用される。これらの場合には、投影光学系PL上の瞳面の近傍のレンズL1等では、照明光ILの強度分布が非回転対称になるため、センターアス等の非回転対称な収差が発生する。
 例えば図3(B)のX方向の2極照明が使用される場合には、図5に示すように、保持装置17で保持されるレンズL1において、光軸AXをX方向に対称に挟むように配列される2つのほぼ円形の領域34Pで照明光ILの強度が大きくなり、領域34P及びこの近傍の温度が上昇する。そこで、一例として、図1の結像特性制御系16は、レンズL1内で領域34P及びこの近傍の領域の上昇後の平均的な温度T1と、それ以外の領域の平均的な温度T2(<T1)とを予測(計算)する。この場合、ヒートシンク27の温度は温度T2よりも低く設定されている。そこで、結像特性制御系16は、その2つの温度の差ΔT(=T1-T2)が所定の許容値を超えたときに、温度制御系18に対して、図5のレンズL1の2つの領域34P及びこの近傍の領域の温度を低下させるように制御情報を供給する。
 これに応じて温度制御系18は、2つの領域34Pに近いレンズL1の側面に対向している2つの流体制御部26A及び26Eに磁場による吸引力を発生させる。この結果、2つの領域34Pに近いレンズL1の側面の領域38A及び38Eに磁性流体Lqが集まり、領域38A,38Bにおける熱伝導率がその他の領域の熱伝導率よりも数倍に高まるため、レンズL1の2つの領域34Pを囲む領域35A及び35Eの温度がその他の領域の温度よりも低下して、レンズL1の温度分布は回転対称に近くなる。
 この場合、レンズL1の温度分布がほぼ回転対称になったと予測された時点で、流体制御部26A,26Eによる吸引力の発生を停止させて、磁性流体Lqの分布を図2(A)のような回転対称な分布に戻す。その後、レンズL1の上記の温度の差ΔTの計算値がその許容値を超えたときに、磁性流体Lqの分布を図5のように変化させるという動作が繰り返される。この結果、レンズL1の温度分布は、ほぼ回転対称な分布に維持されるため、投影光学系PLの非回転対称な収差が減少する。
 なお、図5における磁性流体Lqの分布は、磁性流体Lqの全部がレンズL1の側面の2つの領域38A,38Eに集まる必要はなく、領域38A,38Bにおける磁性流体Lqの平均的な深さ(量)がその他の領域にある磁性流体Lqの平均的な深さ(量)よりも大きくなるだけでもよい。また、図5の場合には、レンズL1をX方向に挟む2つの流体制御部26A及び26Eから磁性流体Lqに対して強い吸引力を発生し、それらに隣接する流体制御部26B,26H及び26D,26Fからも磁性流体Lqに対して弱い吸引力を発生してもよい。
 一方、図4(B)のY方向の2極照明が使用される場合には、図5のレンズL1において、光軸AXをY方向に対称に挟むように配列される2つのほぼ円形の領域(不図示)で照明光ILの強度が大きくなり、これらの領域の温度が上昇する。そこで、一例としてレンズL1をY方向に挟む1対の流体制御部26C,26Gから磁性流体Lqに対する吸引力を発生させて、レンズL1のY方向の側面に磁性流体Lqを集める。この結果、レンズL1内でY方向の両端部の領域の温度が低下して、レンズL1の温度分布は回転対称に近づくため、非回転対称な収差が減少する。なお、この場合にも、さらに流体制御部26C,26Gに隣接する流体制御部26B,26D及び26F,27Hからも磁性流体Lqに対して弱い吸引力を発生させてもよい。
 上述のように、2極照明のように、照明光学系の瞳面における照明光ILの強度分布が非回転対称となる照明条件を用いる場合には、保持装置17は、レンズL1を保持するとともに、レンズL1の温度分布を回転対称な分布に近付けて、投影光学系PLの非回転対称な収差を低減する結像特性補正機構としても作用する。従って、投影光学系PLの結像特性が目標とする状態に維持されるため、レチクルRの種々のパターンを常に高精度にウエハW上に転写できる。
 本実施形態の作用効果等は以下の通りである。
 (1)本実施形態のレンズL1の保持装置17は、レンズL1を支持する支持板24と、レンズL1の側面の少なくとも一部に接触する磁性流体Lqを保持する液体保持板25と、液体保持板25で保持された磁性流体Lqの状態として、レンズL1の表面に関して、磁性流体Lqが接触する領域の分布を制御する流体制御部26A~26Hと、を備えている。
 この実施形態によれば、流体制御部26A~26Hによる磁性流体Lqに対する吸引力を制御して、レンズL1の非回転対称な温度分布を抑制するようにレンズL1の側面の磁性流体Lqの分布を制御することで、温度制御用の光束を照射することなく、レンズL1の温度分布を回転対称な分布に近付けることができる。また、空気よりも熱伝導率の高い磁性流体Lqを介することによって、磁性流体Lqの分布の変化に高速に追従してレンズL1の温度分布を制御できるとともに、磁性流体Lqのダンピング作用によって外乱によるレンズL1の振動を抑制できる。さらに、レンズL1が他のレンズに近接して配置されていても、容易に保持装置17を設置できる。
 (2)また、レンズL1の表面に関して、磁性流体Lqが接触する領域(接触面積)の分布は、複数の流体制御部26A~26Hの電磁石28によって容易に制御可能である。
 (3)また、液体保持板25に設けられ、温度制御された冷媒Coが供給されるヒートシンク27(配管部材)を備えている。従って、ヒートシンク27の温度によってレンズL1の平均的な温度を容易に制御できる。
 (4)また、液体保持板25の磁性流体Lqが保持される部分の底部25cとレンズL1の側面との間隔g1は、磁性流体Lqが漏洩しない微小間隔に設定されている。従って、液体保持板25とレンズL1とが非接触であっても、その間に磁性流体Lqを安定に保持できるとともに、磁性流体Lqのダンピング効果によって外乱の影響が軽減される。
 (5)なお、図2(B)に点線で示すように、例えば液体保持板25の磁性流体Lqが保持される部分の底部25cの上面に、磁性流体Lqを+Z方向に常時弱い力で吸引して保持するための永久磁石38(発磁体)を設けてもよい。これによって、レンズL1と液体保持板25との間の間隔を広げることが可能になる。
 (6)また、液体保持板25は支持板24上に重ねられているため、保持装置17の機構部を容易に組み立てることができる。なお、例えばレンズL1の凸部L1aがない場合には、支持板24と液体保持板25とを一体の部材とすることも可能である。これによって、保持装置17の機構を簡素化できる。
 (7)また、本実施形態の投影光学系PLは、複数のレンズL1~L3を含む光学系において、レンズL1を支持するために保持装置17を備え、投影光学系PLの非回転対称な収差を補正又は低減するように(その収差に応じて)、流体制御部26A~26Hによって磁性流体Lqの状態である分布を制御する。従って、温度制御用の光束を照射することなく、投影光学系PLの非回転対称な収差を補正又は低減できる。
 また、保持装置17は、レンズL1と隣接するレンズL2,L3との間隔が狭い場合にも容易に設置できるため、光学系の設計が容易である。
 (8)また、本実施形態の露光装置100は、保持装置17を備えた投影光学系PLを備えている。従って、露光を継続した場合でも、常に高精度にレチクルRのパターンの像をウエハ上に露光できる。
 なお、上記の実施形態においては以下のような変形が可能である。
 (1)上記の実施形態では、レンズL1と液体保持板25との間に磁性流体Lqを保持しているが、磁性流体Lqの代わりに常温で液体になる例えばガリウム(Ga)のような金属液体(液体金属)を保持することも可能である。金属液体も熱伝導率が高いため、レンズL1を効率的に冷却できる。さらに、金属液体の分布を制御するためには、一例として、レンズL1の側面に等角度間隔で複数の上下動可能な中空のロッドを配置し、これらのロッドの金属液体に対する深さを個別に制御してもよい。
 (2)また、上記の実施形態では、液体保持板25に密着したヒートシンク27に温度制御された冷媒を供給しているが、その代わりに液体保持板25にペルチエ素子のような温度制御素子(冷却素子)を固定して、これらの温度制御素子を介して液体保持板25を冷却してもよい。
 (3)また、上記の実施形態では液体保持板25の温度のみを温度センサ31を介して計測しているが、レンズL1の側面の流体制御部26A~26Hに対向する位置にそれぞれ温度センサを固定して、温度制御系18がレンズL1の温度分布を直接計測できるようにしてもよい。これによって、レンズL1の温度分布をより高精度に制御できる。
 (4)磁性流体Lqは、レンズL1の側面に保持されているが、レンズL1の側面の近傍の表面又は裏面にも接触するように磁性流体Lqを保持してもよい。また、例えばレンズL1の外周部が薄いような場合には、その外周部(側面、並びに上面及び裏面の端部)に接触するように磁性流体Lqを保持してもよい。
 (5)また、レンズL1の周囲の電磁石28を含む流体制御部26A~26Hの個数は複数であればよく、例えばレンズL1をX方向及びY方向に挟む流体制御部26A,26E及び26C,26Gのみを設けてもよい。これによって、X方向及びY方向の2極照明時にレンズL1の温度分布を回転対称に近付けることが可能である。
 また、2極照明時に発生する非回転対称な収差を2θ収差とすると、瞳面上で光軸の周りにほぼ120°間隔で設定される領域で照明光の強度が大きくなる照明条件を使用する場合、又はレチクルRのパターン密度にほぼ1/3回転周期の周期性がある場合等には、1/3回転周期の非回転対称な収差である3θ収差が発生する。このような2θ収差及び3θ収差の両方を高精度に補正するためには、図6の保持装置17Aで示すように、流体制御部26A~26Lの個数を例えば12個(=4×3個)とすればよい。この場合、2θ収差を補正するためには、X方向の流体制御部26A,26G又はY方向の26D,26Jによって磁性流体Lqを吸引すればよい。
 一方、図6の保持装置17Aにおいて、例えば120°間隔で配置されている3個の流体制御部26B,26F,26Jによって磁性流体Lqに対する吸引力を発生して、磁性流体Lqの分布をレンズL1の側面に120°間隔で配置される領域38A,38F,38Jで高めることによって、領域38A~38Jに接するレンズL1の領域35B,35F,35Jの温度を低下させることができる。これによって、レンズL1の3θ収差が変化するため、既に発生している3θ収差を相殺するように磁性流体Lqの分布を制御することで、3θ収差を低減できる。
 (6)また、保持装置17はレンズL1を保持するために設けられているが、レンズL1の近傍のレンズL2及び/又はL3等に対しても保持装置17と同様の温度制御機構を備えた保持装置を設けてもよい。これによって、投影光学系PLの結像特性をより高精度に補正できる。
 (7)また、投影光学系PLが反射屈折系であるような場合には、その中のミラーの温度制御を行うために保持装置17を使用してもよい。
 [第2の実施形態]
 次に、本発明の第2の実施形態につき図7及び図8を参照して説明する。本実施形態も図1の露光装置100の投影光学系PL内のレンズL1を保持するための保持装置に本発明を適用したものである。図7及び図8において図1、図2(A)、及び図2(B)に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
 図7(A)は、本実施形態の保持装置17BでレンズL1を保持した状態を示す平面図、図7(B)は、図7(A)のBB線に沿う断面図である。図7(B)において、レンズL1を囲むように液体保持板25の側壁部25b及び底部25cが配置され、レンズL1の側面L1bと側壁部25b及び底部25cとで囲まれる領域に磁性流体Lqが保持されている。液体保持板25はヒートシンク27によって冷却されている。側壁部25bの外周部に固定された温度センサ31Iの計測値が目標温度になるように、温度制御系18がヒートシンク27に供給する冷媒Coの温度を制御する。
 また、図7(A)に示すように、液体保持板25の側壁部25bの外周面に図2(A)の8個の流体制御部26A~26Hの代わりに8個の流体制御部46A~46Hが設けられている。さらに、側壁部25bの流体制御部46A~46Hの境界に対応する位置に、それぞれ凸の隔壁部25dが設けられ、隔壁部25dとレンズL1の側面とに間隔g2が設定されている。この間隔g2は、磁性流体Lqが通過しない、あるいは多少の磁性流体Lqの通過を許容できる微小な隙間である。従って、レンズL1の側面の磁性流体Lqは、レンズL1の側面の流体制御部46A~46Hに対応して独立に配置された8個の領域CA~CHに分かれて保持され、領域CA~CH間での磁性流体Lqは独立しているものとして考えることができる。
 また、図7(B)において、流体制御部46Aは、非磁性体の容器内にレンズL1の光軸の方向(Z方向)に所定周波数の交番磁界を発生するための電磁石39を収納したものである。電磁石39は、Z方向に平行に配置された鉄心にコイルを巻回したものであり、電磁石39のコイルに温度制御系18から必要に応じて交流電流が供給される。この場合、電磁石39に交流電流を供給すると、発生する交番磁界BAが流体制御部46AとレンズL1との間の領域CA内の磁性流体Lq内をZ方向に通過し、交番磁界BAによって磁性流体Lqが加熱されるため、磁性流体Lqの温度が上昇する。また、領域CA内の磁性流体Lqの温度を計測するための温度センサ31Aが側壁部25bの内周面に固定され、温度センサ31Aの計測値が温度制御系18に供給されている。温度制御系18は、温度センサ31Aで計測される磁性流体Lqの温度が目標温度になるように、流体制御部46Aの電磁石39に供給される交流電流を制御する。
 図7(A)において、流体制御部46Aと同様に、他の流体制御部46B~46Hもそれぞれ電磁石39を有し、流体制御部46B~46Hに対応する領域CB~CH内の磁性流体Lqの温度を計測するための温度センサ(不図示)が側壁部25bの内周面に固定されている。領域CB~CH内の磁性流体Lqの温度の計測値が目標温度になるように、温度制御系18が流体制御部46B~46H内の電磁石39に交流電流を供給する。
 本実施形態において、例えば図3(B)のX方向の2極照明が使用される場合には、図8に示すように、保持装置17Bで保持されるレンズL1の光軸AXをX方向に対称に挟むように配列される2つのほぼ円形の領域34P及びこの近傍の温度が上昇する。そこで、一例として、レンズL1をY方向に挟むように配置されている1対の流体制御部46C及び46G内の電磁石39を交流電流で駆動して、領域CC及びCG内の磁性流体Lqの温度を領域34Pに関して予測される温度(目標温度)程度まで上昇させる。これによって、レンズL1内で2つの領域34Pと交差するように配置される2つの半円状の領域35C及び35Gの温度がほぼ領域34Pの温度まで上昇するため、レンズL1の温度分布が回転対称な分布に近づいて、投影光学系の非回転対称な収差が減少する。
 同様に、図4(B)のY方向の2極照明が使用される場合には、レンズL1をX方向に挟むように配置されている2つの流体制御部46A及び46E内の電磁石39を交流電流で駆動して、領域CA及びCE内の磁性流体Lqの温度を上昇させればよい。
 本実施形態の作用効果等は以下の通りである。
 (1)本実施形態のレンズL1の保持装置17Bは、液体保持板25で保持された磁性流体Lqの状態として、磁性流体Lqの温度分布を制御する流体制御部46A~46H(電磁石39)を備えている。従って、流体制御部46A~46Hによって、レンズL1の非回転対称な温度分布を抑制するようにレンズL1の側面の磁性流体Lqの温度分布を制御することで、温度制御用の光束を照射することなく、レンズL1の温度分布を回転対称な分布に近付けることができる。従って、投影光学系PLの非回転対称な収差を補正又は低減できる。さらに、磁性流体Lqのダンピング作用によって外乱によるレンズL1の振動を抑制できる。
 (2)また、流体制御部46A~46Hの電磁石39によって磁性流体Lqの温度を制御することによって、レンズL1を取り囲む磁性流体Lqの温度分布を容易に制御できる。
 (3)また、図7(A)において、磁性流体Lqは液体保持板25の側壁部25bの内面に隔壁部25dによって隔てられた8個の領域CA~CHに保持されている。しかしながら、液体保持板25をレンズL1の光軸AXの周りに等角度間隔で8個の保持板に分割し、各保持板とレンズL1の側面との間にそれぞれ磁性流体Lqを保持するようにしてもよい。これによって、各領域間の断熱性を高めることができる。
 (4)本実施形態においても、磁性流体Lqの代わりにガリウム等の金属液体を使用可能である。
 [第3の実施形態]
 次に、本発明の第3の実施形態につき図9~図13を参照して説明する。本実施形態も図1の露光装置100と同様の構成の図9の露光装置100の投影光学系PL内のレンズL1を保持するための保持装置17Cに本発明を適用したものである。図9~図13において、図1~図8に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
 図9は本実施形態の露光装置100を示す。図9において、露光装置100は、投影光学系PLの結像特性を補正する結像特性補正機構を備え、この結像特性補正機構は、非回転対称な収差を補正又は低減するために、投影光学系PL中の瞳面の近傍のレンズL1を保持する保持装置17Cを備えている。即ち、投影光学系PLは、それぞれ複数の光学素子としてのレンズや収差補正板等を収納している円筒状の下部鏡筒21及び上部鏡筒23と、下部鏡筒21に連結されたリング状のフランジ部材22と、下部鏡筒21と上部鏡筒23との間でレンズL1を保持する保持装置17Cとを備えている。投影光学系PLのフランジ部材22が、コラム機構の一部である支持部材20に設けられた開口を覆うように支持部材20に載置されている。
 また、保持装置17Cは、下部鏡筒21及びフランジ部材22の上面に固定されて、中央に照明光ILを通過させる開口が形成された平板状の支持板24と、中央にレンズL1が配置される開口が形成されて、支持板24上に固定された液体保持板125とを備え、支持板24によってレンズL1が支持され、液体保持板125の外周部に上部鏡筒23が固定されている。下部鏡筒21の上部にレンズL3が保持され、上部鏡筒23の下部にレンズL2が保持されている。
 図10は、図9中のレンズL1及び保持装置17Cの機構部を示す斜視図である。図10において、液体保持板125の内周側の上面に円周方向に近接して8個の同じ構造の温度制御部126A,126B,126C,126D,126E,126F,126G,126Hが形成されている。この場合、レンズL1をX方向及びY方向に非接触で挟むようにそれぞれ1対の温度制御部126A,126E及び126C,126Gが配置されている。また、代表的に+X方向の温度制御部126Aは、レンズL1の側面に対向して配置された波状の多数の凸部よりなるフィン部126Aaと、フィン部126Aaを円周方向に挟むように配置された隔壁部126Ab,126Acとを含み、温度制御部126Aのフィン部126Aa、隔壁部126Ab,126Ac、液体保持板125及びレンズL1の側面で囲まれた空間内に液体Lqaが保持されている。同様に、温度制御部126B~126HとレンズL1の側面とで囲まれた空間内にもそれぞれ液体Lqb~Lqhが保持されている。液体Lqa~Lqhは好ましくは熱伝導率の良好な液体である。液体Lqa~Lqhとしては、例えば純水(水)又はフッ素系不活性液体等が使用でき、フッ素系不活性液体としては例えばフロリナート(米国スリーエム社の商品名)が使用できる。また、液体Lqa~Lqhとしては、常温で液体となるガリウム(Ga)等の金属液体又は磁性流体等も使用できる。
 また、温度制御部126A~126Hの外周部(フィン部126Aa等の外面)には、それぞれヒートシンク127A,127B,127C,127D,127E,127F,127G,127Hが固定され、ヒートシンク127A~127Hに対して図9の温度制御系18Cから可撓性を持つ供給配管29A~29Hを介して個別に温度制御された冷媒Coa等が供給され、ヒートシンク127A~127H内を流れた冷媒Coa等が、可撓性を持つ回収配管30A~30Hを介して温度制御系18Cに回収されている。冷媒Coa等としては、例えばフッ素系不活性液体などが使用できる。温度制御部126A~126Hのフィン部126Aa等にそれぞれ温度センサ131A,131B,131C,131D,131E,131F,131G,131H(131B~131Eは不図示)が固定され、温度センサ131A~131Hで検出される温度が温度制御系18Cに供給されている。
 図11(A)は図9のレンズL1及び保持装置17Cの機構部を示す平面図、図11(B)は図11(A)のAA線に沿う断面図、図11(C)は図11(A)のBB線に沿う断面図である。図11(B)に示すように、レンズL1の側面の下部に凸部L1aが形成され、凸部L1aの例えば3箇所が支持板24によって安定に支持されている。支持板24及び液体保持板125は、外周部の多数のねじ穴125aを介してボルト(不図示)によって図9のフランジ部材22に固定される。また、温度制御部126Aのフィン部126Aaは、液体保持板125の上面にすり割り部126Adを隔てて形成され、温度制御部126Aの底面側の隔壁部126AeとレンズL1の側面との間隔g1は、温度制御部126Aの底面側の隔壁部126AeとレンズL1の側面との間における液体Lqaの表面張力の作用によって、その上の液体Lqaが漏れ出ないような例えば数μm(例えば5~8μm程度)の微小間隔に設定されている。また、レンズL1の側面L1bの温度制御部126A~126Hに対向する部分には、液体Lqa~Lqhをはじく撥液性のコーティング膜32が設けられている。コーティング膜32としては例えばテフロン(登録商標)等の合成樹脂等が使用できる。
 さらに、図11(C)に示すように、温度制御部126Bの隔壁部126BbとレンズL1の側面との間隔g2も、温度制御部126Bの隔壁部126BbとレンズL1の側面との間における液体Lqaの表面張力の作用によって、液体Lqbが隣接する温度制御部126A側に漏れ出ないような例えば数μm(例えば5~8μm程度)の微小間隔に設定されている。同様に図11(A)の温度制御部126A,126C~126Hの隔壁部126Ab等とレンズL1の側面との間隔も、間隔g2と同様に液体が漏れ出ないように設定されている。このような構成によって、温度制御部126A~126HとレンズL1とは非接触であるにも関わらず、温度制御部126A~126HとレンズL1との間の液体Lqa~Lqhが支持板24側に漏れ出ることが防止されている。
 また、図12に示すように、温度制御部126A~126Hの上面には、液体Lqa~Lqhを覆うように輪帯状のカバー部材137が固定される。なお、カバー部材137は、図9等では省略されている。
 図10において、レンズL1用の保持装置17Cは、支持板24、液体保持板125、液体保持板125上の温度制御部126A~126H、ヒートシンク127A~127H、温度制御部126A~126HとレンズL1の側面との間に保持される液体Lqa~Lqh、温度センサ131A~131E、図12のカバー部材137、供給配管29A~29H、回収配管30A~30H、及び図9の温度制御系18Cを含んで構成されている。
 この場合、温度制御部126A~126Hの境界部にはそれぞれ所定厚さの空気層よりなる断熱層128A~128Hが設けられている。この結果、温度制御部126A~126HとレンズL1の側面との間の液体Lqa~Lqhは互いに漏れ出ないとともに、温度制御部126A~126Hは互いにほぼ断熱されている。
 また、図9の結像特性制御系16から温度制御系18Cに対して温度制御部126A~126Hの目標温度の情報が供給され、温度制御系18Cでは、温度センサ131A~131Hで検出される温度がその目標温度になるように、ヒートシンク127A~127H内を流れる冷媒の温度を制御する。また、液体Lqa~Lqhが保持されているため、温度制御部126A~126Hに対向するレンズL1の側面及びこの近傍の部分の温度は、高い追従速度で対応する温度制御部126A~126Hとほぼ同じ温度になる。これによって、本実施形態では、温度制御部126A~126Hと対向するレンズL1の部分の温度を、互いに独立に高い追従速度でその目標温度に設定できる。
 そして、照明光学系4の瞳面5の強度分布がほぼ回転対称となる通常の照明条件で露光を行う場合には、照明光ILの照射によるレンズL1の温度上昇を抑制するために、温度制御部126A~126Hの温度は例えばレンズL1の温度よりも低い同一の所定温度に設定される。従って、保持装置17Cは、レンズL1を支持するとともに、レンズL1を冷却する装置として作用する。
 次に、保持装置17Cを用いて投影光学系PLの非回転対称な収差(例えばセンターアス)を補正又は低減する動作の一例につき説明する。この場合、レチクルR上に図3(A)の拡大図で示すように、主にX方向に微細ピッチで配列されたライン・アンド・スペースパターン(以下、L&Sパターンと言う。)33Vが形成されているときには、照明条件として、照明光学系4の瞳面5における照明光ILの強度分布が図3(B)のX方向(レチクルR上のX方向に対応する方向)に離れた2つの領域34で大きくなるX方向の2極照明が使用される。
 一方、レチクルR上に図4(A)の拡大図で示すように、主にY方向に微細ピッチで配列されたL&Sパターン33Hが形成されているときには、照明条件として、瞳面5における照明光ILの強度分布が図4(B)のY方向に離れた2つの領域36Yで大きくなるY方向の2極照明が使用される。これらの場合には、投影光学系PL上の瞳面の近傍のレンズL1等では、照明光ILの強度分布が非回転対称になるため、センターアス等の非回転対称な収差が発生する。
 例えば図3(B)のX方向の2極照明が使用される場合には、図13に示すように、保持装置17Cで保持されるレンズL1において、光軸をX方向に対称に挟むように配列される2つのほぼ円形の領域34Pで照明光ILの強度が大きくなり、領域34P及びこの近傍の温度が上昇する。そこで、一例として、図9の結像特性制御系16は、レンズL1内で領域34Pの温度T1を予測し、レンズL1の光軸をY方向に挟む1対の領域の温度もその温度T1となるように、レンズL1をY方向に挟む1対の温度制御部126C,126Gの目標温度をT1よりも僅かに高く設定する。この目標温度は温度制御系18Cに設定される。これに応じて、温度制御部126C,126Gに密着したヒートシンク127C,127G内に供給される冷媒Coc,Cogの温度が他のヒートシンク127A,127B,127D~127F,127Hに供給される冷媒の温度よりも高くなる。また、温度制御部126A~126HとレンズL1との間には液体Lqa~Lqhが保持されているため、レンズL1の側面及びこの近傍の部分の温度は温度制御部126A~126Hの温度に高速に追従して変化する。この結果、レンズL1内でY方向の両端部の領域35C,35Gの温度がほぼT1まで上昇して、レンズL1の温度分布が回転対称に近づくため、非回転対称な収差が減少する。
 なお、レンズL1の温度分布をより回転対称にするために、さらにレンズL1の斜め方向に配置されている温度制御部126B,126D,126F,127Hの温度を高く設定してもよい。
 一方、図4(B)のY方向の2極照明が使用される場合には、図13のレンズL1において、光軸をY方向に対称に挟むように配列される2つのほぼ円形の領域(不図示)で照明光ILの強度が大きくなり、これらの領域の温度が上昇する。そこで、一例としてレンズL1をX方向に挟む1対の温度制御部126A,126Eの温度を高く設定する。この結果、レンズL1内でX方向の両端部の領域の温度が上昇して、レンズL1の温度分布は回転対称に近づくため、非回転対称な収差が減少する。なお、この場合にも、さらにレンズL1の斜め方向に配置されている温度制御部126B,126D,126F,127Hの温度を高く設定してもよい。
 従って、2極照明のように、照明光学系の瞳面における照明光ILの強度分布が非回転対称となる照明条件を用いる場合には、保持装置17Cは、レンズL1を保持するとともに、レンズL1の温度分布を回転対称な分布に近付けて、投影光学系PLの非回転対称な収差を低減する結像特性補正機構としても作用する。従って、投影光学系PLの結像特性が目標とする状態に維持されるため、レチクルRのパターンを常に高精度にウエハW上に転写できる。
 本実施形態の作用効果等は以下の通りである。
 (1)本実施形態のレンズL1の保持装置17Cは、レンズL1を支持する支持板24と、レンズL1の側面に非接触状態で配置され、互いに独立に温度制御される複数の温度制御部126A~126Hと、これらの温度制御部126A~126HとレンズL1との間に供給(保持)される流体としての液体Lqa~Lqhと、を備えている。
 この実施形態によれば、レンズL1の非回転対称な温度分布を抑制するように温度制御部126A~126Hの温度を個別に制御することで、本来の照明光IL以外の光束を照射することなく、レンズL1の温度分布を回転対称な分布に近付けることができる。また、レンズL1に対向する温度制御部126A~126Hの面積は広いとともに、液体Lqa~Lqhを介することによって、温度制御部126A~126Hの温度変化に個別に高速に追従してレンズL1の温度分布を制御できる。さらに、液体Lqa~Lqhのダンピング作用によって外乱によるレンズL1の振動を抑制できる。また、レンズL1が他のレンズに近接して配置されていても、容易に保持装置17Cを設置できる。
 なお、レンズL1の側面と温度制御部126A~126Hとの間に流体として空気等の気体を供給してもよい。
 (2)また、保持装置17Cにおいて、温度制御部126A~126Hは、それぞれレンズL1に対向して配置されるフィン部126Aa等(波形部材)を含み、フィン部126Aa等に設けられて、温度制御された冷媒が供給されるヒートシンク127A~127H(配管部材)を備えている。従って、レンズL1の温度分布を高速に制御できる。
 なお、フィン部126Aa等の中に液体の流路を設け、この流路に直接に温度制御された冷媒を供給してもよい。
 (3)また、保持装置17Cは、温度制御部126A~126Hのフィン部126Aa等の温度を計測する温度センサ131A~131Hと、温度センサ131A~131Hの計測結果に基づいてヒートシンク127A~127Hに供給される冷媒の温度を個別に制御する温度制御系18C(冷媒制御装置)とを備えている。従って、温度制御部126A~126Hの温度、ひいてはレンズL1の温度分布を正確に制御できる。
 (4)また、液体Lqa~Lqhが水であるときには扱いが容易で、かつ液体が廉価である。一方、液体Lqa~Lqhがガリウム等の金属液体である場合には、熱伝導率が高いため、より高速にレンズL1の温度分布を制御できる。
 (5)また、液体Lqa~Lqhを封止するためのカバー部材137を備えているため、液体Lqa~Lqhの蒸発又は上部からの漏れ出しを抑制することができる。
 (6)また、温度制御部126A~126HはレンズL1の側面に非接触状態で配置され、温度制御部126A~126Hの液体Lqa~Lqhを囲む隔壁部126Ab,126Ac,126Ae等とレンズL1の表面との間隔g1,g2は、液体Lqa~Lqhが漏洩しない間隔に設定されている。従って、温度制御部126A~126HとレンズL1とが非接触であっても、その間に液体Lqa~Lqhを安定に保持できる。
 (7)また、温度制御部126A~126H(フィン部126Aa等)は液体保持板125の上部に形成され、液体保持板125は支持板24とは異なるため、保持装置17Cの機構部を容易に組み立てることができる。
 なお、例えばレンズL1の凸部L1aがない場合には、支持板24と液体保持板125(フィン部126Aa)とを一体の部材とすることも可能である。これによって、保持装置17Cの機構を簡素化できる。
 (8)また、本実施形態の投影光学系PLは、複数のレンズL1~L3を含む光学系において、レンズL1を支持するために保持装置17Cを備え、投影光学系PLの非回転対称な収差を補正又は低減するために(その収差に応じて)、複数の温度制御部126A~126Hの温度を制御している。従って、温度制御用の光束を照射することなく投影光学系PLの非回転対称な収差を補正できる。
 また、保持装置17Cは、レンズL1と隣接するレンズL2,L3との間隔が狭い場合にも容易に設置できるため、光学系の設計が容易である。
 (9)また、本実施形態の露光装置100は、保持装置17Cを備えた投影光学系PLを備えている。従って、露光を継続した場合でも、常に高精度にレチクルRのパターンの像をウエハ上に露光できる。
 なお、上記の実施形態においては以下のような変形が可能である。
 (1)上記の実施形態では、図13において、レンズL1の温度分布を回転対称にするために、照明光ILが照射される領域34Pの間の領域35C,35Gの温度を上昇させている。しかしながら、その代わりに図14に示すように、領域34Pに近い温度制御部126A,126Eの温度を低下させて、領域34P及びこの近傍の領域を含む領域35A及び35Eの温度を低下させることによって、レンズL1の温度分布を回転対称に近付けてもよい。
 (2)また、上記の実施形態では、温度制御部126A~126Hに密着したヒートシンク127A~127Hに温度制御された冷媒を供給しているが、その代わりに温度制御部126A~126Hにそれぞれペルチエ素子のような温度制御素子(冷却素子)を固定して、これらの温度制御素子の温度を直列に冷媒が供給される冷却機構で冷却してもよい。この場合には、個別の温度制御素子の吸熱量等を制御することで、対応する温度制御部126A~126Hの温度を制御できる。
 (3)温度制御部126A~126HはレンズL1の側面に配置されているが、レンズL1の側面の近傍の表面又は裏面に近接させて温度制御部126A~126Hを配置してもよい。さらに、レンズL1の側面、並びにこの近傍の表面及び/又は裏面に近接させて温度制御部126A~126Hを配置してもよい。
 (4)また、レンズL1の周囲の温度制御部126A~126Hの個数は複数であればよく、例えばレンズL1をX方向及びY方向に挟む温度制御部126A,126E及び126C,126Gのみを設けてもよい。これによって、X方向及びY方向の2極照明時にレンズL1の温度分布を回転対称に近付けることが可能である。
 また、2極照明時に発生する非回転対称な収差を2θ収差とすると、瞳面上で光軸の周りに120°間隔で設定される領域で照明光の強度が大きくなる照明条件を使用する場合には、1/3回転周期の非回転対称な収差である3θ収差が発生する。このような2θ収差及び3θ収差の両方を高精度に補正するためには、温度制御部126A等の個数を例えば12個(=4×3個)とすればよい。
 (5)また、保持装置17CはレンズL1を保持するために設けられているが、レンズL1の近傍のレンズL2及び/又はL3等に対しても保持装置17Cと同様の温度制御機構を備えた保持装置を設けてもよい。これによって、投影光学系PLの結像特性をより高精度に補正できる。
 (6)また、投影光学系PLが反射屈折系であるような場合には、その中のミラーの温度制御を行うために保持装置17Cを使用してもよい。
 (7)また、温度制御部126A~126HとレンズL1の側面との間に保持される液体Lqa~Lqhは、液体保持板125に液体の供給口、液体の回収口を設けて、循環させてもよい。この場合、保持される液体の量の常に一定になるように調整することが望ましい。
 (8)また、温度制御部126A~126Hは、それぞれフィン部を設ける構成について説明したが、このフィン部を省略することも可能である。例えば、温度制御部126A~126Hのうち、レンズL1に対向する面を平坦な面で形成してもよい。
 また、第1の実施形態における保持装置17と、第3の実施形態における保持装置17Cとを一つの投影光学系PLに適用してもよい。すなわち、投影光学系PLが備える複数の光学素子のうち、一つの光学素子に保持装置17を適用し、他の光学素子に保持装置17Cを適用してもよい。
 次に、上記の各実施形態の露光装置100を用いて半導体デバイス(電子デバイス)を製造する場合、この半導体デバイスは、図15に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいてマスク(レチクル)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造するステップ223、露光装置100によりレチクルのパターンをレジストが塗布された基板(感光基板)に露光する工程、露光した基板を現像してレジストパターンを形成する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
 言い換えると、このデバイスの製造方法は、上記の実施形態の露光装置を用いて基板(ウエハ)上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成された基板を処理することとを含んでいる。このとき、その露光装置では非回転対称な収差を含む諸収差を低減できるため、微細パターンを有するデバイスを高精度に製造できる。
 なお、本発明は、国際公開第99/49504号パンフレット、又は国際公開第2004/019128号パンフレットなどに開示される液浸型露光装置の投影光学系の収差補正を行う場合にも適用することができる。また、本発明は、走査型の露光装置のみならず、一括露光型の露光装置(ステッパー等)等にも適用することができる。また、本発明は、波長数nm~100nm程度の極端紫外光(EUV光)を露光光として用いる投影露光装置の投影光学系の収差補正を行う場合にも適用できる。露光光としてEUV光を用いる場合には、投影光学系は特定のフィルタ等を除いて複数のミラーから構成されるため、本発明の光学素子の保持装置は、その複数のミラーのうちの少なくとも1枚のミラーを保持しながらその温度分布を制御して結像特性を補正するために使用される。このようにミラーを保持する場合には、複数の温度制御部の少なくとも一部をミラーの裏面に配置し、これらの温度制御部とミラーとの間に流体を供給(保持)してもよい。
 これらの場合に、投影光学系の投影倍率は縮小のみならず、等倍でも拡大でもよい。
 また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグフィ工程を用いて製造する際の、露光装置にも適用することができる。
 なお、上述の実施形態の露光装置100は、不図示のコラム機構を設置した後、複数のレンズから構成される照明光学系、及び保持装置17(又は17A~17C)が装着された投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整をして、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造することができる。なお、その露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
 なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。また、明細書、特許請求の範囲、要約、及び図面を含む2009年2月24日付け提出の日本国特許出願第2009-041575、並びに2009年2月25日付け提出の日本国特許出願第2009-041871の全ての開示内容は、そっくりそのまま引用して本願に組み込まれている。
 R…レチクル、W…ウエハ、PL…投影光学系、16…結像特性制御系、17,17A,17B…保持装置、18…温度制御系、22…フランジ部材、24…支持板、25…液体保持板、26A~26H,46A~46H…流体制御部、27…ヒートシンク、28,39…電磁石、29…供給配管、30…回収配管、31,31A,31I…温度センサ、100…露光装置

Claims (24)

  1.  光学素子の保持装置であって、
     前記光学素子を支持する支持部材と、
     前記光学素子の表面の少なくとも一部の領域に接触する磁性体又は金属を含む流体を保持する流体保持部材と、
     前記流体保持部材で保持された前記流体の状態を制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とする光学素子の保持装置。
  2.  前記制御装置は、前記光学素子の表面に関して、前記流体が接触する領域の分布を制御することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の保持装置。
  3.  前記流体保持部材に設けられ、温度制御された冷媒が供給される配管部材を備えることを特徴とする請求項2に記載の光学素子の保持装置。
  4.  前記流体は磁性流体であり、
     前記制御装置は、前記磁性流体の分布を制御するために複数の電磁石を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の光学素子の保持装置。
  5.  前記磁性流体を保持するための発磁体を備えることを特徴とする請求項4に記載の光学素子の保持装置。
  6.  前記制御装置は、前記流体の温度分布を制御することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の保持装置。
  7.  前記流体は磁性流体であり、
     前記制御装置は、前記磁性流体の温度分布を制御するために、前記磁性流体内に部分的に交番磁界を発生する複数の電磁石を有することを特徴とする請求項6に記載の光学素子の保持装置。
  8.  前記光学素子はレンズであり、
     前記レンズの側面の少なくとも一部に接触するように前記流体が保持されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光学素子の保持装置。
  9.  前記流体は金属液体であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項6に記載の光学素子の保持装置。
  10.  前記制御装置からの放射熱を遮断する被覆部材を備えることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の光学素子の保持装置。
  11.  前記光学素子の前記流体と接触する部分に導電性膜及び前記液体をはじく撥液性膜が形成されることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光学素子の保持装置。
  12.  前記流体保持部材は、前記支持部材の一部であることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の光学素子の支持装置。
  13.  複数の光学素子を含む光学系において、
     前記複数の光学素子の少なくとも一つの光学素子を支持するために、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の光学素子の支持装置を備え、
     前記光学系の非回転対称な収差に応じて前記制御装置によって前記流体の状態を制御することを特徴とする光学系。
  14.  光学素子の保持装置であって、
     前記光学素子を支持する支持部材と、
     前記光学素子の表面の少なくとも一部に非接触状態で配置され、互いに独立に温度制御される複数の温度制御部材と、
     前記複数の温度制御部材と前記光学素子との間に供給される流体と、
    を備えることを特徴とする光学素子の保持装置。
  15.  前記複数の温度制御部材は、それぞれ前記光学素子に対向して配置される波形部材と、該波形部材に設けられ、温度制御された冷媒が供給される配管部材とを含むことを特徴とする請求項14に記載の光学素子の保持装置。
  16.  前記複数の波形部材の温度情報を計測する複数の温度センサと、 該複数の温度センサの計測結果に基づいて前記複数の配管部材に供給される前記冷媒の温度を個別に制御する冷媒制御装置と、を備えることを特徴とする請求項15に記載の光学素子の保持装置。
  17.  前記流体は水又は金属液体であることを特徴とする請求項14から請求項16のいずれか一項に記載の光学素子の保持装置。
  18.  前記光学素子と前記複数の温度制御部材との間に前記流体を封止する被覆部材を備えることを特徴とする請求項14から請求項17のいずれか一項に記載の光学素子の保持装置。
  19.  前記流体は液体であり、
     前記光学素子の前記液体と接触する部分に前記液体をはじく撥液性コーティングが施されることを特徴とする請求項14から請求項18のいずれか一項に記載の光学素子の保持装置。
  20.  前記流体は液体であり、
     前記複数の温度制御部材は前記光学素子の側面に非接触状態で配置され、
     前記温度制御部材の前記液体を囲む隔壁部と前記光学素子の表面との間隔は、前記隔壁部と前記光学素子の表面との間における前記液体の表面張力の作用によって、前記液体が漏洩しない間隔に設定されることを特徴とする請求項14から請求項19のいずれか一項に記載の光学素子の保持装置。
  21.  前記複数の温度制御部材の前記波形部材は、前記支持部材の一部であることを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の光学素子の支持装置。
  22.  複数の光学素子を含む光学系において、
     前記複数の光学素子の少なくとも一つの光学素子を支持するために、請求項14から請求項21のいずれか一項に記載の光学素子の支持装置を備え、
     前記光学系の非回転対称な収差に応じて前記複数の温度制御部材の温度を制御することを特徴とする光学系。
  23.  露光光でパターンを照明し、前記露光光で前記パターン及び投影光学系を介して物体を露光する露光装置において、
     請求項13又は請求項22に記載の光学系を備えることを特徴とする露光装置。
  24.  請求項23に記載の露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
     前記パターンが形成された基板を処理することと、を含むデバイス製造方法。
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