JP2011103411A - 光学素子の保持装置、光学系、及び露光装置 - Google Patents

光学素子の保持装置、光学系、及び露光装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011103411A
JP2011103411A JP2009258449A JP2009258449A JP2011103411A JP 2011103411 A JP2011103411 A JP 2011103411A JP 2009258449 A JP2009258449 A JP 2009258449A JP 2009258449 A JP2009258449 A JP 2009258449A JP 2011103411 A JP2011103411 A JP 2011103411A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical element
optical system
magnetic fluid
holding device
fluid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009258449A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5434498B2 (ja
Inventor
Yohei Takase
洋平 高瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2009258449A priority Critical patent/JP5434498B2/ja
Publication of JP2011103411A publication Critical patent/JP2011103411A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5434498B2 publication Critical patent/JP5434498B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lens Barrels (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

【課題】光学素子の損傷の恐れがなく、かつ光学素子の変形の状態を正確に予測できる状態で、光学素子を変形させる。
【解決手段】凹面鏡22を保持する保持装置50であって、凹面鏡22を支持する分割鏡筒47と、凹面鏡22の裏面22cの少なくとも一部の領域に接触する磁性流体Lmを保持する流体保持板51と、流体保持板51で保持された磁性流体Lmの圧力を制御して、凹面鏡22を変形させるアクチュエータ54Aと、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学素子の保持装置、この保持装置を備える光学系、及びこの光学系を備える露光装置に関する。さらに本発明は、その露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
例えば半導体デバイスの製造工程の一つであるリソグラフィ工程においては、レチクル(又はフォトマスク等)に形成されているパターンを、投影光学系を介してレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に転写するために、ステッパー等の一括露光型又はスキャニングステッパー等の走査露光型等の露光装置が使用されている。
これらの露光装置に搭載される投影光学系は、諸収差が所定の許容範囲内に収まるように組立調整が行われる。この際に、例えば歪曲収差や倍率誤差等の回転対称で、かつ低次数の収差成分が残存していても、これらの収差は投影光学系に装着されている結像特性補正機構(例えば所定のレンズの光軸方向の位置や傾斜角を制御する機構)によって補正することができる。これに対して、光軸上での非点収差(以下、センターアスと言う。)のような非回転対称な収差成分が残存している場合には、結像特性補正機構ではその補正は困難である。
そこで、そのような非回転対称な収差成分を補正するために、投影光学系中の所定のレンズに対して側面から非回転対称な応力を加えるようにした補正機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、非回転対称な収差成分を補正するために、例えばミラーのような光学素子の側面の凸部をアクチュエータで微小量変形させるようにした補正機構も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特表2002−519843号公報 特開2007−266511号公報
従来の非回転対称な収差成分の補正機構は、投影光学系中の所定の光学素子の一部を直接、機械的に変形させていたため、変形のための応力を大きくすると、その光学素子が損傷する恐れがあった。また、光学素子の側面の変形によって、光学素子の光束が通過する部分を変形させているため、側面の変形量から収差の補正量を正確に予測するのが困難である。そのため、例えば予め種々の変形の組み合わせに対してそれぞれ対応する収差の補正量を実測して記憶しておく必要があり、補正機構の使用方法が複雑であった。
本発明はこのような課題に鑑み、光学素子の損傷の恐れがなく、かつ光学素子の変形状態を正確に予測できる状態で、光学素子を変形可能に保持することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、光学素子を支持する支持部材と、その光学素子の表面の少なくとも一部の領域に接触する磁性流体を保持する流体保持部材と、その流体保持部材で保持されたその磁性流体の圧力を制御して、その光学素子を変形させる圧力制御装置と、を備える光学素子の保持装置が提供される。
また、本発明の第2の態様によれば、複数の光学素子を含む光学系において、その複数の光学素子の少なくとも一つの光学素子を支持するために、本発明の第1の態様の光学素
子の保持装置を備え、その光学系の非回転対称な収差に応じてその圧力制御装置によってその光学系の変形量を制御する光学系が提供される。
また、本発明の第3の態様によれば、光学素子を支持する支持部材と、その光学素子の表面の少なくとも一部の領域に接触する磁性流体を保持する流体保持部材と、その光学素子の表面に対するその磁性流体の位置を調整して、その光学素子の温度分布を制御する温度制御装置と、を備える光学素子の保持装置が提供される。
また、本発明の第4の態様によれば、複数の光学素子を含む光学系において、その複数の光学素子の少なくとも一つの光学素子を支持するために、本発明の第3の態様の光学素子の保持装置を備える光学系が提供される。
また、本発明の第5の態様によれば、露光光でパターンを照明し、その露光光でそのパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、本発明の光学系を備える露光装置が提供される。
また、本発明の第6の態様によれば、本発明の露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成されたその基板を処理することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明によれば、光学素子を磁性流体を介して変形させるか、又は光学素子の温度分布を磁性流体を介して制御することで、光学素子を変形させているため、光学素子の損傷の恐れがない。また、主に磁性流体と接触している部分で光学素子が変形するため、磁性流体の分布からその光学素子の変形の状態を正確に予測できる。
実施形態の一例の露光装置の本体部を示す一部が切り欠かれた図である。 図1中の凹面鏡22を保持する保持装置50を示す断面図である。 (A)、(B)、(C)、(D)、(E)、及び(F)は、図2のAA線に沿う断面における磁性流体の種々の分布を示す図である。 (A)は図2のBB線に沿う断面図、(B)は図2のCC線に沿う断面図である。 (A)は投影光学系の波面収差の一例を示す図、(B)は投影光学系の波面収差の他の例を示す図である。 (A)はレチクルのパターンの一例の要部を示す拡大図、(B)は凹面鏡22の反射面の近傍における照明光の光強度分布の一例を示す図である。 半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態の一例につき図1〜図6を参照して説明する。
図1は、本実施形態のスキャニングステッパーよりなる走査露光型の露光装置EXの露光本体部を示す。図1において、露光装置EXは、露光用の照明光IL(露光光)を発生する露光光源(不図示)と、照明光ILでレチクルR(マスク)を照明する照明光学系ILS(図1ではこの一部のみが表れている)と、レチクルRのパターンの像をウエハW(基板)の表面に形成する投影光学系PLとを備えている。さらに、露光装置EXは、レチクルRを保持して移動するレチクルステージ15と、ウエハWを保持して移動するウエハステージ32と、装置全体の動作を統括的に制御するコンピュータよりなる主制御系5(図2参照)とを備えている。
以下、投影光学系PLのレチクルR側の部分光学系(後述の第1結像光学系G1)の光軸AX1に平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面(本実施形態ではほぼ水平面)内で図1
の紙面に平行にY軸を取り、図1の紙面に垂直にX軸を取って説明する。走査露光時のレチクルR及びウエハWの走査方向はY軸に平行な方向(Y方向)であり、レチクルRのパターン面及びウエハWの表面はXY面にほぼ平行である。また、X軸、Y軸、及びZ軸に平行な軸の回りの回転方向(傾斜方向)をθx方向、θy方向、及びθz方向とも呼ぶ。
まず、投影光学系PL、レチクルステージ15、及びウエハステージ32を含む露光本体部は、フレーム機構によって支持されている。そのフレーム機構は、床面に設置されたフレームキャスタよりなるベース部材1と、ベース部材1の上面に設置された例えば3本(4本等でも可)の第1コラム2と、これらの第1コラム2の上面に例えば能動型の防振装置3A,3B(実際には3個又は4個配置されている)を介して設置された第2コラム4とを備えている。第2コラム4の底部に設けられた平板状の支持板部4aの中央のU字型の開口部に投影光学系PLが搭載されている。
そのフレーム機構の近傍に設置された露光光源(不図示)は、ArFエキシマレーザ光源(発振波長193nm)であるが、その他にKrFエキシマレーザ光源(波長248nm)、又は固体レーザ(YAGレーザ若しくは半導体レーザ等)の高調波発生装置等も使用できる。その露光光源から射出された照明光ILは、照明光学系ILSに入射する。照明光学系ILSは、レチクルRのパターン面(下面)のX方向(非走査方向)に細長いスリット状の照明領域を照明光ILによりほぼ均一な照度分布で照明する。
サブチャンバ14内に配置された照明光学系ILSは、例えば米国特許出願公開第2003/025890号明細書などに開示されるように、回折光学素子等を含む光量分布設定機構(不図示)、オプティカルインテグレータ(フライアイレンズ又はロッドインテグレータなど)等を含む照度均一化光学系(不図示)、レチクルブラインド等の可変視野絞り(不図示)、並びにレンズ11,13及びミラー12を含むコンデンサ光学系等を含んでいる。また、通常照明、2極照明、4極照明、又は輪帯照明等の照明条件に応じて、その光量分布設定機構が、照明光学系ILS内の瞳面(不図示)における照明光ILの光量分布を、光軸を中心とする円形領域、光軸を挟む2つの領域、光軸を挟む4つの領域、又は輪帯状の領域等でそれぞれ大きい光量となる分布に切り換える。
レチクルRを通過した照明光ILは、投影光学系PLを介して、フォトレジスト(感光剤)が塗布された円板状の基板であるウエハWの表面の一つのショット領域のX方向に細長い露光領域に、レチクルRの照明領域内のパターンを投影倍率β(例えば1/4,1/5等)で縮小した像を形成する。投影光学系PLは反射屈折光学系である。投影光学系PLは、フランジ部44aによって支持板部4aに載置されている。照明光学系ILS及び投影光学系PLの照明光ILの光路はほぼ気密化され、これらの光路には、ほぼ真空紫外域の光に対して高透過率の気体(以下、「パージガス」と呼ぶ)であるドライエアー、窒素、又は希ガス(ヘリウム等)等が、供給用の配管20A等及び排気用の配管21A,21D等を介して供給されている。
また、レチクルRは、レチクルホルダ(不図示)を介してレチクルステージ15の上面に保持され、レチクルステージ15はレチクルベース16のXY面に平行な上面に、Y方向に一定速度で移動可能に、かつX方向、Y方向、θz方向に変位可能な状態で載置されている。レチクルベース16は、第2コラム4の上端に固定されている。レチクルステージ15の少なくともX方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角はレーザ干渉計17によって計測され、この計測値及び主制御系5からの制御情報に基いて、リニアモータ等を含む駆動装置(不図示)がレチクルステージ15を駆動する。
一方、ウエハWは、ウエハホルダ(不図示)を介してウエハテーブル31の上面に保持され、ウエハテーブル31はウエハステージ32の上面に固定されている。ウエハステー
ジ32は、ウエハベース33のXY面に平行な上面にY方向に一定速度で移動可能に、かつX方向、Y方向にステップ移動可能に載置されている。ウエハベース33は、能動型の防振装置38A,38B等を介してベース部材1上に載置されている。ウエハステージ32の少なくともX方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角はレーザ干渉計34によって計測され、この計測値及び主制御系5からの制御情報に基いて、リニアモータ等を含む駆動装置(不図示)がウエハステージ32を駆動する。
また、ウエハステージ32の内部には、ウエハテーブル31(ウエハW)のZ方向の位置(フォーカス位置)と、θx方向及びθy方向の傾斜角とを調整するためのフォーカス・レベリング機構が組み込まれている。投影光学系PLの下部側面に配置された投射光学系35Aと受光光学系35Bとから構成される斜入射方式の多点の焦点位置検出系(オートフォーカスセンサ)によって計測されるウエハWの複数の計測点でのフォーカス位置の情報に基いて、そのフォーカス・レベリング機構は、露光中に継続してウエハWの表面を投影光学系PLの像面に合焦させる。投射光学系35A及び受光光学系35Bは、投影光学系PLのフランジ部44aの底面に取り付けられたセンサーコラム36に取り付けられている。
また、ウエハテーブル31の上部に、例えば米国特許第6,573,997号明細書等で開示されているシアリング干渉方式又はポイント・ディフラクション・干渉方式(PDI方式)の波面収差計測装置39が設けられている。波面収差計測装置39によって計測される投影光学系PLの波面収差の情報は図2の結像特性制御系6で処理される。
露光時には、不図示のアライメント系を用いてレチクルR及びウエハWのアライメントを行った後、ウエハステージ32をX方向、Y方向にステップ移動することで、ウエハWの露光対象のショット領域が露光領域の手前に移動する。その後、レチクルRの照明領域内のパターンの投影光学系PLによる像でウエハWの当該ショット領域を露光しつつ、レチクルステージ15及びウエハステージ32を介してレチクルRとウエハWとをY方向に投影光学系PLの投影倍率を速度比として同期移動する走査露光が行われる。そのステップ移動と走査露光とをステップ・アンド・スキャン方式で繰り返すことによって、ウエハWの全部のショット領域にレチクルRのパターンの像が露光される。
次に、本実施形態の投影光学系PLの構成等につき詳細に説明する。
図1において、反射屈折光学系からなる投影光学系PLは、レチクルRのパターンの第1中間像を形成する屈折型の第1結像光学系G1と、凹面鏡22と2つの負屈折力のレンズL8,L9とから構成されて第1中間像とほぼ等倍の第2中間像を形成する第2結像光学系G2と、第2中間像からの光を用いてウエハW上にレチクルRのパターンの最終像を形成する屈折型の第3結像光学系G3と、凹面鏡22を保持する保持装置50とを備えている。さらに、投影光学系PLは、第1結像光学系G1からの光を第2結像光学系G2に向かって偏向する反射面Aと、第2結像光学系G2からの光を第3結像光学系G3に向かって偏向する反射面Bとが形成された光路折り曲げ鏡FMを備えている。第1中間像及び第2中間像は、それぞれ反射面Aと第2結像光学系G2との間、及び第2結像光学系G2と反射面Bとの間に形成される。
また、第1結像光学系G1及び第3結像光学系G3はZ軸に平行な光軸AX1を有し、第2結像光学系G2の光軸AX2は、光軸AX1と直交するように、かつY軸に平行に設定されている。更に、光路折り曲げ鏡FMの2つの反射面A,Bの交線(厳密にはその仮想延長面の交線)Cで光軸AX1と光軸AX2とが交差している。
第1結像光学系G1は、レチクルR側から順に、平行平面板L1、レンズL2,L3,L4,L5,L6,L7を配置して構成されている。第2結像光学系G2は、光の進行往路に沿ってレチクル側(即ち入射側)から順に、負のレンズL8及びL9と、凹面鏡22とを配置して構成されている。第3結像光学系G3は、光の進行方向に沿ってレチクル側
から順に、レンズL10,L11と、開口絞りASと、レンズL12,L13とを配置して構成されている。開口絞りASの配置面は投影光学系PLの瞳面又はその近傍の面であり、凹面鏡22の反射面22b(図2参照)は、投影光学系PLの瞳面とほぼ共役である。なお、投影光学系PLの構成は任意である。
本実施形態において、投影光学系PLを構成する全ての屈折光学素子(レンズ成分)の光学材料には合成石英又は蛍石(CaF2 結晶)を使用している。また、光路折り曲げ鏡FM及び凹面鏡22は、一例として炭化ケイ素(SiC)或いはSiCとケイ素(Si)とのコンポジット材の反射面にアルミニウム等の金属膜、又は誘電体多層膜を被着することにより形成される。このとき、脱ガス防止のために凹面鏡22全体を炭化ケイ素等でコーティングすることが好ましい。また、凹面鏡22の材料としては、コーニング社のULE(Ultra Low Expansion:商品名)などの低膨張材料、又はベリリウム(Be)を用いても良い。ベリリウムを用いる場合には、凹面鏡22全体を炭化ケイ素等でコーティングすることが好ましい。
また、第1結像光学系G1の平行平面板L1、レンズL2〜L7は、それぞれ輪帯状のレンズ枠42A,42B,42C,42D,42E,42F,42Gを介して円筒状の分割鏡筒41A,41B,41C,41D,41E,41F,41G内に保持され、分割鏡筒41A〜41Gは光軸AX1に沿って気密性を保持する状態で例えば対向するフランジ部(不図示)をボルト(不図示)で固定して連結されている。レンズ枠42B〜42G等には上記のパージガスを流通させるための複数の開口が形成されている(以下同様)。
同様に、第3結像光学系G3のレンズL10,L11,L12,L13は、それぞれ輪帯状のレンズ枠42H,42K,42I,42Jを介して円筒状の分割鏡筒41H,44,41I,41J内に保持されている。開口絞りASは、分割鏡筒44,41Iに挟まれた分割鏡筒41K内に保持され、分割鏡筒41H,44,41K,41I,41Jは気密性を保持する状態で連結されている。そして、分割鏡筒44にフランジ部44aが設けられている。分割鏡筒41G,41H間に+Y方向に開口が設けられた円筒状の分割鏡筒43が連結され、分割鏡筒43内の突部に保持枠43aを介して光路折り曲げ鏡FMが固定されている。分割鏡筒41A〜41K,43,44より第1の部分鏡筒7が構成されている。
また、図2の結像特性制御系6の制御のもとで、例えばレンズ枠42A〜42Eを駆動して、平行平面板L1、レンズL2〜L5をZ方向、θx方向、θy方向に微動することによって、投影光学系PLのディストーション及びコマ収差等の回転対称で比較的低次の収差を補正する回転対称な結像特性補正機構(不図示)が設けられている。このような回転対称な結像特性補正機構としては、例えば米国特許出願公開第2006/244940号明細書に開示されている機構を使用可能である。
また、第2結像光学系G2のレンズL8,L9は、それぞれ保持枠46A,46Bを介して、円筒型の分割鏡筒45,41L内に保持され、凹面鏡22は、保持装置50で保持される。保持装置50は、投影光学系PLの結像特性としてのセンターアス等の非回転対称な収差及び高次の収差を補正するための補正機構でもある。保持装置50は、分割鏡筒41Lに連結されて、凹面鏡22が収納された円筒状の分割鏡筒47と、分割鏡筒47の+Y方向の開口を覆うように分割鏡筒47の端面に固定されたハウジング49と、凹面鏡22の裏面22cに配置される磁性流体Lmとを備えている。磁性流体Lmは、例えばテフロン(登録商標)系の液体中に所定量の磁性体の粉末(例えば鉄粉)を混入したものである。
図2に示すように、円筒状で+Y方向側の端部が閉じられたハウジング49は、分割鏡
筒47の端面47bにボルト40によって固定されている。さらに、保持装置50は、分割鏡筒47の内面47aの段差部との間で凹面鏡22の外周の凸部22aを挟んで固定する押さえリング48と、凹面鏡22の裏面22c側に磁性流体Lmを隔てて配置された流体保持板51と、ハウジング49の内面に流体保持板51を連結するY方向に弾性変形可能なヒンジ部材52Aと、ハウジング49に対する流体保持板51のY方向の位置を検出するリニアエンコーダ53Aと、流体保持板51の+Y方向の外面に固定された、円筒状で+Y方向の端部が閉じられた取り付け部材55とを備えている。ハウジング49に固定されたヒンジ部材52Aは、ボルト52Aaによって流体保持板51に固定されている。リニアエンコーダ53Aは、流体保持板51に固定されたスケール部53Abとハウジング49に固定された検出部53Aaとからなる。
凹面鏡22の凸部22aの−Y方向の側面にはほぼ等角度間隔で3箇所に半球状の接触部(不図示)が形成され、凹面鏡22は分割鏡筒47に対して安定に保持されている。
図2のBB線に沿う断面図である図4(A)に示すように、ハウジング49の内面に等角度間隔で配置された3箇所の同一構成のヒンジ部材52A,52B,52Cによって流体保持板51が支持されている。即ち、流体保持板51は、ハウジング49の内部に3箇所で安定に保持されている。また、ヒンジ部材52A〜52Cの近傍に、それぞれハウジング49に対する流体保持板51のY方向の位置を検出するリニアエンコーダ53A,53B,53Cが配置されている。リニアエンコーダ53A〜53Cの検出結果は図2の圧力温度制御系9に供給されている。
図2において、流体保持板51及び取り付け部材55は、熱伝導率が高い常磁性体の金属、例えばチタン合金又はアルミニウム等から形成されている。ヒンジ部材52A及びハウジング49は例えば金属製である。凹面鏡22の裏面22cと流体保持板51との間隔は、例えば1〜3mm程度が好ましい。本実施形態では、その間隔は2mm程度に設定されている。
また、保持装置50は、ヒンジ部材52Aの弾性変形の範囲内でハウジング49に対してヒンジ部材52Aを介して流体保持板51をY方向に変位させるアクチュエータ54Aと、流体保持板51の表面で取り付け部材55の内部に配置された複数の永久磁石56A,56B,56C(図4(B)参照)及び複数の電磁石57とを備えている。
図2のCC線に沿う断面図である図4(B)に示すように、ハウジング49内にはヒンジ部材52A,52B,52Cを介して流体保持板51をそれぞれY方向に変位させる同じ構成のアクチュエータ54A,54B,54Cが配置されている。アクチュエータ54A〜54Cは例えばピエゾ素子(電歪素子)又はボイスコイルモータ(VCM)等である。リニアエンコーダ53A〜53Cの検出結果及び結像特性制御系6からの制御情報に基づいて、図2の圧力温度制御系9がアクチュエータ54A〜54Cの駆動量を制御する。アクチュエータ54A〜54Cを駆動することで、凹面鏡22の裏面22cに対する流体保持板51のY方向の位置、及びθx方向、θz方向の傾斜角を制御できる。アクチュエータ54A〜54CのY方向の駆動ストロークは例えば数μm程度である。
図4(B)において、取り付け部材55の内側の中央の円形の領域が、図2の凹面鏡22に照明光ILが照射される有効領域に対応する有効領域62Mである。有効領域62M内に、X方向及びZ方向に所定周期で配置された多数の駆動点P(i,j)にそれぞれ電磁石57が設置されている。駆動点P(i,j)は、最も−X方向及び−Z方向の駆動点からそれぞれ+X方向にi番目(i=1〜I)で+Z方向にj番目(j=1〜J)の駆動点である(I,Jは2以上の整数)。有効領域62のほぼ中央を通りX方向及びY方向に配列される駆動点P(i,j)及び電磁石57の数は例えば10〜20程度(図4(B)ではほぼ10個)である。或る電磁石57のコイルに電流を供給することによって、その電磁石57で発生する磁力によって、図2の凹面鏡22の裏面22cの磁性流体Lmの一部をその電磁石57の延長上の領域に移動することができる。全部の電磁石57のコイルに流れる電流(ひいては磁力)は、図2の圧力温度制御系9によって個別に制御可能である。
図3(A)〜図3(F)は図2のAA線に沿う断面図であり、図3(A)〜図3(F)は図2の凹面鏡22の裏面22cにおける磁性流体Lmの分布を示している。また、図3(A)〜図3(F)の裏面22cの有効領域62は、図4(B)の有効領域62Mに対向する領域である。図2の全部の電磁石57のコイルに流れる電流を制御することによって、裏面22cの有効領域62内における磁性流体Lmの分布を、図3(A)の光軸AX2をZ方向(レチクルR上のY方向に対応する方向)に挟む2箇所の領域63A,63B、図3(C)の一箇所の領域63C、図3(D)の光軸を斜め方向に挟む2箇所の領域63D,63E、図3(E)の多数の領域64F、又は図3(F)の輪帯状の領域64G等の種々の分布に設定可能である。図3(A)、図3(C)〜図3(F)のような磁性流体Lmの分布で、アクチュエータ54A〜54Cによって流体保持板51のY方向の位置、θx方向、θz方向の傾斜角を制御することによって、磁性流体Lmが存在する裏面22cに対向する凹面鏡22の反射面22bを僅かに変形させることができる。この際に、凹面鏡22は横置きであるため、裏面22cからの僅かな力で反射面22bを変形できる。これによって、投影光学系PLの非回転対称な収差及び高次の収差(波面収差等)を補正できる。
また、図4(B)の取り付け部材55の内側で有効領域62Mの外側の領域内に、ヒンジ部材52A〜52Cの近傍の領域を隔てて3箇所の円弧状の退避領域64AM,64BM,64CMが設定され、退避領域64AM,64BM,64CM内に近接してそれぞれ同じ構成の複数の永久磁石56A,56B,56Cが設置されている。永久磁石56A〜56Cは、全部の電磁石57の電流がオフの状態で、退避領域64AM〜64CMに対向する図3(B)の凹面鏡22の裏面22cの退避領域64A〜64Cに磁性流体Lmを保持するために使用される。なお、凹面鏡22の裏面22cには、磁性流体Lmをはじく撥液性のコーティング膜(例えばテフロン(登録商標)等の合成樹脂等)が形成されている。これによって、磁性流体Lmは裏面22cに沿って容易に移動可能である。
また、図2において、流体保持板51の内部に流路51aが設けられ、流路51aの一端及び他端がそれぞれ可撓性を持つ配管60A及び60Bを介して冷媒供給装置59に連結されている。冷媒供給装置59は配管60Aを介して流路51aに温度制御(冷却)された冷媒Coを供給し、流路51aを流れた冷媒Coを配管60Bを介して回収する。流体保持板51には温度センサ61が固定され、温度センサ61で検出される流体保持板51の温度情報が圧力温度制御系9に供給されている。圧力温度制御系9は、流体保持板51の温度が結像特性制御系6による設定値になるように、冷媒供給装置59を介して流路51aに供給される冷媒Coの温度及び流量を制御する。流路51aは、図4(A)に示すように、流体保持板51のほぼ全面を軌跡69に沿って巡るように形成されているため、流体保持板51の温度分布はほぼ均一になる。保持装置50は、温度センサ61及び配管60A,60Bを有する。なお、冷媒Co等としては、例えばフッ素系不活性液体などが使用できる。フッ素系不活性液体としては例えばフロリナート(米国スリーエム社の商品名)が使用できる。
次に、凹面鏡22を保持する保持装置50を用いて、投影光学系PLのセンターアスのような非回転対称な収差を補正する動作の一例につき説明する。この場合、一例として図1の波面収差計測装置39を用いて投影光学系PLの波面収差を計測する。この計測の結果、投影光学系PLの瞳面における波面収差、ひいては凹面鏡22の反射面22bの近傍における波面収差が、図5(A)に示すように、光軸AX2をZ方向にほぼ対称に挟む2つのほぼ円形の領域23A,23Bで負になっているとする。この場合、図2の結像特性
制御系6から圧力温度制御系9に対して、その領域23A,23Bの位置及び大きさの情報、及びこれらの領域における平均的な波面収差量の情報を供給する。
これに応じて圧力温度制御系9は、まず全部の電磁石57の電流を制御して、凹面鏡22の裏面22cの磁性流体Lmの分布を、図3(A)の領域23A,23Bに対向する領域63A,63Bに設定する。さらに圧力温度制御系9は、アクチュエータ54A〜54Cを駆動し、流体保持板51を裏面22cに平行にした状態で、反射面22bの領域23A,23Bにおける変位がその波面収差量のほぼ1/2になるように、流体保持板51をY方向に変位させる。これによって、凹面鏡22の裏面22cと流体保持板51との間の磁性流体Lmの圧力が変化する。この磁性流体Lmの圧力の変化が凹面鏡22の裏面22cのうち領域23A,23bに対して付勢力を与えることになり、その非回転対称な収差が低減(補正)される。なお、電磁石57の磁力と、流体保持板51のY方向の移動量(裏面22cと流体保持板51との間隔)と、反射面22bの変位との関係は、計算又は実測によって予め求めて記憶しておいてもよい。なお、2つの領域23A,23Bで波面収差量が異なる場合には、それに応じて流体保持板51のθx方向の傾斜角を調整すればよい。
また、計測された波面収差が、図5(B)に示すように、光軸AX2を斜めにほぼ対称に挟む2つの領域23D,23Eで負の値になる場合には、凹面鏡22の裏面22cにおける磁性流体Lmの分布を図3(D)の2つの領域63D,63Eに設定し、アクチュエータ54A〜54Cの駆動量を調整すればよい。同様に、計測される種々の波面収差に応じて、それぞれ磁性流体Lmの分布及び流体保持板51による付勢力を制御することによって、その波面収差を低減できる。なお、波面収差が2つの領域23A,23Bで正の値になる場合には、一例として、図3(A)の対応する2つの領域63A,63Bを囲む領域に磁性流体Lmを分布させればよい。
また、このように磁性流体Lmの分布を制御するために全部の電磁石57の電流を調整すると、流体保持板51の温度が上昇し、磁性流体Lmを介して凹面鏡22の温度も上昇する。そこで、流体保持板51の温度が許容値を超えたときには、冷媒供給装置59から流体保持板51の流路51aに冷媒Coを供給して、流体保持板51を冷却する。これによって、凹面鏡22の温度上昇が抑制できる。
次に、投影光学系PLの非回転対称な収差等を補正する動作の他の例につき説明する。この場合、予めレチクルRのパターン及び照明条件から凹面鏡22の温度分布を予測する。即ち、レチクルRに形成されている主なパターンが、例えば図6(A)に拡大して示すように、Y方向にほぼ解像限界の周期で形成されたライン・アンド・スペースパターン(以下、L&Sパターンという)71Hである場合、照明光学系ILSの照明条件として2極照明が使用される。この結果、投影光学系PLの瞳面、ひいては凹面鏡22の反射面では、図6(B)に示すように、光軸AX2をZ方向にほぼ対称に挟む2つの領域72で照明光ILの光量が高くなり、領域72の温度が上昇する。
そこで、図2の結像特性制御系6から圧力温度制御系9にその2極照明の照明条件の情報が供給された場合には、圧力温度制御系9は、電磁石57によって凹面鏡22の裏面22cの磁性流体Lmの分布を図3(A)の2つの領域23A,23Bに設定する。ただし、アクチュエータ54A〜54Cの駆動量はほぼ0にしておく。すなわち、凹面鏡22の裏面22cに対して、磁性流体Lm及び流体保持板51による付勢力が発生しないようにしておく。なお、この場合、圧力温度制御系9は、凹面鏡22の裏面22cと液体保持板51との間の磁性流体Lmの圧力を調整しないので、磁性流体を移動する制御系として機能する。また、冷媒供給装置59を介して流体保持板51の流路51aに冷却された冷媒Coを供給する。これによって、領域23A,23Bの温度が低下して、凹面鏡22の温度分布は回転対称な分布に近づくため、非回転対称な収差が低減される。
また、例えば輪帯照明が使用される場合には、図3(F)の凹面鏡22の反射面では、輪帯状の領域23Gに対応する部分の光量が大きくなり、領域23Gに対応する部分の温度が上昇する。そこで、圧力温度制御系9が裏面22cの輪帯状の領域64Gに磁性流体Lmを分布させ、流体保持板51の流路51aに冷媒Coを供給することによって、回転対称ではあるが高次の収差を低減させることができる。同様に、他の種々の領域で反射面の温度が上昇するときに、その領域に合わせて磁性流体Lmの分布を設定し、流体保持板51に冷媒Coを供給することで、非回転対称及び/又は高次の収差を低減できる。
本実施形態の効果等は以下の通りである。
(1)本実施形態の投影光学系PLは凹面鏡22を保持する保持装置50を備えている。保持装置50は、凹面鏡22(光学素子)を支持する分割鏡筒47(支持部材)と、凹面鏡22の裏面22c(表面の一部)の少なくとも一部の領域に接触する磁性流体Lmを保持する流体保持板51(流体保持部材)と、流体保持板51で保持された磁性流体Lmの圧力を制御して、凹面鏡22を変形させるアクチュエータ54A〜54C(圧力制御装置)と、を備えている。
本実施形態によれば、凹面鏡22を磁性流体Lmを介して変形させているため、凹面鏡22の損傷の恐れがない。また、磁性流体Lmと接触している部分、及びその部分に対向する凹面鏡22の反射面の部分で凹面鏡22が変形するため、凹面鏡22の変形の状態を正確に予測できる状態で、凹面鏡22を所望の形状に変形させることができる。
(2)また、保持装置50は、凹面鏡22の裏面22cにおける磁性流体Lmの分布を制御するための複数の電磁石57(分布設定装置)を備えている。従って、電磁石57の電流を個別に制御することで、磁性流体Lmの分布を種々の分布に容易に設定できる。
(3)また、アクチュエータ54A〜54Cはそれぞれハウジング49(ベース部材)に対して流体保持板51を裏面22cに垂直な方向(Y方向)に変位させている。従って、流体保持板51を3自由度で変位させることができ、ひいては裏面22cの磁性流体Lmの圧力を位置によって変えることもできる。
なお、保持装置50は一つのアクチュエータのみを備え、このアクチュエータでハウジング49に対して流体保持板51をY方向に変位させるのみでもよい。この場合には、電磁石57の磁力が互いに等しいときには、裏面22cの磁性流体Lmの圧力は位置に関係なくほぼ等しくなる。一方、電磁石57毎に磁力を変えることによって、磁力の強い部分で磁性流体Lmの圧力を大きくすることも可能である。
(4)また、保持装置50は、凹面鏡22の裏面22cに対する磁性流体Lmの位置(分布)を調整して、凹面鏡22の温度分布を制御する温度制御装置を備えている。この温度制御装置は、流体保持板51に設けられ、温度制御された冷媒Coが供給される配管60Aと、磁性流体Lmを吸引する複数の電磁石57とを有する。
従って、例えば2極照明を用いる場合のように、凹面鏡22の温度分布が非回転対称になることが予め予測できる場合には、その非回転対称な温度分布を抑制するように、磁性流体Lmの分布及びその温度を制御することで、非回転対称な収差を低減できる。また、回転対称な高次の収差も低減可能である。
このように、磁性流体Lmを介して凹面鏡22の温度分布のみを調整する場合には、アクチュエータ54A〜54Cは省略してもよい。
なお、凹面鏡22の裏面22cを格子状の仕切り部材によって複数の領域に分割し、これらの複数の領域に磁性流体Lmを満たし、複数の領域毎にペルチエ素子(温度制御装置)によって磁性流体Lmの温度を制御してもよい。この構成でも、凹面鏡22の温度分布を補正可能である。
(5)また、磁性流体Lmは、凹面鏡22の裏面22cの温度分布の制御に有効な有効領域62の外の退避領域64A〜64Cに永久磁石56A〜56Cによって退避可能である。従って、例えば全部の電磁石57の電流をオフにしても、磁性流体Lmが裏面22cの外に漏れ出ることがない。
(6)また、磁性流体Lmは、凹面鏡22(ミラー)の反射面22bの裏面22cの少なくとも一部の領域に接触するように保持される。従って、裏面22cにおける磁性流体Lmの分布によって、それに対向する反射面22bの変位の分布又は温度分布を正確に制御可能である。
なお、投影光学系PLのうちの例えばレンズL11等に、保持装置50と同様の磁性流体Lmを用いる保持装置を適用してもよい。この場合、磁性流体は、レンズL11の表面のうち、照明光ILの光束が通過しない領域の少なくとも一部に接触するように保持されればよい。この構成においては、波面収差が発生している領域、又は温度が上昇している領域に近い領域に磁性流体を分布させ、その圧力及び/又は温度を制御することで、非回転対称な収差及び/又は高次の収差等を補正できる。
(7)また、投影光学系PLは、レンズL8,L9及び凹面鏡22(複数の光学素子)を含む光学系において、それらの光学素子のうちの凹面鏡22を支持するために保持装置50を備え、投影光学系PLの非回転対称な収差に応じてアクチュエータ54A〜54C(圧力制御装置)によって磁性流体Lmを介して凹面鏡22の変形量を制御している。従って、投影光学系PLの非回転対称な収差を低減できる。
なお、投影光学系PL内の複数の光学素子にそれぞれ保持装置50と同様の保持装置を備えることも可能である。
(8)また、本実施形態の露光装置EXは、照明光IL(露光光)でレチクルRのパターンを照明し、照明光ILでそのパターン及び投影光学系PLを介してウエハW(基板)を露光する露光装置において、投影光学系PLは保持装置50を備えている。
従って、投影光学系PLの非回転対称な収差を低減できるため、レチクルRのパターンの像を高精度にウエハWの各ショット領域に露光できる。
なお、露光装置EXの照明光学系ILS内の光学素子(例えば瞳面の近傍のレンズ)に保持装置50と同様の保持装置(ただし、磁性流体Lmはレンズの光束が通過する部分の周囲の領域に分布する)を備えてもよい。この場合には、照明条件を高精度に設定可能である。
次に、上記の実施形態の露光装置EXを用いて半導体デバイス(電子デバイス)を製造する場合、この半導体デバイスは、図7に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいてマスク(レチクル)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造するステップ223、露光装置EXによりレチクルのパターンをレジストが塗布された基板(感光基板)に露光する工程、露光した基板を現像してレジストパターンを形成する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
言い換えると、このデバイスの製造方法は、上記の実施形態の露光装置を用いて基板(ウエハ)上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成された基板を処理すること(ステップ224)とを含んでいる。この製造方法によれば、その露光装置では非回転対称な収差を含む諸収差を低減できるため、微細パターンを有するデバイスを高精度に製造できる。
なお、本発明は、例えば米国特許出願公開第2007/242247号明細書、又は欧州特許出願公開第1420298号明細書等に開示されている液浸型露光装置の投影光学系の収差補正を行う場合にも適用することができる。また、本発明は、走査型の露光装置のみならず、一括露光型の露光装置(ステッパー等)等にも適用することができる。
また、本発明は、波長数nm〜100nm程度の極端紫外光(EUV光)を露光光として用いる投影露光装置の投影光学系の収差補正を行う場合にも適用できる。露光光としてEUV光を用いる場合には、投影光学系は特定のフィルタ等を除いて複数のミラー(凹面鏡、凸面鏡、平面鏡等)から構成されるため、本発明の光学素子の保持装置は、その複数のミラーのうちの少なくとも1枚のミラーを保持するために使用可能である。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグフィ工程を用いて製造する際の、露光装置にも適用することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
EX…露光装置、R…レチクル、W…ウエハ、Lm…磁性流体、ILS…照明光学系、PL…投影光学系、9…圧力温度制御系、22…凹面鏡、39…波面収差計測装置、47…分割鏡筒、49…ハウジング、50…保持装置、51…流体保持板、52A〜52C…ヒンジ部材、53A〜53C…リニアエンコーダ、54A〜54C…アクチュエータ、56A〜56C…永久磁石、57…電磁石、59…冷媒供給装置

Claims (21)

  1. 光学素子の保持装置であって、
    前記光学素子を支持する支持部材と、
    前記光学素子の表面の少なくとも一部の領域に接触する磁性流体を保持する流体保持部材と、
    前記流体保持部材で保持された前記磁性流体の圧力を制御して、前記光学素子を変形させる圧力制御装置と、
    を備えることを特徴とする光学素子の保持装置。
  2. 前記圧力制御装置は、ベース部材に対して前記流体保持部材を変位させる少なくとも一つのアクチュエータを有することを特徴とする光学素子の保持装置。
  3. 前記光学素子の表面に対する前記磁性流体の位置を調整して、前記光学素子の温度分布を制御する温度制御装置を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学素子の保持装置。
  4. 前記流体保持部材に設けられ、温度制御された冷媒が供給される配管部材を備えることを特徴とする請求項3に記載の光学素子の保持装置。
  5. 前記温度制御装置は、前記磁性流体を吸引するための複数の電磁石を有することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の光学素子の保持装置。
  6. 前記磁性流体は、前記光学素子の表面の温度分布の制御に有効な領域の外に退避可能であることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の光学素子の保持装置。
  7. 前記光学素子はミラーであり、前記磁性流体は前記ミラーの反射面の裏面の少なくとも一部の領域に接触するように保持されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光学素子の保持装置。
  8. 前記光学素子はレンズであり、前記磁性流体は、前記レンズの表面のうち、光束が通過しない領域の少なくとも一部に接触するように保持されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光学素子の保持装置。
  9. 複数の光学素子を含む光学系において、
    前記複数の光学素子の少なくとも一つの光学素子を支持するために、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の光学素子の保持装置を備え、
    前記光学系の非回転対称な収差に応じて前記圧力制御装置によって前記光学系の変形量を制御することを特徴とする光学系。
  10. 露光光でパターンを照明し、前記露光光で前記パターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、
    請求項9に記載の光学系を備えることを特徴とする露光装置。
  11. 前記光学系は前記投影光学系であることを特徴とする請求項10に記載の露光装置。
  12. 光学素子の保持装置であって、
    前記光学素子を支持する支持部材と、
    前記光学素子の表面の少なくとも一部の領域に接触する磁性流体を保持する流体保持部
    材と、
    前記光学素子の表面に対する前記磁性流体の位置を調整して、前記光学素子の温度分布を制御する温度制御装置と、
    を備えることを特徴とする光学素子の保持装置。
  13. 前記流体保持部材に設けられ、温度制御された冷媒が供給される配管部材を備えることを特徴とする請求項12に記載の光学素子の保持装置。
  14. 前記温度制御装置は、前記磁性流体を吸引するための複数の電磁石を有することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の光学素子の保持装置。
  15. 前記磁性流体は、前記光学素子の表面の温度分布の制御に有効な領域の外に退避可能であることを特徴とする請求項14に記載の光学素子の保持装置。
  16. 前記光学素子はミラーであり、前記磁性流体は前記ミラーの反射面の裏面の少なくとも一部の領域に接触するように保持されることを特徴とする請求項12から請求項15のいずれか一項に記載の光学素子の保持装置。
  17. 前記光学素子はレンズであり、前記磁性流体は、前記レンズの表面のうち、光束が通過しない領域の少なくとも一部に接触するように保持されることを特徴とする請求項12から請求項15のいずれか一項に記載の光学素子の保持装置。
  18. 複数の光学素子を含む光学系において、
    前記複数の光学素子の少なくとも一つの光学素子を支持するために、請求項12から請求項17のいずれか一項に記載の光学素子の保持装置を備えることを特徴とする光学系。
  19. 露光光でパターンを照明し、前記露光光で前記パターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、
    請求項18に記載の光学系を備えることを特徴とする露光装置。
  20. 前記光学系は前記投影光学系であることを特徴とする請求項19に記載の露光装置。
  21. 請求項10、請求項11、請求項19、又は請求項20に記載の露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
    前記パターンが形成された前記基板を処理することと、を含むデバイス製造方法。
JP2009258449A 2009-11-11 2009-11-11 光学素子の保持装置、光学系、及び露光装置 Active JP5434498B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009258449A JP5434498B2 (ja) 2009-11-11 2009-11-11 光学素子の保持装置、光学系、及び露光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009258449A JP5434498B2 (ja) 2009-11-11 2009-11-11 光学素子の保持装置、光学系、及び露光装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011103411A true JP2011103411A (ja) 2011-05-26
JP5434498B2 JP5434498B2 (ja) 2014-03-05

Family

ID=44193632

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009258449A Active JP5434498B2 (ja) 2009-11-11 2009-11-11 光学素子の保持装置、光学系、及び露光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5434498B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017513064A (ja) * 2014-04-07 2017-05-25 カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー 素子を作動させるための方法および装置
JP2020503550A (ja) * 2016-12-21 2020-01-30 カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー マイクロリソグラフィ用の光学系の結像特性を変更する方法及び装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02146437A (ja) * 1988-11-25 1990-06-05 Daikin Ind Ltd 氷蓄熱装置
JP2004039862A (ja) * 2002-07-03 2004-02-05 Nikon Corp 光学装置、露光装置、並びにデバイス製造方法
WO2005086209A1 (ja) * 2004-03-09 2005-09-15 Nikon Corporation 光学素子、投影光学系及び露光装置
JP2006235549A (ja) * 2005-02-28 2006-09-07 Fuji Photo Film Co Ltd 鏡胴、鏡胴ユニット、および撮像装置
JP2007102919A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Konica Minolta Opto Inc 光ピックアップ装置
JP2007523485A (ja) * 2004-02-20 2007-08-16 カール・ツアイス・エスエムテイ・アーゲー マイクロリソグラフィ投射露光装置の投射対物レンズ
WO2010098299A1 (ja) * 2009-02-24 2010-09-02 株式会社ニコン 光学素子の保持装置、光学系、及び露光装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02146437A (ja) * 1988-11-25 1990-06-05 Daikin Ind Ltd 氷蓄熱装置
JP2004039862A (ja) * 2002-07-03 2004-02-05 Nikon Corp 光学装置、露光装置、並びにデバイス製造方法
JP2007523485A (ja) * 2004-02-20 2007-08-16 カール・ツアイス・エスエムテイ・アーゲー マイクロリソグラフィ投射露光装置の投射対物レンズ
WO2005086209A1 (ja) * 2004-03-09 2005-09-15 Nikon Corporation 光学素子、投影光学系及び露光装置
JP2006235549A (ja) * 2005-02-28 2006-09-07 Fuji Photo Film Co Ltd 鏡胴、鏡胴ユニット、および撮像装置
JP2007102919A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Konica Minolta Opto Inc 光ピックアップ装置
WO2010098299A1 (ja) * 2009-02-24 2010-09-02 株式会社ニコン 光学素子の保持装置、光学系、及び露光装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017513064A (ja) * 2014-04-07 2017-05-25 カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー 素子を作動させるための方法および装置
JP2020503550A (ja) * 2016-12-21 2020-01-30 カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー マイクロリソグラフィ用の光学系の結像特性を変更する方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5434498B2 (ja) 2014-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
USRE41307E1 (en) Mask for clamping apparatus, e.g. for a lithographic apparatus
US6922293B2 (en) Kinematic optical mounting assembly with flexures
US7221463B2 (en) Positioning apparatus, exposure apparatus, and method for producing device
US7292317B2 (en) Lithographic apparatus and device manufacturing method utilizing substrate stage compensating
TWI658332B (zh) 移動體裝置、曝光裝置、計測裝置及裝置製造方法
US20090009742A1 (en) Optical element driving apparatus, barrel, exposure apparatus and device manufacturing method
EP1385034A1 (en) Adaptive lithography mirror with actuators
US20070268470A1 (en) Support Method and Support Structure of Optical Member, Optical Unit, Exposure Apparatus, and Device Manufacturing Method
WO2004001509A1 (en) Adjustable soft mounts in kinematic mounting system for deformable lens
JP2010527139A (ja) レチクル及び他の平面体用のキネマティックチャック
WO2001047001A1 (fr) Procede et dispositif d'exposition
WO2010001945A1 (en) Light shielding unit, variable slit apparatus, and exposure apparatus
JP2013161992A (ja) 変形可能な反射光学素子、光学系、及び露光装置
US7283210B2 (en) Image shift optic for optical system
EP1248288A1 (en) Exposure method and exposure apparatus
JP2005140999A (ja) 光学系、光学系の調整方法、露光装置、および露光方法
US6982841B2 (en) Mirror holding mechanism in exposure apparatus, and device manufacturing method
US20090190117A1 (en) Exposure apparatus, manufacturing method and supporting method thereof
JP2005276932A (ja) 露光装置及びデバイス製造方法
JP2005051147A (ja) 露光方法及び露光装置
JP3708075B2 (ja) リソグラフィ装置およびデバイス製造方法
JP5434498B2 (ja) 光学素子の保持装置、光学系、及び露光装置
JP2013106017A (ja) 光学素子保持装置、光学装置、及び露光装置
US20070291261A1 (en) Exposure apparatus, exposure method, and device manufacturing method
JP2003124095A (ja) 投影露光方法及び装置、並びにデバイス製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130827

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131010

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5434498

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250