JPWO2006022407A1 - 抗グリピカン3抗体を用いたアジュバント療法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、癌治療後に投与されることを特徴とする、抗グリピカン3抗体を含有する抗癌剤を提供する。好ましくは、癌治療後は肝癌治療後であり、特に、肝癌治療は肝癌細胞切除である。好ましくは、本発明の抗癌剤は、切除された肝癌細胞にグリピカン3が発現している場合に使用される。また好ましくは、抗グリピカン3抗体はモノクローナル抗体である。本発明の抗癌剤は、癌の予防または再発予防に有用である。

Description

本発明は、抗グリピカン3抗体を用いた癌治療後のアジュバント療法に関する。
細胞表面上に存在するヘパラン硫酸プロテオグリカンの新しいファミリーとしてグリピカンファミリーの存在が報告されている。現在までのところ、グリピカンファミリーのメンバーとして、5種類のグリピカン(グリピカン1、グリピカン2、グリピカン3、グリピカン4およびグリピカン5)が存在することが報告されている。このファミリーのメンバーは、均一なサイズ(約60kDa)のコアタンパク質を持ち、特異的でよく保持されたシステインの配列を共有しており、グリコシルフォスファチジルイノシトール(GPI)アンカーにより細胞膜に結合している。
中枢神経の発達における細胞分裂パターンが異常なショウジョウバエメラノガスター(Drosophila melanogaster)変異体の遺伝子スクリーニングにより、Dally(division abnormally delayed)遺伝子が同定された。DallyのcDNAは、グリピカンの全ての特徴を含んでいる脊椎動物の膜型プロテオグリカン(GRIPs)と相同配列(24〜26%相同)を示す産物をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を表していることがわかっている。その後、dallyがdpp(decapentaplegia)レセプター機構を調節する役割を持つことが示唆されており、このことから哺乳動物のグリピカンがTGFとBMPのシグナル伝達を調節している可能性を示唆している。すなわち、グリピカンがヘパリン結合性増殖因子(EGF、PDGF、BMP2、FGF’s)等)のいくつかの共同レセプターとして機能している可能性が示唆されていた。
グリピカン3は、ラットの小腸から発生的に調節されている転写物として分離され(Filmus,J.,Church,J.G.,and Buick,R.n.(1988)Mol.Cell Biol.8,4243−4249)、後にグリピカンファミリーの、分子量69kDaのコアタンパク質を持った、GPI−結合型のヘパラン硫酸プロテオグリカン、OCI−5として同定された(Filmus,J.,Shi,W.,Wong,Z.−M.,and Wong,M.J.(1995)Biochem.J.311,561−565)。ヒトにおいても、ヒト胃癌細胞株よりグリピカン3をコードする遺伝子が、MRX−7として単離されている(Hermann Lage et al.,Gene 188(1997)151−156)。グリピカン3はインスリン様増殖因子−2とタンパク−タンパク複合体を形成し、この増殖因子の活動を調節することが報告されている(Pilia,G.et al,(1996)Nat.Genet.12,241−247)。この報告は、グリピカン3が必ずしもヘパラン硫酸鎖によって増殖因子と相互作用しているのではないことを示唆している。
また、グリピカン3について肝細胞癌マーカーとして利用できる可能性があることが報告されており(Hey−Chi Hsu et al.,CANCER RESEARCH 57,5179−5184(1997))、さらに抗グリピカン3抗体が肝癌細胞に対して細胞障害活性を有し、抗癌剤として有用であることが報告されている(国際公開公報WO03/00883)。
しかしながら、抗グリピカン3抗体を癌治療後のアジュバント療法として用いることが可能であることは報告されていない。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、抗グリピカン3抗体が癌治療後のアジュバント療法に有用であることを見出し、本発明を完成させるに至った。また、抗グリピカン3抗体を癌治療後の癌細胞が観察されない段階で投与することにより、癌の再発防止が可能であることから、抗グリピカン3抗体は癌の予防剤または再発予防剤として有用である。
図1は、本発明の抗癌剤を肝内移植マウスモデルに投与したときの効果を示すグラフである。
図2は、本発明の抗癌剤を肝内移植マウスモデルに早期投与したときの効果を示すグラフである。
発明の詳細な説明
本発明は、癌治療後に投与されることを特徴とする、抗グリピカン3抗体を含有する抗癌剤を提供する。好ましくは、癌治療後は肝癌治療後であり、特に、肝癌治療は肝癌細胞切除である。好ましくは、本発明の抗癌剤は、切除された肝癌細胞にグリピカン3が発現している場合に使用される。また好ましくは、抗グリピカン3抗体はモノクローナル抗体である。
本発明の抗癌剤は、アジュバント療法において用いるのに特に有用である。癌の治療・手術において癌細胞が取り除かれた若しくは癌細胞を死滅させたと考えられる場合でも、観察されない癌細胞が残っていることがある。そのような癌細胞が残っている場合には、一定期間後に癌が再発することがあり、癌の治療後に癌の再発を予防するための治療を行う必要がある。そのような治療をアジュバント療法または術後補助療法という。
本発明において癌治療とは、癌の切除、抗癌剤を用いる化学療法、放射線療法、経皮的エタノール注入療法、経皮的ラジオ波照射熱凝固療法、経カテーテル肝動脈塞栓療法など、癌細胞の増殖抑制・癌細胞の死滅、癌細胞の減少などを目的とする限り、如何なる治療でもよい。本発明において好ましい癌治療は、癌の切除である。癌治療後とは、これらの治療が行われた後のことをいう。なお、本発明においては、癌治療後とは、必ずしも癌が治癒されたことを意味しない。
本発明の抗グリピカン3抗体は、癌治療後の患者においてグリピカン3が発現しているか否かを確認した後に投与してもよい。グリピカン3が発現しているか否かの確認はどのような方法で行われてもよいが、例えば、抗グリピカン3抗体等を用いてグリピカン3タンパク質の発現を確認してもよいし、PCR法などによりグリピカン3遺伝子の発現を確認してもよい。
癌治療後に抗グリピカン3抗体を投与するタイミングとしては如何なるタイミングでもよく、癌治療の直後に投与してもよいし、期間をあけて投与してもよい。本発明において好ましい投与タイミングは癌治療後から癌再発までの間である。術後補助療法の場合、典型的には、治療後12週間以内や6週間以内に投与を開始する。癌が再発したか否かは当業者に公知の方法により判断することができ、例えば、肉眼所見や病理所見により腫瘍が確認できるか否かで判断することができる。腫瘍の確認はAFP等の腫瘍マーカーを指標とする方法やイメージングなど、当業者に公知の方法により行うことが可能である。
本発明の抗癌剤を用いて治療することができる癌は、肝癌、肺癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、白血病、リンパ腫、膵臓癌、胆管癌など、如何なる癌でもよい。本発明の抗癌剤を用いて治療するのに特に適した癌は肝癌細胞である。肝癌は、原発性および続発性のどちらでもよく、例えば、肝細胞癌、肝内胆管癌、胆管嚢胞腺癌、混合型肝癌、肝芽腫、未分化癌、血管肉腫、肝平滑筋肉腫、未分化肉腫などを挙げることができる。
本発明の抗癌剤を用いるアジュバント療法において特に好ましい態様は、肝癌細胞の切除後に抗グリピカン3抗体を投与することにより、肝癌の再発を予防することである。
本発明で使用される抗グリピカン3抗体は、その由来、種類(モノクローナル、ポリクローナル)および形状を問わない。
本発明で使用される抗グリピカン3抗体は、公知の手段を用いてポリクローナルまたはモノクローナル抗体として得ることができる。本発明で使用される抗グリピカン3抗体として、特に哺乳動物由来のモノクローナル抗体が好ましい。哺乳動物由来のモノクローナル抗体は、ハイブリドーマにより産生されるもの、および遺伝子工学的手法により抗体遺伝子を含む発現ベクターで形質転換した宿主により産生されるものを含む。
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマは、基本的には公知技術を使用し、以下のようにして作製できる。すなわち、グリピカン3を感作抗原として使用して、これを通常の免疫方法にしたがって免疫し、得られる免疫細胞を通常の細胞融合法によって公知の親細胞と融合させ、通常のスクリーニング法により、モノクローナルな抗体産生細胞をスクリーニングすることによって作製できる。
具体的には、モノクローナル抗体を作製するには次のようにすればよい。まず、抗体取得の感作抗原として使用されるヒトグリピカン3を、Lage,H.et al.,Gene 188(1997),151−156に開示されたグリピカン3(MXR7)遺伝子/アミノ酸配列にしたがって発現させることによって得る。グリピカン3の遺伝子配列およびアミノ酸配列は、それぞれ配列番号1およ2に示される。すなわち、グリピカン3をコードする遺伝子配列を公知の発現ベクター系に挿入して適当な宿主細胞を形質転換させた後、その宿主細胞中または培養上清中から目的のヒトグリピカン3タンパク質を公知の方法で精製する。
次に、この精製グリピカン3タンパク質を感作抗原として用いる。あるいは、グリピカン3の部分ペプチドを感作抗原として使用することもできる。この際、部分ペプチドはヒトグリピカン3のアミノ酸配列より化学合成により得ることができる。
抗グリピカン3抗体は、ADCC・CDCなどの細胞障害活性により抗癌作用を示し、また抗グリピカン3抗体に放射性同位元素、化学療法剤、細菌由来トキシン等の細胞傷害性物質を結合させることにより抗癌作用を示す。抗グリピカン3抗体の認識するグリピカン3分子上のエピトープは特定のものに限定されず、グリピカン3分子上に存在するエピトープならばどのエピトープを認識してもよい。従って、本発明の抗グリピカン3抗体を作製するための抗原は、グリピカン3分子上に存在するエピトープを含む部分ペプチドであれば、如何なるものを用いてもよい。
感作抗原で免疫される哺乳動物としては、特に限定されるものではないが、細胞融合に使用されるべき親細胞との適合性を考慮して選択するのが好ましく、一般的にはげっ歯類の動物、例えば、マウス、ラット、ハムスター、あるいはウサギ、サル等が使用される。
感作抗原を動物に免疫するには、公知の方法にしたがって行われる。例えば、一般的方法として、感作抗原を哺乳動物の腹腔内または皮下に注射することにより免疫することができる。具体的には、感作抗原をPBS(Phosphate−Buffered Saline)や生理食塩水等で適当量に希釈または懸濁したものに所望により通常のアジュバント、例えばフロイント完全アジュバントを適量混合し、乳化後、哺乳動物に4−21日毎に数回投与する。また、感作抗原免疫時に適当な担体を使用することもできる。
前記免疫細胞と融合されるの親細胞としては、哺乳動物のミエローマ細胞を用いる。このミエローマ細胞は、公知の種々の細胞株、例えば、P3(P3x63Ag8.653)(J.Immnol.(1979)123,1548−1550)、P3x63Ag8U.1(Current Topics in Microbiology and Immunology(1978)81,1−7)、NS−1(Kohler.G.and Milstein,C.Eur.J.Immunol.(1976)6,511−519)、MPC−11(Margulies.D.H.et al.,Cell(1976)8,405−415)、SP2/0(Shulman,M.et al.,Nature(1978)276,269−270)、FO(de St.Groth,S.F.et al.,J.Immunol.Methods(1980)35,1−21)、S194(Trowbridge,I.S.J.Exp.Med.(1978)148,313−323)、R210(Galfre,G.et al.,Nature(1979)277,131−133)等が好適に使用される。
前記免疫細胞とミエローマ細胞との細胞融合は、基本的には公知の方法、たとえば、ケーラーとミルステインらの方法(Kohler.G.and Milstein,C.、Methods Enzymol.(1981)73,3−46)等に準じて行うことができる。
より具体的には、前記細胞融合は、例えば細胞融合促進剤の存在下に通常の栄養培養液中で実施される。融合促進剤としては、例えばポリエチレングリコール(PEG)、センダイウィルス(HVJ)等が使用され、更に所望により融合効率を高めるためにジメチルスルホキシド等の補助剤を添加することもできる。
免疫細胞とミエローマ細胞との使用割合は任意に設定することができる。例えば、ミエローマ細胞に対して免疫細胞を1−10倍とするのが好ましい。前記細胞融合に用いる培養液としては、例えば、前記ミエローマ細胞株の増殖に好適なRPMI1640培養液、MEM培養液、その他、この種の細胞培養に用いられる通常の培養液が使用可能であり、さらに、牛胎児血清(FCS)等の血清補液を併用することもできる。
細胞融合は、前記免疫細胞とミエローマ細胞との所定量を前記培養液中でよく混合し、予め37℃程度に加温したPEG溶液(例えば平均分子量1000−6000程度)を通常30−60%(w/v)の濃度で添加し、混合することによって目的とする融合細胞(ハイブリドーマ)を形成する。続いて、適当な培養液を逐次添加し、遠心して上清を除去する操作を繰り返すことにより、ハイブリドーマの生育に好ましくない細胞融合剤等を除去する。
このようにして得られたハイブリドーマは、通常の選択培養液、例えばHAT培養液(ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含む培養液)で培養することにより選択される。上記HAT培養液での培養は、目的とするハイブリドーマ以外の細胞(非融合細胞)が死滅するのに十分な時間(通常、数日〜数週間)継続する。ついで、通常の限界希釈法を実施し、目的とする抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングおよび単一クローニングを行う。
また、ヒト以外の動物に抗原を免疫して上記ハイブリドーマを得る他に、ヒトリンパ球をin vitroでグリピカン3に感作し、感作リンパ球をヒト由来の永久分裂能を有するミエローマ細胞と融合させ、グリピカン3への結合活性を有する所望のヒト抗体を得ることもできる(特公平1−59878号公報参照)。さらに、ヒト抗体遺伝子の全てのレパートリーを有するトランスジェニック動物に抗原となるグリピカン3を投与して抗グリピカン3抗体産生細胞を取得し、これを不死化させた細胞からグリピカン3に対するヒト抗体を取得してもよい(国際特許出願公開番号WO 94/25585号公報、WO 93/12227号公報、WO 92/03918号公報、WO 94/02602号公報参照)。
このようにして作製されるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、通常の培養液中で継代培養することが可能であり、また、液体窒素中で長期保存することが可能である。
当該ハイブリドーマからモノクローナル抗体を取得するには、当該ハイブリドーマを通常の方法にしたがい培養し、その培養上清として得る方法、あるいはハイブリドーマをこれと適合性がある哺乳動物に投与して増殖させ、その腹水として得る方法などが採用される。前者の方法は、高純度の抗体を得るのに適しており、一方、後者の方法は、抗体の大量生産に適している。
本発明では、モノクローナル抗体として、抗体遺伝子をハイブリドーマからクローニングし、適当なベクターに組み込んで、これを宿主に導入し、遺伝子組換え技術を用いて産生させた組換え型のものを用いることができる(例えば、Vandamme,A.M.et al.,Eur.J.Biochem.(1990)192,767−775,1990参照)。
具体的には、抗グリピカン3抗体を産生するハイブリドーマから、抗グリピカン3抗体の可変(V)領域をコードするmRNAを単離する。mRNAの単離は、公知の方法、例えば、グアニジン超遠心法(Chirgwin,J.M.et al.,Biochemistry(1979)18,5294−5299)、AGPC法(Chomczynski,P.et al.,Anal.Biochem.(1987)162,156−159)等により行って全RNAを調製し、mRNA Purification Kit(Pharmacia製)等を使用して目的のmRNAを調製する。また、QuickPrep mRNA Purification Kit(Pharmacia製)を用いることによりmRNAを直接調製することもできる。
得られたmRNAから逆転写酵素を用いて抗体V領域のcDNAを合成する。cDNAの合成は、AMV Reverse Transcriptase First−strand cDNA Synthesis Kit(生化学工業社製)等を用いて行う。また、cDNAの合成および増幅を行うには、5’−Ampli FINDER RACE Kit(Clontech製)およびPCRを用いた5’−RACE法(Frohman,M.A.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1988)85,8998−9002、Belyavsky,A.et al.,Nucleic Acids Res.(1989)17,2919−2932)等を使用することができる。
得られたPCR産物から目的とするDNA断片を精製し、ベクターDNAと連結する。さらに、これより組換えベクターを作製し、大腸菌等に導入してコロニーを選択して所望の組換えベクターを調製する。そして、目的とするDNAの塩基配列を公知の方法、例えば、ジデオキシヌクレオチドチェインターミネーション法等により確認する。
目的とする抗グリピカン3抗体のV領域をコードするDNAを得たのち、これを、所望の抗体定常領域(C領域)をコードするDNAを含有する発現ベクターへ組み込む。
本発明で使用される抗グリピカン3抗体を製造するには、抗体遺伝子を発現制御領域、例えば、エンハンサー、プロモーターの制御のもとで発現するよう発現ベクターに組み込む。次に、この発現ベクターにより、宿主細胞を形質転換し、抗体を発現させる。
抗体遺伝子の発現は、抗体重鎖(H鎖)または軽鎖(L鎖)をコードするDNAを別々に発現ベクターに組み込んで宿主細胞を同時形質転換させてもよいし、あるいはH鎖およびL鎖をコードするDNAを単一の発現ベクターに組み込んで宿主細胞を形質転換させてもよい(WO 94/11523号公報参照)。
また、組換え型抗体の産生には上記宿主細胞だけではなく、トランスジェニック動物を使用することができる。例えば、抗体遺伝子を、乳汁中に固有に産生されるタンパク質(ヤギβカゼインなど)をコードする遺伝子の途中に挿入して融合遺伝子として調製する。抗体遺伝子が挿入された融合遺伝子を含むDNA断片をヤギの胚へ注入し、この胚を雌のヤギへ導入する。胚を受容したヤギから生まれるトランスジェニックヤギまたはその子孫が産生する乳汁から所望の抗体を得る。また、トランスジェニックヤギから産生される所望の抗体を含む乳汁量を増加させるために、適宜ホルモンをトランスジェニックヤギに使用してもよい(Ebert,K.M.et al.,Bio/Technology(1994)12,699−702)。
本発明では、上記抗体のほかに、ヒトに対する異種抗原性を低下させること等を目的として人為的に改変した遺伝子組換え型抗体、例えば、キメラ抗体、ヒト化(Humanized)抗体を使用できる。これらの改変抗体は、既知の方法を用いて製造することができる。
キメラ抗体は、前記のようにして得た抗体V領域をコードするDNAをヒト抗体C領域をコードするDNAと連結し、これを発現ベクターに組み込んで宿主に導入し産生させることにより得られる。この既知の方法を用いて、本発明に有用なキメラ抗体を得ることができる。
ヒト化抗体は、再構成(reshaped)ヒト抗体とも称され、これは、ヒト以外の哺乳動物、例えばマウス抗体の相補性決定領域(CDR;complementarity determining region)をヒト抗体の相補性決定領域へ移植したものであり、その一般的な遺伝子組換え手法も知られている(欧州特許出願公開番号EP 125023号公報、WO 96/02576号公報参照)。
具体的には、マウス抗体のCDRとヒト抗体のフレームワーク領域(framework region;FR)とを連結するように設計したDNA配列を、CDR及びFR両方の末端領域にオーバーラップする部分を有するように作製した数個のオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いてPCR法により合成する(WO98/13388号公報に記載の方法を参照)。
CDRを介して連結されるヒト抗体のフレームワーク領域は、相補性決定領域が良好な抗原結合部位を形成するものが選択される。必要に応じ、再構成ヒト抗体の相補性決定領域が適切な抗原結合部位を形成するように、抗体の可変領域におけるフレームワーク領域のアミノ酸を置換してもよい(Sato,K.et al.,Cancer Res.(1993)53,851−856)。
キメラ抗体及びヒト化抗体のC領域には、ヒト抗体のものが使用され、例えばH鎖では、Cγ1、Cγ2、Cγ3、Cγ4を、L鎖ではCκ、Cλを使用することができる。また、抗体またはその産生の安定性を改善するために、ヒト抗体C領域を修飾してもよい。
キメラ抗体は、ヒト以外の哺乳動物由来抗体の可変領域とヒト抗体由来の定常領域とからなる。一方、ヒト化抗体は、ヒト以外の哺乳動物由来抗体の相補性決定領域と、ヒト抗体由来のフレームワーク領域およびC領域とからなる。ヒト化抗体はヒト体内における抗原性が低下されているため、本発明の治療剤の有効成分として有用である。
本発明で使用される抗体は、抗体の全体分子に限られずグリピカン3に結合し、グリピカン3の活性を阻害する限り、抗体の断片又はその修飾物であってもよく、二価抗体も一価抗体も含まれる。例えば、抗体の断片としては、Fab、F(ab’)2、Fv、1個のFabと完全なFcを有するFab/c、またはH鎖若しくはL鎖のFvを適当なリンカーで連結させたシングルチェインFv(scFv)が挙げられる。具体的には、抗体を酵素、例えばパパイン、ペプシンで処理し抗体断片を生成させるか、または、これら抗体断片をコードする遺伝子を構築し、これを発現ベクターに導入した後、適当な宿主細胞で発現させる(例えば、Co,M.S.et al.,J.Immunol.(1994)152,2968−2976、Better,M.& Horwitz,A.H.Methods in Enzymology(1989)178,476−496,Academic Press,Inc.、Plueckthun,A.& Skerra,A.Methods in Enzymology(1989)178,476−496,Academic Press,Inc.、Lamoyi,E.,Methods in Enzymology(1989)121,652−663、Rousseaux,J.et al.,Methods in Enzymology(1989)121,663−669、Bird,R.E.et al.,TIBTECH(1991)9,132−137参照)。
scFvは、抗体のH鎖V領域とL鎖V領域とを連結することにより得られる。このscFvにおいて、H鎖V領域とL鎖V領域は、リンカー、好ましくはペプチドリンカーを介して連結される(Huston,J.S.et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1988)85,5879−5883)。scFvにおけるH鎖V領域およびL鎖V領域は、本明細書に抗体として記載されたもののいずれの由来であってもよい。V領域を連結するペプチドリンカーとしては、例えばアミノ酸12−19残基からなる任意の一本鎖ペプチドが用いられる。
scFvをコードするDNAは、前記抗体のH鎖またはH鎖V領域をコードするDNA、およびL鎖またはL鎖V領域をコードするDNAのうち、それらの配列のうちの全部又は所望のアミノ酸配列をコードするDNA部分を鋳型とし、その両端を規定するプライマー対を用いてPCR法により増幅し、次いで、さらにペプチドリンカー部分をコードするDNA、およびその両端が各々H鎖、L鎖と連結されるように規定するプライマー対を組み合せて増幅することにより得られる。
また、一旦scFvをコードするDNAが作製されると、それらを含有する発現ベクター、および該発現ベクターにより形質転換された宿主を常法に従って得ることができ、また、その宿主を用いることにより、常法に従ってscFvを得ることができる。
これら抗体の断片は、前記と同様にしてその遺伝子を取得し発現させ、宿主により産生させることができる。本発明における「抗体」にはこれらの抗体の断片も包含される。
抗体の修飾物として、ポリエチレングリコール(PEG)等の各種分子と結合した抗グリピカン抗体を使用することもできる。本発明における「抗体」にはこれらの抗体修飾物も包含される。このような抗体修飾物は、得られた抗体に化学的な修飾を施すことによって得ることができる。なお、抗体の修飾方法はこの分野においてすでに確立されている。
さらに、本発明で使用される抗体は、二重特異性抗体(bispecific antibody)であってもよい。二重特異性抗体はグリピカン3分子上の異なるエピトープを認識する抗原結合部位を有する二重特異性抗体であってもよいし、一方の抗原結合部位がグリピカン3を認識し、他方の抗原結合部位が化学療法剤、細胞由来トキシン等の細胞傷害性物質を認識してもよい。この場合、グリピカン3を発現している細胞に直接細胞傷害性物質を作用させ腫瘍細胞に特異的に傷害を与え、腫瘍細胞の増殖を抑えることが可能である。二重特異性抗体は2種類の抗体のHL対を結合させて作製することもできるし、異なるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを融合させて二重特異性抗体産生融合細胞を作製し、得ることもできる。さらに、遺伝子工学的手法により二重特異性抗体を作製することも可能である。
前記のように構築した抗体遺伝子は、公知の方法により発現させ、取得することができる。哺乳類細胞の場合、常用される有用なプロモーター、発現させる抗体遺伝子、その3’側下流にポリAシグナルを機能的に結合させて発現させることができる。例えばプロモーター/エンハンサーとしては、ヒトサイトメガロウィルス前期プロモーター/エンハンサー(human cytomegalovirus immediate early promoter/enhancer)を挙げることができる。
また、その他に本発明で使用される抗体発現に使用できるプロモーター/エンハンサーとして、レトロウィルス、ポリオーマウィルス、アデノウィルス、シミアンウィルス40(SV40)等のウィルスプロモーター/エンハンサー、あるいはヒトエロンゲーションファクター1α(HEF1α)などの哺乳類細胞由来のプロモーター/エンハンサー等が挙げられる。
SV40プロモーター/エンハンサーを使用する場合はMulliganらの方法(Nature(1979)277,108)により、また、HEF1αプロモーター/エンハンサーを使用する場合はMizushimaらの方法(Nucleic Acids Res.(1990)18,5322)により、容易に遺伝子発現を行うことができる。
大腸菌の場合、常用される有用なプロモーター、抗体分泌のためのシグナル配列及び発現させる抗体遺伝子を機能的に結合させて当該遺伝子を発現させることができる。プロモーターとしては、例えばlaczプロモーター、araBプロモーターを挙げることができる。laczプロモーターを使用する場合はWardらの方法(Nature(1098)341,544−546;FASEB J.(1992)6,2422−2427)により、あるいはaraBプロモーターを使用する場合はBetterらの方法(Science(1988)240,1041−1043)により発現することができる。
抗体分泌のためのシグナル配列としては、大腸菌のペリプラズムに産生させる場合、pelBシグナル配列(Lei,S.P.et al J.Bacteriol.(1987)169,4379)を使用すればよい。そして、ペリプラズムに産生された抗体を分離した後、抗体の構造を適切に組み直して(refold)使用する。
複製起源としては、SV40、ポリオーマウィルス、アデノウィルス、ウシパピローマウィルス(BPV)等の由来のものを用いることができ、さらに、宿主細胞系で遺伝子コピー数増幅のため、発現ベクターは、選択マーカーとしてアミノグリコシドトランスフェラーゼ(APH)遺伝子、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、大腸菌キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Ecogpt)遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子等を含むことができる。
本発明で使用される抗体の製造のために、任意の発現系、例えば真核細胞又は原核細胞系を使用することができる。真核細胞としては、例えば樹立された哺乳類細胞系、昆虫細胞系、真糸状菌細胞および酵母細胞などの動物細胞等が挙げられ、原核細胞としては、例えば大腸菌細胞等の細菌細胞が挙げられる。
好ましくは、本発明で使用される抗体は、哺乳類細胞、例えばCHO、COS、ミエローマ、BHK、Vero、HeLa細胞中で発現される。
次に、形質転換された宿主細胞をin vitroまたはin vivoで培養して目的とする抗体を産生させる。宿主細胞の培養は公知の方法に従い行う。例えば、培養液として、DMEM、MEM、RPMI1640、IMDMを使用することができ、牛胎児血清(FCS)等の血清補液を併用することもできる。
本発明で使用される抗体の抗原結合活性(Antibodies A Laboratory Manual.Ed Harlow,David Lane,Cold Spring Harbor Laboratory,1988)、リガンドレセプター結合阻害活性(Harada,A.et al.,International Immunology(1993)5,681−690)の測定には公知の手段を使用することができる。
本発明で使用される抗グリピカン3抗体の抗原結合活性を測定する方法として、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)、EIA(酵素免疫測定法)、RIA(放射免疫測定法)あるいは蛍光抗体法を用いることができる。例えば、酵素免疫測定法を用いる場合、グリピカン3をコーティングしたプレートに、抗グリピカン3抗体を含む試料、例えば、抗グリピカン3抗体産生細胞の培養上清や精製抗体を加える。アルカリフォスファターゼ等の酵素で標識した二次抗体を添加し、プレートをインキュベートし、洗浄した後、p−ニトロフェニル燐酸などの酵素基質を加えて吸光度を測定することで抗原結合活性を評価することができる。本発明に使用する抗体は、細胞傷害活性の測定は当業者に公知の方法により行うことができる。
ADCC活性は、エフェクター細胞と標的細胞と抗グリピカン3抗体を混合し、ADCCの程度を調べることにより測定することができる。エフェクター細胞として例えば、マウス脾細胞や骨髄、ヒト末梢血から分離した単核球等を利用することができ、標的細胞としてはヒト肝細胞株HuH−7等のヒト株化細胞を用いることができる。標的細胞をあらかじめ51Crにより標識し、これに抗グリピカン3抗体を加えインキュベーションを行い、その後、標的細胞に対し適切な比のエフェクター細胞を加えインキュベーションを行う。インキュベーション後上清を採取し、上清中の放射活性をカウントすることによりADCC活性を測定することができる。
また、CDC活性は、上述の標識標的細胞と抗グリピカン3抗体を混合し、その後補体を添加してインキュベーションを行い、培養後に上清中の放射活性をカウントすることにより測定することができる。
通常、抗体が細胞傷害活性を発揮するには、Fc部分が必要であるので、本発明の細胞増殖阻害剤が、抗体の細胞傷害活性を利用したものである場合には、本発明に使用する抗グリピカン3抗体はFc部分を含んでいることが好ましい。
本発明の抗癌剤は癌の予防または癌治療後の再発予防を目的として使用される。特に好ましくは、本発明の抗癌剤は、肝癌細胞の切除後に肝癌の再発予防を目的として使用される。
有効投与量は、一回につき体重1kgあたり0.001mgから1000mgの範囲で選ばれる。あるいは、患者あたり0.01〜100000mg/bodyの投与量を選ぶことができる。しかしながら、本発明の抗グリピカン3抗体を含有する抗癌剤はこれらの投与量に制限されるものではない。
本発明の抗癌剤は通常、非経口投与経路で、例えば注射剤(皮下注、静注、筋注、腹腔内注など)、経皮、経粘膜、経鼻、経肺などで投与されるが、経口投与も可能である。
また、本発明の抗癌剤の投与時期としては、疾患の臨床症状が生ずる前後を問わず投与することができる。本発明の特に好ましい態様においては、本発明の抗癌剤は、肝癌細胞の切除後にアジュバント療法として投与することができる。
本発明の抗グリピカン3抗体を有効成分として含有する治療剤は、常法にしたがって製剤化することができ(Remington’s Pharmaceutical Science,latest edition,Mark Publishing Company,Easton,米国)、医薬的に許容される担体や添加物を共に含むものであってもよい。
このような担体および医薬添加物の例として、水、医薬的に許容される有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、エチルセルロース、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、寒天、ポリエチレングリコール、ジグリセリン、グリセリン、プロピレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン(HSA)、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、医薬添加物として許容される界面活性剤等が挙げられる。
実際の添加物は、本発明治療剤の剤型に応じて上記の中から単独で又は適宜組み合わせて選ばれるが、もちろんこれらに限定するものではない。例えば、注射用製剤として使用する場合、精製された抗グリピカン3抗体を溶剤、例えば生理食塩水、緩衝液、ブドウ糖溶液等に溶解し、これに吸着防止剤、例えばTween80、Tween20、ゼラチン、ヒト血清アルブミン等を加えたものを使用することができる。あるいは、使用前に溶解再構成する剤形とするために凍結乾燥したものであってもよく、凍結乾燥のための賦形剤としては、例えば、マンニトール、ブドウ糖等の糖アルコールや糖類を使用することができる。
本明細書において明示的に引用される全ての特許および参考文献の内容は全て本明細書の一部としてここに引用する。また,本出願が有する優先権主張の基礎となる出願である日本特許出願2004−244273および2005−90945号の明細書および図面に記載の内容は全て本明細書の一部としてここに引用する。
以下に実施例により本発明をより詳細に説明するが,これらの実施例は本発明の範囲を制限するものではない。
実施例1
肝内移植マウスモデルにおけるマウス抗ヒトグリピカン3抗体GC33の薬効試験
(1)α−フェトプロテイン(AFP)の測定
腫瘍マーカーとして、ヒトAFP測定ELISAキット(HOPE LABORATORIES社製)を用い、血清中のヒトAFP濃度を測定した。ELISAの測定限界は約1ng/mLであり、検出限界以下のサンプルについては1ng/mLとした。血清は眼窩採血により血液をセパラピットS(セキスイ化学)に採取し、室温で15分静置した後、1200×g,20分間遠心分離して得た。
(2)肝内移植マウスモデルの作製
肝内移植マウスモデルは以下のように作製した。HepG2細胞(ATCC)をハンクス培地(SIGMA社製)で1x10個/mLになるように調製した。ネンブタールによる麻酔下で、ヌードマウス(チャールスリバー)の肝臓皮膜内へHepG2細胞懸濁液50μL(5x10個/マウス)を注入した。移植後21日に血清中のAFP濃度を測定し、10−100ng/mLの範囲の個体について2群に分けた(n=4)。この時点では肝癌細胞(腫瘍塊)は肉眼では観察されず、肝切除後に残存する微小肝内転移のモデルとして用いた。
(3)抗体投与
マウス抗ヒトグリピカン3抗体GC33(後述の参考例を参照)を、投与当日、生理食塩水(大塚製薬)を用いて、0.5mg/mLになるように調製し、投与試料とした。上記マウスモデルに対し、腫瘍移植後21日目と28日目に投与試料を10mL/kgにて、尾静脈より投与した。陰性対照には生理食塩水をVehicleとして同様に投与した。
(4)抗腫瘍効果の評価
抗腫瘍効果については腫瘍移植後35日目のAFP濃度にて評価した。その結果、図1に示すとおり、GC33投与群ではVehicle投与群と比較して腫瘍移植後35日目においてAFP濃度の低下が認められ、本抗体による抗腫瘍効果が確認された。
以上より、GC33が肝内移植モデルに対して、抗腫瘍効果を有することが示され、本抗体のアジュバント療法への使用が可能であることが見出された。
実施例2
肝内移植マウスモデルにおけるマウス抗ヒトグリピカン抗体GC33の早期投与試験
(1)α−フェトプロテイン(AFP)の測定
腫瘍マーカーとして、ヒトAFP測定ELISAキット(HOPE LABORATORIES社製)を用い、血清中のヒトAFP濃度を測定した。ELISAの測定限界は約1ng/mLであり、検出限界以下のサンプルについては1ng/mLとした。血清は眼窩採血により血液をセパラピットS(セキスイ化学)に採取し、室温で15分静置した後、1200×g,20分間遠心分離して得た。
(2)肝内移植マウスモデルの作製
肝内移植マウスモデルは以下のように作製した。HepG2細胞(ATCC)をハンクス培地(SIGMA社製)で1x10個/mLになるように調製した。ネンブタールによる麻酔下で、ヌードマウス(チャールスリバー)の肝臓皮膜内へHepG2細胞懸濁液50μL(5x10個/マウス)を注入した。移植翌日の個体について無作為に2群に分けた(n=10)。移植翌日の時点ではマウス肝内にHepG2が存在するが、マウス血清中にヒトAFPは検出されず、より臨床の肝切除後に残存する微小肝内転移に近いモデルとして用いた。
(3)抗体投与
マウス抗ヒトグリピカン3抗体GC33を、投与当日、生理食塩水(大塚製薬)を用いて、0.5mg/mLになるように調製し、投与試料とした。上記マウスモデルに対し、腫瘍移植後翌日と7日目に投与試料を10mL/kgにて、尾静脈より投与した。陰性対照には生理食塩水をVehicleとして同様に投与した。
(4)抗腫瘍効果の評価
抗腫瘍効果については腫瘍移植後15日目と40日目のAFP濃度にて評価した。その結果、図2に示すとおり、Vehicle投与群ではAFP濃度の上昇が認められたのに対して、GC33投与群では、いずれの測定時においてもAFP濃度の上昇が認められなかった。
以上より、肝臓がん細胞肝内移植モデルに対して、AFPが検出されない時期からマウス抗ヒトグリピカン3抗体GC33を投与することによっても、腫瘍増殖が抑制されることが示され、本抗体のアジュバント療法への使用可能性が示唆された。
参考例 マウス抗ヒトグリピカン3抗体GC33の作製
グリピカン3の524番目のAlaから563番目のLysまでのペプチドとGSTの融合タンパク質(GC−3)を免疫原として、Balb/c(日本チャールズリバーより購入)3匹、MRL/lpr 3匹に対して免疫を行った。初回免疫にはGC−3を100μg/headとなるように調製し、FCAを用いてエマルジョン化したものを皮下に投与した。2週間後に50μg/headとなるように調製したものをFIAでエマルジョン化したものを皮下に投与した。5回免疫の後、全マウスに対し最終免疫(50μg/head)を尾静脈内に行い細胞融合を行った。スクリーニングは、C末端側の疎水性領域(564−580アミノ酸)を欠損させた可溶型GPC3コアタンパク質を固相化したイムノプレートを用いたELISAにより行った。陽性クローンについては限界希釈法によりモノクローン化した。その結果、GPC3に対して強い結合活性を有する抗体GC33を取得した。GC33のH鎖可変領域のアミノ酸配列は配列番号3に、L鎖可変領域のアミノ酸配列は配列番号4に示される。
本発明の抗癌剤は、癌の予防または再発予防に有用である。

Claims (10)

  1. 癌治療後に投与されることを特徴とする、抗グリピカン3抗体を含有する抗癌剤。
  2. 癌治療後が肝癌治療後である請求項1記載の抗癌剤。
  3. 肝癌治療が肝癌細胞切除である請求項2記載の抗癌剤。
  4. 切除された肝癌細胞にグリピカン3が発現している場合に使用されることを特徴とする、請求項2または3に記載の抗癌剤。
  5. 抗体がモノクローナル抗体である請求項1−4のいずれかに記載の抗癌剤。
  6. 癌治療後の患者に抗グリピカン3抗体を含有する抗癌剤を投与することにより癌の再発を予防する方法。
  7. 癌治療後が肝癌治療後である請求項6記載の方法。
  8. 肝癌治療が肝癌細胞切除である請求項7記載の方法。
  9. 切除された肝癌細胞にグリピカン3が発現している、請求項7または8に記載の方法。
  10. 抗体がモノクローナル抗体である請求項6−9のいずれかに記載の方法。
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