JPWO2006018955A1 - イソインドール誘導体の製造方法 - Google Patents

イソインドール誘導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、下記一般式(I)(式中、R1およびR2は、それぞれ独立してC1−6アルキル基を示す。)で表される化合物(I)もしくはその塩またはそれらの水和物もしくは溶媒和物を、溶媒中、塩基の存在下、環化する工程(工程1)を含む、下記一般式(II)(式中、R1およびR2は、それぞれ前記式(I)のR1およびR2と同意義である。)で表されるイソインドール誘導体(化合物(II))またはその塩の製造方法に関する。

Description

本発明は、イソインドール誘導体の製造方法に関する。
抗血栓症に対するアプローチの一つとして、トロンビンへの酵素活性を阻害する方法が挙げられる。最近、トロンビンレセプターに拮抗作用を有する化合物が、トロンビンが関与する疾患の治療や予防において優れた作用効果を発揮するものと期待されており、例えば、血栓症、血管再狭窄、深部静脈血栓症、肺塞栓症、脳梗塞、心疾患、播種性血管内血液凝固症候群、高血圧、炎症性疾患、リウマチ、喘息、糸球体腎炎、骨粗鬆症、神経疾患、悪性腫瘍等の治療や予防に有効であると期待することができる。それゆえ、薬理活性、トロンビン受容体に対する受容体特異性、安全性、投与量、経口有用性等の点を満足させるトロンビン受容体拮抗剤が望まれていた。
既に、2−イミノピロリジン誘導体およびその塩が、優れたトロンビン受容体阻害活性を有し、トロンビン受容体拮抗剤として有用であることが見出されている(特許文献1:WO 02/085855)。
当該特許文献1は、2−イミノピロリジン誘導体およびその塩のうち、たとえば、下記式(A1)
Figure 2006018955
で表される化合物(式中、RはC1−6アルキル基を、RはC1−6アルコキシ基を、Rは5−14員ヘテロ環式基をそれぞれ示す。)またはその塩に関する製造方法が記載されている。
さらに前記特許文献1には、前記化合物A1の製造において、下記式で表される含イソインドール誘導体(A2)が重要な中間体となりうることが記載され、該イソインドール誘導体(A2)の製造方法として、下記のような4,5−ジエトキシ−3−フルオロフタロニトリル(A3)を酢酸エチル−エタノール−メタノールに溶解し、酸化白金を加え、反応する方法が記載されている(特許文献1の実施例7(工程4)等)。(本明細書において特に断りがない場合、「Et」はエチル基を示す。)
Figure 2006018955
WO 02/085855
しかしながら、前記方法は目的化合物の収率が低く、副生成物も多く発生し、また生成物の安定性がよくないため反応後直ちに精製する必要があった。さらに、生成物が白金触媒と高い吸着性を有するため、触媒の濾過後も、白金触媒の残存による発火の危険を回避するための処理が必要であるなど、精製が煩雑になるという課題があった。またさらに、白金触媒は高価であり、工業規模での大量使用においてはコスト的な問題もある。
このため、反応操作及び精製法が簡便かつ安全で、安価で、しかも還元の位置選択性が高く収率のよい、前記イソインドール誘導体またはその塩の製造方法が望まれていた。すなわち本発明は、工業規模での製造においても有用な、イソインドール誘導体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、下記式(III)で表される化合物(III)を、溶媒中、パラジウム触媒及び酸の存在下で水素添加すると、フッ素に対してメタ位のシアノ基が位置選択的に還元された新規な中間体である下記化合物(I)を得ることができ、その結果、塩基存在下で環化したイソインドール誘導体(II)を収率よく得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
Figure 2006018955
すなわち本発明は以下を含む。
〔1〕
下記一般式(I)
Figure 2006018955
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立してC1−6アルキル基を示す。)で表される化合物(I)もしくはその塩またはそれらの水和物もしくは溶媒和物を、溶媒中、塩基の存在下、環化する工程(工程1)を含む、下記一般式(II)
Figure 2006018955
(式中、R1およびR2は、それぞれ前記式(I)のR1およびR2と同意義である。)で表されるイソインドール誘導体(化合物(II))またはその塩の製造方法。
〔2〕
下記一般式(III)
Figure 2006018955
(式中、R1およびR2は、それぞれ〔1〕記載の前記式(I)のR1およびR2と同意義である。)で表される化合物(III)を、溶媒中、パラジウム触媒及び酸の存在下、水素添加して、下記一般式(I)
Figure 2006018955
(式中、R1およびR2は、それぞれ前記式(I)のR1およびR2と同意義である。)で表される化合物(I)を得る工程(工程2)をさらに含む、〔1〕記載の方法。
〔3〕 前記パラジウム触媒が、水酸化パラジウム、パラジウム炭素触媒またはリンドラー触媒である、〔2〕に記載の方法。
〔4〕 前記酸が、メタンスルホン酸または硫酸である、〔2〕または〔3〕に記載の方法。
〔5〕 前記式(I)乃至(II)のR1およびR2が、ともにエチル基である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の方法。
〔6〕
下記一般式(I)
Figure 2006018955
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立してC1−6アルキル基を示す。)で表される化合物もしくはその塩またはそれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔7〕 前記式(I)中、R1およびR2が、ともにエチル基である、〔6〕に記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物もしくは溶媒和物。
なお、前記イソインドール誘導体は、下記式(II−1)で表される互変異性体を有する。本明細書においては、式(II)で表されるイソインドール誘導体は、式(II−1)で表される互変異性体を含む。
Figure 2006018955
(式中、R1およびR2は、それぞれ前記式(I)のR1およびR2と同意義である。)
本発明では、4,5−ジアルコキシ−3−フルオロフタロニトリル(化合物(III))を、溶媒中、パラジウム触媒および酸の存在下で水素添加することにより、化合物(III)の1位(フッ素のメタ位)のシアノ基を極めて高い位置選択性で還元して、6−アミノメチル−3,4−ジアルコキシ−2−フルオロベンゾニトリル(化合物(I))を生成させ、さらに塩基存在下、環化し、精製することにより、5,6−ジアルキルオキシ−7−フルオロ−3H−イソインドール−1−イルアミン(化合物(II))を収率よく得ることができる。
また、用いるパラジウム触媒は、安価で、発火の恐れが低く安全であり、さらにクロマトグラフィーなどの煩雑な操作が不要で、ろ過、抽出及び結晶化のみで精製することができるなど、本発明では目的化合物の精製・単離を極めて簡便に行うことができる。すなわち、本発明の方法は、工業規模でのイソインドール誘導体の製造において、従来技術と比較して格段に有利である。
工程1
本発明に係るイソインドール誘導体またはその塩の製造方法は、化合物(I)もしくはその塩またはそれらの水和物もしくは溶媒和物を塩基存在下で環化して、化合物(II)またはその塩を得る工程1を含む。さらに後述する工程2の後、工程2で生成する化合物(I)を工程1により塩基存在下で環化してもよい。
すなわち、後述する工程2により位置選択的に還元されて生成する化合物(I)を塩基存在下、環化した後、抽出または結晶化することにより、化合物(I)もしくはその塩またはそれらの水和物もしくは溶媒和物、または化合物(I)が環化したイソインドール誘導体(II)またはその塩を得ることができる。
Figure 2006018955
式中、R1およびR2は、それぞれ独立してC1−6アルキル基を示す。
「C1−6アルキル基」とは、炭素数1〜6個の脂肪族炭化水素から任意の水素原子を1個除いて誘導される一価の基である、炭素数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基を意味する。
1−6アルキル基として具体的には例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、2−メチル−1−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチル−1−ブチル基、3−メチル−1−ブチル基、2−メチル−2−ブチル基、3−メチル−2−ブチル基、2,2−ジメチル−1−プロピル基、1−へキシル基、2−へキシル基、3−へキシル基、2−メチル−1−ペンチル基、3−メチル−1−ペンチル基、4−メチル−1−ペンチル基、2−メチル−2−ペンチル基、3−メチル−2−ペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、2−メチル−3−ペンチル基、3−メチル−3−ペンチル基、2,3−ジメチル−1−ブチル基、3,3−ジメチル−1−ブチル基、2,2−ジメチル−1−ブチル基、2−エチル−1−ブチル基、3,3−ジメチル−2−ブチル基または2,3−ジメチル−2−ブチル基等があげられる。
これらのうちでは、メチル基またはエチル基が好ましく、エチル基がさらに好ましい。
前記化合物(I)の塩は、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩などの無機酸の塩、スルホン酸、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩などのスルホン酸の塩などが挙げられる。
前記化合物(I)は、大気中に放置しておくことにより、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となったりする場合があり、そのような水和物も本発明に用いられる。さらに、前記化合物(I)は、他のある種の溶媒を吸収し、溶媒和物となる場合があるが、そのような溶媒和物も本発明に用いられる。
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、アンモニア、ジイソプロピルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは酢酸ナトリウムなどを用いることができる。
塩基の使用量は、化合物(I)に対して好ましくは0.1〜5当量、さらに好ましくは0.1〜2当量である。
反応温度は用いる触媒など諸条件、溶媒の沸点によるが、好ましくは−25〜100℃である。水酸化ナトリウムなどの強塩基を用いる場合、反応温度はさらに好ましくは10℃〜30℃である。トリエチルアミンなどの弱塩基を用いる場合、反応温度はさらに好ましくは40℃〜80℃である。
反応時間は、通常、1〜100時間である。
得られるイソインドール誘導体(II)は、抽出および結晶化により、容易に単離精製できる。たとえば、イソインドール誘導体(II)を酸性条件下水層へ抽出し、該水溶液をpH調整し、有機溶媒にて不純物を洗浄後、洗浄した水溶液をアルカリとすることにより、イソインドール誘導体(II)の結晶が析出し、単離精製できる。
上記水溶液の洗浄時のpHは好ましくはpH=8.5以下、さらに好ましくは7.5〜8.5である。
水溶液を洗浄する有機溶媒は酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチル−t−ブチルエーテル(MTBE)、ジエチルエーテル、トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン等を用いることができる。これら溶媒は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
結晶化時、水溶液のpHは好ましくはpH=10.5以上である。
また、生成するイソインドール誘導体(II)は、反応系中に酸を添加することにより、硫酸塩等の塩の形態で結晶化し、単離できる。強塩基性アミン類であるイソインドール誘導体(II)は、着色などの劣化が起こる場合があるため、硫酸塩などの酸塩とすることにより、化合物の安定化、長期保存などが可能となる。
たとえば、イソインドール誘導体(II)を含む反応溶液を濃縮後、残渣を溶媒に溶解し、さらに酸を添加することにより、イソインドール誘導体(II)を塩として結晶化させ、単離精製することができる。また、反応溶液の溶媒を留去しない場合も溶媒を添加し、酸を加えることにより、塩として結晶化させ、単離精製することができる。
塩を形成させる酸とは、イソインドール誘導体(II)と塩を形成し、且つ薬理学的に許容されるものであれば特に限定されない。
塩形成時に用いる溶媒は、DME、THF、MTBE、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールまたは水などが挙げられ、これら溶媒は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
後述する工程2にて得られるベンジルアミン誘導体(I)は、塩基を加えた後、酸を加えることにより、ベンジルアミン誘導体(I)を塩の形態で結晶化し、単離精製することもできる。
たとえば、工程2にて得られるベンジルアミン誘導体(I)を含む反応溶液の溶媒を留去後、残渣を溶媒に溶解し、塩基を加えた後、直ちに酸を添加することにより、ベンジルアミン誘導体(I)の塩として結晶化させ、単離精製することができる。また、反応溶液の溶媒を留去しない場合も溶媒を添加し、酸を加えることにより、塩として結晶化させ、単離精製することができる。
溶媒を留去する場合の温度は、好ましくは30℃以下である。
残渣を溶解または塩形成時に用いる溶媒は、DME、THF、MTBE、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールまたは水などが挙げられ、これら溶媒は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
好ましくは、DMEまたはMTBEである。
塩基を加える温度は、好ましくは10℃以下である。
塩を形成させる酸とは、ベンジルアミン誘導体(I)と塩を形成し、且つ薬理学的に許容されるものであれば特に限定されない。
なお、前記ベンジルアミン誘導体(I)の塩を得る場合、塩基での処理後に酸を加えなくともベンジルアミン誘導体(I)の塩を得ることができる。
たとえば、工程1で酸として硫酸を用い水添反応後、溶媒を留去し、ベンジルアミン誘導体(I)を含む残渣を溶媒に溶解してトリエチルアミンを加えることにより、ベンジルアミン誘導体(I)の硫酸塩1/2トリエチルアミン和物の結晶を単離精製できる。
残渣を溶解または塩形成時に用いる溶媒は、DME、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどが挙げられ、これら溶媒は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらにベンジルアミン誘導体(I)の塩のイソインドール誘導体(II)への環化は、前記のように、水酸化ナトリウム等の強塩基で処理するか、またはトリエチルアミン等の弱塩基を添加して高温下で処理することにより、定量的に達成できる。
工程2
本発明に係るイソインドール誘導体の製造方法の発明は、下記一般式(III)
Figure 2006018955
で表される化合物(III)を、溶媒中、パラジウム触媒及び酸の存在下、水素添加する工程(工程2)を含んでもよい。
式中、R1およびR2は、前記と同意義である。
前記パラジウム触媒としては、パラジウム 、水酸化パラジウム、または酸化パラジウム等のパラジウム化合物が挙げられる。これらは、担体に担持された、担持パラジウム化合物であることが好ましい。また、リンドラー触媒なども好ましく用いることができる。
前記担持パラジウム化合物の担体としては、好ましくはカーボン、シリカアルミナ、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸バリウムまたは硫酸バリウム、さらに好ましくはカーボン、アルミナまたは硫酸バリウム、特に好ましくはカーボンである。
前記担持パラジウム化合物において、担体に対する活性成分の担持量は、好ましくは0.5〜30質量%、さらに好ましくは1〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%である。
これらのうちでは、好ましくはカーボンに担持された水酸化パラジウム触媒(Pd(OH)2/C)、パラジウム炭素触媒(Pd/C)またはリンドラー触媒であり、さらに好ましくはPd(OH)2/CまたはPd/Cである。
前記パラジウム触媒は含水であってもよく、含水量はパラジウム化合物と水の合計量に対して、好ましくは10〜70質量%である。
パラジウム触媒の使用量は、いわゆる触媒量でよく、特に限定されないが、基質化合物に対して好ましくは1〜50質量%、さらに好ましくは5〜30質量%である。
反応溶媒としては、水添反応を受けないものが好ましく、酸が溶解する溶媒がさらに好ましい。
具体的には、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールまたは水などが挙げられ、これらのうちDMEが好ましい。これら溶媒は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記水添反応の酸としては、好ましくはメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、硫酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸が挙げられ、さらに好ましくはメタンスルホン酸または硫酸である。
特に、前記リンドラー触媒を用いるときは、酸として好ましくは硫酸を用いる。前記Pd(OH)2/CまたはPd/Cを用いるときは、酸として好ましくはメタンスルホン酸または硫酸、さらに好ましくはメタンスルホン酸を用いる。
酸を添加する場合の使用量は、基質化合物に対して、好ましくは0.5当量以上、さらに好ましくは1当量以上、より好ましくは1〜3当量である。
このような酸が存在すると、位置選択的な水添反応の速度を向上させることができる。
水素添加反応における水素圧力は、好ましくは0.1〜10MPa、さらに好ましくは0.3〜2MPaである。
反応温度は用いる触媒の諸条件、あるいは溶媒の沸点によるが、好ましくは−25〜30℃、さらに好ましくは−15〜10℃である。反応時間は、通常、1〜100時間である。
水添反応終了後は、パラジウム触媒をろ去し、洗浄することで、生成物を得ることができる。
洗浄溶媒としては、好ましくはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールまたは水などが挙げられ、さらに好ましくはメタノールまたは水である。これら溶媒は単独または2種以上を組み合わせて行うことができる。
本発明に係る化合物は、下記一般式(I)
Figure 2006018955
で表される化合物もしくはその塩またはそれらの水和物である。前記一般式(I)で表される化合物は新規化合物である。
式中、R1およびR2は、それぞれ独立してC1−6アルキル基を示し、C1−6アルキル基としては、R1およびR2が、好ましくはともにC1−3アルキル基、さらに好ましくはともにメチル基またはエチル基であり、特に好ましくはともにエチル基である。
これらの化合物は、トロンビン受容体拮抗剤として有用な2−イミノピロリジン誘導体(特許文献1)、たとえば下記式(A1)
Figure 2006018955
で表される化合物またはその塩を製造する際の中間体として有用である。
式中、RはC1−6アルキル基を、RはC1−6アルコキシ基を、Rは5−14員ヘテロ環式基をそれぞれ示す。
なお、本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。本明細書において、室温とは20 〜30℃の範囲で、好ましくは約 25℃を意味する。
〔調製例1〕
4,5−ジエトキシ−3−フルオロフタロニトリルの製造
Figure 2006018955
1,2−ジブロモ−4,5−ジエトキシ−3−フルオロベンゼン (137.0 g, 0.401 mol, 含量81%)、シアン化銅 (107.5 g, 1.200 mol) および1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン (600 mL) の混合物を減圧窒素置換後、窒素雰囲気下において130℃で17時間、140℃で4時間加熱撹拌した。
反応液を室温まで冷却後、N,N−ジメチルホルムアミド (600 mL)、トルエン (1.2 L) および濃アンモニア水 (1.2 L) を加えて分液し、得られた有機層にN,N−ジメチルホルムアミド (411 mL) と濃アンモニア水 (800 mL) を加えて洗浄した。更に有機層を25%エチレンジアミン水 (1.2 L)、1N塩酸 (1.2 L)、水 (1.2 L) の順で洗浄した。活性炭を通してろ過後、50℃にて減圧濃縮して黄色シャーベット状の残渣を得た。トルエン (100 mL) およびn-ヘプタン (100 mL) を加えて60℃で加熱溶解後、10℃以下で冷却撹拌して析出した結晶をろ取した。得られた結晶にトルエン (50 mL) およびn-ヘプタン (50 mL) を加えて90℃で加熱溶解後、室温にて撹拌して結晶を析出させた。10℃以下に冷却後、結晶をろ取し、50℃にて減圧乾燥して標記化合物を白色結晶として51.5 g (収率:55%) 得た。
〔実施例1〕
5,6−ジエトキシ−7−フルオロ−3H−イソインドール−1−イルアミンの製造
Figure 2006018955
調製例1で製造した4,5−ジエトキシ−3−フルオロフタロニトリル (100 g, 0.427 mol)、メタンスルホン酸 (36 mL, 0.555 mol)、20%水酸化パラジウム−炭素 (12.5 g, 50%含水) (20%水酸化パラジウム炭素触媒wet、川研ファインケミカル株式会社製)および1,2−ジメトキシエタン (500 mL) の混合物を7℃、水素雰囲気下 (1MPa) にて27時間撹拌した。反応液に水 (1 L) を加えた後、不溶物をろ過し、ろさいを水 (500 mL) にて洗浄した。
ろ液を混合後、5N水酸化ナトリウム水をpHが5.4になるまで加え、室温にて18時間撹拌した。トルエン (500 mL) および酢酸エチル (100 mL) を加えた後、水層のpHが3.7になるまで、5N塩酸を加えて分液した。得られた水層に酢酸エチル (500 mL) を加えた後、水層のpHが8.0になるまで、5N水酸化ナトリウム水を加えて分液した。得られた水層を酢酸エチル (500 mL)、トルエン (500 mL)、トルエン (500 mL) の順で洗浄した。氷冷下、水層に5N水酸化ナトリウム水をpHが12.0になるまで加えた後、析出した結晶をろ取し、40℃にて減圧乾燥して標記化合物を微黄白色結晶として82.7 g (収率:82%) 得た。
〔実施例2〕
5,6−ジエトキシ−7−フルオロ−3H−イソインドール−1−イルアミン硫酸塩の製造
Figure 2006018955
調製例1で製造した4,5−ジエトキシ−3−フルオロフタロニトリル (2.34 g, 10 mmol)、硫酸 (0.56 mL, 10 mmol)、20%水酸化パラジウム−炭素 (0.59 g, 50%含水) (20%パラジウムカーボン粉末、水酸化パラジウムタイプ(含水品)、エヌ・イー ケムキャット株式会社製)および1,2−ジメトキシエタン (23 mL) の混合物を-23℃、水素雰囲気下 (常圧) にて29時間撹拌した。反応液の不溶物をろ過後、ろさいをメタノール (23 mL) にて洗浄し、ろ液を混合してから5等分した。このうちの1つにトリエチルアミン (0.14 mL, 1 mmol) を加え、60℃にて3時間撹拌した後、40℃にて減圧濃縮した。残渣にメタノール (2.3 mL) および1,2−ジメトキシエタン (6.9 mL) を加えた後、氷冷下、硫酸 (0.11 mL, 2 mmol) を加えて撹拌した。析出した結晶をろ取後、5%メタノール−1,2−ジメトキシエタン溶液で洗浄し、室温にて減圧乾燥して標記化合物を灰白色結晶として0.45 g (収率:72%) 得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 1.28 (3H, t, J=7.1 Hz), 1.39 (3H, t, J=7.1 Hz), 4.08 (2H, q, J=7.1 Hz), 4.19 (2H, q, J=7.1 Hz), 4.72 (2H, s), 7.27 (1H, s), 8.80 (1H, bs), 9.27 (1H, bs), 9.77 (1H, bs), 10.04 (1H, bs).
〔実施例3〕
5,6−ジエトキシ−7−フルオロ−3H−イソインドール−1−イルアミンの製造
Figure 2006018955
実施例2で製造した、5,6−ジエトキシ−7−フルオロ−2,3−ジヒドロイソインドール−1−イリデンアミン硫酸塩 (225 mg, 0.67 mmol)、水 (2.3 mL) およびトルエン (2.3 mL) の混合物にトリエチルアミン (0.13 mL) を加え、室温にて撹拌した。分液後、有機層を水 (1.2 mL) で再抽出し、水層を混合後、氷冷下にて5N水酸化ナトリウム水 (0.3 mL) を加えた。氷冷下撹拌後、析出した結晶をろ取し、室温にて減圧乾燥して標記化合物を灰白色結晶として133 mg (収率:84%) 得た。
〔実施例4〕
6−アミノメチル−3,4−ジエトキシ−2−フルオロベンゾニトリル スルフェートの製造
Figure 2006018955
調製例1で製造した4,5−ジエトキシ−3−フルオロフタロニトリル (2.34 g, 10 mmol)、硫酸 (0.56 mL, 10 mmol)、20%水酸化パラジウム−炭素 (0.59 g, 50%含水) (20%パラジウムカーボン粉末 水酸化パラジウムタイプ(含水品)、エヌ・イー ケムキャット株式会社製)および1,2−ジメトキシエタン (23 mL) の混合物を-22℃、水素雰囲気下 (常圧) にて24時間撹拌した。反応液の不溶物をろ過後、ろさいをメタノール (23 mL) にて洗浄し、ろ液を混合してから5等分した。このうちの1つを室温にて減圧濃縮後、1,2−ジメトキシエタン (9.2 mL) を加えて撹拌し、トリエチルアミン (0.56 mL, 4 mmol) を滴下して室温にて1時間撹拌した。析出した結晶をろ取後、5%メタノール−1,2−ジメトキシエタン溶液で洗浄し、室温にて減圧乾燥して標記化合物の1/2トリエチルアミン和物を暗白色結晶として0.59 g (収率:76%) 得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 1.11 (9/2H, t, J=7.1 Hz), 1.24 (3H, t, J=7.1 Hz), 1.38 (3H, t, J=7.1 Hz), 2.93 (6/2H, q, J=7.1 Hz), 3.90 (2H, s), 4.06 (2H, q, J=7.1 Hz), 4.19 (2H, q, J=7.1 Hz), 7.25 (1H, s).
〔実施例5〕
Figure 2006018955
調製例1で製造した4,5−ジエトキシ−3−フルオロフタロニトリル(化合物A3)に対し、表1に示すような割合で、20%水酸化パラジウム−炭素 (50%含水)(20%パラジウムカーボン粉末 水酸化パラジウムタイプ(含水品)、エヌ・イー ケムキャット株式会社製) 、メタンスルホン酸、1,2−ジメトキシエタン(DME)の混合物を、水素雰囲気下 にて撹拌した。水素圧、反応温度、反応時間はそれぞれ表1に示すとおりである。反応液に水を加えた後、反応液から不溶物をろ過し、ろさいを水にて洗浄した。得られた反応液をHPLCにより分析し、反応生成物(化合物A4)の収率を算出した。
HPLCは下記の条件で行った。
カラム:化学品検査協会 L-Column ODS Waters(4.6x250mm)
カラム温度:35℃
移動相:(A)CH3CN/H2O/70%HClO4=300mL:700mL:1mL
(B)CH3CN/H2O/70%HClO4=900mL:100mL:1mL
Gradient Program:時間(分)/Bconc.(%)=0/0,8/0,30/100,30.01/0,35/stop
流速:1mL/分
検出:UV252nm
RT:27.2分(化合物A3)、10.0分(化合物A4)、8.5分(化合物A2)
A3:4,5−ジエトキシ−3−フルオロフタロニトリル
A4:6−アミノメチル−3,4−ジエトキシ−2−フルオロベンゾニトリル スルフェート
A2:5,6−ジエトキシ−7−フルオロ−3H−イソインドール−1−イルアミン
結果を表1に示す。
〔実施例6〜10〕
実施例5と同様にして、表1に示す触媒、酸、溶媒を用い、表1に示す温度、水素圧、時間で反応を行った。実施例5と同様にして、反応生成物の収率を算出した。結果を表1に示す。
〔比較例1〜7〕
実施例5と同様にして、表1に示す触媒、酸、溶媒を用い、表1に示す温度、水素圧、時間で反応を行った。実施例5と同様にして、反応生成物の収率を算出した。
なお、比較例7は、WO02/085855に記載の方法に従って行ったものであり、HPLCの収率は65%であるが、生成物が白金触媒と高い吸着性を有するため、クロマトグラフィーによる単離収率は20%と極めて低かった。
以上の結果を表1に示す。なお、比較例7については、下記化合物A2の収率を示す。
Figure 2006018955
Figure 2006018955
MsOH:メタンスルホン酸、DME:1,2−ジメトキシエタン
* 1:20%Pd(OH)2/C 50%wet(20%パラジウムカーボン粉末 水酸化パラジウムタイプ (含水品)、エヌ・イー ケムキャット株式会社製)
* 2:5%Pd/C 50%wet(5%パラジウムカーボン粉末(含水品)STDタイプ、エヌ・イー ケムキャット株式会社製)
* 3:リンドラー触媒 (リンドラー触媒、エヌ・イー ケムキャット株式会社製)
* 4:5%Pd/Al2O3 dry(5%パラジウム−アルミナ粉末、エヌ・イー ケムキャット株 式会社製)
* 5:5%Pd/BaSO4 dry(5%パラジウム−硫酸バリウム粉末、エヌ・イーケムキャット 株式会社製)
* 6:5%Rh/C 50%wet(5%ロジウム−カーボン粉末(含水品)、エヌ・イー ケムキャ ット株式会社製)
* 7:5%Ru/C 50%wet(5%ルテニウム−カーボン粉末(含水品)Bタイプ、エヌ・イー ケムキャット株式会社製)
* 8:5%Pt/C 50%wet(5%白金−カーボン粉末(含水品)PEタイプ、エヌ・イー ケ ムキャット株式会社製)
* 9:ラネーNi(展開ニッケル触媒NDHT−90、川研ファインケミカル株式会社製 )
* 10:ラネーCo(展開コバルト触媒ODHT−60、川研ファインケミカル株式会社 製)
* 11:PtO2(酸化白金、アルドリッチ株式会社製)
* 12:エタノール/メタノール/酢酸エチル=6倍量/6倍量/3倍量
〔参考例〕
以下のような合成ルートにて下記化合物を合成した。
Figure 2006018955
〔参考例1〕
2−(3,4−ジエトキシ−2−フルオロベンジル)イソインドール−1,3−ジオンの製造
Figure 2006018955
1,2−ジエトキシ−3−フルオロベンゼン (2.28 g, 12.4 mmol) とN−(ヒドロキシメチル)フタルイミド (2.41 g, 13.6 mmol) の1,2−ジメトキシエタン (8 mL) 溶液に氷冷下、硫酸 (8 mL) の1,2−ジメトキシエタン (8 mL) 溶液を滴下し、室温にて12時間撹拌した。反応液を水 (100 mL) に投入後、結晶をろ取した。得られた結晶をアセトンと水にて再結晶化し、析出した結晶をろ過した。ろ液を減圧濃縮後、残渣をアセトンにて結晶化して標記化合物を白色結晶として0.96 g (収率:23%) 得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.35 (3H, t, J=7.1 Hz), 1.41 (3H, t, J=7.1 Hz), 4.03 (2H, q, J=7.1 Hz), 4.10 (2H, q, J=7.1 Hz), 4.86 (2H, s), 6.60 (1H, dd, J=1.7, 8.5 Hz), 7.00 (1H, t, J=8.1 Hz), 7.71 (2H, dd, J=2.9, 5.4 Hz), 7.85 (2H, dd, J=2.9, 5.4 Hz).
〔参考例2〕
2−(6−ブロモ−3,4−ジエトキシ−2−フルオロベンジル)イソインドール−1,3−ジオンの製造
Figure 2006018955
2−(3,4−ジエトキシ−2−フルオロベンジル)イソインドール−1,3−ジオン (2.52 g, 7.34 mmol)のアセトニトリル (30 mL) 溶液に氷冷下、N−ブロモスクシイミド (1.43 g, 8.07 mmol) を加え、氷冷下10時間、更に室温にて6時間撹拌した。反応液に5%チオ硫酸ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加えて抽出後、得られた有機層を1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。ろ過後溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジエチルエーテル、n-へキサン) にて精製して標記化合物を白色結晶として1.12 g (収率:36%) 得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.34 (3H, t, J=7.1 Hz), 1.47 (3H, t, J=7.1 Hz),
4.03 (2H, q, J=7.1 Hz), 4.09 (2H, q, J=7.1 Hz), 4.95 (2H, s), 6.89 (1H,
d, J=2.0 Hz), 7.69 (2H, dd, J=3.2, 5.4 Hz), 7.85 (2H, dd, J=2.9, 5.4 Hz).
〔参考例3〕
2−(6−シアノ−3,4−ジエトキシ−2−フルオロベンジル)イソインドール−1,3−ジオンの製造
Figure 2006018955
2−(6−ブロモ−3,4−ジエトキシ−2−フルオロベンジル)イソインドール−1,3−ジオン(1.00 g, 2.37 mmol)、シアン化銅 (0.42 g, 4.74 mmol) およびN,N−ジメチルホルムアミド (5 mL) の混合物を155℃にて10時間撹拌した。反応液に10%エチレンジアミン水およびトルエンを加えて抽出後、得られた有機層を10%エチレンジアミン水、飽和食塩水の順で洗浄した。無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、ろ過後溶媒を留去して粗結晶を得た。粗結晶を酢酸エチルにて洗浄して標記化合物を微緑色結晶として0.52 g (収率:60%) 得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.34 (3H, t, J=7.1 Hz), 1.47 (3H, t, J=7.1 Hz), 4.07 (2H, q, J=7.1 Hz), 4.18 (2H, q, J=7.1 Hz), 5.02 (2H, d, J=1.2 Hz), 6.96 (1H, d, J=1.7 Hz), 7.72 (2H, dd, J=2.9, 5.4 Hz), 7.85 (2H, dd, J=2.9, 5.4 Hz).
〔参考例4〕
5,6−ジエトキシ−4−フルオロ−3H−イソインドール−1−イルアミン ハイドロクロリドの製造
Figure 2006018955
2−(6−シアノ−3,4−ジエトキシ−2−フルオロベンジル)イソインドール−1,3−ジオン(668 mg, 1.81 mmol) および40%メチルアミン−メタノール溶液 (7 mL) の混合物を60℃にて2時間撹拌した。反応液の溶媒を留去後、得られた残渣にエタノール (10 mL) および4N 塩化水素−酢酸エチル溶液 (1 mL) を加えた。反応液の溶媒を再び留去後、残渣を酢酸エチルにて洗浄して粗結晶を得た。粗結晶をメタノールと酢酸エチルにて再結晶化して標記化合物を微緑色結晶として186 mg (収率:58%) 得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 1.29 (3H, t, J=7.1 Hz), 1.40 (3H, t, J=7.1
Hz), 4.12 (2H, q, J=7.1 Hz), 4.18 (2H, q, J=7.1 Hz), 4.81 (2H, s), 7.93
(1H, s), 9.27 (1H, bs), 9.72 (1H, bs), 10.42 (1H, bs).
〔参考例5〕
5,6−ジエトキシ−4−フルオロ−3H−イソインドール−1−イルアミンの製造
Figure 2006018955
5,6−ジエトキシ−4−フルオロ−3H−イソインドール−1−イルアミン ハイドロクロリド (233 mg, 0.85 mmol) および水 (6 mL) の混合物に1N水酸化ナトリウム水 (2 mL) を加え、氷冷下20分撹拌した。析出した結晶をろ取し、水にて洗浄して標記化合物を微緑色結晶として85 mg (収率:42%) 得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 1.25 (3H, t, J=7.1 Hz), 1.37 (3H, t, J=7.1
Hz), 4.04 (2H, q, J=7.1 Hz), 4.08 (2H, q, J=7.1 Hz), 4.41 (2H, s), 6.41
(2H, bs), 7.35 (1H, s).
本発明では、4,5−ジアルキルオキシ−3−フルオロフタロニトリル(化合物(III))を、溶媒中、パラジウム触媒及び酸の存在下で水素添加することにより、化合物(III)の1位(フッ素のメタ位)のシアノ基を極めて高い位置選択性で還元し、得られた6−アミノメチル−3,4−ジエトキシ−2−フルオロベンゾニトリル(化合物(I))の閉環反応により、5,6−ジアルキルオキシ−7−フルオロ−3H−イソインドール−1−イルアミン(化合物(II))を収率よく得ることができる。
また、用いるパラジウム触媒は、安価で、発火の恐れが低く安全であり、さらにクロマトグラフィーなどの煩雑な操作が不要で、単に濾過、抽出および結晶化するだけで精製することができるなど、本発明では目的化合物の精製・単離を極めて簡便に行うことができる。すなわち、本発明の方法は、工業規模でのイソインドール誘導体の製造において、従来技術と比較して格段に有利である。

Claims (7)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 2006018955
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立してC1−6アルキル基を示す。)で表される化合物(I)もしくはその塩またはそれらの水和物もしくは溶媒和物を、溶媒中、塩基の存在下、環化する工程(工程1)を含む、下記一般式(II)
    Figure 2006018955
    (式中、R1およびR2は、それぞれ前記式(I)のR1およびR2と同意義である。)で表されるイソインドール誘導体(化合物(II))またはその塩の製造方法。
  2. 下記一般式(III)
    Figure 2006018955
    (式中、R1およびR2は、それぞれ請求項1記載の前記式(I)のR1およびR2と同意義である。)で表される化合物(III)を、溶媒中、パラジウム触媒及び酸の存在下、水素添加して、下記一般式(I)
    Figure 2006018955
    (式中、R1およびR2は、それぞれ前記式(I)のR1およびR2と同意義である。)で表される化合物(I)を得る工程(工程2)をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記パラジウム触媒が、水酸化パラジウム、パラジウム炭素触媒またはリンドラー触媒である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記酸が、メタンスルホン酸または硫酸である、請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記式(I)乃至(III)のR1およびR2が、ともにエチル基である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 下記一般式(I)
    Figure 2006018955
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立してC1−6アルキル基を示す。)で表される化合物もしくはその塩またはそれらの水和物もしくは溶媒和物。
  7. 前記式(I)中、R1およびR2が、ともにエチル基である、請求項6に記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物もしくは溶媒和物。
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