JPWO2006016609A1 - スタンピング成形金型、スタンピング成形装置、スタンピング成形品の製造方法およびスタンピング成形品 - Google Patents

スタンピング成形金型、スタンピング成形装置、スタンピング成形品の製造方法およびスタンピング成形品 Download PDF

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Abstract

スタンピング成形金型(7)は、熱可塑性スタンピング成形材料(20)を成形する型部(12)を内部に有し、熱可塑性スタンピング成形材料(20)が投入される投入部(19)と、型部(12)と投入部(19)とを連結する連結孔(17)とを備えた成形部(2)、(3)と、投入部(19)に挿入される凸部(4)を有する注入部(1)とを備え、凸部(4)は、投入部(19)に投入された熱可塑性スタンピング成形材料(20)に圧力をかけて、連結孔(17)を介して熱可塑性スタンピング成形材料(20)を型部(12)に充填させる。それにより、このスタンピング成形金型は、外観品質が良く、かつ寸法精度の高い成形品を製造できる。

Description

本発明は、熱可塑性樹脂であるスタンピング成形材料を成形加工するためのスタンピング成形金型、スタンピング成形装置およびスタンピング成形品の製造方法に関する。また、熱可塑性樹脂であるスタンピング成形材料を成型加工することで得られるスタンピング成形品に関する。
従来のスタンピング成形品の製造方法について説明する。図19A〜図19Cは、従来のスタンピング成形品の製造方法を示す各断面工程図である。また、図19Dは、従来のスタンピング成形品の製造方法で成形された成形品を示す断面図である。従来のスタンピング成形品の製造方法は、まず図19Aに示すように、スタンピング成形材料104(以下、成形材料104という)を、上型102および下型103にて構成された成形金型101のうち、下型103の成形面103a上に投入する。具体的には、成形材料104は、遠赤外線加熱炉にて加熱溶融されていて、成形面103aの約7割〜8割程度の面積を占めるように設置される。次に、図19Bに示すように、下型103の上方から、上型102を設置して、成形材料104を下型103および上型102で挟む。次に、図19Cに示すように、両型(上型102および下型103)をプレスによって閉型することで、成形材料104は押しつぶされる。成形材料104は、下型103の成形面103aのうち、成形材料104が設置されていなかった残りの2〜3割程度の領域に流動していく。このようにして、図19Dに示すようなスタンピング成形品105(以下、成形品105という)が作製される。このように、従来のスタンピング成形品の製造方法は、いわゆる圧縮成形による製造方法である。なお、スタンピング成形材料としては、長繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシートを用いている。長繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシートとは、一般的にガラス繊維等の長繊維で構成されたマットに熱可塑性樹脂を含浸させたシート状の複合材料である。この長繊維とは、ガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維、アラミド繊維やナイロンなどの有機繊維またはケナフなどの天然繊維であって、平均繊維長が8mm以上のものを指す。長繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシートのことを、以下では単にスタンパブルシートという。このようなスタンピング成形材料(スタンパブルシート)については、例えば、特許文献1および特許文献2に開示されている。また、従来のスタンピング成形品の製造方法については、例えば、特許文献1に開示されている。
従来のスタンピング成形品の製造方法は、射出成形による製造方法に比べ成形圧力が低くすむため、金型費を含めた設備費が比較的安い。また、他の成形品の製造方法では比較的難しいとされている大型成形品を容易に成形することができる。さらに、一般的に成形材料として繊維強化ペレットを用いる射出成形のように、成形材料の可塑化工程におけるスクリューによるせん断過程がないため、繊維の残留繊維長は非常に長く、強度の高い成形品を得ることができる。
しかし、従来のスタンピング成形品の製造方法は、以下に示すような欠点を有している。まず、成形品の外観性が悪いということである。この理由について図20A〜図20Dを用いて説明する。図20Aはスタンピング成形品の製造方法において、外観性が悪くなる理由を説明するための図であり、加熱溶融された成形材料を示す側断面図である。また、図20Bはスタンピング成形品の製造方法において、外観性が悪くなる理由を説明するための図であり、成形材料を成形金型に投入した状態を示す側断面図である。また、図20Cはスタンピング成形品の製造方法において、外観性が悪くなる理由を説明するための図であり、成形材料を型締めしている状態を示す側断面図である。また、図20Dはスタンピング成形品の製造方法において、外観性が悪くなる理由を説明するための図であり、成形品を示す側断面図である。
図20Aに示されているように、遠赤外線加熱炉等で加熱溶融されたスタンパブルシートである成形材料104の表面には、樹脂112によって拘束されていた繊維113が無数に現れる。これは、溶融軟化により繊維113がスプリングバックと呼ばれる現象によって復元化し、元の2〜3倍に膨張するためである。
加熱溶融されている成形材料104を遠赤外線加熱炉から取り出すと、放熱により急激に温度が低下する。図20Bに示すように、成形材料104を成形金型101に投入すると、金型(下型103)と接触した部分から冷却固化が始まる。さらに、図20Cに示すように、型締めすることで、成形材料104は下型103および上型102と接触して急激に冷却される。そのため、成形材料104の表面部の温度が樹脂112の結晶化温度付近まで低下して、剥き出しになった繊維113の一部は樹脂112に再度覆われることなく表面へ現れる。そのため、成形材料104の外観が大きく損なわれる。
図20Dに示しているように、得られた型締め後の成形品105は、繊維113が表面に多く現れ、外観性が悪い。
このため、外観性を要求される成形品105を作製する場合には、成形金型101との接触による冷却を遅らせるために上型102および下型103の金型温度を上昇させるとともに、上型102および下型103に深いエンボス加工を施す。これにより、表面に現れる繊維113の量は減少する。しかし、この方法では、長い冷却時間を必要とするため、製造時間が長くなる。さらに、後収縮による変形対策も必要になる。
また、従来のスタンピング成形品の製造方法においては、成形材料104を成形金型101に投入する際に、常にその設置位置および投入量のバランスに注意する必要があるという問題もある。図21A〜図21Cは、従来のスタンピング成形品の製造方法において、成形材料の設置位置および投入量のバランスが悪い場合を説明するための各工程断面図である。図21Dは従来のスタンピング成形品の製造方法において、成形材料の設置位置および投入量のバランスが悪い場合の成形品を示す断面図である。図21Aに示すように、成形材料104を下型103上に設置する際に、成形面103aの中央ではなく周辺に配置すると、図21Bに示しているように、閉型時のバランスが崩れ、成形金型101のクリアランスが影響を受ける。なお、クリアランスとは、成形品105の板厚に相当する、成形金型101の内部の空間の厚さ方向の距離のことである。すなわち、図21Cに示すように、下型103と上型102とが傾いた状態でプレスされる。したがって、成形材料104の流動性や繊維の分散性にバラツキが生じたり、欠肉を生じたりするため、図21Dに示すように、粗悪な成形品105aが作製される。これを防ぐためには、成形面103aの所定の個所に所定の量の成形材料104を設置してから、成形金型101を閉型しなければならない。そのため、成形材料104の設置においては、自動化が難しく、また作業者にも熟練度が要求される。
また、成形材料104を複数枚一箇所に積層して、下型103に設置すると、閉型時に複数枚の成形材料104が崩れてしまい、成形材料104のガラス繊維の流動状態に乱れを生じたり、成形金型101から材料がはみ出し欠肉を生じたり、時には成形金型101を破損させてしまう場合もある。
また、従来のスタンピング成形品の製造方法においては、細形状を持つ製品や小型製品を作製できない。その理由を以下に示す。スタンピング成形品の製造方法においては、成形金型101に、成形材料104であるスタンパブルシートを設置できる空間が必要である。そのため、スタンパブルシートを設置できないような、細形状を持つ製品や小型製品向けの成形金型を用いることができない。したがって、従来のスタンピング成形品の製造方法においては、細形状を持つ製品や小型製品を作製できなかった。
また、従来のスタンピング成形品の製造方法においては、薄物成形品の作製が困難であり、成形品の厚さには限界があった。これは、薄物成形品を作製する場合には、成形材料104が少なくてすむため、一般的には成形材料104を積層せずに投入するが、その場合、成形材料104が急激に放熱されて温度が低下し大きな成形圧力が必要となるためである。図22は、加熱炉から成形材料を取り出してからの、時間経過に対する成形材料の温度変化を示した図である。図22には、成形材料104を積層5枚、積層2枚および積層1枚としたときの成形材料104の内部温度の時間経過に対する温度変化と、成形材料104の表面温度の時間経過に対する温度変化とが示されている。なお、成形材料104の表面温度の変化は、積層枚数に関係なくどれも等しい。また、図22中、範囲114は、成形金型101をプレスした後、上型102および下型103を固定させるまでにかかる時間の範囲であり、範囲115は、成形材料104の結晶化が始まる温度の範囲である。図22に示すように、成形材料104の積層枚数が減少するほど温度低下が著しい。特に、成形品105が薄物成形品の場合は、成形面103aに成形材料104が設置される面積に比べて、残りの面積(流動により埋まる面積)の比率が高く、かつ成形材料104を積層せずに設置する場合が多い。このような場合、成形材料104は、放熱により温度が大きく低下し、成形材料104がいわゆる半溶融半固化した状態で成形されることになり、成形材料104の流動性が低い。したがって、成形圧力は過大に必要になり、特に1.5mm以下の厚さの薄物成形品を製造することは困難である。
また、従来のスタンピング成形品の製造方法は、一般的な圧縮成形と同様に、下型103に設置される成形材料104の体積により、得られる成形品105の厚さ方向の寸法が変動しやすいという欠点がある。つまり、成形材料104を下型104に設置すると急速に冷却されて流動性が低くなっていくため、成形材料104を設置した個所と、プレスにより成形材料104が流動して広がっていく個所では、成形品105の厚みが異なるという不具合が生じる。
また、従来のスタンピング成形品の製造方法では、穴形状を持つ成形品105の作製も困難である。その理由を以下に示す。穴形状部分にも成形材料104を設置して、型締めすると、上型102および下型103の穴形状に対応する嵌合部で材料が挟み込まれてしまうため、成形金型101の閉型が阻害されたり、成形金型101に破損が生じたりする可能性がある。また、穴形状部を避けた位置を複数選んで成形材料104を設置すると、成形材料104の設置枚数が増えるとともに投入位置が複雑になる。それにより、前述したような閉型時のバランス異常が生じて、不具合が生じる。そこで、従来のスタンピング成形品の製造方法においては、成形品を作製後に、打ち抜き加工により、穴形状を作製している。したがって、2次加工による打ち抜きロスが発生するとともに打ち抜き用の金型を別途作製しなければならず、製造コストが高くなる。
また、従来のスタンピング成形品の製造方法では、製造コストを低減するために、複数個の成形品を得る構造の型が形成された成形金型101により、一度のプレスで複数の成形品を製造していた。しかし、この方法は、成形材料104の設置量および配置のバラツキが生じやすく、成形金型101が均等に閉型されにくく、欠肉や製品厚み不良を生じやすい。
一方、材料を成形部へ直接投入せずに成形を行う成形品の製造方法として、トランスファー成形法が一般的に知られている(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5および特許文献6参照)。しかしながらこの成形法は専ら熱硬化性樹脂に適用されているものである。また、この成形法には、以下の欠点がある。
熱硬化性樹脂を成形材料として用いるため、金型内部に充填した残りの成形材料を再利用することができず、これらは材料ロスとなる。そのため、大型製品のように、金型内部に充填する材料が多く必要な場合は、材料ロスも多量に発生するという問題がある。
特開平10−193350号公報 特開2003−80519号公報 特開2003−286328号公報 特開2001−205662号公報 特開2000−334766号公報 特開2000−037746号公報
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、外観品質が良く、かつ寸法精度の高い成形品を製造できるスタンピング成形金型、スタンピング成形装置およびスタンピング成形品の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、外観品質が良く、かつ寸法精度の高いスタンピング成形品を提供することを目的とする。
本発明のスタンピング成形金型は、熱可塑性スタンピング成形材料を成形する型部を内部に有し、前記熱可塑性スタンピング成形材料が投入される投入部と、前記型部と前記投入部とを連結する連結孔とを備えた成形部と、前記投入部に挿入される凸部を有する注入部とを備え、前記凸部は、前記投入部に投入された前記熱可塑性スタンピング成形材料に圧力をかけて、前記連結孔を介して前記熱可塑性スタンピング成形材料を前記型部に充填させる。
また、本発明のスタンピング成形装置は、上記本発明のスタンピング成形金型を備えている。
また、本発明のスタンピング成形品の製造方法は、熱可塑性スタンピング成形材料を成形するための型部と連結孔により連結された投入部に、加熱溶融された前記熱可塑性スタンピング成形材料を投入し、前記連結孔を介して、前記熱可塑性スタンピング成形材料を前記投入部から前記型部内に注入して、前記熱可塑性スタンピング成形材料を成形する。
また、本発明のスタンピング成形品は、上記本発明の成形金型により、成形される。
本発明のスタンピング成形金型、スタンピング成形装置およびスタンピング成形品の製造方法を用いることで、外観品質が良く、かつ寸法精度の高い成形品を製造できる。また、本発明のスタンピング成形品は、外観品質が良く、かつ寸法精度が高い。
図1は実施の形態1に係る成形金型の上型の構成を示す斜視図である。 図2は実施の形態1に係る成形金型の中間型の構成を示す斜視図である。 図3は実施の形態1に係る成形金型の下型の構成を示す斜視図である。 図4Aは実施の形態1の成形品の製造方法を説明するための断面工程図である。 図4Bは実施の形態1の成形品の製造方法を説明するための断面工程図である。 図4Cは実施の形態1の成形品の製造方法を説明するための断面工程図である。 図4Dは実施の形態1の成形品の製造方法を説明するための断面工程図である。 図4Eは実施の形態1の成形品の製造方法を説明するための断面工程図である。 図4Fは実施の形態1の成形品の製造方法で成形された成形品を示す断面図である。 図5は実施の形態1の成形金型を用いて形成された成形品の構成を示す側断面図である。 図6は実施の形態1で用いる成形材料の加熱回数に対する引張物性変化率の関係を示す図である。 図7Aは実施の形態1の締結部であるスライド機構を説明するための図であり、下型と中間型とを固定した場合の成形金型の構成を示す側面図である。 図7Bは実施の形態1の締結部であるスライド機構を説明するための図であり、成形を行っている状態の成形金型の構成を示す側面図である。 図7Cは実施の形態1の締結部であるスライド機構を説明するための図であり、開型を行う直前の成形金型の構成を示す側面図である。 図7Dは実施の形態1の締結部であるスライド機構を説明するための図であり、開型を行っている状態の成形金型の構成を示す側面図である。 図8Aは実施の形態1に係る他の成形金型の締結部を説明するための図であり、各型が離れている状態を示す成形金型の正面断面図である。 図8Bは実施の形態1に係る他の成形金型の締結部を説明するための図であり、下型と上型が閉型され、締結部によりそれらが固定された状態を示す成形金型の正面断面図である。 図9は実施の形態1に係る成形装置の構成を示す側断面図である。 図10Aは実施の形態2に係る成形金型の上型の構成を示す斜視図である。 図10Bは実施の形態2に係る成形金型の中間型の構成を示す斜視図である。 図10Cは実施の形態2に係る成形金型の下型の構成を示す斜視図である。 図11は実施の形態2の成形金型を用いて形成された成形品の構成を示す斜視図である。 図12Aは実施の形態3に係る成形金型の上型の構成を示す斜視図である。 図12Bは実施の形態3に係る成形金型の中間型の構成を示す斜視図である。 図12Cは実施の形態3に係る成形金型の下型の構成を示す斜視図である。 図13は実施の形態3の成形金型を用いて形成された成形品の構成を示す斜視図である。 図14Aは実施の形態4に係る成形金型の上型の構成を示す斜視図である。 図14Bは実施の形態4に係る成形金型の中間型の構成を示す斜視図である。 図14Cは実施の形態4に係る成形金型の下型の構成を示す斜視図である。 図15は実施の形態5に係る成形金型の構成を示す断面図である。 図16Aは実施の形態5の成形品の製造方法を説明するための断面工程図である。 図16Bは実施の形態5の成形品の製造方法を説明するための断面工程図である。 図16Cは実施の形態5の成形品の製造方法を説明するための断面工程図である。 図16Dは実施の形態5の成形品の製造方法を説明するための断面工程図である。 図16Eは実施の形態5の成形品の製造方法で成形された成形品を示す断面図である。 図17Aは実施例1および2に用いた成形金型の下型の構成を示す斜視図である。 図17Bは実施例1および2に用いた成形金型の中間型の構成を示す斜視図である。 図17Cは実施例1および2に用いた成形金型の上型の構成を示す斜視図である。 図18Aは比較例1および2に用いた成形金型の下型の構成を示す斜視図である。 図18Bは比較例1および2に用いた成形金型の上型の構成を示す斜視図である。 図19Aは従来のスタンピング成形品の製造方法を示す断面工程図である。 図19Bは従来のスタンピング成形品の製造方法を示す断面工程図である。 図19Cは従来のスタンピング成形品の製造方法を示す断面工程図である。 図19Dは従来のスタンピング成形品の製造方法で成形された成形品を示す断面図である。 図20Aはスタンピング成形品の製造方法において、外観性が悪くなる理由を説明するための図であり、加熱溶融された成形材料を示す側断面図である。 図20Bはスタンピング成形品の製造方法において、外観性が悪くなる理由を説明するための図であり、成形材料を成形金型に投入した状態を示す側断面図である。 図20Cはスタンピング成形品の製造方法において、外観性が悪くなる理由を説明するための図であり、成形材料を型締めしている状態を示す側断面図である。 図20Dはスタンピング成形品の製造方法において、外観性が悪くなる理由を説明するための図であり、成形品を示す側断面図である。 図21Aは従来のスタンピング成形品の製造方法において、成形材料の設置位置および投入量のバランスが悪い場合を説明するための断面工程図である。 図21Bは従来のスタンピング成形品の製造方法において、成形材料の設置位置および投入量のバランスが悪い場合を説明するための断面工程図である。 図21Cは従来のスタンピング成形品の製造方法において、成形材料の設置位置および投入量のバランスが悪い場合を説明するための断面工程図である。 図21Dは従来のスタンピング成形品の製造方法において、成形材料の設置位置および投入量のバランスが悪い場合の成形品を示す断面図である。 図22は加熱炉から成形材料を取り出してからの、時間経過に対する成形材料の温度変化を示した図である。
本発明のスタンピング成形金型は、予め閉型された型部に、成形材料を流動的に充填して成形品を成形する構造である。そのため、寸法精度が高い成形品を製造でき、さらに、薄物成形も可能である。また、成形材料における繊維の露出が極めて少なく、外観品質が優れた成形品を製造できる。
また、好ましくは、本発明のスタンピング成形金型は、前記凸部と前記凸部が挿入されている前記投入部とが、前記型部とは異なる型部を構成している。それにより、投入部においても成形品を製造することができる。
また、好ましくは、本発明のスタンピング成形金型は、1つの前記型部と複数の前記投入部とが、複数の前記連結孔により連結されている。それにより、成形材料が型部に均等に充填される。したがって、欠損等が生じにくい。また、成形品が大型である場合にも、精度の高い成形品を容易に製造することができる。
また、好ましくは、本発明のスタンピング成形金型は、1つの前記投入部と複数の前記型部とが、複数の前記連結孔により連結されている。それにより、一度に複数の成形品を製造することができる。
また、好ましくは、本発明のスタンピング成形金型は、前記成形部は複数の部材で構成され、前記各部材同士を固定する締結部を有している。それにより、型部に成形材料を充填している際に型部が開くことはなく、さらに開型も容易に行うことができる。
また、好ましくは、本発明のスタンピング成形金型は、前記成形部が、前記型部内において、補強材を固定させるための出し入れ可能なピンを備えている。それにより、補強材を内蔵した、強度の高い成形品を容易に製造することができる。また、所定の形状または所定の模様等を有する補強材を用いることで、模様等が形成された成形品を製造することができる。
また、本発明のスタンピング成形装置は、前記本発明のスタンピング成形金型を備えている。そのため、寸法精度が高い成形品を製造でき、さらに、薄物成形も可能である。また、成形材料における繊維の露出が極めて少なく、外観品質が優れた成形品を製造できる。
また、本発明のスタンピング成形品の製造方法は、予め閉型された型部に熱可塑性スタンピング成形材料を注入することで成形品を製造する。そのため、寸法精度が高い成形品を製造でき、さらに、薄物成形も可能である。また、成形材料における繊維の露出が極めて少なく、外観品質が優れた成形品を製造できる。
また、好ましくは、本発明のスタンピング成形品の製造方法は、前記投入部に前記熱可塑性スタンピング成形材料からなる複数のシートを積層し、前記投入部に凸部を挿入し、前記凸部により前記複数のシートに圧力をかけて、前記連結孔を介して前記熱可塑性スタンピング成形材料を前記投入部から前記型部に注入し成形した場合に、前記投入部に残っている前記熱可塑性スタンピング成形材料はシート状である。それにより、成形品を製造した際に投入部に残った成形材料を、次の成形の際に使用することが容易である。そのため、成形材料を無駄なく使用することができる。
また、好ましくは、本発明のスタンピング成形品の製造方法において、前記投入部に残っている前記熱可塑性スタンピング成形材料の厚さは、前記シートの1つの厚さと同一である。それにより、投入部に残った成形材料を、新しいスタンピング成形材料と同じように扱うことができるため、再利用しやすい。
また、好ましくは、本発明のスタンピング成形品の製造方法において、前記熱可塑性スタンピング成形材料には、長繊維が複合されている。それにより、長繊維が複合された成形品を製造でき、それら成形品は、高い寸法精度であり、優れた外観品質を有する。
また、本発明のスタンピング成形品の製造方法は、好ましくは、前記型部内に予め補強材を設置してから、前記スタンピング成形材料を前記型部内に注入する。それにより、補強材を内蔵した、強度の高い成形品を容易に製造することができる。また、所定の形状または所定の模様等を有する補強材を用いることで、模様等が形成された成形品を製造することができる。
また、本発明のスタンピング成形品は、前記本発明の成形金型により、成形される。それにより、外観品質が良く、かつ寸法精度が高い。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係るスタンピング成形金型(以下、成形金型という)およびそれを備えたスタンピング成形装置(以下、成形装置という)について説明する。図1は、実施の形態1に係る成形金型の上型の構成を示す斜視図である。図2は、実施の形態1に係る成形金型の中間型の構成を示す斜視図である。図3は、実施の形態1に係る成形金型の下型の構成を示す斜視図である。実施の形態1の成形金型は、図1、図2および図3に示している、上型1、中間型2および下型3から構成される。
図1に示すように、上型(注入部)1は、凸部4を有している。図2に示すように、中間型2は、凹型成形部8と、中間型貫通孔10と、凹型成形部8と中間型貫通孔10とを接続するように形成された溝9とを有している。図3に示すように、下型3は、凸型成形部13と、凸型成形部13と接続される凸部14と、下型投入部15とを有している。
なお、下型3、中間型2および上型1は、順次重ねて設置することで型締めされる。これらを設置した状態で、中間型貫通孔10と下型投入部15とは一体となり、投入部を形成し、この投入部に凸部4が嵌る。また、凹型成形部8には凸型成形部13が嵌り、型部を形成するような配置とされる。また、図1〜図3に示しているように、上型1、中間型2および下型3はそれぞれ締結部6、11、16を備えている。さらに、締結部11は移動可能なスライド棒11aを有している。
これら、上型1、中間型2および下型3からなる成形金型を用いて、スタンピング成形品(以下、成形品という)を作製する成形品の製造方法について、図を用いて説明する。図4A〜図4Eは、実施の形態1の成形品の製造方法を説明するための各断面工程図である。また、図4Fは、実施の形態1の成形品の製造方法で成形された成形品を示す断面図である。なお、図4A〜図4Eは断面図であるため、締結部6、11、16は図面上には表れないはずであるが、見易さを考慮して図示した。
図4Aに示すように、中間型2を下型3上に設置する。なお、図2に示している中間型2は、下型3上に設置する際は上下を逆にする。すなわち、凹型成形部8が下を向き、凸型成形部13に嵌るようにする。なお、中間型2が下型3に設置されたものが成形部である。凸型成形部13と凹型成形部8との間には空間である型部12が形成されていて、この型部12に成形材料が充填されて、所望の形に成形される。中間型2を下型3上に設置することで、下型3の凸部14が中間型2の溝9に嵌る。凸部14と溝9との間には、空間である連結孔17が形成される。連結孔17は、凸型成形部13と凹型成形部8との間に形成された型部12とつながっている。また、中間型2を下型3上に設置することで、下型投入部15と中間型貫通孔10とがつながり一体となって、投入部19を形成する。投入部19と型部12とは連結孔17によって連結されている。
中間型2を下型3上に設置した後、締結部11および16を用いて、中間型2と下型3とを締結して固定する(型締め)。なお、図3には図示されていなかったが、下型3にはエジェクターピン18が設置されていることが好ましい。エジェクターピン18は凸型成形部13および下型投入部15から突出することが可能であり、成形された成形品を取り外すために用いる。
次に、図4Bに示すように、投入部19に、積層設置されるように成形材料20を投入する。なお、成形材料20としては、長繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシートを用いている。長繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシートとは、一般的にガラス繊維等の長繊維で構成されたマットに熱可塑性樹脂を含浸させたシート状の複合材料である。この長繊維とは、例えば、ガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維、アラミド繊維やナイロンなどの有機繊維またはケナフなどの天然繊維であって、平均繊維長が8mm以上のものを指す。長繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシートのことを、以下では単にスタンパブルシートという。
投入部19は下記に示すように、凸部4のガイドの機能を有する。また、積層された成形材料20が倒れないようにするための役割も有する。そのため、積層された成形材料20の上部が、投入部19より上に出ないように、投入部19は十分な深さを有している。なお、実施の形態1の成形金型7は、上型1、中間型2および下型3からなる。
さらに、図4Cに示すように、下型3および中間型2上に上型1を設置する。なお、図1に示している上型1は、下型3および中間型2上に設置する際は、上下を逆にして用いる。すなわち、上型1の凸部4が、投入部19に嵌り込むようにする。その状態で、上型1と、下型3および中間型2とが接近するように、両者に圧力をかけていく。それにより、投入部19に設置された成形材料20が凸部4により押されて、連結孔17を通って型部12に流動的に充填される。なお、この際上型1と、下型3および中間型2とが接近する速度(型締め速度)は、10mm/s以上が好ましい。これ以下の速度であると、投入部19から流動される成形材料20の流動性が著しく低下し、欠肉等の問題が発生する場合がある。
図4Dに示すように、型部12に成形材料20が完全に充填された状態で、締結部6および締結部11(図2参照)により、上型1と中間型2とを固定する。それにより、上型1と中間型2とが一体化される。
次に、図4Eに示すように、一体化された上型1および中間型2を、下型3より取り外す(開型)。なお、この際、締結部11(図2参照)および締結部16は開放されていて、中間型2と下型3とは分離される。一体化された上型1および中間型2をはずした後の下型3の、凸型成形部13、凸部14および投入部15上には、成形品21が残っている。ここで、エジェクターピン18を上方に押し上げることで、下型3より容易に成形品21を離型することができる。
図4Fには、成形品21が示されている。成形品21の内、投入部19と連結孔17により成形された不要な成形品22は、切断個所24で切断されて、製品23が完成する。
このように、実施の形態1の成形金型7において、成形材料20は、投入部19へ投入された後に、上型1の凸部4により圧力がかけられ、予め閉型された型部12へ流動充填される。成形材料20は、複数枚重なった状態で投入部19に充填される。そのため、成形材料20が凸部4により圧力がかけられて型部12へ流動充填される際に、成形材料20の内部温度はほとんど低下せずに、高い温度の状態で型部12へ流動充填される。それにより、型部12の表面が、成形材料20の樹脂により覆われた後に繊維が型部12内に充填される。そのため、従来問題になっていた繊維が成形品21の外部表面にほとんど現れることがなく、美しい外観の成形品21を得ることができる。
また、型部12内のすべてに成形材料20が確実に充填されるため、成形品21に欠損が生じない。また、成形材料20を流し込む型部12は、中間型2および下型3で形成されていて、これらが型締めされた状態で成形材料20が流し込まれる。つまり、凹型成形部8および凸型成形部13が正しく配置された状態で、成形材料20が流し込まれる。そのため、型部12の形状がずれることはなく、不良品ができる可能性が低い。したがって、成形品21の体積は常に一定であり、厚さ方向の寸法精度も良好である。
ここで、図5は実施の形態1の成形金型を用いて形成された成形品の構成を示す側断面図である。図5よりわかるように、樹脂28と繊維29により構成される成形品27において、繊維29が樹脂28の内部に存在していて、外部にほとんど露出していない。つまり、成形品27の表層(スキン層)は、樹脂リッチである。したがって、成形品27の外観品質は良い。また、厚さ方向の寸法精度も良好である。
さらに、型部12とは別の場所である投入部19に成形材料20を投入し、そこから成形材料20を流動的に型部12に充填させることで、成形品21を成形するので、型部12内に成形材料20が均等に充填され、穴形状を有する成形品や、細形状の成形品や、小型の成形品等も容易に成形できる。
また、投入部19は成形材料20を積層しなければ投入できないような大きさとしておくことが好ましい。それにより、成形材料20を積層して投入することになり、成形材料20の温度低下が少ない(図22参照)。そのため、成形材料20の流動性が高い。したがって、小さいプレス圧力でも成形が可能である。なお、プレス圧力とは、成形材料を成形する際にプレス方向にかける力のことである。また、このプレス圧力をプレス圧力がかかる面積で除したものを、面圧という。
ここで、実施の形態1の成形金型20における面圧は、成形する際のプレス圧力を投入部19の底面の面積で除した値である。また、従来のスタンピング成形の面圧は、成形する際のプレス圧力を、図19Cにおいて上型102の成形材料104と接触する個所の内、プレス方向に対して垂直な面の面積で除した値である。実施の形態1において、投入部19の底面の面積は型部12の面積に比べて小さく設計されているので、実施の形態1および従来の成形において、同一の型を成形する際に同一のプレス圧力をかけた場合は、実施の形態1における面圧の方が高くなる。つまり、実施の形態1の成形金型7は、小さいプレス圧力で大きな面圧を実現することができる。そのため、成形の際に成形材料20の流動性が高い。
薄物成形においては、大きな面圧が必要である。従来の成形においては、例えば、一般的には、成形する前のスタンピング材料の厚さの最低が2.0mmであり、成形品の厚さは1.8mm程度にしか薄くならなかった。しかし、実施の形態1においては、成形材料20の温度低下が少ないこと、および面圧が高いことにより、成形材料20の流動性が高いため、薄物品であっても容易に成形することができる。具体的には、成形品の厚さを1.2mmまで薄くできることが、実験で確認されている。
また、穴形状を有する成形品を製造する場合には、穴形状を形成するための穴を型部12に形成し、投入部19が、その穴内に配置されるような構造とすればよい。それにより、成形金型7の全体の大きさを小さくすることができ、成形金型7の材料費を低減することができる。
また、成形材料20の投入個所が投入部19に特定されているため、成形材料20の投入作業も単純化され、作業者の熟練度も不要であり自動化も可能となる。
また、投入部19と、凸部4で形成される不要な成形品22が、成形材料20であるスタンパブルシートと同様の平板形状(シート状)となるように投入部19および凸部4を設計することが好ましい。また、その平板形状の厚みT(図4D参照)が、元の加熱前のスタンパブルシートと同じになるように設計することがさらに好ましい。言い換えると、図4Dに示しているように、上型1と中間型2とが固定された状態で、投入部19を形成する面(投入部19の底面および側面)と凸部4とで囲まれている領域は、平板形状(シート状)とすることが好ましい。さらに、この領域の厚みが、元の加熱前のスタンパブルシートと同じとすることがさらに好ましい。
それにより、不要な成形品22を再び次の成形材料20として用いることが容易である。つまり、この不要な成形品22を再度、遠赤外線加熱炉により、バージンのスタンパブルシートとともに加熱溶融して、投入部19に設置して、成形品21を作製すればよい。不要な成形品22とバージンのスタンパブルシートとの大きさが同一であるため、不要な成形品22をバージンのスタンパブルシートと同様に扱うことができる。このように、成形の際に生じる成形材料のロスを再度成形に用いることができるので、効率よく成形を行うことができる。なお、不要な成形品22のうち、連結孔17によって形成された個所は取り除いて用いればよい。
図6は、実施の形態1で用いる成形材料の加熱回数に対する引張物性変化率の関係を示す図である。引張物性変化率とは、加熱処理を施していない成形材料の引張強度を基準として、加熱後の成形材料の引張強度を指数で示したものである。図6に示すように、実施の形態1で用いている成形材料20であるスタンパブルシートは、繰り返し加熱による引張物性の低下は見られない。つまり、上述のように、成形後に生じた不要な成形品22を再度成形材料として用いても、成形品21の質が劣化することはない。また、不要な成形品22が、成形材料20であるバージンのスタンパブルシートと同じ板厚であるため、同一加熱条件にて加熱溶融させることが可能であり、扱いやすい。
次に、上型1および中間型2と、中間型2および下型3とをそれぞれ固定する締結部6、11および16について説明する。量産性を考量すると、締結部6、11および16としてはスライドロック機構を用いることが好ましい。なお、スライドロック機構以外でもボルトによる固定や、ばねを利用したロック機構等を用いて、上型1および中間型2と、中間型2および下型3とをそれぞれ固定できる機構であればよい。
図7Aは実施の形態1の締結部であるスライド機構を説明するための図であり、下型と中間型とを固定した場合の成形金型の構成を示す側面図である。図7Aに示されるように、下型3上に中間型2が設置されている。中間型2の締結部11は、左右に移動可能なスライド棒11aを備えている。下型3の締結部16は、下型3上に中間型2が設置された状態において、スライド棒11aと同じ高さ位置に貫通孔を有しており、スライド棒11aを締結部16側にスライドさせて、締結部16の貫通孔に貫通させる。これにより、中間型2および下型3が固定されて一体化する。図7Aでは、中間型2および下型3の1つの面しか見えていないが、この面と対向する面にも締結部11および16は設置されているので、中間型2および下型3は2箇所で固定される。
図7Bは実施の形態1の締結部であるスライド機構を説明するための図であり、成形を行っている状態の成形金型の構成を示す側面図である。すなわち、上型1を中間型2および下型3上に設置して、圧力をかけている状態である。このときは、中間型2および下型3が固定されていればよいので、締結部11および16は上記図7Aで示した状態である。なお、上型1が中間型2上に完全に設置された場合に、上型1の締結部6は、スライド棒11aと同じ高さ位置に貫通孔を有している。
図7Cは実施の形態1の締結部であるスライド機構を説明するための図であり、開型を行う直前の成形金型の構成を示す側面図である。このときには、締結部16の貫通孔に貫通されているスライド棒11aを、締結部6側にスライドさせて、締結部6の貫通孔にスライド棒11aが貫通するようにする。これにより、上型1と中間型2とが固定されて一体化する。同時に、中間型2と下型3とは固定されなくなる。
図7Dは実施の形態1の締結部であるスライド機構を説明するための図であり、開型を行っている状態の成形金型の構成を示す側面図である。スライド棒11aが締結部6の貫通孔を貫通しているため、上型1および中間型2が一体化されているため、これらを容易に下型3と分離することができる。
次に、図7A〜図7Dに示した成形金型とは締結部が異なる構造である実施の形態1に係る他の成形金型について説明する。図8Aは実施の形態1に係る他の成形金型の締結部を説明するための図であり、各型が離れている状態を示す成形金型の正面断面図である。図8Bは実施の形態1に係る他の成形金型の締結部を説明するための図であり、下型と上型が閉型され、締結部によりそれらが固定された状態を示す成形金型の正面断面図である。なお、図8Aおよび図8Bにおいては見易さを考慮して、上型41、中間型42および下型43のみ断面図とし、他は正面図としている。
図8Aおよび図8Bに示すように、成形金型47は、上型41、中間型42および下型43を備えている。下型43には、可動ロッド44aを備えている締結部44が設置されている。可動ロッド44aは、図8Aに対して左右に移動が可能であり、先端が楔形である。また、可動ロッド44aには切欠き44bが形成されている。
中間型42には窪み42aが形成されている。窪み42aは、中間型42が下型43上に設置された状態で可動ロッド44aの先端が嵌るような位置に形成されている。また、中間型42は、その上側に突出した連結棒45と接続されていて、連結棒45の上端は上型41に形成された空間46に配置されている。連結棒45の上端は空間46の底部で引っかかり、連結棒45が空間46から抜けないようになっている。
上型41は、可動ロッド44aの切欠き44aに挿入されることで可動ロッド44aを左右に動かないように固定するための固定具41bと固定具41bの上端に配置された弾性体41aを備えている。
この成形金型47の動きについて説明する。図8Aに示しているように、中間型42と下型43とが閉型していない状態では、中間型42は、連結棒45を介して上型41に吊り下げられている。上型41が徐々に下りてきて、中間型42が下型43上に設置される。この状態では、中間型42が下型43上に設置されるのを阻害しないように、可動ロッド44aは下型43内部に収納されている。
図8Bに示しているように、中間型42が下型43上に設置されてから、上型41はさらに30mm程度下りてくる。それにより、連結棒45の上端は、空間46の底部ではなく、中間付近に位置している。このように、中間型42が下型43上に設置された状態で可動ロッド44aが移動し、その先端が中間型42に形成された窪み42aに嵌り込む。これにより、可動ロッド44aによって、下型43および中間型42とが固定(閉型)される。さらに、可動ロッド44aの切欠き44bに固定具41bが嵌り込み、可動ロッド44aが窪み42aから抜けないようにする。固定具41bは、弾性体41aにより下方に向けて力がかかっているため、切欠き44bから容易に抜けることはない。なお、可動ロッド44aの移動は、例えば油圧により行われることとすればよい。
以上のように、実施の形態1に係る他の成形金型47においては、中間型42と下型43とが固定される。なお、中間型42と下型43との一体化について説明したが、例えば、同様の機構で上型41と中間型42とを一体化することもできる。
以上、実施の形態1の成形金型およびそれを用いた成形品の製造方法について説明した。次に、成形金型を用いて成形を実現するための、実施の形態1の成形装置について説明する。図9は、実施の形態1に係る成形装置の構成を示す側断面図である。実施の形態1の成形装置30は、本体台座31、下型プレート32、可動台座33、上型プレート34、プレス本体35および実施の形態1の成形金型7を備えている。プレス本体35内に、本体台座31、下型プレート32、可動台座33および上型プレート34が設置されている。本体台座31上に下型プレート32が設置されていて、その上に、下型3が設置される。
可動台座33は、上下に可動であり、プレス本体35内の上方に設置されている。プレス本体35の下部には上型プレート34が設置されている。上型プレート34には、上型1が設置されている。実施の形態1に係る成形装置30は、可動台座33を上下させることにより、上型1を上下動させる。図9に示すように、下型3の上には中間型2が設置されて閉型され、成形材料20が投入部19に投入されている。この状態で、可動台座33を下方に動かして、図4Dに示すように、上型1を中間型2に密着させていき、凸部4にて成形材料20に所定のプレス圧力をかけ成形する。これにより、上述した成形品が作製される。
実施の形態1の成形装置30は、実施の形態1の成形金型7を備えているので、外観品質および精度の高い成形品を作製することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る成形金型について図を用いて説明する。図10Aは実施の形態2に係る成形金型の上型の構成を示す斜視図である。また、図10Bは実施の形態2に係る成形金型の中間型の構成を示す斜視図である。また、図10Cは実施の形態2に係る成形金型の下型の構成を示す斜視図である。実施の形態2の成形金型は、成形材料を押し出す投入部(中間型貫通孔10aおよび下型投入部15a)においても、製品である成形品を成形することができる。
図10Aに示すように、上型(注入部)1aは、凸部4aを有している。成形品作製の際に、凸部4aにより成形材料に圧力をかける。
図10Bに示すように、中間型2aは、凹型成形部8aと、中間型貫通孔10aと、凹型成形部8aと中間型貫通孔10aとを接続するように形成された溝9aとを有している。
図10Cに示すように、下型3aは、凸型成形部13aと、下型投入部15aとを有している。
なお、下型3a、中間型2aおよび上型1aは、順次重ねて設置することで型締めされる。これらを設置した状態で、中間型貫通孔10aと下型投入部15aとは一体となり、投入部を形成する。この投入部に凸部4aが嵌るようになっている。また、凹型成形部8aには凸型成形部13aが嵌り、第1の型部を形成するような配置とされる。また、投入部に凸部4aが嵌った状態で、投入部と凸部4aとは第2の型部を形成している。
これら、上型1a、中間型2aおよび下型3aからなる成形金型を用いて、成形品を製造する方法について説明する。凹型成形部8aに凸型成形部13aが嵌るように、下型3a上に中間型2aを設置して型締めする。なお、実施の形態1と同様に、下型3aおよび中間型2aを型締めするための締結部が実際には設置されているが、図示および説明は省略する。また、同様に、上型1aおよび中間型2aを一体化するための締結部が実際には設置されているが、図示および説明は省略する。中間型貫通孔10aおよび下型投入部15aで形成された投入部に、加熱溶融させたスタンパブルシートである成形材料を積層設置する。次に、投入部に凸部4aが嵌るように、中間型2aおよび下型3a上に上型1aを設置し、凸部4aにより投入部内の成形材料に圧力をかける。成形材料は、溝9aにより形成された連結孔を通って凹型成形部8aおよび凸型成形部13aにより形成されている第1の型部内に充填されて、成形品が形成される。同時に、凸部4aと投入部(中間型投入部および下型投入部15a)とによって形成された第2の型部により成形品が形成される。図11は、実施の形態2の成形金型を用いて形成された成形品の構成を示す斜視図である。図11に示す成形品21aを、切断個所24aで切断して、2つの製品23aが完成する。なお、成形品21aの外観品質は良く、厚さ方向の寸法精度も良好である。
実施の形態2の成形金型は、実施の形態1の成形金型と同様の効果に加え、このように、同時に2つの製品23aを作製することができるという効果を奏する。
なお、実施の形態1の成形装置において、実施の形態1の成形金型の代わりに実施の形態2の成形金型を設置してもよい。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る成形金型について図を用いて説明する。図12Aは実施の形態3に係る成形金型の上型の構成を示す斜視図である。また、図12Bは実施の形態3に係る成形金型の中間型の構成を示す斜視図である。また、図12Cは実施の形態3に係る成形金型の下型の構成を示す斜視図である。実施の形態3の成形金型は、1つの投入部に2つの型部が連結されている。
図12Aに示すように、上型(注入部)1bは、凸部4bを有している。成形の際に、凸部4bにより成形材料に圧力をかける。
図12Bに示すように、中間型2bは、2つの凹型成形部8bと、中間型貫通孔10bと、各凹型成形部8bと中間型貫通孔10bとを接続するように形成された2つの溝9bとを有している。
図12Cに示すように、下型3bは、2つの凸型成形部13bと、下型投入部15bを有している。
なお、下型3b、中間型2bおよび上型1bは、順次重ねて設置することで型締めされる。これらを設置した状態で、中間型貫通孔10bと下型投入部15bとは一体となり、投入部を形成し、この投入部に、凸部4bが嵌る。また、2つの凹型成形部8bにはそれぞれ2つの凸型成形部13bが嵌り、それぞれが2つの型部を形成するような配置とされる。
これら、上型1b、中間型2bおよび下型3bからなる成形金型を用いて、成形品を製造する方法について説明する。各凹型成形部8bに各凸型成形部13bが嵌るように、下型3b上に中間型2bを設置して型締めする。なお、実施の形態1と同様に、下型3bおよび中間型2bを型締めするための締結部が実際には設置されているが、図示および説明は省略する。また、同様に、上型1bおよび中間型2bを一体化するための締結部が実際には設置されているが、図示および説明は省略する。中間型貫通孔10bおよび下型投入部15bで形成された投入部に、加熱溶融させたスタンパブルシートである成形材料を積層設置する。次に、投入部に凸部4bが嵌るように、中間型2bおよび下型3b上に上型1bを設置し、凸部4bにより投入部内の成形材料に圧力をかける。成形材料は、各溝9bにより形成された連結孔を通って各凹型成形部8bおよび各凸型成形部13bにより形成されている2つの型部内に充填されて、成形品が形成される。図13は、実施の形態3の成形金型を用いて形成された成形品の構成を示す斜視図である。図13に示す成形品21bを、切断個所24bで切断して、2つの製品23bが完成する。なお、成形品21bの外観品質は良く、厚さ方向の寸法精度も良好である。
実施の形態3の成形金型は、実施の形態1の成形金型と同様の効果に加え、このように、同時に2つの製品23bを作製することができるという効果を奏する。なお、凹型成形部8bおよび凸型成形部13bをそれぞれ2つ以上としてもよい。それにより、一度の成形工程において、一度に複数の製品を作成することができる。
なお、実施の形態1の成形装置において、実施の形態1の成形金型の代わりに実施の形態3の成形金型を設置してもよい。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る成形金型について図を用いて説明する。図14Aは実施の形態4に係る成形金型の上型の構成を示す斜視図である。また、図14Bは実施の形態4に係る成形金型の中間型の構成を示す斜視図である。また、図14Cは実施の形態4に係る成形金型の下型の構成を示す斜視図である。実施の形態4の成形金型は、1つの型部に3つの投入部が連結されている。
図14Aに示すように、上型1cは、3つの凸部4cを有している。成形の際に、凸部4cにより成形材料に圧力をかける。
図14Bに示すように、中間型2cは、凹型成形部8cと、3つの中間型貫通孔10cと、各中間型貫通孔10cと凹型成形部8cとを接続するように形成された3つの溝9cとを有している。
図14Cに示すように、下型3cは、凸型成形部13cと、凸型成形部13cとを接続する3つの凸部14cと、3つの下型投入部15cを有している。
なお、下型3c、中間型2cおよび上型1cは、順次重ねて設置することで型締めされる。これらを設置した状態で、各中間型貫通孔10cと各下型投入部15cとは一体となり、3つの投入部を形成し、この投入部に、各凸部4cが嵌る。また、凹型成形部8cには凸型成形部13cが嵌り、型部を形成するような配置とされる。
これら、上型1c、中間型2cおよび下型3cからなる成形金型を用いて、成形品を製造する方法について説明する。凹型成形部8cに凸型成形部13cが嵌るように、下型3c上に中間型2cを設置して型締めする。なお、このとき各溝9cには各凸部14cが嵌る。なお、実施の形態1と同様に、下型3cおよび中間型2cを型締めするための締結部が実際には設置されているが、図示および説明は省略する。また、同様に、上型1cおよび中間型2cを一体化するための締結部が実際には設置されているが、図示および説明は省略する。各中間型貫通孔10cおよび各下型投入部15cで形成された3つの投入部に、加熱溶融させたスタンパブルシートである成形材料をそれぞれ積層設置する。次に、各投入部に各凸部4cが嵌るように、中間型2cおよび下型3c上に上型1cを設置し、各凸部4cにより各投入部内の成形材料に圧力をかける。成形材料は、各溝9cと各凸部14cとによって形成された連結孔を通って凹型成形部8cおよび凸型成形部13cにより形成されている型部内に充填されて、成形品が形成される。なお、この成形品の外観品質は良く、厚さ方向の寸法精度も良好である。また、複数の個所から型部に成形材料が充填されるため、均等に充填される。したがって、欠損等が生じにくい。
実施の形態4の成形金型は、複数個の個所から成形材料が型部に充填されるような構造であるため、実施の形態1の成形金型と同様の効果に加え、成形品が大型である場合に特に精度の高い成形品を作製することができるという効果を奏する。なお、投入部および凸部4cの数は3個に限られるわけではなく、その他の数でもかまわない。
なお、実施の形態1の成形装置において、実施の形態1の成形金型の代わりに実施の形態4の成形金型を設置してもよい。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係る成形金型および成形品の製造方法について説明する。図15は、実施の形態5に係る成形金型の構成を示す断面図である。また、図16A〜図16Dは、実施の形態5に係る成形品の製造方法を示す各断面工程図である。また、図16Eは、実施の形態5の成形品の製造方法で成形された成形品を示す断面図である。実施の形態5に係る成形金型は補強材を内部に備えた成形品を作製するための成形金型である。
実施の形態5の成形金型7dは、図1、図2および図3で示した実施の形態1の成形金型に、繊維布25を固定するためのピン26が追加された構成である。そこで、図15においては、図1、図2および図3で示した実施の形態1の成形金型と同一の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
図15に示すように、実施の形態5の成形金型7dの内、中間型2は、繊維布(補強材)25を固定するためのピン26を備えている。ピン26は、通常は中間型2中に収納されているが、例えば油圧等の機構により凹型成形部8から突出することができる。
図16Aに示すように、中間型2を下型3上に凹型成形部8が凸型成形部13に嵌るように設置する。凸型成形部13と凹型成形部8との間に形成された空間である型部12に成形材料が充填されて、成形材料は所望の形に成形される。さらに、型部12には、繊維布25を予め設置しておく。繊維布25は、例えば、不織布やクロス布等である。また、その繊維の形態は、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維等とすればよい。ピン26が突出した状態として、繊維布25を定位置に固定している。この状態で、締結部11および16を用いて、中間型2と下型3とを締結して固定する(型締め)。さらに、投入部19に、成形材料20を積層して設置する。
次に、図16Bに示すように、下型3および中間型2上に上型1を、上型1の凸部4が、投入部19に嵌り込むように設置する。その状態で、凸部4が成形材料20を押すように、下型3および中間型2と、上型1とに圧力をかけていく。それにより、投入部19に設置された成形材料20が凸部4により押されて、凸部14と溝9との間に形成された空間である連結孔17を通って、型部12に流動的に充填される。
図16Cに示すように、型部12に成形材料20が完全に充填された状態まで、圧力をかける。なお、ピン26は、型部12内に成形材料20が充填されると、中間型2内に収納すればよい(図示せず)。それにより、繊維布25は所定の位置に固定され、かつピン26による欠損も生じない。
次に、図16Dに示すように、一体化された上型1および中間型2を、下型3より取り外す(開型)。一体化された上型1および中間型2をはずした後の下側3上には、繊維布25を内蔵した成形品21dが残っている。
図16Eには、成形品21dが示されている。成形品21dの内、投入部19と凸部4により成形された不要な成形品22は、切断個所24で切断されて、繊維布25を内蔵した製品23dが完成する。
このように、型部12内に予め繊維布25を設置しておき、投入部19より連結孔17を介して、成形材料20を型部12内部に注入することで、繊維布25を内蔵した成形品21dを容易に作製することができる。なお、成形品21dの外観品質は良く、厚さ方向の寸法精度も良好である。
なお、繊維布25は、補強用として製品23dの内部に設置したが、意匠用として繊維布25を製品23dに内蔵させてもよい。
実施の形態5では、不織布やクロス布等の繊維布25を補強材として用いたが、繊維布25の代わりに、金属、樹脂、繊維布を熱可塑性樹脂に含浸させたものを加熱溶融したシート材および加熱溶融したスタンパブルシート材等を用いてもよい。これにより、補強材を内蔵した、強度の高い成形品を容易に製造することができる。また、所定の形状または所定の模様等を有する補強材を用いることで、模様等が形成された成形品を製造することができる。
実施の形態5の成形金型は、実施の形態1の成形金型と同様の効果に加え、このように、繊維布を内蔵した成形品を成形することができるという効果を奏する。
なお、実施の形態1の成形装置において、実施の形態1の成形金型の代わりに実施の形態5の成形金型を設置してもよい。
以上、実施の形態1〜5について説明したが、具体的に示した、部品の構造は、あくまでも一例であり、本発明はこれらの具体例のみに限定されるものではない。例えば、成形材料としては、長繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシートを用いたが、長繊維が複合されていないシート状の熱可塑性スタンピング成形材料を用いてもよい。
以下に、本発明に係る成形金型を用いて実際に作製した製品(実施例1および2)と、従来の成形金型を用いて作製した製品(比較例1および2)とを比較した結果をまとめた。
図17Aは実施例1および2に用いた成形金型の下型の構成を示す斜視図である。また、図17Bは実施例1および2に用いた成形金型の中間型の構成を示す斜視図である。また、図17Cは実施例1および2に用いた成形金型の上型の構成を示す斜視図である。
実施例1の製品は、図17A〜図17Cに示す成形金型(上型1e、中間型2eおよび下型3e)を用いて作製した。成形材料である長繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシートは、L(縦):126mm×W(横):60mm×T(厚さ):3.8mmの大きさのものを5枚用いた。これらを遠赤外線加熱炉にて加熱後、図17A〜図17Cに示した成形金型を用いて、型締め速度を25mm/sとし、プレス圧力(型締め力)を196×10Nとして、実施例1の製品を作製した。
実施例2の製品は、図17A〜図17Cに示す成形金型(上型1e、中間型2eおよび下型3e)を用いて作製した。成形材料である長繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシートは、L:126mm×W:60mm×T:3.8mmの大きさのものを4枚用いた。これらを遠赤外線加熱炉にて加熱後、図17A〜図17Cに示した成形金型を用いて、型締め速度を25mm/sとし、プレス圧力(型締め力)を196×10Nとして、実施例2の製品を作製した。
(比較例1)
図18Aは比較例1および2に用いた成形金型の下型の構成を示す斜視図である。また、図18Bは比較例1および2に用いた成形金型の上型の構成を示す斜視図である。
比較例1の製品は、図18Aおよび図18Bに示す成形金型(上型103eおよび下型102e)を用いて作製した。成形材料である長繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシートは、L:150mm×W:100mm×T:3.8mmの大きさのものを2枚用いた。これらを遠赤外線加熱炉にて加熱後、図18Aおよび図18Bに示した成形金型を用いて、型締め速度を25mm/sとし、プレス圧力(型締め力)を196×10Nとして、比較例1の製品を作製した。
(比較例2)
比較例2の製品は、図18Aおよび図18Bに示す成形金型を用いて作製した。成形材料である長繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシートは、L:125mm×W:100mm×T:3.8mmの大きさのものを2枚用いた。これらを遠赤外線加熱炉にて加熱後、図18Aおよび図18Bに示した成形金型を用いて、型締め速度を25mm/sとし、プレス圧力(型締め力)を196×10Nとして、比較例2の製品を作製した。
以上、実施例1および2、比較例1および2の製品についての評価結果を表1にまとめた。
Figure 2006016609
表1から、以下のことが分かる。実施例1および比較例1ともに板厚1.8mmの製品を得ているが、実施例1の製品は外観性において繊維浮き出しがなく良好であるのに対し、比較例1の製品は繊維の浮き出しが著しく外観性に劣る。また、実施例2は、比較例2と同じプレス圧力であるにも関わらず、板厚で1.3mmの製品を得ており、かつ、実施例2の製品は外観性において繊維浮き出しがなく良好であるのに対し、比較例2の製品は繊維の浮き出しが著しく外観性に劣る。なお、比較例2の製品は、大幅な欠肉が見られた。
このような、実施例1および2の製品と比較例1および2の製品との賦形性の違いは、面圧が大きく異なることに起因すると考えられる。なお、面圧とは上述のように、プレス圧力をプレス圧力がかかる面積で除したものである。表1に示しているように、実施例1および2において面圧が比較例1および2の3.8倍にも達している。
また、このような、実施例1および2の製品と比較例1および2の製品との外観の違いは、実施例1および2の製品では成形材料が流動的に型内に充填され成形されているにもかかわらず、比較例1および2の製品では成形材料が流動することなく成形されていることにより生じていると考えられる。つまり、比較例1および2の製品は、成形材料表面に現れた繊維が再被膜されず、そのまま成形部表面に現れるため、外観性が損なわれている。
本発明によるスタンピング成形金型、スタンピング成形装置およびスタンピング成形品の製造方法を用いることで、外観品質が良く、かつ寸法精度が高いスタンピング成形を行えるので、さらに幅広い分野でスタンピング成形品を利用することができる。また、本発明によるスタンピング成形品は、外観品質が良く、かつ寸法精度が高いため、幅広い分野で利用することができる。

Claims (13)

  1. 熱可塑性スタンピング成形材料を成形する型部を内部に有し、前記熱可塑性スタンピング成形材料が投入される投入部と、前記型部と前記投入部とを連結する連結孔とを備えた成形部と、
    前記投入部に挿入される凸部を有する注入部とを備え、
    前記凸部は、前記投入部に投入された前記熱可塑性スタンピング成形材料に圧力をかけて、前記連結孔を介して前記熱可塑性スタンピング成形材料を前記型部に充填させるスタンピング成形金型。
  2. 前記凸部と前記凸部が挿入されている前記投入部とが、前記型部とは異なる型部を構成している請求項1に記載のスタンピング成形金型。
  3. 1つの前記型部と複数の前記投入部とが、複数の前記連結孔により連結されている請求項1に記載のスタンピング成形金型。
  4. 1つの前記投入部と複数の前記型部とが、複数の前記連結孔により連結されている請求項1に記載のスタンピング成形金型。
  5. 前記成形部は複数の部材で構成され、前記各部材同士を固定する締結部を有している請求項1に記載のスタンピング成形金型。
  6. 前記成形部は、前記型部内において、補強材を固定させるための出し入れ可能なピンを備えている請求項1に記載のスタンピング成形金型。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のスタンピング成形金型を備えたスタンピング成形装置。
  8. 熱可塑性スタンピング成形材料を成形するための型部と連結孔により連結された投入部に、加熱溶融された前記熱可塑性スタンピング成形材料を投入し、
    前記連結孔を介して、前記熱可塑性スタンピング成形材料を前記投入部から前記型部内に注入して、前記熱可塑性スタンピング成形材料を成形するスタンピング成形品の製造方法。
  9. 前記投入部に前記熱可塑性スタンピング成形材料からなる複数のシートを積層し、前記投入部に凸部を挿入し、前記凸部により前記複数のシートに圧力をかけて、前記連結孔を介して前記熱可塑性スタンピング成形材料を前記投入部から前記型部に注入し成形した場合に、
    前記投入部に残っている前記熱可塑性スタンピング成形材料はシート状である請求項8に記載のスタンピング成形品の製造方法。
  10. 前記投入部に残っている前記熱可塑性スタンピング成形材料の厚さは、前記シートの1つの厚さと同一である請求項9に記載のスタンピング成形品の製造方法。
  11. 前記熱可塑性スタンピング成形材料には、長繊維が複合されている請求項8に記載のスタンピング成形品の製造方法。
  12. 前記型部内に予め補強材を設置してから、前記熱可塑性スタンピング成形材料を前記型部内に注入する請求項8に記載のスタンピング成形品の製造方法。
  13. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のスタンピング成形金型により、成形されたスタンピング成形品。
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