JPWO2006001542A1 - 毒素中和性ペプチドのスクリーニング方法とstx2阻害性ペプチド並びにベロ毒素中和剤 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明はSTX2阻害性ペプチドとベロ毒素中和剤に関するものである。さらに詳しくは、ベロ毒素の細胞への接着を競合的に阻害してベロ毒素を効果的に阻害することのできるSTX2阻害性ペプチドと、経口投与も可能な新しいベロ毒素中和剤に関するものである。
そして、このような志賀様毒素は二種類存在し、これらの毒素が出血性大腸炎やその後の一連の微小血管障害である重症合併症〔たとえば、溶血性尿毒症症候群(HUS)〕などを引き起こす。STX1として表記される毒素は、志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae Type I)の産生する志賀毒素とアミノ酸配列が同一である。一方、STX2と表記される毒素は、STX1とアミノ酸配列が50〜60%の相同性が認められている。これらの毒性は、そのアミノ酸配列のわずかな違いがあるものの、タンパク質合成阻害による細胞毒性や腸管毒性などの活性を示す。Stxは、二種類のサブユニット(AとB)から構成されるAB5型の毒素であり、Aサブユニット1分子の周りにBサブユニット5分子が疎水性結合により取り囲んでいる。毒素活性を担っているのがAサブユニットであり、Bサブユニットは、細胞表層上に存在する糖鎖受容体に結合する役目を担っている。毒素のX線結晶構造解析などによる詳細な検討により、Bサブユニット1分子中に糖鎖の結合部位が3ケ所存在していることが解明されてきている。すなわち、1分子中のSTX2中には、5分子のBサブユニットが存在することから、合計15箇所の結合部位を提示していると推定される。
すなわち、STXはSTX1,2の2つのファミリーに分類されるが、重篤な合併症を引き起こすのはSTX2産生菌がほとんどであり、臨床的にはSTX2のほうがより重要である。従って、STX2に対する阻害剤の開発が急務である。これらSTXはA−B5型の毒素で、Bサブユニットが細胞膜上の受容体、Gb3(globotriaosylceramide:Galα(1−4)−Galβ(1−4)−Glcβ1−Ceramide)に結合することにより細胞内に取り込まれる。またBサブユニットペンタマーはGb3の糖鎖部(グロボ3糖:Galα(1−4)−Galβ(1−4)−Glcβ1−)を特異的に認識する。従って、グロボ3糖を高密度で集積させた化合物は、STXに高親和性で結合し、その作用を阻害するSTX阻害剤となりうる。
このような毒素のサブユニット構成とその機能が解明されるにともなって、細胞表層上の糖鎖受容体への結合機能を有しているBサブユニットの結合を選択的に阻害する方法が注目され、様々な観点からの検討が進められている。
この出願の発明者も前記のような毒素の糖鎖結合部位に対して効果的に糖鎖を結合させ、毒素の宿主細胞への接着を阻害する人工糖鎖クラスターの構築を行ってきた。そして、これまでに、カルボシランを糖鎖担持骨格としたデンドリマー型化合物群や、水溶性のポリマー化合物を提案している(特許文献1−2、非特許文献1)。
たとえば、次式で表わされるSUPER TWIG(1)6等である。このものはO157:H7感染実験において有効性が証明された初めての化合物である。
SUPER TWIGをはじめ、これまでのSTX阻害剤開発は、生体内における阻害活性を発揮させるためにSTX結合ユニットであるグロボ3糖をいかに集積させるか、というコンセプトに基づいていた。しかしながら、グロボ3糖単独でのSTXとの親和性(Kd)は10−3Mと必ずしも高くはなく、またその化学合成は非常に困難である。このことが臨床応用のための大きな障害となっている。従って臨床応用可能な治療薬開発のためには、グロボ3糖よりも合成が容易で、STXに対する結合能力に優れた新たなSTX結合ユニットの開発が必要である。
そしてまた、以上のような課題は、ベロ毒素特有のものではなく、ベロ毒素STXの他に受容体結合部がサブユニット構造をもつと考えられるコレラ毒素(A−B5型)受容体:GM1、毒素原性大腸菌易熱性下痢原因毒素LT(A−B5型)受容体:GM1、百日咳毒素(A−B5型)受容体、炭疽菌毒素(7量体型)受容体:VWAドメインを有する蛋白(anthrax toxin receptor)等の場合には共通すると推察される。
このような状況において、この出願の発明者は、これら毒素のレセプターとしての処方物質を構築すべく検討を進めてきた。
また、本発明は、発明者によるこれまでの検討を踏まえ、合成が容易で、ベロ毒素を効果的に阻害することのできる新しいSTX阻害剤、すなわちベロ毒素中和剤を提供することを課題としている。
この出願の発明者は、前記課題を解決するために、毒素中和性のペプチドを実現することの可能性について検討を進めてきた。ペプチドへの着目は、合成が比較的容易であることと、一般に、薬物としての適用に際して安全性が高いということが大きな理由であった。
そして、発明者による鋭意検討の結果から、この出願は、前記の課題を解決するものとして、まず、以下の毒素中和性ペプチドのスクリーニング方法を提供し、さらにより具体的に、STX2阻害性ペプチドとベロ毒素中和剤を提供するものである。
第1:受容体結合部が複数のサブユニット構造をもつ毒素を中和することのできるペプチドのスクリーニング方法であって、次のステップ;
(1)ミューテーションの導入による受容体結合サイトの特定
(2)ペプチドライブラリー法により野性型サブユニットに結合するペプチドモチーフと前記結合サイトが機能的に欠損したミュータントに結合するペプチドモチーフとの対比によるアミノ酸選択比に基づく結合サイト特異性ペプチドモチーフの特定を含むことを特徴とする毒素中和性ペプチドのスクリーニング方法。
第2:前記(2)のステップを複数回行い、順次にアミノ酸選択比のより高い結合サイト特異性ペプチドモチーフを特定することを特徴とする毒素中和性ペプチドのスクリーニング方法。
第3:前記(2)のステップにおいては、リジン(Lys)を複数個結合した核構造を形成し、その末端アミノ酸に複数個のペプチドライブラリーを結合した、多価の一次ペプチドライブラリーを用いることを特徴とする毒素中和性ペプチドのスクリーニング方法。
第4:前記多価の一次ペプチドライブラリーにおいては、ペプチドライブラリーはスペーサー分子を介して末端アミノ基に結合していることを特徴とする毒素中和性ペプチドのスクリーニング方法。
第5:リジン(Lys)3分子がペプチド結合された分子核構造部に、少なくとも7個のアミノ酸のペプチド結合によって構成されるペプチドモチーフであって、その配列において、少なくとも2個の塩基性アミノ酸が結合したクラスター部を2箇所有し、C−末端側が塩基性アミノ酸であるペプチドモチーフが組込まれていることを特徴とするSTX2阻害性ペプチド。
第6:クラスター部の塩基性アミノ酸として少なくともアルギニン(Arg)を含むことを特徴とするSTX2阻害性ペプチド。
第7:クラスター部がArg−ArgまたはArg−Arg−Asnであることを特徴とするSTX2阻害性ペプチド。
第8:N−末端側が疎水性アミノ酸であることを特徴とするSTX2阻害性ペプチド。
第9:リジン(Lys)3分子がペプチド結合された分子核構造部に、次の4種のアミノ酸配列のペプチドモチーフのいずれかが組込まれていることを特徴とするSTX2阻害性ペプチド。
(1)FRRNRRN(配列番号1)
(2)PPPRRRR(配列番号2)
(3)PPRRNRR(配列番号3)
(4)KRRNPRR(配列番号4)
第10:ペプチドモチーフがスペーサー分子を介して組込まれていることを特徴とするSTX2阻害性ペプチド。
第11:スペーサー分子は、ペプチドまたはアミノ基とカルボキシル基とを有し、炭素数4〜10の炭化水素鎖構造を持つ分子によるものであることを特徴とするSTX2阻害性ペプチド。
第12:ペプチドモチーフが末端修飾分子を有していることを特徴とするSTX2阻害性ペプチド。
第13:末端修飾分子は電荷を有していない分子によるものであることを特徴とするSTX2阻害性ペプチド。
第14:ペプチドモチーフは、アミノ酸シーケンス用分子を有していてもよいことを特徴とするSTX2阻害性ペプチド。
第15:次式(a)(b)
(Met−Ala−Xo−Ala−AHA−)4−3Lys (a)
(acetyl−Xo−AHA−)4−3Lys (b)
〔式中のAHAは、アミノ−ヘキサンカルボン酸基を示し、Xoは、前記ペプチドモチーフ(1)(2)(3)(4)のいずれかを示し、3Lysは、次式(1)
の構造を示している。〕
のいずれかで表わされるSTX2阻害性ペプチド。
第16.前記いずれかのペプチドを有効成分として含有することを特徴とするベロ毒素中和剤。
図2は、ペプチドモチーフ(2)PPPRRRR(配列番号2)化合物のマススペクトル図である。
図3は、ペプチドモチーフ(3)PPRRNRR(配列番号3)化合物のマススペクトル図である。
図4は、ペプチドモチーフ(4)KRRNPRR(配列番号4)化合物のマススペクトル図である。
図5は、ペプチドモチーフを有していないMet−Ala化合物のマススペクトル図である。
図6は、STX2B−subunitに対する親和性を例示した図である。
図7は、Vero細胞に対するSTX2の細胞毒性の阻害効果を例示した図である。
<毒素中和性ペプチドのスクリーニング>
まず基本的なことは、本発明の毒素中和性ペプチドのスクリーンニング方法においては、前記第1の発明のように、次のステップ;
(1)ミューテーションの導入による受容体結合サイトの特定
(2)ペプチドライブラリー法により野性型サブユニットに結合するペプチドモチーフ
と前記結合サイトが機能的に欠損したミュータントに結合するペプチドモチーフとの対比によるアミノ選択比に基づく結合サイト特異性ペプチドモチーフの特定を含んでいることである。
より好適な形態としては、
前記(2)のステップはこれを複数回行い、順次にアミノ酸選択比のより高い結合サイト特異性ペプチドモチーフを特定することが考慮される。
また、サブユニットと受容体間の結合にはクラスター効果が存在するとの知見が得られていることから、前記(2)のステップのための初期(一次)ペプチドライブラリーは、このクラスター効果に対応するものとして、アミノ酸の複数個の結合による核構造をもつものとすることが望ましい。
このような核構造については、たとえばその設計や合成の容易性、そしてなによりも実際的なクラスター効果のための分子サイズの観点から、リジン(Lys)を複数個、たとえば好適には2〜5個結合したものを用い、ペプチドライブラリー自体を多価にしたものとすることが考慮される。
すなわち、前記(2)のステップにおいては、リジン(Lys)を複数個結合した核構造を形成し、その末端アミノ酸に複数個のペプチドライブラリーを結合した、多価の一次ペプチドライブラリーを用いることである。この多価の一次ペプチドライブラリーにおいては、ペプチドライブラリーはスペーサー分子を介して末端アミノ基に結合していてもよい。この場合、たとえばスペーサー分子は、ペプチドまたはアミノ基とカルボキシル基とを有し、炭素数4〜10の炭化水素鎖構造を持つ分子によるものとすることが好適な例の一つとして示される。
また、前記のステップ(1)における受容体結合サイトの特定は、公知のものとして対応してもよいし、実際に異変を導入し受容体との結合に及ぼす影響が大きいサイトとして特定してもよい。この出願の発明者らによれば、ベロ毒素STXの場合には、受容体の結合サイトの特定は、グロボ3糖の結合としてすでに見出されている。
<ベロ毒素中和性ペプチドのスクリーニングとSTX2阻害性ペプチド>
そこで、以下にベロ毒素を阻害ペプチドのスクリーニングについての例を示し、さらに詳しく本発明について説明する。
O157:H7などの腸管出血性大腸菌の感染は出血性大腸炎をひき起こすばかりでなく、時に溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症を併発させ、むしろこれらの合併症が患者を死いたらしめる大きな原因となっている。ベロ毒素(Shiga toxin;Stx)は腸管出血性大腸菌の産生する主要な病原因子であり、血中に侵入したベロ毒素による腎や脳の微小血管内皮の障害が前記合併症の原因と考えられている。従って、腸管内で産生されたSTXを強力に吸着してSTXの血中への侵入を阻害するSTX吸着剤や、すでに血中に侵入したごく微量のSTXに結合してその作用を阻害するSTX中和剤は、腸管出血性大腸菌感染症の有効な治療薬になると期待される。
このような大腸菌ベロ毒素中和性のペプチドのスクリーニングに際しては、発明者による前記のSUPER TWIG(1)6についての分子構造と作用機序との関係についての詳細な検討を踏まえることができる。
以下、詳細に説明する。
1)SUPER TWIG(1)6のSTX1B及び2B−subunitに対する結合サイトの同定
一つのB−subunit monomer上にはサイト1、2、3と名付けられた3種類のグロボ3糖結合サイトが存在する。従って、B−subunit pentamerでは計15個のグロボ3糖が結合しうることが知られている。新しいSTX結合ユニットを開発するためには、まずどのサイトを標的とするかが非常に問題となる。そこで、各サイトにsingle,double,triplemutationを導入して各種mutant B−subunitを調製し、これらmutantとSUPER TWIG(1)6との結合親和性を比較検討した。その結果、SUPER TWIG(1)6とSTX1B−subunitとの結合には「サイト1及び2」または「サイト3単独」が使用されていること、またSTX2B−subunitとの結合には「サイト3単独」が使用されるのみであることが明らかとなった。つまり、臨床的にもより重要なSTX2に対す新規結合ユニットを開発するためには、サイト3を標的にすればよいことが判った。
2)新規なSTX結合ユニットの開発
臨床的な重要性、ならびに前記1)で明らかにされた結合サイトの特異性を考え、STX2B−subunitに結合し、STX2の毒性を阻害することのできる新しい物質をペプチド構造を有するものとして探索することにした。このペプチドへの着目は、その合成が比較的容易であって、一般的に医薬としての適用にも大きな障害がないことが、さらには、そのバリエーション、誘導体の展開についても可能性が大きいことが主要な理由であった。
このような観点からの活性ペプチドの探索のために、ペプチドライブラリーの新しい展開を行った。
すなわち、1)で得られた知見に基づき、wild type STX2B−subunitに結合するペプチドモチーフから、サイト3が機能的に欠損したmutant STX2B−subunitに結合するペプチドモチーフをサブトラクトすることにより、STX2B−subunitのサイト3特異的な結合モチーフを決定することとした。
すなわち、まず、発明者は、すでにprotein kinaseの触媒部位などの機能ドメインに対して直接結合モチーフを決定する方法、ペプチドライブラリー法を開発している(K.Nishikawa et al.,Mol,Cell,6,969−2000)。そこで、このペプチドライブラリー法の知見を踏まえて、ベロ毒素中和剤においては、前記のとおりのBサブユニットペンタマーとグロボ3糖間の結合にはクラスター効果が存在することを利用し、ペプチドライブラリー自体を多価にした新たな概念に基づいたペプチドライブラリーを開発した。
まず、前記のSUPER TWIG(1)6における核分子構造のサイズ等を考慮して、ペプチドライブラリーを多価にするために使用する核構造として、次式
で表わされるリジン(Lys)を3個結合させた構造を用い、スペーサーを介して4個のペプチドライブラリーを結合した化合物を合成した。この化合物は、前記式におけるLys核分子構造における末端アミノ基に、次式
MAXXXXA−AHA−(配列番号5)
で表わされる4個のペプチドライブラリー(Xaa−Xaa−Xaa−Xaa)を結合したもの:(MAXXXXA−AHA)4−3Lysである。この化合物については、式中のAHAは、amino−hexanoic acidを示しており、スペーサー分子を構成している。
AHA(amino−hexanoic acid)はCarbon6個分のながさで、SUPER TWIGの最適条件に合致させるために使用している。また、末端のMA(Met−Ala)は、アミノ酸シークエンスを行ったときにちゃんとシークエンスが行われているかどうかのチェックのために、スクリーニング時に導入している。AHA−の前のA(Ala)も同様の理由による。その形状、核構造に存在する分岐鎖間距離、ライブラリーの価数、ライブラリー間の距離、すべての点においてSUPER TWIGの最適構造に合致するようにデザインしている。また得られた化合物をアミノ酸
シークエンスにかけたところ、アミノ酸をdegenerateしたpositionでは使用した19種のアミノ酸(Cysを除く)が効率よくランダマイズされていることが確認できた。
この1次ペプチドライブラリーを用いて、まずwild type STX2B−subunitに結合するペプチドモチーフを、またサイト3のmutant STX2B−subunitに結合するペプチドモチーフを決定した。すなわち、まずビーズにつけた2Bおよび2B−mutant(W32A)の各々を3−5mg相当調整し、この各々をカラムにつめてaffinityカラムを作製する。
そこに、50mg程度の1次スクリーニング用multiple peptide library:(MAXXXXA−AHA−)4−3Lysを加えて十分に結合させる。そのあとPBS等で十分に洗浄し、結合しなかったlibraryを洗い流す。
最後にカラムに止まっているlibraryを30%酢酸で溶出する。回収された画分をdryupし、アミノ酸配列解析を行う。その結果、各degenerate positionについて、どのアミノ酸がどの程度の強さで選択されてくるか、数値化された結果が得られる。19種のアミノ酸すべての値をたすと1になるようにnormalizeする。
そして、2Bを用いるときに、前記のようにして得られた、各degenerate positionの各アミノ酸の値を、wild type:W32Aを用いたときに、前記のようにして得られた、対応するdegenerate positionの、対応するアミノ酸の値で割る。その結果、そのアミノ酸が2BではW32Aにくらべて何倍選択されるようになったかが数値化である。つまり、前者のモチーフ中に存在している各アミノ酸の選択比を後者のモチーフ中に存在している対応するアミノ酸の選択比で除することによって、STX2B−subunitのサイト3特異的な結合モチーフを決定することができる。
その他の18種のアミノ酸について同様の検討をおこない、最後に19種のアミノ酸の値をすべてたすと19になるようにnormalizeする。このとき、各アミノ酸の間で、選択性に差がないと値は1となる。一般にこの値が1.5を越えると強い選択性がみられたと判断する。その結果を示したものが表1である。なお、以下の表1〜表4、さらには図6〜図7においては、アミノ酸は一文字標記としている。
(1)FRRNRRN(配列番号1)
(2)PPPRRRR(配列番号2)
(3)PPRRNRR(配列番号3)
(4)KRRNPRR(配列番号4)
である。なお、モチーフ(1)FRRNRRN(配列番号1)については、2次スクリーニングでも塩基性アミノ酸、Pro、疎水性アミノ酸が選択されてくるものの、ベストなモチーフとして各positionについて一番数値の高いものを取出してゆくと、疎水性アミノ酸が好まれるという情報が反映されなくなってしまうので、各libraryを通して得られるconsensus配列としてPheを導入したものである。
そこで、得られたモチーフを3個のLysを結合した前記式の分子核構造に、
Met−Ala−Xo−Ala−AHA−
(Xoは前記モチーフのいずれかを示し、AHAは前記のものを示す。)
として組み込んだ化合物を合成した。その際には、Lya3の核構造はビーズに結合した状態で市販されているので、通常のアミノ酸合成装置でC末端から順次合成し、つまり、3Lysの式において4本一度に鎖をのばす。AHAもアミノ基とカルボキシル基を有するので同様にアミノ酸合成装置の使用が可能である。
これら化合物については質量分析により同定を行った。図1、図2、図3および図4は、各々、前記のペプチドモチーフ(1)(2)(3)(4)の場合のマススペクトルを示したものである。また、図5は、参考として、前記のペプチドモチーフのいずれも有さない化合物(Met−Ala):Met−Ala−Ala−AHAの場合のマススペクトルを示したものである。
<STX2阻害性ペプチドとベロ毒素中和剤>
以上の化合物の各々についてSTX2B−subunitに対する親和性を調べたところ、高い親和性で結合することが示された。さらにvero細胞に対するSTX2の細胞毒性を効率よく阻害することが明らかとなった。
表4および図6は、STX2B−subunitに対する親和性を示している。測定方法は次のとおりである。
すなわち、まず図6に示す量の合成ペプチドをELISA用plastic plateにコートする。1%BSAでブロッキング後、0.1microgram/mlのwild type 2B−Hisまたはsite 3 mutant W32A−Hisをくわえて室温1時間結合させる。洗浄後、結合した各2B−subunitを抗STX2 polyclonal antibodyを用いたELISA法にて検出する。
図6中の小図は、既知量のwild type 2B−Hisまたはsite 3 mutant W32A−Hisに対しては抗STX2 polyclonal antibodyは同様に反応することを示している。
また、図7Aは、vero細胞に対するSTX2細胞毒性の阻害効果を示したものである。この図7の結果の測定においては、培養vero cellに、1pg/mlのSTX2、及び各濃度の各合成peptideを存在させ、3日間培養し、培養後の生存細胞をWSTーassay(cell viability assay kit)にて定量している。
STX2(−)の条件での定量値を100%、STX2、1pg/ml単独の場合(つまりinhibitorなし)を0%として、表示してある。
また、図7Bは、E.coli O157:H7感染のマウスを対象にした検証結果を示したものである。手順は以下のとおりである。すなわち、0日目:タンパク質カロリー欠乏マウスに、致死量のE.coli O157:H7 N−9株を胃内感染させた。2日目〜4日目:マウスに、試料ペプチド、トリサッカロイド類似体(体重あたり、75μg/g)、または、サリンのみを1日2回、胃内投与した。2日目〜5日目:PPR−tetまたはPPP−tet(体重あたり、225μg/g)を1日2回、胃内投与した。
本発明の試料ペプチドの優れた作用効果が確認される。
なお、図6および図7中の表示;MAは前記のペプチドモチーフ(1)(2)(3)(4)のいずれも有していない、図5にマススペクトルを示した参考化合物(Met−Ala):Met−Ala−Ala−AHAによるコントロールの場合を示している。また、図7におけるPPR−tet等の表示は、表4に示したものに対応している。
また、ペプチドモチーフXoと分子核構造部3LysによるSTX2阻害活性を損なわない限り、スペーサー分子については他の各種の分子によるものであってもよい。
また、スクリーニング時のアミノ酸シーケンスのために導入している末端Met−AlaそしてAHAに結合しているAlaについては他の適宜なものであってよい。これらは、STX2の阻害活性そのものを有していないため、スクリーニングの後には不要なものである。だたモチーフの末端にNH2が露出するとプラス電荷になることから、電荷調節の観点からは、末端のMAもしくは他種のものが存在することが好適である。これらは、一般的には電荷がないもの、さらには疎水性にも大きな影響を与えないものがさらには好適に考慮される。
このような修飾等は各種考慮されてよい。
たとえば、経口投与にともなう消化管内でのプロテアーゼによる分解を抑えるための安定化を目的としてN−末端のMetのNH2基をアセチル基により保護してしまうことが考えられる。
そして発明者が確認したところでは、アセチル化すると、in vitroでのSTX2による細胞障害活性を阻害する作用(活性)は約5倍増大する。そして感染実験によっても効果の増大が確認されている。
このようなことからも、たとえば(acetyl−Xo−AHA)43Lys、あるいはacetylを他の保護基に変更したり、AHAを別のスペーサーに変更した場合、さらにはスペーサーを用いない場合についても好適に考慮されることになる。
そして本発明者の検討によれば、以上のとおりのスクリーニング法によって導かれたSTX2阻害性ペプチドについては、その活性が発現されるものとしてさらに各種のバリエーションが見出されるている。
すなわち、より一般的には、STX2阻害性ペプチドとしては、リジン(Lys)3分子がペプチド結合された分子核構造部に、少くとも7個のアミノ酸のペプチド結合によって構成されるペプチドモチーフであって、その配列において、少くとも2個の塩基性アミノ酸、たとえばアスパラギン(Arg)や、リジン(Lys)、ヒスチジン(His)が結合したクラスター部を2箇所有し、C−末端側が塩基性アミノ酸であるペプチドモチーフが組込れているものとして考慮されることが見出されている。
なかでも、クラスター部を構成する塩基性アミノ酸としてはアルギニン(Arg)を含むことが好適に考慮される。このため、たとえば好適なクラスター部は、−Arg−Arg−、−Arg−Arg−Asn−等である。
また、本発明のSTX2阻害性ペプチドにおいてはC−末端側は塩基性アミノ酸、たとえばアルギニン(Arg)等であり、N−末端側が疎水性アミノ酸、たとえばプロリン(Pro)等であることが好ましい。
C−末端側が塩基性アミノ酸であることが望ましいことは、結合する相手であるSTX2 B−subunitのグロボ3糖結合部位3(Site3)付近に酸性アミノ酸のクラスターが存在することから、両者が静電的な相互作用をして親和性を増加させるためであると考えられる。また、N−末端側が疎水性アミノ酸が望ましい理由としては、STX2B−subunitのグロボ3糖結合部位3(Site3)で中心的な役割を果たしている、トリプトファン(Trp)と疎水性の相互作用することによって考えられる。
以上のことからも、本発明においては、前記の(1)(2)(3)(4)のペプチドモチーフが好適なものの一つとして提供されることになる。
なお、本発明におけるペプチドモチーフは、STX2阻害作用についての分子サイズ効果を考慮して前記のとおりの少くとも7個のアミノ酸により構成されているが、前記の7個以上であってもSTX2阻害性を大きく損わない限り、薬剤等への利用としてさらにアミノ酸数が多くしてもよく、また、前記のように各種のスペーサや末端修飾基を有していてもよいことは改めて言うまでもない。
そして、本発明においては、以上のように、STX2阻害活性を有するペプチドを有効成分とするベロ毒素中和剤としては、各種の剤型が採用されてよく、経口投与では、賦型剤等とともに成形して、錠剤や粉末としてもよいし、精製水等との組成物として液剤としてもよい。これらの組成物や剤型については従来公知のものをはじめとする各種の配合成分が用いられてよいし、そのための各種の方法が採用されてもよい。
ベロ毒素中和剤としての投与量については、大腸菌O157:H7感染が発見されてから、一般的には5〜500mg/kg−体重程度となるように処方することが考慮されてよい。もちろん症状によって適宜としてよい。
なお、近年、微量で強力な生理活性を有するペプチドが数多く発見され、また遺伝子組換え技術や細胞融合などのバイオテクノロジーの急速な進歩によるペプチドの大量供給が可能になり、これら生理活性ペプチドを医薬品として疾病の治療に応用しようとする試みがなされている。しかしながら、こうしたペプチド性医薬品を経口投与しても十分な吸収率が得られないことが知られている。この原因は、これらペプチド性医薬品が消化管内の消化酵素やタンパク分解酵素により速やかに分解を受けたり、あるいは水溶性で高分子であるため消化管粘膜を透過しにくいことによると考えられる。このため、これら医薬品の投与法は、臨床上ほとんどすべてが筋肉投与、皮下投与及び静脈内投与などの注射による投与に限られているのが現状である。しかしながら、これら注射による投与は、患者に苦痛を伴い、またアレルギー反応やアナフィラキシーショックなどの重篤な副作用を発現するという欠点を有する。そこで最近では、こうした注射に代わる投与経路として経口投与をはじめとする経粘膜投与が注目されているが、注射に比べると十分な吸収率が得にくいのが現状である。したがって、現在では経口並びに経粘膜投与後の生理活性ペプチドの吸収率を改善するため、種々の方法が試みられているが、それらを大別すると、(1)吸収促進剤やタンパク分解酵素阻害剤などの製剤添加物の利用、(2)薬物の新規投与経路の開発、(3)薬物の分子構造修飾、(4)薬物の剤形修飾に分類できる。
本発明においても実際の薬剤としての投与に際して、経口投与を可能にするためにこれまでの技術知見を踏まえた様々な形態を採用することができる。たとえば吸収促進剤として代表的な界面活性剤や胆汁酸、キレート剤、脂肪酸等の炭化物を用いることや、タンパク分解酵素阻害剤としてグリココール酸ナトリウムやバシトラシン、大豆トリプシンインヒビター、カモスタット、アプロチニン等を添加すること、あるいはリポソームやエマルジョンに包含させたり、カプセルに封入して使用することなどの適宜な手段が採用されてよい。
そして、前記のとおりの本発明のペプチドはSTX2阻害性を有し、その合成がペプチド合成として容易であって、腸管出血性大腸菌感染症の治療薬として有効なベロ毒素中和剤を提供することができる。
Claims (16)
- 受容体結合部が複数のサブユニット構造をもつ毒素を中和することのできるペプチドのスクリーニング方法であって、次のステップ;
(1)ミューテーションの導入による受容体結合サイトの特定
(2)ペプチドライブラリー法により野性型サブユニットに結合するペプチドモチーフと前記結合サイトが機能的に欠損したミュータントに結合するペプチドモチーフとの対比によるアミノ酸選択比に基づく結合サイト特異性ペプチドモチーフの特定を含むことを特徴とする毒素中和性ペプチドのスクリーニング方法。 - 前記(2)のステップを複数回行い、順次にアミノ酸選択比のより高い結合サイト特異性ペプチドモチーフを特定することを特徴とする請求項1の毒素中和性ペプチドのスクリーニング方法。
- 前記(2)のステップにおいては、リジン(Lys)を複数個結合した核構造を形成し、その末端アミノ酸に複数個のペプチドライブラリーを結合した、多価の一次ペプチドライブラリーを用いることを特徴とする請求項1または2の毒素中和性ペプチドのスクリーニング方法。
- 前記多価の一次ペプチドライブラリーにおいては、ペプチドライブラリーはスペーサー分子を介して末端アミノ基に結合していることを特徴とする請求項3の毒素中和性ペプチドのスクリーニング方法。
- リジン(Lys)3分子がペプチド結合された分子核構造部に、少なくとも7個のアミノ酸のペプチド結合によって構成されるペプチドモチーフであって、その配列において、少なくとも2個の塩基性アミノ酸が結合したクラスター部を2箇所有し、C−末端側が塩基性アミノ酸であるペプチドモチーフが組込まれていることを特徴とするSTX2阻害性ペプチド。
- クラスター部の塩基性アミノ酸として少なくともアルギニン(Arg)を含むことを特徴とする請求項5のSTX2阻害性ペプチド。
- クラスター部が、Arg−ArgまたはArg−Arg−Asnであることを特徴とする請求項6のSTX2阻害性ペプチド。
- N−末端側が疎水性アミノ酸であることを特徴とする請求項5から7のうちのSTX2阻害性ペプチド。
- 次の4種のアミノ酸配列のペプチドモチーフの少なくともいずれかが組込まれていることを特徴とする請求項5から7のうちのいずれかのSTX2阻害性ペプチド。
(1)FRRNRRN(配列番号1)
(2)PPPRRRR(配列番号2)
(3)PPRRNRR(配列番号3)
(4)KRRNPRR(配列番号4) - ペプチドモチーフがスペーサー分子を介して組込まれていることを特徴とする請求項5から9のうちのいずれかのSTX2阻害性ペプチド。
- スペーサー分子は、ペプチドまたはアミノ基とカルボキシル基とを有し、炭素数4〜10の炭化水素鎖構造を持つ分子によるものであることを特徴とする請求項10のSTX2阻害性のペプチド。
- ペプチドモチーフが末端修飾分子を有していることを特徴とする請求項5から11のうちのいずれかのSTX2阻害性のペプチド。
- 末端修飾分子は電荷を有していない分子によるものであることを特徴とする請求項12のペプチド。
- ペプチドモチーフは、アミノ酸シーケンス用分子を有していてもよいことを特徴とする請求項5のペプチド。
- 請求項5から15のうちのいずれかのペプチドを有効成分として含有することを特徴とするベロ毒素中和剤。
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