JPWO2005123650A1 - 新規なフッ素化されたアダマンタン誘導体 - Google Patents
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Abstract
新規なフッ素化されたアダマンタン誘導体を提供する。式AF(−COF)nで表される化合物。ただしAF、およびnは以下の意味を示す。AF:アダマンタンから水素原子をn個を除いた(ただし、nが2以上の場合除かれる水素原子は異なる炭素原子に結合した水素原子である)n価の基であり、残余の水素原子の少なくとも1個はフッ素原子に置換され、さらに残余の水素原子は炭素数1〜6のアルキル基またはフルオロアルキル基で置換されていてもよい、含フッ素アダマンタン残基。n:1〜4の整数。ただし、nが1の場合は、前記AFは少なくとも1個の水素原子を有する。
Description
本発明は、新規なフッ素化されたアダマンタン誘導体に関する。
アダマンタン環を構成する炭素原子にフッ素原子が結合した構造(以下、フルオロアダマンタン骨格という。)を有するフルオロアダマンタン系化合物は、アダマンタン骨格に由来する剛直な構造とフッ素原子に由来する性能とを併有することから種々の物性に優れる。そのため、該化合物や該化合物の製造方法は種々の検討されている。たとえば、ペルフルオロ(アルキル基置換アダマンタン)の製造方法として、下式(a)で表される化合物を無水フッ化水素酸中で不活性ガスの存在下に電解フッ素化させる下式(b)で表される化合物の製造方法が報告されている(特許文献1)。
ただし、ROHのRは炭素数1〜4の直鎖アルキレン基で、OHはRの末端に位置する。RFは炭素数1〜4のペルフルオロ直鎖アルキル基である。
しかし、フルオロアダマンタン骨格に−COF基が結合した構造を有する化合物に関しては、1−アダマンタンメタノールを電解フッ素化させて得たペルフルオロアダマンタンカルボン酸フルオリドが特許文献1に報告されるにとどまる。また該酸フルオリドの物性に関しては、メタノールと反応して(ペルフルオロアダマンタン)カルボン酸メチルエステルを形成することが特許文献1に記載されるにとどまる。
すなわち、フルオロアダマンタン骨格の特定部位に−COF基を有する化合物、特にフルオロアダマンタン骨格に−COF基が2つ以上結合する化合物、およびこれらの化合物の物性や有用性に関しては知られていない。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、アダマンタン環を構成する炭素原子に少なくとも1つ(好ましくは、2、3または4つ)の−COF基を有するフルオロアダマンタン系化合物(好ましくは、ペルフルオロアダマンタン系化合物)を見出した。そして該化合物は、反応活性な−COF基を有するため種々の誘導体の原料として有用であるとの知見を得た。
すなわち、本発明は以下の発明を提供する。
<1>下式(5)で表される化合物。
AF(−COF)n (5)
式中の記号は以下の意味を示す。
AF:アダマンタンから水素原子をn個除いた(ただし、nが2以上の場合の除かれる水素原子は、異なる炭素原子に結合した水素原子である。)n価の基であり、残余の水素原子の少なくとも1個はフッ素原子に置換され、さらに残余の水素原子は炭素数1〜6のアルキル基またはフルオロアルキル基で置換されていてもよい、含フッ素アダマンタン残基。
n:1〜4の整数。
ただし、nが1の場合は、前記AFは少なくとも1個の水素原子を有する。
AF(−COF)n (5)
式中の記号は以下の意味を示す。
AF:アダマンタンから水素原子をn個除いた(ただし、nが2以上の場合の除かれる水素原子は、異なる炭素原子に結合した水素原子である。)n価の基であり、残余の水素原子の少なくとも1個はフッ素原子に置換され、さらに残余の水素原子は炭素数1〜6のアルキル基またはフルオロアルキル基で置換されていてもよい、含フッ素アダマンタン残基。
n:1〜4の整数。
ただし、nが1の場合は、前記AFは少なくとも1個の水素原子を有する。
<2>AFが、アダマンタンからアダマンタンの3級炭素原子に結合した水素原子をn個除いた基である<1>に記載の化合物。
<3>nが2、3、または4である<1>または<2>に記載の化合物。
<4>下式(5a)で表される化合物。
式中の記号は以下の意味を示す。
X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または−COF基を示す。Q1、Q2、Q3、Q4、Q5およびQ6は、それぞれ独立に、−CF2−基または−CHF−基を示す。
ただし、X1、X2およびX3がいずれもフッ素原子を示す場合は、Q1、Q2、Q3、Q4、Q5およびQ6の少なくとも1つの基は−CHF−基を示す。
X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または−COF基を示す。Q1、Q2、Q3、Q4、Q5およびQ6は、それぞれ独立に、−CF2−基または−CHF−基を示す。
ただし、X1、X2およびX3がいずれもフッ素原子を示す場合は、Q1、Q2、Q3、Q4、Q5およびQ6の少なくとも1つの基は−CHF−基を示す。
<5>Q1、Q2、Q4、Q5およびQ6が−CF2−基であり、Q3が−CHF−基である<4>に記載の化合物。
<6>下式(5b)で表される化合物。
式中の記号は以下の意味を示す。
X1bおよびX2bは、それぞれ独立に、フッ素原子または水素原子を示す。Q1b、Q2b、Q3b、Q4b、Q5bおよびQ6bは、それぞれ独立に、−CF2−基または−CHF−基を示し、少なくとも4つの基は−CF2−基を示す。
X1bおよびX2bは、それぞれ独立に、フッ素原子または水素原子を示す。Q1b、Q2b、Q3b、Q4b、Q5bおよびQ6bは、それぞれ独立に、−CF2−基または−CHF−基を示し、少なくとも4つの基は−CF2−基を示す。
<7>下式(5c)で表される化合物。
式中の記号は以下の意味を示す。
X1cは、フッ素原子または水素原子を示す。Q1c、Q2c、Q3c、Q4c、Q5cおよびQ6cは、それぞれ独立に、−CF2−基または−CHF−基を示し、少なくとも4つの基は−CF2−基を示す。
X1cは、フッ素原子または水素原子を示す。Q1c、Q2c、Q3c、Q4c、Q5cおよびQ6cは、それぞれ独立に、−CF2−基または−CHF−基を示し、少なくとも4つの基は−CF2−基を示す。
<8>下式(5d)で表される化合物。
式中の記号は以下の意味を示す。
Q1d、Q2d、Q3d、Q4d、Q5dおよびQ6dは、それぞれ独立に、−CF2−基または−CHF−基を示し、少なくとも4つの基は−CF2−基を示す。
Q1d、Q2d、Q3d、Q4d、Q5dおよびQ6dは、それぞれ独立に、−CF2−基または−CHF−基を示し、少なくとも4つの基は−CF2−基を示す。
<8>下式で表される化合物のいずれかの化合物。
本発明の化合物は、フルオロアダマンタン残基を有する化合物であることより、耐熱性、耐光性、耐薬品性、低屈折率性、撥水性、撥油性、透明性などの物性に優れる。また本発明の化合物は、反応性の−COF基を少なくとも1つ有することより、−COF基を化学変換して該物性を有する種々の誘導体へ変換しうる。
本明細書において式(1)で表される化合物を化合物(1)と記す。他の式で表される化合物も同様に示す。
アダマンタンは、下式で表わされるC10H16の飽和多環式炭化水素である。本明細書においてアダマンタン環とはこの10個の炭素原子から構成される炭素環をいう。アダマンタン環は、下記式で表されるように、3級炭素原子4個と2級炭素原子6個から構成されている。
本発明は、下記化合物(5)を提供する。
AF(−COF)n (5)
上記式中のAFは、アダマンタンから水素原子をn個除いた(ただし、nが2以上の場合除かれる水素原子は異なる炭素原子に結合した水素原子である。)n価の基であり、かつ残余の水素原子の少なくとも1個はフッ素原子に置換されている基である。さらに、このn価の基は水素原子を有していてもよく、この残余の水素原子の少なくとも一部は炭素数1〜6のアルキル基またはフルオロアルキル基で置換されていてもよいが、置換されていないのが好ましい。nは1〜4の整数である。ただし、nが1の場合は、上記AFは少なくとも1個の水素原子を有する。
AF(−COF)n (5)
上記式中のAFは、アダマンタンから水素原子をn個除いた(ただし、nが2以上の場合除かれる水素原子は異なる炭素原子に結合した水素原子である。)n価の基であり、かつ残余の水素原子の少なくとも1個はフッ素原子に置換されている基である。さらに、このn価の基は水素原子を有していてもよく、この残余の水素原子の少なくとも一部は炭素数1〜6のアルキル基またはフルオロアルキル基で置換されていてもよいが、置換されていないのが好ましい。nは1〜4の整数である。ただし、nが1の場合は、上記AFは少なくとも1個の水素原子を有する。
したがって、上記AF(含フッ素アダマンタン残基)のアダマンタン環の炭素原子には、フッ素原子が結合した構造を含む。またAFのアダマンタン環の炭素原子には、フッ素原子以外に少なくとも1個の−COF基が結合する結合手を有し、任意に少なくとも1個の水素原子(ただし、nが1の場合は必須)が結合し、および、任意に少なくとも1個のアルキル基またはフルオロアルキル基が結合している(両方が結合していてもよい)。なお、高度にフッ素化された含フッ素アダマンタン残基とは、そのアダマンタン環の炭素原子に結合した水素原子が実質的に存在しない含フッ素アダマンタン残基をいう。
AFにおいてアダマンタンから除かれる水素原子は、アダマンタン環の炭素原子のうち2級炭素原子に結合した水素原子であっても3級炭素原子に結合した水素原子であってもよく、特に3級炭素原子に結合した水素原子が好ましい。ただし、除かれる水素原子が2〜4の場合、そのすべての水素原子は異なる炭素原子に結合した炭素原子である必要がある。nが1の場合は勿論、nが2〜4の場合も除かれる水素原子は全て3級炭素原子に結合した水素原子であることが好ましい。すなわち、−COF基は全て3級炭素原子に結合していることが好ましい。nは、2、3、または4が好ましい。
AFが水素原子を有する場合、その水素原子はアダマンタン環の3級炭素原子に結合していてもよく、2級炭素原子に結合していてもよく、その水素原子が2個以上の場合両方の炭素原子に結合していてもよい。アダマンタン環の炭素原子に結合した水素原子は2級炭素原子に結合した水素原子であることが好ましく、その場合2級炭素原子には1個の水素原子が結合していることが好ましい。すなわち、水素原子を有する2級炭素原子は、−CHF−基であることが好ましい。3級炭素原子には水素原子が結合していないことが好ましい。
アダマンタン環の炭素原子に結合した水素原子は、アダマンタン環の炭素原子に結合したフッ素原子と水素原子の合計に対して半数以下が好ましい。アダマンタン環の炭素原子に結合した水素原子は合計6個以下がより好ましく、3個以下がさらに好ましい。すなわち、AFが水素原子を有する場合、アダマンタン環の炭素原子に結合した水素原子は1〜3個が好ましい。
nが1の場合、アダマンタン環の炭素原子に結合した水素原子の存在が必須であり、その水素原子の数は3個以下が好ましく、特に1個であることが好ましい。その水素原子は、上記のように2級炭素原子に結合した水素原子(ただし、1個の2級炭素原子につき水素原子1個のみ)であることが好ましい。
AFが炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のフルオロアルキル基を有する場合、それらの基はアダマンタン環の3級炭素原子に結合していてもよく、2級炭素原子に結合していてもよく、それらの基が2個以上の場合両方の炭素原子に結合していてもよい。アダマンタン環の炭素原子にアルキル基やフルオロアルキル基が結合している場合、それらの基は合計3個以下が好ましく、1個であることが好ましい。より好ましいAFはそれらの基を有しない。
上記アルキル基やフルオロアルキル基の炭素数は1〜4であることが好ましく、特に1であることが好ましい。また、アルキル基よりもフルオロアルキル基が好ましく、ペルフルオロアルキル基がより好ましく、特にトリフルオロメチル基が好ましい。
AFとしては、アルキル基やフルオロアルキル基を有さず、水素原子の数が3個以下である含フッ素アダマンタン残基であることが好ましい。より好ましいAFは、アルキル基やフルオロアルキル基を有さず、nが2〜4であり、かつ水素原子を有しない含フッ素アダマンタン残基(即ち2〜4価のペルフルオロアダマンタン。)である。しかも、これら好ましい含フッ素アダマンタン残基の−COFが結合する結合手は全て3級炭素原子の結合手である。
本発明の化合物(5)は、下記化合物(4X)または下記化合物(4Y)を分解反応させて製造するのが好ましい(ただしAFおよびnは、前記と同じ意味を示す。)。分解反応は、触媒の存在下に行うのが好ましい。触媒としては、NaFまたはKFが好ましい。
AF(−CF2OCORF)n (4X)、
AF(−COOCF2RF)n (4Y)。
ただし、RFはエーテル性酸素原子を含んでいてもよいポリフルオロアルキル基を示す。
AF(−CF2OCORF)n (4X)、
AF(−COOCF2RF)n (4Y)。
ただし、RFはエーテル性酸素原子を含んでいてもよいポリフルオロアルキル基を示す。
該ポルフルオロアルキル基としては、炭素数1〜20のペルフルオロアルキル基または炭素数1〜20のエーテル性酸素原子を含有するペルフルオロアルキル基が好ましい。
該ペルフルオロアルキル基としては、CF3CF2−、CF3CF2CF(CF3)−、(CF3)2CF−などが挙げられる。
該エーテル性酸素原子を含有するペルフルオロアルキル基としては、F(CF2)3OCF(CF3)−、F(CF2)3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)−などが挙げられる。
化合物(4X)は、下記化合物(1X)と下記化合物(2X)をエステル化反応させて下記化合物(3X)とし、つぎに該化合物(3X)を液相フッ素化反応させて下記化合物(4X)とする方法によって調製するのが好ましい。
A(−CH2OH)n (1X)
RF−COZ (2X)
A(−CH2OCORF)n (3X)
AF(−CF2OCORF)n (4X)
ただしAFおよびnは、前記と同じ意味を示す。Zは、ハロゲン原子を示し、フッ素原子または塩素原子が好ましい。Aは、下記の意味を示す。
A(−CH2OH)n (1X)
RF−COZ (2X)
A(−CH2OCORF)n (3X)
AF(−CF2OCORF)n (4X)
ただしAFおよびnは、前記と同じ意味を示す。Zは、ハロゲン原子を示し、フッ素原子または塩素原子が好ましい。Aは、下記の意味を示す。
A:アダマンタンから水素原子をn個を除いた(ただし、nが2以上の場合除かれる水素原子は異なる炭素原子に結合した水素原子である。)n価の基であり、残余の水素原子は炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい、アダマンタン残基。
化合物(4Y)は、下記化合物(1Y)と下記化合物(2Y)をエステル化反応させて下記化合物(3Y)とし、つぎに該化合物(3Y)を液相フッ素化反応させて下記化合物(4Y)とする方法によって調製するのが好ましい。
A(−COZ)n (1Y)
RF−CH2OH (2Y)
A(−COOCF2RF)n (3Y)
AF(−COOCF2RF)n (4Y)
ただし、AF、A、RF、n、およびZは、前記と同じ意味を示す。
A(−COZ)n (1Y)
RF−CH2OH (2Y)
A(−COOCF2RF)n (3Y)
AF(−COOCF2RF)n (4Y)
ただし、AF、A、RF、n、およびZは、前記と同じ意味を示す。
これらの方法におけるエステル化反応および液相フッ素化反応は、本出願人によるWO00/56694号公報、WO02/4397号公報、WO02/26689号公報等に記載の方法にしたがって実施するのが好ましい。
このうち化合物(1X)と化合物(2X)のエステル化反応における化合物(1X)に対する化合物(2X)の量は、nモル以上が好ましく、(1〜2)n倍モルが特に好ましく、(1〜1.1)n倍モルがとりわけ好ましい(ただしnは、前記と同じ意味を示す。)。また化合物(1Y)と化合物(2Y)のエステル化反応における化合物(1Y)に対する化合物(2Y)の量は、nモル以下が好ましく、(0.5〜1)n倍モルが特に好ましく、(0.9〜1.1)n倍モルがとりわけ好ましい(ただしnは、前記と同じ意味を示す。)。
これらの方法により化合物(4X)および化合物(4Y)を得る場合、化合物(4X)のAFおよび化合物(4Y)のAFは、高度にフッ素化された含フッ素アダマンタン残基を形成するが、フッ素化されない水素原子を有する含フッ素アダマンタン残基が形成する場合もある。この場合、化合物(4X)および化合物(4Y)は、それぞれ組成物として存在するが、分離精製することなく前記分解反応の原料として用いてもよい。
本発明の化合物(5)は、下記化合物(5a)が好ましい(ただし、Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6、X1、X2、およびX3は、前記と同じ意味を示す。)。
Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、およびQ6は、少なくとも4つが−CF2−基であるのが好ましく、−CF2−基であるのが特に好ましい。またX1、X2、およびX3は、少なくとも1つが−COF基であるのが好ましい。
本発明の化合物(5a)は、下記化合物(5b)、下記化合物(5c)、または下記化合物(5d)が好ましい。
ただし、X1b、X2b、Q1b、Q2b、Q3b、Q4b、Q5b、Q6b、X1c、Q1c、Q2c、Q3c、Q4c、Q5c、Q6c、Q1d、Q2d、Q3d、Q4d、Q5d、およびQ6dは、前記と同じ意味を示す。
化合物(5b)におけるX1bおよびX2bは、フッ素原子が好ましい。Q1b、Q2b、Q3b、Q4b、Q5b、およびQ6bは、−CF2−基である、もしくは少なくとも4つが−CF2−基であり少なくとも1つが−CHF−基であるのが好ましく、−CF2−基である、もしくはQ1b、Q2b、Q4b、Q5b、およびQ6bが−CF2−基でありQ3bが−CHF基であるのが特に好ましい。
化合物(5c)におけるX1cは、フッ素原子が好ましい。Q1c、Q2c、Q3c、Q4c、Q5c、およびQ6cは、−CF2−基である、もしくは少なくとも4つが−CF2−基であり少なくとも1つが−CHF−基であるのが好ましく、−CF2−基である、もしくはQ1c、Q2c、Q4c、Q5c、およびQ6cが−CF2−基でありQ3cが−CHF−基であるのが特に好ましい。
化合物(5d)におけるQ1d、Q2d、Q3d、Q4d、Q5d、およびQ6dは、−CF2−基である、もしくは少なくとも4つが−CF2−基であり少なくとも1つが−CHF−基であるのが好ましく、−CF2−基である、もしくはQ1d、Q2d、Q5d、およびQ6dが−CF2−基でありQ3dおよびQ4dが−CHF−基であるのが特に好ましい。
化合物(5b)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
化合物(5c)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
化合物(5d)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
化合物(5b)、化合物(5c)、および化合物(5d)以外の化合物(5a)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
本発明の化合物は、高度にフッ素化されたアダマンタンにn個の−COF基が結合した構造を有する特徴ある化合物である(ただし、nは前記と同じ意味を示す。)。本発明の化合物のうちnが2、3、または4である化合物は、架橋剤や重合性単量体もしくは架橋剤や重合性単量体の原料等として有用である。該化合物を重合性単量体として重合体を製造する方法としては、たとえば下記化合物(5b21)とエチレングリコールを反応させて下記(5B211)で表される単位を含む重合体を製造する方法が挙げられる。
該重合体は、該単位により耐熱性、離型性、耐薬品性、短波長光に対する透明性や耐光性に優れうるため、種々の機能性材料として有用である。
本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例においては、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンをR−113と記し、ジクロロペンタフルオロプロパンをR−225、テトラメチルシランをTMS、と記す。R−225は、CF3CF2CHCl2とCF2ClCF2CHFClとの混合品を用いた。圧力はゲージ圧で記す。ガスクロマトグラフィはGCと記す。ガスクロマトグラフィ−質量分析をGC−MS分析と記す。収率は、ヘキサフルオロベンゼンを内部標準に用いた19F−NMR測定により求めた。選択率は、GC分析のピーク面積比より求めた。
実施例においては、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンをR−113と記し、ジクロロペンタフルオロプロパンをR−225、テトラメチルシランをTMS、と記す。R−225は、CF3CF2CHCl2とCF2ClCF2CHFClとの混合品を用いた。圧力はゲージ圧で記す。ガスクロマトグラフィはGCと記す。ガスクロマトグラフィ−質量分析をGC−MS分析と記す。収率は、ヘキサフルオロベンゼンを内部標準に用いた19F−NMR測定により求めた。選択率は、GC分析のピーク面積比より求めた。
[例1]化合物(5a11)、化合物(5a12)、および化合物(5a13)の製造例(その1)
[例1−1]化合物(3X1)の製造例
化合物(1X1)(8g)とクロロホルム(40mL)をフラスコに入れ、窒素ガスをバブリングさせながら撹拌した。つぎにフラスコの内温を30℃に保持しながら、FCOCF(CF3)O(CF2)3F(25.5g)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、内温を30℃に保持しながら3時間、撹拌した。つづいてフラスコの内温を15℃以下に保持しながら、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加えて有機層と水層の2層に分離した液体を得た。
化合物(1X1)(8g)とクロロホルム(40mL)をフラスコに入れ、窒素ガスをバブリングさせながら撹拌した。つぎにフラスコの内温を30℃に保持しながら、FCOCF(CF3)O(CF2)3F(25.5g)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、内温を30℃に保持しながら3時間、撹拌した。つづいてフラスコの内温を15℃以下に保持しながら、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加えて有機層と水層の2層に分離した液体を得た。
液体の有機層を回収してから、水(50mL)で2回洗浄した。つぎに無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、ろ過して粗液を得た。粗液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒:R−225)で精製して上記化合物(3X1)(20.4g)を得た。
化合物(3X1)のNMRを以下に示す。
1H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):1.50〜1.80(m,12H),2.01(bs,3H),3.87(d,J=10.7Hz,1H),4.04(d,J=10.7Hz,1H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−80.2(1F),−81.3(3F),−82.0(3F),−86.4(m,1F),−129.5(2F),−131.3(1F)。
1H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):1.50〜1.80(m,12H),2.01(bs,3H),3.87(d,J=10.7Hz,1H),4.04(d,J=10.7Hz,1H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−80.2(1F),−81.3(3F),−82.0(3F),−86.4(m,1F),−129.5(2F),−131.3(1F)。
[例1−2]化合物(4X11)、化合物(4X12)、および化合物(4X13)の製造例
オートクレーブ(内容積500mL、ニッケル製)に、R−113(312g)を加えて撹拌しながら、25℃に保持した。オートクレーブガス出口には、20℃に保持した冷却器、NaFペレット充填層、および10℃に保持した冷却器を直列に設置した。なお−10℃に保持した冷却器からは凝集した液をオートクレーブに戻すための液体返送ラインを設置した。窒素ガスを1.0時間吹き込んだ後、窒素ガスで20%体積に希釈したフッ素ガス(以下、20%フッ素ガスと記す。)を、流速9.97L/hで1時間吹き込んだ。つぎに20%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例1−1で得た化合物(3X1)(5.0g)をR−113(102g)に溶解した溶液を4.7時間かけて注入した。
オートクレーブ(内容積500mL、ニッケル製)に、R−113(312g)を加えて撹拌しながら、25℃に保持した。オートクレーブガス出口には、20℃に保持した冷却器、NaFペレット充填層、および10℃に保持した冷却器を直列に設置した。なお−10℃に保持した冷却器からは凝集した液をオートクレーブに戻すための液体返送ラインを設置した。窒素ガスを1.0時間吹き込んだ後、窒素ガスで20%体積に希釈したフッ素ガス(以下、20%フッ素ガスと記す。)を、流速9.97L/hで1時間吹き込んだ。つぎに20%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例1−1で得た化合物(3X1)(5.0g)をR−113(102g)に溶解した溶液を4.7時間かけて注入した。
つぎに20%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、オートクレーブ圧力を0.15MPaに保ち、ベンゼン濃度が0.01g/mLのR−113溶液(以下、ベンゼン溶液と記す。)を、オートクレーブ内温度を25℃から40℃まで加熱しながら、9mL注入し、オートクレーブのベンゼン注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。
つぎにオートクレーブ内の圧力を0.15MPaに、オートクレーブ内の温度を40℃に保持しながら、ベンゼン溶液(6mL)を注入し、さらに0.3時間、撹拌を続けた。つぎにオートクレーブ内の圧力を0.15MPaに、オートクレーブ内の温度を40℃に保持しながら、ベンゼン溶液(8.5mL)を注入し、さらに1.0時間、撹拌を続けた。ベンゼンの注入総量は0.24g、R−113の注入総量は23.5mLであった。つづいて、窒素ガスを1.0時間吹き込んでからオートクレーブ内の内容物を回収した。
内容物をGC−MS分析と19F−NMRにより分析した結果、内容物は上記化合物(4X11)(収率29%)および化合物(4X11)のアダマンタンの炭素原子に結合するフッ素原子の1つが水素原子に置換した化合物(収率71%)の混合物であることを確認した。さらに1H−NMRにより分析した結果、上記化合物(4X12)および上記化合物(4X13)の生成が確認された。
化合物(4X11)の19F−NMRを以下に示す。
19F−NMR(376.0MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−61.9(2F),−79.0〜−81.0(1F),−82.0(3F),−82.1(3F),−85.5〜−88.0(1F),−109.0〜−116.0(6F).−117.0〜−125.0(6F),−130.1(2F),−131.6〜−133.5(1F),−217.0〜−222.0(3F)。
19F−NMR(376.0MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−61.9(2F),−79.0〜−81.0(1F),−82.0(3F),−82.1(3F),−85.5〜−88.0(1F),−109.0〜−116.0(6F).−117.0〜−125.0(6F),−130.1(2F),−131.6〜−133.5(1F),−217.0〜−222.0(3F)。
化合物(4X12)の1H−NMRを以下に示す。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):5.71(d,JFH=46.0Hz,1H)。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):5.71(d,JFH=46.0Hz,1H)。
化合物(4X13)の1H−NMRを以下に示す。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):3.79(m,1H)。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):3.79(m,1H)。
[例1−3]化合物(5a11)、化合物(5a12)、および化合物(5a13)の製造例
例1−2で得た混合物(5.3g)をKF粉末(0.3g)と共にフラスコに仕込んだ。フラスコ内を激しく撹拌しながら、フラスコを80〜90℃のオイルバス中に浸して4時間、加熱した。なおフラスコの上部には、20℃に温度調節した還流器とフッ素樹脂フィルム製パック(デュポン社製、商品名:テドラーパック)を直列に設置した。つぎにフラスコを冷却して液状サンプル(3.4g)を回収した。液状サンプルをGC−MS分析と19F−NMRにより分析した結果、液状サンプルは上記化合物(5a11)、化合物(5a11)のアダマンタンの炭素原子に結合するフッ素原子の1つが水素原子に置換した化合物、およびCF3CF(OCF2CF2CF3)COFの混合物であることを確認した。さらに1H−NMRにより分析した結果、上記化合物(5a12)および上記化合物(5a13)の生成が確認された。
例1−2で得た混合物(5.3g)をKF粉末(0.3g)と共にフラスコに仕込んだ。フラスコ内を激しく撹拌しながら、フラスコを80〜90℃のオイルバス中に浸して4時間、加熱した。なおフラスコの上部には、20℃に温度調節した還流器とフッ素樹脂フィルム製パック(デュポン社製、商品名:テドラーパック)を直列に設置した。つぎにフラスコを冷却して液状サンプル(3.4g)を回収した。液状サンプルをGC−MS分析と19F−NMRにより分析した結果、液状サンプルは上記化合物(5a11)、化合物(5a11)のアダマンタンの炭素原子に結合するフッ素原子の1つが水素原子に置換した化合物、およびCF3CF(OCF2CF2CF3)COFの混合物であることを確認した。さらに1H−NMRにより分析した結果、上記化合物(5a12)および上記化合物(5a13)の生成が確認された。
化合物(5a11)の19F−NMRを以下に示す。
19F−NMR(376.0MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):55.9(1F),−110.0(6F),−120.5(6F),−218.9(3F)。
19F−NMR(376.0MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):55.9(1F),−110.0(6F),−120.5(6F),−218.9(3F)。
化合物(5a12)の1H−NMRを以下に示す。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):5.70(d,JFH=45.9Hz,1H)。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):5.70(d,JFH=45.9Hz,1H)。
化合物(5a13)の1H−NMRを以下に示す。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):3.92(m,1H)。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):3.92(m,1H)。
[例2]化合物(5a11)、化合物(5a12)、および化合物(5a13)の製造例(その2)
[例2−1]化合物(3Y1)の製造例
化合物(1Y1)(1.95g、9.8mmol)とピリジン(1.00g、12.6mmol)を丸底フラスコ(内容積50mL)に入れ、フラスコの内温を25℃に保持しながら撹拌して、F(CF2)3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2OH(4.61g、9.6mmol)を滴下した。滴下終了後、撹拌しながらフラスコの内温を50まで加熱して、つづいて内温を45〜50℃に保持しながら5時間、撹拌した。
化合物(1Y1)(1.95g、9.8mmol)とピリジン(1.00g、12.6mmol)を丸底フラスコ(内容積50mL)に入れ、フラスコの内温を25℃に保持しながら撹拌して、F(CF2)3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2OH(4.61g、9.6mmol)を滴下した。滴下終了後、撹拌しながらフラスコの内温を50まで加熱して、つづいて内温を45〜50℃に保持しながら5時間、撹拌した。
つぎにフラスコにR−225を加えて得た希釈液を、希塩酸水溶液と水で順次、洗浄してから無水硫酸マグネシウムを加えて12時間、静置した。硫酸マグネシウムをろ過してからエバポレーターで濃縮して濃縮物(5.47g)を得た。濃縮物をGCおよびNMRで分析した結果、上記化合物(3Y1)の生成を確認した(選択率83.8%、収率74.4%)。
化合物(3Y1)のNMRデータを以下に示す。
1H−NMR(300.4MHz,溶媒:CDCl3,基準:TMS)δ(ppm):1.73(m,6H),1.90(s,6H),2.03(s,3H),4.58(m,2H)。
19F−NMR(282.7MHz,溶媒:CDCl3,基準:CFCl3)δ(ppm):−79.8〜−80.6(4F),−81.8〜−83.4(9F),−130.1(2F),−133.9(1F),−145.5(1F)。
1H−NMR(300.4MHz,溶媒:CDCl3,基準:TMS)δ(ppm):1.73(m,6H),1.90(s,6H),2.03(s,3H),4.58(m,2H)。
19F−NMR(282.7MHz,溶媒:CDCl3,基準:CFCl3)δ(ppm):−79.8〜−80.6(4F),−81.8〜−83.4(9F),−130.1(2F),−133.9(1F),−145.5(1F)。
[例2−2]化合物(4Y11)、化合物(4Y12)、および化合物(4Y13)の製造例
例1−2と同じオートクレーブを用意し、オートクレーブの内温を25℃に保持しながら、20%フッ素ガスを流速11.31L/hで30分間、吹き込んだ。さらにオートクレーブ内の圧力を0.20MPaまで加圧して、同じ流速で20%フッ素ガスを30分間、吹き込んだ。
例1−2と同じオートクレーブを用意し、オートクレーブの内温を25℃に保持しながら、20%フッ素ガスを流速11.31L/hで30分間、吹き込んだ。さらにオートクレーブ内の圧力を0.20MPaまで加圧して、同じ流速で20%フッ素ガスを30分間、吹き込んだ。
つぎにオートクレーブ内の圧力を0.20MPaに保持したまま、20%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例2−1で得た化合物(4g)をR−113(80g)に溶解した溶液を3.3時間かけて注入した。
つぎに、オートクレーブ内の圧力を0.20MPaに保持すること、ベンゼン溶液注入を5回繰り返すこと、およびベンゼンの注入総量を0.45g、R−113の注入総量を45mLとすること以外は、例1−2と同様の方法で反応を行った。反応後に反応器内圧力を大気圧にして、窒素ガスを1時間吹き込んだ。
オートクレーブの内容物をGC−MS分析と19F−NMRにより分析した結果、内容物は、上記化合物(4Y11)(収率86%)、化合物(4Y11)のアダマンタンの炭素原子に結合するフッ素原子の1つが水素原子に置換した化合物(収率11%)の混合物であることを確認した。さらに1H−NMRにより分析した結果、上記化合物(4Y12)および上記化合物(4Y13)の生成が確認された。
化合物(4Y11)の19F−NMRを以下に示す。
19F−NMR(376.0MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−61.9(2F),−79.0〜−81.0(1F),−82.0(3F),−82.1(3F),−85.5〜−88.0(1F),−109.0〜−116.0(6F).−117.0〜−125.0(6F),−130.1(2F),−131.6〜−133.5(1F),−217.0〜−222.0(3F)。
19F−NMR(376.0MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−61.9(2F),−79.0〜−81.0(1F),−82.0(3F),−82.1(3F),−85.5〜−88.0(1F),−109.0〜−116.0(6F).−117.0〜−125.0(6F),−130.1(2F),−131.6〜−133.5(1F),−217.0〜−222.0(3F)。
化合物(4Y12)の1H−NMRを以下に示す。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):5.71(d,JFH=46.0Hz,1H)。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):5.71(d,JFH=46.0Hz,1H)。
化合物(4Y13)の1H−NMRを以下に示す。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):3.79(m,1H)。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):3.79(m,1H)。
[例2−3]化合物(5a11)、化合物(5a12)、および化合物(5a13)の製造例
例2−2で得た混合物(4.8g、5.0mmol)とKF粉末(0.09g、1.5mmol)を丸底フラスコ(内容積50mL)に仕込んだ。フラスコ内を激しく撹拌しながら、フラスコを140℃のオイルバスに浸して1時間、加熱した。なおフラスコの上部には20℃に温度調節した還流器と受液器を設置した。
例2−2で得た混合物(4.8g、5.0mmol)とKF粉末(0.09g、1.5mmol)を丸底フラスコ(内容積50mL)に仕込んだ。フラスコ内を激しく撹拌しながら、フラスコを140℃のオイルバスに浸して1時間、加熱した。なおフラスコの上部には20℃に温度調節した還流器と受液器を設置した。
受液器に留出した液状サンプル(3.2g)を、GC−MS分析、19F−NMR、1H−NMRにより分析した結果、液状サンプルは、化合物(5a11)、化合物(5a12)、およびF(CF2)3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COFの混合物であることを確認した。
[例3]化合物(5b21)および化合物(5b22)の製造例
[例3−1]化合物(3X2)の製造例
化合物(1X2)(0.78g)とNaF(0.83g)を丸底フラスコ(内容積50mL)に入れ、R−225を加え、懸濁状態のまま撹拌した。フラスコ内の温度を25℃に保持しながら撹拌して、F(CF2)3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COF(5.74g)を滴下した。滴下終了後、撹拌しながらフラスコ内の温度を65〜70℃に加熱して、そのまま3時間、撹拌した。
化合物(1X2)(0.78g)とNaF(0.83g)を丸底フラスコ(内容積50mL)に入れ、R−225を加え、懸濁状態のまま撹拌した。フラスコ内の温度を25℃に保持しながら撹拌して、F(CF2)3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COF(5.74g)を滴下した。滴下終了後、撹拌しながらフラスコ内の温度を65〜70℃に加熱して、そのまま3時間、撹拌した。
つぎにフラスコにR−225を加えて得たフラスコ内溶液を、ろ過してNaFを除去した反応粗液を得た。反応粗液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水を用いて3回洗浄した。さらにイオン交換水で2回洗浄してから、硫酸マグネシウムを加え、1時間、静置した。つぎにろ過して硫酸マグネシウムを除去して得たろ液を、エバポレーターで濃縮し、さらに真空ポンプで減圧濃縮して濃縮物(2.46g)を得た。濃縮物をGC、NMRにより分析した結果、上記化合物(3X2)の生成を確認した(選択率99.7%、収率46%)。
化合物(3X2)のNMRデータを以下に示す。
1H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS):1.39(s,2H),1.53(m,8H),1.68(s,2H),2.16(s,2H),3.88〜4.12(m,4H)。
19F−NMR(282.7MHz,溶媒:CDCl3,基準:CFCl3):−80.0〜−81.0(8F),−81.9〜−82.8(16F),−84.5〜−85.4(2F),−130.2(4F),−131.9(2F),−145.6(2F)。
1H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS):1.39(s,2H),1.53(m,8H),1.68(s,2H),2.16(s,2H),3.88〜4.12(m,4H)。
19F−NMR(282.7MHz,溶媒:CDCl3,基準:CFCl3):−80.0〜−81.0(8F),−81.9〜−82.8(16F),−84.5〜−85.4(2F),−130.2(4F),−131.9(2F),−145.6(2F)。
[例3−2]化合物(4X21)および化合物(4X22)の製造例
例1−2と同じオートクレーブを用意して、オートクレーブの内温を25℃に保持しながら、窒素ガスを1.0時間吹き込んだ。20%フッ素ガスを流速9.05L/hで30分吹き込んだ後、オートクレーブ内圧力を0.15MPaまで加圧してから、さらに30分間、吹き込んだ。つぎに20%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例2−1で得た化合物(3X2)(2.46g)をR−113(49.03g)に溶解した溶液を1.3時間かけて注入した。
例1−2と同じオートクレーブを用意して、オートクレーブの内温を25℃に保持しながら、窒素ガスを1.0時間吹き込んだ。20%フッ素ガスを流速9.05L/hで30分吹き込んだ後、オートクレーブ内圧力を0.15MPaまで加圧してから、さらに30分間、吹き込んだ。つぎに20%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例2−1で得た化合物(3X2)(2.46g)をR−113(49.03g)に溶解した溶液を1.3時間かけて注入した。
例1−2と同様の条件(ただし、ベンゼンの注入総量は0.34g、R−113の注入総量は33mLであった。)で反応を行った。反応後、オートクレーブ内の圧力を大気圧にして、窒素ガスを1時間吹き込んだ。
オートクレーブの内容物をGC−MS分析と19F−NMRにより分析した結果、内容物は、上記化合物(4X21)(収率76%)、化合物(4X21)のアダマンタンの炭素原子に結合するフッ素原子の1つ以上が水素原子に置換した化合物(収率18%)の混合物であることを確認した。さらに1H−NMRにより分析した結果、上記化合物(4X22)の生成を確認した。
化合物(4X21)の19F−NMRを以下に示す。
19F−NMR(282.7MHz,溶媒:CDCl3,基準:CFCl3):−79.5〜−80.6(8F),−82.0〜−82.3(20F),−84.4〜−85.0(2F),−98.4〜−121.5(12F),−130.2(4F),−132.1(2F),−145.5(2F),−217.9(2F)。
19F−NMR(282.7MHz,溶媒:CDCl3,基準:CFCl3):−79.5〜−80.6(8F),−82.0〜−82.3(20F),−84.4〜−85.0(2F),−98.4〜−121.5(12F),−130.2(4F),−132.1(2F),−145.5(2F),−217.9(2F)。
化合物(4X22)の1H−NMRを以下に示す。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):5.80(d,JFH=44.2Hz,1H)。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):5.80(d,JFH=44.2Hz,1H)。
[例3−3]化合物(5b21)および化合物(5b22)の製造例
例3−2で得た混合物(2.39g)をKF粉末(0.08g)と共にフラスコに仕込んだ。なおフラスコの上部には、20℃に温度調節した還流器とフッ素樹脂フィルム製パック(デュポン社製、商品名:テドラーパック)を直列に設置した。フラスコ内を激しく撹拌しながら、フラスコを117〜120℃のオイルバス中に浸して3時間加熱した。つぎにフラスコを冷却した後、フィルター濾過によりKF粉末を除去し、液状サンプル(2.00g)を回収した。
例3−2で得た混合物(2.39g)をKF粉末(0.08g)と共にフラスコに仕込んだ。なおフラスコの上部には、20℃に温度調節した還流器とフッ素樹脂フィルム製パック(デュポン社製、商品名:テドラーパック)を直列に設置した。フラスコ内を激しく撹拌しながら、フラスコを117〜120℃のオイルバス中に浸して3時間加熱した。つぎにフラスコを冷却した後、フィルター濾過によりKF粉末を除去し、液状サンプル(2.00g)を回収した。
液状サンプルをGC、GC−MS分析、19F−NMRにより分析した結果、液状サンプルは上記化合物(5b21)、化合物(5b21)のアダマンタンに結合するフッ素原子の1つ以上が水素原子に置換した化合物、およびCF3(CF2)2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COFが主成分の混合物であることを確認した。さらに1H−NMRにより分析した結果、上記化合物(5b22)の生成を確認した。
化合物(5b21)の19F−NMRを以下に示す。
19F−NMR(283.7MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):55.4(2F),−97.9(2F),−109.9(8F),−120.8(2F),−217.8(2F)。
19F−NMR(283.7MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):55.4(2F),−97.9(2F),−109.9(8F),−120.8(2F),−217.8(2F)。
化合物(5b22)の1H−NMR、19F−NMRを以下に示す。
1H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):5.95(d,JFH=42.3Hz,1H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):49.4(2F),−107.4〜−112.0(8F),−120.8(2F),−204.7(1F),−217.8〜−218.4(2F)。
1H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):5.95(d,JFH=42.3Hz,1H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):49.4(2F),−107.4〜−112.0(8F),−120.8(2F),−204.7(1F),−217.8〜−218.4(2F)。
[例4]化合物(5d41)の製造例
[例4−1]化合物(3X4)の製造例
例3−1における化合物(1X2)を上記化合物(1X4)に変更し、CF3(CF2)2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COFをCF3(CF2)2OCF(CF3)COFに変更する以外は、同様に反応を行うことにより上記化合物(3X4)を得る。
例3−1における化合物(1X2)を上記化合物(1X4)に変更し、CF3(CF2)2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COFをCF3(CF2)2OCF(CF3)COFに変更する以外は、同様に反応を行うことにより上記化合物(3X4)を得る。
[例4−2]化合物(4X41)および化合物(4X22)の製造例
例4−1の化合物(3X4)を用いて例3−2と同様の反応を行うことにより、化合物(3X4)のフッ素化体が主成分とする生成物を得る。生成物をGC−MS分析および19F−NMRにより分析すると、上記化合物(4X41)および化合物(4X41)のアダマンタンの炭素原子に結合するフッ素原子の1つ以上が水素原子に置換した化合物の混合物の生成が確認される。さらに1H−NMRにより分析すると上記化合物(4X42)の生成が確認される。
例4−1の化合物(3X4)を用いて例3−2と同様の反応を行うことにより、化合物(3X4)のフッ素化体が主成分とする生成物を得る。生成物をGC−MS分析および19F−NMRにより分析すると、上記化合物(4X41)および化合物(4X41)のアダマンタンの炭素原子に結合するフッ素原子の1つ以上が水素原子に置換した化合物の混合物の生成が確認される。さらに1H−NMRにより分析すると上記化合物(4X42)の生成が確認される。
[例4−3]化合物(5d41)および化合物(5d42)の製造例
例4−2の混合物を用いて例3−3と同様の反応を行う。生成物をGC−MS分析および19F−NMRにより分析すると、上記化合物(5d41)および化合物(5d41)のアダマンタンの炭素原子に結合するフッ素原子の1つ以上が水素原子に置換した化合物の混合物の生成が確認される。さらに1H−NMRにより分析すると上記化合物(4d42)の生成が確認される。
例4−2の混合物を用いて例3−3と同様の反応を行う。生成物をGC−MS分析および19F−NMRにより分析すると、上記化合物(5d41)および化合物(5d41)のアダマンタンの炭素原子に結合するフッ素原子の1つ以上が水素原子に置換した化合物の混合物の生成が確認される。さらに1H−NMRにより分析すると上記化合物(4d42)の生成が確認される。
[例5]化合物(1X3)の製造例
[例5−1]化合物(11X3)の製造例
化合物(12X3)(30.27g)とメタノール(93.38g)を丸底フラスコ(内容積300mL)に加えてから、水浴冷却下にて濃硫酸(15.12g)を加え、懸濁状態のまま撹拌した。つぎにフラスコ内溶液を、加熱により環流させた状態で2時間、撹拌すると、フラスコ内溶液は透明になった。
化合物(12X3)(30.27g)とメタノール(93.38g)を丸底フラスコ(内容積300mL)に加えてから、水浴冷却下にて濃硫酸(15.12g)を加え、懸濁状態のまま撹拌した。つぎにフラスコ内溶液を、加熱により環流させた状態で2時間、撹拌すると、フラスコ内溶液は透明になった。
フラスコ内溶液を冷却し濃縮してから、水(200mL)とトルエンを加え、トルエンに抽出された成分を回収して白色固体状の生成物(33.38g)を得た。該生成物を、GCとNMRにより分析した結果、化合物(12X3)の生成を確認した。
化合物(12X3)のNMRデータを以下に示す。
1H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):3.68(s,9H),2.30(m,1H),1.84〜2.07(m,12H)。
1H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):3.68(s,9H),2.30(m,1H),1.84〜2.07(m,12H)。
[例5−2]化合物(1X3)の製造例
Sodium bis(2−methoxyethoxy)Aluminum hydrideの65質量%を含むトルエン溶液(120g)と、トルエン(150mL)を丸底フラスコ(内容積500mL)に仕込み、撹拌しながらフラスコ内溶液を水浴により冷却した。つぎに、化合物(11X3)(33.38g)をトルエン(100mL)に溶解させた溶液をフラスコに滴下した。さらにフラスコ内溶液を加熱により環流させた状態で1時間、撹拌した。
Sodium bis(2−methoxyethoxy)Aluminum hydrideの65質量%を含むトルエン溶液(120g)と、トルエン(150mL)を丸底フラスコ(内容積500mL)に仕込み、撹拌しながらフラスコ内溶液を水浴により冷却した。つぎに、化合物(11X3)(33.38g)をトルエン(100mL)に溶解させた溶液をフラスコに滴下した。さらにフラスコ内溶液を加熱により環流させた状態で1時間、撹拌した。
フラスコ内溶液を冷却し濃縮してから、水(60mL)を加え、さらに15質量%の水酸化ナトリウムを含む水溶液(120g)を加えて反応液を得た。該反応液をクロロホルムにて連続抽出して得た白色固体状の生成物(22.27g)を、GCとNMRにより分析した結果、ほぼ純粋な化合物(1X3)の生成を確認した。
化合物(1X3)のNMRデータを以下に示す。
1H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):4.32(t,3H),3.04(d,6H),2.05(s,1H),1.30(s,6H),1.10(q,6H)。
1H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):4.32(t,3H),3.04(d,6H),2.05(s,1H),1.30(s,6H),1.10(q,6H)。
[例6]化合物(5c31)の製造例および化合物(5c32)の製造例
[例6−1]化合物(3X3)の製造例
反応器(内容積1.0L、PFA製)に、化合物(1X3)(22.27g)、NaF(55.26g)、およびR−225(490g)を入れ、懸濁状態のまま撹拌した。フラスコ内温を25℃に保持しながら撹拌して、F(CF2)3OCF(CF3)COF(118.53g)を滴下した。滴下終了後、そのまま10時間、撹拌した。
反応器(内容積1.0L、PFA製)に、化合物(1X3)(22.27g)、NaF(55.26g)、およびR−225(490g)を入れ、懸濁状態のまま撹拌した。フラスコ内温を25℃に保持しながら撹拌して、F(CF2)3OCF(CF3)COF(118.53g)を滴下した。滴下終了後、そのまま10時間、撹拌した。
つぎにフラスコ内溶液をろ過してNaFを除去し、ろ液をエバポレーターで濃縮してから、さらに真空ポンプで減圧濃縮して濃縮物(114.39g)を得た。濃縮物をGC、NMRにより分析した結果、上記化合物(3X3)の生成を確認した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:R−225)により精製して、純粋な化合物(3X3)(106.22g)を得た(収率93%)。
化合物(3X3)のNMR及びIRデータを以下に示す。
1H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):4.13(d,3H),3.95(d,3H),2.32(s,1H),1.52(s,6H),1.38(s,6H)。
19F−NMR(282.7MHz,溶媒:CDCl3,基準:CFCl3)δ(ppm):−80.0〜−81.0(3F),−81.9(9F),−82.6(9F),−86.6〜−87.2(3F),−130.3(6F),−132.2(3F)。
IR(neat):747,992,1037,1117,1151,1234,1287,1333,1463,1786,2861,2919cm−1。
1H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):4.13(d,3H),3.95(d,3H),2.32(s,1H),1.52(s,6H),1.38(s,6H)。
19F−NMR(282.7MHz,溶媒:CDCl3,基準:CFCl3)δ(ppm):−80.0〜−81.0(3F),−81.9(9F),−82.6(9F),−86.6〜−87.2(3F),−130.3(6F),−132.2(3F)。
IR(neat):747,992,1037,1117,1151,1234,1287,1333,1463,1786,2861,2919cm−1。
[例6−2]化合物(4X31)および化合物(4X32)の製造例
オートクレーブ(内容積3L、ニッケル製)を用意し、オートクレーブのガス出口に、20℃に保持した冷却器、NaFペレット充填層、および−10℃に保持した冷却器を直列に設置した。また−10℃に保持した冷却器から凝集した液をオートクレーブに戻す液体返送ラインを設置した。
オートクレーブ(内容積3L、ニッケル製)を用意し、オートクレーブのガス出口に、20℃に保持した冷却器、NaFペレット充填層、および−10℃に保持した冷却器を直列に設置した。また−10℃に保持した冷却器から凝集した液をオートクレーブに戻す液体返送ラインを設置した。
オートクレーブにR−113(1600g)を加え、25℃に保持しながら撹拌した。そのままオートクレーブに、窒素ガスを25℃で1時間吹き込んでから、窒素ガスで20%体積に希釈したフッ素ガス(以下、20%フッ素ガスと記す。)を25℃、流速16.05L/hで1時間吹き込んだ。つぎに20%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例6−1で得た化合物(3X3)をR−113(700g)に溶解した溶液を20.0時間かけて注入した。
つぎに、20%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながらオートクレーブの内圧を0.15MPa(ゲージ圧)まで加圧して、ベンゼン濃度が6mg/mLのR−113溶液を25℃から40℃にまで加熱しながら110mL注入し、オートクレーブのベンゼン溶液注入口を閉めた。
さらに20%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら1時間、撹拌を続けた。つぎに反応器内の圧力を大気圧にして、窒素ガスを1時間吹き込んだ。オートクレーブの内容物をNMRで分析した結果、内容物は上記化合物(4X31)および化合物(4X32)の混合物であることを確認した。
化合物(4X31)の19F−NMRデータを以下に示す。
19F−NMR(282.6MHz、溶媒:CDCl3、基準:C6F6)δ(ppm):−80.1〜−82.3(27F)、−85.9〜−86.6(3F)、−96.0〜−112.8(12F)、−130.2(6F)、−132.1(3F)、−218.5〜−220.0(1F)。
19F−NMR(282.6MHz、溶媒:CDCl3、基準:C6F6)δ(ppm):−80.1〜−82.3(27F)、−85.9〜−86.6(3F)、−96.0〜−112.8(12F)、−130.2(6F)、−132.1(3F)、−218.5〜−220.0(1F)。
化合物(4X32)の1H−NMR、19F−NMRデータを以下に示す。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):5.83(d,JFH=44.2Hz,1H)。
19F−NMR(282.6MHz、溶媒:CDCl3、基準:C6F6)δ(ppm):−80.1〜−82.3(27F)、−85.9〜−86.6(3F)、−96.0〜−112.8(10F)、−130.2(6F)、−132.1(3F)、−210.6〜−211.5(1F)、−218.5〜−220.0(1F)。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):5.83(d,JFH=44.2Hz,1H)。
19F−NMR(282.6MHz、溶媒:CDCl3、基準:C6F6)δ(ppm):−80.1〜−82.3(27F)、−85.9〜−86.6(3F)、−96.0〜−112.8(10F)、−130.2(6F)、−132.1(3F)、−210.6〜−211.5(1F)、−218.5〜−220.0(1F)。
[例6−3]化合物(5c31)および化合物(5c32)の製造例
例6−2で得た混合物を用いて例3−3と同様の反応を行う。生成物をGC−MS分析および19F−NMRにより分析すると、上記化合物(5c31)および化合物(5c32)のアダマンタンの炭素原子に結合するフッ素原子の1つ以上が水素原子に置換した化合物の混合物であると確認される。1H−NMRにより分析すると上記化合物(5c32)が主成分と確認される。
例6−2で得た混合物を用いて例3−3と同様の反応を行う。生成物をGC−MS分析および19F−NMRにより分析すると、上記化合物(5c31)および化合物(5c32)のアダマンタンの炭素原子に結合するフッ素原子の1つ以上が水素原子に置換した化合物の混合物であると確認される。1H−NMRにより分析すると上記化合物(5c32)が主成分と確認される。
本発明の化合物は、反応活性な−COF基を有することから、重合性単量体や種々の誘導体の原料として有用である。また該誘導体は、(特に短波長光に対する)透明性や耐光性、耐熱性などに優れた機能性材料の原料、架橋剤、医薬や農薬中間体などとして有用である。
Claims (9)
- 下式(5)で表される化合物。
AF(−COF)n (5)
式中の記号は以下の意味を示す。
AF:アダマンタンから水素原子をn個除いた(ただし、nが2以上の場合の除かれる水素原子は、異なる炭素原子に結合した水素原子である。)n価の基であり、残余の水素原子の少なくとも1個はフッ素原子に置換され、さらに残余の水素原子は炭素数1〜6のアルキル基またはフルオロアルキル基で置換されていてもよい、含フッ素アダマンタン残基。
n:1〜4の整数。
ただし、nが1の場合は、前記AFは少なくとも1個の水素原子を有する。 - AFが、アダマンタンからアダマンタンの3級炭素原子に結合した水素原子をn個除いた基である請求項1に記載の化合物。
- nが2、3、または4である請求項1または2に記載の化合物。
- Q1、Q2、Q4、Q5およびQ6が−CF2−基であり、Q3が−CHF−基である請求項4に記載の化合物。
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