JP2024074651A - 含フッ素ヨウ化物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来と比較して簡便に含フッ素ヨウ化物を製造する含フッ素ヨウ化物の製造方法を提供する。【解決手段】含フッ素エステル化合物とヨウ素化合物とを反応させて、含フッ素ヨウ化物を得ることを、1工程で行う、含フッ素ヨウ化物の製造方法。【選択図】なし

Description

本開示は、含フッ素ヨウ化物の製造方法に関する。
含フッ素化合物には産業上有用な化合物が多く存在し、従来から様々な製造方法が開発されてきた。特に、末端にヨウ素原子を有する含フッ素ヨウ化物は、ヨウ素原子を他の官能基に変換することで種々の含フッ素化合物を製造することができるため、有用である。
例えば、特許文献1には、ペルフルオロカルボン酸フルオリドとヨウ化リチウムとを、100~300℃の温度で反応させる、ヨウ化ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの製造方法が記載されている。特許文献2には、RAfOCF(CF)CFOCOCF(CF)ORBfのエステル結合を分解して、RAfOCF(CF)COFを製造する方法が記載されている。
特開平03-236367号公報 国際公開第2002/010107号公報
しかしながら、従来、エステル化合物を原料として、含フッ素ヨウ化物を得るには、特許文献1に記載されている方法と、特許文献2に記載されている方法と、を組み合わせる必要があり、工程が多段階であった。
本発明の一実施形態における課題は、従来と比較して簡便に含フッ素ヨウ化物を製造する含フッ素ヨウ化物の製造方法を提供することにある。
本開示には、以下の態様が含まれる。
<1>
含フッ素エステル化合物とヨウ素化合物とを反応させて、含フッ素ヨウ化物を得ることを、1工程で行う、含フッ素ヨウ化物の製造方法。
<2>
ヨウ素化合物は、ヨウ素及びヨウ化アルカリ金属からなる群より選択される少なくとも1種である、<1>に記載の含フッ素ヨウ化物の製造方法。
<3>
含フッ素ヨウ化物を得ることは、
反応温度を160℃以上とするか、又は、
反応温度を160℃未満とし、かつ、金属触媒を用いて反応させる、<1>又は<2>に記載の含フッ素ヨウ化物の製造方法。
<4>
金属触媒は、遷移金属触媒である、<3>に記載の含フッ素ヨウ化物の製造方法。
<5>
金属触媒は、ニッケル、パラジウム、白金、及びロジウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含む、<3>又は<4>に記載の含フッ素ヨウ化物の製造方法。
<6>
金属触媒は、リン系配位子を有する、<3>~<5>のいずれか1つに記載の含フッ素ヨウ化物の製造方法。
<7>
含フッ素エステル化合物は、-CF-OC(=O)-CF-で表される骨格を含む、<1>~<6>のいずれか1つに記載の含フッ素ヨウ化物の製造方法。
<8>
含フッ素エステル化合物は、下記式(1)で表され、
含フッ素ヨウ化物は、下記式(2)で表される、<1>~<7>のいずれか1つに記載の含フッ素ヨウ化物の製造方法。
AF-CF-OC(=O)-CFR51-RBF …(1)
AF-I …(2)
式(1)~式(2)中、
AF及びRBFはそれぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1~20のハロゲン化アルキル基、又は、エーテル性酸素原子を有する、炭素数1~2,000のハロゲン化アルキル基であり、
51はフッ素原子又は炭素数1~20のハロゲン化アルキル基である。
<9>
含フッ素エステル化合物は、下記式(3)で表され、
含フッ素ヨウ化物は、下記式(4)で表される、<1>~<7>のいずれか1つに記載の含フッ素ヨウ化物の製造方法。
DF-R52FC-(O=)C-O-CF-RCF-CF-OC(=O)-CFR53-REF …(3)
I-RCF-I …(4)
式(3)~式(4)中、
CFは、炭素数1~20のハロゲン化アルキレン基、又は、エーテル性酸素原子を有する、炭素数2~2,000のハロゲン化アルキレン基であり、
DF及びREFはそれぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1~20のハロゲン化アルキル基、又は、エーテル性酸素原子を有する、炭素数1~2,000のハロゲン化アルキル基であり、
52及びR53はそれぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~20のハロゲン化アルキル基である。
本開示によれば、従来と比較して簡便に含フッ素ヨウ化物を製造する含フッ素ヨウ化物の製造方法が提供される。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、各成分の量は、各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、複数種の物質の合計量を意味する。
本開示において、化合物が特定の式(X)で表される場合、当該式(X)で表される化合物を化合物Xと記すことがある。なお、化合物が含フッ素エステル化合物である場合には含フッ素エステル化合物Xと記すこともある。
[含フッ素ヨウ化物の製造方法]
本開示の含フッ素ヨウ化物の製造方法では、含フッ素エステル化合物とヨウ素化合物とを反応させて、含フッ素ヨウ化物を得ることを、1工程で行う。
従来、含フッ素ヨウ化物の製造方法として、含フッ素エステル化合物を分解して含フッ素カルボン酸フルオリドを得た後、含フッ素カルボン酸フルオリドとヨウ化リチウムとを反応させて、含フッ素ヨウ化物を得る方法が知られている。しかし、この方法では、少なくとも2工程が必要であった。
以下、本開示の含フッ素ヨウ化物の製造方法について、詳細に説明する。
本開示の含フッ素ヨウ化物の製造方法は、含フッ素エステル化合物とヨウ素化合物とを反応させて、含フッ素ヨウ化物を得ることを含む。含フッ素ヨウ化物を得ることは、1工程で行われる。
「1工程で行われる」ということは、含フッ素エステル化合物とヨウ素化合物とを反応させるという工程のみで、含フッ素ヨウ化物が得られることを意味する。
(反応条件)
含フッ素ヨウ化物を得ることは、反応温度を160℃以上とするか(以下、「態様1」ともいう)又は、反応温度を160℃未満とし、かつ、金属触媒を用いて反応させる(以下、「態様2」ともいう)ことが好ましい。
態様1では、含フッ素エステル化合物とヨウ素化合物との反応において、金属触媒を用いてもよく、金属触媒を用いなくてもよい。反応温度は、180℃以上であることが好ましい。反応温度の上限値は特に限定されないが、含フッ素エステル化合物の分解を抑制する観点から、400℃であることが好ましい。
態様2では、含フッ素エステル化合物とヨウ素化合物との反応において、金属触媒を用いる。反応温度は、155℃以下であることが好ましい。反応温度の下限値は特に限定されないが、反応に用いる化合物(具体的には、含フッ素エステル化合物及びヨウ素化合物、場合によっては溶媒)の固化を抑制する観点から、反応に用いる化合物の凝固点以上であることが好ましい。
態様1で金属触媒を用いる場合、及び態様2の場合に、金属触媒は、遷移金属触媒であることが好ましい。遷移金属触媒は、遷移金属単体又は遷移金属を含む化合物であれば特に限定されず、遷移金属を含む化合物が好ましく、遷移金属と配位子とからなる化合物がより好ましい。
金属触媒は、収率を向上させる観点から、周期表第8族~第10族の遷移金属を含むことが好ましく、ニッケル、パラジウム、白金、及びロジウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含むことがより好ましく、ニッケル、パラジウム、及びロジウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含むことがさらに好ましく、パラジウム及びロジウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含むことが特に好ましく、パラジウムを含むことが最も好ましい。
金属触媒が配位子を有する場合に、配位子としては、窒素系配位子、リン系配位子及び酸素系配位子が挙げられる。
窒素系配位子としては、例えば、ビピリジン系配位子、ビキノリン系配位子、フェナントロリン系配位子、ピリジン系配位子、キノリン系配位子、ベンゾキノリン系配位子、アクリジン系配位子、三級脂肪族アミン系配位子、及び三級芳香族アミン系配位子が挙げられる。リン酸系配位子としては、例えば、ホスフィン系配位子が挙げられる。酸素系配位子としては、例えば、エーテル系配位子が挙げられる。
中でも、金属触媒は、リン系配位子を有することが好ましく、ホスフィン系配位子を有することがより好ましい。
特に、金属触媒は、ニッケル、パラジウム、白金、及びロジウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含み、かつ、リン系配位子を有することが好ましい。具体的な金属触媒としては、Ni(cod)/PPh、Pd(PPh、及びPt(PPh、Rh(PPhClが挙げられる。なお、codは1,5-シクロオクタジエンの略である。
反応に金属触媒を用いる場合に、金属触媒の使用量は、含フッ素エステル化合物の使用量に対して、0.01~100モル%が好ましく、0.1~50モル%がより好ましく、1~10モル%がさらに好ましい。
反応時間は特に限定されず、例えば、2~40時間である。
(ヨウ素化合物)
反応に用いられるヨウ素化合物は、ヨウ素又はヨウ素を含む化合物であれば特に限定されないが、反応性の観点から、ヨウ素及びヨウ化アルカリ金属からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
ヨウ化アルカリ金属としては、例えば、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、及びヨウ化セシウムが挙げられ、ヨウ化リチウムが好ましい。
ヨウ素化合物の使用量は、含フッ素エステル化合物の使用量に対して、2~10当量が好ましく、3~8当量がより好ましい。
(含フッ素エステル化合物)
反応に用いられる含フッ素エステル化合物は、収率を向上させる観点から、-CF-OC(=O)-CF-で表される骨格を含むことが好ましい。上記骨格は、含フッ素エステル化合物に1つのみ含まれていてもよく、2つ以上含まれていてもよい。
中でも、含フッ素エステル化合物は、下記式(1)で表され、含フッ素ヨウ化物は、下記式(2)で表されることが好ましい。
AF-CF-OC(=O)-CFR51-RBF …(1)
AF-I …(2)
式(1)~式(2)中、RAF及びRBFはそれぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1~20のハロゲン化アルキル基、又は、エーテル性酸素原子を有する、炭素数1~2,000のハロゲン化アルキル基であり、R51はフッ素原子又は炭素数1~20のハロゲン化アルキル基である。
〔RAF
AFは、フッ素原子、炭素数1~20のハロゲン化アルキル基、又は、エーテル性酸素原子を有する、炭素数1~2,000のハロゲン化アルキル基である。
AFで表されるハロゲン化アルキル基は、直鎖状ハロゲン化アルキル基であってもよく、分岐鎖状ハロゲン化アルキル基であってもよく、環構造を有するハロゲン化アルキル基であってもよい。
本開示において、「ハロゲン化アルキル基」とは、ハロゲン原子により、アルキル基中に存在する水素原子の1個以上が置換された基を意味する。ハロゲン化アルキル基は、部分ハロゲン化アルキル基であってもよく、ペルハロゲン化アルキル基であってもよい。
本開示において、「部分ハロゲン化アルキル基」とは、アルキル基中に存在する水素原子の一部がハロゲン原子に置換された基を意味する。
本開示において、「ペルハロゲン化アルキル基」とは、アルキル基中に存在する水素原子の全部がハロゲン原子に置換された基を意味する。
ハロゲン原子がフッ素原子である場合も、同様である。
AFで表されるハロゲン化アルキル基は、ペルハロゲン化アルキル基であることが好ましく、直鎖状ペルハロゲン化アルキル基であることがより好ましい。また、RAFで表されるハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子は、塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、フッ素原子がより好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フルオロアルキル基が好ましく、ペルフルオロアルキル基がより好ましく、直鎖状ペルフルオロアルキル基がさらに好ましい。
AFで表されるハロゲン化アルキル基の炭素数は1~1,000が好ましく、1~200がより好ましい。
AFで表される、エーテル性酸素原子を有するハロゲン化アルキル基は、エーテル性酸素原子を有するフルオロアルキル基が好ましく、下記式(X1)で表されることがより好ましい。
11O-(R12O)m1-R13- …(X1)
式(X1)中、R11は、フッ素原子を有していてもよいアルキル基であり、R12はそれぞれ独立に、炭素数1~6のフッ素原子を有していてもよいアルキレン基であり、R13は、炭素数1~6のフッ素原子を有していてもよいアルキレン基であり、m1は0~500の整数であり、R11、R12、及びR13のうち少なくとも1つは、少なくとも1つのフッ素原子を有する。
式(X1)中、R11としては、例えば、アルキル基及びフルオロアルキル基が挙げられる。
11の炭素数は、室温(25℃)で液体とする観点から、1~1,000が好ましく、1~500がより好ましく、1~100がさらに好ましく、1~50が特に好ましく、1~10が最も好ましい。
11で表されるアルキル基は、直鎖状アルキル基であってもよく、分岐鎖状アルキル基であってもよく、環構造を有するアルキル基であってもよい。
11で表されるフルオロアルキル基は、直鎖状フルオロアルキル基であってもよく、分岐鎖状フルオロアルキル基であってもよく、環構造を有するフルオロアルキル基であってもよい。
中でも、R11は、フルオロアルキル基であることが好ましく、ペルフルオロアルキル基であることがより好ましく、直鎖状ペルフルオロアルキル基であることがさらに好ましく、炭素数1~6の直鎖状ペルフルオロアルキル基であることが特に好ましい。
式(X1)中、m1は1~500の整数が好ましく、1~300の整数がより好ましく、5~200の整数がさらに好ましく、10~150の整数が特に好ましい。
式(X1)中、-(R12O)m1-は、下記式(X2)で表されることが好ましい。
-[(Rf1O)k1(Rf2O)k2(Rf3O)k3(Rf4O)k4(Rf5O)k5(Rf6O)k6]- …(X2)
ただし、
f1は、炭素数1のフルオロアルキレン基であり、
f2は、炭素数2のフルオロアルキレン基であり、
f3は、炭素数3のフルオロアルキレン基であり、
f4は、炭素数4のフルオロアルキレン基であり、
f5は、炭素数5のフルオロアルキレン基であり、
f6は、炭素数6のフルオロアルキレン基である。
k1、k2、k3、k4、k5、及びk6は、それぞれ独立に0又は1以上の整数を表し、k1+k2+k3+k4+k5+k6は0~500の整数である。
室温(25℃)で液体とする観点から、k1+k2+k3+k4+k5+k6は、1~500の整数が好ましく、1~300の整数がより好ましく、5~200の整数がさらに好ましく、10~150の整数が特に好ましい。
なお、式(X2)における(Rf1O)~(Rf6O)の結合順序は任意である。式(X2)のk1~k6は、それぞれ、(Rf1O)~(Rf6O)の個数を表すものであり、配置を表すものではない。例えば、(Rf5O)k5は、(Rf5O)の数がk5個であることを表し、(Rf5O)k5のブロック配置構造を表すものではない。同様に、(Rf1O)~(Rf6O)の記載順は、それぞれの単位の結合順序を表すものではない。
f3~Rf6において、フルオロアルキレン基は、直鎖状フルオロアルキレン基であってもよく、分岐鎖状フルオロアルキレン基であってもよく、環構造を有するフルオロアルキレン基であってもよい。
f1の具体例としては、-CF-及び-CHF-が挙げられる。
f2の具体例としては、-CFCF-、-CFCHF-、-CHFCF-、-CHFCHF-、-CHCF-、及び-CHCHF-が挙げられる。
f3の具体例としては、-CFCFCF-、-CFCHFCF-、-CFCHCF-、-CHFCFCF-、-CHFCHFCF-、-CHFCHFCHF-、-CHFCHCF-、-CHCFCF-、-CHCHFCF-、-CHCHCF-、-CHCFCHF-、-CHCHFCHF-、-CHCHCHF-、-CF(CF)-CF-、-CF(CHF)-CF-、-CF(CHF)-CF-、-CF(CH)-CF-、-CF(CF)-CHF-、-CF(CHF)-CHF-、-CF(CHF)-CHF-、-CF(CH)-CHF-、-CF(CF)-CH-、-CF(CHF)-CH-、-CF(CHF)-CH-、-CF(CH)-CH-、-CH(CF)-CF-、-CH
(CHF)-CF-、-CH(CHF)-CF-、-CH(CH)-CF-、-CH(CF)-CHF-、-CH(CHF)-CHF-、-CH(CHF)-CHF-、-CH(CH)-CHF-、-CH(CF)-CH-、-CH(CHF)-CH-、及び-CH(CHF)-CH-が挙げられる。
f4の具体例としては、-CFCFCFCF-、-CFCFCFCHF-、-CFCFCFCH-、-CFCHFCFCF-、-CHFCHFCFCF-、-CHCHFCFCF-、-CFCHCFCF-、-CHFCHCFCF-、-CHCHCFCF-、-CHFCFCHFCF-、-CHCFCHFCF-、-CFCHFCHFCF-、-CHFCHFCHFCF-、-CHCHFCHFCF-、-CFCHCHFCF-、-CHFCHCHFCF-、-CHCHCHFCF-、-CFCHCHCF-、-CHFCHCHCF-、-CHCHCHCF-、-CHFCHCHCHF-、-CHCHCHCHF-、及び-cycloC-が挙げられる。
f5の具体例としては、-CFCFCFCFCF-、-CHFCFCFCFCF-、-CHCHFCFCFCF-、-CFCHFCFCFCF-、-CHFCHFCFCFCF-、-CFCHCFCFCF-、-CHFCHCFCFCF-、-CHCHCFCFCF-、-CFCFCHFCFCF-、-CHFCFCHFCFCF-、-CHCFCHFCFCF-、-CHCFCFCFCH-、及び-cycloC-が挙げられる。
f6の具体例としては、-CFCFCFCFCFCF-、-CFCFCHFCHFCFCF-、-CHFCFCFCFCFCF-、-CHFCHFCHFCHFCHFCHF-、-CHFCFCFCFCFCH-、-CHCFCFCFCFCH-、及び-cycloC10-が挙げられる。
ここで、-cycloC-は、ペルフルオロシクロブタンジイル基を意味し、その具体例としては、ペルフルオロシクロブタン-1,2-ジイル基が挙げられる。-cycloC-は、ペルフルオロシクロペンタンジイル基を意味し、その具体例としては、ペルフルオロシクロペンタン-1,3-ジイル基が挙げられる。-cycloC10-は、ペルフルオロシクロヘキサンジイル基を意味し、その具体例としては、ペルフルオロシクロヘキサン-1,4-ジイル基が挙げられる。
中でも、Rf1~Rf6において、フルオロアルキレン基は、ペルフルオロアルキレン基であることが好ましく、直鎖状ペルフルオロアルキレン基であることがより好ましい。
また、-(R12O)m1-は、下記式(F1)~(F3)で表される構造からなる群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、式(F2)で表される構造を含むことがより好ましい。
-(Rf1O)k1-(Rf2O)k2- …(F1)
-(Rf2O)k2-(Rf4O)k4- …(F2)
-(Rf3O)k3- …(F3)
ただし、式(F1)~式(F3)の各符号は、上記式(X2)と同様である。
式(F1)及び式(F2)において、(Rf1O)と(Rf2O)、(Rf2O)と(Rf4O)の結合順序は各々任意である。例えば(Rf1O)と(Rf2O)が交互に配置されてもよく、(Rf1O)と(Rf2O)が各々ブロックに配置されてもよく、またランダムであってもよい。式(F2)においても同様である。
式(F1)において、k1は1~30が好ましく、1~20がより好ましい。またk2は1~30が好ましく、1~20がより好ましい。
式(F2)において、k2は1~30が好ましく、1~20がより好ましい。またk4は1~30が好ましく、1~20がより好ましい。
式(F3)において、k3は1~30が好ましく、1~20がより好ましい。
式(X1)中、R13としては、上記、Rf1~Rf6と同様のものが挙げられる。
中でも、R13は、炭素数1~3のフルオロアルキレン基であることが好ましく、炭素数1~3のペルフルオロアルキレン基であることがより好ましい。
AFの具体例として、例えば、以下の構造が挙げられる。構造式中、aは1~500が好ましく、例えば、7である。bは1~30が好ましく、例えば、13である。*は、-CF-との結合部位を表す。
〔R51
式(1)中、R51で表されるハロゲン化アルキル基は、ペルハロゲン化アルキル基であることが好ましく、直鎖状ペルハロゲン化アルキル基であることがより好ましい。また、R51で表されるハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子は、塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、フッ素原子がより好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フルオロアルキル基が好ましく、ペルフルオロアルキル基がより好ましく、直鎖状ペルフルオロアルキル基がさらに好ましい。
51で表されるハロゲン化アルキル基の炭素数は、1~1,000が好ましく、1~500がより好ましく、1~100がさらに好ましく、1~50が特に好ましく、1~10が最も好ましい。
中でも、R51はフッ素原子又はトリフルオロメチル基であることが好ましい。
〔RBF
BFで表されるハロゲン化アルキル基は、ペルハロゲン化アルキル基であることが好ましく、直鎖状ペルハロゲン化アルキル基であることがより好ましい。また、RBFで表されるハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子は、塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、フッ素原子がより好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フルオロアルキル基が好ましく、ペルフルオロアルキル基がより好ましく、直鎖状ペルフルオロアルキル基がさらに好ましい。
BFで表されるフルオロアルキル基の炭素数は、1~1,000が好ましく、1~500がより好ましい。
BFで表される、エーテル性酸素原子を有するハロゲン化アルキル基は、エーテル性酸素原子を有するフルオロアルキル基が好ましく、合成しやすさの観点から、下記式(B1)で表されることが好ましい。
21O-(R22O)m2-R23- …(B1)
式(B1)中、R21は、フッ素原子を有していてもよいアルキル基であり、R22はそれぞれ独立に、炭素数1~6のフッ素原子を有していてもよいアルキレン基であり、R23は、炭素数1~6のフッ素原子を有していてもよいアルキレン基であり、m2は0~500の整数であり、R21、R22、及びR23のうち少なくとも1つは、少なくとも1つのフッ素原子を有する。
式(B1)中、R21としては、例えば、アルキル基及びフルオロアルキル基が挙げられる。
21の炭素数は、室温(25℃)で液体とする観点から、1~1,000であることが好ましく、1~500がより好ましく、1~100がさらに好ましく、1~50が特に好ましく、1~10が最も好ましい。
21で表されるアルキル基は、直鎖状アルキル基であってもよく、分岐鎖状アルキル基であってもよく、環構造を有するアルキル基であってもよい。
21で表されるフルオロアルキル基は、直鎖状フルオロアルキル基であってもよく、分岐鎖状フルオロアルキル基であってもよく、環構造を有するフルオロアルキル基であってもよい。
中でも、R21は、フルオロアルキル基であることが好ましく、直鎖状フルオロアルキル基であることがより好ましく、炭素数1~6の直鎖状フルオロアルキル基であることがさらに好ましく、炭素数1~6の直鎖状ペルフルオロアルキル基であることが特に好ましい。
式(B1)中、-(R22O)m2-は、上記式(X2)で表されることが好ましい。
式(B1)中、m2は0~500が好ましく、0~250がより好ましく、0~100がさらに好ましく、0~50が特に好ましく、0~10が最も好ましい。
式(B1)中、R23としては、上記、R13と同様のものが挙げられる。
中でも、R23は、炭素数1~3のフルオロアルキレン基であることが好ましく、炭素数1~3のペルフルオロアルキレン基であることがより好ましい。
BFの具体例として、例えば、以下の構造が挙げられる。*は、-O-(C=O)-との結合部位を表す。
式(1)で表される含フッ素エステル化合物を反応に用いる場合には、式(2)で表される含フッ素ヨウ化物以外に、下記式(2-2)で表される含フッ素ヨウ化物が得られる場合がある。
BF-CFR51-I …(2-2)
式(2-2)中、RBF及びR51は、式(1)中のRBFと同義である。
また、含フッ素エステル化合物は、下記式(3)で表され、含フッ素ヨウ化物は、下記式(4)で表されることが好ましい。
DF-R52FC-(O=)C-O-CF-RCF-CF-OC(=O)-CFR53-REF …(3)
I-RCF-I …(4)
式(3)~式(4)中、RCFは、炭素数1~20のハロゲン化アルキレン基、又は、エーテル性酸素原子を有する、炭素数2~2,000のハロゲン化アルキレン基であり、RDF及びREFはそれぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1~20のハロゲン化アルキル基、又は、エーテル性酸素原子を有する、炭素数1~2,000のハロゲン化アルキル基であり、R52及びR53はそれぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~20のハロゲン化アルキル基である。
〔RCF
CFは、炭素数1~20のハロゲン化アルキレン基、又は、エーテル性酸素原子を有する、炭素数2~2,000のハロゲン化アルキレン基である。
CFで表されるハロゲン化アルキレン基は、直鎖状ハロゲン化アルキレン基であってもよく、分岐鎖状ハロゲン化アルキレン基であってもよく、環構造を有するハロゲン化アルキレン基であってもよい。また、RCFで表されるハロゲン化アルキレン基に含まれるハロゲン原子は、塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、フッ素原子がより好ましい。中でも、RCFで表されるハロゲン化アルキレン基は、フルオロアルキレン基が好ましく、ペルフルオロアルキレン基がより好ましく、直鎖状ペルフルオロアルキレン基がさらに好ましい。
CFで表されるハロゲン化アルキレン基の炭素数は1~1,000が好ましく、1~500がより好ましく、1~100がさらに好ましく、1~50が特に好ましく、1~10が最も好ましい。
CFで表される、エーテル性酸素原子を有するハロゲン化アルキレン基は、エーテル性酸素原子を有するフルオロアルキレン基が好ましく、下記式(C1)で表されることがより好ましい。
-(R31O)m3-R32- …(C1)
式(C1)中、R31及びR32はそれぞれ独立に、フッ素原子を有していてもよいアルキル基であり、m3は1~500の整数であり、R31及びR32のうち少なくとも1つは、少なくとも1つのフッ素原子を有する。
式(C1)中、-(R31O)m3-は、上記式(X2)で表されることが好ましい。
式(C1)中、m3は1~500が好ましく、1~250がより好ましく、1~100がさらに好ましく、1~50が特に好ましく、1~10が最も好ましい。
式(B1)中、R32としては、上記、R13と同様のものが挙げられる。
中でも、RCFは、ペルフルオロアルキレン基であることが好ましく、直鎖状ペルフルオロアルキレン基であることがより好ましい。
CFの具体例として、例えば、以下の構造が挙げられる。*は、-CF-との結合部位を表す。
〔RDF、REF
DF及びREFの好ましい態様は、RBFの好ましい態様と同様である。RDF及びREFは同一であってもよく、互いに異なっていてもよいが、含フッ素エステル化合物の製造しやすさの観点から、同一であることが好ましい。
〔R52、R53
52及びR53の好ましい態様は、R51の好ましい態様と同様である。R52及びR53は同一であってもよく、互いに異なっていてもよいが、含フッ素エステル化合物の製造しやすさの観点から、同一であることが好ましい。
式(3)で表される含フッ素エステル化合物を反応に用いる場合には、式(4)で表される含フッ素ヨウ化物以外に、下記式(4-2)及び式(4-3)で表される含フッ素ヨウ化物が得られ場合がある。
DF-CFR52-I …(4-2)
EF-CFR53-I …(4-3)
式(4-2)及び式(4-3)中、RDF、REF、R52及びR53は、式(3)中のRDF、REF、R52及びR53と同義である。
反応に用いられる含フッ素エステル化合物の分子量は、反応温度における分解を抑制する観点から、100~50,000であることが好ましく、100~25,000であることがより好ましい。
含フッ素エステル化合物の分子量は、化合物を構成する原子の種類及び数より算出できる。
以下、本開示を実施例によりさらに具体的に説明するが、本開示はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
以下、19F-NMRの定量には、内部標準試料としてペルフルオロベンゼンを用いた。また、テトラメチルシランを「TMS」と記載し、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-トリデカフルオロヘキサン(製品名「アサヒクリンAC-2000」、AGC社製)を「AC-2000」と記載した。
NMRデータは、みかけの化学シフト範囲として示した。
[例1]
国際公開第2013/121984号の例6-3に記載の方法を用い、下記含フッ素エステル化合物A1を得た。
10.1gの含フッ素エステル化合物A1をフラスコに入れ、1.57gのヨウ化リチウム(富士フイルム和光純薬社製)と0.11gのRh(PPh)Cl(東京化成工業社製)を添加した。その後、150℃に加熱し、8時間撹拌した。8時間後にサンプリングをし、19F-NMRの分析を行った。19F-NMRにおいて、原料である含フッ素エステル化合物A1の-CFO(C=O)-に由来するピーク(-92.8ppm)に基づき、転化率を算出した。上記ピークが存在しないことから、原料が残っておらず、転化率が100%であると判定した。その後、過剰量のヨウ化リチウムと、副生したフッ化リチウムを濾過により除去した。得られた生成物を50gのAC-2000で洗浄し、回収した。ろ液を水50gで洗浄し、有機相をシリカ(製品名「D75-60A(N)」、AGCエスアイテック社製)1gに通過させた。シリカによる濾過後の溶液を濃縮し、含フッ素ヨウ化物B1を8.75g回収した(収率92%)。
19F-NMRの分析により、含フッ素ヨウ化物B1は、以下の構造であることを確認した。
19F-NMR(282.7MHz,Chloroform-d,基準CFCl) δ(ppm):-55.2(3F)、-58.2(2F)、-82.1(54F)、-88.1(54F)、-89.9(2F)、-116.2(2F)、-125.4(52F)
[例2]
例1における反応温度を150℃から120℃に変更したこと以外は、例1と同様の方法で反応を行った。8時間の撹拌後、19F-NMRの分析により、転化率が100%であると判定した。例1と同様の方法で、精製処理を行い、含フッ素ヨウ化物B1を5.61g回収した(収率59%)。
[例3]
例1における反応時間を8時間から6時間に変更したこと以外は、例1と同様の方法で反応を行った。6時間の撹拌後、19F-NMRの分析により、転化率が100%であると判定した。例1と同様の方法で、精製処理を行い、含フッ素ヨウ化物B1を8.94g回収した(収率94%)。
[例4]
10.1gの含フッ素エステル化合物A1をフラスコに入れ、1.58gのヨウ化リチウムと0.03gのNi(cod)(東京化成工業社製)と0.1gのPPh(東京化成工業社製)を添加した。その後、150℃に加熱し、12時間撹拌した。12時間の撹拌後、19F-NMRの分析により、転化率が100%であると判定した。例1と同様の方法で、精製処理を行い、含フッ素ヨウ化物B1を8.65g回収した(収率91%)。
[例5]
10.2gの含フッ素エステル化合物A1をフラスコに入れ、1.55gのヨウ化リチウム(富士フイルム和光純薬社製)を添加した。その後、160℃に加熱し、6時間撹拌した。6時間の撹拌後、19F-NMRの分析により、転化率が100%であると判定した。例1と同様の方法で、精製処理を行い、含フッ素ヨウ化物B1を2.00g回収した(収率21%)。
[例6]
例5における反応温度を160℃から200℃に変更したこと以外は、例5と同様の方法で反応を行った。6時間の撹拌後、19F-NMRの分析により、転化率が100%であると判定した。例1と同様の方法で、精製処理を行い、含フッ素ヨウ化物B1を8.94g回収した(収率94%)。
[例7]
10.2gの含フッ素エステル化合物A1をフラスコに入れ、2.98gのヨウ素(富士フイルム和光純薬社製)と0.12gのPd(PPh)(東京化成工業社製)を添加した。その後、200℃に加熱し、20時間撹拌した。20時間の撹拌後、19F-NMRの分析により、転化率を51%と算出した。例1と同様の方法で、精製処理を行い、含フッ素ヨウ化物B1を1.05g回収した(収率11%)。
[例8]
10.1gの含フッ素エステル化合物A1をフラスコに入れ、1.76gのヨウ化ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)と0.11gのPd(PPh)(東京化成工業社製)を添加した。その後、200℃に加熱し、20時間撹拌した。20時間の撹拌後、19F-NMRの分析により、転化率を50%と算出した。例1と同様の方法で、精製処理を行い、含フッ素ヨウ化物B1を0.85g回収した(収率9%)。
[例9]
10.1gの含フッ素エステル化合物A1をフラスコに入れ、1.95gのヨウ化カリウム(富士フイルム和光純薬社製)と0.12gのPd(PPh)(東京化成工業社製)を添加した。その後、200℃に加熱し、20時間撹拌した。20時間の撹拌後、19F-NMRの分析により、転化率を51%と算出した。例1と同様の方法で、精製処理を行い、含フッ素ヨウ化物B1を0.95g回収した(収率10%)。
[例10]
10.2gの含フッ素エステル化合物A1をフラスコに入れ、3.05gのヨウ化セシウム(富士フイルム和光純薬社製)と0.11gのPd(PPh)(東京化成工業社製)を添加した。その後、200℃に加熱し、20時間撹拌した。20時間の撹拌後、19F-NMRの分析により、転化率を50%と算出した。例1と同様の方法で、精製処理を行い、含フッ素ヨウ化物B1を1.14g回収した(収率12%)。
[例11]
国際公開第2002/004397号の例1-2に記載の方法を用い、下記含フッ素エステル化合物A2を得た。
CFCFCOO(CFOCOCFCF …(A2)
10.0gの含フッ素エステル化合物A2をオートクレーブに入れ、15.3gのヨウ化リチウム(富士フイルム和光純薬社製)と1.1gのPd(PPh)(東京化成工業社製)を添加した。その後、150℃に加熱し、6時間撹拌した。6時間の撹拌後、19F-NMRの分析により、転化率が100%であると判定した。その後、過剰量のヨウ化リチウムと、副生したフッ化リチウムを濾過により除去した。得られた生成物を50gのAC-2000で洗浄し、回収した。ろ液を水50gで洗浄し、有機相を蒸留精製した。蒸留後、含フッ素ヨウ化物B2を5.45g回収した(収率81%)。
19F-NMRの分析により、含フッ素ヨウ化物B2は、以下の構造であることを確認した。
ICFCFI …(B2)
19F-NMR(282.7MHz,Chloroform-d,基準CFCl) δ(ppm):-55.4(4F)
[例12]
国際公開第2015/29839号に記載の方法を用い、下記含フッ素エステル化合物A3を得た。
CFCF(CF)COO(CFOCOCF(CF)CF …(A3)
10.1gの含フッ素エステル化合物A3をオートクレーブに入れ、11.9gのヨウ化リチウムと0.85gのPd(PPh)を添加した。その後、150℃に加熱し、6時間撹拌した。6時間の撹拌後、19F-NMRの分析により、転化率が100%であると判定した。例11と同様の方法で、精製処理を行い、含フッ素ヨウ化物B3を4.90g回収した(収率82%)。
19F-NMRの分析により、含フッ素ヨウ化物B3は、以下の構造であることを確認した。
ICFCFCFI …(B3)
19F-NMR(282.7MHz,Chloroform-d,基準CFCl) δ(ppm):-58.2(4F)、-105.3(2F)
[例13]
国際公開第2015/29839号に記載の方法を用い、下記含フッ素エステル化合物A4を得た。
10.2gの含フッ素エステル化合物A4をオートクレーブに入れ、9.37gのヨウ化リチウム(富士フイルム和光純薬社製)と0.67gのPd(PPh)(東京化成工業社製)を添加した。その後、150℃に加熱し、6時間撹拌した。6時間の撹拌後、19F-NMRの分析により、転化率が100%であると判定した。例11と同様の方法で、精製処理を行い、含フッ素ヨウ化物B4aを3.47g回収し(収率84%)、含フッ素ヨウ化物B4bを7.7g回収した(収率80%)。
19F-NMRの分析により、含フッ素ヨウ化物B4a及び含フッ素ヨウ化物B4bは、以下の構造であることを確認した。
ICFCFI …(B4a)
19F-NMR(282.7MHz,Chloroform-d,基準CFCl) δ(ppm):-55.4(4F)
19F-NMR(282.7MHz,Chloroform-d,基準CFCl) δ(ppm):-71.0(3F)、-74.6(1F)、-81.7(3F)、-85.6(2F)、-129.8(2F)
[例14]
国際公開第2008/026707号に記載の方法を用い、下記含フッ素エステル化合物A5を得た。
10.2gの含フッ素エステル化合物A5をオートクレーブに入れ、9.50gのヨウ化リチウム(富士フイルム和光純薬社製)と0.68gのPd(PPh)(東京化成工業社製)を添加した。その後、150℃に加熱し、6時間撹拌した。6時間の撹拌後、19F-NMRの分析により、転化率が100%であると判定した。例11と同様の方法で、精製処理を行い、含フッ素ヨウ化物B5aを4.15g回収し(収率82%)、含フッ素ヨウ化物B5bを5.67g回収した(収率83%)。
19F-NMRの分析により、含フッ素ヨウ化物B5a及び含フッ素ヨウ化物B5bは、以下の構造であることを確認した。
19F-NMR(282.7MHz,Chloroform-d,基準CFCl) δ(ppm):-89.6(3F)、-91.1(2F)、-91.6(4F)、-92.2(2F)
19F-NMR(282.7MHz,Chloroform-d,基準CFCl) δ(ppm):-71.0(3F)、-74.6(1F)、-80.8(3F)、-81.4(2F)、-81.7(5F)、-129.7(2F)、-145.2(1F)
[例15]
国際公開第2000/056694号に記載の方法を用い、下記含フッ素エステル化合物A6を得た。
CFCFCOOCFCFCF (A6)
10.2gの含フッ素エステル化合物A6をオートクレーブに入れ、24.2gのヨウ化リチウム(富士フイルム和光純薬社製)と1.74gのPd(PPh)(東京化成工業社製)を添加した。その後、150℃に加熱し、6時間撹拌した。6時間の撹拌後、19F-NMRの分析により、転化率が100%であると判定した。例11と同様の方法で、精製処理を行い、含フッ素ヨウ化物B6を11.6g回収した(収率78%)。
19F-NMRの分析により、含フッ素ヨウ化物B6は、以下の構造であることを確認した。
CFCFI …(B6)
19F-NMR(282.7MHz,Chloroform-d,基準CFCl) δ(ppm):-65.8(2F)、-85.0(3F)
[例16]
国際公開第2000/056694号に記載の方法を用い、下記含フッ素エステル化合物A7を得た。
10.0gの含フッ素エステル化合物A7をオートクレーブに入れ、9.73gのヨウ化リチウムと0.69gのPd(PPh)を添加した。その後、150℃に加熱し、6時間撹拌した。6時間の撹拌後、19F-NMRの分析により、転化率が100%であると判定した。例11と同様の方法で、精製処理を行い、含フッ素ヨウ化物B7aを5.77g回収し(収率83%)、含フッ素ヨウ化物B7bを4.1g回収した(収率82%)。
19F-NMRの分析により、含フッ素ヨウ化物B7a及び含フッ素ヨウ化物B7bは、以下の構造であることを確認した。
19F-NMR(282.7MHz,Chloroform-d,基準CFCl) δ(ppm):-65.3(2F)、-86.3(2F)、-87.6(2F)、-127.5(4F)、-130.9(4F)、-132.7(2F)、-183.9(1F)
19F-NMR(282.7MHz,Chloroform-d,基準CFCl) δ(ppm):-71.0(3F)、-74.6(1F)、-81.7(3F)、-85.6(2F)、-129.8(2F)
表1及び表2に、転化率及び含フッ素ヨウ化物の収率を記載した。2種の含フッ素ヨウ化物を得た例では、収率の多い方を記載した。「金属触媒/含フッ素エステル化合物」は、含フッ素エステル化合物の使用量に対する金属触媒の使用量を意味する。単位はモル%である。「ヨウ素化合物/含フッ素エステル化合物」は、含フッ素エステル化合物の使用量に対するヨウ素化合物の使用量を意味する。単位は当量である。
表1に示すように、例1~16では、含フッ素エステル化合物とヨウ素化合物とを反応させて、含フッ素ヨウ化物を得ることを、1工程で行うことができ、従来と比較して簡便に含フッ素ヨウ化物を製造できることが分かった。
本開示の含フッ素ヨウ化物の製造方法は、従来と比較して簡便な方法で含フッ素ヨウ化物を製造できる。得られた含フッ素ヨウ化物は、種々の官能基(例えば、水酸基、エチレン性不飽和基、エポキシ基、カルボキシ基等)を有する含フッ素化合物に誘導できる。また、得られた含フッ素エステル化合物及び含フッ素化合物は、表面処理剤、乳化剤、ゴム、界面活性剤、溶媒、熱媒体、医薬品、農薬、潤滑油、これらの中間体等に利用可能である。

Claims (9)

  1. 含フッ素エステル化合物とヨウ素化合物とを反応させて、含フッ素ヨウ化物を得ることを、1工程で行う、含フッ素ヨウ化物の製造方法。
  2. 前記含フッ素ヨウ化物を得ることは、
    反応温度を160℃以上とするか、又は、
    反応温度を160℃未満とし、かつ、金属触媒を用いて反応させる、請求項1に記載の含フッ素ヨウ化物の製造方法。
  3. 前記ヨウ素化合物は、ヨウ素及びヨウ化アルカリ金属からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は請求項2に記載の含フッ素ヨウ化物の製造方法。
  4. 前記金属触媒は、遷移金属触媒である、請求項2に記載の含フッ素ヨウ化物の製造方法。
  5. 前記金属触媒は、ニッケル、パラジウム、白金、及びロジウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含む、請求項2に記載の含フッ素ヨウ化物の製造方法。
  6. 前記金属触媒は、リン系配位子を有する、請求項2に記載の含フッ素ヨウ化物の製造方法。
  7. 前記含フッ素エステル化合物は、-CF-OC(=O)-CF-で表される骨格を含む、請求項1又は請求項2に記載の含フッ素ヨウ化物の製造方法。
  8. 前記含フッ素エステル化合物は、下記式(1)で表され、
    前記含フッ素ヨウ化物は、下記式(2)で表される、請求項1又は請求項2に記載の含フッ素ヨウ化物の製造方法。
    AF-CF-OC(=O)-CFR51-RBF …(1)
    AF-I …(2)
    式(1)~式(2)中、
    AF及びRBFはそれぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1~20のハロゲン化アルキル基、又は、エーテル性酸素原子を有する、炭素数1~2,000のハロゲン化アルキル基であり、
    51はフッ素原子又は炭素数1~20のハロゲン化アルキル基である。
  9. 前記含フッ素エステル化合物は、下記式(3)で表され、
    前記含フッ素ヨウ化物は、下記式(4)で表される、請求項1又は請求項2に記載の含フッ素ヨウ化物の製造方法。
    DF-R52FC-(O=)C-O-CF-RCF-CF-OC(=O)-CFR53-REF …(3)
    I-RCF-I …(4)
    式(3)~式(4)中、
    CFは、炭素数1~20のハロゲン化アルキレン基、又は、エーテル性酸素原子を有する、炭素数2~2,000のハロゲン化アルキレン基であり、
    DF及びREFはそれぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1~20のハロゲン化アルキル基、又は、エーテル性酸素原子を有する、炭素数1~2,000のハロゲン化アルキル基であり、
    52及びR53はそれぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~20のハロゲン化アルキル基である。
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