JPWO2005107203A1 - 自動周波数制御回路および自動周波数制御方法 - Google Patents

自動周波数制御回路および自動周波数制御方法 Download PDF

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2シンボル周期の信号でなる2シンボル周期信号部が所定の位置に配置されたデータ列でなりPSK変調された受信信号の周波数偏差補正を行う周波数制御回路において、(2×M)シンボル周期間の位相回転量から(2×M)シンボル周期間の変調成分による位相回転量を減算して、送受信装置間の周波数偏差による(2×M)シンボル周期間の位相回転量を抽出するオフセット除去手段(17)を設け、既知パターンである2シンボル周期信号部の周期性を利用することにより、ビットタイミング同期が確立していない場合でも短時間に高精度な周波数偏差補正を行えるようにする。

Description

PSK(Phase Shift Keying)変調方式を用いたディジタル無線通信システムのPSK変調信号に関し、特にこのPSK変調信号を受信した際に周波数偏差補正を行う自動周波数制御回路および自動周波数制御方法に関するものである。
近年、PSK変調方式を用いたディジタル無線通信システムが実用化され始めている。例えば、PSK変調方式を用いた遅延検波復調器として、非特許文献1に開示されたものがある。この文献に記載されている自動周波数制御回路は、任意のデータ系列をPSK変調した受信信号に対して周波数偏差補正を行うものである。
第1図は上述の非特許文献1に開示された従来の自動周波数制御回路の構成を示すブロック図である。第1図において、自動周波数制御回路は、逆正接手段90、遅延器91、減算器92、加算器93、判定器94、変調成分除去手段95および平均化手段96から構成されている。
受信アンテナ11−1の出力は検波手段12−1に入力されている。検波手段12−1は、局部発振器や、ミキサ、ローパスフィルタ等で構成されている。さらに、検波手段12−1の出力はA/D変換器13−1に入力されている。
A/D変換器13−1から延びる出力ラインが、自動周波数制御回路の逆正接手段90に接続されている。逆正接手段90から延出する出力ラインは二股に分岐し、一方は遅延器91に接続されている。逆正接手段90から延出する他方の出力ラインと遅延器91の出力ラインとが1つの減算器92に接続されている。
減算器92から延出する出力ラインは、加算器93の2つの入力ポートの一方に接続されている。加算器93から延出する出力ラインは二股に分岐し、一方は判定器94に接続され、他方は変調成分除去手段95に接続されている。
判定器94から延出する出力ラインは二股に分岐し、一方は出力ポートに向い他方は折り返して変調成分除去手段95に接続されている。変調成分除去手段95の出力ラインは平均化手段96に接続されている。平均化手段96の出力ラインは、加算器93に接続されている。
次に、第1図に沿って従来の自動周波数制御回路の動作を説明する。
まず、受信アンテナ11−1で受信されたPSK信号は、検波手段12−1で準同期検波されて受信ベースバンド複素信号として出力される。A/D変換器13−1は、準同期検波された受信ベースバンド複素信号をA/D変換して、受信ベースバンド複素データを出力する。
自動周波数制御回路は、この受信ベースバンド複素データを入力する。自動周波数制御回路に入力された受信ベースバンド複素データは、まず、逆正接手段90に入力される。逆正接手段90は、受信ベースバンド複素データの偏角であるベースバンド位相データを求めて出力する。
遅延器91は、ベースバンド位相データを1シンボル周期分の時間遅延を行って出力する。減算器92は、逆正接手段90より出力される遅延なしのベースバンド位相データから遅延器91より出力される1シンボル周期時間遅延されたベースバンド位相データを減算して出力する。
加算器93は、減算器92より出力される減算結果と後述の平均化手段96より出力される周波数偏差を補正するための角度情報とを加算して出力する。判定器94は、加算器93より出力される角度情報に対して、これを判定することにより求まる復調データを出力する。
変調成分除去手段95は、判定器94より出力される復調データに対する理想角度から加算器93より出力される角度情報を減算して求まる周波数誤差補正情報を出力する。ここで、周波数誤差補正情報は、実際の周波数偏差と自動周波数制御回路が現在推定している周波数偏差との差の周波数偏差を位相で表現したものである。
平均化手段96は、変調成分除去手段95より出力される周波数誤差補正情報を平均化および積分を行う。この積分結果は、周波数偏差を補正するための角度情報として加算手段93へ出力される。
このように、従来の自動周波数制御回路は、変調成分除去手段95より出力される周波数誤差補正情報が”0”となるようにフィードバック制御を行うことにより、現在推定している周波数偏差が実際の周波数偏差に近づいていくため、任意のデータ系列をPSK変調した信号に対して周波数偏差補正を行うことが可能である。
[非特許文献1]
1991年電子情報通信学会春季全国大会B−360
しかしながら、従来の自動周波数制御回路は、受信信号がPSK変調された任意のデータ系列であることを想定して補正動作を行うため、受信信号のSN比が劣悪な環境下では判定器94において判定誤りが発生する。そして、たとえ既知パターンであるプリアンブル信号を受信している場合であっても短時間で高精度な周波数偏差補正を行うことは困難である。
また、従来の自動周波数制御回路は、ビットタイミング同期が確立しているという前提が必要であり、ビットタイミング同期が確立していない場合、符号間干渉等の影響により、周波数偏差推定特性が劣化するという課題もある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、既知パターンであるプリアンブル信号を利用して短時間に高精度な周波数偏差補正が可能な自動周波数制御回路を提供することを目的とする。
更に、本発明は、既知パターンであるプリアンブル信号の周期性を利用することにより、ビットタイミング同期が確立していない場合でも短時間に高精度な周波数偏差補正が可能な自動周波数制御回路および自動周波数制御方法を提供することを目的とする。
本願発明にかかる自動周波数制御回路にあっては、少なくとも2シンボル周期の信号でなる2シンボル周期信号部が所定の位置に配置されたデータ列でなりPSK変調された受信信号の周波数偏差補正を行う周波数制御回路において、受信信号から(2×M)シンボル周期(Mは自然数)間の位相回転量を求める前処理部と、(2×M)シンボル周期間の位相回転量から(2×M)シンボル周期間の変調成分による位相回転量を減算して、送受信装置間の周波数偏差による(2×M)シンボル周期間の位相回転量を抽出するオフセット除去手段と、送受信装置間の周波数偏差による(2×M)シンボル周期間の位相回転量に基づいて、位相回転を打ち消すような位相補正処理がされた補正データを生成する補正データ生成部とを備えたことを特徴とする。そのため、2シンボル周期の信号でなる2シンボル周期信号部を所定の位置に有する受信信号に対して、既知パターンである2シンボル周期信号部の周期性を利用することにより、ビットタイミング同期が確立していない場合でも短時間に高精度な周波数偏差補正を行うことが可能となる。
また、本願発明にかかる周波数制御方法にあっては、少なくとも2シンボル周期の信号でなる2シンボル周期信号部が所定の位置に配置されたデータ列でなりPSK変調された受信信号の周波数偏差補正を行う周波数制御方法において、受信信号から(2×M)シンボル周期(Mは自然数)間の位相回転量を求める前処理手順を行い、その後、受信信号の(2×M)シンボル周期(Mは自然数)間の位相回転量から(2×M)シンボル周期間の変調成分による位相回転量を減算するオフセット除去手順を行い、送受信装置間の周波数偏差による(2×M)シンボル周期間の位相回転量に基づいて、位相回転を打ち消すような位相補正処理がされた補正データを生成する補正データ生成手順を行う。そのため、2シンボル周期の信号でなる2シンボル周期信号部が所定の位置に配置されたデータ列でなりPSK変調された受信信号に対して周波数偏差補正を行う場合に、既知パターンである2シンボル周期信号部の周期性を利用することにより、短時間に高精度な周波数偏差補正を行うことが可能となる。
第1図は従来の自動周波数制御回路の構成を示すブロック図であり、第2図はこの発明の実施の形態1の自動周波数制御回路の一例の構成を示すブロック図であり、第3図は2Mシンボル位相回転量算出手段の構成を示すブロック図であり、第4図は2Mシンボル位相回転量算出手段の出力信号の一例を示す図表であり、第5図は実施の形態1の自動周波数制御回路の他の例を示すブロック図であり、第6図は実施の形態1の自動周波数制御回路のさらに他の例を示すブロック図であり、第7図は実施の形態1による自動周波数制御回路の動作の一例を示すタイミングチャートであり、第8図はN個の受信アンテナを有する実施の形態2による自動周波数制御回路の一例の構成を示すブロック図であり、第9図はN個の受信アンテナを有する実施の形態2による自動周波数制御回路の他の構成を示すブロック図であり、第10図は1個の受信アンテナを有する実施の形態3による自動周波数制御回路の構成を示すブロック図であり、第11図は積分器の動作タイミングチャートであり、第12図はN個の受信アンテナを有する実施の形態4による自動周波数制御回路の構成例であり、第13図は実施の形態5による自動周波数制御回路の一例の構成を示すブロック図であり、および、第14図は実施の形態5による自動周波数制御回路の他の例の構成を示すブロック図である。
以下に、本発明にかかる自動周波数制御回路および自動周波数制御方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1では、2シンボル周期のプリアンブル信号を含むデータがPSK変調された信号を1個の受信アンテナで受信して周波数偏差補正を行う自動周波数制御回路および自動周波数制御方法について説明する。
第2図はこの発明の実施の形態1の自動周波数制御回路の一例の構成を示すブロック図である。第2図において、自動周波数制御回路は、前処理部、オフセット除去手段17および補正データ生成部から構成されている。前処理部は、複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1、逆正接手段15および2Mシンボル位相回転量算出手段16から構成されている。補正データ生成部は、除算手段18、積分器20および周波数偏差補正手段20−1から構成されている。
なお、前処理部、オフセット除去手段17および補正データを生成部が実行される過程は、それぞれ発明の本実施の形態の自動周波数制御方法の前処理部、オフセット除去手段17および補正データ生成部を構成している。
受信アンテナ11−1の出力は検波手段12−1に入力されている。検波手段12−1は、局部発振器や、ミキサ、ローパスフィルタ等で構成されている。さらに、検波手段12−1の出力はA/D変換器13−1に入力されている。
A/D変換器13−1から延びる出力ラインが、自動周波数制御回路に入力している。そして、その一方が複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1に接続されている。複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1から延出する出力ラインは逆正接手段15に接続されている。逆正接手段15から延出する出力ラインは2Mシンボル位相回転量算出手段に接続されている。2Mシンボル位相回転量算出手段から延出する出力ラインはオフセット除去手段17に接続されている。
また、オフセット除去手段17の出力ラインは除算手段18に接続され、除算手段18の出力ラインは平均化手段19に接続されている。平均化手段19の出力ラインは積分器20に接続されている。そして、積分器20から延出する出力ラインは、A/D変換器13−1から延びる他方の出力ラインとともに周波数偏差補正手段20−1に接続されている。周波数偏差補正手段20−1の出力ラインは図示しない出力ポートに延びている。
また、第3図は2Mシンボル位相回転量算出手段16の構成を示すブロック図である。第3図において、2Mシンボル位相回転量算出手段16は、(2M−1)個の遅延器と(2M−1)個の加算器から構成されている。逆正接手段15から延出する出力ラインは二股に分岐し、一方は1個目の遅延器41−1に接続されている。1個目の遅延器41−1から延出する出力ラインは二股に分岐し、一方は、逆正接手段15から延出する他方の出力ラインとともに1個目の加算器41−1に接続されている。
1個目の遅延器41−1から延出する他方の出力ラインは、2個目の遅延器41−2に接続されている。2個目の遅延器41−2から延出する出力ラインは二股に分岐し、一方は、1個目の加算器41−1の出力ラインとともに2個目の加算器41−2に接続されている。
2個目の遅延器41−2から延出する他方の出力ラインは、3個目の遅延器41−3に接続され、3個目の遅延器41−3から延出する出力ラインは二股に分岐し、一方は、2個目の加算器41−2の出力ラインとともに3個目の加算器41−3に接続され、これが繰り返され、最後に(2M−1)個目の遅延器41−(2M−1)の出力ラインが(2M−1)個目の加算器41−(2M−1)に接続され、加算器41−(2M−1)の出力ラインが2Mシンボル位相回転量算出手段16の出力とされている。
そして、第4図は2Mシンボル位相回転量算出手段16の出力信号の一例を示す図表である。縦軸は2シンボル周期間の位相回転量[degree]を示し、横軸は時間[シンボル]を示している。
また、第5図は実施の形態1の自動周波数制御回路の他の例を示すブロック図である。第5図において、自動周波数制御回路は、複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段43−1、平均化手段44、逆正接手段15から構成される前処理部と、オフセット除去手段17と、除算手段18、積分器20および周波数偏差補正手段20−1から構成される補正データ生成部とを有している。
なお、前処理部、オフセット除去手段17および補正データ生成部が実行される過程は、それぞれ発明の実施の形態1の自動周波数制御方法の前処理手順、オフセット除去手順および補正データ生成手順を構成している。
A/D変換器13−1から延びる出力ラインが、自動周波数制御回路に入力している。そして、その一方が複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段43−1に接続されている。複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段43−1から延出する出力ラインは平均化手段44に接続されている。平均化手段44から延出する出力ラインはオフセット除去手段17に接続されている。
また、オフセット除去手段17の出力ラインは除算手段18に接続されている。除算手段18の出力ラインは平均化手段19に接続され、平均化手段19の出力ラインは、積分器20に接続されている。そして、積分器20から延出する出力ラインは、A/D変換器13−1から延びる他方の出力ラインとともに周波数偏差補正手段20−1に接続されている。周波数偏差補正手段20−1の出力ラインは図示しない出力ポートに延びている。
また、第6図は実施の形態1の自動周波数制御回路のさらに他の例を示すブロック図である。第6図において、A/D変換器13−1から延びる出力ラインが、自動周波数制御回路の逆正接手段15に接続されている。逆正接手段15から延出する出力ラインは二股に分岐し、一方は2Mシンボル遅延器45に接続されている。逆正接手段15から延出する他方の出力ラインと2Mシンボル遅延器45との出力ラインとが1つの減算器46に接続されている。減算器46から延出する出力ラインはオフセット除去手段17に接続されている。その他の構成は第1図や第5図の自動周波数制御回路と同様である。
また、第7図は実施の形態1による自動周波数制御回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。横軸は時間の経過を示している。本実施の形態においては、第7図に示されるように2シンボル周期の信号でなる2シンボル周期信号部が先頭の位置に配置されたデータ列でなりPSK変調された受信信号を対象としている。このような受信信号に対して、プリアンブル信号受信時に周波数偏差推定を行い、プリアンブル信号が終了したらプリアンブル信号受信時に推定した周波数偏差を保持して周波数偏差補正を行う。
次に、この実施の形態1による自動周波数制御回路の動作について説明する。初めに、第2図を用いて全体の動作について説明する。以下の式では、簡略化のため、熱雑音やフェージング等の伝送路の影響は考慮していない。
第2図において、本実施の形態による自動周波数制御回路は、受信アンテナ11−1でPSK信号を受信し、検波手段12−1で準同期検波して受信ベースバンド複素信号を出力する。
A/D変換器13−1は、準同期検波された受信ベースバンド複素信号をA/D変換して、受信ベースバンド複素データを出力する。
複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1は、式(1)に示すように、A/D変換器13−1より出力される受信ベースバンド複素データと、1シンボル周期時間前の受信ベースバンド複素データの共役な複素数とを複素乗算し、その複素乗算結果を出力する。
Figure 2005107203
ここで、iは時間をシンボル周期単位で示したものであり、Rは時刻iにおける受信ベースバンド複素データの絶対値、θは時刻iにおける受信ベースバンド複素データの偏角、jは虚数単位、Li+jLqは複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1の出力である複素乗算結果、*は複素共役演算を示す。
また、式(1)より、複素乗算結果である複素数値Li+jLqの偏角Δθ1,iは、1シンボル周期間の位相回転量を示す。
逆正接手段15は、複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1の出力値Li+jLqより、その偏角であるΔθ1,i(=(θ−θi−1))[degree]を算出して出力する。
2Mシンボル位相回転量算出手段16は、逆正接手段15より出力される1シンボル周期間の位相回転量Δθ1,iから(2×M)シンボル周期間の位相回転量Δθ2M,i(=(θ−θi−2M))を算出して出力する。ここで、Mは自然数の値である。例えば、送受信装置間の周波数偏差をΔf[Hz]、シンボル周波数をf[Hz]とする場合の差動符号化を行うπ/4シフトQPSK変調の“1001”パターンの2シンボル周期間(M=1の場合)の位相回転量は、第4図に示すようにナイキスト点だけでなく任意の時刻で、Δf=0場合には90[degree]となり、Δf=f/16の場合には135[degree]となり、Δf=−f/16の場合には45[degree]となる。この周波数偏差Δf=0の場合における2シンボル周期間の位相回転量の90[degree]は、“10”パターンの−45[degree]の遷移と“01”パターンの135[degree]との和であり、“1001”パターンの2シンボル周期間の変調成分による位相回転量である。一般に、送受信装置の周波数偏差を考慮した場合の2シンボル周期のプリアンブル信号受信時における(2×M)シンボル周期間の位相回転量Δθ2M,i[degree]は、式(2)に示すように、時刻iに依存しない値を有する。
Figure 2005107203
ここで、S[degree]は、プリアンブルパターンの2シンボル周期間の変調成分による位相回転量であり、既知の値である。
オフセット除去手段17は、2Mシンボル位相回転量算出手段16より出力される(2×M)シンボル周期間の位相回転量Δθ2M,i[degree]から(2×M)シンボル周期間の変調成分による位相回転量M×Sを減算することにより、送受信装置間の周波数偏差Δfによる(2×M)シンボル周期間の位相回転量(2×M×360×Δf/f)[degree]を抽出して出力する。ここで、減算結果(2×M×360×Δf/f)[degree]は、モジュロ360[degree]されており、−180[degree]〜180[degree]の値を持つ。
除算手段18は、オフセット除去手段17より出力される送受信装置間の周波数偏差Δfによる(2×M)シンボル周期間の位相回転量(2×M×360×Δf/f)[degree]を(2×M)で除算することにより、送受信装置間の周波数偏差Δfによる1シンボル周期間の位相回転量を算出して出力する。
平均化手段19は、除算手段18より出力される送受信装置間の周波数偏差Δfによる1シンボル周期間の位相回転量を平均化することによりSN比を向上させて出力する。
積分器20は、平均化手段19より出力される平均化された送受信装置間の周波数偏差Δfによる1シンボル周期間の位相回転量を積分して出力する。
周波数偏差補正手段21−1は、A/D変換器13−1より出力される受信ベースバンド複素データに対して、積分器20より出力される積分結果を基に送受信装置間の周波数偏差Δfによる位相回転を打ち消すような位相補正処理を行い、位相補正処理後の複素データを出力する。
以上のように、この実施の形態の自動周波数制御回路においては、少なくとも2シンボル周期の信号でなる2シンボル周期信号部が所定の位置に配置されたデータ列でなりPSK変調された受信信号の周波数偏差補正を行う周波数制御回路において、受信信号の(2×M)シンボル周期(Mは自然数)間の位相回転量から(2×M)シンボル周期間の変調成分による位相回転量を減算して、送受信装置間の周波数偏差による(2×M)シンボル周期間の位相回転量を抽出して出力するオフセット除去手段17を有しているので、既知パターンとしての2シンボル周期の信号でなる2シンボル周期信号部に基づいて、送受信装置間の周波数偏差を推定することが可能となる。
また、受信ベースバンド複素データと1シンボル周期時間前の受信ベースバンド複素データの共役な複素数とを複素乗算する複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1と、複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1より出力される複素乗算結果の偏角を算出する逆正接手段15と、この逆正接手段15より出力される偏角から(2×M)シンボル周期間の位相回転量を算出する2Mシンボル位相回転量算出手段16とをさらに有しているので、上述の(2×M)シンボル周期間の位相回転量を容易に算出することができる。
つまり、本実施の形態による自動周波数制御回路は、既知パターンであるプリアンブル信号を利用することにより、変調成分を推定することなく周波数偏差が可能であり、平均化手段19において変調成分の誤判定による信号エネルギーの損失が無い状態で平均化処理を行うことが可能であるため、短時間に高精度な周波数偏差補正が可能である。
更に、2Mシンボル位相回転量算出手段16より出力される(2×M)シンボル周期間の位相回転量Δθ2M,i[degree]は時間に依存しない値であるため、本実施の形態による自動周波数制御回路は、ビットタイミング同期が確立していない場合でも短時間に高精度な周波数偏差補正が可能である。
なお、第2図に示す本実施の形態による自動周波数制御回路は、除算手段18の後段に平均化手段19を有する構成をとっているが、これら2つの処理の順序が入れ替わっても同様の演算結果が出力される。つまり、平均化手段19で平均化処理を行った後に除算手段18で除算処理を行う構成であってもよい。
次に、第3図に示す本実施の形態による2Mシンボル位相回転量算出手段16の動作について説明する。第3図において、本実施の形態による2Mシンボル位相回転量算出手段16は、遅延器41−1〜41−(2M−1)で、入力される位相データに対して1シンボル周期の時間遅延を行って出力する。ここで、上述と同様に、時刻i[シンボル]における受信ベースバンド複素データの偏角をθ[degree]、逆正接手段15より出力される1シンボル遅延検波された位相データをΔθ1,i[degree]とすると、遅延器41−j(j=1,2,…,2M−1)における出力信号Δθ1,i−jは、式(3)の値を持つ。
Figure 2005107203
加算器42−1は、逆正接手段15より出力される1シンボル遅延検波された位相データΔθ1,i[degree]と遅延器41−1より出力される位相データΔθ1,i−1[degree]を加算する。更に、加算器42−k(k=2,3,…,2M−1)は、前段の加算器42−(k−1)の出力結果と遅延器41−kの出力結果とを加算して出力する。
加算器42−(2M−1)の出力結果εは、式(4)に示すように、(2×M)シンボル周期間の位相回転量Δθ2M,1(=(θ−θi−2M))となり、上述のように(2×M)シンボル位相回転量算出手段16を構成することにより、2Mシンボル位相回転量算出手段16は(2×M)シンボル周期間の位相回転量Δθ2M,iを算出することが可能である。
Figure 2005107203
また、本実施の形態による自動周波数制御回路は、第5図に示すような構成を取ることも可能である。
以下では、第5図に示された自動周波数制御回路と第2図に示された自動周波数制御回路との差異部分について説明する。
第5図において、自動周波数制御回路では、複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段43−1を用いて、式(5)に示すように、偏角が(2×M)シンボル周期間の位相回転量を有する複素信号を算出して出力する。
Figure 2005107203
ここで、上述と同様に、iは時間をシンボル周期単位で示したもの、Rは時刻iにおける受信ベースバンド複素データの絶対値、θは時刻iにおける受信ベースバンド複素データの偏角、jは虚数単位、*は複素共役演算であり、Li’+jLq’は複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段43−1の出力である。
平均化手段44は、複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段43−1より出力される複素信号を平均化することによりSN比を向上させて出力する。
逆正接手段15は、平均化手段44で平均化された複素信号の偏角を出力してこれを出力する。
このように、本実施の形態の第5図に示された自動周波数制御回路においては、受信ベースバンド複素データと、(2×M)シンボル周期時間前の受信ベースバンド複素データの共役な複素数とを複素乗算する複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段43−1と、この複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段43−1より出力される複素信号を平均化してSN比を向上させる平均化手段44と、この平均化手段44より出力される複素信号の偏角を算出することにより、上述の(2×M)シンボル周期間の位相回転量を求める逆正接手段15とを有している。
そのため、複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段43−1と平均化手段44を有する構成の場合においても第2図に示された自動周波数制御回路と同様に送受信装置間の周波数偏差Δfを推定することが可能であり、第2図に示された自動周波数制御回路と同様の効果を得ることが可能である。
なお、第5図に示された周波数制御回路においては、平均化処理を複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段の後段で行ったが、その代わりに、オフセット除去手段17、または、除算手段18より出力される位相データを平均化処理しても同様の効果が得られる。つまり、平均化処理を、オフセット除去手段17、または、除算手段18の後段で行う構成であってもよい。
また、本実施の形態による自動周波数制御回路は、第6図に示すような構成を取ることも可能である。
以下では、第6図の自動周波数制御回路と第2図の自動周波数制御回路との差異部分について説明する。
第6図の自動周波数制御回路では、2Mシンボル遅延器45で、受信ベースバンド複素データの偏角を(2×M)シンボル周期の時間遅延を与えて出力する。ここで、上述と同様に、時刻i[シンボル]における受信ベースバンド複素データの偏角をθ[degree]とすると、2Mシンボル遅延器45より出力される信号はθi−2M[degree]となる。
減算手段46は、受信ベースバンド複素データの偏角θ[degree]から2Mシンボル遅延器45より出力される信号θi−2M[degree]を減算して出力する。ここで、減算手段46より出力される値は、(θ−θi−2M)[degree]である。
このように、第6図に示された自動周波数制御回路においては、受信ベースバンド複素データの第1の偏角を算出する逆正接手段15と、この逆正接手段15より出力される第1の偏角に(2×M)シンボル周期の時間遅延を与えて第2の偏角を求める2Mシンボル遅延手段45と、第1の偏角から第2の偏角を減算して(2×M)シンボル周期間の位相回転量を求める減算手段46とを有している。
このように、2Mシンボル遅延手段45と減算手段46を用いることによっても(2×M)シンボル周期間の位相回転量を算出して送受信装置間の周波数偏差Δfを推定することが可能であり、第2図に示された自動周波数制御回路と同様の効果を得ることが可能である。
なお、第6図の自動周波数制御回路でも、第2図の自動周波数制御回路と同様に、除算手段18の後段に平均化手段19を有する構成をとっているが、これらの処理の順序が入れ替わっても同様の演算結果が出力される。つまり、平均化手段19で平均化処理を行った後に除算手段18で除算処理を行う構成であってもよい。
また、第2図、第5図、および、第6図に示された本実施の形態による自動周波数制御回路では、送信データがランダムデータの場合には周波数偏差推定を行うことが出来ない。しかし、第7図に示すように、プリアンブル信号が先頭に付加される受信信号に対して、プリアンブル信号受信時のみを本実施の形態による自動周波数制御回路を用いて周波数偏差推定動作を行い、プリアンブル信号が終了したらプリアンブル信号受信時に推定した周波数偏差値を保持して周波数偏差補正動作を行うことにより、プリアンブル信号後のランダムデータ受信時でもプリアンブル受信時に推定した高精度な周波数同期状態を保持することが可能である。
なお、この切り替え動作を実現するために第2図および第6図の平均化手段19と第5図の除算手段18には外部から切替信号(外部信号)が入力され、この切替信号により平均化手段19と除算手段18の内部で処理動作が異なるように作製されている。
具体的には、平均化手段19においては、この切替信号によって、除算手段18からの出力を平均する動作と出力を所定の値に保持して以後当該値を出し続ける動作の2通りの動作の間で切り替わるようにされている。また、除算手段18においては、オフセット除去手段17からの出力を除算する動作と出力を所定の値に保持して以後当該値を出し続ける動作の2通りの動作で切り替わるようにされている。これにより、周波数偏差推定動作と推定された周波数偏差値を保持して行う周波数偏差補正動作との間で切り替わるようにされている。
なお、上述では、本実施の形態においては、自動周波数制御回路(周波数偏差推定)の動作と推定周波数偏差保持(周波数偏差補正)の動作の切り替えを、切替信号を入力することにより、受信信号がプリアンブル信号からランダムデータに切り替わる瞬間に行う。しなしながら、この切り替えのタイミングは任意のタイミングでよい。
すなわち、プリアンブル信号の部分を少しでも受信して周波数偏差推定を行うことが出来たならば、ランダムデータを待たずに動作を切り替えてもよい。
また、本実施の形態においては、プリアンブル信号が先頭に付加される受信信号を対象としているが、2シンボル周期の信号でなる2シンボル周期信号部は、必ずしもデータ列の先頭になくともよく、予め決められた所定の位置に配置されていれば本願を適用することができる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2では、2シンボル周期のプリアンブル信号を含むデータがPSK変調された信号を2個以上の受信アンテナで受信して周波数偏差補正を行う自動周波数制御回路および自動周波数制御方法について説明する。
なお、実施の形態2による自動周波数制御回路は、上述の実施の形態1による自動周波数制御回路に、複数アンテナで受信した信号を合成する回路が追加されたものである。
第8図はN(Nは2以上の自然数)個の受信アンテナを有する自動周波数制御回路の一例の構成を示すブロック図である。第8図において、自動周波数制御回路は、N個の複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1〜14−N、加算器23、逆正接手段15、2Mシンボル位相回転量算出手段16から構成される前処理部と、オフセット除去手段17と、除算手段18、積分器20およびN個の周波数偏差補正手段21−1〜21−Nから構成される補正データ生成部とを有している。
N個の受信アンテナ11−1〜11−Nの出力は、夫々N個の検波手段12−1〜12−Nに入力されている。さらに、N個の検波手段12−1〜12−Nの出力はN個のA/D変換器13−1〜13−Nに入力されている。
N個のA/D変換器13−1〜13−Nから延びる出力ラインが、自動周波数制御回路に入力している。そして、その夫々一方が複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1〜14−Nに接続されている。複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1〜14−Nから延出する出力ラインは全てが加算器23に接続されている。加算器23の出力ラインが逆正接手段15に接続されている。逆正接手段15から延出する出力ラインは2Mシンボル位相回転量算出手段に接続されている。2Mシンボル位相回転量算出手段から延出する出力ラインはオフセット除去手段17に接続されている。
また、オフセット除去手段17の出力ラインは除算手段18に接続され、除算手段18の出力ラインは平均化手段19に接続され、平均化手段19の出力ラインは、積分器20に接続されている。そして、積分器20から延出する出力ラインはN本に分岐し、そのそれぞれが、N個のA/D変換器13−1〜13−Nから延びる他方の出力ラインとともにN個の周波数偏差補正手段21−1〜21−Nに接続されている。N個の周波数偏差補正手段21−1〜21−Nの出力ラインは図示しない出力ポートに延びている。
また、第9図はN個の受信アンテナを有する自動周波数制御回路の他の構成を示すブロック図である。第9図において、自動周波数制御回路は、N個の複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段43−1〜43−N、加算器24、平均化手段44、逆正接手段15、オフセット除去手段17、除算手段18、積分器20およびN個の周波数偏差補正手段20−1〜20−Nから構成されている。
N個の受信アンテナ11−1〜11−Nの出力は夫々N個の検波手段12−1〜12−Nに入力されている。さらに、N個の検波手段12−1〜12−Nの出力はN個のA/D変換器13−1〜13−Nに入力されている。
N個のA/D変換器13−1〜13−Nから延びる出力ラインが、自動周波数制御回路に入力している。そして、その夫々一方がN個の複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段43−1〜43−Nに接続されている。N個の複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段43−1〜43−Nから延出する出力ラインは全てが加算器23に接続されている。加算器23の出力ラインは、平均化手段44に接続されている。平均化手段44から延出する出力ラインはオフセット除去手段17に接続されている。
また、オフセット除去手段17の出力ラインは除算手段18に接続され、除算手段18の出力ラインは平均化手段19に接続され、平均化手段19の出力ラインは、積分器20に接続されている。そして、積分器20から延出する出力ラインはN本に分岐し、そのそれぞれが、N個のA/D変換器13−1〜13−Nから延びる他方の出力ラインとともにN個の周波数偏差補正手段21−1〜21−Nに接続されている。N個の周波数偏差補正手段21−1〜21−Nの出力ラインは図示しない出力ポートに延びている。
次に、本実施の形態による自動周波数制御回路の動作について第8図を用いて説明する。第8図において、本実施の形態による自動周波数制御回路は、受信アンテナ11−1〜11−NでPSK信号をそれぞれ受信し、検波手段12−1〜12−Nでそれぞれ対応する受信アンテナ11−1〜11−Nで受信した信号に対して準同期検波して受信ベースバンド複素信号を出力する。ここで、検波手段12−1〜12−Nで周波数変換に用いる局部発振器は、全てのブランチで共通のものを用いるとする。
A/D変換器13−1〜13−Nは、それぞれ対応する準同期検波された受信ベースバンド複素信号をA/D変換して、受信ベースバンド複素データを出力する。
複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1〜14−Nは、それぞれ対応するA/D変換器13−1〜13−Nより出力される受信ベースバンド複素データと、それぞれ対応する1シンボル周期時間前の受信ベースバンド複素データの共役な複素数とを複素乗算し、その複素乗算結果を出力する。ここで、検波手段12−1〜12−Nで共通の局部発振器を用いているため、送受信装置間の周波数偏差は全ブランチで同じとなる。複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1〜14−Nより出力される各複素信号の偏角は、1シンボル周期間の変調成分による位相回転量と1シンボル周期間の送受信装置間の周波数偏差による位相回転量で構成されるため、熱雑音やフェージング等の伝送路の影響を受けない場合には全ブランチで同じ値を持つ。
加算手段23は、複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1〜14−Nより出力されるN個の複素乗算結果を全て加算する。
このように、第8図に示された自動周波数制御回路においては、前処理部が、2シンボル周期の信号がPSK変調された信号を受信するN個のアンテナ11−1〜11−Nから夫々出力される受信ベースバンド複素データと、対応するアンテナ11−1〜11−Nから夫々出力される1シンボル周期時間前の受信ベースバンド複素データの共役な複素数とを複素乗算するN個の複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1〜14−Nと、N個の複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1〜14−Nより夫々出力される複素乗算結果を加算する加算手段23と、加算手段23より出力される複素乗算結果の偏角を算出する逆正接手段15と、この逆正接手段15より出力される偏角から(2×M)シンボル周期間の位相回転量を算出する2Mシンボル位相回転量算出手段16とを有している。
上述のように、検波手段12−1〜12−Nで共通の局部発振器を用いる場合、加算手段23より出力される複素信号の偏角は、第2図に示された実施の形態1の複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1より出力される複素信号の偏角と同様に、1シンボル周期間の変調成分による位相回転量と1シンボル周期間の送受信装置間の周波数偏差による位相回転量との和の値を有している。このため、加算手段23より後段は第2図に示された実施の形態1による自動周波数制御回路と同じ構成を取ることにより、2個以上のアンテナで受信した信号を用いても周波数偏差推定を行うことができ、周波数補正手段21−1〜21−Nで周波数偏差補正を行うことが可能である。
なお、第8図に示された本実施の形態による自動周波数制御回路は、第2図に示された実施の形態1による自動周波数制御回路と同様に、除算手段18の後段に平均化手段19を有する構成をとっているが、これらの処理の順序が入れ替わっても同様の演算結果が出力される。つまり、平均化手段19で平均化処理を行った後に除算手段18で除算処理を行う構成であってもよい。
また、本実施の形態による自動周波数制御回路は、第9図に示すような構成を取ることも可能である。
第9図は実施の形態2の自動周波数制御回路の他の例を示すブロック図である。
第9図において、複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段43−1〜43−Nで、それぞれ偏角が(2×M)シンボル周期間の位相回転量を有する複素信号を算出して出力する。ここでは、第8図に示された本発明の実施の形態2による自動周波数制御回路と同様に、検波手段12−1〜12−Nで共通の局部発振器を用いているため、送受信装置間の周波数偏差は全ブランチで同じとなる。複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段43−1〜43−Nより出力される各複素信号の偏角は、(2×M)シンボル周期間の変調成分による位相回転量と(2×M)シンボル周期間の送受信装置間の周波数偏差による位相回転量で構成されるため、熱雑音やフェージング等の伝送路の影響を受けない場合には全ブランチで同じ値を持つ。
加算手段24は、複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段43−1〜43−Nより出力される全ての複素信号を加算して出力する。
このように、第9図に示された自動周波数制御回路においては、前処理部が、2シンボル周期の信号がPSK変調された信号を受信するN個のアンテナから夫々出力される受信ベースバンド複素データと、対応するアンテナから夫々出力される(2×M)シンボル周期時間前の受信ベースバンド複素データの共役な複素数とを複素乗算するN個の複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段43−1〜43−Nと、N個の複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段43−1〜43−Nより夫々出力される複素乗算結果を加算する加算手段24と、加算手段24より出力される複素信号を平均化してSN比を向上させる平均化手段44と、平均化手段44より出力される複素信号の偏角を算出することにより、(2×M)シンボル周期間の位相回転量を求める逆正接手段15とを有している。
上述のように、検波手段12−1〜12−Nで共通の局部発振器を用いる場合、加算手段24より出力される複素信号の偏角は、第5図に示された実施の形態1の複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段43−1より出力される複素信号の偏角と同様に、(2×M)シンボル周期間の変調成分による位相回転量と(2×M)シンボル周期間の送受信装置間の周波数偏差による位相回転量との和の値を有している。このため、加算手段24より後段は第5図に示された実施の形態1による自動周波数制御回路と同じ構成を取ることにより、2個以上のアンテナで受信した信号を用いても周波数偏差推定を行うことができ、周波数補正手段21−1〜21−Nで周波数偏差補正を行うことが可能である。
なお、第9図の自動周波数制御回路では、平均化処理を加算手段24の後段に行ったが、その代わりに、オフセット除去手段17、または、除算手段18より出力される位相データを平均化処理しても同様の効果が得られる。つまり、平均化処理は、オフセット除去手段17、または、除算手段18の後段で行う構成であってもよい。
また、第8図および第9図に示された本実施の形態による自動周波数制御回路では、送信データがランダムデータの場合には周波数偏差推定を行うことが出来ない。しかし、第7図に示すように、プリアンブル信号が先頭に付加される受信信号に対して、プリアンブル信号受信時のみを本実施の形態による自動周波数制御回路を用いて周波数偏差推定を行い、プリアンブル信号が終了したらプリアンブル信号受信時に推定した周波数偏差を保持して周波数偏差補正を行うことにより、プリアンブル信号後のランダムデータ受信時でもプリアンブル受信時に推定した高精度な周波数同期状態を保持することが可能である。
これを実現するために、第8図および第9図に示された本実施の形態による自動周波数制御回路では、オフセット除去手段17の後段に設けられ、外部からの切替信号に基づき、少なくとも2シンボル周期の信号に対する周波数偏差推定の動作とそれ以外の信号に対する推定周波数偏差保持の動作とに切り替わるように動作する切り替え手段としての除算手段18あるいは平均化手段19を有している。
なお、本実施の形態においては、自動周波数制御回路の動作と推定周波数偏差保持の動作の切り替えを、受信信号がプリアンブル信号からランダムデータに切り替わる瞬間として説明したが、処理の切り替えタイミングは任意のタイミングでよい。
本実施の形態においては、プリアンブル信号が先頭に付加される受信信号を対象としているが、2シンボル周期の信号でなる2シンボル周期信号部は、必ずしもデータ列の先頭になくともよく、予め決められた所定の位置に配置されていれば本願を適用することができる。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3では、2シンボル周期のプリアンブル信号が先頭に付加されるデータフォーマットを有するPSK変調された信号に対して、1個の受信アンテナで受信して、プリアンブル信号受信時には実施の形態1で示した自動周波数制御回路を用いて短時間に高精度な周波数偏差推定を行い、受信信号がプリアンブル信号からランダムデータの区間に移った際に、動作を切り替え、プリアンブル信号受信時の推定周波数偏差を初期値として周波数偏差推定を行う。これにより、高速・高精度な周波数偏推定と良好な周波数偏差追従特性を有する自動周波数制御回路とすることができる。
第10図は1個の受信アンテナを有する実施の形態3による自動周波数制御回路の構成を示すブロック図である。第10図において、自動周波数制御回路は、複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1、逆正接手段15、2Mシンボル位相回転量算出手段16、オフセット除去手段17、除算手段18、平均化手段19、積分器20、減算器30、変調成分除去手段31、平均化手段32および積分器34を有している。
つまり、この第10図の自動周波数制御回路は、第2図の自動周波数制御回路に減算器30、変調成分除去手段31、平均化手段32およびは積分器34が追加されたものである。まず、積分器20から平均化手段19に延びる出力ライン上に新たに2つ目の積分器20が設けられている。逆正接手段15から延びる出力ラインは二股に分岐し、一方は、第2図のものと同じように、2Mシンボル位相回転量算出手段16に接続されており、他方は減算器30に接続されている。減算器30の出力ラインは変調成分除去手段31に接続されている。変調成分除去手段31の出力ラインは平均化手段32に接続されている。平均化手段32の出力ラインは積分器34に接続されている。積分器34には、外部から切替信号が入力されている。積分器34の出力ラインは二股に分岐し、一方は、減算器30にフィードバックするように接続されている。他方は、積分器20に接続されている。その他の構成は、第2図の自動周波数制御回路と同様なものである。
第11図は積分器34の動作タイミングチャートである。
次に、本実施の形態による自動周波数制御回路の動作について第10図を用いて説明する。以下では、タイミング再生はプリアンブル受信区間のみで完了し、ランダムデータ受信時はタイミング同期が確立していることを前提としている。
第10図において、本実施の形態による自動周波数制御回路は、減算手段30で、逆正接手段15より出力される1シンボル周期間の位相回転量から後述の積分器34より出力される1シンボル周期間の推定位相回転量を減算する。
変調成分除去手段31は、減算手段30より出力される減算結果を基に、変調成分を判定する。そして、減算手段30より出力される減算結果から判定された変調成分による1シンボル周期間の位相回転量だけ減算することにより、1シンボル周期間の周波数偏差推定誤差による位相回転量を抽出して出力する。
平均化手段32は、変調成分除去手段31より出力される1シンボル周期間の周波数偏差推定誤差による位相回転量を平均化することにより、SN比を向上させて出力する。
積分器34は、例えば第11図に示すように、プリアンブル受信時には積分値を平均化手段19より出力される値に更新して出力し、ランダムデータ受信時は平均化手段32より出力される平均化された1シンボル周期間の周波数偏差推定誤差による位相回転量を積分して出力する。
上述のように、本実施の形態による自動周波数制御回路は、プリアンブル信号受信時には第2図に示された実施の形態1による自動周波数制御回路と同じ動作を行い、ランダムデータ受信時は周波数偏差推定誤差が”0”になるようにフィードバック制御して周波数偏差推定を行うため、高速・高精度、かつ、ランダムパターン受信時の良好な周波数偏差追従特性を実現する。
なお、第10図に示す本実施の形態による自動周波数制御回路は、除算手段18の後段に平均化手段19を有する構成をとっているが、これらの処理の順序が入れ替わっても同様の演算結果が出力される。つまり、平均化手段19で平均化処理を行った後に除算手段18で除算処理を行う構成であってもよい。
また、上述では、本実施の形態による自動周波数制御回路の積分器34で、平均化手段19より出力される値に更新する動作と平均化手段32より出力される平均化された1シンボル周期間の周波数偏差推定誤差による位相回転量を積分する動作の切り替えを、受信信号がプリアンブル信号からランダムデータに切り替わる瞬間として説明したが、処理の切り替えタイミングは任意のタイミングでよい。
なお、上述では、本実施の形態による自動周波数制御回路の積分器34で2通りの動作を行うと説明したが、平均化手段19より出力される値に更新する動作、平均化手段32より出力される平均化された1シンボル周期間の周波数偏差推定誤差による位相回転量を積分する動作、および、積分値を保持する動作、の3通りの動作を行ってもよい。
この3通りの動作を行うことにより、PSK変調信号が受信されない無信号の場合でも推定周波数偏差の値を保持することができ、無信号時における自動周波数制御回路の誤動作を妨げることが可能である。
なお、この切り替え動作を実現するために積分器34には外部から切替信号が入力され、この切替信号により内部で動作が切り替わるようにされている。積分器34は、切替信号(外部信号)によって、平均化手段18より出力される値をそのまま出力する動作、前記平均化手段18より出力される位相回転量を積分して出力する動作、および、積分値を推定周波数偏差として保持する動作の少なくとも3通りの動作に切り替わる。
実施の形態4.
この発明の実施の形態4では、2シンボル周期のプリアンブル信号が先頭に付加されるデータフォーマットを有するPSK変調された信号に対して、N個の受信アンテナで受信して、プリアンブル信号受信時には実施の形態2で示した自動周波数制御回路を用いて短時間に高精度な周波数偏差推定を行い、受信信号がプリアンブル信号からランダムデータの区間に移ったらプリアンブル信号受信時の推定周波数偏差を初期値として周波数偏差推定を行うことにより、高速・高精度な周波数偏推定と良好な周波数偏差追従特性を有する自動周波数制御回路および自動周波数制御方法について説明する。
なお、実施の形態4による自動周波数制御回路は、上述の実施の形態2による自動周波数制御回路に対して上述の実施の形態3による自動周波数制御回路のランダムデータ用自動周波数制御回路を追加したものであり、その他の構成は同様であるため、以下では、プリアンブル信号受信からランダムデータ受信に切り替わるタイミング以降の処理のみについて説明し、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
第12図はN個の受信アンテナを有する実施の形態4による自動周波数制御回路の構成例である。
次に、本実施の形態による自動周波数制御回路の動作について第12図を用いて説明する。以下では、タイミング再生はプリアンブル受信区間のみで完了し、ランダムデータ受信時はタイミング同期が確立していることを前提としている。
積分器34は、実施の形態3と同様に、例えば第11図に示すように、プリアンブル受信時には積分値を平均化手段19より出力される値に更新して出力し、ランダムデータ受信時は平均化手段32より出力される平均化された1シンボル周期間の周波数偏差推定誤差による位相回転量を積分して出力する。
上述のように、本実施の形態による自動周波数制御回路は、プリアンブル信号受信時には第8図に示された実施の形態2による自動周波数制御回路と同じ動作を行い、ランダムデータ受信時には実施の形態3による自動周波数制御回路と同様に周波数偏差推定誤差が”0”になるようにフィードバック制御して周波数偏差推定を行うため、2個以上の受信アンテナを使用する場合においても高速・高精度、かつ、ランダムパターン受信時の良好な周波数偏差追従特性を実現する。
なお、第12図に示す本実施の形態による自動周波数制御回路は、除算手段18の後段に平均化手段19を有する構成をとっているが、これらの処理の順序が入れ替わっても同様の演算結果が出力される。つまり、平均化手段19で平均化処理を行った後に除算手段18で除算処理を行う構成であってもよい。
また、上述では、本実施の形態による自動周波数制御回路の積分器34で、平均化手段19より出力される値に更新する動作と平均化手段32より出力される平均化された1シンボル周期間の周波数偏差推定誤差による位相回転量を積分する動作の切り替えを、受信信号がプリアンブル信号からランダムデータに切り替わる瞬間として説明したが、処理の切り替えタイミングは任意のタイミングでよい。
なお、上述では、本実施の形態による自動周波数制御回路の積分器34で2通りの動作を行うと説明したが、平均化手段19より出力される値に更新する動作、平均化手段32より出力される平均化された1シンボル周期間の周波数偏差推定誤差による位相回転量を積分する動作、および、積分値を保持する動作、の3通りの動作を行ってもよい。
この3通りの動作を行うことにより、実施の形態3による自動周波数制御回路の場合と同様に、PSK変調信号が受信されない無信号の場合でも推定周波数偏差の値を保持することができ、無信号時における自動周波数制御回路の誤動作を妨げることが可能である。
実施の形態5.
この発明の実施の形態5では、2シンボル周期のプリアンブル信号が先頭に付加されるデータフォーマントを有するPSK変調された信号に対して、N個の受信アンテナで受信して、上述の実施の形態2または実施の形態4による自動周波数制御回路において、どのブランチの信号を使用するかを示すブランチ制御信号を基に、複素乗算形1シンボル遅延検波手段より出力される複素信号を加算に用いるか否かをブランチ毎に選択する機能を有する自動周波数制御回路および自動周波数制御方法について説明する。
なお、実施の形態5による自動周波数制御回路は、上述の実施の形態2または実施の形態4による自動周波数制御回路に、複素乗算形1シンボル遅延検波手段より出力される複素信号を加算に用いるか否かをブランチ毎に選択する機能が追加されたものであり、その他の構成は同様であるため、以下では、複素乗算形1シンボル遅延検波手段より出力される複素信号を加算する部分のみについて説明し、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
第13図は、実施の形態5による自動周波数制御回路の一構成例であり、第8図に示された実施の形態2による自動周波数制御回路に対して、複素乗算形1シンボル遅延検波手段より出力される複素信号を加算に用いるか否かをブランチ毎に選択する機能を追加した構成である。第13図において、加算器40には外部よりブランチ制御信号が入力されている。
第14図は、実施の形態5による自動周波数制御回路のその他の一構成例であり、第12図に示された実施の形態4による自動周波数制御回路に対して、複素乗算形1シンボル遅延検波手段より出力される複素信号を加算に用いるか否かをブランチ毎に選択する機能を追加した構成である。
以下では、第13図に示された実施の形態5による自動周波数制御回路の一構成例と第14図に示された実施の形態5による自動周波数制御回路のその他の一構成例の追加機能は、動作も効果も同じため、第13図に示された実施の形態5による自動周波数制御回路の一構成例のみ説明を行う。
次に、実施の形態5による自動周波数制御回路の動作について、第13図を用いて説明する。第13図において、実施の形態5による自動周波数制御回路は、加算手段40で、ブランチ制御信号を基に、複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1〜14−Nより出力される複素信号を加算するか否かをブランチ毎にして選択して加算を行い、加算結果を出力する。
上記の動作により、実施の形態5による自動周波数制御回路は、例えば、SN比が良好な場合には加算に使用するブランチ数を少なくすることにより低消費電力化を実現し、SN比が悪い場合には加算に使用するブランチ数を多くすることにより多くのダイバーシチ利得を得て良好な周波数同期特性を実現することが可能である。
なお、第13図または第14図に示す本実施の形態5による自動周波数制御回路は、除算手段18の後段に平均化手段19を有する構成をとっているが、これらの処理の順序が入れ替わっても同様の演算結果が出力される。つまり、平均化手段19で平均化処理を行った後に除算手段18で除算処理を行う構成であってもよい。
また、第13図または第14図に示す本実施の形態による自動周波数制御回路は、ブランチ制御信号により加算手段40で使用するブランチを制御しているが、受信アンテナ11−1〜11−N、検波手段12−1〜12−N、A/D変換器13−1〜13−N、複素乗算形1シンボル遅延検波手段14−1〜14−N、または、加算手段40のいずれか1箇所以上で制御すればよい。
なお、実施の形態2による自動周波数制御回路と同様に、第13図に示された本実施の形態による自動周波数制御回路の一構成例の動作と推定周波数偏差保持の動作の切り替えタイミングは任意のタイミングでよい。
また、実施の形態4による自動周波数制御回路と同様に、第14図に示された本実施の形態による自動周波数制御回路のその他の一構成例の積分器34で、平均化手段19より出力される値に更新する動作と平均化手段32より出力される平均化された1シンボル周期間の周波数偏差推定誤差による位相回転量を積分する動作の切り替えタイミングは任意のタイミングでよい。
なお、実施の形態4による自動周波数制御回路と同様に、本実施の形態による自動周波数制御回路の積分器34は、平均化手段19より出力される値に更新する動作、平均化手段32より出力される平均化された1シンボル周期間の周波数偏差推定誤差による位相回転量を積分する動作、および、積分値を保持する動作、の3通りの動作を行ってもよい。
この3通りの動作を行うことにより、実施の形態4による自動周波数制御回路の場合と同様に、PSK変調信号が受信されない無信号の場合でも推定周波数偏差の値を保持することができ、無信号時における自動周波数制御回路の誤動作を妨げることが可能である。
以上のように、本発明にかかる自動周波数制御回路および自動周波数制御方法は、PSK変調方式を用いたディジタル無線通信システムに有用であり、特に、2シンボル周期の信号でなる2シンボル周期信号部が所定の位置に配置されたデータ列でなりPSK変調された受信信号の周波数偏差補正を行う周波数制御回路および自動周波数制御方法に好適である。

Claims (20)

  1. 少なくとも2シンボル周期の信号でなる2シンボル周期信号部が所定の位置に配置されたデータ列でなりPSK変調された受信信号の周波数偏差補正を行う周波数制御回路において、
    前記受信信号から(2×M)シンボル周期(Mは自然数)間の位相回転量を求める前処理部と、
    前記(2×M)シンボル周期間の位相回転量から(2×M)シンボル周期間の変調成分による位相回転量を減算して、送受信装置間の周波数偏差による(2×M)シンボル周期間の位相回転量を抽出するオフセット除去手段と、
    前記送受信装置間の周波数偏差による(2×M)シンボル周期間の位相回転量に基づいて、位相回転を打ち消すような位相補正処理がされた補正データを生成する補正データ生成部とを備えた
    ことを特徴とする自動周波数制御回路。
  2. 前記前処理部が、
    受信ベースバンド複素データと1シンボル周期時間前の受信ベースバンド複素データの共役な複素数とを複素乗算する複素乗算形1シンボル遅延検波手段と、
    前記複素乗算形1シンボル遅延検波手段より出力される複素乗算結果の偏角を算出する逆正接手段と、
    前記逆正接手段より出力される前記偏角から前記(2×M)シンボル周期間の位相回転量を算出する2Mシンボル位相回転量算出手段とを
    備えたことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の自動周波数制御回路。
  3. 前記前処理部が、
    受信ベースバンド複素データと、(2×M)シンボル周期時間前の受信ベースバンド複素データの共役な複素数とを複素乗算する複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段と、
    前記複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段より出力される複素信号を平均化してSN比を向上させる平均化手段と、
    前記平均化手段より出力される複素信号の偏角を算出することにより、(2×M)シンボル周期間の位相回転量を求める逆正接手段とを
    備えたことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の自動周波数制御回路。
  4. 前記前処理部が、
    受信ベースバンド複素データの第1の偏角を算出する逆正接手段と、
    前記逆正接手段より出力される前記第1の偏角に(2×M)シンボル周期の時間遅延を与えて第2の偏角を求める2Mシンボル遅延手段と、
    前記第1の偏角から前記第2の偏角を減算して前記(2×M)シンボル周期間の位相回転量を求める減算手段とを
    備えたことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の自動周波数制御回路。
  5. 前記前処理部が、
    2シンボル周期の信号がPSK変調された信号を受信するN(Nは2以上の自然数)個のアンテナから夫々出力される受信ベースバンド複素データと、対応するアンテナから夫々出力される1シンボル周期時間前の受信ベースバンド複素データの共役な複素数とを複素乗算するN個の前記複素乗算形1シンボル遅延検波手段と、
    N個の前記複素乗算形1シンボル遅延検波手段より夫々出力される複素乗算結果を加算する加算手段と、
    前記加算手段より出力される複素乗算結果の偏角を算出する逆正接手段と、
    前記逆正接手段より出力される前記偏角から前記(2×M)シンボル周期間の位相回転量を算出する2Mシンボル位相回転量算出手段とを
    備えたことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の自動周波数制御回路。
  6. 前記前処理部が、
    2シンボル周期の信号がPSK変調された信号を受信するN(Nは2以上の自然数)個のアンテナから夫々出力される受信ベースバンド複素データと、対応するアンテナから夫々出力される(2×M)シンボル周期時間前の受信ベースバンド複素データの共役な複素数とを複素乗算するN個の前記複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段と、
    N個の前記複素乗算形2Mシンボル遅延検波手段より夫々出力される複素乗算結果を加算する加算手段と、
    前記加算手段より出力される複素信号を平均化してSN比を向上させる平均化手段と、
    前記平均化手段より出力される複素信号の偏角を算出することにより、(2×M)シンボル周期間の位相回転量を求める逆正接手段とを
    備えたことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の自動周波数制御回路。
  7. 前記補正データ生成部が、
    前記オフセット除去手段の後段に設けられ、外部からの切替信号に基づき、少なくとも前記2シンボル周期信号部に対する周波数偏差推定の動作とそれ以外の信号部に対する推定周波数偏差保持の動作との間で切り替える切り替え手段を
    備えたことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の自動周波数制御回路。
  8. 前記補正データ生成部が、
    前記オフセット除去手段より出力される位相回転量を(2×M)で除算するとともに平均化してSN比を向上させる除算手段および第1の平均化手段と、
    前記逆正接手段より出力される1シンボル周期間の位相回転量から1シンボル周期間の推定位相回転量を減算する減算手段と、
    前記減算手段の減算結果から変調成分を抽出し、前記減算結果から前記変調成分の1シンボル周期間の位相回転量のみを減算して、1シンボル周期間の周波数偏差推定誤差による位相回転量を抽出する変調成分除去手段と、
    前記変調成分除去手段より出力される前記位相回転量を平均化してSN比を向上させる第2の平均化手段と、
    外部からの切り替え信号に基づき、前記第1の平均化手段より出力される値をそのまま出力する動作と前記第2の平均化手段より出力される位相回転量を積分して前記減算手段に前記1シンボル周期間の推定位相回転量として出力する動作の2通りの動作の間で切替わる積分手段とを
    備えたことを特徴とする特許請求の範囲第2項に記載の自動周波数制御回路。
  9. 前記積分手段は、外部からの切り替え信号に基づき、入力値をそのまま出力する動作、入力値を積分して出力する動作、および、入力値を保持する動作の少なくとも3通りの動作に切替わる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第8項に記載の自動周波数制御回路。
  10. 前記加算手段は、外部信号に基づいて、前記N個の前記複素乗算形1シンボル遅延検波手段より夫々出力される複素乗算結果を選択して加算する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第5項に記載の自動周波数制御回路。
  11. 少なくとも2シンボル周期の信号でなる2シンボル周期信号部が所定の位置に配置されたデータ列でなりPSK変調された受信信号の周波数偏差補正を行う周波数制御方法において、
    前記受信信号から(2×M)シンボル周期(Mは自然数)間の位相回転量を求める前処理手順を行い、
    前記受信信号の(2×M)シンボル周期(Mは自然数)間の位相回転量から(2×M)シンボル周期間の変調成分による位相回転量を減算するオフセット除去手順を行い、
    前記送受信装置間の周波数偏差による(2×M)シンボル周期間の位相回転量に基づいて、位相回転を打ち消すような位相補正処理がされた補正データを生成する補正データ生成手順を行う
    ことを特徴とする自動周波数制御方法。
  12. 前記前処理手順は、受信ベースバンド複素データと1シンボル周期時間前の受信ベースバンド複素データの共役な複素数とを複素乗算し、この複素乗算結果から偏角を算出し、該偏角から前記(2×M)シンボル周期間の位相回転量を算出する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第11項に記載の自動周波数制御方法。
  13. 前記前処理手順は、受信ベースバンド複素データと(2×M)シンボル周期時間前の受信ベースバンド複素データの共役な複素数とを複素乗算して複素信号を算出し、該複素信号を平均化してSN比を向上させ、前記複素信号の偏角を算出して前記(2×M)シンボル周期間の位相回転量を求める
    ことを特徴とする特許請求の範囲第11項に記載の自動周波数制御方法。
  14. 前記前処理手順は、受信ベースバンド複素データの第1の偏角を算出し、前記第1の偏角に(2×M)シンボル周期の時間遅延を与えて第2の偏角を求め、前記第1の偏角から前記第2の減算して前記(2×M)シンボル周期間の位相回転量を求める
    ことを特徴とする特許請求の範囲第11項に記載の自動周波数制御方法。
  15. 前記前処理手順は、2シンボル周期の信号がPSK変調された信号を受信するN(Nは2以上の自然数)個のアンテナから夫々出力される受信ベースバンド複素データと、対応するアンテナから夫々出力される1シンボル周期時間前の受信ベースバンド複素データの共役な複素数とをそれぞれ複素乗算し、夫々の複素乗算結果を加算し、この加算結果の偏角を算出し、該偏角から前記(2×M)シンボル周期間の位相回転量を算出する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第11項に記載の自動周波数制御方法。
  16. 前記前処理手順は、2シンボル周期の信号がPSK変調された信号を受信するN(Nは2以上の自然数)個のアンテナから夫々出力される受信ベースバンド複素データと、対応するアンテナから夫々出力される(2×M)シンボル周期時間前の受信ベースバンド複素データの共役な複素数とを複素乗算し、夫々の複素乗算結果を加算し、この加算結果を平均化してSN比を向上させ、この結果から偏角を算出することにより、前記(2×M)シンボル周期間の位相回転量を求める
    ことを特徴とする特許請求の範囲第11項に記載の自動周波数制御方法。
  17. 前記前処理手順は、前記オフセット手順の後に、外部からの切り替え信号に基づいて動作する切り替え手段を設け、該切り替え手段により、少なくとも前記2シンボル周期の信号に対する周波数偏差推定の動作とそれ以外の信号に対する推定周波数偏差保持の動作とに切り替える
    ことを特徴とする特許請求の範囲第11項に記載の自動周波数制御方法。
  18. 前記補正データ生成手順は、前記オフセット除去手順により出力される前記(2×M)シンボル周期間の変調成分による位相回転量を(2×M)で除算するとともに平均化手順を用いて平均化してSN比を向上させ、1シンボル周期間の位相回転量から1シンボル周期間の推定位相回転量を減算し、この減算結果から変調成分を抽出し、前記減算結果から前記変調成分の1シンボル周期間の位相回転量のみを減算して、1シンボル周期間の周波数偏差推定誤差による位相回転量を抽出し、該位相回転量を平均化してSN比を向上させ、外部からの切り替え信号に基づき動作する積分手段により、前記第1の平均化手順より出力される値をそのまま出力するか、前記第2の平均化手順より出力される位相回転量を積分して前記減算手順に前記1シンボル周期間の推定位相回転量としてフィードバックするか切り替える
    ことを特徴とする特許請求の範囲第12項に記載の自動周波数制御方法。
  19. 前記積分手段に、外部信号を入力し、外部からの切り替え信号を入力に基づき、入力値をそのまま出力する動作、入力値を積分して出力する動作、および、入力値を保持する動作の少なくとも3通りの動作に切り替える
    ことを特徴とする特許請求の範囲第18項に記載の自動周波数制御方法。
  20. 前記夫々の複素乗算結果を加算する加算手段を設け、該加算手段に外部信号を入力し、前記外部信号を操作して、N個の前記複素乗算形1シンボル遅延検波手順より夫々出力される複素乗算結果を選択して加算する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第15項に記載の自動周波数制御方法。
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