JP2006295549A - 受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】精度良く推定された周波数偏差を用いて受信信号の周波数偏差を補償することができ、さらに、良好な同期検波性能が得られる受信装置を得ること。
【解決手段】本発明にかかる受信装置は、既知シンボル挿入周期で制御するための制御信号を生成する制御部(4)と、受信信号から抽出した既知シンボルを複数に分割し、当該分割単位にそれぞれ既知系列との相関値を算出し、当該複数の相関値に基づいて周波数偏差推定値および既知シンボル単位の相関値を算出し、当該周波数偏差推定値に基づいて受信信号の周波数偏差を補償する周波数偏差補償部(1)と、前記周波数偏差補償後の受信信号に含まれる既知シンボルのみを用いて同期検波用のチャネル推定値を生成し、当該チャネル推定値に基づいて同期検波を行う同期検波部(2)と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、既知系列が挿入されたフレーム(あるいはスロット)を受信する受信装置(受信側の通信装置に相当)に関するものであり、特に、既知系列を用いて受信信号の周波数偏差を補償する受信装置に関するものである。
以下、従来の無線受信装置について説明する。たとえば、データ中に周期的に挿入された既知シンボルを取り出してキャリア位相検出を行い、同期検波する方式(特許文献1参照)がある。この受信装置では、基本的に既知シンボルを用いてキャリア位相回転量を1シンボル単位で算出し、これを周波数偏差として、既知シンボル間の内挿補間同期検波を行う際に利用する。すなわち、既知シンボルのキャリア位相に上記で算出したキャリア位相回転量を反映した後、既知シンボル間の1次補間直線によるキャリア位相推定結果に基づいて同期検波を行う。これにより、周波数偏差が大きい場合にも高精度の自動周波数制御(AFC:Automatic Frequency Control)を行うことなく、データ部分の同期検波出力における誤りの発生を防止することができる。
特開平11−266230号公報 図1
しかしながら、キャリア位相検出を行い、1シンボル毎のキャリア位相回転を推定する方法では、低受信電界時には雑音による影響のため、精度良く周波数偏差を検出することが困難となり、キャリアの位相回転量を誤推定する、という問題があった。特に、データ中に周期的に挿入される既知シンボル部分と隣接する既知シンボル部分との周期が長い場合には、キャリア位相回転量の誤推定が多発するため、データ部分の同期検波出力がバースト的に誤りを生じる、という問題があった。
さらに、ダイバーシチ受信時には、1ブランチ毎の受信電界が低い状態となる。このため、上記キャリア位相回転量を反映した既知シンボル間の1次補間直線によるキャリア位相推定の場合には、雑音に対する平均化効果がほとんど期待できず、キャリア位相推定精度が大幅に劣化することとなり、同期検波性能が十分に得られない、という問題があった。また、ブランチ単位でキャリア位相回転量の推定を行う場合には、受信電界が低下した状態での動作が要求されるため、キャリア位相回転量の誤推定が生じる、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、低受信電界時でも、既知シンボルを用いて周波数偏差を精度良く推定することができ、周波数偏差推定結果が反映されたキャリア位相情報を含んだチャネル推定結果に基づいて同期検波を行う受信装置を得ることを目的とする。
また、ダイバーシチ適用時であっても良好なデータ復調が行えるように、周波数偏差推定部分および同期検波部分をブランチ合成することが可能な受信装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる受信装置は、既知シンボルが挿入されたフレームを受信する受信装置であって、たとえば、受信信号中の既知シンボルを検出し、当該既知シンボル挿入周期で制御するための制御信号を生成する制御手段(後述する実施の形態の制御部4に相当)と、前記制御手段が出力する制御信号に基づいて受信信号から既知シンボルを抽出し、当該既知シンボルを複数に分割し、当該分割単位にそれぞれ既知系列との相関値を算出し、その後、当該複数の相関値に基づいて周波数偏差推定値および既知シンボル単位の相関値を算出する周波数偏差推定手段(周波数偏差推定部11に相当)と、前記周波数偏差推定手段が出力する前記周波数偏差推定値に基づいて、受信信号の周波数偏差を補償する周波数偏差補償手段(位相回転量算出部12,複素共役算出部13,乗算器14に相当)と、前記制御手段が出力する制御信号に基づいて、前記周波数偏差補償手段が出力する周波数偏差補償後の受信信号に含まれる既知シンボルのみを用いて同期検波用のチャネル推定値を生成し、当該チャネル推定値に基づいて同期検波を行う同期検波手段(同期検波部2に相当)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、フレーム中に挿入された既知シンボルを利用し、既知シンボルを複数のブロックに分割して得られる相関値間の位相回転量と、フレーム毎に得られる既知シンボル単位の相関値から求めた既知シンボル挿入間隔における位相回転量と、を用いて周波数偏差を補償することとしたので、低受信電界時であっても周波数偏差を精度よく推定することが可能となり、精度よく推定された周波数偏差推定結果を用いて受信信号に対する周波数偏差を補償することができる、という効果を奏する。さらに、受信した既知シンボルのみを利用して同期検波用のチャネル推定値を算出しているので、良好な同期検波性能を得ることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかる受信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
本実施の形態は、既知シンボルを用いてデータ復調を行う受信装置および周波数制御方法について説明する。
図1は、本発明にかかる受信装置の実施の形態1の構成を示す図である。なお、説明の簡単化のため、アンテナおよび高周波を扱うアナログ回路部分は省略し、特徴となるベースバンド信号処理部分に関して説明を行う。図1において、この受信装置は、周波数偏差補償部1と、同期検波部2と、判定部3と、制御部4と、を備えている。
また、図2は、本実施の形態におけるフレームフォーマットの一例を示す図である。図2において、「既知」は、既知系列により構成される既知シンボルブロックであり、Np個のシンボルから構成される。また、「データ」は、データシンボルブロックであり、Nd個のシンボルから構成される。また、既知シンボルとデータシンボルから構成される1フレーム分のシンボル数はNfである。
つづいて、本実施の形態の受信装置の動作を、図面を用いて詳細に説明する。図2のフレームフォーマットに従い、既知シンボル部分とデータ部分とを含むフレームが送信側で変調され、送信される。一方、端末の受信装置または基地局の受信装置(以降、単に受信装置と呼ぶ)では、アンテナで信号を受信した後、高周波回路によりベースバンドの受信信号に変換し、周波数偏差補償部1が変換後の受信ベースバンド信号(以降、受信信号と呼ぶ)を受け取る。
周波数偏差補償部1では、受け取った受信信号から周波数偏差を推定し、受信信号の周波数偏差を補償し、周波数偏差補償後の受信信号を出力する。また、この周波数偏差補償部1は、後述する制御部4からの制御信号に基づいて、既知シンボルブロック部分の受信信号を受け取ったときに、相関器出力を用いて周波数偏差を算出する。
ここで、図3を用いて、周波数偏差の算出し受信信号の周波数偏差を補償する周波数偏差補償部1の動作について説明する。図3は、上記周波数偏差補償部1の構成を示す図であり、周波数偏差推定部11と、位相回転量算出部12と、複素共役算出部13と、乗算器14とを備えている。また、上記周波数偏差推定部11は、既知系列を参照信号とする相関器21と、遅延器22と、複素共役算出部23と、乗算器24と、平均化部25と、複素共役算出部26と、乗算器27と、平均化部28と、周波数偏差算出部29とを備えている。また、上記相関器21は、相関器21の部分的な相関値を算出する相関器(1)31,相関器(2)32と、加算器33とを備えている。
図3において、周波数偏差補償部1に入力された受信信号は相関器21に入力され、この相関値21では、受け取った受信信号と既知系列による相関値を算出する。相関値(複素信号)は制御部4に対して出力される。なお、制御部4の処理については後述する。
また、周波数偏差補償部1では、周波数偏差を推定するために、相関器21が複数のブロックに分けて相関値を算出している。ここでは、複数のブロックに分けて処理を行う場合の一例として、たとえば、相関器(1)31と相関器(2)32の2つの相関器のブロックに分けて相関値を算出する。また、相関器21では、図2のフレームに挿入された既知シンボルブロックの相関値を算出するための相関計算用の既知系列として、たとえば、M系列等の相関特性に優れた系列を使用する。
また、受信信号系列が相関器21に入力される順番を考慮して、相関器(1)31には既知シンボルブロックの前半部分を設定し、相関器(2)32には既知シンボルブロックの後半部分を設定する。なお、Npは2分割して相関演算を行う関係上、2の倍数であることが望ましいが、2で割り切れない場合には、各ブロックのシンボル数がほぼ等しくかつ整数となるように、分割する。
相関器31,32では、入力される受信信号に対して相関演算を行い、それぞれ相関値を算出する。相関器(1)31の出力は、複素共役算出部26と加算器33に入力される。一方、相関器(2)32の出力は、乗算器27と加算器33に入力される。加算器33に入力された2つの相関値は、加算後、相関器21の相関値として制御部4に対して出力されるとともに、遅延器22と乗算器24の入力となる。遅延器22では、フレーム中の既知シンボルブロックの挿入間隔に相当する時間だけ遅延を付加する。遅延器22の出力はさらに複素共役算出部23に入力され、ここでは、入力値の複素共役値を算出する。そして、乗算器24では、相関器21の出力と上記複素共役値とを乗算する。この乗算結果には、フレーム中に挿入された既知シンボルブロックの周期間(Ndシンボル分の時間)における位相回転成分が含まれている。
つぎに、既知シンボルブロック挿入周期に対する位相回転量θf(i)(ただし、iはフレーム番号)を精度よく抽出できるように、すなわち、雑音成分の影響を低減するため、乗算器24出力を平均化部25に入力し、ここで、平均化処理を行う。平均化部25の平均化処理の一例として、IIR(Infinite Impulse Response)型またはFIR(Finite Impulse Response)型のフィルタが想定される。平均化部25の出力は、周波数偏差算出部29に入力される。
一方で、相関器(1)31の出力に対する複素共役値を算出する複素共役算出部26の出力は、乗算器27に入力される。乗算器27では、相関器(2)32の出力と複素共役算出部26の出力とを乗算する。相関器(1)31と相関器(2)32による演算結果には、2つの相関値間での位相回転成分が含まれている。そこで、この2つの相関値間(Np/シンボル分の時間)における位相回転量θp(i)が精度よく抽出できるように、すなわち、雑音成分の影響を低減するため、乗算器24出力を平均化部28に入力し、ここで、平均化処理を行う。平均化部28としては、上記同様、IIR型またはFIR型のフィルタが用いられる。平均化部28の出力は、周波数偏差算出部29に入力される。
周波数偏差算出部29では、まず、相関器(1)31と相関器(2)32による2つの相関値間(時間はNp/2シンボル数分に相当)の位相回転量θp(i)を算出するために、平均化部28の複素信号出力から位相成分を抽出する。位相成分の抽出は、一般的に逆TANを演算する処理によって実現され、演算量削減のためROMテーブルを使った変換が行われる。つぎに、位相回転量θp(i)を既知シンボル周期間(時間はNfシンボル数分に相当)に相当する位相回転量に変換するため、シンボル数の比に相当する時間調整用の係数βを乗算する。係数βは、次式(1)に従い決定され、設定される。また、時間調整後の位相回転量θs(i)は、次式(2)のように表すことができる。
β=Nf/(Np/2) …(1)
θs(i)=β・θp(i) …(2)
また、周波数偏差算出部29では、平均化部25の複素信号出力から既知シンボル挿入周期に対する位相回転量θf(i)を抽出するために、逆TAN演算を行う。なお、位相回転量θf(i)を求める場合の演算量削減のために、ROMテーブルを使った変換を行ってもよい。この演算処理により算出されたθf(i)は、既知シンボル挿入周期という比較的長い時間で観測される位相回転量を用いているため、雑音が存在する環境であっても位相回転量を精度よく算出できる。しかしながら、長い時間間隔で位相回転を観測する場合には、主として周波数偏差に起因する位相回転により、位相変動量がπ(180度)を超える場合には、本来の値よりも、±2nπ(nは1以上の整数)の値だけ異なった値となるため、位相回転量を正しく算出することができなくなる。
この位相回転量を正しく算出することができなくなる現象については、図4、図5を用いて説明を行う。図4は、周波数偏差が比較的小さい場合の周波数偏差補償部1による周波数偏差算出動作の一例を示す図であり、図5は、周波数偏差が比較的大きい場合の周波数偏差補償部1による周波数偏差算出動作の一例を示す図である。図4,5中において、横軸は時間軸を表し、説明上、原点は各フレームの先頭を表すものとする。また、縦軸は位相を表すものとする。図4では、周波数偏差が正の値を持ち、時間とともに、位相回転量が増加する状態を仮定する。ここで、200は2つの相関値間(Np/2シンボル分の時間)における位相回転量の推定値θp(i)であり、201はフレーム間での位相回転量の推定値(既知シンボル挿入周期に対する位相回転量)θf(i)であり、202は位相回転量θp(i)を既知シンボル挿入周期間(時間はフレーム長に相当するNfシンボル数分の時間)における位相回転量に変換した場合の推定値θs(i)であり、203は実際のフレーム間での位相回転量θtである。
図4において、位相回転量の推定値θp(i)は、複数のシンボルを用いて得られた相関値を利用して位相回転量を算出しているため、周波数偏差による位相回転量を雑音環境下でも精度よく算出可能となるが、比較的短いシンボル間で位相回転量を算出することとなるため、雑音により実際の位相回転量よりも異なった値をとる場合がある。実際に図4では、θp(i)をフレーム長に相当する時間まで延長したθs(i)とθt(i)とでは、大きな誤差が出ている。一方で、観測時間の長い位相回転量の推定値θf(i)の場合には、実際の位相回転量θt(i)との誤差が少なくなるため、精度のよい位相回転量推定値が得られる。したがって、既知シンボル挿入周期間(比較的長い観測時間)のθf(i)を用いて周波数偏差補償を行う方が、精度の高い信号が得られることがわかる。しかしながら、周波数偏差に相当する位相回転量は、複素信号から位相成分を取り出す方法をとる場合には、−πから+πの範囲の値でしか得られないため、フレーム単位のような長い時間で観測する場合には、本来の値よりも、±2nπの値だけ異なる値をとる可能性がある。この場合には、θf(i)を周波数偏差に相当する位相回転量としてそのまま利用することは困難である(図5参照)。
したがって、式(2)で求めた時間調整後の位相回転量θs(i)の精度を改善し、かつπ(180度)を超えても対応可能なように、次式(3)に従い、位相回転量の補正処理を行う。
θe(i)=θs(i)+mod((θf(i)−θs(i))+π),2π)−π
…(3)
なお、mod(A,B)は、AをBで除算した場合の剰余を算出する式を意味する。
上記式(3)で算出された位相回転量θe(i)は、既知シンボル挿入周期間(Nfシンボルに相当する時間)の位相回転量であり、周波数偏差算出部29が出力する周波数偏差推定量として位相回転量算出部12に対して出力される。
位相回転量算出部12では、入力された位相回転量θe(i)に基づいて、シンボル単位の位相回転量を算出する。シンボル単位での位相回転量は次式(4)により算出される。
θes(i)=θe(i)/Nf …(4)
つぎに、位相回転量算出部12では、シンボル単位の位相回転量θes(i)を、シンボル単位で変化する周波数偏差に相当する位相回転量θsum(k)(ただし、kはシンボル番号)に変換するために、次式(5)に従い、積分処理を行う。
θsum(k)=mod((θsum(k−1)+θes(k)),2π)
…(5)
さらに、上記式(5)により算出されたθsum(k)を、次式(6)に従って、位相から直交座標で表せる複素信号(x(k),y(k))へ変換する。
(x(k),y(k))=(cos(θsum(k)),sin(θsum(k)))
…(6)
そして、上記式(6)により算出された位相回転のための複素信号は、複素共役算出部13に対して出力される。
複素共役算出部13では、受け取った位相回転のための複素信号の複素共役値を算出し、乗算器14では、入力される受信信号と複素共役算出部13出力の複素共役値との複素乗算を行い、周波数偏差補償後の受信信号を生成する。
つづいて、上記制御部4の処理について説明する。上記周波数偏差補償部1内の相関器21から相関値を受け取った制御部4では、受信信号に含まれる既知シンボルブロック部分の時間的な位置を推定し、上記周波数偏差補償部1および同期検波部2を既知シンボル挿入周期で制御するための制御信号を生成する。ここで、図6、図7を用いて、既知シンボルブロック部分の時間的な位置を抽出する処理、および周波数偏差補償部1および同期検波部2の動作を制御するための制御信号を生成する処理、を行う制御部4の構成および動作について説明する。
図6は、制御部4内のタイミング検出部の構成を示す図であり、図7は、タイミング検出部の動作を説明するための図である。図6において、タイミング検出部は、相関電力算出部41と、位置検出部42と、制御信号生成部43とを備えている。
制御部6に入力された相関値(複素信号)は、相関電力算出部41が受け取り、ここでは、同相および直交成分をそれぞれ2乗して加算する処理を行い、相関電力値を算出する。図7には相関電力値の時間波形を示す。
位置検出部42では、上記相関電力値が予め設定したしきい値よりも大きい場合、そのピーク値に相当する時間的な位置を検出位置として抽出する。この検出位置には、受信信号が入力される相関器21の内部に、既知シンボルブロック部分に相当する受信信号が存在している。
さらに、位置検出部42では、既知シンボルブロックの位置検出の精度を高めるために以下の処理を行う。まず、現フレームの1つ前のフレームで推定された既知シンボルブロックの推定位置に対して、フレーム長に相当するシンボル数分の時間長を加算し、現フレームにおける既知シンボルブロックの推定位置を算出する。この現フレームの推定位置を基準とし、現フレームの推定位置と実際に検出された現フレームの既知シンボルブロックの検出位置との時間的な差分値(シンボル数で表現)を算出し、その差分値の平均化処理を行う。この平均化処理は、一例として、IIR型フィルタで実現してもよい。平均化後の出力は、現フレームの既知シンボルブロックの検出位置に加算され、さらに、フレーム長に相当するシンボル数分の時間長が加算され、次フレームにおける既知シンボルブロックの推定位置として、制御信号生成部43に対して出力される。
制御信号生成部43では、受け取った次フレームにおける既知シンボルブロックの推定位置に基づいて、周波数偏差補償部1および同期検波部2の動作を制御するための制御信号を生成し出力する。
つづいて、上記周波数偏差補償部1の出力である周波数偏差補償後の受信信号を受け取った同期検波部2の処理について説明する。図8は、同期検波部2の構成を示す図であり、変調成分除去部51と、平均化部52と、複素共役算出部53と、乗算器54とを備えている。また、上記平均化部52は、係数(1−α)を乗算する乗算器61と、加算器62と、係数αを乗算する乗算器63と、遅延器64と、係数制御部65と、(1−α)の演算を行う係数算出部66とを備えている。
上記同期検波部2では、変調成分除去部51が、受け取った周波数偏差補償後の受信信号の変調成分を除去する。変調成分除去部51では、既知シンボルブロックに相当する受信信号の系列が入力されたときのみ動作するように、制御部4が出力する制御信号に基づいて動作する。変調成分が除去された既知シンボルブロック部分に相当する周波数偏差補償後の受信信号は、平均化部52に対して出力される。
ここでは、平均化部52として、たとえば、IIR型フィルタを用いた場合、の動作を説明する。なお、平均化部52の構成としては、これに限らず、たとえば、FIR型フィルタを用いてもよい。平均化部52では、まず、乗算器61が、周波数偏差補償後の受信信号に対して係数(1−α)(0≦α≦1)を乗算する。ここで、係数αは、係数制御部65によって制御されるパラメータであり、制御部4から出力される制御信号に基づいて設定する。たとえば、受信信号の既知シンボルブロック部分が入力された場合には、αを0<α<1の範囲で予め定められた値を設定し、また、受信信号における既知シンボルブロック以外の部分が入力される場合には、α=1を設定し、加算器62への入力が0となるような制御を行う。上記α=1の設定は、乗算器63に設定される係数αについても同時に行われる。これにより、フレーム中で既知シンボルブロック部分がシンボル単位で更新され、フレーム中で既知シンボルブロック部分以外のところでは、平均化部52の出力値が更新されないようにすることができる。つぎに、加算器62では、乗算器63の出力と、遅延器64出力(前回更新された平均化部52の出力値に遅延を付加した信号)に対して係数αを乗算した乗算器63の出力と、を加算し、新規に更新された同期検波用のチャネル推定値を出力する。
つぎに、上記同期検波用のチャネル推定値を受け取った複素共役算出部53では、複素共役値を算出し、乗算器54では、上記複素共役値に基づいて同期検波における位相補償を行い、位相補償後の検波出力を判定部3に出力する。
最後に、判定部3では、受け取った検波出力に対して硬判定を行い、硬判定結果を出力する。
以上のように、本実施の形態においては、周波数偏差を補償する処理において、フレーム中に挿入された既知シンボルブロックを利用し、既知シンボルブロック部分を複数のブロックに分割して得られる相関値間の位相回転量と、フレーム毎に得られる既知シンボルブロック部分の相関値から求めた既知シンボル挿入間隔における位相回転量と、を用いることとした。これにより、低受信電界時であっても周波数偏差を精度よく推定することが可能となり、精度よく推定された周波数偏差推定結果を用いて受信信号に対する周波数偏差を補償することができる。さらに、受信した既知シンボルブロック部分のみを利用して同期検波用のチャネル推定値を算出しているので、良好な同期検波性能を得ることができる。
実施の形態2.
つづいて、実施の形態2の動作について説明する。本実施の形態においては、前述した実施の形態1とは動作の異なる、周波数偏差補償部1内の周波数偏差推定部11の処理についてのみ説明する。なお、本実施の形態における受信装置の構成については、前述した実施の形態1の図1と同様である。
図9は、実施の形態2の周波数偏差推定部11の構成を示す図であり、既知系列を参照信号とする相関器21aと、遅延器22aと、複素共役算出部23a,71,73と、乗算器24a,72,74と、加算器75と、平均化部25a,28aと、周波数偏差算出部29aと、を備えている。また、上記相関器21aは、部分的な相関値を算出する相関器(1)31a,相関器(2)32a,相関器(3)34aと、加算器33aとを備えている。
前述した実施の形態1においては、相関器21が受信信号を2つのブロックに分割してブロック間の位相回転量を算出していたが、本実施の形態においては、相関器21aが3つのブロックに分割されている。以下、図9を用いて、相関器が3ブロックに分割されている場合について説明する。
本実施の形態による周波数偏差推定部11では、周波数偏差を推定するために、相関器21aを3つのブロックに分けて相関値を算出する。なお、Npは、3分割して相関演算を行う関係上、3の倍数であることが望ましいが、3で割り切れない場合には、各ブロックのシンボル数がほぼ等しくかつ整数となるように、分割することとする。また、相関器21aにおいては、図1のフレームに挿入された既知シンボルブロックの相関値を算出するための相関計算用既知系列として、M系列等の相関特性に優れた系列を用いることを想定する。
また、受信信号系列が相関器21aに入力される順番を考慮し、相関器(1)31aには既知シンボルブロックの前の部分を設定し、相関器(2)32aには既知シンボルブロックの中間部分を設定し、相関器(3)34aには既知シンボルブロックの後ろの部分を設定する。
相関器(1)31a,相関器(2)32a,相関器(3)34aでは、入力される受信信号系列に対して相関演算を行い、それぞれブロック毎の相関値を算出する。各相関器の出力は、それぞれ加算器33aの入力となる。また、乗算器72では、既知シンボルブロックのシンボル数Npの1/3のシンボル数に相当する時間における位相回転量を算出するため、複素共役算出部71の出力と相関器(2)32aの出力とを乗算する。同様に、乗算器74では、相関器(2)32aと相関器(3)34aとを用いて、既知シンボルブロックのシンボル数Npの1/3のシンボル数に相当する時間における位相回転量を算出するため、複素共役算出部73の出力と相関器(3)34aの出力とを乗算する。乗算器72と乗算器74の出力は、それぞれ同一の時間幅での位相回転量である。
加算器75では、位相回転量の精度を高めるため、乗算器72の出力と乗算器74の出力とを加算する。加算器75の出力は、Np/3シンボルに相当する時間の位相回転成分を含んだ複素信号として、平均化部28aに対して出力される。
平均化部28aで平均化された信号は、周波数偏差算出部29aに入力され、ここでは、相関値間(時間は(Np/3)シンボル数分に相当)の位相回転量θp(i)を算出するために、平均化部28aの複素信号出力から位相成分を抽出する。この位相成分の抽出は、一般的に逆TANを演算する処理にて実現され、演算量削減のためROMテーブルを使った変換が行われる。つぎに、位相回転量θp(i)を、既知シンボル挿入周期間(時間はNfシンボル数分に相当)に相当する位相回転量に変換するため、周波数偏差算出部29aでは、シンボル数の比に相当する時間調整用の係数βを乗算する。この係数βは、次式(7)に従い決定され、設定される。
β=Nf/(Np/3) …(7)
なお、時間調整後の位相回転量θs(i)は、前述した式(2)と同様に表すことができる。
なお、上記以外の処理については、基本的に前述した実施の形態1と同様である。また、本実施の形態においては、相関器分割時のブロック数が3の場合について説明したが、たとえば、相関器を分割するブロック数が3よりも増えた場合であっても、隣接するブロック間における位相回転成分を含んだ複素信号を加算器で加算することによって、対応可能であり、この場合は周波数偏差推定の範囲を拡大可能である。また、本実施の形態の周波数偏差推定部11の構成は、後述する実施の形態3〜5においても適用可能である。
以上のように、本実施の形態においては、相関器分割時のブロック数を増加させた場合に、分割された相関器ブロック毎の相関値を加算することとした。これにより、位相回転成分を含んだ複素信号のSNR(Signal-to-Noise Ratio)を改善することができ、さらに精度よく周波数偏差に対応する位相回転量を算出することができる。
実施の形態3.
つづいて、実施の形態3の動作について説明する。本実施の形態は、ダイバーシチ用の複数のブランチを有する点が、前述した実施の形態1と異なっている。特に、周波数偏差補償部、制御部、および同期検波出力のブランチ合成処理の部分、が異なっている。本実施の形態では、前述した実施の形態1と異なる処理について説明する。なお、前述した実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図10は、本発明にかかる受信装置の実施の形態3の構成を示す図であり、ここでは、ダイバーシチ用の受信装置の構成を示している。図10において、この受信装置は、周波数偏差補償部1bと、制御部4bと、同期検波部2b−1〜2b−Nと、加算器5と、判定部3とを備えている。
図10において、本実施の形態の受信装置は、複数のダイバーシチ用アンテナで信号を受信した後、各受信信号を高周波回路によりアンテナ数分のベースバンドの受信信号(受信信号#1〜#N)に変換し、その結果を周波数偏差補償部1bに入力する。
周波数偏差補償部1bでは、受け取ったアンテナ数分のベースバンドの受信信号#1〜#Nを用いて周波数偏差を推定し、受信信号#1〜#Nの周波数偏差を補償し、その後、周波数偏差補償後受信信号#1〜#Nを出力する。この周波数偏差補償部1bは、既知シンボルブロック部分の受信信号が入力された場合に、相関器出力を用いて周波数偏差を算出する。
ここで、図11を用いて、周波数偏差の算出し受信信号の周波数偏差を補償する周波数偏差補償部1bの動作、および周波数偏差補償部1bの動作を制御する制御部4bの動作について説明する。図11は、上記周波数偏差補償部1bの構成を示す図であり、周波数偏差推定部11bと、位相回転量算出部12と、複素共役算出部13と、乗算器14b−1〜14b−Nとを備えている。また、上記周波数偏差推定部11bは、ブランチ#1〜#Nの周波数偏差検出部81−1〜81−Nと、加算器82,83と、平均化部25,28と、周波数偏差算出部29とを備えている。また、上記各周波数偏差検出部は、それぞれ、既知系列を参照信号とする相関器21と、遅延器22と、複素共役算出部23と、乗算器24と、複素共役算出部26と、乗算器27とを備えている。なお、本実施の形態による周波数偏差推定部11bでは、一例として、相関器を2つのブロックに分けて個別に相関値を算出する。
図11において、周波数偏差補償部1bに入力された受信信号#1〜#Nは、アンテナブランチ(#1〜#N)に対応した周波数偏差検出部81−1〜81−Nにそれぞれ入力される。以下では、説明の簡単化のために、アンテナブランチ#1に対応する周波数偏差検出部81−1の処理について説明を行う。たとえば、アンテナブランチ#1に対応する相関器21では、受け取った受信信号#1と既知系列による相関値を算出し、その相関値#1(複素信号)を制御部4bに対して出力する。このとき、制御部4bでは、ブランチ#1〜#Nに対応する相関値#1〜#Nを受け取ることになる。
制御部4bでは、下記の処理で上記周波数偏差補償部1bおよび同期検波部2b−1〜2b−Nの動作を制御するための制御信号を生成する。図12は、制御部4bの構成を示す図であり、アンテナブランチ#1〜#Nに対応した相関電力算出部41b−1〜41b−Nと、加算器84と、位置検出部42と、制御信号生成部43とを備えている。図12において、制御部4bでは、相関電力算出部41b−1〜41b−Nが、各アンテナブランチの相関電力値を算出し、その後、加算器84が、各アンテナブランチの相関電力値を用いてダイバーシチ合成を行う。そして、以降は、前述した実施の形態1と同様の処理で、位置検出部42が、受信信号における既知シンボルブロック部分の時間的な位置を抽出し、制御信号生成部43が、周波数偏差補償部1bおよび同期検波部2b−1〜2b−Nの動作を制御するための制御信号を生成する。
つづいて、図11における周波数偏差推定部11bでは、受信信号(#1〜#N)毎に対応する相関器21,複素共役算出部26および乗算器27が、制御部4bが出力する制御信号に基づいて、前述した実施の形態1と同様の処理を行い、たとえば、受信信号#1に対応する乗算器27の出力は、Np/2シンボルに相当する時間の位相回転成分を含んだアンテナブランチ#1の複素信号#1として、加算器82に対して出力される。このとき、アンテナブランチ#1以外のアンテナブランチ#2〜#Nに対応する乗算器27においても同様の計算が行われる。そして、加算器82においてダイバーシチ合成処理が行われる。
一方、加算器33の出力に対しても前述した実施の形態1と同様の処理が行われ、すなわち、遅延器22,複素共役算出部23および乗算器24が、前述した実施の形態1と同様の処理を行い、たとえば、受信信号#1に対応する乗算器24の出力は、既知シンボル挿入周期間(フレーム長)に相当する時間における位相回転成分が含まれたアンテナブランチ#1の複素信号#1として、加算器83に対して出力される。このとき、アンテナブランチ#1以外のアンテナブランチ#2〜#Nに対応する乗算器24においても同様の計算が行われる。そして、加算器83においてダイバーシチ合成処理が行われる。
さらに、加算器82,83の出力はそれぞれ平均化部28,25に入力され、以降、前述した実施の形態1と同様の処理によって、ダイバーシチ合成後の周波数偏差が算出され、その後、乗算器14b−1〜14b−Nにより受信信号#1〜#Nに対する周波数偏差補償が行われ、最終的に周波数偏差補償後受信信号#1〜#Nが出力される。
つづいて、上記周波数偏差補償後の受信信号#1〜#Nを個別に受け取った同期検波部2b−1〜2b−Nの処理について説明する。同期検波部2−1〜2−Nでは、各ブランチに対応する周波数偏差補償後受信信号#1〜#Nに対して、それぞれ前述した実施の形態2の同期検波部2と同様の同期検波を行い、同期検波結果を加算器5に対して出力する。加算器5では、ブランチ#1〜#Nの同期検波結果に対してダイバーシチ合成を行い、合成後の信号を出力する。そして、判定部3が、合成後の信号に対して硬判定を行う。
以上のように、本実施の形態においては、複数のアンテナが存在し、1ブランチにおける所要の信号電力対雑音電力比(SNR:Signal-to-Noise Ratio)が小さい場合に、周波数偏差補償処理において、相関器出力に基づく、位相回転成分が含まれた各アンテナブランチ(#1〜#N)の複素信号をダイバーシチ合成し、合成後の信号を用いて前述した実施の形態1と同様の処理で周波数偏差を算出することとした。これにより、ダイバーシチの効果により周波数偏差に相当する位相回転量をさらに精度よく算出することができる。また、フレーム中に挿入された既知シンボルブロックの時間的な位置を検出する処理において、ダイバーシチ合成後の相関電力値を用いることによって、1ブランチ当りのSNRが小さい場合であっても精度良く位置を検出することができるので、同期検波によるダイバーシチ合成を良好に行うことができる。
実施の形態4.
つづいて、実施の形態4の動作について説明する。本実施の形態は、周波数偏差補償機能を同期検波部に持たせ、相関値に基づいて同期検波用のチャネル推定値を生成している点が、前述した実施の形態1と異なっている。本実施の形態では、前述した実施の形態1と異なる処理について説明する。なお、前述した実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図13は、本発明にかかる受信装置の実施の形態4の構成を示す図であり、この受信装置は、実施の形態1と同様の周波数偏差推定部11と、同期検波部2cと、制御部4と、判定部3とを備えている。また、図14は、上記同期検波部2cの構成を示す図であり、平均化部52cと、位相直交変換部55と、位相回転量算出部56と、乗算器57,59と、複素共役算出部58とを備えている。また、上記平均化部52cは、乗算器91,93,95と、加算器92と、遅延器94とを備えている。
図13および図14において、同期検波部2cでは、入力された相関値Cs(i)(ただし、iはフレーム番号)における雑音の影響を低減するために、平均化部52cが平均化処理を行う。この平均化部52cは、制御部4が生成する制御信号に基づいて、既知シンボルブロックに相当する相関値Cs(i)が入力されたときに動作する。ここでは、平均化部52cとして、たとえば、IIR型フィルタを用いた場合の動作を説明する。
平均化部52cでは、まず、相関値Cs(i)が乗算器91に入力され、ここで、相関値Cs(i)に係数(1−α)(0≦α≦1)が乗算される。つぎに、加算器92では、乗算器93により係数αが乗算された結果と、乗算器91の出力と、を加算し、平均化部52cの出力として、更新された同期検波用のチャネル推定値Cr(i)を出力する。さらに、更新された同期検波用のチャネル推定値Cr(i)は、遅延器94において1フレーム時間だけ遅延が付加される。そして、乗算器95では、次フレーム(i+1番目のフレーム)において周波数偏差の影響を受けた相関値Cs(i+1)を推定するために、上記で遅延されたチャネル推定値を、フレーム時間長における周波数偏差による位相回転量だけ回転させる処理を行う。
なお、上記周波数偏差に相当する位相回転量だけ回転させる処理については、たとえば、位相直交変換部55が、周波数偏差推定部11において推定した周波数偏差推定値Ce(i)に基づいて位相を直交座標に変換し、そして、乗算器95が、位相直交変換部55にて変換後の出力(複素信号)と上記遅延されたチャネル推定値(前回更新された平均化部52cの出力値に遅延を付加した信号)とを乗算することにより実現する。
そして、乗算器93が、上記で計算された乗算器95の出力と係数αとを乗算し、加算器92が、上記乗算器93の出力と乗算器91の出力(相関値Cs(i+1)と(1−α)とを乗算した結果)とを加算し、平均化部52cの出力として、更新された同期検波用のチャネル推定値Cr(i+1)を出力する。上記平均化部52cの平均化処理に基づいて、フレーム単位で更新される同期検波用のチャネル推定値Cr(i+1)は、次式(9)にて算出することができる。
Cr(i+1)=α・Cr(i)・exp(jθe(i))
+(1−α)・Cs(i+1) …(9)
一方で、式(9)により求めた同期検波用チャネル推定値Cr(i)は、既知シンボルブロックが挿入された周期、すなわち、フレーム周期でしか更新されないため、データシンボルブロックでは、周波数偏差による位相回転が発生することになる。そこで、位相回転量算出部56では、フレーム周期で得られる周波数偏差推定値θe(i)に基づいて、シンボル単位の位相回転量θes(i)=θe(i)/Nfを算出し、そして、データシンボルブロックのシンボル単位で変化する周波数偏差に相当する位相回転量に変換するために、積分処理を行う。
なお、相関値Cs(i)を算出する相関演算では、既知シンボルブロックの系列を受信信号に乗算することにより変調成分除去を行い、変調成分除去後の既知シンボルブロックの系列を加算する処理を行っているため、既知シンボルブロック部分における位相回転量の平均化と同様な処理を行っている。その結果、周波数偏差があると、相関値Cs(i)には、既知シンボルブロック内の平均的な位相回転が発生することとなる。この既知シンボルブロック内の平均的な位相回転量は、「θes(i)・Np/2」に相当する。このため、同期検波用のチャネル推定値Cr(i)についても、既知シンボルブロック内における周波数偏差による位相回転量の平均値「θes(i)・Np/2」分だけ位相回転している状態となっている。
そこで、位相回転量算出部56では、既知シンボルブロック部分とデータブロック部分において、シンボル単位で変化する周波数偏差に相当する位相回転量θsum(i,k)を、位相回転量「θes(i)・Np/2」を減算することにより算出する。次式(10)に位相回転量θsum(i,k)の算出式を示す。
θsum(i,k)=mod((k・θes(i)−θes(i)・Np/2),2π)
=mod(((k−Np/2)・θes(i)),2π)
…(10)
また、式(10)により算出されたθsum(i,k)は、次式(11)に従って、位相から、直交座標で表せる複素信号(x(i,k),y(i,k))へ変換する。
(x(i,k),y(i,k))=(cos(θsum(i,k))
,sin(θsum(i,k)))
…(11)
そして、位相回転量算出部56では、式(11)に従い、位相を直交座標に変換することで周波数偏差に相当する複素信号(x(i,k),y(i,k))を算出するとともに、その結果を乗算器57に対して出力する。
乗算器57では、上記位相回転用の複素信号(x(i,k),y(i,k))を、フレーム中のシンボル単位に、チャネル推定値Cr(i)(Cr(i)はフレーム単位で更新)に乗算することによって、シンボル単位の周波数偏差による位相回転が考慮された、シンボル単位のチャネル推定値を算出する。その後、複素共役算出部58では、乗算器57出力(チャネル推定値)の複素共役値を算出する。最後に、乗算器59では、受信信号と複素共役算出部58出力の複素共役値とを乗算することによって、同期検波における位相補償をシンボル単位で行い、その結果を検波出力として判定部3に対して出力する。
以上のように、本実施の形態では、前述した実施の形態1と同様に、周波数偏差を推定する処理において、フレーム中に挿入された既知シンボルブロックを利用し、既知シンボルブロック部分を複数のブロックに分割して得られる相関値間の位相回転量と、フレーム毎に得られる既知シンボルブロック部分の相関値から求めた既知シンボル挿入間隔における位相回転量と、を用いることで、低受信電界時でも周波数偏差を精度よく推定することとした。また、本実施の形態においては、さらに、周波数偏差推定の際に用いた相関値を用いて、同期検波用のチャネル推定値を生成することとした。これにより、既知シンボル挿入間隔で、チャネル推定値の生成動作を行うことができるので、処理速度を抑えながら同期検波を行うことが可能となる。
実施の形態5.
つづいて、実施の形態5の動作について説明する。本実施の形態は、ダイバーシチ用の複数のブランチを有する点が、前述した実施の形態4と異なっている。特に、周波数偏差推定部、制御部、および同期検波出力のブランチ合成処理の部分が異なっている。なお、前述した実施の形態1〜4と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図15は、本発明にかかる受信装置の実施の形態5の構成を示す図であり、ここでは、ダイバーシチ用の受信装置の構成を示している。本実施の形態では、複数のブランチを有する場合の受信装置を想定する。図15において、この受信装置は、周波数偏差推定部11bと、制御部4bと、同期検波部2c−1〜2c−Nと、加算器5と、判定部3とを備えている。
図15において、周波数偏差推定部11bは、前述した実施の形態3の周波数偏差推定部11bと同様の処理で、相関値を求め、さらに、周波数偏差を推定する。また、同期検波部2c−1〜2c−Nは、それぞれ、前述した実施の形態4の同期検波部2cと同様の処理で同期検波を行う。これにより、本実施の形態においては、実施の形態3において得られる効果、実施の形態4において得られる効果、の両方を得ることができる。
以上のように、本発明にかかる受信装置は、既知系列が挿入されたフレームを送受信する通信装置を備えた通信システムに有用であり、特に、既知系列を用いて受信信号の周波数偏差を補償する通信装置として適している。
本発明にかかる受信装置の実施の形態1の構成を示す図である。 フレームフォーマットの一例を示す図である。 周波数偏差補償部の構成を示す図である。 周波数偏差が比較的小さい場合の周波数偏差補償部による周波数偏差算出動作の一例を示す図である。 周波数偏差が比較的大きい場合の周波数偏差補償部による周波数偏差算出動作の一例を示す図である。 制御部内のタイミング検出部の構成を示す図である。 タイミング検出部の動作を説明するための図である。 同期検波部の構成を示す図である。 実施の形態2の周波数偏差推定部の構成を示す図である。 本発明にかかる受信装置の実施の形態3の構成を示す図である。 周波数偏差補償部の構成を示す図である。 制御部の構成を示す図である。 本発明にかかる受信装置の実施の形態4の構成を示す図である。 同期検波部の構成を示す図である。 本発明にかかる受信装置の実施の形態5の構成を示す図である。
符号の説明
1,1b 周波数偏差補償部
2,2−1,2−N,2c,2c−1,2c−N 同期検波部
3 判定部
4,4b 制御部
5,33,33a,62,75,82,83,84,92 加算器
11,11b 周波数偏差推定部
12,56 位相回転量算出部
13,23,23a,26,53,58,71,73 複素共役算出部
14,14b−1,14b−N,24,24a,27,54,57,59,61,63,72,74,91,93,95 乗算器
21,21a 相関器
22,64 22a,94 遅延器
25,25a,28,28a,52,52c 平均化部
29,29a 周波数偏差算出部
31,31a 相関器(1)
32,32a 相関器(2)
34a 相関器(3)
41,41b−1,41b−N 相関電力算出部
42 位置検出部
43 制御信号生成部
51 変調成分除去部
55 位相直交変換部
65 係数制御部
66 係数算出部
81−1,81−N 周波数偏差検出部

Claims (15)

  1. 既知シンボルが挿入されたフレームを受信する受信装置において、
    受信信号中の既知シンボルを検出し、当該既知シンボル挿入周期で制御するための制御信号を生成する制御手段と、
    前記制御手段が出力する制御信号に基づいて受信信号から既知シンボルを抽出し、当該既知シンボルを複数に分割し、当該分割単位にそれぞれ既知系列との相関値を算出し、その後、当該複数の相関値に基づいて周波数偏差推定値および既知シンボル単位の相関値を算出する周波数偏差推定手段と、
    前記周波数偏差推定手段が出力する前記周波数偏差推定値に基づいて、受信信号の周波数偏差を補償する周波数偏差補償手段と、
    前記制御手段が出力する制御信号に基づいて、前記周波数偏差補償手段が出力する周波数偏差補償後の受信信号に含まれる既知シンボルのみを用いて同期検波用のチャネル推定値を生成し、当該チャネル推定値に基づいて同期検波を行う同期検波手段と、
    を備えることを特徴とする受信装置。
  2. 前記同期検波手段は、
    前記制御手段が出力する制御信号に基づいて、前記周波数偏差補償後の受信信号における既知シンボル部分の変調成分を除去する変調成分除去手段と、
    前記変調成分除去後の既知シンボルに基づいて同期検波用のチャネル推定値を生成するチャネル推定値生成手段と、
    前記チャネル推定値の複素共役を算出する複素共役算出手段と、
    前記複素共役を前記周波数偏差補償後の受信信号に対して乗算することによって検波出力を得る乗算手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 既知シンボルが挿入されたフレームを受信する受信装置において、
    受信信号中の既知シンボルを検出し、当該既知シンボル挿入周期で制御するための制御信号を生成する制御手段と、
    前記制御手段から出力される制御信号に基づいて受信信号から既知シンボルを抽出し、当該既知シンボルを複数に分割し、当該分割単位にそれぞれ既知系列との相関値を算出し、その後、当該複数の相関値に基づいて周波数偏差推定値および既知シンボル単位の相関値を算出する周波数偏差推定手段と、
    前記制御手段から出力される制御信号に基づいて、前記周波数偏差推定手段が出力する周波数偏差推定値と前記既知シンボル単位の相関値とを用いて同期検波用のチャネル推定値を生成し、当該チャネル推定値に基づいて同期検波を行う同期検波手段と、
    を備えることを特徴とする受信装置。
  4. 前記同期検波手段は、
    前記周波数偏差推定手段が出力する既知シンボル単位の相関値と周波数偏差推定値とを入力とし、1フレーム周期前の平均化後の相関値に対して既知シンボル挿入周期に相当する位相回転を与え、現フレームの相関値に対して前記位相回転を与えた相関値を重み付け加算する平均化手段と、
    前記平均化手段の出力に対して前記周波数偏差推定値に基づくシンボル単位の位相回転を与えることによって、同期検波用のチャネル推定値を生成するチャネル推定値生成手段と、
    前記チャネル推定値の複素共役を算出する複素共役算出手段と、
    前記複素共役を受信信号に乗算することによって検波出力を得る乗算手段と、
    を備えることを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  5. 前記周波数偏差推定手段は、
    前記既知シンボルを複数に分割し、当該分割されたブロック毎に既知系列との相関値を算出し、さらに、前記複数の相関値を加算して既知シンボル単位の相関値を生成する相関値算出手段と、
    前記相関値算出手段が出力する複数の相関値に基づいて、隣接するブロック間の位相回転量を算出するブロック間位相回転量算出手段と、
    前記相関値算出手段が出力する既知シンボル単位の相関値に基づいて、既知シンボル挿入周期における位相回転量を算出する既知シンボル挿入周期間位相回転量算出手段と、
    前記ブロック間位相回転量算出手段が出力する位相回転量と前記既知シンボル挿入周期間位相回転量算出手段が出力する位相回転量とを用いて、周波数偏差推定値を算出する周波数偏差推定値算出手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の受信装置。
  6. 前記周波数偏差推定値算出手段は、前記ブロック間位相回転量算出手段が出力する位相回転量を既知シンボル挿入周期に相当する位相回転量に変換し、さらに、当該変換後の位相回転量および前記既知シンボル挿入周期間位相回転量算出手段が出力する位相回転量に基づいて位相回転量を補正し、当該補正後の位相回転量を前記周波数偏差推定値として出力することを特徴とする請求項5に記載の受信装置。
  7. 前記ブロック間位相回転量算出手段は、前記算出した隣接するブロック間の位相回転量を平均化し、平均化後の位相回転量を出力することを特徴とする請求項5または6に記載の受信装置。
  8. 前記既知シンボル挿入周期間位相回転量算出手段は、前記算出した既知シンボル挿入周期における位相回転量を平均化し、平均化後の位相回転量を出力することを特徴とする請求項5、6または7に記載の受信装置。
  9. 前記ブロック間位相回転量算出手段は、隣接するブロック間の位相回転量を分割数に応じた全ての組み合わせで算出し、得られた各位相回転量を加算することを特徴とする請求項5〜8のいずれか一つに記載の受信装置。
  10. 前記制御手段は、
    前記周波数偏差推定手段が出力する既知シンボル単位の相関値を用いて相関電力値を算出する相関電力算出手段と、
    前記相関電力算出手段が出力する相関電力値と所定のしきい値とを比較し、相関電力値がしきい値よりも大きい場合に、そのピーク値に相当する時間的な位置を既知シンボルの検出位置とする位置検出手段と、
    前記位置検出手段が出力する既知シンボルの検出位置に基づいて前記制御信号を生成する制御信号生成手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の受信装置。
  11. 前記位置検出手段は、前記既知シンボルの検出位置を複数フレームにわたって平均化し、平均化後の既知シンボルの検出位置を出力することを特徴とする請求項10に記載の受信装置。
  12. 複数のアンテナを有する装置構成の場合、前記周波数偏差推定手段は、前記相関値算出手段、前記ブロック間位相回転量算出手段および前記既知シンボル挿入周期間位相回転量算出手段における機能をアンテナ数分備えることとし、
    さらに、
    アンテナ毎に得られる隣接するブロック間の位相回転量を加算する第1の加算手段と、
    アンテナ毎に得られる既知シンボル挿入周期における位相回転量を加算する第2の加算手段と、
    を備え、
    前記周波数偏差推定値算出手段は、前記第1および第2の加算手段が出力する位相回転量を用いて周波数偏差推定値を算出することを特徴とする請求項5〜9のいずれか一つに記載の受信装置。
  13. 前記制御手段は、
    前記相関値算出手段が出力するアンテナ毎の既知シンボル単位の相関値を用いて、アンテナ毎に相関電力値を算出する相関電力算出手段と、
    前記アンテナ毎の相関電力値を加算する第3の加算手段と、
    前記第3の加算手段が出力する相関電力値の加算結果と所定のしきい値とを比較し、相関電力値の加算結果がしきい値よりも大きい場合に、そのピーク値に相当する時間的な位置を既知シンボルの検出位置とする位置検出手段と、
    前記位置検出手段が出力する既知シンボルの検出位置に基づいて前記制御信号を生成する制御信号生成手段と、
    を備えることを特徴とする請求項12に記載の受信装置。
  14. 前記位置検出手段は、前記既知シンボルの検出位置を複数フレームにわたって平均化し、平均化後の既知シンボルの検出位置を出力することを特徴とする請求項13に記載の受信装置。
  15. 前記同期検波手段は、アンテナ毎に得られる同期検波出力を加算する第4の加算手段、
    を備えることを特徴とする請求項13または14に記載の受信装置。
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