JPWO2005102988A1 - 光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の分別回収法 - Google Patents

光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の分別回収法 Download PDF

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Abstract

本発明は、光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、酸、塩基及び塩からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む水溶液から、光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸を分別して回収する方法であって、水溶液に酸又は塩基が含まれる場合に、酸又は塩基を中和する中和工程と、水溶液に含まれる塩及び/又は中和工程で生成した塩を脱塩する脱塩工程と、脱塩工程で脱塩された水溶液から、有機溶媒に対する光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の溶解度の差を利用した方法によって両者を分別回収する工程とを含んでなる。脱塩工程は、好ましくは電気透析法で行われ、水溶液にアンモニアを加えた状態で行ってもよい。本発明によれば、医薬品、農薬、及び各種工業薬品の製造中間体として重要な光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸を、有機溶媒を用いて効率的に分別回収できる。

Description

本発明は光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、酸、塩基、及び塩からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む水溶液から、有機溶媒を用いて光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸を分別回収するに当たって行う、該水溶液の前処理方法に関する。光学活性アミノ酸アミド又は光学活性アミノ酸は各種工業薬品、農薬、及び医薬品の製造中間体として重要な物質である。
光学活性アミノ酸アミドや光学活性アミノ酸を製造する方法としては、例えば、アミノ酸アミドの一方の光学活性体を立体特異的に加水分解する酵素又は酵素を含む微生物を用いる光学分割法がある。この方法は、高価な光学分割剤や装置を使用することなく、穏和な条件で光学分割を行えると言う利点がある。
しかしながら、上記の立体特異的にアミノ酸アミドを加水分解する酵素又は酵素を含む微生物を用いるアミノ酸アミドの光学分割法においては、反応終了液に未反応の光学活性アミノ酸アミドと反応産物である光学活性アミノ酸が共存するため、反応後、光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸に分離する必要がある。この分離法の一つに、反応水溶液を濃縮した後に有機溶媒を加えるか、或いは水との共沸混合物を形成する有機溶媒を添加しながら濃縮し有機溶媒へと置換することによって、光学活性アミノ酸を優先的に析出させ濾別する方法が知られている(特許文献1参照)。
ところが、酵素反応終了液に光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、酸、塩基の何れかが存在した場合、光学活性アミノ酸アミドや光学活性アミノ酸が酸塩又は塩基塩を形成し有機溶媒に難溶となるため、光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の分離が困難になる。またさらに、酵素反応終了液に塩が含まれていた場合、有機溶媒不溶物として得られる光学活性アミノ酸と共に塩が析出してしまうため、結晶純度の低下や光学活性アミノ酸アミドとの分別回収効率の低下を引き起こすという問題がある。
特開2001−11034号公報参照
本発明は上記の問題点を解決し、光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、酸、塩基、及び塩からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む水溶液から、有機溶媒を用いて光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸を効率よく分離回収する方法を提供することにある。
本発明者は上記課題の解決のために、鋭意検討を重ねた結果、光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、酸、塩基、及び塩からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む水溶液において、該水溶液に含まれる酸又は塩基を中和し、必要に応じてさらにアンモニアを加え、イオン交換膜法や電気透析法などの方法にて脱塩する。次に、脱塩した該水溶液を、減圧蒸留を行う等して水を留去した後に有機溶媒を添加するか、或いは水との共沸混合物を形成する有機溶媒を用いて蒸留し有機溶媒へと置換する。そして、該有機溶媒に溶解している光学活性アミノ酸アミドと、結晶として析出する光学活性アミノ酸を濾過する等の方法で分別することによって、高純度かつ高収率で光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸を分別回収できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、酸、塩基及び塩からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む水溶液から、有機溶媒を用いて光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸を分離回収するにあたり、あらかじめ該水溶液に含まれた酸又は塩基を中和した後に脱塩した水溶液を使用することを特徴とする、下記(1)から(6)に示す光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の分別回収方法に関する。
(1)光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、酸、塩基及び塩からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む水溶液から、光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸を分別して回収する方法であって、
前記水溶液に酸又は塩基が含まれる場合に、該酸又は塩基を中和する中和工程と、
前記水溶液に含まれる塩及び/又は前記中和工程で生成した塩を脱塩する脱塩工程と、
前記脱塩工程で脱塩された前記水溶液から、有機溶媒に対する光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の溶解度の差を利用した方法によって両者を相互に分別して回収する工程と
を含んでなることを特徴とする方法。
(2)前記脱塩工程が、前記水溶液にアンモニアを添加して行われる上記(1)記載の方法。
(3)アンモニアの添加量が、光学活性アミノ酸アミドの0.01〜100モル倍である、上記(2)記載の方法。
(4)前記脱塩工程が電気透析法で行われる、上記(1)又は(2)記載の方法。
(5)光学活性アミノ酸アミドがL−2−アミノ−n−酪酸アミドである、上記(1)〜(4)の何れか1つに記載の方法。
(6)光学活性アミノ酸がD−2−アミノ−n−酪酸である、上記(1)〜(4)の何れかに1つ記載の方法。
光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、酸、塩基、及び塩からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む水溶液において、該水溶液に含まれる酸又は塩基を中和した後、必要に応じアンモニアを加え電気透析法等にて脱塩し、さらに、例えば水を留去したうえで有機溶媒を添加し、光学活性アミノ酸アミドを含んだ有機溶媒相と、光学活性アミノ酸からなる結晶相となすことによって、効率良く光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸を分別回収することができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、酸、塩基及び塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む水溶液としては以下の5タイプがある。すなわち、(I)光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、酸を含む水溶液、(II)光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、塩基を含む水溶液、(III)光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、塩を含む水溶液、(IV)光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、酸と塩を含む水溶液、(V)光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、塩基と塩を含む水溶液である。ここで、酸、塩基及び塩とは、光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸以外のものを意味することは言うまでもなく、例えば、アミノ酸アミドの製造時に添加されたものや、アミノ酸アミドの光学分割時のpH調整に用いられたものなどが挙げられる。
(I)光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、酸を含む水溶液の場合、含まれる酸を塩基で中和し、例えばアンモニアを加え電気透析にて脱塩した水溶液となすことによって、有機溶媒を使用した光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の分別回収が可能となる。このとき中和に用いる塩基には特に制限はなく、例としてアンモニア、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。塩基としてアンモニアを用いた場合は、中和工程と脱塩工程を一連で行うこともできる。
(II)光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、塩基を含む水溶液の場合、含まれる塩基を酸で中和し、例えばアンモニアを加え電気透析にて脱塩した水溶液となすことによって、有機溶媒を使用した光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の分別回収が可能となる。このとき中和に用いる酸には特に制限はなく、例として塩酸、硫酸などが挙げられる。
(III)光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、塩を含む水溶液の場合、例えばアンモニアを加え電気透析にて脱塩した水溶液となすことによって、有機溶媒を使用した光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の分別回収が可能となる。この場合、中和工程は省略できる。
(IV)光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、酸と塩を含む水溶液の場合、含まれる酸を塩基で中和してから、例えばアンモニアを加え電気透析にて脱塩することによって、有機溶媒を使用した光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の分別回収が可能となる。このとき用いる塩基にも特に制限はなく、例としてアンモニア、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。塩基としてアンモニアを用いた場合は、中和工程と脱塩工程を一連で行うこともできる。
(V)光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、塩基と塩を含む水溶液の場合、含まれる塩基を酸で中和してから、例えばアンモニアを加え電気透析にて脱塩することによって、有機溶媒を使用した光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の分別回収が可能となる。このとき用いる酸にも特に制限はなく、例として塩酸、硫酸などが挙げられる。
なお、光学活性アミノ酸と光学活性アミノ酸アミドのみを含む水溶液の場合には、これは中和・脱塩することなく、そのまま有機溶媒を使用することで光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸を分別回収することができる。
(I)〜(V)で行う脱塩方法に特に制限はないが、例えば、分離膜として陽イオン交換膜や陰イオン交換膜、さらにはバイポーラー膜を適宜組み合わせた電気透析法で行うと効率良く塩を除くことができる。なおその際、脱塩前の水溶液に光学活性アミノ酸アミドのモル量の0.01〜100倍モル、好ましくは3〜10倍モルのアンモニアを加えてから電気透析を行うと、陽イオン交換膜からの光学活性アミノ酸アミドの漏出を抑えロスを減らすことができる。
本発明の対象となる光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸について特に制限はないが、天然型及び非天然型の何れの光学活性アミノ酸及び対応するアミノ酸アミドでもよく、例えば2−アミノ−n−酪酸、2−アミノ−n−酪酸アミド、t−ロイシン、t−ロイシンアミド、バリン、バリンアミドなどが挙げられる。また光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸を含む水溶液は特に限定されないが、例えば、ラセミ体のアミノ酸アミドの生物学的光学分割反応により得られる。
かかる水溶液は、上記の中和工程及び脱塩工程を経ることにより、光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸を含む挟雑物の少ない高純度の水溶液として得られる。かくして、この水溶液は、有機溶媒に対する光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の溶解度の差を利用した方法によって両者を相互に収率良く分別して回収することができる。かかる有機溶媒を利用した方法としては、一般的に用いられている溶媒抽出法が挙げられ、具体的には、例えば、前記水溶液を減圧蒸留を用いて濃縮し、有機溶媒を添加して、光学活性アミノ酸を優先的に析出させる方法が挙げられる。このとき用いる有機溶媒はアミノ酸が不溶で、アミノ酸アミドが可溶のものであれば特に制限はないが、例えばアルコール類などが挙げられ、その例としてメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、4−メチル−1−ペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノールなどが挙げられる。また、他の溶媒抽出法の例として、水との共沸混合物を形成する有機溶媒を添加しながら蒸留し、最終的に溶剤置換を行い、有機溶媒相に光学活性アミノ酸アミドを、結晶として光学活性アミノ酸を得る方法が挙げられる。
結晶として析出した光学活性アミノ酸は遠心分離又は濾過などの公知の方法により回収され、その結果、溶液中に溶解している光学活性アミノ酸アミドと結晶の光学活性アミノ酸を分離することができる。
さらに、本発明の実施形態を詳しく示せば以下のようになる。すなわち、D,L−2−アミノ−n−酪酸アミド塩酸塩の水溶液に対して、D−2−アミノ−n−酪酸アミドの酸アミド結合を特異的に加水分解する活性を有する微生物菌体又は微生物菌体処理物を加え反応を行う。次に、遠心分離等により反応液から菌体又は菌体処理物を除去する。この未反応のL−2−アミノ−n−酪酸アミドと反応産物であるD−2−アミノ−n−酪酸の他に、酸、塩基、及び塩からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む水溶液を酸又は塩基で中和し、そのまま、或いはさらにアンモニアを加え塩基性とした後、電気透析法により脱塩する。脱塩した水溶液を濃縮した後、2−メチル−1−プロパノールを加え、析出した不溶結晶を濾別する。これにより、D−2−アミノ−n−酪酸からなる結晶と、母液中に残存するL−2−アミノ−n−酪酸アミドとに分別回収することができる。
次に本発明を実施例及び比較例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの例によって制限されるものではない。
実施例1
特開2002-253294号公報記載の方法に従い、オクロバクトラム アンスロピ ATCC49237株の培養を行った。培養後、遠心分離し菌体液を調製した。D,L-2-アミノ-n-酪酸アミド塩酸塩353 gを水1000 gに溶かした後20重量%NaOH水溶液でpHを7に調整し、さらに水を加えて全量を2000 gとした。このD,L-2-アミノ-n-酪酸アミド水溶液に対し乾燥菌体重量が2.6 gになるように上記の菌体液を加え、40℃で22時間反応を行った。反応後遠心分離により菌体を除去し、反応終了液をHPLC及びイオン濃度分析計により分析した。その結果、L-2-アミノ-n-酪酸アミドおよびD-2-アミノ-n-酪酸の各々の濃度は6.3重量%であり、生成したD-2-アミノ-n-酪酸は光学的にほぼ純粋(D体)であった。また、該溶液中にはNaイオンが2.5%、Clイオンが7.7%含まれており弱酸性であった。この酵素反応によって得られたL-2-アミノ-n-酪酸アミドとD-2-アミノ-n-酪酸を含む水溶液1200 gに25%アンモニア水を245 g加えアンモニア塩基性の水溶液とした後、これを電気透析により脱塩した。電気透析は、旭化成マイクロアシライザーS3にイオン交換膜K192DおよびA201Fを設置した装置を用いて行った。塩が移動してくる透析液に1%の塩化ナトリウム水溶液、極液に5%硫酸アンモニウム水溶液を用いて、印加電圧10.0Vにて電気透析を行った。伝導度が15〜20mS程度で収束した時点で電気透析を終了した。脱塩後の水溶液は1016 gとなり、L-2-アミノ-n-酪酸アミドとD-2-アミノ-n-酪酸は共に7重量%、L-2-アミノ-n-酪酸アミドとD-2-アミノ-n-酪酸の回収率は共に94%であった。脱塩した液20 gを40℃で減圧濃縮し、40℃で真空乾燥した後、2-メチル-1-プロパノール20 gを加えて室温で2時間攪拌し、不溶の結晶を減圧濾過により分離した。不溶の結晶は1.36 gでD-2-アミノ-n-酪酸が99重量%(1.35g)、L-2-アミノ-n-酪酸アミドが1重量%( 0.01g)であり、酵素反応後からのD-2-アミノ-n-酪酸の回収率は94%であった。また濾液は19.8 gでL-2-アミノ-n-酪酸アミドの濃度は7重量%( 1.39g)、D-2-アミノ-n-酪酸の
濃度は0.3重量%(0.06g)であり、酵素反応後からのL-2-アミノ-n-酪酸アミドの回収率は94%であった。
実施例2
25%アンモニア水を82g加え中性の水溶液とした以外は実施例1と同様にして実施したところ、不溶の結晶は1.30 gでD-2-アミノ-n-酪酸が99重量%(1.29g)、L-2-アミノ-n-酪酸アミドが1重量%(0.01g)であり、酵素反応後からのD-2-アミノ-n-酪酸の回収率は94%であった。また濾液は19.0 gでL-2-アミノ-n-酪酸アミドの濃度は7重量%(1.33g)、D-2-アミノ-n-酪酸の濃度は0.3重量%(0.06g)であり、酵素反応後からのL-2-アミノ-n-酪酸アミドの回収率は90%であった。
比較例1
実施例1での酵素反応によって得られたL-2-アミノ-n-酪酸アミドとD-2-アミノ-n-酪酸を含む水溶液300gを、そのまま電気透析により脱塩した。脱塩後水溶液は155gとなりL-2-アミノ-n-酪酸アミドの濃度は0.15wt%で回収率1.2%(0.23g)、D-2-アミノ-n-酪酸の濃度は8.45wt%で回収率69%( 13.1g)と大きなロスを生じた。
比較例2
実施例1での酵素反応によって得られたL-2-アミノ-n-酪酸アミドとD-2-アミノ-n-酪酸を含む水溶液20 gを、そのまま40℃で減圧濃縮し、2-メチル-1-プロパノールを20 g加えて室温で2時間攪拌した後、不溶の結晶を減圧濾過により分離した。不溶の結晶は1.96 gでD-2-アミノ-n-酪酸が57.5重量%(1.13 g)、L-2-アミノ-n-酪酸アミドが42.5重量%(0.833 g)であった。また濾液は19.6 gでL-2-アミノ-n-酪酸アミドの濃度は2.9重量%(0.57g)、D-2-アミノ-n-酪酸の濃度は1.4重量%(0.27 g)であり、L-2-アミノ-n-酪酸アミドとD-2-アミノ-n-酪酸を分離することはできなかった。
本発明は、各種工業薬品、農薬、及び医薬品の製造中間体として重要な光学活性アミノ酸アミド又は光学活性アミノ酸を有機溶媒を用いて効率良く分別回収することを可能にするものであり、各種工業薬品、農薬、及び医薬品の分野で有用である。

Claims (6)

  1. 光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の他に、酸、塩基及び塩からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む水溶液から、光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸を分別して回収する方法であって、
    前記水溶液に酸又は塩基が含まれる場合に、該酸又は塩基を中和する中和工程と、
    前記水溶液に含まれる塩及び/又は前記中和工程で生成した塩を脱塩する脱塩工程と、
    前記脱塩工程で脱塩された前記水溶液から、有機溶媒に対する光学活性アミノ酸アミドと光学活性アミノ酸の溶解度の差を利用した方法によって両者を相互に分別して回収する工程と
    を含んでなることを特徴とする方法。
  2. 前記脱塩工程が、前記水溶液にアンモニアを添加して行われる請求項1記載の方法。
  3. アンモニアの添加量が、光学活性アミノ酸アミドの0.01〜100モル倍である、請求項2記載の方法。
  4. 前記脱塩工程が電気透析法で行われる、請求項1又は2記載の方法。
  5. 光学活性アミノ酸アミドがL−2−アミノ−n−酪酸アミドである、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
  6. 光学活性アミノ酸がD−2−アミノ−n−酪酸である、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。

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