JPWO2005101590A1 - ロッド型固体レーザ装置 - Google Patents
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Abstract
レーザロッド(1)はロッドホルダ(5)により保持されており、ロッドホルダ(5)は、調整リング(7)に設けられた凹部(40)に収容されており、調整リング(7)は、キャビティ容器(4)に取り付けられている。ロッドホルダ(5)は、調整リング(7)の凹部(40)の底面によってキャビティ容器(4)に押圧されており、また凹部(40)の径はロッドホルダ(5)の外径よりもやや大きめに形成されているので、ロッドホルダ(5)は凹部(40)内にて凹部(40)の半径方向に自由に移動できる。調整リング(7)には、調整ネジ(8a、8b)およびバネ(9)が調整リング(7)の側面から凹部(40)内にロッドホルダ(5)に接するように放射状に設けられている。ロッドホルダ(5)は調整ネジ(8a、8b)およびネジ(9)の各先端の3点により加圧支持されている。上記構成のロッド型固体レーザ装置においては、調整ネジ(8a、8b)のねじ込み量を調整するとバネ(9)が伸縮するとともに、ロッドホルダ(5)の位置を調整することができる。
Description
本発明はロッド型の固体レーザ媒質、固体レーザ媒質の側方より励起光を照射し、固体レーザ媒質を励起する半導体レーザからなる励起光源、固体レーザ媒質の少なくとも一端部を保持するロッドホルダを備えたロッド型固体レーザ装置におけるレーザロッドの保持構造・調整構造に関する。
はじめに、本発明において使用される用語について、一般的なロッド型固体レーザ装置を用いて説明する。第8図はロッド型固体レーザ装置を示す構成図である。第8図において、3台の箱型の装置であるキャビティ20a、20b、20cが直列に配置されており、各キャビティ20a、20b、20cには、固体レーザ媒質の一種であるロッド型の固体レーザ媒質(以後、レーザロッドと呼ぶ)1a、1b、1cとレーザロッド1a、1b、1cを励起するための半導体レーザからなる励起光源22a、22b、22cが設けられている。固体レーザ装置とは、キャビティ20a、20b、20cと、各キャビティ20a、20b、20c内に配置された固体レーザ媒質(第8図ではレーザロッド1a、1b、1c)からレーザ光を取り出すための全反射鏡24および部分反射鏡25からなる共振器と、レーザ光を発振器外の光ファイバに導光するためのファイバ入射系26とによって構成され、キャビティ20と全反射鏡24および部分反射鏡25とファイバ入射系26とを収容し、直接もしくは各種部材を介してその位置を支持する筐体27からなる装置である。第8図に示したように、固体レーザ媒質がレーザロッドである場合、その固体レーザ装置をロッド型固体レーザ装置と称する。ロッド型固体レーザ装置では、キャビティを直列的に隣接配置することで、レーザパワーを増加出来る特徴をもっている。例えば、第8図では3台のキャビティ20a、20b、20cを直列に配置したが、所望のレーザパワーに合わせてキャビティの数を増減しても良い。
また、本発明においては、共振器ミラー反射面の法線で定まる方向を共振器光軸と呼び、共振器内にて実際の共振状態にあるレーザ光の光軸をレーザ光軸と呼ぶ。レーザ光軸は、共振器ミラーの反射面に直交するので共振器光軸と平行になる。また、レーザロッドの幾何学的な中心軸をロッド中心軸と呼ぶ。レーザロッドが励起光源によりロッド中心軸に対して対称に励起されている場合は、ロッド中心軸を共振器光軸に一致させることが重要である。
次に、一般的なロッド型固体レーザ装置における課題について説明する。ロッド型固体レーザ装置において、レーザロッドは発熱による熱破壊を防止するために、通常レーザロッド側面を冷却水等にて冷却しているが、励起光が照射されると、レーザロッド内部での発熱と、冷却水によるレーザロッド側面の冷却により温度分布が形成され、レンズと同様な光学作用を呈する(熱レンズ現象と呼ぶ)。そのため、共振状態のレーザ光は第9図(a)のようにレーザロッド1中心部でレーザ光30のビーム径が大きく、レーザロッド1端部でレーザ光30のビーム径が小さくなる屈折状態にある。ここで、第9図は、キャビティが1つの場合を例に用いたものである。1つのレーザロッドから取り出すことの出来るレーザパワーは、共振状態のレーザ光が通過しうるレーザロッドの体積(第9図の網掛け部分でモードボリュームと呼ぶ)31で変化する。レーザロッド1がロッド中心軸32に対し対称に励起されていると仮定すれば、第9図(a)のようにレーザロッド1のロッド中心軸32が共振器光軸33と一致した場合に、モードボリューム31が最大となる。実際にはレーザロッド1の微小な位置ズレによって、第9図(b)に示すようにレーザロッド1のロッド中心軸32と共振器光軸33とのズレが発生し、モードボリューム31が減少し、取り出すことの出来るレーザパワーは低下する。これはキャビティの発振効率の低下であり、固体レーザ装置適用の際の重要な課題の1つである。
さらに、ロッド型固体レーザ装置においてキャビティを隣接配置する場合、レーザロッド1がロッド中心軸32に対し対称に励起されていると仮定すれば、レーザ光は第10図(a)のように各キャビティのレーザロッド1a、1bを通過するが、第10図(b)のように隣り合ったキャビティのレーザロッド1a、1bのそれぞれのロッド中心軸32a、32bにズレが生じると、回折損失が増加し、モードボリューム31a、31bが減少する。ここで、第10図は、キャビティが2つの場合を例に用いたものである。この結果、取り出すことの出来るレーザパワーが低下する。これはキャビティ連結効率の低下である。隣接配置するキャビティ数が多いほど、この損失は増大し、キャビティの連結効率が低下しやすい。レーザパワーの高出力化はレーザ業界の重要な要求事項であるため、このキャビティの連結効率を向上させることも固体レーザ装置適用の際の重要な課題の1つである。
従来のロッド型固体レーザ装置では、キャビティ内のレーザロッドの位置精度を高精度化することでレーザロッドのロッド中心軸を共振器光軸に近付けるとともに、隣り合ったキャビティのレーザロッドのロッド中心軸を一致させることを指向していた。しかしながら、寸法公差、組立ばらつきなどにより、レーザロッドの位置高精度化には限界値が存在する。
また、レーザロッド、励起光源の位置精度のばらつきによって、レーザロッド内の励起分布がロッド中心軸に対して対称になることは稀である。この場合、レーザ光の出力が最大となるレーザロッドの軸はロッド中心軸と異なった方向に存在する。レーザ光の出力が最大となるレーザロッドの軸を、幾何学的な中心軸であるロッド中心軸に対して、ロッド最大出力軸と呼ぶことにする。レーザロッドが励起光源によりロッド中心軸に対して対称に励起されている場合は、ロッド中心軸を共振器光軸に一致させることが重要であると上述したが、本質的には、ロッド最大出力軸を共振器光軸に一致させることを指向している。
以上のことから、従来のロッド型固体レーザ装置におけるレーザロッドの位置精度を高くする手段は、キャビティの発振効率および連結効率を向上させる手段として不十分であった。
従来の技術として、日本国特開平10−190096号公報に示す従来のロッド型固体レーザ装置においては、レーザロッドに対して多方面からなる調節ネジを利用した位置調整機構を有していた。この機構は、レーザロッドのロッド中心軸を共振器光軸に近付けることが可能である。しかしながら、この多方面からなる調整ネジの機構では、レーザロッドの動作は調整ネジの送り方向の荷重のみによるものであり、さらに反対側のネジは必ず緩めなければならない。したがって、精度よくロッド中心軸位置を調整するには、多大な手間を要し、作業者側の技術力を必要とする難点があった。また上述したように、レーザロッドのロッド中心軸が共振器光軸と完全に一致したとしても、共振器光軸とレーザ出力最大となるレーザロッドのロッド最大出力軸は必ずしも合致しない。よって、本技術もキャビティの発振効率および連結効率の向上精度を高くする手段としては不十分であった。
また、一般的にロッド型固体レーザ装置においては、キャビティの連結の有無に依らず、キャビティ、共振器を配置した後にレーザパワーを最大とするように共振器のミラーの角度を調整する。これは、前述のように出力が最大となるロッド最大出力軸がキャビティによって異なる理由による。そのため、従来のロッド型固体レーザ装置においては、保守・点検・故障によってキャビティ交換の必要が生じた場合、キャビティ交換を実施するたびに共振器のミラーの角度調整が必要であった。さらに、共振器調整によってミラーの角度が変化するとレーザ光のレーザ光軸も変化するため、ファイバ伝送する光路についても再調整が必要となり、メンテナンス・保守に時間を要するという問題点があった。
また、本発明においては、共振器ミラー反射面の法線で定まる方向を共振器光軸と呼び、共振器内にて実際の共振状態にあるレーザ光の光軸をレーザ光軸と呼ぶ。レーザ光軸は、共振器ミラーの反射面に直交するので共振器光軸と平行になる。また、レーザロッドの幾何学的な中心軸をロッド中心軸と呼ぶ。レーザロッドが励起光源によりロッド中心軸に対して対称に励起されている場合は、ロッド中心軸を共振器光軸に一致させることが重要である。
次に、一般的なロッド型固体レーザ装置における課題について説明する。ロッド型固体レーザ装置において、レーザロッドは発熱による熱破壊を防止するために、通常レーザロッド側面を冷却水等にて冷却しているが、励起光が照射されると、レーザロッド内部での発熱と、冷却水によるレーザロッド側面の冷却により温度分布が形成され、レンズと同様な光学作用を呈する(熱レンズ現象と呼ぶ)。そのため、共振状態のレーザ光は第9図(a)のようにレーザロッド1中心部でレーザ光30のビーム径が大きく、レーザロッド1端部でレーザ光30のビーム径が小さくなる屈折状態にある。ここで、第9図は、キャビティが1つの場合を例に用いたものである。1つのレーザロッドから取り出すことの出来るレーザパワーは、共振状態のレーザ光が通過しうるレーザロッドの体積(第9図の網掛け部分でモードボリュームと呼ぶ)31で変化する。レーザロッド1がロッド中心軸32に対し対称に励起されていると仮定すれば、第9図(a)のようにレーザロッド1のロッド中心軸32が共振器光軸33と一致した場合に、モードボリューム31が最大となる。実際にはレーザロッド1の微小な位置ズレによって、第9図(b)に示すようにレーザロッド1のロッド中心軸32と共振器光軸33とのズレが発生し、モードボリューム31が減少し、取り出すことの出来るレーザパワーは低下する。これはキャビティの発振効率の低下であり、固体レーザ装置適用の際の重要な課題の1つである。
さらに、ロッド型固体レーザ装置においてキャビティを隣接配置する場合、レーザロッド1がロッド中心軸32に対し対称に励起されていると仮定すれば、レーザ光は第10図(a)のように各キャビティのレーザロッド1a、1bを通過するが、第10図(b)のように隣り合ったキャビティのレーザロッド1a、1bのそれぞれのロッド中心軸32a、32bにズレが生じると、回折損失が増加し、モードボリューム31a、31bが減少する。ここで、第10図は、キャビティが2つの場合を例に用いたものである。この結果、取り出すことの出来るレーザパワーが低下する。これはキャビティ連結効率の低下である。隣接配置するキャビティ数が多いほど、この損失は増大し、キャビティの連結効率が低下しやすい。レーザパワーの高出力化はレーザ業界の重要な要求事項であるため、このキャビティの連結効率を向上させることも固体レーザ装置適用の際の重要な課題の1つである。
従来のロッド型固体レーザ装置では、キャビティ内のレーザロッドの位置精度を高精度化することでレーザロッドのロッド中心軸を共振器光軸に近付けるとともに、隣り合ったキャビティのレーザロッドのロッド中心軸を一致させることを指向していた。しかしながら、寸法公差、組立ばらつきなどにより、レーザロッドの位置高精度化には限界値が存在する。
また、レーザロッド、励起光源の位置精度のばらつきによって、レーザロッド内の励起分布がロッド中心軸に対して対称になることは稀である。この場合、レーザ光の出力が最大となるレーザロッドの軸はロッド中心軸と異なった方向に存在する。レーザ光の出力が最大となるレーザロッドの軸を、幾何学的な中心軸であるロッド中心軸に対して、ロッド最大出力軸と呼ぶことにする。レーザロッドが励起光源によりロッド中心軸に対して対称に励起されている場合は、ロッド中心軸を共振器光軸に一致させることが重要であると上述したが、本質的には、ロッド最大出力軸を共振器光軸に一致させることを指向している。
以上のことから、従来のロッド型固体レーザ装置におけるレーザロッドの位置精度を高くする手段は、キャビティの発振効率および連結効率を向上させる手段として不十分であった。
従来の技術として、日本国特開平10−190096号公報に示す従来のロッド型固体レーザ装置においては、レーザロッドに対して多方面からなる調節ネジを利用した位置調整機構を有していた。この機構は、レーザロッドのロッド中心軸を共振器光軸に近付けることが可能である。しかしながら、この多方面からなる調整ネジの機構では、レーザロッドの動作は調整ネジの送り方向の荷重のみによるものであり、さらに反対側のネジは必ず緩めなければならない。したがって、精度よくロッド中心軸位置を調整するには、多大な手間を要し、作業者側の技術力を必要とする難点があった。また上述したように、レーザロッドのロッド中心軸が共振器光軸と完全に一致したとしても、共振器光軸とレーザ出力最大となるレーザロッドのロッド最大出力軸は必ずしも合致しない。よって、本技術もキャビティの発振効率および連結効率の向上精度を高くする手段としては不十分であった。
また、一般的にロッド型固体レーザ装置においては、キャビティの連結の有無に依らず、キャビティ、共振器を配置した後にレーザパワーを最大とするように共振器のミラーの角度を調整する。これは、前述のように出力が最大となるロッド最大出力軸がキャビティによって異なる理由による。そのため、従来のロッド型固体レーザ装置においては、保守・点検・故障によってキャビティ交換の必要が生じた場合、キャビティ交換を実施するたびに共振器のミラーの角度調整が必要であった。さらに、共振器調整によってミラーの角度が変化するとレーザ光のレーザ光軸も変化するため、ファイバ伝送する光路についても再調整が必要となり、メンテナンス・保守に時間を要するという問題点があった。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、レーザロッドを容易に任意の位置へ調整する機構を有し、ロッド最大出力軸を共振器光軸に近付けてキャビティの発振効率および連結効率を向上させたロッド型固体レーザ装置を得ることを目的としている。また、その調整機構を利用して、キャビティ交換時のメンテナンスを不要あるいは簡易にするロッド型固体レーザ装置を得ることを目的としている。
本発明に係るロッド型固体レーザ装置においては、キャビティ端においてレーザロッドを保持するロッドホルダを凹部に収容する調整リングを配し、調整リング内に少なくとも1つの弾性体を備え上記ロッドホルダを側方より押圧するとともに、ロッドホルダと調整リング間の距離を調整するための調整手段を備えたものである。
本発明は、キャビティ端においてレーザロッドを保持するロッドホルダと凹部に前記ロッドホルダを収容する調整リングとの間の距離を調整するための調整手段を備えたことにより、ロッド型固体レーザ装置におけるレーザロッドを任意の位置に調整することができる。
本発明に係るロッド型固体レーザ装置においては、キャビティ端においてレーザロッドを保持するロッドホルダを凹部に収容する調整リングを配し、調整リング内に少なくとも1つの弾性体を備え上記ロッドホルダを側方より押圧するとともに、ロッドホルダと調整リング間の距離を調整するための調整手段を備えたものである。
本発明は、キャビティ端においてレーザロッドを保持するロッドホルダと凹部に前記ロッドホルダを収容する調整リングとの間の距離を調整するための調整手段を備えたことにより、ロッド型固体レーザ装置におけるレーザロッドを任意の位置に調整することができる。
第1図(a)は、この発明の実施の形態1におけるロッド型固体レーザ装置を示す横断面図である。
第1図(b)は、この発明の実施の形態1におけるロッド型固体レーザ装置を示す縦断面図である。
第2図(a)は、この発明の実施の形態2おけるロッド型固体レーザ装置を示す横断面図である。
第2図(b)は、この発明の実施の形態2におけるロッド型固体レーザ装置を示す縦断面図である。
第2図(c)は、この発明の実施の形態2における別のロッド型固体レーザ装置を示す横断面図である。
第3図(a)は、この発明の実施の形態3おけるロッド型固体レーザ装置を示す横断面図である。
第3図(b)は、この発明の実施の形態3におけるロッド型固体レーザ装置を示す縦断面図である。
第4図は、この発明の実施の形態4におけるロッド型固体レーザ装置を示す縦断面図である。
第5図(a)は、この発明の実施の形態5おけるロッド型固体レーザ装置を示す横断面図である。
第5図(b)は、この発明の実施の形態5におけるロッド型固体レーザ装置を示す縦断面図である。
第6図は、この発明の実施の形態6におけるロッド型固体レーザ装置を示す縦断面図である。
第7図は、この発明の実施の形態7におけるロッド型固体レーザ装置を示す縦断面図である。
第8図は、ロッド型固体レーザ装置を示す構成図である。
第9図は、レーザロッド、共振器ミラー、共振状態のレーザを表す概念図である。
第10図は、レーザロッド、共振器ミラー、共振状態のレーザを表す概念図である。
第1図(b)は、この発明の実施の形態1におけるロッド型固体レーザ装置を示す縦断面図である。
第2図(a)は、この発明の実施の形態2おけるロッド型固体レーザ装置を示す横断面図である。
第2図(b)は、この発明の実施の形態2におけるロッド型固体レーザ装置を示す縦断面図である。
第2図(c)は、この発明の実施の形態2における別のロッド型固体レーザ装置を示す横断面図である。
第3図(a)は、この発明の実施の形態3おけるロッド型固体レーザ装置を示す横断面図である。
第3図(b)は、この発明の実施の形態3におけるロッド型固体レーザ装置を示す縦断面図である。
第4図は、この発明の実施の形態4におけるロッド型固体レーザ装置を示す縦断面図である。
第5図(a)は、この発明の実施の形態5おけるロッド型固体レーザ装置を示す横断面図である。
第5図(b)は、この発明の実施の形態5におけるロッド型固体レーザ装置を示す縦断面図である。
第6図は、この発明の実施の形態6におけるロッド型固体レーザ装置を示す縦断面図である。
第7図は、この発明の実施の形態7におけるロッド型固体レーザ装置を示す縦断面図である。
第8図は、ロッド型固体レーザ装置を示す構成図である。
第9図は、レーザロッド、共振器ミラー、共振状態のレーザを表す概念図である。
第10図は、レーザロッド、共振器ミラー、共振状態のレーザを表す概念図である。
実施の形態1.
第1図は、本発明の実施の形態1におけるロッド型固体レーザ装置を示す図であり、第8図中に丸印Aにて示したキャビティの一端のレーザロッド保持部の断面図である。もう一方の保持部も第1図と同構造で第1図と対称に配置されている。第1図(a)は横断面図で、第1図(b)は縦断面図であり、第1図(a)は第1図(b)におけるB−B断面図で、第1図(b)は第1図(a)におけるA−A断面図である。
第1図において、レーザロッド1はロッドホルダ5によりOリング3bを介して保持されており、ロッドホルダ5は、調整リング7に設けられた凹部40に収容されており、調整リング7は、固定ネジ41によってレーザロッド1の軸付近に開口を有したキャビティ容器4に取り付けられている。ここでは、箱型のキャビティ容器4に調整リング7取り付けるとしたが、箱型のキャビティ容器に限定されるものでは無く、筐体27に支持されレーザロッド1の両端に設けられたレーザロッド1の軸付近に開口を有した一対の板体である支持板でよい。ロッドホルダ5は、調整リング7の凹部40の底面によってOリング3cを介してキャビティ容器4に押圧されており、また凹部40の径はロッドホルダ5の外径よりもやや大きめに形成されているので、ロッドホルダ5は凹部40内にて凹部40の半径方向に(第1図(b)の平面上を)自由に移動できる。調整リング7には、調整リング7の側面から凹部40に至る第1の貫通孔43a、第2の貫通孔43bおよび第3の貫通孔43cの3本の貫通孔が放射状に設けられている。第1図(b)に示すように、第1の貫通孔43aと第2の貫通孔43bとの間の角度は約90度に設定されており、第3の貫通孔43cは、第1の貫通孔43aと第2の貫通孔43bの中間の位置に対し凹部40の中心に対称な位置に設けられている。第1の貫通孔43aと第2の貫通孔43bの内部には雌ネジ形成されており、表面に雄ネジが形成された2本の調整ネジ8a、8bがそれぞれ第1の貫通孔43aと第2の貫通孔43bにねじ込まれている。ねじ込まれた調整ネジ8a、8bの先端はロッドホルダ5に接している。調整ネジ8a、8bのねじ込み量で、調整ネジ8a、8bの先端部の調整リング7の凹部40への突出量を調整できる。第3の貫通孔43cにはバネ9が挿入され、バネ9の先端はロッドホルダ5に接し押圧している。第3の貫通孔43cの調整リング7側面開口部には、バネ9が突出しないように蓋44が設けられている。ここで、第3の貫通孔43cの調整リング7側面開口部を蓋44で覆うとしたが、例えば、第3の貫通孔43cを調整リング7側面に貫通しない非貫通孔としても良い。この場合、蓋を用いずともバネ9の調整リング7側面への突出を防止することができる。バネ9は、ロッドホルダ5を固定ネジ8a、8bに押圧するように作用し、ロッドホルダ5は調整ネジ8a、8bおよびネジ9の各先端の3点により加圧され、第1図(b)の平面内の位置を支持されている。
また、第1図(a)に示すように、レーザロッド1の側面を冷却するため、レーザロッド1の周辺に冷却水を流す水路を形成するように、筒状のフローチューブ2が、レーザロッド1の周囲を囲むようにOリング3aを介してキャビティ容器4に固定されている。冷却水は、レーザロッド1とフローチューブ2とキャビティ容器4とロッドホルダ5と、各部品間に挿入されたOリング3a、3b、3cにより密閉された空間を流れ、レーザロッド1を冷却する。
このように構成されたロッド型固体レーザ装置のキャビティ容器のレーザロッド保持部においては、調整ネジ8a、8bのねじ込み量を調整するとバネ9が伸縮するとともに、ロッドホルダ5の第1図(b)の平面上での位置を調整することができる。また、レーザロッド1はロッドホルダ5に保持されているので、ロッドホルダ5の位置を調整することでレーザロッド1の位置も同期して調整することができる。
調整ネジ8a、8bとバネ9によるロッドホルダ5への荷重は常に反力となっており、調整ネジ8a、8bの送り方向に関係なく調整ネジ8a、8bのみを操作することでレーザロッド1の位置を調整することが可能である。従来の技術のように、例えば調整ネジ8aを調整するときに予め調整ネジ8bを緩める必要はない。
また、2つの調整ネジ8a、8bをほぼ垂直に配置したことにより、調整量がそれほど大きくないときは、調整ネジ8aを送り操作した場合には、ネジ9が伸縮すると共にレーザロッド1の位置は第1図(b)のほぼ上下方向に調整することができ、調整ネジ8bを操作した場合には、ネジ9が伸縮すると共にレーザロッド1の位置は第1図(b)のほぼ左右方向に調整することができる。よって、調整ネジ8a、8bによる調整はそれぞれほぼ独立に調整することができ調整が容易である。
さらに本形態においては、第1図(a)に示すように、ロッドホルダ5とキャビティ容器4との間は、ロッドホルダ5の位置の調整中もOリング3cにより常に密閉されており、冷却水を流しながら、レーザロッド1の位置を調整することが可能である。
これらにより、実際にレーザを発振し、出力されたレーザ光のパワーを測定し、そのパワーを最大とするようにレーザロッド1の保持位置を調整するロッドアライメントが可能となる。ロッドアライメントはレーザロッド1の幾何学的に決まるロッド中心軸を共振器光軸に合致させるのではなく、レーザロッド1の励起分布のバラツキから生じるロッド中心軸とロッド最大出力軸のズレを考慮した、レーザロッド位置の調整方法である。すなわち、共振器光軸に対し、レーザ出力が最大となるレーザロッド位置を決定可能な、言い換えるならば、共振器光軸とロッド最大出力軸とを一致させるレーザロッドの最善位置調整方法である。
ロッドアライメントを実施する過程において、ロッド型固体レーザ装置、共振器、レーザパワー測定器具等のロッドアライメントに使用する器具の配置位置、そして、気温、湿度、使用電圧、投入電流等の使用環境を同一に設定することにより、ほぼ同一の共振器光軸にロッド最大出力軸を一致させたキャビティを複数製作することが出来る。高出力を得る目的でキャビティを共振段あるいは増幅段として隣接配置する際に、ほぼ同一の共振器光軸上にロッド最大出力軸をもつキャビティを使用することにより、キャビティ間の回折損失を最小に抑え、モードボリュームの減少を抑えることが可能である。その結果、従来のロッド型固体レーザ装置よりも全体出力を大きくすることが出来る。すなわち、キャビティの連結効率が向上することが可能である。
さらに、ほぼ同一の共振器光軸上にロッド最大出力軸をもつキャビティを複数製作することが可能となることにより、隣接配置されたキャビティの交換に要する時間を大幅に短縮することが出来る。通常、1つのキャビティが故障あるいはメンテナンスを理由に交換される場合、共振器ミラーの調整、レーザ光路の調整、レーザ光をファイバに導光するための調整等、さまざまな調整を伴う。しかし、ほぼ同一の共振器光軸上にロッド最大出力軸をもつキャビティを交換すれば、これらの調整は不要である。
ところで、本実施の形態では、調整ネジ8a、8bの間の角度を90度としたが、本発明は調整ネジ8a、8bの間の角度を90度に限定するものではなく、例えば第1の孔、第2の孔、第3の孔を120度の角度毎に放射状に対称に配置してもよい。ただし、各調整ネジによる調整方向は直行していないので、独立には調整できずに収斂調整が必要となるので、調整ネジ間は90度に設定することが望ましい。もちろん、調整ネジ間の角度は180度未満でなければならないのは言うまでも無い。また、調整ネジやバネの個数も本実施の形態に限定されるものではなく、例えば3方向から調整ネジをねじ込んだり、2方向からバネにて押圧しても良い。ただし、本実施の形態が最も単純で効果的な構成であることは言うまでもない。
また、本実施の形態では、ロッドホルダ5の位置決めに調整ネジ8a、8bおよびバネ9を用いて説明したが、本発明における位置決めはネジやバネに限定されるものではなく、それぞれ押圧部品一般の部品、弾性体を使用する場合においても利用できることはいうまでもない。また、調整リングはその形状がリングである必要はなく、その他の形状を使用する場合においても利用できることはいうまでもない。
実施の形態2.
実施の形態1では、レーザロッド1の位置は、調整ネジ8a、8bおよびバネ9による3点からの加圧にてロッドホルダ5を保持することにより位置決めをしていた。しかし、弾性体の加圧による保持では、調節ネジ8の誤操作、衝突、振動など、外乱によりロッドホルダ5の位置すなわちレーザロッド1の位置が変化する可能性がある。本実施の形態は、レーザロッド1の位置を調整した後に、ロッドホルダ5の位置を固定する手段を設けたものである。以下、実施の形態1と同一構成部分については同番号を付与し説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
第2図は、本発明の実施の形態2におけるロッド型固体レーザ装置を示す図であり、キャビティ容器の一端のレーザロッド保持部の断面図である。もう一方の保持部も第2図と同構造で第2図と対称に配置されている。第2図(a)および第2図(b)は、実施の形態1と同方向の断面図である。
第2図において、ロッドホルダ5には固定ネジ6を通すための、外面からキャビティ容器4に接する面へと貫通孔45が設けられている。また、貫通孔45と同軸にキャビティ容器4にもロッドホルダ5と接した面に貫通しない非貫通孔46が設けられている。第2図(b)に示したとおり、貫通孔45および非貫通孔46は3箇所、各120度の角度毎に回転対称な位置に設けられている。ただし、貫通孔45および非貫通孔46の数および配置は、これに限定されるものでは無くロッドホルダの大きさ等により適宜決定されるものである。非貫通孔46の内面には雌ネジが形成されており、表面に雄ネジが形成された固定ネジ6をねじ込むことができる。また、貫通孔45の孔径は、固定ネジ6の径よりも大きく形成されており、固定ネジ6を貫通孔45に通した状態でも、ロッドホルダ5は調整リング7の凹部40の半径方向に(第2図(b)の平面上を)移動が可能で、調整ネジ8a、8bによる位置調整が可能な構成となっている。さらに、固定ネジ6の頭部の径は、貫通孔45の孔径よりは大きく形成されているので、固定ネジ6を非貫通孔46にねじ込んでいくと固定ネジ6の頭部がロッドホルダ5の外面を加圧し、ロッドホルダ5をキャビティ容器4に強固に固定することができる。
上記のような構成を採用することにより、本実施の形態2においては、この固定ネジ6をロッド保持位置調整後に締付けた場合、共振器光軸上にロッド最大出力軸を調整されたレーザロッド1の位置を強固に維持し、調節ネジ8の誤操作、衝突、振動など、外乱に対する抵抗力を得ることができる。レーザロッド1の位置を再度調整する場合は、固定ネジ6を緩め、調整ネジ8を調整し、調整終了後に固定ネジ6を締めなおせばよい。このロッドホルダ固定手段は以下の他の実施の形態に用いてもよく、その場合、本実施の形態と同様の効果が得られることは明白である。
ところで、実施の形態1および実施の形態2では、ロッドホルダ5を調整リング7に設けられた凹部40の底面によって、キャビティ容器4に押圧するように構成していた。しかし、実施の形態2にて用いたロッドホルダ5の固定手段である固定ネジ6にてロッドホルダ5をキャビティ容器4に押圧してもよく、この場合、第2図(c)に示したように調整リング7に凹部を設けず、単にロッドホルダ5の位置を調整する調整手段である調整ネジ8とロッドホルダ5を押圧する弾性体であるバネ9の位置を保持する保持手段として機能させても良く、調整リング7の構造が簡単になる利点がある。
実施の形態3.
実施の形態1では、調整ネジ8を調整リング7の側面から凹部40に至る貫通孔43にねじ込んだが、本実施の形態は、キャビティ容器4の底面から凹部40に至る貫通孔を設け、前記貫通孔に調整ネジをねじ込むと共に、ロッドホルダ5の前記調整ネジが接する部分に調整ネジ8の当て面を付加したものである。以下、実施の形態1と同一構成部分については同番号を付与し説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
第3図は、本発明の実施の形態2におけるロッド型固体レーザ装置を示す図であり、キャビティ容器の一端のレーザロッド保持部の断面図である。もう一方の保持部も第3図と同構造で第3図と対称に配置されている。第3図(a)および第3図(b)は、実施の形態1と同方向の断面図である。
第3図において、第1図にあった第1の孔43aおよび第2の孔43bは無く、その代わりに調整リング7の底面、すなわちキャビティ容器4に接している面の裏側の面から凹部40に至る、調整リング7の底面に垂直な第1の貫通孔47aと第2の貫通孔47bが設けられている。第3図(b)に示すように、各貫通孔はほぼ同円周上にその間の角度をほぼ90度に設定して配置されている。第1図の第1の孔43aおよび第2の孔43bの位置にほぼ対応する位置である。第1の貫通孔47aと第2の貫通孔47bの内面には雌ネジが形成されており、それぞれ調整ネジ8a、8bがねじ込まれている。ねじ込まれた調整ネジ8a、8bの先端はロッドホルダ5に接している。ロッドホルダ5の調整ネジ8a、8bの接した部分には、それぞれ当て面48a、48bが形成されている。当て面48は、調整ネジ8の軸方向と平行および直角でない傾斜面であり、かつ当て面48の向きは、法線がレーザロッド軸心32を含む面内にほぼ位置するように設定している。
上記のような構成を採用することにより、本実施の形態3においては、2つの調整ネジ8a、8b間の角度をほぼ90度に設定したことおよび当て面48の向きを法線が凹部40の半径方向にほぼ一致するように配置したことにより、例えば調整ネジ8aのねじ込み量を調整した場合は、ロッドホルダ5の調整ネジ8aが接した部分に傾斜面である当て面48aが形成されているので、ロッドホルダ5には調整ネジ8aのねじ込み方向とは直行する方向に加圧力が加わり、バネ9が伸縮することでロッドホルダ5の位置を第3図(b)のほぼ上下方向に調整することができる。調整ネジ8bによる調整では、上記と同様な作用でロッドホルダ5の位置を第3図(b)のほぼ左右方向に調整することができる。
よって、実施の形態1と同様に、調整ネジ8を調整することで、ロッドホルダ5の位置すなわちレーザロッド1の位置を簡易に調整することができる。もちろんロッドアライメントも可能である。また、本実施の形態では実施の形態1と同様の効果を得られるだけでなく、調整リング7の外周に調整ネジ8用のメンテナンススペースを設ける必要が無いという利点がある。
ところで、本実施の形態では、調整ネジ8の間の角度を約90度、当て面48の向きを法線がレーザロッド軸心32を含む面内にほぼ位置する、としたが本発明はこの設定に特に限定されるものではない。ただし、前記設定とすることで、調整ネジ8a、8bによるレーザロッド1の位置調整方向がほぼ直行した方向となるので、調整が容易である利点がある。調整ネジ8やバネ9の数量については、実施の形態1で上述したとおりとくに限定されるものではない。また、当て面48を単に傾斜面としたが平面でもテーパー面でもかまわない。貫通孔47は調整リング7の底面に垂直としたが傾斜していてもかまわない。更に、このような調整ネジの配置は他の実施の形態に用いてもよく、その場合本実施の形態と同様の効果が得られることは言うまでもない。
実施の形態4.
実施の形態1では、調整ネジ8およびネジ9の先端を直接ロッドホルダ5に接していたが、本実施の形態は、ロッドホルダ5の側面にブシュ10を設けたものである。以下、実施の形態1と同一構成部分については同番号を付与し説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
第4図は、本発明の実施の形態4におけるロッド型固体レーザ装置を示す図であり、キャビティ容器の一端のレーザロッド保持部の断面図である。もう一方の保持部も第4図と同構造で第4図と対称に配置されている。第4図は、実施の形態1における第1図(b)と同方向の横断面図である。
第4図において、ロッドホルダ5の側面にはブシュ10を設けており、ロッドホルダ5とブシュ10とは固着されている。調整ネジ8およびネジ9はブシュ10を加圧することでレーザロッド1の位置を保持している。また、実施の形態1と同様な操作によって、レーザロッド1の位置を調整することができる。
本実施の形態では、ロッドホルダ5の側面にブシュ10を設けることにより、実施の形態1と同様な効果を得られると共に、実施の形態1で発生していたロッドホルダ5と調整ネジ8との間で生じる摩擦抵抗をブシュ10を介在させることで小さくし、ロッドホルダ5の動作を滑らかにし、ひいてはレーザロッド1の位置調整を容易にすることができる。ブシュ10は金属、非金属を問わず摩擦抵抗が小さくなるものを選択するものである。もちろん、このような調整ネジの配置は他の実施の形態に用いてもよく、その場合、本実施の形態と同様の効果が得られることは言うまでもない。
実施の形態5.
実施の形態4では、ロッドホルダ5の側面にブシュ10を設けることにより、ロッドホルダ5と調整ネジ8との間で生じる摩擦抵抗を小さくし、ロッドホルダ5の動作を滑らかにした。本実施の形態では、ロッドホルダ5と調整ネジ8との間の摩擦抵抗が小さくなることを利用し、レーザロッド1を回転させる機構を設けたものである。以下、実施の形態1および実施の形態4と同一構成部分については同番号を付与し説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
第5図は、本発明の実施の形態4におけるロッド型固体レーザ装置を示す図であり、キャビティ容器の一端のレーザロッド保持部の断面図である。もう一方の保持部も第5図と同構造で第5図と対称に配置されている。第5図(a)および第5図(b)は、実施の形態1と同方向の断面図である。
第5図において、ロッドホルダ5の側面に設けられたブシュ10は、ロッドホルダ5の側面のうちキャビティ容器4側で調整ネジ8と接する部分に配置されており、ロッドホルダ5の側面の外面に近い側は側面がそのまま露出している状態である。調整リング7には、レーザロッド1の軸心とほぼ平行な軸を持った円盤状の調整用ローラ11が、回転自在に取り付けられている。調整用ローラ11の側面とロッドホルダ5のブシュ10が設けられていない外面側の側面とは接しており、各側面は滑らないような表面加工が施されており、調整用ローラ11を回転させることでロッドホルダ5が回転し、それに同期してレーザロッドも回転する。また、調整リング7に取り付けられた調整用ローラ11は、第5図(b)の平面内で凹部の半径方向に移動可能に取り付けられており、かつ図示省略した弾性体等によりロッドホルダ5に加圧されている。よって、ロッドホルダ5の位置を調整する場合、調整用ローラ11はロッドホルダ5の位置に同期してその位置を変化させつつ、常にロッドホルダ5に接した状態を維持することができる。
本実施の形態では、ロッドホルダ5の側面にブシュ10を設けるとともに調整用ローラ11を設けたことにより、実施の形態4と同様な効果を得られると共に、レーザロッド1の円周方向の向きを任意に設定可能である。
ところで、調整用ローラ11はロッドホルダ5を加圧していることから、ネジ9の代わりに調整用ローラ11をバネ9の位置に設けることにより、ネジ9と同様の作用を実現することができ、上記実施の形態5に比較しバネ9を削除できる利点がある。
実施の形態6.
実施の形態1では、2本の調整ネジ8a、8bおよびネジ9を第1図(b)に示すような配置とし、3点支持にてロッドホルダ5を保持し、また調整ネジ8a、8bの間の角度をほぼ90度に設定することで、調整ネジ8aと調整ネジ8bとの調整方向をほぼ直行させほぼ独立に調整可能としたが、調整量が大きくなると、ロッドホルダ5が平行移動だけでは無く各調整ネジの先端を支点とした回転移動の成分が発生し、直行する2方向に独立した調整を行うことが困難になってくる。本実施の形態は、ロッドホルダ5の側面を対面が平行となる4つの面をもつ形状とし、ロッドホルダ5の各側面に面当て具12を設けたものである。以下、実施の形態1と同一構成部分については同番号を付与し説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
第6図は、本発明の実施の形態6におけるロッド型固体レーザ装置を示す図であり、キャビティ容器の一端のレーザロッド保持部の断面図である。もう一方の保持部も第6図と同構造で第6図と対称に配置されている。第6図は、実施の形態1における第1図(b)と同方向の横断面図である。
第6図において、調整リング7には側面から凹部40に至る第1の貫通孔43aと第2の貫通孔43bが実施の形態1と同様に設けられており、貫通孔43cの代わりに第3の貫通孔43dと第4の貫通孔43eがそれぞれ第1の貫通孔43bと第2の貫通孔43dに対向した位置に設けられている。よって、4つの貫通孔は、第6図に示すように隣接する貫通孔の間の角度が90度になるように配置される。第1の貫通孔43aと第2の貫通孔43bには実施の形態1同様にそれぞれに調整ネジ8a、8bがねじ込まれており、第3の貫通孔43dと第4の貫通孔43eにはそれぞれバネ9a、9bが挿入され、第3の貫通孔43dと第4の貫通孔43eの調整リング7側面の開口部にはそれぞれ蓋44a、44bが設けられている。これにより、ロッドホルダ5は、調整ネジ8a、8bおよびバネ9a、9bの4点から加圧された4点支持にて位置決めを行っている。ロッドホルダ5の調整ネジ8a、8bおよびバネ9a、9bの先端が接する側面部は、調整ネジおよびバネに直行する4つの平面49a、49b、49d、49eが形成されている。調整ネジ8やバネ9が挿入されている4つの貫通孔43a、43b、43d、43eは、隣接する貫通孔の間の角度が90度になるように配置されているので、4つの平面49a、49b、49d、49eも隣接する平面が90度の角度をなして配置されることとなり、例えば第6図に示したように平面49aと49eは平行であり、平面49bと49dも平行であり、平面49a、49eと平面49b、49dとは直行する。各平面49には面当て具12が設けられており、面当て具12は金属や非金属を問わず摩擦抵抗が小さくなるものを選択するものである。
このような構成においては、例えば第6図において調整ネジ8aのねじ込み量を調整した場合、ロッドホルダ5の左右方向の位置は調整ネジ8bおよびバネ9aにて保持されており、また調整ネジ8bおよびバネ9aとロッドホルダ5とが接する平面49b、49dは調整ネジ8aのねじ込み方向に平行であり、かつその表面には摩擦抵抗が小さい面当て具12が設けられているので、調整ネジ8bおよびバネ9aとロッドホルダ5とは滑らかにすべり、バネ9bが伸縮することでロッドホルダ5の位置は上下方向のみに調整される。調整ネジ8bのねじ込み量を調整したときも同様な作用にて、バネ9aが伸縮することでロッドホルダ5の位置は左右方向のみに調整される。この効果は、調整量が比較的大きくなってもほとんど変化しない。
本実施の形態では、ロッドホルダ5の側面を対面が平行となる4つの平面をもつ形状とし、ロッドホルダ5の前記4つの各平面に面当て具12を設け、バネによる加圧を2方向とすることで、実施の形態1と同様な効果が得られるだけでなく、レーザロッド1の調整量が比較的大きな範囲でも調整方向を直交成分だけに限定し調整を容易にすることができる。
実施の形態7.
実施の形態6では、バネ9a、9bを用いてロッドホルダを加圧したが、本実施の形態はバネ9の代わりに板バネ13を用いたものである。以下、実施の形態1と同一構成部分については同番号を付与し説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
第7図は、本発明の実施の形態7におけるロッド型固体レーザ装置を示す図であり、キャビティ容器の一端のレーザロッド保持部の断面図である。もう一方の保持部も第7図と同構造で第7図と対称に配置されている。第7図は、実施の形態1における第1図(b)と同方向の横断面図である。
第7図に示すとおり、実施の形態6におけるバネ9a、9bをそれぞれ板バネ13a、13bとしたことにより、貫通孔43d、43eおよび蓋44a、44bを設ける必要が無くなり、実施の形態6に比較し調整リング7の構造が簡単になり外形も小型化できる。もちろん、実施の形態6と同等の効果が得られることは言うまでもない。
第1図は、本発明の実施の形態1におけるロッド型固体レーザ装置を示す図であり、第8図中に丸印Aにて示したキャビティの一端のレーザロッド保持部の断面図である。もう一方の保持部も第1図と同構造で第1図と対称に配置されている。第1図(a)は横断面図で、第1図(b)は縦断面図であり、第1図(a)は第1図(b)におけるB−B断面図で、第1図(b)は第1図(a)におけるA−A断面図である。
第1図において、レーザロッド1はロッドホルダ5によりOリング3bを介して保持されており、ロッドホルダ5は、調整リング7に設けられた凹部40に収容されており、調整リング7は、固定ネジ41によってレーザロッド1の軸付近に開口を有したキャビティ容器4に取り付けられている。ここでは、箱型のキャビティ容器4に調整リング7取り付けるとしたが、箱型のキャビティ容器に限定されるものでは無く、筐体27に支持されレーザロッド1の両端に設けられたレーザロッド1の軸付近に開口を有した一対の板体である支持板でよい。ロッドホルダ5は、調整リング7の凹部40の底面によってOリング3cを介してキャビティ容器4に押圧されており、また凹部40の径はロッドホルダ5の外径よりもやや大きめに形成されているので、ロッドホルダ5は凹部40内にて凹部40の半径方向に(第1図(b)の平面上を)自由に移動できる。調整リング7には、調整リング7の側面から凹部40に至る第1の貫通孔43a、第2の貫通孔43bおよび第3の貫通孔43cの3本の貫通孔が放射状に設けられている。第1図(b)に示すように、第1の貫通孔43aと第2の貫通孔43bとの間の角度は約90度に設定されており、第3の貫通孔43cは、第1の貫通孔43aと第2の貫通孔43bの中間の位置に対し凹部40の中心に対称な位置に設けられている。第1の貫通孔43aと第2の貫通孔43bの内部には雌ネジ形成されており、表面に雄ネジが形成された2本の調整ネジ8a、8bがそれぞれ第1の貫通孔43aと第2の貫通孔43bにねじ込まれている。ねじ込まれた調整ネジ8a、8bの先端はロッドホルダ5に接している。調整ネジ8a、8bのねじ込み量で、調整ネジ8a、8bの先端部の調整リング7の凹部40への突出量を調整できる。第3の貫通孔43cにはバネ9が挿入され、バネ9の先端はロッドホルダ5に接し押圧している。第3の貫通孔43cの調整リング7側面開口部には、バネ9が突出しないように蓋44が設けられている。ここで、第3の貫通孔43cの調整リング7側面開口部を蓋44で覆うとしたが、例えば、第3の貫通孔43cを調整リング7側面に貫通しない非貫通孔としても良い。この場合、蓋を用いずともバネ9の調整リング7側面への突出を防止することができる。バネ9は、ロッドホルダ5を固定ネジ8a、8bに押圧するように作用し、ロッドホルダ5は調整ネジ8a、8bおよびネジ9の各先端の3点により加圧され、第1図(b)の平面内の位置を支持されている。
また、第1図(a)に示すように、レーザロッド1の側面を冷却するため、レーザロッド1の周辺に冷却水を流す水路を形成するように、筒状のフローチューブ2が、レーザロッド1の周囲を囲むようにOリング3aを介してキャビティ容器4に固定されている。冷却水は、レーザロッド1とフローチューブ2とキャビティ容器4とロッドホルダ5と、各部品間に挿入されたOリング3a、3b、3cにより密閉された空間を流れ、レーザロッド1を冷却する。
このように構成されたロッド型固体レーザ装置のキャビティ容器のレーザロッド保持部においては、調整ネジ8a、8bのねじ込み量を調整するとバネ9が伸縮するとともに、ロッドホルダ5の第1図(b)の平面上での位置を調整することができる。また、レーザロッド1はロッドホルダ5に保持されているので、ロッドホルダ5の位置を調整することでレーザロッド1の位置も同期して調整することができる。
調整ネジ8a、8bとバネ9によるロッドホルダ5への荷重は常に反力となっており、調整ネジ8a、8bの送り方向に関係なく調整ネジ8a、8bのみを操作することでレーザロッド1の位置を調整することが可能である。従来の技術のように、例えば調整ネジ8aを調整するときに予め調整ネジ8bを緩める必要はない。
また、2つの調整ネジ8a、8bをほぼ垂直に配置したことにより、調整量がそれほど大きくないときは、調整ネジ8aを送り操作した場合には、ネジ9が伸縮すると共にレーザロッド1の位置は第1図(b)のほぼ上下方向に調整することができ、調整ネジ8bを操作した場合には、ネジ9が伸縮すると共にレーザロッド1の位置は第1図(b)のほぼ左右方向に調整することができる。よって、調整ネジ8a、8bによる調整はそれぞれほぼ独立に調整することができ調整が容易である。
さらに本形態においては、第1図(a)に示すように、ロッドホルダ5とキャビティ容器4との間は、ロッドホルダ5の位置の調整中もOリング3cにより常に密閉されており、冷却水を流しながら、レーザロッド1の位置を調整することが可能である。
これらにより、実際にレーザを発振し、出力されたレーザ光のパワーを測定し、そのパワーを最大とするようにレーザロッド1の保持位置を調整するロッドアライメントが可能となる。ロッドアライメントはレーザロッド1の幾何学的に決まるロッド中心軸を共振器光軸に合致させるのではなく、レーザロッド1の励起分布のバラツキから生じるロッド中心軸とロッド最大出力軸のズレを考慮した、レーザロッド位置の調整方法である。すなわち、共振器光軸に対し、レーザ出力が最大となるレーザロッド位置を決定可能な、言い換えるならば、共振器光軸とロッド最大出力軸とを一致させるレーザロッドの最善位置調整方法である。
ロッドアライメントを実施する過程において、ロッド型固体レーザ装置、共振器、レーザパワー測定器具等のロッドアライメントに使用する器具の配置位置、そして、気温、湿度、使用電圧、投入電流等の使用環境を同一に設定することにより、ほぼ同一の共振器光軸にロッド最大出力軸を一致させたキャビティを複数製作することが出来る。高出力を得る目的でキャビティを共振段あるいは増幅段として隣接配置する際に、ほぼ同一の共振器光軸上にロッド最大出力軸をもつキャビティを使用することにより、キャビティ間の回折損失を最小に抑え、モードボリュームの減少を抑えることが可能である。その結果、従来のロッド型固体レーザ装置よりも全体出力を大きくすることが出来る。すなわち、キャビティの連結効率が向上することが可能である。
さらに、ほぼ同一の共振器光軸上にロッド最大出力軸をもつキャビティを複数製作することが可能となることにより、隣接配置されたキャビティの交換に要する時間を大幅に短縮することが出来る。通常、1つのキャビティが故障あるいはメンテナンスを理由に交換される場合、共振器ミラーの調整、レーザ光路の調整、レーザ光をファイバに導光するための調整等、さまざまな調整を伴う。しかし、ほぼ同一の共振器光軸上にロッド最大出力軸をもつキャビティを交換すれば、これらの調整は不要である。
ところで、本実施の形態では、調整ネジ8a、8bの間の角度を90度としたが、本発明は調整ネジ8a、8bの間の角度を90度に限定するものではなく、例えば第1の孔、第2の孔、第3の孔を120度の角度毎に放射状に対称に配置してもよい。ただし、各調整ネジによる調整方向は直行していないので、独立には調整できずに収斂調整が必要となるので、調整ネジ間は90度に設定することが望ましい。もちろん、調整ネジ間の角度は180度未満でなければならないのは言うまでも無い。また、調整ネジやバネの個数も本実施の形態に限定されるものではなく、例えば3方向から調整ネジをねじ込んだり、2方向からバネにて押圧しても良い。ただし、本実施の形態が最も単純で効果的な構成であることは言うまでもない。
また、本実施の形態では、ロッドホルダ5の位置決めに調整ネジ8a、8bおよびバネ9を用いて説明したが、本発明における位置決めはネジやバネに限定されるものではなく、それぞれ押圧部品一般の部品、弾性体を使用する場合においても利用できることはいうまでもない。また、調整リングはその形状がリングである必要はなく、その他の形状を使用する場合においても利用できることはいうまでもない。
実施の形態2.
実施の形態1では、レーザロッド1の位置は、調整ネジ8a、8bおよびバネ9による3点からの加圧にてロッドホルダ5を保持することにより位置決めをしていた。しかし、弾性体の加圧による保持では、調節ネジ8の誤操作、衝突、振動など、外乱によりロッドホルダ5の位置すなわちレーザロッド1の位置が変化する可能性がある。本実施の形態は、レーザロッド1の位置を調整した後に、ロッドホルダ5の位置を固定する手段を設けたものである。以下、実施の形態1と同一構成部分については同番号を付与し説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
第2図は、本発明の実施の形態2におけるロッド型固体レーザ装置を示す図であり、キャビティ容器の一端のレーザロッド保持部の断面図である。もう一方の保持部も第2図と同構造で第2図と対称に配置されている。第2図(a)および第2図(b)は、実施の形態1と同方向の断面図である。
第2図において、ロッドホルダ5には固定ネジ6を通すための、外面からキャビティ容器4に接する面へと貫通孔45が設けられている。また、貫通孔45と同軸にキャビティ容器4にもロッドホルダ5と接した面に貫通しない非貫通孔46が設けられている。第2図(b)に示したとおり、貫通孔45および非貫通孔46は3箇所、各120度の角度毎に回転対称な位置に設けられている。ただし、貫通孔45および非貫通孔46の数および配置は、これに限定されるものでは無くロッドホルダの大きさ等により適宜決定されるものである。非貫通孔46の内面には雌ネジが形成されており、表面に雄ネジが形成された固定ネジ6をねじ込むことができる。また、貫通孔45の孔径は、固定ネジ6の径よりも大きく形成されており、固定ネジ6を貫通孔45に通した状態でも、ロッドホルダ5は調整リング7の凹部40の半径方向に(第2図(b)の平面上を)移動が可能で、調整ネジ8a、8bによる位置調整が可能な構成となっている。さらに、固定ネジ6の頭部の径は、貫通孔45の孔径よりは大きく形成されているので、固定ネジ6を非貫通孔46にねじ込んでいくと固定ネジ6の頭部がロッドホルダ5の外面を加圧し、ロッドホルダ5をキャビティ容器4に強固に固定することができる。
上記のような構成を採用することにより、本実施の形態2においては、この固定ネジ6をロッド保持位置調整後に締付けた場合、共振器光軸上にロッド最大出力軸を調整されたレーザロッド1の位置を強固に維持し、調節ネジ8の誤操作、衝突、振動など、外乱に対する抵抗力を得ることができる。レーザロッド1の位置を再度調整する場合は、固定ネジ6を緩め、調整ネジ8を調整し、調整終了後に固定ネジ6を締めなおせばよい。このロッドホルダ固定手段は以下の他の実施の形態に用いてもよく、その場合、本実施の形態と同様の効果が得られることは明白である。
ところで、実施の形態1および実施の形態2では、ロッドホルダ5を調整リング7に設けられた凹部40の底面によって、キャビティ容器4に押圧するように構成していた。しかし、実施の形態2にて用いたロッドホルダ5の固定手段である固定ネジ6にてロッドホルダ5をキャビティ容器4に押圧してもよく、この場合、第2図(c)に示したように調整リング7に凹部を設けず、単にロッドホルダ5の位置を調整する調整手段である調整ネジ8とロッドホルダ5を押圧する弾性体であるバネ9の位置を保持する保持手段として機能させても良く、調整リング7の構造が簡単になる利点がある。
実施の形態3.
実施の形態1では、調整ネジ8を調整リング7の側面から凹部40に至る貫通孔43にねじ込んだが、本実施の形態は、キャビティ容器4の底面から凹部40に至る貫通孔を設け、前記貫通孔に調整ネジをねじ込むと共に、ロッドホルダ5の前記調整ネジが接する部分に調整ネジ8の当て面を付加したものである。以下、実施の形態1と同一構成部分については同番号を付与し説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
第3図は、本発明の実施の形態2におけるロッド型固体レーザ装置を示す図であり、キャビティ容器の一端のレーザロッド保持部の断面図である。もう一方の保持部も第3図と同構造で第3図と対称に配置されている。第3図(a)および第3図(b)は、実施の形態1と同方向の断面図である。
第3図において、第1図にあった第1の孔43aおよび第2の孔43bは無く、その代わりに調整リング7の底面、すなわちキャビティ容器4に接している面の裏側の面から凹部40に至る、調整リング7の底面に垂直な第1の貫通孔47aと第2の貫通孔47bが設けられている。第3図(b)に示すように、各貫通孔はほぼ同円周上にその間の角度をほぼ90度に設定して配置されている。第1図の第1の孔43aおよび第2の孔43bの位置にほぼ対応する位置である。第1の貫通孔47aと第2の貫通孔47bの内面には雌ネジが形成されており、それぞれ調整ネジ8a、8bがねじ込まれている。ねじ込まれた調整ネジ8a、8bの先端はロッドホルダ5に接している。ロッドホルダ5の調整ネジ8a、8bの接した部分には、それぞれ当て面48a、48bが形成されている。当て面48は、調整ネジ8の軸方向と平行および直角でない傾斜面であり、かつ当て面48の向きは、法線がレーザロッド軸心32を含む面内にほぼ位置するように設定している。
上記のような構成を採用することにより、本実施の形態3においては、2つの調整ネジ8a、8b間の角度をほぼ90度に設定したことおよび当て面48の向きを法線が凹部40の半径方向にほぼ一致するように配置したことにより、例えば調整ネジ8aのねじ込み量を調整した場合は、ロッドホルダ5の調整ネジ8aが接した部分に傾斜面である当て面48aが形成されているので、ロッドホルダ5には調整ネジ8aのねじ込み方向とは直行する方向に加圧力が加わり、バネ9が伸縮することでロッドホルダ5の位置を第3図(b)のほぼ上下方向に調整することができる。調整ネジ8bによる調整では、上記と同様な作用でロッドホルダ5の位置を第3図(b)のほぼ左右方向に調整することができる。
よって、実施の形態1と同様に、調整ネジ8を調整することで、ロッドホルダ5の位置すなわちレーザロッド1の位置を簡易に調整することができる。もちろんロッドアライメントも可能である。また、本実施の形態では実施の形態1と同様の効果を得られるだけでなく、調整リング7の外周に調整ネジ8用のメンテナンススペースを設ける必要が無いという利点がある。
ところで、本実施の形態では、調整ネジ8の間の角度を約90度、当て面48の向きを法線がレーザロッド軸心32を含む面内にほぼ位置する、としたが本発明はこの設定に特に限定されるものではない。ただし、前記設定とすることで、調整ネジ8a、8bによるレーザロッド1の位置調整方向がほぼ直行した方向となるので、調整が容易である利点がある。調整ネジ8やバネ9の数量については、実施の形態1で上述したとおりとくに限定されるものではない。また、当て面48を単に傾斜面としたが平面でもテーパー面でもかまわない。貫通孔47は調整リング7の底面に垂直としたが傾斜していてもかまわない。更に、このような調整ネジの配置は他の実施の形態に用いてもよく、その場合本実施の形態と同様の効果が得られることは言うまでもない。
実施の形態4.
実施の形態1では、調整ネジ8およびネジ9の先端を直接ロッドホルダ5に接していたが、本実施の形態は、ロッドホルダ5の側面にブシュ10を設けたものである。以下、実施の形態1と同一構成部分については同番号を付与し説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
第4図は、本発明の実施の形態4におけるロッド型固体レーザ装置を示す図であり、キャビティ容器の一端のレーザロッド保持部の断面図である。もう一方の保持部も第4図と同構造で第4図と対称に配置されている。第4図は、実施の形態1における第1図(b)と同方向の横断面図である。
第4図において、ロッドホルダ5の側面にはブシュ10を設けており、ロッドホルダ5とブシュ10とは固着されている。調整ネジ8およびネジ9はブシュ10を加圧することでレーザロッド1の位置を保持している。また、実施の形態1と同様な操作によって、レーザロッド1の位置を調整することができる。
本実施の形態では、ロッドホルダ5の側面にブシュ10を設けることにより、実施の形態1と同様な効果を得られると共に、実施の形態1で発生していたロッドホルダ5と調整ネジ8との間で生じる摩擦抵抗をブシュ10を介在させることで小さくし、ロッドホルダ5の動作を滑らかにし、ひいてはレーザロッド1の位置調整を容易にすることができる。ブシュ10は金属、非金属を問わず摩擦抵抗が小さくなるものを選択するものである。もちろん、このような調整ネジの配置は他の実施の形態に用いてもよく、その場合、本実施の形態と同様の効果が得られることは言うまでもない。
実施の形態5.
実施の形態4では、ロッドホルダ5の側面にブシュ10を設けることにより、ロッドホルダ5と調整ネジ8との間で生じる摩擦抵抗を小さくし、ロッドホルダ5の動作を滑らかにした。本実施の形態では、ロッドホルダ5と調整ネジ8との間の摩擦抵抗が小さくなることを利用し、レーザロッド1を回転させる機構を設けたものである。以下、実施の形態1および実施の形態4と同一構成部分については同番号を付与し説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
第5図は、本発明の実施の形態4におけるロッド型固体レーザ装置を示す図であり、キャビティ容器の一端のレーザロッド保持部の断面図である。もう一方の保持部も第5図と同構造で第5図と対称に配置されている。第5図(a)および第5図(b)は、実施の形態1と同方向の断面図である。
第5図において、ロッドホルダ5の側面に設けられたブシュ10は、ロッドホルダ5の側面のうちキャビティ容器4側で調整ネジ8と接する部分に配置されており、ロッドホルダ5の側面の外面に近い側は側面がそのまま露出している状態である。調整リング7には、レーザロッド1の軸心とほぼ平行な軸を持った円盤状の調整用ローラ11が、回転自在に取り付けられている。調整用ローラ11の側面とロッドホルダ5のブシュ10が設けられていない外面側の側面とは接しており、各側面は滑らないような表面加工が施されており、調整用ローラ11を回転させることでロッドホルダ5が回転し、それに同期してレーザロッドも回転する。また、調整リング7に取り付けられた調整用ローラ11は、第5図(b)の平面内で凹部の半径方向に移動可能に取り付けられており、かつ図示省略した弾性体等によりロッドホルダ5に加圧されている。よって、ロッドホルダ5の位置を調整する場合、調整用ローラ11はロッドホルダ5の位置に同期してその位置を変化させつつ、常にロッドホルダ5に接した状態を維持することができる。
本実施の形態では、ロッドホルダ5の側面にブシュ10を設けるとともに調整用ローラ11を設けたことにより、実施の形態4と同様な効果を得られると共に、レーザロッド1の円周方向の向きを任意に設定可能である。
ところで、調整用ローラ11はロッドホルダ5を加圧していることから、ネジ9の代わりに調整用ローラ11をバネ9の位置に設けることにより、ネジ9と同様の作用を実現することができ、上記実施の形態5に比較しバネ9を削除できる利点がある。
実施の形態6.
実施の形態1では、2本の調整ネジ8a、8bおよびネジ9を第1図(b)に示すような配置とし、3点支持にてロッドホルダ5を保持し、また調整ネジ8a、8bの間の角度をほぼ90度に設定することで、調整ネジ8aと調整ネジ8bとの調整方向をほぼ直行させほぼ独立に調整可能としたが、調整量が大きくなると、ロッドホルダ5が平行移動だけでは無く各調整ネジの先端を支点とした回転移動の成分が発生し、直行する2方向に独立した調整を行うことが困難になってくる。本実施の形態は、ロッドホルダ5の側面を対面が平行となる4つの面をもつ形状とし、ロッドホルダ5の各側面に面当て具12を設けたものである。以下、実施の形態1と同一構成部分については同番号を付与し説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
第6図は、本発明の実施の形態6におけるロッド型固体レーザ装置を示す図であり、キャビティ容器の一端のレーザロッド保持部の断面図である。もう一方の保持部も第6図と同構造で第6図と対称に配置されている。第6図は、実施の形態1における第1図(b)と同方向の横断面図である。
第6図において、調整リング7には側面から凹部40に至る第1の貫通孔43aと第2の貫通孔43bが実施の形態1と同様に設けられており、貫通孔43cの代わりに第3の貫通孔43dと第4の貫通孔43eがそれぞれ第1の貫通孔43bと第2の貫通孔43dに対向した位置に設けられている。よって、4つの貫通孔は、第6図に示すように隣接する貫通孔の間の角度が90度になるように配置される。第1の貫通孔43aと第2の貫通孔43bには実施の形態1同様にそれぞれに調整ネジ8a、8bがねじ込まれており、第3の貫通孔43dと第4の貫通孔43eにはそれぞれバネ9a、9bが挿入され、第3の貫通孔43dと第4の貫通孔43eの調整リング7側面の開口部にはそれぞれ蓋44a、44bが設けられている。これにより、ロッドホルダ5は、調整ネジ8a、8bおよびバネ9a、9bの4点から加圧された4点支持にて位置決めを行っている。ロッドホルダ5の調整ネジ8a、8bおよびバネ9a、9bの先端が接する側面部は、調整ネジおよびバネに直行する4つの平面49a、49b、49d、49eが形成されている。調整ネジ8やバネ9が挿入されている4つの貫通孔43a、43b、43d、43eは、隣接する貫通孔の間の角度が90度になるように配置されているので、4つの平面49a、49b、49d、49eも隣接する平面が90度の角度をなして配置されることとなり、例えば第6図に示したように平面49aと49eは平行であり、平面49bと49dも平行であり、平面49a、49eと平面49b、49dとは直行する。各平面49には面当て具12が設けられており、面当て具12は金属や非金属を問わず摩擦抵抗が小さくなるものを選択するものである。
このような構成においては、例えば第6図において調整ネジ8aのねじ込み量を調整した場合、ロッドホルダ5の左右方向の位置は調整ネジ8bおよびバネ9aにて保持されており、また調整ネジ8bおよびバネ9aとロッドホルダ5とが接する平面49b、49dは調整ネジ8aのねじ込み方向に平行であり、かつその表面には摩擦抵抗が小さい面当て具12が設けられているので、調整ネジ8bおよびバネ9aとロッドホルダ5とは滑らかにすべり、バネ9bが伸縮することでロッドホルダ5の位置は上下方向のみに調整される。調整ネジ8bのねじ込み量を調整したときも同様な作用にて、バネ9aが伸縮することでロッドホルダ5の位置は左右方向のみに調整される。この効果は、調整量が比較的大きくなってもほとんど変化しない。
本実施の形態では、ロッドホルダ5の側面を対面が平行となる4つの平面をもつ形状とし、ロッドホルダ5の前記4つの各平面に面当て具12を設け、バネによる加圧を2方向とすることで、実施の形態1と同様な効果が得られるだけでなく、レーザロッド1の調整量が比較的大きな範囲でも調整方向を直交成分だけに限定し調整を容易にすることができる。
実施の形態7.
実施の形態6では、バネ9a、9bを用いてロッドホルダを加圧したが、本実施の形態はバネ9の代わりに板バネ13を用いたものである。以下、実施の形態1と同一構成部分については同番号を付与し説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
第7図は、本発明の実施の形態7におけるロッド型固体レーザ装置を示す図であり、キャビティ容器の一端のレーザロッド保持部の断面図である。もう一方の保持部も第7図と同構造で第7図と対称に配置されている。第7図は、実施の形態1における第1図(b)と同方向の横断面図である。
第7図に示すとおり、実施の形態6におけるバネ9a、9bをそれぞれ板バネ13a、13bとしたことにより、貫通孔43d、43eおよび蓋44a、44bを設ける必要が無くなり、実施の形態6に比較し調整リング7の構造が簡単になり外形も小型化できる。もちろん、実施の形態6と同等の効果が得られることは言うまでもない。
以上のように、この発明に係るレーザ装置は、特にキャビティを複数隣接配置したレーザ装置や、メンテナンスや保守時にキャビティの交換を実施するレーザ装置に用いられるのに適している。
【0005】
また、一般的にロッド型固体レーザ装置においては、キャビティの連結の有無に依らず、キャビティ、共振器を配置した後にレーザパワーを最大とするように共振器のミラーの角度を調整する。これは、前述のように出力が最大となるロッド最大出力軸がキャビティによって異なる理由による。そのため、従来のロッド型固体レーザ装置においては、保守・点検・故障によってキャビティ交換の必要が生じた場合、キャビティ交換を実施するたびに共振器のミラーの角度調整が必要であった。さらに、共振器調整によってミラーの角度が変化するとレーザ光のレーザ光軸も変化するため、ファイバ伝送する光路についても再調整が必要となり、メンテナンス・保守に時間を要するという問題点があった。
【発明の開示】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、レーザロッドを容易に任意の位置へ調整する機構を有し、ロッド最大出力軸を共振器光軸に近付けてキャビティの発振効率および連結効率を向上させたロッド型固体レーザ装置を得ることを目的としている。また、その調整機構を利用して、キャビティ交換時のメンテナンスを不要あるいは簡易にするロッド型固体レーザ装置を得ることを目的としている。
本発明に係るロッド型固体レーザ装置においては、ロッド型の固体レーザ媒質と、前記固体レーザ媒質の側方より励起光を照射し前記固体レーザ媒質を励起する励起光源と、前記固体レーザ媒質の両端に設けられ、前記固体レーザ媒質の軸付近に開口を有する支持板と、前記固体レーザ媒質の少なくとも一端部を保持するロッドホルダと、前記固体レーザ媒質とほぼ直交する方向に前記ロッドホルダの位置を調整する少なくとも2つの調整手段と、前記固体レーザ媒質とほぼ直交する方向に前記ロッドホルダを押圧する少なくとも1つの弾性体と、前記ロッドホルダの周囲に配置されるよう前記支持板の外側に固定され前記調整手段と前記弾性体を保持する保持手段とを備えたものである。
本発明は、支持板の外側においてレーザロッドを保持するロッドホルダとロッド型の固体レーザ媒質とほぼ直交する方向の位置を調整する少なくとも2つの調整手段を備えたことにより、ロッド型固体レーザ装置にお
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また、一般的にロッド型固体レーザ装置においては、キャビティの連結の有無に依らず、キャビティ、共振器を配置した後にレーザパワーを最大とするように共振器のミラーの角度を調整する。これは、前述のように出力が最大となるロッド最大出力軸がキャビティによって異なる理由による。そのため、従来のロッド型固体レーザ装置においては、保守・点検・故障によってキャビティ交換の必要が生じた場合、キャビティ交換を実施するたびに共振器のミラーの角度調整が必要であった。さらに、共振器調整によってミラーの角度が変化するとレーザ光のレーザ光軸も変化するため、ファイバ伝送する光路についても再調整が必要となり、メンテナンス・保守に時間を要するという問題点があった。
【発明の開示】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、レーザロッドを容易に任意の位置へ調整する機構を有し、ロッド最大出力軸を共振器光軸に近付けてキャビティの発振効率および連結効率を向上させたロッド型固体レーザ装置を得ることを目的としている。また、その調整機構を利用して、キャビティ交換時のメンテナンスを不要あるいは簡易にするロッド型固体レーザ装置を得ることを目的としている。
本発明に係るロッド型固体レーザ装置においては、ロッド型の固体レーザ媒質と、前記固体レーザ媒質の側方より励起光を照射し前記固体レーザ媒質を励起する励起光源と、前記固体レーザ媒質の両端に設けられ、前記固体レーザ媒質の軸付近に開口を有する支持板と、前記固体レーザ媒質の少なくとも一端部を保持するロッドホルダと、前記固体レーザ媒質とほぼ直交する方向に前記ロッドホルダの位置を調整する少なくとも2つの調整手段と、前記固体レーザ媒質とほぼ直交する方向に前記ロッドホルダを押圧する少なくとも1つの弾性体と、前記ロッドホルダの周囲に配置されるよう前記支持板の外側に固定され前記調整手段と前記弾性体を保持する保持手段とを備えたものである。
本発明は、支持板の外側においてレーザロッドを保持するロッドホルダとロッド型の固体レーザ媒質とほぼ直交する方向の位置を調整する少なくとも2つの調整手段を備えたことにより、ロッド型固体レーザ装置にお
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Claims (14)
- ロッド型の固体レーザ媒質と、
前記固体レーザ媒質の側方より励起光を照射し前記固体レーザ媒質を励起する励起光源と、
前記固体レーザ媒質の両端に設置され、前記固体レーザ媒質の軸付近に開口を有する支持板と、
前記固体レーザ媒質の少なくとも一端部を保持するロッドホルダと、
前記ロッドホルダの周囲に設けられ、前記ロッドホルダの前記ロッド型の固体レーザ媒質とほぼ直交する方向の位置を調整する少なくとも2つの調整手段と、
前記ロッドホルダの周囲に設けられ前記ロッドホルダを前記ロッド型の固体レーザ媒質とほぼ直交する方向に押圧する少なくとも1つの弾性体と、
前記ロッドホルダを前記支持板に押圧する押圧手段とを備えたことを特徴とするロッド型固体レーザ装置。 - 前記ロッドホルダと前記支持板間にシール手段を備えたことを特徴とする請求の範囲1に記載のロッド型固体レーザ装置。
- 前記押圧手段は、前記ロッドホルダに設けられた前記ロッドホルダを貫通する第1の孔と、前記キャビティに設けられた前記第1の孔と同軸で内面にネジ山を形成された第2の孔と、前記第1の孔を通り前記第2の孔にねじ込まれ終端部径が前記第1の穴の径よりも大きいネジであることを特徴とする請求の範囲1または2に記載のロッド型固体レーザ装置。
- 前記押圧手段は、前記支持板に固定され、前記ロッドホルダを収容する凹部を有し、前記凹部の底面を前記ロッドホルダに接し、前記凹部の径は前記ロッドホルダの径よりも大きいものである調整リングであることを特徴とする請求の範囲1または2に記載のロッド型固体レーザ装置。
- 前記調整手段は、前記調整リングの前記凹部に開口し内面にネジ山を形成された孔と、前記孔にねじ込まれたネジであることを特徴とする請求の範囲4に記載のロッド型固体レーザ装置。
- 前記孔は、前記調整リングの側面から前記凹部に貫通した、前記ロッド型の固体レーザ媒質と直行する方向に設けられたものであることを特徴とする請求の範囲5に記載のロッド型固体レーザ装置。
- 前記孔は、前記調整リングの底面から前記凹部に貫通した、前記ロッド型の固体レーザ媒質と平行な方向に設けられたものであり、
前記ロッドホルダの前記孔にねじ込まれた前記ネジが当接する部分に、傾斜面を設けたことを特徴とする請求の範囲5に記載のロッド型固体レーザ装置。 - 前記ロッドホルダの側面に、前記調整手段および前記弾性体が当接する部分にブシュを設けたことを特徴とする請求の範囲6に記載のロッド型固体レーザ装置。
- 前記調整リングに前記ロッドホルダに接するように配置され、前記ロッドホルダを前記ロッド型の固体レーザ媒質の中心軸を軸として回転させる調整用ローラを設けたことを特徴とする請求の範囲8に記載のロッド型固体レーザ装置。
- 前記調整手段が2つ備わっており、前記2つの調整手段はその間の角度を90度に設定し配置されており、
前記弾性体が2つ備わっており、前記2つの弾性体は前記2つの調整手段の位置と、前記ロッド型の固体レーザ媒質の中心軸に対して対称な位置に配置されており、
前記ロッドホルダは、前記調整手段および前記弾性体が当接する側面部分が、前記調整手段および前記弾性体に直行する平面で形成されていることを特徴とする請求の範囲6に記載のロッド型固体レーザ装置。 - 前記弾性体は、前記調整リングの前記凹部に開口した孔に挿入されたバネであることを特徴とする請求の範囲4に記載のロッド型固体レーザ装置。
- 前記弾性体は、前記調整リングの前記凹部側面に設けられた板バネであることを特徴とする請求の範囲4に記載のロッド型固体レーザ装置。
- 前記ロッドホルダを固定するための固定手段を有することを特徴とする請求の範囲1または2に記載のロッド型固体レーザ装置。
- 前記固定手段は、前記ロッドホルダに設けられた前記ロッドホルダを貫通する第1の孔と、前記キャビティに設けられた前記第1の孔と同軸で内面にネジ山を形成された第2の孔と、前記第1の孔を通り前記第2の孔にねじ込まれ終端部径が前記第1の穴の径よりも大きいネジであることを特徴とする請求の範囲13に記載のロッド型固体レーザ装置。
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2004
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