JP2004207496A - 固体レーザ発振器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーザ発振器1において、2本のロッド支持部2を相互に平行に設け、その間に2組のレーザユニット3a及び3bを相互に平行に設け、レーザユニット3a及び3bを共通のロッド支持部2により相互に連結する。また、ロッド支持部2にホルダー7a乃至7dを取り付け、ホルダー7aに全反射ミラー8を取り付け、ホルダー7dに部分反射ミラー9を取り付け、ホルダー7b及び7cに夫々ミラー10を取り付ける。ミラー10は夫々固体レーザロッド5の中心軸上に配置し、その反射面をこれらの中心軸に対して約45°傾斜させ、且つ、この2枚のミラー10の中心を結ぶ直線に対して約45度傾斜させる。これにより、光路11を形成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の固体レーザロッドを直列に配置した固体レーザ発振器に関し、特に、小型で且つ取り扱いが容易な半導体レーザ励起固体レーザ発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高出力の半導体レーザ励起固体レーザ発振器(以下、単にレーザ発振器ともいう)においては、必要な出力を得るために、複数の固体レーザロッドをその長手方向に沿って直線状に配置し、光路を直線状に形成してその両端にミラーを配置して発振器を構成している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図19は従来のレーザ発振器を示す平面図である。図19に示すように、この従来のレーザ発振器101においては、基台102が設けられており、基台102上に4組の集光器103が載置されている。4組の集光器103はその長手方向に沿って直線状に配置されており、これにより、4組の集光器103は光学的に直列に結合されている。そして、1組の集光器103においては、1対のロッド支持部107が設けられ、この1対のロッド支持部107間にガラス管104が設けられ、このガラス管104の内部に1本の固体レーザロッド105が設けられている。即ち、ガラス管104及び固体レーザロッド105の長手方向における両端部は、ロッド支持部107により支持されている。また、ガラス管104と固体レーザロッド105との間には冷却水106が供給されている。
【0004】
更に、4組の集光器103からなる群の長手方向の一端部には、1枚の全反射ミラー108が設けられており、他端部には部分反射ミラー109が設けられている。即ち、全反射ミラー108、4組の集光器103、部分反射ミラー109は、この順に直線状に配置されている。また、各集光器103の近傍には、半導体レーザ発振器(図示せず)が設けられている。
【0005】
これにより、半導体レーザ発振器により固体レーザロッド105に励起用レーザ光が入力されると、固体レーザロッド105が励起し、部分反射ミラー109と全反射ミラー108との間に光路110が形成され、部分反射ミラー109よりレーザ光111が出力される。
【0006】
しかしながら、この従来の技術には、以下に示すような問題点がある。先ず、多数の集光器103を結合する場合、レーザ発振器101が長くなり、このレーザ発振器101を収納するレーザ装置が大型化するという問題点がある。また、レーザ発振器101が長くなることにより、基台102の剛性を確保することが難しくなる。これにより、振動及び周囲の温度変化により、並びに集光器103の質量により基台102が撓むことにより、レーザ光111の光軸のアライメントが最適条件からずれてしまい、レーザ光111の出力が低下したり、出射方向が変化して後段側に設けられた他の光学系とのアライメントがずれたりすることがある。
【0007】
更に、この従来のレーザ発振器101においては、ロッド支持部107の位置を調節することにより、集光器103全体を動かして、光軸の調整を行っている。このため、微妙な調整が難しいという問題点がある。光軸を調整する方法として、各集光器103の固体レーザロッド105にプローブ光を入射し、この固体レーザロッド105を通過したプローブ光をスクリーンに投影しながら、スクリーン上に投影されたプローブ光の位置が所定の位置になるように、集光器103の位置を調整する方法がある。この場合、この集光器103とスクリーンとの間の距離を大きくするほど、高精度な調整が可能となる。しかしながら、レーザ発振器101においては、各集光器103が直線上に配置されているため、調整しようとする集光器103の後段に位置する集光器103が邪魔となり、集光器103とスクリーンとの間の距離を十分に大きくすることができない。この結果、レーザ発振器101に集光器103を組み込んだままでは、光軸を高精度に調整することができない。そこで、光軸を厳密に調整するためには、全ての集光器103を一旦レーザ発振器101から外し、集光器103の位置を1つずつ調整しながらレーザ発振器101に組み込んでいく作業が必要となり、光軸の調整に多大な時間がかかる。
【0008】
また、複数の固体レーザロッドを直列に結合したレーザ発振器において、正方形の各辺に相当する位置に固体レーザロッド(以下、単にロッドともいう)を配置し、1のロッドから出力したレーザ光を45°の入射角でミラーに入射させ、45°の出射角で反射させることにより、このレーザ光を他のロッドに入力し、正方形状の光路を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
更に、複数の固体レーザロッドからなるグループを複数設け、各グループ内においては固体レーザロッドを直列に配列し、各グループ間においてはレーザ光を1枚のミラーにより折り返し、複数の固体レーザロッドを光学的に直列に結合する技術も開示されている。更にまた、前記各グループ間において、レーザ光を2枚のミラー及び1枚のレンズにより折り返す技術も開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−50813号公報(図1)
【特許文献2】
特開昭64−86580号公報(第8図)
【特許文献3】
特開平08−250797号公報(図29及び図36)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の技術には、以下に示すような問題点がある。特許文献2に示す例においては、固体レーザロッドが正方形の各辺に相当する位置に配置されているため、ロッド間に無駄な空間が生じてしまい、レーザ発振器を収納するレーザ装置が大型化すると共に、レーザ発振器の基台の剛性が低下する。このため、振動及び周囲の温度変化並びに集光器の質量により、光軸のアライメントが最適条件からずれてしまうという問題点がある。
【0012】
また、特許文献1に記載されているような集光器を直線状に配置する場合と同じく、光軸を調整するためには集光器の位置を調節しなくてはならず、光軸の調整が困難であるという問題点がある。
【0013】
更に、特許文献2に記載の技術においては、光路におけるロッド間に1枚のミラーを配置し、1のロッドから出力したレーザ光をこの1枚のミラーにより反射させて他のロッドに入力させている。このとき、光路の対称性を高めるため、及びミラーを配置するスペースを確保するために、ミラーを光路におけるロッドとロッドとのちょうど中間の位置に配置することが好ましい。
【0014】
しかしながら、固体レーザロッドにおいては、熱レンズ効果、即ち、光軸直交断面において、中心の温度が高く周囲に向かうにつれて温度が低くなる光軸対称の温度分布が形成され、この結果、屈折率が光軸対称の分布を持ち、固体レーザロッドが全体としてレンズとして働くようになる効果により、固体レーザロッドに入射されたレーザ光の光束は、このロッドから出力した後一旦収束し、その後発散する。一方、光の効率を高めるために、前段のロッドから出力されたときの光束の直径と、後段のロッドに入力するときの光束の直径とを相互に等しくすることが好ましい。このため、ミラーをロッドとロッドとの中間に配置すると、ミラー面上でレーザ光の光束が最も細く絞られる結果となり、ミラー面上におけるレーザ光の光密度が高くなりすぎ、レーザ光がミラーにダメージを与えるという問題点がある。
【0015】
更にまた、特許文献3に記載されているレーザ光を1枚のミラーにより折り返す技術、及びレーザ光を2枚のミラー及び1枚のレンズにより折り返す技術においても、前述の特許文献1及び2に記載の技術と同様に、レーザ発振器の基台の剛性が低く、振動及び周囲の温度変化並びに集光器の質量により、光軸のアライメントが最適条件からずれてしまうという問題点がある。また、各グループ内においては、複数の固体レーザロッドを、ミラーを介さずに直列に配置して光学的に結合している。このため、グループ内における固体レーザロッド間の光軸を調整するためには、前述の特許文献1に記載の技術と同様に、固体レーザロッド自体の位置を調節しなくてはならず、光軸の調整が困難であるという問題点がある。更に、レーザ光を1枚のミラーにより折り返す技術においては、前述の特許文献2に記載の技術と同様に、ミラー面におけるレーザ光の光密度が高くなりすぎ、ミラーがレーザ光により損傷を受けるという問題点がある。
【0016】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、複数の固体レーザロッドを直列に結合して高出力化を図った固体レーザ発振器において、小型で、剛性が高く、光軸の調整が容易で、ミラーの損傷が少ない固体レーザ発振器を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る固体レーザ発振器は、光軸が相互に平行になるように配置された複数の固体レーザロッドと、この固体レーザロッドを励起するレーザ素子と、1の前記固体レーザロッドの光軸の一方の延長部分に配置された全反射ミラーと、他の前記固体レーザロッドの光軸の一方の延長部分に配置された部分反射ミラーと、前記複数の固体レーザロッドの光軸の延長部分のうち前記全反射ミラー及び前記部分反射ミラーが配置されていない部分に配置され前記複数の固体レーザロッドのうち2の固体レーザロッドを光学的に相互に結合する1対又は複数対のミラーと、単一の部材により前記複数の固体レーザロッドを一体的に連結するロッド支持部と、を有し、前記複数の固体レーザロッドが光学的に直列に結合されていることを特徴とする。
【0018】
本発明においては、複数の固体レーザロッドが、その光軸が相互に平行になるように配置されていることにより、固体レーザ発振器の形状が長くなることを防止し、固体レーザ発振器を収納するレーザ装置を小型化すると共に、高い剛性を実現することができる。また、ロッド支持部が単一の部材により複数の固体レーザロッドを一体的に連結することにより、固体レーザ発振器の剛性を向上させることができる。この結果、外部から印加される振動及び温度変化、固体レーザロッドの質量並びに経年変化による光軸アライメントのずれを小さく抑えることができ、固体レーザ発振器の安定性を向上させることができる。
【0019】
更に、各固体レーザロッドの光軸の延長部分にミラーを設けることにより、2つの固体レーザロッドを、1対のミラーにより光学的に結合することができる。これにより、2の固体レーザロッドの光軸が相互に平行又はねじれの位置にあっても、固体レーザロッドを移動させずに、ミラーの角度を調節するだけで、これらの固体レーザロッドの光軸を相互に結合させることができる。このため、光軸を最適な状態に調整することが容易になる。
【0020】
更にまた、ミラーを固体レーザロッド間の中心位置よりロッドに近い位置に配置することができるため、ミラーの反射面における発振光のビームが太くなり、光密度が低くなる。これにより、ミラーが損傷を受けにくくなり、固体レーザ発振器の信頼性を向上させることができる。
【0021】
また、本発明に係る固体レーザ発振器は、内部に各1本の前記固体レーザロッドを収納する透明管を複数本有し、前記ロッド支持部には、前記固体レーザロッドを嵌合させて保持する貫通孔と、この貫通孔と前記ロッド支持部の外部とを連通する連絡孔と、が設けられており、この連絡孔及び貫通孔を介して、前記透明管と前記固体レーザロッドとの間にこの固体レーザロッドを冷却する冷却液が流されることが好ましい。これにより、固体レーザロッドの冷却装置を簡略化することができる。
【0022】
更に、前記ロッド支持部が複数の支持部材を有し、この複数の支持部材のうち1の支持部材が前記複数の固体レーザロッドの夫々の一端部に連結され、他の支持部材が前記複数の固定レーザロッドの夫々の他端部に連結されていることが好ましい。これにより、固体レーザ発振器の剛性をより一層向上させることができる。
【0023】
更にまた、本発明に係る固体レーザ発振器は、全ての前記支持部材に連結されたロッド支持結合部を有することが好ましい。これにより、固体レーザ発振器の剛性をより一層向上させることができる。
【0024】
更にまた、前記部分反射ミラーが、この部分反射ミラーがその光軸の延長部分にある固体レーザロッドから出力されたレーザ光の一部を、他の固体レーザロッドの光軸の延長部分に位置する前記ミラーに向けて反射するように配置されており、この部分反射ミラー、前記ミラー及び全ての前記固体レーザロッドによりループ状の光路が形成されていてもよい。これにより、レーザ光が各固体レーザロッドを1回ずつ通過するだけで光路を周回することができるため、固体レーザロッドの収差及び歪みがレーザ光に及ぼす影響を低減できる。
【0025】
更にまた、前記レーザ素子を保持すると共に、前記固体レーザロッドに対して着脱可能な固定ブロックを有すること好ましい。これにより、レーザ素子の組立及び交換が容易になる。
【0026】
更にまた、前記透明管の表面における前記レーザ素子が発振する励起レーザ光が透過する領域に形成され前記透明管における前記励起レーザ光の反射を抑制して透過率を向上させる反射防止膜と、前記透明管の表面における前記反射防止膜が形成されていない領域の少なくとも一部に形成され前記透明管の内部を通過した前記励起レーザ光を反射する反射膜と、を有し、前記レーザ素子が発振する励起レーザ光が前記透明管に直接入射することが好ましい。これにより、透明管の内部を通過した励起レーザ光を反射させるための特別な装置を設ける必要がなく、また、レーザ素子と透明管との間にレンズ等の導波手段が設けられていないため、レーザ素子と透明管との間の距離を小さくすることができ、相互に隣接する固体レーザロッド間の距離を小さくすることができる。この結果、前段の固体レーザロッドから出力されたレーザ光の光束が熱レンズ効果により発散しても、その大部分を後段の固体レーザロッドに入射させることができ、レーザ光の効率が向上させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は本実施形態に係る半導体レーザ励起固体レーザ発振器を示す平面図であり、図2はロッド支持部と固体レーザロッドとの連結部を示す一部拡大断面図であり、図3は固体レーザロッドの端部を示す一部拡大断面図であり、図4は固体レーザロッド及び半導体レーザ素子を示す断面図である。
【0028】
図1に示すように、本実施形態に係る半導体レーザ励起固体レーザ発振器(レーザ発振器)1においては、2本の棒状のロッド支持部2が相互に離隔して且つ相互に平行に設けられている。ロッド支持部2の間には、2組の集光器3a及び3bが相互に平行に設けられており、その長手方向はロッド支持部2の長手方向に直交している。そして、2本の集光器3a及び3bは共通のロッド支持部2により固定されている。ロッド支持部2は、例えば、金属若しくは合金、樹脂又はセラミックスにより一体的に形成されている単一の部材である。
【0029】
各集光器3a及び3bにおいては、円筒形のガラス管4が設けられており、ガラス管4の内部には固体レーザロッド5が配置されている。即ち、本明細書においては、ガラス管及び固体レーザロッドからなる構造体を集光器という。ガラス管4の軸と固体レーザロッド5の軸は相互に一致しており、ガラス管4及び固体レーザロッド5の両端部はロッド支持部2に保持されている。固体レーザロッド5は、例えばYAGロッドである。また、ガラス管4の内面と固体レーザロッド5の外面との間には、冷却水6が流れている。冷却水6は、レーザ発振器1の外部に設けられたポンプ(図示せず)及び配管(図示せず)により供給されるものであり、冷却水6は例えば脱イオン水である。
【0030】
ロッド支持部2にはホルダ7a乃至7dが取り付けられている。このホルダ7a乃至7dは、2本のロッド支持部2の外側における集光器3a及び3bの軸の延長線上に相当する位置に配置されている。即ち、ホルダ7aと7bとの間には集光器3aが配置されており、ホルダ7cと7dとの間には集光器3bが配置されている。また、ホルダ7a及び7dは同一のロッド支持部2に取り付けられており、ホルダ7b及び7cは他の同一のロッド支持部2に取り付けられている。これにより、レーザ発振器1は、上方から見て、2本のロッド支持部2、集光器3a及び3b、ホルダ7a乃至7dにより、「井」字状の形状をなしている。
【0031】
ホルダ7aには、全反射ミラー8が取り付けられている。全反射ミラー8は集光器3aの固体レーザロッド5の中心軸上に配置され、その反射面は前記中心軸に対して垂直になっている。また、ホルダ7dには部分反射ミラー9が取り付けられている。部分反射ミラー9は集光器3bの固体レーザロッド5の中心軸上に配置され、その反射面は、この中心軸に対して垂直になっている。ホルダ7b及び7cには、夫々ミラー10が設けられている。ホルダ7bに設けられたミラー10は集光器3aの固体レーザロッド5の中心軸上に配置されており、ホルダ7cに設けられたミラー10は集光器3bの固体レーザロッド5の中心軸上に配置されており、その反射面はこれらの中心軸に対して約45°傾斜しており、且つ、前記2枚のミラー10の中心を結ぶ直線に対して約45度傾斜している。これにより、全反射ミラー8、固体レーザロッド5、2枚のミラー10、固体レーザロッド5、部分反射ミラー9が光学的に直列に結合され、光路11が形成されている。なお、ミラー10の角度は、任意に調節可能となっている。
【0032】
図2はロッド支持部2と固体レーザロッド5との結合部を側方から見た断面図である。即ち、図2に示す断面は、ロッド支持部2の長手方向に垂直であり、且つ、固体レーザロッド5の軸に平行である断面である。図2に示すように、ロッド支持部2には、固体レーザロッド5側の面からその反対面まで貫通する2個の貫通孔14が形成されている。貫通孔14は固体レーザロッド5側に開口する部分14a及びその反対面に開口する部分14bからなり、部分14aの直径は部分14bの直径よりも大きくなっている。また、ロッド支持部2の内部には、貫通孔14と外部とを連絡する連絡孔15が形成されている。
【0033】
一方、固体レーザロッド5の端部にはロッドホルダ5aが取り付けられている。貫通孔14の部分14aにはガラス管4が嵌合されており、このガラス管4の内部には固体レーザロッド5が収納されているが、ロッドホルダ5aはガラス管4の外部に配置されており、部分14bを貫通し、その端部はロッド支持部2の外面に露出している。そして、このロッドホルダ5aの露出部分より、レーザ光12が入出力されるようになっている。なお、レーザ光12の妨げにならない限り、ロットホルダ5aの端部は、貫通孔14の内部に位置し、ロッド支持部2の外面から引っ込んでいてもよい。
【0034】
また、ガラス管4とロッド支持部2との間、及びロッドホルダ5aとロッド支持部2との間には、夫々Oリング16a及び16bが設けられており、これらのOリング16a及び16bに接するように、夫々ワッシャ17a及び17bが設けられており、ワッシャ17a及び17bはネジ18によりロッド支持部2に固定されている。Oリング16a及び16bは、夫々ワッシャ17a及び17bによりロッド支持部2に向けて押圧され、これによりOリング16a及び16bが変形し、ガラス管4とロッド支持部2との間、及びロッドホルダ5aとロッド支持部2との間を密閉するようになっている。この結果、連絡孔15及び貫通孔14により、ガラス管4と固体レーザロッド5との間に冷却水6を供給する水路が形成されている。なお、連絡孔15の中心軸は、固体レーザロッド5の中心軸と交差しないようにずれている。これにより、冷却水6が固体レーザロッド5に衝突する際の衝撃を低減し、固体レーザロッド5の振動を抑制することができる。
【0035】
図3に示すように、ロッドホルダ5aは2つの管状部分5b及び5cからなっている。管状部分5bの一方の端部5d及び管状部分5cの一方の端部5eは他の部分よりも薄くなっており、端部5dの内面及び端部5eの外面にはネジ加工が施されており、端部5dの内面が端部5eの外面に接し、端部5dが端部5eに螺合することにより、管状部分5bが管状部分5cに連結されるようになっている。また、管状部分5bと管状部分5cとの螺合部分には隙間が形成され、この隙間にOリング16cが配置されている。そして、このOリング16cは固体レーザロッド5に接触している。これにより、管状部分5bを管状部分5cに螺合することにより、Oリング16cが管状部分5b及び5cに押圧されて変形し、固体レーザロッド5に密着するようになっている。
【0036】
また、図4に示すように、集光器3a及び3bの近傍には、夫々複数の半導体LD素子(Laser Diode素子:レーザダイオード素子)19が設けられている。LD素子19は、ガラス管4の周囲に3列に配列されており、各列は固体レーザロッド5の長手方向に沿って配列されている。また、各列は固体レーザロッド5の中心軸Oに関して例えば3回対称の位置に配置されている。LD素子19の周囲には、LD素子19を冷却する冷却水路(図示せず)が設けられている。
【0037】
更に、ガラス管4の外面には、反射防止膜20a及び高反射膜20bが形成されている。反射防止膜20aは、LD素子19から出力した励起レーザ光19aがガラス管4を透過する際に、励起レーザ光19aがガラス管4の表面において反射することを防止して透過率を高めるものであり、高反射膜20bはガラス管4の内部を通過した励起レーザ光19aをガラス管4の内部に向けて反射して、励起レーザ光19aがガラス管4の外部に逃げることを防止すると共に、励起レーザ光19aをガラス管4の内部に均一に行き渡らせるものである。反射防止膜20a及び高反射膜20bは、例えば、誘電体膜を複数層積層させてなる多層膜により形成されている。反射防止膜20a及び高反射膜20bは、ガラス管4の軸方向に延びる帯状に形成されており、夫々3条の反射防止膜20a及び高反射膜20bが交互に配置されている。そして、LD素子19は、出力した励起レーザ光19aが反射防止膜20aを透過してガラス管4の内部に入射し、固体レーザロッド5に到達するようになっている。但し、LD素子19の光軸は、LD素子19の出力端から固体レーザロッド5の中心軸Oに向かう方向に対してずれた方向に延びている。即ち、LD素子19から出力した励起レーザ光19aの中心軸は、固体レーザロッド5の中心軸Oを通らずに、固体レーザロッド5における中心軸Oからずれた部分を通過するようになっている。
【0038】
なお、レーザ発振器1において、部分反射ミラー9の透過率は例えば20乃至80%であり、固体レーザロッド5の直径は例えば4乃至8mmであり、その効率は例えば40%であり、集光器3a及び3bの長さは例えば200mmであり、1個のLD素子19の長さは例えば10mmであり、1個のLD素子19の出力は例えば20乃至100W、例えば60Wであり、効率は例えば40%であり、固体レーザロッド5毎のLD素子19の数は例えば数十個である。また、励起レーザ光19aの波長は、固体レーザロッド5を形成する材料に応じて適切な波長が選択される。例えば、固体レーザロッド5がネオジウムYAGロッドである場合、励起レーザ光19aの波長は808nm(赤外光)であり、このとき、レーザ光12の波長は1064nm(遠赤外光)である。更に、本実施形態のレーザ発振器1は、例えば、金属のレーザ溶接機又はレーザ切断機等に搭載される。
【0039】
次に、本実施形態に係るレーザ発振器1の動作について説明する。先ず、図4に示すように、LD素子19が固体レーザロッド5に対して、励起レーザ光19aを発振する。このとき、励起レーザ光19aは反射防止膜20a、ガラス管4、冷却水6を透過して固体レーザロッド5に到達する。そして、励起レーザ光19aは、その中心軸が固体レーザロッド5の中心軸Oを外した部分を通過するように固体レーザロッド5内を通過して固体レーザロッド5を励起し、その後、冷却水6、ガラス管4を透過して、高反射膜20bに到達する。そして、高反射膜20bにより、ガラス管4の内部に向けて反射され、再び固体レーザロッド5に入射する。このようにして、固体レーザロッド5が励起されて、レーザ光12(図1参照)を発振する。
【0040】
図1に示すように、このレーザ光12が、全反射ミラー8と部分反射ミラー9との間の光路11において増幅され、レーザ光12の一部が部分反射ミラー9を透過してレーザ光13として出力される。
【0041】
このとき、図2に示すように、ポンプ(図示せず)が配管(図示せず)を介して一方のロッド支持部2の連絡孔15に冷却水6を供給し、この冷却水6が連絡孔15及び貫通孔14を通過してガラス管4と固体レーザロッド5との間に供給され、集光器3a及び3bを冷却する。その後、この冷却水6は他方のロッド支持部2内の貫通孔14及び連絡孔15を通過して、ポンプに還流する。また、他の冷却水路(図示せず)により、LD素子19が冷却される。
【0042】
本実施形態においては、2組の集光器3a及び3bを相互に平行に配置しているため、2組の集光器を直線状に配置する場合と比較して、集光器の長手方向におけるレーザ発振器1の長さを約半分とすることができる。これにより、レーザ発振器1を小型化でき、このレーザ発振器1を搭載するレーザ装置(図示せず)を小型化することができる。
【0043】
また、レーザ発振器1が小型であり、且つ、2本の集光器3a及び3bは共通のロッド支持部2により固定されているため、レーザ発振器1は剛性が高い。このため、外部から印加される振動及び温度変化、集光器の質量並びに経年変化による光軸アライメントのずれを小さく抑えることができる。この結果、レーザ発振器の安定性が向上する。
【0044】
更に、2本の固体レーザロッド5間に2枚のミラー10が設けられているため、各ミラー10を各固体レーザロッド5の光軸上に配置することができる。これにより、仮に、ロッドの取り付け位置がずれることにより、又は励起により熱レンズの中心位置がずれることにより、2本の固体レーザロッド5の光軸がずれ、光軸が相互に平行又はねじれの位置になっても、固体レーザロッド5を移動させずに、ミラー10の角度を調節するだけで、2本の固体レーザロッド5の光軸を相互に結合させることができる。このため、光軸を最適な状態に調整することが容易になり、しかも微妙な調整が可能になるため、レーザ発振器1のレーザ出力を向上させることができる。この結果、最適な状態で安定したレーザ発振が可能になる。なお、特許文献2に記載された従来のレーザ発振器のように、2本の固体レーザロッドを1枚のミラーにより光学的に結合する場合は、2本の固体レーザロッドの光軸が相互に平行又はねじれの位置になってしまった場合は、光軸を相互に完全に結合させることはできない。従って、固体レーザロッド自体を移動させて、光軸同士が交わるように調整する必要が生じ、光軸の調整に多大な時間がかかる。
【0045】
更にまた、本実施形態においては、各固体レーザロッド5の長手方向における近傍にはミラー10しか配置されていないため、ミラー10を外すだけで固体レーザロッド5を集光器3aの長手方向に抜き取ることができる。このため、固体レーザロッド5が破損した場合に、このロッドを簡単に交換できる、従って、本実施形態のレーザ発振器1は保守性が優れている。これに対して、図19に示すような従来のレーザ発振器においては、隣接する集光器が障害となり、集光器から、この集光器の長手方向にロッドを抜くことができない。なお、集光器の長手方向以外の方向にロッドを抜くことは、Oリング及び冷却水の配管等が邪魔になるため、困難である。従って、従来のレーザ発振器においては、レーザ発振器から集光器ごと外して、その後、ロッドを集光器の長手方向に抜く必要がある。そして、ロッドを交換した後は、再び集光器の位置合わせを高精度に行い、光軸を調整する必要がある。このため、従来のレーザ発振器においては、ロッドの交換に多大な時間がかかり、保守性が劣っている。
【0046】
更にまた、レーザ発振器1においては、集光器3が狭い領域に集中的に配置されているために、冷却水6の配管経路を簡略化できる。また、ポンプと集光器3a及び3bとの間の距離を短くできるため、配管内で生じる圧力損失を抑制することができる。また、レーザ発振器の各部分、即ち、固体レーザロッド及びLD素子等に同じ圧力の冷却水を供給できるため、各部分における冷却水の流量が安定し、レーザ発振器1の動作が安定する。
【0047】
更にまた、2本の集光器3a及び3bは共通のロッド支持部2により固定されているため、レーザ発振器1を構成する部品点数が減り、装置のコストを低減することができる。
【0048】
更にまた、ミラー10を光路11における固体レーザロッド5間の中心位置よりもロッドに近い位置に配置することができるため、ミラー10の反射面におけるレーザ光12のビームが太くなり、光密度が低くなる。これにより、ミラー10が損傷を受けにくくなり、レーザ発振器1の信頼性を向上させることができる。
【0049】
更にまた、従来のレーザ発振器においては、固体レーザロッドの周囲に、LD素子を5列以上配列させていた。LD素子の周囲には、このLD素子を冷却する冷却水路を設ける必要があるため、LD素子及び冷却水路からなる構造体の体積は、固体レーザロッドの直径に比較して大きいものとなる。このため、LD素子を5列以上配列させると、LD素子を固体レーザロッドに十分に近づけることができなかった。そして、LD素子から出射される励起レーザ光は広がり角度が大きいため、LD素子と集光器との間には、励起レーザ光を収束させるレンズ等の導波手段を設ける必要があった。また、固体レーザロッドを通過した励起レーザ光を反射して再度固体レーザロッドに入射させるための反射手段を、集光器の周囲に設ける必要があった。この結果、集光器の周囲に大掛かりな装置を設ける必要があり、相互に隣接する固体レーザロッド間の距離が大きくなっていた。
【0050】
一般に、固体レーザロッドを光学的に直列に接続したレーザ発振器においては、前述の熱レンズ効果により、ロッドから出力したレーザ光は一旦収束した後発散する。このため、1のロッドから出力したレーザ光の全て又は大部分を、このロッドの後段に配置された他のロッドに入射させるためには、ロッド間の距離を所定の値以下とする必要がある。しかしながら、集光器の周囲に大掛かりな装置を設けると、複数の集光器を相互に平行に配置したときに、ロッド間の光路が前述の所定の値よりも大きくなってしまい、レーザ発振器全体の効率が著しく低下し、動作しなくなることがある。
【0051】
これに対して、本実施形態においては、出力が十分に大きいLD素子を使用することにより、ロッドを励起するために、ロッドの周囲に3列のLD素子を配置すればよい。このため、LD素子を集光器に近づけることができ、LD素子から出射した励起レーザ光を直接集光器に入射させることができる。これにより、LD素子と集光器との間にレンズ等の導波手段を設ける必要がなくなる。また、ガラス管の外面に反射防止膜及び高反射膜を形成することにより、この高反射膜により、ロッドを通過した励起レーザ光を反射して再度ロッドに入射させることができる。このため、特別な反射手段を集光器の周囲に設ける必要がない。この結果、励起レーザ光をロッド全体に行き渡らせるための大掛かりな装置を必要とせず、集光器及びLD素子からなる構造体の直径を従来よりも小さくすることができる。例えば、本実施形態においては、この構造体の直径を従来の約(1/3)にすることができる。これにより、ロッド間の光路長を十分に短くすることができ、上述のような問題が発生しない。
【0052】
なお、特許文献3に示すように、ロッド間にレンズを配置してレーザ光を収束させる技術も開示されている。しかしながら、レーザ発振器を長期間に渡って使用すると、固体レーザロッドの特性が経年変化により変化する。一方、レンズの特性は経年変化しないため、レンズと固体レーザロッドとの間の整合性がとれなくなり、レーザ発振器の効率が低下する。また、レンズを設けることにより、レーザ発振器の構成が複雑化してしまう。
【0053】
更にまた、本実施形態においては、LD素子19の光軸が、LD素子19の出力端から固体レーザロッド5の中心軸に向かう方向に対してずれた方向に延びている。これにより、固体レーザロッド5内において、励起レーザ光19aを均一に分布させることができると共に、熱レンズ効果を弱めることができる。
【0054】
更にまた、本実施形態においては、ロッド支持部2の内部に冷却水6が流れているため、ロッド支持部2の温度は常に一定である。そして、ロッド支持部2にはホルダ7a乃至7dが取り付けられており、ホルダ7aには、全反射ミラー8が取り付けられており、ホルダ7dには部分反射ミラー9が取り付けられており、ホルダ7b及び7cには、夫々ミラー10が設けられている。これにより、本実施形態においては、全反射ミラー8、部分反射ミラー9及びミラー10の温度を一定に保つことができ、これらのミラーを冷却するための手段が不要になる。
【0055】
なお、上述の如く、本実施形態においては、LD素子19の光軸が固体レーザロッド5の中心軸を通らない例を示したが、LD素子の光軸が固体レーザロッドの中心軸を通るようにしてもよい。この場合、励起レーザ光がロッドの中心軸に集光されるため、励起レーザ光の均一性が低下すると共に熱レンズ効果が強まるものの、レーザ発振器の効率は向上する。
【0056】
また、固体レーザロッド5はYAGロッドに限定されず、GdVO4、YVO4、GSGG、GGG、YLF、ガラス材料又はセラミックス材料により形成されていてもよい。更に、冷却水6は脱イオン水に限定されず、例えば、脱イオン水にエチレングリコールを添加した不凍液であってもよい。冷却水として不凍液を使用すれば、固体レーザロッド5をより一層冷却することができる。更にまた、固体レーザロッドの周囲に配置するLD素子の列数は3列に限定されず、励起レーザ光を集光器に直接入射できる程度にLD素子を集光器に近づけることができ、且つ固体レーザロッドを励起するための出力を確保できればよく、例えば、2列以下又は4列であってもよい。
【0057】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は本実施形態に係るレーザ発振器を示す平面図である。図5に示すように、本実施形態に係るレーザ発振器21においては、1対のロッド支持部22が設けられ、この1対のロッド支持部22間に、3組の集光器23a乃至23cが設けられている。集光器23a乃至23cはこの順に、その軸が同一平面に配置され且つ相互に平行になるように配置されている。また、ロッド支持部22にはホルダ24a乃至24fが取り付けられており、集光器23aの軸上にはホルダ24a及び24bが配置され、集光器23bの軸上にはホルダ24c及び24dが配置され、集光器23cの軸上にはホルダ24e及び24fが配置されている。ホルダ24a、24d及び24eは同一のロッド支持部22に取り付けられており、ホルダ24b、24c及び24fは他のロッド支持部22に取り付けられている。集光器23a乃至23cの構成は、前述の第1の実施形態における集光器3a及び3bの構成と同じである。
【0058】
ホルダ24aには全反射ミラー8が取り付けられており、ホルダ24b乃至24eにはミラー10が取り付けられており、ホルダ24fには部分反射ミラー9が取り付けられている。これにより、全反射ミラー8、集光器23a、2枚のミラー10、集光器23b、2枚のミラー10、集光器23c、部分反射ミラー9が光学的に直列に結合され、光路25を形成している。本実施形態のレーザ発振器21における上記以外の構成及び動作は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0059】
本実施形態においては、3組の集光器を直列に結合することにより、前述の第1の実施形態と比較して、より大きなレーザ出力を得ることができる。また、従来のレーザ発振器と比較して、その長さを約(1/3)とすることができる。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0060】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図6は本実施形態に係るレーザ発振器を示す平面図であり、図7は本実施形態におけるロッド支持部を示す断面図である。図6に示すように、本実施形態に係るレーザ発振器31においては、1対のロッド支持部32が設けられ、この1対のロッド支持部32間に、4組の集光器33a乃至33dが設けられている。集光器33a乃至33dはこの順に、その軸が同一平面に配置され且つ相互に平行になるように配置されている。また、ロッド支持部32にはホルダ34a乃至34hが取り付けられており、集光器33aの軸上にはホルダ34a及び34bが配置され、集光器33bの軸上にはホルダ34c及び34dが配置され、集光器33cの軸上にはホルダ34e及び34fが配置され、集光器33dの軸上にはホルダ34g及び34hが配置されている。ホルダ34a、34d、34e及び34hは同一のロッド支持部32に取り付けられており、ホルダ34b、34c、34f及び34gは他のロッド支持部32に取り付けられている。
【0061】
ホルダ34aには全反射ミラー8が取り付けられており、ホルダ34b乃至34eにはミラー10が取り付けられており、ホルダ34hには部分反射ミラー9が取り付けられている。これにより、全反射ミラー8、集光器33a、2枚のミラー10、集光器33b、2枚のミラー10、集光器33c、2枚のミラー10、集光器33d、部分反射ミラー9が光学的に直列に結合され、光路35を形成している。
【0062】
図7は、ロッド支持部32における集光器33aの軸方向に直交する断面を示す図である。図7に示すように、ロッド支持部32には4個の貫通孔14が設けられており、1列に等間隔に配列されている。そして、ロッド支持部32の内部に4本の連絡孔15が設けられており、各連絡孔15は各貫通孔14とロッド支持部の外部とを夫々連通している。これにより、各貫通孔14には、相互に独立して冷却水6が供給され、貫通孔14を介して固体レーザロッド5(図6参照)に冷却水6を供給するようになっている。本実施形態のレーザ発振器31における上記以外の構成及び動作は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0063】
本実施形態においては、4組の集光器を直列に結合することにより、前述の第1及び第2の実施形態と比較して、より大きなレーザ出力を得ることができる。また、従来のレーザ発振器と比較して、その長さを約(1/4)とすることができる。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1の実施形態と同様である。なお、本発明においては、5組以上の集光器を結合することも可能である。
【0064】
次に、本実施形態の第1の変形例について説明する。図8は本変形例におけるロッド支持部を示す断面図である。図8に示すように、本変形例のロッド支持部32aにおいては、前述の第3の実施形態のロッド支持部32と異なり、連絡孔15aが直線状ではなく、貫通孔14を通過しない位置に形成された直線部15bと、この直線部15bから各貫通孔14に引き出された引出部15cとから形成されている。本変形例における上記以外の構成は、前述の第3の実施形態と同様である。
【0065】
本変形例においては、前述の第3の実施形態と比較して、連絡孔15aを1本にまとめることができ、形成する工程が簡略になる。但し、第3の実施形態と比較して、各固体レーザロッド5に供給する冷却水の圧力は、やや不均一になる。本変形例における上記以外の効果は、前述の第3の実施形態と同様である。
【0066】
次に、本実施形態の第2の変形例について説明する。図9は本変形例におけるロッド支持部を示す断面図である。図9に示すように、ロッド支持部32b内における貫通孔14間、及び4個の貫通孔14のうち端に位置する1個の貫通孔14とロッド支持部32bの外部との間には、連絡孔15dが直線状に形成されている。そして、貫通孔14及び連絡孔15dにより水路が形成されており、この水路を介して固体レーザロッド5(図6参照)に冷却水6を供給するようになっている。本変形例における上記以外の構成は、前述の第3の実施形態と同様である。
【0067】
本変形例においては、前述の第3の実施形態及びその第1の変形例と比較して、水路の構成をより簡略化することができる。但し、第3の実施形態及びその第1の変形例と比較して、各固体レーザロッド5に供給する冷却水の圧力はより不均一になる。本変形例における上記以外の効果は、前述の第3の実施形態と同様である。
【0068】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図10は本実施形態に係るレーザ発振器を示す平面図である。図10に示すように、本実施形態に係るレーザ発振器41においては、前述の第1の実施形態に係るレーザ発振器1と比較して、ホルダ7a(図1参照)の代わりにホルダ42aが設けられており、ホルダ7d(図1参照)の代わりにホルダ42bが設けられている。ホルダ42aにはミラー10が取り付けられており、ホルダ42bには部分反射ミラー43が取り付けられている。ホルダ42a内のミラー10の反射面は、集光器3aの固体レーザロッド5の光軸に対して約45°傾斜していると共に、このミラー10と部分反射ミラー43とを結ぶ直線に対して約45°傾斜している。また、部分反射ミラー43は集光器3bの固体レーザロッド5の光軸に対して約45°傾斜していると共に、前記ミラー10と部分反射ミラー43とを結ぶ直線に対して約45°傾斜している。このミラー10及び部分反射ミラー43は、反射面の角度が調節可能に設けられている。
【0069】
更に、ホルダ42bには、ホルダ42a内のミラー10と共に部分反射ミラー43を挟む位置に、全反射ミラー8が設けられている。これにより、ホルダ42a内に設けられたミラー10、集光器3a、ホルダ7bに設けられたミラー10、ホルダ7cに設けられたミラー10、集光器3b、部分反射ミラー43がループ状に光学的に結合され、光路44を形成する。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0070】
次に、本実施形態に係るレーザ発振器41の動作について説明する。LD素子(図4参照)が集光器3a及び3bの固体レーザロッド5に対して励起レーザ光を発振する。これにより、固体レーザロッド5が励起されてレーザ光12を発振する。このとき、ホルダ42aに設けられたミラー10から部分反射ミラー43に入射したレーザ光12の一部は部分反射ミラー43により反射されて、集光器3bに向かう。これにより、このレーザ光は光路44を、(集光器3b→ホルダ7cのミラー10→ホルダ7bのミラー10→集光器3a)の順(以下、反時計回りという)に周回する。レーザ光12の残部は、部分反射ミラー43を透過し、全反射ミラー8で反射される。この全反射ミラー8で反射されたレーザ光12の一部は部分反射ミラー43を透過し、光路44を、(ホルダ42aのミラー10→集光器3a)の順(以下、時計回りという)に周回する。残部は、部分反射ミラー43で反射されて、レーザ光13としてレーザ発振器41から出力される。また、集光器3bから部分反射ミラー43に入射したレーザ光12の一部は、部分反射ミラー43により反射されて、光路44を時計回りに周回する。残部は、部分反射ミラー43を透過し、レーザ光13としてレーザ発振器41から出力される。本実施形態における上記以外の動作は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0071】
一般に、レーザ光が集光器を通過すると、この集光器内の固体レーザロッドにおける種々の収差及び歪み等の影響を受け、通過する度にレーザ光の品質が劣化する。図19に示す従来のレーザ発振器101においては、レーザ光111が光路110における任意の位置から出発して光路110の全長を通過して元の位置に戻るためには、各集光器を2回ずつ通過する必要がある。これに対して、図10に示すように、本実施形態のレーザ発振器44においては、光路44がループ状に形成されているため、レーザ光12が光路44における任意の位置から出発して、光路44の全てを通過して元の位置に戻るために、各集光器を1回ずつ通過すればよい。このため、本実施形態のレーザ発振器においては、従来のレーザ発振器と比較して、レーザ光に及ぼすロッドの収差及び歪み等の影響を半分にすることができ、出力されるレーザ光13の品質を向上させることができる。本実施形態における前記以外の効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0072】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図11は本実施形態に係るレーザ発振器を示す平面図である。図11に示すように、本実施形態に係るレーザ発振器51においては、前述の第3の実施形態に係るレーザ発振器31と比較して、2本のロッド支持部32の端部を相互に結合するロッド支持結合部52が2本設けられており、各2本のロッド支持部32及びロッド支持結合部52により矩形の枠を形成している。即ち、ロッド支持結合部52は、その長手方向がロッド支持部32の長手方向に直交するように配置されており、1本のロッド支持結合部52が2本のロッド支持部32の各一端部に連結され、他のロッド支持結合部52がこの2本のロッド支持部32の各他端部に連結されている。本実施形態における上記以外の構成及び動作は、前述の第3の実施形態と同様である。
【0073】
本実施形態においては、ロッド支持部32及びロッド支持結合部52により矩形の枠が一体的に形成されているため、前述の第3の実施形態と比較して、レーザ発振器51の剛性がより一層向上する。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第3の実施形態と同様である。
【0074】
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。図12は本実施形態に係るレーザ発振器を示す平面図である。図12に示すように、本実施形態に係るレーザ発振器61においては、前述の第3の実施形態に係るレーザ発振器31と比較して、2本のロッド支持部32を相互に結合する板状のロッド支持結合部62が設けられている。ロッド支持結合部62は長方形の板状であり、2本のロッド支持部32はロッド支持結合部62上において、ロッド支持結合部62の相互に対向する1対の辺に相当する位置に固定されている。本実施形態における上記以外の構成及び動作は、前述の第3の実施形態と同様である。
【0075】
本実施形態においては、ロッド支持部32を板状のロッド支持結合部62により固定しているため、前述の第3及び第5の実施形態と比較して、レーザ発振器61の剛性がより一層向上する。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第3の実施形態と同様である。
【0076】
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。図13は本実施形態に係るレーザ発振器を示す平面図である。図13に示すように、本実施形態に係るレーザ発振器71においては、前述の第6の実施形態に係るレーザ発振器61と比較して、板状のロッド支持結合部72が2本のロッド支持部32の外側まで延出され、このロッド支持結合部72の延出部分に、全反射ミラー8、部分反射ミラー9及び6枚のミラー10が固定されている。また、前述の第6の実施形態におけるホルダ34a乃至34g(図12参照)は省略されている。本実施形態における上記以外の構成及び動作は、前述の第6の実施形態と同様である。
【0077】
本実施形態においては、板状のロッド支持結合部72が2本のロッド支持部32の外側まで延出されているため、前述の第6の実施形態と比較して、ホルダ34a乃至34g(図12参照)を省略することができる。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第6の実施形態と同様である。
【0078】
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。図14は本実施形態に係るレーザ発振器を示す平面図である。図14に示すように、本実施形態に係るレーザ発振器81においては、前述の第7の実施形態に係るレーザ発振器71と比較して、部分反射ミラー9が光路35の端部ではなく、光路35の中間部、即ち、光路35における集光器33bと集光器33cとの間の位置に設けられている。なお、LD素子は全ての集光器33a乃至33dの周囲に設けられている。本実施形態における上記以外の構成及び動作は、前述の第7の実施形態と同様である。
【0079】
本実施形態においては、前段の2組の集光器33a及び33bによりレーザ光を励起し、後段の2組の集光器33c及び33dによりレーザ光を増幅する。これにより、後段の集光器33c及び33dにおいてはレーザ光を往復させる必要がないため、前段の集光器33a及び33bと比較して、光軸の誤差に対する許容度が増加し、光軸の調整が容易になる。これにより、直列に結合する増幅器の数が増加しても、光軸調整の負担が増大することを抑制できる。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第7の実施形態と同様である。
【0080】
次に、本発明の第9の実施形態について説明する。図15は本実施形態に係るレーザ発振器を示す断面図である。図15に示すように、本実施形態に係るレーザ発振器91は、前述の第5の実施形態に係るレーザ発振器51と比較して、LD素子固定ブロック92a及び92bが設けられており、このLD素子固定ブロック92a及び92bに、半導体レーザ素子であるLD素子93が一体的に固定されている点が異なっている。LD素子93は励起レーザ光93aを固体レーザロッド5に対して出力するものである。LD素子93は、固体レーザロッド5毎に複数個ずつ設けられている。例えば、1本の固体レーザロッド5の周囲に、10個のLD素子93が直線的に配列された列が4列、合計で40個設けられている。また、LD素子固定ブロック92a及び92bには、各4個の半円筒形状の凹部94a及び94bが形成されており、LD素子固定ブロック92a及び92bが相互に重ね合わされることにより、この凹部94a及び94b内に集光器33a乃至33dを収納するようになっている。更に、LD素子固定ブロック92a及び92bは、方向95に沿って移動させることにより、レーザ発振器91に対して着脱可能となっている。本実施形態における上記以外の構成及び動作は、前述の第5の実施形態と同様である。
【0081】
本実施形態においては、LD素子93が破損した場合に、LD素子固定ブロック92a又は92bを取り外すことにより、LD素子93を容易に交換することができる。これにより、レーザ発振器91の補修が容易になる。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第5の実施形態と同様である。
【0082】
次に、本発明の第10の実施形態について説明する。図16は本実施形態に係るレーザ発振器を示す断面図であり、図17は本実施形態におけるLD素子固定ブロックを示す断面図であり、図18はこのLD素子固定ブロックを示す一部拡大断面図である。図16に示すように、本実施形態に係るレーザ発振器96においては、前述の第6の実施形態に係るレーザ発振器61と異なり、LD素子固定ブロック97a及び97bが設けられており、このLD素子固定ブロック97a及び97bに、半導体レーザ発振器であるLD素子93が一体的に固定されている。また、前述の第9の実施形態に係るレーザ発振器91と比較して、板状のロッド支持結合部62が設けられ、剛性のより一層の向上が図られている。
【0083】
図16及び図17に示すように、LD素子固定ブロック97aにおける集光器33a乃至33d側の表面には、各4個の半円筒形状の凹部98が形成されており、LD素子固定ブロック97bにおける集光器33a乃至33d側の表面は平坦になっている。そして、LD素子固定ブロック97a及び97bが、集光器33a乃至33dを挟むように、相互に重ね合わされることにより、この凹部98内に集光器33a乃至33dを収納するようになっている。また、LD素子固定ブロック97aは、方向99aに沿って移動可能に設けられ、レーザ発振器96への着脱が可能となっている。更に、LD素子固定ブロック97bは、方向99bに沿って移動可能に設けられており、レーザ発振器96に対して着脱可能となっている。
【0084】
図18に示すように、LD素子固定ブロック97aの両端部には夫々給水部100a及び排水部100bが設けられている。給水部100a及び排水部100bは例えばアクリルからなり、内部に水路が形成されており、集光器の両端部に相当する位置に配置されている。給水部100aと排水部100bとの間には、複数のLDモジュール100cが1列に配列されており、各LDモジュール100cには1個のLD素子93が搭載されている。複数のLDモジュール100cが相互に連結されて1列に配列されることにより、LDモジュール100cの配列方向に延びる1本の水路(図示せず)が形成されるようになっている。なお、図18には3個のLDモジュール100cしか図示されていないが、実際は例えば10個のLDモジュール100cが1列に配列されている。これにより、冷却水6は給水部100a、複数のLDモジュール100c、排水部100bをこの順に流れ、LD素子93を冷却するようになっている。また、LD素子固定ブロック97aにおいては、集光器毎にLDモジュール100cが2列ずつ設けられており、LD素子固定ブロック97bにおいては、集光器毎にLDモジュール100cが1列ずつ設けられている。本実施形態における上記以外の構成及び動作は、前述の第6の実施形態と同様である。
【0085】
本実施形態においては、LD素子93が破損した場合に、LD素子固定ブロック97a又は97bを取り外すことにより、LD素子93を容易に交換することができる。この結果、レーザ発振器96の補修が容易になる。また、LDモジュール100cを配列することにより、LD素子93を冷却する冷却水の水路を形成することができるため、この冷却水をLD素子93の近傍に供給する配管が不要になり、レーザ発振器の構成を簡略化することができる。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第6の実施形態と同様である。
【0086】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、複数の固体レーザロッドを光学的に直列に結合させた固体レーザ発振器において、固体レーザロッドをその光軸が相互に平行になるように配置することにより、固体レーザ発振器の形状が細長くなることを避け、小型化することができる。加えて、複数の固体レーザロッドをロッド結合部により一体的に連結することにより、固体レーザ発振器の剛性を高めることができる。この結果、光軸のずれを抑制し、動作の安定性を向上させることができる。更に、固体レーザロッドの光軸の延長部分にミラーを設けることにより、固体レーザロッドを移動させずに、ミラーの角度を調節するだけで、固体レーザロッドの光軸を相互に結合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るレーザ発振器を示す平面図である。
【図2】ロッド支持部と固体レーザロッドとの連結部を示す一部拡大断面図である。
【図3】固体レーザロッドの端部を示す一部拡大断面図である。
【図4】固体レーザロッド及び半導体レーザ素子を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るレーザ発振器を示す平面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るレーザ発振器を示す平面図である。
【図7】本実施形態におけるロッド支持部を示す断面図である。
【図8】本実施形態の第1の変形例におけるロッド支持部を示す断面図である。
【図9】本実施形態の第2の変形例におけるロッド支持部を示す断面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係るレーザ発振器を示す平面図である。
【図11】本発明の第5の実施形態に係るレーザ発振器を示す平面図である。
【図12】本発明の第6の実施形態に係るレーザ発振器を示す平面図である。
【図13】本発明の第7の実施形態に係るレーザ発振器を示す平面図である。
【図14】本発明の第8の実施形態に係るレーザ発振器を示す平面図である。
【図15】本発明の第9の実施形態に係るレーザ発振器を示す断面図である。
【図16】本発明の第10の実施形態に係るレーザ発振器を示す断面図である。
【図17】本実施形態におけるLD素子固定ブロックを示す断面図である。
【図18】このLD素子固定ブロックを示す一部拡大断面図である。
【図19】従来のレーザ発振器を示す平面図である。
【符号の説明】
1、21、31、41、51、61、71、81、91、96;レーザ発振器
2、22、32、32a、32b;ロッド支持部
3a、3b、23a〜23c、33a〜33d;集光器
4;ガラス管
5;固体レーザロッド
5a;ロッドホルダ
5b、5c;管状部分
5d、5e;端部
6;冷却水
7a〜7d、24a〜24f、34a〜34h、42a、42b;ホルダ
8;全反射ミラー
9;部分反射ミラー
10;ミラー
11、25、35、44;光路
12、13;レーザ光
14;貫通孔
14a、14b;部分
15、15a、15d;連絡孔
15b;直線部
15c;引出部
16a、16b、16c;Oリング
17a、17b;ワッシャ
18;ネジ
19;LD素子
19a;励起レーザ光
20a;反射防止膜
20b;高反射膜
43;部分反射ミラー
52、62、72;ロッド支持結合部
92a、92b、97a、97b;LD素子固定ブロック
93;LD素子
93a;励起レーザ光
94a、94b、98;凹部
95、99a、99b;方向
100a;給水部
100b;排水部
100c;LDモジュール
101;レーザ発振器
102;基台
103;集光器
104;ガラス管
105;固体レーザロッド
106;冷却水
107;ロッド支持部
108;全反射ミラー
109;部分反射ミラー
110;光路
111;レーザ光
O;中心軸
Claims (14)
- 光軸が相互に平行になるように配置された複数の固体レーザロッドと、この固体レーザロッドを励起するレーザ素子と、1の前記固体レーザロッドの光軸の一方の延長部分に配置された全反射ミラーと、他の前記固体レーザロッドの光軸の一方の延長部分に配置された部分反射ミラーと、前記複数の固体レーザロッドの光軸の延長部分のうち前記全反射ミラー及び前記部分反射ミラーが配置されていない部分に配置され前記複数の固体レーザロッドのうち2の固体レーザロッドを光学的に相互に結合する1対又は複数対のミラーと、単一の部材により前記複数の固体レーザロッドを一体的に連結するロッド支持部と、を有し、前記複数の固体レーザロッドが光学的に直列に結合されていることを特徴とする固体レーザ発振器。
- 前記ロッド支持部が前記全反射ミラー、前記部分反射ミラー及び前記ミラーを支持していることを特徴とする請求項1に記載の固体レーザ発振器。
- 内部に各1本の前記固体レーザロッドを収納する透明管を複数本有し、前記ロッド支持部には、前記固体レーザロッドを嵌合させて保持する貫通孔と、この貫通孔と前記ロッド支持部の外部とを連通する連絡孔と、が設けられており、この連絡孔及び貫通孔を介して、前記透明管と前記固体レーザロッドとの間にこの固体レーザロッドを冷却する冷却液が流されることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体レーザ発振器。
- 前記ロッド支持部が複数の支持部材を有し、この複数の支持部材のうち1の支持部材が前記複数の固体レーザロッドの夫々の一端部に連結され、他の支持部材が前記複数の固定レーザロッドの夫々の他端部に連結されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固体レーザ発振器。
- 前記貫通孔及び前記連絡孔が前記1の支持部材及び前記他の支持部材の双方に形成されており、前記1の支持部材に形成された前記連絡孔及び貫通孔を介して前記透明管と前記固体レーザロッドとの間に前記冷却液が供給され、前記他の支持部材に形成された前記貫通孔及び連絡孔を介して前記透明管と前記固体レーザロッドとの間から前記冷却液が排出されることを特徴とする請求項4に記載の固体レーザ発振器。
- 全ての前記支持部材に連結されたロッド支持結合部を有することを特徴とする請求項4に記載の固体レーザ発振器。
- 前記ロッド支持結合部が複数の結合部材を有し、この複数の結合部材のうち、1の結合部材が全ての前記支持部材の一端部に連結され、他の結合部材が全ての前記支持部材の他端部に連結されていることを特徴とする請求項5に記載の固体レーザ発振器。
- 前記ロッド支持結合部が板状の形状を有する部材であることを特徴とする請求項6に記載の固体レーザ発振器。
- 前記部分反射ミラーが、この部分反射ミラーがその光軸の延長部分に配置されている固体レーザロッドから出力されたレーザ光の一部を、他の固体レーザロッドの光軸の延長部分に位置する前記ミラーに向けて反射するように配置されており、この部分反射ミラー、前記ミラー及び全ての前記固体レーザロッドによりループ状の光路が形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の固体レーザ発振器。
- 前記レーザ素子を保持すると共に、前記固体レーザロッドに対して着脱可能な固定ブロックを有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の固体レーザ発振器。
- 前記レーザ素子が半導体レーザ素子であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の固体レーザ発振器。
- 前記透明管の表面における前記レーザ素子が発振する励起レーザ光が透過する領域に形成され前記透明管における前記励起レーザ光の反射を抑制して透過率を向上させる反射防止膜と、前記透明管の表面における前記反射防止膜が形成されていない領域の少なくとも一部に形成され前記透明管の内部を通過した前記励起レーザ光を反射する反射膜と、を有し、前記レーザ素子が発振する励起レーザ光が前記透明管に直接入射することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の固体レーザ発振器。
- 前記レーザ素子が、光軸が前記固体レーザロッドにおける中心軸からずれた部分を通過するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の固体レーザ発振器。
- 前記レーザ素子が、光軸が前記固体レーザロッドにおける中心軸を通過するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の固体レーザ発振器。
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