JPWO2005100543A1 - L‐乳酸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、原料コスト、培地コスト、設備コスト等の製造コストを低減し、純度の高いL−乳酸を安価に提供するための製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。本発明は、配列番号1で示される16S rDNAの塩基配列を有するバチルス(Bacillus)属の新種、又は、バチルス属の新種であるSANK 70182株(FERM BP−08672)と、資化可能な炭素源とを用いるL−乳酸の製造方法である。また、木質系バイオマスを加水分解して糖を含む基質を得る第一工程と、前記バチルス属の新種又は前記SANK 70182株を用いて前記基質を乳酸発酵する第二工程とを有し、前記基質を加熱殺菌せず、前記第二工程において発酵温度を45〜60℃とすることを特徴とするL−乳酸の製造方法である。

Description

本発明は、生分解性プラスチックの材料等として用いられる乳酸、特にL−乳酸の製造方法に関する。
近年、生分解性プラスチックであるポリ乳酸(PLA)等の原料として、L−乳酸の需要が拡大している。
従来、L−乳酸は、グルコース等の糖を含む基質を、乳酸発酵を行う微生物を用いて発酵させる方法で製造されており、近年は、基質の原料としてトウモロコシを用いて大規模に製造されており、製造コストが低下してきている。
糖から乳酸等の酸を生産する微生物としてよく知られているものとして、ラクトバチルス(Lactobacillus)属等の乳酸菌やリゾプス(Rhizopus)属等のカビが挙げられる。しかし、リゾプス属は発酵に通気を必要とし、糖に対する乳酸収率が低く(70%程度)、時間当たりの乳酸生産性が低いという欠点を有していた。また、ラクトバチルス属は、栄養要求性が高いという欠点を有していた。
そこで、ラクトバチルス属等よりも栄養要求性が低く乳酸発酵を行う微生物として、例えば、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・チューリゲンシス(Bacillus thuringiensis)等のバチルス(Bacillus)属の特定の微生物を用いる方法が提案されている(例えば、特開平9−121877号公報参照。)。
しかし、特許文献1に記載のバチルス属が生育あるいは乳酸発酵を行う至適温度は例えば40℃以下であり、乳酸発酵を他の多くの微生物、特に大腸菌、酵母など増殖の速い微生物の生育に適した温度範囲で行わざるを得なかった。したがって、これらの微生物によるコンタミネーションを防ぐためには、基質を発酵工程の前に加熱殺菌する必要があった。即ち、加熱殺菌のためのエネルギーや装置を必要とした。さらに、発酵中のコンタミネーションを防止するための付加設備を設置する必要があるので、設備コストが大きくならざるをえなかった。
高温で生育、乳酸発酵を行うことが可能な微生物としては、有胞子性乳酸菌であるバチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)が知られていたが、この微生物は、特許文献1において、特許文献1に記載の発明に用いられる微生物と比べ栄養要求性が高く、生産されるL−乳酸の光学純度が70%未満であるとされており、これを用いた乳酸の大規模な製造は検討されていなかった。
このことにより、製造装置において加熱殺菌を行うための機構を設けることや、製造に際して加熱のためのエネルギーを用いること等が依然として必要であり、L−乳酸を製造するための総コストの低減には限界があった。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、原料コスト、培地コスト、設備コスト等の製造コストを低減し、純度の高いL−乳酸を安価に提供するための製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、胞子を形成し、高温培養で多量のL−乳酸を生産する微生物を自然界にもとめ、バチルス属の新種であるSANK 70182(FERM BP−08672として寄託された)株の分離に成功した。その結果、当該SANK 70182株と、安価で入手しやすい木質系バイオマスから得られる基質とを用いて、純度の高いL−乳酸を実際に生産し得ることを明らかにし、基質の加熱殺菌を行わずともコンタミネーションを生じないことを見出した。
また本発明者らは、胞子を形成したSANK 70182株を用いることで、乳酸発酵を行う微生物の取り扱い性を向上させ、生産性の制御の容易化と、さらなるコストの低減が可能であることを見出した。
即ち、本発明は、配列番号1で示される16S rDNAの塩基配列を有するバチルス(Bacillus)属の新種である。また、バチルス属の新種であるSANK 70182株(FERM BP−08672)である。さらに、配列番号1で示される16S rDNAの塩基配列を有するSANK 70182株である。
本発明のL−乳酸の製造方法は、前記バチルス属の新種、又は前記SANK 70182株と、資化可能な炭素源とを用いる。
また、本発明のL−乳酸の製造方法は、木質系バイオマスを加水分解して糖を含む基質を得る第一工程と、前記バチルス属の新種、又はSANK 70182株を用いて前記基質を乳酸発酵する第二工程とを有し、前記基質を加熱殺菌せず、前記第二工程において発酵温度を45〜60℃とすることを特徴とする。
ここで、前記木質系バイオマスは、古紙であることが好ましい。
前記バチルス属の新種、又は前記SANK 70182株の、胞子を用いることが好ましい。
本発明のL−乳酸の製造装置は、上記本発明のL−乳酸の製造方法に用いられることを特徴とする。
本発明のL−乳酸の製造方法によれば、原料コスト、培地コスト、設備コスト等の製造コストを低減し、純度の高いL−乳酸を安価に提供することができる。
図1は、16S rDNAの塩基配列に基づき作成したSANK 70182株の系統樹である。
図2は、実施例2における、発酵培地中の糖濃度、酸濃度、乾燥菌体重量の経時変化を示すグラフである。
図3は、実施例3における、発酵培地中の糖濃度、酸濃度、乾燥菌体重量の経時変化を示すグラフである。
本発明のL−乳酸の製造方法(以下、「乳酸の製造方法」という場合がある)は、木質系バイオマスを加水分解して糖を含む基質を得る第一工程と、配列番号1で示される16S rDNAの塩基配列(以下、「特定塩基配列」という場合がある)を有するバチルス(Bacillus)属の新種、又はバチルス属の新種であるSANK 70182株(FERM BP−08672)を用いて前記基質を乳酸発酵する第二工程とを有し、前記基質を加熱殺菌せず、前記第二工程において発酵温度を45〜60℃とすることを特徴とする。
まず、木質系バイオマスを加水分解して糖を含む基質を得る第一工程を行う。
木質系バイオマスとしては、例えば、古紙、木材、農業廃棄物等が挙げられる。
古紙としては、例えば、オフィス紙の古紙(以下「オフィス古紙」という)、雑誌、段ボール紙、新聞紙等が挙げられる。木材としては、例えば、建設系廃木材、間伐材、林地残材、製紙廃液等を用いることができる。また農業廃棄物としては、例えば、籾殻、稲わら、麦わら、トウモロコシの茎・葉、バガス等を用いることができる。
木質系バイオマスとしては、上記のように、古紙、農業廃棄物は勿論のこと、建設系廃木材等を用いることができるので、入手が容易で非常に安価であり、L−乳酸を製造する際の原料コストを低減することができる。
上記の木質系バイオマスの中でも、特に古紙はセルロース分を多く含み、且つリグニン分が少ないので、薬品や熱を用いた前処理をしなくても酵素によって比較的容易に加水分解される。このような理由から、古紙を用いることが好ましい。
木質系バイオマスは、加水分解を行うために予め前処理しておくことが好ましい。前処理としては、例えば、古紙の場合、裁断、離解(パルピング)、乾式による繊維化を行い、木材の場合、硫酸や水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を添加し加熱処理したり、爆砕処理等を行う。
加水分解の方法としては特に制限はないが、例えば、前処理された木質系バイオマスを分散させた分散液に、セルラーゼなどの酵素を添加することにより行うことができる。セルラーゼを添加する方法として、セルラーゼを生産する微生物、例えばトリコデルマ・リーセイ等の培養液を上記の分散液に加えることもできる。また、加水分解の方法として、酸、アルカリ等を上記分散液に作用させる方法を用いてもよい。
このように木質系バイオマスを加水分解すると、主としてグルコース、キシロース、マンノース、セロビオースなどの糖を含む溶液が得られ、この溶液をそのまま、あるいは濃縮することにより糖濃度を高めて、後述の乳酸発酵における基質として用いることができる。ここで、得られた基質の加熱殺菌は行わないが、コンタミネーションを防止するため直ちに発酵工程に供することが望ましい。
次いで、第一工程で得られた基質を、微生物として、上記の特定塩基配列を有するバチルス属の新種、又は、バチルス属の新種であるSANK 70182株を用いて乳酸発酵する第二工程を行う。
ここで、バチルス属の新種であるSANK 70182株を用いることができ、当該SANK 70182株の変異株を用いてもよい。SANK 70182の変異株を用いる場合、16S rDNAの塩基配列が配列番号1で示される変異株が好ましく用いられる。
バチルス(Bacillus)属の新種であるSANK 70182株(以下、「SANK 70182株」と称する場合がある)は、グルコースやキシロースなどから多量の乳酸を生産する性質を有する。
SANK 70182株は、乳酸発酵を行うために通気を必要としない。
したがって、前記第二工程を嫌気的に行うことができ、製造装置において通気機構を設けないことで、運転および設備コストを低減することができる。
なお、SANK 70182株は、ラクトバチルス(Lactobacillus)属細菌と異なりカタラーゼ活性を有するので、好気条件下でも増殖することができ、第二工程の実施中に菌体増殖を優先させる場合には、製造装置において通気機構を設けて、通気を行っても良い。
第二工程において、前記基質は滅菌することなく用いる。また、第二工程において、発酵温度は45〜60℃とする。
SANK 70182株は耐熱性を有し、生育温度は27〜60℃で、乳酸生産のための最適温度は45〜50℃であり、この温度では他の多くの微生物は生育できない。また、生産した乳酸が発酵槽中に蓄積することによって、他の微生物の生育を阻害する効果もある。したがって、培地を滅菌しなくても、発酵温度を制御することによってSANK 70182株が優先的に生育するような環境にすることが可能なため、基質を加熱殺菌したり、発酵容器にコンタミネーション防止の機構を設けたりする必要がなく、発酵設備のコストを低減することができる。
また、栄養要求性については、例えば、多量の乳酸を生成することが知られているラクトバチルス(Lactobacillus)属細菌は酵母エキス、ペプトンなど比較的高価な栄養源を必要とするのに対し、SANK 70182株は利用可能な炭素源に安価なコーンスティープリカー(CSL)と少量の無機塩のみを含む培地で生育可能であって、比較的栄養要求性が低く、培地コストは低く抑えられる。
例えばSANK 70182株を用いて前記基質を乳酸発酵する方法としては、発酵容器に炭素源である基質、CSL等の窒素源、硫酸マグネシウム等の無機塩を含む発酵培地に、前記SANK 70182株の培養液、乾燥菌体または胞子を添加し、上記温度範囲で一定時間培養し、実施することができる。このとき、培地のpHは通常6〜8である。また、上記温度範囲で培養する時間は特に限定されないが、通常20時間〜50時間である。
このように、上記特定塩基配列を有するバチルス属の新種、又は前記SANK 70182株を用い、前記基質を乳酸発酵することにより、L−乳酸の光学純度の高い(例えば、(L−D)/(D+L)×100で定義されるL−乳酸の光学純度が90%以上の)乳酸が得られる。このとき、糖に対する乳酸収率、乳酸生産性(時間当たり乳酸生産量)も高い。
特定塩基配列を有するバチルス属の新種、又は前記SANK 70182株としては、胞子を用いることが好ましい。
例えば、発酵容器に窒素源、少量の無機塩類、及び前記基質を入れて発酵培地を調製し、この発酵培地に胞子を形成した前記SANK 70182株の菌体を、シード(以下、「シード」という)として添加することができる。
SANK 70182株の特徴として、温度、pH、栄養条件等によって胞子を形成することが挙げられる。例えば、予め、40〜60℃、pH6〜8で培養し、糖が欠乏した状態で培養を継続することにより、胞子を形成させることができる。バチルス(Bacillus)属細菌の胞子は一般的に乾燥や高温、また環境の変化に対して安定で、長期間保存が可能である。
胞子は環境条件を整えると速やかに発芽し、生育するので、乳酸発酵の前段にシード培養(予備培養)を行う必要がなく、ストックした胞子を一定量添加することによって発酵を行うことができる。したがって、シード培養に必要な時間、エネルギー、予備培養槽などの装置、等を削減することができ、コストを削減することができるとともに、添加する胞子の量を調整することによって、生産速度や総生産量の制御を容易に行うことができる。また、培養槽を木質系バイオマスの発生場所に立地させることができ、その輸送に必要な時間・コストを低減することができる。
また、胞子は乾燥に強いため、SANK 70182株などの胞子を乾燥、粉末化して保存、輸送することができる。このように乾燥して粉末化したものを用いれば、大量培養に容易に対応可能となるだけでなく、取り扱いが簡便となり、菌の保存・輸送コストを低減することができる。上述のように菌体が取り扱いやすいため、菌体の管理において熟練した技術が必要なく、自動化が容易となる。
このようにして得られた乳酸は、高純度のL−乳酸を含み、効率よくL−乳酸を回収して、ポリ乳酸等の生分解性プラスチック等の原料として用いることができる。
本発明の製造方法に用いられる製造装置は、微生物を予備培養するための予備発酵槽を有さず、基質を加熱殺菌するための殺菌機構を有さず、コンタミネーション防止機構を有さないものとして構成することができる。例えば、前記第一工程を行うための糖化槽と、前記第二工程を行うための発酵槽のみからなり、糖化槽と発酵槽が互いに配管により連通されたものとして構成することができる。したがって、設備コストの大幅な削減ができる。
例えば、上述の前処理の施された木質系バイオマスを糖化槽に供給し、糖化槽において前記第一工程を完了して基質を得た後に、該基質を配管を介して発酵槽に移送して、前記第二工程を開始することができる。また、前記第一工程による加水分解と、得られた基質の発酵槽への移送と、前記第二工程による乳酸発酵とを、並行して進行させてもよい。
さらに別の形態として、糖化槽と発酵槽とを互いに独立に設け、第一工程により得られた基質を糖化槽からいったん別の容器に回収し、運搬して、発酵槽に供給し、その後第二工程を行ってもよい。
以上説明したように、本発明によれば、装置の簡略化、発酵設備のコスト低減、乳酸の原料コストの低減、培地の栄養源コストの低減が実現され、かつ高純度のL−乳酸を含んだ乳酸を得ることができる。このことにより、大幅にコストを低減して、L−乳酸を得ることができるようになり、生分解性プラスチック等の材料をより安価に提供できる。
本発明者らは、収集した細菌の中から高温培養で糖から酸を生成する細菌100株を選抜し、さらにフラスコ培養で決定した培養条件でL−乳酸高生産株を選抜した。当該培養条件で高い対糖変換率を示した株を中心に、各種古紙糖化液からの乳酸発酵をジャーファーメンターを用いて比較検討し、バチルス(Bacillus)属の新種として見出したSANK 70182株、又は、配列番号1で示される16S rDNA塩基配列(「特定塩基配列」)を有するバチルス属の新種が、資化可能な炭素源からのL−乳酸の製造において、耐熱性、光学純度、乳酸生産能について特にすぐれた特性を有することを見出した。ここで、資化可能な炭素源としては、上述した木質系バイオマスの糖化液以外に、糖蜜、デンプン質の糖化液等が利用可能である。
このように資化可能な炭素源からL−乳酸を製造する場合、微生物を予備培養するための予備発酵槽を有さず、基質を加熱殺菌するための殺菌機構を有さず、コンタミネーション防止機構を有さない上述の製造装置を用いることができる。
なお、資化可能な炭素源からのL−乳酸の製造において、上記特定配列を有するバチルス属の新種、又は前記SANK 70182株の胞子を用いることが好ましい。
バチルス(Bacillus)属の新種であるSANK 70182株は、埼玉県新座市の堆肥から分離された株である。
SANK 70182株の分類学的性状は次に示す通りである。
1.形態学的性状
普通寒天培地(栄研)で45℃、24時間培養後の観察では、細胞が幅1μm、長さが4−6μmの桿菌であり、運動する。グラム染色は、陽性である。培養72時間後には、タマゴ型または長い楕円の胞子が細胞の端に形成され、胞子を形成した細胞の端が膨張する。
2.培養学的性状
普通寒天培地(栄研)で45℃、48時間培養後のコロニーは扁平、周辺は波状である。コロニーの色調は灰味茶黄で、鈍光を有する。
3.生理学的性状
(1)カタラーゼ:+
(2)好気条件下での生育:+
(3)嫌気条件下での生育:+
(4)酸の生成
D−グルコース:+
D−キシロース:+
L−アラビノース:+
D−マンニトール:−
可溶性でんぷん:+
(5)硝酸塩の還元:+
(6)ガスの生成:−
(7)カゼインの分解:−
(8)ゼラチンの分解:−
(9)VP試験:+
(10)生育温度
27℃:+(微弱)
40℃:+
45℃:+(良好)
50℃:+(良好)
55℃:+
65℃:−
(11)NaCl含有培地での生育
5%:+
7%:−
4.遺伝学的性状
(1)G+C含量:46.6%
(2)16S rDNAの解析:解読した塩基配列(463)(配列番号1で示される)の38−463塩基部分をジーンバンク(GenBank)に登録されている細菌の各種の基準株のデータと比較し、サイトウ・エヌ・エンド・エム・ネイ、モル・バイオ・エボル(Saitou N.,and M.Nei,Mol.Bio.Evol.)4、406−425(1987年)の近隣結合法により系統解析したところ図1に示す結果が得られ、系統的にはバチルス(Bacillus)属に属した(図1)。しかし、最も近接であるバチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)の基準株とは8塩基異なった。
SANK 70182株のD−キシロースからの酸の生成、L−アラビノースからの酸の生成、硝酸塩の還元と5%NaCl含有培地での生育は陽性であり、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)の基準株のこれらの性状は陰性であった。SANK 70182株は、生理学的性状と16S rDNAの塩基配列からバチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)とは明確に区別できる。よって、SANK 70182株は、バチルス(Bacillus)属の新種と同定された。
SANK 70182株は、「バチルス(Bacillus)属の新種 SANK 70182」として2004年3月29日、日本国茨城県つくば市東1−1−1中央第6の独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに国際寄託され、受託番号FERM BP−08672を付与された。
[実施例1]
下記実験条件において、SANK 70182株の生産する乳酸量と乳酸の光学純度を測定した。
(シード)
予め、スラント固体培地を用いてSANK 70182株を37℃で培養し、保存用スラントとした。
保存用スラントからコロニーを約10mm×10mm採取し、下記組成の発酵培地に添加して、下記培養条件で培養した。
(発酵培地)
炭素源:グルコース、100g/L
窒素源:CSL、20g/L
無機塩:MgSO・7HO、0.3g/L
pH調整:CaCO、40g/L(培養初期に添加)
(培養条件)
発酵容器:200mL三角フラスコ、液量50mL、シリコーンゴム栓
温度:47℃
振とう:往復80rpm
(分析)
培養終了後、培養液を遠心分離し、遠心上清中のL−乳酸、D−乳酸の濃度を、ロシュ・ダイアグノスティック社製「F−キット D−乳酸/L−乳酸)を用いた酵素法によって分析した。
培養40時間後の上清の乳酸の量は55.7g/L、その中のL−乳酸の量は54.4g/L、D−乳酸の量は1.3g/Lであり、L−体の光学純度は95.3%であった。
なお、L−乳酸の光学純度は、次式により算出した。
L−乳酸の光学純度(%)=(L−D)/(D+L)×100
ここで、LはL−乳酸の濃度、DはD−乳酸の濃度(L−乳酸の濃度と同一の単位とする)を示す。
[実施例2]
木質系バイオマスを原料として用い、下記条件で基質の調整および乳酸発酵を行った。
木質系バイオマス:オフィス古紙を用いた。
菌株:バチルス(Bacillus)属の新種であるSANK 70182株(FERM BP−08672)
シード:炭素源としてグルコースを用い、60時間培養し、胞子を形成させた培養液を1ヶ月冷蔵保存したものを用いた。
(第一工程)
オフィス古紙10w/w%分散液に、セルラーゼ(「セルロシン T2」、エイチビイアイ製)をオフィス古紙に対して5w/w%添加し、45℃、pH4.5にて48時間処理して加水分解した後、吸引濾過した濾液を回収して、基質となる古紙糖化液を得た。
(第二工程)
得られた基質を炭素源として、下記組成の発酵培地を調整した。この発酵培地に、上記で得られたシードを5v/v%添加し、下記培養条件で48時間培養することにより乳酸発酵を行った。
(発酵培地)
炭素源:古紙糖化液
窒素源:CSL、20g/L
無機塩:MgSO・7HO、0.3g/L
pH調整:5mol/Lアンモニア水溶液でpH7.0に制御した。
(培養条件)
発酵容器:5Lジャーファーメンター、液量2L
温度:45℃
攪拌:80rpm
通気:なし
第二工程において、発酵培地中の乳酸、酢酸、糖類[グルコース(Glu)、キシロース(Xyl)、マンノース(Man)、セロビオース(Cello)]の濃度、及び乾燥菌体重量を経時的に測定した。測定においては、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用い、カラムはBioRad社製「HPX−87P」を用いた。結果を図2に示す。以下、図2、3において、左縦軸は有機酸(乳酸、酢酸)、糖類の濃度を示し、右縦軸は乾燥菌体重量を示し、横軸は培養時間を示す。
また、得られた乳酸について、上記と同様の方法でL−体の光学純度を求めたところ、D−乳酸の濃度が1.2g/L、L−乳酸の濃度が48.6g/L、L−体の光学純度が95.2%であった。
[実施例3]
木質系バイオマスとして雑誌古紙を用いた以外は、実施例2と同様に乳酸発酵を行い、実施例2と同様に発酵培地中の物質の量を測定した。結果を図3に示す。
得られた乳酸において、D−乳酸の濃度が2.2g/L、L−乳酸の濃度が39.6g/L、L−体の光学純度が89.5%であった。
[比較例1]
第二工程において、発酵温度を35℃とした以外は、実施例2と同様にして乳酸を製造した。その結果、乳酸の生産量が低下した。なお、実施例2と同様にL−体の光学純度を求めたところ、89%であった。
[比較例2]
基質としてデンプンの糖化液を用いた以外は実施例2と同様にして乳酸を製造した。生産性は良好であったが実施例2よりもコストが高かった。なお、D−乳酸の濃度が5.8g/L、L−乳酸の濃度が61.2g/L、L−体の光学純度が82.7%であった。
図2、3から明らかなように、実施例2、3では、いずれも1ヶ月冷蔵保存していたシードを使用したにも関らず、発酵が速やかに進行した。
グルコースは20時間程度でほぼ全て消費され、乳酸生産量もこれに連動して0時間〜20時間の間で大きく増加した。古紙糖化液において糖の10%程度を占めていたキシロースは、グルコースに比べ消費される速度が遅いものの、実施例3では30時間でほぼ100%消費され、実施例2では70時間で80%程度消費された。発酵率、即ち糖に対する乳酸収率は仕込んだ基質中の糖ベースで実施例2、3につきそれぞれ75%、90%であった。また消費した糖ベースでそれぞれ77%、92%であった。
また、実施例で得られた乳酸は、L−体の光学純度が高く、ポリ乳酸の原料を得るために良好なものであった。
一方、発酵温度を35℃とした比較例1では、乳酸の生産量が低下し、効率が悪かった。
本発明は、生分解性プラスチックの材料等として用いられる乳酸、特にL‐乳酸の製造方法に関する。
近年、生分解性プラスチックであるポリ乳酸(PLA)等の原料として、L‐乳酸の需要が拡大している。従来、L‐乳酸は、グルコース等の糖を含む基質を、乳酸発酵を行う微生物を用いて発酵させる方法で製造されており、近年は、基質の原料としてトウモロコシを用いて大規模に製造されており、製造コストが低下してきている。
糖から乳酸等の酸を生産する微生物としてよく知られているものとして、ラクトバチルス(Lactobacillus)属等の乳酸菌やリゾプス(Rhizopus)属等のカビが挙げられる。しかし、リゾプス属は発酵に通気を必要とし、糖に対する乳酸収率が低く(70%程度)、時間当たりの乳酸生産性が低いという欠点を有していた。また、ラクトバチルス属は、栄養要求性が高いという欠点を有していた。
そこで、ラクトバチルス属等よりも栄養要求性が低く乳酸発酵を行う微生物として、例えば、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・チューリゲンシス(Bacillus thuringiensis)等のバチルス(Bacillus)属の特定の微生物を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)
しかし、特許文献1に記載のバチルス属が生育あるいは乳酸発酵を行う至適温度は例えば40℃以下であり、乳酸発酵を他の多くの微生物、特に大腸菌、酵母など増殖の速い微生物の生育に適した温度範囲で行わざるを得なかった。したがって、これらの微生物によるコンタミネーションを防ぐためには、基質を発酵工程の前に加熱殺菌する必要があった。即ち、加熱殺菌のためのエネルギーや装置を必要とした。さらに、発酵中のコンタミネーションを防止するための付加設備を設置する必要があるので、設備コストが大きくならざるをえなかった。
高温で生育、乳酸発酵を行うことが可能な微生物としては、有胞子性乳酸菌であるバチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)が知られていたが、この微生物は、特許文献1において、特許文献1に記載の発明に用いられる微生物と比べ栄養要求性が高く、生産されるL‐乳酸の光学純度が70%未満であるとされており、これを用いた乳酸の大規模な製造は検討されていなかった。
このことにより、製造装置において加熱殺菌を行うための機構を設けることや、製造に際して加熱のためのエネルギーを用いること等が依然として必要であり、L‐乳酸を製造するための総コストの低減には限界があった。
特開平9−121877号公報
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、原料コスト、培地コスト、設備コスト等の製造コストを低減し、純度の高いL‐乳酸を安価に提供するための製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、胞子を形成し、高温培養で多量のL‐乳酸を生産する微生物を自然界にもとめ、バチルス属の新種であるSANK 70182(FERM BP−08672として寄託された)株の分離に成功した。その結果、当該SANK 70182株と、安価で入手しやすい木質系バイオマスから得られる基質とを用いて、純度の高いL‐乳酸を実際に生産し得ることを明らかにし、基質の加熱殺菌を行わずともコンタミネーションを生じないことを見出した。
また本発明者らは、胞子を形成したSANK 70182株を用いることで、乳酸発酵を行う微生物の取り扱い性を向上させ、生産性の制御の容易化と、さらなるコストの低減が可能であることを見出した。
即ち、本発明は、配列番号1で示される16S rDNAの塩基配列を有するバチルス(Bacillus)属の新種である。また、バチルス属の新種であるSANK 70182株(FERM BP−08672)である。さらに、配列番号1で示される16S rDNAの塩基配列を有するSANK 70182株である。
本発明のL‐乳酸の製造方法は、前記バチルス属の新種、又は前記SANK 70182株と、資化可能な炭素源とを用いる。
また、本発明のL‐乳酸の製造方法は、木質系バイオマスを加水分解して糖を含む基質を得る第一工程と、前記バチルス属の新種、又はSANK 70182株を用いて前記基質を乳酸発酵する第二工程とを有し、前記基質を加熱殺菌せず、前記第二工程において発酵温度を45〜60℃とすることを特徴とする。ここで、前記木質系バイオマスは、古紙であることが好ましい。前記バチルス属の新種、又は前記SANK 70182株の、胞子を用いることが好ましい。
本発明のL‐乳酸の製造装置は、上記本発明のL‐乳酸の製造方法に用いられることを特徴とし、糖化槽、及び発酵層を備え、当該糖化槽及び発酵層が互いに配管により連通されたものであって、微生物を予備培養するための予備発酵層を有さず、基質を加熱殺菌するための殺菌機構を有さない
本発明のL‐乳酸の製造方法によれば、原料コスト、培地コスト、設備コスト等の製造コストを低減し、純度の高いL‐乳酸を安価に提供することができる。
本発明のL‐乳酸の製造方法(以下、「乳酸の製造方法」という場合がある)は、木質系バイオマスを加水分解して糖を含む基質を得る第一工程と、配列番号1で示される16S rDNAの塩基配列(以下、「特定塩基配列」という場合がある)を有するバチルス(Bacillus)属の新種、又はバチルス属の新種であるSANK 70182株(FERM BP−08672)を用いて前記基質を乳酸発酵する第二工程とを有し、前記基質を加熱殺菌せず、前記第二工程において発酵温度を45〜60℃とすることを特徴とする。
まず、木質系バイオマスを加水分解して糖を含む基質を得る第一工程を行う。
木質系バイオマスとしては、例えば、古紙、木材、農業廃棄物等が挙げられる。古紙としては、例えば、オフィス紙の古紙(以下「オフィス古紙」という)、雑誌、段ボール紙、新聞紙等が挙げられる。木材としては、例えば、建設系廃木材、間伐材、林地残材、製紙廃液等を用いることができる。また農業廃棄物としては、例えば、籾殻、稲わら、麦わら、トウモロコシの茎・葉、バガス等を用いることができる。
木質系バイオマスとしては、上記のように、古紙、農業廃棄物は勿論のこと、建設系廃木材等を用いることができるので、入手が容易で非常に安価であり、L‐乳酸を製造する際の原料コストを低減することができる。
上記の木質系バイオマスの中でも、特に古紙はセルロース分を多く含み、且つリグニン分が少ないので、薬品や熱を用いた前処理をしなくても酵素によって比較的容易に加水分解される。このような理由から、古紙を用いることが好ましい。
木質系バイオマスは、加水分解を行うために予め前処理しておくことが好ましい。前処理としては、例えば、古紙の場合、裁断、離解(パルピング)、乾式による繊維化を行い、木材の場合、硫酸や水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を添加し加熱処理したり、爆砕処理等を行う。
加水分解の方法としては特に制限はないが、例えば、前処理された木質系バイオマスを分散させた分散液に、セルラーゼなどの酵素を添加することにより行うことができる。セルラーゼを添加する方法として、セルラーゼを生産する微生物、例えばトリコデルマ・リーセイ等の培養液を上記の分散液に加えることもできる。また、加水分解の方法として、酸、アルカリ等を上記分散液に作用させる方法を用いてもよい。
このように木質系バイオマスを加水分解すると、主としてグルコース、キシロース、マンノース、セロビオースなどの糖を含む溶液が得られ、この溶液をそのまま、あるいは濃縮することにより糖濃度を高めて、後述の乳酸発酵における基質として用いることができる。ここで、得られた基質の加熱殺菌は行わないが、コンタミネーションを防止するため直ちに発酵工程に供することが望ましい。
次いで、第一工程で得られた基質を、微生物として、上記の特定塩基配列を有するバチルス属の新種、又は、バチルス属の新種であるSANK 70182株を用いて乳酸発酵する第二工程を行う。
ここで、バチルス属の新種であるSANK 70182株を用いることができ、当該SANK 70182株の変異株を用いてもよい。SANK 70182の変異株を用いる場合、16S rDNAの塩基配列が配列番号1で示される変異株が好ましく用いられる。
バチルス(Bacillus)属の新種であるSANK 70182株(以下、「SANK 70182株」と称する場合がある)は、グルコースやキシロースなどから多量の乳酸を生産する性質を有する。
SANK 70182株は、乳酸発酵を行うために通気を必要としない。したがって、前記第二工程を嫌気的に行うことができ、製造装置において通気機構を設けないことで、運転および設備コストを低減することができる。
なお、SANK 70182株は、ラクトバチルス(Lactobacillus)属細菌と異なりカタラーゼ活性を有するので、好気条件下でも増殖することができ、第二工程の実施中に菌体増殖を優先させる場合には、製造装置において通気機構を設けて、通気を行っても良い。
第二工程において、前記基質は滅菌することなく用いる。また、第二工程において、発酵温度は45〜60℃とする。
SANK 70182株は耐熱性を有し、生育温度は27〜60℃で、乳酸生産のための最適温度は45〜50℃であり、この温度では他の多くの微生物は生育できない。また、生産した乳酸が発酵槽中に蓄積することによって、他の微生物の生育を阻害する効果もある。したがって、培地を滅菌しなくても、発酵温度を制御することによってSANK 70182株が優先的に生育するような環境にすることが可能なため、基質を加熱殺菌したり、発酵容器にコンタミネーション防止の機構を設けたりする必要がなく、発酵設備のコストを低減することができる。
また、栄養要求性については、例えば、多量の乳酸を生成することが知られているラクトバチルス(Lactobacillus)属細菌は酵母エキス、ペプトンなど比較的高価な栄養源を必要とするのに対し、SANK 70182株は利用可能な炭素源に安価なコーンスティープリカー(CSL)と少量の無機塩のみを含む培地で生育可能であって、比較的栄養要求性が低く、培地コストは低く抑えられる。
例えばSANK 70182株を用いて前記基質を乳酸発酵する方法としては、発酵容器に炭素源である基質、CSL等の窒素源、硫酸マグネシウム等の無機塩を含む発酵培地に、前記SANK 70182株の培養液、乾燥菌体または胞子を添加し、上記温度範囲で一定時間培養し、実施することができる。このとき、培地のpHは通常6〜8である。また、上記温度範囲で培養する時間は特に限定されないが、通常20時間〜50時間である。
このように、上記特定塩基配列を有するバチルス属の新種、又は前記SANK 70182株を用い、前記基質を乳酸発酵することにより、L‐乳酸の光学純度の高い(例えば、(L−D)/(D+L)×100で定義されるL‐乳酸の光学純度が90%以上の)乳酸が得られる。このとき、糖に対する乳酸収率、乳酸生産性(時間当たり乳酸生産量)も高い。
特定塩基配列を有するバチルス属の新種、又は前記SANK 70182株としては、胞子を用いることが好ましい。
例えば、発酵容器に窒素源、少量の無機塩類、及び前記基質を入れて発酵培地を調製し、この発酵培地に胞子を形成した前記SANK 70182株の菌体を、シード(以下、「シード」という)として添加することができる。
SANK 70182株の特徴として、温度、pH、栄養条件等によって胞子を形成することが挙げられる。例えば、予め、40〜60℃、pH6〜8で培養し、糖が欠乏した状態で培養を継続することにより、胞子を形成させることができる。バチルス(Bacillus)属細菌の胞子は一般的に乾燥や高温、また環境の変化に対して安定で、長期間保存が可能である。
胞子は環境条件を整えると速やかに発芽し、生育するので、乳酸発酵の前段にシード培養(予備培養)を行う必要がなく、ストックした胞子を一定量添加することによって発酵を行うことができる。したがって、シード培養に必要な時間、エネルギー、予備培養槽などの装置、等を削減することができ、コストを削減することができるとともに、添加する胞子の量を調整することによって、生産速度や総生産量の制御を容易に行うことができる。また、培養槽を木質系バイオマスの発生場所に立地させることができ、その輸送に必要な時間・コストを低減することができる。
また、胞子は乾燥に強いため、SANK 70182株などの胞子を乾燥、粉末化して保存、輸送することができる。このように乾燥して粉末化したものを用いれば、大量培養に容易に対応可能となるだけでなく、取り扱いが簡便となり、菌の保存・輸送コストを低減することができる。上述のように菌体が取り扱いやすいため、菌体の管理において熟練した技術が必要なく、自動化が容易となる。
このようにして得られた乳酸は、高純度のL‐乳酸を含み、効率よくL‐乳酸を回収して、ポリ乳酸等の生分解性プラスチック等の原料として用いることができる。
本発明の製造方法に用いられる製造装置は、微生物を予備培養するための予備発酵槽を有さず、基質を加熱殺菌するための殺菌機構を有さず、コンタミネーション防止機構を有さないものとして構成することができる。例えば、前記第一工程を行うための糖化槽と、前記第二工程を行うための発酵槽のみからなり、糖化槽と発酵槽が互いに配管により連通されたものとして構成することができる。したがって、設備コストの大幅な削減ができる。
例えば、上述の前処理の施された木質系バイオマスを糖化槽に供給し、糖化槽において前記第一工程を完了して基質を得た後に、該基質を配管を介して発酵槽に移送して、前記第二工程を開始することができる。また、前記第一工程による加水分解と、得られた基質の発酵槽への移送と、前記第二工程による乳酸発酵とを、並行して進行させてもよい。
さらに別の形態として、糖化槽と発酵槽とを互いに独立に設け、第一工程により得られた基質を糖化槽からいったん別の容器に回収し、運搬して、発酵槽に供給し、その後第二工程を行ってもよい。
以上説明したように、本発明によれば、装置の簡略化、発酵設備のコスト低減、乳酸の原料コストの低減、培地の栄養源コストの低減が実現され、かつ高純度のL‐乳酸を含んだ乳酸を得ることができる。このことにより、大幅にコストを低減して、L‐乳酸を得ることができるようになり、生分解性プラスチック等の材料をより安価に提供できる。
本発明者らは、収集した細菌の中から高温培養で糖から酸を生成する細菌100株を選抜し、さらにフラスコ培養で決定した培養条件でL−乳酸高生産株を選抜した。当該培養条件で高い対糖変換率を示した株を中心に、各種古紙糖化液からの乳酸発酵をジャーファーメンターを用いて比較検討し、バチルス(Bacillus)属の新種として見出したSANK 70182株、又は、配列番号1で示される16S rDNA塩基配列(「特定塩基配列」)を有するバチルス属の新種が、資化可能な炭素源からのL‐乳酸の製造において、耐熱性、光学純度、乳酸生産能について特にすぐれた特性を有することを見出した。ここで、資化可能な炭素源としては、上述した木質系バイオマスの糖化液以外に、糖蜜、デンプン質の糖化液等が利用可能である。
このように資化可能な炭素源からL−乳酸を製造する場合、微生物を予備培養するための予備発酵槽を有さず、基質を加熱殺菌するための殺菌機構を有さず、コンタミネーション防止機構を有さない上述の製造装置を用いることができる。
なお、資化可能な炭素源からのL−乳酸の製造において、上記特定配列を有するバチルス属の新種、又は前記SANK 70182株の胞子を用いることが好ましい。
バチルス(Bacillus)属の新種であるSANK 70182株は、埼玉県新座市の堆肥から分離された株である。
SANK 70182株の分類学的性状は次に示す通りである。
1.形態学的性状
普通寒天培地(栄研)で45℃、24時間培養後の観察では、細胞が幅1μm、長さが4−6μmの桿菌であり、運動する。グラム染色は、陽性である。培養72時間後には、タマゴ型または長い楕円の胞子が細胞の端に形成され、胞子を形成した細胞の端が膨張する。
2.培養学的性状
普通寒天培地(栄研)で45℃、48時間培養後のコロニーは扁平、周辺は波状である。コロニーの色調は灰味茶黄で、鈍光を有する。
3.生理学的性状
(1)カタラーゼ:+
(2)好気条件下での生育:+
(3)嫌気条件下での生育:+
(4)酸の生成
D−グルコース:+
D−キシロース:+
L−アラビノース:+
D−マンニトール:−
可溶性でんぷん:+
(5)硝酸塩の還元:+
(6)ガスの生成:−
(7)カゼインの分解:−
(8)ゼラチンの分解:−
(9)VP試験:+
(10)生育温度
27℃:+(微弱)
40℃:+
45℃:+(良好)
50℃:+(良好)
55℃:+
65℃:−
(11)NaCl含有培地での生育
5%:+
7%:−
4.遺伝学的性状
(1)G+C含量:46.6%
(2)16S rDNAの解析:解読した塩基配列(463)(配列番号1で示される)の38−463塩基部分をジーンバンク(GenBank)に登録されている細菌の各種の基準株のデータと比較し、サイトウ・エヌ・エンド・エム・ネイ、モル・バイオ・エボル(Saitou N.,and M.Nei,Mol.Bio.Evol.)4、406−425(1987年)の近隣結合法により系統解析したところ図1に示す結果が得られ、系統的にはバチルス(Bacillus)属に属した(図1)。しかし、最も近接であるバチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)の基準株とは8塩基異なった。
SANK 70182株のD−キシロースからの酸の生成、L−アラビノースからの酸の生成、硝酸塩の還元と5%NaCl含有培地での生育は陽性であり、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)の基準株のこれらの性状は陰性であった。SANK 70182株は、生理学的性状と16S rDNAの塩基配列からバチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)とは明確に区別できる。よって、SANK 70182株は、バチルス(Bacillus)属の新種と同定された。
SANK 70182株は、「バチルス(Bacillus)属の新種 SANK 70182」として2004年3月29日、日本国茨城県つくば市東1‐1‐1中央第6の独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに国際寄託され、受託番号FERM BP−08672を付与された。
下記実験条件において、SANK 70182株の生産する乳酸量と乳酸の光学純度を測定した。
(シード)
予め、スラント固体培地を用いてSANK 70182株を37℃で培養し、保存用スラントとした。
保存用スラントからコロニーを約10mm×10mm採取し、下記組成の発酵培地に添加して、下記培養条件で培養した。
(発酵培地)
炭素源:グルコース、100g/L
窒素源:CSL、20g/L
無機塩:MgSO・7HO、0.3g/L
pH調整:CaCO、40g/L(培養初期に添加)
(培養条件)
発酵容器:200mL三角フラスコ、液量50mL、シリコーンゴム栓
温度:47℃
振とう:往復80rpm
(分析)
培養終了後、培養液を遠心分離し、遠心上清中のL‐乳酸、D‐乳酸の濃度を、ロシュ・ダイアグノスティック社製「F−キット D−乳酸/L−乳酸)を用いた酵素法によって分析した。
培養40時間後の上清の乳酸の量は55.7g/L、その中のL−乳酸の量は54.4g/L、D−乳酸の量は1.3g/Lであり、L−体の光学純度は95.3%であった。なお、L‐乳酸の光学純度は、次式により算出した。
L‐乳酸の光学純度(%)=(L−D)/(D+L)×100
ここで、LはL‐乳酸の濃度、DはD‐乳酸の濃度(L‐乳酸の濃度と同一の単位とする)を示す。
木質系バイオマスを原料として用い、下記条件で基質の調整および乳酸発酵を行った。
木質系バイオマス:オフィス古紙を用いた。
菌株:バチルス(Bacillus)属の新種であるSANK 70182株(FERM BP−08672)
シード:炭素源としてグルコースを用い、60時間培養し、胞子を形成させた培養液を1ヶ月冷蔵保存したものを用いた。
(第一工程)
オフィス古紙10w/w%分散液に、セルラーゼ(「セルロシン T2」、エイチビイアイ製)をオフィス古紙に対して5w/w%添加し、45℃、pH4.5にて48時間処理して加水分解した後、吸引濾過した濾液を回収して、基質となる古紙糖化液を得た。
(第二工程)
得られた基質を炭素源として、下記組成の発酵培地を調整した。この発酵培地に、上記で得られたシードを5v/v%添加し、下記培養条件で48時間培養することにより乳酸発酵を行った。
(発酵培地)
炭素源:古紙糖化液
窒素源:CSL、20g/L
無機塩:MgSO・7HO、0.3g/L
pH調整:5mol/Lアンモニア水溶液でpH7.0に制御した。
(培養条件)
発酵容器:5Lジャーファーメンター、液量2L
温度:45℃
攪拌:80rpm
通気:なし
第二工程において、発酵培地中の乳酸、酢酸、糖類[グルコース(Glu)、キシロース(Xyl)、マンノース(Man)、セロビオース(Cello)]の濃度、及び乾燥菌体重量を経時的に測定した。測定においては、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用い、カラムはBioRad社製「HPX−87P」を用いた。結果を図2に示す。以下、図2、3において、左縦軸は有機酸(乳酸、酢酸)、糖類の濃度を示し、右縦軸は乾燥菌体重量を示し、横軸は培養時間を示す。
また、得られた乳酸について、上記と同様の方法でL‐体の光学純度を求めたところ、D‐乳酸の濃度が1.2g/L、L‐乳酸の濃度が48.6g/L、L‐体の光学純度が95.2%であった。
木質系バイオマスとして雑誌古紙を用いた以外は、実施例2と同様に乳酸発酵を行い、実施例2と同様に発酵培地中の物質の量を測定した。結果を図3に示す。
得られた乳酸において、D‐乳酸の濃度が2.2g/L、L‐乳酸の濃度が39.6g/L、L‐体の光学純度が89.5%であった。
[比較例1]
第二工程において、発酵温度を35℃とした以外は、実施例2と同様にして乳酸を製造した。その結果、乳酸の生産量が低下した。なお、実施例2と同様にL‐体の光学純度を求めたところ、89%であった。
[比較例2]
基質としてデンプンの糖化液を用いた以外は実施例2と同様にして乳酸を製造した。生産性は良好であったが実施例2よりもコストが高かった。なお、D‐乳酸の濃度が5.8g/L、L‐乳酸の濃度が61.2g/L、L‐体の光学純度が82.7%であった。
図2、3から明らかなように、実施例2、3では、いずれも1ヶ月冷蔵保存していたシードを使用したにも関らず、発酵が速やかに進行した。
グルコースは20時間程度でほぼ全て消費され、乳酸生産量もこれに連動して0時間〜20時間の間で大きく増加した。古紙糖化液において糖の10%程度を占めていたキシロースは、グルコースに比べ消費される速度が遅いものの、実施例3では30時間でほぼ100%消費され、実施例2では70時間で80%程度消費された。発酵率、即ち糖に対する乳酸収率は仕込んだ基質中の糖ベースで実施例2、3につきそれぞれ75%、90%であった。また消費した糖ベースでそれぞれ77%、92%であった。
また、実施例で得られた乳酸は、L‐体の光学純度が高く、ポリ乳酸の原料を得るために良好なものであった。
一方、発酵温度を35℃とした比較例1では、乳酸の生産量が低下し、効率が悪かった。
本発明のL‐乳酸の製造方法によれば、原料コスト、培地コスト、設備コスト等の製造コストを低減し、純度の高いL‐乳酸を安価に提供することができる。
図1は、16S rDNAの塩基配列に基づき作成したSANK 70182株の系統樹である。 図2は、実施例2における、発酵培地中の糖濃度、酸濃度、乾燥菌体重量の経時変化を示すグラフである。 図3は、実施例3における、発酵培地中の糖濃度、酸濃度、乾燥菌体重量の経時変化を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 配列番号1で示される16S rDNAの塩基配列を有するバチルス(Bacillus)属の新種。
  2. バチルス属の新種であるSANK 70182株(FERM BP−08672)。
  3. 配列番号1で示される16S rDNAの塩基配列を有する請求項2に記載のSANK 70182株。
  4. 請求項1に記載のバチルス属の新種、又は請求項2に記載のSANK 70182株と、資化可能な炭素源とを用いるL−乳酸の製造方法。
  5. 木質系バイオマスを加水分解して糖を含む基質を得る第一工程と、請求項1に記載のバチルス属の新種又は請求項2に記載のSANK 70182株を用いて前記基質を乳酸発酵する第二工程とを有し、前記基質を加熱殺菌せず、前記第二工程において発酵温度を45〜60℃とすることを特徴とするL−乳酸の製造方法。
  6. 前記木質系バイオマスは、古紙であることを特徴とする請求項5に記載のL−乳酸の製造方法。
  7. 前記バチルス属の新種又は前記SANK 70182株の、胞子を用いることを特徴とする請求項5に記載のL−乳酸の製造方法。
  8. 請求項5に記載のL−乳酸の製造方法に用いられることを特徴とするL−乳酸の製造装置。
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