JP2002360244A - 土壌菌担持炭化物及びその製造方法 - Google Patents
土壌菌担持炭化物及びその製造方法Info
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Abstract
に優れた土壌菌である、バチルス コーアグランス(B
acillus Coagulans)或いはバチルス
サーアクランス(Bacillus Circula
ns)(工業技術院生命工学研究所 FERM P−1
7807)のいずれか一方又は両方の菌体を炭化物に担
持させた土壌菌担持炭化物を提供することであり、これ
は効果的な土壌改良効果と発酵処理効果を発揮するもの
である。すなわち、畜産・農業・漁業・食品系廃棄物リ
サイクル用及び工業用を含む環境浄化用微生物資材へ用
途適用可能な土壌菌担持炭化物を提供することである。 【解決手段】 本発明に係る土壌菌担持炭化物は、土
壌菌である、バチルスコーアグランス(Bacillu
s Coagulans)或いはバチルス サーアクラ
ンス(Bacillus Circulans)(工業
技術院生命工学研究所 FERM P−17807)の
いずれか一方又は両方の菌体を担持させる支持体は、炭
化物であることを特徴とする。
Description
びその製造方法に関するものであり、農業用微生物資
材、園芸用土壌改良材料、農地土壌改良材料、特殊肥料
及び肥料、並びに漁業用、畜産用又は工業用の環境浄化
用微生物資材として、更には被発酵処理物資のリサイク
ル技術に及ぶ。
化物の農地土壌改良効果については、古くより注目され
ている。特に活着性の改善効果等は認められるところで
あり、アルカリ分による中和効果又は炭化物への土壌菌
の住み着きによる効果も一部指摘されるところである。
しかしながら、従来の技術はあくまでも炭化物への土壌
菌の自然担持効果を期待したものであり、有用な土壌菌
の積極的な菌相形成を目的としたものではない。
炭化物のみの投与で充分であるが、殺菌剤等を投与され
ている農地では、炭化物の鋤きこみのみでは土壌改良効
果は期待できないところである。このことは、炭化物の
用途が農業資材及びその他発酵処理分野等への積極的な
利用に結びつかず、結果として炭化物の需要拡大は図ら
れていないことから明らかである。
棄物のリサイクルが模索される中で、自然発酵処理が提
起されているが、農地で使用できる堆肥とするに、1次
発酵処理・2次発酵処理を必要とし、時間と場所を必要
としている。ここで炭化物を利用することは農地への還
元を短時間に行うことができることから、さまざまな原
材料を使っての炭化物製造が試みられている。しかし、
用途開発及び安価安定供給は実現していない。
に土壌菌を接種し、土壌菌担持炭化物を構成する技術及
び用途について鋭意研究した結果、広範囲の炭化物につ
いて土壌菌担持可能であり、土壌菌担持炭化物の鋤きこ
みにより、効果的な土壌改良効果と発酵処理効果を見出
し、本発明を完成するに至った。本発明は、従来別個に
扱われていた炭化物と土壌細菌を合理的に組み合わせる
ことにより、廃棄物有効利用のシステムを提供する。す
なわち、炭化物に土壌菌を担持させることにより、作物
・園芸分野における土壌改良用途をはじめとする炭化物
の用途拡大を図ることであり、更には、製紙スラッジ若
しくは食品系廃棄物を炭化物原料として利用することに
より土壌菌担持炭化物を安価安定に提供する。
に優れた土壌菌である、バチルスコーアグランス(Ba
cillus Coagulans)或いはバチルス
サーアクランス(Bacillus Circulan
s)(工業技術院生命工学研究所 FERM P−17
807)のいずれか一方又は両方の菌体を炭化物に担持
させた土壌菌担持炭化物を提供することであり、これは
効果的な土壌改良効果と発酵処理効果を発揮するもので
ある。すなわち、畜産・農業・漁業・食品系廃棄物リサ
イクル用及び工業用を含む環境浄化用微生物資材へ用途
適用可能な土壌菌担持炭化物を提供することである。
れた土壌菌である、サブチルス(Bacillus S
ubtilis)を炭化物に担持させた土壌菌担持炭化
物を提供することである。サブチルスを利用することに
より、特に排水処理資材分野への炭化物利用を推進する
ものである。
て、製紙スラッジの炭化処理物をを用いるか、或いは製
紙スラッジと動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物と
の配合物の炭化処理物を用いることにより、炭化物の中
でも特に好ましい炭化物支持体を提案するものである。
ここで製紙スラッジには、炭化可能な有機物が乾燥重量
あたり50〜70重量%含まれ、その大半は微細セルロ
ースで構成されている。この製紙スラッジを加熱炭化処
理することにより、炭化物乾燥重量あたり10重量%以
上の炭化分を含む炭化物が得られ、しかも微細セルロー
ス炭化物であるので、土壌菌支持体としてその細孔を活
用することを目的とする。製紙スラッジを土壌菌担持炭
化物原材料として利用することは、含まれる有機質が微
細セルロースで構成されることからも合理的であるが、
更に有機質を多量に含む動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品
系廃棄物の前処理である水分調節又は油脂分調節を行な
わせ、その後炭化処理することにより、炭化物の炭素含
量を高めることも目的とする。また、動物骨肉残滓・家
畜糞尿・食品系廃棄物のみを炭化処理して支持体と出来
るところ、製紙スラッジと混合することで、動物骨肉残
滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の加熱炭化処理を容易化す
ることも目的とする。もちろん、安価で安定供給可能な
動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の有効利用をも
目的としている。さらに、製紙スラッジに含まれる無機
質のほとんどはクレー等の土壌成分であるので、完成し
た炭化物を農地土壌改良用資材としうることを目的とす
る。
灰と動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物との配合物
の炭化処理物を支持体とすることで、炭化物の中でも特
に好ましい炭化物支持体を上述した炭素支持体とは別に
提案するものである。動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系
廃棄物の加熱炭化処理を容易化、これらの廃棄物の有効
利用、及び農地土壌改良用資材として利用は前記と共通
である。特に強調すべきは次の通りである。一般に製紙
スラッジの多くは焼却され、焼却灰はセメント原料とし
て再利用されているが、その他は埋め立て処分されて土
壌改良材料・特殊肥料・肥料等の原料としてはほとんど
利用されていない。しかしながら、この焼却灰は比較的
多孔質であり、水分保持能力もさることながら、油脂分
の吸着保持能力にも優れている。この性質を活用するこ
とを目的とする。製紙スラッジ焼却灰の水分吸着保持性
能と油脂分吸着保持性能の活用例として次を例示でき
る。すなわち、食肉廃棄物として、多量に廃棄される動
物骨肉残滓に含まれる脂身は加熱により容易に液状化す
る。したがって、製紙スラッジ焼却灰に動物骨肉残滓・
家畜糞尿・食肉系廃棄物を混合し、加熱炭化処理を行う
段階で、液状化した油脂分は焼却灰に吸着保持され、そ
の状態で自燃炭化する。
能な廃棄物を用いて土壌菌を担持させうる炭化処理物を
生産・使用して、上記した土壌菌担持炭化物を安価安定
供給可能に製造する方法を提供することである。すなわ
ち製紙スラッジ又は製紙スラッジ焼却灰等の利用であ
り、更には動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の利
用であり、それらの組合わせの利用である。同時に炭化
物に芽胞を確実に形成させることを目的とする。特に製
紙スラッジ焼却灰を使用する場合には、配合する動物骨
肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の残余油脂分は栄養材
料として機能し土壌菌の増殖と芽胞形成を確実なものと
する。
て木炭・活性炭・泥炭・亜炭・石炭等の使用を提案する
ものである。炭化処理を不要として、安価な土壌菌担持
炭化物の製造方法を提供することである。
おいて、炭化物に芽胞を確実に形成させることを目的と
する。特に木炭、活性炭、建築廃材炭化物等を炭化物支
持体とする場合を対象とする。
炭化物では、土壌菌である、バチルス コーアグランス
(Bacillus Coagulans)或いはバチ
ルス サーアクランス(Bacillus Circu
lans)(工業技術院生命工学研究所 FERM P
−17807)のいずれか一方又は両方の菌体を担持さ
せる支持体は、炭化物であることを特徴とする。
菌であるバチルス サブチルス(Bacillus S
ubtilis)の菌体を担持させる支持体は、炭化物
であることを特徴とする。
支持体は、炭化物含有量が乾燥重量あたり10重量%以
上となるように炭化処理をした製紙スラッジの炭化処理
物であるか、或いは炭化物含有量が乾燥重量あたり10
重量%以上となるように炭化処理をした、動物骨肉残滓
・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと製紙スラ
ッジとの配合物の炭化処理物であることが好ましい。
支持体は、炭化物含有量が乾燥重量あたり10重量%以
上となるように炭化処理をした、動物骨肉残滓・家畜糞
尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと製紙スラッジ焼却
灰との配合物の炭化処理物であることが好ましい。
は、土壌菌である、バチルス コーアグランス(Bac
illus Coagulans)或いはバチルス サ
ーアクランス(Bacillus Circulan
s)(工業技術院生命工学研究所 FERM P−17
807)のいずれか一方又は両方の菌体を炭化物支持体
に担持させた、あるいは土壌菌である、バチルス サブ
チルス(Bacillus Subtillis)の菌
体を炭化物支持体に担持させた土壌菌担持炭化物の製造
方法であって、籾殻、稲藁若しくは製紙スラッジ、或い
は動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも
1つ、動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なく
とも1つと製紙スラッジとの配合物又は動物骨肉残滓・
家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと製紙スラッ
ジ焼却灰との配合物について、炭化物含量が乾燥重量あ
たり10重量%以上となるように炭化処理物を形成し、
該炭化処理物の水分含量を25〜75重量%に調製し、
かつpHが7.45以下に水分含有炭化処理物を形成
し、該水分含有炭化処理物に前記土壌菌を接種し、前記
菌体を支持体乾燥グラム重量あたり104個以上担持さ
せたことを特徴とする。
棄物の少なくとも1つと製紙スラッジとの配合物には、
動物骨肉残滓と製紙スラッジ、家畜糞尿と製紙スラッ
ジ、食品系廃棄物と製紙スラッジ、動物骨肉残滓と家畜
糞尿と製紙スラッジ、動物骨肉残滓と食品系廃棄物と製
紙スラッジ、家畜糞尿と食品系廃棄物と製紙スラッジ、
動物骨肉残滓と家畜糞尿と食品系廃棄物と製紙スラッ
ジ、の各配合物の組合せがある。動物骨肉残滓・家畜糞
尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと製紙スラッジ焼却
灰との配合物についても同様の組合せがある。
は、土壌菌である、バチルス コーアグランス(Bac
illus Coagulans)或いはバチルス サ
ーアクランス(Bacillus Circulan
s)(工業技術院生命工学研究所 FERM P−17
807)のいずれか一方又は両方の菌体を炭化物支持体
に担持させた、あるいは土壌菌である、バチルス サブ
チルス(Bacillus Subtillis)の菌
体を炭化物支持体に担持させた土壌菌担持炭化物の製造
方法であって、木炭・活性炭・泥炭・亜炭・石炭のうち
少なくとも1つである炭化物支持体の水分含量を25〜
75重量%に調製し、かつpHを7.45以下に水分含
有炭化物を形成し、該水分含有炭化物に前記土壌菌を接
種し、前記菌体を支持体乾燥グラム重量あたり104個
以上担持させたことを特徴とする。
は、前記水分含有炭化処理物に対して、前記炭化処理物
の乾燥重量に対し1〜20重量%以下の栄養材料を添加
する工程を有することが好ましい。
して発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定し
て解釈されない。
て、木炭・活性炭・泥炭・亜炭・石炭を使用することが
できる。更には、セルロース系素材として籾殻・稲藁・
建築廃材も炭化処理を行うことにより支持体とすること
ができる。動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物も炭
化処理により支持体とすることができる。但し、多量の
水分を含む原材料をそのままの状態で加熱炭化処理する
ことは取り扱いづらいため、製紙スラッジを単独に炭化
処理し、又は製紙スラッジに動物骨肉残滓・家畜糞尿・
食品系廃棄物を配合し炭化処理して、炭化物含量が10
重量%以上である炭化物とすることが好ましい。また、
製紙スラッジ焼却灰に動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系
廃棄物を配合し炭化処理をして炭化物含量が10重量%
以上である炭化物を支持体とすることが好ましい。
する。本発明では炭化処理対象物を乾燥させた後、ほぼ
空気遮断した条件で加熱処理を行なう。空気をほぼ遮断
した条件下で加熱処理を行なうと、炭化処理対象物中の
水素、酸素、有機物等の無機質(灰分となるもの)以外
の成分が徐々に揮発して、炭化物が得られる。本発明に
おける炭化物含有量とは、式1によって定義される。
量)/(炭化物重量) なお、炭化物含有量を調整するために、加熱温度及び空
気遮断性を適宜調節する。
する。まず土壌菌として、駿河菌として上市されている
バチルス コーアグランス或いは駿河菌として上市され
ているバチルス サーアクランスのいずれか一方又は両
方の菌体を用いる場合について説明する。バチルス コ
ーアグランス或いはバチルス サーアクランスのいずれ
か一方又は両方の菌体を液体培養にて種菌とする。この
際、液体培養としてG培地を使用した。G培地組成として
例えば、FeSO4・7H2Oを0.00005%、CuSO4・2H2Oを0.0025
%、ZnSO4・7H2Oを0.0005%、MnSO4・4H2Oを0.005%、MgSO4
を0.02%、CaCl2・2H2Oを0.0025%、K2HPO4を0.05%、(NH4)
2SO4を0.2%、酵母エキスを0.2%、グルコースを0.1%と調
製し、pH7.25〜7.45とした。そして37℃×2日間の振
蕩培養を行い、芽胞形成を相差顕微鏡で確認して種菌と
した。
いては、固形培地による製造方法も採用できる。本発明
は種菌製造方法により制限されるものではない。
法について記載する。炭化物は炭化完了時点で、微生物
にとって、極めて生存困難な温度環境条件を経由してい
るので、確実な菌体接種が実現されなければならない。
したがって、使用する種菌としては、芽胞が確実に形成
されていることが好ましく、位相差顕微鏡による検査が
簡便である。菌体を接種する炭化物のアルカリ分が高い
場合には、流水にてpHを7.45以下とし、さらに水分
を25〜75重量%に調製する。炭化物に芽胞を確実に
形成させる必要があるため、木炭、活性炭等を炭化物支
持体とする場合には、栄養材料を補給する方法が好まし
い。栄養材料としては、乳糖、ペプトン、肉エキス、酵
母エキス、グルコース等が使用でき、その他ミネラルの
補給も有効である。本発明は栄養材料、ミネラルの種
類、添加量に制限されるものではないが、炭化物表面に
確実な芽胞形成を実現する為に過剰な添加は控えること
が好ましい。
を用いる場合について記載する。バチルス サブチルス
は既に排水処理における油脂分解等、広く使用されてい
る土壌菌である。したがって本土壌菌を炭化物、特に木
炭・活性炭へ担持させる主な目的は、排水処理資材分野
への炭化物利用を推進するものである。ただし、本発明
はこの用途に制限されるものではない。菌体接種の方法
及び担持させる方法については、前述のバチルス コー
アグランス或いはバチルス サーアクランスのいずれか
一方又は両方の菌体を用いる場合と同様である。
場合、残物質が土壌菌の栄養源となるので有効である。
またミネラルも保持されるので土壌菌支持体としては合
理的である。しかしながら、含まれる水分、油脂分又は
臭気により、その取り扱いは容易でない。したがって、
その取り扱いを容易とする為に製紙スラッジ又は製紙ス
ラッジ焼却灰を利用する方法は、土壌菌担持炭化物の安
価安定供給に資するものであり有効な手段である。
ーアグランス或いはバチルス サーアクランスのいずれ
か一方又は両方の菌体の培養ではG培地を使用した。ま
た、バチルス サブチルスの菌体の培養でもG培地を使
用した。G培地組成は、FeSO4・7H2Oを0.00005%、CuSO4・2
H2Oを0.0025%、ZnSO4・7H2Oを0.0005%、MnSO4・4H2Oを0.0
05%、MgSO4を0.02%、CaCl2・2H2Oを0.0025%、K2HPO4を0.
05%、(NH4)2SO4を0.2%、酵母エキスを0.2%、グルコース
を0.1%と調製し、pH7.25〜7.45とした。そして37℃×
2日間の振蕩培養を行い、芽胞形成を相差顕微鏡で確認
して種菌とした。
った。製紙スラッジを単独で炭化物とした場合の炭化物
含量を表1に示す。いずれの製紙スラッジについても炭
化物含量は10重量%以上であり、土壌菌支持体として
利用できる。この炭化物を支持体として使用することと
する。
に示す製紙スラッジ炭化物の4種類(A〜D)それぞれ
を、流水にてpHが7.45以下になるまで水洗し、水分
が45重量%となるように水分を調製し炭化物支持体と
した。これに栄養源として、水分重量に対し乳糖0.5
重量%・ペプトン1.0重量%を添加した。次に上記種
菌培養方法で調製した土壌菌種菌を接種し、37℃にて
培養を行い、芽胞形成を確認後、70℃で温風乾燥を行
い、水分を25重量%に調製して土壌菌担持炭化物1A〜
1Dとした。
及び椰子殻活性炭を流水にて、pHが7.45以下になる
まで水洗し、水分が45重量%となるように水分を調製
して炭化物支持体とした。これに栄養材料として水分重
量に対し乳糖0.5重量%・ペプトン1.0重量%を添
加した。次に上記種菌培養方法で調製した土壌菌種菌を
接種し、37℃にて培養を行い、芽胞形成を確認後、70℃
温風乾燥を行い水分を25重量%に調製し土壌菌担持炭
化物2とした。
パルプ一貫工場製紙スラッジ1重量部あたりに、等量の
豚骨肉残滓及び野菜屑を加え、加熱炭化処理を行った。
この炭化物の水分を65重量%に調製し、上記種菌培養
方法で調製した土壌菌種菌を接種し、37℃×7日間培
養を行い、芽胞形成を確認後、70℃温風乾燥を行い、
水分を25重量%以下に調製して土壌菌担持炭化物3と
した。
パルプ一貫工場製紙スラッジ焼却灰1重量部あたりに、
等量の骨肉残滓及び野菜屑を加え、加熱炭化処理を行な
い、炭化物含量として乾燥重量あたり12重量%の炭化
物を得た。上記種菌培養方法で調製した土壌菌種菌を接
種し、土壌菌担持炭化物4とした。
パルプ一貫工場製紙スラッジ焼却灰に動物骨肉残滓を加
え、加熱炭化処理を行ない、炭化物含量として乾燥重量
あたり9〜12重量%の炭化物を得た。上記種菌培養方
法で調製した土壌菌種菌を接種し、土壌菌担持炭化物5
とした。栄養材料・ミネラルの補給なしに、完成炭化物
乾燥グラム重量あたり104個以上の菌数を担持した。
農地に10アールあたり100kg耕運し、殺菌剤を使
用せずに1月間経過後に馬鈴薯の作付を行った。そうか
病発生はなく、土離れも良好な結果が得られた。微生物
資材として、又は土壌改良材料として使用できるもので
ある。なお、接種した菌は、バチルス コーアグランス
或いはバチルス サーアクランスのいずれか一方又は両
方としても、バチルスサブチルスとしても共に良好な結
果が得られた。
に10アールあたり100kg耕運し、殺菌剤を使用せ
ずに1月間経過後に馬鈴薯の作付を行った。そうか病発
生はなく、土離れも良好な結果が得られた。微生物資材
として、又は土壌改良材料として使用できるものであ
る。なお、接種した菌は、バチルス コーアグランス或
いはバチルス サーアクランスのいずれか一方又は両方
としても、バチルス サブチルスとしても共に良好な結
果が得られた。
育苗培土480gあたり20g加え、これを実施例3A〜3Dと
した。無添加標準区を比較例3−1とした。炭化灰をカ
ーネーション育苗培土480gあたり20g加え、比較例3−
2と比較した。結果を表2に示す。実施例3A〜3Dでは
成長量が増加し、再現性のある活着性能も確認できた。
バチルス サーアクランスのいずれか一方又は両方とし
ても、バチルス サブチルスとしても共に良好な結果が
得られた。
合し、70℃熱風にて水分を65重量%に調製して、4
0℃×7日間発酵処理を行った。この結果、魚臭の少な
い発酵処理物が得られた。
合し、40℃×1月間発酵処理を行った。無臭の発酵処
理物が得られた。
4]のいずれの施用例についても、土壌改良効果は認め
られた。また製紙スラッジ又は製紙スラッジ焼却灰は、
被処理物資の水分調節、油脂分調節材料として有効であ
る。
ッジの炭化物含量を1.72〜16.37重量%の範囲
で調製し(実施例6−1〜実施例6−5)、上記種菌培
養方法で調製した土壌菌種菌を担持させてその菌数をM
PNにより求めた。更に、土壌菌担持炭化物5の炭化物
含量を9.69〜12.04重量%の範囲で調製し(実
施例6−6〜実施例6−8)、その菌数をMPNにより
求め、結果を表3に示した。
表3に示すように乾燥重量あたり10重量%以上の場
合、土壌菌数は炭化物乾燥重量あたり104個/g以上
担持可能であった。炭化物含量が10重量%を下回る場
合では、菌数を高濃度で担持させることは困難であっ
た。したがって、炭化物含量は10重量%以上が実用的
であり、確実な土壌菌担持を可能とするものである。
扱われていた炭化物と土壌細菌を合理的に組み合わせる
ことにより、廃棄物有効利用のシステムを提供すること
ができる。畜産・農業・漁業・食品系廃棄物リサイクル
用及び工業用を含む環境浄化用微生物資材へ用途適用可
能な土壌菌担持炭化物を提供することができた。すなわ
ち、炭化物に土壌菌を担持させることにより、作物・園
芸分野における土壌改良用途をはじめとする炭化物の用
途拡大(土壌改良材料・特殊肥料・肥料分野等への利
用)を図り、更に製紙スラッジ若しくは食品系廃棄物を
炭化物原料として利用することにより土壌菌担持炭化物
を安価安定に提供することができる。
資材分野への炭化物利用を推進することができる。
も特に好ましい炭化物支持体を提案することができた。
製紙スラッジ炭化物の細孔を活用することができる。更
に有機質を多量に含む動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系
廃棄物の前処理である水分調節又は油脂分調節を行なわ
せ、その後炭化処理することにより、炭化物の炭素含量
を高めることもできる。安価で安定供給可能な動物骨肉
残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物を製紙スラッジと混合す
ることで、動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の加
熱炭化処理を容易化することが可能となる。さらに、製
紙スラッジに含まれる無機質のほとんどはクレー等の土
壌成分であるので、完成した炭化物を農地土壌改良用資
材としうる。
も特に好ましい別の炭化物支持体を提案することができ
た。一般に製紙スラッジの多くは焼却され、焼却灰はセ
メント原料として再利用されているが、その他は埋め立
て処分されて土壌改良材料・特殊肥料・肥料等の原料と
してはほとんど利用されていないところ、焼却灰は比較
的多孔質であり、水分保持能力と油脂分の吸着保持能力
にも優れているという特性を活用することが出来た。
給可能な廃棄物を用いて土壌菌を担持させうる炭化処理
物を生産・使用して、上記した土壌菌担持炭化物を安価
安定供給可能に製造する方法を提供することができた。
すなわち製紙スラッジ又は製紙スラッジ焼却灰等の利用
であり、更には動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物
の利用であり、それらの組合わせの利用を利用する。同
時に炭化物に芽胞を確実に形成させることができる。特
に製紙スラッジ焼却灰を使用する場合には、配合する動
物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の残余油脂分は栄
養材料として機能し土壌菌の増殖と芽胞形成を確実なも
のとする。
として木炭・活性炭・泥炭・亜炭・石炭等の使用を提案
することが出来た。炭化処理を不要として、より安価に
土壌菌担持炭化物を提供しうる。
6の製造方法において、炭化物に芽胞を確実に形成させ
ることができる。特に木炭、活性炭等を炭化物支持体と
する場合に効果的である。
土壌菌を確実に該炭化物に担持させ、速やかに農地に還
元できることとなったことは、循環型社会構築に向けて
大きく貢献するものである。
Claims (7)
- 【請求項1】土壌菌である、バチルス コーアグランス
(Bacillus Coagulans)或いはバチ
ルス サーアクランス(Bacillus Circu
lans)(工業技術院生命工学研究所 FERM P
−17807)のいずれか一方又は両方の菌体を担持さ
せる支持体は、炭化物であることを特徴とする土壌菌担
持炭化物。 - 【請求項2】土壌菌であるバチルス サブチルス(Ba
cillus Subtilis)の菌体を担持させる
支持体は、炭化物であることを特徴とする土壌菌担持炭
化物。 - 【請求項3】前記支持体は、炭化物含有量が乾燥重量あ
たり10重量%以上となるように炭化処理をした製紙ス
ラッジの炭化処理物であるか、或いは炭化物含有量が乾
燥重量あたり10重量%以上となるように炭化処理をし
た、動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくと
も1つと製紙スラッジとの配合物の炭化処理物であるこ
とを特徴とする請求項1又は2記載の土壌菌担持炭化
物。 - 【請求項4】前記支持体は、炭化物含有量が乾燥重量あ
たり10重量%以上となるように炭化処理をした、動物
骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと
製紙スラッジ焼却灰との配合物の炭化処理物であること
を特徴とする請求項1又は2記載の土壌菌担持炭化物。 - 【請求項5】土壌菌である、バチルス コーアグランス
(Bacillus Coagulans)或いはバチ
ルス サーアクランス(Bacillus Circu
lans)(工業技術院生命工学研究所 FERM P
−17807)のいずれか一方又は両方の菌体を炭化物
支持体に担持させた、あるいは土壌菌である、バチルス
サブチルス(Bacillus Subtilli
s)の菌体を炭化物支持体に担持させた土壌菌担持炭化
物の製造方法であって、 籾殻、稲藁若しくは製紙スラッジ、或いは動物骨肉残滓
・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも1つ、動物骨肉
残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと製紙
スラッジとの配合物又は動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品
系廃棄物の少なくとも1つと製紙スラッジ焼却灰との配
合物について、炭化物含量が乾燥重量あたり10重量%
以上となるように炭化処理物を形成し、 該炭化処理物の水分含量を25〜75重量%に調製し、
かつpHが7.45以下に水分含有炭化処理物を形成
し、 該水分含有炭化処理物に前記土壌菌を接種し、前記菌体
を支持体乾燥グラム重量あたり104個以上担持させた
ことを特徴とする土壌菌担持炭化物の製造方法。 - 【請求項6】土壌菌である、バチルス コーアグランス
(Bacillus Coagulans)或いはバチ
ルス サーアクランス(Bacillus Circu
lans)(工業技術院生命工学研究所 FERM P
−17807)のいずれか一方又は両方の菌体を炭化物
支持体に担持させた、あるいは土壌菌である、バチルス
サブチルス(Bacillus Subtilli
s)の菌体を炭化物支持体に担持させた土壌菌担持炭化
物の製造方法であって、 木炭・活性炭・泥炭・亜炭・石炭のうち少なくとも1つ
である炭化物支持体の水分含量を25〜75重量%に調
製し、かつpHを7.45以下に水分含有炭化物を形成
し、 該水分含有炭化物に前記土壌菌を接種し、前記菌体を支
持体乾燥グラム重量あたり104個以上担持させたこと
を特徴とする土壌菌担持炭化物の製造方法。 - 【請求項7】前記水分含有炭化処理物に対して、前記炭
化処理物の乾燥重量に対し1〜20重量%以下の栄養材
料を添加する工程を有することを特徴とする請求項5又
は6記載の土壌菌担持炭化物の製造方法。
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