JP3000312B2 - 新規微生物を利用した土壌改良資材とその製造法 - Google Patents
新規微生物を利用した土壌改良資材とその製造法Info
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Description
酵素分解作用を利用した土壌改良資材及びその製造法に
関する。
産出する微生物の存在については、これまでに確認され
ているところであり、またある種の分解微生物を関与さ
せた土壌改良資材も皆無ではない。しかし、本願発明の
ような、新規な有用微生物の複数を有機的に結びつけて
一次、二次発酵に関与させ、堆肥の発酵促進、土壌微生
物の環境改善に資する総合的な土壌改良資材は従来開発
されていない。
生圃場などの改善を命題として、土壌改良資材のメ−カ
−である出願人のスタッフと生物工学を専門とする発明
者らにより共同開発されたもので、土壌に対し生物的に
有用な新規微生物の複数を分離選抜し、これらを安定吸
着するに適切なキャリアと、これらが生理活性物質を産
出する有効なエリシタ−を採択して、それらの全体ある
いは一部を有機的に混合させて、一次、二次発酵に関与
させ、堆肥の発酵促進、土壌微生物の環境改善に資する
総合的な土壌改良資材を提供しようとするものである。
め、本発明は、骨粉等のキャリアに吸着させた新規微生
物バシラスと、炭等のキャリアに吸着させた新規微生物
ストレプトマイセス、卵殻等のキャリアに吸着させた新
規微生物アスペルギルス、ピ−トモス等のキャリアに吸
着させた新規微生物トリコデルマの一種単独で又は二種
以上を混合して成る資料を、米糠とキチンと魚粉とキノ
コ培養粕の配合から成るエリシタ−に混入して、前記バ
シラスに一次発酵に関与させるとともに土壌病原菌に活
性を示す抗生物質を産生させ、前記ストレプトマイセス
に二次発酵に関与させるとともに産生したキチナ−ゼに
より土壌病原菌の細胞膜を溶解させ、前記アスペルギル
スに二次発酵に関与させ、前記トリコデルマに二次発酵
に関与させ、必要に応じて炭、ロ−ム土等の安定剤を添
加して得ることを特徴とする新規微生物を利用した土壌
改良資材の製造法であり、またこれにより得た土壌改良
資材である。
微生物バシラスを米糠をエリシタ−として増殖させて一
次発酵に関与させるとともに土壌病原菌に活性を示す抗
生物質を産生させ、炭等のキャリアに吸着させた新規微
生物ストレプトマイセスをキチンをエリシタ−として増
殖させて二次発酵に関与させるとともに産生したキチナ
−ゼにより土壌病原菌の細胞膜を溶解させ、卵殻等のキ
ャリアに吸着させた新規微生物アスペルギルスは魚粉を
エリシタ−として増殖させて二次発酵に関与させ、ピ−
トモス等のキャリアに吸着させた新規微生物トリコデル
マをキノコ培養粕をエリシタ−として二次発酵に関与さ
せ、前記一次発酵に関与するバシラス資料と、二次発酵
に関与するストレプトマイセス、アスペルギルス、トリ
コデルマの各資料の一種又は二種以上とを混合し、必要
に応じて炭、ロ−ム土等の安定剤を添加して得ることを
特徴とする新規微生物を利用した土壌改良資材の製造法
であり、またこれにより得た土壌改良資材である。
「炭等」、「卵殻等」、「ピ−トモス等」としたのは、
それらに限定されないことによるもので、それ以外の理
想的キャリアを微生物ごとに示すと表1のとおりであ
る。
2756(微工研菌寄第12581号)株として寄託さ
れたものであり、新規微生物ストレプトマイセスは、S
−2836(微工研菌寄第12582号)株として寄託
されたものであり、新規微生物アスペルギルスは、A−
8937(微工研菌寄第12580号)株として寄託さ
れたものであり、新規微生物トリコデルマは、T−24
11(微工研菌寄第12583号)株として寄託された
ものである。これらの微生物学的性質及び酵素産生能に
ついては、表2乃至表6により明らかにする。
エリシタ−に混入し、さらに3の安定剤を添加して土壌
改良資材100%を得る。
る。まず新規微生物バシラスは原核類(細菌)に属し、
これまでは枯草菌と呼ばれていた。抗菌物質を産出する
ため、多くの病原菌に抗菌活性がある。またセルラ−ゼ
を産出するためセルロ−ス質を含む材料を分解すること
ができる。本発明は、このバシラスを骨粉等に休眠状態
で吸着させて安定させ、さらに米糠等をエサにして増殖
させることにより第1次発酵に関与させ、また土壌微生
物に活性を示す抗生物質を産出させることに成功した。
今、病原菌の種類に対応する抗菌活性について示すと表
7のとおりである。
核類(細菌)に属し、これまでは放線菌と呼ばれてい
た。キチナ−ゼ及びセルラ−ゼを産出するため、キチン
質及びセルロ−ス質を含む材料を分解することができ
る。またキチナ−ゼは多くの病原菌の細胞膜にも働くた
め、フザリウム菌、リゾクトニア菌などの土壌病原菌を
溶解することができる。本発明は、このストレプトマイ
セスを炭等に休眠状態で吸着させて安定させ、さらにキ
チン(カニガラ等)をエサにして増殖させることにより
第2次発酵に関与させることに成功した。なおキチナ−
ゼは前記のように土壌微生物の細胞膜を溶解する。高温
選抜された菌であるため、堆肥の発酵温度で良く生育す
る。
に属し、リパ−ゼを産出するため、油を含む材料を分解
することができる。また抗菌物質を産出するため、多く
の病原菌に抗菌活性がある。本発明は、このアスペルギ
ルスを卵殻等に休眠状態で吸着させて安定させ、さらに
魚粉をエサにして増殖させることにより第2次発酵に関
与させることに成功した。
に属し、セルラ−ゼを産出するため、セルロ−ス質をを
含む材料を分解することができる。また担子菌類に寄生
性があるため、菌核類、リゾクトニア菌などを分解する
ことができる。さらに抗菌物質を産出するため、多くの
病原菌に抗菌活性がある。本発明は、このトリコデルマ
をピ−トモス等に休眠状態で吸着させて安定させ、さら
にキノコ培養粕(セルロ−ス)をエサにして増殖させる
ことにより第2次発酵に関与させることに成功した。
炭、ロ−ム土に限定されるものではない。
材は、これを連作障害発生圃場に例えば200〜500
Kg/10aの割合で施用することにより、土壌微生物
の改善がなされ、作物の良好な生育を促進して収穫率を
著しく高めることができる。またこれを堆肥の製造に例
えば5%の割合で供与することにより、発酵の促進がな
され、肥料効果の改善が期待できる。そしてこれらの改
善効果は、上記各新規微生物が資材中に確実に生存して
いることから安定的、継続的であり、また各新規微生物
相互の有機的、相乗的酵素分解作用、抗菌作用により効
率的、総合的にもたらされるものである。
販されている代表的な土壌改良資材との微生物評価を比
較すると、表8のとおりである。
S−34と同等の総微生物数及び耐熱微生物数であるこ
とから、発酵促進効果もこれと同等と推察される。
Claims (4)
- 【請求項1】 骨粉等のキャリアに吸着させた新規微生
物バラシスB−2756(微工研菌寄第12581号)
株と、炭等のキャリアに吸着させた新規微生物ストレプ
トマイセスS−2836(微工研菌寄第12582号)
株、卵殻等のキャリアに吸着させた新規微生物アスペル
ギルスA−8937(微工研菌寄第12580号)株、
ピートモス等のキャリアに吸着させた新規微生物トリコ
デルマT−2411(微工研菌寄第12583号)株の
うち一種又は二種以上を混合してなる資料とを、米糠と
キチンと魚粉とキノコ培養粕の配合から成るエリシター
に混入して、前記バラシス株に一次発酵に関与させると
ともに土壌病原菌に活性を示す抗生物質を産生させ、前
記ストレプトマイセス株に二次発酵に関与させるととも
に産生したキチナーゼにより土壌病原菌の細胞膜を溶解
させ、前記アスペルギルス株に二次発酵に関与させ、前
記トリコデルマに二次発酵に関与させ、必要に応じて
炭、ローム等の安定剤を添加して得ることを特徴とする
新規微生物を利用した土壌改良材の製造法。 - 【請求項2】 骨粉等のキャリアに吸着させた新規微生
物バラシスB−2756(微工研菌寄第12581号)
株と、炭等のキャリアに吸着させた新規微生物ストレプ
トマイセスS−2836(微工研菌寄第12582号)
株、卵殻等のキャリアに吸着させた新規微生物アスペル
ギルスA−8937(微工研菌寄第12580号)株、
ピートモス等のキャリアに吸着させた新規微生物トリコ
デルマT−2411(微工研菌寄第12583号)株の
うち一種又は二種以上を混合してなる資料とを、米糠と
キチンと魚粉とキノコ培養粕の配合から成るエリシター
に混入し、必要に応じて炭、ローム等の安定剤を添加し
て成る新規微生物を利用した土壌改良材。 - 【請求項3】 骨粉等のキャリアに吸着させた新規微
生物バラシスB−2756(微工研菌寄第12581
号)株を米糠をエリシターとして増殖させて一次発酵に
関与させるとともに土壌病原菌に活性を示す抗生物質を
産生させ、炭等のキャリアに吸着させた新規微生物スト
レプトマイセスS−2836(微工研菌寄第12582
号)株をキチンをエリシターとして増殖させて二次発酵
に関与させるとともに産生したキチナーゼにより土壌病
原菌の細胞膜を溶解させ、卵殻等のキャリアに吸着させ
た新規微生物アスペルギルスA−8937(微工研菌寄
第12580号)株は魚粉をエリシターとして増殖させ
て二次発酵に関与させ、ピートモス等のキャリアに吸着
させた新規微生物トリコデルマT−2411(微工研菌
寄第12583号)株をキノコ培養粕をエリシターとし
て二次発酵に関与させ、前記一次発酵に関与するバシラ
ス資料と、前記二次発酵に関与するストレプトマイセ
ス、アスペルギルス、トリコデルマの各資料のうち一種
又は二種以上とを混合し、必要に応じて炭、ローム等の
安定剤を添加して得ることを特徴とする新規微生物を利
用した土壌改良材の製造法。 - 【請求項4】 骨粉等のキャリアに吸着させた新規微生
物バラシスB−2756(微工研菌寄第12581号)
株を米糠から成るエリシターに混入し、炭等のキャリア
に吸着させた新規微生物ストレプトマイセスS−283
6(微工研菌寄第12582号)株をキチンから成るエ
リシターに混入し、卵殻等のキャリアに吸着させた新規
微生物アスペルギルスA−8937(微工研菌寄第12
580号)株は魚粉から成るエリシターに混入し、ピー
トモス等のキャリアに吸着させた新規微生物トリコデル
マT−2411(微工研菌寄第12583号)株をキノ
コ培養粕から成るエリシターに混入し、前記バシラス資
料と、前記ストレプトマイセス、アスペルギルス、トリ
コデルマの各資料のうち一種又は二種以上とを混合し、
必要に応じて炭、ローム等の安定剤を添加して成る新規
微生物を利用した土壌改良材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4025804A JP3000312B2 (ja) | 1992-01-16 | 1992-01-16 | 新規微生物を利用した土壌改良資材とその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4025804A JP3000312B2 (ja) | 1992-01-16 | 1992-01-16 | 新規微生物を利用した土壌改良資材とその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0641532A JPH0641532A (ja) | 1994-02-15 |
JP3000312B2 true JP3000312B2 (ja) | 2000-01-17 |
Family
ID=12176052
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4025804A Expired - Lifetime JP3000312B2 (ja) | 1992-01-16 | 1992-01-16 | 新規微生物を利用した土壌改良資材とその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3000312B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101717722B (zh) * | 2009-11-30 | 2012-08-22 | 中国农业科学院农业环境与可持续发展研究所 | 微生物菌剂及其制备方法和生产生物腐植酸的方法 |
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JPH0656615A (ja) * | 1992-07-31 | 1994-03-01 | Central Glass Co Ltd | 微生物農薬 |
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AU2001234500A1 (en) * | 2000-01-21 | 2001-07-31 | Entomos, L.L.C. | Materials and methods for biological control of soilborne pathogens |
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HU231292B1 (hu) | 2016-11-22 | 2022-09-28 | Zoltán Sólyom | Talajbaktériumok konzerválására szolgáló ejárás célszerűen talajjavító biotrágya-konzerv létrehozására |
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-
1992
- 1992-01-16 JP JP4025804A patent/JP3000312B2/ja not_active Expired - Lifetime
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