JPWO2005093400A1 - 燃料電池型ワイヤレス酵素センサー - Google Patents
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Abstract
【課題】 ワイヤレスで連続的に基質の濃度が計測できかつ、電源を含まない酵素センサーの新しい原理を提供する。【解決手段】 外部からワイヤレスで供給される電波により共振する回路と、その回路に電位を印加する酵素燃料電池とから構成され、さらに燃料電池は測定対象基質濃度に依存して電位が変化するアノードに酵素を用いる酵素燃料電池であり、また酵素燃料電池の電力の変化を共振周波数の変化に変換する共振回路とから構成される使い捨てセンサーチップと、これを外部から制御・表示・電波送受信を行う外部コントローラから構成される酵素センサーシステムを構築する。アノード酵素反応により生じる電子をカソードで外部電子受容体に渡すことにより生じる起電力において、検出項目の濃度に依存して、起電力変化を指標として該基質の濃度を検出することを特徴とする酵素センサーにより、ワイヤレスで目的基質の計測が可能となった。
Description
本発明は、酵素センサーに関する。
酵素センサーとは、酸素電極、過酸化水素電極等の電極表面上に酵素が固定化され、その酵素反応により酵素が基質とする化合物の濃度を電極の信号として検出するセンサーである。例えば、血糖値を簡便かつ迅速に測定しうるグルコースセンサーが開発されている。一方で、糖尿病患者は年々増加する傾向にあり、糖尿病の診断や、患者の在宅管理が非常に重要であるため、血糖値を簡便かつ迅速に測定しうるグルコースセンサーが開発されている。グルコースセンサー素子としては、グルコースオキシダーゼ(GOD)が最もよく用いられている。GODのグルコースの検出原理としては、GODのグルコースの酸化反応の際に消費される酸素を検出する酸素電極型または生成される過酸化水素を検出する過酸化水素電極型が開発された。
しかし、この方法では高い印加電位のため、血液中の他の酸化還元物質に影響を受けてしまうため、1980年代からは様々な電子メディエータを用いて、印加電位をさげるメディエータ型のセンサーが開発されてきている。しかし、GODは、溶存酸素濃度が高くなると電子をメディエータではなく酸素にも渡してしまうため、正確な測定ができない。
そこで、溶存酸素濃度に影響されないメディエータ型の理想的なセンサー素子としてグルコース脱水素酵素(GDH)が注目されるようになった。GDHのなかでも、補酵素結合型のPQQグルコース脱水素酵素(PQQGDH)は、触媒活性が高く、ターンオーバー数が高いため、フェナジンメトサルフェートなどのメディエータを用いた場合、応答電流値が高く、応答時間もはやい。つまり、正確で迅速な測定が可能である。また、補酵素結合型であるため反応溶液中に高価な補酵素を添加する必要がない。さらに、酵素が水溶性であれば緩衝溶液中に界面活性剤が不要であり、取り扱いが容易であるという利点があるため、Acinetobacter calcoaceticus由来の水溶性PQQGDH(PQQGDH−B)はグルコースセンサーの素子として非常に理想的である。いずれにしても、連続的に、かつ信頼できる血糖の計測装置の開発が望まれている。
しかし、これらの酸化還元酵素を酵素電極に応用する場合、酵素反応の結果、還元する電子受容体を再酸化するために、一定の電位を印加する必要があり、そのための外部からの電力供給が不可欠である。さらに電位を加えるために、酵素反応の結果生じた還元物質以外に、例えば生体中に存在する種々の酸化される化合物が電極上で酸化され、夾雑シグナルを呈するという問題もある。さらに、通常の自己血糖診断装置に用いられている使い捨て型のグルコースセンサーでは自己採血し、その血液試料をセンサーチップに添加し、そのセンサーチップを電位が印加できる電源を含むセンサー本体に差込み計測することから、常時、血糖値をモニタリングするには適さない。さらに最近開発されてきた連続グルコースモニタリングシステム、いわゆるContinuous Glucose Monitoring System、CGMSにおいては、従来の酵素センサーチップを体表に装着し、電源を含むセンサー本体を身体に固定することで、常時、血糖を測定することを目的としている。しかし、電源が必要なことから、原理的に微細化することは困難である。
本発明は、ワイヤレスで連続的に基質の濃度が計測できかつ、電源を含まない酵素センサーの新しい原理を提供することを目的とする。
本発明は、外部からワイヤレスで供給される電波により共振する回路と、その回路に電位を印加する酵素燃料電池とから構成される。さらに燃料電池は、測定対象基質濃度に依存して電位(起電力)が変化する、アノードに酵素を用いる酵素燃料電池である。また、酵素燃料電池の起電力の変化を共振周波数の変化に変換する共振回路とから構成される使い捨てセンサーチップと、これを外部から制御・表示・電波送受信を行う外部コントローラから構成される酵素センサーシステムである。
また、燃料電池の起電力に応答し、その電位の変化をコンデンサの容量変化として回路の共振周波数を変化させることを特徴としている。特にそのコンデンサとして、バリキャップダイオードを用いた共振回路で構成されている。
好ましくはそのアノードに用いる酵素は酸化還元酵素であり、特にグルコースを計測対象とする場合は、グルコース酸化酵素あるいはグルコース脱水素酵素である。また、グルコース脱水素酵素としては補酵素としてピロロキノリニンキノン(PQQ)あるいはフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)を含む酵素である。
より具体的には、本発明は、アノードにおける酵素反応により生じる電子を、カソードにおいて電子受容体に渡すことにより生じる起電力により、基質の濃度を測定することを特徴とする酵素センサーである。
また、本発明は、上記の酵素センサーであって、さらに発振回路を含み、該発振回路における共振周波数が該起電力に基づいて変化し、該共振周波数を検出することにより基質の濃度を測定することを特徴とする、酵素センサーである。
また、本発明は、外部から供給される電波により該共振周波数が検出されることを特徴とする、上記の酵素センサーである。
また、本発明は、アノードにおける基質濃度に依存した起電力変化が、発振回路における共振周波数を変化させることを特徴とする、上記の酵素センサーである。
また、本発明は、起電力変化をコンデンサ容量の変化として変換する共振回路を用いることを特徴とする、上記の酵素センサーである。
また、本発明は、起電力変化をコンデンサ容量の変化として変換するためにバリキャップダイオードを用いることを特徴とする、上記の酵素センサーである。
また、本発明は、外部からワイヤレスで供給される電波により共振する回路を含むことを特徴とした酵素センサーであって、
該回路の共振周波数が回路に印加される電位に依存して変化し、
該電位の変化が、アノードに酵素を用いる酵素燃料電池の起電力の変化により生じ、
該起電力の変化が、測定対象基質濃度に依存する、
酵素センサーである。
酵素センサーである。
また、本発明は、アノード酵素としてグルコースを基質とする酵素を用いることを特徴とする、上記の酵素センサーである。
また、本発明は、酵素がグルコース酸化酵素であることを特徴とする、上記の酵素センサーである。
また、本発明は、酵素がグルコース脱水素酵素であることを特徴とする、上記の酵素センサーである。
また、本発明は、グルコース脱水素酵素が補酵素としてピロロキノリンキノンを保有することを特徴とする、上記の酵素センサーである。
また、本発明は、グルコース脱水素酵素が補酵素としてフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)を保有することを特徴とする、上記の酵素センサーである。
本発明のアノードに用いる酵素としては、種々の酸化還元酵素を用いることができる。例えばFADを補酵素とするアルコール、グルコース、コレステロール、フルクトシルアミン、グリセリン、尿酸の酸化酵素、FADを補酵素とするアルコール、グルコース、グリセリンの脱水素酵素、PQQを補酵素とするアルコール、グルコース、グリセリンの脱水素酵素などがあげられる。特にグルコースを測定対象とする場合はグルコース酸化酵素やFADあるいはPQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が望ましい。これは、該酵素を産生する微生物、細胞から単離精製した酵素でもよく、大腸菌などで組換え生産された酵素でもよい。
本発明に用いる燃料電池は、酸化酵素あるいは脱水素酵素をアノードに固定していることを特徴とする酵素燃料電池である。カソードとしては、ビリルビン酸化酵素のように酸素を還元する酵素を用いる電極、あるいは適当な電子受容体を組み合わせた電極でもよい。アノードは、酵素とともに電子受容体を含む構成とすることができる。すなわち、酵素反応により得られた電子を人工電子受容体に渡し、これを電極上で酸化するものでもよい。
あるいはシトクロームを電子伝達サブユニットに有する酵素など、電極と直接電子移動を行える脱水素酵素などは、人工電子受容体を添加しないでアノードを構成することができる。アノードおよびカソードの電極材料としては炭素電極、金電極、白金電極などを用いることができる。アノードの人工電子受容体としては、特に限定されないが、オスミウム錯体、ルテニウム錯体、フェナジンメトサルフェートおよびその誘導体などを用いることができる。
カソードの酵素としては特に限定されないが、ビリルビン酸化酵素やラッカーゼが応用できる。カソードの人工電子受容体としては特に限定されないが、フェリシアン化カリウム、ABTSなどを用いることができる。
本発明においてアノード用酵素としては種々の酸化酵素あるいは脱水素酵素を用いることができる。特にグルコースを計測対象とした場合は、グルコース酸化酵素、PQQあるいはFADを補酵素とするグルコース脱水素酵素を用いることができる。
本発明において酵素を電極に装着する方法としては、そのままカーボンペーストなどの電極材料と混合して用いるものが挙げられる。あるいは、一般の酵素固定化方法を用いて、固定化酵素を調製したあとに電極上に装着することもできる。例えば、両者を混合した後に、グルタルアルデヒドなどの二架橋性試薬で架橋処理する、光架橋性ポリマーや導電性ポリマーや酸化還元ポリマーなどの合成ポリマーあるいは天然高分子マトリックス中に包括固定する方法があげられる。このようにして調製した混合蛋白質を、カーボンペーストと混合あるいはカーボンペーストと混合した後にさらに架橋処理することにより調製した混合物を、カーボンあるいは金、あるいは白金などで構成される電極上に装着する。
さらに、このようにして電極上に酵素を装着するときに、同時に人工電子受容体を固定することも可能である。典型的には、FADを補酵素とするグルコース脱水素酵素、FADGDHとメトキシフェナジンメトサルフェート(mPMS)とを混合し、これをさらにカーボンペーストと混合した後に凍結乾燥する。これをカーボン電極上に装着し、その状態でグルタルアルデヒド水溶液に浸し、蛋白質を架橋し、酵素電極を作成する。
本発明に用いる酵素燃料電池は、計測対象を基質とする酸化あるいは脱水素控訴をアノード電極に固定する。カソードには、酸素還元酵素を固定する。このようにして作製した電極をアノードおよびカソード用電極とし、アノードは例えばm−PMSを人工電子受容体として、また、カソードには例えば、ABTSを人工電子受容体とできる。両極間を可変抵抗器でつないで電池を構築し、測定対象基質を含む試料を添加することによって、得られた電流値あるいは電圧値が計測される。
特に、試料添加によって、基質濃度依存的に電圧値が変化し、この電圧値によって、共振回路を構成するバリキャップダイオードのコンデンサ容量が変化し、結果として共振周波数が変化する。外部から適当な電波を供給し、共振する周波数を検索することにより、該基質の濃度を計測できる。すなわち、あらかじめ共振する周波数と基質濃度との相関を記録し、それにもとづく校正曲線を作成し、観測される共振周波数から未知試料の基質濃度を測定できる。
たとえば、グルコースを対象基質として計測するときはFADGDH、Myrothecium sp.由来ビリルビン酸化酵素(Bilirubin Oxidase; BOD)(天野エンザイム社提供)をカーボンペーストと混合して凍結乾燥後、カーボンペースト電極の表面に充填し、1%グルタルアルデヒドで架橋処理してそれぞれ、酵素が固定されたアノードおよびカソードを調製する。このようにして作製した電極をアノードおよびカソード用電極とし、アノードはm−PMSを電子メディエータまた、カソードはABTSを電子メディエータとする。両極間を可変抵抗器でつないで電池を構築し、グルコースを含む試料を添加することによって、濃度依存的に電流値および電圧値が変化する。これを共振回路を用いて外部電波により計測することで、未知試料のグルコース濃度を計測できる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<FADを補酵素とするグルコース脱水素酵素触媒サブユニットをアノードに用いた酵素燃料電池の構築>
FADを補酵素とする耐熱性のグルコース脱水素酵素触媒サブユニットを既報に従い調製し、アノード電極を固定した。酵素は大腸菌を用いて組換え生産したものを用いた。アノード反応液は100mM p.p.b.(pH7.0)、200 mM m−PMS 50μlまたは100μl(終濃度;1mMまたは2 mM)、2Mグルコース 100μl(終濃度;20mM)を混合し全量を10 mlとした。
カソード電極はMyrothecium sp.由来ビリルビン酸化酵素(Bilirubin Oxidase;BOD)(天野エンザイム社提供)をカーボンペースト20mgと混合し凍結乾燥した。用いる酵素量は以前の報告により50Uとした。これをよく混合した後、すでにカーボンペーストが約40mg充填されたカーボンペースト電極の表面だけに充填し、濾紙上で研磨した。これらの電極を、1%のグルタルアルデヒドを含む10mM MOPS buffer(pH7.0)中で30分室温で撹拌し、さらに10mM Tris buffer(pH7.0)中で20分室温で攪拌した。この電極は10mM MOPS buffer(pH7.0)中で1時間以上室温で撹拌し、平衡化した。測定時以外は10mM MOPS buffer(pH7.0)中で、4℃で保存した。このようにして作製したBOD電極、カソード反応溶液は100mM p.p.b.(pH7.0)9800μl、25mM ABTS 200μl(終濃度;0.5mM)を混合し全量を10mMとして用いた。各電極、反応溶液をアノード、カソードそれぞれ別の恒温セルにセットし、両セル間を塩橋(2.17M KCl溶液を30%アガロースで固めたもの)でつないで電池を構築した。各電極間には可変抵抗器、デジタルマルチメータを接続した(図1)。測定は25℃で行なった。また可変抵抗器にて負荷を1Ωから1MΩまで段階的に変化させ、そのとき得られる電流値と電圧値をデジタルマルチメータで測定した。アノード、カソードとデジタルマルチメータは電流値測定の際には直列に、電圧測定の際には並列につないで測定した。電力は電流値と電圧値の積によって求めた。
<FADを補酵素とするグルコース脱水素酵素触媒サブユニットをアノードに用いた酵素燃料電池型の酵素センサーの構築およびグルコースの計測>
20Uの触媒サブユニットを固定したアノード電極を用いた酵素燃料電池において、m−PMS濃度を2mMとして電池を構築した。抵抗値(40kΩ)の負荷をかけ、アノードのグルコース濃度を0mMから段階的に増加させ、各グルコース濃度にて得られる電流値、電圧値をデジタルマルチメータで測定して電力を算出した。また、電流密度および電力密度は電極表面積(7.1×10−2cm2)に対する得られた電流値および電力値の商により求めた。
20Uの触媒サブユニットを固定したアノード電極を用いた酵素燃料電池において、m−PMS濃度を2mMとして電池を構築した。抵抗値(40kΩ)の負荷をかけ、アノードのグルコース濃度を0mMから段階的に増加させ、各グルコース濃度にて得られる電流値、電圧値をデジタルマルチメータで測定して電力を算出した。また、電流密度および電力密度は電極表面積(7.1×10−2cm2)に対する得られた電流値および電力値の商により求めた。
FADを補酵素とするグルコース脱水素酵素触媒サブユニット20Uを固定した電池の電流、電圧ならびに電力のグルコース濃度依存性を図3、4、5に示す。グルコースの添加により電力が得られ、グルコース濃度依存的に電力が増加した。このように本酵素燃料電池の出力から未知試料のグルコース濃度を計測できる。
<FADを補酵素とするグルコース脱水素酵素複合体をアノードに用いた酵素燃料電池の構築>
FADを補酵素とするグルコース脱水素酵素複合体を固定した電極をアノードに用いた燃料電池を構築した。グルコース脱水素酵素複合体20U(290μg)をカーボンペースト20mgと混合し凍結乾燥した。これをよく混合した後、あらかじめカーボンペーストが約40mg充填されたカーボンペースト電極の表面に充填し、濾紙上で研磨した。これらの電極を、1%のグルタルアルデヒドを含む100mM p.p.b.(pH7.0)中で30分室温で撹拌し、さらに10mM Tris buffer(pH7.0)中で20分室温で攪拌した。これらの電極は100mM p.p.b.(pH7.0)中で1時間以上室温で撹拌した。この電極は測定時以外は100mM p.p.b.(pH7.0)中で、4℃で保存した。アノード反応液は100mM p.p.b.(pH7.0) 9700μl、200mM m−PMS 100μl(終濃度;2mM)、2M グルコース(終濃度;40mM)を混合し全量を10mlとし、カソード電極は上記で作製したBOD電極、カソード反応溶液は100mM p.p.b. (pH7.0) 9800μl、25mM ABTS 200μl(終濃度;0.5mM)を混合し全量を10mMとして用いた。各電極、反応溶液をアノード、カソードそれぞれ別の恒温セルにセットし、両セル間を塩橋(2.17M KCl溶液を30%アガロースで固めたもの)でつないで電池を構築した。各電極間には可変抵抗器、デジタルマルチメータを接続した。測定は25℃で行なった。また、可変抵抗器にて負荷を1Ωから1MΩまで段階的に変化させ、そのとき得られる電流値と電圧値をデジタルマルチメータで測定した。アノード、カソードとデジタルマルチメータは電流値測定の際には直列に、電圧測定の際には並列につないで測定した。電力は電流値と電圧値の積によって求めた。
<FADを補酵素とするグルコース脱水素酵素複合体をアノードに用いた酵素燃料電池型の酵素センサーの構築およびグルコースの計測>
抵抗値の負荷40kΩをかけ、アノードのグルコース濃度を0mMから段階的に増加させ、各グルコース濃度にて得られる電流値、電圧値をデジタルマルチメータで測定して電力を算出した。FADを補酵素とするグルコース脱水素酵素複合体20Uを固定した電池の電流、電圧ならびに電力のグルコース濃度依存性を図6、7、8に示す。グルコースの添加により電力が得られ、グルコース濃度依存的に電力が増加した。このように本酵素燃料電池の出力から未知試料のグルコース濃度を計測できる。
本発明によりワイヤレスで連続的に基質の濃度が計測できかつ、電源を含まない酵素センサーの新しい原理を提供する。
Claims (12)
- アノードにおける酵素反応により生じる電子を、カソードにおいて電子受容体に渡すことにより生じる起電力により、基質の濃度を測定することを特徴とする酵素センサー。
- 第1項に記載の酵素センサーであって、さらに発振回路を含み、該発振回路における共振周波数が該起電力に基づいて変化し、該共振周波数を検出することにより基質の濃度を測定することを特徴とする、酵素センサー。
- 外部から供給される電波により該共振周波数が検出されることを特徴とする、第2項に記載の酵素センサー。
- アノードにおける基質濃度に依存した起電力変化が、発振回路における共振周波数を変化させることを特徴とする、第2項に記載の酵素センサー。
- 起電力変化をコンデンサ容量の変化として変換する共振回路を用いることを特徴とする、第4項に記載の酵素センサー。
- 起電力変化をコンデンサ容量の変化として変換するためにバリキャップダイオードを用いることを特徴とする、第5項に記載の酵素センサー。
- 外部からワイヤレスで供給される電波により共振する回路を含むことを特徴とした酵素センサーであって、
該回路の共振周波数が回路に印加される電位に依存して変化し、
該電位の変化が、アノードに酵素を用いる酵素燃料電池の起電力の変化により生じ、
該起電力の変化が、測定対象基質濃度に依存する、
酵素センサー。 - アノード酵素としてグルコースを基質とする酵素を用いることを特徴とする、第1項〜第7項のいずれかに記載の酵素センサー。
- 酵素がグルコース酸化酵素であることを特徴とする、第8項に記載の酵素センサー。
- 酵素がグルコース脱水素酵素であることを特徴とする、第8項に記載の酵素センサー。
- グルコース脱水素酵素が補酵素としてピロロキノリンキノンを保有することを特徴とする、第10項に記載の酵素センサー。
- グルコース脱水素酵素が補酵素としてフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)を保有することを特徴とする、第10項に記載の酵素センサー。
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